JP2001315291A - 感熱孔版印刷装置 - Google Patents

感熱孔版印刷装置

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JP2001315291A
JP2001315291A JP2000137435A JP2000137435A JP2001315291A JP 2001315291 A JP2001315291 A JP 2001315291A JP 2000137435 A JP2000137435 A JP 2000137435A JP 2000137435 A JP2000137435 A JP 2000137435A JP 2001315291 A JP2001315291 A JP 2001315291A
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Masakazu Fujita
正和 藤田
Yasumitsu Yokoyama
保光 横山
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Tohoku Ricoh Co Ltd
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Tohoku Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷用紙の種類ごとにインキの浸透性が異な
るのに関わらず、サーマルヘッドによりマスタに形成さ
れる穿孔の大きさは一定であったため、インキの滲みや
すい孔版上質紙等の印刷物では印刷画像の太りが発生す
ることで画質が劣化し、インキの滲みにくいコート紙等
の印刷物では切れ切れの文字になったりかすれたりする
ことで画質が劣化し、適正なインキ滲みをもった最適な
画像面積の印刷画像を得ることができないという問題点
を解決する。 【解決手段】 印刷用紙の種類を設定するための用紙種
類設定キー1と、用紙種類設定キー1で設定された印刷
用紙の種類に応じて、サーマルヘッド91の個々の発熱
部に供給する穿孔用エネルギーを所定のエネルギーに調
整する穿孔エネルギー調整手段としてのマイクロコンピ
ュータ2とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は感熱孔版印刷装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂フィルム(以下、単に「フ
ィルム」というときがある)を有するマスタにサーマル
ヘッドを接触させ、画像信号に応じてサーマルヘッドの
発熱部を発熱させてマスタのフィルム部分を位置選択的
に溶融穿孔して画像信号に応じた穿孔パターンを得て、
このように穿孔・製版された感熱性孔版マスタ(以下、
単に「マスタ」という)を印刷ドラムの外周面に巻装
し、印刷ドラムの内周側からインキを供給し、穿孔パタ
ーンを介して滲み出たインキにより穿孔パターンに応じ
たインキ画像(以下、「印刷画像」と言い替えるときが
ある)を印刷用紙上に形成する感熱孔版印刷装置が知ら
れている(例えば、特許第2756219号、特許第2
756224号、特開平8−132723号公報等参
照)。印刷用紙上への印刷画像の形成は、上述したよう
に印刷用紙へのインキの転移によって行われ、このイン
キは印刷用紙を構成している微細な繊維に沿って付着
し、また繊維間の空隙に浸透することで行われる。
【0003】従来の謄写印刷機等を含む感熱孔版印刷装
置では、上記したような印刷プロセス上から、多種多様
な印刷用紙に印刷を行うことができるため、多種多様な
印刷用紙が使用されている。すなわち、感熱孔版印刷装
置で使用される印刷用紙は、一般に、薄紙、標準紙(普
通紙)、厚紙に分類されており、薄紙としては低価格の
更紙や上質45kg紙等があり、標準紙としては複写用
紙(以下、「PPC用紙」という)、中質紙、上質55
kg紙、再生紙、孔版上質紙等がある。厚紙としては画
用紙、ハガキ、封筒、上質135kg紙、上質180k
g紙等があり、これらは一般的に高価格である。このよ
うな従来の感熱孔版印刷装置では、印刷用紙の種類に関
わらず、サーマルヘッドによりマスタに形成される穿孔
の大きさ(サーマルヘッドの個々の発熱部に印加される
穿孔用エネルギーで個々の穿孔の大きさが決まる)は、
一定であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、印刷用
紙を構成している微細な繊維の材質や繊維間の空隙は、
印刷用紙の種類ごとの印刷用紙が有する物性として異な
る。このような印刷用紙の種類ごとに異なる物性やその
物性のバラツキにより、インキの印刷用紙への浸透性が
異なる。ここで、例えば図8(A)に示すように、サー
マルヘッドによりマスタ61に製版された穿孔61B
(この図ではサーマルヘッドの主走査方向における隣り
合う発熱部に対応して3個の穿孔61Bがマスタ61に
形成されていることを表している)の大きさが一定であ
る同じ製版済みのマスタ61を用いて、図8(B)の
(a),(b),(c)に示すようなインキの滲み特性
の異なる3種類の印刷用紙62に、同一の印刷条件の下
で印刷した印刷物(印刷結果)を比較・考察してみる。
【0005】図8(B)の(c)に示すように、例えば
繊維間の空隙が相対的に多い印刷用紙62である孔版上
質紙等への印刷結果では、インキが印刷用紙62の奥
(印刷用紙62の厚さ方向の深部)まで浸透し、かつ、
インキの滲み(インキの拡がり)が印刷用紙62の表面
上で広がるため、インキの付着量が多くなってしまい、
インキの滲み過ぎによる印刷画像の太りが発生すること
で画質が劣化し、最適な画像面積の印刷画像が得られな
いことになる。図8(B)の(b)に示すように、例え
ば繊維間の空隙が相対的に少ない印刷用紙62であるコ
ート紙等への印刷結果では、インキが印刷用紙62の表
面部分(印刷用紙62の厚さ方向の浅い部分)までにし
か浸透せず、かつ、インキの滲み(インキの拡がり)が
狭くなるため、結果的にインキの付着量が少なくなって
しまい、マスタ61の穿孔61Bドット間が埋まらず、
切れ切れの文字になったり、かすれたりすることで画質
が劣化し、最適な画像面積の印刷画像が得られないこと
になる。なお、「コート紙」とは、印刷用紙62の被印
刷表面がコーティングされているものを指す。
【0006】図8(B)の(a)は、例えば繊維間の空
隙が上記したコート紙と孔版上質紙等との間に分類され
るようなPPC等への印刷結果を示し、インキの付着量
が中程度かつ適度となって、これにより適正な滲みの印
刷用紙62への印刷結果、つまり印刷用紙62(PPC
等)に合った最適な画像面積の印刷画像を得られること
を表している。
【0007】つまり、サーマルヘッドによりマスタのフ
ィルム部分に形成される穿孔の大きさが同一の場合、同
一の印刷条件の下においては印刷用紙の種類によってイ
ンキの印刷用紙への滲みが異なるため、インキの滲みや
すい印刷用紙では、インキの滲み過ぎにより印刷画像の
太りが発生することで画質が劣化する原因となってい
た。また、インキの滲みにくい印刷用紙では、インキの
滲み不足によりマスタの穿孔ドット間が埋まらず、切れ
切れの文字になったり、かすれたりすることで画質が劣
化する原因となっていた。
【0008】そこで、本発明の第1の目的は、かかる問
題点を解決するために、印刷用紙の種類ごとにマスタに
形成される穿孔の大きさ(以下、「穿孔径」というとき
がある)を調整することによって、印刷用紙の種類に関
わらず、その印刷用紙に合ったインキ量を転移すること
ができて、適正なインキ滲みをもった最適な画像面積の
印刷画像を得ることにある。本発明の第2の目的は、印
刷用紙の種類の他に、印刷画像濃度に影響を与える画像
濃度関係要因の特性値を加味して、マスタに形成される
穿孔の大きさ(穿孔径)をより木目細かく調整すること
によって、印刷用紙の種類および画像濃度関係要因の特
性値(製版条件や印刷条件等)の如何に関わらず、その
印刷用紙に合うと共に画像濃度関係要因の特性値も考慮
されたインキ量を転移することができて、適正なインキ
滲みをもった最適な画像面積の印刷画像を得ることにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
と共に、上述した目的を達成するために、各請求項記載
の発明では、以下の特徴ある構成を採っている。請求項
1記載の発明は、熱可塑性樹脂フィルムを有するマスタ
にサーマルヘッドを接触させ、画像信号に応じて上記サ
ーマルヘッドの発熱部を発熱させて上記熱可塑性樹脂フ
ィルムを位置選択的に溶融穿孔して上記画像信号に応じ
た穿孔パターンを得、このマスタを印刷ドラムの外周面
に巻装し、上記印刷ドラム上の上記マスタにインキを供
給し、上記インキにより上記画像信号に応じたインキ画
像を印刷用紙上に形成する感熱孔版印刷装置において、
上記印刷用紙の種類を設定するための用紙種類設定手段
と、上記用紙種類設定手段からの信号に基づいて、上記
サーマルヘッドの個々の発熱部に供給する穿孔用エネル
ギーを所定のエネルギーに調整する穿孔エネルギー調整
手段とを有することを特徴とする。
【0010】請求項2記載の発明は、熱可塑性樹脂フィ
ルムを有するマスタにサーマルヘッドを接触させ、画像
信号に応じて上記サーマルヘッドの発熱部を発熱させて
上記熱可塑性樹脂フィルムを位置選択的に溶融穿孔して
上記画像信号に応じた穿孔パターンを得、このマスタを
印刷ドラムの外周面に巻装し、上記印刷ドラム上の上記
マスタにインキを供給し、上記インキにより上記画像信
号に応じたインキ画像を印刷用紙上に形成する感熱孔版
印刷装置において、上記印刷用紙の種類を設定するため
の用紙種類設定手段と、上記インキ画像の印刷画像濃度
に影響を与える画像濃度関係要因の特性値を検出するた
めの特性値検出手段と、上記用紙種類設定手段および上
記特性値検出手段からの各信号に基づいて、上記サーマ
ルヘッドの個々の発熱部に供給する穿孔用エネルギーを
所定のエネルギーに調整する穿孔エネルギー調整手段と
を有することを特徴とする。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項2記載の感
熱孔版印刷装置において、上記画像濃度関係要因の特性
値が、上記インキの粘度であり、上記特性値検出手段
は、上記インキの粘度を検出する粘度検出手段からなる
ことを特徴とする。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項2記載の感
