JP2003063373A - 車両の自動退避装置 - Google Patents
車両の自動退避装置Info
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Abstract
なった場合にも、車両の進行方向のコントロールを可能
にして、より好適な位置に車両を停止させる。 【解決手段】ステアリングシステムに故障が発生した場
合、左右の車輪に付与するブレーキ力を制御して車両の
進路を変更して、所定の退避領域X内に車両Aを停止さ
せる。
Description
テムに故障が発生した場合に、所定の退避領域内に車両
を停止させる車両の自動退避装置に関する。
センサからの情報に基づいて、車両の速度や操舵角を制
御して自立走行を行う自動運転制御装置が開示されてい
る。そして、このような自動運転制御に故障が発生した
場合には、走行中の車両に対して自動操舵制御を実施し
て、車両を走行レーンから退避させることが開示されて
いる。
運転制御に故障が発生した場合には、自動運転制御を中
止して、操舵ハンドルと車輪との間の操舵系を機械的に
直結状態として、操舵ハンドルの回転と車輪の転舵とが
機械的に連動する状態となる、通常のマニュアル操舵に
切り換えることも考えられる。
操舵系に設けられたセンサ類、モータ、油圧系などに故
障が発生した場合には、前述した自動操舵制御の効果が
十分に発揮されない場合もある。また、このようなセン
サ等の故障以外にも、ステアリングシャフトの回転動作
がロック状態となるなどの操舵機構に故障が発生した場
合や、車輪の転舵動作が不能となるなどの転舵機構に故
障が発生した場合には、前述したようなマニュアル操舵
に切り換えても、車両の進路を変化させることが困難な
場合もおこり得る。
ンサ、モータ等で構成される一連のステアリングシステ
ムに故障が発生した場合には、車両に対して強制的に減
速制御を実行して、直ちに車両を停止させることも考え
られるが、最終的に車両が停止する位置によっては、周
辺を走行する車両にとって妨げになる場合も起こり得
る。
れたものであり、その目的は、ステアリングシステムに
故障が発生した場合にも、車両の進行方向のコントロー
ルをある程度可能にして、より好適な位置に車両を停止
させることができる車両の自動退避装置を提供すること
にある。
る車両の自動退避装置は、車両を所定の退避領域に停止
させる車両の自動退避装置であって、所定の車輪に付与
するブレーキ力の大きさを制御可能な制動制御機構と、
ハンドル操作に連動して車輪を転舵させるステアリング
システムに故障が発生した場合に、制動制御機構の動作
制御を行い、所定の退避領域に車両を停止させる退避制
御手段とを備えて構成する。
操作に関わりなくブレーキ力を発生する発生源を有する
タイプと、このような発生源を備えずに運転者のブレー
キ操作に連動して発生したブレーキ力を、所定車輪に配
分する際の配分状態を制御するタイプの双方を含むもの
とする。
走行中に車輪の転舵角が固定された状態を想定する。一
例として、この状態で、右輪に対し、左輪に比べてより
大きな制動力(ブレーキ力)を作用させると、車両は右
周りに回頭する傾向となって、それ以前の進行方向に対
して右よりに車両の進路が変わる。また、左輪に対し、
右輪に比べてより大きな制動力を作用させると、車両は
左周りに回頭する傾向となって、それ以前の進行方向に
対して左よりに車両の進路が変わる。退避制御手段は、
このような作用を利用することで、ステアリングシステ
ムに故障が発生した場合に制動制御機構の動作制御を行
い、車両に進行方向を制御し、所定の退避領域に車両を
停止させる。
置は、請求項1における車両の自動退避装置において、
退避制御手段は、制動制御機構の動作制御によって車両
を停止させ得る停止領域を、車両の走行状態をもとに演
算する停止領域演算手段と、車両の進路周辺の状況を得
る周辺情報取得手段と、停止領域演算手段の演算結果と
周辺情報取得手段によって得られた周辺情報とをもと
に、この停止領域内で車両を停止させる領域として退避
