JP2007045121A - 部品交換時期延長方法、製版装置、印刷装置および画像形成装置 - Google Patents

部品交換時期延長方法、製版装置、印刷装置および画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007045121A
JP2007045121A JP2005234737A JP2005234737A JP2007045121A JP 2007045121 A JP2007045121 A JP 2007045121A JP 2005234737 A JP2005234737 A JP 2005234737A JP 2005234737 A JP2005234737 A JP 2005234737A JP 2007045121 A JP2007045121 A JP 2007045121A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate making
replacement
thermal head
printing
image forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005234737A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Chiba
浩幸 千葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Tohoku Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku Ricoh Co Ltd filed Critical Tohoku Ricoh Co Ltd
Priority to JP2005234737A priority Critical patent/JP2007045121A/ja
Publication of JP2007045121A publication Critical patent/JP2007045121A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 その使用または経時による性能劣化により交換部品(給紙コロや分離コロ、反射型フォトセンサ、サーマルヘッド)がその使用限界を超えた場合に、これを検知して該交換部品の交換時期を報知するとともに、性能劣化を補償する補償手段の作動を制御することにより、交換部品の交換時期を延長して装置の稼動を停止させないようにすることで、ユーザの作業性や利便性が向上する部品交換時期延長方法、孔版印刷装置等を提供する。
【解決手段】 CPU2は、バックアップメモリ4に記憶された使用枚数が、給紙コロ111等の使用限界として予め設定された使用限界枚数を超えた場合に、給紙コロ111等の交換時期を報知するように液晶表示部49Bを制御するとともに、給紙圧および分離圧が使用限界枚数を超える前よりも高くなるように給紙圧可変モータ25および分離圧可変モータ29を制御する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、部品交換時期延長方法、製版装置、印刷装置および画像形成装置に関し、さらに詳しくは、製版装置、記録装置、印刷装置または画像形成装置等に設けられその使用または経時による性能劣化により交換を要する交換部品の部品交換時期延長方法、この方法を使用した製版装置、印刷装置および画像形成装置に関する。
従来、部品交換時期情報をオンスクリーン表示することにより、部品の交換時期をユーザに認識させる部品交換時期情報装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−191192号公報には、例えば液晶プロジェクタ等の映像機器において、寿命のある電子部品の例としてスクリーン液晶パネル画像を照射させるためのバックライトとして用いられるランプを採り上げ、部品使用時間のリセット操作を部品使用限度時間到達以降のみに行わせると同時に、その使用時間を観測し、使用限度時間の到達時に部品交換時期情報を明確にユーザに報知させる技術内容が記載されている。
また、画像形成装置における感光体やトナーを交換可能としたプロセスカートリッジを交換部品として捉え、プロセスカートリッジの交換の管理を該カートリッジの使用量として推定可能な累積画像枚数あるいは累積印刷枚数によって行う画像形成装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
例えば特開2002−169431号公報では、上記累積画像枚数を装置本体に内蔵された記憶手段に記憶させるとともに交換部品としてのプロセスカートリッジに設けた第2の不揮発性記憶手段にも記憶させ、記憶手段に記憶された累積画像枚数が装置本体に内蔵されていて読み出し・書き込み可能な第1の不揮発性記憶手段に記憶された使用限界画像枚数を越えた場合、交換部品(プロセスカートリッジ)の交換時期を報知する技術が開示されている。
一方、従来より簡便な印刷方式として製版装置一体型の感熱デジタル式孔版印刷装置(以下、単に「孔版印刷装置」というときがある)が知られている。これは、熱可塑性樹脂フィルムを有する感熱孔版マスタ(以下、「マスタ」という)に微細な発熱素子が1列ないしは複数列に並んだサーマルヘッドを接触させ、この発熱素子に対しパルス的に通電を行いながらマスタをプラテンローラ等のマスタ搬送手段で搬送することにより、サーマルヘッドの発熱素子に接触しているマスタの熱可塑性樹脂フィルム(以下、単に「フィルム」というときがある)部分を画像情報に基づいて加熱溶融穿孔することで、マスタに穿孔画像を形成した後、この穿孔・製版されたマスタを版胴とも呼ばれる印刷ドラムの外周面に巻き付け、プレスローラや圧胴等の押圧手段によって印刷用紙(以下、「用紙」という)を印刷ドラムの外周面に押し付けることで印刷ドラムにおける版胴の開孔部分およびマスタの穿孔部分からインキを滲出させ、このインキを用紙に転移させて印刷画像を形成するものである(例えば、特許文献4および5参照)。
特開平10−191192号公報 特開2002−169431号公報 特開2000−206840号公報 特許第2756224号公報 特開2000−108481号公報
しかしながら、前述した従来の技術においては、交換部品の使用限界と判断した場合に、ユーザにその交換時期等を報知するのみであったため、例えばユーザにおける緊急の業務発生に伴い装置を稼働して使用したい場合や、製造・販売メーカ側における交換部品無し状態などで即時交換対応が困難な場合もある。この間にもその交換部品の経時および/またはその使用による性能劣化が進み、これが原因で種々のジャムや画像不良などの不具合が発生し、ユーザの操作性を含む作業効率(作業性)や利便性が悪くなってしまうという問題点があった。
特に、前述した孔版印刷装置では多種多様の用紙を用いることができ、また短時間で大量に印刷することができるという利点から、また版としてのマスタを用いこれに穿孔・製版を行うという点から、印刷枚数の増加や装置の使用時間の経過に伴い、特に次に述べる交換部品の性能劣化による不具合が発生しやすい傾向がある。
すなわち、第1に、給紙装置における給紙部材である給紙コロや分離コロ等により搬送される用紙枚数がその使用限界枚数を超えた場合、給紙コロや分離コロ等の用紙との接触・摩擦部分等の摩耗に基づく性能劣化によって給紙ジャムの発生頻度が高くなってしまう。
第2に、用紙の先端や後端あるいはその有無等を検知する用紙検知手段として使用されている反射型光学センサとも呼ばれる反射型フォトセンサの使用時間が、その使用限界時間を超えた場合、該センサに発光素子として用いられているLED(発光ダイオード)の光量不足に基づく性能劣化によって用紙の誤検知・検知ミスやこれによるジャムの発生頻度が高くなってしまう。反射型フォトセンサは、用紙搬送系以外にもマスタ搬送系におけるマスタの先端や後端あるいはその有無等を検知するマスタ検知手段や印刷ドラム上のマスタ有無を検知するマスタ有無検知手段として使用されているため、上記と同様の性能劣化によってマスタの誤検知・検知ミスやこれによるジャムの発生頻度が高くなってしまう。
第3に、製版装置におけるサーマルヘッドの発熱素子の製版回数ごとの電気的ストレスに基づく性能劣化・発熱不良等によって画質不良(穿孔が形成されないことによる白スジや白抜けあるいは画像欠損等)の発生頻度が高くなってしまう。
前述したように、孔版印刷装置では第1ないし第3の不具合の発生頻度が高くなってしまうことから、ユーザの作業性や利便性を悪化させる場合が複写機やプリンタあるいはファクシミリ等の画像形成装置と比べて高い実情にある。
そこで、本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、上記諸問題点を解決して、その使用または経時による性能劣化により交換部品(具体的には、サーマルヘッド、給紙コロおよび/または分離コロ等の給紙部材、反射型フォトセンサ)がその使用限界を超えた場合に、これを検知して該交換部品の交換時期を報知するとともに、交換部品自身または該交換部品の周りに備えられていて前記性能劣化を補償する補償手段の作動を制御することにより、交換部品の交換時期を延長して装置の稼動を停止させないようにすることで、ユーザの作業性や利便性が向上する部品交換時期延長方法、この方法を使用した製版装置、印刷装置および画像形成装置を提供することを主な目的としている。その他、後述の実施形態等に記載の利点・効果を得ることも目的としている。
感熱製版装置を含む製版装置、感熱記録装置を含む記録装置、孔版印刷装置等を含む印刷装置または電子写真方式の複写機やプリンタあるいはファクシミリ等を含む画像形成装置等に設けられその使用および/または経時による性能劣化により交換を要する交換部品としては、次の部品に着目した。すなわち、製版装置および記録装置ではサーマルヘッドが、製版装置を備えた印刷装置ではサーマルヘッドの他に給紙部材としての給紙コロや分離コロおよび記録媒体検知手段やマスタ検知手段等として使用される反射型フォトセンサが、画像形成装置では給紙コロや分離コロおよび反射型フォトセンサが、それぞれ挙げられる。
そして、本発明者は上述した事情に鑑みて上記各交換部品の交換時期を延長させ得る手段として、上記各交換部品の性能劣化を補償できる手段である補償手段が存在することに着目し、補償手段が交換部品自身やその制御構成またはその交換部品の周りに本来的に備わっていれば、これを利用して作動させたり、その制御内容を変えたりすることにより、補償手段が備わっていなければそれを新たに付加してこれを作動させたり、その制御内容を変えたりすることにより、上記各交換部品の性能劣化を補うことができるという着想に至り、上記各交換部品の交換時期を実質的に延長することができるという新規な発明をするに至った。本発明は、このような原理を基本になされたものである。
本発明は、前述した課題を解決して前記目的を達成するために、請求項ごとの発明においては以下の発明特定事項(以下、「構成」という)を採用していることを特徴とするものである。
請求項1記載の発明では、製版装置、記録装置、印刷装置または画像形成装置等に設けられその使用および/または経時による性能劣化により交換を要する交換部品の部品交換時期延長方法において、前記交換部品の使用限界を超えた場合に、これを検知して該交換部品の交換時期を報知するとともに、前記性能劣化を補償する補償手段の作動を制御することにより、前記交換部品の交換時期を延長して前記装置の稼動を停止させないようにしたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の部品交換時期延長方法を使用した製版装置であって、前記交換部品が、マスタを加熱製版するサーマルヘッドであり、前記補償手段が、前記サーマルヘッドの個々の発熱素子に供給する製版用エネルギーを変えるエネルギー可変手段であり、前記サーマルヘッドの製版回数を計数する計数手段と、前記計数手段により計数された製版回数を記憶する不揮発性記憶手段と、前記不揮発性記憶手段に記憶された累積製版回数が、前記サーマルヘッドの使用限界として設定された使用限界製版回数を超えた場合に、前記サーマルヘッドの交換時期を報知する交換時期報知手段と、前記累積製版回数が前記使用限界製版回数を超えた場合に、前記製版用エネルギーが前記使用限界製版回数を超える前よりも低下するように前記エネルギー可変手段を制御する第1の制御手段とを有することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の部品交換時期延長方法を使用した製版装置であって、前記交換部品が、マスタを加熱製版するサーマルヘッドであり、前記補償手段が、前記サーマルヘッドにおける主走査方向の解像度を1/2に変える解像度変更手段であり、前記累積製版回数が奇数回のとき、前記主走査方向の個々の発熱素子の奇数番目のみに通電させ、前記累積製版回数が偶数回のとき、前記主走査方向の個々の発熱素子の偶数番目のみに通電させるように前記解像度変更手段を制御する第2の制御手段を有することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2記載の製版装置において、前記補償手段が、前記サーマルヘッドにおける主走査方向の解像度を1/2に変える解像度変更手段であり、前記累積製版回数が奇数回のとき、前記主走査方向の個々の発熱素子の奇数番目のみに通電させ、前記累積製版回数が偶数回のとき、前記主走査方向の個々の発熱素子の偶数番目のみに通電させるように前記解像度変更手段を制御する第2の制御手段を有することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1記載の部品交換時期延長方法を使用した製版装置であって、前記交換部品が、マスタを加熱製版するサーマルヘッドであり、前記補償手段が、前記サーマルヘッドにおける主走査方向の解像度を1/2に変える解像度変更手段であり、前記サーマルヘッドの個々の発熱素子に通電不良があるとき、前記発熱素子の通電不良が無い方に対応した個々の発熱素子のみに通電させるように前記解像度変更手段を制御する第3の制御手段を有することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項2記載の製版装置において、前記補償手段が、前記サーマルヘッドにおける主走査方向の解像度を1/2に変える解像度変更手段であり、前記サーマルヘッドの個々の発熱素子に通電不良があるとき、前記発熱素子の通電不良が無い方に対応した個々の発熱素子のみに通電させるように前記解像度変更手段を制御する第3の制御手段を有することを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6の何れか一つに記載の製版装置において、前記サーマルヘッドの交換時期を延長して前記製版装置を稼動していることを報知する交換時期延長報知手段を有することを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1ないし7の何れか一つに記載の製版装置において、前記サーマルヘッドの交換をしたとき、前記使用限界状態であることを解除して初期状態に復帰させる初期状態設定手段を有することを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項1ないし8の何れか一つに記載の製版装置と、該製版装置により製版されたマスタを巻装する印刷ドラムとを有することを特徴とする印刷装置である。
請求項10記載の発明は、請求項1記載の部品交換時期延長方法を使用した画像形成装置であって、前記交換部品が、シート状記録媒体を搬送する給紙部材であり、前記補償手段が、前記給紙部材に対するシート状記録媒体の給紙圧および分離圧の少なくとも一方を変える圧変更手段であり、前記給紙部材により搬送されたシート状記録媒体枚数を計数する枚数計数手段と、前記枚数計数手段により計数されたシート状記録媒体枚数を記憶する不揮発性記憶手段と、前記不揮発性記憶手段に記憶されたシート状記録媒体の累積使用枚数が、前記給紙部材の使用限界として設定された使用限界枚数を超えた場合に、前記給紙部材の交換時期を報知する交換時期報知手段と、前記累積使用枚数が前記使用限界枚数を超えた場合に、前記給紙圧および分離圧の少なくとも一方が前記使用限界枚数を超える前よりも高くなるように前記圧変更手段を制御する第4の制御手段とを有することを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項10記載の画像形成装置において、前記給紙部材の交換時期を延長して前記画像形成装置を稼動していることを報知する交換時期延長報知手段を有することを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項10または11記載の画像形成装置において、前記給紙部材の交換をしたとき、前記使用限界状態であることを解除して初期状態に復帰させる初期状態設定手段を有することを特徴とする。