熱孔版印刷装置において、上記画像濃度関係要因の特性
値が、上記インキの温度であり、上記特性値検出手段
は、上記インキの温度を検出するインキ温度検出手段か
らなることを特徴とする。
【0013】請求項5記載の発明は、請求項2記載の感
熱孔版印刷装置において、上記画像濃度関係要因の特性
値が、上記サーマルヘッドの温度であり、上記特性値検
出手段は、上記サーマルヘッドの温度を検出するヘッド
温度検出手段からなることを特徴とする。
【0014】請求項6記載の発明は、請求項2記載の感
熱孔版印刷装置において、上記画像濃度関係要因の特性
値が、上記印刷ドラムの内のインキの種類であり、上記
特性値検出手段は、上記印刷ドラムの内のインキの種類
を検出する印刷ドラム内インキ種類検出手段からなるこ
とを特徴とする。
【0015】請求項7記載の発明は、請求項2ないし6
の何れか一つに記載の感熱孔版印刷装置において、上記
穿孔エネルギー調整手段は、少なくとも二つ以上の上記
特性値検出手段からの各信号に基づいて、上記サーマル
ヘッドの個々の発熱部に供給する穿孔用エネルギーを所
定のエネルギーに調整することを特徴とする。
【0016】請求項8記載の発明は、熱可塑性樹脂フィ
ルムを有するマスタにサーマルヘッドを接触させ、画像
信号に応じて上記サーマルヘッドの発熱部を発熱させて
上記熱可塑性樹脂フィルムを位置選択的に溶融穿孔して
上記画像信号に応じた穿孔パターンを得、このマスタを
印刷ドラムの外周面に巻装し、上記印刷ドラム上の上記
マスタにインキを供給し、上記インキにより上記画像信
号に応じたインキ画像を印刷用紙上に形成する感熱孔版
印刷装置において、上記印刷用紙の種類を設定するため
の用紙種類設定手段と、上記インキ画像の印刷画像濃度
に影響を与える画像濃度関係要因の特性値を設定するた
めの特性値設定手段と、上記用紙種類設定手段および上
記特性値設定手段からの各信号に基づいて、上記サーマ
ルヘッドの個々の発熱部に供給する穿孔用エネルギーを
所定のエネルギーに調整する穿孔エネルギー調整手段と
を有することを特徴とする。
【0017】請求項9記載の発明は、請求項8記載の感
熱孔版印刷装置において、上記画像濃度関係要因の特性
値が、上記インキ画像の印刷画像濃度であり、上記特性
値設定手段は、上記インキ画像の印刷画像濃度を設定す
るための印刷画像濃度設定手段からなることを特徴とす
る。
【0018】請求項10記載の発明は、請求項8記載の
感熱孔版印刷装置において、上記画像濃度関係要因の特
性値が、上記印刷ドラムの内のインキの種類であり、上
記特性値設定手段は、上記印刷ドラムの内のインキの種
類を設定するための印刷ドラム内インキ種類設定手段か
らなることを特徴とする。
【0019】請求項11記載の発明は、請求項8,9ま
たは10記載の感熱孔版印刷装置において、上記穿孔エ
ネルギー調整手段は、少なくとも二つ以上の上記特性値
設定手段からの各信号に基づいて、上記サーマルヘッド
の個々の発熱部に供給する穿孔用エネルギーを所定のエ
ネルギーに調整することを特徴とする。
【0020】請求項1,2および8記載の感熱孔版印刷
装置等における用紙種類設定手段の具体例としては、例
えば感熱孔版印刷装置の操作パネル上に設けられた、所
望する印刷用紙の種類を手動で設定・入力する用紙種類
設定キーを挙げられる。(図2参照)。請求項1,2お
よび8記載の感熱孔版印刷装置等における穿孔エネルギ
ー調整手段の具体例としては、例えばマイクロコンピュ
ータやマイクロプロセッサを用いることができる。マイ
クロコンピュータやマイクロプロセッサは、その出力ポ
ートおよびサーマルヘッド駆動回路を介してサーマルヘ
ッドに電気的に接続される。
【0021】請求項2記載の感熱孔版印刷装置等におけ
る特性値検出手段は、インキ画像の印刷画像濃度に影響
を与える画像濃度関係要因の特性値を検出するためのも
のであり、その手段としては、請求項3記載の感熱孔版
印刷装置におけるインキの粘度を検出する粘度検出手
段、請求項4記載の感熱孔版印刷装置におけるインキの
温度を検出するインキ温度検出手段、請求項5記載の感
熱孔版印刷装置におけるサーマルヘッドの温度を検出す
るヘッド温度検出手段、請求項6記載の感熱孔版印刷装
置における印刷ドラムの内のインキの種類を検出する印
刷ドラム内インキ種類検出手段を挙げることができ、そ
れらの具体例等は後述する発明の実施の形態で説明する
とおりである。請求項2ないし6の何れか一つに記載の
感熱孔版印刷装置において、サーマルヘッドの個々の発
熱部に供給する穿孔用エネルギーを所定のエネルギーに
調整する際に、より木目細かく調整するためには、穿孔
エネルギー調整手段は、用紙種類設定手段からの信号の
他に、請求項7に記載されているように少なくとも二つ
以上の特性値検出手段からの各信号に基づいて、サーマ
ルヘッドの個々の発熱部に供給する穿孔用エネルギーを
所定のエネルギーに調整することが好ましい。
【0022】請求項8記載の感熱孔版印刷装置等におけ
る特性値設定手段は、インキ画像の印刷画像濃度に影響
を与える画像濃度関係要因の特性値を設定するためのも
のであり、その手段としては、請求項9記載の感熱孔版
印刷装置におけるインキ画像の印刷画像濃度を設定する
ための印刷画像濃度設定手段、請求項10の感熱孔版印
刷装置記載における印刷ドラムの内のインキの種類を設
定するための印刷ドラム内インキ種類設定手段を挙げる
ことができ、それらの具体例等は後述する発明の実施の
形態で説明するとおりである。請求項8,9または10
記載の感熱孔版印刷装置において、サーマルヘッドの個
々の発熱部に供給する穿孔用エネルギーを所定のエネル
ギーに調整する際に、より木目細かく調整するために
は、穿孔エネルギー調整手段は、用紙種類設定手段から
の信号の他に、請求項11に記載されているように少な
くとも二つ以上の特性値設定手段からの各信号に基づい
て、サーマルヘッドの個々の発熱部に供給する穿孔用エ
ネルギーを所定のエネルギーに調整することが好まし
い。
【0023】所定のエネルギーに調整された穿孔用エネ
ルギーの供給は、サーマルヘッドの発熱素子もしくは発
熱体とも呼ばれる発熱部への通電パルス幅の変化により
行ってもよいし、あるいは画像信号に応じて個々の発熱
部に流す電流値もしくは発熱部に印加する電圧値の変化
により行うようにしてもよい。また、サーマルヘッドに
おいて主走査方向に配列される微小な発熱部は、所謂矩
形型でも熱集中型でもよい。
【0024】請求項1ないし11の何れか一つに記載さ
れた感熱孔版印刷装置において使用されるマスタとして
は、従来から知られた和紙等の多孔質可撓性の支持体上
に熱可塑性樹脂フィルムを重ねて一体化したものを用い
ることもできるし、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみ
からなるマスタを用いることもできるし、実質的に熱可
塑性樹脂フイルムのみからなるマスタ(その厚さが約1
〜7μm)程ではないが、特に印刷画質を向上したり環
境保護等を考慮したりする目的で、従来のマスタ(その
厚さが約40〜50μm程度)よりも厚さが薄く(厚さ
10〜30μm程度)、かつ、マスタのベースに細い合
成繊維が100%、あるいは天然繊維に細い合成繊維を
混抄したマスタ(以下、「合成繊維ベースマスタ」とい
う)も用いることができる(例えば特開平11−779
49号公報や特開平11−91227号公報等参照)。
なお、「実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなる」
マスタとは、熱可塑性樹脂フィルムのみからなるものの
他、熱可塑性樹脂フィルムに帯電防止剤等の微量成分を
含有させてなるもの、さらには熱可塑性樹脂フィルムの
両主面、すなわち表面および裏面のうち少なくとも一方
にオーバーコート層等の薄膜層を1層または複数層形成
してなるものを含む。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して実施例を含む
本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という)を説
明する。各実施形態等に亘り、同一の機能および形状等
を有する構成要素(部材や構成部品等)については、同
一符号を付すことによりその説明をできるだけ省略す
る。図において一対で構成されていて特別に区別して説
明する必要がない構成要素は、説明の簡明化を図る上か
ら、その片方を適宜記載することでその説明に代えるも
のとする。また、図および説明の簡明化を図るため、図
に表されるべき構成要素であっても、その図において特
別に説明する必要がない構成要素は適宜断わりなく省略
することがある。
【0026】まず、図2および図4を借りて、実施形態
1を適用する感熱孔版印刷装置の全体構成と孔版印刷プ
ロセスを簡単に説明する。なお、実施形態1を適用する
感熱孔版印刷装置は、後述する図4に示す実施形態1が
適用された感熱孔版印刷装置と比較して、図1および図
4において符号2で示すマイクロコンピュータ(後で詳
述する)を有していないこと、図2に示す操作パネル4
0を有していないこと、および図3に示すフローチャー
トにしたがって動作しないことなどが主に相違する。
【0027】図4を借りて示す符号50は、実施形態1
を適用する感熱孔版印刷装置の骨組みをなす装置本体フ
レームを示す。装置本体フレーム50の上部にある、符
号80で示す部分は原稿読取部を構成し、その下方の符
号90で示す部分は製版給版部、その左側に符号100
で示す部分は多孔性の印刷ドラム101が配置された印
刷ドラム部、その左の符号70で示す部分は排版部、製
版給版部90の下方の符号110で示す部分は給紙部、
印刷ドラム101の下方の符号120で示す部分は印圧
部、装置本体フレーム50の左下方の符号130で示す
部分は排紙部を、それぞれ示している。
【0028】次に、この感熱孔版印刷装置の動作につい
てその細部構成を含めて以下に説明する。先ず、ユーザ
が感熱孔版印刷装置に配設されている図示しない電源ス
イッチをオンすると、図示しない操作パネルおよびこの
感熱孔版印刷装置を制御するための図示しない制御装置
が起動可能状態となると共に、各装置部への電力供給可
能状態となる。上記電源スイッチをオンする操作に前後
して、給紙台51上に今回の印刷で使用する印刷用紙6
2が不足していたり、今回の印刷で使用する用紙種類以
外の印刷用紙62が載置・積載されたりしている場合に
は、今回の印刷で使用する用紙種類の印刷用紙62を給
紙台51上に適宜補充・積載する。
