JP4824188B2 - 製版印刷装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より簡便な印刷方式として、製版印刷装置としてのデジタル式感熱孔版印刷装置を使用した孔版印刷が知られている。これは、発熱素子とも呼ばれている微細な発熱体が主走査方向に多数並んだサーマルヘッドを感熱性孔版マスタ(以下、単に「マスタ」という)を介してプラテンローラに押し付け、サーマルヘッドの発熱体にパルス的に通電し発熱させながらプラテンローラでマスタを搬送し、画像情報に基づいて、マスタの多孔質支持体(ベースとも呼ばれる)に貼り合わせてある熱可塑性樹脂フィルム(以下、「フィルム」というときがある)部分を加熱溶融穿孔し製版させた後、その製版済みのマスタを自動搬送して、多孔性円筒状の版胴の外周面に自動的に巻き付け、その製版済みのマスタに対してプレスローラや圧胴等の押圧手段で印刷用紙を連続的に押し付け、版胴内部に設けられたインキ供給部材によりインキを供給しながら、版胴の開孔部分および製版済みのマスタの穿孔部分からインキを通過させ印刷用紙に転移させることで印刷画像を形成させるようになっている。
【0003】
感熱孔版印刷装置における製版装置で使用していたサーマルヘッドの外形形状の大きさとしては、大きいものを使用し、また、プラテンローラの外周径においても大きいもの(φ18mm以上)を使用していた。
上述したような感熱孔版印刷装置においては、サーマルヘッドとして大きいものを使用していたので、サーマルヘッドを製造するにあたっての使用材料量の低減やサーマルヘッド製造効率の向上を図る等の点から望ましいものではなかった。特に、サーマルヘッドを構成している薄膜基板の大きさは、コストアップの最大の要因であった。
【0004】
そこで、近年においては、材料使用量の低減やサーマルヘッド製造効率の向上を狙い、サーマルヘッドの小型化およびプラテンローラの小径化(φ16mm以下)を図ってきている。以下、小型化したサーマルヘッドを小型化サーマルヘッドと、小径化したプラテンローラを小径化プラテンローラというときがある。
小径化プラテンローラ周りの技術を開示したものとしては、本願出願人が提案した特開2000−6358号公報(特願平10−182406号)や、本願出願人が平成11年12月27日付けで特許出願した特願平11−370080号を挙げることができる。
【0005】
このように、最近の製版装置では、コストダウンを図った小型化サーマルヘッドと小径化プラテンローラとを組み合わせて使用することにより、小型化サーマルヘッドにおける薄膜基板上の主走査方向と直交する副走査方向におけるマスタ排出側の薄膜基板端の近傍に、小径化プラテンローラを小型化サーマルヘッドと接離自在に設けるようになってきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、小型化サーマルヘッドでマスタを小径化プラテンローラに密着押し付けする際に、小型化サーマルヘッドの薄膜基板端部等によって、マスタのフィルム面にキズを付けて孔を開けてしまい、この結果として黒点と呼ばれる点状の異常印刷画像が印刷物に生じてしまうときがあった。ここで、後述する従来旧式のサーマルヘッドや後述する従来最近の小型化サーマルヘッドの薄膜基板端部とは、マスタと接触する可能性のある薄膜基板の端面および端縁の一部を含む主走査方向Yに沿った薄膜基板端エッジ部近傍を指す。
【0007】
製版装置を搭載した通常の感熱孔版印刷装置では、図20、図21および後述する実施形態で説明する図1、図2、図4を借りて説明すれば、印刷ドラム101は、インキ通過性の多数かつ微細な開孔部(図示せず)が形成された金属薄板製の支持円筒体と、その外周面に巻き付けられた樹脂もしくは金属製のメッシュスクリーン(図示せず)との2層構造となっている。前記支持円筒体の部分を版胴と呼ぶこともあるが、以下、説明の簡明化を図るため、前記支持円筒体の部分を版胴101または単に印刷ドラム101と呼ぶことがある。
版胴101には、図2、図4、図20および図21において括弧を付すと共に、左斜め上がりのハッチングを施して示すように、版胴101の回転方向(用紙搬送方向X4およびマスタ搬送方向Xでもある)に沿ってその円周上の所定の範囲にわたり前記開孔部が形成されたインキ通過性の印刷画像形成領域17Aと、前記多数の開孔部が形成されていないインキ不通過性の非印刷画像形成領域19とが形成されている。
【0008】
ところで、孔版印刷装置では、非印刷画像形成領域19が存在するにも拘らず、次のような孔版印刷方式特有のインキの拡がりを見せる場合が多い。すなわち、インキローラ105で版胴101の内周面に供給されたインキは、版胴101の印刷画像形成領域17Aの前記多数の開孔部から滲み出てきて製版済みのマスタ15の穿孔部分から印刷用紙62に転移して消費されるが、その一部は製版済みのマスタ15の非穿孔部分と前記メッシュスクリーン層との間および該メッシュスクリーン層自体に保持されるため、印刷画像形成領域17Aの範囲よりもやや広く供給されるようになる。
これに加えて、印刷を繰り返していくうちに図1を借りて示すプレスローラ103によるインキ押し出し作用等によって、印刷画像形成領域17Aにおける用紙搬送方向X4の下流端からさらに該下流側に沿ってインキがはみ出す、俗にインキの「前モレ」とも呼ばれるインキはみ出し領域17Bを形成することが多い。インキはみ出し領域17Bの形成範囲は、インキの特性や、温・湿度等の環境条件や、あるいはマスタの種類等によっても多少の変動があるため、印刷画像形成領域17Aの下流端から用紙搬送方向X4の下流側に何mmの範囲内と一概には言えない。
【0009】
このように、図20に示すように、インキはみ出し領域17Bを形成する場合には、マスタ15のフィルムキズ300の発生箇所としては、プレスローラ103による押圧領域である印刷可能領域(押圧領域)18内であって、かつ、インキはみ出し領域17Bに対応したマスタ先端余白領域16Aで、主走査方向Yに沿って発生するものである。
なお、一般的な現状の感熱孔版印刷装置における版胴101とこの外周面に巻装される製版済みのマスタとの位置・寸法関係の一例については、後述する。
【0010】
また、図21に示すように、インキはみ出し領域17Bが無い理想的な孔版印刷装置の場合には、マスタ15のフィルムキズ300の発生箇所としては、印刷可能領域(押圧領域)18内であって、かつ、マスタ15の製版開始位置15bからマスタ搬送方向Xの下流側にはみ出た(おおよそ製版開始位置15bから3〜5mmの領域)版胴101の印刷画像形成領域17Aに対応したマスタ先端余白領域16Aで、主走査方向Yに沿って発生する。
図20および図21において、括弧を付して示す符号301は、マスタ15におけるフィルムの厚さ方向に貫通したインキ通過性のフィルムキズ300が有る場合において、図示しない印刷用紙の用紙幅方向に沿って形成される黒点と呼ばれる点状の異常印刷画像を表している。また、符号15cはマスタ15のマスタ幅を、符号17はマスタ15の製版領域を、符号17aはマスタ15の製版可能長さを、符号17Aaは印刷画像形成領域(開孔領域)17Aにおける版胴101の回転方向(図1に示す時計回り方向)進み側もしくは下流側の開孔領域始端を、符号18aはプレスローラ103による押圧の始まりである押圧開始位置を、それぞれ表している。
【0011】
上述したように、使用材料量の低減やサーマルヘッド製造効率の向上のために、サーマルヘッドの小型化が図られてきており、小型化サーマルヘッドと小径化プラテンローラとを組み合わせて使用することにより、小型化サーマルヘッドとのセッティングとしての余裕が少なくなってきている。その際の問題の1つとして、小型化サーマルヘッドの薄膜基板端部によるマスタのフィルムキズの発生が挙げられる。
【0012】
以下、図15ないし図21を参照して、小型化サーマルヘッドの薄膜基板端部でマスタのフィルム面にキズを付けてしまう現象を説明する。
図15(a)は、従来旧式のサーマルヘッドおよびプラテンローラ周りの構成を示し、図15(b)は、従来最近の小型化サーマルヘッドおよび小径化プラテンローラ周りの構成を示している。図15(a)、図15(b)および図18の構成部品や部材等の構成要素を説明するに際し、図15(a)における従来旧式のサーマルヘッドおよびプラテンローラ周りの構成要素の符号の末尾に「’」を付加することにより、図15(b)および図18における小型化サーマルヘッドおよび小径化プラテンローラ周りの構成要素と区別するものとする。これら両者の構成要素の違いは、後述する記載内容を除き、形状の大小および接離手段におけるスプリングの付勢力の強弱等が相違するだけであってその機能は同様であるため、その一方を説明した場合は他方の説明をできるだけ省略する。
【0013】
図18に示されているマスタ15は、連続シート状をなし、後述する実施形態で補足説明するマスタロールから繰り出し可能に設けられている。マスタ15は、例えば、厚さが0.5〜5μmのポリエチレンテレフタレート(PET)系の熱可塑性樹脂フィルムと、多孔質支持体とを接着剤等で貼り合わせたものが用いられる。
【0014】
図15(b)において、符号1は小径化プラテンローラを、符号2は小型化サーマルヘッドを、符号3は小型化サーマルヘッド2(以下、単に「サーマルヘッド2」というときがある)を構成する薄膜基板を、符号4はサーマルヘッド2に付いているICカバーを、符号5はサーマルヘッド2に付いているサーマルヘッド基板を、符号6はサーマルヘッド2を構成するアルミ放熱板を、符号28はサーマルヘッド2を小径化プラテンローラ1(以下、単に「プラテンローラ1」というときがある)に対して接離させる接離手段を、それぞれ示す。
【0015】
プラテンローラ1は、プラテンローラ軸1aの両端部が図16に示す製版側板対21,21に回転可能に支持されていることにより、図15で時計回り方向に回転自在となっている。プラテンローラ1は、これを回転させる回転駆動手段としてのプラテンモータ26により図示しない回転伝達機構を介して時計回り方向に回転される。
【0016】
プラテンモータ26は、パルス入力で駆動するモータとして、例えばステッピングモータを用いている。前記回転伝達機構としては、例えば、本願出願人が提案した特開平11−77949号公報の図2に示されている機構と同様のものを用いている。
プラテンローラ1は、その外周部分がシリコーンゴム等の高分子の弾性体層で被覆されていて、その直径が16mm以下のものを使用している。
【0017】
サーマルヘッド2は、接離手段28により、マスタ15を介してプラテンローラ1に接離自在となっている。サーマルヘッド2は、接離手段28に配設された付勢手段としてのスプリング31によりプラテンローラ1に押圧する向きに付勢されている。サーマルヘッド2の主走査方向Y(図16に示す)には、プラテンローラ1にマスタ15を介して当接する部位に多数の発熱体2A(図16に拡大誇張して示す)が並設されている。これらの発熱体2Aは、サーマルヘッド2の薄膜基板3上において、図示しない保護膜を介して、発熱抵抗体で囲まれて形成されている。
【0018】
サーマルヘッド2は、実施形態における図1に示されているように、原稿読取装置80のスキャナ部等に配設されている画像センサ89、図示しないA/D変換部および画像処理部で処理されて送出されるデジタル画像信号に基づき発熱体2Aを選択的に加熱することにより、マスタ15を選択的に溶融穿孔・製版する製版手段としての機能を有する。
サーマルヘッド基板5には、コネクタ、サーミスタ、配線パターン等が配置されている他、ときにはドライバICやコンデンサが搭載される。ICカバー4は、サーマルヘッド基板5に配置・搭載されている前記構成要素を保護するカバーである。また、ICカバー4を無くし、ハードコートで前記ドライバIC等を覆っているものも有る。
【0019】
図15(a)および図15(b)に示した各サーマルヘッド2,2’は、薄膜サーマルヘッドのうちで平面型サーマルヘッドと呼ばれているものである。
図15(a)および図15(b)において、各サーマルヘッド2,2’の薄膜基板端部14,14’には、マスタ15のフィルム面にキズを付ける原因となる微小なバリや凹凸状をなすキズが有る場合が多い。これは、各サーマルヘッド2,2’の製造段階で生じるものである。サーマルヘッド2の薄膜基板端部14のバリやキズを完全に除去することは、製造時での工程を増やすことを意味し、サーマルヘッド2のコストアップになるので、コストダウンを図ったサーマルヘッド2を採用したにも拘らず、最悪コストアップを招くことになってしまう。また、ファクシミリ等の感熱記録装置等でも使用される場合があるので、感熱孔版印刷装置用として特別の追加加工を行うことは得策ではない。
【0020】
接離手段28は、サーマルヘッド2をプラテンローラ1に対して接離させる機能を有しており、例えば本願出願人が提案した特開平10−157052号公報の図4および図5等に示されているものと略同様の構成を具備している。
接離手段28は、図15(b)、図16および図17等に示すように、ヘッドベースとも呼ばれるステー8、偏心カム30、カム軸30a、付勢手段としての一対の引張バネ31,31、ウォーム33B、ウォームホイール33Aおよび接離駆動手段としての圧解除モータ34から主に構成される。
【0021】
ステー8は、板金で一体的に形成されていて、図18のみに示す後述する取付部材を介してサーマルヘッド2を載置する上壁面8aと、上壁面8aの自由端(揺動端)側にL字状に曲げられて形成されたカム押圧部8bと、上壁面8aの基端側に形成された一対の軸受部8d,8dと、一対の軸受部8d,8dの下部に一体的に形成された一対のバネ掛け部8c,8cとから主に構成されている。
【0022】
ステー8は、各軸受部8d,8dに形成された孔に挿通され製版側板対21,21によって支持されている支軸11を支点として揺動可能に支持されている。ステー8は、各バネ掛け部8c,8cと、ステー8の基端側の本体不動部材21A上に植設された一対のバネ掛け部材32,32との間にそれぞれ掛けられている一対のスプリング31,31(引張バネ)によって、図15(b)に示す上向きの矢印方向(時計回り方向)に揺動するように常に付勢されている。
【0023】
