JP5304067B2 - 感熱孔版印刷装置 - Google Patents

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Description

本発明は、感熱製版印刷装置に関するものであり、詳しくは1つのサーマルヘッドで2つ以上の副走査解像度で印刷画像を形成することができ、さらには感熱性孔版マスタヘ確実に穿孔し最適な印刷画像を得ることができる感熱孔版印刷装置に関する。
感熱孔版印刷装置において、感熱性孔版マスタを所定の送りピッチをもって移動するようにマスタ搬送手段を駆動する駆動手段と、副走査方向の解像度を設定する副走査方向解像度設定手段と、上記副走査方向解像度設定手段の信号に基づき、設定された上記副走査方向の解像度に対応した送りピッチに変えるように上記駆動手段を制御する駆動制御手段と、上記副走査方向解像度設定手段の信号に応じて、上記サーマルヘッドの個々の発熱部に供給する穿孔用エネルギーを所定のエネルギーに調整する穿孔エネルギー調整手段を有し、上記発熱部における上記副走査方向の寸法を、上記副走査方向解像度設定手段で設定可能な最高の解像度に対応する上記送りピッチの長さ以下にした感熱孔版印刷装置が本発明と同じ出願人から出願されている(特許文献1参照)。
上記特許文献1の発明は、感熱性孔版マスタの穿孔が主走査方向及び副走査方向に繋がることなく独立し、設定した副走査方向の解像度に対応して最適な穿孔状態が得られる感熱孔版印刷装置を提供することを課題としている。
その課題を達成するために、主走査方向に配列された多数の発熱部を具備してなるサーマルヘッドに対して、少なくとも熱可塑性樹脂フィルムを有する感熱性孔版マスタをプラテンローラで押圧させた状態で、上記主走査方向と直交する副走査方向にマスタ搬送手段により上記感熱性孔版マスタを移動させながら、画像信号に応じて上記発熱部を発熱させて上記熱可塑性樹脂フィルムを位置選択的に溶融穿孔して上記画像信号に応じた穿孔パターンを得、この感熱性孔版マスタを印刷ドラムの外周面に巻装し、上記印刷ドラムの内周側からインキを供給し、上記穿孔パターンを介して滲み出たインキにより上記画像信号に応じたインキ画像を印刷用紙上に形成する感熱孔版印刷装置であって、駆動手段と、副走査方向解像度設定手段と、駆動制御手段と、穿孔エネルギー調整手段とを有し、上記発熱部における上記副走査方向の寸法を、上記副走査方向解像度設定手段で設定可能な最高の解像度に対応する送りピッチの長さ以下にしている。
しかしながら、上記発明においては穿孔エネルギー用データのあり方に関しては考慮されておらず、高い解像度の穿孔エネルギー用データとしては、副走査方向解像度設定手段にて設定される解像度の低い解像度の際の穿孔エネルギー用データを基にして、単純に比例換算したものを使用していた。
このように、副走査方向解像度設定手段にて設定される低い解像度の際の穿孔エネルギー用データを基にして、単純に比例換算することにより作成した高い解像度の穿孔エネルギー用データを用いた場合、近年の感熱孔版印刷装置で使用される感熱孔版マスタであって、少なくとも熱可塑性樹脂フィルムと多孔性樹脂膜の塗布層1層が設けられている感熱孔版用マスタの使用により高画質化を狙った際には、そのような穿孔用エネルギーでは決して満足する穿孔状態が得られないという問題がある。
また、実際にお客様の場所に感熱孔版印刷装置が設置され、サービスマン等が訪問し、各々の感熱孔版印刷装置での穿孔エネルギー調整手段に関わる初期値の設定変更の際に副走査方向解像度別に設定することができず、副走査方向解像度別に最適な印刷画像品質が得られないという問題がある。
特許第2960863号公報
本発明は上述の事情の下になされたもので、特許文献1の出願当時において問題はなかったものの、近年の高画質化が達成できるようになった感熱性孔版マスタを使用するにあたっては、従来の穿孔エネルギー用データのあり方に関しては何も考慮されておらず、高い解像度の穿孔エネルギー用データとしては、単純に副走査方向解像度設定手段にて設定される解像度の低い解像度の際の穿孔エネルギー用データを基にして、同一の比例定数で単純に比例換算したものを使用した場合のそのような穿孔用エネルギーの調整では副走査方向の解像度別に更なる画像品質の向上を図る際に好適な穿孔状態が得られないという問題、また、実際にお客様の場所へ感熱孔版印刷装置が設置され、サービスマン等が訪問し、各々の感熱孔版印刷装置での穿孔エネルギー調整手段に関わる初期値の設定変更の際に副走査方向解像度別に設定することができず、副走査方向解像度別に且つサーマルヘッド温度毎に最適な印刷画像品質が得られないという問題、を解決できる感熱製版印刷装置を提供することを課題としている。
前記課題を達成するため、請求項1に係る発明は、主走査方向に配列された多数の発熱部を具備してなるサーマルヘッドに対して、少なくとも熱可塑性樹脂フィルムを有する感熱性孔版マスタをプラテンローラで押圧させた状態で、上記主走査方向と直交する副走査方向にマスタ搬送手段により上記感熱性孔版マスタを移動させながら、画像信号に応じて上記発熱部を発熱させて上記熱可塑性樹脂フィルムを位置選択的に溶融穿孔して上記画像信号に応じた穿孔パターンを得、この感熱性孔版マスタを印刷ドラムの外周面に巻装し、上記印刷ドラムの内周側からインキを供給し、上記穿孔パターンを介して滲み出たインキにより上記画像信号に応じたインキ画像を印刷用紙上に形成する感熱孔版印刷装置であって、
上記感熱性孔版マスタを所定の送りピッチをもって移動するように上記マスタ搬送手段を駆動する駆動手段と、上記副走査方向の解像度を設定する副走査方向解像度設定手段と、上記副走査方向解像度設定手段の信号に基づき、設定された上記副走査方向の解像度に対応した送りピッチに変えるように上記駆動手段を制御する駆動制御手段と、上記副走査方向解像度設定手段の信号に応じて、上記サーマルヘッドの個々の発熱部に供給する穿孔用エネルギーを所定のエネルギーに調整する穿孔エネルギー調整手段とを有する感熱孔版印刷装置において、
上記穿孔エネルギー調整手段での穿孔エネルギーデータテーブルとして副走査方向における所定の解像度の基準となるデータが設けられており、そのデータとしてサーマルヘッド温度毎に穿孔エネルギーデータが格納されている基準穿孔エネルギー格納データテーブル手段と、上記基準穿孔エネルギー格納データテーブル手段のデータテーブルをベースとし、該データテーブルに基づいて副走査方向の解像度設定値に対応した穿孔エネルギーを算出するための比率値であって、上記穿孔エネルギー調整手段での設定範囲内で、上記穿孔エネルギーデータに対し副走査方向の解像度設定値毎に且つサーマルヘッドの温度毎に独自の比率値が設定できる副走査方向解像度別穿孔エネルギー比率値手段とを設けた。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の感熱孔版印刷装置において、
上記穿孔エネルギー調整手段での設定範囲として、副走査方向の解像度設定値毎に独自の値が設定できる副走査方向解像度別穿孔エネルギー設定範囲設定手段を設けた。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の感熱孔版印刷装置において、