【0029】次いで、上記電源スイッチをオンする操作
に前後して、原稿読取部80の上部に配置された原稿載
置台(図示せず)に、印刷すべき画像を持った原稿60
を載置し、図2を借りて示す製版スタートキー44を押
す。この製版スタートキー44の押下に伴い、これによ
り生成された製版スタート信号が上記制御装置に入力さ
れることにより、先ず排版工程が実行される。すなわ
ち、この状態においては、ドラム部100の印刷ドラム
101の外周面に前回の印刷で使用された使用済みのマ
スタ61bが装着されたまま残っている。
【0030】印刷ドラム101が反時計回り方向に回転
し、印刷ドラム101外周面の使用済みのマスタ61b
の後端部が排版剥離ローラ対71a,71bに近づく
と、同ローラ対71a,71bは回転しつつ一方の排版
剥離ローラ71aで使用済みのマスタ61bの後端部を
すくい上げ、排版剥離ローラ対71a,71bの左方に
配設された排版コロ対73a,73bと排版剥離ローラ
対71a,71bとの間にかけ渡された排版搬送ベルト
対72a,72bで矢印Y1方向へ搬送されつつ排版ボ
ックス74内へ排出され、使用済みのマスタ61bが印
刷ドラム101の外周面から引き剥がされ排版工程が終
了する。このとき印刷ドラム101は反時計回り方向へ
の回転を続けている。剥離排出された使用済みのマスタ
61bは、その後、圧縮板75により排版ボックス74
の内部で圧縮される。
【0031】排版工程と並行して、原稿読取部80では
原稿60の画像読み取りが行われる。すなわち、図示し
ない原稿載置台に載置された原稿60は、分離ローラ8
1、前原稿搬送ローラ対82a,82bおよび後原稿搬
送ローラ対83a,83bのそれぞれの回転により矢印
Y2からY3方向に搬送されつつ露光読み取りに供され
る。このとき、原稿60が多数枚あるときは、分離ブレ
ード84の作用でその最下部の原稿のみが搬送される。
原稿60の画像読み取りは、コンタクトガラス85上を
搬送されつつ、蛍光灯86により照明された原稿60の
表面からの反射光を、ミラー87で反射させレンズ88
を通して、CCD(電荷結合素子)から成る画像センサ
89に入射させることにより行われる。すなわち、原稿
60の読み取りは、公知の縮小式の原稿読取方式で行わ
れ、その画像が読み取られた原稿60は原稿トレイ80
A上に排出される。画像センサ89で光電変換された電
気信号は、装置本体フレーム50内の図示しないアナロ
グ/デジタル(A/D)変換基板に入力されデジタル画
像信号に変換される。
【0032】一方、この画像読み取り動作と並行して、
デジタル信号化された画像情報に基づき製版および給版
工程が行われる。すなわち、製版給版部90の所定部位
にセットされたマスタ61は、ロール状に巻かれたマス
タロール61cからマスタ61の先端を繰り出し可能に
支持しているマスタ支持部材61Aのマスタロール61
cから引き出され、サーマルヘッド91にマスタ61を
介して相対的に押圧されているプラテンローラ92、お
よび送りローラ対93a,93bの回転により搬送路の
下流側に搬送される。このように搬送されるマスタ61
に対して、サーマルヘッド91にライン状に並んだ複数
個の微小な発熱部(図示せず)が、上記A/D変換基板
から送られてくるデジタル画像信号に応じて各々選択的
に発熱し、発熱した発熱部に接触しているマスタ61の
熱可塑性樹脂フィルム部分が溶融穿孔される。このよう
に、画像情報に応じたマスタ61の位置選択的な溶融穿
孔により、画像情報が穿孔パターンとして書き込まれ
る。なお、マスタ61は、多孔性支持体である和紙上に
厚さ:1.6μmの熱可塑性樹脂フィルムを貼り合わせ
た厚さ:30μmのものを用いている。
【0033】画像情報が書き込まれた製版済みのマスタ
61aの先端は、給版ローラ対94a,94bにより印
刷ドラム101の外周部側へ向かって送り出され、この
とき図示しないガイド部材により進行方向を下方へ変え
られ、図示する給版位置状態にある印刷ドラム101の
拡開したマスタクランパ102(図4に仮想線で示す)
へ向かって垂れ下がる。このとき印刷ドラム101は、
排版工程により使用済みのマスタ61bを既に除去され
ている。
【0034】そして、製版済みのマスタ61aの先端
が、一定のタイミングでマスタクランパ102によりク
ランプされると、印刷ドラム101は図中A方向(時計
回り方向)に回転しつつ外周面に製版済みのマスタ61
aを徐々に巻きつけていく。製版済みのマスタ61aの
後端部はカッタ95により一定の長さに切断される。一
版の製版済みのマスタ61aが印刷ドラム101の外周
面に巻装されると製版および給版工程が終了し、印刷工
程が開始される。先ず、給紙台51上に積載された印刷
用紙62の内の最上位の1枚が、給紙コロ111および
分離コロ対112a,112bによりレジストローラ対
113a,113bに向けて矢印Y4方向に送り出さ
れ、さらにレジストローラ対113a,113bにより
ドラム部100の回転と同期した所定のタイミングで印
圧部120に送られる。送り出された印刷用紙62が、
印刷ドラム101とこの印刷ドラム101上の製版済み
のマスタ61bに印刷用紙62を押し付ける押圧手段と
してのプレスローラ103との間にくると、印刷ドラム
101の外周面下方に離間していたプレスローラ103
が上方に移動されることにより、印刷ドラム101の外
周面に巻装された製版済みのマスタ61aに押圧され
る。こうして、印刷ドラム101の多孔部および製版済
みのマスタ61aの穿孔パターン部(共に図示せず)か
らインキが滲み出し、この滲み出たインキが印刷用紙6
2の表面に転移されて、インキ画像としての印刷画像が
形成される。
【0035】このとき、印刷ドラム101の内周側で
は、インキ供給管104からインキローラ105とドク
ターローラ106との間に形成されたインキ溜まり10
7にインキが供給され、印刷ドラム101の回転方向と
同一方向に、かつ、印刷ドラム101の回転速度と同期
して回転しながら内周面に転接するインキローラ105
により、インキが印刷ドラム101の内周側に供給され
る。なお、インキとしては、例えば黒色のW/O型のエ
マルションインキを使用している。
【0036】印圧部120において印刷画像が形成され
た印刷用紙62は、排紙部130における排紙剥離爪1
14により印刷ドラム101から剥がされ、吸着用ファ
ン118に吸引されつつ、吸着排紙入口ローラ115お
よび吸着排紙出口ローラ116に掛け渡された搬送ベル
ト117の反時計回り方向の回転により、矢印Y5のよ
うに排紙台52へ向かって搬送され、排紙台52上に順
次排出積載される。このようにしていわゆる試し刷りと
も呼ばれている版付けが終了する。
【0037】次に、図2を借りて示すテンキー42で印
刷枚数を設定・入力し、同じく図2を借りて示す印刷ス
タートキー45を押すと上記版付けと同様の工程で、給
紙、印刷および排紙の各工程が設定した印刷枚数分繰り
返して行われ、孔版印刷の全工程が終了する。 (実施形態1)図1ないし図4に実施形態1を示す。実
施形態1を適用した感熱孔版印刷装置は、上述した実施
形態1を適用する感熱孔版印刷装置と比較して、図1お
よび図4に示すマイクロコンピュータ2を有しているこ
と、図2に示す操作パネル40を有していること、およ
び図3に示すフローチャートにしたがって動作すること
が主に相違する。
【0038】操作パネル40には、印刷用紙62の種類
(以下、「用紙種類」というときがある)を設定するた
めの用紙種類設定手段としての用紙種類設定キー1と、
正規に印刷すべき印刷枚数等を設定・入力するためのテ
ンキー42と、このテンキー42の押下(オン)により
入力された印刷枚数等を表示する7セグメントのLED
(発光ダイオード)表示部43と、原稿60の画像読み
取りから版付けに至る各動作の起動を設定・入力するた
めの製版スタートキー44と、テンキー42で設定・入
力された印刷枚数の印刷動作起動を行うための印刷スタ
ートキー45と、用紙種類設定キー1で選択的に設定さ
れた用紙種類を表示するための用紙種類表示手段として
の用紙種類表示器群46等とがそれぞれ配置されてい
る。
【0039】用紙種類表示器群46は、例えばそれぞれ
LED(発光ダイオード)からなり、PPC用紙が選択
・設定されていることを表示するPPC用紙設定表示用
のPPC用紙ランプ46Aと、コート紙が選択・設定さ
れていることを表示するコート紙設定表示用のコート紙
ランプ46Bと、孔版上質紙が選択・設定されているこ
とを表示する孔版上質紙表示用の孔版上質紙ランプ46
Cとからなる。用紙種類設定キー1を1回押下するとP
PC用紙ランプ46Aが点灯し、用紙種類設定キー1を
2回押下するとコート紙ランプ46Bが点灯し、さらに
用紙種類設定キー1を3回押下すると孔版上質紙ランプ
46Cが点灯するというように、用紙種類設定キー1を
1回押下するごとに順次ランプの点灯が切り替わり、ユ
ーザが用紙種類設定キー1で選択・設定した用紙種類に
対応する印刷用紙62が選択・設定されていることを表
示するようになっている。なお、本実施形態1では、用
紙種類設定キー1で選択・設定可能な用紙種類を上記し
たようにPPC用紙、コート紙および孔版上質紙の3種
類としたが、これはあくまで一つの実施形態例であるた
めこれに限らず、4種類以上のあるいは2種類だけの用
紙種類を適宜選択・設定できるように構成してもよいこ
とは言うまでもない。
【0040】次に、図1および図4を参照して、本実施
形態1の主要な制御構成を説明する。マイクロコンピュ
ータ2は、図4に示すように、装置本体フレーム50に
おける製版給版部90の下方に配置されていて、CPU
(中央演算処理装置)、I/O(入出力)ポート、RO
M(読み出し専用メモリ)、RAM(読み書き可能なメ
モリ)およびタイマ等を備えた周知の構成を有する。マ
イクロコンピュータ2は、用紙種類設定キー1からの信
号に基づいて、サーマルヘッド91の個々の発熱部に供
給する穿孔用エネルギーを所定のエネルギーに調整する
穿孔エネルギー調整手段としての制御機能を有する。符
号3は電源を示し、この電源3はサーマルヘッド91に
マスタ61を溶融穿孔するための穿孔用エネルギーに対
応する電気エネルギーを供給する。
【0041】用紙種類設定キー1から出力された信号
は、マイクロコンピュータ2の入力ポートに入力され
る。マイクロコンピュータ2のROMには、「穿孔用エ
ネルギー調整のためのプログラム」と、用紙種類設定キ
ー1により設定された用紙種類に応じた最適な画像面積
を得るための「用紙種類と最適な大きさ(もしくは最適
