JP2016011060A - 車線維持支援システム - Google Patents

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英輝 高橋
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Abstract

【課題】車線維持用アシストトルクを付与している車線維持制御が中止されるときの状況に応じて、車線維持用アシストトルクの低減を好ましい態様で行われるようにする。【解決手段】自車両が走行車線から逸脱するのを防止する方向への車線維持用アシストトルクが、運転者が打ち勝てる範囲の大きさで付与される。車線維持用アシストトルクが付与されている車線維持制御の状態から、車線維持制御を中止するときに、車線維持用アシストトルクが徐々に低減される。この車線維持用アシストトルクの低減が、走行区分線を規定する左右の白線を認識できないときは、見込み的に徐々に低減される。車線維持用アシストトルクの付与方向とは反対方向に操舵されるオーバライド操作されたときは、車線維持用アシストトルクの演算を続行しつつ、そのゲイン量を徐々に低減することにより車線維持用アシストトルクの低減が行われる。【選択図】 図9

Description

本発明は、車線維持支援システムに関するものである。
車両、特に自動車にあっては、走行中での車線維持を支援するため、つまり車線逸脱を防止するために、車線を逸脱する方向とは反対方向(つまり車線中心位置に向かう方向)へ操舵を行うための車線維持用アシストトルクを付与するようにしたものが増加する傾向にある。この車線維持用アシストトルクを付与された方向への操舵力が軽くなるので、運転者は自然と、車線中心位置に戻るように促されることになる。勿論、車線維持用アシストトルクの大きさは、運転者が積極的に車線変更する際等に行なう操舵の妨げとならないように、運転者が打ち勝てる範囲の大きさに設定されることになる。
車線維持制御のために、自車両前方の道路をカメラによって撮影して、撮影された画像中から自車両の走行車線を規定する左右の走行区分線(いわゆる白線)を検出して、この左右の白線の中央を自車両が走行するように、車線維持用アシストトルクが付与されることになる。
走行区分線がかすれていたりカメラに対して逆光である等の場合に、カメラによって左右の走行区分線が認識できない場合が応々にして生じる。この場合、自車両の走行車線を正確に認識できないことから車線維持制御は中止されるが、突然に車線維持用アシストトルクを0にすると、急激な操舵トルクの変動が発生して好ましくないものとなる。このため、特許文献1には、車線維持制御の中止直前の車線維持用アシストトルクを所定時間保持した後に、この保持された車線維持用アシストトルクを初期値として、見込み的に徐々に車線維持用アシストトルクを低減すること、より具体的には線形的に低減することが開示されている。
一方、車線維持用アシストトルクが付与されている車線維持制御の状態において、運転者によるハンドル操作方向が車線維持用アシストトルクの付与方向とは逆方向となるオーバライド操作が行われることが応々にして生じる。例えば、車線維持用アシストトルクが走行区分線の中央位置に向かうように左方向に付与されている状態で、運転者がハンドルを右方向に操作して走行区分線の右寄りに自車両を導こうとする場合が生じる。この場合、車線維持制御をただちに中止して車線維持用アシストトルクを0にしたのでは、車線維持用アシストトルクの急激な低下となって好ましくないものとなる。
特許文献2には、車線維持制御を中止する際に、車線維持用アシストトルクを演算し続けると共に、演算のためのゲイン量を徐々に低減することにより、車線維持用アシストトルクを徐々に低減することが開示されている。この特許文献2に記載のものでは、カメラによる白線の認識を利用しつつ、車線維持用アシストトルクが低減されるので、オーバライド操作による車線維持制御の中止制御として好ましいものとなる。
特開平10−203395号公報 特開平11−096497号公報
