JP5737197B2 - 車両の走行軌跡制御装置 - Google Patents

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本発明は、車両の走行軌跡制御装置に係り、更に詳細には操舵輪の舵角が目標舵角になるよう制御することにより車両を目標軌跡(目標走行ライン)に沿って走行させる車両の走行軌跡制御装置に係る。
ステアリングホイールの如き操舵入力手段の操舵操作位置に対する操舵輪の舵角の関係を変更可能な舵角可変装置を備えた車両に於いて、操舵輪の舵角が目標舵角になるよう制御することにより車両の走行を制御する走行制御装置は既に知られている。走行制御装置の一つとして、車両を目標走行ラインに沿って走行させるための操舵輪の目標舵角を演算し、操舵輪の舵角を目標舵角に制御することにより車両を目標走行ラインに沿って走行させる走行軌跡制御装置が種々提案されている。
例えば下記の特許文献1には、走行軌跡制御(自動運転)の実行中に操舵輪の舵角を目標舵角に制御するための手段に異常が発生すると、走行軌跡制御を中止するよう構成された走行軌跡制御装置が記載されている。
特開平10−076965号公報
〔発明が解決しようとする課題〕
特許文献1に記載された走行軌跡制御装置によれば、走行軌跡制御の実行中に操舵輪の舵角を目標舵角に制御するための手段に異常が発生すると、走行軌跡制御を中止することにより操舵輪の舵角が不適切に制御されることを防止することができる。しかし走行軌跡制御が突然に中止されると、それまで車両の操縦運転を走行軌跡制御に委ねていた車両の乗員が戸惑う場合がある。
本発明は、走行軌跡制御の実行中に操舵輪の舵角を目標舵角に制御するための手段に異常が発生すると、走行軌跡制御を中止するよう構成された従来の走行軌跡制御装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものである。そして本発明の主要な課題は、走行軌跡制御を実行する手段に異常が生じても、暫定的な走行軌跡制御を実行することができる場合があることに着目し、暫定的な走行軌跡制御の実行によって走行軌跡制御が突然に中止されることに起因して車両の乗員が戸惑う虞れを低減することである。
〔課題を解決するための手段及び発明の効果〕
上述の主要な課題は、本発明によれば、車両前方の情報を取得する情報取得手段と、車両前方の情報に基づいて算出される目標軌跡に沿って走行するよう操舵輪の舵角を制御する走行軌跡制御を行う制御手段とを有する車両の走行軌跡制御装置に於いて、前記制御手段は、前記情報取得手段より車両前方の情報を正常に得ることができなくなったときには、その直前に取得された車両前方の情報に基づいて算出される暫定の目標軌跡に沿って車両が走行するよう操舵輪の舵角を制御する暫定の走行軌跡制御を行い、前記制御手段は、前記暫定の走行軌跡制御を行っている状況に於いて前記情報取得手段より車両前方の情報を正常に得ることができるようになったときには、前記暫定の走行軌跡制御より前記走行軌跡制御へ復帰することを特徴とする車両の走行軌跡制御装置によって達成される。
上記の構成によれば、情報取得手段より車両前方の情報を正常に得ることができなくなったときには、その直前に取得された車両前方の情報に基づいて算出される暫定の目標軌跡に沿って車両が走行するよう操舵輪の舵角を制御する暫定の走行軌跡制御が行われる。従って情報取得手段より車両前方の情報を正常に得ることができなくなったときには、走行軌跡制御が中止され暫定の走行軌跡制御が行われない場合に比して、走行軌跡制御に委ねていた車両の乗員が戸惑う虞れを確実に低減することができる。
また上記の構成によれば、暫定の走行軌跡制御が行われている状況に於いて情報取得手段より車両前方の情報を正常に得ることができるようになったときには、暫定の走行軌跡制御より走行軌跡制御へ戻される。従って情報取得手段より車両前方の情報を正常に得ることができない状況が一時的な状況である場合に、その状況が解消した段階で暫定の走行軌跡制御より走行軌跡制御へ復帰させることができる。
また本発明によれば、上記の構成に於いて、前記制御手段は、前記情報取得手段より車両前方の情報を正常に得ることができるときには、車両前方の情報に基づいて走行車線を特定し、車両が走行車線に基づいて目標軌跡を算出し、車両が前記目標軌跡に沿って走行するよう操舵輪の舵角を制御し、前記情報取得手段より車両前方の情報を正常に得ることができなくなったときには、その直前に車両前方の情報に基づいて特定された走行車線を暫定の走行車線として、車両の状態量及び暫定の走行車線に基づいて暫定の走行車線に対する車両の位置関係を推定し、車両が前記暫定の走行車線に基づく暫定の目標軌跡に沿って走行するよう操舵輪の舵角を制御するよう構成される。
上記の構成によれば、情報取得手段より車両前方の情報を正常に得ることができなくなったときには、その直前に車両前方の情報に基づいて特定された走行車線を暫定の走行車線として、暫定の走行軌跡制御が行われる。従って情報取得手段より車両前方の情報を正常に得ることができなくなったときにも、暫定の走行車線に基づいて暫定の走行軌跡制御を行うことができる。
また本発明によれば、上記の構成に於いて、前記制御手段は、前記情報取得手段より車両前方の情報を正常に得ることができるときには、車両の状態量及び走行車線に基づいて走行車線に対する車両の実際の位置関係を推定し、走行車線に基づいて走行車線に対する車両の目標の位置関係を決定し、実際の位置関係が目標の位置関係になるよう操舵輪の舵角を制御することにより車両を目標軌跡に沿って走行させ、前記情報取得手段より車両前方の情報を正常に得ることができなくなったときには、車両の状態量及び暫定の走行車線に基づいて暫定の走行車線に対する車両の位置関係を推定し、暫定の走行車線に基づいて暫定の走行車線に対する車両の暫定の目標の位置関係を決定し、車両の位置関係が暫定の目標の位置関係になるよう操舵輪の舵角を制御することにより車両を暫定の目標軌跡に沿って走行させるよう構成される。
