JP2007242759A - 太陽電池カバー - Google Patents

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Abstract

【課題】密着性及び耐擦傷性に優れ、透明性にも優れる親水膜を有する太陽電池カバーを提供する。
【解決手段】樹脂基材の表面に、加水分解性有機珪素化合物20〜95重量部、並びに鎖状の無機化合物微粒子及び針状の無機化合物微粒子から選ばれる無機化合物微粒子5〜80重量部を含む組成物を硬化させることにより、親水膜を形成し、太陽電池カバーとして使用する。無機化合物微粒子としては、シリカ微粒子やアルミナ微粒子が好ましく用いられる。
【選択図】なし

Description

本発明は表面に親水膜を有する太陽電池カバーに関する。
太陽電池は一般に、その受光面がガラス製や樹脂製のカバーで保護されているが、長期間使用すると、カバーに粉塵などの汚れが付着して、光線透過率が低下し、太陽電池のエネルギー効率が低下するという問題がある。このため、定期的にカバーを洗浄して、汚れを除去する必要があるが、太陽電池は通常、屋根などの高い所に設置されるため、そのカバーの洗浄は容易でない。そこで、カバーの表面に親水膜を設けて、降雨により汚れが流され易くすること、すなわち防汚性(いわゆる自己浄化性)を付与することが種々検討されている。例えば、特開平9−83005号公報(特許文献1)や特開2004−111577号公報(特許文献2)には、酸化チタンなどの光触媒が光励起により、親水化するという性質、ないし周囲の物質を親水化させるという性質を利用して、光触媒からなる親水膜、ないし光触媒とシリカやシリコーンなどからなる親水膜を形成することが開示されている。また、特開平10−51014号公報(特許文献3)や特開平10−107303号公報(特許文献4)には、さらに撥水性フッ素樹脂も配合して、親水性部分と撥水性部分が微視的に分散した構造を有する親水膜を形成することが開示されている。
特開平9−83005号公報 特開2004−111577号公報 特開平10−51014号公報 特開平10−107303号公報
従来の親水膜を有する太陽電池カバーは、親水膜の密着性や耐擦傷性が必ずしも十分でないため、親水膜が剥がれ易かったり、傷付き易かったりすることがあった。また、親水膜の透明性が必ずしも十分でないため、透光性の点で問題になることもあった。
そこで本発明の目的は、密着性及び耐擦傷性に優れ、透明性にも優れる親水膜を有する太陽電池カバーを提供することにある。
本発明者等は鋭意研究を行った結果、特定の組成を有する硬化性組成物を用いて、樹脂基材の表面に親水膜を形成することにより、上記目的を達成できることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち本発明によれば、樹脂基材の表面に親水膜が形成されてなり、該親水膜は、加水分解性有機珪素化合物20〜95重量部、並びに鎖状の無機化合物微粒子及び針状の無機化合物微粒子から選ばれる無機化合物微粒子5〜80重量部を含む組成物が硬化したものである、太陽電池カバーが提供される。
本発明の太陽電池カバーは、密着性及び耐擦傷性に優れ、透明性にも優れる親水膜を有している。
本発明の太陽電池カバーでは、樹脂基材の表面に親水膜が形成されており、この親水膜が、降雨や水洗により汚れが流され易いという防汚性を付与しており、さらには結露防止性すなわち防曇性や、帯電防止性なども付与している。そして、この親水膜は、加水分解性有機珪素化合物及び無機化合物微粒子を含む硬化性組成物が硬化したものである。
親水膜の厚さは、通常10〜1000nmであり、好ましくは50〜500nmである。親水膜の厚さがあまり小さいと、親水性や強度が十分でないことがあり、あまり大きいと、密着性や透明性が十分でなく、ひび割れなどの不良が発生する可能性もある。また、親水膜は、水に対する接触角が通常30°以下であり、好ましくは20°以下である。
樹脂基材の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、メチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などが挙げられる。特にポリメチルメタクリレート樹脂は、耐侯性にも優れることから基材の材料に適している。
樹脂基材の形状は、太陽電池のカバーとして機能しうる形状であれば特に限定されないが、典型的には板状であり、例えば、平坦な板状であってもよいし、波板状であってもよいし、曲率を有する板状であってもよい。その厚さは、通常0.1〜5mm程度である。