請求項13記載の発明は、請求項10ないし12の何れか一つに記載の画像形成装置が、印刷速度および前記給紙部材の速度が可変である印刷装置であり、前記補償手段が、前記印刷速度および前記給紙部材によるシート状記録媒体の搬送速度を変える速度可変手段であり、前記印刷速度および前記搬送速度が、前記使用限界枚数を超える前よりも一定の速度以下となるように前記速度可変手段を制御する第5の制御手段を有することを特徴とする印刷装置である。
請求項14記載の発明は、請求項1記載の部品交換時期延長方法を使用した画像形成装置であって、前記交換部品が、前記画像形成装置本体に配設され発光素子および受光素子を備えた反射型フォトセンサであり、前記補償手段が、前記反射型フォトセンサの検知・非検知の閾値を変える閾値変更手段であり、前記反射型フォトセンサの使用時間を計時する計時手段と、前記計時手段により計時されたセンサ使用時間を記憶する不揮発性記憶手段と、前記不揮発性記憶手段に記憶された累積センサ使用時間が、前記反射型フォトセンサの使用限界として設定された使用限界時間を超えた場合に、前記反射型フォトセンサの交換時期を報知する交換時期報知手段と、前記累積使用時間が前記使用限界時間を超えた場合に、前記閾値が前記使用限界時間を超える前よりも低くなるように前記閾値変更手段を制御する第6の制御手段とを有することを特徴とする。
請求項15記載の発明は、請求項14記載の画像形成装置において、前記反射型フォトセンサは、シート状記録媒体を搬送する搬送経路に設けられシート状記録媒体の先端、後端および有無のうちの少なくとも一つを検知する記録媒体検知センサであることを特徴とする。
請求項16記載の発明は、請求項14または15記載の画像形成装置において、前記反射型フォトセンサの交換時期を延長して前記画像形成装置を稼動していることを報知する交換時期延長報知手段を有することを特徴とする。
請求項17記載の発明は、請求項14ないし16の何れか一つに記載の画像形成装置において、前記反射型フォトセンサの交換をしたとき、前記使用限界状態であることを解除して初期状態に復帰させる初期状態設定手段を有することを特徴とする。
請求項18記載の発明は、請求項14ないし17の何れか一つに記載の画像形成装置が、マスタを巻装する印刷ドラムを有することを特徴とする印刷装置である。
以上述べたように、本発明によれば、前述したような従来技術の有する諸問題点を解決して新規な部品交換時期延長方法、製版装置、印刷装置および画像形成装置を提供することができる。主な発明の効果を挙げれば次のとおりである。
本発明によれば、交換部品の使用限界を超えた場合に、これを検知して該交換部品の交換時期を報知するとともに、性能劣化を補償する補償手段の作動を制御することにより、交換部品の交換時期を延長して装置の稼動を停止させないようにしたことにより、その交換部品の性能劣化による問題・不具合発生を防止することができ、その部品交換時まで装置を停止させることなく使用できるので、ユーザの操作性および利便性が向上する。(請求項1)。
本発明によれば、交換部品がマスタを加熱製版するサーマルヘッドである場合、前記構成によって、サーマルヘッドに対する電気的ストレスを軽減させ、サーマルヘッドの個々の発熱素子の溶断を防止することができ、サーマルヘッドの交換時まで装置を停止させることなく使用できるので、ユーザの操作性および利便性が向上するとともに、安定した印刷画質の印刷物を得ることができる。(請求項2ないし6)。
本発明によれば、交換時期延長報知手段により、サーマルヘッドの交換時期を延長して製版装置または印刷装置を稼動していることが報知されることによって、ユーザはサーマルヘッドの交換時期が延長されていることを理解し認識することができるので、余計な心配等をしなくても済む(請求項7)。
本発明によれば、サーマルヘッドの交換をしたとき、初期状態設定手段により、使用限界状態であることを解除して初期状態に復帰させることができる(請求項8)。
本発明によれば、交換部品がシート状記録媒体を搬送する給紙部材である場合、前記構成によって、給紙部材の性能劣化による給紙ジャムの発生を防止することができ、給紙部材の交換時まで装置を停止させることなく使用できるので、ユーザの操作性および利便性が向上する(請求項10)。
本発明によれば、交換時期延長報知手段により、給紙部材の交換時期を延長して装置を稼動していることが報知されることによって、ユーザは給紙部材の交換時期が延長されていることを理解し認識することができるので、余計な心配等をしなくても済む(請求項11)。
本発明によれば、給紙部材の交換をしたとき、初期状態設定手段により、使用限界状態であることを解除して初期状態に復帰させることができる(請求項12)。
本発明によれば、第5の制御手段により、印刷速度および搬送速度が使用限界枚数を超える前よりも一定の速度以下となるように速度可変手段が制御されることにより、給紙部材の性能劣化によるレジストズレの発生を防止することができ、給紙部材の交換時まで安定した印刷画像位置の印刷物を得ることができる(請求項13)。
本発明によれば、交換部品が反射型フォトセンサである場合、前記構成によって、反射型フォトセンサの性能劣化による誤検知や検知ミスの発生を防止することができ、反射型フォトセンサの交換時まで装置を停止させることなく使用できるので、ユーザの操作性および利便性が向上する(請求項14)。
本発明によれば、交換時期延長報知手段により、反射型フォトセンサの交換時期を延長して装置を稼動していることが報知されることによって、ユーザは反射型フォトセンサの交換時期が延長されていることを理解し認識することができるので、余計な心配等をしなくても済む(請求項16)。
本発明によれば、反射型フォトセンサの交換をしたとき、初期状態設定手段により、使用限界状態であることを解除して初期状態に復帰させることができる(請求項17)。
以下、図を参照して発明を実施するための最良の形態や実施例等を含む本発明の実施の形態(以下、単に「実施形態」という)を説明する。各実施形態や各変形例等に亘り、同一の機能および形状等を有する部材や構成部品等の構成要素については、一度説明した後では同一符号を付すことによりその説明を省略する。図において一対で構成されていて特別に区別して説明する必要がない構成要素は、説明の簡明化を図る上から、その片方を適宜記載することでその説明に代えるものとする。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素は適宜断わりなく省略することがある。公開特許公報等の構成要素をそのまま引用して説明する場合は、その符号に括弧を付して示し、各実施形態等のそれと区別するものとする。
(第1の実施形態)
まず、図1ないし図3を参照して、本発明の第1の実施形態を示すデジタル感熱孔版式の製版装置およびこの製版装置を有するデジタル感熱孔版式の孔版印刷装置の概略的な全体構成と共に、その動作について簡単に説明する。
図1において、符号50は、印刷装置の一例としての孔版印刷装置の骨組みをなす装置本体フレームを示す。同図に示すように、装置本体フレーム50の上部にある、符号80で示す部分は原稿読取装置を、その下方の符号1で示す部分は製版装置を、製版装置1の左側に符号100で示す部分は多孔性円筒状の版胴を外周部に備えた印刷ドラム101が配置された印刷ドラム装置を、印刷ドラム101の下方の符号120で示す部分は印圧装置120を、印刷ドラム101の左側に符号70で示す部分は排版装置を、製版装置1の下方の符号110で示す部分は給紙装置を、印圧装置120の左側であって排版装置70の下方の符号130で示す部分は排紙装置を、それぞれ示している。
このように、図1に示す孔版印刷装置には、製版装置1が装置本体フレーム50内に一体的に装備されている。
原稿読取装置80は、図示しない原稿載置台上から移送される原稿60の表面の画像を読み取る機能・構成を、製版装置1は、ロール状に巻かれたマスタ12を製版し給版搬送する機能・構成を、印刷ドラム装置100は、製版済みのマスタ12をその外周面に巻装し印刷ドラム101上の製版済みのマスタ12にインキを供給する機能・構成を、印圧装置120は、後述する押圧手段により印刷ドラム101に対してシート状記録媒体の一例としての用紙62を押し付けて用紙62上に印刷画像を形成する機能・構成を、排版装置70は、印刷ドラム101の外周面から使用済みのマスタ12を剥ぎ取りこれを排版ボックス74内に排出・排版する機能・構成を、給紙装置110は、給紙台51上に積載された用紙62を印刷ドラム装置100と印圧装置120との間に搬送・給送する機能・構成を、排紙装置130は、印刷ドラム装置100および印圧装置120にて印刷された用紙62を排紙台52に排出する機能・構成を、それぞれ有する。
次に、この孔版印刷装置の動作について説明する。
まず、使用者が、原稿読取装置80の上部に配置された図示しない原稿載置台に印刷すべき画像を持った原稿60をセットし、図2に示す操作パネル40の製版スタートキー41を押す。この製版スタートキー41の押下に伴い、製版スタート信号が生成されこれがトリガとなって、先ず排版工程が実行される。すなわち、この状態においては、印刷ドラム101の外周面に前回の印刷で使用された使用済みのマスタ12が装着されたまま残っている。印刷ドラム101は、図3に示す駆動機構150を介してその駆動手段としてのメインモータ151に連結されていて、メインモータ151によって回転駆動される。
先ず、印刷ドラム101が図中矢印方向Aと反対方向に回転し、印刷ドラム101の外周面に装着されていた使用済みのマスタ12の後端部が排版装置70の排版剥離ローラ対71a,71bに近づくと、同ローラ対71a,71bは回転しつつ一方の排版剥離ローラ71bで使用済みのマスタ12の後端部をすくい上げ、排版剥離ローラ対71a,71bの左方に配設された排版コロ対73a,73bと排版剥離ローラ対71a,71bとの間に掛け渡された排版搬送ベルト対72a,72bで構成される排版剥離搬送装置により、使用済みのマスタ12は印刷ドラム101の外周面から漸次剥され矢印方向Y1方向へ搬送されつつ排版ボックス74内へ排出されていわゆる排版が終了する。この時、印刷ドラム101は反時計回り方向への回転を続けている。排出された使用済みのマスタ12は、その後、圧縮板75によって排版ボックス74の内部で圧縮される。
排版工程と並行して、原稿読取装置80が作動して原稿読み取りが行われる。すなわち、前記原稿載置台に載置された原稿60は、分離ローラ81、前原稿搬送ローラ対82a,82bおよび後原稿搬送ローラ対83a,83bのそれぞれの回転により矢印Y2からY3方向(以下、「原稿搬送方向Y2」という)に搬送されつつ露光読み取りに供される。このとき、原稿60が多数枚あるときは、分離ブレード84の作用でその最下部の原稿のみが搬送される。
上側の後原稿搬送ローラ83aは、例えばステッピングモータからなる原稿搬送モータ83Aによって回転駆動される。上側の前原稿搬送ローラ82aは、上側の搬送ローラ83aと搬送ローラ82aとの間に掛け渡されたタイミングベルト(図示せず)を介して原稿搬送モータ83Aによって回転駆動され、各ローラ82b,83bはそれぞれ従動回転する。この際、図4に示すCPU2からの指令により、原稿搬送モータ83Aは、原稿60の副走査送りピッチを副走査方向Yの解像度600dpi(ドット/インチ)に対応した所定の副走査送りピッチに変えるように制御される。
原稿60の画像読み取りは、コンタクトガラス85上を搬送されつつ、蛍光灯86により照明された原稿60の表面からの反射光を、ミラー87で反射させレンズ88を通して、CCD(電荷結合素子等の光電変換素子)からなる画像センサ5に入射させることにより行われる。その画像が読み取られた原稿60は原稿トレイ80A上に排出される。
原稿読取装置80には、多色重ね刷り印刷に必要な色分解のための諸機能を有する構成、例えば特開昭64−18682号公報記載の複数の色フィルターを切換可能に制御できるフィルターユニットと同様の機能および構成を有するものが、ミラー87とレンズ88との間の光路上に配設されている。
原稿60の光学情報(画像データ)は画像センサ5で光電変換され、そのアナログの電気信号は図示しないアナログ/デジタル(A/D)変換部に入力されデジタルの画像データ信号に変換される。このデジタルの画像データ信号は図5に示す画像処理部9で孔版用に画像処理を施され、こうして画像処理を施された2値の黒画素および白画素に関するデジタル画像データ信号は、図5に示す製版制御部8に入力される。
製版制御部8は、主としてサーマルヘッド駆動回路を介して製版装置1のサーマルヘッド10を制御するものであり、CPU2からの指令を受けて各種信号の生成を行う。
なお、前記A/D変換部へ入力される光学情報(画像データ)は前記CCDで読み取ったものに限らず、例えば密着イメージセンサ(CIS)等からのものでも構わない。
一方、このような原稿走査および画像読み取り動作と並行して、デジタル信号化された画像情報(デジタル画像データ信号)に基づき製版および給版工程が行われる。すなわち前記製版スタート信号がトリガとなって、例えばステッピングモータからなるマスタ送りモータ11が回転駆動されることにより、図示しないマスタ支持部材を介してマスタ12を繰り出し可能にセットされ、芯管12aの周りにロール状に巻かれて形成されたマスタロール12Aからマスタ12が引き出される。この時、マスタ12は、マスタ12を介してサーマルヘッド10に押し付けられているマスタ搬送手段としてのプラテンローラ14およびテンションローラ対15a,15bの一定速度の回転により、図中矢印Yで示す副走査方向Y(以下、「マスタ搬送方向Y」というときがある)の下流側に搬送される。
この際、図5に示すCPU2からの指令により、マスタ送りモータ11は、マスタ12の副走査送りピッチを副走査方向Yの解像度600dpiに対応した所定の副走査送りピッチに変えるように制御される。
搬送されるマスタ12に対して、サーマルヘッド10の主走査方向にライン状に並んで配列された多数の微小な発熱素子10aが、製版制御部8から送られてくるデジタルの画像データ信号に応じて各々選択的に発熱し、発熱した発熱素子10aに接触しているマスタ12のフィルム部分が加熱溶融穿孔される。このようにして、画像情報に応じたマスタ12の位置選択的な溶融穿孔により、画像情報が穿孔パターンとしてマスタ12に書き込まれる。
プラテンローラ14は、タイミングベルトおよびギヤ等の回転伝達部材(図示せず)を介してマスタ送りモータ11に連結されていて、マスタ送りモータ11により回転される。マスタ送りモータ11は、例えばステッピングモータからなる。マスタ送りモータ11の回転駆動力は、ギヤ等の回転伝達部材(図示せず)を介して、テンションローラ対15a,15bおよび電磁クラッチ(図示せず)を介して上下一対の反転ローラ17a,17bに伝達されるようになっている。
なお、前記電磁クラッチに代えて、反転ローラ17a,17bの駆動ローラを回転させるマスタ送りモータ11とは別のステッピングモータを配設したものであってもよい。
画像情報が書き込まれた製版済みのマスタ12は、プラテンローラ14およびテンションローラ対15a,15bの回転搬送によってガイド板16aに沿って送られ、さらに、製版済みのマスタ12の先端は反転ローラ対17a,17bにより印刷ドラム101の外周部側へ向かって送り出され、この際給版ガイド板16bにより進行方向を下方へ変えられ、図1に二点鎖線で示す給版位置状態にある印刷ドラム101の拡開したマスタクランパ102へ向かって垂れ下がる。このとき印刷ドラム101は、排版工程により使用済みのマスタ12を既に除去されている。
そして、装置本体フレーム50側に配設されマスタクランパ102を開閉する図示しない開閉装置の作動により、製版済みのマスタ12の先端が一定のタイミングでマスタクランパ102によってクランプ・保持されると、印刷ドラム101は図中矢印A方向(時計回り方向)に回転しつつ外周面に製版済みのマスタ12を徐々に巻き付けていく。製版済みのマスタ12の後端部は、製版完了後にカッタ13により一定の長さに切断されて、1版の製版済みのマスタ12が印刷ドラム101の外周面に完全に巻装された段階で製版および給版工程が終了する。