カム押圧部8b上には、このカム押圧部8bに選択的に接触してステー8を下向きの矢印方向(反時計回り方向)に揺動させる偏心カム30が配置されている。偏心カム30は、カム軸30aの一端部に一体的に取り付けられていて、その他端部にはウォームホイール33Aが固設されている。カム軸30aの他端は、図において左側の製版側板21に回転可能に支持されている。偏心カム30とウォームホイール33Aとの間のカム軸30aには、扇形状のカムフィラー30Aが取り付けられている。カムフィラー30Aは、その略扇形状をなす部分が偏心カム30の小径部側となるようにその位相が決められている。カムフィラー30Aの配置部近傍には、図において左側の製版側板21に不動部材(図示せず)が一体的に設けられており、その不動部材には、プラテンローラ1に対するサーマルヘッド2の接離状態を検知する接離検知手段としての接離検知センサ35が固設されている。接離検知センサ35は、発光素子および受光素子を具備した周知の透過型光学センサであり、前記発光素子および前記受光素子の部分が圧解除モータ34により選択的に回転されるカムフィラー30Aの外周部を挟むように配置されている。
【0024】
一方、ウォームホイール33Aの配置部近傍における図において左側の製版側板21には、偏心カム30を回転させてプラテンローラ1に対するマスタ15を介してのサーマルヘッド2のプラテン圧を解除するための圧解除モータ34が固設されている。圧解除モータ34としては、例えばDCモータからなる制御モータが用いられている。圧解除モータ34の出力軸端には、ウォームホイール33Aと常時噛合するウォーム33Bが固設されている。
【0025】
ここで、接離手段28および接離検知センサ35に係る動作の詳細を前もって説明しておく。後述する動作説明においては、前記部分に係る動作の詳細説明を省略する。
圧解除モータ34が回転駆動されることで、ウォーム33Bおよびウォームホイール33Aでその回転数が減速されるとともにその回転力が増大されて、偏心カム30が回転される。このとき、図15(b)において、圧解除モータ34が圧解除回転位置を占める方向に所定角度(この場合半回転180°)回転駆動されることにより、偏心カム30がその大径部をステー8のカム押圧部8bに接触させるように一対のスプリング31,31の付勢力に抗して回転されて圧解除モータ34が圧解除回転位置を占めると共に、ステー8の揺動端側が支軸11を中心として下向きの矢印方向に揺動されて、プラテンローラ1に対するサーマルヘッド2のプラテン圧が解除(オフ)されることとなる。このときカムフィラー30Aは、接離検知センサ35の前記発光素子および前記受光素子との間に回転移動され、カムフィラー30Aの外周部が前記発光素子から出射している光を遮ることにより、接離検知センサ35がオフされ離間信号を生成する。これにより、サーマルヘッド2が離間位置を占めたと判断される。
【0026】
一方、図15(b)に示すように、圧解除モータ34が押圧回転位置を占める方向に所定角度(この場合半回転180°)回転駆動されることにより、偏心カム30がその小径部をステー8のカム押圧部8bに対向させるように回転されることで、偏心カム30はカム押圧部8bから離間され、一対のスプリング31,31の付勢力によって、ステー8の揺動端側が支軸11を中心として上向きの矢印方向に揺動され、これによりサーマルヘッド2がプラテンローラ1に接触して所定のプラテン圧が付与(オン)され、サーマルヘッド2の発熱体2A上にマスタ15が押圧・密着されることとなる。このときカムフィラー30Aは、接離検知センサ35の前記発光素子および前記受光素子との間から離れる方向に回転移動され、前記発光素子から出射している光が前記受光素子に入射されることにより、接離検知センサ35がオンされ前記離間信号を消滅するようになっている。これにより、サーマルヘッド2が製版押圧位置を占めたと判断される。
このように、プラテンローラ1からサーマルヘッド2が離間していてプラテン圧がオフされているときにのみ、偏心カム30の大径部がステー8のカム押圧部8bに接触しており、プラテンローラ1に対してサーマルヘッド2がマスタ15を介して接触しているときには、偏心カム30の小径部がステー8のカム押圧部8bに対向しているだけでステー8のカム押圧部8bから離間しているため、プラテン圧は、一対のスプリング31,31の付勢力のみによりマスタ15に対して高精度に加えられる。
【0027】
図15(a)および図15(b)において、符号13および13’は、各サーマルヘッド2,2’と各プラテンローラ1,1’との押圧により生じたニップ部をそれぞれ示している。また、符号12および12’は、各プラテンローラ1,1’におけるニップ部13,13’のマスタ搬送方向X下流端から薄膜基板3端までの距離をそれぞれ示している。
【0028】
図15(a)と図15(b)とに示されている構成要素の主な相違点としては、まず、各サーマルヘッド2,2’自身の大きさは勿論のこと、各サーマルヘッド2,2’での薄膜基板3,3’等の大きさ、各プラテンローラ1,1’の外周径の大きさ(従来旧式のサーマルヘッド2’を使用する場合ではφ18mm以上、小型化サーマルヘッド2を使用する場合ではφ16mm以下)、それに伴い、各距離12,12’が大きく異なっている。
ちなみに、従来旧式のプラテンローラ1’およびサーマルヘッド2’を使用する場合では、距離12’は2mm以上あるのに対し、小径化プラテンローラ1および小型化サーマルヘッド2を使用する場合では、 距離12は2mm未満というように極めて小さくなっている。
【0029】
また、特開平11−77949号や特開平11−147304号公報に記載されているように、スティックによる製版不良防止のために、マスタ穿孔後の搬送距離を短くすることがなされていることも、本発明の契機となっている。
【0030】
そこで、図15(b)に示したサーマルヘッド2を搭載した製版装置に関しては、距離12が極めて小さく、製版する前にサーマルヘッド2をプラテンローラ1に押し付ける際、サーマルヘッド2とプラテンローラ1との間に存在しているマスタ15のフィルム面に薄膜基板端部14の箇所において、キズを付けてしまい、結果として意図しない異常画像が印刷画像に現れてしまう。このキズ、バリが大きいものであると、マスタ搬送方向Xに線状の異常画像が生じてしまう。
今回対象とする課題は、サーマルヘッド2の製造段階で発生する微小なバリやキズが薄膜基板端部14に有るとき、主走査方向Yに沿って点状の黒点が生じてしまうという問題を解決する発明であり、前者の問題(マスタ搬送方向Xに線状に生じる異常画像)は意図的に、換言すれば通常のサーマルヘッド2の製造段階以外(例えば硬い物を薄膜基板端部14に当ててしまったような場合)でのバリ、キズ等を作った際に発生する問題が多く、本発明では取り入れないことにする(下記のケース1の場合に生じる)。
今までの経験から、そのフィルムの厚さが0.5〜5μm程度のマスタ15を使用すると、図20や図21に示したようなフィルムの厚さ方向に貫通するフィルムキズ300が付くことが分かっている。
【0031】
マスタ15のフィルム面にキズを付けてしまう要因としてはいくつか考えられる。まず、1つ目のケースとしては、サーマルヘッド2の薄膜基板3端までプラテンローラ1のニップ部13の幅が差し迫っており、薄膜基板端部14付近での微小なバリやキズが有るときであって、圧解除モータ34が押圧回転位置を占める方向に回転駆動されることでプラテン圧をかけたとき、マスタ15のフィルム面にキズが付いてしまうケースである。
【0032】
2つ目のケースとしては、図15(b)および図18において、プラテン圧をかける際に、プラテンローラ1が破線矢印で示す逆方向、すなわちマスタ搬送方向Xに対してマスタ15を逆の方向に搬送させる反時計回り方向に若干回転してしまうことで、薄膜基板端部14でのバリやキズ等でマスタのフィルム面にキズが付いてしまうケースである。
【0033】
3つ目のケースとしては、図15(a)、図15(b)および図16での図示が省略されていて、図18および図19のみに図示したサーマルヘッド2の取付部材(スペーサ7の孔7aとステー8のカシメピン9とのクリアランスC1,C1’)により発生する機械的な余裕隙間によって、薄膜基板端部14でのバリやキズ等でマスタのフィルム面にキズが付いてしまうケースである。
【0034】
3つ目のケースに関しては、図18および図19を参照して詳述する。
図18は、サーマルヘッド2とステー8との組み付け方を示している。アルミ放熱板6の下部とスペーサ7とは、図示しないネジによりその両端部において締結・固定されている。これにより、サーマルヘッド2は、スペーサ7の上面に取り付け・固定されている。スペーサ7は、アルミニウムでできていて、前記したように図16ではその図示が省略されているが、図16の主走査方向Yにアルミ放熱板6と同様に延在している。スペーサ7の主走査方向Yの両端部には、貫通した孔7aが形成されている。一方、ステー8の主走査方向Yの両端部には、上壁面8aから上方へ突出した状態で、カシメピン9がカシメられて固定されている。
【0035】
サーマルヘッド2とスペーサ7とが組み付け固定されているものをステー8に組み付ける際には、ステー8の両端部に固定されたカシメピン9をスペーサ7の両端部の孔7aに挿通し、カシメピン9の上部に開けられているネジ孔に取付ネジ10を螺合させることにより、スペーサ7とステー8とを締結し取り付ける。
ステー8の上壁面8aの主走査方向Yの中央部には、プラテンローラ1の小径化に伴う機械的強度の低下により生じるプラテンローラ1の主走査方向Yの山なり状のタワミ変形を補償するための図示しない断面半球状の規制ピンが、ステー8の上壁面8aとスペーサ7の下面との間に介在する態様でカシメられて固定されている。これにより、プラテン圧をかけた状態においての、プラテンローラ1に対してサーマルヘッド2が押圧した際に生じる主走査方向Y中央部付近の押圧力不足状態の解消を図っている。なお、この問題を解決する提案は、前記した特開2000−6358号公報等にて開示されていることを付記しておく。
【0036】
スペーサ7とステー8との取り付けの際には、図19(a)に示すように、スペーサ7の孔7aとカシメピン9とにおいて組み付け上のクリアランスC1が必要となってくる。図19(a)に示すクリアランスC1は、プラテン圧をかけた直後の状態を、図19(b)に示すクリアランスC1’はプラテン圧をかけながらプラテンローラ1を回転させたときの状態である。図19(a)と図19(b)との相違点としては、クリアランスC1、C1’の発生場所がマスタ搬送方向Xにおいて違う点である。
図15(b)において、上向きの矢印方向にスプリング31の付勢力によってプラテン圧をかけた状態で、プラテンローラ1を時計回り方向に回転させると、サーマルヘッド2およびこれに取り付けられているスペーサ7は、プラテンローラ1の時計回り方向(マスタ15をマスタ搬送方向Xに搬送する実線で示す矢印方向の回転)により、図18および図19(b)に示されているように、マスタ搬送方向X側へ動いてしまう。それ故に、図19(a)に示すようなプラテン圧をかけた直後と、図19(b)に示すようなプラテン圧をかけながらプラテンローラ1を回転させた時とでは、図15(b)に示す距離12は異なり、図19(a)に示すようなプラテン圧をかけた直後の方が、図19(b)に示す状態よりも図15(b)に示す距離12が小さくなってしまう。したがって、プラテン圧をかけるときの方が薄膜基板端部14でのバリやキズ等でマスタのフィルム面にキズを付けてしまいやすい状況となる。
【0037】
こういった内容がケース3である。このようにサーマルヘッド2の小型化を図る際に上述した各種ケースでマスタ15のフィルム面にキズを付けてしまい、そのキズの深さの程度により孔が開き、感熱孔版印刷装置で使用するインキが滲み出てきて、結果としていわゆる黒点と呼ばれる点状の意図しない異常印刷画像が主走査方向Yに沿って現れるという不具合が生じてしまう。
【0038】
したがって、本発明は、使用材料量の低減および/またはサーマルヘッド製造効率の向上等に伴う小型化サーマルヘッド等の採用および/または小径化プラテンローラの採用により、小型化サーマルヘッド等と小径化プラテンローラとのセッティングの余裕が少なくなってきている事情に鑑みてなされたものであり、サーマルヘッドの薄膜基板端部のバリやキズによってマスタのフィルム面にキズを付けてしまうことで、黒点等の異常印刷画像の発生を防止できる製版印刷装置を提供することを目的とする。
【0039】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決すると共に上述した目的を達成するために、各請求項記載の発明では以下の特徴ある手段・構成を採っている。
請求項1記載の発明は、薄膜基板上の主走査方向に配列された複数の発熱体を備えたサーマルヘッド、前記薄膜基板上の前記主走査方向と直交する副走査方向におけるマスタ排出側の薄膜基板端の近傍に前記サーマルヘッドと接離自在に設けられたプラテンローラ、前記サーマルヘッドを前記プラテンローラに対して相対的に接離させる接離手段および前記プラテンローラを回転させる回転駆動手段を有する製版装置と、前記製版装置で製版されたマスタを巻装する版胴と、この版胴上のマスタにインキを供給するインキ供給手段と、前記版胴上のマスタに印刷用紙を相対的に押し付ける押圧手段と、前記版胴上のマスタに対する前記押圧手段による印刷用紙の押圧領域を変えるための押圧領域可変手段とを具備する製版印刷装置において、前記プラテンローラは、その外周径が16mm以下に小径化されている小径化プラテンローラであり、前記マスタの製版開始位置よりも前記副走査方向の下流側のマスタ先端余白領域で、前記小径化プラテンローラに対する前記サーマルヘッドの接触を開始するように前記接離手段を制御した後、前記マスタを前記製版開始位置まで送るように前記回転駆動手段を制御し、かつ、前記製版開始位置で前記サーマルヘッドをして製版の開始をさせ、その後、前記版胴上のマスタにおける前記小径化プラテンローラに対する前記サーマルヘッドの接触開始位置よりも前記副走査方向の上流側に位置する前記製版開始位置に合わせて、前記押圧手段が押圧を開始するように前記押圧領域可変手段を制御する制御手段を有することを特徴とする。
【0040】
