JP4478382B2 - 印刷装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、孔版印刷装置等を含む印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
簡便な印刷装置として感熱デジタル製版式の孔版印刷装置が知られている。この孔版印刷装置では、熱可塑性樹脂フィルム(以下、単に「フィルム」というときがある)と多孔質支持体として和紙繊維や合成繊維、あるいは和紙繊維および合成繊維を混抄したもの等とを貼り合わせたラミネート構造のマスタを用いて、このマスタのフィルム面を製版手段としてのサーマルヘッド等の発熱素子に接触させ、原稿読取装置によって読み取られた原稿画像に係る画像情報やパーソナル・コンピュータやコンピュータ(以下、これらを総称して「パソコン」という)から送信された画像情報に基づいてサーマルヘッドを主走査方向に作動させることにより、マスタのフイルム面を選択的に熱溶融穿孔・製版して穿孔画像を形成し、プラテンローラ等のマスタ搬送手段でマスタを副走査方向に移動させながら、その製版済みのマスタを、多孔性円筒状の版胴(以下、「印刷ドラム」というときがある)の外周面上に自動的に巻装し、印刷ドラム内部のインキ供給手段よりインキを供給し、給送されてきた印刷用紙をプレスローラや圧胴等の押圧手段で印刷ドラム上の製版済みのマスタに連続的に押し付けることにより、印刷ドラムの開孔部分、さらにはマスタの穿孔部分よりインキを滲み出させ、そのインキを印刷用紙に転移させて印刷を行うようになっている。
【0003】
このような孔版印刷装置において、従来から原稿画像に忠実な印刷画像や画像情報に応じた最適な印刷濃度の印刷画像を得るために、印刷用紙を介して印刷ドラムに対する押圧手段の印圧(押圧力)を変化させるための印圧可変手段を制御する各種の技術が知られている(例えば、特許文献1ないし7参照)。
そのためのパラメータとしては、印刷速度を用いたもの(例えば、特許文献1および2参照)、温度を用いたもの(例えば、特許文献3参照)、孔版印刷装置の不使用期間や1回の使用中における印刷完了枚数など孔版印刷装置の使用状態を用いたもの(例えば、特許文献4参照)、印刷インキの種類を用いたもの(例えば、特許文献5参照)等が知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−155880号公報
【特許文献2】
特開8−238833号公報
【特許文献3】
特開平6−155881号公報
【特許文献4】
特開平6−155882号公報
【特許文献5】
特開平6−199028号公報
【特許文献6】
特開平6−340162号公報
【特許文献7】
特開2001−239735号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、印刷ドラムに対する押圧手段の印圧を可変させる際のパラメータとして、製版画像および印刷画像として階調性を持たせ写真画像等に適している製版動作および印刷動作(以下、「製版・印刷動作」という)を行うモード(以下、「写真モード」という)、文字画像および写真画像等が混在している際に適している製版・印刷動作を行うモード(以下、「文字・写真モード」という)、文字画像等に適している製版・印刷動作を行うモード(以下、「文字モード」という)を設定するための各種モードキー等の各種モード設定手段を用いて、そのモードに最適な印圧に変えるという制御技術は、提案されておらず、また実施されていなかった。
【0006】
上述したように、孔版印刷装置では、マスタのフィルム面をサーマルヘッドの発熱素子に接触させて、熱溶融穿孔・製版し、印刷用紙を介して印刷ドラム上の製版済みのマスタに押圧手段による印圧を加えることによってフィルムの穿孔部分から滲み出たインキを印刷用紙に転移させて印刷画像を形成させている。
そこで、孔版印刷装置で印刷した印刷画像を顕微鏡等によってミクロ的に観察してみると、溶融穿孔された孔に忠実なインキ画像としてのドットが形成されているわけではなく、その孔に対しては通常大きいドットが形成されてしまっている。
【0007】
また、溶融穿孔された孔から印刷用紙上に吐出されるインキの吐出量(インキ転移量)は、印圧の高低によって異なり、一般的に印圧の値が高い程多く、逆に印圧の値が低い程少ないことが経験的にかつ実験上からも判明している。すなわち、印圧の値が高い程インキ消費量が多くなり、これは溶融穿孔された孔からのインキ吐出量が多く、溶融穿孔された孔に対してのインキのドット滲み量(ドットゲイン)が多いということを意味している。これとは逆に、印圧の値が低い程インキ消費量が少なくなり、これは溶融穿孔された孔からのインキ吐出量が少なく、溶融穿孔された孔に対してのインキのドット滲み量が少ないということを意味している。
【0008】
上述した事実は、後述する図6に示すように、文字モード等のベタ部を印刷させたいときにおいて、印圧を高くすれば、溶融穿孔された孔からのインキの吐き出し、押圧(印圧をかける)した後ではインキがインキのドット間を埋める作用があるので、最終的な印刷画像としてはベタ部が黒々として綺麗に埋まっているものが得られる。逆に、写真画像のような階調性を持たせた印刷画像を得たいような場合においては、文字モード等のときのような高い印圧をかけると、印刷用紙上に形成されたインキのドットが滲んでしまい、階調性が低下しマクロ的にその印刷画像を見てみると、すっきりとしない印刷画像になって所望とする印刷画質の印刷物を得られないという問題点があった。
【0009】
従って、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、特に孔版印刷装置等の印刷装置において、文字画像、文字・写真画像や写真画像等を有する原稿や画像情報において、その画像に忠実で最適な品質の印刷画像を得ることができる印刷装置を提供することを主な目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すると共に上記目的を達成するために、請求項ごとの発明では以下の特徴ある手段・構成を採っている。
請求項1記載の発明は、マスタを製版する製版手段を有し、製版済みのマスタを印刷ドラムの外周面に巻装し、該印刷ドラム上の製版済みのマスタにインキを供給し、押圧手段により上記印刷ドラムに対して印刷用紙を相対的に押し付けて印刷用紙上に印刷画像を形成する印刷装置において、文字画像等に対応した製版動作および印刷動作を行う文字モード、写真画像等に対応した製版動作および印刷動作を行う写真モード、および文字・写真混合画像等に対応した製版動作および印刷動作を行う文字・写真モードのうちの少なくとも2つのモードを設定するモード設定手段と、上記印刷ドラムに対する上記押圧手段の印圧を変化させる印圧可変手段と、上記モード設定手段による上記写真モード設定時には上記文字・写真モード設定時よりも、該文字・写真モード設定時には上記文字モード設定時よりも、それぞれ上記印圧が低くなるように上記印圧可変手段を制御するモード別印圧制御手段とを有し、インキの粘度を検出するインキ粘度検出手段、環境温度を検出する環境温度検出手段およびインキの温度を検出するインキ温度検出手段の何れか1つ、インキの種類を検出するインキ種類検出手段およびインキの種類を設定するインキ種類設定手段の何れか1つ、上記印刷装置の印刷速度は可変であり、該印刷速度を選択的に設定する印刷速度設定手段、印刷用紙の種類を検出する用紙種類検出手段および印刷用紙の種類を設定する用紙種類設定手段の何れか1つ、マスタの種類を検出するマスタ種類検出手段およびマスタの種類を設定するマスタ種類設定手段の何れか1つの、上記印圧を介して印刷画質に影響を与える印圧用パラメータを検出または設定する手段を少なくとも1つ有し、上記少なくとも1つの印圧用パラメータを検出または設定する手段によって検出または設定された上記少なくとも1つの印圧用パラメータに応じて、上記印圧が所定の印圧になるように上記印圧可変手段を制御する印圧用パラメータ別印圧制御手段を有し、上記製版手段は、多数の発熱素子を備えており、インキの粘度を検出するインキ粘度検出手段、環境温度を検出する環境温度検出手段およびインキの温度を検出するインキ温度検出手段の何れか1つ、インキの種類を検出するインキ種類検出手段およびインキの種類を設定するインキ種類設定手段の何れか1つ、上記印刷装置の印刷速度は可変であり、該印刷速度を選択的に設定する印刷速度設定手段、印刷用紙の種類を検出する用紙種類検出手段および印刷用紙の種類を設定する用紙種類設定手段の何れか1つ、マスタの種類を検出するマスタ種類検出手段およびマスタの種類を設定するマスタ種類設定手段の何れか1つの、上記製版手段の発熱素子に供給する穿孔エネルギーを介して印刷画質に影響を与える穿孔エネルギー用パラメータを検出または設定する手段を少なくとも1つ有し、上記少なくとも1つの穿孔エネルギー用パラメータを検出または設定する手段によって検出または設定された上記少なくとも1つの穿孔エネルギー用パラメータに応じて、上記発熱素子に供給する穿孔エネルギーを所定のエネルギーに調整するパラメータ別エネルギー調整手段を具備し、上記印刷装置への電力の供給を断接する電力断接手段と、上記電力断接手段により上記電力の供給を断った後における、前回の最終印刷時に使用した上記モードおよび印刷条件を記憶する記憶手段とを有し、上記印刷ドラム上の同じ製版済みのマスタを用いて印刷を行う次回の印刷時に、上記前回の最終印刷時に使用した上記モードおよび上記印刷条件を上記記憶手段から選択して印刷動作を行うことを特徴とする。
【0012】
請求項記載の発明は、マスタを製版する製版手段を有し、製版済みのマスタを印刷ドラムの外周面に巻装し、該印刷ドラム上の製版済みのマスタにインキを供給し、押圧手段により上記印刷ドラムに対して印刷用紙を相対的に押し付けて印刷用紙上に印刷画像を形成する印刷装置において、文字画像等に対応した製版動作および印刷動作を行う文字モード、写真画像等に対応した製版動作および印刷動作を行う写真モード、および文字・写真混合画像等に対応した製版動作および印刷動作を行う文字・写真モードのうちの少なくとも2つのモードを設定するモード設定手段と、上記印刷ドラムに対する上記押圧手段の印圧を変化させる印圧可変手段と、上記モード設定手段による上記写真モード設定時には上記文字モード設定時よりも上記印圧が低くなるように上記印圧可変手段を制御するモード別印圧制御手段とを有し、インキの粘度を検出するインキ粘度検出手段、環境温度を検出する環境温度検出手段およびインキの温度を検出するインキ温度検出手段の何れか1つ、インキの種類を検出するインキ種類検出手段およびインキの種類を設定するインキ種類設定手段の何れか1つ、上記印刷装置の印刷速度は可変であり、該印刷速度を選択的に設定する印刷速度設定手段、印刷用紙の種類を検出する用紙種類検出手段および印刷用紙の種類を設定する用紙種類設定手段の何れか1つ、マスタの種類を検出するマスタ種類検出手段およびマスタの種類を設定するマスタ種類設定手段の何れか1つの、上記印圧を介して印刷画質に影響を与える印圧用パラメータを検出または設定する手段を少なくとも1つ有し、上記少なくとも1つの印圧用パラメータを検出または設定する手段によって検出または設定された上記少なくとも1つの印圧用パラメータに応じて、上記印圧が所定の印圧になるように上記印圧可変手段を制御する印圧用パラメータ別印圧制御手段を有し、上記製版手段は、多数の発熱素子を備えており、インキの粘度を検出するインキ粘度検出手段、環境温度を検出する環境温度検出手段およびインキの温度を検出するインキ温度検出手段の何れか1つ、インキの種類を検出するインキ種類検出手段およびインキの種類を設定するインキ種類設定手段の何れか1つ、上記印刷装置の印刷速度は可変であり、該印刷速度を選択的に設定する印刷速度設定手段、印刷用紙の種類を検出する用紙種類検出手段および印刷用紙の種類を設定する用紙種類設定手段の何れか1つ、マスタの種類を検出するマスタ種類検出手段およびマスタの種類を設定するマスタ種類設定手段の何れか1つの、上記製版手段の発熱素子に供給する穿孔エネルギーを介して印刷画質に影響を与える穿孔エネルギー用パラメータを検出または設定する手段を少なくとも1つ有し、上記少なくとも1つの穿孔エネルギー用パラメータを検出または設定する手段によって検出または設定された上記少なくとも1つの穿孔エネルギー用パラメータに応じて、上記発熱素子に供給する穿孔エネルギーを所定のエネルギーに調整するパラメータ別エネルギー調整手段を具備し、上記印刷装置への電力の供給を断接する電力断接手段と、上記電力断接手段により上記電力の供給を断った後における、前回の最終印刷時に使用した上記モードおよび印刷条件を記憶する記憶手段とを有し、上記印刷ドラム上の同じ製版済みのマスタを用いて印刷を行う次回の印刷時に、上記前回の最終印刷時に使用した上記モードおよび上記印刷条件を上記記憶手段から選択して印刷動作を行うことを特徴とする。
上記請求項1および2における「上記少なくとも1つの印圧用パラメータを検出または設定する手段によって検出または設定された上記少なくとも1つの印圧用パラメータに応じて」とは、印圧用パラメータだけについて記載すると、「インキの粘度、環境温度およびインキの温度の何れか1つ、インキの種類、印刷速度、印刷用紙の種類ならびにマスタの種類のうちの少なくとも1つの印圧用パラメータに応じて」を意味している。
さらに具体的に、「上記少なくとも1つの印圧用パラメータを検出または設定する手段によって検出または設定された上記少なくとも1つの印圧用パラメータに応じて」として、「マスタの種類」を含むものについて着目して数例を挙げると、次のようである。
【0013】
すなわち、最も簡単な第1の例は、「マスタ種類検出手段またはマスタ種類設定手段によって検出または設定されたマスタの種類に応じて」である。
【0014】
第2の例は、「マスタ種類検出手段またはマスタ種類設定手段によって検出または設定されたマスタの種類と、インキ粘度検出手段によって検出されたインキの粘度とに応じて」である。この場合のインキの種類は、1種類でありインキの粘度が特定される。
第3の例は、「マスタ種類検出手段またはマスタ種類設定手段によって検出または設定されたマスタの種類と、インキ粘度検出手段によって検出されたインキの粘度と、インキ種類検出手段またはインキ種類設定手段によって検出または設定されたインキの種類とに応じて」である。この場合のインキの種類は、2種類以上である。
第4の例は、「マスタ種類検出手段またはマスタ種類設定手段によって検出または設定されたマスタの種類と、環境温度検出手段によって検出された環境温度とに応じて」である。
第5の例は、「マスタ種類検出手段またはマスタ種類設定手段によって検出または設定されたマスタの種類と、インキ温度検出手段によって検出されたインキの温度とに応じて」である。
【0015】
第6の例は、「マスタ種類検出手段またはマスタ種類設定手段によって検出または設定されたマスタの種類と、印刷速度設定手段によって設定された印刷速度とに応じて」である。
第7の例は、「マスタ種類検出手段またはマスタ種類設定手段によって検出または設定されたマスタの種類と、用紙種類検出手段または用紙種類設定手段によって検出または設定された印刷用紙の種類とに応じて」である。
第8の例は、「マスタ種類検出手段またはマスタ種類設定手段によって検出または設定されたマスタの種類と、インキ粘度検出手段によって検出されたインキの粘度と、インキ種類検出手段またはインキ種類設定手段によって検出または設定されたインキの種類と、印刷速度設定手段によって設定された印刷速度とに応じて」である。
第9の例は、「マスタ種類検出手段またはマスタ種類設定手段によって検出または設定されたマスタの種類と、インキ粘度検出手段によって検出されたインキの粘度と、インキ種類検出手段またはインキ種類設定手段によって検出または設定されたインキの種類と、印刷速度設定手段によって設定された印刷速度と、用紙種類検出手段または用紙種類設定手段によって検出または設定された印刷用紙の種類とに応じて」である。
上述したことは、「穿孔エネルギー用パラメータ」についても同様に多種類の組み合わせがある。
【0021】
「押圧手段により上記印刷ドラムに対して印刷用紙を相対的に押し付けて印刷用紙上に印刷画像を形成する」とは、製版済みのマスタを介して各印刷ドラムに対して圧胴を押し付けて印刷を行う圧胴接離方式と、製版済みのマスタを介して圧胴に対して印刷ドラムを押し付けて印刷を行う印刷ドラム接離方式と、それらの併用方式とがある。圧胴接離方式の具体例としては、例えば特開平11−309935号公報の図1等に示されている圧胴およびその接離手段が挙げられる。一方、印刷ドラム接離方式には、印刷ドラムが圧胴側へ移動(印刷ドラム内部のインキローラ等が圧胴側へ突出するタイプも含む)して印刷を行う周知のものが挙げられる。この例としては、例えば、特開平1−204781号や、特開平3−197078号あるいは特開平3−254984号公報等に開示されているような金属製スクリーンを内側から外側に向けて膨出させる、いわゆる中押しローラ方式(インキローラを兼ねるものも含む)のものが挙げられる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という)を説明する。各実施形態等に亘り、同一の機能や形状等を有する部材や構成部品等の構成要素については、同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素は適宜断わりなく省略することがある。従来技術に係る公開特許公報等の図等に示されている符号をそのまま引用する場合には、その引用した符号に括弧を付して表すことにより、後述する実施形態や変形例のそれと区別するものとする。
(実施形態1)
図1ないし図9に、実施形態1を示す。
まず、図1を参照して、本発明に係る印刷装置の一例としてのデジタル感熱式孔版印刷装置(以下、「孔版印刷装置」という)の概略的な全体構成と共に、その動作について簡単に説明する。
図1において、符号50は、孔版印刷装置の骨組みをなす装置本体フレームを示す。装置本体フレーム50は、同図の紙面手前側、紙面奥側およびその左右両側に対向配置されていて、図3等においてはその厚さを誇張して示す。図1に示すように、装置本体フレーム50の上部にある、符号80で示す部分は原稿読取装置を、その下方の符号90で示す部分は製版給版装置を、製版給版装置90の左側に符号101で示す部分は多孔性円筒状の印刷ドラムを、印刷ドラム101の下方の符号100で示す部分は印圧ドラム装置を、印刷ドラム101の左側に符号70で示す部分は排版装置を、製版給版装置90の下方の符号110で示す部分は給紙装置を、印圧ドラム装置100の左側であって排版装置70の下方の符号55で示す部分は排紙装置を、それぞれ示している。
【0023】
原稿読取装置80は、図示しない原稿載置台上から移送される原稿60の表面の画像を読み取る機能・構成を、製版給版装置90は、ロール状に巻かれたマスタ61を製版し給版搬送する機能・構成を、印刷ドラム101は、製版済みのマスタ61をその外周面に巻装する機能・構成を、印圧ドラム装置100は、印刷ドラム101上の製版済みのマスタ61にインキを供給し、後述する押圧手段により印刷ドラム101に対して印刷用紙62を押し付けて印刷用紙62上に印刷画像を形成する機能・構成を、排版装置70は、印刷ドラム101の外周面から使用済みのマスタ61を剥ぎ取りこれを排版ボックス74内に排出・排版する機能・構成を、給紙装置110は、給紙台51上に積載された印刷用紙62を印圧ドラム装置100に給送する機能・構成を、排紙装置55は、印圧ドラム装置100にて印刷された印刷用紙62を排紙台52に排出する機能・構成を、それぞれ有する。図1に示す排版装置70側の装置本体フレーム50には、この孔版印刷装置の上記各装置等への電力の供給を断接する電力断接手段としての電源スイッチ58が配置されている。
【0024】
次に、この孔版印刷装置の動作について説明する。
先ず、使用者が、原稿読取装置80の上部に配置された図示しない原稿載置台に印刷すべき画像を持った原稿60をセットし、図2に示す操作パネル30の製版スタートキー44を押す。この製版スタートキー44の押下に伴い、製版スタート信号が生成されこれがトリガとなって、先ず排版工程が実行される。すなわち、この状態においては、印刷ドラム101の外周面に前回の印刷で使用された使用済みのマスタ61が装着されたまま残っている。印刷ドラム101は、後で詳述する図4に示す駆動機構150を介してメインモータ151に連結されていて、メインモータ151によって回転駆動される。
【0025】
印刷ドラム101が図中矢印方向Aと反対方向に回転し、印刷ドラム101の外周面に装着されていた使用済みのマスタ61の後端部が排版装置70の排版剥離ローラ対71a,71bに近づくと、同ローラ対71a,71bは回転しつつ一方の排版剥離ローラ71bで使用済みのマスタ61の後端部をすくい上げ、排版剥離ローラ対71a,71bの左方に配設された排版コロ対73a,73bと排版剥離ローラ対71a,71bとの間に掛け渡された排版搬送ベルト対72a,72bで構成される排版剥離搬送装置により、使用済みのマスタ61は印刷ドラム101の外周面から漸次剥され矢印方向Y1方向へ搬送されつつ排版ボックス74内へ排出されていわゆる排版が終了する。このとき印刷ドラム101は反時計回り方向への回転を続けている。排出された使用済みのマスタ61は、その後、圧縮板75によって排版ボックス74の内部で圧縮される。