領域を選定する選定手段と、選定手段によって選定され
た退避領域と走行中の車両との位置関係をもとに、制動
制御機構の動作制御を行う制御手段とを備えて構成す
る。
車両を停止させる場合、車両を停止させることができる
停止領域は、直前の車速、車輪の転舵角など、車両の走
行状態をもとに把握することができる。そこで、まず、
停止領域演算手段により、このような車両の走行状態を
もとに車両を停止させ得る停止領域を算出する。そし
て、道路の曲折状態、道幅、路肩の大きさ、交差点の有
無など、車両の進路周辺の状況は、例えば車載ナビゲー
ションシステム、路−車間通信、車−車間通信などの周
辺情報取得手段によって把握することができる。このよ
うにして得られた周辺情報と停止領域とをもとに、選定
手段では、停止領域内において好適に車両を退避させる
ことができる領域として、前述した退避領域を選定す
る。そして、制御手段は、退避領域と走行中の車両との
位置関係とに応じて、所定車輪における制動制御機構の
動作制御を行い、車両を所定の退避領域内に停止させ
る。
置は、請求項1における車両の自動退避装置において、
退避制御手段は、運転者のハンドル操作状態に応じて、
制動制御機構の動作制御を行うことを特徴とする。
故障の場合であっても、操舵ハンドルの回転操作が可能
な状況であれば操舵角をもとに、運転者が車両の進路を
変化させたいと希望する方向を把握することも可能であ
る。また、操舵ハンドルがロック状態になった場合であ
っても、操舵ハンドルに付与される操舵トルクなどをも
とに、運転者が車両の進路を変化させたいと希望する方
向を把握することも可能である。そこで、退避制御手段
は、このような運転者のハンドル操作状態をもとに、運
転者が車両の進路を変化させたいと希望する方向を検知
し、この検知結果をもとに、制動制御機構の動作制御を
行って、退避走行中の車両の進行方向を制御する。
につき、添付図面を参照しつつ説明する。
装置を備えたステアリングシステムを示す。
ト12の一端が連結されており、ステアリングシャフト
12の他端側は、ラックアンドピニオン式のギヤ装置1
3に連結されており、ギヤ装置13において、ステアリ
ングシャフト12の回転運動がラック軸14の直線運動
に変換され、ラック軸14の動作によって車輪Wの転舵
動作がなされる機構となっている。
与する電動式のアシスト装置15を備えており、操舵ト
ルクに応じたアシスト力を発生するように動作制御がな
される。
に伝達比可変機構16が介在しており、操舵ハンドル1
0側の入力軸12Aとギヤ装置13側の出力軸12Bと
を、この伝達比可変機構16を介して連結している。
力軸12Bとを相対回転可能な状態に連結する所定のギ
ヤ機構と、このギヤ機構を駆動する駆動モータとを備え
ており、駆動モータを回転駆動することで、入力軸12
Aに対して出力軸2Bが相対的に回転する機構となって
おり、駆動モータの動作制御を行うことで、入力軸12
A−出力軸12B間の回転量の伝達比を変化させる制御
システムを構成している。そしてこの入力軸12Aに対
して、操舵ハンドル10の操舵角を検出する操舵角セン
サ310、操舵ハンドルに付与される操舵トルクを検出
するトルクセンサ311をそれぞれ設けている。
供給する液圧制御系には、運転者によるブレーキペダル
20の操作とは別に、各ホイールシリンダ21に供給さ
れる作動液の液圧を制御するブレーキアクチュエータ2
00を設けており、このブレーキアクチュエータ200
を含む液圧制御系を図2に概略的に示す。なお、ブレー
キアクチュエータ200は、各車輪のブレーキ装置毎
に、独立に液圧を制御し得る機構となっており、図2に
は1つの車輪に関するブレーキアクチュエータ200の
構成を代表的に示すが、他の車輪に関しても同様な構成
となっている。
1とを接続する管路201には、遮断弁(非通電時:開
弁)210を備えており、作動液の液圧制御を実行する
際に閉弁して、マスタシリンダ30とホイールシリンダ
21との間の管路201を遮断する。また、遮断弁21