径)の穿孔を形成するための穿孔用エネルギーとの関
係」が予め実験的に定められて記憶されている。
【0042】ここで、例えば特許第2756219号お
よび特許第2756224号の各特許公報に記載されて
いる基本的な技術事項である孔版印刷装置における印刷
画像濃度、穿孔用エネルギーおよびマスタ61の穿孔径
の関係等について、まとめておく。孔版印刷装置におい
ては、印刷画像濃度はマスタ61から滲み出るインキの
量により決定される。マスタ61の穿孔部分から滲み出
るインキ量は、マスタ61に形成された穿孔パターンを
構成する個々の微小な穿孔の開口面積に比例的である。
従来の技術で述べた用紙種類が異なる場合にインキが滲
む程度(マスタ61の穿孔径に対応したインキの拡が
り、つまり画像面積でもある)と印刷画像濃度とは、略
同質の内容を表すものとして捉えることができる。
【0043】したがって、印刷画像濃度の濃い印刷画像
や画像面積の大きい印刷画像は、穿孔パターンを形成す
る個々の穿孔を大きくすることにより得られ、逆に印刷
画像濃度の薄い印刷画像や画像面積の小さい印刷画像
は、穿孔パターンを形成する個々の穿孔を小さくするこ
とにより得られる。換言すれば、所望する印刷画像濃度
や画像面積の一々に応じてサーマルヘッド91の個々の
発熱部の温度に対応する穿孔用エネルギー、すなわち最
適な印刷画像を得るための穿孔パターンの穿孔の大きさ
を定めることができる。
【0044】そして、特許第2756224号の特許公
報の図2等に示されている技術事項等から、サーマルヘ
ッド91の個々の発熱部に供給する穿孔用エネルギーに
よりマスタ61に形成される穿孔パターンの1単位とし
ての穿孔の大きさ(穿孔径)を制御できる。この事情
は、発熱部が矩形型でも熱集中型でも同様である。上述
のとおり、印刷画像濃度や画像面積の一々に応じて穿孔
パターンの穿孔の大きさが定まり、一方において穿孔の
大きさは穿孔用エネルギーにより定まるから、印刷画像
濃度や画像面積と穿孔用エネルギーとの対応関係が存在
し、この対応関係は実験的に決定することができる。
【0045】穿孔用エネルギーの調整は、特許第275
6219号および特許第2756224号の各特許公報
に記載されているように、画像信号に応じてサーマルヘ
ッド91の個々の発熱部に流す電流値もしくは発熱部に
印加する電圧値の変化により行うようにしてもよいが、
この実施形態においてはサーマルヘッド91の発熱部へ
の通電パルス幅の変化により行う。すなわち、マイクロ
コンピュータ2は、用紙種類設定キー1から入力された
信号に基づき、適正な大きさの穿孔を形成できる通電パ
ルス幅を設定してサーマルヘッド91を制御する。サー
マルヘッド91は画像信号に従い、電源3からの電力供
給を受けて、マイクロコンピュータ2で設定された通電
パルス幅に従って発熱部を発熱させる。
【0046】また、マイクロコンピュータ2は、用紙種
類設定キー1から入力された信号に基づき、用紙種類表
示器群46のPPC用紙ランプ46A、コート紙ランプ
46Bまたは孔版上質紙ランプ46Cを点灯させるべく
用紙種類表示器群46を制御する機能も有する。
【0047】次に、図3を参照して動作を説明する。図
3に示すフローチャートは、本実施形態1を実施できる
程度に簡明に記載したものであり、細部の動作、例えば
ステップS7の排版・製版動作やステップS8の印刷動
作の詳細は上述した本実施形態1を適用する従来の感熱
孔版印刷装置のそれと同様であるためその説明を省略す
る。
【0048】ユーザが感熱孔版印刷装置に配設されてい
る図示しない電源スイッチをオンすると、操作パネル4
0およびマイクロコンピュータ2が起動可能状態となる
と共に、各装置部への電力供給可能状態となる。上記電
源スイッチをオンする操作に前後して、給紙台51上に
今回の印刷で使用する用紙種類の印刷用紙62が不足し
ていたり、今回の印刷で使用する用紙種類以外の印刷用
紙62が載置・積載されたりしている場合には、今回の
印刷で使用する用紙種類の印刷用紙62を給紙台51上
に適宜補充・積載する。
【0049】次いで、ステップS1において、ユーザが
用紙種類設定キー1を操作することにより、今回の印刷
で使用する用紙種類の設定を行う。また、これらの操作
に前後して、ユーザによって原稿読取部80の上記原稿
載置台に原稿60がセットされ、製版スタートキー44
が押されると、これにより生成された製版スタート信号
がマイクロコンピュータ2に入力される。これにより、
マイクロコンピュータ2は、用紙種類設定キー1から入
力された信号に基づき、すなわち用紙種類設定キー1に
より設定された用紙種類に応じて、適正な大きさの穿孔
を形成できる通電パルス幅を設定してサーマルヘッド9
1を制御することとなる(ステップS2、ステップS3
参照)。
【0050】ステップS3において、例えば、ユーザが
用紙種類設定キー1を3回押下すると、マイクロコンピ
ュータ2は孔版上質紙ランプ46Cを点灯させて、これ
により孔版上質紙が選択・設定されていることを表示す
ると共に、マイクロコンピュータ2はサーマルヘッド9
1の個々の発熱部に供給する穿孔用エネルギーを孔版上
質紙用エネルギーに設定する。つまり、孔版上質紙のよ
うなインキの滲みやすい印刷用紙62の場合には、サー
マルヘッド91の個々の発熱部に供給する電気エネルギ
ーを低くし、すなわち標準(例えばPPC用紙が選択・
設定されたとき設定される通電パルス幅)より短い通電
パルス幅を設定して通電することにより、マスタ61の
フィルム部分に形成する穿孔径を小さくして、インキの
印刷用紙62への転移量を少なくすることで滲みを小さ
くし、適正な画像面積の印刷画像を得る(ステップS
4、ステップS7、ステップS8参照)。
【0051】ステップS3において、例えば、ユーザが
用紙種類設定キー1を2回押下すると、マイクロコンピ
ュータ2はコート紙ランプ46Bを点灯させて、これに
よりコート紙が選択・設定されていることを表示すると
共に、マイクロコンピュータ2はサーマルヘッド91の
個々の発熱部に供給する穿孔用エネルギーをコート紙用
エネルギーに設定する。つまり、コート紙のようなイン
キの滲みにくい印刷用紙62の場合には、サーマルヘッ
ド91の個々の発熱部に供給する電気エネルギーを高く
し、すなわち標準より長い通電パルス幅を設定して通電
することにより、マスタ61のフィルム部分に形成する
穿孔径を大きくして、インキの印刷用紙62への転移量
を多くすることで滲みを大きくし、適正な画像面積の印
刷画像を得る(ステップS5、ステップS7、ステップ
S8参照)。
【0052】またステップS3において、例えば、ユー
ザが用紙種類設定キー1を1回押下すると、マイクロコ
ンピュータ2はPPC用紙ランプ46Aを点灯させて、
これによりPPC用紙が選択・設定されていることを表
示すると共に、マイクロコンピュータ2はサーマルヘッ
ド91の個々の発熱部に供給する穿孔用エネルギーをP
PC用紙用エネルギーに設定する。つまり、PPC用紙
のようなインキの滲み程度が孔版上質紙とコート紙との
略中間にある印刷用紙62の場合には、サーマルヘッド
91の個々の発熱部に供給する電気エネルギーを標準に
設定し、すなわち標準の通電パルス幅を設定して通電す
ることにより、マスタ61のフィルム部分に形成する穿
孔径を標準にして、インキの印刷用紙62への転移量を
標準状態とすることで滲みを孔版上質紙とコート紙との
略中間とし、適正な画像面積の印刷画像を得る(ステッ
プS6、ステップS7、ステップS8参照)。
【0053】以上説明したとおり、実施形態1によれ
ば、印刷用紙62の種類ごとにマスタ61に形成される
穿孔の大きさ(穿孔径)を調整することができるから、
印刷用紙62の種類に関わらず、その印刷用紙62に合
ったインキ量を転移することができて、適正なインキ滲
みをもった最適な画像面積の印刷画像を得ることができ
る。 (実施形態2)図5に、実施形態2の制御構成を示す。
この実施形態2は、実施形態1と比較して、図5に示す
特性値検出手段群5を新たに付設したこと、マイクロコ
ンピュータ2に代えて、図4および図5に示すマイクロ
コンピュータ2Aを有すること、および例えば特開平8
−132723号公報の段落番号(0047)〜(00
54)および図3等に記載されいると同様に黒色、赤
色、青色の多色重ね刷り印刷が可能であって、色替えが
ドラムユニットの交換により容易に行えるようになって
いることが主に相違する。
【0054】特性値検出手段群5は、インキ画像の印刷
画像濃度の濃淡に影響を与える画像濃度関係要因の特性
値を検出するためのグループを表している。以下、表1
を参照して画像濃度関係要因の特性・特性値の具体例
と、画像濃度関係要因の特性値と印刷画像濃度の濃淡と
の関係について説明する。なお、画像濃度関係要因の特
性・特性値の具体例は、何れも公知であるため、それが
記載されている技術文献を適宜引用して簡単に述べるに
留める。
【0055】実施形態1では印刷画像品質の重要な品質
特性の一つとしての画像面積(インキの滲み)の大小の
程度が、用紙種類により変動するものであることに着目
したが、画像面積(インキの滲み)に類似する品質特性
として用紙種類以外の画像濃度関係要因の特性値を挙げ
ることができる。
【0056】
【表1】
【0057】印刷画像濃度は、一般的にまた経験上か
ら、印刷用紙62に転移するインキの量の多少の程度、
換言すれば印刷画像濃度の濃淡に影響を与える画像濃度
関係要因の特性(インキの粘度、インキの温度、サーマ
ルヘッド91の温度、印刷ドラム内インキ種類等)の各
特性値の高低の程度や種類等によって変動することか
ら、これを考慮しなければならないと言える。画像濃度
関係要因の特性値(パラメータ)としては、上記した他
に、例えば複数種類のマスタを使用可能な感熱孔版印刷
装置にあってはマスタの種類や、装置本体の内部の温度
や、装置本体の内部の湿度や、感熱孔版印刷装置の放置
時間や、印刷速度あるいは押圧手段の押圧力の強弱等を
挙げることができる。実施形態2では、説明の簡明化を
図るため、画像濃度関係要因の特性値の数については次
のように限定した。
【0058】表1に示されているように、マスタ61に
形成された穿孔径を変化させないで比較した場合、イン
キの粘度については、インキの粘度が低いほど、インキ
が軟らかくて流動性が高いから、マスタ61の穿孔を通
過して印刷用紙62に転移するインキの量が多くなり、
それ故に印刷画像濃度が濃くなる。これと反対に、イン
キの粘度が高いほど、インキが硬く流動性が低いから、
マスタ61の穿孔を通過して印刷用紙62に転移するイ