【0026】
排版工程と並行して、原稿読取装置80が作動して原稿読み取りが行われる。すなわち、上記原稿載置台に載置された原稿60は、分離ローラ81、前原稿搬送ローラ対82a,82bおよび後原稿搬送ローラ対83a,83bのそれぞれの回転により矢印Y2からY3方向(以下、「原稿搬送方向Y2」という)に搬送されつつ露光読み取りに供される。このとき、原稿60が多数枚あるときは、分離ブレード84の作用でその最下部の原稿のみが搬送される。
上側の後原稿搬送ローラ83aは、例えばステッピングモータからなる原稿搬送モータ83Aによって回転駆動される。上側の前原稿搬送ローラ82aは、上側の搬送ローラ83aと搬送ローラ82aとの間に掛け渡されたタイミングベルト(図示せず)を介して原稿搬送モータ83Aによって回転駆動され、各ローラ82b,83bはそれぞれ従動回転する。
【0027】
原稿60の画像読み取りは、コンタクトガラス85上を搬送されつつ、蛍光灯86により照明された原稿60の表面からの反射光を、ミラー87で反射させレンズ88を通して、CCD(電荷結合素子等の光電変換素子)からなる画像センサ89に入射させることにより行われる。その画像が読み取られた原稿60は原稿トレイ80A上に排出される。
原稿読取装置80には、多色重ね刷り印刷に必要な色分解のための諸機能を有する構成、例えば特開昭64−18682号公報記載の複数の色フィルターを切換可能に制御できるフィルターユニットと同様の機能および構成を有するものが、ミラー87とレンズ88との間の光路上に配設されている。
【0028】
図1および図5に示すように、原稿60の光学情報は画像センサ89で光電変換され、そのアナログの電気信号はアナログ/デジタル(A/D)変換装置56に入力されデジタルの画像信号に変換される。このデジタルの画像信号は画像処理装置57で画像処理を施され、こうして画像処理を施された画像信号は、図示しない製版制御部を含む制御装置63に入力される。上記製版制御部は、主として図示しないサーマルヘッド駆動回路を介して製版給版装置90のサーマルヘッド91を制御するものであり、制御装置63の一部を構成している。なお、制御装置63へ入力される画像信号は上記CCDで読み取ったものに限らず、例えば密着イメージセンサ(CIS)等からのものでも構わない。
制御装置63の上記製版制御部に入力した画像信号は、図5に示すような制御構成によって後述するような本発明に特有の各種制御が実行される他、既に公知であり図5に示すブロック図でその図示を省略している一般的諸制御手段による諸制御、すなわち熱履歴制御手段による熱履歴制御やコモンドロップ補正制御手段によるコモンドロップ補正制御あるいはサーマルヘッド温度補正制御手段によるサーマルヘッド温度補正制御等を適宜施されて、サーマルヘッド駆動用の信号として通電信号、ラッチ信号、クロック信号、画像データ信号等を生成されて、サーマルヘッド駆動回路(図示せず)に送信される。
【0029】
一方、このような原稿走査および画像読み取り動作と並行して、デジタル信号化された画像情報に基づき製版および給版工程が行われる。すなわち上記製版スタート信号がトリガとなって、例えばステッピングモータからなるマスタ搬送モータ92Aが回転駆動されることにより、図示しないマスタ支持部材を介してマスタ61を繰り出し可能にセットされ、芯管61aの周りにロール状に巻かれて形成されたマスタロール61bからマスタ61が引き出される。引き出されたマスタ61は、マスタ61を介してサーマルヘッド91に押し付けられているマスタ搬送手段としてのプラテンローラ92および送りローラ対93a,93bの一定速度の回転により、図中矢印Yで示す副走査方向Y(以下、「マスタ搬送方向Y」というときがある)の下流側に搬送される。搬送されるマスタ61に対して、サーマルヘッド91の主走査方向にライン状に並んで配列された多数の微小な発熱素子91aが、制御装置63から送られてくるデジタルの画像データ信号に応じて各々選択的に発熱し、発熱した発熱素子91aに接触しているマスタ61の熱可塑性樹脂フィルム部分が加熱溶融穿孔される。このようにして、画像情報に応じたマスタ61の位置選択的な溶融穿孔により、画像情報が穿孔パターンとしてマスタ61に書き込まれる。
【0030】
画像情報が書き込まれた製版済みのマスタ61の先端は、給版ローラ対94a,94bにより印刷ドラム101の外周部側へ向かって送り出され、図示しない給版ガイド板により進行方向を下方へ変えられ、図1に二点鎖線で示す給版位置状態にある印刷ドラム101の拡開したマスタクランパ102へ向かって垂れ下がる。このとき印刷ドラム101は、排版工程により使用済みのマスタ61を既に除去されている。
【0031】
そして、装置本体フレーム50側に配設されマスタクランパ102を開閉する図示しない開閉装置の作動により、製版済みのマスタ61の先端が一定のタイミングでマスタクランパ102によってクランプ・保持されると、印刷ドラム101は図中矢印A方向(時計回り方向)に回転しつつ外周面に製版済みのマスタ61を徐々に巻き付けていく。製版済みのマスタ61の後端部は、製版完了後にカッタ95により一定の長さに切断されて、一版の製版済みのマスタ61が印刷ドラム101の外周面に完全に巻装された段階で製版および給版工程が終了する。
【0032】
その後、プラテンローラ92、送りローラ対93a,93bおよび給版ローラ対94a,94bの回転により、切断された上流側の残りのマスタ61の先端が給版ローラ対94a,94bのニップ部に向けて搬送される。こうして搬送されたマスタ61の先端が図示しないマスタ先端検知センサによって検知され、マスタ61の先端が初期位置を占めたと判断されると、プラテンローラ92、送りローラ対93a,93bおよび給版ローラ対94a,94bの回転が停止し、次の製版に備えた製版待機状態になる。マスタ61の初期位置は、例えば、給版ローラ対94a,94bのニップ部で挟持された位置から少し前方にはみ出た位置に予め設定されている。
【0033】
次いで、印刷工程が開始される。先ず、給紙台51上に積載された印刷用紙62の内の最上位の1枚が、給紙コロ111および分離コロ対112a,112bによりレジストローラ対113a,113bに向けて矢印Y4方向(用紙搬送方向Y4という)に給送され、さらにレジストローラ対113a,113bにより印刷ドラム101の回転と同期した所定のタイミングで印圧ドラム装置100における印刷ドラム101とプレスローラ103との間に給送される。このプレスローラ103は、後述するプレスローラ変位手段により印刷ドラム101の外周面に接離自在になされており、外周面に製版済みのマスタ61が巻装された印刷ドラム101に対して給送されてきた印刷用紙62を押し付けて印刷画像を印刷用紙62上に形成する押圧手段としての機能を有する。そして、給送されてきた印刷用紙62が、印刷ドラム101とプレスローラ103との間に挿入されてくると、印刷ドラム101の外周面下方に離間していたプレスローラ103が揺動・上昇されることにより、印刷ドラム101の外周面に巻装されている製版済みのマスタ61に押し付けられる。こうして、印刷ドラム101の多孔部から滲み出たインキの粘性による付着力によって、製版済みのマスタ61が印刷ドラム101の外周面上に密着すると同時に、さらに製版済みのマスタ61の穿孔パターン部からインキが滲み出し、この滲み出たインキが印刷用紙62の表面に転移されて、印刷画像が形成される。
【0034】
このとき、印刷ドラム101の内周側では、図3に詳しく示すインキ供給ディストリビュータ123からインキローラ120とドクターローラ121との間に形成されるインキ溜まり122にインキが供給され、印刷ドラム101の回転方向と同一方向に、かつ、印刷ドラム101の回転速度と同期して回転しながら内周面に転接するインキローラ120により、インキが印刷ドラム101の内周側に供給される。
【0035】
印圧ドラム装置100において印刷画像が形成された印刷用紙62は、排紙装置55における排紙剥離爪114により印刷ドラム101から剥がされ、吸引用ファン118に吸引されつつ、吸着排紙入口ローラ115および吸着排紙出口ローラ116に掛け渡された多孔性の搬送ベルト117に吸着され、この搬送ベルト117の反時計回り方向の回転により、矢印Y5のように排紙台52へ向かって搬送され、排紙台52上に順次排出積載される。このようにしていわゆる版付け印刷が終了する。なお、説明が前後するが、版付け印刷(印刷ドラム101外周面上への製版済みのマスタ61を滲み出たインキの粘着力で密着させるための印刷をいう)時の印刷速度は、例えば16〜20枚/min(分)というような低速度に設定される。
【0036】
版付け印刷終了後、プレスローラ103は印刷ドラム101から離間し、印刷ドラム101は図1においてマスタクランパ102が略真上となる初期位置に復帰して、印刷待機状態となる。
【0037】
次に、操作パネル30の印刷速度設定キー47(速度ダウンキー47aまたは速度アップキー47b)を押下することにより、所望する印刷速度値を設定し、これに前後して同図に示す操作パネル30のテンキー46で印刷枚数をセットし、同様に同図に示す操作パネル30の印刷スタートキー45を押すと上記版付け印刷と同様の工程で、給紙、印刷および排紙の各工程が設定された印刷速度でセットした印刷枚数分繰り返して行われ、孔版印刷の全工程が終了する。ここでは、印刷速度設定キー47を押下しなかったので、印刷速度が後述する標準印刷速度:3速に自動的に設定される。
【0038】
以下、操作パネル30、製版給版装置90、印圧ドラム装置100および制御装置63の細部構成について、順次説明する。
図2に示すように、孔版印刷装置における原稿読取装置80の上部には、この孔版印刷装置を操作するための操作パネル30が配置されている。操作パネル30には、文字画像等に対応した製版動作および印刷動作(以下、「製版・印刷動作」という)を行う文字モードを設定する文字モード設定キー31と、写真画像等に対応した製版・印刷動作を行う写真モードを設定する写真モード設定キー33と、文字画像および写真画像が混合した文字・写真混合画像に対応した製版・印刷動作を行う文字・写真モードを設定する文字・写真モード設定キー32と、文字モード設定キー31の押下によって文字モードが設定されたことを表示する文字モード表示ランプ34aと、写真モード設定キー33の押下によって写真モードが設定されたことを表示する写真モード表示ランプ34cと、文字・写真モード設定キー32の押下によって文字・写真モードが設定されたことを表示する文字・写真モード表示ランプ34bとが配置されている。
文字モード設定キー31、文字・写真モード設定キー32および写真モード設定キー33は、文字モード、文字・写真モードおよび写真モードのうちの少なくとも2つのモードを選択的に設定するためのモード設定手段を構成している。
【0039】
文字モード表示ランプ34a、文字・写真モード表示ランプ34bおよび写真モード表示ランプ34cは、例えばLED(発光ダイオード)からなり、モード表示器34を構成している。モード表示器34は、上記モード設定手段(文字モード設定キー31、文字・写真モード設定キー32、写真モード設定キー33)により設定されたモードを表示するモード表示手段としての機能を有する。これにより、使用者が選択したモードがモード表示器34にて目視確認できるようになっている。
上記モード設定手段は、各モード設定キー31,32,33に限らず、例えば後述する印刷速度設定キー47の速度ダウンキー47aおよび速度アップキー47bのような2つのキーで設定するもので、例えば各モード表示ランプ34a,34b,34cの点灯表示を切り換えるものでも構わない。モード表示手段は、LEDに限らず、LCD(液晶表示装置)でも構わない。
【0040】
また、操作パネル30には、原稿画像の画像読み取りから版付け印刷に至る各動作の起動を設定・入力する製版スタートキー44と、テンキー46で設定・入力された印刷枚数の印刷動作の起動を行う印刷スタートキー45と、印刷枚数等を設定・入力するテンキー46と、印刷速度レベル1〜5の5段階の印刷速度の中から1つの印刷速度を選択的に設定するための印刷速度設定手段としての速度ダウンキー47aおよび速度アップキー47bからなる印刷速度設定キー47と、速度ダウンキー47aまたは速度アップキー47bにより設定された設定印刷速度を表示するためのLEDランプ群からなる印刷速度表示手段としての速度表示器48と、テンキー46の押下により設定・入力された印刷枚数等を表示する7セグメントの表示部49Aと、孔版印刷装置の操作順序や、マスタ61や印刷用紙62がジャムしたことを文字表示したりその発生箇所を絵表示したりする液晶表示部49B等とが配置されている。
【0041】
速度表示器48は、速度ダウンキー47aまたは速度アップキー47bの1回ごとの押下により、上記印刷速度を1から5までの5段階の設定印刷速度(以下、「設定印刷速度:1速〜5速」という)に、切り換えられる印刷速度を点灯表示する。速度ダウンキー47aまたは速度アップキー47bは、1回押下するごとに、設定印刷速度:1速〜5速の何れか1つの設定印刷速度に対応した各LEDランプの点灯を順次切り換える機能も有している。これにより、使用者が選択した設定印刷速度が速度表示器48にて目視確認できるようになっている。
ハッチングを施した「設定印刷速度:3速」は、通常使用される印刷速度に対応した標準印刷速度であって、速度ダウンキー47aまたは速度アップキー47bを押下しなかった場合に自動的に設定されるようになっている。
【0042】
上記モード設定手段は、上記した各モード設定キー31,32,33に限らず、単一のキーを設けてこれを押すごとに順次各モードを選択・設定すべく切り換えるようにしてもよい。また、上記モード表示手段は、上記した各モード表示ランプ34a,34b,34cで点灯表示することに限らず、例えば点滅表示したり、液晶表示部49Bに単独でもしくは各モード表示ランプ34a,34b,34cと併用で表示したり、LCDやタッチパネル方式等のものでも構わない。また、LEDに代えてブザー等の報知手段で使用者に吹鳴・報知したりしてもよいし、あるいはこれらを適宜組み合わせてもよい。液晶表示部49Bには、例えば、後述する変形例等で説明するマスタ61の種類、インキの種類、印刷用紙62の種類等を適宜表示してもよいことを付記しておく。
【0043】
製版給版装置90について補足説明する。
プラテンローラ92は、例えば本願出願人が提案した特開平11−77949号公報の図2に示されている機構と同様の回転伝達機構を介して、駆動手段としてのマスタ搬送モータ92Aに連結されていて、マスタ搬送モータ92Aにより回転される。マスタ搬送モータ92Aの回転駆動力は、上記回転伝達機構を介して、送りローラ対93a,93bおよび給版ローラ対94a,94bに伝達されるようになっている。
【0044】
サーマルヘッド91は、上記したように画像センサ89、A/D変換装置56、画像処理装置57を経由して、あるいはパソコン等からの画像信号を受信するための図示しないパソコン・コントローラを経由して、それぞれ制御装置63の上記製版制御部で処理されて送出されるデジタルの画像データ信号を含むサーマルヘッド駆動用の信号に基づいて、多数の発熱素子91aを選択的に加熱することにより、マスタ61を位置選択的に加熱溶融穿孔し製版する製版手段としての機能を有する。サーマルヘッド91は、図示しない接離手段により、マスタ61を介してプラテンローラ92に接離自在となっている。
【0045】
この孔版印刷装置では、サーマルヘッド91としては、一般的に薄膜サーマルヘッドのうちで平面型サーマルヘッドと呼ばれているものを用いているが、これに限らず、例えば端面型サーマルヘッド、リアルエッジ型サーマルヘッドもしくはコーナーエッジ型サーマルヘッドを用いてもよい。また、サーマルヘッド91の発熱素子91aとしては、通常、その平面視形状が矩形型のものを用いているが、熱集中型でもよい。以下、サーマルヘッド91としては、実施例的には、平面型サーマルヘッドで、その発熱素子91aの矩形型のもので、大きさ・仕様としてはA3サイズ、解像度600DPI(ドット/インチ)で、主走査方向Sに多数の発熱素子91aを一列に配設したものを使用しているものとして説明する。
【0046】
マスタ61は、連続シート状をなし、例えば、厚さが0.5〜5μmのポリエチレンテレフタレート(PET)系の熱可塑性樹脂フィルムと多孔質支持体としての和紙繊維とを接着剤で貼り合わせたものが用いられる。
マスタ61は、上記したものの他、例えば厚さが0.5〜3μmの、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタや、マスタ61の多孔質支持体の厚さを薄くしたマスタであってもよく、例えば本願出願人が提案した特開平11−77949号公報に記載されているような合成繊維ベースマスタでもよいし、また合成樹脂フィルムに溶融した樹脂を塗布して合成樹脂フィルムに樹脂膜を一体的に形成したようなマスタも使用することができる。
【0047】
上述したとおり、製版給版装置90は、サーマルヘッド91の主走査方向Sに配列された複数の発熱素子91aの部分をマスタ61の熱可塑性樹脂フィルムに接触させ、主走査方向Sと直交する副走査方向Yにマスタ61を所定の副走査送りピッチで移動させ、画像データに応じての個々の発熱素子91aの位置選択的な加熱によりマスタ61のフィルムを溶融穿孔してドット状の製版画像をマスタ61に形成する装置である。
マスタ61を副走査方向Yに搬送する送り動作は、上記例のように所定の送りピッチで間欠的に移動するものに限らず、連続的に送るようにしてもよい。また、原稿読取装置80に限らず、原稿60をコンタクトガラス上に載置・固定し、蛍光灯及びミラー等を具備した走査光学系を駆動モータにより移動させつつ原稿の読み取りを行うスキャナ移動方式を採用してもよい。この場合、上記走査光学系の移動速度を、副走査方向Yの解像度に対応した所定の送りピッチに変えるように上記駆動モータを制御すればよい。
【0048】
図3および図4等を参照して、印圧ドラム装置100について説明する。
印圧ドラム装置100は、印刷ドラム101と、印刷ドラム101上の製版済みのマスタ61にインキを供給するためのインキ供給装置119と、押圧手段としてのプレスローラ103を、印刷ドラム101の外周面に押圧する印圧位置と、この印圧位置から離間した非印圧位置とに選択的に変位させるプレスローラ変位手段22と、印刷ドラム101に対するプレスローラ103の押圧力(以下、「印圧」という)を変化させる印圧可変手段20と、印刷ドラム101を回転させると共に、上記印圧位置と上記非印圧位置とにプレスローラ103を印刷ドラム101の回転に同期させて揺動・変位させる駆動機構150等とから主に構成される。
【0049】
印刷ドラム101は、支軸104方向に延在して設けられていて、図7にその一部を拡大して示すように、インキ通過性の多数かつ微細な開孔部101cが形成された樹脂あるいは金属製の多孔性支持円筒体101aと、その外周面に巻き付けられた複数層のメッシュスクリーン101bとの2層構造からなる、版胴とも呼ばれる外周部を有する。多孔性支持円筒体101aは、その円周上の所定の範囲に亘り開孔部101cが形成された印刷部位(印刷可能領域)と、開孔部101cが形成されていないインキ不通過性の非印刷部位(非印刷領域)とからなる。印刷ドラム101の上記非印刷部位は、支軸104方向の両端縁部にも所定の範囲に亘り形成されている。
【0050】
図1、図3および図7に示すように、インキ供給装置119は、印刷ドラム101の内周面にインキを供給するインキローラ120と、このインキローラ120と微小間隙をあけて平行に配置され、インキローラ120との間に断面楔形状のインキ溜まり122を形成するドクターローラ121と、インキ溜まり122へインキを供給するインキ供給ディストリビュータ123とから主に構成される。図3および図7において、符号124は、インキ溜まり122のインキ量を検知するインキ量検知センサの一部を示しており、インキ量検知センサ124は、インキ溜まり122のインキにインキ検知針部を浸漬して静電容量式にそのインキ量を検知する周知のものである。
インキ供給装置119周りの構成は、例えば特開平5−229243号公報の図2および図7に記載されているものと略同様であって、インキローラ120およびドクターローラ121は、支軸104の左右両端部に垂下された一対のインキローラ側板にそれぞれ回転可能に支持されている。
【0051】
