JP2018193038A - 自動走行制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の退避行動が実行されたような場合でも、安全且つ速やかに停止可能な退避目的地を決定し、当該退避目的地に車両を誘導して退避させることが可能な自動走行制御装置を提供する。【解決手段】道路構造マップに基づいて車両の自動走行を制御する自動走行制御装置(102)であって、前記道路構造マップは、対面交通道路の中央分離帯上に設けられたワイヤロープ式防護柵(201)の設置区間の情報を少なくとも備え、前記自動走行制御装置は、前記車両の自動走行を制御できない場合には、前記ワイヤロープ式防護柵の設置区間の情報に基づいて該車両の退避場所を決定し、車両を前記退避場所に誘導する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両の制御装置に関するものであり、特に、車両を安全な場所に退避させる自動走行制御装置に関する。
近年、車両の出力、操舵、制動を自動で制御する自動運転制御装置の開発が進められている。このような自動運転制御装置は、自車両の位置や走行環境を検知する複数のセンサから出力される検知情報と、該自動走行制御装置内の記憶装置に収納される高精度地図情報とに基づいて、車両の自動走行を制御する。
このような自動走行制御装置を備えた車両では、加速、操舵、制動の全てが自動制御される場合もあるが、運転者がその一部あるいは全てを操作する場合も存在する。また、一時的な道路状況の変化等により、自動走行制御装置による走行の継続が不可能となった場合には、直ちに運転者へ操作を委ねる必要があるが、運転者の都合により直ちに操作が移譲できない場合も考えられる。また、車両や運転者に問題が生じて車両の走行が困難となったような場合に備えて、車両を路肩などの安全な場所に退避させて当該車両を停止させるシステムが設けられる場合がある。
例えば、特許文献1には、運転者の運転操作に支障が生じたような場合に、車両の退避目的地を決定し、該車両を安全な場所に退避させる退避走行支援システムが開示されている。特許文献1の該退避走行支援システムは、乗員の乗降スペースや他車両の通行スペースが確保できるように、対向車線や中央分離帯などの存在も判断して停止車線を決定される。
このような退避走行支援システムにおいて、例えば、退避目的地として中央分離帯付近の車線が選択されるような場合、該中央分離帯が比較的広いスペースを有していれば、乗員の退避スペースとして利用可能な場合がある。しかし、中央分離帯が狭スペースの場合、例えばワイヤロープ式防護柵などの構造物が設置された中央分離帯の場合には、十分な退避スペースを確保できないような場合がある。
ワイヤロープ式防護柵は、例えば対面交通道路の自車線と対向車線とを隔てるセンターライン上などに、所定のピッチで設けられた複数の支柱と、各支柱を介して該センターラインの延在方向に設けられた複数のワイヤロープとから構成されている。また、ワイヤロープ式防護柵は、従来の中央分離帯などに比べて省スペースで設置することができ、更に、衝撃に強いことから、従来のラバーポールなどからなる車線分離標では防止できなかった車両の飛び出しによる正面衝突事故を未然に防止することができ、仮に一部が破損したような場合でも容易に復旧できるという利点を備えている。
一方、ワイヤロープ式防護柵が設置された中央分離帯が設けられる道路は、道路建設途上で暫定的に片側一車線の対面通行とした道路に設けられることが多く、ガードレールなどが設けられた中央分離帯を有する多車線の道路などと比べると狭スペースであるような場合が多いことから、退避目的地としては適当でない場合がある。しかし、特許文献1のような従来の退避走行支援システムでは、中央分離帯上の構造物を考慮して退避目的地が決定されていなかったため、例えば車両の退避行動が実行された場合に、該車両が不適当な場所に誘導されて、他車両の通行を妨害するような事態が懸念されている。
特開2016−203691号公報
このような背景から、自動走行制御装置において、車両の退避行動が実行されたような場合でも、中央分離帯上の構造物を考慮して安全且つ速やかに停止可能な退避目的地を決定し、当該退避目的地に車両を誘導して退避させることが可能な自動走行制御装置が望まれている。
本発明の一の態様は、道路構造マップに基づいて車両の自動走行を制御する自動走行制御装置である。前記道路構造マップは、対面交通道路の中央分離帯上に設けられたワイヤロープ式防護柵の設置区間の情報を少なくとも備え、前記自動走行制御装置は、前記車両の自動走行を制御できない場合には、前記ワイヤロープ式防護柵の設置区間の情報に基づいて該車両の退避場所を決定し、車両を前記退避場所に誘導する。
本発明の他の態様によると、前記ワイヤロープ式防護柵の設置区間の情報に基づいて決定される前記退避場所は、自車線側の路肩である。
本発明の他の態様によると、前記ワイヤロープ式防護柵の設置区間の情報に基づいて決定される前記退避場所は、車線上である。
