JP3500486B2 - 感熱孔版印刷用マスター及びその製造方法 - Google Patents

感熱孔版印刷用マスター及びその製造方法

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JP3500486B2 JP30401996A JP30401996A JP3500486B2 JP 3500486 B2 JP3500486 B2 JP 3500486B2 JP 30401996 A JP30401996 A JP 30401996A JP 30401996 A JP30401996 A JP 30401996A JP 3500486 B2 JP3500486 B2 JP 3500486B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感熱孔版印刷用マス
ター及びその製造方法に関するものであり、詳しくは、
熱可塑性樹脂フィルム上に多孔性樹脂膜を形成した感熱
孔版印刷用マスターの製造方法、及びその製造方法によ
って得られた感熱孔版印刷用マスターに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂フィルム(以降単に「フィ
ルム」ということがある)にインキ透過性支持体(以降
単に「インキ支持体」ということがある)としての多孔
性薄葉紙などを接着剤で貼り合わせた感熱孔版印刷用マ
スターが知られている。実際上は、多孔性薄葉紙として
麻繊維と合成繊維、木材繊維とを混抄したものに「フィ
ルム」を接着剤で貼り合わせ、更にその反対側にステイ
ック防止層を設けた感熱孔版印刷用マスターが広く用い
られている。
【0003】しかし、こうした従来の繊維からなる「イ
ンキ支持体」を「フィルム」に貼り合わせた感熱孔版印
刷用マスターには、次のような問題点がある。 (1)接着剤を用い、繊維と「フィルム」とを貼り合わ
せることにより、その接合部において接着剤が大量に
“鳥の水かき状”に集積し、その部分のサーマルヘッド
による穿孔が行われにくくなること、そしてその部分に
よりインキの通過が妨げられ印刷むらが発生しやすくな
ること。 (2)繊維自体がインキの通過を妨げ、印刷むらが発生
すること。 (3)繊維が高価であり、またラミネート加工によるロ
スも大きく、感熱孔版印刷用マスターが高価となるこ
と。
【0004】こうした点を解決すべく「フィルム」に繊
維からなる「インキ支持体」を貼り合わせた感熱孔版印
刷用マスターについて幾つかの提案がされているが、未
だそれらの問題点を充分に解決したものは得られていな
い。例えば、特開平3−193445号公報に、繊度1
デニール以下の極細繊維を用いたインキ支持体が提案さ
れている。このような特殊な極細繊維を用いれば、前記
(2)の問題点は解決されるが、依然として(1)
(3)の問題点は残されている。
【0005】「フィルム」上に樹脂からなる「インキ支
持体」を塗布法により形成する例として、特開昭62−
198459号公報に、フィルム上に実質的に閉じた形
状の放射線硬化型耐熱性樹脂パターンをグラビア、オフ
セット、フレキソ等の印刷法を用いて形成する方法が提
案されている。しかし、かかる方法では「インキ支持
体」たる樹脂層の厚さを50μm以下とすることが困難
であり、たとえその厚さを30μm程度に出来たとして
もその厚さでは、耐熱性樹脂がサーマルヘッドによる穿
孔を妨げ、また樹脂層をきれいに穿孔出来ないことによ
りにじみやかすれなどの印刷むらが発生する。そして、
放射線硬化樹脂を用いるには特別に電子線照射装置が必
要であり生産性が悪く高価である。
【0006】また、特開平3−240596号公報に
は、水分散性ポリマーとコロイダルシリカのような微粒
子の混合液をフィルム表面に塗布、乾燥し多孔質層を形
成する方法が提案されているが、この方法により得られ
る多孔質層は印刷インキの通りが悪く、インキジェット
記録に用いられるインキ(20℃での粘度が0.1po
ise以下)よりその粘度が極めて高い感熱孔版印刷用
インキ(同150poise以上)では印刷時に十分な
濃度が得られず実用的でない。
【0007】もっとも、樹脂を「インキ支持体」として
「フィルム」に塗工すれば接着剤を使用することによる
前記(1)(2)(3)の問題はかなり改善される。し
かし、この場合においては「フィルム」と樹脂との接着
強度が低いと樹脂が「フィルム」から剥がれてしまうと
いう問題が発生する。
【0008】一方、特開昭54−33117号公報に
は、「インキ支持体」を用いない実質的に「フィルム」
のみからなる感熱孔版印刷用マスター(以下単に「マス
ター」ということがある)が提案されている。確かにこ
れによれば「インキ支持体」たる繊維を「フィルム」に
貼り付けることにより生じる前記(1)(2)(3)の
問題点を解決するのには有効であるが、その一方で印刷
機における搬送において必要な「マスター」自体のコシ
(stiffness)の強さとその穿孔感度の両立が
困難であるといった新たな問題を生じさせている。
【0009】「マスター」のコシの強さはその厚さによ
り決定される点を鑑みると、インキ透過調節機能を有す
る「インキ支持体」を有するものについては、「フィル
ム」自体が薄くとも「インキ支持体」の厚さにより感熱
孔版印刷用マスターとしての「コシ」を調整することが
可能であるが、かかる「インキ支持体」を有さない特開
昭54−33117号公報の感熱孔版印刷用マスターに
おいては「フィルム」自体の厚さでしか「マスター」の
「コシ」を調節することは出来ない。そのため、「マス
ター」の穿孔感度をあげるには薄い「フィルム」を用い
ればよいが、それでは「マスター」としてコシが弱すぎ
て印刷機においての搬送性が悪くなる。逆に、厚い「フ
ィルム」を用いれば「マスター」自体のコシが強くなり
印刷機においての搬送性を高めることができるが、それ
では「マスター」の穿孔において大きなエネルギーを必
要とすることになり、到底実用に耐える穿孔感度を得る
ことはできない。このように、実質的に「フィルム」か
らなる感熱孔版印刷用マスターにおいても大きな問題点
を有しており、全ての問題点を解決した「マスター」は
未だ提案されていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術の実情に鑑みてなされたものである。本発明
の第一の課題は、コシを強くかつ穿孔感度が高く、更に
「フィルム」と「インキ支持体」との接着強度の高い感
熱孔版印刷用マスター及びその製造方法を提供すること
である。本発明の第二の課題は、穿孔し印刷に供した場
合に、少ないインキ付着量においてもにじまずに、かす