図4において、符号140は、図1に示す装置本体フレーム50に対して印刷ドラム101等が着脱自在に構成されたドラムユニットを示す。ドラムユニット140は、インキ供給装置119がその内部に配設された印刷ドラム101と、印刷ドラム101を回転自在に支持する支軸104と、長板状の把持フレーム101Hの両端部にそれぞれ垂設され、支軸104を介して印刷ドラム101を回転自在に支持する後フレーム101A及び前フレーム101Bと、前フレーム101Bの外側に固設されインキ供給ディストリビュータ123へインキを送出するインキポンプ装置およびインキ装置配管部(共に図示せず)等とから構成される。インキとしては、例えばW/O型のエマルションインキを用いている。
【0052】
プレスローラ103は、その内周部が芯金で、外周部が耐油性を備えたゴム等の弾性体でそれぞれ形成されており、印刷ドラム101の軸線方向と平行に延在して設けられていて、上記芯金の両端にはローラ軸103aが一体的にそれぞれ形成されている周知の構造をなす。
プレスローラ変位手段22は、左右両側のローラ軸103aと略平行に延在して設けられ、その両端部が左右一対の装置本体フレーム50に所定角度回動可能に支持された水平軸3と、その自由端が水平軸3の周りに揺動可能であってプレスローラ103のローラ軸103aの両端を回転可能に支持し、かつ、その基端が水平軸3の両端部近傍において所定角度回動可能に支持されている左右一対のアーム左2bおよびアーム右2aと、プレスローラ103と水平軸3との略中央部におけるアーム対左・右2b,2aに挿通されアーム対左・右2b,2aを互いに連結する中間連結ステー1と、その基端が水平軸3の中央部に固着されその自由端が中間連結ステー1の中央部をわずかな隙間をもって挾持し、水平軸3における所定角度の回動を中間連結ステー1に伝達する上下作動アーム4と、その基端部が図3における右側の装置本体フレーム50における水平軸3端に一体的に取り付けられその自由端部が水平軸3の周りに揺動可能な、カムフォロア5aを有するスプリング取付けアーム5と、このスプリング取付けアーム5の上記自由端部にその一端が係止され印刷ドラム101の外周面にプレスローラ103を押し付ける向きにスプリング取付けアーム5を揺動付勢するスプリング6(引張りばね)と、図3における右側の装置本体フレーム50にカム軸18aをもって回転自在に支持されスプリング取付けアーム5のカムフォロア5aに選択的に係合する印圧カム18とから主に構成される。
【0053】
上記したように、中間連結ステー1と上下作動アーム4との間に上記したわずかな隙間が設けられていることによって、印圧が掛かったときのプレスローラ103の左右バランスを調整することが可能な機構となっており、プレスローラ変位手段22は、いわゆる「やじろべえの原理」を利用しているものである。
中間連結ステー1は、断面中空状角形に形成された金属でできていて、アーム対左・右2b,2aに挿通された後、アーム対左・右2b,2aの外壁面に近接する部位において図示しない抜け止め用のピンが打ち込まれることで、用紙幅方向Xの左右に対する抜け止めがなされる。印圧カム18は、カム軸18aをもって、図3における右側の装置本体フレーム50に回動自在に支持されている。 スプリング取付けアーム5は、三角形の板状をなし、印圧カム18の輪郭周面にカムフォロア5aを介して選択的に係合するようになっている。上下作動アーム4と水平軸3とは、図示しない固定ピンが圧入装着されることにより一体的に固定されている。
【0054】
駆動機構150は、図4に示すように、印刷ドラム101およびプレスローラ103をそれぞれ回転駆動および揺動するための、装置本体フレーム50に固定された正転逆転可能な駆動手段としてのメインモータ151と、このメインモータ151とカム軸18aとの間に介装された減速手段152と、装置本体フレーム50内に装着された印刷ドラム101とカム軸18aとの間に介装された同期手段157とから主に構成される。
【0055】
減速手段152は、メインモータ151の出力軸151a端部に取付けられた歯付きの駆動プーリ151bと、図3における右側の装置本体フレーム50にプーリ軸153aをもって回転自在に支持された歯付きのプーリ153と、駆動プーリ151bとプーリ153との間に掛け渡された歯付きのベルト155と、プーリ153のプーリ軸153aと同軸に取付けられた小径ギヤ154と、カム軸18aと同軸に取付けられ小径ギヤ154と噛み合う大径ギヤ156とから構成される。
【0056】
同期手段157は、印圧カム18と大径ギヤ156との間のカム軸18a上に取付けられた歯付きの下プーリ158と、図3における右側の装置本体フレーム50にプーリ軸160aをもって回動自在に支持された歯付きの上プーリ160と、下プーリ158と上プーリ160との間に掛け渡された歯付きのメインベルト159と、プーリ軸160aの端部に取付けられた脱着ギヤ161とから主に構成される。
【0057】
下プーリ158と上プーリ160とは、同径の歯付きの外周部を有していて、それぞれの回転比が1:1となるようにメインベルト159で連結され回動されるようになっている。印圧カム18は、装置の組立て時において、印刷ドラム101の開孔範囲である印刷部位に対応した印圧範囲とプレスローラ103の上記印圧位置とを考慮して、印刷ドラム101の回転とのタイミングを取ってカム軸18aに固定されている。一方、印刷ドラム101の右端部と後述する後フレーム101Aとの間の支軸104上には、脱着ギヤ161と選択的に噛み合い脱着ギヤ161と同歯数を有するドラムギヤ162が回動自在に支持されている。ドラムギヤ162は、後端板101Eに一体的に固着されていて、印刷ドラム101と一緒に回転する。
【0058】
一方、メインモータ151の出力軸151aには、周知のフォトロータリエンコーダからなるスリット円板163が取付けられている。スリット円板163近傍の図3における右側の装置本体フレーム50には、スリット円板163を所定の間隔をもって挾み付けるフォトインタラプタ(透過型光学センサ)からなる印刷速度センサ164が配設されている。メインモータ151の回転駆動によるスリット円板163の回転動作に協働して発生された所定のパルスを印刷速度センサ164で検出することにより、印刷ドラム101の回転速度が検出されるようになっている。これにより、メインモータ151を介して印刷ドラム101の回転速度の制御がなされるようになっている。メインベルト159の略中央部に近接した左側の装置本体フレーム50には、この装置本体フレーム50に移動可能かつ回動自在に支持されたテンションローラ165が設けられていて、このテンションローラ165は、メインベルト159の略中央部に圧接するようになっている。
【0059】
ここで、駆動機構150の動作を前もって簡単に述べておく。まず、メインモータ151が回転駆動されることにより、駆動プーリ151bと減速手段152のベルト155を介してプーリ153および小径ギヤ154と、大径ギヤ156とがそれぞれこの順に減速・回転される。そして、大径ギヤ156の回転と共に印圧カム18および同期手段157の下プーリ158が回転され、さらにメインベルト159を介して脱着ギヤ161が回転され、これによりドラムギヤ162が回転される。上記したように、下プーリ158と上プーリ160との、脱着ギヤ161とドラムギヤ162との各々の回転比が、1:1であることにより、印圧カム18と印刷ドラム101とは、1:1の回転比で同期して回転されることになり、結局、駆動機構150の駆動によって、印刷ドラム101が回転されると共に、印圧カム18の大径部とカムフォロア5aとの選択的な係合を介して、プレスローラ103が上記印圧位置と上記非印圧位置とに印刷ドラム101の上記回転動作に同期して揺動・変位される。
【0060】
図3に示すように、印圧可変手段20は、装置本体フレーム50に図示しない不動部材を介して固着されその出力軸にウォーム15が取付けられ正逆転可能な印圧制御モータ14と、スプリング6の他端が係止されていて、かつ、装置本体フレーム50に形成された溝(図示せず)を介して用紙搬送方向Y4の前後方向にのみ進退自在に支持されその内周部に雌ネジが形成された可動軸7と、可動軸7の雌ネジと螺合する雄ネジがその外周部に形成された回転自在な回転軸10と、この回転軸10に固着されウォーム15と常時噛み合うウォームホイール11と、回転軸10の一端に固着されウォームホイール11の回転数を検出するためのエンコーダ12と、装置本体フレーム50におけるエンコーダ12近傍の位置に図示しない不動部材を介して取り付けられエンコーダ12を所定の間隔をもって挾み付けるスプリング長さ検知センサ13と、可動軸7の外周部から外方に向かって突出形成された遮光板8と、装置本体フレーム50における遮光板8近傍の位置に図示しない不動部材を介して取り付けられていて、所定の間隔をもって遮光板8を挾み付けてエンコーダ12のホームポジション(印圧標準状態を示す位置)を検知するための印圧ホームポジションセンサ9とから主に構成される。
【0061】
印圧制御モータ14は、スプリング6の引張り長さの変化、すなわちスプリング6の張力を変化することを介して、印刷ドラム101に対するプレスローラ103の印圧を変化するための駆動源としての機能を有する。スプリング長さ検知センサ13および印圧ホームポジションセンサ9は、透過型の光学センサである。エンコーダ12は、スリット円板を有して構成されている周知のフォトエンコーダであり、エンコーダ12およびスプリング長さ検知センサ13の協働により、ウォームホイール11の回転数、すなわち用紙搬送方向Y4の前後における可動軸7の進退量、つまりスプリング6の引張り長さの変位量を検出することができる。エンコーダ12およびスプリング長さ検知センサ13は、インクリメンタル型のパルスエンコーダを構成している。
【0062】
プレスローラ変位手段22および印圧可変手段20が上記のとおり構成されていることにより、スプリング6の両端は、スプリング取付けアーム5の上記自由端部および可動軸7で変位可能に係止されていることになる。それ故に、印圧制御モータ14の正転あるいは逆転の回転駆動により、印圧制御モータ14の回動量がウォーム15からウォームホイール11に伝達され、さらに上記ネジ機構によって可動軸7における用紙搬送方向Y4の前若しくは後方向への直線運動に変換されることで、可動軸7が用紙搬送方向Y4の前若しくは後方向へ移動され、これによりスプリング6の引張り長さが変化されることとなって、スプリング6の張力が可変されるため、印刷ドラム101に対するプレスローラ103の印圧が変化される。本実施形態1の場合、上記した印圧制御は、常に、印圧可変手段20のエンコーダ12のホームポジションから開始されるようになっている。
【0063】
次に、図5を参照して、孔版印刷装置の主な制御構成等について説明する。
後述する実施形態1に特有の動作、すなわち文字モードや文字・写真モードや写真モードによる動作等は、図5に示す制御装置63によって制御される。制御装置63は、それぞれ図示しない、CPU(中央演算処理装置)、I/O(入出力)ポート、ROM(読み出し専用記憶装置)、電池付きのRAM(読み書き可能な記憶装置)およびタイマ等を備え、それらが信号バスによって接続された構成を有するマイクロコンピュータを複数具備している。実施形態1の制御構成は、図5に示したように、本発明に係る製版手段としてのサーマルヘッド91を備えた製版給版装置90を具備するものとして、最も簡単な制御構成をなす。
【0064】
制御装置63は、本発明の特有の動作を含め、図1に示した孔版印刷装置の全体の動作を制御する構成を具備するが、図5では図の簡明化を図るため、主に本実施形態1における文字モードや文字・写真モードや写真モードに密接に関連する構成だけを図示しており、これは後述する実施形態や変形例、参考例等でも同様である。また、後述する各実施形態や変形例、参考例等においても、制御装置63と同様の複数のマイクロコンピュータを具備していて、主としてその制御機能が異なることを付記しておく。
【0065】
制御装置63は、上記入力ポートおよび図示しないセンサ回路等を介して画像処理装置57、電源スイッチ58、スプリング長さ検知センサ13、印圧ホームポジションセンサ9や操作パネル30の上記各種キー(文字モード設定キー31、文字・写真モード設定キー32、写真モード設定キー33)等に電気的に接続されていて、これらからのデータ信号やオン/オフ信号を受信する。また、制御装置63は、上記出力ポートおよびLED駆動回路(図示せず)やLCD駆動回路(図示せず)を介して操作パネル30の上記各種表示器(モード表示器34、印刷速度表示器47)等や液晶表示部49Bに、上記出力ポートおよびサーマルヘッド駆動回路(図示せず)を介してサーマルヘッド91に、それぞれ上記出力ポートおよび各種モータ駆動回路(図示せず)を介して印圧制御モータ14、メインモータ151にそれぞれ電気的に接続されている。制御装置63は、上記各LED駆動回路、上記LCD駆動回路、上記サーマルヘッド駆動回路や上記各種モータ駆動回路に各種指令信号を送信することにより、上記各種表示器、液晶表示部49B、サーマルヘッド91、印圧制御モータ14やメインモータ151の各作動を制御する。
【0066】
制御装置63は、モード別印圧制御手段64と記憶手段65とを有する。モード別印圧制御手段64と記憶手段65とは、指令信号やデータ信号を互いに送受信する関係にある。
制御装置63は、製版スタートキー44からの製版スタート信号に基づいて、また画像処理装置57からの画像信号等に応じて、上述した一般的な諸制御、すなわち熱履歴制御手段(図示せず)による熱履歴制御、コモンドロップ補正制御手段(図示せず)によるコモンドロップ補正制御、サーマルヘッド温度補正制御手段(図示せず)によるサーマルヘッド温度補正制御等を行うための諸制御手段を有する。これは、後述する各実施形態や変形例、参考例等の制御装置でも同様であり、後述する各実施形態や変形例、参考例等ではその説明を省略する。
【0067】
上記熱履歴制御手段としては、例えば特開平8−132584号公報の図8等に開示されている制御構成と同様のものが用いられている。また、各熱履歴制御値は、予め決められた値にそれぞれ変更して熱履歴制御が実施される。上記コモンドロップ補正制御手段としては、例えば特開平4−163159号公報や上記特開平11−320807号公報の図5(a)等に開示されているように、上記同公報の図5(a)にその他の条件(15)としての一例として、例えば発熱体2の同時発熱数の違いによるコモンドロップ補正の機能を有しているもの等が挙げられる。さらには、発熱体2への印加電力(P)を可変する補正方式も提案されているが、実使用上は、制御のし易さなどから発熱体列への通電時間を制御する方式である通電パルス幅可変制御方式が採られている。上記サーマルヘッド温度補正制御手段としては、例えば特開平6−320851号公報等で開示されているように、サーミスタ(10)によりサーマルヘッド91の温度を検出し、サーミスタ(10)により検出されたサーマルヘッド91の温度に応じて印加エネルギー(Es)の調整を行なう機能を有するものである。そして、上記ROMには、上記同公報の図5(b)および(c)に概略的に示すように、サーマルヘッド91の温度と通電パルス幅(tp)との関係データがデータテーブルとして記憶されている。後述する各実施形態や変形例、参考例等の動作でも、上記一般的な諸制御手段による制御がその製版動作時において実施されるが、以下説明の簡明化を図るためその一々の説明を省略する。
【0068】
モード別印圧制御手段64は、制御装置63のそれと比較して小規模のマイクロコンピュータを具備している。モード別印圧制御手段64の図示しないROMには、各モードとサーマルヘッド91の個々の発熱体2へ印加する最適な穿孔エネルギー(通電パルス幅)との関係データである穿孔エネルギー調整パターンテーブル、および各モードと最適な印圧の強さに対応した印圧制御モータ14の回転駆動量(スプリング長さ検知センサ13のパルス数として出力される)との関係データである印圧制御パターンテーブルや、モード別印圧制御手段64の図示しないCPUによる制御、演算機能を発揮するためのプログラム等が予め記憶されている。穿孔エネルギー調整パターンテーブルおよび印圧制御パターンテーブル等は、例えば予め実験等で求められて上記ROMに記憶・格納されている。
【0069】
制御装置63の上記ROMには、孔版印刷装置の全体の動作プログラムや各作動を制御するための制御装置63に必要な関係データや動作プログラム等が予め記憶されている。制御装置63やモード別印圧制御手段64の上記各RAMは、上記CPUでの判断結果や計算結果等を一時記憶したり、各センサ等からの出力信号を随時記憶したりしてこれら信号の入出力を行う。これらは、後述する各実施形態や変形例、参考例等でも同様であり、後述する各実施形態や変形例、参考例ではその説明を省略する。
【0070】
モード別印圧制御手段64の上記CPU(以下、「モード別印圧制御手段64」というときがある)は、文字モード設定キー31、文字・写真モード設定キー32または写真モード設定キー33からの各種モード設定信号に基づいて、またスプリング長さ検知センサ13や印圧ホームポジションセンサ9等からのデータ信号やオン/オフ信号等を参照しながら、写真モード設定時には文字・写真モード設定時よりも、文字・写真モード設定時には文字モード設定時よりも、それぞれ印圧が低くなるように、印圧可変手段20の印圧制御モータ14を制御する制御機能を有する。
【0071】
記憶手段65は、電源スイッチ58からのオフ信号(孔版印刷装置の上記各装置への電力の供給を断つ信号)に基づいて、前回の最終印刷時に使用した各モードおよび印刷条件を記憶する機能を有し、例えば電池付きのRAMからなる。
【0072】
モード別印圧制御手段64は、印刷ドラム101上の同じ製版済みのマスタ61を用いて印刷を行う次回の印刷時に、前回の最終印刷時に使用したモードおよび印刷条件を記憶手段65から選択し呼び出して印刷動作を行わせる制御機能を有する。
モード別印圧制御手段64は、図9のフローチャートに示されているように、電源スイッチ58が押されて電力オンとなった(電力供給状態となった)後、上記モード設定手段からのモード設定信号の出力がなされこれがモード別印圧制御手段64に入力され、その後、製版スタートキー44が押されて製版スタート信号が制御装置63およびそのモード別印圧制御手段64に入力されたとき、設定されたモードで製版・印刷動作を行うように上記サーマルヘッド駆動回路を介してサーマルヘッド91および上記モータ駆動回路を介して印圧制御モータ14をそれぞれ制御するものである。以下、上記サーマルヘッド駆動回路を介してサーマルヘッド91を制御することを、「サーマルヘッド91を制御する」という。同様に、上記モータ駆動回路を介して印圧制御モータ14を制御することを、「印圧制御モータ14を制御する」という。
フローチャートとして示していないが、モード別印圧制御手段64は、電源スイッチ58が押されて電力オンとなった後、前回の最終印刷時に使用したモード、印刷条件および表示内容等を記憶手段65から選択し呼び出してそれに対応した印刷動作を行うように印圧制御モータ14を制御する制御機能も有する。なお、製版スタートキー44が押下された場合は、モード設定手段からの出力に基づき動作するようになっている。
【0073】
図6ないし図8を参照して、文字モード、文字・写真モード、写真モードについて、補足説明する。
図6(a)に示す写真1は、市松ドット(黒画像)パターンの原稿60を原稿読取装置80で読み取り、この市松ドットパターンの画像に基づいて製版給版装置90でマスタ61に製版した穿孔状態を、図6(b),(c)に示す写真2、写真3は、この製版済みマスタ61を用いて上記孔版印刷装置の印圧ドラム装置100で印刷用紙62に印刷した印刷画像状態を、それぞれ光学顕微鏡を用いてミクロ的に観察したものである。主な印刷条件等は、下記のとおりである。
環境温度: 実験室環境(温度26℃、湿度54%RH)
サーマルヘッド仕様:N800用600DPI(平面型で発熱素子が矩形状)
マスタ仕様: ポリエチレンテレフタレート(PET)系の熱可塑性
樹脂フィルム(厚さ2μm)と多孔質支持体として
厚さ約30μmのものを接着剤で貼り合わせたもの
インキ W/O型エマルジョンインキ
印刷用紙 株式会社リコー製「PPC用紙Type6200」
孔版印刷装置 株式会社リコー製「N800母体実験マシン」
文字原稿のベタ部の場合には、ドットとドット間の隙間部においても印刷用紙62上のインキ画像が埋まっていることが望ましいのに対して、写真原稿等の階調性を持たせたものの場合には、連続した独立穿孔は少なく、むしろ図6(a)に示す写真1のように穿孔状態としては単独ないしは少数個の集団になっている場合が多い。
従って、モード別にいうならば、文字原稿等に対応した文字モードによる製版・印刷動作の際には、印圧は強め(高め)の方がベタの埋まり具合がよく、印刷画質的にも良好なものが得られ、逆に写真原稿等に対応した写真モードによるような階調性を持たせた製版・印刷動作の際には、印圧を弱く(低く)し、そのドットが原稿の画像を忠実に再現していた方が写真画像の印刷画質としては良好になる。
図6(b),(c)に示す写真2、写真3でいうならば、文字モードの際には比較的(相対的に)印圧を強くした際の印刷画像である写真3の方が好ましく、逆に写真モードの際には比較的印圧を弱くした際の印刷画像である写真2のような印刷状態の方が望ましい。