ンキの量が少なくなり、それ故に印刷画像濃度が淡くな
る。上述した点に着目して、インキの粘度を検出・測定
する粘度検出手段としては、インキ粘度測定装置7を用
いている。インキ粘度測定装置7の具体例としては、例
えば、本願出願人が提案した特開平10−44577号
公報の図1および図5〜図7等に示されているインキの
粘度を検出するためのインキ粘度検出ローラ16および
インキ粘度検出モータ17等を具備した粘度検出手段2
1や図1、図16および図17等に示されている粘度検
出手段21A、あるいは図1、図7、図14および図1
9等に示されている粘度検出手段21Bが好ましく用い
られる。なお、インキの粘度の検出・測定箇所は、上記
公報の段落番号(0080)にも記載されている理由か
ら、本実施形態2では、図4においてインキがドクター
ローラ106によりインキローラ105外周面上で一定
の厚さのインキ層に計量された後に、インキ粘度検出ロ
ーラ16,16Xにより印刷ドラム101内周面にでき
るだけ近い部分のインキであるインキローラ105の外
周面上のインキ層のインキの粘度を検出・測定する構成
とた。検出したインキの粘度に係る信号は、最終的にデ
ジタル量に変換されてマイクロコンピュータ2AのCP
Uに送信されるが、以下の各特性値検出手段等でも同様
であるため、以下このような詳細説明を省略する。
【0059】インキの温度については、インキの温度が
高いほど、インキが軟らかくなって流動性が高くなるか
ら、マスタ61の穿孔を通過して印刷用紙62に転移す
るインキの量が多くなり、それ故に印刷画像濃度が濃く
なる。これと反対に、インキの温度が低いほど、印刷画
像濃度が淡くなる。上述した点に着目して、インキの温
度を検出するインキ温度検出手段としては、インキ温度
検知センサ9を用いている。インキ温度検知センサ9と
しては、サーミスタを使用しており、インキ溜まり10
7におけるインキの温度を検出する。
【0060】また、サーマルヘッド91において発熱部
において発熱した熱は、その多くがマスタ61の溶融・
穿孔に消費されるが、発熱した熱の一部はサーマルヘッ
ド91本体にも伝熱してサーマルヘッド91本体の温度
(以下、「サーマルヘッド91の温度」という)を上昇
させる。サーマルヘッド91の上記温度上昇は、一般的
にはさほど大きくはないが、サーマルヘッド91が長時
間連続動作したような場合には、ある程度の温度上昇は
避けられない。このような場合には、穿孔用エネルギー
による熱にサーマルヘッド91本体の蓄熱作用に基づく
熱が加わって、所望する穿孔の大きさよりも大きめの穿
孔が形成され、これにより印刷画像濃度が濃くなる。こ
れと反対に、サーマルヘッド91の温度が低いほど、印
刷画像濃度が淡くなる。上述した点に着目して、サーマ
ルヘッド91の温度を検出するヘッド温度検出手段とし
ては、サーミスタ11を用いている。サーミスタ11
は、サーマルヘッド91における発熱部の発熱抵抗体等
が配置されている薄膜基板の表面部分、例えばコモン電
極とリード電極との間に囲まれた発熱抵抗体中央の表面
部分に近い部位であることが望ましいが、現時点におけ
る技術ではその部分での検出は不可に近いので、ここで
は特許第2756224号の特許公報の図5等に示され
ているように、サーマルヘッド91を搭載した回路基板
であるサーマルヘッド基板上に配置されていて、サーマ
ルヘッド91の温度の検出を行う。なお、サーミスタ1
1の配置箇所は、サーマルヘッド基板に限らず、アルミ
放熱板の内部に設けてもよい。
【0061】次に、印刷ドラム101内のインキの種類
を検出する印刷ドラム内インキ種類検出手段について説
明する。この感熱孔版印刷装置では、説明の簡明化のた
めに、特開平8−132723号公報の図3に示されて
いると同様に、3種類のインキ:インキAk(赤色),
Bk(青色),Ck(黒色)について色替えを行い、多
色印刷を行うものとする。インキAk(赤色),Bk
(青色),Ck(黒色)は、特開平8−132723号
公報の段落番号(0029)〜(0033)に記載され
ているとおり、そのインキの含有成分である顔料の組成
及び量により各々流動性が異なる。これら印刷ドラムの
内の3種類のインキAk(赤色),Bk(青色),Ck
(黒色)のインキの流動性を、直接的にインキ粘度測定
装置7でも測定することができるが、ここでは印刷ドラ
ム内インキ種類検出手段としてのホール素子センサ群1
3による間接的計測手段を用いることで説明する。上記
の各インキはW/O型のエマルションインキである。
【0062】ホール素子センサ群13は、印刷ドラム内
インキ種類検出手段としての機能を有し、特開平8−1
32723号公報の段落番号(0051)〜(005
4)および図3に記載されているように、色替え可能な
3個のドラムユニットのそれぞれ異なる位置に取り付け
られた3個のマグネット30,31,32と、装置本体
側において各マグネット30,31,32に対向する位
置に配設された3個のホール素子センサ21,22,2
3からなるホール素子センサ群20と同様であるため、
これ以上の説明を省略する。
【0063】印刷ドラム101内のインキの種類が異な
るとインキの流動性等の影響により、マスタ61に形成
された穿孔もしくは穿孔パターンから滲み出るインキの
量が異なってくることは、特開平8−132723号公
報の図6にも示されているとおりである。すなわち、イ
ンキAk(赤色)、インキBk(青色)、インキCk
(黒色)は、各々固有のインキの流動性の値(フロー
値)をもっていて、そのインキの流動性の大きさはイン
キCk(黒色)>インキAk(赤色)>インキBk(青
色)という順になっている。それ故に、マスタ61から
滲み出るインキ量は、穿孔の大きさおよびそのインキの
種類ごとのインキの流動性に略比例的(インキの粘度に
対しては略反比例的)であると言え、上述したことか
ら、インキの流動性の大きさの順に、すなわち印刷画像
濃度はインキCk(黒色)>インキAk(赤色)>イン
キBk(青色)という順に濃い方から淡い方へと推移す
る。
【0064】ここで、表1には表されていない他の画像
濃度関係要因の特性・特性値(装置本体の内部の温度、
装置本体の内部の湿度、感熱孔版印刷装置の放置時間、
印刷速度等)についても、言及しておく。
【0065】装置本体の内部の温度については、その温
度が高いほど、インキが軟らかくなって流動性が高くな
るから印刷用紙62に転移するインキの量が多くなり、
それ故に印刷画像濃度が濃くなる。これと反対に、本体
の内部の温度が低いほど、印刷画像濃度が淡くなる。上
述した点に着目すると、装置本体の内部の温度を検出す
る温度検出手段としては、サーミスタ等の温度センサを
用いることが好ましい。この温度センサは、装置本体フ
レーム50の内部の印刷ドラム101近傍に配置すると
よい。
【0066】装置本体の内部の湿度については、その湿
度が高いほど、インキが軟らかくなって流動性が高くな
るから印刷用紙62に転移するインキの量が多くなり、
それ故に印刷画像濃度が濃くなる。これと反対に、装置
本体の内部の湿度が低いほど、印刷画像濃度が淡くな
る。感熱孔版印刷装置の放置時間については、感熱孔版
印刷装置に使用されているインキの種類によっても特有
の傾向があるが、本実施形態2の感熱孔版印刷装置のよ
うにエマルションインキを用いている場合には、次のよ
うである。すなわち、感熱孔版印刷装置の放置時間が長
いほど、その初めのうちはエマルションインキに含まれ
ている水分が蒸発して、印刷ドラム101を構成してい
る上記メッシュスクリーンおよび上記支持円筒体等に含
まれている有効なインキの残量が少なくなるため印刷画
像濃度が濃くなるが、途中からはインキを構成する水分
とインキを含む油成分との分離が促進されてインキが軟
らかくなるため、印刷画像濃度が淡く(薄く)なる。こ
れと反対に、感熱孔版印刷装置の放置時間が短いほど、
印刷画像濃度が濃くなる。
【0067】上述した点に着目すると、感熱孔版印刷装
置の放置時間を計時する放置時間計時手段としては、マ
イクロコンピュータ2Aを構成しているタイマを用いる
ことが好ましい。上記タイマは、感熱孔版印刷装置の使
用を終了するときに操作する上記電源スイッチのオフ時
から、次に感熱孔版印刷装置の使用を開始するときに操
作する上記電源スイッチのオン時までの時間を計時し、
この放置時間をマイクロコンピュータ2Aを構成するバ
ックアップ電源を備えたRAMに記憶させるとよい。
【0068】印刷速度については、印刷速度が遅いほ
ど、印刷ドラム101上の製版済みのマスタ61に印刷
用紙62が押圧される時間が長くなって、印刷用紙62
に転移するインキの量が多くなるから、印刷画像濃度は
濃くなる。これと反対に、印刷速度が速くなるほど、印
刷ドラム101上の製版済みのマスタ61に印刷用紙6
2が押圧される時間が短くなって、印刷用紙62に転移
するインキの量が少なくなるから、印刷画像濃度は淡く
なる。上述した点に着目すると、印刷ドラム101の回
転速度でもある印刷速度を検出する印刷速度検出手段と
しては、印刷ドラム101を回転駆動するメインモータ
等に配設されたエンコーダセンサ等を用いるとよい。
【0069】表1に示した上記各画像濃度関係要因の特
性値の高低等の程度と印刷画像濃度の濃淡との関係につ
いては、表1の上欄に記載されている各画像濃度関係要
因の特性・特性値の一つのみに着目したとき、すなわち
他の画像濃度関係要因の特性・特性値が例えば標準状態
等の予め決められた状態にあって変動しない状態にある
という前提条件で定性的に表しているものである。換言
すれば、表1は個々の画像濃度関係要因の特性・特性値
の高低等の程度と印刷画像濃度の濃淡との関係を定性的
に表しているものであって、本実施形態2における全て
の画像濃度関係要因の特性・特性値の組み合わせ、すな
わちインキの粘度、インキの温度、装置本体の内部の温
度、装置本体の内部の湿度、感熱孔版印刷装置の放置時
間および印刷速度の組み合わせた状態に対する印刷画像
濃度の濃淡の関係を表しているものではないが、結果的
には個々の画像濃度関係要因の特性値に対するものと略
同様の傾向となっている。全ての画像濃度関係要因の特
性値を組み合わせたものに対する印刷画像濃度の濃淡の
程度は、実験等により具体的に求めらてマイクロコンピ
ュータ2AのROMに予めデータテーブルとして記憶さ
れるが、このデータテーブルは膨大なデータ量となるた
めその記載を省略した。
【0070】上述したとおり、画像濃度関係要因の特性
・特性値の中でも、取り分け、上述した箇所のインキの
粘度は、印刷画像濃度に直接的に影響を及ぼす特性値