上記基準穿孔エネルギー格納データテーブル手段のデータテーブルをベースとし、副走査方向解像度別穿孔エネルギー比率値手段で設定された上記独自の比率値に基づいて算出された副走査方向解像度別の穿孔エネルギーのデータをベースとし、サーマルヘッドでの製版時における印字率に相応した比率で上記サーマルヘッドの発熱体が発熱するようにエネルギー補正をすることとした。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の感熱孔版印刷装置において、 上記基準穿孔エネルギー格納データテーブル手段のデータテーブルをベースとし、副走査方向解像度別穿孔エネルギー比率値手段で設定された上記独自の比率値に基づいて算出された副走査方向解像度別の穿孔エネルギーのデータをベースとし、使用する感熱孔版印刷機用インキの種類によって、換算変換した穿孔エネルギー設定値を設定できるインキ種類別穿孔エネルギー設定手段を設けた。
請求項5に係る発明は、請求頂1乃至4の何れかに記載の感熱孔版印刷装置において、上記基準穿孔エネルギー格納データテーブル手段のデータテーブルをベースとし、副走査方向解像度別穿孔エネルギー比率値手段で設定された上記独自の比率値に基づいて算出された副走査方向解像度別の穿孔エネルギーのデータをベースとし、使用する感熱孔版印刷機用ドラムの種類によって、換算変換した穿孔エネルギー設定値を設定できる印刷ドラム別穿孔エネルギー設定手段を設けた。
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の感熱孔版印刷装置において、 上記感熱孔版印刷装置に使用するインキのインキ温度を検知するインキ温度検知手段が設けてあり、その検知したインキ温度に見合った最適な穿孔エネルギーに調整するインキ温度別穿孔エネルギー調整手段を有することとした。
請求項7に係る発明は、請求項1乃至6の何れかに記載の感熱孔版印刷装置において、インキの消費量を低減させることが可能な省インキモード設定手段を設けた。
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の感熱孔版印刷装置において、
上記省インキモード設定手段で通常モード及び省インキモードを識別し、通常モード時及び省インキモード時の独自の穿孔エネルギー設定値を設定することができることとした。
請求項9に係る発明は、請求項1乃至8の何れかに記載の感熱孔版印刷装置において、 少なくとも熱可塑性樹脂フィルムと多孔性樹脂膜の塗布層1層が設けられている感熱性孔版マスタが使用される場合に、このマスタに適合する穿孔エネルギーデータテーブルを用いることとした。
請求項1記載の発明では、基準となる穿孔エネルギーデータが少なくとも1つあれば、これに対し副走査方向の解像度設定値毎に且つサーマルヘッドの温度毎に独自の比率値を設定することにより、マスタの種類、サーマルヘッドの熱効率のばらつき、ユーザーの要望など、あらゆる場合に対応可能な穿孔用エネルギーを調整してサーマルヘッドの発熱部に供給することが可能となり、結果として、副走査方向の解像度別に好適な穿孔状態を得ることが可能になり、各副走査方向解像度においても感熱孔版印刷機特有の穿孔不良による印刷画像品質の低下、また第2の品質である感熱孔版印刷機特有の裏移りを抑制することが可能となり、従来技術での印刷画像品質以上の印刷画像品質を得ることが可能となる。
請求項2記載の発明では、穿孔エネルギー調整手段での設定範囲として、副走査方向の解像度設定値毎に独自の穿孔エネルギー値が設定できるので、各解像度設定値毎に穿孔に好適な適正範囲を設定することで過大穿孔や穿孔不良等を解消でき、各解像度設定値毎に好適な印刷画像を得ることが可能となる。
請求項3記載の発明では、サーマルヘッドで製版させる際に同時駆動発熱体数が多いほど、サーマルヘッド駆動部での電圧降下が多くなり穿孔状態に与える影響が大きかったのが、サーマルヘッドでの製版時における印字率に相応した比率で上記サーマルヘッドの発熱体が発熱するようにエネルギー補正をするので、穿孔状態としてその影響を少なくすることができる。
請求項4記載の発明では、使用する感熱孔版印刷機用インキの種類によって、換算変換した穿孔エネルギーを設定できるので、インキの種類により異なる穿孔部からのインキ吐出量の影響等を低減できる。
請求項5記載の発明では、使用する感熱孔版印刷機用ドラムの種類によって、換算変換した穿孔エネルギーを設定できるので、印刷ドラム種類により異なるドラムの剛性の影響等を低減できる。
請求項6記載の発明では、検知したインキ温度に見合った最適な穿孔エネルギーの設定によりインキの温度に見合った穿孔状態を得ることが可能であり、各解像度設定値毎に好適な印刷画像を得ることが可能となる。
請求項7記載の発明では、副走査方向の解像度を変えても確実に消費するインキ量を低減することが可能となる。
請求項8記載の発明では、印刷画像品質を保ったままインキ消費量を確実に低減することが可能となる。
請求項9記載の発明では、少なくとも熱可塑性樹脂フィルムと多孔性樹脂膜の塗布層1層が設けられているマスタを用いた製版であるので良好な穿孔状態を得ることができ、各解像度設定値毎に好適な印刷画像を得ることが可能となる。
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態につき説明する。
<本発明の実施に適する感熱孔版印刷装置の構成>
図1は本発明の一実施例である感熱孔版印刷装置を示している。まず、同図を参照してこの感熱孔版印刷装置の全体構成とその孔版印刷プロセスを簡単に説明する。
符号50は、装置本体キャビネットを示す。装置本体キャビネット50の上部にある、符号80で示す部分は原稿読取部を構成し、その下方の符号90で示す部分は製版給版部、その左側に符号100で示す部分は多孔性の印刷ドラム101が配置された印刷ドラム部、その左の符号70で示す部分は排版部、製版給版部90の下方の符号110で示す部分は給紙部、印刷ドラム101の下方の符号120で示す部分は印圧部、装置本体キャビネット50の左下方の符号130で示す部分は排紙部を、それぞれ示している。
次に、この感熱孔版印刷装置の動作についてその細部構成を含めて以下に説明する。
先ず、原稿読取部80の上部に配置された原稿載置台(図示せず)に、印刷すべき画像を持った原稿60を載置し、図示しない製版スタートキーを押す。この製版スタートキーの押圧に伴い、先ず排版工程が実行される。すなわち、この状態においては、印刷ドラム部100の印刷ドラム101の外周面に前回の印刷で使用された使用済感熱性孔版マスタ61bが装着されたまま残っている。
先ず、印刷ドラム101が反時計回り方向に回転し、印刷ドラム101外周面の使用済感熱性孔版マスタ61bの後端部が排版剥離ローラ対71a,71bに近づくと、同ローラ対71a,71bは回転しつつ一方の排版剥離ローラ71aで使用済感熱性孔版マスタ61bの後端部をすくい上げ、排版剥離ローラ対71a,71bの左方に配設された排版コロ対73a,73bと排版剥離ローラ対71a,71bとの間に掛け渡された排版搬送ベルト対72a,72bで矢印Y1方向へ搬送されつつ排版ボックス74内へ排出され、使用済感熱性孔版マスタ61bが印刷ドラム101の外周面から引き剥がされ排版工程が終了する。このとき印刷ドラム101は反時計回り方向への回転を続けている。剥離排出された使用済感熱性孔版マスタ61bは、その後、圧縮板75により排版ボックス74の内部で圧縮される。