請求項2記載の発明は、薄膜基板上の主走査方向に配列された複数の発熱体を備えたサーマルヘッド、前記薄膜基板上の前記主走査方向と直交する副走査方向におけるマスタ排出側の薄膜基板端の近傍に前記サーマルヘッドと接離自在に設けられたプラテンローラ、前記サーマルヘッドを前記プラテンローラに対して相対的に接離させる接離手段および前記プラテンローラを回転させる回転駆動手段を有する製版装置と、前記製版装置で製版されたマスタを巻装する版胴と、この版胴上のマスタにインキを供給するインキ供給手段と、前記版胴上のマスタに印刷用紙を相対的に押し付ける押圧手段と、前記版胴上のマスタに対する前記押圧手段による印刷用紙の押圧領域を変えるための押圧領域可変手段とを具備する製版印刷装置において、前記プラテンローラは、その外周径が16mm以下に小径化されている小径化プラテンローラであり、前記マスタの製版開始位置よりも前記副走査方向の下流側のマスタ先端余白領域で、前記小径化プラテンローラに対する前記サーマルヘッドの接触を開始するように前記接離手段を制御した後、前記マスタを前記製版開始位置まで送るように前記回転駆動手段を制御し、かつ、前記製版開始位置で前記サーマルヘッドをして製版の開始をさせ、その後、前記版胴上のマスタにおける前記小径化プラテンローラに対する前記サーマルヘッドの接触開始位置よりも前記副走査方向の上流側に位置する前記製版開始位置と前記接触開始位置との間で、前記押圧手段が押圧を開始するように前記押圧領域可変手段を制御する制御手段を有することを特徴とする。
【0041】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の製版印刷装置において、前記マスタが、熱可塑性樹脂フィルムを有しており、該熱可塑性樹脂フィルムへのキズ形成の難易度に関するマスタの種類を識別するマスタ種類識別手段を有し、前記制御手段は、前記マスタ種類識別手段からの信号に基づいて、前記制御を行うか否かを選択することを特徴とする。
【0042】
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の製版印刷装置において、前記マスタが、熱可塑性樹脂フィルムを有しており、該熱可塑性樹脂フィルムへのキズ形成の難易度に関するマスタの種類を設定するマスタ種類設定手段を有し、前記制御手段は、前記マスタ種類設定手段からの信号に基づいて、前記制御を行うか否かを選択することを特徴とする。
【0043】
請求項5記載の発明は、請求項3または4記載の製版印刷装置において、前記制御手段は、前記マスタ種類識別手段または前記マスタ種類設定手段からの信号に基づいて、前記マスタが前記キズを形成し易いものであるときには、前記制御を行い、前記マスタが前記キズを形成し難いものであるときには、前記制御を行わないことを特徴とする。
【0044】
請求項3、4または5記載の製版印刷装置において、前記マスタの種類は、前記熱可塑性樹脂フィルムの厚さに関するものであることを特徴とする(請求項6記載の発明参照)。
【0046】
また、請求項1ないし6の何れか一つに記載の製版装置において用いる前記サーマルヘッドとしては、使用材料量の低減および/またはサーマルヘッド製造効率の向上等のために、小型化された平面型サーマルヘッド、端面型サーマルヘッド、リアルエッジ型サーマルヘッドまたはコーナーエッジ型サーマルヘッドが好ましい。また、この際のグレーズ層構造としては、全面グレーズのみならず、部分グレーズでも構わなく、それを含んだものを指している。
請求項1ないし7の何れか一つに記載の発明における「制御手段」の具体例としては、後述する実施形態のようなマイクロコンピュータを用いる他、制御回路を用いたりすることもできる。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して実施例を含む本発明の第1の実施の形態(以下、「実施形態1」という)を説明する。上述した従来の技術例および各実施形態等に亘り、同一の機能や形状等を有する部材や構成部品等の構成要素については、同一符号を付すことによりその説明をできるだけ省略する。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素は適宜断わりなく省略する。
(実施形態1)
この実施形態1は、図15ないし図21に示した従来例と比較して、図1に示す製版印刷装置の一例としての感熱孔版印刷装置の動作を後述するように制御する図8に示す制御構成を有していることが主に相違する。
【0048】
まず、図1を参照して、実施形態1におけるデジタル感熱式の感熱孔版印刷装置の概略的な全体構成とその動作について説明する。
図1において、符号50は、装置本体フレームを示す。装置本体フレーム50の上部にある、符号80で示す部分は原稿読取装置を構成し、その下方の符号20で示す部分は製版装置、その左側に符号100で示す部分は多孔性の版胴を備えた印刷ドラム101が配置された印刷ドラム装置、その左の符号70で示す部分は排版装置、製版装置20の下方の符号110で示す部分は給紙装置、印刷ドラム101の下方の符号120で示す部分は印圧装置、装置本体フレーム50の左下方の符号119で示す部分は排紙装置をそれぞれ示している。この感熱孔版印刷装置には、デジタル感熱製版式の製版装置20が装置本体フレーム50に一体的に装備されている。
【0049】
次に、この感熱孔版印刷装置の概略的な全体動作について、従来例で説明しなかった技術事項を補足しながら以下に説明する。
先ず、原稿読取装置80の上部に配置された原稿載置台(図示せず)に、印刷すべき画像をもった原稿60を載置し、図示しない製版スタートキーを押す。この製版スタートキーの押下に伴い、製版スタート信号が生成されこれがトリガとなって、先ず排版工程が実行される。すなわち、この状態においては、印刷ドラム装置100の印刷ドラム101の版胴外周面に前回の印刷で使用された使用済みのマスタ15が装着されたまま残っている。印刷ドラム101は、図示しない回転伝達機構を介してDCモータからなるメインモータに連結されていて、このメインモータによって回転駆動される。
【0050】
印刷ドラム101が反時計回り方向に回転し、印刷ドラム101外周面の使用済みのマスタ15の後端部が排版装置70における排版剥離ローラ対71a,71bに近づくと、同ローラ対71a,71bは回転しつつ一方の排版剥離ローラ71bで使用済みのマスタ15の後端部をすくい上げ、排版剥離ローラ対71a,71bの左方に配設された排版コロ対73a,73bと排版剥離ローラ対71a,71bとの間に掛け渡された排版搬送ベルト対72a,72bで矢印X1方向へ搬送されつつ排版ボックス74内へ排出され、使用済みのマスタ15が印刷ドラム101の外周面から引き剥がされ排版工程が終了する。このとき印刷ドラム101は反時計回り方向への回転を続けている。剥離排出された使用済みのマスタ15は、その後、圧縮板75により排版ボックス74の内部で圧縮される。
【0051】
排版工程と並行して、原稿読取装置80では原稿読み取りが行われる。すなわち、図示しない原稿載置台に載置された原稿60は、分離ローラ81、前原稿搬送ローラ対82a,82bおよび後原稿搬送ローラ対83a,83bのそれぞれの回転により矢印X2からX3方向に搬送されつつ露光読み取りに供される。このとき、原稿60が多数枚あるときは、分離ブレード84の作用でその最下部の原稿のみが搬送される。原稿60の画像読み取りは、コンタクトガラス85上を搬送されつつ、蛍光灯86により照明された原稿60の表面からの反射光を、ミラー87で反射させレンズ88を通して、CCD(電荷結合素子等の光電変換素子)からなる画像センサ89に入射させることにより行われる。その画像が読み取られた原稿60は原稿トレイ80A上に排出される。画像センサ89で光電変換された電気信号は、装置本体フレーム50内の図示しないアナログ/デジタル(A/D)変換部に入力されデジタル画像信号に変換される。
【0052】
一方、この画像読み取り動作と並行して、デジタル信号化された画像情報に基づき製版および給版工程が行われる。製版スタート信号がトリガとなって、図15(b)および図17等に示した接離手段28の圧解除モータ34の作動により、離間位置を占めていたサーマルヘッド2が製版押圧位置を占めることによって、プラテン圧がマスタ15に付与される。
【0053】
そして、プラテンモータ26が回転駆動されることにより、製版装置20の所定部位に配置されたマスタ貯容手段としてのマスタロール支持部材(図示せず)によってマスタ15を繰り出し可能にセットされ、芯管15Bの周りにロール状に巻かれて形成されたマスタロール15Aからマスタ15が引き出されながら、従来例と同様の小型化サーマルヘッド2にマスタ15を介して押圧している従来例と同様の小径化プラテンローラ1、一対のテンションローラ21a,21bおよび一対の反転ローラ22a,22bの回転により、テンションローラ対21a,21bのニップ部からマスタ搬送方向Xの下流側へ少し出た初期位置で保持されていた図4に示すマスタ先端15aがマスタ搬送方向Xの下流側に搬送されて行く。
【0054】
このように搬送されるマスタ15に対して、サーマルヘッド2の主走査方向Yにライン状に並んだ複数個の微小な発熱体2A(図16参照)が、図示しないA/D変換部から送られてくるデジタル画像信号に応じて各々選択的に発熱し、発熱した発熱体2Aに接触しているマスタ15の熱可塑性樹脂フィルム部分が加熱溶融穿孔される。このように、画像情報に応じたマスタ15の位置選択的な溶融穿孔により、画像情報が穿孔パターンとしてマスタ15に書き込まれる。
【0055】
説明が前後するが、製版開始前においては、マスタ先端15aは、テンションローラ対21a,21bのニップ部からマスタ搬送方向Xの下流側へ少し出た初期位置を占めるように、すなわちテンションローラ対21a,21bのニップ部で挟持された近傍に待機しているように予め設定されている。テンションローラ対21a,21b近傍のマスタ搬送方向Xの下流側のマスタ搬送路には、マスタ先端15aの初期位置を検知するためのマスタ先端検知手段としてのマスタ先端検知センサ29が配置されている。マスタ先端検知センサ29は、反射型フォトセンサである。
【0056】
ところで、マスタロール15Aのマスタ15が消費されたときには、新しいマスタロール15Aと交換することになるが、このときのマスタ初期セットの方式については、次のような方式がある。
例えば、本願出願人が特開平9−226088号公報で提案したようなマスタ保持ユニット等を具備した製版装置では、次のようになっている。すなわち、マスタロール15Aをマスタ保持ユニットのロールフランジ対にセットし、マスタ15の先端部をマスタ保持ユニットのガイド板に手動で載置・セットするだけで、後は製版スタート信号をトリガとしてプラテンローラ1とサーマルヘッド2とでマスタ15の先端部を挟持した状態となり、自動的にマスタ15を繰り出し搬送し、そのマスタ15の先端部をカッタ24で自動的にカットして、マスタ15の初期位置を上述したと同様のテンションローラ対21a,21bのニップ部からマスタ搬送方向Xの下流側へ少し出た初期位置を占めるように、すなわちテンションローラ対21a,21bのニップ部で挟持された近傍に待機しているように予め設定する方式である。
さらに旧式の製版装置では、マスタロール15Aを製版装置のマスタロール支持部にセットした後、手動でマスタロール15Aからマスタ15の先端部を引き出し、プラテンローラ1とサーマルヘッド2との間に挿入した後、マスタカットスイッチを押すことにより、プラテンローラ1とサーマルヘッド2とでマスタ15の先端部を挟持した状態とさせて、マスタ15を繰り出し搬送し、そのマスタの先端部をカッタでカットして、マスタの初期位置をテンションローラ対21a,21bのニップ部で挟持された近傍や、反転ローラ対22a,22bのニップ部で挟持された近傍に設定する方式である。
【0057】
このように種々のマスタ初期セット方式があるが、以下、製版・給版する際におけるマスタ15のマスタ搬送方向Xへの搬送動作説明の簡単化のため、マスタの初期位置を、上述したと同様のテンションローラ対21a,21bのニップ部で挟持された近傍に予め設定されているものとして統一して説明を行うこととする。このようにすることで、マスタ搬送方向Xにおけるマスタ15の各位置(マスタ先端15aやその製版開始位置15b等)を、パルス入力で駆動するモータの一例としてのステッピングモータ(パルスモータ)からなるプラテンモータ26へ供給するパルス数や、その結果としてのプラテンモータ26のステップ数によるマスタ15の移動距離(マスタ搬送量)を一義的に決めることができる。
【0058】
プラテンローラ1は、従来例と同様の回転伝達機構を介して、ステッピングモータからなるプラテンモータ26に連結されていて、プラテンモータ26により回転される。プラテンモータ26の回転駆動力は、ギヤ等の回転伝達部材(図示せず)を介して、テンションローラ対21a,21bおよび上下一対の反転ローラ22a,22bに伝達されるようになっている。
【0059】
画像情報が書き込まれた製版済みのマスタ先端15aは、テンションローラ対21a,21bの回転によりガイド板23A上を案内されつつ、反転ローラ対22a,22bへ向けて搬送され、反転ローラ対22a,22bの回転によってニップ部で挟持されつつ、印刷ドラム101の外周部側へ向かって送り出され、マスタ先端15aは給版ガイド板23Bにより進行方向を下方へ変えられ、図示する給版位置状態にある印刷ドラム101の拡開したマスタクランパ102(仮想線で示すように、印刷ドラム101外周部の一母線上に配設され、製版済みのマスタ15の先端部を挟持・保持する開閉自在なマスタ保持手段である)へ向かって垂れ下がる。このとき印刷ドラム101は、排版工程により使用済みのマスタ15を既に除去されている。
【0060】
そして、プラテンモータ26のステップ数がある設定値に達し、製版済みのマスタ15の先端部が拡開したマスタクランパ102の間に届いたと判断されると、給版位置近傍に配置された図示しない開閉装置によりマスタクランパ102が閉じられて、製版済みのマスタ15の先端部がクランプされる。この後、印刷ドラム101は図中A方向(時計回り方向)に回転しつつ外周面に製版済みのマスタ15を徐々に巻き付けていく。図4に示した製版可能長さ17aに相当するマスタ15への製版、および設定量の製版済みのマスタ15の搬送が終了したと判断されると、製版済みのマスタ15の後端部はカッタ24により一定の長さに切断される。