本発明の実施形態に係る自動走行制御装置を備えた車両の構成を示すブロック図である。 対面交通道路の中央分離帯上に設けられたワイヤロープ式防護柵の構成図である。 本発明の実施形態に係る自動走行制御装置が実行する退避処理手順を示すフロー図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、本実施形態では、本発明に従う自動走行制御装置の一例として、車両に搭載される自動走行制御装置を示す。
まず、本実施形態に係る車両の自動走行を制御する自動走行制御装置の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る自動走行制御装置102を備えた車両10の構成を示すブロック図である。
車両10は、自動走行制御装置102と、該自動走行制御装置102に検知信号を出力する撮像装置120、衛星測位装置122、通信装置124、測距装置126、及びレーダ128などからなる検知機器と、該自動走行制御装置102から出力される信号に基づいて作動する操舵装置130、駆動装置132及び制動装置134等からなる走行操作機器とを備えている。
撮像装置120は、例えば、レンズ等の光学素子及びCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の固体撮像素子などから構成されるカメラであって、例えばルームミラーの裏側やフロントガラスの上端近傍などを含む車室内外の複数の箇所に取り付けられて、常時、車両10の周囲の他の車両、障害物、標識、路面などを撮像する。また、撮像装置120は、車内の複数の箇所にも配置されて、例えば当該運転者の顔の表情や手の状態が撮影できるように当該撮像装置が向けられて、車両10の運転者の状況を監視する。
衛星測位装置122は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機などにより構成され、自車両10の現在位置を検出する。検出された当該車両の現在位置は自動走行制御装置102へと出力され、設定された走行経路へ自車両10を導くために用いる。また、例えば車室内に搭載されたカーナビゲーションシステムの表示画面の地図上に表示されると共に、目的地までの経路の決定や当該現在位置における道路構造の情報を記憶装置106から読み出す際に利用される。
通信装置124は、無線通信を行い、インターネットを介して外部サーバ142に接続して、必要に応じて外部サーバ142から最新の道路構造マップを受信して道路構造マップを最新の状態に更新したり、最新の交通情報等を受信する。また、通信装置124は、無線LAN(Local Area Network)用の通信機能を備え、周辺の公衆無線LANのアクセスポイントなどを介してインターネットなどにアクセスし、例えば駐車場やショッピングセンタなどの車両近隣の施設情報などを入手しても良い。
測距装置126は、例えば車両10の前方の障害物や車両などの対象物に対してパルス状のレーザ光を照射し、該レーザ光の散乱光が戻るまでの時間を計測することにより該対象物までの距離を計測するLIDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)などで構成される。測距装置126は、例えば車体の前面や側面などの複数箇所に取り付けられている。
レーダ128は、例えば、ミリ波の周波数を周波数変調連続波(FMCW:Frequency Modula ted Continuous Wave)方式を用いて時間的に変化させて送受信することにより、先行車との距離を測定する。レーダ128は、例えば車体の前面などに取り付けられている。
操舵装置130は、車両10の進行方向を制御し、例えばステアリング軸の一端に設けられたピニオンとステアリングギヤボックスに設けられたラックとにより構成されるラックアンドピニオン式のステアリングギヤ機構を備えると共に、該ピニオンに連接されたモータを備えている。該モータは、自動走行制御装置102により設定された操舵角となるように駆動されて、車両10の操舵が制御されることとなる。例えば、車両10を退避目的地まで退避させるような場合には、自動走行制御装置102から出力される操舵信号に基づいて進行方向を決定された退避経路に沿うように制御し、当該車両10を退避目的地まで誘導する。
駆動装置132は、例えば、エンジンまたはモータの何れかまたは両方で構成されると共に、該エンジン及び/またはモータを制御するためのECU(Electronic Control Unit)を備えている。該ECUは、自動走行制御装置102が出力する設定値に基づいて該エンジン及び/またはモータを制御することにより、車両10の駆動が制御される。例えば、車両10を退避目的地まで退避させるような場合には、自動走行制御装置102から出力される駆動信号に基づいて駆動量が調整され、当該車両10を退避目的地まで迅速に誘導する。