排版工程と並行して、原稿読取部80では原稿読取が行われる。すなわち、図示しない原稿載置台に載置された原稿60は、分離ローラ81、前原稿搬送ローラ対82a,82b及び後原稿搬送ローラ対83a,83bのそれぞれの回転により矢印Y2からY3方向に搬送されつつ露光読み取りに供される。このとき、原稿60が多数枚あるときは、分離ブレード84の作用でその最下部の原稿のみが搬送される。なお、後原稿搬送ローラ83aは原稿搬送ローラ用モータ83Aによって回転駆動されると共に、前原稿搬送ローラ82aは搬送ローラ83aと82aとの間に掛け渡されたタイミングベルト(図示せず)を介して回転駆動され、ローラ82b,83bはそれぞれ従動回転する。原稿60の画像読み取りは、コンタクトガラス85上を搬送されつつ、蛍光灯86により照明された原稿60の表面からの反射光を、ミラー87で反射させレンズ88を通して、CCD(電荷結合素子)等から成る画像センサ89に入射させることにより行われる。すなわち、原稿60の読み取りは、公知の「縮小式の原稿読取方式」で行われ、その画像が読み取られた原稿60は原稿トレイ80A上に排出される。画像センサ89で光電変換された電気信号は、装置本体キャビネット50内の図示しないアナログ/デジタル(A/D)変換基板に入力されデジタル画像信号に変換される。
一方、この画像読み取り動作と並行して、デジタル信号化された画像情報に基づき製版及び給版工程が行われる。すなわち、製版給版部90の所定部位にセットされた感熱性孔版マスタ61は、ロール状に巻かれたロール状態から引き出され、サーマルヘッド30に感熱性孔版マスタ61を介して押圧しているマスタ搬送手段としてのプラテンローラ92、及び送りローラ対93a,93bの回転により、間欠的に搬送路の下流側に搬送される。このように搬送される感熱性孔版マスタ61に対して、サーマルヘッド30の主走査方向に一列に配列された多数の微小な発熱部が、上記A/D変換基板から送られてくるデジタル画像信号に応じて各々選択的に発熱し、発熱した発熱部に接触している感熱性孔版マスタ61の熱可塑性樹脂フィルムが溶融穿孔される。このように、画像情報に応じた感熱性孔版マスタ61の位置選択的な溶融穿孔により、画像情報が穿孔パターンとして書き込まれる。
画像情報が書き込まれた製版済感熱性孔版マスタ61aの先端は、給版ローラ対94a,94bにより印刷ドラム101の外周部側へ向かって送り出され、図示しないガイド部材により進行方向を下方へ変えられ、図示する給版位置状態にある印刷ドラム101の拡開したマスタークランパ102(仮想線で示す)へ向かって垂れ下がる。このとき印刷ドラム101は、排版工程により使用済感熱性孔版マスタ61bを既に除去されている。
そして、製版済感熱性孔版マスタ61aの先端が、一定のタイミングでマスタークランパ102によりクランプされると、印刷ドラム101は図中A方向(時計回り方向)に回転しつつ外周面に製版済感熱性孔版マスタ61aを徐々に巻きつけていく。製版済感熱性孔版マスタ61aの後端部は、製版完了後にカッタ95により一定の長さに切断される。
一版の製版済感熱性孔版マスタ61aが印刷ドラム101の外周面に巻装されると製版及び給版工程が終了し、印刷工程が開始される。先ず、給紙台51上に積載された印刷用紙62の内の最上位の1枚が、給紙コロ111及び分離コロ対112a,112bによりフィードローラ対113a,113bに向けて矢印Y4方向に送り出され、さらにフィードローラ対113a,113bにより印刷ドラム101の回転と同期した所定のタイミングで印圧部120に送られる。送り出された印刷用紙62が、印刷ドラム101とプレスローラ103との間にくると、印刷ドラム101の外周面下方に離間していたプレスローラ103が上方に移動されることにより、印刷ドラム101の外周面に巻装された製版済感熱性孔版マスタ61aに押圧される。こうして、印刷ドラム101の多孔部及び製版済感熱性孔版マスタ61aの穿孔パターン部(共に図示せず)からインキが滲み出し、この滲み出たインキが印刷用紙62の表面に転移されて、印刷画像としてのインキ画像が形成される。
このとき、印刷ドラム101の内周側では、インキ供給管104からインキローラ105とドクターローラ106との間に形成されたインキ溜り107にインキが供給され、印刷ドラム101の回転方向と同一方向に、かつ、印刷ドラム101の回転速度と同期して回転しながら内周面に転接するインキローラ105により、インキが印刷ドラム101の内周側に供給される。なお、インキはW/O型のエマルジョンインキである。
印圧部120において印刷画像が形成された印刷用紙62は、排紙剥離爪114により印刷ドラム101から剥がされ、吸着用ファン118に吸引されつつ、吸着排紙入口ローラ115及び吸着排紙出口ローラ116に掛け渡された搬送ベルト117の反時計回り方向の回転により、矢印Y5のように排紙部130へ向かって搬送され、排紙台52上に順次排出積載される。このようにして所謂試し刷りが終了する。
次に、図示しないテンキーで印刷枚数をセットし、図示しない印刷スタートキーを押下すると上記試し刷りと同様の工程で、給紙、印刷及び排紙の各工程がセットした印刷枚数分繰り返して行われ、孔版印刷の全工程が終了する。
孔版印刷装置において、印刷画像の画像濃度は感熱性孔版マスタ61から滲み出るインキの量により決定される。感熱性孔版マスタ61から滲み出るインキ量は、感熱性孔版マスタ61に形成された穿孔パターンを構成する個々の微小な穿孔の開孔面積、すなわち穿孔の大きさに比例的である。また、穿孔の大きさは、サーマルヘッドの個々の発熱部の温度に対応する穿孔用エネルギーに比例的である。したがって、サーマルヘッドの個々の発熱部の温度に対応する穿孔用エネルギーを調整することにより、最適な印刷画像を得るための穿孔パターンの穿孔の大きさを定めることができる。
<感熱孔版印刷装置の制御系>
副走査方向の解像度を可変する制御構成、サーマルヘッド30、マスタ送りモータ40及び原稿搬送ローラ用モータ83Aを駆動制御する構成を説明する。
図2において、符号20は制御手段としてのマイクロコンピュータを示す。マイクロコンピュータ20は、サーマルヘッド駆動回路27、マスタ送りモータ駆動回路41、原稿搬送ローラ用モータ駆動回路83B及び副走査方向解像度設定キー10の間で、指令信号及びデータ信号を送受信し、感熱孔版印刷装置全体のシステムを制御している。
マイクロコンピュータ20は、CPU(中央演算処理装置)、I/O(入出力)ポート及びROM(読み出し専用記憶装置)、RAM(読み書き可能な記憶装置)等を備え、信号バスによって接続された周知の構成を有する。
マイクロコンピュータ20は、副走査方向解像度設定キー10の出力信号に基づき、設定された副走査方向の解像度に対応した送りピッチに変えるようにマスタ送りモータ40を制御する駆動制御手段、副走査方向解像度設定キー10の出力信号に基づき、設定された副走査方向の解像度に対応した送りピッチに変えるように原稿搬送ローラ用モータ83Aを制御する第2の駆動制御手段、及び副走査方向解像度設定キー10の出力信号に応じて、サーマルヘッド30の個々の発熱部に供給する穿孔用エネルギーを所定のエネルギーに調整する穿孔エネルギー調整手段の諸機能を有している。なお、サーマルヘッド駆動回路27もマイクロコンピュータ20と共に穿孔エネルギー調整手段を構成する態様とすることもできる。
マイクロコンピュータ20のROMには、設定された副走査方向の解像度に対応した送りピッチを設定するための関係データと、エネルギー調整のためのプログラムと、設定された副走査方向の解像度に応じた最適な大きさの穿孔を形成するための穿孔用エネルギーに対応した通電パルス幅の関係データとが、予め実験的に定められて記憶されている。
副走査方向解像度設定キー10は、マイクロコンピュータ20に接続されていて、設定された副走査方向の解像度の出力は、LED11に表示されると共に、マイクロコンピュータ20のI/Oポートに入力される。