その後、プラテンローラ14、テンションローラ対15a,15bおよび反転ローラ対17a,17bの回転により、切断された上流側の残りのマスタ12の先端が反転ローラ対17a,17bのニップ部に向けて搬送される。こうして搬送されたマスタ12の先端が図示しないマスタ先端検知センサによって検知され、マスタ12の先端が初期位置を占めたと判断されると、プラテンローラ14、テンションローラ対15a,15bおよび反転ローラ対17a,17bの回転が停止し、次の製版に備えた製版待機状態になる。マスタ12の初期位置は、例えば、反転ローラ対17a,17bのニップ部で挟持された位置から少し前方にはみ出た位置に予め設定されている。
次いで、印刷工程が開始される。先ず、給紙台51上に積載された用紙62のうちの最上位の1枚が、用紙62を送り出し・搬送する給紙部材としてのピックアップコロとも呼ばれる給紙コロ111、ならびに同給紙部材・分離手段としての分離コロ112および分離パッド112Aの協働作用により分離されて、レジストローラ対113a,113bに向けて矢印Y4方向(用紙搬送方向Y4という)に給送・搬送され、さらにレジスト手段としてのレジストローラ対113a,113bにより印刷ドラム101の回転と同期した所定のタイミングで印圧装置120における印刷ドラム101とプレスローラ103との間に搬送・給送される。
この際、給紙コロ111および分離コロ112により送り出された用紙62の先端は、回転停止しているレジストローラ対113a,113bのニップ部に突き当たった状態で同図に破線で示すような所定の撓みが形成されるように搬送・制御される。レジストローラ対113a,113bと分離コロ112との間の用紙搬送経路には、用紙62の先端、その後端、その有無および前記所定の撓みを検知する記録媒体検知手段ないしは記録媒体検知センサとしての給紙センサ38が配設されている。
印刷ドラム101とプレスローラ103との圧接により形成される印刷ニップ部とレジストローラ対113a,113bとの間の用紙搬送経路には、用紙62の先端、その後端およびその有無を検知する記録媒体検知手段ないしは記録媒体検知センサとしてのレジストセンサ39が配設されている。
給紙センサ38およびレジストセンサ39は、例えば発光素子および受光素子等を備えた反射型フォトセンサからなる。
プレスローラ103は、図示しない公知のプレスローラ変位手段により印刷ドラム101の外周面に接離自在になされており、外周面に製版済みのマスタ12が巻装された印刷ドラム101に対して給送・搬送されてきた用紙62を押し付けて印刷画像を用紙62上に形成する押圧手段としての機能を有する。そして、給送・搬送されてきた用紙62が、印刷ドラム101とプレスローラ103との間に挿入されてくると、印刷ドラム101の外周面下方に離間していたプレスローラ103が揺動・上昇されることにより、印刷ドラム101上の製版済みのマスタ12に押し付けられる。こうして、印刷ドラム101の多孔部から滲み出たインキの粘性による付着力によって、製版済みのマスタ12が印刷ドラム101の外周面上に密着すると同時に、さらに製版済みのマスタ12の穿孔パターン部からインキが滲み出し、この滲み出たインキが用紙62の表面に転移されて、印刷画像が形成される。
この時、印刷ドラム101の内周側では、支軸104を兼ねるインキ供給管104からインキローラ105とドクターローラ106との間に形成されるインキ溜まり107にインキが供給され、印刷ドラム101の回転方向と同一方向に、かつ、印刷ドラム101の回転速度と同期して回転しながら内周面に転接するインキローラ105により、インキが印刷ドラム101の内周側に供給される。
印圧装置120において印刷画像が形成された用紙62(以下、「印刷済みの用紙62」という)は、排紙装置130における排紙剥離爪114により印刷ドラム101から剥がされ、吸引用ファン118に吸引されつつ、吸着排紙入口ローラ115および吸着排紙出口ローラ116に掛け渡された多孔性の搬送ベルト117に吸着され、この搬送ベルト117の反時計回り方向の回転により、矢印Y5のように排紙台52へ向かって搬送され、排紙台52上に順次排出積載される。このようにしていわゆる版付け印刷が終了する。
この際、印刷済みの用紙62は、印刷枚数を計数する印刷枚数計数手段を構成する排紙センサ69によって検知され、後述する図5に示すCPU2によって計数される。版付け印刷枚数は、通常、正規の印刷枚数としてカウントされないが、後述する交換部品としての給紙コロ111および分離コロ112により搬送された印刷済みの用紙62を検知することで、その印刷済みの用紙62の枚数(シート状記録媒体枚数)を計数する機能を有する。排紙センサ69は、例えば発光素子および受光素子等を備えた反射型フォトセンサからなる。
なお、版付け印刷(印刷ドラム101外周面上への製版済みのマスタ12を滲み出たインキの粘着力で密着させるための印刷をいう)時の印刷速度は、例えば16〜20枚/min(分)というような低速度に設定される。
版付け印刷終了後、プレスローラ103は印刷ドラム101から離間し、印刷ドラム101は図1においてマスタクランパ102が略真上となる初期位置(ホームポジション)に復帰して、印刷待機状態となる。
次に、図2に示す操作パネル40の印刷速度設定キー47(速度ダウンキー47aまたは速度アップキー47b)を押下することにより、所望する印刷速度値を設定し、これに前後して同図に示す操作パネル40のテンキー46で印刷枚数を置数・セットし、同様に同図に示す操作パネル40の印刷スタートキー42を押すと前記版付け印刷と同様の工程で、給紙、印刷および排紙の各工程が設定された印刷速度でセットした印刷枚数分繰り返して行われ、孔版印刷の全工程が終了する。ここでは、印刷速度設定キー47を押下しなかったので、印刷速度が後述する標準印刷速度:3速に自動的に設定される。
以下、本実施形態の孔版印刷装置において、その使用および/または経時による性能劣化により交換を要する交換部品ならびに該交換部品の性能劣化を補償することが可能な補償手段に密接に関係する構成、すなわち操作パネル40、製版装置1、印刷ドラム装置100、給紙装置110および制御構成等の細部について、順次説明する。
本実施形態の孔版印刷装置における交換部品例としては、製版装置1における製版手段としてのサーマルヘッド10、給紙装置110における給紙手段ないしは給紙部材としての給紙コロ111および分離コロ112、記録媒体検知手段ないしは記録媒体検知センサとしての給紙装置110における給紙センサ38、レジストセンサ39および排紙装置130における排紙センサ69等の反射型フォトセンサが挙げられる。各交換部品ごとの補償手段の詳細は、その理解を容易にするために後述する各交換部品ごとの動作説明時に述べることとする。
図2に示すように、孔版印刷装置における原稿読取装置80の上部には、この孔版印刷装置を操作するための操作部としての操作パネル40が配置されている。操作パネル40には、原稿画像の画像読み取りから版付け印刷に至る各動作の起動を設定・入力する製版スタートキー41と、テンキー46で設定・入力された印刷枚数の印刷動作の起動を行う印刷スタートキー42と、各種のモードをクリアして初期状態に戻す際に押下されるモードクリアキー43と、各種設定時に数値等を設定する際に押下されるエンターキー44と、上キー、下キー、左キー、右キーを有し、画像編集時に画像位置を調整する場合あるいは各種設定時に数値や項目等を選択する場合等に押下される4方向キー(カーソルキー)45と、印刷枚数等を設定・入力するテンキー46と、印刷速度レベル1〜5の5段階の印刷速度の中から1つの印刷速度を選択的に設定するための印刷速度設定手段としての速度ダウンキー47aおよび速度アップキー47bからなる印刷速度設定キー47と、速度ダウンキー47aまたは速度アップキー47bにより設定された設定印刷速度を表示するためのLED(発光ダイオード)ランプ群からなる印刷速度表示手段としての速度表示器48と、後述する選択設定キー(ファンクションキー)49a,49b,49c,49dと、テンキー46の押下により設定・入力された印刷枚数等を表示する7セグメントのLEDからなる表示部49Aと、後述するように本発明に特有の報知手段としての機能を有する他、孔版印刷装置の操作順序や、マスタ12や用紙62がジャムしたことを文字表示したりその発生箇所を絵表示したりするLCD(液晶表示装置)からなる液晶表示部49Bと、その他周知の各種キー等とが配置されている。
速度表示器48は、速度ダウンキー47aまたは速度アップキー47bの1回ごとの押下により、前記印刷速度を1から5までの5段階の設定印刷速度(以下、「設定印刷速度:1速〜5速」という)に、切り換えられる印刷速度を点灯表示する。速度ダウンキー47aまたは速度アップキー47bは、1回押下するごとに、設定印刷速度:1速〜5速の何れか1つの設定印刷速度に対応した各LEDランプの点灯を順次切り換える機能も有している。これにより、使用者が選択した設定印刷速度が速度表示器48にて目視確認できるようになっている。
黒塗色を施した中央の「設定印刷速度:3速」は、通常使用される印刷速度:90枚/分(90rpm)に対応した標準印刷速度であって、速度ダウンキー47aまたは速度アップキー47bを押下しなかった場合に自動的に設定されるようになっている。「設定印刷速度:2速」は、設定印刷速度:3速」の左隣りの速度表示器であって印刷速度75枚/分を、「設定印刷速度:1速」は、「印刷速度:2速」の左隣りの速度表示器であって低速度である印刷速度60枚/分を、それぞれ表示するようになっている。
また、「設定印刷速度:4速」は、標準印刷速度:3速の右隣りの速度表示器であって印刷速度105枚/分を、「設定印刷速度:5速」は、「設定印刷速度:4速」の右隣りの速度表示器であって本実施形態における最高速度である印刷速度120枚/分を、それぞれ表示するようになっている。無論、1〜5速での各印刷速度においては、上記値に限ったものではない。
印刷速度の変更は、DCモータからなるメインモータ151の公知の速度制御によってなされる。
液晶表示部49Bは、前記各交換部品の交換時期を報知する交換時期報知手段ないしは交換時期表示手段としての機能を有する。また、前記各交換部品の交換時期を延長して製版装置1や孔版印刷装置を稼動していることを報知する交換時期延長報知手段ないしは交換時期延長表示手段としての機能を有する。また、前記各交換部品の交換をしたとき、その使用限界状態であることが解除されて初期状態に復帰したことを報知する初期状態復帰報知手段ないしは初期状態復帰表示手段としての機能も有する。
さらに、液晶表示部49Bには、図2に示したように「製版・プリントできます」のような孔版印刷装置の状態が表示される他、製版あるいは排版ジャム、給紙あるいは排紙ジャム等の警告、用紙、マスタ、インキ等のサプライの供給指示等も表示される。
液晶表示部49Bは、階層表示構造となっており、その下方に設けられた選択設定キー49a,49b,49c,49dを選択して押下することにより、原稿種類や用紙種類、変倍や印刷画像の位置調整等の様々なモードへの変更および各モードでの設定が可能に構成されている。
本実施形態における孔版印刷装置の各装置・各部に電力を供給するための図示しない電源スイッチを投入・オンした際の初期状態としては、液晶表示部49Bには図2に示すように、「製版・プリントできます」という初期画面表示がなされるようになっている。
前記交換時期報知手段、交換時期延長報知手段および前記初期状態復帰報知手段は、液晶表示部49Bに限らず、例えばその表示内容が視認可能に点灯ないしは点滅するLEDでも良いし、音声で報知する手段でも良いし、音声と前記LEDとの組み合わせ、あるいは液晶表示部49Bとブザー等の吹鳴報知手段との組み合わせ、前記LEDとブザー等の吹鳴報知手段との組み合わせ等であっても構わない。
マスタ12および製版装置1の細部構成について説明する。
図1に示した孔版印刷装置で使用されるマスタ12としては、例えば熱可塑性樹脂フィルムと、和紙繊維とか合成繊維あるいは和紙繊維および合成繊維を混抄したもの等からなる多孔質支持体とを貼り合わせたラミネート構造のものが挙げられる。熱可塑性樹脂フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)系のものが用いられる。なお、マスタ12としては、公知の全てのマスタ、すなわち一般的に、孔版印刷装置で使用されるマスタ12の厚みとしては、20〜60μmの範囲のものであり、そのうちの熱可塑性樹脂フィルムの厚みとしては、1.0〜2.5μmの範囲のものである。
マスタ12は、上記したものに限らず、マスタ12の多孔質支持体の厚さを薄くしたマスタであってもよく、例えば特開平11−77949号公報に記載されているような合成繊維ベースマスタ(2)でもよいし、また合成樹脂フィルムに溶融した樹脂を塗布して合成樹脂フィルムに樹脂膜を一体的に形成したようなマスタ、あるいは実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタも使用することができる。
プラテンローラ14は、例えば特開平11−77949号公報の図2に示されている機構と同様の回転伝達機構を介して、駆動手段としてのマスタ送りモータ11に連結されていて、マスタ送りモータ11により回転される。マスタ送りモータ11の回転駆動力は、前記回転伝達機構を介して、テンションローラ対15a,15bおよび反転ローラ対17a,17bに伝達されるようになっている。
サーマルヘッド10は、前記したように画像センサ5、前記図示しないA/D変換部、画像処理部9を経由して、製版制御部8で処理されて送出されるデジタル画像データ信号を含むサーマルヘッド駆動用の信号に基づいて、多数の発熱体10aを選択的に加熱することにより、マスタ12を位置選択的に加熱溶融穿孔し製版する製版手段としての機能を有する。サーマルヘッド10は、図示しない接離手段により、マスタ12を介してプラテンローラ14に接離自在となっている。
なお、サーマルヘッド10の多数の発熱体10aを選択的に加熱するためのデジタルの画像データ信号は、図示しないパーソナルコンピュータやホストコンピュータやワークステーション等のコンピュータからのデジタルの画像データ信号を受信するための図示しないコントローラやインターフェース装置、図示しないデータ展開部等を経由しさらに画像処理部9を介して製版制御部8に入力されるものであってもよい。
この孔版印刷装置では、サーマルヘッド10としては、一般的に薄膜サーマルヘッドのうちで平面型サーマルヘッドと呼ばれているものを用いているが、これに限らず、主走査方向に配列された複数の発熱体を具備したものであれば、公知の全ての形式・タイプのものを含む。すなわち、サーマルヘッド10としては、平面型サーマルヘッド、端面型サーマルヘッド、リアルエッジ型サーマルヘッドまたはコーナーエッジ型サーマルヘッドであってもよい。
また、サーマルヘッド10の発熱体10aとしては、通常、その平面視形状が矩形型のものを用いているが、熱集中型でもよい。また、1つの画素パターンにおいて、主走査方向に対して複数の発熱体を具備したものでも構わない。
以下、サーマルヘッド10としては、実施例的には、平面型サーマルヘッドで、その発熱体10aが矩形型のもので、大きさ・仕様としてはA3サイズ、主走査方向の解像度600dpiで、主走査方向に多数の発熱体10aを一列に配設したものを使用しているものとして説明する。
上述したとおり、製版装置1は、サーマルヘッド10の主走査方向に配列された複数の発熱体10aの部分をマスタ12のフィルムに接触させ、主走査方向と直交する副走査方向Yにマスタ12を所定の副走査送りピッチで移動させ、画像データに応じての個々の発熱体10aの位置選択的な加熱によりマスタ12のフィルムを溶融穿孔してドット状の穿孔・製版画像をマスタ12に形成する装置である。
本実施形態の製版装置1では、実施例的には、副走査方向Yにマスタ12を相対的に移動させる際の副走査方向Yの解像度が、サーマルヘッド10の解像度600dpiと同じ解像度600dpiとなるように設定されている。また、上述したように図5に示すCPU2からの指令により、マスタ送りモータ11は副走査方向Yの解像度600dpiに対応した所定の副走査送りピッチに変えるように制御される。
一方、原稿読取装置80では、原稿搬送方向Y2にされている。図5に示すCPU2からの指令により、原稿搬送モータ83Aは原稿搬送方向Y2の解像度600dpiに対応した所定の原稿送りピッチに変えるように制御される。