れ濃度むらといった“印刷むら”がなく、印刷物の裏汚
れが少ない印字画像が得られる感熱孔版印刷用マスター
及びその製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、感熱孔版
印刷用マスターをいろいろな角度から検討してきた結
果、以下の3つの条件が本発明の課題を解決する重要な
キーポイントであることがわかった。 (イ)インキの通過を妨げ、且つサーマルヘッドによる
穿孔を妨げる「インキ支持体」はなるべくなら存在しな
い方が好ましいが、それでは「マスター」自体のコシが
小さく、印刷機における搬送に支障をきたす。 (ロ)公知の如く、シート状物体のコシの強さはその厚
さの3乗に比例し、シート状物体の厚さによりコシの強
さが決定される。従って、「マスター」自体に一定以上
の厚さがなければ印刷機においての搬送性は得られな
い。 (ハ)「インキ支持体」は好ましくはフィルムとは比較
的小さな接点を有しながら、その構成要素はランダムで
且つ適当な大きさの孔を形成していれば、インキの通過
を阻害しない。
【0012】以上の3つの条件を考察した結果、特殊な
構造の多孔性樹脂膜から成る「インキ支持体」を「フィ
ルム」上に設ければ、本発明の第一の課題であるコシが
強くかつ穿孔感度が高く、更には接着強度の高い「マス
ター」を得られることが判った。特に、コシについては
“膜”の厚さを、穿孔感度、按着強度については“膜’
の材料を適宜選択すればさらに効果的であることを認識
できた。さらに、本発明におけるような所定の条件を満
たす多孔性樹脂膜を用いた「マスター」を穿孔して印刷
に供すると、「インキ支持体」の孔の状態を調整するこ
とによってインキの量を調整できるので、本発明の第二
の課題である少ないインキ付着量でにじまずにかすれそ
して濃度むらといった“印刷むら”がなく、印刷物の裏
汚れの少ない「マスター」を得られることが判明した。
特に、樹脂の孔の大きさとか膜の厚さを適宜調整すれ
ば、さらにこれらの特性が向上することが把握できた。
本発明の感熱孔版印刷用マスターおよびその製造方法は
このような知見に基づいてなされたものである。
【0013】
【0014】
【0015】 発明によれば、第に、樹脂を溶解可
能な良溶媒と、実質的に該樹脂を溶解しないで蒸発速度
が該良溶媒のそれより遅い貧溶媒との混合液中に樹脂を
溶解及び/又は分散させた塗工液を熱可塑性フィルム上
に塗布し、多孔性樹脂膜を形成することを特徴とする感
熱孔版印刷用マスターの製造方法が提供される。第
に、前記第のマスターの製造法において、前記多孔性
樹脂膜を形成するための加温された樹脂溶液を熱可塑性
フィルム上に塗布した後、該フィルム上に塗布された樹
脂溶液は該加温された樹脂溶液の温度よりも少なくとも
低い温度の状態を経過した後に、加温されて多孔性樹脂
膜を形成することを特徴とする感熱孔版印刷用マスター
の製造方法が提供される。に、前記第のマスター
の製造法において、塗工液は塗布された直後、冷却手段
により冷却され、次いで乾燥されることを特徴とする感
熱孔版印刷用マスターの製造方法が提供される。第
に、有機溶剤樹脂溶液を熱可塑性フィルム上に塗布し、
その後該樹脂の貧溶媒の蒸気または微粒子を該塗布面に
接触させて多孔性樹脂膜を形成することを特徴とする感
熱孔版印刷用マスターの製造方法が提供される。第
に、前記第1又はのマスターの製造法において、貧
溶媒が水もしくは親水性溶媒であることを特徴とする感
熱孔版印刷用マスターの製造方法が提供される。第6
に、上記第1〜5のいずれかに記載のマスター製造方法
により得られた感熱孔版印刷用マスターが提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、具体的に
詳しく説明する。本発明の感熱孔版印刷用マスターの製
造方法によって得られたマスターは、熱可塑性樹脂フィ
ルムの面に多孔性樹脂膜を有し、該フィルムを開口面積
率20%以上に穿孔した場合に通気度が1.0cm3
cm2・秒〜157cm3/cm2・秒、好ましくは1
cm3/cm2・秒〜80cm3/cm2・秒の範囲となる
ものがよい。ここでの熱可塑性樹脂フィルムと多孔性樹
脂膜を構成する樹脂は、同一の材料であっても異なった
材料であってもよい。
【0017】本発明における感熱孔版印刷用マスターの
通気度は次のようにして測定される。先ず「マスター」
を構成する「フィルム」を特定の条件によりその表面の
開口面積率が20%以上になるように穿孔する。具体的
には、同一製品について開口面積率が20%、35%、
50%、65%、80%で各々が上下5%以内の誤差の
範囲である5枚のサンプルを準備する。次にこの5つの
サンプルについて、permeameter(通気度試
験器、東洋精機製作所社製)を用いて通気度を測定す
る。5つの測定値のうち、少なくとも1つが1.0cm
3/cm2・秒〜157cm3/cm2・秒の範囲内にあれ
ば、本発明にかかる感熱孔版印刷用マスターとする。
【0018】なお、熱可塑性樹脂フィルムに所望の開に
面積率を得るには、サーマルヘッドに印加するエネルギ
ー及び/又はサーマルヘッドの発熱体サイズを任意に変
えることによって行なうことができる。
【0019】以下に具体的にその方法について説明す
る。 1)フィルムの穿孔方法 「マスター」の穿孔は、PRIPORT VT 382
0(リコー社製:東芝社製サーマルヘッド搭載)で10
cm×10cmのベタ部のチャート(この大きさの全て
が黒色になっているもの)を読み込ませ、同ベタ部と対
応する穿孔を感熱孔版印刷用マスターに施す。この穿孔
状態は、後に通気度を測定するために熱可塑性樹脂フィ
ルムの多孔性樹脂膜を形成した反対面の開口面積率が2
0%以上であることが必要である。 2)開口面積率の測定 開口面積率とは、感熱孔版印刷用マスターが上記1)の
条件でベタの製版を施されたときの感熱孔版印刷用マス
ターのフィルム面での貫通孔の合計面積が、ベタ部の単
位面積当たりで占める割合のことである。
【0020】開口面積率の測定は、次の要領にて行う、
即ち光学顕微鏡にて穿孔された「マスター」の拡大写真
を撮影し(倍率100倍)、次いで普通紙複写機(リコ
ー社製:イマジオMF530)にて拡大コピー(200
倍)する。コピーしたものにOHPフィルムに開口部を
マーキングする。マーキングしたOHPフィルムをスキ
ャナー(300DPI・256階調)にて読み取り、画
像レタッチソフト・Adobe Photoshop
2.5Jを用い、2値化する。その後、画像解析フリー
ウェアソフト・NIH imageにてマーキングした
開口部の面積率を測定する。
【0021】本発明における“通気度”は、一面「マス
ター」を印刷に供した場合に、優れた各種印刷特性を得
