JP2003062921A - 透明複合フィルム - Google Patents

透明複合フィルム

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JP2003062921A
JP2003062921A JP2002166851A JP2002166851A JP2003062921A JP 2003062921 A JP2003062921 A JP 2003062921A JP 2002166851 A JP2002166851 A JP 2002166851A JP 2002166851 A JP2002166851 A JP 2002166851A JP 2003062921 A JP2003062921 A JP 2003062921A
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organic polymer
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transparent
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Hajime Kawahara
肇 河原
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Bridgestone Corp
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    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B17/00Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres
    • B32B17/06Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material
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    • B32B17/1055Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material of synthetic resin laminated safety glass or glazing characterized by the resin layer, i.e. interlayer
    • B32B17/10788Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material of synthetic resin laminated safety glass or glazing characterized by the resin layer, i.e. interlayer containing ethylene vinylacetate

Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄厚軽量で、耐擦傷性、耐久性に優れた厚さ
の薄い太陽電池等の作製に有利に使用できる透明複合フ
ィルムを提供すること。 【解決手段】 有機ポリマーフィルム層と、その一方の
表面に設けられた透明接着剤層及び他の表面に設けられ
た硬化性樹脂の硬化被膜からなるハードコート層とから
なり、かつ有機ポリマーフィルム層と透明接着剤層との
間、及び/又は有機ポリマーフィルム層とハードコート
層と間に、防湿層が設けられていることを特徴とする透
明複合フィルム。及びハードコート層上に反射防止膜が
形成された透明複合フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス板を用いず
に少なくとも耐擦傷性、さらには耐光性、防湿性にも優
れた透明複合フィルムに関し、特に太陽電池用セルの表
面側保護部材又は裏面側保護部材、或いは自動車用ガラ
ス(特にサイドガラス)又は建築用ガラス(例、ショー
ウインドー)に有利に使用できる透明複合フィルム、並
びにこのような透明複合フィルムを含む太陽電池及びフ
ィルム強化ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、資源の有効利用や環境汚染の防止
等の面から、太陽光を直接電気エネルギーに変換する太
陽電池が注目され、開発が進められている。
【0003】太陽電池は、一般に、図14に示すよう
に、受光面側の表面側透明保護部材としてのガラス基板
141Aと裏面側保護部材(バックカバー材)141B
との間にエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)フィ
ルム142A,142Bの封止膜により、太陽電池用セ
ル、即ち、シリコン等の発電素子144を封止した構成
を有する。このような太陽電池は、例えば特開昭64−
19780号公報及び特開平8−283696号公報に
記載されている。
【0004】このような太陽電池140の製造は、ガラ
ス基板141A、封止膜用EVAフィルム142A、シ
リコン発電素子147、封止膜用EVAフィルム142
B及びバックカバー材141Aをこの順で積層し、EV
Aを加熱溶融して架橋硬化させることにより接着一体化
することにより行われる。
【0005】従来の太陽電池では、表面側透明保護部材
としては、紫外線等に対する耐光性に優れ、湿気、水分
の透過(これにより導線や電極の錆の発生有り)のない
防湿性に優れていることから、ガラス板が使用されてき
た。
【0006】しかしながら、ガラス板は、耐光性、防湿
性に優れている反面、質量が重く、衝撃に対して割れや
すいとの欠点を有する。この欠点を解決するために、特
開2000−174296号公報及び特開2000−1
74297号公報には、透明高防湿フィルムと透明高耐
光フィルムとを積層したフィルムを用いることが提案さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】例えば、上記の積層フ
ィルムを用いることにより、有機ポリマーフィルムでガ
ラス板に近い、耐光性、防湿性を実現している。即ち、
このような積層フィルムを用いることにより薄厚軽量の
太陽電池を得ることができる。
【0008】しかしながら、このような太陽電池を製造
する際、或いは使用に供した場合、表面に擦り傷等の傷
の発生が見られ、これにより受光面である積層フィルム
表面の透明性が低下し、太陽からの受光量が低下すると
の問題がある。
【0009】また太陽電池以外の用途、例えば自動車用
ガラス(特にサイドガラス)又は建築用ガラス(例、シ
ョーウインドー、壁面ガラス)であっても、設置作業中
或いは使用する内に、表面に擦り傷等の傷の発生が見ら
れ、これにより積層フィルム表面の透明性が低下し、自
動車等の中から外が目えにくくなったり、外観が損なわ
れたりするとの問題がある。
【0010】従って、かかる点に鑑みなされた本発明の
目的は、耐擦傷性が良好で容易に製造することができ
る、薄厚軽量の太陽電池の表面側保護部材又は裏面側保
護部材、並びに自動車用ガラス又は建築用ガラスに有利
に使用できる透明複合フィルムを提供することにある。
【0011】さらにまた、本発明の目的は、耐擦傷性が
良好、高耐久性かつ高性能の、薄厚軽量の太陽電池の表
面側保護部材又は裏面側保護部材自動車用ガラス又は建
築用ガラスに有利に使用できるフィルム強化ガラスを提
供するにある。
【0012】さらに、本発明の目的は、薄厚軽量で、高
耐久性かつ高性能の太陽電池、及びこの太陽電池の表面
側保護部材又は裏面側保護部材を提供することにある。
【0013】さらに、本発明の目的は、耐擦傷性が良
好、高耐久性かつ高性能の、自動車用ガラス又は建築用
ガラスを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、有機ポリマー
フィルム層と、その一方の表面に設けられた透明接着剤
層及び他の表面に設けられた硬化性樹脂の硬化被膜から
なるハードコート層とからなることを特徴とする透明複
合フィルムにある。
【0015】また本発明は、有機ポリマーフィルム層
と、その一方の表面に設けられた透明接着剤層及び他の
表面に設けられた硬化性樹脂の硬化被膜からなるハード
コート層とからなり、かつ有機ポリマーフィルム層と透
明接着剤層との間、及び/又は有機ポリマーフィルム層
とハードコート層と間に防湿層が設けられていることを
特徴とする透明複合フィルムにもある。
【0016】上記透明複合フィルムにおいて、ハードコ
ート層の表面に、さらに反射防止膜が設けられているこ
とが好ましい。これにより光の有効利用が可能となる。
またガラス板より反射率を低下させることもできる。反
射防止膜は通常の無機薄層の積層膜を使用することが好
ましい。
【0017】上記ハードコート層が、シリカ微粒子(好
ましくは1〜200nmの一次粒径を有する)を含有す
ることが好ましい。シリカ微粒子を含むことにより硬度
が向上する。またシリカ微粒子が、重合性不飽和基を有
するものであり、特にシリカ微粒子と重合性不飽和基
(及び好ましくはウレタン結合)を有するアルコキシシ
ラン化合物との反応により形成されるものが好ましい。
【0018】上記ハードコート層の硬化性樹脂が、紫外
線硬化性樹脂であることが好ましく、特にアクリロイル
基又はメタクリロイル基を有する樹脂又はオリゴマーで
ある。これにより短時間でハードコート層の形成が可能
である。また、硬化性樹脂が、熱硬化型シリコーン組成
物(一般にメチルトリメトキシシラン)であることも好
ましい。これにより特に高硬度のハードコート層の形成
が可能となる。
【0019】前記有機ポリマーフィルム層の有機ポリマ
ーが、ポリエチレンテレフタレートであることが好まし
い。容易に入手でき製造経済性で有利である。
【0020】透明接着剤層が、エチレン酢酸ビニル共重
合体を含むことが好ましい。加工処理が容易である。防
湿層は後述する無機酸化物層、フィルム付き無機酸化物
層、塗布型防湿層を挙げることができ、無機酸化物層が
好ましい。
【0021】さらに本発明は、有機ポリマーフィルム層
と、その一方の表面に設けられた透明接着剤層及び他の
表面に設けられた硬化性樹脂の硬化被膜からなるハード
コート層とからなり、かつ有機ポリマーフィルム層と透
明接着剤層との間に無機酸化物の層を含む防湿層が設け
られていることを特徴とする透明複合フィルムにもあ
る。
【0022】上記防湿層が、無機酸化物の層が形成され
た有機ポリマーフィルムであることが好ましい。また無
機酸化物の層と有機ポリマーフィルム又は有機ポリマー
フィルム層との間に、アンカーコート層が設けられてい
ることが好ましい。また前記のハードコート層上の反射
防止膜の設置も好ましい。
【0023】また本発明は、有機ポリマーフィルム層
と、その一方の表面に設けられた透明接着剤層及び他の
表面に設けられた硬化性樹脂の硬化被膜からなるハード
コート層とからなり、かつ有機ポリマーフィルム層とハ
ードコート層との間に防湿層として溶剤可溶性弗素系樹
脂の塗布層が設けられていることを特徴とする透明複合
フィルムにもある。
【0024】上記弗素系樹脂の塗布層の表面が、ハード
コート層の表面の接触角と略同一(特に接触角の差が±
10°以下)となるように処理されていることが好まし
い。また前記のハードコート層上の反射防止膜の設置も
好ましい。
【0025】さらに、本発明は、有機ポリマーフィルム
層と、その一方の表面に設けられた透明接着剤層及び他
の表面に設けられた硬化性樹脂の硬化被膜からなるハー
ドコート層とからなり、かつハードコート層が、防湿性
を有することを特徴とする透明複合フィルムにもある。
【0026】また前記のハードコート層上の反射防止膜
の設置も好ましい。
【0027】さらにまた、本発明は、表面側保護部材と
透明接着剤層との積層体と、裏面側保護部材と透明接着
剤層との積層体との間に、両方の透明接着剤層により太
陽電池用セルが封止されてなる太陽電池において、表面
側保護部材と透明接着剤層との積層体及び/又は裏面側
保護部材と透明接着剤層との積層体が、前記の透明複合
フィルムからなることを特徴とする太陽電池にもある。
【0028】裏面側保護部材が、ガラス又は有機ポリマ
ーフィルムであることが好ましい。
【0029】上記の太陽電池において、表面及び裏面側
保護部材の積層体を、共に本発明の透明複合フィルムを
用いた太陽電池は、保護材としてはガラスを用いていな
いために極めて軽量かつ薄肉の耐傷性に優れた太陽電池
が得られ、特に好ましい。
【0030】更に本発明は、ガラス板の表面に、透明接
着剤層が接触するように前記の透明複合フィルムが貼付
されたフィルム強化ガラスにもある。
【0031】「課題を解決するための手段」の冒頭に規
定された透明複合フィルムについての好ましい態様の規
定(例えば硬化性樹脂の態様等)は、他の透明複合フィ
ルムにも同様に適用することができる。
【0032】尚、本発明の防湿層は、これを有する透明
複合フィルムの透湿度が2.5g/m・24h以下
(JIS−Z−0208)、特に0.5g/m・24
h以下となるものが好ましい。
【0033】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0034】本発明の透明複合フィルムは、例えば図1
に示す基本構造を有する。図1に示すように、透明複合
フィルム10は、有機ポリマーフィルム層11と、その
一方の表面に設けられた透明接着剤層12及び他の表面
に設けられた硬化性樹脂の硬化被膜からなるハードコー
ト層13とから構成されている。この透明複合フィルム
は、太陽電池に用いる場合、電池セルを封止するための
透明接着剤層を具備した、表面側保護部材又は裏面側保
護部材として、使用することができる。この透明複合フ
ィルムを、表面側保護部材として使用した場合、従来の
ガラス基板に近い表面硬度を有するため、軽量薄厚にも
拘わらず、ガラス基板の代わりに使用することが可能で
ある。即ち、本発明の透明複合フィルムは、表面の耐擦
り傷性が優れているため、これを製造する際、或いは使
用に供した場合、表面に擦り傷等の傷がほとんど発生せ
ず、これにより受光面である複合フィルム表面の透明性
が維持され、太陽からの受光量が低下することがない。
従って、太陽電池に用いた場合、当初設計通りの受光量
が、製造後も、設置後、さらには使用後も維持され得
る。また自動車用ガラス(特にサイドガラス)又は建築
用ガラス(例、ショーウインドー、壁面ガラス)に使用
した場合も、設置作業中或いは使用する内に発生する表
面に擦り傷等の傷がほとんどなくなるため、積層フィル
ム表面の透明性の低下が防止されることから、傷の発生
により、自動車や建物の中から外が目えにくくなった
り、外観が損なわれたりすることがない。
【0035】図2に、図1の透明複合フィルムのハード
コート層上にさらに反射防止膜が設置された基本構造を
有する透明複合フィルムの一例を示す。図2に示すよう
に、透明複合フィルム20は、有機ポリマーフィルム層
21、その一方の表面に設けられた透明接着剤層22、
他の表面に設けられた硬化性樹脂の硬化被膜からなるハ
ードコート層23、そしてこのハードコート層23上に
設けられた反射防止膜26から構成されている。反射防
止膜26の設置により、ハードコート層を反射、散乱し
て失われる光が相当量透過することとなり、このため太
陽電池においては光を従来より有効に利用することがで
きる。またガラス板より反射率を低下させることも可能
である。一方、自動車用ガラス又は建築用ガラスに使用
した場合は、反射光が低減することにより眩しくなくな
るとの利点が得られ、使用範囲を大幅に拡大させること
ができる。
【0036】図3に、本発明の透明複合フィルムの別の
態様の一例を示す。透明複合フィルム30は、有機ポリ
マーフィルム層31、その一方の表面に防湿層34を介
して透明接着剤層32が設けられ、さらにフィルム層3
1の他の表面にハードコート層33が設けられている。
防湿層は、例えば、有機ポリマーフィルム層に直接蒸着
等により設けても良いし、或いは防湿性を有する無機酸
化物の層を別の有機ポリマーフィルムに形成し、この積
層体を有機ポリマーフィルム層31と無機酸化物の層を
挟むように積層しても良い。
【0037】図4に、図3の透明複合フィルムのハード
コート層上にさらに反射防止膜が設置された基本構造を
有する透明複合フィルムの一例を示す。図4に示すよう
に、透明複合フィルム40は、有機ポリマーフィルム層
41、その一方の表面に防湿層44を介して設けられた
透明接着剤層42、他の表面に設けられた硬化性樹脂の
硬化被膜からなるハードコート層43、そしてこのハー
ドコート層43上にさらに設けられた反射防止膜46か
ら構成されている。
【0038】防湿性の無機酸化物の層を、有機ポリマー
フィルム層又は別の有機ポリマーフィルムに形成する場
合、その接着性を向上させるために、フィルム(層)上
にアンカーコート層を設け、その上に無機酸化物層を設
けることが好ましい。このような態様の一例を図5に示
す。透明複合フィルム50では、有機ポリマーフィルム
層51、その一方の表面に防湿層(無機酸化物の層)5
4を介して透明接着剤層52が設けられ、さらに有機ポ
リマーフィルム層51と防湿層54の間にアンカーコー
ト層55が設けられ、さらにまたフィルム層51の他の
表面のハードコート層53が設けられている。
【0039】図6に、図5の透明複合フィルムのハード
