JP2007045121A - 部品交換時期延長方法、製版装置、印刷装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 CPU2は、バックアップメモリ4に記憶された使用枚数が、給紙コロ111等の使用限界として予め設定された使用限界枚数を超えた場合に、給紙コロ111等の交換時期を報知するように液晶表示部49Bを制御するとともに、給紙圧および分離圧が使用限界枚数を超える前よりも高くなるように給紙圧可変モータ25および分離圧可変モータ29を制御する。
【選択図】 図5
Description
特開平10−191192号公報には、例えば液晶プロジェクタ等の映像機器において、寿命のある電子部品の例としてスクリーン液晶パネル画像を照射させるためのバックライトとして用いられるランプを採り上げ、部品使用時間のリセット操作を部品使用限度時間到達以降のみに行わせると同時に、その使用時間を観測し、使用限度時間の到達時に部品交換時期情報を明確にユーザに報知させる技術内容が記載されている。
例えば特開2002−169431号公報では、上記累積画像枚数を装置本体に内蔵された記憶手段に記憶させるとともに交換部品としてのプロセスカートリッジに設けた第2の不揮発性記憶手段にも記憶させ、記憶手段に記憶された累積画像枚数が装置本体に内蔵されていて読み出し・書き込み可能な第1の不揮発性記憶手段に記憶された使用限界画像枚数を越えた場合、交換部品(プロセスカートリッジ)の交換時期を報知する技術が開示されている。
すなわち、第1に、給紙装置における給紙部材である給紙コロや分離コロ等により搬送される用紙枚数がその使用限界枚数を超えた場合、給紙コロや分離コロ等の用紙との接触・摩擦部分等の摩耗に基づく性能劣化によって給紙ジャムの発生頻度が高くなってしまう。
第2に、用紙の先端や後端あるいはその有無等を検知する用紙検知手段として使用されている反射型光学センサとも呼ばれる反射型フォトセンサの使用時間が、その使用限界時間を超えた場合、該センサに発光素子として用いられているLED(発光ダイオード)の光量不足に基づく性能劣化によって用紙の誤検知・検知ミスやこれによるジャムの発生頻度が高くなってしまう。反射型フォトセンサは、用紙搬送系以外にもマスタ搬送系におけるマスタの先端や後端あるいはその有無等を検知するマスタ検知手段や印刷ドラム上のマスタ有無を検知するマスタ有無検知手段として使用されているため、上記と同様の性能劣化によってマスタの誤検知・検知ミスやこれによるジャムの発生頻度が高くなってしまう。
第3に、製版装置におけるサーマルヘッドの発熱素子の製版回数ごとの電気的ストレスに基づく性能劣化・発熱不良等によって画質不良(穿孔が形成されないことによる白スジや白抜けあるいは画像欠損等)の発生頻度が高くなってしまう。
前述したように、孔版印刷装置では第1ないし第3の不具合の発生頻度が高くなってしまうことから、ユーザの作業性や利便性を悪化させる場合が複写機やプリンタあるいはファクシミリ等の画像形成装置と比べて高い実情にある。
そして、本発明者は上述した事情に鑑みて上記各交換部品の交換時期を延長させ得る手段として、上記各交換部品の性能劣化を補償できる手段である補償手段が存在することに着目し、補償手段が交換部品自身やその制御構成またはその交換部品の周りに本来的に備わっていれば、これを利用して作動させたり、その制御内容を変えたりすることにより、補償手段が備わっていなければそれを新たに付加してこれを作動させたり、その制御内容を変えたりすることにより、上記各交換部品の性能劣化を補うことができるという着想に至り、上記各交換部品の交換時期を実質的に延長することができるという新規な発明をするに至った。本発明は、このような原理を基本になされたものである。
請求項1記載の発明では、製版装置、記録装置、印刷装置または画像形成装置等に設けられその使用および/または経時による性能劣化により交換を要する交換部品の部品交換時期延長方法において、前記交換部品の使用限界を超えた場合に、これを検知して該交換部品の交換時期を報知するとともに、前記性能劣化を補償する補償手段の作動を制御することにより、前記交換部品の交換時期を延長して前記装置の稼動を停止させないようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、交換部品の使用限界を超えた場合に、これを検知して該交換部品の交換時期を報知するとともに、性能劣化を補償する補償手段の作動を制御することにより、交換部品の交換時期を延長して装置の稼動を停止させないようにしたことにより、その交換部品の性能劣化による問題・不具合発生を防止することができ、その部品交換時まで装置を停止させることなく使用できるので、ユーザの操作性および利便性が向上する。(請求項1)。
まず、図1ないし図3を参照して、本発明の第1の実施形態を示すデジタル感熱孔版式の製版装置およびこの製版装置を有するデジタル感熱孔版式の孔版印刷装置の概略的な全体構成と共に、その動作について簡単に説明する。
図1において、符号50は、印刷装置の一例としての孔版印刷装置の骨組みをなす装置本体フレームを示す。同図に示すように、装置本体フレーム50の上部にある、符号80で示す部分は原稿読取装置を、その下方の符号1で示す部分は製版装置を、製版装置1の左側に符号100で示す部分は多孔性円筒状の版胴を外周部に備えた印刷ドラム101が配置された印刷ドラム装置を、印刷ドラム101の下方の符号120で示す部分は印圧装置120を、印刷ドラム101の左側に符号70で示す部分は排版装置を、製版装置1の下方の符号110で示す部分は給紙装置を、印圧装置120の左側であって排版装置70の下方の符号130で示す部分は排紙装置を、それぞれ示している。
このように、図1に示す孔版印刷装置には、製版装置1が装置本体フレーム50内に一体的に装備されている。
まず、使用者が、原稿読取装置80の上部に配置された図示しない原稿載置台に印刷すべき画像を持った原稿60をセットし、図2に示す操作パネル40の製版スタートキー41を押す。この製版スタートキー41の押下に伴い、製版スタート信号が生成されこれがトリガとなって、先ず排版工程が実行される。すなわち、この状態においては、印刷ドラム101の外周面に前回の印刷で使用された使用済みのマスタ12が装着されたまま残っている。印刷ドラム101は、図3に示す駆動機構150を介してその駆動手段としてのメインモータ151に連結されていて、メインモータ151によって回転駆動される。