るのに適する「マスター」のインキ通過性を示したもの
である。前述の如く、この通気度の値は、特殊な方法で
「マスター」全体を測定して得られるものであるが、多
孔性樹脂膜の通気度の値が一定であると考えれば、測定
する際に穿孔された「フィルム」の開口状態によって変
化すると考えられる。
【0022】フィルム穿孔状態は、「フィルム」の種類
により相異するものであるが、実際に「マスター」を印
刷に供する場合に、優れた印刷特性を得るのに適切な穿
孔状態すなわち開口面積率は、各々の「フィルム」の種
類等により相異する。従って、本発明においては、通気
度を測定した場合に、例えば開口面積率が65%で通気
度の値が1.0cm3/cm2・秒〜157cm3/cm2
・秒の範囲に入れば、そのマスターは、ほぼ65%の開
口面積率でフィルムを穿孔し印刷に供すると、本発明の
目的とする印刷特性が得られるものである。本発明にお
ける通気度の数値範囲は、本発明の「マスター」の各種
有用性をもたらす主たる因子である特殊な多孔性樹脂膜
によって主に決まっていることは言うまでもない。
【0023】このような考え方から、本発明における通
気度の測定を開口面積率が5つの異なるサンプルを作成
し、そのサンプルについて測定した5つの通気度のうち
少なくとも1つが本発明の感熱孔版印刷用マスターとし
て定義した。なお、開口面積率を20%以上とし通気度
を測定することとした理由は、20%より小さいと多孔
性樹脂膜の通気度は十分であるとしても、印刷に供した
場合に「フィルム」内におけるインキ通過性が不十分に
なりがちであるためである。
【0024】「マスター」の通気性は小さすぎても大き
すぎても良好な印刷品質が得られない。通気性が1.0
cm3/cm2・秒に満たない場合には後述する多孔質樹
脂膜内の空隙率が低いということとなり、インキの通過
を妨げることとなりやすいからである。一方、通気性が
157cm3/cm2・秒を越える場合には、多孔性樹脂
膜によるインキの抑制効果が低くなり、印刷時に印刷ド
ラムとフィルムの間のインキが過剰に押し出され嚢汚れ
やにじみ等の印刷むらが発生する傾向にある。
【0025】インキの透過度において「マスター」自体
の通気度が重要であるが、本発明においては「インキ支
持体」として多孔性樹脂膜を設けたことによって、「マ
スター」の穿孔感度とその印刷機での搬送に充分なコシ
の強さを両立することができる。それは、「インキ支持
体」が本発明に関する多孔性樹脂膜から成り立っている
ことにより、感熱孔版印刷用マスターを穿孔するのに最
低限必要なエネルギーは、ほぼ「フィルム」の穿孔に必
要なエネルギーと同じであり、「フィルム」面が穿孔さ
れることによりインキの浸透が可能であるからである。
【0026】そして、「マスター」自体のコシの強さ
は、本発明の多孔性樹脂膜の厚さと「フィルム」の厚さ
を調整することにより「マスター」全体の厚さを調整す
ることができる。また、「フィルム」と多孔性樹脂の接
着強度は、後述するように樹脂の選択により任意に行う
ことができる。
【0027】続いて、本発明にかかる多孔性樹脂膜の構
造について説明する。本発明における多孔性樹脂膜は特
開平3−240596号公報に見られるようなインキジ
ェット記録に用いられるような粘度の極めて低いインキ
に適している今までの感熱孔版印刷用マスターの多孔性
部分のものとは全く異なる構造を有する。図1に本発明
の感熱孔版印刷用マスターを構成する代表的な多孔性樹
脂膜を電子顕微鏡で観察した図を示す。図1の様に、多
孔性樹脂の微細な孔からインキが通過する。図2に本発
明の感熱孔版印刷用マスターの模式断面図を示す。図2
において、1は多孔性樹脂膜樹脂部、2は多孔性樹脂膜
空隙部、3は熱可塑性フィルムをそれぞれ示す。空隙部
によりインキの透過量が調整される。
【0028】多孔性樹脂膜は、膜の内部及び表面に多数
の空隙を持つ構造を有するものであれば良く、該空隙が
インキの通過性の点から多孔性樹脂膜内において厚さ方
向に連続構造であるものが好ましい。構造体を形成する
固体部分は不定形の棒状、球状、枝状体の集合接合体よ
り成り、どのような構造となるかは該樹脂の種類、液の
固形分濃度、溶媒の種類、樹脂液付着量、樹脂液乾燥温
度、塗布雰囲気温度、塗布雰囲気湿度により異なる。そ
れらの要因の中で特に塗布雰囲気温度、塗布雰囲気湿度
の影響は大きく、後述する本発明における製造方法によ
り最適な多孔性樹脂膜が形成される。例えば、樹脂液の
温度が10℃以下であると本発明のある種の樹脂液はゲ
ル化し溶液の塗布がしにくくなる。逆に60℃を越える
と多孔性樹脂膜の孔径の制御が難しくなる。
【0029】本発明の多孔性樹脂膜の孔としては、多孔
性樹脂膜表面における、真円換算時の直径が5μm以上
の孔の開口面積の合計が、全表面積中の4〜80%であ
ることが好ましい。更に、その割合が10〜60%であ
ればより好ましい。該割合が4%未満である場合には、
サーマルヘッドによる穿孔やインキの通過が阻害されや
すくなる。一方、該割合が80%より多い場合はインキ
の通過が多くなり裏汚れやにじみが発生し易い傾向にあ
る。
【0030】この全表面積中の割合(以下「面積率1」
と称する)は次のように算出する。すなわち、各孔径を
真円に換算した時の、直径が5μm以上の孔の開口面積
の合計中の、多孔性樹脂膜全表面積中の割合であり、1
000倍で撮影した電子顧微鏡表面写真の孔部をLA−
555D(ピアス社製)を用いて画像処理し、各孔径を
真円換算して求める。
【0031】さらに、真円換算時の直径が5μm以上の
孔の開口面積の合計が、全開口面積中の50%以上であ
ることが好ましい。さらにその割合が70%以上である
がより好ましい。そして該割合が50%未満である場合
には、サーマルヘッドによる穿孔やインキの通過が阻害
されやすくなる。
【0032】この全開口面積中の割合(以下「面積率
2」と称する)は次のように算出する。すなわち、真円
換算時の直径が5μm以上の孔の開口面積の合計中の、
多孔性樹脂膜全開口面積中の割合であり、1000倍で
撮影した電子顕微境表面写真の孔部をLA−555D
(ピアス社製)を用いて面像処理して、各孔径を真円換
算して求める。
【0033】なお、孔の真円換算時の直径が5μm以上
といってもその直径が50μmを越える大きさになる
と、多孔性樹脂膜によるインキの抑制効果が低くなり印
刷時に印刷ドラムとフィルムの間のインキが過剰に押し
出され、にじみやかすれそして濃度むらといった「印刷
むら」、ならびに裏汚れやの不具合が発生しやすくなる
ので好ましくない。好ましい真円換算時の直径は5μm
〜50μmである。
【0034】本発明において、多孔性樹脂膜の孔径は一