上記の構成によれば、情報取得手段より車両前方の情報を正常に得ることができなくなったときには、車両の状態量及び暫定の走行車線に基づいて暫定の走行車線に対する車両の位置関係が推定される。そして暫定の走行車線に基づいて暫定の走行車線に対する車両の暫定の目標の位置関係が決定され、車両の位置関係が暫定の目標の位置関係になるよう操舵輪の舵角を制御することにより車両が暫定の目標軌跡に沿って走行せしめられる。従って情報取得手段より車両前方の情報を正常に得ることができなくなっても、車両が暫定の目標軌跡に沿って走行するよう、暫定の走行軌跡制御を行うことができる。
また本発明によれば、上記の構成に於いて、前記制御手段は、前記走行軌跡制御より前記暫定の走行軌跡制御への移行を直ちに行うが、前記暫定の走行軌跡制御より前記走行軌跡制御への復帰を徐々に行うよう構成される。
上記の構成によれば、走行軌跡制御より暫定の走行軌跡制御への移行は直ちに行われるので、走行軌跡の制御が中断する虞れを確実に低減することができる。また暫定の走行軌跡制御より走行軌跡制御への復帰は徐々に行われるので、復帰に起因して乗員が異和感を覚えたり車両の挙動が急変する虞れを確実に低減することができる。
また本発明によれば、上記の構成に於いて、前記制御手段は、車両が前記暫定の走行車線の範囲を過ぎる段階に於いても前記情報取得手段より車両前方の情報を正常に得ることができないときには、前記暫定の走行軌跡制御を終了するよう構成される。
上記の構成によれば、暫定の走行軌跡制御により車両を走行車線に沿って走行させることが困難になるほど長く暫定の走行軌跡制御が継続して実行されることを確実に防止することができる。
また本発明によれば、上記の構成に於いて、前記走行軌跡制御装置は前記走行軌跡制御を行う制御モードと前記走行軌跡制御を行わない非制御モードとを選択するための選択手段を有し、前記情報取得段は前記選択手段が前記非制御モードにあっても車両前方の情報を取得し、前記制御手段は、前記情報取得手段が車両前方の情報を正常に取得することができなくなったときには、その直前に取得された車両前方の情報に基づいて暫定の走行車線を特定し、前記暫定の走行軌跡制御を行うよう構成される。
上記の構成によれば、選択手段が非制御モードにあり、運転者の主権の下に車両の操縦運転が行われている状況に於いて、運転者の車両前方の視認性も低下する事態が生じた場合には暫定の走行軌跡制御を行わせることができる。よって運転者の車両前方の視認性も低下した状況に於いても車両を走行車線に沿って走行させることを確実に補助することができる。
また本発明によれば、上記の構成に於いて、前記走行軌跡制御装置は前記非制御モードにあっても前記暫定の走行軌跡制御を行うことを許可するか否かを設定するための可否設定手段を有し、前記可否設定手段が許可に設定されているときに前記暫定の走行軌跡制御を行うよう構成される。
上記の構成によれば、可否設定手段が許可に設定されているときに暫定の走行軌跡制御を行わせ、可否設定手段が許可に設定されていないときには暫定の走行軌跡制御が行われることを防止することができる。従って車両の乗員が暫定の走行軌跡制御を行わせたくない場合に、暫定の走行軌跡制御が行われることを確実に防止することができる。
また本発明によれば、上記の構成に於いて、前記制御手段は、前記暫定の走行軌跡制御を行っている状況に於いて、運転者に走行軌跡を変更する意思があると判定されたときには、前記暫定の走行軌跡制御を終了するよう構成される。
上記の構成によれば、運転者が走行軌跡を変更しようとしているにも拘わらず暫定の走行軌跡制御が継続され、運転者の走行軌跡変更の要求が満たされなくなることを確実に防止することができる。
本発明による車両の走行軌跡制御装置の第一の実施形態を示す概略構成図である。 第一の実施形態に於ける走行制御ルーチンを示すフローチャートである。 図2のステップ100に於いて実行されるLKA制御の目標操舵角θlkt演算ルーチンを示すフローチャートである。 図2のステップ400に於いて実行される暫定のLKA制御の目標操舵角θlkpt演算ルーチンを示すフローチャートである。 運転者に軌跡変更の意思がある場合の制御ルーチン示すフローチャートである。 車速Vに基づいて補正係数Kvを演算するためのマップを示す図である。 車両の目標横加速度Gyts及び車速Vに基づいてLKA制御のための目標操舵角θlkt、暫定のLKA制御の目標操舵角θlkpt又はθlkpptを演算するためのマップを示す図である。 本発明による車両の走行軌跡制御装置の第二の実施形態を示す概略構成図である。 第二の実施形態に於ける走行制御ルーチンの要部を示すフローチャートである。 図9のステップ700に於いて実行される暫定のLKA制御の目標操舵角θlkppt演算ルーチンを示すフローチャートである。 暫定のLKA制御に於けるX−Y座標及び座標上の車両の位置を示す説明図である。 暫定のLKA制御に於ける暫定の走行車線の半径Rsp等の演算の要領を示す説明図である。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明する。
[第一の実施形態]
図1は本発明による車両の走行軌跡制御装置の第一の実施形態を示す概略構成図である。
図1に於いて、走行軌跡制御装置10は車両12に搭載され、前輪用操舵制御装置14を有している。前輪用操舵制御装置14は運転者の操舵操作とは無関係に前輪を操舵可能な操舵制御手段を構成している。また車両12には制動力制御装置16が搭載され、制動力制御装置16は運転者の制動操作とは無関係に各車輪の制動力を個別に制御可能である。
また図1に於いて、18FL及び18FRはそれぞれ車両12の操舵輪である左右の前輪を示し、18RL及び18RRはそれぞれ左右の後輪を示している。操舵輪である左右の前輪18FL及び18FRは運転者によるステアリングホイール20の操作に応答して駆動されるラック・アンド・ピニオン型のパワーステアリング装置22によりラックバー24及びタイロッド26L及び26Rを介して転舵される。