図2において、符号25は復号化回路、符号26は電源、符号27はサーマルヘッド駆動回路、符号41はマスタ送りモータ駆動回路、符号83Bは原稿搬送ローラ用モータ駆動回路をそれぞれ示す。
復号化回路25は、上記アナログ/デジタル(A/D)変換基板でデジタル符号化された画像信号をイメージデータ信号に復号する機能を有し、サーマルヘッド駆動回路27へイメージデータ信号を出力する。
マスタ送りモータ駆動回路41は、1−2相励磁パルスを発生する1−2相励磁回路の出力をマスタ送りモータ40に供給するようになっている。マスタ送りモータ駆動回路41は、マスタ送りモータ40に接続されていて、マスタ送りモータ40を駆動する。
原稿搬送ローラ用モータ駆動回路83Bは、マスタ送りモータ駆動回路41と同様な構成を有し、1−2相励磁パルスを発生する1−2相励磁回路の出力を原稿搬送ローラ用モータ83Aに供給するようになっている。
サーマルヘッド駆動回路27は、復号化回路25から出力されるイメージデータ信号や、1副走査を示す信号並びにマイクロコンピュータ20から出力される通電パルス幅の指令及びデータ信号を受けてサーマルヘッド駆動信号を出力する駆動回路から主に構成される。
サーマルヘッド30は、1主走査分のイメージデータ信号を順次シフトするシフトレジスタと、このシフトレジスタの各段の出力をラッチするラッチ回路と、黒画素に対応するサーマルヘッド30の発熱部のみ駆動するためのAND回路と、サーマルヘッド30の発熱部を駆動するトランジスタ等を具備している。
電源26は、サーマルヘッド駆動回路27に接続されていて、サーマルヘッド駆動回路27への信号送信と、サーマルヘッド30の個々の発熱部に感熱性孔版マスタ61を溶融穿孔するための穿孔用エネルギーに対応する電気エネルギーを供給する。
副走査方向の解像度を可変する例及びその動作プロセスを説明する。
先ず、上述した製版スタートキーを押して製版工程を実行する前に、副走査方向解像度設定キー10を押して、印刷画像として所望する副走査方向の解像度を設定する。この副走査方向の解像度の設定信号がマイクロコンピュータ20に出力されると、マイクロコンピュータ20は、その副走査方向解像度に対応した所定の送りピッチ設定の信号をマスタ送りモータ駆動回路41に送出すると共に、その副走査方向解像度に対応した所定の送りピッチで原稿搬送ローラ用モータ83Aを駆動制御する信号を原稿搬送ローラ用モータ駆動回路83Bに送出する。これと同時に、マイクロコンピュータ20は、設定された副走査方向の解像度に応じた最適な大きさの穿孔を形成するための通電パルス幅設定の信号をサーマルヘッド駆動回路27へ送出する。そして、マイクロコンピュータ20により設定された副走査方向解像度に対応した所定の送りピッチ設定の信号に基づき、マスタ送りモータ駆動回路41を介してマスタ送りモータ40が駆動され、さらにマスタ送りモータ40によりプラテンローラ92が回転駆動され、感熱性孔版マスタ61が所定の送りピッチ及び速度で搬送される。
また、マイクロコンピュータ20により設定された副走査方向解像度に対応した所定の送りピッチ設定の信号に基づき、原稿搬送ローラ用モータ駆動回路83Bを介して原稿搬送ローラ用モータ83Aが駆動され、さらに原稿搬送ローラ用モータ83Aにより前・後原稿搬送ローラ対82a,82b・83a,83bが回転駆動され、原稿60が所定の送りピッチ及び速度で搬送される。
こうして、サーマルヘッド駆動回路27では、上記通電パルス幅設定の信号に基づき、電源26からの電力供給を受けて通電パルス(サーマルヘッド駆動信号)が生成されてサーマルヘッド30の個々の発熱部に出力され、黒画素に対応した発熱部がジュール熱を発生し、感熱性孔版マスタ61が溶融穿孔される。
<請求項1に対応する例>
請求項1での副走査方向の解像度を設定する副走査方向解像度設定手段を図1にて説明をする。装置本体キャビネット50上部の図示しない操作パネルには、上記インキ画像における副走査方向の解像度を設定するための副走査方向解像度設定手段としての副走査方向解像度設定キー10が配設されている。この副走査方向解像度設定キー10は、例えば複写機等におけるファインモード設定キーと同様な機能を有しており、印刷用紙62上のインキ画像の副走査方向の解像度を設定するために、ユーザーが所望する解像度に手動で任意に入力し設定できるものである。
副走査方向解像度設定キー10は、この例においては1回押す毎に、上記副走査方向の解像度を例えば、低解像度(通常製版)の例として400DPI又は、例えば高解像度の例として600DPI(ドット/インチ)の2段階に切り替えて設定できるようになっている。
副走査方向解像度設定キー10の近傍の操作パネルには、図において左から順に400dpi及び600dpiの、副走査方向の解像度の設定を表示するためのLED(発光ダイオード)11が、2個配置されている。
なお、設定キーとの記載をしたが、これに代えてタッチパネルを使用してもよく、タッチパネル上に副走査解像度設定値を表示しても構わない。
次に副走査方向解像度設定手段の信号に基づき、設定された上記副走査方向の解像度に対応した送りピッチに変えるように駆動手段を制御する駆動制御手段の制御対象としては、図1に示すようにプラテンローラ92が、図示しないタイミングベルトを介して上記駆動手段としてのマスタ送りモータ40に連結されている。マスタ送りモーク40は、ステッピングモークからなり、間欠的に回転駆動される。よって、感熱性孔版マスタ61は、マスタ送りモータ40によりプラテンローラ92を介して所定の送りピッチをもって、上記主走査方向と直交する副走査方向に移動される。
サーマルヘッド30は、少なくとも400dpi〜600dpiの解像度を有し、その主走査方向(図の紙面に垂直な方向)に配列される微小な発熱部には、所謂矩形型の発熱体が用いられている。
又、副走査方向解像度設定手段の信号に基づき、所要の発熱パワーがサーマルヘッドに与えられて穿孔がなされる。サーマルヘッドの穿孔用エネルギーの印加方法としては、一般的には発熱時間Tpを可変とし、高解像度の時にはその発熱時間Tpを短くするということが一般的ではあるが、その時に電圧Vhdを可変とし変えても構わない。
次に、副走査方向解像度別穿孔エネルギー格納データテーブルに関して説明する。副走査方向解像度別穿孔エネルギー格納データテーブルは制御手段(マイクロコンピュータ20)の記憶媒体若しくは周辺の記憶媒体に記憶されていて、副走査方向解像度設定手段の信号に基づき読み出され、副走査解像度レベルやサーマルヘッド温度に応じて穿孔エネルギーが選択されて、適合した穿孔用エネルギーがサーマルヘッドに印加される。副走査方向解像度設定手段で通常モード、高密度モードというように複数の副走査方向の解像度を設定することができる。
(比較例)
図3は、比較例として示した、従来行われている穿孔エネルギーの設定手段としての副走査方向解像度別穿孔エネルギーデータテーブルの例である。たて軸に穿孔エネルギー、よこ軸にサーマルヘッド温度、副走査方向の解像度として低い解像度の場合の特性を実験、実測等から求め、その傾きを特性線L1で示している。
一方、副走査方向の解像度として高い解像度の場合の特性線は、従来、低い解像度の場合のように実験等で求めることなく、特性線L1で示す低い解像度の傾きをベースにして、一律の比率換算で算出して得ており、かかる特性線L2で定まる穿孔エネルギーで穿孔を実施していた。なお、図3における特性線L2は説明の便宜上、視覚化して示しているが、データテーブルとしては存在せず上記したように特性線L1のデータに基づき一律の比率換算で算出される値にすぎない。