切断された製版済みのマスタ15の後端が、印刷ドラム101の回転によって製版装置20内から引き出され、一版の製版済みのマスタ15が印刷ドラム101の外周面に完全に巻装された段階で、製版および給版工程が終了する。その後、プラテンローラ1、テンションローラ対21a,21bおよび反転ローラ対22a,22bの回転により、切断された上流側の残りのマスタ先端15aがテンションローラ対21a,21bのニップ部に向けて搬送される。こうして搬送されたマスタ先端15aがマスタ先端検知センサ29によって検知され、マスタ先端15aが初期位置を占めたと判断されると、プラテンローラ1、テンションローラ対21a,21bおよび反転ローラ対22a,22bの回転が停止し、次の製版に備えた製版待機状態になる。
【0061】
次いで、印刷工程が開始される。先ず、給紙台51上に積載された印刷用紙62のうちの最上位面の1枚が、給紙コロ111および分離コロ対112a,112bによりレジストローラ対113a,113bに向けて矢印X4方向(以下、「用紙搬送方向X4」という)に送り出され、さらにレジストローラ対113a,113bにより印刷ドラム101の回転と同期した所定のタイミングで印圧装置120に送られる。送り出された印刷用紙62が、印刷ドラム101とプレスローラ103との間にくると、印刷ドラム101の外周面下方に離間していたプレスローラ103が上方に移動されることにより、印刷ドラム101の外周面に巻装された製版済みのマスタ15に押圧される。こうして、印刷ドラム101の多数の開孔部および製版済みのマスタ15の穿孔部分(共に図示せず)からインキが滲み出し、この滲み出たインキが印刷用紙62の表面に転移されて、印刷画像が形成される。
なお、給紙コロ111、分離コロ112aおよびレジストローラ対113a,113bは、前記メインモータとベルト等の回転伝達手段およびカム等を介して連結されているという従来と同様に構成されていて、それぞれ所定のタイミングで回転駆動されるようになっている。
【0062】
このとき、印刷ドラム101の内周側では、回転支軸を兼ねるインキ供給管104からインキローラ105とドクターローラ106との間に形成されたインキ溜まり107にインキが供給され、印刷ドラム101の回転方向と同一方向に、かつ、印刷ドラム101の回転速度と同期して回転しながら内周面に転接するインキローラ105により、インキが印刷ドラム101の内周側に供給される。
インキ供給管104、インキローラ105およびドクターローラ106は、印刷ドラム101上の製版済みのマスタ15にインキを供給するインキ供給手段を構成している。インキは、例えばW/O型のエマルションインキが好ましく用いられる。
【0063】
印圧装置120において印刷画像が形成された印刷用紙62は、排紙装置119における排紙剥離爪114により印刷ドラム101から剥がされ、吸着用ファン118により吸引されつつ、吸着排紙入口ローラ115および吸着排紙出口ローラ116に掛け渡された搬送ベルト117の反時計回り方向の回転により、矢印X5のように排紙装置119へ向かって搬送され、排紙台52上に順次排出積載される。このようにしていわゆる版付け印刷が終了する。
版付け印刷終了後、プレスローラ103は印刷ドラム101から離間し、印刷ドラム101は図1においてマスタクランパ102が略真上となる初期位置に復帰して、印刷待機状態となる。
【0064】
次に、図示しないテンキーで印刷枚数をセットし、図示しない印刷スタートキーを押下すると前記版付け印刷と同様の工程で、給紙、印刷および排紙の各工程がセットした印刷枚数分繰り返して行われ、孔版印刷の全工程が終了する。
【0065】
次に、図1ないし図5を参照して、印刷ドラム101とこの外周面に巻装される製版済みのマスタ15との関係について説明する。
印刷ドラム101は、図2に示すように、その両端部において各端板101aの外周面に取り付けられた周知の多孔性円筒状部(上述したようにこの部分を版胴101と呼ぶこともある)を有し、回転支軸104の周りに各端板101aを介して回動自在に支持されている。印刷ドラム101は、回転支軸104の中心軸線方向に延在して設けられていて、例えば特開平10−297074号公報の図4に示されている版胴1a,1bと同様の、インキ通過性の多数かつ微細な開孔部(図示せず)が形成された金属薄板製の支持円筒体(上述したようにこの部分を版胴101と呼ぶこともある)と、図5(a),(b)に示すように印刷ドラム101の外周面に巻き付けられた樹脂もしくは金属製のメッシュスクリーン101A層との2層構造となっている。
【0066】
印刷ドラム101には、従来例と同様に、図2および図4において括弧を付すと共に、左斜め上がりのハッチングを施して示すように、また図5(a),(b)では縦目模様で示すように、前記多数の開孔部が形成されたインキ通過性の印刷画像形成領域17Aと、前記多数の開孔部が形成されていないインキ不通過性の非印刷画像形成領域19とが形成されている。
【0067】
従来例で説明したように、感熱孔版印刷装置では、非印刷画像形成領域19が存在するにも拘らず、孔版印刷方式特有のインキの拡がり、すなわち印刷を繰り返していくうちに図1に示すプレスローラ103によるインキ押し出し作用等によって、印刷画像形成領域17Aにおける用紙搬送方向X4の下流端からさらに該下流側に沿ってインキがはみ出す、図4に示すような俗にインキの「前モレ」とも呼ばれるインキはみ出し領域17Bを形成する。この実施形態1では、図4に示すインキはみ出し領域17Bを有する場合であって、プレスローラ103による押圧領域である印刷可能領域(押圧領域)18がインキはみ出し領域17Bに及ぶ場合について説明することとする。なお、図2ではインキはみ出し領域17B等の細部記載を省略している。
【0068】
これは、印刷可能領域(押圧領域)18の範囲が、図3に示す印刷用紙62における用紙搬送方向X4の前(天方向)または後(地方向)へ印刷画像位置を移動させる天地移動手段(図示せず)を有している感熱孔版印刷装置にあっては、前記天地移動手段による天地移動量に対応するため、その天地移動量を見込んで広く設定されているからである。
また、インキはみ出し領域17Bの形成範囲は、インキの特性や、温・湿度等の環境条件や、マスタの種類等によっても多少の変動があるため、印刷画像形成領域17Aの下流端である開孔領域始端17Aaから用紙搬送方向X4の下流側に何mmの範囲内と一概には言えない。
【0069】
非印刷可能領域(非押圧領域)は、印刷可能領域(押圧領域)18を除く前記版胴の外周面、すなわちマスタクランパ102の周辺、両端板101aおよび両端板101aの各側縁部101bに対応して形成された、プレスローラ103等の押圧手段による印刷ドラム101の外周面に対する非押圧範囲に対応して設定されている。
【0070】
上述したように、印刷ドラム101の外周面(版胴101の外周面)に製版済みのマスタ15が巻装されるわけであるが、印刷ドラム101の前記版胴構造に対応して、製版済みのマスタ15の各領域が図4および図5(a),(b)に示すように予め設定されていて、製版・給版動作が行われるようになっている。
マスタ15には、穿孔・製版画像を形成されるべきエリア(領域)として製版領域17と、穿孔・製版画像を形成されないエリアとして非製版領域16とが予め設定されている。マスタ15の製版領域17は、印刷可能領域18よりも内側に予め設定されている。マスタ15の製版領域17は、機種によっても相違するが、印刷ドラム101の両側縁部および下流側(図4および図5(a),(b)における左側の部位)において、印刷画像形成領域17Aよりもおおよそ3〜4mm狭く設定されている。
図4において、符号15cは印刷用紙62の幅方向に対応した主走査方向Yにおけるマスタ幅を、符号17aはマスタ15におけるマスタ搬送方向Xの製版領域17に対応した製版可能長さを、それぞれ示している。図5(a),(b)において、符号108は、マスタクランパ102の中心に設定された版胴101の基準点を示す。版胴101の基準点108は、版胴101の回転位置や回転速度を検知するための後述するパルスエンコーダによる版胴101の回転位置制御の基準となっている。前記パルスエンコーダは、例えば、版胴101の図2における左側の端板101aに一体的に配置された図示しないフォトエンコーダと、これに係合可能に装置本体フレーム50側に配置され前記フォトエンコーダと協働してパルスを出力するエンコーダセンサとからなる。前記パルスエンコーダは、前記メインモータ側に配設される場合もある。
【0071】
一方、マスタ15の非製版領域16には、マスタ搬送方向Xにおける下流側から順に、非印刷画像形成領域19としてのマスタクランパ102の前部周辺に略対応して形成されるマスタ先端余白領域16Aと、非印刷画像形成領域19としてのマスタクランパ102の後部周辺に略対応して形成されるマスタ後端余白領域16B(図5(b)参照)とがある。また、マスタ15の非製版領域16としては、印刷用紙62の幅方向(主走査方向Y)における非印刷画像形成領域19としての印刷ドラム101の各側縁部101bに略対応して形成されたマスタ側縁余白領域16C(図2参照)も形成・設定される。
【0072】
理想的には、印刷画像形成領域17Aと製版領域17と印刷可能領域(押圧領域)18とが一致していて、製版開始位置15bでプラテンローラ1とサーマルヘッド2とが接触して、製版が開始されればよいのであるが、実際には次のようになっている。
すなわち、図1に示したような通常の感熱孔版印刷装置において、図4および図5に示す製版済みのマスタ15の各領域は、実際には、構成部品の組付精度誤差や、マスタ15の先端部の巻装位置のバラツキや、押圧動作のバラツキ等を考慮して、図20、図21に示すように印刷ドラム101の下流側(マスタクランパ102の前部側)においては、印刷可能領域(押圧領域)18>印刷画像形成領域17A>製版領域17に設定されており、製版領域17に合わせて製版開始位置15bを設定している。
【0073】
印刷ドラム101は、図2等に示すように、両端板101aの中央部と回転支軸104の外周面との間にそれぞれ介装された一対のころがり軸受(図示せず)を介して、前フレーム94および後フレーム95の回転支軸104上に回転可能に支持されている。前フレーム94の上端部と後フレーム95との上端部とは、把持フレーム93で連結されている。
図2において、符号90は、装置本体フレーム50に対して図示しない着脱手段を介して印刷ドラム101を着脱自在とするために構成されたドラムユニットを示す。ドラムユニット90は、印刷ドラム101(版胴101)、回転支軸104、前記インキ供給装置、インキ収納容器91を着脱自在に支持する容器収納台92、前フレーム94、後フレーム95および把持フレーム93から主に構成される。
前記着脱手段は、例えば実開昭61−85462号公報記載の第1図ないし第4図に示された版胴支持装置と同様の構造を有する。
【0074】
ここで、前記天地移動手段について、補足説明しておく。前記天地移動手段は、図3に示す印刷用紙62における用紙搬送方向X4の前または後へ印刷画像位置を移動させることにより、印刷用紙62に対する印刷画像の天地方向の位置ずれ等を修正するものである。
前記天地移動手段の方式には、印刷ドラム101とプレスローラ103等の押圧手段との間に印刷用紙62を搬送する用紙搬送タイミングを変える方式と、この用紙搬送タイミングを変えずに印刷ドラム101の回転タイミングを変える方式と、あるいはこれらを適宜組み合せた方式と、印刷ドラム101の版胴そのものを用紙搬送方向Xの天地方向に移動する版胴天地移動方式とがある。
【0075】
実施形態1で使用するマスタ15は、従来例で説明したと同様に、サーマルヘッド2の製造段階で発生する微小なバリやキズが薄膜基板端部14に有るとき、マスタ15のフィルム部分の厚さ方向に貫通するキズを付けてしまう範囲の、フィルムの厚さが0.5〜5μm程度のものを使用している。また、この製版装置20では、原稿読取装置80、給紙装置110や印圧装置120での制御動作上の統一・整合化を図るため、図2、図4および図5等に示されている製版開始位置15bを変えないで製版動作を行うように予め設定されている。
【0076】
ここで、図5(a),(b)を参照して、一般的な現状の感熱孔版印刷装置における版胴101とこの外周面に巻装される製版済みのマスタとの位置・寸法関係について実施例的に詳述する。説明が遅れたが、図5(a)は本発明の実施形態1における実施例的な主として印刷可能領域(押圧領域)18等の設定・制御内容を示し、図5(b)は比較例としての従来例における実施例的な印刷可能領域(押圧領域)18等の設定・制御内容を示している。各部領域等の実施例的な長さ・寸法については図5(b)側に記載し、図5(a)側には主として実施形態1に特徴的な長さ・寸法を記載している。
【0077】
図5(a)に示す実施形態1および図5(b)に示す比較例では、共に、印刷ドラム101(版胴101)の大きさとしては、図5(a),(b)に示すように、例えばA3サイズの印刷用紙62に印刷を行うことが可能なA3サイズの大きさ、すなわちA3サイズのマスタ15を巻装可能な大きさを有しており、その外周直径が180mmに設定されている。
図5(b)において、印刷画像形成領域(開孔領域)17Aの長さL17Aは470mm、印刷可能領域(押圧領域)18の長さL18は455mm、マスタ15の長さL15は530mm、マスタ先端余白領域16Aの長さL16Aは80mm、マスタ後端余白領域16Bの長さL16Bは35mm、製版可能長さ17aは415mm、マスタクランパ102における製版済みのマスタ15の先端部のクランプ長さL102は20mmである。
また図5(b)において、マスタクランパ102の前部側における印刷可能領域(押圧領域)18の押圧開始位置18aとマスタ15の製版開始位置15bとの間のラップ代は四角で囲んで示すように10mmである。A3サイズ(縦)の印刷用紙62の用紙搬送方向X4の長さL62は420mmである。A3サイズ(縦)の印刷用紙62の先端は、製版済みのマスタ15における製版開始位置15bよりも用紙搬送方向X4の下流側に5mm進んだ位置、換言すれば同下流側に5mm程余裕代・余白をもって版胴101上の製版済みのマスタ15にタイミングを合わせてレジストローラ対113a,113bで給送される。図5(b)には、上述した各寸法の他、関係する寸法等について随時括弧を付して示している。
【0078】