ステアリングホイール20はアッパステアリングシャフト28、舵角可変装置30、ロアステアリングシャフト32、ユニバーサルジョイント34を介してパワーステアリング装置22のピニオンシャフト36に駆動接続されている。図示の第一の実施形態に於いては、舵角可変装置30はハウジング30Aの側にてアッパステアリングシャフト28の下端に連結され、回転子30Bの側にてロアステアリングシャフト32の上端に連結された補助転舵駆動用の電動機38を含んでいる。
かくして舵角可変装置30はアッパステアリングシャフト28に対し相対的にロアステアリングシャフト32を回転駆動することにより、左右の前輪18FL及び18FRをステアリングホイール20に対し相対的に補助転舵駆動する。舵角可変装置30は電子制御装置40の操舵制御部により制御される。
パワーステアリング装置22はラック同軸型の電動式のパワーステアリング装置であり、電動機42と、電動機42の回転トルクをラックバー24の往復動方向の力に変換する例えばボールねじ式の変換機構44とを有する。パワーステアリング装置22は電子制御装置40の操舵アシストトルク制御部によって制御され、ハウジング46に対し相対的にラックバー24を駆動する操舵アシストトルクを発生する。操舵アシストトルクは運転者の操舵負担を軽減し、また必要に応じて舵角可変装置30による左右前輪の転舵駆動を補助する。
かくして舵角可変装置30はパワーステアリング装置22と共働してステアリングホイール20に対する左右前輪の舵角の関係を変更すると共に、運転者の操舵操作とは無関係に前輪を操舵する前輪用操舵制御装置14の主要部を構成している。
尚パワーステアリング装置22及び舵角可変装置30の構造自体は本発明の要旨を構成するものではなく、これらの装置はそれぞれ上述の機能を果たすものである限り、当技術分野に於いて公知の任意の構成のものであってよい。
制動力制御装置16は制動装置50を含み、各車輪の制動力は制動装置50の油圧回路52によりホイールシリンダ54FL、54FR、54RL、54RR内の圧力Pi(i=fl、fr、rl、rr)、即ち制動圧が制御されることによって制御される。図1には示されていないが、油圧回路52はオイルリザーバ、オイルポンプ、種々の弁装置等を含み、各ホイールシリンダの制動圧は通常時には運転者によるブレーキペダル56の踏み込み操作に応じて駆動されるマスタシリンダ58により制御される。また各ホイールシリンダの制動圧は必要に応じて油圧回路52が電子制御装置40の制動力制御部によって制御されることにより個別に制御される。かくして制動装置50は運転者の制動操作とは無関係に各車輪の制動力を個別に制御可能であり、制動力制御装置16の主要な装置として機能する。
アッパステアリングシャフト28には該アッパステアリングシャフトの回転角度を操舵角θとして検出する操舵角センサ62及び操舵トルクTsを検出する操舵トルクセンサ64が設けられており、操舵角θ及び操舵トルクTsを示す信号も電子制御装置40へ入力される。また電子制御装置40には回転角度センサ66により検出された舵角可変装置30の相対回転角度θre、即ちアッパステアリングシャフト28に対するロアステアリングシャフト32の相対回転角度を示す信号が入力される。
図示の実施形態に於いては、車両12の車室の前部には車両12の前方を撮影するCCDカメラ68が設けられており、車両12の前方の画像情報を示す信号がCCDカメラ68より電子制御装置40へ入力される。電子制御装置40には車速センサ70により検出された車速Vを示す信号、横加速度センサ72により検出された車両の横加速度Gyを示す信号、及びヨーレートセンサ74により検出された車両のヨーレートγを示す信号が入力される。
車両12にはレーンキープアシスト制御(LKA制御)とも呼ばれる走行軌跡制御を行わせるか否かを選択するための選択スイッチ76が設けられており、選択スイッチ76の選択位置を示す信号も電子制御装置40に入力される。更に電子制御装置40には図1には示されていない圧力センサにより検出されたマスタシリンダ圧力Pm等を示す信号が入力される。
尚電子制御装置40の上述の各制御部はそれぞれCPUとROMとRAMと入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続されたマイクロコンピュータを含むものであってよい。また操舵角センサ62、操舵トルクセンサ64、回転角度センサ66はそれぞれ車両の左旋回方向への操舵又は転舵の場合を正として操舵角θ、操舵トルクTs、相対回転角度θreを検出する。
電子制御装置40の操舵制御部は選択スイッチ76がオンであるときには、CCDカメラ68により取得された車両12の前方の画像情報に基づいて図2に示されたフローチャートに従って走行軌跡制御を行う。即ち操舵制御部はCCDカメラ68により取得された車両12の前方の画像情報に基づいて走行車線を特定し、車両12を走行車線に沿って走行させるための左右前輪の目標舵角δtを演算する。そして操舵制御部は車両12を走行車線に沿って走行させるための左右前輪の目標舵角δtに対応する目標ピニオン角度φtを演算し、ピニオン36の角度が目標ピニオン角度φtになるよう舵角可変装置30を制御する。
尚電子制御装置40の操舵制御部は、走行車線に対する車両の横偏差、走行車線に対する車両のヨー角、走行車線の半径を推定し、推定されたパラメータに基づいて操舵輪の目標舵角を演算する。
また電子制御装置40の操舵制御部は、CCDカメラ68より車両12の前方の画像情報を示す信号が入力されない状況になったときには、その直前に特定された車線情報に基づいて暫定の走行軌跡制御を行う。
次に図2に示されたフローチャートを参照して第一の実施形態に於ける走行制御ルーチンについて説明する。尚図2に示されたフローチャートによる制御は図には示されていないイグニッションスイッチの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。
まずステップ10に於いては操舵角センサ62により検出された操舵角θを示す信号等の読み込みが行われる。