上側の後原稿搬送ローラ83aは、例えばステッピングモータからなる原稿搬送モータ83Aによって回転駆動される。上側の前原稿搬送ローラ82aは、上側の搬送ローラ83aと搬送ローラ82aとの間に掛け渡されたタイミングベルト(図示せず)を介して原稿搬送モータ83Aによって回転駆動され、各ローラ82b,83bはそれぞれ従動回転する。この際、図4に示すCPU2からの指令により、原稿搬送モータ83Aは、原稿60の副走査送りピッチを副走査方向Yの解像度600dpi(ドット/インチ)に対応した所定の副走査送りピッチに変えるように制御される。
原稿読取装置80には、多色重ね刷り印刷に必要な色分解のための諸機能を有する構成、例えば特開昭64−18682号公報記載の複数の色フィルターを切換可能に制御できるフィルターユニットと同様の機能および構成を有するものが、ミラー87とレンズ88との間の光路上に配設されている。
製版制御部8は、主としてサーマルヘッド駆動回路を介して製版装置1のサーマルヘッド10を制御するものであり、CPU2からの指令を受けて各種信号の生成を行う。
なお、前記A/D変換部へ入力される光学情報(画像データ)は前記CCDで読み取ったものに限らず、例えば密着イメージセンサ(CIS)等からのものでも構わない。
この際、図5に示すCPU2からの指令により、マスタ送りモータ11は、マスタ12の副走査送りピッチを副走査方向Yの解像度600dpiに対応した所定の副走査送りピッチに変えるように制御される。
搬送されるマスタ12に対して、サーマルヘッド10の主走査方向にライン状に並んで配列された多数の微小な発熱素子10aが、製版制御部8から送られてくるデジタルの画像データ信号に応じて各々選択的に発熱し、発熱した発熱素子10aに接触しているマスタ12のフィルム部分が加熱溶融穿孔される。このようにして、画像情報に応じたマスタ12の位置選択的な溶融穿孔により、画像情報が穿孔パターンとしてマスタ12に書き込まれる。
なお、前記電磁クラッチに代えて、反転ローラ17a,17bの駆動ローラを回転させるマスタ送りモータ11とは別のステッピングモータを配設したものであってもよい。
そして、装置本体フレーム50側に配設されマスタクランパ102を開閉する図示しない開閉装置の作動により、製版済みのマスタ12の先端が一定のタイミングでマスタクランパ102によってクランプ・保持されると、印刷ドラム101は図中矢印A方向(時計回り方向)に回転しつつ外周面に製版済みのマスタ12を徐々に巻き付けていく。製版済みのマスタ12の後端部は、製版完了後にカッタ13により一定の長さに切断されて、1版の製版済みのマスタ12が印刷ドラム101の外周面に完全に巻装された段階で製版および給版工程が終了する。
印刷ドラム101とプレスローラ103との圧接により形成される印刷ニップ部とレジストローラ対113a,113bとの間の用紙搬送経路には、用紙62の先端、その後端およびその有無を検知する記録媒体検知手段ないしは記録媒体検知センサとしてのレジストセンサ39が配設されている。
給紙センサ38およびレジストセンサ39は、例えば発光素子および受光素子等を備えた反射型フォトセンサからなる。
この時、印刷ドラム101の内周側では、支軸104を兼ねるインキ供給管104からインキローラ105とドクターローラ106との間に形成されるインキ溜まり107にインキが供給され、印刷ドラム101の回転方向と同一方向に、かつ、印刷ドラム101の回転速度と同期して回転しながら内周面に転接するインキローラ105により、インキが印刷ドラム101の内周側に供給される。
なお、版付け印刷(印刷ドラム101外周面上への製版済みのマスタ12を滲み出たインキの粘着力で密着させるための印刷をいう)時の印刷速度は、例えば16〜20枚/min(分)というような低速度に設定される。
版付け印刷終了後、プレスローラ103は印刷ドラム101から離間し、印刷ドラム101は図1においてマスタクランパ102が略真上となる初期位置(ホームポジション)に復帰して、印刷待機状態となる。
本実施形態の孔版印刷装置における交換部品例としては、製版装置1における製版手段としてのサーマルヘッド10、給紙装置110における給紙手段ないしは給紙部材としての給紙コロ111および分離コロ112、記録媒体検知手段ないしは記録媒体検知センサとしての給紙装置110における給紙センサ38、レジストセンサ39および排紙装置130における排紙センサ69等の反射型フォトセンサが挙げられる。各交換部品ごとの補償手段の詳細は、その理解を容易にするために後述する各交換部品ごとの動作説明時に述べることとする。
黒塗色を施した中央の「設定印刷速度:3速」は、通常使用される印刷速度:90枚/分(90rpm)に対応した標準印刷速度であって、速度ダウンキー47aまたは速度アップキー47bを押下しなかった場合に自動的に設定されるようになっている。「設定印刷速度:2速」は、設定印刷速度:3速」の左隣りの速度表示器であって印刷速度75枚/分を、「設定印刷速度:1速」は、「印刷速度:2速」の左隣りの速度表示器であって低速度である印刷速度60枚/分を、それぞれ表示するようになっている。
また、「設定印刷速度:4速」は、標準印刷速度:3速の右隣りの速度表示器であって印刷速度105枚/分を、「設定印刷速度:5速」は、「設定印刷速度:4速」の右隣りの速度表示器であって本実施形態における最高速度である印刷速度120枚/分を、それぞれ表示するようになっている。無論、1〜5速での各印刷速度においては、上記値に限ったものではない。
印刷速度の変更は、DCモータからなるメインモータ151の公知の速度制御によってなされる。
さらに、液晶表示部49Bには、図2に示したように「製版・プリントできます」のような孔版印刷装置の状態が表示される他、製版あるいは排版ジャム、給紙あるいは排紙ジャム等の警告、用紙、マスタ、インキ等のサプライの供給指示等も表示される。
液晶表示部49Bは、階層表示構造となっており、その下方に設けられた選択設定キー49a,49b,49c,49dを選択して押下することにより、原稿種類や用紙種類、変倍や印刷画像の位置調整等の様々なモードへの変更および各モードでの設定が可能に構成されている。