樹脂基材は、表面が平面のものであってもよいし、表面に細かな凹凸が設けられていてもよい。また、その表面に耐擦傷性を有するハードコート層などの他の被膜が形成されていてもよい。
樹脂基材の表面は、その全体に親水膜が形成されていてもよいし、部分的に形成されていてもよい。例えば、樹脂基材が板状であれば、両面に親水膜が形成されていてもよいし、片面のみに形成されていてもよい。
親水膜を形成するための硬化性組成物の必須成分の1つである加水分解性有機珪素化合物は、非加水分解性の有機基と加水分解性の有機ないし無機の基がケイ素原子に結合した化合物であるか、加水分解性の有機基がケイ素原子に結合した化合物であり、ここで、有機基は、炭素原子が結合位置にあるものであってもよいし、他の原子が結合位置にあるものであってもよい。加水分解性有機珪素化合物は、具体的には、次の式(I)で示すことができる。
Si(R1)q(R2)4-q (I)
式中、R1は水素原子又は非加水分解性の有機基を表し、R2は加水分解性の基を表し、qは0〜3の整数を表す。
式(I)においてR1で表される非加水分解性の有機基として、典型的には、炭素数1〜4程度のアルキル基、炭素数2〜4程度のアルケニル基、フェニル基のようなアリール基などが挙げられる。またR2で表される加水分解性の基としては、例えば、メトキシ基やエトキシ基のような炭素数1〜5程度のアルコキシ基、アセトキシ基やプロピオニルオキシ基のようなアシロキシ基、塩素原子や臭素原子のようなハロゲン原子、トリメチルシリルアミノ基のような置換シリルアミノ基などが挙げられる。よく知られている加水分解性有機珪素化合物を大分類的に挙げると、アルコキシシラン化合物、ハロゲン化シラン化合物、アシロキシシラン化合物、シラザン化合物などがある。これらの加水分解性有機珪素化合物は、上記式(I)におけるR1又はR2の一部として、アリール基、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、フルオロアルキル基などの置換基を有していてもよい。
具体的な加水分解性有機珪素化合物としては、例えば、メチルトリクロロシランのようなハロゲン化シラン化合物、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランのようなアルコキシシラン化合物、ヘキサメチルジシラザンのようなシラザン化合物などが挙げられる。これらは、それぞれ単独で、又は2種以上混合して用いることができる。
また、加水分解性有機珪素化合物として、上記のような加水分解性有機珪素化合物が部分的に加水分解された加水分解生成物を用いてもよい。さらに、加水分解後に縮合して、オリゴマー又はポリマーとなった多量体を用いてもよい。これらの加水分解生成物や多量体は、加水分解性有機珪素化合物に、塩酸、リン酸、酢酸のような酸、又は水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウムのような塩基を加えることにより、生成させることができる。
加水分解性有機珪素化合物の市販品の例としては、コルコート(株)製の“コルコートR”、“コルコート200”、“コルコートN−103X”、“エチルシリケート28”や、三菱化学(株)製の“MKCシリケート MS−51”、“MKCシリケート MS−56”、“MKCシリケート MS−57”、“MKCシリケート MS−56S”、“MKCシリケート MSH1”、“MKCシリケート MSH2”などが挙げられる。
硬化性組成物のもう1つの必須成分である無機化合物微粒子は、その形状が鎖状又は針状のものであり、鎖状のものと針状のものとが併用されてもよい。かかる形状の無機化合物微粒子を用いることにより、親水膜の透明性を高めることができ、また親水性を高めることもできる。
ここで、鎖状とは、球状や粒状などの単位微粒子が複数個繋がった鎖のような形状を意味する。鎖状微粒子の鎖長は、平均で通常50〜300nmである。また、鎖状微粒子を構成する単位微粒子の粒径は、平均で通常5〜30nmであり、その数は鎖状微粒子1個あたり、平均で通常5〜10個である。
また、針状とは、針のように細長い形状を意味し、特に細長いものは毛状や羽毛状と呼ばれることもある。針状微粒子の長径、すなわち針の長さに相当する径は、平均で通常50〜300nmであり、針状微粒子の短径、すなわち針の太さに相当する径は、平均で通常5〜30nmである。また、この長径/短径の比率は、平均で通常10/1〜50/1である。