ステップ20に於いては選択スイッチ76がオンであるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときには制御はステップ40へ進み、否定判別が行われたときには制御はステップ30へ進む。
ステップ30に於いては車速Vに基づいて図6に示されたマップより車速に基づく補正係数Kvが演算され、前輪の目標舵角δtに対応するピニオン36の目標角度である目標ピニオン角度φntが補正係数Kvと操舵角θとの積として演算される。そしてピニオン角度φが目標ピニオン角度φntになるよう舵角可変装置30が制御され、これにより前輪の舵角δが目標ピニオン角度φntに対応する目標舵角δtに制御される。
ステップ40に於いてはLKA制御の実行中であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときには制御はステップ300へ進み、肯定判別が行われたときには制御はステップ50へ進む。
ステップ50に於いてはCCDカメラ68より車両12の前方の画像情報を示す信号が電子制御装置40へ入力されているか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときには制御はステップ100へ進み、否定判別が行われたときには制御はステップ60へ進む。
尚否定判別が行われる要因として、以下のような状況が考えられる。
(a)CCDカメラ68自体は正常であるが、霧、雪、雨等の車両周囲の障害によりCCDカメラ68が車両12の前方を正常に撮像することができない。尚上記以外の車両周囲の障害として、対向車のヘッドライトによる眩惑、トンネルでの出入りに伴う明るさの急変等がある。
(b)CCDカメラ68が異常である。
(c)CCDカメラ68自体は正常であるが、CCDカメラ68と電子制御装置40との間の通信経路に異常がある。
ステップ60に於いては例えばLKA制御中のランプが消灯され暫定のLKA制御中のランプが点灯されることにより、通常のLKA制御から暫定のLKA制御へ移行する旨の表示が表示装置78に表示され、車両の乗員に暫定のLKA制御への移行が報知される。
ステップ100に於いては図3に示されたフローチャートに従って後述の如くLKA制御の目標操舵角θlktが演算される。
ステップ200に於いては車速Vに基づいて図6に示されたマップより車速に基づく補正係数Kvが演算される。そして目標操舵角θlktにて補正された操舵角(θ−θlkt)に基づいて下記の式1に従って前輪の目標舵角δtに対応するピニオン36の目標角度である目標ピニオン角度φlktが演算される。
φlkt=Kv(θ−θlkt) …(1)
またステップ200に於いてはピニオン角度φが最終の目標ピニオン角度φlkt+θlktになるよう舵角可変装置30が制御され、これにより左右前輪の舵角δが目標ピニオン角度φlkt+θlktに対応する目標舵角δtに制御される。尚目標ピニオン角度φlktに目標操舵角θlktが加算されるのは、操舵入力が与えられた場合に舵角可変装置30が過剰に前輪を過剰に転舵し過ぎないようにするためである。このことは後述の他の最終の目標ピニオン角度についても同様であり、目標操舵角の加算が省略されてもよい。
ステップ300に於いては暫定のLKA制御から通常のLKA制御へ復帰するための復帰条件が成立しているか否か判別が行われ、否定判別が行われたときには制御はステップ320へ進み、肯定判別が行われたときには制御はステップ310へ進む。尚この場合CCDカメラ68が正常であり、車両の周囲にも霧、降雨等の障害がなく、CCDカメラ68が車両12の前方を正常に撮像することができるときに復帰条件が成立していると判定されてよい。
ステップ310に於いては例えば暫定のLKA制御中のランプが消灯されLKA制御中のランプが点灯されることにより、暫定のLKA制御から通常のLKA制御へ復帰する旨の表示が表示装置78に表示される。これにより車両の乗員に通常のLKA制御への復帰が報知される。
またステップ310に於いてはそれぞれ図3及び図4に示されたフローチャートに従ってLKA制御の目標操舵角θlkt及び暫定のLKA制御の目標操舵角θlkptが演算される。またそれぞれの目標操舵角にゲインK1及びK2を乗算した値の和として最終の目標操舵角θlkftが演算される。そして補正係数Kvが演算されると共に、目標操舵角θlkftにて補正された操舵角(θ−θlkft)に基づいて下記の式2に従って前輪の目標舵角δtに対応するピニオン36の目標角度である目標ピニオン角度φlkftが演算される。
φlkft=Kv(θ−θlkft) …(2)
更にステップ310に於いてはピニオン角度φが最終の目標ピニオン角度φlkft+θlkftになるよう舵角可変装置30が制御され、これにより左右前輪の舵角δが目標ピニオン角度φlkft+θlkftに対応する目標舵角δtに制御される。この場合ゲインK1及びK2の和が1になるようゲインK2が1より漸次0に低減され、ゲインK1が0より漸次1へ増大されることにより、ゲインK1及びK2が徐変される。
ステップ320に於いては暫定のLKA制御を終了させるための終了条件が成立しているか否か判別が行われ、否定判別が行われたときには制御はステップ340へ進み、肯定判別が行われたときには制御はステップ330へ進む。尚この場合車両が暫定のLKA制御にて走行可能な距離走行し又は車両が暫定のLKA制御にて走行可能な時間が経過しているが、CCDカメラ68より車両12の前方の画像情報を示す信号が電子制御装置40へ入力されていないときに終了条件が成立していると判定されてよい。
ステップ330に於いては暫定のLKA制御が実行されている旨の表示が表示装置78に表示されると共に、暫定のLKA制御にて走行可能な距離若しくは時間が表示装置78に表示される。これにより車両の乗員に暫定のLKA制御の状況が報知される。
ステップ340に於いては暫定のLKA制御が終了する旨の表示が表示装置78に表示され、これにより車両の乗員に暫定のLKA制御の終了が報知される。また暫定のLKA制御の目標操舵角θlkptにゲインK2が乗算されると共に、ゲインK2が1から0へ漸次低下されることにより徐変される。