本実施形態における孔版印刷装置の各装置・各部に電力を供給するための図示しない電源スイッチを投入・オンした際の初期状態としては、液晶表示部49Bには図2に示すように、「製版・プリントできます」という初期画面表示がなされるようになっている。
図1に示した孔版印刷装置で使用されるマスタ12としては、例えば熱可塑性樹脂フィルムと、和紙繊維とか合成繊維あるいは和紙繊維および合成繊維を混抄したもの等からなる多孔質支持体とを貼り合わせたラミネート構造のものが挙げられる。熱可塑性樹脂フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)系のものが用いられる。なお、マスタ12としては、公知の全てのマスタ、すなわち一般的に、孔版印刷装置で使用されるマスタ12の厚みとしては、20〜60μmの範囲のものであり、そのうちの熱可塑性樹脂フィルムの厚みとしては、1.0〜2.5μmの範囲のものである。
マスタ12は、上記したものに限らず、マスタ12の多孔質支持体の厚さを薄くしたマスタであってもよく、例えば特開平11−77949号公報に記載されているような合成繊維ベースマスタ(2)でもよいし、また合成樹脂フィルムに溶融した樹脂を塗布して合成樹脂フィルムに樹脂膜を一体的に形成したようなマスタ、あるいは実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタも使用することができる。
サーマルヘッド10は、前記したように画像センサ5、前記図示しないA/D変換部、画像処理部9を経由して、製版制御部8で処理されて送出されるデジタル画像データ信号を含むサーマルヘッド駆動用の信号に基づいて、多数の発熱体10aを選択的に加熱することにより、マスタ12を位置選択的に加熱溶融穿孔し製版する製版手段としての機能を有する。サーマルヘッド10は、図示しない接離手段により、マスタ12を介してプラテンローラ14に接離自在となっている。
なお、サーマルヘッド10の多数の発熱体10aを選択的に加熱するためのデジタルの画像データ信号は、図示しないパーソナルコンピュータやホストコンピュータやワークステーション等のコンピュータからのデジタルの画像データ信号を受信するための図示しないコントローラやインターフェース装置、図示しないデータ展開部等を経由しさらに画像処理部9を介して製版制御部8に入力されるものであってもよい。
また、サーマルヘッド10の発熱体10aとしては、通常、その平面視形状が矩形型のものを用いているが、熱集中型でもよい。また、1つの画素パターンにおいて、主走査方向に対して複数の発熱体を具備したものでも構わない。
以下、サーマルヘッド10としては、実施例的には、平面型サーマルヘッドで、その発熱体10aが矩形型のもので、大きさ・仕様としてはA3サイズ、主走査方向の解像度600dpiで、主走査方向に多数の発熱体10aを一列に配設したものを使用しているものとして説明する。
本実施形態の製版装置1では、実施例的には、副走査方向Yにマスタ12を相対的に移動させる際の副走査方向Yの解像度が、サーマルヘッド10の解像度600dpiと同じ解像度600dpiとなるように設定されている。また、上述したように図5に示すCPU2からの指令により、マスタ送りモータ11は副走査方向Yの解像度600dpiに対応した所定の副走査送りピッチに変えるように制御される。
一方、原稿読取装置80では、原稿搬送方向Y2にされている。図5に示すCPU2からの指令により、原稿搬送モータ83Aは原稿搬送方向Y2の解像度600dpiに対応した所定の原稿送りピッチに変えるように制御される。
印刷ドラム装置100は、前記した印刷ドラム101と、印刷ドラム101上の製版済みのマスタ12にインキを供給するための、インキローラ105、ドクターローラ106およびインキ供給管104から構成されるインキ供給装置108とから主に構成される。
印圧装置120は、押圧手段としてのプレスローラ103を、印刷ドラム101の外周面に押圧する印圧位置と、この印圧位置から離間した非印圧位置とに選択的に変位させるプレスローラ変位手段(図示せず)と、印刷ドラム101に対するプレスローラ103の押圧力(以下、「印圧」という)を変化させる図3に示す印圧可変手段122と、印刷ドラム101を回転させると共に、前記印圧位置と前記非印圧位置とにプレスローラ103を印刷ドラム101の回転に同期させて揺動・変位させる駆動機構150等とから主に構成される。
なお、印圧装置120の細部構成は、例えば特開2004−155170号公報の図3に示されている印圧ドラム装置(100)と同様である。
図3において、符号140は、図1に示す装置本体フレーム50に対して印刷ドラム101等が着脱自在に構成されたドラムユニットを示す。インキとしては、例えばW/O型のエマルションインキを用いている。
減速手段152は、メインモータ151の出力軸112a1a端部に取付けられた歯付きの駆動プーリ151bと、図3における右側の装置本体フレーム50にプーリ軸112a3aをもって回転自在に支持された歯付きのプーリ153と、駆動プーリ151bとプーリ153との間に掛け渡された歯付きのベルト155と、プーリ153のプーリ軸112a3aと同軸に取付けられた小径ギヤ154と、カム軸121aと同軸に取付けられ小径ギヤ154と噛み合う大径ギヤ156とから構成される。
下プーリ158と上プーリ160とは、同径の歯付きの外周部を有していて、それぞれの回転比が1:1となるようにメインベルト159で連結され回動されるようになっている。印圧カム121は、装置の組立て時において、印刷ドラム101の開孔範囲である印刷部位に対応した印圧範囲とプレスローラ103の前記印圧位置とを考慮して、印刷ドラム101の回転とのタイミングを取ってカム軸121aに固定されている。一方、印刷ドラム101の右端部と後述する後フレーム101Aとの間の支軸104上には、脱着ギヤ161と選択的に噛み合い脱着ギヤ161と同歯数を有するドラムギヤ162が回動自在に支持されている。ドラムギヤ162は、後端板101Eに一体的に固着されていて、印刷ドラム101と一緒に回転する。