マスタ12を副走査方向Yに搬送する送り動作は、前記例のように所定の送りピッチで間欠的に移動するものに限らず、連続的に送るようにしてもよい。また、原稿読取装置80に限らず、原稿60をコンタクトガラス上に載置・固定し、蛍光灯及びミラー等を具備した走査光学系を駆動モータにより移動させつつ原稿の読み取りを行うスキャナ移動方式を採用してもよい。この場合、前記走査光学系の移動速度を、副走査方向Yの解像度に対応した所定の送りピッチに変えるように前記駆動モータを制御すればよい。また、サーマルヘッド10の主走査方向の解像度600dpiに限らず、例えば300dpiとし、かつ、マスタ12を移動させる際の副走査方向Yの解像度をサーマルヘッド10の解像度300dpiと同じ解像度300dpiとなるように設定するとともに、原稿60を搬送する際の原稿搬送方向Y2の解像度の送りピッチを同じ解像度300dpiとなるように設定するようにしてもよいことは言うまでもない。
所定のエネルギーに調整された穿孔用エネルギーの供給は、デジタル画像データ信号に応じて、サーマルヘッド10の個々の発熱体10aへの通電パルス幅の変化により行ってもよいし、あるいは画像データ信号に応じて個々の発熱体10aに流す電流値もしくは個々の発熱体10aに印加する電圧値の変化により行うようにしてもよい。また、CPU2に入力しなくても良い方法もあり、それは製版制御部8内のIC内で達成できる。
製版制御部8は、サーマルヘッド駆動回路を備え、例えば特開平8−132584号公報の図8等に開示されている制御構成と同様の既に公知である熱履歴制御を行う図示しない熱履歴制御手段、コモンドロップ補正制御を行う図示しない印字率補正制御手段としての構成・機能を有するとともに、これらからのサーマルヘッド10を駆動する際の各種信号の生成を行う。
図1および図3を参照して、印刷ドラム装置100および印圧装置120について説明する。
印刷ドラム装置100は、前記した印刷ドラム101と、印刷ドラム101上の製版済みのマスタ12にインキを供給するための、インキローラ105、ドクターローラ106およびインキ供給管104から構成されるインキ供給装置108とから主に構成される。
印圧装置120は、押圧手段としてのプレスローラ103を、印刷ドラム101の外周面に押圧する印圧位置と、この印圧位置から離間した非印圧位置とに選択的に変位させるプレスローラ変位手段(図示せず)と、印刷ドラム101に対するプレスローラ103の押圧力(以下、「印圧」という)を変化させる図3に示す印圧可変手段122と、印刷ドラム101を回転させると共に、前記印圧位置と前記非印圧位置とにプレスローラ103を印刷ドラム101の回転に同期させて揺動・変位させる駆動機構150等とから主に構成される。
なお、印圧装置120の細部構成は、例えば特開2004−155170号公報の図3に示されている印圧ドラム装置(100)と同様である。
印刷ドラム101は、支軸104方向に延在して設けられていて、インキ通過性の多数かつ微細な開孔部が形成された樹脂あるいは金属製の多孔性支持円筒体と、その外周面に巻き付けられた複数層のメッシュスクリーンとの2層構造からなる、版胴とも呼ばれる外周部を有する。前記多孔性支持円筒体は、その円周上の所定の範囲に亘り開孔部(図示せず)が形成された印刷部位(印刷可能領域)と、前記開孔部が形成されていないインキ不通過性の非印刷部位(非印刷領域)とからなる。印刷ドラム101の前記非印刷部位は、支軸104方向の両端縁部にも所定の範囲に亘り形成されている。
図3において、符号140は、図1に示す装置本体フレーム50に対して印刷ドラム101等が着脱自在に構成されたドラムユニットを示す。インキとしては、例えばW/O型のエマルションインキを用いている。
駆動機構150は、図3に示すように、印刷ドラム101およびプレスローラ103をそれぞれ回転駆動および揺動するための、装置本体フレーム50に固定された正転逆転可能な駆動手段としてのメインモータ151と、このメインモータ151とカム軸121aとの間に介装された減速手段152と、装置本体フレーム50内に装着された印刷ドラム101とカム軸121aとの間に介装された同期手段157とから主に構成される。図3に示す印圧可変手段122は、特開2004−155170号公報の図3に示されている印圧ドラム装置(100)の印圧可変手段(20)と同様のものである。メインモータ151は、例えば制御用のDCモータからなる。
減速手段152は、メインモータ151の出力軸112a1a端部に取付けられた歯付きの駆動プーリ151bと、図3における右側の装置本体フレーム50にプーリ軸112a3aをもって回転自在に支持された歯付きのプーリ153と、駆動プーリ151bとプーリ153との間に掛け渡された歯付きのベルト155と、プーリ153のプーリ軸112a3aと同軸に取付けられた小径ギヤ154と、カム軸121aと同軸に取付けられ小径ギヤ154と噛み合う大径ギヤ156とから構成される。
同期手段157は、印圧カム121と大径ギヤ156との間のカム軸121a上に取付けられた歯付きの下プーリ158と、図3における右側の装置本体フレーム50にプーリ軸160aをもって回動自在に支持された歯付きの上プーリ160と、下プーリ158と上プーリ160との間に掛け渡された歯付きのメインベルト159と、プーリ軸160aの端部に取付けられた脱着ギヤ161とから主に構成される。
下プーリ158と上プーリ160とは、同径の歯付きの外周部を有していて、それぞれの回転比が1:1となるようにメインベルト159で連結され回動されるようになっている。印圧カム121は、装置の組立て時において、印刷ドラム101の開孔範囲である印刷部位に対応した印圧範囲とプレスローラ103の前記印圧位置とを考慮して、印刷ドラム101の回転とのタイミングを取ってカム軸121aに固定されている。一方、印刷ドラム101の右端部と後述する後フレーム101Aとの間の支軸104上には、脱着ギヤ161と選択的に噛み合い脱着ギヤ161と同歯数を有するドラムギヤ162が回動自在に支持されている。ドラムギヤ162は、後端板101Eに一体的に固着されていて、印刷ドラム101と一緒に回転する。
一方、メインモータ151の出力軸112a1aには、周知のフォトロータリエンコーダからなるスリット円板163が取付けられている。スリット円板163近傍の図3における右側の装置本体フレーム50には、スリット円板163を所定の間隔をもって挾み付けるフォトインタラプタ(透過型フォトセンサ)からなる印刷速度センサ164が配設されている。メインモータ151の回転駆動によるスリット円板163の回転動作に協働して発生された所定のパルスを印刷速度センサ164で検出することにより、印刷ドラム101の回転速度が検出されるようになっている。これにより、メインモータ151を介して印刷ドラム101の回転速度の制御がなされるようになっている。図3において、符号165は、装置本体フレーム50に移動可能かつ回動自在に支持されたテンションローラを示し、このテンションローラ165は、メインベルト159の略中央部に圧接するようになっている。
ここで、駆動機構150の動作を前もって簡単に述べておく。まず、メインモータ151が回転駆動されることにより、駆動プーリ151bと減速手段152のベルト155を介してプーリ153および小径ギヤ154と、大径ギヤ156とがそれぞれこの順に減速・回転される。そして、大径ギヤ156の回転と共に印圧カム121および同期手段157の下プーリ158が回転され、さらにメインベルト159を介して脱着ギヤ161が回転され、これによりドラムギヤ162が回転される。前記したように、下プーリ158と上プーリ160との、脱着ギヤ161とドラムギヤ162との各々の回転比が、1:1であることにより、印圧カム121と印刷ドラム101とは、1:1の回転比で同期して回転されることになり、結局、駆動機構150の作動によって、印刷ドラム101が回転されると共に、印圧カム121の大径部とカムフォロア123aとの選択的な係合を介して、プレスローラ103が前記印圧位置と前記非印圧位置とに印刷ドラム101の前記回転動作に同期して揺動・変位される。
図4を参照して、給紙装置110および排紙装置130の交換部品および補償手段について説明する。
給紙台51には、用紙サイズに応じて用紙62の両側端を位置決めして揃えるための左右一対のサイドフェンス63が用紙搬送方向Y4と直交する用紙幅方向Xに移動自在に配設されている。サイドフェンス対63は、例えば特開平11−255352号公報の図1および図2等に示されていると同様に左右連動構造をなす。給紙台51およびサイドフェンス対63の周りには、上記同公報で示されていると同様の、サイドフェンス対63の用紙幅方向Xの移動に連動して用紙62の用紙サイズを検知し決定する用紙サイズ検出機構が配設されている。上記同公報の図2に示されている用紙サイズ検出機構の用紙サイズ検知センサ(8)は、反射型フォトセンサであり、用紙62における用紙搬送方向Y4のサイズを検出する。
給紙台51の図示しない不動部材には、上記同公報の図2に示されていると同様の、用紙62の有無を検知するための反射型フォトセンサからなる用紙有無検知センサ(100)が設けられている。反射型フォトセンサからなる用紙サイズ検知センサ(8)および用紙有無検知センサ(100)も、本実施形態における交換部品であるが、説明を簡単にするために図5には示さずその説明を省略することとし、反射型フォトセンサからなる給紙センサ38、レジストセンサ39、排紙センサ69を代表して説明する。
給紙台51は、図示しない案内手段により保持されて昇降可能に設けられており、給紙台昇降モータ53により、その回転軸に固定されたピニオンギヤ55と、給紙台51に固定されピニオンギヤ55と噛合するラック54とを介して昇降駆動されるようになっている。給紙台昇降モータ53は、例えばステッピングモータからなる。給紙台51の前端側には、図1および図4に示すように、積載された用紙62を上から順に送り出す給紙手段ないしは給紙部材としての給紙コロ111と、給紙コロ111により送り出された用紙62を1枚ずつに分離して搬送する分離手段ないしは給紙部材・分離部材としての分離コロ112および分離パッド112Aが設けられている。分離コロ112は、装置本体フレーム50に支持された軸112aに設けられており、軸112aの近傍には分離コロ112を回転駆動するためのステッピングモータからなる給紙モータ56が配置されている。軸112aは、軸112aに設けられた2連の従動プーリと給紙モータ56の出力軸に設けられた駆動プーリとの間に掛け渡されたタイミングベルト57を介して給紙モータ56で回転駆動される。
軸112aを回転中心として給紙アーム18が揺動可能に設けられており、給紙アーム18の他端側には軸111aを介して給紙コロ111が回転可能に保持されている。従って、給紙コロ111は給紙アーム18と一体で軸112aの周りに上下方向に揺動する。また、分離コロ112の軸112aに設けられた2連の従動プーリと給紙コロ111の軸111aに設けられた給紙プーリとの間にはタイミングベルト20が掛け渡されており、給紙コロ111は給紙モータ56により分離コロ112と同時に回転駆動されるようになっている。
給紙台51の上方には、給紙台51に積載された用紙62の最上面の上死点位置を検知するための上死点検知センサ21が装置本体フレーム50(図1参照)に設けられている。上下方向に揺動する給紙アーム18の上端面が、上死点検知センサ21の接触子21aに当接することで上死点検知がなされる。給紙台51の下方には、下死点検知センサ58が設けられている。
分離コロ112の近傍上方には、給紙コロ111が用紙62の上面を押し付ける力である給紙圧を調整するための圧変更手段としての給紙圧調整機構30が設けられている。給紙圧調整機構30は、その一端が給紙アーム18に係止された給紙圧源としての給紙圧スプリング22(引張りばね)と、図示しない案内手段で上下方向に案内され、給紙圧スプリング22の他端が係止され、ラック部23aを有するスライダ23と、その出力軸にラック部23aと噛合するピニオンギヤ24が固設され、スライダ23を上下方向に移動させることによって給紙圧を可変する給紙圧可変駆動源としての給紙圧可変モータ25と、スライダ23の移動量を検知するための図5にのみ示す給紙圧位置検知センサ67とから構成されている。給紙圧可変モータ25は、例えばステッピングモータからなる。
かかる構成により、給紙圧スプリング22の付勢力によって給紙アーム18を介して給紙コロ111に回転モーメントが働き、給紙圧が生じる。給紙圧可変モータ25の回転駆動により、スライダ23が図4において上方向に移動されると、給紙圧スプリング22の引っ張り長さが大きくなることで付勢力(引っ張り荷重)が増加して、給紙圧が大きくなる。従って、給紙圧可変モータ25の回転駆動によって給紙圧を段階的に調整することができる。
給紙圧位置検知センサ67は、例えば特開平9−235033号公報の図2に示されている給紙圧調整機構(22)の位置検知基板(52)と同様のセンサ構成によって、スライダ23の移動量を検知するようになっている。なお、給紙圧位置検知センサ67は、上記したものに限らず、例えば給紙圧可変モータ25にフォトエンコーダを付設すると共に、スライダ23のホームポジションを検知するためのスライダ23に設けた遮光板、およびこの遮光板と選択的に係合する装置本体フレーム50側に設けた透過型フォトセンサからなるセンサ構成等であってもよい。
分離コロ112の下部には、分離パッド112Aが下方向から押し付けられており、用紙62を1枚ずつ確実に分離する働きをする。分離コロ112に対して用紙62を分離パッド112Aで押し付ける力、すなわち分離圧の調整は、この分離圧を調整するための圧変更手段としての分離圧調整機構31によってなされる。分離圧調整機構31は、その一端が分離パッド112Aに係止された分離圧源としての圧縮スプリング26と、図示しない案内手段で上下方向に案内され、圧縮スプリング26の他端が係止され、ラック部27aを有するスライダ27と、その出力軸にラック部27aと噛合するピニオンギヤ28が固設され、スライダ27を上下方向に移動させることによって分離圧を可変する分離圧可変駆動源としての分離圧可変モータ29と、スライダ27の移動量を検知するための図5にのみ示す分離圧位置検知センサ68とから構成されている。
分離圧可変モータ29は、例えばステッピングモータからなる。分離圧位置検知センサ68は、例えば特開平9−235033号公報の図3に示されている分離圧調整機構(34)の位置検知基板(80)と同様のセンサ構成によって、スライダ27の移動量を検知するようになっている。なお、分離圧位置検知センサ68は、上記したものに限らず、例えば分離圧可変モータ29にフォトエンコーダを付設すると共に、スライダ27のホームポジションを検知するためのスライダ27に設けた遮光板、およびこの遮光板と選択的に係合する装置本体フレーム50側に設けた透過型フォトセンサからなるセンサ構成であってもよい。
かかる構成により、圧縮スプリング26の付勢力によって分離パッド112Aが分離コロ112に押し付けられて分離圧が生じる。分離圧可変モータ29の回転駆動により、スライダ27が図4において上方向に移動されると、圧縮スプリング26の圧縮長さが小さくなることで圧縮荷重が増加して、分離圧が大きくなる。従って、分離圧可変モータ29の回転駆動によって分離圧を段階的に調整することができる。
次に、図5を参照して、孔版印刷装置の上記各交換部品およびその使用および/または経時による性能劣化を補償する各補償手段周りの主な制御構成について説明する。
本実施形態では、上記各交換部品に対応して配設されている後述する各補償手段の作動を制御する制御手段として、内蔵A/D変換部3を備えたCPU2を有する。CPU2は、演算および制御機能を備えた中央演算処理装置であり、ROM(読み出し専用記憶装置)、RAM(読み書き可能な記憶装置)、タイマ7、および電池等のバックアップ電源でバックアップされたバックアップメモリ4と信号バスによって接続されていて、相互に信号を送受信する関係にある。
CPU2は、上記演算および制御機能および後述の制御手段としての機能を備えるとともに、印刷ドラム101に巻装する1版分のマスタ12を穿孔製版するためにサーマルヘッド10の製版回数を計数・カウントする計数手段の機能、排紙センサ69(あるいは給紙センサ38、レジストセンサ39)で検知された印刷枚数(但し、版付け用紙の枚数を含む)に係る信号に基づいて、給紙コロ111および分離コロ112により搬送された用紙枚数を計数する枚数計数手段としての機能も兼ね備えている。
タイマ7は、反射型フォトセンサからなる給紙センサ38、レジストセンサ39、排紙センサ69の各使用時間を計時する機能を有する。
なお、タイマ7は、これに限らず、CPU2に内蔵されている内蔵タイマを用いてもよい。