【0074】
ここで、図7および図8を参照して、最適な品質の印刷画像を得る印刷条件について簡単に説明する。上記のような孔版印刷装置による印刷では、図7に示すように、製版済みのマスタ61の穿孔部分から押し出されるインキ量は、インキ供給手段119のインキローラ120と印刷ドラム101の内側の多孔性支持円筒体101aとの接触圧F(インキ吐出圧Fでもある)に影響される。このインキ吐出圧Fは、プレスローラ103(あるいは後述する押圧手段としての圧胴125)が上記したプレスローラ変位手段22および押圧力可変手段20を介して印刷ドラム101に押し付けられるときの印圧Pそのものではなく、印刷ドラム101を変形させてインキローラ120に接触させる力を差し引いた値であるため、実際にインキ自身にかかるインキ吐出圧Fは印圧Pよりも小さい値となる(P>F)。それ故に、最適な品質の印刷画像を得る印刷条件の1つとしてのインキ吐出圧Fを最適値とするためには、印刷ドラム101の剛性とプレスローラ103による印圧Pとのバランスを取ればよいことに帰着される。
また見方を変えるならば、ミクロ的に見たときに凹凸のある印刷用紙62の表面に圧を加えてインキを押し込み、さらに印刷用紙62の繊維内にインキを浸透させる必要があるので、印刷ドラム101の内側からインキを押し出す圧力でもあるインキ吐出圧F以外に、印刷用紙62を製版済みのマスタ61に押し付ける印圧Pを制御することも、最適な品質の印刷画像を得る上で重要な制御対象となり、この印圧Pを十分に制御する必要があるといえる。なお、印圧Pが十分に制御されていない現状にあっては、実際的には、必要な印圧Pとインキ吐出圧Fが得られるように印刷ドラム101の剛性を設計的に決めていた。
図8に示すように、印圧Pと印刷用紙62へのインキ転移量との関係について説明すると、印圧Pを強く(高く)するにしたがって、すなわち印圧Pの強さに略比例してインキ転移量も多くなることが実験結果や経験から分かっている。
【0075】
従って、印刷画質的に良好なものを得るためには、文字モードによる印刷動作の際には印圧を比較的強めに設定してベタの埋まり具合をよくし、逆に写真モードによるような階調性を持たせなければならない印刷動作の際には印圧を比較的弱め(低め)に設定して、そのドットが原稿の画像を忠実に再現するようにすればよい。また、文字・写真モードによるようにある程度階調性を持たせなければならない印刷動作の際には、文字モードと写真モードとの間にその印圧の強さを設定すればよい。印圧の強さ(大きさ)は、実験等によって設定することができる。
【0076】
印刷画質に加えて製版画質的にも良好なものを得るためには、モード別には次のようにすればよい。すなわち、文字モードによる製版動作の際には、一般的に互いに隣る穿孔が分離した状態にある独立した穿孔を得るようにすると共に穿孔面密度(単位面積当たりの穿孔の大きさ)を比較的(相対的に)密にする製版動作を行い、かつ、印圧を比較的(相対的に)強めに設定してベタの埋まり具合をよくし、逆に写真モードによるような階調性を持たせなければならない製版動作の際には、一般的に独立した穿孔を得るようにすると共に階調性を持たせるために穿孔面密度を比較的(相対的に)粗にする製版動作を行い、かつ、階調性を持たせるために印圧を比較的(相対的に)弱め(低め)に設定して、そのドットが原稿の画像を忠実に再現するようにすればよい。また、文字・写真モードによるようにある程度階調性を持たせなければならない製版動作の際には、文字モードと写真モードとの間にその穿孔面密度および印圧の強さを設定すればよいこととなる。
【0077】
次に、実施形態1に特有の動作、すなわち文字モード、写真モード、文字・写真モードによる各動作について、図9のフローチャートを併用して上述した動作を補足説明すると共に、その動作と相違する点を中心に説明する。電源スイッチ58のオン時(投入時)の初期状態としては、文字モードになっている。
まず、文字モードで製版・印刷する場合を説明する。先ず、使用者は電源スイッチ58を押して電力オン状態にすると、操作パネル30および制御装置63等が起動可能状態になると共に、上記各装置等への電力供給可能状態となる。これに前後して例えば上記原稿載置台に文字画像のみを持った原稿60を載置・セットした後、文字モード設定キー31を押すと、文字モード設定信号が生成されてこれが制御装置63およびそのモード別印圧制御手段64に入力されると共に、文字モード表示ランプ34aが点灯する。この後、使用者が製版スタートキー44を押すと、製版スタート信号が生成されこの製版スタート信号がトリガとなって上述したと同様の排版工程が実行されると共にこれと並行して、原稿読取装置80では上述したと同様の原稿60の画像読み取りが行われる(ステップS1〜ステップS4参照)。
【0078】
文字モード設定信号および製版スタート信号が制御装置63およびそのモード別印圧制御手段64に入力されると、上記画像読み取り動作と並行して、上述した製版動作とは異なる文字モードによる製版動作が自動的に実行される。すなわち、モード別印圧制御手段64は、上記ROMに記憶されている穿孔エネルギー調整パターンテーブルから文字モード用の所定の最適な通電パルス幅、すなわち原稿60における文字画像に対応した文字製版画像のベタ埋まりを良好にすべく、互いに独立した穿孔を得られると共に穿孔面密度を比較的密にするような所定の通電パルス幅を選択・呼び出して上記サーマルヘッド駆動回路を介してサーマルヘッド91の個々の発熱素子91aに出力する。これにより、黒画素に対応した発熱素子91aがジュール熱を発生し、マスタ61の熱可塑性樹脂フィルム部分が溶融穿孔され、原稿60の文字画像に対応してベタの埋まり具合を良好にした穿孔・製版画像が得られる。この一版の製版済みのマスタ61が上述したと同様の給版動作によって、印刷ドラム101の外周面に完全に巻装された段階で製版および給版工程が終了する(ステップS5参照)。
【0079】
次いで、上述した印刷動作とは異なる印圧可変制御を伴う文字モードによる印刷動作が自動的に実行される。すなわち、モード別印圧制御手段64は、上記ROMに記憶されている印圧制御パターンテーブルから文字モード用の最適な印圧の強さに対応した印圧制御モータ14の所定の回転駆動量(スプリング長さ検知センサ13のパルス数)、すなわち文字製版画像に対応したインキ画像のベタ埋まりを良好にすべく、印刷ドラム101に印刷用紙61をプレスローラ103で押し付けるときの印圧を比較的高めに変えるような所定のスプリング長さ検知センサ13のパルス数を選択・呼び出して印圧制御モータ14を制御する。以下、比較的高めの印圧にて図1を参照して説明したと同様の版付け印刷終了後、比較的高めの印圧にて印刷動作が実行される以外は通常の印刷動作と同様に行われる。
【0080】
すなわち、操作パネル30の印刷速度設定キー47を押下することにより、所望する印刷速度値を設定し、これに前後してテンキー46で印刷枚数をセットし、印刷スタートキー45を押すと上記版付け印刷と同様の工程で、給紙、印刷および排紙の各工程が設定された印刷速度でセットした印刷枚数分繰り返して行われると、孔版印刷の全工程が終了する(ステップS6〜ステップS8参照)。
【0081】
次に、写真モードで製版・印刷する場合を説明する。先ず、使用者は電源スイッチ58を押して電力オン状態にすると、操作パネル30および制御装置63等が起動可能状態になると共に、上記各装置等への電力供給可能状態となる。これに前後して例えば上記原稿載置台に主に写真画像のみを持った原稿60を載置・セットした後、写真モード設定キー33を押すと、写真モード設定信号が生成されてこれが制御装置63およびそのモード別印圧制御手段64に入力されると共に、写真モード表示ランプ34cが点灯する。この後、使用者が製版スタートキー44を押すと、上記したと同様に排版工程が実行されると共にこれと並行して、原稿読取装置80では上述したと同様の原稿60の画像読み取りが行われる(ステップS1〜ステップS4参照)。
【0082】
写真モード設定信号および製版スタート信号が制御装置63およびそのモード別印圧制御手段64に入力されると、上記画像読み取り動作と並行して、上記した文字モードによる製版動作とは異なる写真モードによる製版動作が自動的に実行される。すなわち、モード別印圧制御手段64は、上記ROMに記憶されている穿孔エネルギー調整パターンテーブルから写真モード用の所定の最適な通電パルス幅、すなわち原稿60における写真画像に対応した写真製版画像において階調性を持たせたものを得るべく、互いに独立した穿孔を得られると共に穿孔面密度を比較的粗にするような所定の通電パルス幅を選択・呼び出して上記サーマルヘッド駆動回路を介してサーマルヘッド91の個々の発熱素子91aに出力する。これにより、黒画素に対応した発熱素子91aがジュール熱を発生し、マスタ61の熱可塑性樹脂フィルム部分が溶融穿孔され、原稿60の写真画像に対応して階調性を持った、ドットが忠実に再現した穿孔・製版画像が得られる。この一版の製版済みのマスタ61が上述したと同様の給版動作によって、印刷ドラム101の外周面に完全に巻装された段階で製版および給版工程が終了する(ステップS9参照)。
【0083】
次いで、上記した文字モードによる印刷動作とは異なる印圧可変制御を伴う写真モードによる印刷動作が自動的に実行される。すなわち、モード別印圧制御手段64は、上記ROMに記憶されている印圧制御パターンテーブルから写真モード用の最適な印圧の強さに対応した印圧制御モータ14の回転駆動量(スプリング長さ検知センサ13の所定のパルス数)、すなわち写真製版画像に対応して階調性を持つと共にドットが忠実に再現したインキ画像(写真印刷画像)を得るべく、印刷ドラム101に印刷用紙61をプレスローラ103で押し付けるときの印圧を比較的低めに変えるような所定のスプリング長さ検知センサ13のパルス数を選択・呼び出して印圧制御モータ14を制御する。以下、比較的低めの印圧にて図1を参照して説明したと同様の版付け印刷終了後、比較的低めの印圧にて印刷動作が実行される以外は通常の印刷動作や文字モード設定時の印刷動作と同様に行われる(ステップS10〜ステップS11およびステップS8参照)。
【0084】
次に、文字・写真モードで製版・印刷する場合を説明する。先ず、使用者は電源スイッチ58を押して電力オン状態にすると、操作パネル30および制御装置63等が起動可能状態になると共に、上記各装置等への電力供給可能状態となる。これに前後して例えば上記原稿載置台に文字画像と写真画像とが混合した文字・写真混合画像を持った原稿60を載置・セットした後、文字・写真モード設定キー32を押すと、文字・写真モード設定信号が生成されてこれが制御装置63およびそのモード別印圧制御手段64に入力されると共に、文字・写真モード表示ランプ34bが点灯する。この後、使用者が製版スタートキー44を押すと、上記したと同様に排版工程が実行されると共にこれと並行して、原稿読取装置80では上述したと同様の原稿60の画像読み取りが行われる(ステップS1〜ステップS4参照)。
【0085】
文字・写真モード設定信号および製版スタート信号が制御装置63およびそのモード別印圧制御手段64に入力されると、上記画像読み取り動作と並行して、上記した文字モードや写真モードによる製版動作とは異なる文字・写真モードによる製版動作が自動的に実行される。すなわち、モード別印圧制御手段64は、上記ROMに記憶されている穿孔エネルギー調整パターンテーブルから文字・写真モード用の所定の最適な通電パルス幅、すなわち原稿60における文字・写真混合画像中の文字画像に対応した文字製版画像のベタ埋まりをある程度良好にすると共に、文字・写真混合画像中の写真画像に対応した写真製版画像においてある程度の階調性を持たせたものを得るべく、互いに独立した穿孔を得られると共に穿孔面密度が文字モードと写真モードとの間に設定された所定の通電パルス幅を選択・呼び出して上記サーマルヘッド駆動回路を介してサーマルヘッド91の個々の発熱素子91aに出力する。これにより、黒画素に対応した発熱素子91aがジュール熱を発生し、マスタ61の熱可塑性樹脂フィルム部分が溶融穿孔され、原稿60における文字画像に対応した文字製版画像のベタ埋まりをある程度良好にすると共に、原稿60における写真画像に対応した写真製版画像においてある程度の階調性を持った、ドットがある程度忠実に再現した穿孔・製版画像が得られる。この一版の製版済みのマスタ61が上述したと同様の給版動作によって、印刷ドラム101の外周面に完全に巻装された段階で製版および給版工程が終了する(ステップS12参照)。
【0086】
次いで、上記した文字モードによる印刷動作とは異なる印圧可変制御を伴う文字・写真モードによる印刷動作が自動的に実行される。すなわち、モード別印圧制御手段64は、上記ROMに記憶されている印圧制御パターンテーブルから文字・写真モード用の最適な印圧の強さに対応した印圧制御モータ14の回転駆動量(スプリング長さ検知センサ13の所定のパルス数)、すなわち文字・写真混合製版画像中の文字製版画像に対応した文字印刷画像のベタ埋まりをある程度良好にすると共に、文字・写真混合画像中の写真画像に対応した写真印刷画像においてある程度の階調性を持つと共にドットがある程度忠実に再現したインキ画像としての写真印刷画像を得るべく、印刷ドラム101に印刷用紙61をプレスローラ103で押し付けるときの印圧を文字モードと写真モードとの間の印圧に変えるような所定のスプリング長さ検知センサ13のパルス数を選択・呼び出して印圧制御モータ14を制御する。以下、図1を参照して説明したと同様の版付け印刷終了後、文字モードと写真モードとの間の印圧にて印刷動作が実行される以外は通常の印刷動作や文字モードや写真モード設定時の印刷動作と同様に行われる(ステップS13〜ステップS14およびステップS8参照)。
【0087】
フローチャートとして示していないが、電源スイッチ58がオフされた後、印刷ドラム101上の同じ製版済みのマスタ61を用いて印刷を行うような場合は以下のような動作となる。すなわち、使用者は電源スイッチ58のオフ後、再び印刷ドラム101上の同じ製版済みのマスタ61を用いて印刷を行いたい場合、使用者は電源スイッチ58を押して電力オンとなった後、各モード設定キー31,32,33を押すことなく、印刷スタートキー45を押す。すると、モード別印圧制御手段64は、印刷ドラム101の脱着有無の検知を実施してこの例では装置本体フレーム50から取り外し・脱着していないので、印刷ドラム101上の同じ製版済みのマスタ61を用いて印刷を行うものと認識・判断して、前回の最終印刷時に使用したモード、印刷条件および表示内容を記憶手段65から選択し呼び出してそれに対応した印刷動作を行うように印圧制御モータ14を制御すると共に、LED駆動回路やLCD駆動回路を制御することとなる。これにより、一々前回と同じモードの設定を行う必要がなくなり、操作性が向上する。
【0088】
本発明の実施形態は、実施形態1から製版給版装置90を構成している製版手段としてのサーマルヘッド91を除去した構成であってもよいし、あるいは製版給版装置90自体を除去した構成であってもよい。本発明の参考例としては、実施形態1からサーマルヘッド91および記憶手段65を除去した構成であってもよいし、あるいは製版給版装置90自体および記憶手段65を除去した構成であってもよい。
実施形態1からサーマルヘッド91を除去した構成例としては、例えば予め製版されたマスタ61を巻いて形成したマスタロールから製版済みのマスタ61を繰り出し、これを給版手段を構成するプラテンローラ92、送りローラ対93a,93bおよび給版ローラ対94a,94bによって印刷ドラム101に給版し巻装した後、上記各モードと類似する後述する各印刷モードによる印圧可変制御を伴う印刷動作を実行させる印刷モード別印圧制御手段と、上記各印刷モードを設定するための印刷モード設定手段とを具備する孔版印刷装置を含む印刷装置が挙げられる(印刷機・製版機分離型)。
【0089】
すなわち、文字画像等に対応した印刷動作を行う文字印刷モード、写真画像等に対応した印刷動作を行う写真印刷モード、および文字・写真混合画像等に対応した印刷動作を行う文字・写真印刷モードのうちの少なくとも2つの印刷モードを設定する印刷モード設定手段と、印刷ドラム101に対するプレスローラ103の印圧を変化させる印圧可変手段20と、印刷モード設定手段による写真印刷モード設定時には文字・写真印刷モード設定時よりも、文字・写真印刷モード設定時には文字印刷モード設定時よりも、それぞれ印圧が低くなるように印圧可変手段20の印圧制御モータ14を制御する印刷モード別印圧制御手段とを有する孔版印刷装置を含む印刷装置であってもよい。
【0090】
上記印刷モード設定手段と、印圧可変手段20と、上記印刷モード別印圧制御手段、上記記憶手段とを有する孔版印刷装置を含む印刷装置の適用例としては、例えば、本願出願人が提案した特開2000−263906号公報記載の複胴式印刷装置や、特開2001−239736号公報記載の版付け装置におけるような印刷システムを構成しているものに適用可能である。
【0091】
(変形例1)
図10ないし図12に、実施形態1の変形例1を示す。
変形例1は、実施形態1と比較して、図10ないし図12に示すように、多色重ね刷り印刷が可能になっていること、操作パネル30に代えた操作パネル30Aを有すること、印圧を介して印刷画質に影響を与える各種印圧用パラメータのうちのインキの粘度(以下、「インキ粘度」という)を検出するインキ粘度検出手段としてのインキ粘度検出装置76を有すること、および制御装置63に代えた制御装置63Aを有することが主に相違する。
【0092】
変形例1の孔版印刷装置は、例えば黒色、赤色、青色および黄色等の多色重ね刷り印刷が可能であって、各色ごとの色替えがドラムユニットの交換により容易に行えるようになっている。説明の簡明化を図るため図16を借りて説明すると、後述する3種類のインキ:インキAk(赤色),Bk(青色),Ck(黒色)について色替えを行い、多色印刷を行うものとする。
また、変形例1の孔版印刷装置は、上記内容に付加して、例えば複数のドラムユニットが搭載できる印刷機や、製版・印刷一体型のものであってもよい。
【0093】
黒色のインキCkによる印刷は、ドラムユニット140を用いることでなされる。すなわち、図16を借りて説明すると、ドラムユニット140は、黒色のインキCkを供給するインキ供給手段119がその内部に配設された印刷ドラム101と、印刷ドラム101を回転自在に支持する支軸104と、図4および図16に示す長板状の把持フレーム101Hの両端部にそれぞれ垂設され、支軸104を介して印刷ドラム101を回転自在に支持する後フレーム101Aおよび前フレーム101Bと、前フレーム101Bの外側に固設されインキ供給ディストリビュータ123へ黒色のインキCkを送出するインキポンプ装置およびインキ装置配管部(共に図示せず)等とを有する。
【0094】
同様に、赤色のインキAkによる印刷はドラムユニット140Aを、青色のインキBkによる印刷はドラムユニット140Bをそれぞれ用いることでなされる。すなわち、ドラムユニット140Aは、赤色のインキAkを供給するインキ供給手段119がその内部に配設された印刷ドラム101mと、前フレーム101Bの外側に固設されインキ供給ディストリビュータ123へ赤色のインキAkを送出する図示しないインキポンプ装置およびインキ装置配管部(共に図示せず)等とを有し、その他についてはドラムユニット140と同様の構成を有する。 ドラムユニット140Bは、青色のインキBkを供給するインキ供給手段119がその内部に配設された印刷ドラム101nと、前フレーム101Bの外側に固設されインキ供給ディストリビュータ123へ青色のインキBkを送出する図示しないインキポンプ装置およびインキ装置配管部(共に図示せず)等とを有し、その他についてはドラムユニット140と同様の構成を有する。
【0095】
インキAk(赤色),Bk(青色),Ck(黒色)は、そのインキの含有成分である顔料等の組成およびその量により各々の流動性、換言すればインキの種類に応じて各々のインキの粘度が異なる。
図8を参照して説明したように、孔版印刷装置における印刷画像の画像濃度を含む印刷画質は、製版済みのマスタ61から滲み出るインキの量、すなわち印刷用紙62へのインキ転移量により決定される。インキ転移量は、印圧の強さにより変化し影響を受ける。従って、インキ転移量は、図8に示すように印圧の強さに略比例的な関係にあり、またインキの流動性に略比例的である。
【0096】
従って、図12に示すように、インキが硬く流動性が低い高粘度状態にあるとき(インキ粘度が大きいとき)は、印圧を比較的高くすることにより、インキの流動性が低いことに起因するインキ転移量(滲み出し量)の低下を補って良好な印刷画質を得ることができる。逆に、インキが柔らかくて流動性が高い低粘度状態のとき(インキ粘度が小さいとき)には、印圧を比較的低くすることにより、インキの流動性が高いことに起因するインキ転移量の増大を抑制して良好な印刷画質を得ることができる。
【0097】