給紙台51には、用紙サイズに応じて用紙62の両側端を位置決めして揃えるための左右一対のサイドフェンス63が用紙搬送方向Y4と直交する用紙幅方向Xに移動自在に配設されている。サイドフェンス対63は、例えば特開平11−255352号公報の図1および図2等に示されていると同様に左右連動構造をなす。給紙台51およびサイドフェンス対63の周りには、上記同公報で示されていると同様の、サイドフェンス対63の用紙幅方向Xの移動に連動して用紙62の用紙サイズを検知し決定する用紙サイズ検出機構が配設されている。上記同公報の図2に示されている用紙サイズ検出機構の用紙サイズ検知センサ(8)は、反射型フォトセンサであり、用紙62における用紙搬送方向Y4のサイズを検出する。
給紙台51の図示しない不動部材には、上記同公報の図2に示されていると同様の、用紙62の有無を検知するための反射型フォトセンサからなる用紙有無検知センサ(100)が設けられている。反射型フォトセンサからなる用紙サイズ検知センサ(8)および用紙有無検知センサ(100)も、本実施形態における交換部品であるが、説明を簡単にするために図5には示さずその説明を省略することとし、反射型フォトセンサからなる給紙センサ38、レジストセンサ39、排紙センサ69を代表して説明する。
本実施形態では、上記各交換部品に対応して配設されている後述する各補償手段の作動を制御する制御手段として、内蔵A/D変換部3を備えたCPU2を有する。CPU2は、演算および制御機能を備えた中央演算処理装置であり、ROM(読み出し専用記憶装置)、RAM(読み書き可能な記憶装置)、タイマ7、および電池等のバックアップ電源でバックアップされたバックアップメモリ4と信号バスによって接続されていて、相互に信号を送受信する関係にある。
CPU2は、上記演算および制御機能および後述の制御手段としての機能を備えるとともに、印刷ドラム101に巻装する1版分のマスタ12を穿孔製版するためにサーマルヘッド10の製版回数を計数・カウントする計数手段の機能、排紙センサ69(あるいは給紙センサ38、レジストセンサ39)で検知された印刷枚数(但し、版付け用紙の枚数を含む)に係る信号に基づいて、給紙コロ111および分離コロ112により搬送された用紙枚数を計数する枚数計数手段としての機能も兼ね備えている。
なお、タイマ7は、これに限らず、CPU2に内蔵されている内蔵タイマを用いてもよい。
バックアップメモリ4は、CPU2により計数された製版回数の累計である累積製版回数を記憶したり、枚数計数手段(給紙センサ38、レジストセンサ39および排紙センサ69を代表して排紙センサ69ならびにCPU2)により計数された用紙枚数の累計である累積用紙枚数を記憶したり、タイマ7に計時された給紙センサ38、レジストセンサ39、排紙センサ69等の各反射型フォトセンサごとの使用時間の累計である累積使用時間を記憶したりする不揮発性記憶手段としての機能を有する。
RAM6は、CPU2での計算結果を一時記憶したり、上記各センサからの出力データ・オン/オフ信号を随時記憶したりしてこれら信号の入出力を行う。
上述の構成のとおり、CPU2、ROM5、RAM6、タイマ7およびバックアップメモリ4によって、マイクロコンピュータを構成しているとみることもできる。このマイクロコンピュータは、装置本体フレーム50内の図示しない制御基板配置部に設けられている。
CPU2は、第1の制御手段の機能に加え、前記累積製版回数が奇数回のとき、主走査方向の個々の発熱素子10aの奇数番目のみに通電させ、前記累積製版回数が偶数回のとき、前記主走査方向の個々の発熱素子10aの偶数番目のみに通電させるようにサーマルヘッド10における主走査方向の解像度を1/2に変える後述する補償手段としての解像度変更手段を制御する第2の制御手段としての機能を有する。
CPU2は、第1の制御手段の機能に加え、サーマルヘッド10の個々の発熱素子10aに通電不良があるとき、発熱素子10aの通電不良が無い方に対応した個々の発熱素子10aのみに通電させるようにサーマルヘッド10における主走査方向の解像度を1/2に変える後述する補償手段としての解像度変更手段を制御する第3の制御手段としての機能を有する。
CPU2は、第4の制御手段の機能に加え、印刷速度ならびに給紙コロ111および分離コロ112による用紙搬送速度が、前記使用限界枚数を超える前よりも一定の速度以下となるように速度可変手段のメインモータ151および給紙モータ56を制御する第5の制御手段としての機能を有する。
また、CPU2は、サーマルヘッド10、給紙コロ111および/または分離コロ112または反射型フォトセンサである給紙センサ38、レジストセンサ39、排紙センサ69の交換をしたとき、後述する初期状態設定手段からの信号に基づいて、前記使用限界状態であることを解除して初期状態に復帰させる機能も有する。
ドライバIC19により選択的に一定のライン周期をもってサーマルヘッド10の個々の発熱素子10aに一定時間通電(オン)すると、その電気エネルギーが発熱素子10aで熱エネルギーに変換され、このとき発熱素子10aを流れる電流によりジュール熱が発生し、図示しない保護膜を介して接触するマスタ12のフィルム部分にその熱が伝達されることで、マスタ12のフィルム部分が溶融穿孔され、原稿60の画像に対応した穿孔・製版画像が得られる。このようなマスタ12に対するサーマルヘッド10による製版回数を重ねるごとに、発熱素子10aの性能劣化が進み、通電時間が長い場合に溶断し易くなる。換言すれば、発熱素子10aが通電されることで急峻な発熱と放熱とを短時間で繰り返し、一種の金属疲労状態となってしまう。発熱素子10aが溶断した場合は、その部分に対応するマスタ12が常時未穿孔となり、白スジと呼ばれる不具合が発生し、要求している穿孔画像ひいては印刷画像が得られなくなってしまう。
本実施形態では、CPU2の指令による通電パルス幅の変化、すなわち一定の印加電圧の下で通電時間の長短により行う例で説明する。従って、CPU2は、サーマルヘッド10の個々の発熱素子10aに供給する製版用エネルギーとしての穿孔用エネルギーを変えるエネルギー可変手段としての機能を有している。
一方、図10(b)に示すように、製版回数が偶数回のときは、図10(a)に示したものと逆となる。すなわち、サーマルヘッド10の主走査方向における梨地模様で示す偶数番目の発熱素子10aのみ使用してこれら発熱素子10aに通電することで発熱駆動させる(×印で示す奇数番目の発熱素子10aは使用しない)。
このように本実施形態では、サーマルヘッド10の性能劣化を補償する補償手段がCPU2自身が備えているエネルギー可変手段および解像度変更手段のうちの少なくともエネルギー可変手段であるものとして捉え、その機能を利用し制御するものである。