制動装置134は、車両10の各車輪の制動力を調節する、例えばブレーキアクチュエータなどから構成されており、自動走行制御装置102が出力する設定値に基づいて、各車輪のブレーキアクチュエータが作動し、車両10の制動が制御される。例えば、車両10を退避目的地まで退避させるような場合には、自動走行制御装置102から出力される制動信号に基づいて制動量が調整され、当該車両10を退避目的地まで安全な走行速度で誘導し、退避目的地にて静止すべく制動を制御する。
次に、本実施形態の自動走行制御装置102について説明する。自動走行制御装置102は、信号処理装置であるCPU(Central Processing Unit)104と、プログラムが書き込まれたROM(Read Only Memory)、高精度地図情報、経路情報などのデータの一時記憶のためのRAM(Random Access Memory)等からなる記憶装置106等を有するコンピュータで構成されており、撮像装置120、衛星測位装置122、通信装置124、測距装置126、及びレーダ128などの検知機器から出力される検知信号に基づいて、操舵装置130、駆動装置132及び制動装置134等からなる走行操作機器への出力信号を決定する。
本実施形態の自動走行制御装置102が実行する以下の処理(例えば、図3に示す処理フロー)は、コンピュータである自動走行制御装置102がプログラムを実行することにより制御される。また、自動走行制御装置102が実行する当該コンピュータ・プログラムは、記憶装置106の上記ROMやコンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体などに記憶させておくことができる。
また、CPU104は、車両10のユーザが選択した制御モード(例えば、自動運転モードまたは手動運転モード)に応じて、車両10を制御する。例えば、自動運転モードが選択された場合には、自動走行制御装置102のCPU104は、走行時に各検出装置から出力される検知信号及び記憶装置106に記憶されている道路構造マップに基づいて、例えば所定区間の該車両10の将来状態を予測して該車両10の走行軌道を最適化する。また、当該最適化された走行軌道が該所定区間で実行できるように複数の操作処理(例えば、車両の減速/加速、車線の変更/維持)で構成される行動計画を生成し、該行動計画に応じた操作処理を順次実行することにより、車両10を自動走行させる。なお、車両10のユーザは、加速、操舵、制動の操作のうち、任意の操作を手動で運転する手動運転モードを選択することもできる。
記憶装置106としては、例えば、NAND型フラッシュメモリなどの半導体メモリからなるソリッドステートドライブ(SSD:solid state drive)や、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)などの任意の記憶手段を使用することができる。また、用途に応じて複数の記憶手段を併用(例えば、フラッシュメモリとHDDとを併用)することもでき、記憶装置106を構成する筐体内部に複数の該記憶手段を配置して、必要に応じて各記憶手段を使い分けることができる。
記憶装置106には、CPU104が実行するプログラムや経路情報などの一時記憶用データのほか、車両の自動運転において使用される道路構造マップが保存されている。該道路構造マップには、道路を構成する各部の位置、サイズ、形状に関するデータが含まれており、例えば道路の縁石、道路に設けられた物標(例えば、標識、信号、電柱、ポールなど)などの道路を構成する道路各部の位置や形状が数cm程度の誤差で表された数値データと共に、該道路の路面上にペイントされた描画パターン(車線、停止線、横断歩道など)の情報(形状、車線種類、車線の幅員情報)に関するデータも含まれている。該道路構造マップは、撮像装置120などにより収集された車両10周囲の情報と逐次比較して、車両10の位置を把握したり、CPU104において上述した行動計画などを生成したりする際に参照される。また、当該該道路構造マップは通信装置124を介して必要に応じて更新されて、当該更新情報も該記憶装置106に保存される。
ここで、記憶装置106に保存される本実施形態における道路構造マップは、特に、対面交通道路の中央分離帯上に設けられたワイヤロープ式防護柵に関する情報を備えている。ワイヤロープ式防護柵は、例えば図2に示すワイヤロープ式防護柵201のような構成を有しており、自車線202と対向車線206とを分離する中央分離帯205上に設けられている。
ワイヤロープ式防護柵201は、例えば、中央分離帯205に埋設されたスリーブに挿入される円柱形状の支柱214、216、218と、各支柱に設けられた支柱スリット220、222、224を貫通する複数本のワイヤロープ210とで構成されている。該ワイヤロープ210を構成する5本のワイヤロープの各々の両端は、端末金具230によって、中央分離帯表面のワイヤロープ固定領域232上に固定される。なお、ワイヤロープ固定領域232は、当該ワイヤロープ式防護柵を構成する支柱のうち端部に位置する端末支柱(図2では支柱214)の中心と前記端末金具230の図示右端の金具端部との間の領域(図示矢印間の領域)である。