(パラメータ)とも考えられるから、画像濃度関係要因
の他の特性・特性値である、インキの温度、印刷ドラム
内インキ種類、装置本体の内部の温度、装置本体の内部
の湿度や感熱孔版印刷装置の放置時間等をも既に取り込
んでいると見ることもできる。したがって、インキ粘度
測定装置7は、上述した箇所のインキの粘度を直接的に
検出・測定するものと見なされるから、インキ温度検知
センサ9、上記温度センサ、上記湿度センサおよび放置
時間計時手段としての上記タイマ等を必ずしも併せて配
設する必要はなく、制御構成の部品点数を減らして簡素
化を図りたいのであればインキ粘度測定装置7のみを配
設して構成しても構わない。図5に示した本実施形態2
の制御構成では、より一層木目の細かな制御を行うため
に、インキ粘度測定装置7の他に、例示的に、インキ温
度検知センサ9、ホール素子センサ群13を配設した。
【0071】マイクロコンピュータ2Aは、用紙種類設
定キー1および特性値検出手段群5からの各信号に基づ
いて、サーマルヘッド91の個々の発熱部に供給する穿
孔用エネルギーを所定のエネルギーに調整する穿孔エネ
ルギー調整手段としての制御機能を有する。より具体的
には、マイクロコンピュータ2Aは、用紙種類設定キー
1および特性値検出手段群5から入力された各信号に基
づき、適正な大きさの穿孔を形成できる通電パルス幅を
設定してサーマルヘッド91を制御する。サーマルヘッ
ド91は画像信号に従い、電源3からの電力供給を受け
て、マイクロコンピュータ2Aで設定された通電パルス
幅に従って発熱部を発熱させる。
【0072】マイクロコンピュータ2Aの構成につい
て、実施形態1のマイクロコンピュータ2と相違する点
のみを述べる。特性値検出手段群5から出力された各信
号は、マイクロコンピュータ2Aの入力ポートに入力さ
れる。マイクロコンピュータ2AのROMには、「穿孔
用エネルギー調整のためのプログラム」と、用紙種類設
定キー1により設定された用紙種類および特性値検出手
段群5により検出された各特性値に応じた最適な画像面
積を得るための「用紙種類および各特性値の組み合わせ
たものと最適な大きさ(もしくは最適径)の穿孔を形成
するための穿孔用エネルギーとの関係」が予め実験的に
定められて記憶されている。
【0073】次に、図3を借りて、実施形態1と相違す
る点を中心に実施形態2の動作を説明する。実施形態2
の動作は、実施形態1の動作と比較して、特性値検出手
段群5により各特性値を検出する動作が、用紙種類を設
定した直後(図3のステップS1参照)に行われること
が主に相違する。
【0074】ユーザが前記電源スイッチをオンした後、
図3のステップS1において、上述したと同様に今回の
印刷で使用する用紙種類の設定を用紙種類設定キー1で
行い、用紙種類設定キー1で設定された用紙種類選択に
係る信号がマイクロコンピュータ2Aに入力されると同
時に、特性値検出手段群5により各特性値を検出する動
作が自動的に行われる。すなわち、インキ粘度測定装置
7によりインキローラ105の外周面上のインキ層のイ
ンキの粘度が検出・測定され、そのデータ信号がマイク
ロコンピュータ2AのCPUへ送信される。また、イン
キ温度検知センサ9によりインキ溜まり107における
インキの温度が、ホール素子センサ群13により今使用
している印刷ドラム内インキ種類が、サーミスタ11に
よりサーマルヘッド91の温度がそれぞれ検出されて、
それらのデータ信号がマイクロコンピュータ2AのCP
Uへそれぞれ送信される。
【0075】なお、インキの粘度の検出時機は、通常印
刷時の実際のインキの粘度を検出すべくこれに近づける
ために、給版動作終了後において版胴1が版付け印刷の
ために時計回り方向に回転し始めた後に行うことが望ま
しいが、本実施形態2では製版時に使用する通電パルス
幅(穿孔用エネルギー)等の製版条件を既に設定してお
かなければならないから、用紙種類の設定直後におい
て、印刷ドラム101を空転させると共にインキローラ
105等を回転させることでインキ溜まり107のイン
キを混練させた状態にして、インキの粘度の検出を行う
ようにした。FPT(ファースト・プリントタイム:製
版スタートキー44を押下してから最初の1枚目の印刷
物を得るまでの時間)の短縮化をそれ程考慮する必要が
ない場合には、例えば製版スタートキー44の押下直後
に、印刷ドラム101を空転させると共にインキローラ
105等を回転させることでインキ溜まり107のイン
キを混練させた状態にして、インキの粘度の検出を行っ
てもよい。
【0076】上述したようにして得られた、用紙種類、
インキの粘度データ、インキの温度データ、サーマルヘ
ッド91の温度データ、印刷ドラム内インキ種類データ
に基づいて、マイクロコンピュータ2Aは、ROMに記
憶されているデータテーブルを参照して、選択・設定さ
れた用紙種類および特性値検出手段群5により検出され
た上記各特性値に応じた適正な大きさの穿孔を形成でき
る通電パルス幅を設定してサーマルヘッド91を制御す
る。サーマルヘッド91は画像信号に従い、電源3から
の電力供給を受けて、マイクロコンピュータ2Aで設定
された通電パルス幅に従って発熱部を発熱させることと
なる。
【0077】ここで、図3のステップS3およびステッ
プS4を借りて説明すると、マイクロコンピュータ2A
は、孔版上質紙というデータの他に特性値検出手段群5
により検出された上記各特性値データの高低等の程度も
加味して、つまりROMに記憶されているデータテーブ
ルを参照して、サーマルヘッド91の個々の発熱部に供
給する穿孔用エネルギーを設定する。実施形態1で例示
したように、孔版上質紙のようなインキの滲みやすい印
刷用紙62の場合には、サーマルヘッド91の個々の発
熱部に供給する電気エネルギーを低くし、すなわち標準
(例えばPPC用紙が選択・設定されたとき設定される
通電パルス幅)より短い通電パルス幅を設定して通電す
ることにより、マスタ61のフィルム部分に形成する穿
孔径を小さくすることになるが、このとき、例えば環境
温度が非常に高くてインキの温度が高く、印刷ドラム内
インキ種類として流動性の大きい(インキの粘度の低
い)例えばインキCkが選択されていて、インキの粘度
が非常に低くなっていて、かつ、連続製版した後であっ
てサーマルヘッド91の温度が高いような極端な印刷・
製版条件の下では、穿孔径を小さくしてもサーマルヘッ
ド91の昇温による蓄熱により所望するほど穿孔径が小
さくならず、また印刷時のインキの流動性大によりイン
キの印刷用紙62への転移量が多くなることで、結果的
に滲みが大きくなってしまい、適正な画像面積の印刷画
像を得ることができなくなってしまう。
【0078】したがって、ここでは用紙種類として選択
・設定された孔版上質紙というデータの他に、特性値検
出手段群5により検出された上記各特性値データに具現
されている印刷・製版条件をも加味して、サーマルヘッ
ド91の個々の発熱部に供給する穿孔用エネルギーとし
ての通電パルス幅を設定するのである。
【0079】以下、図3のステップS3およびステップ
S5、図3のステップS3およびステップS6を借りて
説明する場合においても、上述したと同様の技術思想に
基づき容易に実施できるので、これ以上の詳細説明を省
略する。
【0080】以上説明したとおり、実施形態2によれ
ば、印刷用紙62の種類の他に、印刷画像濃度に影響を
与える画像濃度関係要因の特性値を加味して、マスタ6
1に形成される穿孔の大きさ(穿孔径)をより木目細か
く調整することができるから、印刷用紙62の種類およ
び画像濃度関係要因の特性値(製版条件や印刷条件等)
の如何に関わらず、その印刷用紙62に合うと共に画像
濃度関係要因の特性値も考慮されたインキ量を転移する
ことができて、適正なインキ滲みをもった最適な画像面
積の印刷画像を得ることができる。
【0081】なお、実施形態2のような木目の細かい穿
孔用エネルギーの調整・制御を望まなくてもよいのであ
れば、特性値検出手段群5を構成する全ての特性値検出
手段を配設する必要はなく、特性値検出手段を一つ配設
し、マイクロコンピュータ2Aはその特性値検出手段お
よび用紙種類設定キー1からの各信号に基づいて、サー
マルヘッド91の個々の発熱部に供給する穿孔用エネル
ギーを所定のエネルギーに調整するようにしてもよい
(請求項2〜6参照)。また、これに限らず、マイクロ
コンピュータ2Aは、用紙種類設定キー1および少なく
とも二つ以上の特性値検出手段からの各信号に基づい
て、サーマルヘッド91の個々の発熱部に供給する穿孔
用エネルギーを所定のエネルギーに調整するようにして
もよい(請求項7参照)。 (実施形態3)図6および図7を参照して、実施形態3
を説明する。この実施形態3は、実施形態1と比較し
て、操作パネル40に代えて、図6および図7に示すよ
うに用紙種類設定キー1の他に、印刷濃度設定キー20
およびインキ種類設定キー22を有する操作パネル40
Bを有すること、マイクロコンピュータ2に代えて、図
4および図6に示すマイクロコンピュータ2Bを有する
こと、および例えば特開平8−132723号公報の段
落番号(0047)〜(0054)および図3等に記載
されいると同様に黒色、赤色、青色の多色重ね刷り印刷
が可能であって、色替えがドラムユニットの交換により
容易に行えるようになっていることが主に相違する。な
お、印刷濃度設定キー20およびインキ種類設定キー2
2は、何れも公知であるため簡単に述べるに留める。
【0082】印刷濃度設定キー20は、インキ画像の印
刷画像濃度の濃淡に影響を与える画像濃度関係要因の特
性値を設定するための特性値設定手段の一例であり、印
刷濃度設定手段としての機能を有する。印刷濃度設定キ
ー20は、操作パネル40Bの所定部位に2個のキーで
印刷濃度を設定できるように配置されている。印刷濃度
設定キー20の近傍には、説明の便宜上から括弧内丸付
き数字ないしを併記した、印刷濃度の程度を表示す
るための5個のLED(発光ダイオード)からなる濃度
表示器群21が配置されている。印刷濃度設定キー20
により設定された印刷濃度設定値の出力は、印刷濃度の
薄いから順に標準濃度のおよび印刷濃度の濃いの
5段階の濃度表示器群21に表示される。
【0083】インキ種類設定キー22は、インキ画像の
印刷画像濃度の濃淡に影響を与える画像濃度関係要因の
特性値を設定するための特性値設定手段の一例であり、
印刷ドラムの内のインキの種類を設定するための印刷ド
ラム内インキ種類設定手段としての機能を有する。イン
キ種類設定キー22は、ユーザ等が印刷ドラムの内のイ