般に2μm以上50μm以下、好ましくは5μm以上、
30μm以下である。孔径が2μmに満たない場合に
は、多孔質樹脂膜内の空隙率が低くなることによりイン
キ通過性が悪くなる傾向にある。逆に、孔径は大きすぎ
ても良好な印刷品質が得られない。とりわけ、孔径が5
0μmを越える場合には、多孔性樹脂膜によるインキの
抑制効果が低くなり、印刷時に印刷ドラムとフィルムの
間のインキが過剰に押し出されることによる、裏汚れや
にじみ等の「印刷むら」が発生したりする傾向にある。
多孔性樹脂膜内の空隙の個数平均孔径が20μm以下と
すると、以下にあげる多孔性樹脂膜層の厚さとの関係に
おいてインキの印刷用紙への転写量を制御することがで
きる。また当然ながら、層の厚さが不均一であると印刷
むらを生じることがあるので、厚みは均一であることが
好ましい。
【0035】多孔性樹脂膜自体の厚さは、5μm以上、
100μm以下、好ましくは6μm以上、50μm以下
である。印刷時の紙へのインキ転写量は多孔性樹脂膜の
厚みによって調節でき、その厚さが5μmに満たない場
合は、サーマルヘッドによる穿孔後に穿孔部の背後に多
孔性樹脂膜が残りにくく、更にインキ転写量が制御され
ずに印刷物の裏汚れが悪くなりやすい傾向にある。更に
「マスター」全体のコシを高めるために、「フィルム」
自体厚いものを用いれば良いが、それでは穿孔感度が落
ちることになる。一方、その厚みが100μmを越える
場合には、インキの通過を阻害して画像のムラの原因と
なる。多孔性樹脂膜の厚みの測定は実質的に極く小さな
荷重で行い、電子顕微鏡により多孔性樹脂膜の表面及び
断面の写真を撮り測定する。
【0036】多孔性樹脂膜の密度は、通常0.01g/
cm3以上、1g/cm3以下で、好ましくは0.1g/
cm3以上、0.7g/cm3以下である。密度が0.0
1g/cm3未満だと膜の強度が不足し、所望のコシが
得られにくく、また膜自体も壊れやすい傾向にある。密
度が1g/cm3より以上だとインキの通過性が不足す
る傾向がある。
【0037】多孔性樹脂膜の付着量は、0.5g/m2
以上、25g/m2以下、好ましくは2g/m2〜15g
/m2特に3g/m2〜10g/m2が好ましい。付着量
の増大はインキの通過を妨げて画質を悪くし、0.5g
/m2以下ではコシを強くする効果が小さく、逆に25
g/m2以上ではインキの通過を妨げて画質を悪くなる
傾向がある。「フィルム」自体の厚さとしては、通常は
7μm以下のものが好ましい。その厚さが7μm以上に
なると、厚すぎてサーマルヘッドによる穿孔に非常に大
きなエネルギーを必要となってくる。
【0038】本発明の感熱孔版印刷用の「マスター」の
コシは、従来のものと比べて優れたものであるが、印刷
機上での搬送性を考慮すると曲げ剛度5mN以上(ロー
レンツエンスティプネステスターによる)であることが
好ましい。より好ましくは、10〜50mNの範囲であ
る。曲げ剛度が200mN以上では印刷機のローラーに
おいての柔軟性が欠けることとなり実用に適さない。曲
げ剛度の調整は、後述するように例えばフィラー等の添
加により行うことができる。
【0039】また、多孔性樹脂膜はサーマルヘッドによ
る「フィルム」の穿孔をより効果的にするため、その構
成成分たる樹脂の軟化温度が150℃以下のものを少な
くとも一成分含有することが好ましい。そのような樹脂
を使用すると、サーマルヘッドによる穿孔は150℃以
下で行われることになる。そして、「フィルム」と樹脂
との接着性については使用する樹脂材料の選択により調
整する。
【0040】ここで、多孔性樹脂膜の軟化点と穿孔温度
との関係について触れれば次のとおりである。すなわ
ち、熱可塑性樹脂フィルムが多孔性樹脂膜と接する(接
着も含む)箇所で、サーマルヘッドにより加熱される
時、多孔性樹脂膜の軟化点が熱可塑性樹脂フィルムの穿
孔開始温度より低い温度であれば、熱可塑性樹脂フィル
ムが溶融穿孔される時フィルムの開口と同時に多孔性樹
脂膜の樹脂が変形し穿孔の形成を妨げない。また、この
とき多孔性樹脂膜の軟化点が150℃以下であれば、こ
の温度は、最も感熱孔版印刷原子用の熱可塑性樹脂フィ
ルムとして用いられる、ポリエチレンテレフタレートを
主成分とするフィルムの穿孔開始温度よりも十分に低い
ことになり、穿孔を得ることとしては、好ましい条件と
なる。
【0041】多孔性樹脂膜を構成する樹脂材料として
は、例えばポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、塩
化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、塩化ビニル−塩化ビ
ニリデンコポリマー、塩化ビニル−アクリロニトリルコ
ポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー等の
ようなビニル系樹脂、ポリブチレン、ナイロン等のポリ
アミド、ポリフェニレンオキサイド、(メタ)アクリル
酸エステル、ポリカーボネート、アセチルセルロース、
アセチルブチルセルロース、アセチルプロピルセルロー
ス等のセルロース誘導体等が挙げられる。各樹脂は単独
のみならず2種以上を混合して用いても良い。
【0042】なお、多孔性樹脂膜の形成、強度、孔径の
大きさ、コシ等を調節するために、多孔性樹脂膜中に必
要に応じてフィラーなどの添加剤を添加することが好ま
しい。ここにおいてフィラーとは顔料、粉体や繊維状物
質も含まれる概念である。その中で特に針状、板状もし
くは繊維状のフィラーが好ましい。その具体例として
は、ケイ酸マグネシウム、セピオライト、チタン酸カリ
ウム、ウオラストナイト、ゾノトライト、石膏繊維、等
の鉱物系針状フィラー、非酸化物系針状ウイスカ、酸化
物系ウイスカ、複酸化物系ウイスカ等の人工鉱物系針状
フィラー、マイカ、ガラスフレーク、タルク等の板状フ
ィラー、カーボンファイバー、ポリエステル繊維、ガラ
ス繊維、ビニロン繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維等
の天然又は合成の繊維状フィラーがあげられる。
【0043】顔料は無機のみならず有機の顔料、あるい
はポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸メ
チル等の有機ポリマー粒子そして酸化亜鉛、二酸化チタ
ン、炭酸カルシウム、シリカである。松本油脂製薬社製
のマイクロカプセル、マツモトマイクロスフイアーも有
効に利用できる。これら添加剤の添加量としては好まし
くは樹脂に対して8%〜20%である。8%以下では添
加剤を加えることによる曲げ剛度が向上しにくくなる。
逆に20%以上になると多孔性樹脂膜と「フィルム」と