ステップ400に於いては図4に示されたフローチャートに従って後述の如く暫定のLKA制御の目標操舵角θlkptが演算される。
ステップ500に於いては目標操舵角θlktが暫定のLKA制御の目標操舵角θlkptに置き換わる点を除き上記ステップ200の場合と同一の要領にて舵角可変装置30が制御される。これにより左右前輪の舵角δが下記の式3に従って演算される目標ピニオン角度φlkptに対応する目標舵角δtに制御される。
φlkpt=Kv(θ−θlkpt) …(3)
次に図3に示されたフローチャートを参照して上記ステップ100にて実行されるLKA制御の目標操舵角θlkt演算ルーチンについて説明する。
まずステップ110に於いてはCCDカメラ68により取得された車両12の前方の撮像情報に基づいて走行車線の左右の白線が特定され、左右の白線の半径Rsl、Rsrが演算される。そして半径Rsl及びRsrの平均値として走行車線の半径Rsが演算される。
ステップ120に於いては走行車線の基準位置に対する車両の横位置Ys(走行車線の基準位置と車両の重心との車両横方向の距離)が演算される。尚基準位置は例えば左の白線、又は右の白線、又は左右の白線の中間であってよい。
ステップ130に於いては例えば車線の中央を通る仮想の線に対し車両の前後方向がなす角度が演算されることにより、走行車線に対する車両のヨー角ψsが演算される。
ステップ140に於いてはステップ110に於いて演算された走行車線の半径Rsと符号が同一で半径Rsの大きさが大きいほど大きい微小な値として車両の目標ヨー角ψstが演算される。
ステップ150に於いては予め設定されたゲインKsr、Ksy、Kshを使用して下記の式4に従って車両を車線の中央に沿う目標軌跡に沿って走行させるための車両の目標横加速度Gytsが演算される。尚下記の式4のYstは走行車線の基準位置に対する車両の目標横位置、即ち走行車線の基準位置と目標横位置にある車両の重心との車両横方向の距離である。尚LKA制御の目標軌跡は、車両の乗員に安心感を与えるために必要に応じて対向車より離れるよう修正されたり、カーブ走行時に於ける横加速度の変化を低減すべく所謂アウトインアウトになるよう修正されてもよい。
Gyts=Ksr×Rs+Ksy(Yst−Ys)+Ksh(ψst−ψs) …(4)
ステップ160に於いては車両の目標横加速度Gyts及び車速Vに基づいて図7に示されたマップよりLKA制御のための目標操舵角θlktが演算される。
次に図4に示されたフローチャートを参照して上記ステップ400にて実行される暫定のLKA制御の目標操舵角θlkpt演算ルーチンについて説明する。
まずステップ405に於いてはステップ50の判別が肯定判別より否定判別へ変化した時点を基準の時点(経過時間t=0)として、図11に示されている如く基準の時点に於ける車両12の重心Gの位置を原点とするX−Y直交座標が設定される。この直交座標のY軸は車両12の前後方向の前進側であり、X軸はY軸に垂直な車両右方向である。尚この座標の設定はステップ50の判別が肯定判別より否定判別へ変化した直後に於いてのみ行われる。
またステップ405に於いては車速V及び前輪の舵角δ(操舵角θをオーバオールステアリングギヤ比にて除算した値)に基づいて車両モデルより車体の推定スリップ角βh及び車両の推定ヨーレートγhが演算される。即ち車両の質量及びヨー慣性モーメントをそれぞれM及びIとし、車両の重心102と前輪車軸及び後輪車軸との間の距離をそれぞれLf及びLrとし、車両のホイールベースをL(=Lf+Lr)とする。また車両のスタビリティファクタをAとし、前輪及び後輪のコーナリングパワーをそれぞれKf及びKrとする。
推定スリップ角βh及び車両の推定ヨーレートγhはそれぞれ下記の式5及び6に従って演算され、スタビリティファクタAは下記の式7により表される。
Figure 0005737197
またステップ405に於いてはこれらに基づいて現在の時刻t(基準の時点よりの経過時間t)に於ける座標上の車両12の重心Gの位置(X,Y)及び座標上の車両12の前後方向の傾きω(図11参照)がそれぞれ下記の式8乃至10に従って演算される。
Figure 0005737197
ステップ410に於いてはステップ50の判別が肯定判別より否定判別へ変化する直前に特定された走行車線が暫定の走行車線として設定されると共に、暫定の走行車線の左右の白線に基づいて暫定の走行車線の半径Rspが演算される。例えば図12に示されている如く重心Gの位置(X,Y)より旋回内側の白線100rに下した垂線の足を点Pとし、点P近傍の白線100r上の任意の三つの点の座標に基づいて白線100rの半径Rsprが暫定の走行車線102の半径Rspとして演算される。尚旋回外側の白線100lに下した垂線の足を点Qとし、点Q近傍の白線100l上の任意の三つの点の座標に基づいて白線100lの半径Rsplが暫定の走行車線の半径Rspとして演算されてもよい。また半径Rspl及びRsprの平均値が暫定の走行車線の半径Rspとして演算されてもよい。
ステップ420に於いては暫定の走行車線102の基準位置に対する車両の横位置Ysp(走行車線の基準位置と車両の重心との車両横方向の距離)が演算される。尚基準位置は例えば左の白線100l、又は右の白線100r、又は左右の白線の中間の線104であってよい。図12は基準位置が右の白線100rの場合を示しており、車両の横位置Yspは重心Gと垂線の足の点Pとの距離である。
ステップ430に於いては暫定の走行車線102の基準線、例えば車線の中央を通る仮想の線に対し車両の前後方向がなす角度が演算されることにより、暫定の走行車線102に対する車両のヨー角ψspが演算される。図12は基準線が右の白線100rの場合を示しており、ヨー角ψspは車両12の前後方向の線106が点Pに於ける右の白線100rに対する接線108と平行で重心Gを通る直線110に対しなす角度である。
ステップ440に於いてはステップ410に於いて演算された暫定の走行車線102の半径Rspと符号が同一で半径Rspの大きさが大きいほど大きい微小な値として車両の目標ヨー角ψsptが演算される。