0よりもホイールシリンダ21側の管路201には、保
持弁(非通電時:開弁)220を備えており、保持弁2
20を閉弁させることで、保持弁220からホイールシ
リンダ21側の液圧系を閉塞状態とすることができる。
間の管路201は、管路202によって、リザーバ25
5に接続しており、この管路202には減圧弁(非通電
時:閉弁)230を備え、通電状態/非通電状態の2値
状態の駆動制御信号によって減圧弁230をduty駆
動することで、管路202の連通状態を変化させること
ができる。
ポンプ251は、運転者のブレーキ操作とは別に、ブレ
ーキ力を制御する際の液圧発生源として機能し、液圧ポ
ンプ251の吐出口は、管路203を介して、遮断弁2
10と保持弁220との間の管路201に接続してい
る。なお、液圧ポンプ251の吐出口側には、吐出方向
とは逆方向の作動液の流れを阻止する逆止弁252を設
けている。
路204を介してリザーバ255に接続しており、管路
204には、吸込方向とは逆方向の作動液の流れを阻止
する逆止弁253、254を配している。
4は、管路205を介してリザーバタンク31に接続さ
れており、リザーバタンク31内の作動液は、管路20
4を介して、液圧ポンプ251に吸い込まれる。また管
路205の途中には、この管路205を開閉させる吸込
弁(非通電時:閉弁)240を備えている。
装置などによって構成されるブレーキアクチュエータ2
00は、退避制御装置100によって動作制御が実施さ
れる。
は、前述した操舵角センサ310、トルクセンサ311
の他、各車輪Wの回転状態を検出する車輪速センサ31
2、車両の現在位置及びその周辺の道路地理情報を得る
ナビゲーションシステム313、車両周辺の現況を得る
ために車体前後に搭載したCCDカメラ314、車輪W
の転舵角をラック軸14のストローク位置として検出す
るストロークセンサ315、ホイールシリンダ21に作
用する液圧を検出する圧力センサ316、ヨーレートセ
ンサ317、横加速度センサ318、前後加速度センサ
319などの各センサの検出結果が与えられる。
ングシステムの故障を判定する故障判定部320の判定
結果が与えられ、退避制御装置100は、故障判定部3
20においてステアリングシステムに故障が発生したと
判断された場合に、車両を所定の退避領域に停止させる
退避制御を開始する。この故障判定部320には、前述
したような各種センサ類、伝達比可変機構16、アシス
ト装置15など、ステアリングシステムを構成する各セ
ンサや駆動機構の動作情報が与えられ、これらの結果を
もとに、ステアリングシステムの故障を判定する。ステ
アリングシステムに故障が発生したと判断する例として
は、例えば、伝達比可変機構16或いはアシスト装置1
5に何らかの故障が発生して、操舵ハンドル10の操作
操作や車輪Wの転舵動作がロック状態となった場合や、
操舵ハンドル10の回転操作が可能な状態であっても、
ハンドル操作に応じた車輪Wの転舵動作制御に故障が発
生した場合など、運転者が希望する車輪の転舵状態と実
際の転舵状態とが不一致となるような状況が発生した場
合に、ステアリングシステムに故障が発生したものと判
断する。
ムに故障が発生したと判断するかは、ステアリングシス
テムの構成や、設計思想に依存するものであり、前述し
た例に限定するものではない。
の退避制御について、図4のフローチャートをもとに説
明する。なお、このフローチャートはイグニションスイ
ッチのオン操作によって起動する。
と記す。)102に進み、図3に示した各センサからの
情報を読み込み、所定の演算処理を行うなどによって、
車速V、操舵角、転舵角、制動状態、旋回状態など、車
両の走行状態を示す各種の車両状態量を取得する。
両状態量をもとに、この時点で退避制御を開始した場合
に車両を停止させることができる領域となる、制御可能
領域(停止領域)を算出する。例えば、右車輪に対し、
左車輪に比べてより大きなブレーキ力を作用させると、
車両は右周りに回頭する傾向となって、それ以前の進行
方向に対して右よりに車両の進路が変わる。また、左車