の接着性が落ちてくる傾向にある。
【0044】更に、本発明の多孔性樹脂膜には、本発明
の効果を阻害しない範囲内で帯電防止剤、スティック防
止剤、界面活性剤、防腐剤、消泡剤などを併用すること
ができる。
【0045】本発明の感熱孔版用印刷マスターのサーマ
ルヘッドによる穿孔後の模式断面は、例えば図3で示さ
れる。図3において、3は熱可塑性樹脂フィルム、4は
多孔性樹脂膜、5は感熱孔版印刷用マスター穿孔部を、
それぞれ示す.穿孔後に穿孔部の背後に多孔性樹脂膜が
残ることによって、インキ転写量が抑制され、印刷物の
裏汚れの発生が抑制される。本発明の感熱孔版印刷用マ
スターは、図3のようにサーマルヘッドによる穿孔後に
穿孔部の背後に多孔性樹脂膜の少なくとも一部が残るも
のであることが好ましい。多孔性樹脂膜の厚さを調整す
ることによりかかる現象は生じる。
【0046】本発明に使用される「フィルム」として
は、塩化ビニル、塩化ビニリデン共重合体フィルム、ポ
リプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム等の従来
より感熱孔版印刷用マスターに使用されているものが使
用できるが、融解エネルギーが3〜11ca1/gのポ
リエステルフィルム(特開昭62−149496号公報
参照)、結晶化度が30%以下のポリエステルフィルム
(特開昭62−282983号公報参照)、ブチレンテ
レフタレート単位を50mo1%以上含むポリエステル
フィルム(特開平2−158391号公報参照)等の低
エネルギーで穿孔可能なポリエステルフィルムが好まし
い。フィルムの厚さは0.5〜10μm、更に好ましく
は1.0〜5.0μmである。0.5μm未満では薄す
ぎて樹脂液の塗布が困難であり、10μmを越えるとサ
ーマルヘッドでの穿孔が困難となる。
【0047】本発明の孔版印刷用マスターにおいても、
多孔性樹脂膜を形成した「フィルム」の反対面にサーマ
ルヘッドとのスティック防止のためのスティック防止層
を設けることができる。この場合、使用されるスティッ
ク防止剤としては、従来の感熱孔版印刷用マスターで一
般的に使用されているシリコーン系離型剤、フッ素離型
剤、リン酸エステル系界面活性剤等が使用できる。
【0048】次に、本発明の感熱孔版印刷用マスター
は、特にその特殊な多孔性樹脂膜を有することを特徴と
するものであるが、それは新規な製造方法で製造するこ
とができる。その製造方法の例を以下に説明する。本発
明の感熱孔版印刷用マスターの第1の製造方法の例とし
ては、樹脂を良溶媒(樹脂を溶解可能)と貧溶媒(実質
的に樹脂を溶解しない・蒸発速度が良溶媒より遅い)と
の混合溶媒中に溶解及び/又は分散して得た塗工液が乾
燥過程で多孔性樹脂膜を形成することによるものであ
る。樹脂の貧溶媒としては、水または親水性溶媒を用い
ることが好ましい。親水性溶媒としては、メタノールや
エタノールなどのアルコールを用いることができる。そ
れらは、単独のみならず2種以上組み合わせて用いるこ
とにより所望の特性を得ることができる。
【0049】好ましい溶液中の樹脂濃度は使用する材料
によって異なるが、溶液中の樹脂濃度が低すぎると乾燥
中に多孔性樹脂膜が壊れやすく、空隙の不足あるいは多
孔性樹脂膜の厚みにむらが生じやすい。逆に、溶液中の
樹脂濃度が高いと樹脂溶液中に貧溶媒を取り込みにくく
なり、多孔性樹脂膜が形成されにくく、あるいは形成さ
れても孔径が小さくなり所望の特性は得られにくい傾向
にある。
【0050】このとき良溶媒は相対的に貧溶媒より低温
で蒸発しやすい組み合わせが必要である。良溶媒と貧溶
媒をそれぞれ一種ずつ用いる場合には、良溶媒の沸点は
相対的に貧溶媒の沸点より低くなければならない。良溶
媒と貧溶媒の選定は任意であるが、一般には沸点差が1
5〜40℃である場合には所望の特性を持つ多孔性樹脂
膜が形成されやすい傾向にある。沸点差が10℃未満の
場合には、両溶媒の蒸発時間差が小さく、形成される膜
が多孔性構造になりにくい。貧溶媒の沸点が高すぎる場
合には、乾燥に時間がかかり生産性に劣るため、貧溶媒
の沸点は150℃以下であることが好ましい。ここにい
う「温度差」とは、塗布前の樹脂溶液温度(A)と、熱
可塑性樹脂フィルムへ前記樹脂溶液を塗布した直後か
ら、その後溶液の乾燥手段において乾燥が始まるまでの
間、いずれかの時点における未乾燥状態の溶液の最低温
度(B)の差(A−B)をいう。
【0051】多孔性樹脂膜の孔径の大きさは雰囲気中の
貧溶媒の影響を受け、一般にその良溶媒に対する割合が
高いほど凝結量が多くなり、孔径は大きくなる傾向にあ
る。貧溶媒の添加比率は良溶媒に対して5〜60%であ
る。即ち、貧溶媒の添加量が良溶媒に対して5%以下で
は孔径が小さく、均一な多孔性樹脂膜が形成される。一
方、貧溶媒の添加量を良溶媒に対して60%以上と過剰
にした場合、塗布前に溶液中の樹脂が析出してしまう傾
向にある。具体的な貧溶媒の良溶媒に対する添加割合
は、樹脂の溶解特性によって樹脂の析出により多孔性樹
脂膜の特性に悪影響を与えない範囲で決める。
【0052】多孔性樹脂膜の孔径は膜の「フィルム」に
近い部分ほど小さくなり、またこの傾向は多孔性樹脂膜
が厚いほど顕著になり、均一な孔径を得ることが困難に
なる。更に、より塗工条件を安定させるために前記条件
に加え多孔性樹脂膜を形成する際の樹脂溶液を、「フィ
ルム」に塗布後、樹脂溶液の温度よりも少なくとも低い
温度の状態を経過した後に乾燥することによる。そし
て、この方法をより容易にするには、加温された樹脂溶
液を「フィルム」に塗工することによる。また、加温手
段を有するコーティングダイを用いることにより更に容
易に本発明の多孔性樹脂膜を形成することができる。コ
ーティングダイを用いたときは、保温ジャケットを用い
ることにより樹脂液の塗工が、温度低下せずに容易にで
きる。この場合10〜20℃の液温では液中に樹脂が析
出している場合が多く、これが乾燥後の多孔性樹脂膜中
に塊状となって混入し、インキの通過を妨げる。これを
防ぐには、液温度を高くするのが良い。しかし液温度が
高いままで乾燥すると孔はできないか、できても孔径の
小さなものになってしまう。
【0053】依って、樹脂溶液が「フィルム」に付着し
た後、液温は低くなることが好ましく、その状態で一部
の溶媒が蒸発し、その後本格的な乾燥が行われる。その
温度差は、2℃〜30℃、好ましくは5〜20℃であ
る。温度差が2℃より小さいと孔を大きくする効果が少
なく、30℃より大きい場合には液温のコントロール
(特に幅方向のコントロール)が困難となる傾向にあ
る。「フィルム」に付着する際の液温を上げるには循環
タンク中の液温を上げれば良いが、特に塗布部分に加温