ところで、特許文献1に記載のものは、車線維持用アシストトルクを見込み的に徐々に低減することから、カメラによって白線が認識できないときに、不確実なカメラからの情報に基づくことなく車線維持用アシストトルクを低減するという点では好ましいものとなる。しかしながら、オーバライド操作されたときに、運転者の操舵方向とは反対方向の車線維持用アシストトルクが大きいトルクとして残存する場合も生じやすいものとなり、この点においては好ましくないものとなる。
一方、特許文献2に記載のものでは、カメラからの情報に基づいて車線維持用アシストトルクを演算する際のゲイン量の徐々に低減することから、オーバライド操作されたときに、運転者の操舵方向と反対方向の大きな車線維持用アシストトルクを残存させないようにするという点では好ましいものとなる。しかしながら、特許文献2に記載のものでは、カメラからの情報に基づいて車線維持用アシストトルクを演算し続けることから、カメラが白線を認識できないときに、カメラからの不確実な情報(出力)に基づいて車線維持用アシストトルクを演算してしまうことになり、特にカメラ出力が急変したときに車線維持用アシストトルクとして好ましくない値が設定されてしまうという問題を生じやすいものとなる。
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、車線維持制御を中止するときの状況に応じた好ましい態様でもって車線維持用アシストトルクを低減できるした車線維持支援システムを提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明にあっては、次のような解決手法を採択してある。すなわち、請求項1に記載のように、
自車両が走行車線から逸脱するのを防止する方向への車線維持用アシストトルクを、運転者が打ち勝てる範囲の大きさで付与するようにした車線維持支援システムにおいて、
自車両前方の道路状況を撮影して、自車両が走行している左右の走行区分線を認識する走行区分線認識手段と、
前記走行区分線認識手段によって認識される左右の走行区分線によって規定される走行区分線から自車両が逸脱しないようにするための車線維持用アシストトルクを設定するアシストトルク設定手段と、
運転者によるハンドル操作方向が車線維持用アシストトルクの付与方向とは逆方向となるオーバライド操作を検出するオーバライド操作検出手段と、
前記走行区分線認識手段によって左右の走行区分線が認識できないことが検出されたときに、車線維持用アシストトルクを、直前に付与されていた車線維持用アシストトルクから見込み的に徐々に低減する第1アシストトルク低減手段と、
前記オーバライド操作検出手段によってオーバライド操作が検出されたときに、前記アシストトルク設定手段による車線維持用アシストトルクの設定を継続して行わせつつ、車線維持用アシストトルクを演算するためのゲイン量を徐々に減少させることにより、車線維持用アシストトルクを低減させる第2アシストトルク低減手段と、
を備えているようにしてある。
上記解決手法によれば、走行区分線が認識できないときは、車線維持用アシストトルクを見込み的に徐々に低減することにより、不確実な走行区分線に基づいて設定される不確かな車線維持用アシストトルクが付与されてしまう事態を防止することができる。また、オーバライド操作のときは、走行区分線認識手段による正確な走行区分線に基づいて車線維持用アシストトルクを設定しつつ、車線維持用アシストトルクを設定する際のゲイン量を徐々に減少させる手法により車線維持用アシストトルクを低減するので、運転者が操作する方向と反対方向への大きな車線維持用アシストトルクを残存させないようにしつつ車線維持用アシストトルクを低減することができる。このように、車線維持制御を中止する際の車線維持用アシストトルクの低減を、走行区分線が認識できないときとオーバライド操作が行われたときとで区別して、それぞれ適切に行うことができる。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。すなわち、