輪に対し、右車輪に比べてより大きなブレーキ力を作用
させると、車両は左周りに回頭する傾向となって、それ
以前の進行方向に対して左よりに車両の進路が変わる。
このようにブレーキ力の制御を所定車輪に施すことで車
両の挙動制御を行うことが可能であり、その時点での車
速V、車輪Wの転舵角、ヨーレート、横加速度、前後加
速度などをもとに、計算によって或いは実験的に制御可
能領域を把握することが可能である。
両Aが片側2車線の直線道路を走行中である場合などに
は、点線L1、L2の間の領域が制御可能範囲L1〜L
2として算出される。
ョンシステム313から周辺の道路形状や車両の現在位
置Nを取得する。なお、周知のとおり、ナビゲーション
システム313は、予め備えられた地図データと、GP
S(Global Positioning System)衛星から随時受信す
るGPS信号とをもとに、車両の現在位置Nや周辺の道
路形状の各情報を得ることができる。
びS106の結果をもとに、制御可能範囲L1〜L2内
において、車両を停止させる領域として好適な退避領域
候補を選定する。この実施形態では、制御可能範囲L1
〜L2内において車両を停止させる領域として、常に複
数の退避領域候補を挙げておく手法を採用している。一
例として、図5(a)には、3カ所の退避領域候補S
1、S2、S3を特定した場合を図示しており、路側帯
S0内に位置する退避領域候補をS1、現在の走行車線
の前方に位置する退避領域候補をS2、追い越し車線側
の退避領域候補をS3として示す。
314の撮像結果を画像解析し、車両の前方、後方、側
方に存在する車両やその他の障害物の存在など、車両の
周辺情報S4を取得する。なお、路−車間通信や車−車
間通信などを利用して、周辺情報S4を得ることも可能
である。
避領域候補S1〜S3、S110で取得した周辺情報S
4とをもとに、走行中の車両を停止させるべき領域とな
る退避領域Xを決定する。CCDカメラ314の撮像結
果より得られた周辺情報S4として周辺に障害物等が存
在しない場合であれば、例えば、後続車両に支障となら
ない領域であるため、退避領域候補S1が退避領域Xと
して決定される。なお、このような退避領域候補S1、
S2、S3の中で、いずれの領域を優先的に退避領域と
して決定するかについては、設計思想に依存するもので
あり、特に限定するものではない。
320から得られるステアリングシステムの故障判定結
果を読み込んだ後、S116に進んで、ステアリングシ
ステムに故障が発生したかを判断し、ステアリングシス
テムが正常に動作している場合には、S116で「N
o」と判断され、前述したS102に戻り、同様の処理
が実施される。従って車両の走行中(イグニションスイ
ッチのオン操作後)は、絶えず退避領域Xを決定する処
理が実施されている。
障が発生した場合には、S116で「Yes」と判断さ
れて、S118に進み、S106で読み込んだ車両の現
在位置NとS112で決定した車両の退避領域Xとの位
置偏差と、各種の車両状態量とをもとに、各車輪Wのブ
レーキ装置で発生させるブレーキ力(ホイールシリンダ
21内の目標液圧)の大きさを設定する。S104にお
いて説明したように、走行中の車両を退避領域X内に停
止させるため、各車輪のブレーキ力をどのように配分す
ればよいかは、現在位置Nと退避領域Xとの位置偏差
と、各種の車両状態量とをもとに、計算により或いは実
験的に求めることができる。そこで、例えば、位置偏差
と車両状態量とに応じた各車輪のブレーキ力との関係を
予めマップ化しておき、S118では、位置偏差と車両
状態量とをもとにマップ検索し、各車輪のブレーキ装置
で発生させるブレーキ力を設定してもよい。
したブレーキ力に応じた動作制御信号を、対応する各車
輪のブレーキアクチュエータ200に出力する。これに
より、各車輪に対して所定のブレーキ力が付与されて、
この例では、減速しつつ、車両は左方向に進路を変え
る。
たか、すなわち車両が停止したかを判断し、「No」の
場合には再びS102に戻ってS102以降の処理が継