手段を有するダイを用いることが好ましい。その理由の
一つはダイから押し出された樹脂溶液はぽとんど全部フ
ィルムに付着してしまい、循環タンクに戻ることがな
く、液の蒸発による液特性変化が最小限に押さえられる
からである。第二の理由はダイにジャケットなどが取り
付けられ、それに温水を通すことにより樹脂溶液の液温
をコントロールし易いからである。
【0054】乾燥条件としては、多孔性樹脂膜の支持体
となる「フィルム」に悪影響を与えないことが必要で、
乾燥温度も80℃以下が好ましい。
【0055】表1及び表2に代表的な樹脂について良溶
媒、貧溶媒及びその沸点を示す。なお、表中、○は良溶
媒を×は貧溶媒を表す。
【0056】
【表1−(1)】
【0057】
【表1−(2)】
【0058】
【表2−(1)】
【0059】
【0060】塗布する樹脂溶液の処方、塗布条件、乾燥
方法等はいくつかの実験により決定される。塗布にはブ
レード、トランスファーロール、ワイヤーバー、リバー
スロール、グラビア、ダイ等の各種方式のコーターが用
いられる。
【0061】本発明の感熱孔版印刷用マスターの第2の
製造方法の例としては、有機溶剤樹脂溶液を熱可塑性樹
脂フィルム上に塗布し、その後その樹脂の貧溶媒の蒸気
又は微粒子を該塗布面に接触させて多孔性樹脂膜を形成
させることによる。本発明においては、まずフィルム上
に樹脂溶液を塗布し、乾燥させる。このとき溶剤が乾燥
する際の蒸発潜熱によって塗液が冷却され、これによっ
て塗液上の雰囲気が冷却される。そのことによって、貧
溶媒が凝結し、塗液中に取り込まれる。その結果、樹脂
溶液中に取り込まれた貧溶媒が樹脂を析出させることに
よって多孔性樹脂膜が形成される。
【0062】更には、多孔性樹脂膜形成を容易にするた
めに、加湿器や霧吹き等によって貧溶媒の蒸気や微粒子
をフィルム上の塗布液上に吹き付けることによる。吹き
付ける貧溶媒の量や粒子径を変えることによって、多孔
性樹脂膜の孔径や孔の数を変えることができる。樹脂液
塗布前にフィルム上に気化装置、霧吹き装置等によって
貧溶媒を与えておくことは、多孔性樹脂膜とフィルムの
接点を少なくし、サーマルヘッドによる穿孔性を向上さ
せる効果がある。良溶媒との沸点差や貧溶媒の条件につ
いては第一の製造方法に準ずる。そして第一、第二の方
法はそれぞれ単独のみならず適宜組み合わせることによ
り、良好に本発明の多孔性樹脂膜が形成される。
【0063】
【実施例】次に、本発明の感熱孔版印刷用マスターにつ
いて、実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。なお、以下に示す部は
いずれも重量基準である。なお、実施例A−1〜A−6
には樹脂以外の添加剤を加えないものをあげ、実施例B
−1〜B−6には樹脂以外のフィラー等の添加剤をいれ
たものをあげている。樹脂以外のフィラー等を添加した
ものについてはいずれも分散過程を経ているが、その分
散前に樹脂を完全に溶解後にフィラー等の添加剤を加え
分散している。
【0064】実施例A−1 ポリビニルブチラール(軟化点87℃) 4部 (電気化学工業社製PVB3000−2) エチルアルコール(沸点:78.3℃) 35.5部 水(沸点:100℃) 11.5部 上記組成の液を撹拌溶解し、静置し十分消泡してから、
30℃、90%RH雰囲気中で、3.5μm厚の2軸延
伸ポリエステルフィルムの上にワイヤーバーにて付着量
が7.0g/cm2となるように均一塗布した。これを
そのまま1分間放置した後で50℃乾燥ボックスで2分
間放置し乾燥させることにより、フィルム上に多孔性樹
脂膜を形成した。フィルムの多孔性樹脂膜を形成したの
と反対面に、熱溶融したフィルムがサーマルヘッドにス
ティックするのを防止するため、及び帯電防止を目的と
して、シリコーン樹脂とカチオン系帯電防止剤の混合物
を、乾燥後の付着量が0.05g/m2になるように塗
布し、本発明の感熱孔版印刷用マスターを得た。得られ
た感熱孔版印刷用マスターの表面状態は図4に模式的に
示される。
【0065】実施例A−2 ポリビニルアセタール 4部 エチルアルコール(沸点:78.3℃) 36部 水(沸点:100℃) 26部 上記組成液を実施例A−1と同様に感熱孔版印刷用マス
ターを作成した。
【0066】実施例A−3 セルロースアセテートブチレート(軟化点131℃) 5部 メテルエチルケトン(沸点79.6℃) 85部 上記組成の液を撹拌溶解し、静置し十分消抱してから、
30℃、90%RH雰囲気中で、3.5μm厚の2軸延
伸ポリエステルフィルムの上にワイヤーバーにて付着量
が7.0g/cm2となるように均一塗布し、塗布面に
加湿器(HITACHI Humidiffe UV−
107D)から10cmの距離で15秒間、水(沸点:
100℃)の微粒子を接触させた。これを1分間放置し
た後で50℃乾燥ボックスで2分間放置し乾燥させるこ
とにより、フィルム上に多孔性樹脂膜を形成した。フィ
ルムの多孔性樹脂膜を形成したのと反対面に実施例A−
1と同様に、シリコーン樹脂とカチオン系帯電防止剤の
混合物を塗布し、本発明の感熱孔版印刷用マスターを得
た。
【0067】実施例A−4 塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー(軟化点83℃) 3部 (ユニオンカーバイド社製、VYGD) メチルエチルケトン(沸点79.6℃) 17部 メチルアルコール(沸点64.5℃) 9部 上記実施例A−3と同じ条件にて多孔性樹脂膜を形成
し、本発明の感熱孔版印刷用マスターを得た。
【0068】実施例A−5 ポリビニルブチラール 4.0部 (電気化学工業社製、PVB4000−1) メチルアルコール(沸点64.5℃) 33.6部 水(沸点100.0℃) 2.8部 上記組成の液を撹拌溶解し、静置し十分消泡してから2
0℃、60%RH雰囲気中で厚さ2.0μmの2軸延伸
ポリエステルフィルム上にワイヤーバーにて付着量が
7.0g/cm2となるように均一塗布した。これをそ
のまま15秒間同じ雰囲気中で放置した後、50℃乾燥
ボックスで1分間乾燥させることによりフィルム上に多
孔膜を形成した。フィルムの多孔性樹脂膜を形成したの
と反対面に、熱溶融したフィルムがサーマルヘッドにス
テイックするのを防止するため、及び帯電防止を目的と
して、シリコンとカチオン系帯電防止剤の混合物を、乾
燥後の付着量が0.05g/m2になるように塗布し、
感熱孔版印刷用マスターを得た。フィルム上の温度は、
ANRlTSU DlGlTAL SURFACE T
HERMOMETER TYPE Eで測定を行った。 (塗工条件) 塗工、雰囲気温度 20℃ 塗工溶液温度(フィルム接触時) 20℃ 塗工溶液温度(フィルム接触後10sec後) 17℃ (蒸発による温度低下)