図5(a)に示す実施形態1では、図5(b)に示した比較例と比べて、印刷可能領域(押圧領域)18の長さL18が図5(b)に示した比較例よりも10mm短縮された445mmであり、その押圧開始位置18aが製版開始位置15bに合わせて一致して設定されていることのみ相違する。
【0079】
以下、説明の簡明化を図るために、印刷用紙62としてはA3サイズ(縦)を使用してこれに印刷するものとし、かつ、レジストローラ対113a,113bで給送される給送タイミングが製版済みのマスタ15における製版開始位置15bよりも用紙搬送方向X4の下流側に5mm進んだ位置に通紙される一定条件で説明する。上述した寸法関係等は、あくまでも一実施例的なものであって、勿論これらに限定されるものではない。
なお、例えばA4サイズ(横)の印刷用紙62で印刷する場合には、A4サイズの印刷用紙62の用紙搬送方向X4の長さL62は210mm、マスタ15の長さL15は320mmであり、印刷可能領域(押圧領域)18の長さL18は、これの後端部を変える制御をして245mmという寸法関係になっている。A4サイズ(横)の印刷用紙62で印刷する場合でも、レジストローラ対113a,113bで給送される給送タイミングはA3サイズの印刷用紙62と同様になっている。
【0080】
上記した印刷用紙62のサイズ以外の他のサイズ、例えば、葉書、A4(縦)、B4(縦)や、リーガルサイズの印刷用紙62を使用して印刷する場合には、通常、例えば特開昭64−24783号公報等に開示されているように、特にマスタ15(原紙)の節約を図れるという利点を得るために、印刷用紙62のサイズに応じて、マスタ15を切断し、かつ、印刷用紙62に対する押圧領域(押圧長さ)を可変・設定することになる。そして、上記制御の場合は、通常、どのようなサイズの印刷用紙62に印刷する場合であっても、マスタクランパ102で製版済みのマスタ15の先端部をクランプして版胴101に対して位置決めをするのであるから、版胴101上の製版済みのマスタ15に印刷用紙62を押し付ける押圧開始位置18aを一定として、マスタ15の切断位置や押圧領域の終了点(印圧終了点)を可変制御するものであり、マスタ15や印刷用紙62の後端部側に焦点を当てた制御と言える。
これに対して、本発明の制御手段による制御では、主としてマスタ15や印刷用紙62の前(先)端部側に焦点を当てたものであって、プレスローラ103の押圧開始位置18aを変えるものであり、かかる観点よりマスタ15や印刷用紙62の後端部側の切断位置や押圧領域を可変制御する内容については上記公知の技術例等によって容易に実施できるので、説明の簡明化を図る上からその説明を省略するものとする。
【0081】
次に、印圧装置120周りの構成について詳述する。
印圧装置120には、図6および図7に示すように、印刷ドラム101上の製版済みのマスタ15に印刷用紙62を押し付ける押圧位置とこの押圧位置から離れた離間位置との間で変位自在である押圧手段としてのプレスローラ103と、プレスローラ103を押圧位置と離間位置との間で変位させるための変位手段121と、印刷ドラム101上の製版済みのマスタ15に対するプレスローラ103による印刷用紙62の印刷可能領域(押圧領域)18を変えるための押圧領域可変手段137と、押圧領域可変手段137による印刷可能領域(押圧領域)18の切り換え状態を検知する押圧領域切換検知手段(後述する)とが配設されている。
【0082】
変位手段121は、プレスローラ103における図1および図6より見て紙面奥側の端部に配設されている。
変位手段121は、支軸122、アーム123、カムフォロア124、引張ばね125、印圧カム組体128およびカム軸129から主に構成されている。
【0083】
プレスローラ103は、図1および図6に示すように、インキローラ105に対向する印刷ドラム101の下方に印刷ドラム101と接離自在に配設されている。プレスローラ103は、その横幅が印刷ドラム101の横幅と略同じ長さとなるように形成されている。プレスローラ103の中心部には、図6に示すように、軸103aが挿通固着されている。プレスローラ103の軸103aの両端部は、支軸122を中心に揺動自在な略L字状のアーム123の一端部に回転自在に支持されている。支軸122の両端部は、装置本体フレーム50に固設された図7に示す印圧部側板135に回転自在に支持されている。アーム123は、図6の紙面の手前側および奥側に一対配設されていて(図6では紙面の手前側のアーム123を省略している)、これらのアーム対123,123は支軸122を介して同一位相で揺動するように連結されている。
【0084】
プレスローラ103は、一端がアーム123の一端部側に係止され、他端が図7に示す印圧部側板135に固設された不動部材135Aに係止され、図6の紙面の手前側および奥側に一対配設された引張ばね125(図6では紙面の手前側の引張ばね125を省略している)により、印刷ドラム101の外周面に圧接する向きに付勢されている。図6の紙面の奥側に配置されたアーム123の他端部には、カムフォロア124が軸124aを持って回転自在に支持されている。
【0085】
カムフォロア124の近傍には、カム軸129の周りに回転自在に支持され、図6の紙面の奥側に設けられた印圧カム組体128が配設されている。印圧カム組体128は、図6の紙面の手前側から奥側に向けて順に配設された、輪郭周面形状の異なる3枚の印圧カム128a,128b,128cから構成されている。このように3枚の印圧カム128a,128b,128cは、各々異なるカム面を有するものである。図7におけるカム軸129の上部側には、ストッパ134a,134bが一体形成されている。印圧カム組体128は、各ストッパ134a,134bによりカム軸129の長さ方向の移動を規制され、かつ、軸受131を介してカム軸129の周りに回転自在に支持されている。
【0086】
カムフォロア124は、印圧カム128a,128b,128cの何れか一つのカム面に選択的に当接するようになされている。つまり、カムフォロア124が、印圧カム組体128の何れか一つの印圧カム128a,128b,128cの大径部のカム面に乗り上げ・当接することにより、各アーム123を介して、プレスローラ103が印刷ドラム101におけるマスタクランパ102の配置部から逃げて、印刷ドラム101の外周面上の突出物に干渉しない離間位置を占める。
【0087】
押圧領域可変手段137は、印圧カム組体128、カム軸129、カム軸129のラック歯129a、スライドガイド130、押圧領域切換モータ132およびピニオン133から主に構成されている。
【0088】
印圧カム組体128は、印刷ドラム101の回転と同期して回転駆動されるように図7に示すカム軸129の周りに、例えば印刷ドラム101の図2に示す端板101aに固設された2連のプーリ(図示せず)と印圧カム組体128に一体的に形成されたプーリ126とに掛け渡された回転伝達部材としてのベルト127を介して前記メインモータに連結されている。また、印圧カム組体128は、前記メインモータにより印刷ドラム101と同一の回転速度で回転するように構成されており、印刷ドラム101の外周面へのプレスローラ103の印刷可能領域(押圧領域(印圧範囲))18は、各印圧カム128a,128b,128cの外周カム面の形状およびその長さにより決定される。
印圧カム組体128は、3枚の印圧カム128a,128b,128cをプーリ126と共に一体的に形成された回転体をなしており、この回転体をなす印圧カム組体128がカム軸129の周りに軸受131を介して回転自在に取り付けられている。
3枚の印圧カム128a,128b,128cは、前記した2連のプーリと印圧カム組体128(回転体)のプーリ126とに掛け渡されたベルト127によって、前記メインモータの回転駆動力が与えられ、印刷ドラム101の回転と同期した回転速度で回転される。
【0089】
各印圧カム128a,128b,128cについては、本発明を実施できる程度に記載したものであって、幾分簡略的に図示されていることを付記しておく。
印圧カム128aは、上述した図5(b)に示されているように、印刷ドラム101(版胴101)における印刷画像形成領域(開孔領域)17Aの開孔領域始端17Aaよりも下流側に5mm進んだ位置に押圧開始位置18aを設定すべく印刷可能領域(押圧領域)18を決定するように、外周カム面の形状およびその長さが設定されている。すなわち、印圧カム128aは、従来の印刷可能領域(押圧領域)18と同様にその領域を設定したものである。
【0090】
印圧カム128bは、図5(b)に示すように、印刷画像形成領域(開孔領域)17Aの開孔領域始端17Aaに合わせて押圧開始位置18aを設定すべく印刷可能領域(押圧領域)18を決定するように、外周カム面の形状およびその長さが設定されている。すなわち、印圧カム128bは、後述する実施形態2における印刷可能領域(押圧領域)18と同様にその領域を設定したものである。
【0091】
印圧カム128cは、図5(a)に示すように、印刷画像形成領域(開孔領域)17Aの開孔領域始端17Aaよりも上流側に5mm遅れた位置、すなわち製版開始位置15bに一致させて押圧開始位置18aを設定すべく印刷可能領域(押圧領域)18を決定するように、外周カム面の形状およびその長さが設定されている。すなわち、印圧カム128cは、本実施形態1における印刷可能領域(押圧領域)18と同様にその領域を設定したものである。
【0092】
カム軸129の一端部には、ラック歯129aが形成されており、カム軸129は、スライドガイド130を介して、図7における上下方向にスライド自在に設けられている。スライドガイド130は、印圧部側板135に固定して取り付けられた概略パイプ状のすべり軸受部材である。
一方、カム軸129の図7において下端部近傍には、ラック歯129aと噛み合うピニオン133を出力軸に固設された押圧領域切換モータ132が図示しないモータブラケットを介して、印圧部側板135側に固定して取り付けられている。押圧領域切換モータ132は、例えば制御用のDCモータからなる。押圧領域切換モータ132は、DCモータに限らず、ステッピングモータであってもよい。
なお、変位手段121および押圧領域可変手段137は、例えば実公平5−45500号公報の第6図および第7図に開示されている各機構と比較して、カム形状を除き略同様の公知の構成であることを付記しておく。
【0093】
カム軸129におけるラック歯129aの背面側には、板状のカム軸フィラー138が取り付けられている。カム軸フィラー138近傍の印圧部側板135側には、カム軸フィラー138に選択的に係合可能なホームポジションセンサ139が固設されている。ホームポジションセンサ139は、発光素子および受光素子を具備した周知の透過型光学センサであり、前記発光素子および前記受光素子の部分が押圧領域切換モータ132により選択的にスライドされるカム軸フィラー138の突出部分を挟むように配置されている。
【0094】
印圧カム組体128のホームポジションは、カムフォロア124が印圧カム128aと係合状態にあるとき、すなわち図5(b)に示すように押圧開始位置18aが製版開始位置15bよりも印刷ドラム101の回転方向下流側に10mm進んだ従来と同様の位置に設定されている。前記のとおり、ホームポジションセンサ139は、押圧領域可変手段137による印刷可能領域(押圧領域)18の切り換え状態を検知する押圧領域切換検知手段としての機能を有する。
印圧カム組体128のホームポジションを前記したように設定したのは、後述する実施形態2の理由および説明の都合上からでもあるが、これに限定されず、例えば図4や図5(a)に示す本実施形態1における押圧開始位置18aから印刷可能領域(押圧領域)18が始まるように設定しても構わない。
なお、ホームポジションセンサ139と同様の構成のセンサをカム軸129方向に2つ付加して、各印圧カム128b,128cとカムフォロア124との係合状態を検知するようにしてもよい。
【0095】
実施形態1等ではその図示を省略しているが、例えば特開平10−193767号公報の図7に開示されているような係止アーム(44)、ソレノイド(45)および引張バネ(46)等と同様の構成(以下、これを「押圧解除手段」という)を付加して、プレスローラ103を離間位置に保持したり、変位手段121を作動させてプレスローラ103を押圧位置に変位させたりしている。
【0096】
ここで、押圧領域可変手段137およびホームポジションセンサ139に係る動作の詳細を前もって説明しておく。後述する動作説明においては、前記部分に係る動作の詳細説明を省略する。
上述したように、前記押圧解除手段によりプレスローラ103を離間位置に保持した状態にして、図7に示されているように、印圧カム128aがカムフォロア124と係合状態にあってホームポジションを占めている状態にあるとする。このホームポジション状態においては、ホームポジションセンサ139によって印圧カム128aがホームポジションを占めている状態にあることが検知されている。押圧領域切換モータ132がホームポジション状態を基準として所定の回転数回転駆動することで、ピニオン133とラック歯129aとの噛み合いにより、ピニオン133の回転運動がカム軸129方向の直線運動に変換され、カム軸129がスライドガイド130で案内されながらその軸方向にスライドされ、印圧カム128bをカムフォロア124に当接させた係合状態にすることができる。この状態から、押圧領域切換モータ132がさらに所定の回転数回転駆動することで、印圧カム128cをカムフォロア124に当接した係合状態とすることができる。
【0097】
図6において、符号140は、レジストローラ対113a,113bと印刷ドラム101およびプレスローラ103との間の用紙搬送路上に配置され、給送されてくる印刷用紙62の先端を検知する用紙センサを示す。
【0098】
図8に示すように、実施形態1に特有の動作は、制御手段40によって制御される。制御手段40は、それぞれ図示しない、CPU(中央演算処理装置)、I/O(入出力)ポート、ROM(読み出し専用記憶装置)、RAM(読み書き可能な記憶装置)およびタイマ等を備え、それらが信号バスによって接続された構成を有するマイクロコンピュータを具備している。
なお、後述する各実施形態等における制御手段においても、制御手段40と同様のマイクロコンピュータを具備していて、その制御機能のみ異なることを付記しておく。図1では、図の簡明化を図るため、本実施形態1の制御手段40のみを図示し、他の実施形態や変形例の制御手段の図示を省略している。