ステップ450に於いては下記の式11に従って車両を暫定の走行車線の中央に沿う目標軌跡に沿って走行させるための車両の目標横加速度Gytsが演算される。尚下記の式10のYsptは走行車線の基準位置に対する車両の目標横位置、即ち暫定の走行車線の基準位置と目標横位置にある車両の重心との車両横方向の距離である。
Gyts=Ksr×Rsp+Ksy(Yspt−Ysp)+Ksh(ψspt−ψsp) …(11)
ステップ460に於いては車両の目標横加速度Gyts及び車速Vに基づいて図7に示されたマップより暫定のLKA制御のための暫定の目標操舵角θlkptが演算される。
次に図5に示されたフローチャートを参照して運転者に軌跡変更の意思がある場合の制御ルーチンについて説明する。尚図5に示されたフローチャートによる制御は図2に示されたフローチャートによる走行制御ルーチンに対し割り込みにより所定の時間毎に実行される。また図5に示されたフローチャートによる制御は後述の第二の実施形態に於いても同様に実行される。
まずステップ910に於いては運転者に軌跡変更の意思があるか否か判別が行われ、否定判別が行われたときには図5に示されたフローチャートによる制御が一旦終了され、肯定判別が行われたときには制御はステップ920へ進む。尚運転者に軌跡変更の意思があるか否かの判別は任意の要領にて行われてよく、例えば操舵トルクTsの絶対値が基準値Tsth(正の定数)以上である状況が基準時間tsth(正の定数)以上経過したときに運転者に軌跡変更の意思があると判定されてよい。
ステップ920に於いては上述のステップ340の場合と同様の処理が行われる。即ちLKA制御が実行されているときには、LKA制御が終了する旨の表示が表示装置78に表示され、これにより車両の乗員にLKA制御の終了が報知される。またLKA制御の目標操舵角θlktにゲインK1が乗算されると共に、ゲインK1が1から0へ漸次低下されることにより徐変される。
また暫定のLKA制御が実行されているときには、暫定のLKA制御が終了する旨の表示が表示装置78に表示され、これにより車両の乗員に暫定のLKA制御の終了が報知される。また暫定のLKA制御の目標操舵角θlkptにゲインK2が乗算されると共に、ゲインK2が1から0へ漸次低下されることにより徐変される。
以上の説明より解る如く、LKA制御が実行されている状況に於いて、CCDカメラ68より車両12の前方の画像情報を示す信号が電子制御装置40へ入力されなくなると、ステップ50に於いて否定判別が行われ、ステップ400及び500が実行される。即ちLKA制御より暫定のLKA制御へ移行し、暫定のLKA制御が実行される。
従って第一の実施形態によれば、霧、降雨等の車両周囲の障害によりCCDカメラ68が車両12の前方を正常に撮像することができず、LKA制御を正常に実行することができなくなると、暫定のLKA制御により車両の走行制御が継続される。よってCCDカメラ68が車両12の前方を正常に撮像することができなくなるとLKA制御が終了される場合に比して、車両の運転をLKA制御に委ねていた運転者が戸惑う虞れを確実に低減することができる。
また第一の実施形態によれば、ステップ50に於いて否定判別が行われると、ステップ400及び500が即座に実行される。即ちLKA制御を継続することができなくなると、車両の走行制御がLKA制御より暫定のLKA制御へ即座に移行するので、車両の自動運転の制御が途切れることを確実に防止することができる。
また第一の実施形態によれば、ステップ300に於いて肯定判別が行われると、ステップ310に於いて暫定のLKA制御よりLKA制御への移行が徐々に行われる。従ってLKA制御へ復帰することができるようになると、車両の走行制御が即座に暫定のLKA制御よりLKA制御へ復帰する場合に比して、運転者が異和感を覚える虞れや車両の挙動が急変する虞れを効果的に低減することができる。
また第一の実施形態によれば、ステップ320に於いて肯定判別が行われると、ステップ340に於いて暫定のLKA制御の終了が徐々に行われる。従ってLKA制御を終了すべき状況になると、即座に暫定のLKA制御が終了される場合に比して、運転者が異和感を覚える虞れや車両の挙動が急変する虞れを効果的に低減することができる。
また第一の実施形態によれば、ステップ60、310、320、340が実行される。よってLKA制御より暫定のLKA制御へ移行する場合、暫定のLKA制御が継続される場合、暫定のLKA制御よりLKA制御へ復帰する場合、暫定のLKA制御が終了される場合には、必要な情報が車両の乗員に報知される。従って車両の乗員はLKA制御や暫定のLKA制御の状況を把握することができ、状況に応じた適切な対応を容易にとることができる。
[第二の実施形態]
図8は本発明による車両の走行軌跡制御装置の第二の実施形態を示す概略構成図である。尚図7に於いて図1に示された部材と同一の部材には図1に於いて付された符号と同一の符号が付されている。
この第二の実施形態に於いては、通常のLKA制御が実行されていない状況に於いて暫定のLKA制御が実行されることを許可するか否かを設定するための許可スイッチ80が設けられており、許可スイッチ76の位置を示す信号も電子制御装置40へ入力される。図1と図8との比較より解る如く、この実施形態の走行軌跡制御装置10の他の点は第一の実施形態と同様に構成されている。
図9は第二の実施形態に於ける走行制御ルーチンの要部を示すフローチャートである。尚図9に於いて図2に示されたステップと同一のステップには図2に於いて付されたステップ番号と同一のステップ番号が付されている。
この第二の実施形態に於いては、ステップ20に於いて否定判別が行われたときには、即ち選択スイッチ76がオフであるときには、制御はステップ30へ進むのではなく、ステップ600へ進む。
ステップ600に於いては許可スイッチ80がオンであるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときには制御はステップ30へ進み、肯定判別が行われたときには制御はステップ610へ進む。