上述した点に着目して、インキ粘度を検出・測定するインキ粘度検出手段としては、インキ粘度検出装置76を用いている。インキ粘度検出装置76の具体例としては、例えば本願出願人が提案した特開平10−44577号公報の図1および図5ないし図7等に示されているインキの粘度を検出するためのインキ粘度検出ローラ(16)およびインキ粘度検出モータ(17)等を具備した粘度検出手段(21)や図1、図16および図17等に示されている粘度検出手段(21A)、あるいは図1、図7、図14および図19等に示されている粘度検出手段(21B)が好ましく用いられる。インキ粘度の検出・測定箇所は、上記公報の段落番号(0080)に記載されている理由から、本変形例1では、図7においてインキがドクターローラ121によりインキローラ120外周面上で一定の厚さのインキ層に計量された後の印刷ドラム101内周面にできるだけ近い部分のインキであるインキローラ120外周面上のインキ層のインキ粘度を検出・測定する構成とした。
【0098】
ここで、図12を参照して、各種印圧用パラメータによる印圧方向性についてまとめて説明しておく。印圧用パラメータとしては、同図表に示すとおり、上記したインキ粘度の他に、環境温度、インキの温度(以下、「インキ温度」という)、インキの種類(以下、「インキ種類」という)、マスタ61の種類(以下、「マスタ種類」という)の違いによるインキ通過性、印刷速度、印刷用紙62の種類(以下、「用紙種類」という)の違いによるインキの滲み具合等が挙げられる。
【0099】
環境温度は、その高低により各々のインキの流動性に影響を与え、これにより各々のインキの粘度が異なる。上述したインキ粘度と印圧との関係から、直ちに次のことが言える。
環境温度が比較的低い状態、すなわちインキが硬く流動性が低い高粘度状態にあるときは、印圧を比較的高くすることにより、環境温度が低くインキの流動性が低いことに起因するインキ転移量の低下を補って良好な印刷画質を得ることができる。逆に、環境温度が高い状態、すなわちインキが柔らかくて流動性が高い低粘度状態のときには、印圧を比較的低くすることにより、環境温度が高くインキの流動性が高いことに起因するインキ転移量の増大を抑制して良好な印刷画質を得ることができる。
【0100】
インキ温度については、上記した環境温度と比較して、その高低により環境温度よりもより一層直接的かつ鋭敏にインキ粘度に影響を与えることのみ相違し、その高低と印圧方向性との関係は同様の傾向にある。インキ種類については、インキ粘度との関係において上述したとおりである。
上述したことから、インキ粘度、これに密接に関係する環境温度、インキ温度、インキ種類に拘らず良好な印刷画質を得るには、インキ粘度、環境温度、インキ温度、インキ種類にそれぞれ適した強さの印圧で印刷を行えばよい。すなわち、インキ粘度、環境温度、インキ温度、インキ種類の一々に応じて、最適な印刷画像を得るための印圧の強さが定まる。
【0101】
マスタ種類については、その違いによりインキ通過性に影響を及ぼすことによって、インキ転移量が異なる。すなわち、そのインキ通過性が比較的大きいマスタ61においては、インキ転移量が多くなり、そのインキ通過性が比較的小さいマスタ61においては、インキ転移量が少なくなる傾向にある。
従って、マスタ61が比較的インキ通過性の小さいときには、印圧を比較的高くすることにより、インキ通過性が小さいことに起因するインキ転移量の低下を補って良好な印刷画質を得ることができる。逆に、マスタ61が比較的インキ通過性の大きいときには、印圧を比較的低くすることにより、インキ通過性が大きいことに起因するインキ転移量の増大を抑制して良好な印刷画質を得ることができる。
【0102】
印刷速度は、その遅速によりインキ転移量に影響を与える。すなわち、印刷速度が比較的遅いときには、印刷ドラム101上の製版済みのマスタ61に印刷用紙62が押圧される時間が長くなって、インキ転移量が多くなり、印刷速度が比較的速いときには、印刷ドラム101上の製版済みのマスタ61に印刷用紙62が押圧される時間が短くなって、インキ転移量が少なくなる傾向にある。
従って、印刷速度が比較的速いときには、印圧を比較的高くすることにより、印刷速度が速いことに起因するインキ転移量の低下を補って良好な印刷画質を得ることができる。逆に、印刷速度が比較的遅いときには、印圧を比較的低くすることにより、印刷速度が遅いことに起因するインキ転移量の増大を抑制して良好な印刷画質を得ることができる。
【0103】
用紙種類については、その被印刷表面状態の違い、より具体的にはその表面平滑性(用紙表面の粗さ)を含むインキ浸透性によるインキの滲み具合により、インキ転移量に影響を与える。すなわち、例えばコート紙のような比較的インキの滲み具合の小さい印刷用紙62に印刷するときには、インキ転移量が少なくなり、孔版上質紙のような比較的インキの滲み具合の大きい印刷用紙62に印刷するときには、インキ転移量が多くなる。ここに、コート紙とは、印刷用紙62の強度を増したりその表面を平滑にしたりするために、印刷用紙62の被印刷表面がコーティングされているものを指す。
従って、比較的インキの滲み具合の小さい印刷用紙62を用いるときには、印圧を比較的高くすることにより、インキの滲み具合が小さいことに起因するインキ転移量の低下を補って良好な印刷画質、より具体的には適正な画像面積の印刷画像を得ることができる。逆に、比較的インキの滲み具合の大きい印刷用紙62を用いるときには、印圧を比較的低くすることにより、インキの滲み具合が大きいことに起因するインキ転移量の増大を抑制して良好な印刷画質、より具体的には適正な画像面積の印刷画像を得ることができる。
【0104】
操作パネル30Aは、操作パネル30と比較して、図10に示すように、インキ種類を設定するインキ種類設定手段としてのインキ種類設定キー35と、インキ種類設定キー35で選択的に設定されたインキ種類を表示するインキ種類表示手段としてのインキ種類表示器36と、用紙種類を設定する用紙種類設定手段としての用紙種類設定キー40と、用紙種類設定キー40により選択的に設定された用紙種類を表示する用紙種類表示手段としての用紙種類表示器41と、マスタ種類を設定するマスタ種類設定手段としてのマスタ種類設定キー37と、マスタ種類設定キー37により選択的に設定されたマスタ種類を表示するマスタ種類表示手段としてのマスタ種類表示器38とを有することが主に相違する。
【0105】
インキ種類表示器36は、各インキの粘度の値が異なる3種類のインキの何れが選択・設定されているのかを表示するランプ群、すなわち、例えば図16に示すように黒色インキCkに対応するドラムユニット140が選択されていることを表示する黒色インキ表示ランプ36a、赤色インキAkに対応するドラムユニット140Aが選択されていることを表示する赤色インキ表示ランプ36bおよび青色インキBkに対応するドラムユニット140Bが選択されていることを表示する青色インキ表示ランプ36cからなる。各表示ランプ36a,36b,36cはLEDからなる。
インキ種類設定キー35を1回押下すると黒色インキ表示ランプ36aが点灯し、インキ種類設定キー35を2回押下すると赤色インキ表示ランプ36bが点灯するというように、インキ種類設定キー35を1回押下するごとに順次LEDランプの点灯が切り替わり、使用者が設定したインキ種類に対応するドラムユニットが選択されていることを表示するようになっている。
【0106】
用紙種類表示器41は、例えばPPC用紙が選択・設定されていることを表示するPPC用紙設定表示用のPPC用紙表示ランプ41aと、コート紙が選択・設定されていることを表示するコート紙設定表示用のコート紙表示ランプ41bと、孔版上質紙が選択・設定されていることを表示する孔版上質紙表示用の孔版上質紙表示ランプ41cとからなる。各表示ランプ41a,41b,41cはLEDからなる。
用紙種類設定キー40を1回押下するとPPC用紙表示ランプ41aが点灯し、用紙種類設定キー40を2回押下するとコート紙表示ランプ41bが点灯し、さらに用紙種類設定キー40を3回押下すると孔版上質紙表示ランプ41cが点灯するというように、用紙種類設定キー40を1回押下するごとに順次ランプの点灯が切り替わり、使用者が用紙種類設定キー40で選択・設定した用紙種類に対応する印刷用紙62が設定されていることを表示するようになっている。
【0107】
マスタ種類表示器38は、例えばインキ通過性の比較的大きいマスタ61が選択・設定されていることを表示するマスタ種類表示ランプ38aと、インキ通過性の比較的中程度のマスタ61が選択・設定されていることを表示するマスタ種類表示ランプ38bと、インキ通過性の比較的小さいマスタ61が選択・設定されていることを表示するマスタ種類表示ランプ38cとからなる。各表示ランプ38a,38b,38cはLEDからなる。
マスタ種類設定キー37を1回押下するとマスタ種類表示ランプ38aが点灯し、マスタ種類設定キー37を2回押下するとマスタ種類表示ランプ38bが点灯し、さらにマスタ種類設定キー37を3回押下するとマスタ種類表示ランプ38cが点灯するというように、マスタ種類設定キー37を1回押下するごとに順次ランプの点灯が切り替わり、使用者がマスタ種類設定キー37で選択・設定したインキ通過性の大・中・小に関するマスタ61が設定されていることを表示するようになっている。
【0108】
本変形例1では、インキ種類設定キー35で選択・設定可能なインキ種類が黒色、赤色、青色の3種類としたが、これはあくまでも一例であるためこれに限らず、4種類以上のあるいは2種類だけのインキ種類を適宜選択・設定できるように構成してもよいことは言うまでもない。これは、マスタ種類や用紙種類でも同様である。各表示器36,38,41は、LEDに限らず、LCDやタッチパネル等でも構わない。
【0109】
制御装置63Aは、実施形態1の制御装置63と比較して、図11に示すように印圧用パラメータ別印圧制御手段66Aを有することが相違する。制御装置63Aは、モード別印圧制御手段64、印圧用パラメータ別印圧制御手段66Aおよび記憶手段65とを具備する。モード別印圧制御手段64と記憶手段65とは、印圧用パラメータ別印圧制御手段66Aと記憶手段65とは、モード別印圧制御手段64と印圧用パラメータ別印圧制御手段66Aとは、それぞれ指令信号やデータ信号を互いに送受信する関係にある。
【0110】
制御装置63Aは、制御装置63の入力構成と比較して、上記入力ポートおよび図示しないセンサ回路等を介して、操作パネル30Aの上記各種キー(インキ種類設定キー35、マスタ種類設定キー37、用紙種類設定キー40、印刷速度設定キー47)、インキ粘度検出装置76、印刷速度センサ164に電気的に接続されていて、これらからのデータ信号やオン/オフ信号を受信することのみ相違する。また、制御装置63Aは、制御装置63の出力構成と比較して、上記出力ポートおよび図示しないLED駆動回路を介して操作パネル30Aの上記各種表示器(インキ種類表示器36、マスタ種類表示器38、用紙種類表示器41)に電気的に接続されていて、これらに指令信号を送信することのみ相違する。
【0111】
印圧用パラメータ別印圧制御手段66Aは、制御装置63Aのそれと比較して小規模のマイクロコンピュータを具備している。印圧用パラメータ別印圧制御手段66Aの図示しないROMには、予め実験等で求めた印圧制御パターンテーブル、すなわち各モード別に設定され各種印圧用パラメータの組み合わせに対応して設定された最適な印圧の強さに関する印圧制御パターンテーブル、換言すれば各モード別に設定され各種印圧用パラメータの組み合わせに対応した印圧制御モータ14の回転駆動量(スプリング長さ検知センサ13のパルス数として出力される)に関する印圧制御パターンテーブルや、印圧用パラメータ別印圧制御手段66Aの図示しないCPUによる制御、演算機能を発揮するためのプログラム等が予め記憶されている。上記した例では、印圧制御モータ14がパルスモータ(ステッピングモータ)での記載であったが、DCモータ等で時間管理しても構わない。
【0112】
印圧用パラメータ別印圧制御手段66Aの上記CPU(以下、「印圧用パラメータ別印圧制御手段66A」というときがある)は、インキ種類設定キー35からのインキ種類設定信号、マスタ種類設定キー37からのマスタ種類設定信号、用紙種類設定キー40からの用紙種類設定信号、インキ粘度検出装置76からのインキ粘度検出信号、印刷速度センサ164からの印刷速度検出信号に基づいて、またスプリング長さ検知センサ13や印圧ホームポジションセンサ9等からのデータ信号やオン/オフ信号等を参照しながら、上記ROMの印圧制御パターンテーブルから最適な印圧とするための各種印圧用パラメータの組み合わせに対応した印圧制御モータ14の回転駆動量(スプリング長さ検知センサ13のパルス数として出力される)に係る印圧データを選択して、所定の印圧になるように印圧可変手段20の印圧制御モータ14を制御する制御機能を有する。
【0113】
印圧用パラメータ別印圧制御手段66Aは、印刷ドラム101上の同じ製版済みのマスタ61を用いて印刷を行う次回の印刷時に、前回の最終印刷時に使用した上記モード以外の印刷条件を記憶手段65から選択し呼び出して印刷動作を行わせる制御機能を有する。
すなわち、印圧用パラメータ別印圧制御手段66Aは、電源スイッチ58が押されて電力オンとなった後、印刷スタートキー45からの印刷スタート信号に基づいて、印刷ドラム101の脱着有無の検知を実施して取り外し・脱着していないと判断し、印刷ドラム101上の同じ製版済みのマスタ61を用いて印刷を行う次回の印刷時に、前回の最終印刷時に使用した上記各種印圧用パラメータに係る印刷条件を記憶手段65から選択し呼び出してそれに対応した印刷動作を行うように印圧制御モータ14を制御すると共に、LED駆動回路やLCD駆動回路を制御する制御機能を有する。
【0114】
次に、変形例1の動作について、実施形態1の動作と相違する点を中心に説明する。変形例1では、インキ粘度検出装置76を有することで適宜の動作タイミングでインキ粘度を検出することが必要であり、その動作説明を簡単化して説明する。
先ず、使用者は電源スイッチ58を押して電力オン状態にすると、操作パネル30Aおよび制御装置63A等が起動可能状態になると共に、上記各装置等への電力供給可能状態となる。これに前後して上記原稿載置台に文字画像、文字・写真混合画像および写真画像のうちの何れか1つを持った原稿60を載置・セットした後、原稿60の画像に対応したモード設定キーを押すと、そのモード設定信号が生成されてこれが制御装置63Aおよびモード別印圧制御手段64に入力されると共に、そのモードに対応したモード表示ランプが点灯する。一実施例的に説明すると、例えば文字画像のみを持った原稿60を載置・セットするものとした場合、初期状態として文字モードが設定されているので、文字モード設定キー31を押さなくても、文字モード設定信号が生成されてこれが制御装置63Aおよびモード別印圧制御手段64に入力されると共に、文字モードに対応した文字モード表示ランプ34aが点灯する。
【0115】
この後、操作パネル30Aで設定できる各種印刷条件に係る印圧用パラメータを入力する。すなわち、使用者はインキ種類設定キー35でインキ種類を、マスタ種類設定キー37でマスタ種類を、用紙種類設定キー40で用紙種類を、印刷速度設定キー47で印刷速度を、それぞれ設定すると、それらの印圧用パラメータに係る各種設定信号が制御装置63A内の印圧用パラメータ別印圧制御手段66Aに取り込まれ、記憶手段65にそれぞれ一時記憶され、印圧制御の条件とされる。これと同時に、上記各印圧用パラメータに対応した各種表示ランプが点灯する。
【0116】
一実施例的に説明すると、例えばインキ種類設定キー35を1回押下して黒色のインキを内蔵したドラムユニット140を選択・設定することでそのインキ種類設定信号が、マスタ種類設定キー37を1回押下して装着しているインキ通過性の比較的大きいマスタ61を選択・設定することでそのマスタ種類設定信号が、用紙種類設定キー40を1回押下してPPC用紙を選択・設定することでその用紙種類設定信号が、印刷速度設定キー47の速度アップキー47bを押下して設定印刷速度:5速を選択することで印刷速度設定信号:5速が、それぞれ制御装置63A内の印圧用パラメータ別印圧制御手段66Aの上記CPUに取り込まれ、記憶手段65にそれぞれ一時記憶され、印圧制御の条件とされる。また、テンキー46で設定された印刷枚数設定信号は制御装置63A内の上記CPUに取り込まれ、上記RAMに一時記憶される。
これと同時に、上記各印圧用パラメータに対応した各種表示ランプ、黒色インキ表示ランプ36a、マスタ表示ランプ38a、PPC用紙表示ランプ41aがそれぞれ点灯する。また、印圧用パラメータ別印圧制御手段66Aの上記CPUの指令によって、設定印刷速度:5速に対応した速度表示器48のLEDランプが点灯すると共に、制御装置63Aの上記CPUの指令によって、上記印刷枚数の数値表示が表示部49Aになされる。
【0117】
次いで、使用者が製版スタートキー44を押すと、製版スタート信号が生成されこの製版スタート信号がトリガとなって上述したと同様の排版工程が実行される。次いで、インキ粘度を検出するために、図1および図7を借りて説明すると、印刷ドラム101が図1中矢印A方向にアイドリング回転される。このとき、プレスローラ103は非印圧位置を占めている。この印刷ドラム101の回転と同時に、インキローラ120も同方向に同期して回転され、インキ量検知センサ124の作動によりインキ溜まり122のインキ量が検知されることで、上記インキ供給ポンプが作動され、インキ供給ディストリビュータ123から所定量に達するまでインキCkの供給が行われる。
そして、インキ量検知センサ124によりインキ溜まり122のインキCkが所定量になったことが検知されると、本願出願人が提案した特開平10−315599号公報の段落番号「0108」ないし「0109」に記載されている内容と同様にして、インキ粘度検出装置76によってインキ粘度が検出される。検出されたインキ粘度に係る信号は、最終的にデジタル量に変換されて制御装置63Aの印圧用パラメータ別印圧制御手段66Aの図示しないCPUに送信され、同CPUに取り込まれる。
【0118】
上記インキ粘度検出信号が印圧用パラメータ別印圧制御手段66Aに取り込まれると、先ず、印圧用パラメータ別印圧制御手段66Aは記憶手段65から上記インキ種類設定信号を呼び出して、印圧用パラメータ別印圧制御手段66Aの上記ROMに予め記憶されている各色ごとの印圧制御パターンテーブルとの照合を行い、インキCkに係る印圧制御パターンテーブルを選択する。そして、印圧用パラメータ別印圧制御手段66Aの上記CPUは、記憶手段65から上記マスタ種類設定信号、上記用紙種類設定信号、上記印刷速度設定信号:5速を呼び出し、こうして呼び出された上記マスタ種類設定信号、上記用紙種類設定信号、上記印刷速度設定信号(実施例的には5速)および各色ごとの印圧制御パターンテーブルから選択されたインキCkに係る印圧制御パターンテーブルと、印圧用パラメータ別印圧制御手段66Aの上記ROMに記憶されている各モードごと(実施例的には例えば文字モード)の印圧制御パターンテーブルとの照合を行い、文字モード設定時における上記各種印刷条件に最も適した所定の印圧、すなわち所定の印圧設定パルス数を設定する。
【0119】
印刷ドラム101による所定回数の上記アイドリング回転終了後、原稿読取装置80では上述したと同様の原稿60の画像読み取りが行われる。この画像読み取り動作と並行して、例えば設定された文字モードによる特有の製版動作が上述したように自動的に実行される。この後、一版の製版済みのマスタ61が上述したと同様の給版動作によって、印刷ドラム101の外周面に完全に巻装された段階で製版および給版工程が終了する。そして、印刷工程では、印圧用パラメータ別印圧制御手段66Aによって設定された所定の印圧設定パルス数で印圧制御モータ14が制御され、最適な印刷画質となる所定の印圧で印刷動作が行われる。
【0120】
写真モード設定時や文字・写真モード設定時には、印圧用パラメータ別印圧制御手段66Aの上記CPUによって、印圧用パラメータ別印圧制御手段66Aの上記ROMに記憶されている各モードごと(実施例的には例えば写真モードや文字・写真モード)の印圧制御パターンテーブルとの照合を行い、写真モードや文字・写真モード設定時における上記各種印刷条件に最も適した設定印圧に対応した所定の印圧、すなわち所定の印圧設定パルス数を設定し、印圧制御モータ14を制御することが相違するだけであり、上述した内容から容易に実施できるためこれ以上の説明を省略する。
【0121】
次に、電源スイッチ58がオフされた後、印刷ドラム101上の同じ製版済みのマスタ61を用いて印刷を行うような場合は以下のような動作となる。すなわち、使用者は電源スイッチ58のオフ後、再び印刷ドラム101上の同じ製版済みのマスタ61を用いて印刷を行いたい場合、使用者は電源スイッチ58を押して電力オンとなった後、各モード設定キー31,32,33を押すことなく、かつ、操作パネル30Aのインキ種類設定キー35、マスタ種類設定キー37、用紙種類設定キー40、印刷速度設定キー47等を押すことなく、印刷スタートキー45を押す。すると、モード別印圧制御手段64は、印刷スタートキー45からの印刷スタート信号に基づいて印刷ドラム101の脱着有無の検知を実施して取り外し・脱着していないと判断し、印刷ドラム101上の同じ製版済みのマスタ61を用いて印刷を行うものと判断して、前回の最終印刷時に使用したモード、印刷条件および表示内容を記憶手段65から選択し呼び出してそれに対応した印刷動作を行うように印圧制御モータ14を制御すると共に、LED駆動回路あるいはLCD駆動回路を制御することとなる。これにより、一々前回と同じモードの設定や上記各種印圧用パラメータの設定を行う必要がなくなり、操作性が向上する。