【0099】
制御手段40は、本発明に特有の動作を除き、感熱孔版印刷装置の動作の大半を制御する、前記マイクロコンピュータと略同様な大規模な制御構成を具備するメイン制御手段(図示せず)と送受信する関係にある。
なお、制御手段40は、前記した制御構成に限らず、本発明に特有の動作を含め、感熱孔版印刷装置の全ての動作を制御するマイクロコンピュータを有する制御構成を具備するものであっても構わない。
【0100】
制御手段40は、前記入力ポートおよび図示しないセンサ回路を介してマスタ先端検知センサ29、接離検知センサ35やホームポジションセンサ139に電気的に接続されていて、マスタ先端検知センサ29、接離検知センサ35やホームポジションセンサ139からのオン/オフ信号を受信する。また、制御手段40は、前記出力ポートおよびサーマルヘッド駆動回路25を介してサーマルヘッド2に、前記出力ポートおよびモータドライバ27を介してプラテンモータ26に、前記出力ポートおよびモータドライバ36を介して接離手段28の圧解除モータ34に、前記出力ポートおよびモータドライバ136を介して押圧領域切換モータ132に、それぞれ電気的に接続されている。制御手段40は、サーマルヘッド駆動回路25や各モータドライバ27,36,136に各種指令信号を送信することにより、サーマルヘッド2、圧解除モータ34、プラテンモータ26や押圧領域切換モータ132の各作動を制御する。
【0101】
制御手段40は、マスタ先端検知センサ29、接離検知センサ35およびホームポジション139からのオン/オフ信号等に基づいて、図4および図5(a)に示すように、マスタ15の製版開始位置15bよりもマスタ搬送方向Xの下流側のマスタ先端余白領域16Aで、プラテンローラ1に対するサーマルヘッド2の接触を開始するようにモータドライバ36を介して接離手段28の圧解除モータ34を制御した後、そのマスタ15をその製版開始位置15bまで送るようにモータドライバ27を介してプラテンモータ26を制御し、かつ、製版開始位置15bでサーマルヘッド2が製版の開始をするようにサーマルヘッド駆動回路25を介してサーマルヘッド2を制御し、その後、印刷ドラム101上の製版済みのマスタ15における製版開始位置15bに合わせて、プレスローラ103が押圧を開始するようにモータドライバ136を介して押圧領域可変手段137の押圧領域切換モータ132を制御する機能を有する(請求項1参照)。
【0102】
制御手段40の前記ROMには、実際に使用する製版装置20や印圧装置120を用いて予め実験的に求めた、制御手段40の前記機能に関係するデータ、例えば接離検知センサ35のオン/オフ信号に応じて圧解除モータ34を前記したように回転駆動するためのデータ、プラテン圧付与後のマスタ15を製版開始位置15bまで送ることを含むマスタ15の搬送距離(移動量)とプラテンモータ26へ供給するパルス数との関係データ、製版開始位置15bでサーマルヘッド2が製版の開始をするようにサーマルヘッド駆動回路25を作動させるための関係データ、ホームポジション139からのオン/オフ信号等に応じて押圧領域切換モータ132を前記したように回転駆動するためのデータ等が予め記憶されている。
【0103】
従来例の問題点として説明したように、プラテン圧をかける際にマスタ15のフィルム面にキズを付けて、黒点といわれる点状の意図しない異常印刷画像が発生してしまう。
そこで、この実施形態1では、図4に示すようなインキはみ出し領域17Bを有する場合およびインキはみ出し領域17Bが無い理想的な場合を含めて、印刷ドラム101上の製版済みのマスタ15における製版開始位置15bに合わせて、プレスローラ103が押圧を開始するようにモータドライバ136を介して押圧領域可変手段137の押圧領域切換モータ132を制御することにより、図15(b)および図16に示した薄膜基板端部14でマスタ15のフィルム面に主走査方向Yに沿ってのフィルムキズ300を付けても、印刷画像として印刷されないようにしたものである。
テンションローラ対21a,21bのニップ部で挟持・保持された状態のマスタ先端15aの初期位置から、圧解除モータ34の上述した作動によりサーマルヘッド2がマスタ15を介してプラテンローラ1へ押し付けることで形成されるニップ部13の前端(図18に示すマスタ搬送方向Xの下流端のニップ部13参照)までの距離は、マスタ15の製版開始位置15bよりもマスタ搬送方向Xの下流側のマスタ先端余白領域16A内に収まるように予め設定されている。
【0104】
次に、図1を参照して上述した動作と相違する内容を中心に、実施形態1に特有の制御手段40の制御の下に行われる動作の要部を図1ないし図8等を参照して詳述する。
図8に示す制御手段40は、図示しない操作パネルの製版スタートキーの押下に伴う製版スタート信号、マスタ先端検知センサ29からのマスタ先端15aの初期位置に係るオン信号および接離検知センサ35からのオフ・離間信号に基づいて、モータドライバ36を介して、図15(b)および図17等に示した接離手段28の圧解除モータ34に圧解除回転位置から押圧回転位置を占めるための指令信号を送信する。これにより、離間位置を占めていたサーマルヘッド2が製版押圧位置を占め、印刷ドラム101の非印刷画像形成領域19に対応したマスタ先端余白領域16A内で、つまり望ましくは製版時間の短縮化を図る上からはマスタ15の製版開始位置15bに近いマスタ先端余白領域16Aで、プラテン圧がマスタ15を介してプラテンローラ1に付与される。
【0105】
またこのとき、制御手段40は、前記製版スタート信号の他にホームポジションセンサ139からのオン信号を受信することにより、図7に示す印圧カム128aがカムフォロア124と係合状態にあってホームポジションを占めている状態にあると認識・判断し、印刷ドラム101上の製版済みのマスタ15における製版開始位置15bに押圧開始位置18aを一致させるべく、プレスローラ103が押圧を開始するようにモータドライバ136を介して押圧領域可変手段137の押圧領域切換モータ132を制御する。これにより、押圧領域切換モータ132が所定の回転数回転駆動することで、印圧カム128cがカムフォロア124と当接した係合状態となる。
【0106】
プラテン圧付与後、制御手段40は、そのプラテン圧をかけられているマスタ15をその製版開始位置15bまで送るようにモータドライバ27を介してプラテンモータ26を制御し、かつ、製版開始位置15bでサーマルヘッド2が製版の開始をするようにサーマルヘッド駆動回路25を介してサーマルヘッド2を制御する。これにより、プラテンモータ26が回転駆動され、マスタロール支持部材(図示せず)によりマスタ15を繰り出し可能にセットされたマスタロール15Aからマスタ15が引き出されながら、サーマルヘッド2にマスタ15を介して押圧されているプラテンローラ1、テンションローラ21a,21b対および反転ローラ対22a,22bの回転によって、テンションローラ対21a,21bの初期位置で保持されていた図4に示すマスタ先端15aがマスタ搬送方向Xの下流側に搬送される。
【0107】
このように搬送されるマスタ15に対して、サーマルヘッド2の複数個の微小な発熱体2A(図16参照)が、図示しないA/D変換部から送られてくるデジタル画像信号に応じて各々選択的に発熱し、発熱した発熱体2Aに接触しているマスタ15の熱可塑性樹脂フィルム部分が加熱溶融穿孔される。このように、画像情報に応じたマスタ15の位置選択的な溶融穿孔により、画像情報が穿孔パターンとしてマスタ15に書き込まれる。
【0108】
以下、図1を参照して上述したと同様の給版工程が実行され、これと並行して給紙および印刷工程が開始される。
先ず、給紙台51上に積載された印刷用紙62のうちの最上位面の1枚が、給紙コロ111および分離コロ対112a,112bによりレジストローラ対113a,113bに向けて用紙搬送方向X4に送り出され、さらにレジストローラ対113a,113bにより印刷ドラム101の回転と同期した所定のタイミングで印圧装置120に送られる。送り出された印刷用紙62が、印刷ドラム101とプレスローラ103との間にくると、印刷ドラム101の外周面下方に離間していたプレスローラ103が図4および図5(a)に示す製版済みのマスタ15の製版開始位置15bに一致した押圧開始位置18a目がけて上方に移動されることにより、印刷ドラム101の外周面に巻装された製版済みのマスタ15に押圧される。こうして、印刷ドラム101の多数の開孔部および製版済みのマスタ15の穿孔部分(共に図示せず)からインキが滲み出し、この滲み出たインキが印刷用紙62の表面に転移されて、印刷画像が形成される。以下、図1を参照して述べたと同様の版付け印刷ないし通常の印刷、および排紙工程が実行されることとなる。
【0109】
上述したように、実施形態1によれば、図4および図5(a)に示す製版済みのマスタ15の製版開始位置15bに一致した押圧開始位置18aでプレスローラ103による印圧、印刷動作が行われるから、サーマルヘッド2の薄膜基板端部14のバリやキズによってマスタ15のフィルム面にキズを付けてしまっても、例えば図20や図21に示されているようなフィルムキズ300による黒点等の異常印刷画像の発生を防止できる。
加えて、プラテンローラ1、サーマルヘッド2および接離手段28等を備えた製版装置20や、プレスローラ103、変位手段121および押圧領域可変手段137等を備えた印圧装置120というような従来から公知の手段・構成を利用して、これらを上述したように制御すればよいだけであるから、新規な機構等を備えた装置を開発しなくても済む。
(実施形態1の変形例1)
図9ないし図12に、実施形態1の変形例1を示す。
この変形例1は、実施形態1と比較して、マスタ15のフィルムへのキズ形成の難易度に関するマスタ15の種類を識別するマスタ種類識別手段41を有すること、および実施形態1における制御手段40の機能を兼ね備えると共に、マスタ種類識別手段41からの信号に基づいて、前記制御(制御手段40による制御)を行うか否かを選択する制御手段40Aを有することが主に相違する(請求項3参照)。
制御手段40A周りの制御構成は、制御手段40周りの制御構成と比較して、制御手段40Aが前記入力ポートおよび図示しないセンサ回路等を介してマスタ種類識別手段41に電気的に接続されていることが主に相違する。
【0110】
マスタ種類識別手段41は、マスタ15のフィルムへのキズ形成の難易度に関する識別機能のうちで、マスタ15のフィルムの厚さに関するマスタ15の種類を識別する機能、すなわち例えば、サーマルヘッド2の製造段階で発生する微小なバリやキズが図15(b)、図16および図18に示した薄膜基板端部14に有るとき、マスタ15のフィルム部分の厚さ方向に貫通するキズを付けてしまうマスタ15であるか否かを識別するものである(請求項6参照)。
【0111】
制御手段40Aは、さらに詳しくは、マスタ種類識別手段41からの信号に基づいて、マスタ15がキズを形成し易いものであるとき、例えばマスタ15のフィルム部分の厚さ方向に貫通するキズを付けてしまうマスタ15であるときには、前記制御(制御手段40による制御)を行い、マスタ15がキズを形成し難いものであるとき、例えばマスタ15のフィルム面にキズを付けてもその厚さ方向に貫通しないマスタ15であるときには、前記制御(制御手段40による制御)を行わないようにする(請求項5参照)。
ここで、前記制御(制御手段40による制御)を行わないようにするとは、図7において印圧カム128aがカムフォロア124と係合状態にあってホームポジションを占めている状態であり、図5(b)に示したような押圧開始位置18aでプレスローラ103による押圧が加えられる(印圧オン)ことを意味している。
【0112】
したがって、変形例1では、実施形態1と同様の利点(従来例のケース1ないし3による黒点等の異常印刷画像の発生を防止できる利点)が得られる。しかしながら、実施形態1では図5(a)に示したような製版開始位置15bと一致した押圧開始位置18aでプレスローラ103による押圧(印圧)が加えられるため、印刷画像先端部の極近傍の印刷画像かすれ等の不鮮明印刷画像が発生する虞が少しあるのであるが、変形例1では上記のような印刷画像品質の低下の虞がない。
【0113】
制御手段40Aの図示しないROMには、制御手段40の図示しないROMの関係データ等に加えて、制御手段40Aの前記機能に関係するデータ等が予め記憶されている。これにより、マスタ15がキズを形成し難いものであるとき(例えばマスタ15のフィルム部分の厚さ方向に貫通するキズを付けてしまうことのないフィルムの厚さが厚いマスタ15であるとき)には、例えば前記制御(制御手段40による制御)のプラテンローラ1による搬送動作を短縮して、すなわちマスタ先端15aの初期位置を反転ローラ対22a,22bのニップ部から前方に少し出た位置に設定することにより、製版開始位置15bの直前の位置(例えば、印刷画像形成領域17Aの下流側の前端部内)からプラテン圧をかけて、マスタ15を搬送しつつ製版を開始することができるので、製版時間を短縮することができる。これに伴い、給版時間や最初の1枚目の印刷物を得るFPT(ファースト・プリントタイム)も実施形態1よりも短縮することができる。
なお、マスタ先端15aの初期位置の前記変更に伴い、マスタ先端検知センサ29の配置位置を反転ローラ対22a,22bのニップ部前方に移動する。
【0114】
マスタ種類識別手段41は、図10に示すように、マスタロール15Aの芯管15Bを前記マスタロール支持部材にセットしたときに、マスタ15のフィルムの厚さに関するマスタ15の種類を識別する。このために、マスタ種類識別手段41は、マスタロール15Aの引き出し先端部に貼り付けられた識別表示体42と、該識別表示体42に表示された内容を検知する検知手段としての例えば複数(図10では3つ)の反射型のフォトセンサ43を有している。
【0115】
識別表示体42は、図11に示すように、裏面のシールを剥がして接着可能な白色のシート42aと、該シート42aの表面に形成された3つの円形マーク42bから構成されており、円形マーク42bの何れかまたは複数個の組み合わせを黒色とすることによりマスタ15の種類を識別するようになっている。