同図のステップS1において、図1に示した孔版印刷装置で製版スタートキー41の押下により生成される製版スタート信号に基づく上述した製版動作が行われると、1版ごとのマスタ12の製版に対してサーマルヘッド10に送信される通電信号等に基づきCPU2により製版回数1回がカウントされ、さらにバックアップメモリ4に記憶された製版回数が呼び出されこれに製版回数「1」を加える加算処理がなされてバックアップメモリ4に累積された製版回数が記憶される。
次いでステップS2に進み、サーマルヘッド10による製版が繰り返され、バックアップメモリ4に記憶された製版回数が、サーマルヘッド10の使用限界として過去の寿命実績あるいは実験等によって予め設定された使用限界製版回数(限界値)を超えたイエスの場合に、液晶表示部49Bには、例えば「(1)サーマルヘッドの寿命による交換時期が来ましたので、サービス担当者(以下、「サービスマン」という)に連絡して下さい。(2)サーマルヘッドを交換しない状態では、穿孔画質および印刷画質が若干低下しますが、エネルギー低減モードおよび/または解像度切替えモードの選択可否を判断し、これを設定する操作を行うことにより継続製版ができます。」という表示・報知がされる(ステップS3)。ユーザは、液晶表示部49Bの上記表示内容を確認してその旨の連絡をサービスマンに対して行うとともに、上記判断および操作を行う。
なお、ステップS2において、製版回数が使用限界製版回数(限界値)以内であるノーの場合には、リターンされ、ステップS1からの動作が繰り返される。
すなわちエネルギー低減モードが選択された場合、図7および図8に示すように、CPU1は使用限界製版回数を超える前において個々の発熱素子10aに供給した通電時間Tよりも、短い通電時間T'をROM5から抽出して製版制御部8を介してサーマルヘッド10の個々の発熱素子10aに供給することにより、発熱時間および発熱量を使用限界製版回数を超える前よりも少なくし、個々の発熱素子10aに対する電気的ストレスを軽減させることで、サーマルヘッド10の延命を図るものである。
ここで、エネルギー低減モードが選択される場合には、例えばユーザにとって穿孔画質および印刷画質の若干の低下を許容できる場合が、エネルギー低減モードが選択されない(非選択)場合には、例えばユーザにとって穿孔画質および印刷画質の若干の低下を許容できない場合が、それぞれ挙げられる。
ステップS4において、前記エネルギー低減モード設定キーの操作によって同モードを選択したときは、ステップS5へ進み、選択しなかったときはステップS6へ進む。
使用限界製版回数を超える前の通電時間T、使用限界製版回数を超えた後の通電時間T'を、それぞれどの程度にするかは製版装置1およびこれを備えた孔版印刷装置で使用されるマスタ12の種類、許容される穿孔の大きさおよび印刷画質等によって決められる設計事項に属し、実験によりあるいは過去のデータなどを参照・考慮して適切に設定される。
ステップS5において、「低減率大」とは、サーマルヘッド10への通電時間を正規量より短くすること、すなわちここでは図7に示したように通電時間Tを通電時間T’にすることを意味する。
ここで、解像度切替えモードが選択される場合には、例えばユーザにとって穿孔画質および印刷画質の若干の低下を許容できる場合が、解像度切替えモードが選択されない(非選択)場合には、例えばユーザにとって穿孔画質および印刷画質の若干の低下を許容できない場合が、それぞれ挙げられる。
一方、図10(a)に示したように、製版回数が奇数回のときには、主走査方向における奇数番目の画素(ドット)に対応した発熱素子10aのみ使用してこれら発熱素子10aに通電させ、偶数番目の発熱素子10aは使用しない制御が実行される。これにより、サーマルヘッド10の発熱素子10aの使用数を半分にして穿孔製版することができ、発熱素子10aの性能劣化による溶断を防止し、サーマルヘッド10の延命が図れる。
ステップS6において、「解像度切替えモード」が非選択の場合はステップS10へ進む。ステップS10において、液晶表示部49Bには、例えば「サーマルヘッドの交換時期を延長してサーマルヘッドの不具合が発生しない状態で製版装置および孔版印刷装置を稼動しています。」という旨の表示・報知がなされる。ユーザは液晶表示部49Bに表示された上記表示内容を確認してサーマルヘッド10の交換時期を延長して製版装置1および孔版印刷装置が正常範囲内で稼動中であることを認識・理解することができるので、余計な心配をする必要がない。
すなわち、製版回数の限界値を超える前のサーマルヘッド10の個々の発熱体10aに供給する印加電圧が低くなるように自動的に調整するとともに、ライン周期L(ms/line)と通電時間T(μs)を示す図9(a)と比較して、図9(b)に示すように、製版回数の限界値を超えた後のサーマルヘッド10の個々の発熱体10aに供給する印加電圧を下げ、ライン周期L’>L、通電時間T’>Tに設定することにより、サーマルヘッド10の個々の発熱体10aを緩やかに発熱させ、かつ、放熱時間も十分に確保することで、発熱体10aに対する電気的ストレスを軽減させることでサーマルヘッド10の延命を図ってもよい。
印加電圧は、可変抵抗器(ボリューム)で調整可能であり、PSU(パワーサプライユニット:電力供給装置)に電子ボリュームを内蔵し、それをCPU2で制御することで、電圧調整を行う。ライン周期L’と通電時間T’とは、画像処理部9に入力される基準発信周波数信号を変更することで行う。例えば、複数個の発信器を搭載しておき、セレクタなどで切替えることで行えばよい。
なお、サーマルヘッド10が、例えばICタグやICチップなどにより自動認識が可能な場合は、その情報がCPU2によって解読されることで、CPU2からの指令によってバックアップメモリ4に記憶されている製版回数データを自動クリアするようなことも可能である。これは、サーマルヘッド10以外の他の交換部品の場合でも同様である。
図13および図14において、符号91は、給紙センサ38、レジストセンサ39、排紙センサ69を総称する反射型フォトセンサを表している。反射型フォトセンサ91は、用紙62の搬送経路上に設けられ被検知部材である用紙62の先端、後端およびその有無のうちの少なくとも一つを検知する機能・構成を有している。すなわち、反射型フォトセンサ91は、光を反射する表面を備えた用紙62表面で光を反射させる発光手段しての発光素子92と、用紙62表面での反射光を受光する受光手段としての受光素子93とを有し、受光素子93による受光量の変化を検知することにより用紙62の有無を、受光量の変化を計時的に検知・認識することにより用紙62の先端および後端の何れか一つを検知するものである。