【0122】
(変形例2)
図13に、変形例2を示す。変形例2は、インキ粘度をいわば直接的に検出するインキ粘度検出装置76によるほどの精度の高い印圧用パラメータを用いなくてもよいのであれば、これに代えて、印圧用パラメータとしていわばインキ粘度を間接的に検出するインキ温度を用いて、モード別および印圧用パラメータ別の印圧制御を行うものである。
変形例2は、変形例1と比較して、インキ粘度検出装置76に代えて、インキ温度を検出するインキ温度検出手段としてのインキ温度検出センサ78を有すること、および制御装置63Aに代えた制御装置63Bを有することが主に相違する。インキ温度検出センサ78としては、サーミスタを使用しており、例えばインキ溜まり122におけるインキ温度を検出する。
【0123】
制御装置63Bは、変形例1の制御装置63Aと比較して、印圧用パラメータ別印圧制御手段66Aに代えた印圧用パラメータ別印圧制御手段66Bを有することが相違する。制御装置63Bは、モード別印圧制御手段64、印圧用パラメータ別印圧制御手段66Bおよび記憶手段65とを具備する。モード別印圧制御手段64と記憶手段65とは、印圧用パラメータ別印圧制御手段66Bと記憶手段65とは、モード別印圧制御手段64と印圧用パラメータ別印圧制御手段66Bとは、それぞれ指令信号やデータ信号を互いに送受信する関係にある。
制御装置63Bは、変形例1の制御装置63Aの入力構成と比較して、上記入力ポートおよび図示しないセンサ回路等を介して、インキ粘度検出装置76に代えて、インキ温度検出センサ78に電気的に接続されていて、これからのインキ温度検出に係るデータ信号を受信することのみ相違する。
【0124】
印圧用パラメータ別印圧制御手段66Bの図示しないROMには、予め実験等で求めた印圧制御パターンテーブル、すなわち各モード別に設定され各種印圧用パラメータの組み合わせに対応して設定された最適な印圧の強さに関する印圧制御パターンテーブル、換言すれば各モード別に設定され各種印圧用パラメータの組み合わせに対応した印圧制御モータ14の回転駆動量(スプリング長さ検知センサ13のパルス数として出力される)に関する印圧制御パターンテーブルや、印圧用パラメータ別印圧制御手段66Bの図示しないCPUによる制御、演算機能を発揮するためのプログラム等が予め記憶されている。
【0125】
印圧用パラメータ別印圧制御手段66Bの上記CPU(以下、「印圧用パラメータ別印圧制御手段66B」というときがある)は、インキ種類設定キー35からのインキ種類設定信号、マスタ種類設定キー37からのマスタ種類設定信号、用紙種類設定キー40からの用紙種類設定信号、インキ温度検出センサ78からのインキ温度検出信号、印刷速度センサ164からの印刷速度検出信号に基づいて、またスプリング長さ検知センサ13や印圧ホームポジションセンサ9等からのデータ信号やオン/オフ信号等を参照しながら、上記ROMの印圧制御パターンテーブルから最適な印圧とするための各種印圧用パラメータの組み合わせに対応した印圧制御モータ14の回転駆動量(スプリング長さ検知センサ13のパルス数として出力される)に係る印圧データを選択して、所定の印圧になるように印圧可変手段20の印圧制御モータ14を制御する制御機能を有する。
【0126】
印圧用パラメータ別印圧制御手段66Bは、印刷ドラム101上の同じ製版済みのマスタ61を用いて印刷を行う次回の印刷時に、前回の最終印刷時に使用した上記モード以外の印刷条件を記憶手段65から選択し呼び出して印刷動作を行わせる制御機能を有する。
すなわち、印圧用パラメータ別印圧制御手段66Bは、電源スイッチ58が押されて電力オンとなった後、印刷スタートキー45からの印刷スタート信号に基づいて印刷ドラム101の脱着有無の検知を実施して、取り外し・脱着していないと判断し、印刷ドラム101上の同じ製版済みのマスタ61を用いて印刷を行う次回(今回)の印刷時に、前回の最終印刷時に使用した上記各種印圧用パラメータに係る印刷条件を記憶手段65から選択し呼び出してそれに対応した印刷動作を行うように印圧制御モータ14を制御するものである。
変形例2の動作については、上述した実施形態1や変形例1の動作および上述した制御構成等から容易に理解して実施できるためこれ以上の説明を省略する。
【0127】
(変形例3)
図14に、変形例3を示す。変形例3は、インキ粘度をいわば直接的に検出するインキ粘度検出装置76によるほどの精度の高い印圧用パラメータを用いなくてもよいのであれば、これに代えて、印圧用パラメータとしていわばインキ粘度を間接的に検出する環境温度を用いて、モード別および印圧用パラメータ別の印圧制御を行うものである。
変形例3は、変形例1と比較して、インキ粘度検出装置76に代えて、環境温度を検出する環境温度検出手段としての環境温度検出センサ77を有すること、および制御装置63Aに代えた制御装置63Bを有することが主に相違する。環境温度検出センサ77としては、装置本体フレーム50の外壁や内壁に配設されたサーミスタを使用している。これに限らず、製版開始前に、サーマルヘッド91に具備されている上記したサーミスタを使用してもよい。
【0128】
制御装置63Cは、変形例1の制御装置63Aと比較して、印圧用パラメータ別印圧制御手段66Aに代えた印圧用パラメータ別印圧制御手段66Cを有することが相違する。制御装置63Cは、モード別印圧制御手段64、印圧用パラメータ別印圧制御手段66Cおよび記憶手段65とを具備する。モード別印圧制御手段64と記憶手段65とは、印圧用パラメータ別印圧制御手段66Cと記憶手段65とは、モード別印圧制御手段64と印圧用パラメータ別印圧制御手段66Cとは、それぞれ指令信号やデータ信号を互いに送受信する関係にある。
制御装置63Cは、変形例1の制御装置63Aの入力構成と比較して、上記入力ポートおよび図示しないセンサ回路等を介して、インキ粘度検出装置76に代えて、環境温度検出センサ77に電気的に接続されていて、これからの環境温度検出に係るデータ信号を受信することのみ相違する。
【0129】
印圧用パラメータ別印圧制御手段66Cの図示しないROMには、予め実験等で求めた印圧制御パターンテーブル、すなわち各モード別に設定され各種印圧用パラメータの組み合わせに対応して設定された最適な印圧の強さに関する印圧制御パターンテーブル、換言すれば各モード別に設定され各種印圧用パラメータの組み合わせに対応した印圧制御モータ14の回転駆動量(スプリング長さ検知センサ13のパルス数として出力される)に関する印圧制御パターンテーブルや、印圧用パラメータ別印圧制御手段66Cの図示しないCPUによる制御、演算機能を発揮するためのプログラム等が予め記憶されている。
【0130】
印圧用パラメータ別印圧制御手段66Cの上記CPU(以下、「印圧用パラメータ別印圧制御手段66C」というときがある)は、インキ種類設定キー35からのインキ種類設定信号、マスタ種類設定キー37からのマスタ種類設定信号、用紙種類設定キー40からの用紙種類設定信号、環境温度検出センサ77からの環境温度検出信号、印刷速度センサ164からの印刷速度検出信号に基づいて、またスプリング長さ検知センサ13や印圧ホームポジションセンサ9等からのデータ信号やオン/オフ信号等を参照しながら、上記ROMの印圧制御パターンテーブルから最適な印圧とするための各種印圧用パラメータの組み合わせに対応した印圧制御モータ14の回転駆動量(スプリング長さ検知センサ13のパルス数として出力される)に係る印圧データを選択して、所定の印圧になるように印圧可変手段20の印圧制御モータ14を制御する制御機能を有する。
【0131】
印圧用パラメータ別印圧制御手段66Cは、印刷ドラム101上の同じ製版済みのマスタ61を用いて印刷を行う次回の印刷時に、前回の最終印刷時に使用した上記モード以外の印刷条件を記憶手段65から選択し呼び出して印刷動作を行わせる制御機能を有する。
すなわち、印圧用パラメータ別印圧制御手段66Cは、電源スイッチ58が押されて電力オンとなった後、印刷スタートキー45からの印刷スタート信号に基づいて印刷ドラム101の脱着有無の検知を実施して、取り外し・脱着していないと判断し、印刷ドラム101上の同じ製版済みのマスタ61を用いて印刷を行う次回(今回)の印刷時に、前回の最終印刷時に使用した上記各種印圧用パラメータに係る印刷条件を記憶手段65から選択し呼び出してそれに対応した印刷動作を行うように印圧制御モータ14を制御するものである。
変形例3の動作については、上述した実施形態1や変形例1の動作および上述した制御構成等から容易に理解して実施できるためこれ以上の説明を省略する。
【0132】
(変形例4)
図15に、変形例4を示す。変形例4は、変形例1と比較して、変形例1の操作パネル30Aに代えて、実施形態1と同様の操作パネル30を有すること、変形例1のインキ種類設定キー35に代えて、印刷ドラム101内のインキ種類を自動的に検出するインキ種類検出手段135を有すること、変形例1のマスタ種類設定キー37に代えて、マスタ種類を自動的に検出するマスタ種類検出手段141を有すること、変形例1の用紙種類設定キー40に代えて、用紙種類を自動的に検出する用紙種類検出手段147を有すること、および制御装置63Aに代えた制御装置63Dを有することが主に相違する。
【0133】
インキ種類検出手段135は、図16に示すように、印刷ドラムごとに予め設定されているインキ種類を検出する印刷ドラム内インキ種類検出手段であり、各ドラムユニット140,140A,140Bの後フレーム101Aに配置されたマグネット130,131、132と、各マグネット130,131、132に選択的に対向するように装置本体フレーム50に配置された各ホール素子センサ136,137,138からなる。
このようなインキ種類検出手段135を有することで、例えば、黒色インキCkのドラムユニット140が装置本体フレーム50に装着されたときには、マグネット130が装置本体フレーム50のホール素子センサ138と相対向してホール素子センサ138がオンすることで、黒色インキCkのドラムユニット140が装着されていることが検知される。同様にして、赤色インキAkのドラムユニット140Aが装置本体フレーム50に装着されたときには、マグネット131が装置本体フレーム50のホール素子センサ136と相対向してホール素子センサ136がオンすることで、青色インキBkのドラムユニット140Bが装置本体フレーム50に装着されたときには、マグネット132が装置本体フレーム50のホール素子センサ137と相対向してホール素子センサ137がオンすることで、それぞれ赤色インキAkのドラムユニット140A、青色インキBkのドラムユニット140Bが装着されていることが検知される。このように、色替え印刷時において、ドラムユニットに配設されているインキ種類の数(この例ではインキの色の数)によって、マグネットの位置や個数を異なるように配置し、かつ、それらに相対向する装置本体フレーム50の所定位置にホール素子センサを適宜配置することで、より多数のドラム内のインキの種類を検出することができる。
【0134】
マスタ種類検出手段141は、図17に示すように、マスタロール61bの芯管61aを上記マスタ支持部材にセットしたときに、マスタ61のインキ通過性に関するマスタ種類を識別・検出する。このために、マスタ種類検出手段141は、マスタロール61bの引き出し先端部に貼り付けられた識別表示体142と、該識別表示体142に表示された内容を検知する検知手段としての例えば複数(図17では3つ)の反射型の光学センサ143とを有している。
【0135】
識別表示体142は、図18に示すように、裏面のシールを剥がして接着可能な白色のシート142aと、該シート142aの表面に形成された3つの円形マーク142bから構成されており、円形マーク142bの何れかまたは複数個の組み合わせを黒色とすることによりマスタ種類を検出するようになっている。 マスタ種類を記号化ないし暗号化して識別するようにしてもよい。識別表示体142は、芯管61aやマスタロール61bの側面に設け、これに対応・対向した位置にマスタ種類検出手段141を設けてもよい。
マスタ種類検出手段141は、上述したものに限らず、図19に示すように、マスタロール61b(芯管61aを含む)に設けられる発信手段としてのICタグ144と、製版給版装置90の装置本体フレーム50に設けられる受信手段145とから構成してもよい。ICタグ144のICチップ144aにはマスタ種類が記録されており、記録内容が発信されるようになっている。また、マスタロール61b側に共振タグ等を設けて検出するようにしてもよいし、あるいは静電容量を検出し、その値でマスタ種類を検出するようにしてもよい。例えば、マスタロール61bまたは芯管61aの適当な箇所に被検知手段としてのチップ等の小型のコンデンサを搭載し、製版給版装置90の装置本体フレーム50に設けられた検知手段としての静電容量検出器等でこれを検出する。また、抵抗値を検出し、その値でマスタ種類を検出するようにしてもよい。例えば、マスタロール61bまたは芯管61aの適当な箇所に被検知手段としてのチップ等の小型の抵抗体を搭載し、製版給版装置90の装置本体に設けられた検知手段としての抵抗検出器等でこれを検出する。抵抗を持ったテープ状体ないしシート状体を芯管61aの側面または内側に貼り付ける構成としてもよい。
【0136】
用紙種類検出手段147は、例えば本願出願人が提案した特開2001−328332号公報の図5に示されている用紙種類検知センサ(40)と同様のものを使用している。すなわち、用紙種類検出手段147は、上記公報の段落番号「0059」ないし「0065」に記載されているように、図1に示す給紙台51上の最上位面の印刷用紙62が給紙位置を占めている状態の給紙コロ111寄りの最上位面の印刷用紙62上方近傍に、最上位面の印刷用紙62上面の搬送時の跳ね上がり等を規制する図示しない部材と共に配置されている。
用紙種類検出手段147(用紙種類検知センサ(40))は、上記公報の図5に詳しく示されているように、印刷用紙62の表面に光を投射する発光手段としての発光素子(40aa)を備えた発光部(40a)と、その印刷用紙62の表面で反射された反射光を受ける受光手段としての複数の受光素子(40ba)を備えた受光部(40b)とを有し、これらの発光部(40a)および受光部(40b)は、搬送されることで移動する印刷用紙62に対して、受光部(40b)の複数の受光素子(40ba)が受けた反射光の受光位置のバラツキを認識することにより用紙種類を自動的に検出するものである。
【0137】
用紙種類検出手段147は、印刷用紙62の表面状態の粗密状態を認識し検出することで、インキの滲み具合を検出することができる。用紙種類検出手段147は、上記した用紙種類検知センサ(40)に限らず、例えば特開平7−172635号公報の図1および段落番号(0007)や段落番号(0014)ないし(0019)等に開示されているものであってもよいし、特開平9−69960号公報の段落番号(0023)に記載されているように、印刷用紙62の表面粗さを検出するセンサ手段(表面粗さ検出手段)を用いることによって用紙種類を識別・検出するものであってもよい。
【0138】
制御装置63Dは、変形例1の制御装置63Aと比較して、印圧用パラメータ別印圧制御手段66Aに代えた印圧用パラメータ別印圧制御手段66Dを有することが相違する。制御装置63Dは、モード別印圧制御手段64、印圧用パラメータ別印圧制御手段66Dおよび記憶手段65とを具備する。モード別印圧制御手段64と記憶手段65とは、印圧用パラメータ別印圧制御手段66Dと記憶手段65とは、モード別印圧制御手段64と印圧用パラメータ別印圧制御手段66Dとは、それぞれ指令信号やデータ信号を互いに送受信する関係にある。
制御装置63Dは、変形例1の制御装置63Aの入力構成と比較して、上記入力ポートおよび図示しないセンサ回路等を介して、インキ種類設定キー35に代えたインキ種類検出手段135(ホール素子センサ136,137,138)に、マスタ種類設定キー37に代えたマスタ種類検出手段141(光学センサ143)に、用紙種類設定キー40に代えた用紙種類検出手段147に、それぞれ電気的に接続されていて、これらからのインキ種類、マスタ種類、用紙種類に係るデータ信号を受信することのみ相違する。
【0139】
印圧用パラメータ別印圧制御手段66Dの図示しないROMには、予め実験等で求めた印圧制御パターンテーブル、すなわち各モード別に設定され各種印圧用パラメータの組み合わせに対応して設定された最適な印圧の強さに関する印圧制御パターンテーブル、換言すれば各モード別に設定され各種印圧用パラメータの組み合わせに対応した印圧制御モータ14の回転駆動量(スプリング長さ検知センサ13のパルス数として出力される)に関する印圧制御パターンテーブルや、印圧用パラメータ別印圧制御手段66Dの図示しないCPUによる制御、演算機能を発揮するためのプログラム等が予め記憶されている。
【0140】
印圧用パラメータ別印圧制御手段66Dの上記CPU(以下、「印圧用パラメータ別印圧制御手段66D」というときがある)は、インキ粘度検出装置76からのインキ粘度検出信号、インキ種類検出手段135からのインキ種類検出信号、マスタ種類検出手段141からのマスタ種類検出信号、用紙種類検出手段147からの用紙種類検出信号、印刷速度センサ164からの印刷速度検出信号に基づいて、またスプリング長さ検知センサ13や印圧ホームポジションセンサ9等からのデータ信号やオン/オフ信号等を参照しながら、上記ROMの印圧制御パターンテーブルから最適な印圧とするための各種印圧用パラメータの組み合わせに対応した印圧制御モータ14の回転駆動量(スプリング長さ検知センサ13のパルス数として出力される)に係る印圧データを選択して、所定の印圧になるように印圧可変手段20の印圧制御モータ14を制御する制御機能を有する。
【0141】
印圧用パラメータ別印圧制御手段66Dは、印刷ドラム101上の同じ製版済みのマスタ61を用いて印刷を行う次回の印刷時に、前回の最終印刷時に使用した上記モード以外の印刷条件を記憶手段65から選択し呼び出して印刷動作を行わせる制御機能を有する。
すなわち、印圧用パラメータ別印圧制御手段66Dは、電源スイッチ58が押されて電力オンとなった後、印刷スタートキー45からの印刷スタート信号に基づいて印刷ドラム101の脱着有無の検知を実施して、取り外し・脱着していないと判断し、印刷ドラム101上の同じ製版済みのマスタ61を用いて印刷を行う次回(今回)の印刷時に、前回の最終印刷時に使用した上記各種印圧用パラメータに係る印刷条件を記憶手段65から選択し呼び出してそれに対応した印刷動作を行うように印圧制御モータ14を制御するものである。
変形例4の動作については、上述した実施形態1や変形例1の動作および上述した制御構成等から容易に理解して実施できるためこれ以上の説明を省略する。変形例4では、操作パネル30の液晶表示部49Bに、インキ種類、マスタ種類や用紙種類を適宜表示させればよい。
【0142】
上述した変形例1ないし4では、モード別印圧制御手段64によって、写真モード設定キー33による写真モード設定時には文字・写真モード設定時よりも、文字・写真モード設定キー32による文字・写真モード設定時には文字モード設定キー31で設定された文字モード設定時よりも、それぞれ印圧が低くなるように印圧可変手段20の印圧制御モータ14をいわば大まかに制御すると共に、加えて印刷画像の最適化を行うべく、印圧用パラメータ別印圧制御手段66A〜66Dによって各種印圧用パラメータを加味することによって印圧を所定の印圧となるようにより木目細かく印圧可変手段20の印圧制御モータ14を制御するものであった。
上述した印圧用パラメータ別印圧制御手段66A〜66Dによるような木目の細かい印圧制御をそれ程望まなくてもよいのであれば、例えば変形例1ないし4の制御構成要素を適宜除去して、これらを組み合わせたものからなる印圧用パラメータを用いた制御構成であってもよい。すなわち、インキ粘度検出装置76、環境温度検出センサ77およびインキ温度検出センサ78の何れか1つ、インキ種類検出手段135およびインキ種類設定キー35の何れか1つ、印刷速度センサ164、用紙種類検出手段147および用紙種類設定キー40の何れか1つ、マスタ種類検出手段147およびマスタ種類設定キー37の何れか1つの、印圧を介して印刷画質に影響を与える印圧用パラメータを検出または設定する手段を少なくとも1つ有し、少なくとも1つの印圧用パラメータを検出または設定する手段によって、検出または設定された少なくとも1つの印圧用パラメータに応じて、印圧が所定の印圧になるように印圧可変手段20を制御する印圧用パラメータ別印圧制御手段を有するものであってもよい。