マスタ15の種類を記号化ないし暗号化して識別するようにしてもよい。識別表示体42は、芯管15Bやマスタロール15Aの側面に設け、これに対応・対向した位置にマスタ種類識別手段41を設けてもよい。
【0116】
マスタ種類識別手段41は、上述したものに限らず、図12に示すように、マスタロール15A(芯管15Bを含む)に設けられる発信手段としてのICタグ44と、製版装置20の装置本体に設けられる受信手段45とから構成してもよい。ICタグ44のICチップ44aにはマスタ15の種類が記録されており、記録内容が発信されるようになっている。また、マスタロール15A側に共振タグ等を設けて識別するようにしてもよい。
また、静電容量を検出し、その値でマスタ15の種類を識別するようにしてもよい。例えば、マスタロール15Aまたは芯管15Bの適当な箇所に被検知手段としてのチップ等の小型のコンデンサを搭載し、製版装置20の装置本体に設けられた検知手段としての静電容量検出器等でこれを検出する。
また、抵抗値を検出し、その値でマスタ15の種類を識別するようにしてもよい。例えば、マスタロール15Aまたは芯管15Bの適当な箇所に被検知手段としてのチップ等の小型の抵抗体を搭載し、製版装置20の装置本体に設けられた検知手段としての抵抗検出器等でこれを検出する。抵抗を持ったテープ状体ないしシート状体を芯管15Bの側面または内側に貼り付ける構成としてもよい。
(実施形態1の変形例2)
図13および図14に、実施形態1の変形例2を示す。
この変形例2は、実施形態1と比較して、マスタ15のフィルムへのキズ形成の難易度に関するマスタ15の種類を設定するマスタ種類設定手段152を有すること、マスタ種類設定手段152を具備した操作パネル195を有すること、および実施形態1における制御手段40の機能を兼ね備えると共に、マスタ種類設定手段152からの信号に基づいて、前記制御(制御手段40による制御)を行うか否かを選択する制御手段40Bを有することが主に相違する(請求項4参照)。
制御手段40B周りの制御構成は、制御手段40周りの制御構成と比較して、制御手段40Bが前記入力ポート、前記出力ポートおよび図示しないセンサ回路等を介して操作パネル195と送受信する関係にあることが主に相違する。
【0117】
マスタ種類設定手段152は、マスタ15のフィルムへのキズ形成の難易度に関する識別機能のうちで、マスタ15のフィルムの厚さに関するマスタ15の種類を設定するものであり、操作パネル195をマニュアル操作することで設定する(請求項4参照)。すなわち例えば、サーマルヘッド2の製造段階で発生する微小なバリやキズが図15(b)、図16および図18に示した薄膜基板端部14に有るとき、マスタ15のフィルム部分の厚さ方向に貫通するキズを付けてしまうマスタ15であるか否かを判断して設定する。
【0118】
制御手段40Bは、さらに詳しくは、マスタ種類設定手段152からの信号に基づいて、マスタ15がキズを形成し易いものであるとき、例えばマスタ15のフィルム部分の厚さ方向に貫通するキズを付けてしまうマスタ15であるときには、前記制御(制御手段40による制御)を行い、マスタ15がキズを形成し難いものであるとき、例えばマスタ15のフィルム面にキズを付けてもその厚さ方向に貫通しないマスタ15であるときには、前記制御(制御手段40による制御)を行わないようにする(請求項5参照)。
制御手段40Bの図示しないROMには、制御手段40の図示しないROMの関係データ等に加えて、制御手段40Bの前記機能に関係するデータ等が予め記憶されている。図13および図14に示すように、マスタ種類設定手段152は、マスタ15の種類を表示する液晶表示部196と、該液晶表示部196に表示されたマスタの種類(本変形例2ではA,B,C,D,E,F,G,Hの8種類)を選択して設定する設定キー197とを有している。
設定キー197は、液晶表示部196にマスタの種類の表示を呼び出す呼び出しキー197aと、移動キー197b,197c,197d,197eと、選択されたマスタ15の種類を確定する確定キー197fを有している。マスタ種類設定手段152は、タッチパネル方式としてもよい。また、本変形例2においては液晶表示部を使用したが、LED等の発光素子で表示しても構わない。
これにより、変形例2では、変形例1と同様の利点を得ることができる。
(実施形態2)
図8に、実施形態2を示す。実施形態2は、実施形態1と比較して、制御手段40に代えて、制御手段140を有することのみ相違する。実施形態2では、例えば従来例のケース2および3等の問題点が発生しない製版装置を搭載している場合等が想定される。
【0119】
制御手段140は、マスタ先端検知センサ29、接離検知センサ35およびホームポジション139からのオン/オフ信号等に基づいて、図4および図5(a)を借りて説明すると、マスタ15の製版開始位置15bよりもマスタ搬送方向Xの下流側のマスタ先端余白領域16Aで、プラテンローラ1に対するサーマルヘッド2の接触を開始するようにモータドライバ36を介して接離手段28の圧解除モータ34を制御した後、そのマスタ15をその製版開始位置15bまで送るようにモータドライバ27を介してプラテンモータ26を制御し、かつ、製版開始位置15bでサーマルヘッド2が製版の開始をするようにサーマルヘッド駆動回路25を介してサーマルヘッド2を制御し、その後、印刷ドラム101上の製版済みのマスタ15における製版開始位置15bとプラテンローラ1に対するサーマルヘッド2の接触開始位置との間で、プレスローラ103が押圧を開始するようにモータドライバ136を介して押圧領域可変手段137の押圧領域切換モータ132を制御する機能を有する(請求項2参照)。
つまり、制御手段140は、実施形態1の制御手段40と比較して、実施形態1の制御手段40と同様にサーマルヘッド2を制御した後、印刷ドラム101上の製版済みのマスタ15における製版開始位置15bとプラテンローラ1に対するサーマルヘッド2の接触開始位置との間(例えば図4および図5(a)を借りて説明すると、押圧開始位置18aが印刷画像形成領域(開孔領域)17Aの開孔領域始端17Aaと一致している場合)で、プレスローラ103が押圧を開始するようにモータドライバ136を介して押圧領域可変手段137の押圧領域切換モータ132を制御する機能を有することのみが相違する。
【0120】
制御手段140の前記ROMは、実施形態1における制御手段40の前記ROMと比較して、ホームポジション139からのオン/オフ信号等に応じて押圧領域切換モータ132を前記したように回転駆動するためのデータ等が予め記憶されていることのみが相違する。
【0121】
次に、実施形態1の動作と相違する内容のみを説明する。
実施形態1の動作と相違する第1の点は、制御手段140が、前記製版スタート信号の他にホームポジションセンサ139からのオン信号を受信することにより、図7に示す印圧カム128aがカムフォロア124と係合状態にあってホームポジションを占めている状態にあると認識・判断し、印刷画像形成領域(開孔領域)17Aの開孔領域始端17Aaに対応した印刷ドラム101上の製版済みのマスタ15の位置に押圧開始位置18aを一致させるべく、プレスローラ103が押圧を開始するようにモータドライバ136を介して押圧領域可変手段137の押圧領域切換モータ132を制御することにある。これにより、押圧領域切換モータ132が所定の回転数回転駆動することで、印圧カム128bがカムフォロア124と当接した係合状態となる。
【0122】
実施形態1の動作と相違する第2の点は、印刷工程において、送り出された印刷用紙62が、印刷ドラム101とプレスローラ103との間に来たとき、印刷ドラム101の外周面下方に離間していたプレスローラ103が図4および図5(a)を借りて示す印刷画像形成領域(開孔領域)17Aの開孔領域始端17Aaに対応した印刷ドラム101上の製版済みのマスタ15の位置に一致した押圧開始位置18a目がけて上方に移動されることにより、印刷画像形成領域(開孔領域)17Aの開孔領域始端17Aaに対応した印刷ドラム101上の製版済みのマスタ15の位置から押圧される点にある。
【0123】
したがって、実施形態2によれば、サーマルヘッド2の薄膜基板端部14のバリやキズによってマスタ15のフィルム面にキズを付けてしまうことによる黒点等の異常印刷画像の発生を防止できると共に、実施形態1のような印刷画像先端部の極近傍の印刷画像かすれ等の発生の虞がない。
(実施形態2の変形例3)
図9ないし図12に、実施形態2の変形例3を示す。
この変形例3は、実施形態2と比較して、変形例1と同様のマスタ種類識別手段41を有すること、および実施形態2における制御手段140の機能を兼ね備えると共に、マスタ種類識別手段41からの信号に基づいて、前記制御(制御手段140による制御)を行うか否かを選択する制御手段140Aを有することが主に相違する(請求項3参照)。
制御手段140A周りの制御構成は、制御手段140周りの制御構成と比較して、制御手段140Aが前記入力ポートおよび図示しないセンサ回路等を介してマスタ種類識別手段41に電気的に接続されていることが主に相違する。
【0124】
制御手段140Aは、さらに詳しくは、マスタ種類識別手段41からの信号に基づいて、マスタ15がキズを形成し易いものであるとき、例えばマスタ15のフィルム部分の厚さ方向に貫通するキズを付けてしまうマスタ15であるときには、前記制御(制御手段140による制御)を行い、マスタ15がキズを形成し難いものであるとき、例えばマスタ15のフィルム面にキズを付けてもその厚さ方向に貫通しないマスタ15であるときには、前記制御(制御手段140による制御)を行わないようにする(請求項5参照)。
これにより、変形例3では、変形例1と略同様の利点を得ることができる。
(実施形態2の変形例4)
図13および図14に、実施形態2の変形例4を示す。
この変形例4は、実施形態2と比較して、変形例2と同様のマスタ種類設定手段152を有すること、変形例2と同様の操作パネル195を有すること、および実施形態2における制御手段140の機能を兼ね備えると共に、マスタ種類設定手段152からの信号に基づいて、前記制御(制御手段140による制御)を行うか否かを選択する制御手段140Bを有することが主に相違する(請求項4参照)。
制御手段140B周りの制御構成は、制御手段140周りの制御構成と比較して、制御手段140Bが前記入力ポート、前記出力ポートおよび図示しないセンサ回路等を介して、操作パネル195と送受信する関係にあることが主に相違する。
【0125】
制御手段140Bは、さらに詳しくは、マスタ種類設定手段152からの信号に基づいて、マスタ15がキズを形成し易いものであるとき、例えばマスタ15のフィルム部分の厚さ方向に貫通するキズを付けてしまうマスタ15であるときには、前記制御(制御手段140による制御)を行い、マスタ15がキズを形成し難いものであるとき、例えばマスタ15のフィルム面にキズを付けてもその厚さ方向に貫通しないマスタ15であるときには、前記制御(制御手段140による制御)を行わないようにする(請求項5参照)。
これにより、変形例4では、変形例2と略同様の利点を得ることができる。
【0126】
サーマルヘッドは、上述した平面型の小型化サーマルヘッド2に限らず、例えば特開平11−147304号公報の図3ないし図9等に示されている端面型サーマルヘッド、リアルエッジ型サーマルヘッドまたはコーナーエッジ型サーマルヘッド等の小型のサーマルヘッドにも適用することができる。このような型式のサーマルヘッドでも、その薄膜基板端部等にバリやキズを生じてマスタ15のフィルム面に貫通するキズを付ける可能性があるからである(請求項参照)。
【0127】
なお、図4および図5(a)に示されているように、印刷可能領域(押圧領域)18、印刷画像形成領域17A>製版領域17に設定されている状態で、前記天地移動手段を利用して、印刷用紙62を例えば用紙搬送方向X4の上流側に遅らせて給送した場合でも、印刷用紙62に対する黒点等の異常印刷画像の形成を防止することは一応はできる。しかしながら、前記天地移動手段は専ら所望する印刷画像位置の調節を行うものであって、このような問題点の解決を図るものとして設けられていないこと、および印刷可能領域(押圧領域)18は変わっていないので、例えばプレスローラ103や圧胴の外周面等に黒点等の異常印刷画像の基になるインキが転移して汚してしまう虞があるという新たな問題点が発生してしまう。
【0128】
なお、給紙コロ111、分離コロ112aおよびレジストローラ対113a,113bは、前記メインモータとベルト等の回転伝達手段およびカム等を介して連結されているという従来と同様の構成に限定されず、例えば特開平11−48595号や特開平11−58916号公報で開示したように、印刷ドラムを回転駆動する駆動手段としてのメインモータとはそれぞれ独立した別の駆動手段、例えばステッピングモータからなる給紙モータやレジストモータで給紙やレジストタイミングの精度を高くするようにしてもよい。
【0129】
押圧領域可変手段は、実公平5−45500号公報に開示されている技術を応用した押圧領域可変手段137に限らず、例えば特開昭64−18683号公報の第7図および第8図等に開示されているようなねじ軸によって移動可能な複数のカムからなるカム板セットおよび前記ねじ軸を回転駆動する印圧カム切換用モータ等を利用することにより、押圧開始位置の変更量に対応した板カムを選択することによって、押圧開始位置(印圧開始点)を変えるという手段でもよい。
また、例えば特開昭64−24783号公報に開示されているように、重合して設けられた2枚の板カムおよび差動歯車を利用することにより、2枚の板カムを互いにずらして、そのずらし量に応じて押圧開始位置(印圧開始点)を木目細かく変えるという手段でもよい。
【0130】
また、例えば特開平9−169154号公報の図1ないし図3等に開示されているように、押圧手段として圧胴を用いた孔版印刷装置であって、複数のカム板の何れか一つに切り替える切り替え手段を応用することにより、押圧開始位置(印圧開始点)を変えるという手段でもよい。
さらに、例えば特開平10−193767号公報の図7および図8等に開示されているような押圧部材の揺動機構および多段カムを選択できる押圧範囲可変機構を応用しても構わない。
【0131】