ステップ610に於いては暫定のLKA制御の実行中であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときには制御はステップ650へ進み、肯定判別が行われたときには制御はステップ620へ進む。
ステップ620に於いては第一の実施形態のステップ320と同様に暫定のLKA制御を終了させるための終了条件が成立しているか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときには制御はステップ640へ進み、肯定判別が行われたときには制御はステップ630へ進む。
ステップ630に於いては第一の実施形態のステップ340と同様に車両の乗員に暫定のLKA制御の終了が報知され、また暫定のLKA制御の目標操舵角θlkptにゲインK2が乗算されると共に、ゲインK2が1から0へ漸次低下されることにより徐変される。
ステップ640に於いては第一の実施形態のステップ330と同様に暫定のLKA制御の実行を示す表示及び暫定のLKA制御にて走行可能な距離若しくは時間が表示装置78に表示され、これにより車両の乗員に暫定のLKA制御の状況が報知される。
ステップ650に於いてはCCDカメラ68が車両12の前方を正常に撮像することができないことに起因して車両12の前方の画像情報を取得できないか否かの判別が行われる。そして否定判別が行われたときには制御はステップ30へ進み、肯定判別が行われたときには制御はステップ660へ進む。
ステップ660に於いては走行軌跡の制御が行われていない状況から暫定のLKA制御が実行される状況へ移行する旨の表示が表示装置78に表示され、車両の乗員に暫定のLKA制御への移行が報知される。
ステップ700に於いては図10に示されたフローチャートに従って後述の如く暫定のLKA制御の目標操舵角θlkpptが演算される。
ステップ800に於いては目標操舵角θlktが暫定のLKA制御の目標操舵角θlkpptに置き換わる点を除き上記ステップ200の場合と同一の要領にて舵角可変装置30が制御される。これにより左右前輪の舵角δが下記の式12に従って演算される目標ピニオン角度φlkpptと目標操舵角θlkpptとの和に対応する目標舵角δtに制御される。
Φlkppt=Kv(θ−θlkppt) …(12)
図10に示されたフローチャートのステップ705に於いては、ステップ650の判別が否定判別より肯定判別へ変化した時点を基準の時点(経過時間t=0)として、基準の時点に於ける車両12の重心位置を原点とするX−Y直交座標が設定される。ステップ705の他の点は第一の実施形態のステップ405と同様に実行される。
またステップ710乃至740は暫定の走行車線の半径Rsp、車両の横位置Ysp、車両のヨー角ψsp、車両の目標ヨー角ψsptがそれぞれRspp、Yspp、ψspp、ψspptに置き換えられる点を除き第一の実施形態のステップ410乃至440と同様に実行される。
ステップ750に於いては下記の式13に従って車両を暫定の走行車線の中央に沿う目標軌跡に沿って走行させるための車両の目標横加速度Gytsが演算される。尚下記の式13のYspptは走行車線の基準位置に対する車両の目標横位置、即ち暫定の走行車線の基準位置と目標横位置にある車両の重心との車両横方向の距離である。
Gyts=Ksr×Rspp+Ksy(Ysppt−Yspp)+Ksh(ψsppt−ψspp) …(13)
ステップ760に於いては第一の実施形態のステップ460と同様に、車両の目標横加速度Gyts及び車速Vに基づいて図7に示されたマップより暫定のLKA制御のための暫定の目標操舵角θlkpptが演算される。
かくして第二の実施形態によれば、ステップ600乃至ステップ800以外のステップは上述の第一の実施形態と同様に行われるので、第一の実施形態に於いて得られる作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
特に第二の実施形態によれば、LKA制御が実行されていない場合に於いてCCDカメラ68により車両12の前方の画像情報を取得できない状況になると、ステップ650に於いて肯定判別が行われ、ステップ700及び800が実行される。よってCCDカメラ68が車両12の前方を正常に撮像することができなくなると、換言すれば運転者による車両の前方の視認性が低下する状況になると、自動的に暫定のLKA制御が開始されることにより車両の走行制御が行われる。従って例えば前方走行車両による路面泥水のはね上げ等に起因しいて前方の視認性が一時的に低下し運転者が運転をし難くなっても、暫定のLKA制御によって車両は走行路に沿う走行を継続することができ、車両の安全な走行性を向上させることができる。
また第一及び第二の実施形態によれば、図5に示されたフローチャートに従って運転者に軌跡変更の意思があるか否かが判定され、軌跡変更の意思があると判定されると、実行されているLKA制御又は暫定のLKA制御が終了される。従って運転者の意思に反してLKA制御又は暫定のLKA制御が継続される虞れを確実に低減することができる。
また第一及び第二の実施形態によれば、暫定のLKA制御の目標軌跡は車両を暫定の走行車線の中央に沿って走行させるための軌跡である。従って目標軌跡がLKA制御の場合と同様に例えば対向車より離れるよう修正されたり、カーブ走行時にアウトインアウトになるよう修正されたりする場合に比して、車両が実際の走行車線より逸脱する虞れを低減することができる。
以上に於いては本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば上述の各実施形態に於いては、走行車線の半径、走行車線の基準位置に対する車両の横位置、走行車線に対する車両のヨー角に基づいて車両を目標軌跡に沿って走行させるための車両の目標横加速度Gytsが演算される。そして目標横加速度Gytsに基づいてLKA制御又は暫定のLKA制御のための目標操舵角θlkt等が演算される。走行車線の半径、走行車線の基準位置に対する車両の横位置、走行車線に対する車両のヨー角の何れかが省略されてもよく、またLKA制御及び暫定のLKA制御のための目標操舵角は他の要領にて演算されてもよい。