バックアップメモリ4は、CPU2により計数された製版回数の累計である累積製版回数を記憶したり、枚数計数手段(給紙センサ38、レジストセンサ39および排紙センサ69を代表して排紙センサ69ならびにCPU2)により計数された用紙枚数の累計である累積用紙枚数を記憶したり、タイマ7に計時された給紙センサ38、レジストセンサ39、排紙センサ69等の各反射型フォトセンサごとの使用時間の累計である累積使用時間を記憶したりする不揮発性記憶手段としての機能を有する。
ROM5には、上記各交換部品および後述する補償手段の作動に係るフローチャートに示されている動作プログラムおよび実験等により求められた関係データ等が予め記憶されている。関係データとしては、CPU2の後述する機能を発揮させるための製版用エネルギーとしての穿孔用エネルギー(通電パルス幅等)を変えるためのデータ、使用限界製版回数に係るデータ、給紙圧および分離圧の少なくとも一方を変えるためのデータ、使用限界枚数に係るデータ、印刷速度および用紙の搬送速度を変えるためのデータ、反射型フォトセンサの閾値を変えるためのデータ、使用限界時間に係るデータ等が挙げられる。
RAM6は、CPU2での計算結果を一時記憶したり、上記各センサからの出力データ・オン/オフ信号を随時記憶したりしてこれら信号の入出力を行う。
CPU2は、図示しないI/O(入出力)ポート等を介して、操作パネル40からの各種信号および装置本体フレーム50内に設けられた上記した各種センサからの検知信号、タイマ7により計時された反射型フォトセンサからなる給紙センサ38、レジストセンサ39、排紙センサ69の使用時間に係る計時信号およびROM5から呼び出された動作プログラムに基づいて、操作パネル40の液晶表示部49B、原稿読取装置80の原稿搬送モータ83A、製版装置1の製版制御部8を介してサーマルヘッド10、マスタ送りモータ11、印刷ドラム装置100のメインモータ151、給紙装置110の給紙台昇降モータ53、給紙圧可変モータ25、分離圧可変モータ29の各作動等を制御する後述する第1ないし第6の制御手段としての機能を有する。
上述の構成のとおり、CPU2、ROM5、RAM6、タイマ7およびバックアップメモリ4によって、マイクロコンピュータを構成しているとみることもできる。このマイクロコンピュータは、装置本体フレーム50内の図示しない制御基板配置部に設けられている。
CPU2は、バックアップメモリ4に記憶された累積製版回数(以下、単に「製版回数」というときがある)が、サーマルヘッド10の使用限界として予め設定された使用限界製版回数を超えた場合に、サーマルヘッド10の交換時期を報知するように液晶表示部49Bを制御するとともに、前記累積製版回数が前記使用限界製版回数を超えた場合に、製版用エネルギーとしての穿孔用エネルギーが前記使用限界製版回数を超える前よりも低下するようにCPU2自身が兼ね備えているエネルギー可変手段を制御する第1の制御手段としての機能を有する。
CPU2は、第1の制御手段の機能に加え、前記累積製版回数が奇数回のとき、主走査方向の個々の発熱素子10aの奇数番目のみに通電させ、前記累積製版回数が偶数回のとき、前記主走査方向の個々の発熱素子10aの偶数番目のみに通電させるようにサーマルヘッド10における主走査方向の解像度を1/2に変える後述する補償手段としての解像度変更手段を制御する第2の制御手段としての機能を有する。
CPU2は、第1の制御手段の機能に加え、サーマルヘッド10の個々の発熱素子10aに通電不良があるとき、発熱素子10aの通電不良が無い方に対応した個々の発熱素子10aのみに通電させるようにサーマルヘッド10における主走査方向の解像度を1/2に変える後述する補償手段としての解像度変更手段を制御する第3の制御手段としての機能を有する。
CPU2は、バックアップメモリ4に記憶された累積使用枚数(以下、単に「使用枚数」というときがある)が、給紙コロ111および/または分離コロ112の使用限界として予め設定された使用限界枚数を超えた場合に、給紙コロ111および/または分離コロ112の交換時期を報知するように液晶表示部49Bを制御するとともに、給紙圧および分離圧の少なくとも一方が前記使用限界枚数を超える前よりも高くなるように圧変更手段としての給紙圧調整機構30の給紙圧可変モータ25および/または分離圧調整機構31の分離圧可変モータ29を制御する第4の制御手段としての機能を有する。
CPU2は、第4の制御手段の機能に加え、印刷速度ならびに給紙コロ111および分離コロ112による用紙搬送速度が、前記使用限界枚数を超える前よりも一定の速度以下となるように速度可変手段のメインモータ151および給紙モータ56を制御する第5の制御手段としての機能を有する。
CPU2は、バックアップメモリ4に記憶された各給紙センサ38、レジストセンサ39、排紙センサ69ごとの累積使用時間(以下、単に「使用時間」というときがある)が、反射型フォトセンサの使用限界として予め設定された使用限界時間を超えた場合に、各給紙センサ38、レジストセンサ39、排紙センサ69の交換時期を報知するように液晶表示部49Bを制御するとともに、前記累積使用時間が前記使用限界時間を超えた場合に、反射型フォトセンサの閾値が前記使用限界時間を超える前よりも低くなるように後述する補償手段としての閾値変更手段を制御する第6の制御手段としての機能を有する。
また、CPU2は、サーマルヘッド10、給紙コロ111および/または分離コロ112または反射型フォトセンサである給紙センサ38、レジストセンサ39、排紙センサ69の交換時期を延長して製版装置1または孔版印刷装置を稼動していることを報知するように交換時期延長報知手段としての液晶表示部49Bを制御する機能を有する。
また、CPU2は、サーマルヘッド10、給紙コロ111および/または分離コロ112または反射型フォトセンサである給紙センサ38、レジストセンサ39、排紙センサ69の交換をしたとき、後述する初期状態設定手段からの信号に基づいて、前記使用限界状態であることを解除して初期状態に復帰させる機能も有する。
次に、上記各交換部品の使用および/または経時による性能劣化を補償する補償手段および本実施形態の特徴的な動作について説明する。
図6には、サーマルヘッド10が具備している多数の発熱素子10aのうちの1つを駆動させるドライバIC19を含むサーマルヘッド駆動回路の一部が模式的に示されている。サーマルヘッド10およびその基板には、上記した発熱素子10aおよびドライバIC19が主走査方向に多数配列されている。製版制御部8が具備するサーマルヘッド駆動回路では、ドライバIC19を含み、デジタル画像データ信号を取り込み、その画像データ信号に応じてドライバIC19を駆動させて発熱素子10aを選択的に発熱駆動させるようになっている。同図に示すように、発熱素子10aは、発熱体または発熱抵抗体とも呼ばれ、周知のように微小な抵抗体で構成されている。
ドライバIC19により選択的に一定のライン周期をもってサーマルヘッド10の個々の発熱素子10aに一定時間通電(オン)すると、その電気エネルギーが発熱素子10aで熱エネルギーに変換され、このとき発熱素子10aを流れる電流によりジュール熱が発生し、図示しない保護膜を介して接触するマスタ12のフィルム部分にその熱が伝達されることで、マスタ12のフィルム部分が溶融穿孔され、原稿60の画像に対応した穿孔・製版画像が得られる。このようなマスタ12に対するサーマルヘッド10による製版回数を重ねるごとに、発熱素子10aの性能劣化が進み、通電時間が長い場合に溶断し易くなる。換言すれば、発熱素子10aが通電されることで急峻な発熱と放熱とを短時間で繰り返し、一種の金属疲労状態となってしまう。発熱素子10aが溶断した場合は、その部分に対応するマスタ12が常時未穿孔となり、白スジと呼ばれる不具合が発生し、要求している穿孔画像ひいては印刷画像が得られなくなってしまう。
サーマルヘッド10の個々の発熱素子10aへの穿孔用エネルギーの供給は、デジタル画像データ信号に応じて、サーマルヘッド10の個々の発熱体10aへの通電パルス幅の変化により行ってもよいし、あるいは画像データ信号に応じて個々の発熱体10aに流す電流値もしくは個々の発熱体10aに印加する電圧値の変化により行うようにしてもよい。また、CPU2に入力しなくても良い方法もあり、それは製版制御部8内のIC内で達成できる。
本実施形態では、CPU2の指令による通電パルス幅の変化、すなわち一定の印加電圧の下で通電時間の長短により行う例で説明する。従って、CPU2は、サーマルヘッド10の個々の発熱素子10aに供給する製版用エネルギーとしての穿孔用エネルギーを変えるエネルギー可変手段としての機能を有している。
加えて、CPU2は、サーマルヘッド10における主走査方向の解像度を1/2に変更する解像度変更手段としての機能を有している。これを図10を参照して説明する。図10(a)に示すように、製版回数が奇数回のとき、画像処理部8において偶数の画素(ドット)部を「白」マスク処理を施すことにより、サーマルヘッド10の主走査方向における×印で示す偶数番目の発熱素子10aは使用せずに偶数番目の発熱素子10aを発熱駆動させないようにし、奇数の画素(ドット)部に対応したサーマルヘッド10の主走査方向における梨地模様で示す奇数番目の発熱素子10aのみ使用してこれらに通電することで発熱駆動させる。
一方、図10(b)に示すように、製版回数が偶数回のときは、図10(a)に示したものと逆となる。すなわち、サーマルヘッド10の主走査方向における梨地模様で示す偶数番目の発熱素子10aのみ使用してこれら発熱素子10aに通電することで発熱駆動させる(×印で示す奇数番目の発熱素子10aは使用しない)。
このように本実施形態では、サーマルヘッド10の性能劣化を補償する補償手段がCPU2自身が備えているエネルギー可変手段および解像度変更手段のうちの少なくともエネルギー可変手段であるものとして捉え、その機能を利用し制御するものである。
図11に示すフローチャートを参照して、サーマルヘッド10の交換時期延長モードに関する動作を説明する。ここでは、CPU2の有する第1および第2の制御機能が主に使用される。
同図のステップS1において、図1に示した孔版印刷装置で製版スタートキー41の押下により生成される製版スタート信号に基づく上述した製版動作が行われると、1版ごとのマスタ12の製版に対してサーマルヘッド10に送信される通電信号等に基づきCPU2により製版回数1回がカウントされ、さらにバックアップメモリ4に記憶された製版回数が呼び出されこれに製版回数「1」を加える加算処理がなされてバックアップメモリ4に累積された製版回数が記憶される。
次いでステップS2に進み、サーマルヘッド10による製版が繰り返され、バックアップメモリ4に記憶された製版回数が、サーマルヘッド10の使用限界として過去の寿命実績あるいは実験等によって予め設定された使用限界製版回数(限界値)を超えたイエスの場合に、液晶表示部49Bには、例えば「(1)サーマルヘッドの寿命による交換時期が来ましたので、サービス担当者(以下、「サービスマン」という)に連絡して下さい。(2)サーマルヘッドを交換しない状態では、穿孔画質および印刷画質が若干低下しますが、エネルギー低減モードおよび/または解像度切替えモードの選択可否を判断し、これを設定する操作を行うことにより継続製版ができます。」という表示・報知がされる(ステップS3)。ユーザは、液晶表示部49Bの上記表示内容を確認してその旨の連絡をサービスマンに対して行うとともに、上記判断および操作を行う。
なお、ステップS2において、製版回数が使用限界製版回数(限界値)以内であるノーの場合には、リターンされ、ステップS1からの動作が繰り返される。
次いでステップS4に進み、「エネルギー低減モード」の選択可否がチエック・判断される。この「エネルギー低減モード」とは、CPU2がサーマルヘッド10の個々の発熱素子10aに供給する穿孔用エネルギーとしての電気エネルギー(通電時間)が使用限界製版回数を超える前よりも低下するように自身が兼ね備えているエネルギー可変手段を制御するモードである。
すなわちエネルギー低減モードが選択された場合、図7および図8に示すように、CPU1は使用限界製版回数を超える前において個々の発熱素子10aに供給した通電時間Tよりも、短い通電時間T'をROM5から抽出して製版制御部8を介してサーマルヘッド10の個々の発熱素子10aに供給することにより、発熱時間および発熱量を使用限界製版回数を超える前よりも少なくし、個々の発熱素子10aに対する電気的ストレスを軽減させることで、サーマルヘッド10の延命を図るものである。
「エネルギー低減モード」の選択または非選択は、操作パネル40に配置されているエネルギー低減モード設定手段としての図示しないエネルギー低減モード設定キーの押下により行う。このエネルギー低減モード設定キーを1回押すと、これにより生成された信号に基づくCPU2からの指令によってエネルギー低減モード設定キー内に設けられているLED(図示せず)が点灯することでエネルギー低減モード設定状態にあることが分かり、同キーを2回押すとCPU2の指令によってLED(図示せず)が消灯することでエネルギー低減モード非設定状態であることが分かるようになっている。
ここで、エネルギー低減モードが選択される場合には、例えばユーザにとって穿孔画質および印刷画質の若干の低下を許容できる場合が、エネルギー低減モードが選択されない(非選択)場合には、例えばユーザにとって穿孔画質および印刷画質の若干の低下を許容できない場合が、それぞれ挙げられる。
ステップS4において、前記エネルギー低減モード設定キーの操作によって同モードを選択したときは、ステップS5へ進み、選択しなかったときはステップS6へ進む。
使用限界製版回数を超える前の通電時間T、使用限界製版回数を超えた後の通電時間T'を、それぞれどの程度にするかは製版装置1およびこれを備えた孔版印刷装置で使用されるマスタ12の種類、許容される穿孔の大きさおよび印刷画質等によって決められる設計事項に属し、実験によりあるいは過去のデータなどを参照・考慮して適切に設定される。
ステップS5において、「低減率大」とは、サーマルヘッド10への通電時間を正規量より短くすること、すなわちここでは図7に示したように通電時間Tを通電時間T’にすることを意味する。
ステップS6に進み、「解像度切替えモード」の選択可否がチエック・判断される。この「解像度切替えモード」とは、サーマルヘッド10における主走査方向の解像度を1/2に変更する解像度変更手段を作動・実行させるモードである。すなわち、本実施形態例ではサーマルヘッド10の解像度を600dpiの半分である300dpiに変更するモードである。この際には、マスタ12を移動させる際の副走査方向Yの送りピッチ(解像度)をサーマルヘッド10の解像度300dpiと同じとなるようにマスタ送りモータ11が制御されるとともに、原稿60を搬送する際の原稿搬送方向Y2の送りピッチ(解像度)も同じサーマルヘッド10の解像度300dpiと同じとなるように原稿搬送モータ83Aが制御される。
「解像度切替えモード」の選択または非選択は、操作パネル40に配置されている解像度切替えモード設定手段としての図示しない解像度切替えモード設定キーの押下により行う。この解像度切替えモード設定キーを1回押すと、これにより生成された信号に基づくCPU2からの指令によって解像度切替えモード設定キー内に設けられているLED(図示せず)が点灯することで解像度切替えモード設定状態にあることが分かり、同キーを2回押すとCPU2の指令によってLED(図示せず)が消灯することで解像度切替えモード非設定状態であることが分かるようになっている。
ここで、解像度切替えモードが選択される場合には、例えばユーザにとって穿孔画質および印刷画質の若干の低下を許容できる場合が、解像度切替えモードが選択されない(非選択)場合には、例えばユーザにとって穿孔画質および印刷画質の若干の低下を許容できない場合が、それぞれ挙げられる。
ステップS6において「解像度切替えモード」が選択された場合は、ステップS7において、CPU2によりバックアップメモリ4からサーマルヘッド10の製版回数が呼び出されて、その製版回数が偶数回か否かがチエック・判断される。図10(b)に示したように、製版回数が偶数回のときには、主走査方向における偶数番目の画素(ドット)に対応した発熱素子10aのみ使用してこれら発熱素子10aに通電させ、奇数番目の発熱素子10aは使用しない制御が実行される(ステップS8)。
一方、図10(a)に示したように、製版回数が奇数回のときには、主走査方向における奇数番目の画素(ドット)に対応した発熱素子10aのみ使用してこれら発熱素子10aに通電させ、偶数番目の発熱素子10aは使用しない制御が実行される。これにより、サーマルヘッド10の発熱素子10aの使用数を半分にして穿孔製版することができ、発熱素子10aの性能劣化による溶断を防止し、サーマルヘッド10の延命が図れる。