コート層上にさらに反射防止膜が設置された基本構造を
有する透明複合フィルムの一例を示す。図6に示すよう
に、透明複合フィルム60は、有機ポリマーフィルム層
61、その一方の表面に防湿層(無機酸化物の層)64
を介して設けられた透明接着剤層62、さらに有機ポリ
マーフィルム層61と防湿層64の間に設けられたアン
カーコート層65、他の表面に設けられた硬化性樹脂の
硬化被膜からなるハードコート層63、そしてこのハー
ドコート層63上に設けられた反射防止膜66から構成
されている。
【0040】防湿層として、塗布タイプの防湿コート層
(塗布型防湿層)を設ける場合は、例えば図7に示す構
成を採ることが好ましい。図7に、本発明の透明複合フ
ィルムの他の態様の一例を示す。透明複合フィルム70
では、有機ポリマーフィルム層71、その一方の表面に
透明接着剤層72が設けられ、フィルム層71の他の表
面に防湿層74を介してハードコート層73が設けられ
ている。防湿層は、有機ポリマーフィルム層に一般に塗
布により設けられる。この塗布型防湿層を別の有機ポリ
マーフィルムに形成し、この積層体を有機ポリマーフィ
ルム層71と、防湿層を挟むように積層しても良い。塗
布タイプの防湿層(防湿コート層)の場合、一般に、有
機ポリマーフィルム層に直接塗布により設けることが好
ましく、これにより簡単な方法で、少ない積層数であり
ながら、防湿性に優れた透明複合フィルムを得ることが
できる。
【0041】図8に、図7の透明複合フィルムのハード
コート層上にさらに反射防止膜が設置された基本構造を
有する透明複合フィルムの一例を示す。図8に示すよう
に、透明複合フィルム80は、有機ポリマーフィルム層
81、その一方の表面に設けられた透明接着剤層82、
及びフィルム層81の他の表面に防湿層84を介してハ
ードコート層83、そしてこのハードコート層83上に
設けられた反射防止膜86から構成されている。
【0042】上記塗布型防湿層は、一般に溶剤可溶性弗
素系樹脂の塗布層である。このような層は、一般に接触
角が大きく、ハードコート層との接着性が不充分なた
め、この塗布層の表面を改質して、ハードコート層の表
面の接触角と略同一となるように処理することが好まし
い。表面の改質方法としては、塗布層を硬化等させて防
湿層とした後、その表面をコロナ放電処理、プラズマ処
理、火炎処理等を行うことであり、コロナ放電処理が好
ましい。或いは、後述するように、ハードコート層自
体、防湿層と同程度の接触角を有するものを使用するこ
とにより、接着性を改善することもできる。
【0043】本発明の透明複合フィルムの別の態様とし
て、図1に示すように、有機ポリマーフィルム層、透明
接着剤層、及び硬化性樹脂の硬化被膜からなるハードコ
ート層とからなる構成を有し、ハードコート層として防
湿性を有するものを使用した透明複合フィルムを挙げる
ことができる。このようなハードコート層は、弗素原子
含有熱重合型シリコーン系樹脂(特開平9−32413
9号公報参照)を用いることにより得ることができる。
或いはハードコート層形成材料に、弗素樹脂、酸化珪素
等の前記の防湿層の形成材料である防湿材料を含有さ
せ、硬化により形成されたハードコート層に防湿機能を
付与することも可能である。簡便に、防湿性と高硬度が
得られるので、特に高性能を必要としない場合に有利で
ある。
【0044】これまで述べた本発明の透明複合フィルム
は、例えば、ハードコートを形成した有機ポリマーフィ
ルム層(必要により防湿層を有する)を、透明接着剤層
とラミネート等により接着積層一体化することにより容
易に製造することができる。あるいは、ハードコートの
形成を最後に行うことも可能である。
【0045】次に、上記本発明の透明複合フィルムを有
する本発明の太陽電池について説明する。その実施形態
の例を示す断面図を図9〜図12に示す。
【0046】図9において、受光面側の表面側透明保護
部材としての有機ポリマーフィルム層91Aと裏面側保
護部材(バックカバー材)91Bとの間にエチレン−酢
酸ビニル共重合体(EVA)等からなる透明接着剤層9
2A,92Bの封止膜により、太陽電池用セル、即ち、
シリコン等の発電素子94が封止されており、さらに有
機ポリマーフィルム層91Aと透明接着剤層92Aとの
間に防湿層94が設けられ、そして有機ポリマーフィル
ム層91Aの表面にハードコート層93が形成されてい
る。即ち、有機ポリマーフィルム層91A、防湿層9
4、透明接着剤層92A及びハードコート層93の積層
体が、前記図3の本発明の透明複合フィルムに相当す
る。裏面側保護部材(バックカバー材)91Bは、一般
にガラス基板又は有機フィルム層である。
【0047】図9に示す太陽電池は、表面側透明保護部
材として有機ポリマーフィルム層を用いているにも拘わ
らず、その表面にハードコート層を有するため、製造す
る際、或いは使用に供した場合、表面に擦り傷等の傷が
ほとんど発生せず、これにより受光面である積層フィル
ム表面の透明性が維持され、太陽からの受光量が低下す
ることがなく、さらに防湿層を有するためガラス板に匹
敵する耐久性を有することができる。
【0048】図10に、図2のハードコート層上にさら
に反射防止膜が設置された透明複合フィルムを用いた太
陽電池の一例を示す。図10において、受光面側の表面
側透明保護部材としての有機ポリマーフィルム層101
Aと裏面側保護部材(バックカバー材)101Bとの間
にエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等からなる
透明接着剤層102A,102Bの封止膜により、太陽
電池用セル、即ち、シリコン等の発電素子104が封止
され、さらに有機ポリマーフィルム層101Aの表面に
ハードコート層103が形成され、そしてこのハードコ
ート層103上に反射防止膜106が設けられている。
【0049】図10に示す太陽電池は、表面側透明保護
部材として有機ポリマーフィルム層を用いているにも拘
わらず、その表面にハードコート層を有するため、製造
する際、或いは使用に供した場合、表面に擦り傷等の傷
がほとんど発生せず、これにより受光面である積層フィ
ルム表面の透明性が維持され、太陽からの受光量が低下
することがない。そして、ハードコート層上に反射防止
層がさらに設けられているため、ハードコート層を反
射、散乱して失われる光が相当量透過することとなり、
このためこの太陽電池においては光を従来より有効に利
用することができる。従って、この太陽電池は従来に比
べて大幅に向上した受光量が、製造後も、設置後、さら
には使用後も維持され得る。
【0050】また、図11の太陽電池110において
は、受光面側の表面側透明保護部材としての有機ポリマ
ーフィルム層111Aと、裏面側保護部材(バックカバ
ー材)として有機ポリマーフィルム層111Bとの間に
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等からなる透
明接着剤層112A,112Bの封止膜により、太陽電
池用セル、即ち、シリコン等の発電素子114が封止さ
れており、さらに有機ポリマーフィルム層111A及び
111Bと透明接着剤層112A及び112Bとのそれ
ぞれの間に防湿層114A及び114Bが設けられ、有
機ポリマーフィルム層111A及び111Bの表面にそ
れぞれハードコート層113A及び113Bが形成され
ている。
【0051】図11の構成の場合、太陽電池の保護材と
してはガラスを全く用いていないために極めて軽量かつ
薄肉の耐傷性に優れた太陽電池が得られる。
【0052】図12に、図11のそれぞれハードコート
層上にさらに反射防止膜が設置された基本構造を有する
太陽電池の一例を示す。図12において、受光面側の表
面側透明保護部材としての有機ポリマーフィルム層12
1Aと裏面側保護部材(バックカバー材)121Bとの
間にエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等からな
る透明接着剤層122A,122Bの封止膜により、太
陽電池用セル、即ち、シリコン等の発電素子124が封
止され、さらに有機ポリマーフィルム層121A及び1
21Bの表面に、それぞれハードコート層123A及び
123Bが形成され、さらにこれらのハードコート層の
それぞれの表面に反射防止膜126A及び126Bが設
けられている。
【0053】上記図11及び12のような本発明の太陽
電池は、薄肉、軽量であるため、様々な窓、天窓、そし
て自動車のサンルーフ等に使用するのに有利である。
【0054】次に、上記本発明の反射防止膜付き透明複
合フィルムを有する本発明のフィルム強化ガラスについ
て説明する。その実施形態の例を示す断面図を図13に
示す。
【0055】図13において、ガラス板138上に、透
明接着剤層132を介して有機ポリマーフィルム層13
1が設けられ、さらにその表面に硬化性樹脂の硬化被膜
からなるハードコート層133、さらにその上に反射防
止膜136が設けられている。このようなフィルム強化
ガラスを、例えば自動車のサイドガラス、或いは建築用
ガラス(窓等)に使用した場合は、反射光が低減するこ
とにより眩しくなくなるとの利点が得られ、使用範囲を
大幅に拡大させることができる。また耐湿層等の設置に
よりさらに耐久性も向上する。
【0056】本発明の透明複合フィルムにおける有機ポ
リマーフィルム層は、有機ポリマーフィルムのみからな
るものでも良いし、防湿機能を有する有機ポリマーフィ
ルム層、或いは防湿層を有する有機ポリマーフィルム
(防湿フィルム)であっても良い。また、耐光フィルム
でも良いし、防湿性を有するこれらのフィルムのいずれ
かと耐光フィルムとを積層一体化したものでも良い。
【0057】有機ポリマーフィルムとしては、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ
ート(PEN)、アクリル樹脂、ポリカーボネート;ポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)、4−フッ化エ
チレン−パークロロアルコキシ共重合体(PFA)、4
−フッ化エチレン−6−フッ化プロピレン共重合体(F
EP)、2−エチレン−4−フッ化エチレン共重合体
(ETFE)、ポリ3−フッ化塩化エチレン(PCTF
E)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びポリフッ
化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂等の各フィルムを挙
げることができる。上記フィルムの厚さは、6〜250
μm程度であることが好ましい。
【0058】或いは、有機ポリマーフィルムとして、ポ
リエチレンテレフタレート(PET)フィルム等に、シ
リカ又はアルミナ等の無機酸化物をコーティングした防
湿フィルム(前記無機酸化物層を有する有機フィルムを
含む)、或いは、この透明フィルム2枚をコーティング
面同士を貼り合わせてなる積層フィルムを使用すること
も好ましい。上記各フィルムの厚さは、12〜500μ
m程度であることが好ましい。
【0059】また、有機ポリマーフィルムとして、ポリ
テトラフルオロエチレン(PTFE)、4−フッ化エチ
レン−パークロロアルコキシ共重合体(PFA)、4−
フッ化エチレン−6−フッ化プロピレン共重合体(FE
P)、2−エチレン−4−フッ化エチレン共重合体(E
TFE)、ポリ3−フッ化塩化エチレン(PCTF
E)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びポリフッ
化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂フィルム、或いは、
アクリル、ポリカーボネート、PET、ポリエチレンナ
フタレート(PEN)等の樹脂に紫外線吸収剤を練り込
んだ樹脂組成物を成膜した耐光性フィルムを使用するこ
とも好ましい。その紫外線吸収剤としては、2−ヒドロ
キシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−メトキシ−5−スルフォベンゾフェノン等のベンゾフ
ェノン系;2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系;フ
ェニルサルシレート、p−t−ブチルフェニルサルシレ
ート等のヒンダートアミン系紫外線吸収材が挙げられ、
通常の場合、基材樹脂に対して1〜20質量%程度配合
される。上記フィルムの厚さは、12〜200μm程度
であることが好ましい。
【0060】さらに、上記防湿フィルムと耐光フィルム
とを積層一体化してなる有機フィルムであれば、太陽電
池の透明保護部材に要求される防湿性と耐光性を十分に
満足することができる。
【0061】前記防湿フィルムは、例えば、PETフィ
ルム等の透明基材フィルムにCVD(化学蒸着)、PV
D(反応蒸着)法等により、シリカ、アルミナ等の無機
酸化物のコーティング膜よりなる防湿膜を形成したもの
が好ましい。即ち、防湿フィルムとしては、基材フィル
ムにアルミニウム等の金属のコーティング膜を形成した
ものも知られているが、アルミニウム等の金属では、太
陽電池に適用した場合、電流がリークする恐れがあるた
め、防湿膜としては、無機酸化物のコーティング膜(無
機酸化物の層)が好ましい。
【0062】前述したように、有機ポリマーフィルム層
又は別の有機ポリマーフィルムに無機酸化物の蒸着層を
形成する場合、その接着性を向上させるために、フィル
ム(層)上にアンカーコート層を設けることが好まし
い。アンカーコート層の形成材料としては、ポリエステ
ル樹脂、アルキド樹脂、ウレタンアルキド樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂等を使用
できるが、高度の耐久性の要求される太陽電池用の表面
又は裏面側透明保護部材においては、多くの場合これら
の樹脂では充分な効果が得られない。本発明では、アク
リル系樹脂が好ましく、特にアクリルウレタン樹脂を用
いることにより防湿フィルムの耐透湿性を大幅に向上さ
せることができる。
【0063】上記アクリル系樹脂としては、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸2−ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸
エステルと、アクリル酸、メタクリル酸等のコモノマー
との共重合体;或いは、これらの共重合体の側鎖にカル
ボキシル基、水酸基、メチロール基、グリシジル基等の
官能基を導入し、テトラメチレンジイソシアネート、ト
リメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イ
ソシアネート、或いはTDI(トリレンジイソシアネー
ト)、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、
NDI(ナフタレンジイソシアネート)等の芳香族イソ
シアネートで架橋して得られるアクリルウレタン樹脂で
あれば、より一層優れた効果が得られる。
【0064】アンカーコート層は、上記材料の塗布液を
フィルム上に塗布し、乾燥させることにより容易に形成
することができる。アンカーコート層の厚さは、0.0
1〜1μmの範囲が好ましい。
【0065】なお、上記アンカーコート層と有機フィル
ムとの接着性を向上させるために、アンカーコート層を
形成する前に、フィルム表面をコロナ放電処理しても良
い。
【0066】また、無機酸化物の蒸着膜の形成に当た
り、無機酸化物をフィルムに蒸着した後、40〜80℃
で24時間以上養生することにより、防湿性を一層高め
ることができ、また蒸着膜の密着安定性の向上にもつな
がる。
【0067】上記防湿フィルムの場合、基材フィルムと
しては厚さ6〜250μmのPETフィルムが好適であ
り、防湿膜(無機酸化物層)は5μm以下程度の厚さに
形成するのが好ましい。
【0068】このようなアンカーコートは、塗布型防湿
層或いはハードコート層を設ける場合にもフィルム表面
に予め設けておくことが好ましい。
【0069】本発明の好ましい防湿層を有する有機ポリ
マーフィルム層は、上述の防湿フィルムと耐光フィルム
との間に接着シートを介在させて、当該接着シートの接
着条件で加熱加圧するなどにより接着一体化することに
より、容易に製造することができる。ここで用いられる
接着シートとしては一般に太陽電池の製造に用いられ
る、後述のEVAフィルムが好ましく、その厚さは5〜
50μm程度であることが好ましい。
【0070】なお、上記の防湿層を有する有機ポリマー
フィルム層は、耐光フィルムが表面側に、防湿フィルム
が内面側に配置されるのが好ましい。このような有機ポ
リマーフィルム層を用いて本発明の太陽電池を製造する
には、従来の太陽電池のガラス板の代りに本発明の上記
層を用いて封止を行えば良いが、その際、フィルム層を
予め封止用EVAフィルムと積層一体化した本発明の透
明複合フィルムの形態で用いられる。
【0071】本発明の太陽電池は、例えば、裏面側透明
保護部材としてのガラス板や高機能性積層フィルム、シ
リコン発電素子等の太陽電池用セル、封止用EVAフィ
ルム等の透明接着剤層、及び上述の本発明のハードコー
ト層及び透明接着剤層を有する有機ポリマーフィルム層
の積層体を、常法に従って、真空ラミネーターで温度1
20〜150℃、脱気時間2〜15分、プレス圧力0.