ンキの種類を予め知っていてそのインキの種類を設定す
るためのものである。
【0084】インキ種類設定キー22の近傍には、イン
キ種類設定キー22で選択的に設定された印刷ドラム内
インキ種類を表示するための3個のLEDからなるイン
キ種類表示器群23が配置されている。インキ種類表示
器群23は、実施形態2と同様の流動性の値がそれぞれ
異なる3種類のインキCk(黒色)、インキBk(青
色)、インキAk(赤色)に対応して配設されてる。イ
ンキ種類表示器23aは、黒色インキに対応するドラム
ユニットが選択されていることを、インキ種類表示器2
3bは、赤色インキに対応するドラムユニットが選択さ
れていることを、インキ種類表示器23cは、青色イン
キに対応するドラムユニットが選択されていることをそ
れぞれ表示する。インキ種類設定キー22を1回押下す
るとインキ種類表示器23aが点灯し、インキ種類設定
キー22を2回押下するとインキ種類表示器23bが点
灯するというように、インキ種類設定キー22を1回押
下するごとに順次インキ種類表示器の点灯が切り替わ
り、ユーザが設定した印刷ドラム内インキ種類に対応す
るドラムユニットが選択されていることを表示するよう
になっている。
【0085】マイクロコンピュータ2Bは、用紙種類設
定キー1、印刷濃度設定キー20およびインキ種類設定
キー22からの各信号に基づいて、サーマルヘッド91
の個々の発熱部に供給する穿孔用エネルギーを所定のエ
ネルギーに調整する穿孔エネルギー調整手段としての制
御機能を有する。より具体的には、マイクロコンピュー
タ2Bは、用紙種類設定キー1、印刷濃度設定キー20
およびインキ種類設定キー22から入力された各信号に
基づき、適正な大きさの穿孔を形成できる通電パルス幅
を設定してサーマルヘッド91を制御する。サーマルヘ
ッド91は画像信号に従い、電源3からの電力供給を受
けて、マイクロコンピュータ2Bで設定された通電パル
ス幅に従って発熱部を発熱させる。
【0086】マイクロコンピュータ2Bの構成につい
て、実施形態1のマイクロコンピュータ2と相違する点
のみを述べる。印刷濃度設定キー20およびインキ種類
設定キー22から出力された各信号は、マイクロコンピ
ュータ2Bの入力ポートに入力される。マイクロコンピ
ュータ2BのROMには、「穿孔用エネルギー調整のた
めのプログラム」と、用紙種類設定キー1により設定さ
れた用紙種類、印刷濃度設定キー20により設定された
印刷濃度およびインキ種類設定キー22により設定され
た印刷ドラム内インキ種類に応じた最適な画像面積を得
るための「用紙種類、印刷濃度および印刷ドラム内イン
キ種類の組み合わせたものと最適な大きさ(もしくは最
適径)の穿孔を形成するための穿孔用エネルギーとの関
係」が予め実験的に定められて記憶されている。
【0087】次に、図3を借りて、実施形態1と相違す
る点を中心に実施形態3の動作を説明する。実施形態3
の動作は、実施形態1の動作と比較して、印刷濃度設定
キー20で印刷画像濃度値を設定する操作およびインキ
種類設定キー22で印刷ドラム101の内のインキ種類
を設定する操作が、用紙種類を設定した直後または直前
(図3のステップS1参照)に行われることが主に相違
する。ユーザが予め知っていて所望する印刷ドラム内イ
ンキ種類をインキ種類設定キー22で、ユーザが所望す
る印刷画像濃度値を印刷濃度設定キー20でそれぞれ入
力すると、その印刷画像濃度設定信号および印刷ドラム
内インキ種類信号がマイクロコンピュータ2Bにそれぞ
れ入力されると共に、その印刷画像濃度値に対応した濃
度表示器およびその印刷ドラム内インキ種類に対応した
インキ種類表示器がそれぞれ点灯する。
【0088】実施形態3において、設定された用紙種
類、設定され印刷画像濃度および設定された印刷ドラム
内インキ種類に応じて穿孔用エネルギーを調整するプロ
セスは、実施形態1、2等から類推して容易に実施でき
るためその説明を省略する。したがって、実施形態3に
よれば、印刷用紙62の種類の他に、印刷画像濃度に影
響を与える画像濃度関係要因の特性値を加味して、マス
タ61に形成される穿孔の大きさ(穿孔径)をより木目
細かく調整することができるから、印刷用紙62の種類
および画像濃度関係要因の特性値(印刷条件等)の如何
に関わらず、その印刷用紙62に合うと共に画像濃度関
係要因の特性値も考慮されたインキ量を転移することが
できて、適正なインキ滲みをもった最適な画像面積の印
刷画像を得ることができる。
【0089】なお、実施形態3のような木目の細かい穿
孔用エネルギーの調整・制御を望まなくてもよいのであ
れば、印刷濃度設定キー20およびインキ種類設定キー
22の両方を配設する必要はなく、印刷濃度設定キー2
0およびインキ種類設定キー22のうちの何れか一方を
配設し、マイクロコンピュータ2Bは印刷濃度設定キー
20またはインキ種類設定キー22および用紙種類設定
キー1からの各信号に基づいて、サーマルヘッド91の
個々の発熱部に供給する穿孔用エネルギーを所定のエネ
ルギーに調整するようにしてもよい(請求項9,10参
照)。また、これに限らず、マイクロコンピュータ2B
は、用紙種類設定キー1および少なくとも二つ以上の特
性値設定手段からの各信号に基づいて、サーマルヘッド
91の個々の発熱部に供給する穿孔用エネルギーを所定
のエネルギーに調整するようにしてもよい(請求項11
参照)。
【0090】以上述べたとおり、本発明を実施例を含む
特定の実施形態等について説明したが、本発明は上述し
た実施形態等に限定されるものではなく、例えば以下に
説明するように例えば実施形態1および2を適宜組み合
わせて構成した技術構成等であってもよく、本発明の範
囲内において、その必要性および用途等に応じて種々の
実施形態や実施例を構成し得ることは当業者ならば明ら
かである。本発明は、上記した請求項記載の発明に限定
されず、次のような技術構成であってもよい。第1の技
術構成は、熱可塑性樹脂フィルムを有するマスタにサー
マルヘッドを接触させ、画像信号に応じて上記サーマル
ヘッドの発熱部を発熱させて上記熱可塑性樹脂フィルム
を位置選択的に溶融穿孔して上記画像信号に応じた穿孔
パターンを得、このマスタを印刷ドラムの外周面に巻装
し、上記印刷ドラム上の上記マスタにインキを供給し、
上記インキにより上記画像信号に応じたインキ画像を印
刷用紙上に形成する感熱孔版印刷装置において、上記印
刷用紙の種類を設定するための用紙種類設定手段と、上
記インキ画像の印刷画像濃度に影響を与える画像濃度関
係要因の特性値を検出するための特性値検出手段と、上
記インキ画像の印刷画像濃度に影響を与える画像濃度関
係要因の特性値を設定するための特性値設定手段と、上
記用紙種類設定手段、上記特性値検出手段および上記特
性値設定手段からの各信号に基づいて、上記サーマルヘ
ッドの個々の発熱部に供給する穿孔用エネルギーを所定
のエネルギーに調整する穿孔エネルギー調整手段とを有
することを特徴とするものである。
【0091】第2の技術構成は、上記特性値検出手段
が、上記インキの粘度を検出する粘度検出手段、上記イ
ンキの温度を検出するインキ温度検出手段、上記サーマ
ルヘッドの温度を検出するヘッド温度検出手段、上記印
刷ドラムの内のインキの種類を検出する印刷ドラム内イ
ンキ種類検出手段、上記感熱孔版印刷装置本体の内部お
よび外部の温度のうちの少なくとも一方の温度を検出す
る温度検出手段、上記感熱孔版印刷装置本体の内部およ
び外部の湿度のうちの少なくとも一方の湿度を検出する
湿度検出手段、上記印刷ドラムの回転速度を検出する印
刷速度検出手段、および上記感熱孔版印刷装置の放置時
間を計時する放置時間計時手段のうちの何れか1つ、ま
たは少なくとも二つ以上の上記特性値検出手段の組み合
わせからなり、上記特性値設定手段が、上記インキ画像
の印刷画像濃度を設定するための印刷画像濃度設定手
段、上記印刷ドラムの内のインキの種類を設定するため
の印刷ドラム内インキ種類設定手段、および上記印刷ド
ラムの回転速度を設定するための印刷速度設定手段のう
ちの何れか1つ、または少なくとも二つ以上の上記特性
値設定手段の組み合わせからなることを特徴とするもの
である。
【0092】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、上
述したような従来装置の有する諸問題点を解決して新規
な感熱孔版印刷装置を提供することができる。請求項ご
との効果を挙げれば次のとおりである。請求項1記載の
発明によれば、印刷用紙の種類を設定するための用紙種
類設定手段からの信号に基づいて、サーマルヘッドの個
々の発熱部に供給する穿孔用エネルギーを所定のエネル
ギーに調整する穿孔エネルギー調整手段を有することに
より、印刷用紙の種類ごとにマスタに形成される穿孔の
大きさを調整することができるから、印刷用紙の種類に
関わらず、その印刷用紙に合ったインキ量を転移するこ
とができ、適正なインキ滲みをもった最適な画像面積の
印刷画像を得ることができる。
【0093】請求項2記載の発明によれば、印刷用紙の
種類を設定するための用紙種類設定手段およびインキ画
像の印刷画像濃度に影響を与える画像濃度関係要因の特
性値を検出するための特性値検出手段からの各信号に基
づいて、サーマルヘッドの個々の発熱部に供給する穿孔
用エネルギーを所定のエネルギーに調整する穿孔エネル
ギー調整手段を有することにより、印刷用紙の種類の他
に、画像濃度関係要因の特性値も加味して、マスタに形
成される穿孔の大きさをより木目細かく調整することが
できるから、印刷用紙の種類および画像濃度関係要因の
特性値の如何に関わらず、その印刷用紙に合うと共に画
像濃度関係要因の特性値も考慮されたインキ量を転移す
ることができ、適正なインキ滲みをもった最適な画像面
積の印刷画像を得ることができる。
【0094】請求項3記載の発明によれば、特性値検出
手段は、インキの粘度を検出する粘度検出手段からなる
ことにより、インキの粘度の高低に関わらず、請求項2
記載の発明の効果を奏する。請求項4記載の発明によれ
ば、特性値検出手段は、インキの温度を検出するインキ
温度検出手段からなることにより、インキの温度の高低
に関わらず、請求項2記載の発明の効果を奏する。
【0095】請求項5記載の発明によれば、特性値検出
手段は、サーマルヘッドの温度を検出するヘッド温度検
出手段からなることにより、サーマルヘッドの温度の高
低に関わらず、請求項2記載の発明の効果を奏する。
【0096】請求項6記載の発明によれば、特性値検出
手段は、印刷ドラムの内のインキの種類を検出する印刷
ドラム内インキ種類検出手段からなることにより、印刷