【0143】
ちなみに、上述した印圧用パラメータ別印圧制御手段に関して、例えばサプライに関する印圧用パラメータ、すなわちインキ種類、マスタ種類および用紙種類に係る印圧用パラメータの何れか1つのみを有する最も簡素な制御構成例を挙げれば次のとおりである。
第1の例示としては、インキ種類検出手段135およびインキ種類設定キー35の何れか1つの印圧用パラメータを有し、インキ種類検出手段135およびインキ種類設定キー35の何れか1つにより検出または設定されたインキ種類(印圧用パラメータ)に応じて、印圧が所定の印圧になるように印圧可変手段20を制御する印圧用パラメータ別印圧制御手段を有するものである。
第2の例示としては、用紙種類検出手段147および用紙種類設定キー40の何れか1つの印圧用パラメータを有し、用紙種類検出手段147および用紙種類設定キー40の何れか1つにより検出または設定された用紙種類(印圧用パラメータ)に応じて、印圧が所定の印圧になるように印圧可変手段20を制御する印圧用パラメータ別印圧制御手段を有するものである。
第3の例示としては、マスタ種類検出手段147およびマスタ種類設定キー37の何れか1つの印圧用パラメータを有し、マスタ種類検出手段147およびマスタ種類設定キー37の何れか1つにより検出または設定されたマスタ種類(印圧用パラメータ)に応じて、印圧が所定の印圧になるように印圧可変手段20を制御する印圧用パラメータ別印圧制御手段を有するものである。
上述したように各種印圧用パラメータの組み合わせを考えると、多数の組み合わせがあるため請求項1、2のような総括的な表現とした。
【0144】
変形例1ないし4においては、製版給版装置90を構成している製版手段としてのサーマルヘッド91を除去した構成であってもよいし、あるいは製版給版装置90自体を除去した構成であってもよい。本発明の参考例としては、変形例1ないし4からサーマルヘッド91および記憶手段65を除去した構成であってもよいし、あるいは製版給版装置90自体および記憶手段65を除去した構成であってもよい。
変形例1ないし4の何れか1つの構成からサーマルヘッド91を除去した構成例としては、例えば予め製版されたマスタ61を巻いて形成したマスタロールから製版済みのマスタ61を繰り出し、これを給版手段を構成するプラテンローラ92、送りローラ対93a,93bおよび給版ローラ対94a,94bによって印刷ドラム101に給版し巻装した後、上記各モードと類似する後述する各印刷モードによる印圧可変制御を伴う印刷動作を実行させる印刷モード別印圧制御手段と、各印刷モードを設定するための印刷モード設定手段と、インキ粘度検出装置76、環境温度検出センサ77およびインキ温度検出センサ78の何れか1つ、インキ種類検出手段135およびインキ種類設定キー35の何れか1つ、印刷速度センサ164、用紙種類検出手段147および用紙種類設定キー40の何れか1つ、マスタ種類検出手段147およびマスタ種類設定キー37の何れか1つの、印圧を介して印刷画質に影響を与える印圧用パラメータを検出または設定する手段を少なくとも1つ有し、少なくとも1つの印圧用パラメータを検出または設定する手段によって検出または設定された少なくとも1つの印圧用パラメータに応じて、印圧が所定の印圧になるように印圧可変手段20を制御する印圧用パラメータ別印圧制御手段を有するものであってもよい。
【0146】
(変形例5)
図20および図21に、変形例1の変形例5を示す。以下、説明する変形例5ないし8等は、変形例1ないし4等の各種印圧用パラメータに基づく印圧制御だけでは最適な印刷画質を得ることができないような際に、サーマルヘッド91の個々の発熱素子91aへ供給する穿孔用エネルギー(以下、「穿孔エネルギー」という)を調整して、印刷画像の最適化を行うものである。
【0147】
まず、図21の表を参照して、サーマルヘッド91の個々の発熱素子91aへ供給する穿孔エネルギー量に影響を与える穿孔エネルギー用パラメータ、パラメータ別エネルギー調整手段およびその制御について説明しておく。
このパラメータ別エネルギー調整手段は、例えば特許第2756219号公報(特開平6−320851号公報)に記載されている基本的な技術事項と同様である。すなわち、本変形例5を含め孔版印刷装置においては、印刷画像濃度を含む印刷画質は製版済みのマスタ61の穿孔部分から滲み出るインキの量、すなわち印刷用紙62へのインキ転移量により決定される。インキ転移量は、マスタ61に形成された穿孔パターンを構成する個々の微小な穿孔の開口面積に比例的である。
一方、製版済みのマスタ61の個々の穿孔の大きさはサーマルヘッド91の個々の発熱素子91aの発熱温度に対応する発熱素子91aに供給する穿孔エネルギーによって定まる。
【0148】
そして、特許第2756224号の特許公報の図3等に示されている技術事項等から、サーマルヘッド91の個々の発熱素子91aに供給する穿孔エネルギーによりマスタ61に形成される穿孔パターンの1単位としての穿孔の大きさ(マスタ穿孔径)を制御できる。この事情は、発熱素子が矩形型でも熱集中型でも同様である。
穿孔エネルギーの調整は、特許第2756219号公報に記載されているように、画像信号に応じてサーマルヘッド91の個々の発熱素子91aに流す電流値もしくは発熱素子91aに印加する電圧値の変化により行うようにしてもよいが、上記実施形態1を含め本変形例5においては、上記サーマルヘッド駆動回路を介してサーマルヘッド91の発熱素子91aへ供給する通電パルス幅の変化により行う。
【0149】
従って、図21に示すように、インキ種類を含めインキが硬く流動性が低い高粘度状態にあるとき(インキ粘度が大きいとき)は、穿孔エネルギーとしての通電パルス幅を相対的に大きくして穿孔パターンを形成する個々のマスタ穿孔径を大きくすることにより、インキの流動性が低いことに起因するインキ転移量(滲み出し量)の低下を補って良好な印刷画質を得ることができる。逆に、インキが柔らかくて流動性が高い低粘度状態のとき(インキ粘度が小さいとき)には、通電パルス幅を相対的に小さくして個々のマスタ穿孔径を小さくすることにより、インキの流動性が高いことに起因するインキ転移量の増大を抑制して良好な印刷画質を得ることができる。
【0150】
環境温度は、その高低により各々のインキの流動性に影響を与え、これにより各々のインキの粘度が異なる。上述したインキ粘度と印圧との関係から、直ちに次のことが言える。
環境温度が比較的低い状態、すなわちインキが硬く流動性が低い高粘度状態にあるときは、通電パルス幅を相対的に大きくして個々のマスタ穿孔径を大きくすることにより、環境温度が低くインキの流動性が低いことに起因するインキ転移量の低下を補って良好な印刷画質を得ることができる。逆に、環境温度が高い状態、すなわちインキが柔らかくて流動性が高い低粘度状態のときには、通電パルス幅を相対的に小さくして個々のマスタ穿孔径を小さくすることにより、環境温度が高くインキの流動性が高いことに起因するインキ転移量の増大を抑制して良好な印刷画質を得ることができる。
【0151】
インキ温度については、上記した環境温度と比較して、その高低により環境温度よりもより一層直接的かつ鋭敏にインキ粘度に影響を与えることのみ相違し、その高低と印圧方向性との関係は同様の傾向にある。インキ種類については、インキ粘度との関係において上述したとおりである。
上述したことから、インキ粘度、これに密接に関係する環境温度、インキ温度、インキ種類に拘らず良好な印刷画質を得るには、インキ粘度、環境温度、インキ温度、インキ種類にそれぞれ適した大きさの通電パルス幅で穿孔・製版を行えばよい。すなわち、インキ粘度、環境温度、インキ温度、インキ種類の一々に応じて、最適な印刷画像を得るための通電パルス幅の大きさが定まる。
【0152】
マスタ種類については、その違いによりインキ通過性に影響を及ぼすことによって、インキ転移量が異なる。すなわち、そのインキ通過性が比較的大きいマスタ61においては、インキ転移量が多くなり、そのインキ通過性が比較的小さいマスタ61においては、インキ転移量が少なくなる傾向にある。
従って、マスタ61が比較的インキ通過性の小さいときには、通電パルス幅を相対的に大きくして個々のマスタ穿孔径を大きくすることにより、インキ通過性が小さいことに起因するインキ転移量の低下を補って良好な印刷画質を得ることができる。逆に、マスタ61が比較的インキ通過性の大きいときには、通電パルス幅を相対的に小さくして個々のマスタ穿孔径を小さくすることにより、インキ通過性が大きいことに起因するインキ転移量の増大を抑制して良好な印刷画質を得ることができる。
【0153】
印刷速度は、その遅速によりインキ転移量に影響を与える。すなわち、印刷速度が比較的遅いときには、印刷ドラム101上の製版済みのマスタ61に印刷用紙62が押圧される時間が長くなって、インキ転移量が多くなり、印刷速度が比較的速いときには、印刷ドラム101上の製版済みのマスタ61に印刷用紙62が押圧される時間が短くなって、インキ転移量が少なくなる傾向にある。
従って、印刷速度が比較的速いときには、通電パルス幅を相対的に大きくして個々のマスタ穿孔径を大きくすることにより、印刷速度が速いことに起因するインキ転移量の低下を補って良好な印刷画質を得ることができる。逆に、印刷速度が比較的遅いときには、通電パルス幅を相対的に小さくして個々のマスタ穿孔径を小さくすることにより、印刷速度が遅いことに起因するインキ転移量の増大を抑制して良好な印刷画質を得ることができる。
【0154】
用紙種類については、その被印刷表面状態の違い、より具体的にはその表面平滑性(用紙表面の粗さ)を含むインキ浸透性によるインキの滲み具合により、インキ転移量に影響を与える。すなわち、例えばコート紙のような比較的インキの滲み具合の小さい印刷用紙62に印刷するときには、インキ転移量が少なくなり、孔版上質紙のような比較的インキの滲み具合の大きい印刷用紙62に印刷するときには、インキ転移量が多くなる。
従って、比較的インキの滲み具合の小さい印刷用紙62を用いるときには、通電パルス幅を相対的に大きくして個々のマスタ穿孔径を大きくすることにより、インキの滲み具合が小さいことに起因するインキ転移量の低下を補って良好な印刷画質、より具体的には適正な画像面積の印刷画像を得ることができる。逆に、比較的インキの滲み具合の大きい印刷用紙62を用いるときには、通電パルス幅を相対的に小さくして個々のマスタ穿孔径を小さくすることにより、インキの滲み具合が大きいことに起因するインキ転移量の増大を抑制して良好な印刷画質、より具体的には適正な画像面積の印刷画像を得ることができる。
【0155】
変形例5は、変形例1と比較して、制御装置63Aに代えて、図20に示す制御装置63Eを有することが主に相違する。
制御装置63Eは、制御装置63Aと比較して、パラメータ別エネルギー調整手段67Eを有することが主に相違する。制御装置63Eは、モード別印圧制御手段64、印圧用パラメータ別印圧制御手段66A、記憶手段65およびパラメータ別エネルギー調整手段67Eを具備する。
【0156】
パラメータ別エネルギー調整手段67Eは、制御装置63Aのそれと比較して小規模のマイクロコンピュータを具備している。パラメータ別エネルギー調整手段67Eの図示しないROMには、予め実験等で求めた穿孔エネルギー調整パターンテーブル、すなわち各モード別に設定された「各種穿孔エネルギー用パラメータの組み合わせと最適なマスタ穿孔径(穿孔の開口面積)を形成するための穿孔エネルギー(ここでは通電パルス幅として出力される)との関係」に関する穿孔エネルギー調整パターンテーブルや、パラメータ別エネルギー調整手段67Eの図示しないCPUによる制御、演算機能を発揮するためのプログラムや穿孔エネルギー調整のためのプログラム等が予め記憶されている。
【0157】
パラメータ別エネルギー調整手段67Eの上記CPU(以下、「パラメータ別エネルギー調整手段67E」というときがある)は、インキ種類設定キー35からのインキ種類設定信号、マスタ種類設定キー37からのマスタ種類設定信号、用紙種類設定キー40からの用紙種類設定信号、インキ粘度検出装置76からのインキ粘度検出信号、印刷速度センサ164からの印刷速度検出信号に基づいて、上記ROMの穿孔エネルギー調整パターンテーブルから最適なマスタ穿孔径とするための各種穿孔エネルギー用パラメータの組み合わせに対応したサーマルヘッド91の個々の発熱素子91aへ供給する穿孔エネルギーとしての通電パルス幅データを選択して、サーマルヘッド91の個々の発熱素子91aへ供給する穿孔エネルギーが所定のエネルギーになるようにサーマルヘッド91を制御する制御機能を有する。
【0158】
変形例5の動作について、変形例1の動作と相違する点を中心に説明する。
先ず、使用者は電源スイッチ58を押して電力オン状態にすると、操作パネル30Aおよび制御装置63E等が起動可能状態になると共に、上記各装置等への電力供給可能状態となる。これに前後して上記原稿載置台に文字画像、文字・写真混合画像および写真画像のうちの何れか1つを持った原稿60を載置・セットした後、原稿60の画像に対応したモード設定キーを押すと、そのモード設定信号が生成されてこれが制御装置63Eおよびモード別印圧制御手段64に入力されると共に、そのモードに対応したモード表示ランプが点灯する。一実施例的に説明すると、例えば文字画像のみを持った原稿60を載置・セットするものとした場合、文字モード設定キー31を押すと、文字モード設定信号が生成されてこれが制御装置63Eおよびモード別印圧制御手段64に入力されると共に、文字モードに対応した文字モード表示ランプ34aが点灯する。
【0159】
この後、操作パネル30Aで設定できる各種印刷条件に係る穿孔エネルギー用パラメータおよび印圧用パラメータを入力する。すなわち、使用者はインキ種類設定キー35でインキ種類を、マスタ種類設定キー37でマスタ種類を、用紙種類設定キー40で用紙種類を、印刷速度設定キー47で印刷速度を、それぞれ設定すると、それらの穿孔エネルギー用パラメータに係る各種設定信号が制御装置63E内のパラメータ別エネルギー調整手段67Eに取り込まれ、記憶手段65にそれぞれ一時記憶され、穿孔エネルギー調整の条件とされる。同時に、上記印圧用パラメータに係る各種設定信号が印圧用パラメータ別印圧制御手段66Aに取り込まれ、記憶手段65にそれぞれ一時記憶され、印圧制御の条件とされる。同時に、上記各穿孔エネルギー用パラメータおよび上記各印圧用パラメータに対応した各種表示ランプが点灯する。
【0160】
一実施例的に説明すると、例えばインキ種類設定キー35を1回押下して黒色のインキを内蔵したドラムユニット140を選択・設定することでそのインキ種類設定信号が、マスタ種類設定キー37を1回押下して装着しているインキ通過性の比較的大きいマスタ61を選択・設定することでそのマスタ種類設定信号が、用紙種類設定キー40を1回押下してPPC用紙を選択・設定することでその用紙種類設定信号が、印刷速度設定キー47の速度アップキー47bを押下して設定印刷速度:5速を選択することで印刷速度設定信号:5速が、それぞれパラメータ別エネルギー調整手段67Eに取り込まれ、記憶手段65にそれぞれ一時記憶され、穿孔エネルギー調整の条件とされる。また、テンキー46で設定された印刷枚数設定信号は制御装置63E内の上記CPUに取り込まれ、上記RAMに一時記憶される。
これと同時に、上記各穿孔エネルギー用パラメータに対応した各種表示ランプ、黒色インキ表示ランプ36a、マスタ表示ランプ38a、PPC用紙表示ランプ41aがそれぞれ点灯する。また、パラメータ別エネルギー調整手段67Eからの指令によって、設定印刷速度:5速に対応した速度表示器48のLEDランプが点灯すると共に、制御装置63Eの上記CPUの指令によって、上記印刷枚数の数値表示が表示部49Aになされる。
【0161】
次いで、使用者が製版スタートキー44を押すと、製版スタート信号が生成されこの製版スタート信号がトリガとなって上述したと同様の排版工程が実行される。次いで、インキ粘度を検出するために、図1および図7を借りて説明すると、印刷ドラム101が図1中矢印A方向にアイドリング回転され、変形例1と同様にして、インキ粘度検出装置76によってインキ粘度が検出される。検出されたインキ粘度に係る信号は、最終的にデジタル量に変換されて制御装置63E内のパラメータ別エネルギー調整手段67Eおよび印圧用パラメータ別印圧制御手段66Aに取り込まれる。
【0162】
上記インキ粘度検出信号がパラメータ別エネルギー調整手段67Eに取り込まれると、先ず、パラメータ別エネルギー調整手段67Eは記憶手段65から上記インキ種類設定信号を呼び出して、パラメータ別エネルギー調整手段67Eの上記ROMに予め記憶されている各色ごとの穿孔エネルギー調整パターンテーブルとの照合を行い、インキCkに係る穿孔エネルギー調整パターンテーブルを選択する。そして、パラメータ別エネルギー調整手段67Eは、記憶手段65から上記マスタ種類設定信号、上記用紙種類設定信号、上記印刷速度設定信号:5速を呼び出し、こうして呼び出された上記マスタ種類設定信号、上記用紙種類設定信号、上記印刷速度設定信号および各色ごとの穿孔エネルギー調整パターンテーブルから選択されたインキCkに係る穿孔エネルギー調整パターンテーブルと、パラメータ別エネルギー調整手段67Eの上記ROMに記憶されている各モードごと(実施例的には例えば文字モード)の穿孔エネルギー調整パターンテーブルとの照合を行い、文字モード設定時における上記各種印刷条件に最も適した所定のエネルギーに対応した通電パルス幅を設定する。
【0163】
印刷ドラム101による所定回数の上記アイドリング回転終了後、原稿読取装置80では上述したと同様の原稿60の画像読み取りが行われる。この画像読み取り動作と並行して、例えば文字モード設定時における上記各種印刷条件に最も適した所定のエネルギーに対応した通電パルス幅でサーマルヘッド91による製版動作が上述したように自動的に実行される。以降の給版、印刷動作は変形例1と同様に行われる。
【0164】
写真モード設定時や文字・写真モード設定時には、パラメータ別エネルギー調整手段67Eによって、パラメータ別エネルギー調整手段67Eの上記ROMに記憶されている各モードごとの穿孔エネルギー調整パターンテーブルとの照合を行い、写真モードや文字・写真モード設定時における上記各種印刷条件に最も適した所定のエネルギーに対応した通電パルス幅を設定し、サーマルヘッド91を制御することが相違するだけであり、上述した内容から容易に実施できるためこれ以上の説明を省略する。
【0165】
(変形例6)
図22に、変形例6を示す。
変形例6は、変形例2と比較して、制御装置63Bに代えた制御装置63Fを有することが主に相違する。
制御装置63Fは、変形例2の制御装置63Bと比較して、パラメータ別エネルギー調整手段67Fを有することが相違する。
【0166】
パラメータ別エネルギー調整手段67Fの図示しないROMには、予め実験等で求めた穿孔エネルギー調整パターンテーブル、すなわち各モード別に設定された「各種穿孔エネルギー用パラメータの組み合わせと最適なマスタ穿孔径(穿孔の開口面積)を形成するための穿孔エネルギー(ここでは通電パルス幅として出力される)との関係」に関する穿孔エネルギー調整パターンテーブルや、パラメータ別エネルギー調整手段67Fの図示しないCPUによる制御、演算機能を発揮するためのプログラムや穿孔エネルギー調整のためのプログラム等が予め記憶されている。
【0167】
パラメータ別エネルギー調整手段67Fの図示しないCPUは、インキ種類設定キー35からのインキ種類設定信号、マスタ種類設定キー37からのマスタ種類設定信号、用紙種類設定キー40からの用紙種類設定信号、インキ温度検出センサ78からのインキ温度検出信号、印刷速度センサ164からの印刷速度検出信号に基づいて、上記ROMの穿孔エネルギー調整パターンテーブルから最適なマスタ穿孔径とするための各種穿孔エネルギー用パラメータの組み合わせに対応したサーマルヘッド91の個々の発熱素子91aへ供給する穿孔エネルギーとしての通電パルス幅データを選択して、サーマルヘッド91の個々の発熱素子91aへ供給する穿孔エネルギーが所定のエネルギーになるように上記サーマルヘッド駆動回路を介してサーマルヘッド91を制御する制御機能を有する。
変形例6の動作については、上述した変形例2および5の動作、上述した制御構成等から容易に理解して実施できるためこれ以上の説明を省略する。
【0168】
(変形例7)
図23に、変形例7を示す。
変形例7は、変形例3と比較して、制御装置63Cに代えて、図23に示す制御装置63Gを有することが主に相違する。
制御装置63Gは、変形例3の制御装置63Cと比較して、パラメータ別エネルギー調整手段67Fを有することが相違する。
【0169】
パラメータ別エネルギー調整手段67Gの図示しないROMには、予め実験等で求めた穿孔エネルギー調整パターンテーブル、すなわち各モード別に設定された「各種穿孔エネルギー用パラメータの組み合わせと最適なマスタ穿孔径(穿孔の開口面積)を形成するための穿孔エネルギー(ここでは通電パルス幅として出力される)との関係」に関する穿孔エネルギー調整パターンテーブルや、パラメータ別エネルギー調整手段67Gの図示しないCPUによる制御、演算機能を発揮するためのプログラムや穿孔エネルギー調整のためのプログラム等が予め記憶されている。