5〜1気圧、プレス時間8〜45分にて、加熱加圧圧着
することにより容易に製造することができる。
【0072】前記図4で述べたように、防湿層として、
塗布タイプの防湿コート層(塗布型防湿層)を設ける場
合は、防湿層は、有機ポリマーフィルム層(或いは別の
フィルム)に塗布により設けられる。上記塗布型防湿層
は、一般に溶剤可溶性弗素系樹脂の塗布層である。溶剤
可溶性弗素系樹脂の例としては、結晶性のポリクロロト
リフルオロエチレン(PCTFE)を非結晶性にしたも
のを挙げることができ、これは例えば商品名:オプスタ
ーJE−4200(JSR(株)製)として入手でき
る。この商品は、接触角89度(純水使用)、熱硬化
(通常100℃、数分)可能、溶剤(MIBK、酢酸エ
チル、エチルカーボネート、イソホロン、代替えフロン
等)に可溶、耐候性良好で、透湿性が2.2g/m
24Hr(200μmの時;試験方法はカップ内に封入
した純水の重量減少を精秤)の特性を有する。
【0073】また、上記塗布型防湿層とハードコート層
との接着性を向上させるために、防湿層の前記表面処理
以外に、ハードコート層自体、防湿層と同程度の接触角
を有するものを使用することにより行うこともできる。
例えば、ハードコート形成材料に、撥水・撥油剤を添加
して、ハードコートを形成することができる。撥水・撥
油剤の例としては、弗素系表面改質剤(例、商品名サー
フロンS−381、(株)旭硝子製)、シリコン系表面
改質剤(例、シリコーンオイル、東レ・ダウコーニング
・シリコーン(株)製)が好ましい。このような撥水・
撥油剤の例は、例えば特許2933266号に記載され
ている。
【0074】本発明の透明接着剤層に用いられる有機樹
脂としては、特に限定されるものではないが、好適な例
として、EVA、ポリビニルアセタール系樹脂(例え
ば、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール(P
VB樹脂)、変性PVB)、塩化ビニル樹脂を挙げるこ
とができる。特にEVAが好ましい。
【0075】EVAフィルムの製膜原料としてのEVA
樹脂組成物には、耐候性の向上のために架橋剤を配合し
て架橋構造を持たせるが、この架橋剤としては、一般
に、100℃以上でラジカルを発生する有機過酸化物が
用いられ、特に、配合時の安定性を考慮に入れれば、半
減期10時間の分解温度が70℃以上であるものが好ま
しい。このような有機過酸化物としては、例えば2,5
−ジメチルヘキサン;2,5−ジハイドロパーオキサイ
ド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキサン;3−ジ−t−ブチルパーオキサイド;
t−ジクミルパーオキサイド;2,5−ジメチル−2,
5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン;ジクミルパ
ーオキサイド;α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ
イソプロピル)ベンゼン;n−ブチル−4,4−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ブタン;2,2−ビス(t−
ブチルパーオキシ)ブタン;1,1−ビス(t−ブチル
パーオキシ)シクロヘキサン;1,1−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン;t−ブチルパーオキシベンゾエート;ベンゾイルパ
ーオキサイド等を用いることができる。これらの有機過
酸化物の配合量は、一般にEVA樹脂100質量部に対
して5質量部以下、好ましくは1〜3質量部である。
【0076】また、接着力向上の目的で、EVA樹脂に
シランカップリング剤を添加することができる。この目
的に供されるシランカップリング剤としては公知のも
の、例えばγ−クロロプロピルトリメトキシシラン;ビ
ニルトリクロロシラン;ビニルトリエトキシシラン;ビ
ニル−トリス−(β−メトキシエトキシ)シラン;γ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン;β−
(3,4−エトキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン;ビニルトリアセトキシシラン;γ−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン;γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン;N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。こ
れらのシランカップリング剤の配合量は、一般にEVA
樹脂100質量部に対して5質量部以下、好ましくは
0.1〜2質量部である。
【0077】更に、EVA樹脂のゲル分率を向上させ、
耐久性を向上するためにEVA樹脂に架橋助剤を添加す
ることができる。この目的に供される架橋助剤として
は、公知のものとしてトリアリルシアヌレート、トリア
リルイソシアヌレート等の3官能の架橋助剤の他、NK
エステル(商品名)等の単官能の架橋助剤等も挙げるこ
とができる。これらの架橋助剤の配合量は、一般にEV
A樹脂100質量部に対して10質量部以下、好ましく
は1〜5質量部である。
【0078】更に、EVA樹脂の安定性を向上する目的
でハイドロキノン;ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル;p−ベンゾキノン;メチルハイドロキノンなどを添
加することができ、これらの配合量は、一般にEVA樹
脂100質量部に対して5質量部以下である。
【0079】更に、必要に応じ、上記以外に着色剤、紫
外線吸収剤、老化防止剤、変色防止剤等を添加すること
ができる。着色剤の例としては、金属酸化物、金属粉等
の無機顔料、アゾ系、フタロシアニン系、アヂ系、酸性
又は塩基染料系レーキ等の有機顔料がある。紫外線吸収
剤には、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノ
ン;2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルフォベン
ゾフェノン等のベンゾフェノン系;2−(2’−ヒドロ
キシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベ
ンゾトリアゾール系;フェニルサルシレート;p−t−
ブチルフェニルサルシレート等のヒンダートアミン系が
ある。老化防止剤としては、アミン系;フェノール系;
ビスフェニル系;ヒンダートアミン系があり、例えばジ
−t−ブチル−p−クレゾール;ビス(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペラジル)セバケート等があ
る。
【0080】本発明の有機ポリマーフィルムの表面に設
けられるハードコート層は、熱硬化性樹脂又は紫外線硬
化性樹脂の硬化被膜からなる層であり、特に紫外線硬化
性樹脂を用いることにより極めて容易に、耐擦傷性に優
れたハードコート層をフィルム上に設けることができ
る。
【0081】熱硬化性樹脂としては、熱硬化型シリコー
ン組成物(例えば有機ポリシロキサン形成するメチルト
リメトキシシラン)が好ましく、シラノール基の脱水縮
合に3次元架橋がなされ、高硬度の被膜が得られる。一
般に、80〜220℃にて、10分〜1時間加熱するこ
とにより硬化させることができる。
【0082】また硬化性樹脂として、エチレン性二重結
合(好ましくはアクリロイル基又はメタクリロイル基)
を有する樹脂又はオリゴマーを使用することができ、こ
れは一般に光硬化することによりハードコート層とする
ことができる。
【0083】あるいは、本発明のハードコート層は、シ
リカ微粒子を含有する硬化性樹脂の硬化被膜からなる層
であることも好ましい。特に紫外線硬化性樹脂を用いる
ことにより極めて容易に、耐擦傷性に優れたハードコー
ト層をフィルム上に設けることができる。
【0084】上記シリカ微粒子の一次粒径が1〜200
nmの範囲にあることが好ましい。またシリカ微粒子
が、重合性不飽和基(好ましくは重合性二重結合基)を
有するものであり、特にシリカ微粒子と重合性不飽和基
(及び好ましくはウレタン結合)を有するアルコキシシ
ラン化合物との反応により形成されるものが好ましい。
【0085】上記シリカ微粒子は、粉体状シリカまたは
コロイダルシリカであり、一次粒径が1〜200nm
(mμ)の範囲、さらに好ましくは10〜50nmの範
囲である。シリカ微粒子の形状は球状、中空状、多孔質
状、棒状、板状、繊維状、もしくは不定形状であり、好
ましくは球状である。シリカ微粒子の比表面積は0.1
〜3000m/gであり、好ましくは10〜1500
/gである。これらのシリカ微粒子の使用形態は乾
燥状態の粉末、もしくは水もしくは有機溶剤で分散した
状態で用いることができ、コロイダルシリカとして知ら
れている微粒子状のシリカ微粒子の分散液を直接用いる
ことができる。特に透明性を得るためにはコロイダルシ
リカの利用が好ましい。コロイダルシリカの分散溶媒が
水の場合、その水素イオン濃度はpH値として2〜10
の範囲であり、好ましくはpH3〜7の酸性コロイダル
シリカが用いられる。また、コロイダルシリカの分散溶
媒が有機溶剤の場合、有機溶剤としてメタノ−ル、イソ
プロピルアルコ−ル、エチレングリコ−ル、ブタノ−
ル、エチレングリコ−ルモノプロピルエ−テル、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キ
シレン、ジメチルホルムアミド等の溶剤もしくはこれら
と相溶する有機溶剤もしくは水との混合物として用いて
も良い。好ましい分散溶剤はメタノ−ル、イソプロピル
アルコ−ル、メチルエチルケトン、キシレンである。シ
リカ微粒子の市販品としては、例えば、コロイダルシリ
カとしては日産化学工業(株)製のメタノ−ルシリカゾ
ル、IPA−ST、MEK−ST、NBA−ST、XB
A−ST、DMAC−STおよびST−UP、ST−O
UP、ST−20、ST−40、ST−C、ST−N、
ST−O、ST−50、ST−OL等をあげることがで
きる。また粉体状シリカとしては、日本アエロジル
(株)製のアエロジル130、アエロジル300、アエ
ロジル380、アエロジルTT600及びアエロジルO
X50、旭硝子(株)製のシルデックスH31、H3
2、H51、H52、H121、H122、日本シリカ
工業(株)製のE220A、E220 富士シリシア
(株)製のサイリシア470、日本板硝子(株)製のS
Gフレ−ク等を挙げることができる。
【0086】前記のように、本発明のハードコート層形
成用の硬化性樹脂(一般に紫外線硬化性樹脂)に含まれ
るシリカ微粒子として、シリカ微粒子と重合性不飽和基
(及び好ましくはウレタン結合)を有するアルコキシシ
ラン化合物との反応により形成されるもの(以下「変性
シリカ微粒子」と言う)が好ましく、これは下記の構成
を有するものが好ましい。
【0087】本発明の上記変性シリカ微粒子は、重合性
不飽和基とウレタン結合基、式(I)−X−C(=Y)
−NH−で表される有機基とを有するアルコキシシラン
化合物とシリカ微粒子を反応させて得られる反応生成物
であることが好ましい(上記式(I)中、Xは−NH
−、−O−または−S−であり、Yは酸素原子またはイ
オウ原子である、但しXが−O−のときYはイオウ原子
である)。
【0088】上記変性シリカ微粒子は、アルコキシシラ
ン化合物とシリカ微粒子とを少なくとも混合する操作を
含む方法により製造される。シリカ微粒子に固定された
アルコキシシラン化合物残渣の含有量は0.01質量%
以上であり、好ましくは0.1質量%以上、特に好まし
くは1質量%以上のものが用いられる。シリカ微粒子中
に固定されたアルコキシシラン化合物残渣の含有量が
0.01質量%未満の場合、組成物中のシリカ微粒子或
いはコロイダルシリカの分散性、透明性、耐磨耗性が十
分でない場合がある。また製造時の原料組成物中におけ
るアルコキシシラン化合物の割合は好ましくは10質量
%以上であり、特に好ましくは30質量%以上である。
アルコキシシラン化合物の割合が10質量%未満の場
合、紫外線硬化性樹脂の成膜性が悪い場合がある。ま
た、紫外線硬化性樹脂中のシリカ微粒子の割合は好まし
くは50質量%以下であり、特に好ましくは20質量%
以下である。紫外線硬化性樹脂中のシリカ微粒子の割合
が50質量%以上の場合、本発明組成物の分散性、透明
性、耐磨耗性が十分でない場合がある。
【0089】アルコキシシラン化合物は分子中に重合性