図13および図14に示すように、発光素子92としてはLED(発光ダイオード)を、受光素子93としてはフォトトランジスタを用いている。発光素子92の上部には光を集束するレンズ95が、受光素子93の上部には光を集光・集束するレンズ96がそれぞれ設けられている。ハウジング94におけるレンズ95,96側の被検知部材である用紙62に対向する面をレンズ面97とする。
反射型フォトセンサ91は、用紙62やマスタ12の有無を検知する範囲内で、装置本体フレーム50に配置・固定されている。反射型フォトセンサ91は、レンズ面97から発光素子92の光軸と受光素子93の光軸とが交わる点までの距離dとして用紙62を検知する場合では例えば1〜10mm位、マスタ12を検知する場合では例えば2〜40mm位という通過する用紙62やマスタ12表面近くに配置されている。
検知すべき用紙62が無いときには、反射型フォトセンサ91の発光素子92からの入射光98がほとんど反射されないために、受光素子93による受光量が少なくなり、図14に示すセンサ回路構成により、その出力電圧V2が設定された閾値電圧を超えなくなって、用紙無しと判断することで、用紙62の有無を検知し判断するようになっている。
そして、図14に示すセンサ部回路105のフォトトランジスタ93(受光素子93)が集光・集束された反射光99を受光するとオンして、受光量に応じてコレクタ電流Icが抵抗R1に流れることにより、抵抗R1に流れる出力電圧V1を取り出している。この出力電圧V1を、オペアンプ等を有する増幅回路106で電圧レベルを増幅させ、ピーク検知回路107を通して略パルス状のピーク電圧として、最終的に受光量に応じた出力電圧V2を取り出している。ピーク検知回路107は、内蔵A/D変換部3を介してCPU2が電気的に接続されている。
但し、前記設定値は、デフォルト値であり、上側の基準電圧Vhは例えば1.5〜3.5Vの範囲で設定可能である。下側の基準電圧Vlは、上側の基準電圧Vhの設定値に連動して、例えば基準電圧Vh−0.5Vの値で自動的に設定される。上側の基準電圧Vhおよび下側の基準電圧Vlは、反射型フォトセンサ91の使用時間がその使用限界時間を超えたときに対応してROM5に予め設定されている。
上述のとおり、本実施形態では、反射型フォトセンサ91の性能劣化を補償する補償手段が反射型フォトセンサ91の検知・非検知の閾値を変える閾値変更手段である。それ故に、閾値変更手段は、CPU2から主に構成されているが、反射型フォトセンサ91自身が具備するセンサ部回路105、増幅回路106、ピーク検知回路107、内蔵A/D変換部3、CPU2およびROM5から構成されているとみることもできる。
また、図15(a)、(b)に示した斜線部分は、電圧の変動による誤検知を防止するためのマージン分(余裕分)の電圧幅(0.5V)を表している。図15(a)、(b)に示すように、出力電圧V2が前記斜線部分内の電圧値の場合は、その前の電圧値によって、用紙有り/無しをCPU2が判定している。すなわち、反射型フォトセンサ91の発光素子92(LED)に電圧Vccが印加されている使用時間が徐々に増加し、使用時間がその使用限界時間を超えた場合にはLED(発光ダイオード)の発光能力が低下することによりその光量が低下することによって、出力電圧V2が、一方の上側の基準電圧Vhから低下してきたときは、他方の下側の基準電圧Vl以下になるまでCPU2による制御で用紙有りと判定する。同様に、出力電圧V2が、下側の基準電圧Vlから上昇するときは、上側の基準電圧Vh以上になるまでCPU2による制御で用紙無しと判定することとなる。
また、交換部品としての給紙コロ111、分離コロ112の使用(用紙62の使用枚数)による性能劣化を補償する補助的な補償手段としては、印刷速度を変える速度可変手段としてのメインモータ151の公知の速度制御回路および印刷速度センサ164からなるものが挙げられる。同様に、給紙コロ111および分離コロ112による用紙62の搬送速度(以下、「用紙搬送速度」という)を変える速度可変手段としての給紙モータ56の公知の速度制御回路が挙げられる。
先ず、図1および図5等に示した孔版印刷装置の各装置・各部に電力を供給するための図示しない電源スイッチの投入により電源がオンされると、これがトリガとなって、タイマ7により反射型フォトセンサ91の使用時間が計時され、バックアップメモリ4に累積された使用時間が記憶される。この際、CPU2は内蔵A/D変換部3を使用し、反射型フォトセンサ91からの出力(電圧)をモニタし、ある値の閾値でオン/オフ判定を行っている(ステップS20)。
ステップS23においてフォトセンサ91の性能劣化によるLED92の光量不足を補償するために、CPU2によって上述した反射型フォトセンサ91の閾値(電圧)の変更が実行される(ステップS23)。
次いで、液晶表示部49Bには、例えば「反射型フォトセンサの交換時期を延長して反射型フォトセンサによる不具合が発生しない状態で給紙装置や製版装置および孔版印刷装置を稼動しています。」という旨の反射型フォトセンサ限界モードに係る表示・報知がなされる。ユーザは液晶表示部49Bに表示された上記表示内容を確認して反射型フォトセンサの交換時期を延長して給紙装置や製版装置および孔版印刷装置が正常範囲内で稼動中であることを認識・理解することができるので、余計な心配をする必要がない(ステップS24)。以下、ステップS20へ戻り上述したと同様の動作が、反射型フォトセンサ91が交換されない限り繰り返されることとなる。
一方、ステップS21において、反射型フォトセンサ91の使用時間が限界値を超えていないノーの場合にはステップS20へ戻り、上述したと同様の動作が繰り返される。
なお、ステップS22における待機状態か否かの判定が無い場合は、製版や印刷中でも反射型フォトセンサ91の閾値の変更とユーザへの反射型フォトセンサ限界モードの報知とが可能であることを付記しておく。