ステップS6において、「解像度切替えモード」が非選択の場合はステップS10へ進む。ステップS10において、液晶表示部49Bには、例えば「サーマルヘッドの交換時期を延長してサーマルヘッドの不具合が発生しない状態で製版装置および孔版印刷装置を稼動しています。」という旨の表示・報知がなされる。ユーザは液晶表示部49Bに表示された上記表示内容を確認してサーマルヘッド10の交換時期を延長して製版装置1および孔版印刷装置が正常範囲内で稼動中であることを認識・理解することができるので、余計な心配をする必要がない。
図9に、図7および図8に示したエネルギー低減モードの変形例を示す。図9に示す変形例は、図6に示した印加電圧を下げるとともに、ライン周期もしくは印字周期(ms/line)と通電時間(μs)とを図7および図8に示したよりも長くすることで、サーマルヘッド10の個々の発熱体10aを緩やかに発熱させ、かつ、放熱時間も十分に確保することで、発熱体10aに対する電気的ストレスを軽減させサーマルヘッド10の延命を図るものである。
すなわち、製版回数の限界値を超える前のサーマルヘッド10の個々の発熱体10aに供給する印加電圧が低くなるように自動的に調整するとともに、ライン周期L(ms/line)と通電時間T(μs)を示す図9(a)と比較して、図9(b)に示すように、製版回数の限界値を超えた後のサーマルヘッド10の個々の発熱体10aに供給する印加電圧を下げ、ライン周期L’>L、通電時間T’>Tに設定することにより、サーマルヘッド10の個々の発熱体10aを緩やかに発熱させ、かつ、放熱時間も十分に確保することで、発熱体10aに対する電気的ストレスを軽減させることでサーマルヘッド10の延命を図ってもよい。
印加電圧は、可変抵抗器(ボリューム)で調整可能であり、PSU(パワーサプライユニット:電力供給装置)に電子ボリュームを内蔵し、それをCPU2で制御することで、電圧調整を行う。ライン周期L’と通電時間T’とは、画像処理部9に入力される基準発信周波数信号を変更することで行う。例えば、複数個の発信器を搭載しておき、セレクタなどで切替えることで行えばよい。
次に、図12を参照して、サーマルヘッド10の交換に係るサービスモードを説明する。同図のフローチャートのステップS11において、サーマルヘッド10の交換時期到来により、サーマルヘッド10を交換したか否かがチエック・判断される。サーマルヘッド10の交換作業は、通常、サービスマンによって行われる。サービスマンによってサーマルヘッド10が交換された場合には、サービスマンプログラムと呼ばれるSPモード実行処理によって初期状態に復帰させることが可能となる。すなわち、新品のサーマルヘッド10と交換した後、サービスマンが操作パネル40に配設されている各種キーの組み合わせ操作(例えばモードクリアキー43を押した後、テンキー46で「10」を入力し、その後エンターキー44を押すというような各種キーの組み合わせ操作)によって、サーマルヘッド10の使用限界状態であることを解除して初期状態に復帰することができる。
SPプログラムによる上記各種キーの組み合わせは、サーマルヘッド10の交換をしたとき、サーマルヘッド10の使用限界状態であることを解除して初期状態に復帰させる初期状態設定手段として機能する。CPU2は、初期状態設定手段としての上記各種キーの組み合わせ操作により生成される初期化設定信号に基づいて、バックアップメモリ4に記憶されている製版回数データをクリアするとともに、液晶表示部49Bに、例えば「新しいサーマルヘッドに交換されたため、製版回数をリセット(初期化)しました。」という旨の表示をさせる。
なお、サーマルヘッド10が、例えばICタグやICチップなどにより自動認識が可能な場合は、その情報がCPU2によって解読されることで、CPU2からの指令によってバックアップメモリ4に記憶されている製版回数データを自動クリアするようなことも可能である。これは、サーマルヘッド10以外の他の交換部品の場合でも同様である。
次に、図13ないし図15を参照して、交換部品としての反射型フォトセンサである給紙センサ38、レジストセンサ39、排紙センサ69の使用による性能劣化を補償する補償手段について説明する。
図13および図14において、符号91は、給紙センサ38、レジストセンサ39、排紙センサ69を総称する反射型フォトセンサを表している。反射型フォトセンサ91は、用紙62の搬送経路上に設けられ被検知部材である用紙62の先端、後端およびその有無のうちの少なくとも一つを検知する機能・構成を有している。すなわち、反射型フォトセンサ91は、光を反射する表面を備えた用紙62表面で光を反射させる発光手段しての発光素子92と、用紙62表面での反射光を受光する受光手段としての受光素子93とを有し、受光素子93による受光量の変化を検知することにより用紙62の有無を、受光量の変化を計時的に検知・認識することにより用紙62の先端および後端の何れか一つを検知するものである。
反射型フォトセンサ91は、発光と受光との間の光路を各素子92,93の外部に配置した周知の構成であり、別名、反射型フォトインタラプタとも呼ばれ、移動する被検知・被検出物体(ここでは用紙62)等を検知するセンサとして広く使われている。発光素子92および受光素子93は、破線で示すハウジング94において、所定の角度をもって左右対称の位置に取り付け・固定されていて、1つのセンサユニットを構成している。
図13および図14に示すように、発光素子92としてはLED(発光ダイオード)を、受光素子93としてはフォトトランジスタを用いている。発光素子92の上部には光を集束するレンズ95が、受光素子93の上部には光を集光・集束するレンズ96がそれぞれ設けられている。ハウジング94におけるレンズ95,96側の被検知部材である用紙62に対向する面をレンズ面97とする。
反射型フォトセンサ91は、用紙62やマスタ12の有無を検知する範囲内で、装置本体フレーム50に配置・固定されている。反射型フォトセンサ91は、レンズ面97から発光素子92の光軸と受光素子93の光軸とが交わる点までの距離dとして用紙62を検知する場合では例えば1〜10mm位、マスタ12を検知する場合では例えば2〜40mm位という通過する用紙62やマスタ12表面近くに配置されている。
以上述べた反射型フォトセンサ91の配置構成において、用紙62の先端、後端およびその有無のうちの少なくとも一つ(以下、「用紙62の有無」で代表する)の検知は、図13ないし図15に示すように行われていた。例えばレジストセンサ39である反射型フォトセンサ91の発光素子92からの入射光98が用紙62表面(通常は白色の表面)に当たり、そこからの反射光99が受光素子93により受光され、その受光量を、図14に示すセンサ回路構成で電気(例えば電圧)に変換し、その出力電圧V2が上昇して、用紙62の有無を検知・判断するために設定された基準となる電圧値(閾値電圧)を超えたときに、用紙62の有無を検知し判断するようになっている。
検知すべき用紙62が無いときには、反射型フォトセンサ91の発光素子92からの入射光98がほとんど反射されないために、受光素子93による受光量が少なくなり、図14に示すセンサ回路構成により、その出力電圧V2が設定された閾値電圧を超えなくなって、用紙無しと判断することで、用紙62の有無を検知し判断するようになっている。
ここで、図13ないし図15を参照して、用紙62の有無検知・判断動作をさらに詳しく述べる。図14において、パルス駆動(ロー、ハイ)の下に電源電圧Vccの直流がセンサ部回路105(反射型フォトセンサ91)内部のLED92(発光素子92)に流れると、図13に示したような入射光98が生成される。発光素子92からの入射光98が、レンズ95で集束されて被検知物体である用紙62表面に照射されると、反射光99(厳密に言えば、用紙62表面で乱反射する乱反射光と正反射される正反射光との総和になる)になると想定される。その反射光99は、レンズ96で集光されて集束される。
そして、図14に示すセンサ部回路105のフォトトランジスタ93(受光素子93)が集光・集束された反射光99を受光するとオンして、受光量に応じてコレクタ電流Icが抵抗R1に流れることにより、抵抗R1に流れる出力電圧V1を取り出している。この出力電圧V1を、オペアンプ等を有する増幅回路106で電圧レベルを増幅させ、ピーク検知回路107を通して略パルス状のピーク電圧として、最終的に受光量に応じた出力電圧V2を取り出している。ピーク検知回路107は、内蔵A/D変換部3を介してCPU2が電気的に接続されている。
図14に示した出力電圧V2に対して、基準となる電圧(閾値電圧)として、図15に示すような2つの基準電圧Vh,Vl(ブィ・エル)の値が、反射型フォトセンサ91の使用限界時間に対応して図5に示したROM5に予め設定されている。図15において、出力電圧:V2≧Vhならば、用紙有りとCPU2が判定し、出力電圧:V2≦Vlならば、用紙無しとCPU2が判定するものである。ちなみに、上側の基準電圧Vhは、2.5Vに、下側の基準電圧Vlは、2.0Vに設定されている。
但し、前記設定値は、デフォルト値であり、上側の基準電圧Vhは例えば1.5〜3.5Vの範囲で設定可能である。下側の基準電圧Vlは、上側の基準電圧Vhの設定値に連動して、例えば基準電圧Vh−0.5Vの値で自動的に設定される。上側の基準電圧Vhおよび下側の基準電圧Vlは、反射型フォトセンサ91の使用時間がその使用限界時間を超えたときに対応してROM5に予め設定されている。
上述のとおり、本実施形態では、反射型フォトセンサ91の性能劣化を補償する補償手段が反射型フォトセンサ91の検知・非検知の閾値を変える閾値変更手段である。それ故に、閾値変更手段は、CPU2から主に構成されているが、反射型フォトセンサ91自身が具備するセンサ部回路105、増幅回路106、ピーク検知回路107、内蔵A/D変換部3、CPU2およびROM5から構成されているとみることもできる。
また、図15(a)、(b)に示した斜線部分は、電圧の変動による誤検知を防止するためのマージン分(余裕分)の電圧幅(0.5V)を表している。図15(a)、(b)に示すように、出力電圧V2が前記斜線部分内の電圧値の場合は、その前の電圧値によって、用紙有り/無しをCPU2が判定している。すなわち、反射型フォトセンサ91の発光素子92(LED)に電圧Vccが印加されている使用時間が徐々に増加し、使用時間がその使用限界時間を超えた場合にはLED(発光ダイオード)の発光能力が低下することによりその光量が低下することによって、出力電圧V2が、一方の上側の基準電圧Vhから低下してきたときは、他方の下側の基準電圧Vl以下になるまでCPU2による制御で用紙有りと判定する。同様に、出力電圧V2が、下側の基準電圧Vlから上昇するときは、上側の基準電圧Vh以上になるまでCPU2による制御で用紙無しと判定することとなる。
一方、互いに対向して設けられた発光素子および受光素子を備えた透過型フォトセンサでは、前記発光素子と前記受光素子との間の光路を遮る態様で被検知部材(遮光部材)が通過するものであり、その使用限界時間は反射型フォトセンサ91のそれと比べて十分長く、多少の性能劣化によってLEDの光量が低下してもその遮光作動原理からみて信頼性は現状では十分に長いと判断されるため、交換部品として捉えていない。しかしながら、孔版印刷装置を構成する構成部品自体の信頼性が十分長くなったような場合には、交換部品として捉えても良いことは言うまでもない。
図13および図14において、反射型フォトセンサ91で検知される被検知部材としては、用紙61の他に、両図において括弧を付して示すマスタ12の先端、後端およびその有無のうちの少なくとも一つを検知するものもある。マスタ12の有無を検知するマスタ有無検知手段の例としては、例えば特開2002−137525号公報の図6、図7、図10、図11および図15等の従来の感熱孔版印刷装置に詳しく示されている反射型フォトセンサからなるマスタ有無検知センサ(1)が、マスタ12の先端等を検知するマスタ検知手段の例としては、例えば特開平9−226088号公報の図1および図2等に示されている反射型フォトセンサからなるマスタ先端検知センサ(63)が、それぞれ挙げられる。
交換部品としての給紙コロ111、分離コロ112の使用(用紙62の使用枚数)による性能劣化を補償する主な補償手段としては、用紙62の給紙圧および分離圧を変える圧変更手段としての給紙圧調整機構30および分離圧調整機構31が挙げられる。
また、交換部品としての給紙コロ111、分離コロ112の使用(用紙62の使用枚数)による性能劣化を補償する補助的な補償手段としては、印刷速度を変える速度可変手段としてのメインモータ151の公知の速度制御回路および印刷速度センサ164からなるものが挙げられる。同様に、給紙コロ111および分離コロ112による用紙62の搬送速度(以下、「用紙搬送速度」という)を変える速度可変手段としての給紙モータ56の公知の速度制御回路が挙げられる。
次に、図16に示すフローチャートを参照して、反射型フォトセンサ91(同図のフローチャートでは、単に「センサ」と記載している)の交換時期延長モードに関する動作のうち、反射型フォトセンサ91の使用時間判定に関する動作を説明する。ここでは、CPU2の有する第6の制御機能が主に使用される。
先ず、図1および図5等に示した孔版印刷装置の各装置・各部に電力を供給するための図示しない電源スイッチの投入により電源がオンされると、これがトリガとなって、タイマ7により反射型フォトセンサ91の使用時間が計時され、バックアップメモリ4に累積された使用時間が記憶される。この際、CPU2は内蔵A/D変換部3を使用し、反射型フォトセンサ91からの出力(電圧)をモニタし、ある値の閾値でオン/オフ判定を行っている(ステップS20)。
反射型フォトセンサ91が使用され続け、バックアップメモリ4に記憶されている反射型フォトセンサ91の累積した使用時間が、反射型フォトセンサ91の使用限界として過去の寿命実績あるいは実験等によって予め設定された使用限界時間(限界値)を超えたか否かがチエック・判断される(ステップS21)。ステップS21において、反射型フォトセンサ91の使用時間がその限界値を超えたイエスの場合にはステップS22に進み、装置が待機状態か否かがチエック・判断される。ここで、液晶表示部49Bには、例えば「反射型フォトセンサの寿命による交換時期が来ましたので、サービスマンに連絡して下さい。(2)反射型フォトセンサを直ぐ交換しなくても、暫くの間、継続して使用できます。」という表示・報知がされる。ユーザは、液晶表示部49Bの上記表示内容を確認してその旨の連絡をサービスマンに対して行うとともに、上記内容を理解する。
ステップS22おいて、待機状態であるイエスの場合、ステップS23に進む。
ステップS23においてフォトセンサ91の性能劣化によるLED92の光量不足を補償するために、CPU2によって上述した反射型フォトセンサ91の閾値(電圧)の変更が実行される(ステップS23)。
次いで、液晶表示部49Bには、例えば「反射型フォトセンサの交換時期を延長して反射型フォトセンサによる不具合が発生しない状態で給紙装置や製版装置および孔版印刷装置を稼動しています。」という旨の反射型フォトセンサ限界モードに係る表示・報知がなされる。ユーザは液晶表示部49Bに表示された上記表示内容を確認して反射型フォトセンサの交換時期を延長して給紙装置や製版装置および孔版印刷装置が正常範囲内で稼動中であることを認識・理解することができるので、余計な心配をする必要がない(ステップS24)。以下、ステップS20へ戻り上述したと同様の動作が、反射型フォトセンサ91が交換されない限り繰り返されることとなる。
一方、ステップS21において、反射型フォトセンサ91の使用時間が限界値を超えていないノーの場合にはステップS20へ戻り、上述したと同様の動作が繰り返される。
なお、ステップS22における待機状態か否かの判定が無い場合は、製版や印刷中でも反射型フォトセンサ91の閾値の変更とユーザへの反射型フォトセンサ限界モードの報知とが可能であることを付記しておく。
次に、図17に示すフローチャートを参照して、給紙コロ111および/または分離コロ112(同フローチャートでは給紙コロを代表して記載している)の交換時期延長モードに関する動作のうち、給紙コロ111および/または分離コロ112による用紙62の使用枚数判定に関する動作を説明する。ここでは、CPU2の有する第4および第5の制御機能が主に使用される。