不飽和基、ウレタン結合基、前記式(I)で表される有
機基およびアルコキシシリル基を構成成分として少なく
ともそれぞれ1個含んでいる。アルコキシシリル基は加
水分解、縮合反応によりシリカ微粒子の表面に存在する
シラノ−ル基と結合する成分であり、また、重合性不飽
和基とは、活性ラジカル種により付加重合を経て分子間
で化学架橋する成分である。また、前記式(I)で表さ
れる2価の有機基である−X(C=Y)NH−基および
ウレタン結合基はこれらアルコキシシリル基を有する分
子片と重合性不飽和基を有する分子片とを直接もしくは
他の分子片を介して結合する構成単位であると同時に分
子間において水素結合による適度の凝集力を発生させ、
本発明ハードコート層に優れた力学的強度、基材との密
着性、耐熱性等の性能を発生させると考えられる。−X
(C=Y)NH−基としては、−S(C=O)NH−基
が好ましい。
【0090】アルコキシシラン化合物の構造としては例
えば、一般式(II);
【0091】
【化1】 で表されるアルコキシシラン化合物をあげることができ
る。
【0092】上記一般式(II)において、Rは水素原
子、およびC〜Cの1価の有機基であり、例えば、
メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、オクチ
ル基等である。Rは水素原子、およびC〜Cの1
価のアルキル基である。mは1、2もしくは3であり、
(RO)Si3−mで示されるアルコキシシリ
ル基としては例えば、トリメトキシシリル基、トリエト
キシシリル基、トリフェノキシシリル基、メチルジメト
キシシリル基、ジメチルメトキシシリル基等をあげるこ
とができ、好ましくは、トリメトキシシリル基およびト
リエトキシシリル基である。
【0093】また、式中、−[(C=O)NH−R
NH(C=O)O−X−O]−として示される構造単
位は前記式(II)に示す構造において分子鎖を延長する
ことを目的として導入される。RはC〜Cの2価
の有機基である。Rは2価の有機基であり、Rと同
一でも異なっていてもよく、通常、分子量14〜1万、
好ましくは、分子量78〜1000の2価の有機基の中
から選ばれ、例えば、メチレン、エチレン、プロピレ
ン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、ドデカメチレン
等の鎖状ポリアルキレン基;シクロヘキシレン、ノルボ
ルニレン等の脂環式または多環式の2価の有機基;ビニ
レン、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ポリフ
ェニレン等の2価の芳香族基;等をあげることができ、
また、これらのアルキル基置換体、アリ−ル基置換体も
用いることができる。これら2価有機の構造中には炭
素、水素原子以外の元素から構成される原子団を含んで
いてもよい。式中、pは0もしくは1であり、Xは2価
の有機基であり、さらにイソシアネ−ト基と付加反応で
きる活性水素原子を分子内に2個以上有する化合物から
誘導される2価の有機基であり、例えば、ポリアルキレ
ングリコ−ル類、ポリアルキレンチオグリコ−ル類、ポ
リエステル類、ポリアミド類、ポリカ−ボネ−ト類、ポ
リアルキレンジアミン類、ポリアルキレンジカルボン酸
類、ポリアルキレンジオ−ル類、ポリアルキレンジメル
カプタン類から活性水素原子を2個除くことで誘導され
る2価の有機基をあげることができる。また、R
(n+1)価の有機基である。このような有機基は、好
ましくは鎖状、分岐状または環状の飽和炭化水素基、不
飽和炭化水素基、脂環式基の中から選ばれる。また、n
は好ましくは1〜20の正の整数であり、より好ましく
は1〜10であり、さらに好ましくは3〜5である。前
記式中Yは活性ラジカル種の存在下、分子間架橋反応を
する重合性不飽和基を分子中に有する1価の有機基を表
し、例えば、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、ビニ
ル基、プロペニル基、ブタジエニル基、スチリル基、エ
チニイル基、シンナモイル基、マレエ−ト基、アクリル
アミド基等があげられる。これらの中でアクリロキシ基
が好ましい。
【0094】アルコキシシラン化合物の分子構造の形成
には、通常、メルカプト基を有するアルコキシシラン、
すなわちメルカプトアルコキシシランと、ポリイソシア
ネ−ト化合物およびイソシアネ−ト基と付加反応を起こ
す活性水素を有する活性水素基含有重合性不飽和化合物
との付加反応により行うことができる。
【0095】アルコキシシラン化合物の製造方法として
は例えば、(A)法;まずメルカプトアルコキシシラン
とポリイソシアネ−ト化合物との付加体を反応させるこ
とにより分子中にアルコキシシリル基、−S(C=O)
NH−結合基、及びイソシアネ−ト基を含む中間体を製
造し、次に中間体中に残存するイソシアネ−トに対して
活性水素基含有重合性不飽和化合物を反応させウレタン
基を介して結合させる方法。(B)法;まずポリイソシ
アネ−ト化合物と活性水素基含有重合性不飽和化合物と
の付加体を反応させることにより分子中に重合性不飽和
基、ウレタン結合基、およびイソシアネ−ト基を含む中
間体を形成し、これにメルカプトアルコキシシランを反
応させ−S(C=O)NH−基を介して結合させる方法
等をあげることができる。さらに、前記(A)または
(B)法において、鎖延長単位としてさらに、イソシア
ネ−トと付加反応を起こす活性水素を分子内に2個以上
有する鎖状、環状または分岐状の化合物をポリイソシア
ネ−ト化合物とのウレタン結合を介して延長することも
できる。
【0096】前記式(II)に示した化合物を製造におい
て、直接、ポリイソシアネ−ト化合物との反応により−
S(C=O)NH−結合を形成することができるアルコ
キシシランの例としては、反応生成物としてアルコキシ
シリル基とメルカプト基を分子中にそれぞれ1個以上有
する化合物の中から選ぶことができる。例えば、メルカ
プトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピル
トリエトキシシラン、メルカプトプロピルメチルジエト
キシシラン、メルカプトプロピルジメトキシメチルシラ
ン、メルカプイトプロピルメトキシジメチルシラン、メ
ルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトプロ
ピルトリフェノキシシラン、メルカプトプロピルトリブ
トキシシラン等のメルカプトアルコキシシランをあげる
ことができ、好ましくはメルカプトプロピルトリメトキ
シシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシランであ
る。市販されているメルカプトアルコキシシランとして
は、例えば東レ・ダウ・コ−ニング(株)製のSH60
62をあげることができる。これらメルカプトアルコキ
シシランは単独または2種以上を混合して用いてもよ
く、さらに、メルカプトアルコキシシランの例として
は、アミノ置換アルコキシシランとエポキシ基置換メル
カプタンとの付加生成物、エポキシシランとα、ω−ジ
メルカプト化合物との付加生成物を利用することができ
る。アルコキシシラン化合物を製造する際に利用する、
ポリイソシアネ−ト化合物としては鎖状飽和炭化水素、
環状飽和炭化水素、芳香族炭化水素で構成されるポリイ
ソシアネ−ト化合物の中から選ぶことができ、単独もし
くは2種以上混合して用いることができる。1分子中の
イソシアネ−ト基の個数は、通常2以上、30未満であ
り、好ましくは2以上10未満である。30を超えると
生成物の粘度が高くなり作業性が低下する場合がある。
【0097】このようなポリイソシアネ−ト化合物の例
としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネ−ト、
ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、2,2,4−トリメチ
ルヘキサメチレンジイソシアネ−ト等の鎖状炭化水素ポ
リイソシアネ−ト化合物;イソフォロンジイソシアネ−
ト、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ−ト、メチレ
ンビス(4−シクロヘキシルイソシアネア−ト)、水添
ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、水添キシレンジイ
ソシアネ−ト、水添トルエンジイソシアネ−ト、1,3
−ビス(イソシアナ−トメチル)シクロヘキサン等の環
状飽和炭化水素ポリイソシアネ−ト化合物;2,4−ト
リレンジイソシアネ−ト、2,6−トリレンジイソシア
ネ−ト、1,3−キシリレンジイソシアネ−ト、1,4−
キシリレンジイソシアネ−ト、パラフェニレンジイソシ
アネ−ト、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネ−ト、ジフェニルメタン−4,4’−
ジイソシアネ−ト、4,4’−ビフェニレンジイソシア
ネ−ト、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシ
アネ−ト、4−ジフェニルプロパンジイソシアネ−ト、
リジンジイソシアネ−ト、1,5−ナフタレンジイソシ
アネ−ト、ポリジフェニ−ルメタンのポリイソシアネ−
ト等の芳香族炭化水素ポリイソシアネ−ト化合物を挙げ
ることができる。
【0098】これらの中で好ましい例としては、環状飽
和炭化水素ポリイソシアネ−ト化合物および芳香族炭化
水素ポリイソシアネ−ト化合物であり、さらに好ましく
は環状飽和炭化水素のポリイソシアネ−ト化合物をあげ
ることができる。好ましい具体例としては、イソホロン
ジイソシアネ−ト、水添キシレンジイソシアネ−ト、水
添トルエンジイソシアネ−トである。また市販されてい
るポリイソシアネ−ト化合物を例示すると、三井日曹ウ
レタン(株)製のTDI−80/20、TDI−10
0、MDI−CR100、MDI−CR300、MDI
−PH、NDIや日本ポリウレタン工業(株)製のコロ
ネ−トT、ミリオネ−トMT、ミリオネ−トMR、HD
I、武田薬品工業(株)製 のタケネ−ト600をあげ
ることができる。
【0099】これらポリイソシアネ−ト化合物の使用量
は、前記(A)法に示す製造法においては、メルカプト
アルコキシシランのメルカプト基1当量に対してのイソ
シアネ−ト基当量としては、通常0.1〜100の範囲
内で、好ましくは0.5から10の範囲で、さらに好ま
しくは0.9〜1.2の範囲で添加される。ポリイソシア
ネ−ト化合物基当量の添加量が0.1当量未満の場合、
未反応メルカプトシランが0.9当量以上存在すること
になり、塗膜の磨耗性が十分でない場合がある。また、
100当量を超えたポリイソシアネ−ト化合物の使用
は、未反応イソシアネ−ト基が過剰に存在することにな
り耐候性が低下する場合がある。
【0100】一方、前記(B)法に示す製造法において
は、活性水素基含有重合性不飽和化合物中の活性水素基
1当量に対し、ポリイソシアネート化合物はイソシアネ
ート基当量として通常0.1〜100の範囲であり、好
ましくは0.5〜10当量の範囲で、さらに好ましくは
0.9〜1.2の範囲で添加される。
【0101】前記(A)または(B)法いずれの方法に
おいても、反応時間の短縮を目的として触媒を添加して
もよい。このような触媒としては、塩基性触媒および酸
性触媒のいずれかが用いられる。塩基性触媒の例として
は、ピリジン、ピロ−ル、トリエチルアミン、ジエチル
アミン、ジブチルアミン、アンモニアなどのアミン類;
トリブチルフォスフィン、トリフェニルフォスフィン等
のフォスフィン類を挙げることができる。これらの中で
ピリジン、トリエチルアミン等の第3級アミンが好まし
い。また酸性触媒としては、ナフテン酸銅、ナフテン酸
コバルト、ナフテン酸亜鉛、1,4−ジアザビシクロ
[2.2.2]オクタン(DABCO)、メチルDABC
O、トリブトキシアルミニウム、トリチタニウムテトラ
ブトキシド、ジルコニウムテトラブトキシド等の金属ア
ルコキシド類;3フッ化硼素ジエチルエ−テラ−ト、塩
化アルミニウムなどのルイス酸類;2−エチルヘキサン
酸錫、オクチル錫トリラウレ−ト、ジブチル錫ジラウレ
−ト、オクチル錫ジアセテ−ト等の錫化合物をあげる。
これら触媒の中で好ましいものは酸性触媒であり、特に
好ましくは錫化合物であり、さらに好ましくはオクチル
錫トリラウレ−ト、ジブチル錫ジラウレ−ト、オクチル
錫ジアセテ−ト等である。これら触媒の添加量はポリイ
ソシアネ−ト化合物100質量部に対して0.01〜5
質量部であり、好ましくは0.1〜1質量部である。0.