しかしながら、上記一律の比率換算で算出した特性線L2で設定した穿孔エネルギーにより製版を行うと、近年の感熱孔版印刷装置で使用する感熱性孔版マスタで高画質を図る際には各環境下における最適な穿孔状態を得ることができず、折角の高画質化が可能な感熱性孔版マスタで更なる高画質を図ることができなかった。
(本発明例)
そこで、本発明では例えば図4に特性線L10で示したようなデータを、上記穿孔エネルギー調整手段での穿孔エネルギーデータテーブルとして設けた。この特性線L10で示されるデータは、副走査方向における所定の解像度の基準となるデータ(以下、基準データという。)として設けられており、例えば図3における特性線L1を用いることもできる。特性線L1はサーマルヘッド温度に対する穿孔エネルギーの関数式となっている。この基準データは最も簡単な例では本例のように1つあれば実用になるが、複数設定することもできる。
基準データは、サーマルヘッド温度毎の穿孔エネルギー値としてそのデータが基準穿孔エネルギー格納データテーブル手段に格納されている。この基準穿孔エネルギー格納データテーブル手段に格納された基準データ(穿孔エネルギーデータ)、例えば、副走査方向における低解像度用のデータとして上記特性線L10が格納されているとすると、副走査方向における高解像度用の穿孔エネルギーを設定するためのデータとしてこの特性線L10に対して、副走査方向解像度別に且つサーマルヘッド温度毎に初期値としての比率値が定められている。この初期値としては、本例では実験等で求めた平均的な上記高解像用の穿孔エネルギーとなるような比率値が記憶されている。
しかし、上記初期値としての比率値で算出した穿孔エネルギーで印刷した場合には、サーマルヘッド等のばらつき等の因子により不適合を生じ、印刷の仕上がり状態が損なわれた状態になることがある。
そこで、上記初期値としての比率値を修正する形で、穿孔エネルギー調整手段での設定範囲内、例えば、図5に示した穿孔エネルギーの可変範囲内で、サーマルヘッド温度毎に独自の比率値を設定し、この独自の比率値を上記特性線L10のデータに乗じて算出した副走査方向における高解像用の穿孔エネルギーで製版し印刷する。
この独自の比率値は、その印刷装置における実際の印刷状況に適合した比率値であり、経験的あるいは実験等の結果から設定されるもので、例えば、サーマルヘッド等のばらつき等の因子を反映したものとなる。
独自の比率値は、その値を適値に変えることにより、実際の印刷装置における副走査方向でのあらゆる解像度の印刷において所望の品質の印刷を得ることができる。
具体的には、サービスマン等が独自の比率値を、図示しない操作部を用いてキー入力することで独自の比率値が記憶され、製版時は上記記憶された独自の比率値に基づき、副走査方向解像度別穿孔エネルギー比率値手段および穿孔エネルギー調整手段として機能するマイクロコンピュータ20の内部処理として上記独自の比率値を上記基準データに乗算することで穿孔エネルギーが設定されて製版が行なわれる。本例の特徴は副走査方向解像度別、サーマルヘッド温度別に独自の比率値が設定でき、この比率値を乗じて算出される穿孔エネルギーで穿孔が行なわれることである。
尚、基準データは、本例では副走査方向解像度設定手段で設定可能な低解像度用の特性線L10としているが、これに限らず副走査方向解像度設定手段で設定できない算出専用のデータでもかまわない。つまり、この算出専用の基準データに対し、解像度毎に比率値を乗じることで特性線L10や特性線L20の穿孔エネルギーを算出してもよい。
図4の例では、特性線L10が例えば、低い解像度の穿孔エネルギーのデータであるとすれば、副走査方向解像度設定手段(副走査方向解像度設定キー10)で設定された副走査解像度別に、低い解像度の場合は特性線L10のデータによる穿孔エネルギーで穿孔し、高い解像度の場合は特性線L10とは関係なく独自の比率値をサーマルヘッド温度毎に乗算して得られた穿孔エネルギーで穿孔することとした。このように算出された穿孔エネルギー値を図4に特性線L20で示す。但し、特性線L20は説明の便宜上、視覚化して示しているが、データテーブルとしては存在せず特性線L10のデータに基づき個々算出される値にすぎない。
図4において低解像度時の特性線L10に対して、高解像度時の特性線L20は比例換算ではなく、独自の比率値により、実験、実測になど実際に即したものであるので、図3においては高解像度時の特性線L2が低解像度時の特性線L1に対して平行な線となっているのとは異なり、特性線L10に対して特性線L20は平行とはなっていない。
ベースとなる特性線L10は上記のように、低い解像度の実測のデータを用いることは任意であるが、これに限らず、任意の関数直線(曲線)でもよいし、或いは、このような一定の定義に従う性質のものでなくてもよい。どのようなデータであっても、独自の比率値の設定次第で、目的の穿孔エネルギー値を算出することができる。
副走査方向解像度別穿孔エネルギー比率値手段は、副走査方向解像度設定手段からの信号に基づき、設定された上記副走査方向の解像度別に副走査方向解像度別穿孔エネルギー格納データテーブル手段でのデータテーブルに対して独自の値を乗率設定できるものである。これは、感熱孔版印刷装置に搭載するサーマルヘッド自身の熱効率というのはサーマルヘッドに具備されているグレーズ層の厚みばらつき、保護膜厚みばらつき、発熱抵抗体での寸法ばらつき等々から個々ばらつきを持っており、その熱効率ばらつきによる穿孔状態の差異を低減させる為のものであり、又、各ユーザーからの要望等によっても変更することが可能であるものであっても構わない。
例えば、副走査方向解像度400DPIと600DPIでは、可変可能(詳しくは、穿孔状態として独立し、隣接する各ドットが所謂「繋がっていない状態」になっていて、なおかつ、「穿孔未穿孔等」の穿孔不良が許容できるレベル内で可変可能)なエネルギー条件範囲としては穿孔状態の大きい400DPIの方が広く、副走査方向解像度に関わらず、1つの比率値であると各々の最適な比率値として設定できない。そこで、解像度別に独自の比率値が設定できることとした。また、解像度別の各データの穿孔エネルギーデータに対し、サーマルヘッド温度毎に独自の比率値を設定できる。これにより、最適な比率値を設定でき、穿孔状態を細かく調整できる。
なお、この機能を使用するのは実際に製版・印刷を行い、印刷画像品質(濃度出過ぎ/不足、歯抜け画像目立つ等)を修正する場合である。例えば、サーマルヘッドの熱効率のばらつきの影響を低減させ、或いは、マスタの穿孔性に影響ある表面平滑性のばらつきの影響を低減させる為のものであり、通常は使用しないビハインド機能(サービスマンモード等)である。また、その設定できる範囲は仕様毎若しくはロットばらつき等を調査し、評価確認を行って決定する。
本例においては、感熱孔版印刷装置に搭載するサーマルヘッド自身の熱効率ばらつき等から個々に有している熱効率ばらつきによる穿孔状態の差異を低減させることが可能となり、又各ユーザーからの要望等によっても変更することが可能となる。
(請求項2に対応する例)
穿孔エネルギー調整手段での設定範囲として、副走査方向の解像度設定値毎に独自の値を設定できる副走査方向解像度別穿孔エネルギー設定範囲設定手段を設けた。独自の値の設定は、副走査方向解像度別穿孔エネルギー設定範囲設定手段として機能するマイクロコンピュータ20が行う。本例の特徴は副走査方向解像度別に独自の穿孔エネルギー値が設定できることである。