【0170】
パラメータ別エネルギー調整手段67Gの図示しないCPUは、インキ種類設定キー35からのインキ種類設定信号、マスタ種類設定キー37からのマスタ種類設定信号、用紙種類設定キー40からの用紙種類設定信号、環境温度検出センサ77からの環境温度検出信号、印刷速度センサ164からの印刷速度検出信号に基づいて、上記ROMの穿孔エネルギー調整パターンテーブルから最適なマスタ穿孔径とするための各種穿孔エネルギー用パラメータの組み合わせに対応したサーマルヘッド91の個々の発熱素子91aへ供給する穿孔エネルギーとしての通電パルス幅データを選択して、サーマルヘッド91の個々の発熱素子91aへ供給する穿孔エネルギーが所定のエネルギーになるように上記サーマルヘッド駆動回路を介してサーマルヘッド91を制御する制御機能を有する。
変形例7の動作については、上述した変形例3および5の動作、上述した制御構成等から容易に理解して実施できるためこれ以上の説明を省略する。
【0171】
(変形例8)
図24に、変形例8を示す。変形例8は、変形例4と比較して、制御装置63Dに代えて、図24に示す制御装置63Hを有することが主に相違する。
制御装置63Hは、変形例4の制御装置63Dと比較して、パラメータ別エネルギー調整手段67Hを有することが相違する。
【0172】
パラメータ別エネルギー調整手段67Hの図示しないROMには、予め実験等で求めた穿孔エネルギー調整パターンテーブル、すなわち各モード別に設定された「各種穿孔エネルギー用パラメータの組み合わせと最適なマスタ穿孔径(穿孔の開口面積)を形成するための穿孔エネルギー(ここでは通電パルス幅として出力される)との関係」に関する穿孔エネルギー調整パターンテーブルや、パラメータ別エネルギー調整手段67Hの図示しないCPUによる制御、演算機能を発揮するためのプログラムや穿孔エネルギー調整のためのプログラム等が予め記憶されている。
【0173】
パラメータ別エネルギー調整手段67Hの図示しないCPUは、インキ粘度検出装置76からのインキ粘度検出信号、インキ種類検出手段135からのインキ種類検出信号、マスタ種類検出手段141からのマスタ種類検出信号、用紙種類検出手段147からの用紙種類検出信号、印刷速度センサ164からの印刷速度検出信号に基づいて、上記ROMの穿孔エネルギー調整パターンテーブルから最適なマスタ穿孔径とするための各種穿孔エネルギー用パラメータの組み合わせに対応したサーマルヘッド91の個々の発熱素子91aへ供給する穿孔エネルギーとしての通電パルス幅データを選択して、サーマルヘッド91の個々の発熱素子91aへ供給する穿孔エネルギーが所定のエネルギーになるように上記サーマルヘッド駆動回路を介してサーマルヘッド91を制御する制御機能を有する。
変形例7の動作については、上述した変形例4および5の動作、上述した制御構成等から容易に理解して実施できるためこれ以上の説明を省略する。
【0174】
上述した変形例5ないし8では、変形例1ないし4等の各種印圧用パラメータに基づく印圧制御だけでは良好な印刷画質を得ることができない際に、各種穿孔エネルギー用パラメータに基づくサーマルヘッド91の個々の発熱素子91aへ供給する穿孔エネルギーを調整して、印刷画像の最適化を行うものであった。
【0175】
上述したパラメータ別エネルギー調整手段67E〜66Hによるような木目の細かい穿孔エネルギー調整をそれ程望まなくてもよいのであれば、例えば変形例5ないし8の制御構成要素を適宜除去して、これらを組み合わせたものからなる穿孔エネルギー用パラメータを用いた制御構成であってもよい。すなわち、インキ粘度検出装置76、環境温度検出センサ77およびインキ温度検出センサ78の何れか1つ、インキ種類検出手段135およびインキ種類設定キー35の何れか1つ、印刷速度センサ164、用紙種類検出手段147および用紙種類設定キー40の何れか1つ、マスタ種類検出手段147およびマスタ種類設定キー37の何れか1つの、サーマルヘッド91の個々の発熱素子91aに供給する穿孔エネルギーを介して印刷画質に影響を与える穿孔エネルギー用パラメータを検出または設定する手段を少なくとも1つ有し、少なくとも1つの穿孔エネルギー用パラメータを検出または設定する手段によって検出または設定された少なくとも1つの穿孔エネルギー用パラメータに応じて、サーマルヘッド91の個々の発熱素子91aに供給する穿孔エネルギーを所定のエネルギーに調整するパラメータ別エネルギー調整手段を有するものであってもよい(請求項1、2参照)。
【0176】
ちなみに、上述したパラメータ別エネルギー調整手段に関して、例えばサプライに関する穿孔エネルギー用パラメータ、すなわちインキ種類、マスタ種類および用紙種類に係る穿孔エネルギー用パラメータの何れか1つのみを有する最も簡素な制御構成例を挙げれば次のとおりである。
第1の例示としては、インキ種類検出手段135およびインキ種類設定キー35の何れか1つの穿孔エネルギー用パラメータを有し、インキ種類検出手段135およびインキ種類設定キー35の何れか1つにより検出または設定されたインキ種類(穿孔エネルギー用パラメータ)に応じて、サーマルヘッド91の個々の発熱素子91aに供給する穿孔エネルギーを所定のエネルギーに調整するパラメータ別エネルギー調整手段を有するものである。
第2の例示としては、用紙種類検出手段147および用紙種類設定キー40の何れか1つの穿孔エネルギー用パラメータを有し、用紙種類検出手段147および用紙種類設定キー40の何れか1つにより検出または設定された用紙種類(穿孔エネルギー用パラメータ)に応じて、サーマルヘッド91の個々の発熱素子91aに供給する穿孔エネルギーを所定のエネルギーに調整するパラメータ別エネルギー調整手段を有するものである。
第3の例示としては、マスタ種類検出手段147およびマスタ種類設定キー37の何れか1つの穿孔エネルギー用パラメータを有し、マスタ種類検出手段147およびマスタ種類設定キー37の何れか1つにより検出または設定されたマスタ種類(穿孔エネルギー用パラメータ)に応じて、サーマルヘッド91の個々の発熱素子91aに供給する穿孔エネルギーを所定のエネルギーに調整するパラメータ別エネルギー調整手段を有するものである。
上述したように各種穿孔エネルギー用パラメータの組み合わせを考えると、多数の組み合わせがあるため請求項1、2のような総括的な表現とした。
【0177】
印圧可変手段20は、これに限らず、例えば上記特開平10−315599号公報の図16に示されているような押圧手段としての圧胴(125)を用いて、印圧可変手段(20A)により印圧制御を行うものであってもよい。また、上記特許文献1ないし7に開示されている種々の形態の印圧可変手段を使用してもよい。インキ種類検出手段は、例えば、特開平6−199028号公報の図2および図4等に記載されているディップスイッチ133,135や、バーコード等の符号読み取り検出装置、印刷ドラムに配設された色識別形状部の光電センサによる識別、あるいは印刷ドラムに供給されるインキの色自体を直接的に検出する色検出センサ等を設けて、使用する印刷ドラム内のインキの種類を検出するものであってもよい。
また、インキ供給装置119は、これに限定されず、例えば特開平7−17013号公報に示されているような印刷ドラムの外側からインキを供給する構成の印刷装置にも適用することができる。
【0178】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、上述したような従来装置の有する諸問題点を解決して新規な印刷装置を提供することができる。請求項ごとの効果を挙げれば次のとおりである。
請求項1記載の発明によれば、モード別印圧制御手段によって、モード設定手段による写真モード設定時には文字・写真モード設定時よりも、文字・写真モード設定時には文字モード設定時よりも、それぞれ印圧が低くなるように印圧可変手段が制御されるので、各モードに応じて印刷すべき画像に忠実で良好な印刷画質の印刷物を得ることができると共に、印刷ドラム上の同じ製版済みのマスタを用いて印刷を行う次回の印刷時に、前回の最終印刷時に使用したモードおよび印刷条件を記憶手段から選択して印刷動作を行えることにより、一々同様のモードおよび同様の印刷条件を設定する必要性がなくなるので、操作性が向上する。加えて、印圧用パラメータ別印圧制御手段によって、少なくとも1つの印圧用パラメータを検出または設定する手段によって検出または設定された少なくとも1つの印圧用パラメータに応じて、印圧が所定の印圧になるように印圧可変手段が制御されるので、環境変動や印刷条件の変化に拘わらず、各モードに応じてさらに印刷すべき画像に忠実で良好な印刷画質の印刷物を得ることができると共に、パラメータ別エネルギー調整手段によって、少なくとも1つの穿孔エネルギー用パラメータを検出または設定する手段により検出または設定された少なくとも1つの穿孔エネルギー用パラメータに応じて、製版手段の発熱素子に供給する穿孔エネルギーが所定のエネルギーに調整されるので、環境変動や印刷条件の変化に拘わらず、各モードに応じてより一層印刷すべき画像に忠実で良好な印刷画質の印刷物を得ることができる。
【0181】
求項記載の発明によれば、モード別印圧制御手段によって、モード設定手段による写真モード設定時には文字モード設定時よりも印圧が低くなるように印圧可変手段が制御されるので、各モードに応じて印刷すべき画像に忠実で良好な印刷画質の印刷物を得ることができると共に、印刷ドラム上の同じ製版済みのマスタを用いて印刷を行う次回の印刷時に、前回の最終印刷時に使用したモードおよび印刷条件を記憶手段から選択して印刷動作を行えることにより、一々同様のモードおよび同様の印刷条件を設定する必要性がなくなるので、操作性が向上する。加えて、印圧用パラメータ別印圧制御手段によって、少なくとも1つの印圧用パラメータを検出または設定する手段によって検出または設定された少なくとも1つの印圧用パラメータに応じて、印圧が所定の印圧になるように印圧可変手段が制御されるので、環境変動や印刷条件の変化に拘わらず、各モードに応じてさらに印刷すべき画像に忠実で良好な印刷画質の印刷物を得ることができると共に、パラメータ別エネルギー調整手段によって、少なくとも1つの穿孔エネルギー用パラメータを検出または設定する手段により検出または設定された少なくとも1つの穿孔エネルギー用パラメータに応じて、製版手段の発熱素子に供給する穿孔エネルギーが所定のエネルギーに調整されるので、環境変動や印刷条件の変化に拘わらず、各モードに応じてより一層印刷すべき画像に忠実で良好な印刷画質の印刷物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示す孔版印刷装置の概略的な正面図である。
【図2】図1における孔版印刷装置の操作パネルの平面図である。
【図3】プレスローラ変位手段および印圧可変手段周りの要部の斜視図である。
【図4】プレスローラおよび印刷ドラムの駆動機構周りの斜視図である。
【図5】実施形態1の制御構成を示すブロック図である。
【図6】市松ドット状の製版済みのマスタに基づいて、印圧を高くしたり低くしたりした際の印刷画像状態を説明する写真である。
【図7】印圧ドラム装置での印圧作用を説明する一部断面正面図である。
【図8】印圧とインキ転移量との関係を示すグラフである。
【図9】実施形態1の要部の動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】変形例1の操作パネルの平面図である。
【図11】変形例1の制御構成を示すブロック図である。
【図12】変形例1等における印圧用パラメータ別の印圧方向性を示す図表である。
【図13】変形例2の制御構成を示すブロック図である。
【図14】変形例3の制御構成を示すブロック図である。
【図15】変形例4の制御構成を示すブロック図である。
【図16】インキ種類検出手段を示す模式的な正面図である。
【図17】マスタ種類検出手段を示す斜視図である。
【図18】マスタ種類検出手段の識別表示体を示す平面図である。
【図19】マスタ種類検出手段の別の例を示す説明図である。
【図20】変形例5の制御構成を示すブロック図である。
【図21】変形例5等における穿孔エネルギー用パラメータ別の通電パルス幅方向性を示す図表である。
【図22】変形例6の制御構成を示すブロック図である。
【図23】変形例7の制御構成を示すブロック図である。
【図24】変形例8の制御構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
20 印圧可変手段
30,30A 操作パネル
31 モード設定手段としての文字モード設定キー
32 モード設定手段としての文字・写真モード設定キー
33 モード設定手段としての写真モード設定キー
35 インキ種類設定手段としてのインキ種類設定キー
37 マスタ種類設定手段としてのマスタ種類設定キー
40 用紙種類設定手段としての用紙種類設定キー
47 印刷速度設定手段としての印刷速度設定キー
58 電力断接手段としての電源スイッチ
61 マスタ
62 印刷用紙
63,63A〜63H 制御装置
64 モード別印圧制御手段
65 記憶手段
66A〜66D 印圧用パラメータ別印圧制御手段
67E〜67H パラメータ別エネルギー調整手段
76 インキ粘度検出手段としてのインキ粘度検出装置
77 環境温度検出手段としての環境温度検出センサ
78 インキ温度検出手段としてのインキ温度検出センサ
90 製版給版装置
91 製版手段としてのサーマルヘッド
91a 発熱素子
100 印圧ドラム装置
101 印刷ドラム
103 押圧手段としてのプレスローラ
119 インキ供給装置
135 インキ種類検出手段
141 マスタ種類検出手段
147 用紙種類検出手段

Claims (2)

  1. マスタを製版する製版手段を有し、製版済みのマスタを印刷ドラムの外周面に巻装し、該印刷ドラム上の製版済みのマスタにインキを供給し、押圧手段により上記印刷ドラムに対して印刷用紙を相対的に押し付けて印刷用紙上に印刷画像を形成する印刷装置において、
    文字画像等に対応した製版動作および印刷動作を行う文字モード、写真画像等に対応した製版動作および印刷動作を行う写真モード、および文字・写真混合画像等に対応した製版動作および印刷動作を行う文字・写真モードのうちの少なくとも2つのモードを設定するモード設定手段と、
    上記印刷ドラムに対する上記押圧手段の印圧を変化させる印圧可変手段と、
    上記モード設定手段による上記写真モード設定時には上記文字・写真モード設定時よりも、該文字・写真モード設定時には上記文字モード設定時よりも、それぞれ上記印圧が低くなるように上記印圧可変手段を制御するモード別印圧制御手段とを有し、
    インキの粘度を検出するインキ粘度検出手段、環境温度を検出する環境温度検出手段およびインキの温度を検出するインキ温度検出手段の何れか1つ、インキの種類を検出するインキ種類検出手段およびインキの種類を設定するインキ種類設定手段の何れか1つ、上記印刷装置の印刷速度は可変であり、該印刷速度を選択的に設定する印刷速度設定手段、印刷用紙の種類を検出する用紙種類検出手段および印刷用紙の種類を設定する用紙種類設定手段の何れか1つ、マスタの種類を検出するマスタ種類検出手段およびマスタの種類を設定するマスタ種類設定手段の何れか1つの、上記印圧を介して印刷画質に影響を与える印圧用パラメータを検出または設定する手段を少なくとも1つ有し、
    上記少なくとも1つの印圧用パラメータを検出または設定する手段によって検出または設定された上記少なくとも1つの印圧用パラメータに応じて、上記印圧が所定の印圧になるように上記印圧可変手段を制御する印圧用パラメータ別印圧制御手段を有し、
    上記製版手段は、多数の発熱素子を備えており、
    インキの粘度を検出するインキ粘度検出手段、環境温度を検出する環境温度検出手段およびインキの温度を検出するインキ温度検出手段の何れか1つ、インキの種類を検出するインキ種類検出手段およびインキの種類を設定するインキ種類設定手段の何れか1つ、上記印刷装置の印刷速度は可変であり、該印刷速度を選択的に設定する印刷速度設定手段、印刷用紙の種類を検出する用紙種類検出手段および印刷用紙の種類を設定する用紙種類設定手段の何れか1つ、マスタの種類を検出するマスタ種類検出手段およびマスタの種類を設定するマスタ種類設定手段の何れか1つの、上記製版手段の発熱素子に供給する穿孔エネルギーを介して印刷画質に影響を与える穿孔エネルギー用パラメータを検出または設定する手段を少なくとも1つ有し、
    上記少なくとも1つの穿孔エネルギー用パラメータを検出または設定する手段によって検出または設定された上記少なくとも1つの穿孔エネルギー用パラメータに応じて、上記発熱素子に供給する穿孔エネルギーを所定のエネルギーに調整するパラメータ別エネルギー調整手段を具備し、
    上記印刷装置への電力の供給を断接する電力断接手段と、
    上記電力断接手段により上記電力の供給を断った後における、前回の最終印刷時に使用した上記モードおよび印刷条件を記憶する記憶手段とを有し、
    上記印刷ドラム上の同じ製版済みのマスタを用いて印刷を行う次回の印刷時に、上記前回の最終印刷時に使用した上記モードおよび上記印刷条件を上記記憶手段から選択して印刷動作を行うことを特徴とする印刷装置。
  2. マスタを製版する製版手段を有し、製版済みのマスタを印刷ドラムの外周面に巻装し、該印刷ドラム上の製版済みのマスタにインキを供給し、押圧手段により上記印刷ドラムに対して印刷用紙を相対的に押し付けて印刷用紙上に印刷画像を形成する印刷装置において、
    文字画像等に対応した製版動作および印刷動作を行う文字モード、写真画像等に対応した製版動作および印刷動作を行う写真モード、および文字・写真混合画像等に対応した製版動作および印刷動作を行う文字・写真モードのうちの少なくとも2つのモードを設定するモード設定手段と、
    上記印刷ドラムに対する上記押圧手段の印圧を変化させる印圧可変手段と、
    上記モード設定手段による上記写真モード設定時には上記文字モード設定時よりも上記印圧が低くなるように上記印圧可変手段を制御するモード別印圧制御手段とを有し、
    インキの粘度を検出するインキ粘度検出手段、環境温度を検出する環境温度検出手段およびインキの温度を検出するインキ温度検出手段の何れか1つ、インキの種類を検出するインキ種類検出手段およびインキの種類を設定するインキ種類設定手段の何れか1つ、上記印刷装置の印刷速度は可変であり、該印刷速度を選択的に設定する印刷速度設定手段、印刷用紙の種類を検出する用紙種類検出手段および印刷用紙の種類を設定する用紙種類設定手段の何れか1つ、マスタの種類を検出するマスタ種類検出手段およびマスタの種類を設定するマスタ種類設定手段の何れか1つの、上記印圧を介して印刷画質に影響を与える印圧用パラメータを検出または設定する手段を少なくとも1つ有し、
    上記少なくとも1つの印圧用パラメータを検出または設定する手段によって検出または設定された上記少なくとも1つの印圧用パラメータに応じて、上記印圧が所定の印圧になるように上記印圧可変手段を制御する印圧用パラメータ別印圧制御手段を有し、
    上記製版手段は、多数の発熱素子を備えており、
    インキの粘度を検出するインキ粘度検出手段、環境温度を検出する環境温度検出手段およびインキの温度を検出するインキ温度検出手段の何れか1つ、インキの種類を検出するインキ種類検出手段およびインキの種類を設定するインキ種類設定手段の何れか1つ、上記印刷装置の印刷速度は可変であり、該印刷速度を選択的に設定する印刷速度設定手段、印刷用紙の種類を検出する用紙種類検出手段および印刷用紙の種類を設定する用紙種類設定手段の何れか1つ、マスタの種類を検出するマスタ種類検出手段およびマスタの種類を設定するマスタ種類設定手段の何れか1つの、上記製版手段の発熱素子に供給する穿孔エネルギーを介して印刷画質に影響を与える穿孔エネルギー用パラメータを検出または設定する手段を少なくとも1つ有し、
    上記少なくとも1つの穿孔エネルギー用パラメータを検出または設定する手段によって検出または設定された上記少なくとも1つの穿孔エネルギー用パラメータに応じて、上記発熱素子に供給する穿孔エネルギーを所定のエネルギーに調整するパラメータ別エネルギー調整手段を具備し、
    上記印刷装置への電力の供給を断接する電力断接手段と、
    上記電力断接手段により上記電力の供給を断った後における、前回の最終印刷時に使用した上記モードおよび印刷条件を記憶する記憶手段とを有し、
    上記印刷ドラム上の同じ製版済みのマスタを用いて印刷を行う次回の印刷時に、上記前回の最終印刷時に使用した上記モードおよび上記印刷条件を上記記憶手段から選択して印刷動作を行うことを特徴とする印刷装置。
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