ここで、本実施形態における道路構造マップが備えるワイヤロープ式防護柵に関する情報としては、例えば、ワイヤロープ式防護柵201が設けられた設置区間(例えば、一端のワイヤロープ固定領域また端末支柱から他端のワイヤロープ固定領域また端末支柱までの区間)であるが、ワイヤロープ固定領域232の位置と長さ(例えば、図2のワイヤロープ固定領域232を示す図示点線間の距離)、支柱214、216、218の高さ(例えば、80cm)と各支柱のピッチ(例えば、3m)、ワイヤロープの本数(例えば、5本)などの情報が含まれても良い。また、各種情報に変更が有った際には、道路構造マップを更新する。
ここで、本実施形態の自動走行制御装置102のCPU104は、自動運転から手動運転への移行に支障を来たした場合や、撮像装置120で撮影される運転者の画像などから該運転者の異常を検出した場合、または、車両10を構成する各機器のセンサ(例えば測距装置126の測定結果や、レーダ128の測定結果など)から出力される数値に問題を検出した場合において、車両10の走行の継続が困難であると判断した場合に、前記道路構造マップの情報及び撮像装置120などの各検知機器からの検知信号に基づいて車両10の現在の走行位置の近傍に退避目的地を設定し、当該退避目的地に車両10の退避を実行する退避機能を備えている。
次に、本実施形態の自動走行制御装置102が実行する退避走行の処理手順について、図3のフロー図に従って説明する。なお、本処理は、例えば、CPU104によって、車両10の走行の継続が困難であると判断されたことにより開始された、CPU104が決定した退避目的地に車両10が停止されたと同時に終了する。同時に当該車両に異常が発生したこと、あるいは、救助を要請する信号を車両10の現在位置と共に発信しても良い。
本処理では、まず、衛星測位装置122、撮像装置120などの検出装置及び記憶装置106に保存された道路構造マップの情報に基づいて、車両10の現在位置と、該車両10の周辺環境に関する情報が取得される(S302)。
次に、S304において、当該車両10が、図2のようなワイヤロープ式防護柵201が設けられる対面交通道路を走行中であるか否かが判定される。ここで、ワイヤロープ式防護柵の区間外を走行していると判定された場合(S304:No)、自動走行制御装置102のCPU104は、走行中の道路の車線数、対向車線の構成、及び、各車線の道路幅、当該道路に隣接する路肩の広さなどから、乗員の安全及び他車用の通行の障害の程度を考慮しつつ最近隣の退避目的地を選択(S306)して、当該退避目的地に車両10を退避させる(S318)。
一方、ワイヤロープ式防護柵の区間を走行していると判定された場合(S304:Yes)、車両10が走行する道路に隣接する路肩が、乗員の安全が確保され得る退避スペースであるか否かが判断される。当該路肩が、例えば所定の面積以上の広さを備え、退避スペースとして利用可能であると判断された場合(S308:Yes)、当該路肩が退避目的地として設定(S310)し、当該路肩に車両10を誘導して停止させることで、車両10の退避が完了する(S318)。
また、車両10が走行する道路に隣接する路肩が、例えば退避スペースとして利用できないと判断された場合(S308:NO)は、S312において、車両10が走行している当該道路の車線上に停止可能か否かが判定される。走行している該道路の幅、車線数及び車線幅などから、車両10が当該道路の車線上に停止した場合でも、乗員の安全及び他車用の通行に問題がないと判断される場合は、車両10の退避スペースとして利用可能であると判断(S312:Yes)し、当該車線を退避目的地として設定(S314)し、当該車線上に車両10が誘導されて停止することで、車両10の退避が完了する(S318)。この場合、車線を退避目的地として設定した時点で、道路管理者に退避目的地と、車線上に停止する旨通報して、周辺の車両に注意を促すこととしても良い。
一方、車両10が走行する道路が、例えば片側1車線で且つ車線幅も十分な幅を有していないような場合には、当該車線が退避スペースとして利用できないと判断される(S312:No)。この場合、自動走行制御装置102は、ワイヤロープ式防護柵の終了地点、すなわち、ワイヤロープ式防護柵のワイヤロープ固定領域232を通り過ぎて、中央分離帯205上に当該ワイヤロープ式防護柵に係る構造物が存在しなくなった領域を、緊急の退避目的地として設定する。このような領域を退避目的地として設定し、中央分離帯205の一部に、例えば車両10の一部がはみ出るように停車するように退避を実行することにより、他車両の通行の妨げになることを防止し、当該中央分離帯205の一部を乗員の緊急退避領域として利用し、乗員の安全を確保する。
このような構成により、車両または運転者に異常が認められ、車両の走行が継続できないような場合でも、ワイヤロープ式防護柵からなる構造物が設置された区間を避けるように、車両10を退避されることができるため、該車両が不適当な場所に誘導されて、該車両が他車両の通行を妨害する事態を未然に防止する。