副走査方向解像度設定手段の信号に応じて、サーマルヘッドの個々の発熱部に供給する穿孔用エネルギーを所定のエネルギーに調整する穿孔エネルギー調整手段を有し、その穿孔エネルギー調整手段での設定範囲として、副走査方向解像度別穿孔エネルギー設定範囲設定手段は副走査方向の解像度設定値毎に独自の穿孔エネルギー値を設定できる。
副走査方向の解像度が異なると実質的に上記副走査方向解像度別穿孔エネルギー格納データテーブル手段で可変できる範囲が異なってくる。例えば、副走査方向の解像度で低解像度の場合には、高解像度の場合と比較すると可変できる範囲が広い。これは、低解像度の場合には高解像度の場合よりも図5で後述するように感熱性孔版マスタでの熱可塑性樹脂フィルムの穿孔状態として大きいものであり、特には大きくする方向の範囲が大きく、それに伴い可変可能な範囲も大きいためである。従って、このように可変範囲(上限限度値、下限限度値)を同一にしてしまうと、副走査方向の低解像度側、高解像度側のどちらに合わせるかによって異なるが、穿孔状態として、過大即ち穿孔状態の分離性が保たれなくなり、感熱孔版印刷装置特有の裏移りの増大やスティッキングによる画像寸法再現性の劣悪化、耐刷性劣悪化による画像伸び、横線太り等、最悪時には耐刷時破れが生じてしまい、逆のケースだと穿孔不良による印刷画像品質の劣悪化、印刷画像濃度不足、最悪時には文字欠け等が生じてしまう。
従って、副走査方向の解像度設定値毎に独自の値が設定できる副走査方向解像度別穿孔エネルギー設定範囲設定手段を設け、好適な適正範囲を設けることによって上記問題点を解消することができる。
図5は穿孔エネルギーの可変範囲を表している。左側の双方向矢印は副走査方向の解像度として低解像度の場合、右側の双方向矢印は高解像度の場合の設定可能範囲を示している。
低解像度の場合は、穿孔分離性が確保できる(即ち独立穿孔が保たれる)穿孔エネルギーとしては、高解像度の場合よりも穿孔エネルギーの上限としては高いレベルにある。
逆に穿孔確率(即ち感熱性孔版マスタに具備されている熱可塑性樹脂フィルムへの穿孔状態として、未穿孔部を許容できる確率)としては、やはり、高解像度の場合に求められる印刷画像品質は低解像度の場合よりも高いという理由等から、穿孔確率確保下限領域としては低解像度の場合と比べて、高解像度の場合の方が設定エネルギーとしては高くなる傾向にある。
感熱性孔版マスタに対する穿孔状態を模式的に示した図6において、(a)‐1、(a)‐2、(b)‐1、(b)‐2の各図に示した穿孔ドット配列で、左右方向を主走査方向、上下方向を副走査方向としていて、主走査方向での穿孔ドットのピッチは各図共、aで等しく、副走査方向の穿孔ドットピッチは(a)‐1、(a)‐2についてはb、副走査方向高解像度の(b)‐1、(b)‐2についてはb’であり、b>b’となっている。
(a)‐1は副走査方向に低解像度で穿孔径が大の場合、
(a)‐2は副走査方向に低解像度で穿孔径が限界の最小の場合、
(b)‐1は副走査方向に高解像度で穿孔径が大の場合、
(b)‐2は副走査方向に高解像度でかつ、穿孔径が限界の最小の場合、である。
(a)‐2、(b)‐2では、高温時にインキ通過量が増して裏移りするのを防ぐため時間を短く又は電圧を低くして最小径にしたものである。
(a)‐1と(a)‐2との間での穿孔エネルギー可変範囲と、(b)‐1と(b)‐2間の穿孔エネルギー可変範囲を比較すると、(b)‐1と(b)‐2間の方が、高密度の分、小径のため、可変範囲が狭い。
(a)‐1と(b)‐1との間での穿孔エネルギー可変範囲及び、(a)‐2と(b)‐2間の穿孔エネルギー可変範囲を比較すると、何れも低解像度の(a)‐1、(a)‐2間の方が、可変範囲が広い。そして、(a)‐1と(b)‐2間で、穿孔エネルギー可変範囲は最大となる。
このように、低解像度時と高解像度時、また、穿孔径の大小で穿孔エネルギーの設定範囲(可変範囲)が異なることから、副走査方向の解像度設定値毎に独自の値が設定できるのがよい。
穿孔エネルギー調整手段での設定範囲として、副走査方向の解像度設定値毎に独自の穿孔エネルギー値が設定できるので、各解像度設定値毎に穿孔に好適な適正範囲を設定することで過大穿孔や穿孔不良等を解消でき、各解像度設定値毎に好適な印刷画像を得ることが可能となる。
(請求項3に対応する例)
上記基準穿孔エネルギー格納データテーブル手段のデータテーブルをベースとし、副走査方向解像度別穿孔エネルギー比率値手段で設定された上記独自の比率値に基づいて算出された副走査方向解像度別の穿孔エネルギーのデータをベースにしてサーマルヘッドでの製版時での印字率ランク分けされたものを加味している。ランク分けの内容を例示すると、同時にサーマルヘッドの発熱抵抗体を駆動する全発熱体数に対しての割合で規定している。例えば、同時駆動発熱体数が2304dotに対応する2304個の場合に16ランクに分ける際には、1ランクの割合として2304/16の発熱体数を1つのランクの割合とし、印字率に相応した比率で発熱体を発熱させる主旨である。印字率が低い場合は低ランクとなり、すなわち、同時に印字される発熱体の数が小さくなる。
印字率ランク別に発熱させる目的としては、同時駆動発熱体数が多いほど、コモン電極、サーマルヘッド駆動用ハーネス(電線)等でのコモンドロップ即ち電圧降下があるのでこれを補うためである。
解像度毎の印字率100%の際のデータが基本となる。そのデータがサーマルヘッド温度毎にあり、それを基本としてコモンドロップ補正率(印字率による補正)に応じたものを使用する。印字率ランク別にデータが用意されている。
印字率ランク分けされたものを加味するという内容を2つ例示する。1つめは、マイクロコンピュータ20で印字率を認識し、印字率ランク分けされたデータテーブルを使用してエネルギー補正を行う。
2つめは、サーマルヘッド駆動回路41内で処理を行う。これはサーマルヘッド駆動回路27:ASIC(application specific integrated circuit)内に印字率をカウントする機能及びそのカウント(ランク)別に予めASICにダウンロードされたエネルギー条件データもしくは、予め格納されているエネルギー条件データを用い、エネルギー補正する。
何れにしても、サーマルヘッドで製版させる際に同時駆動発熱体数が多いほど、コモン電極、サーマルヘッド駆動用ハーネス(電線)等でのコモンドロップ即ち電圧降下が生じ、穿孔状態としてその影響があるが、本例のように、副走査方向解像度別穿孔エネルギー格納データテーブル手段でのデータをベースとし、サーマルヘッドでの製版での印字率ランク分けされたものを加味した場合には、請求項1での発明の効果を得ることの確実性を増すことが可能となる。
(請求項4に対応する例)
本例は、上記基準穿孔エネルギー格納データテーブル手段のデータテーブルをベースとし、副走査方向解像度別穿孔エネルギー比率値手段で設定された上記独自の比率値に基づいて算出された副走査方向解像度別の穿孔エネルギーのデータをベースとし、使用する感熱孔版印刷機用インキの種類によって、換算変換した穿孔エネルギー設定値を設定できるインキ種類別穿孔エネルギー設定手段を有する。
例えば、インキの色、同一色においても生産工場別のインキ種類によってインキの粘度が異なる。インキの粘度は感熱性孔版マスタでのフィルムに溶融穿孔された部位からの吐出量に影響があり、このことはインキの吐出量不足による濃度不足、又はその逆で吐出量過剰による感熱孔版印刷装置特有の裏移りの劣悪化を招いてしまう。
そこで、かかる不都合を補う為に、基準である副走査方向解像度別穿孔エネルギー格納データテーブル手段でのデータテーブルを基にして換算変換した穿孔エネルギー設定値を設定できるようにした。