前記第1アシストトルク低減手段による車線維持用アシストトルクの低減が、低減初期には低減後期に比して低減度合いが大きくなるように行われる、ようにしてある(請求項2対応)。この場合、車線維持制御を中止する際には、この中止時点から車線維持用アシストトルクを徐々に低減するので、つまり中止直前の大きな車線維持用アシストトルクから即座に低減を開始するので、運転者が意図する方向とは反対方向に大きな車線維持用アシストトルクが残存してしまうという事態を防止あるいは低減する上で好ましいものとなる。また、車線維持用アシストトルクの低減度合いが、低減初期の方が低減後期よりも大きくなるようにしてあるので、運転者は、車線維持用アシストトルクがあたかも線形的に低減しているように知覚されて、運転者の感覚に合った好ましい低減とすることができる。すなわち、物理量の変化量が同じであっても、物理量が大きいときは小さいときに比して知覚しずらい(つまり物理量が小さいときは大きいときに比して知覚しやすい)という人間の知覚特性に合致した低減態様とすることができる。
前記第1アシストトルク低減手段による車線維持用アシストトルクの低減が、指数関数的に低減するように行われる、ようにしてある(請求項3対応)。この場合、数関数的な低減によって、請求項2に対応した効果を十分に発揮させることができる。
前記第2アシストトルク低減手段による前記ゲイン量の減少が、100%から0%にまで徐々に減少される、ようにしてある(請求項4対応)。この場合、車線維持用アシストトルクが0になるまで低減することを確保しつつ、低減途中での車線維持用アシストトルクを適切に設定して、車線維持用アシストトルクの急変を防止する上で好ましいものとなる。
本発明によれば、車線維持制御を中止する場合に、車線維持制御を中止するときの状況に応じた好ましい態様でもって車線維持用アシストトルクを低減できる。
本発明が適用された車線維持支援システムの制御系統例を示すブロック図。 車線維持用アシストトルクの有無に応じたヒステリシスの幅の変更例を示す特性図。 目標ヨーレートの決定を説明するための図。 図3における前方注視時間Tの設定例を示す図。 目標ヨーレートに応じて運転者に発揮させる目標操舵トルクの設定例を示す特性図。 操舵角速度に応じた基準ヒステリシス幅の設定例を示す特性図。 粘性トルクの設定例を示す図。 本発明の制御例を示すフローチャート。 本発明の制御例を示すフローチャート。 車線維持用アシストトルクの第1の低減態様を示すタイムチャート。 図10に示す第1の低減態様で、オーバライド操作されたときのタイムチャート。 車線維持用アシストトルクの第2の低減態様を示すタイムチャート。 図12に示す第2の低減態様で、カメラ出力が不確実なときのタイムチャート。
図1は、車両(自動車)に搭載された本発明の制御系統例をブロック図的に示すものである。この図1において、Uは、マイクロコンピュータを利用して構成されたコントローラ(制御ユニット)である。コントローラUは、記憶手段Mを有して、制御に必要なプログラム以外に、後述する制御を実行するために用いられる各種特性図等を記憶している。
コントローラUには、各種センサや装置S1〜S6からの信号が入力される。S1は、運転者により操作されるステアリングハンドルの操作量つまり舵角(操作方向を含む舵角)を検出する舵角センサである。S2は、例えば、ステアリングシャフトに取付けられて、ステアリングシャフトのねじり量に応じて操舵トルクを検出するトルクセンサである。
S3は、自車両の前方を撮影するカメラであり、自車両が走行している車線を区分する左右の白線位置の検出と、左右白線位置に対する自車両の横方向位置との検出のために用いられる(物理的車線中心位置の検出ともなる)。S4は、車速を検出する車速センサである。S5は、ナビゲーション装置で、自車両の現在位置を検出すると共に、地図情報を利用して自車両が走行している現在の道路状況や前方の道路状況等を検出するためのものとなっている。S6は、切替スイッチで、運転者によりマニュアル操作されて、後述する車線維持制御のオン(実行)とOFF(実行禁止)とを選択するためのものである。
コントローラUは、モータS11と、ディスプレイやランプ等の表示手段S12を制御する。モータS11は、操舵系に組み込まれて、パワーアシストを行うためのものであるすなわち、実施形態では、パワーステアリング機構がモータS11によってアシスト力が発生される電動式とされて、このモータS11への供給電流を調整(変更)することにより、操舵アシスト力が変更されることになる。表示手段S12は、前記切替スイッチS6のオン、OFF状態を運転者に報知するためのものである。