続される。
停止させるような退避制御処理が継続して実行され、こ
の間、図5(b)に2点鎖線で示す軌道上を走行するよ
うにして、退避領域Xに向かって進む。そして、S12
2で「Yes」、すなわち車速V=0となった時点で
は、図5(b)に示すように、車両Aは退避領域X内に
停止した状態となる。
が、S116でステアリングシステムに故障が発生した
と判断した場合には、例えばハザードランプを自動的に
点滅させるか、或いは、退避制御において車両が進路を
変える方向に応じて、方向指示器を点滅させるなどの処
理を行うことが望ましい。
は、例えば、走行車両周辺の地理情報の中から、対向車
線内、交差点内、踏切内などを除いた領域内で選定する
など、様々な手法を採用することが可能である。例え
ば、対向車線側や交差点内、踏切内などの各領域を除い
た領域を、退避領域候補として、ナビゲーションシステ
ム313の地図データ上に予め登録しておいてもよい。
また、退避領域候補を特定する際には、交差点や踏切な
どの道路形状、歩行者を含む障害物の位置、後続車両な
どの各情報を、路−車間通信や車−車間通信などを利用
して得ることもできる。
の状況変化に応じて、退避領域Xが変化する場合を、図
6(a)〜図6(c)に例示しておく。
し車線を走行中に、ステアリングシステムに故障が発生
した場合を想定する。図6(a)の状況でも、図5
(a)の場合と同様に、路側帯S0、左側車線、追い越
し車線にそれぞれ退避領域候補S1〜S3が選定される
(S108)。しかし、車載したCCDカメラ314の
撮像結果より、左側車線に後続車両Bが存在する状況が
周辺情報S4として取得されると(S110)、車両A
の走行車線を現状のまま維持させることが望ましいと判
断し、車両Aの前方の退避領域候補S3を退避領域Xと
して選定する(S112)。
退避領域X内に停止すべく、車両Aは直進状態を維持し
つつ自動的に徐々に減速される。図6(b)は、このよ
うに車両が自動的に減速され、その結果、左側車線を走
行していた後続車両Bが車両Aを追い越した状況を示し
ている。このように車両Aの周辺の状況が変化して、後
続車両や障害物等が無く、かつ、制御可能範囲L1〜L
2内に路側帯S0の退避領域候補S1が含まれる場合に
は(図6(b)参照)、この退避領域候補S1が新たに
退避領域Xとして設定される場合も生じる。そして、以
降の退避制御は、新たに設定された退避領域Xを停止目
標位置として制御がなされ、最終的に車両Aは、路側帯
S0の退避領域X内に停止するように退避制御が実行さ
れる(図6(c))。
域候補S1、S2、S3の選定例を示しておく。図7で
示した状況は、車両Aが交差点に差し掛かる直前の状況
であり、交差点内及びその先に位置する踏切内は、地図
データ上で予め退避領域候補からは除外されている。退
避領域候補としては、車両Aの前方の退避領域候補S
1、交差点を左折した領域となる退避領域候補S2、及
び交差点を超えた領域となる退避領域候補S3がそれぞ
れ退避領域候補に挙がっている。そして、さらにCCD
カメラ314の撮像結果等から周辺情報S4を得て、右
折車両や歩行者などの存在を確認した後、退避領域候補
S1〜S3から、最終的に退避領域Xが決定される。
テムに故障が発生した場合に、所定の退避領域内に車両
を自動的に停止させる退避制御について説明した。これ
に対し、前述したようにステアリングシステムに故障が
発生して操舵が不能となった場合であっても、運転者の
希望する進路変更方向を検知して、その方向に車両の進
路を変更しつつ、車両を停止させるように退避制御する
ことも可能である。
結されたステアリングシャフト12と、左右の車輪Wに
連結されたラック軸14とが、機械的に連結されたステ
アリングシステムでは、ギヤの噛み込みや駆動モータの
焼き付きなどによって伝達比可変機構16に故障が発生
した場合や、パワーステアリング機構のアシスト装置1
5が故障してラック軸14の動きが拘束された場合、或
いはギヤ装置13内にギヤの噛み込みが発生した場合な