01質量部未満では触媒添加による反応時間の短縮効果
はわずかであり、一方、5質量部を超えると生成物の保
存安定性が低下する場合がある。
【0102】アルコキシシリル化合物の製造において、
前記ポリイソシアネ−ト化合物と付加反応によりウレタ
ン結合を介し結合できる重合性不飽和化合物の例として
は、分子内にイソシアネ−ト基との付加反応によりウレ
タン結合を形成できる活性水素原子を分子中に1個以上
有し、重合性不飽和基を分子中に1個以上含む化合物の
中から単独もしくは2種以上の混合物として用いること
ができる。
【0103】そのような化合物としては、カルボン酸含
有重合性不飽和化合物、水酸基含有重合性不飽和化合物
がある。例えば、カルボン酸を含有する重合性不飽和化
合物としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、ケイ
ヒ酸、マレイン酸、フマル酸、2−(メタ)アクリロキ
シプロピルヘキサヒドロゲンフタレ−ト、2−(メタ)
アクリロキシエチルヘキサヒドロゲンフタレ−ト等の不
飽和脂肪族カルボン酸類;2−(メタ)アクリロキシプ
ロピルフタレ−ト、2−(メタ)アクリロキシプロピル
エチルフタレ−ト等の不飽和芳香族カルボン酸類;をあ
げることができる。また、水酸基含有重合性不飽和化合
物として、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、2
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロ
キシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレ−
ト、1,4ブタンジオ−ルモノ(メタ)アクリレ−ト、
2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルフォスフ
ェ−ト、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリ
レ−ト、ネオペンチルグリコ−ルモノ(メタ)アクリレ
−ト、ポリ(ペンタメチレンオキシカルボキシレ−ト)
エトキシ(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシスチレン、
ヒドロキシアルファメチルスチレン、ヒドロキシエチル
スチレン、ヒドロキシ末端ポリエチレングリコ−ルスチ
リルエ−テル、ヒドロキシ末端ポリプロピレングリコ−
ルスチリルエ−テル、ヒドロキシ末端ポリテトラメチレ
ングリコ−ルスチリルエ−テル、末端ヒドロキシポリエ
チレングリコ−ル(メタ)アクリレ−ト、末端ヒドロキ
シポリプロピレングリコ−ル(メタ)アクリレ−ト、末
端ヒドロキシポリテトラエチレングリコ−ル(メタ)ア
クリレ−ト、トリメチロ−ルプロパンジ(メタ)アクリ
レ−ト、トリメチロ−ルプロパンモノ(メタ)アクリレ
−ト、EO変性トリメチロ−ルプロパントリ(メタ)ア
クリレ−ト、PO変性トリメチロ−ルプロパントリ(メ
タ)アクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルトリ(メタ)
アクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルジ(メタ)アクリ
レ−ト、ペンタエリスリト−ルモノ(メタ)アクリレ−
ト、ジペンタエリスルト−ルペンタ(メタ)アクリレ−
ト、ジペンタエリスリト−ルテトラ(メタ)アクリレ−
ト、ジペンタエリスリト−ルトリ(メタ)アクリレ−
ト、ジペンタエリスリト−ルジ(メタ)アクリレ−ト、
ジペンタエリスリト−ルモノ(メタ)アクリレ−ト、等
の水酸基含有アクリレ−ト類、水酸基含有メタクリレ−
ト類、水酸基含有スチレン類をあげることができる。
【0104】これらの中で好ましいのは、不飽和脂肪族
カルボン酸類、水酸基含有アクリレ−ト化合物であり、
さらに好ましくは、水酸基含有アクリレ−ト化合物であ
り、例えば、2−ヒドロキシルエチルアクリレ−ト、2
−ヒドロキシプロピルアクリレ−ト、ペンタエリスリト
−ルトリアクリレ−ト、ジペンタエリスルト−ルペンタ
アクリレ−トをあげることができる。
【0105】これら重合性不飽和化合物の使用量はその
活性水素基の当量として、メルカプトアルコキシシラン
とポリイソシアネ−ト化合物との付加反応により得られ
る中間体中の残存イソシアネ−ト基1当量に対し、通
常、1当量以上である。1当量未満ではアルコキシシリ
ル化合物中に活性イソシアネ−ト基が残存する為、水分
との反応による発泡、増粘、着色などの好ましくない性
能が発現する場合がある。
【0106】アルコキシシリル化合物の製造において
は、塗膜の柔軟性や基材に対する密着性向上を目的とし
て、ポリイソシアネ−ト化合物との付加反応によりアル
コキシシリル基と重合性不飽和基との間に2価の有機基
を導入してもよく、そのような2価の有機化合物単位の
前駆体としてはイソシアネ−ト基と付加反応を起こす活
性水素を分子内に2個以上有する鎖状、環状、分岐状の
有機化合物を利用できる。ここで活性水素を有する基の
例としては、水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、
アミノ基、スルホン酸基、リン酸基、シラノ−ル基等を
あげることができる。これらの有機化合物は、活性水素
を2個以上、好ましくは2個以上10個未満、さらに好
ましくは2個を有する。そのような活性水素を有する化
合物の分子量は通常、50〜10万であり、好ましくは
100〜5万、さらに好ましくは500〜1万である。
そのような2価の有機化合物としては、例えば、ポリア
ルキレングリコ−ル類、ポリアルキレンチオグリコ−ル
類、ポリエステルジオ−ル類、ポリアミド類、ポリカ−
ボネ−トジオ−ル類、ポリアルキレンジアミン類、ポリ
アルキレンジカルボン酸類、ポリアルキレンジオ−ル
類、ポリアルキレンジメルカプタン類を挙げることがで
きる。これらの中でポリアルキレングリコ−ルが好まし
い。市販されているポリアルキレングリコ−ル類として
は例えば、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレング
リコ−ル、ポリテトラエチレングリコ−ル、ポリヘキサ
メチレングリコ−ルや、これらの2種以上のポリアルキ
レングリコ−ルとの共重合体の中から選ぶことができ、
日本油脂(株)製のユニセ−フDC1100、ユニセ−
フDC1800、ユニセ−フDCB1100、ユニセ−
フDCB1800、保土谷化学(株)製のPPTG40
00,PPTG2000、PPTG1000、PTG2
000、PTG3000、PTG650、PTGL20
00、PTGL1000、旭硝子(株)製のEXENO
L1020、第一工業製薬(株)製のPBG3000、
PBG2000、PBG1000、Z3001等を挙げ
ることができる。
【0107】上記の2価の有機基を構成成分として含む
重合性不飽和基含有アルコキシシランを製造する場合
を、ポリアルキレングリコ−ルを例にとって製造法
(C)法および(D)法として示す。
【0108】製造法(C)法:末端に活性イソシアネ−
ト基を有する、メルカプトアルコキシシランとポリシソ
シアネ−ト化合物との付加体に対し、ポリアルキレング
リコ−ルを加え、片末端ヒドロキシのアルコキシシラン
としたのち、これに対し別途合成した、末端に水酸基を
有する重合性不飽和化合物とポリイソシアネ−ト化合物
との付加体を反応させウレタン結合で両者をつなぐ方
法。
【0109】製造法(D)法:末端に活性イソシアネ−
ト基を有する、メルカプトアルコキシシランとポリイソ
シアネ−ト化合物との付加体に対し、別途合成した、末
端に活性水酸基を有する、ポリアルキレングリコ−ルポ
リイソシアネ−ト化合物、水酸基含有重合性不飽和化合
物との付加体を反応させウレタン結合で両者をつなぐ方
法を挙げることができる。前記(C)法または(D)法
におけるウレタン結合の形成条件は前記(A)または
(B)法と同様であり、結合に関与する、末端に活性イ
ソシアネ−ト基を有する化合物に対する末端に水酸基を
有する化合物の当量比は通常、1.0〜1.2の範囲であ
る。1.0未満の場合は未反応のイソシアネ−ト基によ
る着色、増粘が起こりやすい。
【0110】また、アルコキシシラン化合物の製造にお
いて重合性不飽和基修飾アルコキシシランの加水分解物
として他の有機アルコキシシランとの加水分解生成物を
用いてもよく、例えば、テトラメトキシシラン、テトラ
エトキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメ
トキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジ
メトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等のアル
キルアルコキシシランとの縮合物を用いても良い。加水
分解生成物を製造する場合、加水分解に用いる水の量は
全アルコキシ基に対して通常0.5〜1.5当量であり、
溶剤の存在下もしくは非存在下で、0℃から成分の沸点
以下の温度で5分〜24時間加熱攪拌することで加水分
解、縮重合物を得ることができる。その際、反応時間の
短縮を目的に酸性触媒もしくは塩基触媒を併用すること
もできる。
【0111】変性シリカ微粒子の製造において用いられ
るシリカ微粒子は前述のものを同様に使用することがで
きる。
【0112】変性シリカ微粒子に固定されたアルコキシ
シラン化合物は通常、乾燥粉体を空気中で完全に燃焼さ
せた場合の質量減少%の恒量値として、例えば、空気中
で室温から通常800℃までの熱質量分析により求める
ことが出来る。
【0113】変性シリカ微粒子の製造においてアルコキ
シシラン化合物の加水分解で消費される水の量は、1分
子中のケイ素上のアルコキシ基の少なくとも1個が加水
分解される量あればよい。好ましくは加水分解の際に添
加、もしくは存在する水の量は、ケイ素上の全アルコキ
シ基のモル数に対し3分の1以上であり、さらに好まし
くは全アルコキシ基のモル数の2分の1以上3倍未満で
ある。完全に水分の存在しない条件下で前記式(II)に
示すアルコキシシラン化合物とシリカ微粒子とを混合し
て得られる生成物は、シリカ微粒子表面にアルコキシシ
ラン化合物が物理吸着した生成物であり、そのような成
分から構成される組成物においては本発明の組成物の一
つの目的である耐磨耗性の発現の効果は低い。
【0114】本発明の変性シリカ微粒子の製造において
は前記式(II)に表されるアルコキシシラン化合物を別
途加水分解操作を行った後、これと粉体シリカ微粒子も
しくはコロイダルシリカを混合し、加熱、攪拌操作を行
う方法;もしくは、前記式(II)で表されるアルコキシ
シラン化合物の加水分解をシリカ微粒子の存在下で行う
方法;また、他の成分、例えば、多官能不飽和有機化合
物、単価不飽和有機化合物、光重合開始剤等の存在下、
シリカ微粒子の表面処理を行う方法等を選ぶことができ
るが、前記式(II)で表されるアルコキシシラン化合物
の加水分解をシリカ微粒子の存在下で行う方法が好まし
い。成分Bを製造する際、その製造時の温度は通常、2
0℃〜150℃であり、また処理時間は5分〜24時間
の範囲である。
【0115】シリカ微粒子は、通常の保管状態として粒
子表面に吸着水として水分を含むことが知られている。
例えば、有機溶剤分散コロイダルシリカ中においても通
常製品として0.5%相当の水分を含有する。したがっ
て、変性シリカ微粒子の製造においては、アルコキシシ
ラン化合物とシリカ微粒子とを混合し、加熱、攪拌処理
することにより原料中に含まれる水分を利用して製造す
ることも可能である。
【0116】本発明の変性シリカ微粒子の製造におい
て、粉体状のシリカを用いる場合、アルコキシシラン化
合物との反応を円滑にかつ、均一に行わせるために、水
と相溶する有機溶媒を添加してもよい。このような有機
溶媒の好ましい種類は、アルコ−ル類、ケトン類、エ−
テル類、アミド類であり、アルコ−ル類としてはメタノ
−ル、エタノ−ル、イソプロピルアルコ−ル、ブタノ−
ル、エチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、エチレン
グリコ−ルモノブチルエ−テル等、ケトン類としては、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、アミド類としてはジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、N−メチルピロリドン、ガンマブチロラ
クトン等をあげることができる。これらの溶剤の添加量
は反応を円滑、均一に行わせる目的に合致する限り特に
制限はない。
【0117】また、変性シリカ微粒子の製造において、
反応を促進するため、触媒として酸もしくは塩基を添加
してもよく、酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、
等の無機酸、もしくはメタンスルフォン酸、トルエンス
ルフォン酸、フタル酸、マロン酸、蟻酸、酢酸、蓚酸等
の有機酸や、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸等
の不飽和有機酸やテトラメチルアンモニウム塩酸塩、テ
トラブチルアンモニウム塩酸塩等のアンモニウム塩をあ
げることがでる。また、塩基としては、アンモニア水、
ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジブチルアミン、
シクロヘキシルアミン等の第1級、2級または3級脂肪
族アミン、ピリジン等の芳香族アミン、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロ
キシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の第
4級アンモニウムヒドロキシド類を挙げることができ
る。これらの中で好ましい例を挙げると酸としては、有
機酸、不飽和有機酸、塩基としては第3級アミンもしく
は第4級アンモニウムヒドロキシドを挙げられる。これ
ら、酸もしくは塩基の添加量は、アルコキシシラン化合
物100質量部に対して0.001質量部〜1.0質量
部、好ましくは0.01質量部〜0.1質量部である。
【0118】前述したように、本発明のハードコート層
を形成するための硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂或いは紫
外線硬化性樹脂であり、上記微粒子シリカ及び/又は変
性微粒子シリカを含有させることができる。
【0119】上記紫外線硬化性樹脂は公知の紫外線硬化
性樹脂(重合性オリゴマー、多官能性モノマー、単官能
性モノマー、光重合開始剤、添加剤等を含む)を使用す
ることができる。
【0120】このような紫外線硬化性樹脂は、例えばエ
チレン性二重結合(好ましくはアクリロイル基器又はメ
タクリロイル基)を複数有するウレタンオリゴマー、ポ
リエステルオリゴマー又はエポキシオリゴマー等のオリ
ゴマー、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(P
ETA)、ペンタエリスリトールテトラメタアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DP
EHA)等の重合性オリゴマー及び/又は多官能性モノ
マーを主成分として構成され、好ましい。前記の変性シ
リカ微粒子の製造に用いた官能性重合モノマー等も適宜
使用することができる。
【0121】樹脂は、前記のようにオリゴマー、必要に
より反応性稀釈剤(多官能性モノマー、単官能性モノマ
ー)、光重合開始剤から一般に構成される。光重合開始
剤の例としては、ベンゾイン、ベンゾフェノン、ベンゾ
イルメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベン
ゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエ
ーテル、ジベンジル、5−ニトロアセナフテン、ヘキサ
クロロシクロペンタジエン、p−ニトロジフェニル、p
−ニトロアニリン、2,4,6−トリニトロアニリン、
1,2−ベンズアントラキノン、3−メチル−1,3−
ジアザ−1,9−ベンズアンスロン;アセトフェノン、
アセトフェノンベンジルケタール、アントラキノン、1
−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン
系化合物、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メ
チルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,
4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フ
ェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフ
ェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−
オン、カルバゾール、キサントン、1,1−ジメトキシ
デオキシベンゾイン、3,3’−ジメチル−4−メトキ
シベンゾフェノン、チオキサントン系化合物、ジエチル
チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2
−クロロチオキサントン、1−(4−ドデシルフェニ
ル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オ
ン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]