【0069】実施例A−6 ポリビニルブチラール 4.0部 (電気化学工業社製、PVB4000−1) メチルアルコール(沸点64.5℃) 33.6部 水(沸点100.0℃) 2.8部 上記組成の液を25℃に加熱撹拌溶解し、20℃、60
%RH雰囲気中で厚さ2.0μmの2軸延伸ポリエステ
ルフィルム上にダイコーター(27℃の温水ジャケット
で保温)にて均一塗布した。これをそのまま15秒間同
じ雰囲気中で放置した後、50℃乾燥ボックスで1分間
乾燥させることによりフィルム上に多孔性樹脂膜を形成
した。その他は、実施例A−5と同様にして、感熱孔版
印刷用マスターを得た。 (塗工条件) 塗工、雰囲気温度 20℃ 塗工溶液温度(フィルム接触時) 25℃ 塗工溶液温度(フィルム接蝕後10sec後) 22℃ (蒸発による温度低下)
【0070】実施例B−1 ポリビニルブチラール(軟化点87℃) 4部 (電気化学工業社製、PVB3000−2) エチルアルコール 35.5部 水 11.5部 針状珪酸マグネシウム 0.8部 (水沢化学社製、エードプラスSP) 上記混合液をボールミルにて分散混合した。厚さ1.5
μmの2軸延伸ポリエステルフィルム上に、ワイヤバー
にて付着量が7.0g/cm2となるように均一塗布し
た。塗布後、直ちに50℃の熱風中で3分間乾燥して、
多孔性樹脂膜を作成した。フィルムの多孔性樹脂膜を形
成したのと反対面に、熱溶融したフィルムがサーマルヘ
ッドにステイックするのを防止するため、及び帯電防止
を目的として、シリコーン樹脂とカチオン系帯電防止剤
の混合物を、乾燥後の付着量が0.05g/m2になる
ように塗布し、本発明の感熱孔版印刷用マスターを得
た。
【0071】実施例B−2 ポリビニルアセタール 4部 エチルアルコール 36部 水 26部 板状珪酸マグネシクム(タルク) 0.8部 (日本タルク社製、ミクロエースP4) 上記混合液を実施例B−1と同様にワイヤバーにて均一
塗布し感熱孔版印刷用マスターを得た。
【0072】実施例B−3 ポリカーボネート 4部 ポリビニルブチラール 2.2部 テトラヒドロフラン 56部 エチルアルコール 7.6部 チタン酸カリシウム系ウイスカ 0.8部 (大塚化学社製、トフィカY) 上記混合液を実施例B−1と同様にワイヤバーにて均一
塗布し感熱孔版印刷用マスターを得た。
【0073】実施例B−4 塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー(軟化点78℃) 3部 (ユニオンカーバイド社製、VYHH) セピオライト 4部 アセトン(沸点56.1℃) 20部 エチルアルコール(沸点78.3℃) 8部 上記混合液を実施例B−1と同様にワイヤバーにて均一
塗布し感熱孔版印刷用マスターを得た。得られた感熱孔
版印刷用マスターの表面状態は図5に模式的に示され
る。
【0074】実施例B−5 セルロースアセテートブチレート(軟化点152℃) 3部 アセトン(沸点56.1℃) 20部 水(沸点100.0℃) 5部 シリカ粉末 0.3部 上記実施例B−1と同じ条件にて多孔性樹脂膜を形成
し、本発明の感熱孔版印刷用マスターを得た。
【0075】実施例B−6 ポリビニルブチラール(軟化点87℃) 4部 (デンカ社製PVB3000−2) エチルアルコール(沸点78.3℃) 24.5部 水(沸点100.0℃) 11.5部 アクリル酸−スチレンコポリマー(軟化点65℃) 0.6部 (ジョンソンポリマー社製、J679) 上記組成の液を撹拌溶解した後、酸化チタン(ルチル
型)0.8部を添加し、これをボールミルにて1時間分
散させる。分散後、上記実施例B−1と同じ条件にて多
孔性樹脂膜を形成し、本発明の感熱孔版印刷用マスター
を得た。
【0076】比較例1 セルロースアセテートブチレート(軟化点131℃) 15部 メチルエチルケトン(沸点79.6℃) 5部 上記組成の液を撹拌溶解し、静置し十分消抱してから、
20℃、60%RH雰囲気中で、3.5μm厚の2軸延
伸ポリエステルフィルムの上にワイヤーバー(0.15
mm径)にて均一塗布した。これをそのまま1分間放置
した後で50℃乾燥ボックスで2分間放置し乾燥させる
ことにより、フィルム上に樹脂膜を形成した。フィルム
の樹脂膜を形成したのと反対面に実施例A−1と同様
に、シリコーン樹脂とカチオン系帯電防止剤の混合物を
塗布し、比較用の感熱孔版印刷用マスターを得た。
【0077】比較例2 天然麻(アパカ)繊維と合成繊維とを混抄したものを
「インキ支持体」とし、これに2.0μm厚の延伸され
た熱可塑性村樹脂フィルムを貼り合わせて比較用の感熱
孔版印刷用マスターとして用いた。
【0078】比較例3 アクリル酸−スチレンコポリマー(軟化点47℃) 16部 (O/Wエマルジョン 樹脂成分43%) 水(沸点100.0℃) 33部 分岐状コロイダルシリカ粉末(個数平均粒子径0.015μm) 3部 上記組成の液を均一に分散した後、上記比較例1と同じ
条件にて樹脂膜を形成し、比較用の感熱孔版印刷用マス
ターを得た。
【0079】比較例4 比較例1に用いた3.5μm厚の2軸延伸ポリエステル
フィルムの片面に、実施例A−1と同様にシリコーン樹
脂とカチオン系帯電防止剤の混合物を、乾燥後の付着量
約0.05g/m2になるように塗布し、比較用の感熱
孔版印刷用マスターを得た。
【0080】比較例5 7.0μm厚の2軸延伸ポリエステルフィルムの片面
に、実施例A−1と同様にシリコーン樹脂とカチオン系
帯電防止剤の混合物を、乾燥後の付着量約0.05g/
2になるように塗布し、比較用の感熱孔版印刷用マス
ターを得た。
【0081】以上、得られた感熱孔版印刷用マスターに
ついて、既に述べた穿孔方法により「マスター」の穿孔
を開口面積率がそれぞれ異なるように5ポイント行い、
その開口面積率、通気度そして真円換算時の直径が5μ
m以上の孔の開口面積の合計の(a)全表面積中の割
合:面積率1及び(b)全開口面積中の割合:面積率2
そして樹脂の軟化点、接着強度を下記の方法で測定し、
且つ、曲げ剛度(コシの強さ)、穿孔感度、印刷むら、
裏汚れを、リコー社製VT3820及びそのインキ(V
T600 II 20℃での粘度:153poise)を
用いて試験し、下記の基準で評価した。それらの結果を
実施例A−1〜A−6は表3に実施例B−1〜B−6は
表4に、比較例は表5に示す。また、フィラー等の添加
剤を加えた場合と、そうでない場合における感熱孔版印
刷用マスターのコシの強さと印刷濃度との関係を図6に
示す。各サンプルはフィラーを入れたものは、フィ
ラーを入れないものはで示す。実施例B−1、
実施例A−1、実施例B−2、実施例A−2の感熱