先ず、前記電源スイッチの投入により電源がオンされた後、続いて製版スタートキー41が押下されることによるスタート信号がトリガとなって前記した給紙動作を含む版付け印刷動作が実行され、次いでテンキー46による印刷枚数・置数後に押下される印刷スタートキー42からの印刷スタート信号に基づいて行われる給紙動作を含む正規の印刷動作が実行されることに伴い、反射型フォトセンサ91(給紙センサ38、レジストセンサ39および排紙センサ69の何れでもよい)により検知されCPU2によって計数された給紙コロ111および/または分離コロ112による用紙62の使用枚数が、給紙コロ111および/または分離コロ112の使用限界として過去の寿命実績あるいは実験等によって予め設定された使用限界枚数(限界値)を超えたか否かがチエック・判断される(ステップS25)。
この際、液晶表示部49Bには、例えば「(1)給紙コロおよび/または分離コロの寿命による交換時期が来ましたので、サービスマンに連絡して下さい。(2)給紙コロおよび/または分離コロを直ぐ交換しなくても、暫くの間、継続して給紙および印刷ができます。」という表示・報知がされる。ユーザは、液晶表示部49Bの上記表示内容を確認してその旨の連絡をサービスマンに対して行うとともに、上記内容を理解する。
一方、ステップS25において、給紙コロ111および/または分離コロ112による用紙62の使用枚数がその限界値を超えないノーの場合には、ステップS29に進み、CPU2は使用限界枚数を超える前の通常状態における給紙圧と同様に給紙圧調整機構30の給紙圧可変モータ25を、および/または使用限界枚数を超える前の通常状態と同様に分離圧調整機構31の分離圧可変モータ29が制御されるとともに、印刷速度および用紙搬送速度が使用限界枚数を超える前と同様となるようにメインモータ151および給紙モータ56が制御される。その後、ステップS25へ戻り、上述したと同様の動作が繰り返される。
なお、ステップS26における待機状態か否かの判定が無い場合は、印刷中でも給紙圧・分離圧・印刷速度および用紙搬送速度の可変制御とユーザへの給紙コロ限界モードの報知とが可能であることを付記しておく。
また、反射型フォトセンサ91の性能劣化による誤検知や検知ミスの発生を防止することができ、部品交換時まで装置を停止させることなく使用できるので、ユーザの操作性および利便性が向上する。
この変形例は、第1の実施形態における第2の制御手段としての機能を有するCPU2に代えて、第1の制御手段の機能に加え、サーマルヘッド10の個々の発熱素子10aに通電不良があるとき、発熱素子10aの通電不良が無い方に対応した個々の発熱素子10aのみに通電させるようにサーマルヘッド10における主走査方向の解像度を1/2に変える前記解像度変更手段を制御する第3の制御手段としての機能を有するCPU2を用いる点、およびサーマルヘッド10の個々の発熱素子10aに対する通電不良有無を記憶可能な不揮発性記憶手段としての図示しないバックアップメモリを用いる点が主に相違する。この相違点以外は、第1の実施形態と同様である。
以上述べたとおり、本発明を実施例を含む特定の実施形態および変形例等について説明したが、本発明は、前述した実施形態および変形例等に限定されるものではなく、これらを適宜組み合わせて構成したり動作させたりしてもよく、本発明の範囲内において、その必要性および用途等に応じて種々の実施形態や実施例等を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
2 CPU(第1ないし第6の制御手段、枚数計数手段、閾値変更手段)
4 バックアップメモリ(不揮発性記憶手段)
5 ROM
7 タイマ(計時手段)
8 製版制御部
9 画像処理部
10 サーマルヘッド(交換部品)
10a 発熱素子
11 マスタ送りモータ
12 マスタ
30 給紙圧調整機構(補償手段、圧変更手段)
31 分離圧調整機構(補償手段、圧変更手段)
38 給紙センサ(交換部品、反射型フォトセンサ)
39 レジストセンサ(交換部品、反射型フォトセンサ)
40 操作パネル(操作部)
44 エンターキー(初期状態設定手段)
46 テンキー(初期状態設定手段)
47 印刷速度設定キー(印刷速度設定手段)
48B 液晶表示部(交換時期報知手段、交換時期延長報知手段)
56 給紙モータ(補償手段)
62 用紙(シート状記録媒体)
69 排紙センサ(交換部品、反射型フォトセンサ)
83A 原稿搬送モータ
91 反射型フォトセンサ(交換部品)
100 印刷ドラム装置
101 印刷ドラム
103 プレスローラ(押圧手段)
108 インキ供給装置
110 給紙装置
111 給紙コロ(給紙部材)
112 分離コロ(給紙部材)
150 駆動機構
151 メインモータ(補償手段)
164 印刷速度センサ
Y 副走査方向、マスタ搬送方向
Y4 用紙搬送方向
Claims (18)
- 製版装置、記録装置、印刷装置または画像形成装置等に設けられその使用および/または経時による性能劣化により交換を要する交換部品の部品交換時期延長方法において、
前記交換部品の使用限界を超えた場合に、これを検知して該交換部品の交換時期を報知するとともに、前記性能劣化を補償する補償手段の作動を制御することにより、前記交換部品の交換時期を延長して前記装置の稼動を停止させないようにしたことを特徴とする部品交換時期延長方法。 - 請求項1記載の部品交換時期延長方法を使用した製版装置であって、
前記交換部品が、マスタを加熱製版するサーマルヘッドであり、
前記補償手段が、前記サーマルヘッドの個々の発熱素子に供給する製版用エネルギーを変えるエネルギー可変手段であり、
前記サーマルヘッドの製版回数を計数する計数手段と、
前記計数手段により計数された製版回数を記憶する不揮発性記憶手段と、
前記不揮発性記憶手段に記憶された累積製版回数が、前記サーマルヘッドの使用限界として設定された使用限界製版回数を超えた場合に、前記サーマルヘッドの交換時期を報知する交換時期報知手段と、
前記累積製版回数が前記使用限界製版回数を超えた場合に、前記製版用エネルギーが前記使用限界製版回数を超える前よりも低下するように前記エネルギー可変手段を制御する第1の制御手段と、
を有することを特徴とする製版装置。 - 請求項1記載の部品交換時期延長方法を使用した製版装置であって、
前記交換部品が、マスタを加熱製版するサーマルヘッドであり、
前記補償手段が、前記サーマルヘッドにおける主走査方向の解像度を1/2に変える解像度変更手段であり、