どには、操舵ハンドル10の回転操作ができず、車輪W
の転舵動作が不能となって一定の転舵角に固定される事
態もおこり得る。
転が拘束される、いわゆるロック状態となった場合に
も、運転者が、車両の進路を変更したいとする方向に沿
って操舵ハンドル10を操作すると、その際に加えられ
た操舵トルクに応じてステアリングシャフト12が捻れ
るため、この捻れた量をトルクセンサ311によって検
出することができる。トルクセンサ311では、操舵ハ
ンドル10に加えられた操舵トルクの大きさとその方向
を検知できるため、トルクセンサ311の検出結果を利
用することで、運転者が左右いずれの方向に、どの程
度、車両の進路を変化させたいのかを概ね把握すること
ができる。
検出結果をもとに退避制御を行う場合の実施形態を、図
8のフローチャートに沿って説明する。なお、図8では
左右前輪に付与するブレーキ力の設定例について概略的
に説明することとし、図8のフローチャートは、故障判
定部320(図3参照)において、ステアリングシステ
ムに故障が発生したと判断した時点で起動する。
車輪速センサ312の検出結果を読み込み、続くS20
4では、読み込んだ車速Vに応じた基本目標液圧Poを
設定し、続くS206では、例えば図9に示すグラフを
もとに、検出した操舵トルクTの大きさに応じた目標液
圧の補正量α(α>0)を設定する。
1の検出結果をもとに操舵方向が右操舵かが判断され、
「Yes」の場合にはS210に進んで、右車輪側のホ
イールシリンダ21の目標液圧PをP=Po+αに設定
し、左車輪側のホイールシリンダ21の目標液圧PをP
=Po−αに設定する。このように運転者が操舵ハンド
ル10を右方向に操作した場合には、左前輪に比べ、右
前輪に付与するブレーキ力が相対的に大となるように、
目標液圧Pを設定する。
舵の場合にはS212に進み、右車輪側のホイールシリ
ンダ21の目標液圧PをP=Po−αに設定し、左車輪
側のホイールシリンダ21の目標液圧PをP=Po+α
に設定する。このように運転者が操舵ハンドル10を左
方向に操作した場合には、右前輪に比べ、左前輪に付与
するブレーキ力が相対的に大となるように、目標液圧P
を設定する。
目標液圧Pを設定した後、S214に進み、設定した目
標液圧Pに応じた動作制御信号を各車輪のブレーキアク
チュエータ200に出力する。これにより、各車輪に対
して所定のブレーキ力が付与されて、車両を自動的に減
速させつつ、操舵方向に応じて車両の進路を変えるよう
な退避制御が実行される。
たか、すなわち車両が停止したかを判断し、「No」の
場合には再びS202に戻ってS202以降の処理が継
続される。そして、S216で「Yes」、すなわち車
両が停止した時点で、退避制御が終了する。
向に応じて左右輪に対するブレーキ力を共に補正量α分
だけ変更する場合を例示したが、この例に限定するもの
ではなく、左右の各車輪に対して異なる補正量をそれぞ
れ設定するなど、操舵方向側のブレーキ力が相対的に大
となるように、ブレーキ力を調整できればよい。
ってブレーキ力を制御する場合について説明したが、運
転者のブレーキ操作に連動して液圧を発生させるマスタ
ーシリンダ30の液圧を利用することも可能である。こ
の場合、図10に概略的に示すように、例えば液圧制御
バルブ260を用いて、マスターシリンダ30の液圧
を、右前輪用のホイールシリンダ21と左前輪用のホイ
ールシリンダ21に配分する構成を採用することができ
る。この構成では、運転者がブレーキペダルに与える踏
力に応じて発生した液圧が、マスターシリンダ30から
液圧制御バルブ260に供給され、液圧制御バルブ26
0において左右のホイールシリンダ21に配分される。
られる制御信号に応じて、液圧の配分割合が調整可能な
機構となっており、トルクセンサ311によって検出さ
れた操舵方向と操舵トルクの大きさに応じて、この制御
信号を生成し、液圧制御バルブ260に与えることで、
操舵方向と操舵トルクの大きさに応じて、左右のブレー
キ力配分を調整することができる。
た場合にも、ステアリングシステムに故障が発生した場