図2は、車線維持用アシストトルクの有無に応じた操舵角と操舵トルクとの関係を図式的に示すものであり、同じ操舵角のときに、舵角が増大する方向への操舵トルクに対して、舵角が減少する方向の操舵トルクが小さく設定され、その差がヒステリシスの幅を示す。ヒステリシスの幅は、破線で示す車線維持用アシストトルクが付与されない場合は大きく設定され、実線で示す車線維持用アシストトルクが付与された場合は小さく設定される。車線維持用アシストトルクの有無に応じてヒステリシスの幅を相違させることにより、ハンドルの戻り感を、車線維持用アシストトルクが有る場合と無い場合とでほぼ同じにようにすることができる(物理的操舵トルクの変化量が同じであっても、物理的操舵トルクが大きいときは小さいときに比して、運転者が近くする知覚操舵トルクの変化量が小さいものとなることを考慮)。
次に、車線維持のための車線維持用アシストトルクの決定例について説明する。まず、実施形態では、左カーブでの走行状態となる図3に示すように、自車両Xの前方に物理的車線中心位置となる誘導目標点αに誘導するために要求される目標ヨーレート演算が行われる。この誘導目標点αまでの自車両前方方向への距離がVTとされる。この場合、Vは車速であり、Tは前方注視時間である。前方注視時間は、例えば図4に示すような特性として設定されるが、要は、誘導目標点αに到達させるまでの目標時間であり、基本的に、車速が大きくなるほど前方注視時間Tが小さくされる(上限値、下限値の設定あり)。
誘導目標点αに誘導するのに要求される目標ヨーレートΥtargetは、車速、自車両の横位置、ヨー角、車線の曲率、クロソイドパラメータに基づいて、次式(1)によって求められる。式(1)中、Vは車速、Tは前方注視時間、Rは車線の曲率、Ψ0は自車両Xのヨー角、y0は自車両Xの横方向位置、Aはクロソイドパラメータである。なお、曲率R等は、カメラS3での検出結果に基づいて決定することもできるが、例えばナビゲーション装置S5での地図情報や道路脇に設定されているインフラ施設からの情報に基づいて入手する等、適宜の手法で入手することができる。なお、自車両のヨーレートを、別途設けた専用のヨーレートセンサにより検出することもできる。
Figure 2016011060
目標ヨーレートΥtargetが決定されると、この目標ヨーレートΥtargetと車速とを図5に示す特性に照合して、運転者が発揮すべき目標操舵トルクTDriverが決定される。次いで、操舵角速度を図6に示す特性図に照合して、ヒステリシス幅が決定される。なお、ヒステリシス幅は、操舵角速度が小さい領域(例えば0.00001rad/s以下)では、不感帯を設定してある(操舵のがたつき防止)。このヒステリシス幅は、車線維持用アシストトルクが無い基準値を設定する場合に対応しており、車線維持用アシストトルクが有るときは、図2について説明したように、ヒステリシス幅が小さくなるように減少補正される。
パワーステアリング装置に対する最終出力決定のために、次のような操舵トルクが決定される。まず、図3で説明した旋回に必要な操舵トルクTNormalが演算される。前述した運転者に発揮させるべき操舵トルクをTDriverに応じた標準アシストトルクがTESPとして決定される(TESPを、トルクセンサS2での検出トルクに応じて決定することもできる)。そして、基本の車線維持用アシストトルクTBaseが、次式(2)に基づいて算出される。
TBase=TNormal−TDriver−TESP (2)
上記基本の車線維持用アシストトルクTBaseが、車線維持制御なしの場合に対して、追加的に付与されることになる。そして、車線維持用アシストトルクTBaseが付与されるときは、付与されない場合に比して、ヒステリシス幅が減少補正されることになる。