前記累積製版回数が奇数回のとき、前記主走査方向の個々の発熱素子の奇数番目のみに通電させ、前記累積製版回数が偶数回のとき、前記主走査方向の個々の発熱素子の偶数番目のみに通電させるように前記解像度変更手段を制御する第2の制御手段を有することを特徴とする製版装置。 - 請求項2記載の製版装置において、
前記補償手段が、前記サーマルヘッドにおける主走査方向の解像度を1/2に変える解像度変更手段であり、
前記累積製版回数が奇数回のとき、前記主走査方向の個々の発熱素子の奇数番目のみに通電させ、前記累積製版回数が偶数回のとき、前記主走査方向の個々の発熱素子の偶数番目のみに通電させるように前記解像度変更手段を制御する第2の制御手段を有することを特徴とする製版装置。 - 請求項1記載の部品交換時期延長方法を使用した製版装置であって、
前記交換部品が、マスタを加熱製版するサーマルヘッドであり、
前記補償手段が、前記サーマルヘッドにおける主走査方向の解像度を1/2に変える解像度変更手段であり、
前記サーマルヘッドの個々の発熱素子に通電不良があるとき、前記発熱素子の通電不良が無い方に対応した個々の発熱素子のみに通電させるように前記解像度変更手段を制御する第3の制御手段を有することを特徴とする製版装置。 - 請求項2記載の製版装置において、
前記補償手段が、前記サーマルヘッドにおける主走査方向の解像度を1/2に変える解像度変更手段であり、
前記サーマルヘッドの個々の発熱素子に通電不良があるとき、前記発熱素子の通電不良が無い方に対応した個々の発熱素子のみに通電させるように前記解像度変更手段を制御する第3の制御手段を有することを特徴とする製版装置。 - 請求項1ないし6の何れか一つに記載の製版装置において、
前記サーマルヘッドの交換時期を延長して前記製版装置を稼動していることを報知する交換時期延長報知手段を有することを特徴とする製版装置。 - 請求項1ないし7の何れか一つに記載の製版装置において、
前記サーマルヘッドの交換をしたとき、前記使用限界状態であることを解除して初期状態に復帰させる初期状態設定手段を有することを特徴とする製版装置。 - 請求項1ないし8の何れか一つに記載の製版装置と、該製版装置により製版されたマスタを巻装する印刷ドラムとを有することを特徴とする印刷装置。
- 請求項1記載の部品交換時期延長方法を使用した画像形成装置であって、
前記交換部品が、シート状記録媒体を搬送する給紙部材であり、
前記補償手段が、前記給紙部材に対するシート状記録媒体の給紙圧および分離圧の少なくとも一方を変える圧変更手段であり、
前記給紙部材により搬送されたシート状記録媒体枚数を計数する枚数計数手段と、
前記枚数計数手段により計数されたシート状記録媒体枚数を記憶する不揮発性記憶手段と、
前記不揮発性記憶手段に記憶されたシート状記録媒体の累積使用枚数が、前記給紙部材の使用限界として設定された使用限界枚数を超えた場合に、前記給紙部材の交換時期を報知する交換時期報知手段と、
前記累積使用枚数が前記使用限界枚数を超えた場合に、前記給紙圧および分離圧の少なくとも一方が前記使用限界枚数を超える前よりも高くなるように前記圧変更手段を制御する第4の制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項10記載の画像形成装置において、
前記給紙部材の交換時期を延長して前記画像形成装置を稼動していることを報知する交換時期延長報知手段を有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項10または11記載の画像形成装置において、
前記給紙部材の交換をしたとき、前記使用限界状態であることを解除して初期状態に復帰させる初期状態設定手段を有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項10ないし12の何れか一つに記載の画像形成装置が、印刷速度および前記給紙部材の速度が可変である印刷装置であり、
前記補償手段が、前記印刷速度および前記給紙部材によるシート状記録媒体の搬送速度を変える速度可変手段であり、
前記印刷速度および前記搬送速度が、前記使用限界枚数を超える前よりも一定の速度以下となるように前記速度可変手段を制御する第5の制御手段を有することを特徴とする印刷装置。 - 請求項1記載の部品交換時期延長方法を使用した画像形成装置であって、
前記交換部品が、前記画像形成装置本体に配設され発光素子および受光素子を備えた反射型フォトセンサであり、
前記補償手段が、前記反射型フォトセンサの検知・非検知の閾値を変える閾値変更手段であり、
前記反射型フォトセンサの使用時間を計時する計時手段と、
前記計時手段により計時されたセンサ使用時間を記憶する不揮発性記憶手段と、
前記不揮発性記憶手段に記憶された累積センサ使用時間が、前記反射型フォトセンサの使用限界として設定された使用限界時間を超えた場合に、前記反射型フォトセンサの交換時期を報知する交換時期報知手段と、
前記累積使用時間が前記使用限界時間を超えた場合に、前記閾値が前記使用限界時間を超える前よりも低くなるように前記閾値変更手段を制御する第6の制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項14記載の画像形成装置において、
前記反射型フォトセンサは、シート状記録媒体を搬送する搬送経路に設けられシート状記録媒体の先端、後端および有無のうちの少なくとも一つを検知する記録媒体検知センサであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項14または15記載の画像形成装置において、
前記反射型フォトセンサの交換時期を延長して前記画像形成装置を稼動していることを報知する交換時期延長報知手段を有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項14ないし16の何れか一つに記載の画像形成装置において、
前記反射型フォトセンサの交換をしたとき、前記使用限界状態であることを解除して初期状態に復帰させる初期状態設定手段を有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項14ないし17の何れか一つに記載の画像形成装置が、マスタを巻装する印刷ドラムを有することを特徴とする印刷装置。
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