先ず、前記電源スイッチの投入により電源がオンされた後、続いて製版スタートキー41が押下されることによるスタート信号がトリガとなって前記した給紙動作を含む版付け印刷動作が実行され、次いでテンキー46による印刷枚数・置数後に押下される印刷スタートキー42からの印刷スタート信号に基づいて行われる給紙動作を含む正規の印刷動作が実行されることに伴い、反射型フォトセンサ91(給紙センサ38、レジストセンサ39および排紙センサ69の何れでもよい)により検知されCPU2によって計数された給紙コロ111および/または分離コロ112による用紙62の使用枚数が、給紙コロ111および/または分離コロ112の使用限界として過去の寿命実績あるいは実験等によって予め設定された使用限界枚数(限界値)を超えたか否かがチエック・判断される(ステップS25)。
ステップS25において、給紙コロ111および/または分離コロ112による用紙62の使用枚数がその限界値を超えたイエスの場合に、CPU2によって給紙コロ111および/または分離コロ112の使用限界と判断され、ステップS26に進む。ここで、装置が待機状態か否かがチエック・判断される。
この際、液晶表示部49Bには、例えば「(1)給紙コロおよび/または分離コロの寿命による交換時期が来ましたので、サービスマンに連絡して下さい。(2)給紙コロおよび/または分離コロを直ぐ交換しなくても、暫くの間、継続して給紙および印刷ができます。」という表示・報知がされる。ユーザは、液晶表示部49Bの上記表示内容を確認してその旨の連絡をサービスマンに対して行うとともに、上記内容を理解する。
ステップS26において、待機状態であるイエスの場合、ステップS27に進み、CPU2によって給紙コロ111および/または分離コロ112の使用限界と判断されるので、これを補償するために、CPU2は使用限界枚数を超える前の通常状態における給紙圧よりもそれが高くなるように給紙圧調整機構30の給紙圧可変モータ25を、および/または使用限界枚数を超える前の通常状態における分離圧よりもそれが高くなるように分離圧調整機構31の分離圧可変モータ29が制御されるとともに、印刷速度が使用限界枚数を超える前よりも一定の速度以下となるように、例えば90枚/分(90rpm)以下になるようにメインモータ151が制御されるとともに、これに対応する用紙搬送速度となるように給紙モータ56が制御される。
次いで、液晶表示部49Bには、例えば「給紙コロおよび/または分離コロの交換時期を延長して給紙コロおよび/または分離コロの不具合が発生しない状態で(給紙圧および分離圧を通常より高めに設定し、かつ、印刷速度および用紙搬送速度を90rpm以下に設定して給紙装置および孔版印刷装置を稼動しています。」という旨の給紙コロおよび/または分離コロ限界モードに係る表示・報知がなされる(ステップS28)。ユーザは液晶表示部49Bに表示された上記表示内容を確認して給紙コロ111および/または分離コロ112の交換時期を延長して給紙装置110および孔版印刷装置が正常範囲内で稼動中であることを理解し認識することができるので、余計な心配をする必要がない。
以下、ステップS25へ戻り上述したと同様の動作が、給紙コロ111および/または分離コロ112が交換されない限り繰り返されることとなる。
一方、ステップS25において、給紙コロ111および/または分離コロ112による用紙62の使用枚数がその限界値を超えないノーの場合には、ステップS29に進み、CPU2は使用限界枚数を超える前の通常状態における給紙圧と同様に給紙圧調整機構30の給紙圧可変モータ25を、および/または使用限界枚数を超える前の通常状態と同様に分離圧調整機構31の分離圧可変モータ29が制御されるとともに、印刷速度および用紙搬送速度が使用限界枚数を超える前と同様となるようにメインモータ151および給紙モータ56が制御される。その後、ステップS25へ戻り、上述したと同様の動作が繰り返される。
なお、ステップS26における待機状態か否かの判定が無い場合は、印刷中でも給紙圧・分離圧・印刷速度および用紙搬送速度の可変制御とユーザへの給紙コロ限界モードの報知とが可能であることを付記しておく。
本実施形態によれば、図16および図17等に示した制御動作を行うことにより、給紙コロ111および/または分離コロ112の性能劣化による給紙ジャムや給紙ミスの発生を防止することができ、その部品交換時まで装置を停止させることなく使用できるので、ユーザの操作性および利便性が向上する。また、給紙コロ111および/または分離コロ112の性能劣化によるレジストズレの発生を防止することができ、その部品交換時まで安定した(印刷)画像位置の印刷物を得ることができる。
また、反射型フォトセンサ91の性能劣化による誤検知や検知ミスの発生を防止することができ、部品交換時まで装置を停止させることなく使用できるので、ユーザの操作性および利便性が向上する。
次に、図18を参照して、給紙コロ111および/または分離コロ112ならびに反射型フォトセンサ91の交換に係るサービスモードを説明する。同図のフローチャートのステップS35において、給紙コロ111および/または分離コロ112の交換時期到来により、給紙コロ111および/または分離コロ112を交換したか否かがチエック・判断される。給紙コロ111および/または分離コロ112の交換作業は、サーマルヘッド10の交換と同様に、通常、サービスマンによって行われる。サービスマンによって給紙コロ111および/または分離コロ112が交換された場合には、SPモード実行処理によって初期状態に復帰させることが可能となる。すなわち、新品の給紙コロ111および/または分離コロ112と交換した後、サービスマンが操作パネル40に配設されている各種キーの組み合わせ操作(例えばモードクリアキー43を押した後、テンキー46で「20」を入力し、その後エンターキー44を押すというような各種キーの組み合わせ操作)によって、給紙コロ111および/または分離コロ112の使用限界状態であることを解除して初期状態に復帰することができる。
SPプログラムによる上記各種キーの組み合わせは、給紙コロ111および/または分離コロ112の交換をしたとき、給紙コロ111および/または分離コロ112の使用限界状態であることを解除して初期状態に復帰させる初期状態設定手段として機能する。CPU2は、初期状態設定手段としての上記各種キーの組み合わせ操作により生成される初期化設定信号に基づいて、バックアップメモリ4に記憶されている用紙62の使用枚数データをクリアするとともに、液晶表示部49Bに、例えば「新しい給紙コロおよび/または分離コロに交換されたため、用紙の使用枚数をリセット(初期化)しました。」という旨の表示をさせる。
次いで、ステップS37において、反射型フォトセンサ91の交換時期到来により、反射型フォトセンサ91を交換したか否かがチエック・判断される。反射型フォトセンサ91の交換作業は、給紙コロ111および/または分離コロ112等の交換と同様に、通常、サービスマンによって行われる。サービスマンによって反射型フォトセンサ91が交換された場合には、SPモード実行処理によって初期状態に復帰させることが可能となる。すなわち、新品の反射型フォトセンサ91と交換した後、サービスマンが操作パネル40に配設されている各種キーの組み合わせ操作(例えばモードクリアキー43を押した後、テンキー46で「30」を入力し、その後エンターキー44を押すというような各種キーの組み合わせ操作)によって、反射型フォトセンサ91の使用限界状態であることを解除して初期状態に復帰することができる。
SPプログラムによる上記各種キーの組み合わせは、反射型フォトセンサ91の交換をしたとき、反射型フォトセンサ91の使用限界状態であることを解除して初期状態に復帰させる初期状態設定手段として機能する。CPU2は、初期状態設定手段としての上記各種キーの組み合わせ操作により生成される初期化設定信号に基づいて、バックアップメモリ4に記憶されている反射型フォトセンサ91の使用時間データをクリアするとともに、液晶表示部49Bに、例えば「新しい反射型フォトセンサに交換されたため、反射型フォトセンサの使用をリセット(初期化)しました。」という旨の表示をさせる。
反射型フォトセンサ91は、特に印刷装置や画像形成装置において複数の給紙部としてのバンク給紙装置を具備する場合(例えば、特開2000−108481号公報参照)に多用されているので、前記のような装置では上記利点・効果が顕著となる。なお、図18に示したフローチャートでは、ステップS35およびステップS36と、ステップS37およびステップS38との動作順序を逆に入れ替えても構わない。
第1の実施形態の変形例を説明する。
この変形例は、第1の実施形態における第2の制御手段としての機能を有するCPU2に代えて、第1の制御手段の機能に加え、サーマルヘッド10の個々の発熱素子10aに通電不良があるとき、発熱素子10aの通電不良が無い方に対応した個々の発熱素子10aのみに通電させるようにサーマルヘッド10における主走査方向の解像度を1/2に変える前記解像度変更手段を制御する第3の制御手段としての機能を有するCPU2を用いる点、およびサーマルヘッド10の個々の発熱素子10aに対する通電不良有無を記憶可能な不揮発性記憶手段としての図示しないバックアップメモリを用いる点が主に相違する。この相違点以外は、第1の実施形態と同様である。
この変形例では、図示しないバックアップメモリの記憶容量がサーマルヘッド10の個々の発熱素子10aに対応させてかなりの大きさになるが、最近のメモリ技術分野の目覚しい発達により、コスト的にも漸減傾向にあることから将来的には実用性がないとは言えない現状にある。この変形例によれば、第1の実施形態とほぼ同様の利点・効果を奏する。
本発明に係る製版装置が装備される印刷装置は、第1の実施形態に示した孔版印刷装置に限らず、例えば特許第2790963号公報(特開平7−17013号公報)に示されているような版胴の外側からインキを供給する構成の印刷装置であってもよく、また、特開平10−202996号公報記載の技術のように製版装置が製版部ユニットを構成していてその製版部ユニット全体を着脱可能な場合にも有効に適用できる。特許第2790963号公報記載の印刷装置では、「補償手段が、サーマルヘッドの個々の発熱素子に供給する製版用エネルギーを変えるエネルギー可変手段である」と言える。ここで、「製版用エネルギー」は、上記実施形態で述べた穿孔用エネルギーを含み、かつ、貫通しない程度にマスタを製版するエネルギーを含む広い概念を意味する。
本発明が適用される実施形態は、前記した第1の実施形態やその変形例に限らず、例えば第1の実施形態で示した交換部品としてのサーマルヘッド10、給紙コロ111および/または分離コロ112および反射型フォトセンサ91の少なくとも一つ以上と、これらの交換部品に対応した補償手段およびこれらの補償手段に対応した第1ないし第6の制御手段としての機能を備えたCPU2の少なくとも一つ以上との組み合わせから構成されるものであっても良い(課題を解決するための手段欄参照)。
また、本発明が適用される装置は、前記した第1の実施形態やその変形例の製版装置1を有する孔版印刷装置に限らず、例えば交換部品としての給紙部材である給紙コロおよび/または分離コロ、各種の反射型フォトセンサを備えた印刷装置や、例えば交換部品としての給紙部材である給紙コロおよび/または分離コロ、各種の反射型フォトセンサを備えるとともに、像担持体としてのドラム状またはベルト状の感光体を有する画像形成装置にも適用できることは言うまでもない。
また、本発明が適用される装置は、前記した第1の実施形態やその変形例の製版装置1に限らず、例えばサーマルヘッドを有する感熱式の記録装置に転用し適用できる。
以上述べたとおり、本発明を実施例を含む特定の実施形態および変形例等について説明したが、本発明は、前述した実施形態および変形例等に限定されるものではなく、これらを適宜組み合わせて構成したり動作させたりしてもよく、本発明の範囲内において、その必要性および用途等に応じて種々の実施形態や実施例等を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
本発明の第1の実施形態を示す孔版印刷装置の概略的な正面図である。 孔版印刷装置に配設された操作パネルの平面図である。 印刷ドラムの駆動機構周りの斜視図である。 給紙圧調整機構および分離圧調整機構周りの概略的な正面図である。 図1に示した孔版印刷装置の要部の制御構成を表すブロック図である。 サーマルヘッドの一つの発熱素子およびその駆動回路を示す図である。 サーマルヘッドの個々の発熱素子に通電する通電時間(通電パルス幅)を変えるエネルギー低減モードの制御例を説明する図である。 図7に示したエネルギー低減モード時と通常モード時とによる通電時の発熱量の違いを説明する図である。 図7および図8に示したエネルギー低減モードの変形例を示す図である。 サーマルヘッドの解像度変更手段の制御例を説明する図である。 サーマルヘッドの交換時期延長モードに関する動作を説明するフローチャートである。 サーマルヘッドの交換・サービスモード時の動作を説明するフローチャートである。 反射型フォトセンサの要部の構成を示す平面図である。 反射型フォトセンサおよびCPU周りの接続回路構成を示す図である。 反射型フォトセンサの閾値電圧を説明する図である。 反射型フォトセンサの交換時期延長モードに関する動作を説明するフローチャートである。 給紙コロおよび/または分離コロの交換時期延長モードに関する動作を説明するフローチャートである。 給紙コロおよび/または分離コロ、反射型フォトセンサの交換・サービスモード時の動作を説明するフローチャートである。
符号の説明
1 製版装置
2 CPU(第1ないし第6の制御手段、枚数計数手段、閾値変更手段)
4 バックアップメモリ(不揮発性記憶手段)
5 ROM
7 タイマ(計時手段)
8 製版制御部
9 画像処理部
10 サーマルヘッド(交換部品)
10a 発熱素子
11 マスタ送りモータ
12 マスタ
30 給紙圧調整機構(補償手段、圧変更手段)
31 分離圧調整機構(補償手段、圧変更手段)
38 給紙センサ(交換部品、反射型フォトセンサ)
39 レジストセンサ(交換部品、反射型フォトセンサ)
40 操作パネル(操作部)
44 エンターキー(初期状態設定手段)
46 テンキー(初期状態設定手段)
47 印刷速度設定キー(印刷速度設定手段)
48B 液晶表示部(交換時期報知手段、交換時期延長報知手段)
56 給紙モータ(補償手段)
62 用紙(シート状記録媒体)
69 排紙センサ(交換部品、反射型フォトセンサ)
83A 原稿搬送モータ
91 反射型フォトセンサ(交換部品)
100 印刷ドラム装置
101 印刷ドラム
103 プレスローラ(押圧手段)
108 インキ供給装置
110 給紙装置
111 給紙コロ(給紙部材)
112 分離コロ(給紙部材)
150 駆動機構
151 メインモータ(補償手段)
164 印刷速度センサ
Y 副走査方向、マスタ搬送方向
Y4 用紙搬送方向

Claims (18)

  1. 製版装置、記録装置、印刷装置または画像形成装置等に設けられその使用および/または経時による性能劣化により交換を要する交換部品の部品交換時期延長方法において、
    前記交換部品の使用限界を超えた場合に、これを検知して該交換部品の交換時期を報知するとともに、前記性能劣化を補償する補償手段の作動を制御することにより、前記交換部品の交換時期を延長して前記装置の稼動を停止させないようにしたことを特徴とする部品交換時期延長方法。
  2. 請求項1記載の部品交換時期延長方法を使用した製版装置であって、
    前記交換部品が、マスタを加熱製版するサーマルヘッドであり、
    前記補償手段が、前記サーマルヘッドの個々の発熱素子に供給する製版用エネルギーを変えるエネルギー可変手段であり、
    前記サーマルヘッドの製版回数を計数する計数手段と、
    前記計数手段により計数された製版回数を記憶する不揮発性記憶手段と、
    前記不揮発性記憶手段に記憶された累積製版回数が、前記サーマルヘッドの使用限界として設定された使用限界製版回数を超えた場合に、前記サーマルヘッドの交換時期を報知する交換時期報知手段と、
    前記累積製版回数が前記使用限界製版回数を超えた場合に、前記製版用エネルギーが前記使用限界製版回数を超える前よりも低下するように前記エネルギー可変手段を制御する第1の制御手段と、
    を有することを特徴とする製版装置。
  3. 請求項1記載の部品交換時期延長方法を使用した製版装置であって、
    前記交換部品が、マスタを加熱製版するサーマルヘッドであり、
    前記補償手段が、前記サーマルヘッドにおける主走査方向の解像度を1/2に変える解像度変更手段であり、
    前記累積製版回数が奇数回のとき、前記主走査方向の個々の発熱素子の奇数番目のみに通電させ、前記累積製版回数が偶数回のとき、前記主走査方向の個々の発熱素子の偶数番目のみに通電させるように前記解像度変更手段を制御する第2の制御手段を有することを特徴とする製版装置。