孔版印刷用マスターである。
【0082】(イ)樹脂の軟化点 熱応力歪測定機ITMA/SS150C(セイコー電子
工業社製)を用いて測定する。 (ロ)接着強度 サーマルヘッドで走行させたときに多孔性樹脂膜が剥が
れないものを◎、僅かに剥がれのあるものを○で示す。
【0083】(ハ)曲げ剛度(コシの強さ) ローレンツェンスティフネステスターで測定する。この
値が、5mNに満たない場合は、印刷機においての搬送
性が悪く実用に適さない。 (ニ)穿孔感度 マスターのフィルム部分がサーマルヘッドによって、全
く正常に穿孔されるものを◎、穿孔されるが部分的に穿
孔径が小さくなるものを○、部分的に穿孔されないもの
を△、ほとんど穿孔されないものを×で示す。 (ホ)印刷むら 印刷画像を肉眼で観察し、にじみやカスレ、濃度むらが
いずれも現行マスター(リコー社製、VT2マスター)
よりも非常に優れるものを◎、現行マスターよりも若干
優れるものを○、現行マスターと同等であるものを△、
現行マスターよりも劣るものを×で示す。 (ヘ)裏汚れ 印刷物を肉眼で観察し、現行マスター(リコー社製VT
2マスター)よりも非常に優れるものを◎、現行マスタ
ーよりも若干優れるものを○、現行マスターと同等であ
るものを△、現行マスターよりも劣るものを×で示す。
【0084】
【表3−(1)】
【0085】
【表3−(2)】 いずれも、穿孔部の背後に多孔性樹脂膜の一部が残って
いないことが確認できた。
【0086】
【表4−(1)】
【0087】
【表4−(2)】 いずれも、穿孔部の背後に多孔性樹脂膜の一部が残って
いないことが確認できた。
【0088】
【表5】 いずれも、穿孔部の背後に多孔性樹脂膜の一部が残って
いないことが確認できた。比較例1〜5においてはいず
れも多孔性樹脂膜は、できていない。比較例5において
は「フィルム」が厚すぎて穿孔されていない。比較例4
においては、曲げ剛度が低すぎて印刷機における搬送が
できない。
【0089】
【発明の効果】本発明の感熱孔版印刷用マスターの製造
方法で得られたマスターは前記構成としたことから、コ
シが強く、穿孔感度に優れ、「フィルム」との接着強度
が高く、しかもにじみやかすみといった印刷むら、そし
て裏汚れが少ない印刷画像が得られる。また、本発明の
感熱孔版印刷用マスターの製造方法は前記方法としたこ
とから、温和な条件で且つ簡単な換作で安定して本発明
の感熱孔版印刷用マスターを得ることができるので工業
的価値が極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感熱孔版印刷用マスターの電子顕微鏡
で観察した図ある。
【図2】本発明の感熱孔版印刷用マスターの模式断面図
である。
【図3】本発明の感熱孔版印刷用マスターのサーマルヘ
ッドによる穿孔後の模式断面図である。
【図4】実施例A−1で得られた感熱孔版印刷用マスタ
ーの表面を示す模式図である。
【図5】実施例B−4で得られた感熱孔版印刷用マスタ
ーの表面を示す模式図である。
【図6】感熱孔版印刷用マスターのコシと画像濃度との
関係。
【符号の説明】
1 多孔性樹脂膜樹脂部 2 多孔性樹脂膜空隙部 3 熱可塑性樹脂フィルム 4 多孔性樹脂膜 5 感熱孔版印刷用マスター穿孔部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 名取 裕二 宮城県柴田郡柴田町大字中名生字神明堂 3番地の1 東北リコー株式会社内 (72)発明者 新井 文明 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 田中 哲夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 利元 正則 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 岩岡 武彦 神奈川県横浜市保土ヶ谷区境木本町35− 9 (72)発明者 小野 英樹 宮城県柴田郡柴田町大字中名生字神明堂 3番地の1 東北リコー株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−99677(JP,A) 特開 平4−14492(JP,A) 特開 平7−214933(JP,A) 特開 平3−240596(JP,A) 特開 平6−155955(JP,A) 特開 平3−8892(JP,A) 特開 平3−23993(JP,A) 特開 昭61−102296(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41N 1/24 102 B41C 1/055 511

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂を溶解可能な良溶媒と、実質的に該
    樹脂を溶解しないで蒸発速度が該良溶媒のそれより遅い
    貧溶媒との混合液中に樹脂を溶解及び/又は分散させた
    塗工液を熱可塑性フィルム上に塗布し、多孔性樹脂膜を
    形成することを特徴とする感熱孔版印刷用マスターの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記多孔性樹脂膜を形成するための加温
    された樹脂溶液を熱可塑性フィルム上に塗布した後、該
    フィルム上に塗布された樹脂溶液は該加温された樹脂溶
    液の温度よりも少なくとも低い温度の状態を経過した後
    に、加温されて多孔性樹脂膜を形成することを特徴とす
    る請求項1記載の感熱孔版印刷用マスターの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記塗工液は塗布された直後、冷却手段
    により冷却され、次いで乾燥されることを特徴とする請
    求項記載の感熱孔版印刷用マスターの製造方法。
  4. 【請求項4】 有機溶剤樹脂溶液を熱可塑性フィルム上
    に塗布し、その後該樹脂の貧溶媒の蒸気または微粒子を
    該塗布面に接触させて多孔性樹脂膜を形成することを特
    徴とする感熱孔版印刷用マスターの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記貧溶媒が水もしくは親水性溶媒であ
    ることを特徴とする請求項又はに記載の感熱孔版印
    刷用マスターの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方
    法によって得られた感熱孔版印刷用マスター。
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