また上述の各実施形態に於いては、暫定のLKA制御のためのX−Y座標はLKA制御より暫定のLKA制御へ移行する直前の車両の重心Gが原点になるよう設定されるが、X−Y座標は他の位置に設定されてもよい。尚X−Y座標が他の位置に設定される場合には、座標上の車両12の重心Gの位置(X,Y)及び座標上の車両12の前後方向の傾きωは、それらの初期値をそれぞれX0、Y0、ω0として下記の式14乃至16に従って演算される。
Figure 0005737197
また上述の各実施形態に於いては、車両の乗員に暫定のLKA制御への移行等の報知は表示装置78の表示によって行われるようになっている。しかし報知は音や音声による聴覚報知手段により行われてもよく、また視覚報知手段及び聴覚報知手段の両方により行われてもよい。
また上述の各実施形態に於いては、車両12の前方の情報を取得する手段はCCDカメラ68であるか、この手段は当技術分野に於いて公知の任意の手段であってよい。またCCDカメラ68により撮像された情報に加えて例えばナビゲーション装置からの情報がや車外ら無線式に供給される情報が補助的に使用されてもよい。
10…走行軌跡制御装置、14…前輪用操舵制御装置、20…ステアリングホイール、22…パワーステアリング装置、30…舵角可変装置、40…電子制御装置、50…制動装置、62…操舵角センサ、68…CCDカメラ、78…選択スイッチ、80…許可スイッチ

Claims (8)

  1. 車両前方の情報を取得する情報取得手段と、車両前方の情報に基づいて算出される目標軌跡に沿って走行するよう操舵輪の舵角を制御する走行軌跡制御を行う制御手段とを有する車両の走行軌跡制御装置に於いて、前記制御手段は、前記情報取得手段より車両前方の情報を正常に得ることができなくなったときには、その直前に取得された車両前方の情報に基づいて算出される暫定の目標軌跡に沿って車両が走行するよう操舵輪の舵角を制御する暫定の走行軌跡制御を行い、前記制御手段は、前記暫定の走行軌跡制御を行っている状況に於いて前記情報取得手段より車両前方の情報を正常に得ることができるようになったときには、前記暫定の走行軌跡制御より前記走行軌跡制御へ復帰することを特徴とする車両の走行軌跡制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記情報取得手段より車両前方の情報を正常に得ることができるときには、車両前方の情報に基づいて走行車線を特定し、車両が走行車線に基づいて目標軌跡を算出し、車両が前記目標軌跡に沿って走行するよう操舵輪の舵角を制御し、前記情報取得手段より車両前方の情報を正常に得ることができなくなったときには、その直前に車両前方の情報に基づいて特定された走行車線を暫定の走行車線として、車両の状態量及び暫定の走行車線に基づいて暫定の走行車線に対する車両の位置関係を推定し、車両が前記暫定の走行車線に基づく暫定の目標軌跡に沿って走行するよう操舵輪の舵角を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両の走行軌跡制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記情報取得手段より車両前方の情報を正常に得ることができるときには、車両の状態量及び走行車線に基づいて走行車線に対する車両の実際の位置関係を推定し、走行車線に基づいて走行車線に対する車両の目標の位置関係を決定し、実際の位置関係が目標の位置関係になるよう操舵輪の舵角を制御することにより車両を目標軌跡に沿って走行させ、前記情報取得手段より車両前方の情報を正常に得ることができなくなったときには、車両の状態量及び暫定の走行車線に基づいて暫定の走行車線に対する車両の位置関係を推定し、暫定の走行車線に基づいて暫定の走行車線に対する車両の暫定の目標の位置関係を決定し、車両の位置関係が暫定の目標の位置関係になるよう操舵輪の舵角を制御することにより車両を暫定の目標軌跡に沿って走行させることを特徴とする請求項2に記載の車両の走行軌跡制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記走行軌跡制御より前記暫定の走行軌跡制御への移行を直ちに行うが、前記暫定の走行軌跡制御より前記走行軌跡制御への復帰を徐々に行うことを特徴とする請求項1乃至の何れか一つに記載の車両の走行軌跡制御装置。
  5. 前記制御手段は、車両が前記暫定の走行車線の範囲を過ぎる段階に於いても前記情報取得手段より車両前方の情報を正常に得ることができないときには、前記暫定の走行軌跡制御を終了することを特徴とする請求項1乃至の何れか一つに記載の車両の走行軌跡制御装置。
  6. 前記走行軌跡制御装置は前記走行軌跡制御を行う制御モードと前記走行軌跡制御を行わない非制御モードとを選択するための選択手段を有し、前記情報取得段は前記選択手段が前記非制御モードにあっても車両前方の情報を取得し、前記制御手段は、前記情報取得手段が車両前方の情報を正常に取得することができなくなったときには、その直前に取得された車両前方の情報に基づいて暫定の走行車線を特定し、前記暫定の走行軌跡制御を行うことを特徴とする請求項1乃至の何れか一つに記載の車両の走行軌跡制御装置。
  7. 前記走行軌跡制御装置は前記非制御モードにあっても前記暫定の走行軌跡制御を行うことを許可するか否かを設定するための可否設定手段を有し、前記可否設定手段が許可に設定されているときに前記暫定の走行軌跡制御を行うことを特徴とする請求項に記載の車両の走行軌跡制御装置。
  8. 前記制御手段は、前記暫定の走行軌跡制御を行っている状況に於いて、運転者に走行軌跡を変更する意思があると判定されたときには、前記暫定の走行軌跡制御を終了することを特徴とする請求項1乃至の何れか一つに記載の車両の走行軌跡制御装置。
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