以上に加えて、粘性トルクTViscosityが決定される。この粘性トルクTViscosityは、操舵角速度に対してゲイン係数C(>0)を乗算することにより演算される。そして、ゲイン計数Cは、図7に示すような特性に基ずいて決定される。すなわち、図3で説明した目標ヨーレートから自車両Xの現在のヨーレートを差し引いた偏差の絶対値が大きいほど、ゲイン係数Cが小さくなるように決定される。また、ゲイン係数Cは、上記偏差の絶対値が同じであっても、車速が大きいほど小さくなるように決定される。このように、粘性トルクTViscosityは、操舵角速度が大きいほど大きく、前記偏差(の絶対値)が小さいほど大きく、車速が小さいほど大きくなるように決定される。
上記のようにして決定された粘性トルクTViscosityが、前述した基本の車線維持用アシストトルクTBaseから減算されて、最終的な車線維持用アシストトルクTLKAとされ、この最終的な車線維持用アシストトルクTLKAが出力される(モータS11からのTLKAの出力)。特に、目標ヨーレートと実際のヨーレートとの偏差の絶対値が小さいということは、保舵時あるいはほぼ保舵時となるが、このときは、粘性トルクTViscosityが大きく設定されるために最終的な車線維持用アシストトルクTLKAが小さくされて、ハンドルの安定性が向上された状態となる(拮抗筋の働きを防止あるいは抑制)。
図8は、コントローラUによって、前述した最終的なTLKAを決定(出力)するための制御例を示すフローチャートである。以下このフローチャートについて説明するが、切替スイッチS6がONのとき(車線維持用アシストトルク制御有り−粘性トルク有り)を前提としている。また、以下の説明でQはステップを示す。勿論、図2、図4、図6、図7や、式(1)、式(2)等は、記憶手段Mに記憶されているものである。
以上のことを前提として、まず、Q1において、各種センサ等S1〜S6からの信号が読み込まれる。次いでQ2において、図3で説明したように、目標ヨーレートΥtaegetが演算される。この後、Q3において、図5に基づいて、運転者に発揮させる目標操舵トルクTDriverが演算される。この後、Q4において、図3の誘導目標点αに誘導するための旋回に必要な操舵トルクTNormalが演算される。
Q4の後、Q5において、Q3で演算された目標操舵トルクTDriverに基づいて、標準アシストトルクTESPが演算される。この後、Q6において、式(2)に基づいて、基本の車線維持用アシストトルクTBaseが演算される。この後、Q7において、図6に基づいて、基準のヒステリシス幅が決定される。
Q7の後、Q8において、目標となる粘性トルクTViscosityが決定される(図7に基づいてゲイン係数Cが決定され、このゲイン係数Cに対して操舵角速度が乗算される)。この後、Q9において、Q6で決定された基本の車線維持用アシストトルクTBaseから粘性トルクKTViscosityを減算して、最終的な車線維持用アシストトルクTLKAが決定される。そして、Q10において、最終的な車線維持用アシストトルクTLKAとなるように、モータS11に制御信号(駆動信号)が出力される。なお、最終的な車線維持用アシストトルクTLKAが0でないときは、基準のヒステリシス幅が減少補正される。
図9は、上述した車線維持制御を中止するときの制御例を示し、図8のフローチャートに対する割り込み処理、あるいは図8のQ9での処理後に実行される。この図9において、Q21においてデータ入力された後、Q22において、カメラS3を用いた左右の白線が認識できている状態であるか否かが判別される。このQ22の判別でNOのとき(左右の白線が認識できないとき)は、車線維持制御を中止すべく、Q23において、第1の低減態様でもって車線維持用アシストトルクが低減される。この第1の低減態様は、カメラS3の出力を利用することなく(カメラ出力に基づく車線維持用アシストトルクを利用することなく)、見込み的に行われるもので、直前の車線維持用アシストトルクを初期値として、指数関数的に車線維持用アシストトルクが低減される。