インキ種類別に予め換算データがインキ種類別穿孔エネルギー設定手段として機能するマイクロコンピュータ20の記憶媒体にデータとして記憶されており、当該感熱孔版印刷装置に設けられたセンサ等の信号(使用しているインキ種類情報)を入力して副走査方向解像度別穿孔エネルギー格納データテーブル手段でのデータテーブルをベースとし、使用する感熱孔版印刷機用インキの種類によって、換算変換した穿孔エネルギー設定値を設定する。設定値は一定比率でもよいし、サーマルヘッド温度毎に穿孔エネルギーの比率を異なるようにしてもよい。
使用しているインキ種類情報を得る手段としては、(1)インキパック部にインキ情報を知らせるセンサやICタグを設ける、(2)印刷ドラム101にディップスイッチを設け、インキ毎に設定し、その設定値で識別する、等の方法を採用することができる。
本例によれば、インキの種類の影響を低減でき、請求項1乃至2での発明の効果を得ることの確実性を増すことが可能となる。
(請求項5に対応する例)
上記基準穿孔エネルギー格納データテーブル手段のデータテーブルをベースとし、副走査方向解像度別穿孔エネルギー比率値手段で設定された上記独自の比率値に基づいて算出された副走査方向解像度別の穿孔エネルギーのデータをベースとし、使用する感熱孔版印刷機用ドラムの種類によって、換算変換した穿孔エネルギー設定値を設定できる印刷ドラム別穿孔エネルギー設定手段を有する。
例えば、A3サイズ用の印刷ドラム、A4サイズ用の印刷ドラム等、サイズが異なった場合、ドラムは同一構成であっても、版胴等の構成部品の大きさが異なる。その大きさが異なると、印刷ドラムの剛性も異なってしまう。
この剛性が大きくなるということは、印刷時における印刷ドラムの加圧力、印圧が実質的に大きくなることを意味し、結果として、巻装された感熱孔版マスタでの穿孔部から吐出されるインキ量が多くなり、印刷画像濃度が高くなってしまうという問題につながる。
例えばA3サイズ用の印刷ドラムとA4サイズ用の印刷ドラムとの関係では、A4サイズ用の印刷ドラムの方が剛性が高いため、これら両印刷ドラムにそれぞれ同じ穿孔径のマスタを巻き付けて印刷した場合に、A4サイズ用印刷ドラムのマスタ穿孔部から吐出されるインキ量がA3サイズ用印刷ドラムのマスタ穿孔部から吐出されるインキ量よりも大きくなる傾向にある。かかる傾向に起因する画像濃度の不適正をなくすため、本例における穿孔エネルギーの設定においては、印刷ドラムの種類として対象用紙サイズが大サイズ用のもの程(剛性が高くなる程)穿孔径が小さくなる傾向に、穿孔エネルギー設定値を設定する。
そこで、印刷ドラムの種類(剛性)に応じて副走査方向解像度別穿孔エネルギー格納データテーブル手段でのデータテーブルのデータを印刷ドラム別穿孔エネルギー設定手段で換算変換して穿孔エネルギー設定値を設定し、サーマルヘッド駆動回路27を駆動することとした。
印刷ドラム種類別に予め換算データが印刷ドラム別穿孔エネルギー設定手段として機能するマイクロコンピュータ20の記憶媒体にデータとして記憶されており、当該感熱孔版印刷装置に設けられたセンサ等の信号(使用している印刷ドラム情報)を入力して副走査方向解像度別穿孔エネルギー格納データテーブル手段でのデータテーブルをベースとし、使用する印刷ドラムの種類によって、換算変換した穿孔エネルギー設定値を設定する。設定値は一定比率でもよいし、サーマルヘッド温度毎に穿孔エネルギーの比率を異なるようにしてもよい。
使用している印刷ドラム情報を得る手段としては、印刷ドラム101にICタグを設け或いはディップスイッチを設け、その情報に基づき識別する、等の方法を採用することができる。
本例によれば、請求項1乃至3記載の発明の効果に加え、印刷ドラム種類の影響を低減でき、請求項1乃至3での発明の効果を得ることの確実性を増すことが可能となる。
(請求項6に対応する例)
本例は、感熱孔版印刷装置に使用するインキのインキ温度を検知するインキ温度検知手段が設けてあり、その検知したインキ温度に見合った最適な穿孔エネルギーに調整するインキ温度別穿孔エネルギー調整手段を設ける。
一定の穿孔状態であるとインキ温度が高くなるとインキ自身が柔らかくなり、インキの吐出量が多くなり、逆にインキ温度が低くなるとインキの吐出量が少なくなるので、そのような特性を補うためにインキ温度検知手段でインキ温度を検知し検知したインキ温度に見合った最適な穿孔エネルギーの調整を行う。インキ温度別穿孔エネルギー調整手段による穿孔エネルギー調整の大まかな傾向を例示すると、インキ温度が高い場合での穿孔エネルギーを、インキ温度が低い場合での穿孔エネルギーに比べて低くして穿孔径を絞り、逆にインキ温度が低い場合での穿孔エネルギーを、インキ温度が高い場合での穿孔エネルギーに比べて高く調整して穿孔径を広げるのであり、印刷時におけるインキ温度に適合した穿孔エネルギーを設定するものである。
これにより、インクの温度によっての影響を低減し、副走査方向の解像度に見合った穿孔状態にすることが可能となる。
インキ温度検知手段で検知したインキ温度に見合った最適な穿孔エネルギーの調整は、インキ温度別穿孔エネルギー調整手段として機能するマイクロコンピュータ20が行う。
インキ温度検知手段としてはサーミスタ等を用い、印刷ドラム101内のインキ溜り107部を直接測ることが望ましいができない場合、その近傍の金属部の温度が略インキ温度に等しいのでこれを測りインキ温度として用いてもよい。
(請求項7に対応する例)
本例は、インキの消費量を低減させることが可能な省インキモード設定手段を設けており、インキの消費量を低減させる省インキモードを有している。
省インキモードでは、(1)穿孔エネルギーを低く設定し、穿孔状態として小さくしてインキの吐出し量を少なくする。或いは、(2)印刷部での印圧を低圧化してインキの吐出し量を少なくする。(3)双方を利用する。等のことを行う。
これらの省インキモードは、マイクロコンピュータ20が実行するが、この省インキモードの設定は、操作パネルキー、LCD(liquid crystal display)、タッチパネル等による省インキモード設定手段を用いる。
高解像度モード時にはどの程度の高密度化にもよるがフィルム穿孔確率等の制約から省インキモードを実施できなくするようにすることもできる。或いは、省インキモードを実施すると画像に影響が出る等、操作パネル等で警告を促しても構わない。
本例においては、副走査方向の解像度を変えても消費するインキ量を低減することが可能となる。
(請求項8に対応する例)
本例では、省インキモード設定手段で通常モード及び省インキモードを識別し、副走査方向解像度別穿孔エネルギー格納データテーブルをベースにして、通常モード時及び省インキモード時の独自の穿孔エネルギー設定値が設定できるようにしている。
その設定値としては副走査方向解像度別に実質的に印刷画像品質として使用できるレベル範囲でサーマルヘッドヘの印加エネルギーを設定し、最終的にインキ消費量の低減を実現する。なお、この際も同時に印刷部での印圧等を同時に調整してもよい。
例えば、省インキモードでない通常モード時が、ベースのデータテーブルに対して−7%の比率値で穿孔エネルギー設定値が設定されるのに対して、省インキモード時は−22%の設定値で設定される。この比率値は副走査方向の解像度別に設定できるようになっている方が望ましい。
本例においては、ある程度の印刷画像品質を保ったままインキ消費量を低減することが可能となり、又、インキ低減量としては10%以上が可能となる。
(請求項9に対応する例)