また、本発明の実施形態等は、上述したものに限らず、本願出願人が既に提案した特願2000−387280号記載の請求項1ないし10に係る発明と、上述した実施形態1、2ないし変形例1ないし4と適宜組み合わせて構成するようなことでも、従来の問題点を解決して本発明の目的を達成することができる。
以上述べたとおり、本発明を実施形態を含む特定の実施形態等について説明したが、本発明の構成は、上述した実施形態や変形例等に限定されるものではなく、これらを適宜組み合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性および用途等に応じて種々の実施形態や変形例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
【0132】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、前述したような従来装置の有する諸問題点を解決して新規な製版印刷装置を提供することができる。請求項ごとの効果を挙げれば次のとおりである。
請求項1記載の発明によれば、制御手段は、マスタの製版開始位置よりも副走査方向の下流側のマスタ先端余白領域で、小径化プラテンローラに対するサーマルヘッドの接触を開始するように接離手段を制御した後、マスタを製版開始位置まで送るように回転駆動手段を制御し、かつ、製版開始位置でサーマルヘッドをして製版の開始をさせ、その後、版胴上のマスタにおける小径化プラテンローラに対するサーマルヘッドの接触開始位置よりも副走査方向の上流側に位置する製版開始位置に合わせて、押圧手段が押圧を開始するように押圧領域可変手段を制御するので、サーマルヘッドの薄膜基板端部のバリやキズによって、版胴上のマスタにおける製版開始位置よりも下流側のマスタ先端余白領域でフィルム面にキズを付けてしまっても、結果として黒点等の異常印刷画像の発生を防止することができる。加えて、小径化プラテンローラであることにより、使用材料量の低減を図って製版装置の小型化が可能になると共に、ひいては製版印刷装置の小型化も可能になる。
【0133】
請求項2記載の発明によれば、制御手段は、マスタの製版開始位置よりも副走査方向の下流側のマスタ先端余白領域で、小径化プラテンローラに対するサーマルヘッドの接触を開始するように接離手段を制御した後、マスタを製版開始位置まで送るように回転駆動手段を制御し、かつ、製版開始位置でサーマルヘッドをして製版の開始をさせ、その後、版胴上のマスタにおける小径化プラテンローラに対するサーマルヘッドの接触開始位置よりも副走査方向の上流側に位置する製版開始位置と小径化プラテンローラに対するサーマルヘッドの接触開始位置との間で、押圧手段が押圧を開始するように押圧領域可変手段を制御するので、サーマルヘッドの薄膜基板端部のバリやキズによって、版胴上のマスタにおける製版開始位置と小径化プラテンローラに対するサーマルヘッドの接触開始位置との間よりも下流側のマスタ先端余白領域でフィルム面にキズを付けてしまっても、結果として黒点等の異常印刷画像の発生を防止することができる。また、版胴上のマスタにおける製版開始位置よりも下流側で押圧手段による押圧が開始されるため、版胴上のマスタにおける製版開始位置で押圧手段による押圧が開始される場合と比べて、印刷画像先端部の極近傍において印刷画像かすれ等の不鮮明印刷画像が発生する虞もなくなる。加えて、小径化プラテンローラであることにより、使用材料量の低減を図って製版装置の小型化が可能になると共に、ひいては製版印刷装置の小型化も可能になる。
【0134】
請求項3および6記載の発明によれば、制御手段は、熱可塑性樹脂フィルムへのキズ形成の難易度に関するマスタの種類として、例えば熱可塑性樹脂フィルムの厚さに関して識別するマスタ種類識別手段からの信号に基づいて、前記制御を行うか否かを選択することにより、例えば熱可塑性樹脂フィルムの厚さが厚くて熱可塑性樹脂フィルムへのキズを生じないような場合には前記制御を行わないようにすることで、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、不要な動作を省略して製版から印刷に至るトータルの時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0135】
請求項4および6記載の発明によれば、制御手段は、熱可塑性樹脂フィルムへのキズ形成の難易度に関するマスタの種類として、例えば熱可塑性樹脂フィルムの厚さに関して設定するマスタ種類設定手段からの信号に基づいて、前記制御を行うか否かを選択することにより、例えば熱可塑性樹脂フィルムの厚さが厚くて熱可塑性樹脂フィルムへのキズを生じないような場合には前記制御を行わないようにすることで、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、不要な動作を省略して製版から印刷に至るトータルの時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0136】
請求項5および6記載の発明によれば、制御手段は、マスタ種類識別手段またはマスタ種類設定手段からの信号に基づいて、マスタがキズを形成し易いものであるときには、前記制御を行い、マスタがキズを形成し難いものであるとき、例えば熱可塑性樹脂フィルムの厚さが厚くて熱可塑性樹脂フィルムへのキズを生じないような場合には、前記制御を行わないので、請求項3または4記載の発明の効果に加えて、前記制御に係る動作を省略して製版から印刷に至るトータルの時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0138】
請求項7記載の発明によれば、サーマルヘッドは、例えば小型化された平面型サーマルヘッドを含む平面型サーマルヘッド、端面型サーマルヘッド、リアルエッジ型サーマルヘッドまたはコーナーエッジ型サーマルヘッドであることにより、前記各発明の効果に加えて、使用材料量の低減および/またはサーマルヘッド製造効率の向上を図ることができ、例えば小型化された平面型サーマルヘッドを用いた場合には製版装置の小型化が可能になると共に、ひいては製版印刷装置の小型化も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る感熱孔版印刷装置の概略正面図である。
【図2】図1に示した感熱孔版印刷装置に使用されるドラムユニットおよびその印刷ドラムの版胴に巻装される製版済みのマスタの関係を示す概略的な側面図である。
【図3】印刷用紙の用紙搬送方向における各部名称を表す平面図である。
【図4】実施形態1等における印刷ドラムの版胴に巻装される製版済みのマスタを展開した平面図である。
【図5】(a)は実施形態1等における、(b)は比較例としての従来例における、それぞれ印刷ドラムの版胴に巻装された製版済みのマスタと押圧開始位置、印刷可能領域(押圧領域)等との関係を展開して示す簡略的な断面図である。
【図6】図1における印圧装置の変位手段周りを拡大して示す一部断面正面図である。
【図7】図6における印圧装置の押圧領域可変手段周りを拡大して示す図6のS6−S6線の断面図である。
【図8】実施形態1および2における制御ブロック図である。
【図9】変形例1および3における制御ブロック図である。
【図10】変形例1および3におけるマスタ種類識別手段を示す斜視図である。
【図11】図10に示したマスタ種類識別手段の識別表示体を示す平面図である。
【図12】マスタ種類識別手段の変形例を示す平面図である。
【図13】変形例2および4における制御ブロック図である。
【図14】変形例2および4における操作パネルの平面図である。
【図15】(a)は、従来旧式のプラテンローラとサーマルヘッドとのセッティング状態を示す一部断面正面図、(b)は、従来最近の小径化プラテンローラと小型化サーマルヘッドとのセッティング状態を示す一部断面正面図である。
【図16】接離手段を示す要部の斜視図である。
【図17】図16に示した接離手段のさらに要部を示す斜視図である。
【図18】図15(b)に示した小型化サーマルヘッドとその取付部材との関係を示す一部断面正面図である。
【図19】(a),(b)は、図18に示した取付部材によるクリアランスの相違を表す要部の断面平面図である。
【図20】従来例における印刷ドラムの版胴に巻装される製版済みのマスタを展開した平面図である。
【図21】従来の別の例における印刷ドラムの版胴に巻装される製版済みのマスタを展開した平面図である。
【符号の説明】
1 (小径化)プラテンローラ
2 (小型化)サーマルヘッド
2A 発熱体
3 薄膜基板
5 サーマルヘッド基板
14 薄膜基板端部
15 マスタ
15a マスタ先端
15b 製版開始位置
16A マスタ先端余白領域
17 製版領域
17A 印刷画像形成領域
17Aa 開孔領域始端
18 印刷可能領域
18a 押圧開始位置
19 非印刷画像形成領域
20 製版装置
26 回転駆動手段としてのプラテンモータ
28 接離手段
29 マスタ先端検知手段としてのマスタ先端検知センサ
34 接離駆動手段としての圧解除モータ
35 接離検知手段としての接離検知センサ
40,40A,40B,140,140A,140B 制御手段
41 マスタ種類識別手段
62 印刷用紙
101 印刷ドラム(版胴)
103 押圧手段としてのプレスローラ
105 インキ供給手段を構成するインキローラ
120 印圧装置
121 変位手段
128 印圧カム組体
128a,128b,128c 印圧カム組体を構成する印圧カム
132 押圧領域可変手段を構成する押圧領域切換モータ
137 押圧領域可変手段
152 マスタ種類設定手段

Claims (7)

  1. 薄膜基板上の主走査方向に配列された複数の発熱体を備えたサーマルヘッド、前記薄膜基板上の前記主走査方向と直交する副走査方向におけるマスタ排出側の薄膜基板端の近傍に前記サーマルヘッドと接離自在に設けられたプラテンローラ、前記サーマルヘッドを前記プラテンローラに対して相対的に接離させる接離手段および前記プラテンローラを回転させる回転駆動手段を有する製版装置と、前記製版装置で製版されたマスタを巻装する版胴と、この版胴上のマスタにインキを供給するインキ供給手段と、前記版胴上のマスタに印刷用紙を相対的に押し付ける押圧手段と、前記版胴上のマスタに対する前記押圧手段による印刷用紙の押圧領域を変えるための押圧領域可変手段とを具備する製版印刷装置において、
    前記プラテンローラは、その外周径が16mm以下に小径化されている小径化プラテンローラであり、
    前記マスタの製版開始位置よりも前記副走査方向の下流側のマスタ先端余白領域で、前記小径化プラテンローラに対する前記サーマルヘッドの接触を開始するように前記接離手段を制御した後、前記マスタを前記製版開始位置まで送るように前記回転駆動手段を制御し、かつ、前記製版開始位置で前記サーマルヘッドをして製版の開始をさせ、その後、前記版胴上のマスタにおける前記小径化プラテンローラに対する前記サーマルヘッドの接触開始位置よりも前記副走査方向の上流側に位置する前記製版開始位置に合わせて、前記押圧手段が押圧を開始するように前記押圧領域可変手段を制御する制御手段を有することを特徴とする製版印刷装置。
  2. 薄膜基板上の主走査方向に配列された複数の発熱体を備えたサーマルヘッド、前記薄膜基板上の前記主走査方向と直交する副走査方向におけるマスタ排出側の薄膜基板端の近傍に前記サーマルヘッドと接離自在に設けられたプラテンローラ、前記サーマルヘッドを前記プラテンローラに対して相対的に接離させる接離手段および前記プラテンローラを回転させる回転駆動手段を有する製版装置と、前記製版装置で製版されたマスタを巻装する版胴と、この版胴上のマスタにインキを供給するインキ供給手段と、前記版胴上のマスタに印刷用紙を相対的に押し付ける押圧手段と、前記版胴上のマスタに対する前記押圧手段による印刷用紙の押圧領域を変えるための押圧領域可変手段とを具備する製版印刷装置において、
    前記プラテンローラは、その外周径が16mm以下に小径化されている小径化プラテンローラであり、
    前記マスタの製版開始位置よりも前記副走査方向の下流側のマスタ先端余白領域で、前記小径化プラテンローラに対する前記サーマルヘッドの接触を開始するように前記接離手段を制御した後、前記マスタを前記製版開始位置まで送るように前記回転駆動手段を制御し、かつ、前記製版開始位置で前記サーマルヘッドをして製版の開始をさせ、その後、前記版胴上のマスタにおける前記小径化プラテンローラに対する前記サーマルヘッドの接触開始位置よりも前記副走査方向の上流側に位置する前記製版開始位置と前記接触開始位置との間で、前記押圧手段が押圧を開始するように前記押圧領域可変手段を制御する制御手段を有することを特徴とする製版印刷装置。
  3. 請求項1または2記載の製版印刷装置において、
    前記マスタが、熱可塑性樹脂フィルムを有しており、該熱可塑性樹脂フィルムへのキズ形成の難易度に関するマスタの種類を識別するマスタ種類識別手段を有し、前記制御手段は、前記マスタ種類識別手段からの信号に基づいて、前記制御を行うか否かを選択することを特徴とする製版印刷装置。
  4. 請求項1または2記載の製版印刷装置において、
    前記マスタが、熱可塑性樹脂フィルムを有しており、該熱可塑性樹脂フィルムへのキズ形成の難易度に関するマスタの種類を設定するマスタ種類設定手段を有し、前記制御手段は、前記マスタ種類設定手段からの信号に基づいて、前記制御を行うか否かを選択することを特徴とする製版印刷装置。
  5. 請求項3または4記載の製版印刷装置において、
    前記制御手段は、前記マスタ種類識別手段または前記マスタ種類設定手段からの信号に基づいて、前記マスタが前記キズを形成し易いものであるときには、前記制御を行い、前記マスタが前記キズを形成し難いものであるときには、前記制御を行わないことを特徴とする製版印刷装置。
  6. 請求項3、4または5記載の製版印刷装置において、
    前記マスタの種類は、前記熱可塑性樹脂フィルムの厚さに関するものであることを特徴とする製版印刷装置。
  7. 請求項1ないし6の何れか一つに記載の製版印刷装置において、
    前記サーマルヘッドは、平面型サーマルヘッド、端面型サーマルヘッド、リアルエッジ型サーマルヘッドまたはコーナーエッジ型サーマルヘッドであることを特徴とする製版印刷装置。
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