  4. 請求項2記載の製版装置において、
    前記補償手段が、前記サーマルヘッドにおける主走査方向の解像度を1/2に変える解像度変更手段であり、
    前記累積製版回数が奇数回のとき、前記主走査方向の個々の発熱素子の奇数番目のみに通電させ、前記累積製版回数が偶数回のとき、前記主走査方向の個々の発熱素子の偶数番目のみに通電させるように前記解像度変更手段を制御する第2の制御手段を有することを特徴とする製版装置。
  5. 請求項1記載の部品交換時期延長方法を使用した製版装置であって、
    前記交換部品が、マスタを加熱製版するサーマルヘッドであり、
    前記補償手段が、前記サーマルヘッドにおける主走査方向の解像度を1/2に変える解像度変更手段であり、
    前記サーマルヘッドの個々の発熱素子に通電不良があるとき、前記発熱素子の通電不良が無い方に対応した個々の発熱素子のみに通電させるように前記解像度変更手段を制御する第3の制御手段を有することを特徴とする製版装置。
  6. 請求項2記載の製版装置において、
    前記補償手段が、前記サーマルヘッドにおける主走査方向の解像度を1/2に変える解像度変更手段であり、
    前記サーマルヘッドの個々の発熱素子に通電不良があるとき、前記発熱素子の通電不良が無い方に対応した個々の発熱素子のみに通電させるように前記解像度変更手段を制御する第3の制御手段を有することを特徴とする製版装置。
  7. 請求項1ないし6の何れか一つに記載の製版装置において、
    前記サーマルヘッドの交換時期を延長して前記製版装置を稼動していることを報知する交換時期延長報知手段を有することを特徴とする製版装置。
  8. 請求項1ないし7の何れか一つに記載の製版装置において、
    前記サーマルヘッドの交換をしたとき、前記使用限界状態であることを解除して初期状態に復帰させる初期状態設定手段を有することを特徴とする製版装置。
  9. 請求項1ないし8の何れか一つに記載の製版装置と、該製版装置により製版されたマスタを巻装する印刷ドラムとを有することを特徴とする印刷装置。
  10. 請求項1記載の部品交換時期延長方法を使用した画像形成装置であって、
    前記交換部品が、シート状記録媒体を搬送する給紙部材であり、
    前記補償手段が、前記給紙部材に対するシート状記録媒体の給紙圧および分離圧の少なくとも一方を変える圧変更手段であり、
    前記給紙部材により搬送されたシート状記録媒体枚数を計数する枚数計数手段と、
    前記枚数計数手段により計数されたシート状記録媒体枚数を記憶する不揮発性記憶手段と、
    前記不揮発性記憶手段に記憶されたシート状記録媒体の累積使用枚数が、前記給紙部材の使用限界として設定された使用限界枚数を超えた場合に、前記給紙部材の交換時期を報知する交換時期報知手段と、
    前記累積使用枚数が前記使用限界枚数を超えた場合に、前記給紙圧および分離圧の少なくとも一方が前記使用限界枚数を超える前よりも高くなるように前記圧変更手段を制御する第4の制御手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項10記載の画像形成装置において、
    前記給紙部材の交換時期を延長して前記画像形成装置を稼動していることを報知する交換時期延長報知手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項10または11記載の画像形成装置において、
    前記給紙部材の交換をしたとき、前記使用限界状態であることを解除して初期状態に復帰させる初期状態設定手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項10ないし12の何れか一つに記載の画像形成装置が、印刷速度および前記給紙部材の速度が可変である印刷装置であり、
    前記補償手段が、前記印刷速度および前記給紙部材によるシート状記録媒体の搬送速度を変える速度可変手段であり、
    前記印刷速度および前記搬送速度が、前記使用限界枚数を超える前よりも一定の速度以下となるように前記速度可変手段を制御する第5の制御手段を有することを特徴とする印刷装置。
  14. 請求項1記載の部品交換時期延長方法を使用した画像形成装置であって、
    前記交換部品が、前記画像形成装置本体に配設され発光素子および受光素子を備えた反射型フォトセンサであり、
    前記補償手段が、前記反射型フォトセンサの検知・非検知の閾値を変える閾値変更手段であり、
    前記反射型フォトセンサの使用時間を計時する計時手段と、
    前記計時手段により計時されたセンサ使用時間を記憶する不揮発性記憶手段と、
    前記不揮発性記憶手段に記憶された累積センサ使用時間が、前記反射型フォトセンサの使用限界として設定された使用限界時間を超えた場合に、前記反射型フォトセンサの交換時期を報知する交換時期報知手段と、
    前記累積使用時間が前記使用限界時間を超えた場合に、前記閾値が前記使用限界時間を超える前よりも低くなるように前記閾値変更手段を制御する第6の制御手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項14記載の画像形成装置において、
    前記反射型フォトセンサは、シート状記録媒体を搬送する搬送経路に設けられシート状記録媒体の先端、後端および有無のうちの少なくとも一つを検知する記録媒体検知センサであることを特徴とする画像形成装置。
  16. 請求項14または15記載の画像形成装置において、
    前記反射型フォトセンサの交換時期を延長して前記画像形成装置を稼動していることを報知する交換時期延長報知手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  17. 請求項14ないし16の何れか一つに記載の画像形成装置において、
    前記反射型フォトセンサの交換をしたとき、前記使用限界状態であることを解除して初期状態に復帰させる初期状態設定手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  18. 請求項14ないし17の何れか一つに記載の画像形成装置が、マスタを巻装する印刷ドラムを有することを特徴とする印刷装置。
JP2005234737A 2005-08-12 2005-08-12 部品交換時期延長方法、製版装置、印刷装置および画像形成装置 Pending JP2007045121A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005234737A JP2007045121A (ja) 2005-08-12 2005-08-12 部品交換時期延長方法、製版装置、印刷装置および画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005234737A JP2007045121A (ja) 2005-08-12 2005-08-12 部品交換時期延長方法、製版装置、印刷装置および画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007045121A true JP2007045121A (ja) 2007-02-22

Family

ID=37848361

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005234737A Pending JP2007045121A (ja) 2005-08-12 2005-08-12 部品交換時期延長方法、製版装置、印刷装置および画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007045121A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009045818A (ja) * 2007-08-20 2009-03-05 Rohm Co Ltd サーマルプリントヘッド及びプリンタ
JP2018004365A (ja) * 2016-06-30 2018-01-11 ローム株式会社 反射式検出装置

Citations (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61108563A (ja) * 1984-10-31 1986-05-27 Konishiroku Photo Ind Co Ltd 転写記録方法
JPS6399965A (ja) * 1986-10-17 1988-05-02 Ricoh Co Ltd 感熱記録装置の制御方式
JPH01249365A (ja) * 1988-03-30 1989-10-04 Nec Corp 感熱記録制御方式
JPH01285347A (ja) * 1988-05-12 1989-11-16 Tokyo Kikai Seisakusho Ltd キーレスインキ供給調整装置
JPH0561282A (ja) * 1991-08-30 1993-03-12 Murata Mach Ltd 画像形成装置
JPH05147250A (ja) * 1991-11-29 1993-06-15 Victor Co Of Japan Ltd 熱転写型プリンタ装置
JPH05318905A (ja) * 1992-06-18 1993-12-03 Fuji Xerox Co Ltd 製版兼用印刷装置
JPH06278899A (ja) * 1993-03-31 1994-10-04 Toshiba Corp 原稿分離装置
JPH10139191A (ja) * 1996-09-12 1998-05-26 Tohoku Ricoh Co Ltd 給紙装置
JPH10329964A (ja) * 1997-05-31 1998-12-15 Omron Corp 紙葉類繰り出し装置
JP2000052586A (ja) * 1998-08-07 2000-02-22 Fujitsu Takamisawa Component Ltd サーマルプリンタ
JP2001105646A (ja) * 1999-10-14 2001-04-17 Toshiba Tec Corp サーマルプリンタ
JP2002192760A (ja) * 2000-12-27 2002-07-10 Toshiba Tec Corp サーマルプリンタのヘッド診断方法及び装置
JP2003026343A (ja) * 2001-07-13 2003-01-29 Canon Inc 画像形成装置
JP2004306462A (ja) * 2003-04-08 2004-11-04 Riso Kagaku Corp 両面印刷装置

Patent Citations (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61108563A (ja) * 1984-10-31 1986-05-27 Konishiroku Photo Ind Co Ltd 転写記録方法
JPS6399965A (ja) * 1986-10-17 1988-05-02 Ricoh Co Ltd 感熱記録装置の制御方式
JPH01249365A (ja) * 1988-03-30 1989-10-04 Nec Corp 感熱記録制御方式
JPH01285347A (ja) * 1988-05-12 1989-11-16 Tokyo Kikai Seisakusho Ltd キーレスインキ供給調整装置
JPH0561282A (ja) * 1991-08-30 1993-03-12 Murata Mach Ltd 画像形成装置
JPH05147250A (ja) * 1991-11-29 1993-06-15 Victor Co Of Japan Ltd 熱転写型プリンタ装置
JPH05318905A (ja) * 1992-06-18 1993-12-03 Fuji Xerox Co Ltd 製版兼用印刷装置
JPH06278899A (ja) * 1993-03-31 1994-10-04 Toshiba Corp 原稿分離装置
JPH10139191A (ja) * 1996-09-12 1998-05-26 Tohoku Ricoh Co Ltd 給紙装置
JPH10329964A (ja) * 1997-05-31 1998-12-15 Omron Corp 紙葉類繰り出し装置
JP2000052586A (ja) * 1998-08-07 2000-02-22 Fujitsu Takamisawa Component Ltd サーマルプリンタ
JP2001105646A (ja) * 1999-10-14 2001-04-17 Toshiba Tec Corp サーマルプリンタ
JP2002192760A (ja) * 2000-12-27 2002-07-10 Toshiba Tec Corp サーマルプリンタのヘッド診断方法及び装置
JP2003026343A (ja) * 2001-07-13 2003-01-29 Canon Inc 画像形成装置
JP2004306462A (ja) * 2003-04-08 2004-11-04 Riso Kagaku Corp 両面印刷装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009045818A (ja) * 2007-08-20 2009-03-05 Rohm Co Ltd サーマルプリントヘッド及びプリンタ
JP2018004365A (ja) * 2016-06-30 2018-01-11 ローム株式会社 反射式検出装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7073436B2 (en) Duplex printing device configured for duplex printing on the front and reverse sides of a sheet of printing paper and simplex printing on only one side of the sheet
JP5233045B2 (ja) シート給送装置および画像形成装置
JP5076144B2 (ja) 孔版印刷装置
JP2007045121A (ja) 部品交換時期延長方法、製版装置、印刷装置および画像形成装置
JP5015560B2 (ja) 印刷方法および印刷装置
JP4185297B2 (ja) 両面印刷装置
JP4478382B2 (ja) 印刷装置
JP2006341556A (ja) 孔版製版装置および孔版印刷装置
JP5015577B2 (ja) 孔版印刷装置
JP4920832B2 (ja) 製版印刷装置
JP5059384B2 (ja) 印刷制御方法及び孔版印刷装置
JP5103646B2 (ja) 用紙剥離装置、用紙剥離方法、印刷装置及び印刷方法
JP4758221B2 (ja) 孔版印刷装置
JP2009137663A (ja) オプション型給紙装置
JP2009107125A (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP2006076208A (ja) 画像形成装置
JP4712963B2 (ja) 製版装置および製版印刷装置
JP4758207B2 (ja) 孔版印刷装置
JPH08183238A (ja) 孔版印刷装置
JP3913529B2 (ja) 多色印刷装置
JP5034048B2 (ja) 孔版印刷装置
JP5066717B2 (ja) 製版装置および孔版印刷装置
JP4430345B2 (ja) 製版装置および製版印刷装置
JP5181166B2 (ja) 感熱孔版印刷装置
JP5239017B2 (ja) シート給送装置および画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080801

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110418

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110426

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110624

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110719