少なくとも熱可塑性樹脂フィルムと多孔性樹脂膜の塗布層1層が設けられている感熱性孔版マスタが使用される場合に、このマスタに適合する穿孔エネルギーデータテーブルを用いる。
感熱孔版印刷装置で使用できる感熱性孔版マスタ61としては(1)少なくとも熱可塑性樹脂フィルムと多孔性樹脂膜の塗布層1層が設けられている感熱性孔版マスタを用いる。或いは(2)多孔性支持体である和紙上に熱可塑性樹脂フィルムを貼り合わせたもの、その他がある。
感熱性孔版マスタとして、少なくとも熱可塑性樹脂フィルムと多孔性樹脂膜の塗布層1層が設けられているものを選択しこのマスタに適合する穿孔エネルギーデータテーブルを用いた場合には、穿孔可変範囲が広くなり、この広くなった穿孔可能範囲に対応する印加エネルギーの可変可能範囲を規定することにより良好な穿孔状態を得る。それは、多孔性樹脂膜の塗布層が設けられているとその下部に多孔性支持体(和紙)があった場合においても、その影響を低減でき、熱可塑性樹脂フィルム面の平滑性が良好となり、同一穿孔状態時においては穿孔確率としてかなり向上するためであり、また、好適な条件を設定することにより、より好適な印刷画像を得ることが可能となる。
感熱孔版印刷装置の概略構成を説明した図である。 感熱孔版印刷装置の制御ブロック図である。 比較例として、解像度別のサーマルヘッド温度に対する穿孔エネルギーの特性データをグラフで示した図である。 解像度別のサーマルヘッド温度に対する穿孔エネルギーの特性データをグラフで示した図である。 解像度別に穿孔エネルギーの可変範囲を説明した図である。 感熱性孔版マスタに対する穿孔状態を模式的に示した図であって、(a)‐1は副走査方向に低解像で穿孔径が大の場合、(a)‐2は副走査方向に低解像で穿孔径が限界の最小の場合、(b)‐1は副走査方向に高解像で穿孔径が大の場合、(b)‐2は副走査方向に高解像でかつ、穿孔径が限界の最小の場合である。
符号の説明
10 (副走査方向解像度設定手段としての)副走査方向解像度設定キー
11 LED(発光ダイオード)
20 マイクロコンピュータ
30 サーマルヘッド
40 (駆動手段としての)マスタ送りモータ
50 装置本体キャビネット
62 印刷用紙
92 プラテンローラ
L1、L2、L10、L20 特性線

Claims (9)

  1. 主走査方向に配列された多数の発熱部を具備してなるサーマルヘッドに対して、少なくとも熱可塑性樹脂フィルムを有する感熱性孔版マスタをプラテンローラで押圧させた状態で、上記主走査方向と直交する副走査方向にマスタ搬送手段により上記感熱性孔版マスタを移動させながら、画像信号に応じて上記発熱部を発熱させて上記熱可塑性樹脂フィルムを位置選択的に溶融穿孔して上記画像信号に応じた穿孔パターンを得、この感熱性孔版マスタを印刷ドラムの外周面に巻装し、上記印刷ドラムの内周側からインキを供給し、上記穿孔パターンを介して滲み出たインキにより上記画像信号に応じたインキ画像を印刷用紙上に形成する感熱孔版印刷装置であって、
    上記感熱性孔版マスタを所定の送りピッチをもって移動するように上記マスタ搬送手段を駆動する駆動手段と、上記副走査方向の解像度を設定する副走査方向解像度設定手段と、上記副走査方向解像度設定手段の信号に基づき、設定された上記副走査方向の解像度に対応した送りピッチに変えるように上記駆動手段を制御する駆動制御手段と、上記副走査方向解像度設定手段の信号に応じて、上記サーマルヘッドの個々の発熱部に供給する穿孔用エネルギーを所定のエネルギーに調整する穿孔エネルギー調整手段とを有する感熱孔版印刷装置において、
    上記穿孔エネルギー調整手段での穿孔エネルギーデータテーブルとして副走査方向における所定の解像度の基準となるデータが設けられており、そのデータとしてサーマルヘッド温度毎に穿孔エネルギーデータが格納されている基準穿孔エネルギー格納データテーブル手段と、
    上記基準穿孔エネルギー格納データテーブル手段のデータテーブルをベースとし、該データテーブルに基づいて副走査方向の解像度設定値に対応した穿孔エネルギーを算出するための比率値であって、上記穿孔エネルギー調整手段での設定範囲内で、上記穿孔エネルギーデータに対し副走査方向の解像度設定値毎に且つサーマルヘッドの温度毎に独自の比率値が設定できる副走査方向解像度別穿孔エネルギー比率値手段とを設けたことを特徴とする感熱孔版印刷装置。
  2. 請求項1に記載の感熱孔版印刷装置において、
    上記穿孔エネルギー調整手段での設定範囲として、副走査方向の解像度設定値毎に独自の値が設定できる副走査方向解像度別穿孔エネルギー設定範囲設定手段を設けたことを特徴とする感熱孔版印刷装置。
  3. 請求項1又は2に記載の感熱孔版印刷装置において、
    上記基準穿孔エネルギー格納データテーブル手段のデータテーブルをベースとし、副走査方向解像度別穿孔エネルギー比率値手段で設定された上記独自の比率値に基づいて算出された副走査方向解像度別の穿孔エネルギーのデータをベースとし、サーマルヘッドでの製版時における印字率に相応した比率で上記サーマルヘッドの発熱体が発熱するようにエネルギー補正をすることを特徴とする感熱孔版印刷装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の感熱孔版印刷装置において、
    上記基準穿孔エネルギー格納データテーブル手段のデータテーブルをベースとし、副走査方向解像度別穿孔エネルギー比率値手段で設定された上記独自の比率値に基づいて算出された副走査方向解像度別の穿孔エネルギーのデータをベースとし、使用する感熱孔版印刷機用インキの種類によって、換算変換した穿孔エネルギー設定値を設定できるインキ種類別穿孔エネルギー設定手段を設けたことを特微とする感熱孔版印刷装置。
  5. 請求頂1乃至4の何れかに記載の感熱孔版印刷装置において、
    上記基準穿孔エネルギー格納データテーブル手段のデータテーブルをベースとし、副走査方向解像度別穿孔エネルギー比率値手段で設定された上記独自の比率値に基づいて算出された副走査方向解像度別の穿孔エネルギーのデータをベースとし、使用する感熱孔版印刷機用ドラムの種類によって、換算変換した穿孔エネルギー設定値を設定できる印刷ドラム別穿孔エネルギー設定手段を設けたことを特徴とする感熱孔版印刷装置。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の感熱孔版印刷装置において、
    上記感熱孔版印刷装置に使用するインキのインキ温度を検知するインキ温度検知手段が設けてあり、その検知したインキ温度に見合った最適な穿孔エネルギーに調整するインキ温度別穿孔エネルギー調整手段を有したことを特徴とする感熱孔版印刷装置。
  7. 請求項1乃至6の何れかに記載の感熱孔版印刷装置において、
    インキの消費量を低減させることが可能な省インキモード設定手段を設けたことを特徴とする感熱孔版印刷装置。
  8. 請求項7に記載の感熱孔版印刷装置において、
    上記省インキモード設定手段で通常モード及び省インキモードを識別し、通常モード時及び省インキモード時の独自の穿孔エネルギー設定値を設定することができることを特徴とする感熱孔版印刷装置。
  9. 請求項1乃至8の何れかに記載の感熱孔版印刷装置において、
    少なくとも熱可塑性樹脂フィルムと多孔性樹脂膜の塗布層1層が設けられている感熱性孔版マスタが使用される場合に、このマスタに適合する穿孔エネルギーデータテーブルを用いることを特徴とする感熱孔版印刷装置。
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