−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、トリフェニ
ルアミン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル
ホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジメトキシベン
ゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィン
オキシド、ビスアシルフォスフィンオキシド、ベンジル
ジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニ
ルプロパン−1−オン、フルオレノン、フルオレン、ベ
ンズアルデヒド、ミヒラーケトン、2−ベンジル−2−
ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−
ブタン−1−オン、3−メチルアセトフェノン、3,
3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニ
ル)ベンゾフェノン(BTTB)等が挙げることがで
き、さらにBTTBと色素増感剤、例えばキサンテン、
チオキサンテン、クマリン、ケトクマリン等との組み合
わせ等が挙げられる。これらのうち、特にベンジルジメ
チルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル
ケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホ
スフィンオキシド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾ
イル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオ
キシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4
−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンが好まし
い。
【0122】これらは単独で、又は2種以上組み合わせ
て使用することができる。オリゴマー、反応性稀釈剤及
び開始剤は、それぞれ一種用いても良く、二種以上組み
合わせて用いてもよい。反応性稀釈剤の含有量は、紫外
線硬化性樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部
が一般的であり、0.5〜5質量部が好ましい。光重合
開始剤の含有量は、紫外線硬化性樹脂100質量部に対
して5質量部以下が好ましい。
【0123】本発明で使用される紫外線硬化性樹脂は、
さらにシリコーン重合体を含むことができる。好ましく
はシリコーンを側鎖にもつグラフト共重合体であり、さ
らに好ましくはシリコーンを側鎖にもつアクリル系グラ
フト共重合体である。アクリル変性シリコーン高分子モ
ノマーとラジカル重合性単量体をラジカル重合させて成
るシリコーン系グラフト共重合体としては、前記アクリ
ル変性シリコーンが、下記式(III)で示されるシリコ
ーンと下記式(IV)で示されるアクリル化合物とを縮合
させて成る生成物をあげることができる。
【0124】
【化2】
【0125】(式中RおよびRは炭素数1〜10の
一価の脂肪族炭化水素基、フェニル基または一価のハロ
ゲン化炭化水素基を表し、qは1以上の正数である。)
【0126】
【化3】
【0127】(式中Rは水素原子またはメチル基を表
し、Rはメチル基、エチルまたはフェニル基を表し、
2個のRは互いに同一もしくは異なっていてもよく、
Zは塩素原子、メトキシ基またはエトキシ基を表す。)
【0128】前記式(III)で示されるシリコーンは市
販品として入手でき、目的にあったものを使用すること
ができる。前記式(III)におけるRおよびRは炭
素数1〜10の一価の脂肪族炭化水素基、フェニル基ま
たは一価のハロゲン化炭化水素であり、炭素数1〜10
の一価の脂肪族炭化水素基としては、例えばメチル基、
エチル基、アシル基等が挙げられ、一価のハロゲン化炭
化水素としては、例えば3,3,3−トリフルオロプロピ
ル基、4,4,4−トリフルオロ−3,3−ジフルオロブ
チル基、2−クロロエチル基等が挙げられる。R8およ
びR9として特に好ましいのはメチル基である。
【0129】前記式(III)でqは1以上の正数である
が、一般にqの数が100以上という高分子量のシリコ
ーンから誘導されるアクリル変性シリコーンとラジカル
重合性単量体との共重合からはオイル状のものが得られ
やすい傾向にあり、qの数が100以下という低分子量
シリコーンから誘導されるアクリル変性シリコーンとラ
ジカル重合性単量体との共重合からは用いるモノマーの
種類によりオイル状、ゼリー状、固体状等各種のものを
得ることができる。
【0130】次に前記式(IV)で示されるアクリルシラ
ン化合物としては、例えばγ−メタクリルオキシプロピ
ルジメチルクロロシラン、γ−メタクリルオキシプロピ
ルジメチルエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロ
ピルジフェニルクロロシラン、γ−アクリルオキシプロ
ピルジメチルクロロシラン、γ−メタクリルオキシプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピ
ルトリクロロシラン等が挙げられる。これらのアクリル
シラン化合物は、特公昭33−9969号の方法等に従
い、ケイ素化合物と脂肪族性多重結合を有する化合物と
を塩化白金酸の存在下で反応させることにより容易に得
られる。
【0131】また、アクリル変性シリコーンとラジカル
重合性単量体とのラジカル共重合は、従来公知の方法を
使用でき、放射線照射法、ラジカル重合開始剤を用いる
方法を使用できる。さらに紫外線照射法により共重合さ
せる場合は、ラジカル重合開始剤として公知の増感剤を
使用し、電子線照射により共重合させる場合はラジカル
重合開始剤を使用する必要はない。このようにして得ら
れたシリコーン共重合体は、ラジカル重合性単量体を幹
とし、シリコーンを枝とする櫛形グラフト共重合体であ
る。
【0132】シリコーン共重合体の市販品としては、サ
イマックUS−150、US−270、US−350、
US−450、レゼダGP−700(以上、東亞合成
(株)製)等を挙げることができる。
【0133】本発明には、また必要に応じて各種添加剤
を添加することができるが、これらの添加剤としては、
例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカ
ップリング剤、老化防止剤、熱重合禁止剤、着色剤、レ
ベリング剤、界面活性剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、
溶媒、無機系充填材、有機系充填材、フィラー、濡れ性
改良剤、塗面改良剤等を挙げることができる。
【0134】本発明のハードコート層は、前記成分を主
成分とするものであるが、上記オリゴマー又はモノマー
の変性したもの、あるいは他の機能性樹脂、添加剤をさ
らに使用すること等により、種々の機能に優れたハード
コート層を得ることができる。例えば、耐擦傷性がさら
に向上した高耐擦傷性ハードコート層、防曇性が付与さ
れた防曇性ハードコート層、導電性を有する導電性ハー
ドコート層、帯電防止性が付与された帯電防止性ハード
コート層、光沢がより向上した高光沢ハードコート層、
耐溶剤性が特に優れた耐溶剤性ハードコート層を挙げる
ことができる。そして用途により、これらの層を少なく
とも二層組み合わせて、ハードコート層を構成すること
ができる。勿論、1層で使用しても良い。或いは本発明
の特定のシリカ微粒子含有のハードコート層と上記のハ
ードコート層を組み合わせることもできる。
【0135】高耐擦傷性ハードコートは、本発明では鉛
筆硬度3H以上、好ましくは4H以上のものを言う。一
般のハードコート層はH以上、好ましくは2H以上とさ
れている。耐擦傷性をさらに向上させるためには、通常
のハードコート層より上記のようにさらに硬度を上げる
等により行うことができるが、膜厚を通常より薄くし
て、膜割れを防止する必要がある。耐擦傷性ハードコー
トとしては、例えば商品名:UVHC1105(東芝シ
リコーン(株)製)を挙げることができる。
【0136】防曇性ハードコート層は、水蒸気により結
露せず、透明性が低下しない層である。防曇性を付与す
るには、例えば使用するオリゴマー、モノマーに親水性
のものを、或いは界面活性剤(特に湿潤浸透剤)等を使
用して、ハードコート層を形成する必要がある。防曇性
ハードコートとしては、例えば商品名:ダイヤビームM
H−3263(三菱レーヨン(株)製)を挙げることが
できる。
【0137】導電性ハードコート層は、高導電性の層で
あり、本発明では通常、電気伝導度10〜10s/
cmを有する層を言う。電磁波カットのために導電性を
与えるには、例えば、導電材(カーボン、銀、銅、ニッ
ケル等の金属微粒子)等を含有したハードコート層を形
成する。導電性ハードコートとしては、例えば商品名:
コンダクティブEI−3(大日本塗料(株)製)を挙げ
ることができる。
【0138】また、帯電防止性ハードコート層は、摩擦
により静電気を発生し難い層であり、本発明では体積固
有抵抗値が一般に1012Ω・cm以下の層を言う。帯
電防止性を付与するには、一般に各種界面活性剤、界面
活性機能を有する基を持つオリゴマー、モノマーの使用
等により行うことができる。帯電防止ハードコートとし
ては、例えば商品名:サンラッドUXH601(三洋化
成工業(株)製)を挙げることができる。
【0139】高光沢ハードコート層は、光沢(グロス)
の高い層であり、本発明では、通常グロス95以上(J
IS−K−7105)の層を言う。光沢を向上させする
には、一般にオリゴマー、モノマー成分を好適に組み合
わせることにより行われる。高光沢ハードコートとして
は、例えば商品名:アデカオプトマーKR−567(旭
電化工業(株)製)を挙げることができる。
【0140】ハードコート層自体、耐溶剤に優れたもの
であるが、本発明の耐溶剤性ハードコート層は、高極性
溶剤(DMF等)に対しても優れている層を言う。耐溶
剤性を優れたものとするには、例えばシリコン変性、フ
ッ素変性したオリゴマー、モノマー或いは樹脂等を使用
することによりなされる。耐溶剤性ハードコートとして
は、例えば商品名:シリコーンハードコート剤KP85
1(信越化学工業(株)製)を挙げることができる。
【0141】ハードコート層の層厚は、1層の場合0.
1〜20μm(特に1〜15μm)が好ましく、多層の
場合も合計でこれらの範囲にあることが好ましい。
【0142】本発明では、前記したように、ハードコー
ト層として防湿性を有するハードコート層を形成して、
防湿層の形成を省略することができる。このようなハー
ドコート層は、透湿度が0.5g/m・24h以下
(JIS−Z−0208)であることが好ましい。湿気
を殆ど透過させないようにするには、例えばシリコン変
性、フッ素変性したオリゴマー、モノマー或いは樹脂等
を使用することによりなされる。低透湿性ハードコート
としては、例えば商品名:低透湿度紫外線硬化形樹脂
(日本化成(株)製)を挙げることができる。
【0143】さらにこのような防湿性ハードコート層
は、シリーコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物と、弗素結
合基又はアルキル基を有するシランカップリング剤と
を、部分的に縮合して得られるもの(特開平9−324
139号公報に記されている)を用いて形成することが
好ましい。これはシリコーン系硬化組成物のシラノール
基と、シランカップリング剤のメトキシ基等のアルコキ
シ基又は塩素基と反応し、これらの間にシロキサン結合
が生じる。このため、成膜したときに弗素結合基又はア
ルキル基が皮膜内部に分散され易く、これにより防湿性
が発揮されると考えられる。
【0144】シリーコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物と
しては、シリコーン系熱重合硬化塗料(例えば、トリメ
トキシシラン(関東化学(株)製、化学式CHSi
(OCH)、日本ダクロシャムロック(株)製の
ソルガーNP−730、東芝シリコーン(株)製のトス
ガード510、信越化学工業(株)製のKP−64)を
挙げることができる。このようなシリーコーン系耐摩耗
熱重合硬化組成物は、R Si(OR’)4−X[但
し、R及びR’がメチル、エチル等の有機基、Xが0又
は自然数を表す]で表すことができる。
【0145】弗素を有するシランカップリング剤として
は、アルコキシ基を有するパーフルオロアルキルシラン
(FAS(例えば、信越化学工業(株)製のKBM−7
803(化学式はCF(CFCHCHSi
(OCH)))、塩素基を有するパーフルオロア
ルキルシラン(FCS(例えば、東芝シリコーン(株)
製のTSL8232(化学式はCF(CFCH
CHSiCl)))等を用いることができる。
【0146】アルキル基を有するシランカップリング剤
としては、日本ユニカー(株)製のA−137、A−1
87等を挙げることができる。アルキル基は、炭素原子
数8個以上が好ましい。
【0147】防湿性ハードコート層は、上記組成物とカ
ップリング剤との生成物を含む塗布液を有機ポリマーフ
ィルム層上に塗布し(好ましくはプライマー層を介し
て)、未硬化層を形成し、120℃以下で加熱処理する
ことにより形成することができる。
【0148】なお、本発明のハードコート層は、耐光性
を向上させるために、前述の紫外線防止剤を含有させる
ことが好ましい。
【0149】上記ハードコート層上には反射防止膜を形
成することが好ましい。反射防止膜は、一般に、 (1)上(空気側)から、低屈折率透明無機薄膜と高屈
折率透明無機薄膜とが交互積層された無機積層膜; (2)低屈折率透明無機薄膜と高屈折率透明無機薄膜と
が交互積層された無機積層膜であって、最上層の低屈折
率透明無機薄膜が低屈折率有機薄膜である積層膜;であ
る。
【0150】反射防止膜としては、(a) 中(低)屈
折率透明無機薄膜/高屈折率透明無機薄膜の順で1層ず
つ、合計2層に積層したもの(b) 中(低)屈折率透
明無機薄膜/低屈折率透明無機薄膜/高屈折率透明無機
薄膜の順で1層ずつ、合計3層に積層したもの(c)
低屈折率透明無機薄膜/高屈折率透明無機薄膜/低屈折
率透明無機薄膜/高屈折率透明無機薄膜の順で1層ず
つ、合計4層に積層したもの等を挙げることができる。
一般に無機薄膜は2〜6層設けられる。
【0151】上記(1)、(2)において、(フッ素系
或いは非フッ素系)有機薄膜を形成することにより、反
射防止機能に加えて防汚機能を付与することができる。
即ち、有機薄膜は防汚性に優れるため、有機薄膜を最表
面に形成することで、防汚機能を付与することができ
る。(2)では、この有機薄膜の直下の透明無機膜は高
屈折率透明無機薄膜であるので、この高屈折率透明無機
薄膜上に低屈折率の有機薄膜を形成することで高屈折率
膜と低屈折率膜の多層化による高性能な反射防止機能を
得ることができる。さらに、この有機薄膜の直下の透明
無機膜を多層化することにより、高屈折率透明無機薄膜
と低屈折率透明無機膜との積層構造による光の干渉作用
で光の反射を効果的に防止し、光透過性に優れ、高透明
性で色調の良い反射防止膜を実現できる。
【0152】上記反射防止膜に使用される高屈折率透明
無機薄膜としては、ITO(スズインジウム酸化物)又
はZnO、AlをドープしたZnO、TiO、SnO
、ZrO等の屈折率1.8以上の薄膜を使用すること
ができる。
【0153】一方、低屈折率透明無機薄膜としてはSi
、MgF、Al等の屈折率が1.6以下の
低屈折率材料よりなる薄膜を使用することができる。こ
れら高屈折率透明無機薄膜及び低屈折率透明無機薄膜の
膜厚は光の干渉で可視光領域での反射率を下げるため、
膜構成、膜種、中心波長により異なってくる。
【0154】例えば、反射防止膜が4層構造の場合、透
明ポリマーフィルム側の第1層(高屈折率透明無機薄
膜)が5〜50nm、第2層(低屈折率透明無機薄膜)
が5〜50nm、第3層(高屈折率透明無機薄膜)が5
0〜150nm、第4層(高屈折率透明無機薄膜)が5
0〜150nm程度の膜厚で形成することが好ましい。
【0155】このような高屈折率透明無機薄膜及び低屈
折率透明無機薄膜は、蒸着、スパッタリング、イオンプ
レーティング、CVD法等により形成することができる
が、特に、高屈折率透明無機薄膜としての酸化亜鉛膜
は、金属亜鉛をターゲットとする反応性スパッタ法で形
成するのが好ましい。この場合、スパッタ条件は、O
100%又はO−ArでO40%以上の雰囲気条件
とするのが好ましい。
【0156】最上層の低屈折率透明無機薄膜の代わり
に、フッ素系或いは非フッ素系等の低屈折率有機薄膜を
形成しても良い。非フッ素系有機薄膜としては、ハード
コートに用いられるようなアクリル系樹脂、シリコン樹
脂、アクリルシリコン系樹脂、ウレタン樹脂等が挙げる
ことができる。
【0157】フッ素系有機薄膜としては、FET(フル
オロエチレン/プロピレン共重合体)、PTFE(ポリ
テトラフルオロエチレン)、ETFE(エチレン/テト
ラフルオロエチレン)、PVF(ポリフッ化ビニル)、
PVD(ポリフッ化ビニリデン)等を挙げることができ
る。
【0158】また、防汚性、易滑性等を付与するため
に、フッ素系、シリコン系の添加物を加えることもあ
る。中でも、シリコン樹脂又はアクリル樹脂が、安価で
あることもあり、好適である。
【0159】このような有機薄膜は、一般に屈折率1.