上記第1の低減態様について、より具体的に説明する。まず、第1の低減態様では、車線維持用アシストトルクの低減が、指数関数的な低減(減少)とされて、低減初期は低減後期に比して、車線維持用アシストトルクの減少度合いが大きいものとされる。これにより、車線維持用アシストトルクが大きいためにその変化量(低減量)を知覚しにくい低減初期において、車線維持用アシストトルクが低減していることを運転者は明確に認識できることになる。また、車線維持用アシストトルクが小さいためにその変化量(低減量)を知覚しやすい低減後期でも、運転者は車線維持用アシストトルクの低減を知覚できることになる。このように、車線維持用アシストトルクは、物理的には指数関数的に低減されても、運転者にとっては車線維持用アシストトルクが線形的に低減されているものと知覚されることになる。
車線維持用アシストトルクの低減させる指数関数としては、例えば、(「eの−1.5・t乗」×T)とすることができる。なお、式中、tはt1時点からの経過時間であり、Tは車線維持制御中止直前の車線維持用アシストトルクである。そして、t1時点から所定時間(例えば2.0秒)経過したt2時点で、車線維持用アシストトルクは0とされる。なお、指数関数としては、上記以外に適宜設定できる。
第1の低減態様における車線維持用アシストトルクの低減状況を、図10、図11に示す。図10、図11中、t1時点が、車線維持制御の中止時点である。カメラS3の出力を利用しないことから、白線が認識できないような状況となるカメラS3の出力が不確実な場合に好適となる。ただし、オーバライド操作されたときは、図11の破線で示すような運転者によるハンドル操舵力に対して、実線で示す車線維持用アシストトルクの向きが左右反対となり、しかもその偏差もかなり大きくなってしまう事態が生じることもあるので、オーバライド操作されたときの低減態様としては好ましくないものとなる。
前記Q22の判別でYESのときは、Q24において、オーバライド操作されたか否かが判別される。このQ24の判別でNOのときは、Q25において、図8で説明した通常の車線維持制御が続行される。
上記Q24の判別でYESのときは、車線維持制御を中止するときであり、このときはQ26において、第2の低減態様でもって車線維持用アシストトルクが低減される。第2の低減態様では、カメラS3の出力を利用して車線維持用アシストトルクを演算、付与するが、この演算の際に用いるゲイン量が、100%から0%へと徐々に低減される(例えば1秒に50%のゲイン量の割合で減少)。
上記第2の低減態様による車線維持用アシストトルクの低減の状況が、図12に示される。図12中、t11時点が、車線維持制御を中止する時点である。図12は、図11に対応したオーバライド操作されたときの状況を示すが、カメラS3の出力を利用した車線維持用アシストトルクの演算を行いつつ、そのゲイン量を低減するので、オーバライド操作による操舵方向にほぼ沿うように車線維持用アシストトルクを低減することが可能となり、オーバライド操作時での低減態様として好ましいものとなる。
ただし、第2の低減態様は、カメラS3の出力を利用して得られる車線維持用アシストトルクが付与されるので、白線が認識できないような状況となるカメラS3の出力が不確実なとき、特にカメラ出力が急変したときに車線維持用アシストトルクが急変すると共にその信頼性も低いものとなるので、好ましくないものとなる。すなわち、図13において、車線維持制御の中止時点となるt11時点から第2の低減態様でもって低減する際に、カメラS3の出力が確実なとき(白線が認識できるとき)に得られる車線維持用アシストトルク(図中破線対応)に対して、カメラS3の出力が不確実なときに得られた車線維持用アシストトルク(図中実線対応)とが大きく乖離してしまう事態を生じることもある。よって、第2の低減態様は、カメラS3の出力が確実なときに行うのが好ましいものとなる。
なお、車線維持制御の中止から実行へと移行するときは、所定時間(例えば2.0秒)かけて、車線維持用アシストトルクが徐々に増大され、所定時間経過後は車線維持用アシストトルクが通常の大きさに設定される(図8のフローチャートにしたがうものとなる)。この車線維持用アシストトルクの徐々なる増大は、例えば1秒あたり50%の線形ゲインを積算することにより行うことができる。