ドラムの内のインキの種類に関わらず、請求項2記載の
発明の効果を奏する。
【0097】請求項7記載の発明によれば、穿孔エネル
ギー調整手段は、印刷用紙の種類を設定するための用紙
種類設定手段および少なくとも二つ以上の特性値検出手
段からの各信号に基づいて、サーマルヘッドの個々の発
熱部に供給する穿孔用エネルギーを所定のエネルギーに
調整することにより、少なくとも二つ以上の画像濃度関
係要因の特性値の如何に関わらず、請求項2ないし6の
何れか一つに記載の発明の効果を奏する。
【0098】請求項8記載の発明によれば、印刷用紙の
種類を設定するための用紙種類設定手段およびインキ画
像の印刷画像濃度に影響を与える画像濃度関係要因の特
性値を設定するための特性値設定手段からの各信号に基
づいて、サーマルヘッドの個々の発熱部に供給する穿孔
用エネルギーを所定のエネルギーに調整する穿孔エネル
ギー調整手段を有することにより、印刷用紙の種類の他
に、画像濃度関係要因の特性値も加味して、マスタに形
成される穿孔の大きさをより木目細かく調整することが
できるから、印刷用紙の種類および画像濃度関係要因の
特性値の如何に関わらず、その印刷用紙に合うと共に画
像濃度関係要因の特性値も考慮されたインキ量を転移す
ることができ、適正なインキ滲みをもった最適な画像面
積の印刷画像を得ることができる。
【0099】請求項9記載の発明によれば、特性値設定
手段は、インキ画像の印刷画像濃度を設定するための印
刷画像濃度設定手段からなることにより、印刷画像濃度
設定手段により設定された印刷画像濃度の如何に関わら
ず、請求項8記載の発明の効果を奏する。
【0100】請求項10記載の発明によれば、特性値設
定手段は、印刷ドラムの内のインキの種類を設定するた
めの印刷ドラム内インキ種類設定手段からなることによ
り、印刷ドラム内インキ種類設定手段により設定された
印刷ドラムの内のインキの種類に関わらず、請求項8記
載の発明の効果を奏する。
【0101】請求項11記載の発明によれば、穿孔エネ
ルギー調整手段は、少なくとも二つ以上の特性値設定手
段からの各信号に基づいて、サーマルヘッドの個々の発
熱部に供給する穿孔用エネルギーを所定のエネルギーに
調整することにより、少なくとも二つ以上の画像濃度関
係要因の特性値の如何に関わらず、請求項8,9または
10記載の発明の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の制御構成を示すブロック
図である。
【図2】実施形態1の操作パネルの平面図である。
【図3】実施形態1の要部の動作順序を示すフローチャ
ートである。
【図4】実施形態1,2,3が適用された感熱孔版印刷
装置の構成図である。
【図5】実施形態2の制御構成を示すブロック図であ
る。
【図6】実施形態3の制御構成を示すブロック図であ
る。
【図7】実施形態3の操作パネルの平面図である。
【図8】従来の感熱孔版印刷装置の有する問題点を説明
する図であって、(A)はマスタに形成された穿孔状態
を示す製版済みのマスタの平面図であり、(B)の
(a)は(A)のマスタを使用して適正滲みの印刷用紙
へ印刷した印刷結果を、(B)の(b)は(A)のマス
タを使用して滲みにくい印刷用紙へ印刷した印刷結果
を、(B)の(c)は(A)のマスタを使用して滲みや
すい印刷用紙へ印刷した印刷結果をそれぞれ示す印刷済
みの用紙の平面図である。
【符号の説明】
1 用紙種類設定手段としての用紙種類設定キー 2,2A,2B 穿孔エネルギー調整手段としてのマイ
クロコンピュータ 5 特性値検出手段群 7 粘度検出手段としてのインキ粘度測定装置 9 インキ温度検出手段としてのインキ温度検知セン
サ 11 ヘッド温度検出手段としてのサーミスタ 13 印刷ドラム内インキ種類検出手段としてのホール
素子センサ群 20 印刷画像濃度設定手段としての印刷濃度設定キー 22 印刷ドラム内インキ種類設定手段としてのインキ
種類設定キー 40,40B 操作パネル 61 マスタ 61B マスタに形成された穿孔 62 印刷用紙 91 サーマルヘッド 101 印刷ドラム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C066 CA01 CA02 CA05 CA14 CZ08 2H084 AA13 AE05 AE06 AE07 AE10 BB01 BB13 CC09

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂フィルムを有するマスタにサ
    ーマルヘッドを接触させ、画像信号に応じて上記サーマ
    ルヘッドの発熱部を発熱させて上記熱可塑性樹脂フィル
    ムを位置選択的に溶融穿孔して上記画像信号に応じた穿
    孔パターンを得、このマスタを印刷ドラムの外周面に巻
    装し、上記印刷ドラム上の上記マスタにインキを供給
    し、上記インキにより上記画像信号に応じたインキ画像
    を印刷用紙上に形成する感熱孔版印刷装置において、 上記印刷用紙の種類を設定するための用紙種類設定手段
    と、 上記用紙種類設定手段からの信号に基づいて、上記サー
    マルヘッドの個々の発熱部に供給する穿孔用エネルギー
    を所定のエネルギーに調整する穿孔エネルギー調整手段
    と、 を有することを特徴とする感熱孔版印刷装置。
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂フィルムを有するマスタにサ
    ーマルヘッドを接触させ、画像信号に応じて上記サーマ
    ルヘッドの発熱部を発熱させて上記熱可塑性樹脂フィル
    ムを位置選択的に溶融穿孔して上記画像信号に応じた穿
    孔パターンを得、このマスタを印刷ドラムの外周面に巻
    装し、上記印刷ドラム上の上記マスタにインキを供給
    し、上記インキにより上記画像信号に応じたインキ画像
    を印刷用紙上に形成する感熱孔版印刷装置において、 上記印刷用紙の種類を設定するための用紙種類設定手段
    と、 上記インキ画像の印刷画像濃度に影響を与える画像濃度
    関係要因の特性値を検出するための特性値検出手段と、 上記用紙種類設定手段および上記特性値検出手段からの
    各信号に基づいて、上記サーマルヘッドの個々の発熱部
    に供給する穿孔用エネルギーを所定のエネルギーに調整
    する穿孔エネルギー調整手段と、 を有することを特徴とする感熱孔版印刷装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の感熱孔版印刷装置におい
    て、 上記画像濃度関係要因の特性値が、上記インキの粘度で
    あり、 上記特性値検出手段は、上記インキの粘度を検出する粘
    度検出手段からなることを特徴とする感熱孔版印刷装
    置。
  4. 【請求項4】請求項2記載の感熱孔版印刷装置におい
    て、 上記画像濃度関係要因の特性値が、上記インキの温度で
    あり、 上記特性値検出手段は、上記インキの温度を検出するイ
    ンキ温度検出手段からなることを特徴とする感熱孔版印
    刷装置。
  5. 【請求項5】請求項2記載の感熱孔版印刷装置におい
    て、 上記画像濃度関係要因の特性値が、上記サーマルヘッド
    の温度であり、 上記特性値検出手段は、上記サーマルヘッドの温度を検
    出するヘッド温度検出手段からなることを特徴とする感
    熱孔版印刷装置。
  6. 【請求項6】請求項2記載の感熱孔版印刷装置におい
    て、 上記画像濃度関係要因の特性値が、上記印刷ドラムの内
    のインキの種類であり、上記特性値検出手段は、上記印
    刷ドラムの内のインキの種類を検出する印刷ドラム内イ
    ンキ種類検出手段からなることを特徴とする感熱孔版印
    刷装置。
  7. 【請求項7】請求項2ないし6の何れか一つに記載の感
    熱孔版印刷装置において、 上記穿孔エネルギー調整手段は、少なくとも二つ以上の
    上記特性値検出手段からの各信号に基づいて、上記サー
    マルヘッドの個々の発熱部に供給する穿孔用エネルギー
    を所定のエネルギーに調整することを特徴とする感熱孔
    版印刷装置。
  8. 【請求項8】熱可塑性樹脂フィルムを有するマスタにサ
    ーマルヘッドを接触させ、画像信号に応じて上記サーマ
    ルヘッドの発熱部を発熱させて上記熱可塑性樹脂フィル
    ムを位置選択的に溶融穿孔して上記画像信号に応じた穿
    孔パターンを得、このマスタを印刷ドラムの外周面に巻
    装し、上記印刷ドラム上の上記マスタにインキを供給
    し、上記インキにより上記画像信号に応じたインキ画像
    を印刷用紙上に形成する感熱孔版印刷装置において、 上記印刷用紙の種類を設定するための用紙種類設定手段
    と、 上記インキ画像の印刷画像濃度に影響を与える画像濃度
    関係要因の特性値を設定するための特性値設定手段と、 上記用紙種類設定手段および上記特性値設定手段からの
    各信号に基づいて、上記サーマルヘッドの個々の発熱部
    に供給する穿孔用エネルギーを所定のエネルギーに調整
    する穿孔エネルギー調整手段と、 を有することを特徴とする感熱孔版印刷装置。
  9. 【請求項9】請求項8記載の感熱孔版印刷装置におい
    て、 上記画像濃度関係要因の特性値が、上記インキ画像の印
    刷画像濃度であり、 上記特性値設定手段は、上記インキ画像の印刷画像濃度
    を設定するための印刷画像濃度設定手段からなることを
    特徴とする感熱孔版印刷装置。
  10. 【請求項10】請求項8記載の感熱孔版印刷装置におい
    て、 上記画像濃度関係要因の特性値が、上記印刷ドラムの内
    のインキの種類であり、 上記特性値設定手段は、上記印刷ドラムの内のインキの
    種類を設定するための印刷ドラム内インキ種類設定手段
    からなることを特徴とする感熱孔版印刷装置。
  11. 【請求項11】請求項8,9または10記載の感熱孔版
    印刷装置において、 上記穿孔エネルギー調整手段は、少なくとも二つ以上の
    上記特性値設定手段からの各信号に基づいて、上記サー
    マルヘッドの個々の発熱部に供給する穿孔用エネルギー
    を所定のエネルギーに調整することを特徴とする感熱孔
    版印刷装置。
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