3〜1.6の低屈折率薄膜であるため、この有機薄膜を
反射防止膜の最表面層として高屈折率透明無機薄膜上に
形成することにより、反射防止機能を得ることができる
が、さらに防汚性及び耐擦傷性にも優れたものである。
【0160】上記有機薄膜は、光の干渉による反射防止
機能と防汚機能を両立させるためには、防汚機能を得る
ことができる範囲で光学的な膜厚であることが好まし
く、50〜500nmの範囲、例えば500nmの波長
の光の1/4λ(=125nm)程度とするのが好まし
い。最上層の低屈折率透明無機薄膜の膜厚についても同
様である。
【0161】本発明では、反射防止膜の代わりに、透明
ポリマーフィルム上に上記透明無機薄膜を積層する反射
防止フィルムを使用しても良い。
【0162】こうして得られる透明複合フィルムは、太
陽電池に加えて、自動車用、或いは建築物用などの用途
に使用することができる。例えば、自動車の嵌め込みガ
ラス、サイドガラス及びリヤガラス、鉄道車両、例えば
普通車両、急行車両、特急車両及び寝台車両等の乗客出
入り用開閉ドアの扉ガラス、窓ガラス及び室内ドアガラ
ス、ビル等の建物における窓ガラス及び室内ドアガラス
等、室内展示用ショーケース及びショーウィンド等であ
る。好ましくは自動車のサイド又はリヤガラス、鉄道車
両の窓ガラス、特に自動車のドアガラスに有用である。
【0163】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明ついてさらに詳
述する。
【0164】[実施例1] (透明複合フィルムの作製)PETフィルム(150μ
m厚;商品名テトロンHB、帝人デュポンフィルム
(株)製)の表面に、真空蒸着により厚さ200Åの酸
化珪素の防湿層を形成した。
【0165】上記PETフィルムの防湿層を設けなかっ
た側の表面に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレ
ート(DPHA)98質量部、1−ヒドロキシシクロヘ
キシルフェニルケトン(HCHPK)2質量部からなる
紫外線硬化性樹脂塗布液(50質量%)を、ワイヤーバ
ーコータNo.10により塗布し、60℃で5分間溶剤
を蒸発させた後、空気雰囲気下で高圧水銀灯で紫外線照
射し(0.5J/cm )、5μmのハードコート層を
形成した。
【0166】エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)
の透明接着剤層(過酸化物:2,5−ジメチル−2,5
−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3−ジ−t−
ブチルパーオキサイド、1質量%含有;200μm厚)
及び上記で得られたハードコート層付き積層体をハード
コート層を上向きにして重ね80℃の温度で予備圧着し
た。
【0167】こうしてハードコート層付き防湿性の透明
複合フィルムを得た。
【0168】[実施例2] (透明複合フィルムの作製)実施例1において、シリコ
ーン系熱重合硬化塗料(メチルトリメトキシシラン(関
東化学(株)製、化学式CHSi(OCH))
を、前記PET表面に塗布し、100℃で、30分熱硬
化させ、5μmのハードコート層を形成した以外、実施
例1と同様にして、透明複合フィルムの作製した。
【0169】[実施例3] (透明複合フィルムの作製)実施例1において、下記の
紫外線硬化製樹脂を用いて、5μmのハードコート層を
形成した以外、実施例1と同様にして、透明複合フィル
ムを作製した。 [紫外線硬化製樹脂塗布液] (重合性不飽和基を付加したコロイダルシリカの製造)
乾燥空気中、メルカプトプロピルトリメトキシシラン
7.8質量部、ジブチル錫ジラウレート0.2質量部から
なる溶液に対し、イソフォロンジイソシアネート20.
6質量部を攪拌しながら50℃で1時間かけて滴下後、
60℃で3時間攪拌した。これにペンタエリスリトール
トリアクリレート71.4質量部を30℃で1時間かけ
て滴下後、60℃で3時間加熱攪拌することによりアル
コキシシラン化合物を得た。
【0170】得られたシラン化合物A8.1質量部、メ
タノールシリカゾルMEK−ST{日産化学(株)製、
メチルエチルケトン分散コロイダルシリカ(平均粒径1
0〜20nm)、シリカ濃度30%}90.5質量部及
びイオン交換水0.1質量部の混合液を、60℃、3時
間攪拌後、オルト蟻酸メチルエステル1.3質量部を添
加し、さらに1時間同一温度で加熱攪拌することで重合
性不飽和基を付加したコロイダルシリカの分散液(分散
液A、シリカ質量%:27%)を得た。 (紫外線硬化性樹脂塗布液の作製)上記で得られた分散
液A33質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート(DPHA)15質量部、1−ヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトン(HCHPK)2質量部を、室
温で30分間撹拌することにより上記塗布液を得た。
(0.5J/cm)、5μmのハードコート層を得
た。
【0171】[実施例4] (透明複合フィルムの作製)酸化珪素が設けられたフィ
ルムからなる防湿層を下記のように作製した。
【0172】PETフィルム(厚さ12μm)の表面
に、真空蒸着により厚さ200Åの酸化珪素の層を形成
し、防湿層(防湿フィルム)を得た。
【0173】一方の耐熱、耐光性フィルムとして、ポリ
エステルフィルム(38μm厚;商品名テトロンHS、
帝人デュポンフィルム(株)製)を用い、他方の耐熱耐
光性フィルムとして、ETFEフィルム(21μm厚;
商品名アフレックス、旭硝子(株)製)を用い、これら
のフィルム間に、PETフィルム(12μm厚;商品名
テトロンNS、帝人デュポンフィルム(株)製)上に、
上記防湿層(防湿フィルム)を挟み、接着一体化した。
【0174】得られた有機ポリマーフィルム層(積層
体)の耐候性フィルムの上に、実施例1と同様にしてハ
ードコート層を形成し、透明複合フィルムを得た。
【0175】[実施例5] (透明複合フィルムの作製)実施例4において、実施例
2に記載のシリコーン系熱重合硬化塗料(トリメトキシ
シラン(関東化学(株)製、化学式CHSi(OCH
))を用いたハードコート層を実施例2と同様に
形成した以外、実施例4と同様にして、透明複合フィル
ムの作製した。
【0176】[実施例6] (透明複合フィルムの作製)実施例4において、実施例
3に記載のシリカ含有ハードコート層を実施例3と同様
にして形成した以外、実施例4と同様にして、透明複合
フィルムの作製した。
【0177】[実施例7] (透明複合フィルムの作製)実施例4において、酸化珪
素層を設ける前のフィルム表面に、アクリルウレタン樹
脂のアンカーコート層(層厚0.1μm)を形成した以
外、実施例4と同様にして、透明複合フィルムの作製し
た。
【0178】[実施例8] (透明複合フィルムの作製)PETフィルム(150μ
m厚;商品名テトロンHB、帝人デュポンフィルム
(株)製)の表面に、溶剤可溶性弗素系樹脂塗布液(商
品名:オプスターJE−4200(JSR(株)製)、
3.0質量%MIBK溶液)を塗布し、100℃にて3
分間乾燥し、200μmの塗布型防湿層を形成した。
【0179】得られた防湿層の表面をコロナ放電処理し
た。
【0180】得られた防湿層上に、実施例1と同様にし
てハードコート層を形成した。
【0181】さらにエチレン−酢酸ビニル共重合体(E
VA)の透明接着剤層(過酸化物:2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3−ジ
−t−ブチルパーオキサイド、1質量%含有;200μ
m厚)及び上記で得られたハードコート層付き積層体を
ハードコート層を上向きにして重ね80℃の温度で予備
圧着した。
【0182】こうしてハードコート層付き防湿性の透明
複合フィルムを得た。
【0183】[実施例9] (透明複合フィルムの作製)PETフィルム(150μ
m厚;商品名テトロンHB、帝人デュポンフィルム
(株)製)の表面に、シリコーン系熱重合硬化塗料(ト
リメトキシシラン(関東化学(株)製、化学式CH
i(OCH))と塩素基を有するパーフルオロア
ルキルシラン(FCS(例えば、東芝シリコーン(株)
製のTSL8232(化学式はCF(CFCH
CHSiCl)))との反応生成物(特開平9−
324139号公報の段落番号0019及び0020に
記載)を塗布し、100℃で10分間加熱処理すること
により防湿性ハードコート層を形成した。
【0184】さらにエチレン−酢酸ビニル共重合体(E
VA)の透明接着剤層(過酸化物:2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3−ジ
−t−ブチルパーオキサイド、1質量%含有;200μ
m厚)及び上記で得られたハードコート層付き積層体を
ハードコート層を上向きにして重ね80℃の温度で予備
圧着した。
【0185】こうしてハードコート層付き防湿性の透明
複合フィルムを得た。 [実施例10〜18](太陽電池の作製) 実施例1〜9で得られた透明複合フィルムを用いて、下
記のように太陽電池を製造した。得られる太陽電池の実
施例番号は順に対応する(即ち実施例1は実施例1
0)。 (太陽電池の作製)裏面側透明保護部材としての上記で
得られた透明複合フィルム、シリコン発電素子の太陽電
池用セル、及び透明複合フィルム(図11に示すよう
に)、真空ラミネーターで温度150℃、脱気時間3
分、プレス圧力1気圧、プレス時間15分にて、加熱加
圧圧着して、太陽電池を得た。
【0186】[比較例1及び2]ハードコート層を形成
しなかった以外、実施例1と同様に複合フィルムを、実
施例10と同様にして太陽電池を製造した。
【0187】[実施例19〜27](透明複合フィルム
の作製) 実施例1〜9において、ハードコート層の上に、TiO
層(厚さ20nm)、SiO層(厚さ25nm)、
TiO層(厚さ90nm)及びSiO層(厚さ80
nm)を、スパッタリングにより順に積層した以外は、
同様にして透明複合フィルムを作製した。得られる透明
複合フィルムの実施例番号19〜27は、実際例1〜9
順に対応する(即ち実施例1は実施例19)。
【0188】[実施例28〜36](太陽電池の作製) 実施例19〜27で得られた透明複合フィルムを用い
て、実施例10と同様にして太陽電池を製造した。得ら
れる太陽電池の実施例番号は順に対応する(即ち実施例
19は実施例28)。
【0189】<透明複合フィルムの評価> (1)鉛筆硬度は、JIS−K5400に従い測定し
た。
【0190】(2)透湿性は、JIS−Z−0208に
従い測定した。
【0191】<太陽電池の評価> (1)光線透過率は、各サンプルをJIS−K6717
に従い可視光線の光線透過率を測定した(太陽電池セル
の無い領域で測定し)。90%以上を◎、80%以上9
0%未満を○、80%未満を×とした。
【0192】(2)耐久性I(Δ(デルタ)ヘイズ)
は、JIS−R3221に従い、テーバー摩耗試験機を
用いて表面側透明保護部材の表面に対してテーバー試験
(摩耗輪:CS−10F;荷重:500g;1000回
の条件)を行い、試験前後のヘイズ差(Δヘイズ)を測
定した。Δヘイズ20未満を○、20以上を×とした。
【0193】(3)耐久性II(光線透過率)は、各サン
プルをウエザロメータで1000時間経過後、上記
(1)と同様にして光線透過率を測定した(太陽電池セ
ルの無い領域で測定し)。90%以上を◎、80%以上
90%未満を○、80%未満を×とした。
【0194】得られた試験結果を表1に示す。
【0195】
【表1】 鉛筆硬度 透湿度 / 透過率 耐久性I 耐久性II (g/m/day) 実施例1/10 5H 0.4 / ○ ○ ○ 実施例2/11 5H 0.4 / ○ ○ ○ 実施例3/12 5H 0.4 / ○ ○ ○ 実施例4/13 5H 0.4 / ○ ○ ○ 実施例5/14 5H 0.4 / ○ ○ ○ 実施例6/15 5H 0.4 / ○ ○ ○ 実施例7/16 5H 0.4 / ○ ○ ○ 実施例8/17 5H 2.2 / ○ ○ ○ 実施例9/18 5H 2.0 / ○ ○ ○ 比較例1/2 H 15.9 / ○ × × 実施例19/28 5H 0.4 / ◎ ○ ○ 実施例20/29 5H 0.4 / ◎ ○ ○ 実施例21/30 5H 0.4 / ◎ ○ ○ 実施例22/31 5H 0.4 / ◎ ○ ○ 実施例23/32 5H 0.4 / ◎ ○ ○ 実施例24/33 5H 0.4 / ◎ ○ ○ 実施例25/34 5H 0.4 / ◎ ○ ○ 実施例26/35 5H 2.2 / ◎ ○ ○ 実施例27/36 5H 2.0 / ◎ ○ ○