なお、上記の実施形態では、車線が退避スペースとして利用できないと判断(S312:No)された場合において、ワイヤロープ式防護柵の終了地点を退避目的地として設定(S316)し、当該ワイヤロープ式防護柵の終了地点に車両10を退避(S318)する構成としたが、このような場合に限らず、例えば、ワイヤロープ式防護柵の終了地点の対向車線側に所定の広さ以上の有効な退避スペースが存在しているような場合には、退避目的地として対向車線側の当該退避スペースを設定することで、ワイヤロープ式防護柵の終了地点を車両10の通過地点として利用し、対向車線側の当該退避スペースに車両10を退避させることもできる。
また、図3に示す処理フローでは、走行環境を衛星測位装置122、撮像装置120などの検知装置及び記憶装置106に保存された道路構造マップの情報に基づいて、ワイヤロープ式防護柵の存在を確認(S302〜S304)したが、例えば走行中の道路の前方において、目視ではワイヤロープ式防護柵は確認できず、且つ、撮像装置120やレーダ128などの検知装置からの検知情報からもワイヤロープ式防護柵らしき構造物の存在が検出されないものの、道路構造マップによる情報では直近にワイヤロープ式防護柵区域の存在が確認でき、その区域の開始点が目前であることが表示されているような場合、すなわち、走行位置付近における道路構造マップの情報と、撮像装置120などの検知装置から出力される情報との間に齟齬があるような場合には、当該道路構造マップの情報を優先して、S304において、ワイヤロープ式防護柵区間を走行しているものと判断(S304:Yes)して、図3に示す処理フローを実行することができる。
また、上記の実施形態において、自動走行制御装置102に備えられたCPU104が、図3に示す退避処理フローを実行するものとしたが、このような例に限らず、本実施形態の退避処理フローは、例えば自動走行制御装置102を構成するCPU104とは別の専用CPUに制御させたり、または、自動走行制御装置102とは別体で構成される退避処理専用の装置のCPUに図3の処理フローを実行させたりする構成としてもよい。このように、退避処理を専用のCPUに実行させることにより、計算処理の実行速度が向上し、退避目的地や退避経路を迅速に決定することができる。
以上、説明したように、本発明の自動走行制御装置102は、道道路構造マップに基づいて車両の自動走行を制御する自動走行制御装置であって、該道路構造マップは、対面交通道路の中央分離帯上に設けられたワイヤロープ式防護柵の設置区間の情報を少なくとも備え、前記自動走行制御装置は、前記車両の自動走行を制御できない場合には、前記ワイヤロープ式防護柵の設置区間の情報に基づいて該車両の退避場所を決定し、車両を前記退避場所に誘導する。これにより、車両または運転者に異常が認められ、車両の走行が継続できないような場合においても、ワイヤロープ式防護柵からなる構造物が設置された区間を避けるように、車両10の退避を実行することができるため、該車両が不適当な場所に誘導されて、該車両が他車両の通行を妨害することを確実に防止することができ、車両運行の安全性を更に高めることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において改変して用いることができる。
10・・・車両、102・・・自動走行制御装置、104・・・CPU、106・・・記憶装置、120・・・撮像装置、122・・・衛星測位装置、124・・・通信装置、126・・・測距装置、128・・・レーダ、130・・・操舵装置、132・・・駆動装置、134・・・制動装置、202・・・自車線、205・・・中央分離帯、206・・・対向車線、210・・・ワイヤロープ、214、216、218・・・支柱、220、222、224・・・支柱スリット、230・・・端末金具、232・・・ワイヤロープ固定領域。

Claims (3)

  1. 道路構造マップに基づいて車両の自動走行を制御する自動走行制御装置であって、
    前記道路構造マップは、
    対面交通道路の中央分離帯上に設けられたワイヤロープ式防護柵の設置区間の情報を少なくとも備え、
    前記自動走行制御装置は、前記車両の自動走行を制御できない場合には、前記ワイヤロープ式防護柵の設置区間の情報に基づいて該車両の退避場所を決定し、車両を前記退避場所に誘導する、
    自動走行制御装置。
  2. 前記ワイヤロープ式防護柵の設置区間の情報に基づいて決定される前記退避場所は、
    自車線側の路肩である、
    請求項1に記載の自動走行制御装置。
  3. 前記ワイヤロープ式防護柵の設置区間の情報に基づいて決定される前記退避場所は、
    車線上である、
    請求項1に記載の自動走行制御装置。
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