合には、ブレーキペダル20のペダル操作に応じたブレ
ーキ力を車輪に作用させつつ、操舵方向に応じて車両の
進路を変えるような退避制御を実施することが可能とな
る。
操舵ハンドル10に連動する操舵系と、車輪Wの転舵操
作に連動する転舵系とが、機械的に連結されたタイプの
ステアリングシステムを例に説明したが、図11に概略
的に示すタイプのステアリングシステムにも適用するこ
とが可能である。このステアリングシステムは、操舵ハ
ンドル500に連動する操舵軸510と、車輪Wの転舵
動作に連動する転舵軸520とが機械的に分離された構
造となっており、制御装置540によって、操舵ハンド
ル500の操作状態に応じて転舵アクチュエータ530
の動作制御がなされ、操舵ハンドル500の操作に応じ
て車輪Wが転舵動作するように電気的に制御を行う、い
わゆるステアバイワイヤシステムを構成している。
では、例えば転舵アクチュエータ530の故障などによ
って車輪Wの転舵動作が拘束されてしまった場合にも、
操舵ハンドル500の回転操作が可能な状況も起こり得
る。このような場合には、操舵ハンドル500の操作状
態を操舵角センサによって検出することで、運転者の操
舵意志を検知することができる。従って、第2実施形態
で説明した操舵トルクTに変えて、操舵角に基づいて同
様の制御処理を実行することでも、同様の退避制御を実
施することができる。
退避制御装置によれば、ステアリングシステムに故障が
発生した場合に、制動制御機構の動作制御を行って、所
定の退避領域に車両を停止させる退避制御手段を備える
構成を採用した。これにより、車両の操舵コントロール
に支障を来すような故障がステアリングシステムに発生
した場合であっても、車両の進行方向をある程度制御す
ることが可能となり、より好適な位置に車両を停止させ
ることが可能となる。
成図である。
代表的に示す液圧回路図である。
図である。
ーチャートである。
例を示す説明図、(b)は退避制御処理により、車両A
が2点鎖線上を走行して退避領域X内に停止した状況を
示す説明図である。
た場合における、車両A及び後続車両Bの推移を順に経
時的に示す説明図である。
S3の選定例を示す説明図である。
ーチャートである。
規定したグラフである。
図である。
成図である。
ダ、30…マスターシリンダ、100…退避制御装置、
200…ブレーキアクチュエータ(制動制御機構)、2
60…液圧制御バルブ(制動制御機構)、313…ナビ
ゲーションシステム(周辺情報取得手段)、314…C
CDカメラ(周辺情報取得手段)、510…操舵軸、5
20…転舵軸、530…転舵アクチュエータ、S1,S
2,S3…退避領域候補、X…退避領域。
Claims (3)
- 【請求項1】 車両を所定の退避領域に停止させる車両
の自動退避装置であって、 所定の車輪に付与するブレーキ力の大きさを制御可能な
制動制御機構と、 ハンドル操作に連動して車輪を転舵させるステアリング
システムに故障が発生した場合に、前記制動制御機構の
動作制御を行い、所定の前記退避領域に車両を停止させ
る退避制御手段とを備える車両の自動退避装置。 - 【請求項2】 前記退避制御手段は、 前記制動制御機構の動作制御によって車両を停止させ得
る停止領域を、車両の走行状態をもとに演算する停止領
域演算手段と、 車両の進路周辺の状況を得る周辺情報取得手段と、 前記停止領域演算手段の演算結果と前記周辺情報取得手
段によって得られた周辺情報とをもとに、前記停止領域
内で車両を停止させる領域として、前記退避領域を選定
する選定手段と、 前記選定手段によって選定された前記退避領域と走行中
の車両との位置関係をもとに、前記制動制御機構の動作
制御を行う制御手段と、を備える請求項1記載の車両の
自動退避装置。 - 【請求項3】 前記退避制御手段は、運転者のハンドル
操作状態に応じて、前記制動制御機構の動作制動を行う
請求項1記載の車両の自動退避装置。
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