【0196】[実施例37〜45](フィルム強化ガラ
ス) 実施例19〜27で得られた透明複合フィルムを用い
て、下記のようにフィルム強化ガラスを製造した。得ら
れるフィルム強化ガラスの実施例番号は順に対応する
(即ち実施例19は実施例37)。
【0197】予め洗浄乾燥した5mm厚の1枚のガラス
板に、実施例19〜27で得られた透明複合フィルムの
透明接着剤層を接触するように重ねた。
【0198】これをゴム袋に入れて真空脱気し、80℃
の温度で予備圧着した。次に、この予備圧着ガラスをオ
ーブン中に入れ、温度150℃の条件下で30分間加圧
処理した。 [比較例3]ハードコート層を形成しなかった以外、実
施例1と同様に複合フィルムを作製し、実施例37と同
様にしてフィルム強化ガラスを製造した。
【0199】<フィルム強化ガラスの評価> (1)耐摩耗性は、JIS−R3221に従い、テーバ
ー摩耗試験機を用いて反射防止層側の表面に対してテー
バー試験(摩耗輪:CS−10F;荷重:500g;1
000回の条件)を行い、試験後のヘイズを測定した。
ヘイズ値10未満を○(特に低いものを◎)、10以上
を×とした。
【0200】(2)反射防止性能は、目視で眩しさが感
じられるものを×、ほとんど感じられないものを○とし
た。
【0201】(3)透明性は、得られたフィルム強化ガ
ラスをウェザロメーター試験1000時間に付した後、
そのヘイズを測定した。ヘイズ値10未満を○(特に低
いものを◎)、10以上を×とした。
【0202】(4)接着性は、得られたフィルム強化ガ
ラスをウェザロメーター試験1000時間に付した後、
フィルムとガラス間の端部の剥離及び白化の状態を観察
した。全く剥離及び白化が見られなかったものを◎、若
干剥離又は白化が見られたものを○、明らかに剥離及び
白化しているものを×とした。
【0203】結果を表2に示す。
【0204】
【表2】 (1)耐摩耗性 (2)反射防止性 (3)透明性 (4)接着性 実施例37 ◎ ◎ ◎ ◎ 実施例38 ◎ ◎ ◎ ◎ 実施例39 ◎ ◎ ◎ ◎ 実施例40 ◎ ◎ ◎ ◎ 実施例41 ◎ ◎ ◎ ◎ 実施例42 ◎ ◎ ◎ ◎ 実施例43 ◎ ◎ ◎ ◎ 実施例44 ◎ ◎ ◎ ◎ 実施例45 ◎ ◎ ◎ ◎ 比較例3 × × ◎ ◎
【0205】また、実施例で得られたガラスは透明度が
高く、光学的に歪みのないもので、また耐衝撃性、耐貫
通性、耐擦傷性、さらに反射防止性にも優れたものであ
るため自動車のサイド又はリヤガラス等として適当であ
った。
【0206】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明の透明
複合フィルムは、軽量かつ薄肉で、耐擦り傷性に優れ、
製造時に、加工時、設置時等の作業中に表面の擦り傷の
発生がほとんどなく、また長期にわたっても傷の発生が
少ない。特に、防湿層を有する透明複合フィルムは、耐
久性に優れている。
【0207】従って、上記透明複合フィルムを備えた本
発明の太陽電池は、軽量かつ薄肉で、耐擦り傷性に優
れ、製造時に、加工時、設置時等の作業中に表面の擦り
傷の発生がほとんどなく、また長期にわたっても傷の発
生が少ないことから、透明性の高い、受光量の高い太陽
電池というこができる。また耐擦り傷性に優れ且つ防湿
性にも優れているので、長期にわたり高い受光量を維持
することもでき、耐久性に優れている。
【0208】また、上記透明複合フィルムを用いて得ら
れる、自動車サイドガラスに使用可能フィルム強化ガラ
スは、厚さが薄いにもかかわらず合わせガラスに近い耐
衝撃性、耐貫通性等と共に防犯性を有し、透明性、接着
性等の耐久性、耐摩耗性、耐擦傷性を有し、且つ製造が
容易であるということができる。
【0209】特に、反射防止膜も備えた本発明の透明複
合フィルムでは、ハードコート層を反射、散乱して失わ
れる光が、相当量透過可能ととなり、このため太陽電池
においては光を従来より有効に利用することができる。
一方、自動車用ガラス又は建築用ガラスに使用した場合
は、反射光が低減することにより眩しくなくなるとの利
点が得られ、使用範囲を大幅に拡大させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透明複合フィルムの実施形態を示す断
面図である。
【図2】本発明の透明複合フィルムの別の実施形態を示
す断面図である。
【図3】本発明の透明複合フィルムの別の実施形態を示
す断面図である。
【図4】本発明の透明複合フィルムの別の実施形態を示
す断面図である。
【図5】本発明の透明複合フィルムの別の実施形態を示
す断面図である。
【図6】本発明の透明複合フィルムの別の実施形態を示
す断面図である。
【図7】本発明の透明複合フィルムの別の実施形態を示
す断面図である。
【図8】本発明の透明複合フィルムの別の実施形態を示
す断面図である。
【図9】本発明の太陽電池の実施形態を示す断面図であ
る。
【図10】本発明の太陽電池の別の実施形態を示す断面
図である。
【図11】本発明の太陽電池の別の実施形態を示す断面
図である。
【図12】本発明の太陽電池の別の実施形態を示す断面
図である。
【図13】本発明のフィルム強化ガラスの実施形態の1
例を示す断面図である。
【図14】従来の太陽電池の別の実施形態を示す断面図
である。
【符号の説明】
11,21,31,41,51,61,71,81,9
1A,101A,111A,121A,131A 有機
ポリマーフィルム層 12,22,32,42,52,62,72,82,9
2A,102A,112A,122A,132A 透明
接着剤層 13,23,33,43,53,63,73,83,9
3A,103A,113A,123A,133A ハー
ドコート層 91B,101B,111B,121B,131B 裏
面側保護部材 34,44,54,64,74,84,94,114
防湿層 35,45 アンカーコート層 26,46,66,86,106,126,136 反
射防止膜 97,107,117,127,147 発電素子 138,141A ガラス基板 142A,142B エチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA17D AA20 AA20C AK01A AK01C AK17D AK25 AK25C AK42A AK52C AK52D AK68B AR00D BA03 BA04 BA05 BA07 BA10B BA10C BA10E CB00B CC00C DE01D EH46 EH46D EH66 EJ54 EJ67E GB07 GB32 GB41 JB08D JB12C JB14C JD04 JD04C JD04D JK12C JK14 JL00 JL03 JM02C JM02E JN01B JN06E JN30 YY00C 5F051 BA18 HA03 HA20 JA04 JA05

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機ポリマーフィルム層と、その一方の
    表面に設けられた透明接着剤層及び他の表面に設けられ
    た硬化性樹脂の硬化被膜からなるハードコート層とから
    なることを特徴とする透明複合フィルム。
  2. 【請求項2】 有機ポリマーフィルム層と、その一方の
    表面に設けられた透明接着剤層及び他の表面に設けられ
    た硬化性樹脂の硬化被膜からなるハードコート層とから
    なる透明複合フィルムであって、 有機ポリマーフィルム層と透明接着剤層との間、及び/
    又は有機ポリマーフィルム層とハードコート層と間に、
    防湿層が設けられていることを特徴とする透明複合フィ
    ルム。
  3. 【請求項3】 ハードコート層の表面に、さらに反射防
    止膜が設けられている請求項1又は2に記載の透明複合
    フィルム。
  4. 【請求項4】 ハードコート層が、シリカ微粒子を含有
    する請求項1〜3のいずれかに記載の透明複合フィル
    ム。
  5. 【請求項5】 硬化性樹脂が、紫外線硬化性樹脂である
    請求項1〜4のいずれかに記載の透明複合フィルム。
  6. 【請求項6】 硬化性樹脂が、アクリロイル基又はメタ
    クリロイル基を有する樹脂又はオリゴマーである請求項
    1〜5のいずれかに記載の透明複合フィルム。
  7. 【請求項7】 硬化性樹脂が、熱硬化型シリコーン組成
    物である請求項1〜6のいずれかに記載の透明複合フィ
    ルム。
  8. 【請求項8】 シリカ微粒子の一次粒径が1〜200n
    mの範囲にある請求項4に記載の透明複合フィルム。
  9. 【請求項9】 シリカ微粒子が、重合性不飽和基を有す
    るものである請求項4〜8のいずれかに記載の透明複合
    フィルム。
  10. 【請求項10】 シリカ微粒子が、シリカ微粒子と重合
    性不飽和基を有するアルコキシシラン化合物との反応に
    より形成されるものである請求項4〜9のいずれかに記
    載の透明複合フィルム。
  11. 【請求項11】 有機ポリマーフィルム層の有機ポリマ
    ーが、ポリエチレンテレフタレートである請求項1〜1
    0のいずれかに記載の透明複合フィルム。
  12. 【請求項12】 透明接着剤層が、エチレン酢酸ビニル
    共重合体を含む請求項1〜11のいずれかに記載の透明
    複合フィルム。
  13. 【請求項13】 防湿層が、無機酸化物の層である請求
    項1〜12のいずれかに記載の透明複合フィルム。
  14. 【請求項14】 有機ポリマーフィルム層と、その一方
    の表面に設けられた透明接着剤層及び他の表面に設けら
    れた硬化性樹脂の硬化被膜からなるハードコート層とか
    らなり、かつ有機ポリマーフィルム層と透明接着剤層と
    の間に無機酸化物の層を含む防湿層が設けられているこ
    とを特徴とする透明複合フィルム。
  15. 【請求項15】 防湿層が、無機酸化物の層が形成され
    た有機ポリマーフィルムである請求項14に記載の透明
    複合フィルム。
  16. 【請求項16】 無機酸化物の層と有機ポリマーフィル
    ム又は有機ポリマーフィルム層との間に、アンカーコー
    ト層が設けられている請求項14又は15に記載の透明
    複合フィルム。
  17. 【請求項17】 ハードコート層の表面に、さらに反射
    防止膜が設けられている請求項14〜16のいずれかに
    記載の透明複合フィルム。
  18. 【請求項18】 有機ポリマーフィルム層と、その一方
    の表面に設けられた透明接着剤層及び他の表面に設けら
    れた硬化性樹脂の硬化被膜からなるハードコート層とか
    らなり、かつ有機ポリマーフィルム層とハードコート層
    との間に塗布型防湿層が設けられていることを特徴とす
    る透明複合フィルム。
  19. 【請求項19】 塗布型防湿層が、溶剤可溶性弗素系樹
    脂又はシリコーン樹脂の塗布層である請求項18に記載
    の透明複合フィルム。
  20. 【請求項20】 塗布型防湿層の表面が、ハードコート
    層の表面の接触角と略同一となるように処理されている
    請求項18又は19に記載の透明複合フィルム。
  21. 【請求項21】 ハードコート層の表面に、さらに反射
    防止膜が設けられている請求項18〜20のいずれかに
    記載の透明複合フィルム。
  22. 【請求項22】 有機ポリマーフィルム層と、その一方
    の表面に設けられた透明接着剤層及び他の表面に設けら
    れた硬化性樹脂の硬化被膜からなるハードコート層とか
    らなり、かつハードコート層が、防湿性を有することを
    特徴とする透明複合フィルム。
  23. 【請求項23】 表面側保護部材と透明接着剤層との積
    層体と、裏面側保護部材と透明接着剤層との積層体との
    間に、両方の透明接着剤層により太陽電池用セルが封止
    されてなる太陽電池において、表面側保護部材と透明接
    着剤層との積層体及び/又は裏面側保護部材と透明接着
    剤層との積層体が、請求項2〜21のいずれかに記載の
    透明複合フィルムであることを特徴とする太陽電池。
  24. 【請求項24】 裏面側保護部材が、ガラス又は有機ポ
    リマーフィルムである請求項23に記載の太陽電池。
  25. 【請求項25】 ガラス板の表面に、透明接着剤層が接
    触するように請求項2〜22のいずれかに記載の透明複
    合フィルムが貼付されたフィルム強化ガラス。
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