ここで、第1の低減態様において、車線維持制御の中止と判断された時点から車線維持用アシストトルクを徐々に低減させる場合に、指数関数的な低減に限らず、互いに異なるゲイン(傾き)を設定された複数の線形的な低減を行うようにしてもよい。例えば、低減初期は大きなゲイン(傾き)で線形的に低減し、低減後期は小さなゲインで線形的に低減し、低減中期では、中間のゲインで線形的に低減するようにしてもよい。線形的な低減は、上述した3段階での低減に限らず、2段階あるいは4段階以上で行うこともできる。
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能である。パワーアシスト装置としては、電動式に限らず、油圧式であってもよい。自車両の車線に対する横方向位置の検出は、カメラS3を利用する以外に、レーダ等の別のセンサを代替的にあるいは協働し使用したり、高精度のナビゲーション装置を利用したり、路車間通信による道路脇からのインフラ施設からの情報入手等によって行ったり、これらを組み合わせせて行う等、適宜選択できるものである。粘性トルクの決定のパラメータとしては、少なくとも操舵角速度が含まれていればよく、目標ヨーレートと実ヨーレートとの偏差や車速をパラメータとして有しない場合であってもよく、また、操舵角速度に加えて、上記偏差あるいは車速のいずれか一方をパラメータとして付加してもよい。また、粘性トルクは、連続可変式に変更する場合に限らず、段階的に変更するものであってもよい。この他、粘性トルクを用いない設定とすることもできる。ヒステリシス幅を、常に同じ大きさに設定するようにしてもよい。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
本発明は、車両の車線維持支援システムとして好適である。
U:コントローラ(制御手段)
S1:舵角センサ
S2:トルクセンサ
S3:カメラ
S4:車速センサ
S5:ナビゲーション装置
S6:切替スイッチ(車線維持制御のON、OFF用)
S11:モータ(パワーアシスト用)

Claims (4)

  1. 自車両が走行車線から逸脱するのを防止する方向への車線維持用アシストトルクを、運転者が打ち勝てる範囲の大きさで付与するようにした車線維持支援システムにおいて、
    自車両前方の道路状況を撮影して、自車両が走行している左右の走行区分線を認識する走行区分線認識手段と、
    前記走行区分線認識手段によって認識される左右の走行区分線によって規定される走行区分線から自車両が逸脱しないようにするための車線維持用アシストトルクを設定するアシストトルク設定手段と、
    運転者によるハンドル操作方向が車線維持用アシストトルクの付与方向とは逆方向となるオーバライド操作を検出するオーバライド操作検出手段と、
    前記走行区分線認識手段によって左右の走行区分線が認識できないことが検出されたときに、車線維持用アシストトルクを、直前に付与されていた車線維持用アシストトルクから見込み的に徐々に低減する第1アシストトルク低減手段と、
    前記オーバライド操作検出手段によってオーバライド操作が検出されたときに、前記アシストトルク設定手段による車線維持用アシストトルクの設定を継続して行わせつつ、車線維持用アシストトルクを演算するためのゲイン量を徐々に減少させることにより、車線維持用アシストトルクを低減させる第2アシストトルク低減手段と、
    を備えていることを特徴とする車線維持支援システム。
  2. 請求項1において、
    前記第1アシストトルク低減手段による車線維持用アシストトルクの低減が、低減初期には低減後期に比して低減度合いが大きくなるように行われる、ことを特徴とする車線維持支援システム。
  3. 請求項2において、
    前記第1アシストトルク低減手段による車線維持用アシストトルクの低減が、指数関数的に低減するように行われる、ことを特徴とする車線維持支援システム。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
    前記第2アシストトルク低減手段による前記ゲイン量の減少が、100%から0%にまで徐々に減少される、ことを特徴とする車線維持支援システム。
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