無機化合物微粒子の種類については、適宜選択されるが、シリカ、アルミナ、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウムのような酸化物や、スズ−アンチモン複合酸化物、インジウム−スズ複合酸化物のような複合酸化物が好ましく用いられる。中でもシリカやアルミナが、親水性に優れ、強度も高いことから、より好ましく用いられる。無機化合物微粒子は必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
無機化合物微粒子は、固体状のものを用いてもよいし、水又は有機溶剤中に分散したゾル状のものを用いてもよいが、後述のように硬化性組成物を塗料として構成する場合、ゾル状のものを用いるのが好ましい。無機化合物微粒子の市販品の例としては、ゾル状のシリカであれば、日産化学工業(株)から販売されている“オルガノシリカゾル IPA−ST−UP”、“オルガノシリカゾル MIBK−ST−UP”などが挙げられ、ゾル状のアルミナであれば、日産化学工業(株)から販売されている“アルミナゾル−100”、“アルミナゾル−200”などが挙げられる。
硬化性組成物における加水分解性有機珪素化合物と無機化合物微粒子の量比は、両者の合計量を100重量部として、前者が20〜95重量部、後者が5〜80重量部であり、好ましくは、前者が30〜70重量部、後者が30〜70重量部であり、より好ましくは、前者が40〜60重量部、後者が40〜60重量部である。前者があまり多く、後者があまり少ないと、親水膜の親水性が十分でない。一方、前者があまり少なく、後者があまり多いと、親水膜の密着性や耐擦傷性が十分でない。
硬化性組成物には、必要に応じて、加水分解有機珪素化合物以外の硬化性化合物を含有させることができる。かかる硬化性化合物としては、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル化合物のようなカチオン重合性化合物や、(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリルアミド化合物、マレイミド化合物、スチレン誘導体のようなラジカル重合性化合物などが挙げられる。該硬化性化合物の使用量は、加水分解性有機珪素化合物100重量部に対し、通常100重量部以下であり、また、該硬化性化合物、加水分解性有機珪素化合物及び無機化合物微粒子の合計量100重量部に対し、通常10〜20重量部程度である。
硬化性組成物を樹脂基材上に塗布するためには、この組成物を塗料として構成する必要がある。塗料には通常、硬化性化合物と無機化合物微粒子の他に、溶剤が含まれる。
溶剤は、塗料の濃度や粘度、硬化後の膜厚などを調整するために使用される。用いる溶剤は、適宜選択すればよいが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノールのようなアルコール類、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、3−メトキシプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノールのようなアルコキシアルコール類、ジアセトンアルコールのようなケトール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル類、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類などが挙げられる。溶剤の使用量は、樹脂基材の材質、形状、塗布方法、目的とする被膜の膜厚などに応じて適宜選択されるが、通常は、加水分解性有機珪素化合物及び無機化合物微粒子の合計量100重量部に対し、20〜10000重量部程度である。
塗料には、加水分解性有機珪素化合物の硬化を促進するために、酸やアルカリ、有機金属化合物や金属イオンなどの硬化触媒を含有させてもよい。また、他の硬化性化合物が含まれる場合には、それに対応した硬化触媒ないし開始剤が適宜添加される。例えば、カチオン重合性化合物が含まれる場合は、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩のようなオニウム塩などのカチオン重合開始剤が添加され、また、ラジカル重合性化合物が含まれる場合は、ベンジル、ベンゾフェノンやその誘導体、チオキサントン類、ベンジルジメチルケタール類、α−ヒドロキシアルキルフェノン類、ヒドロキシケトン類、アミノアルキルフェノン類、アシルホスフィンオキサイド類などのラジカル重合開始剤が添加される。
また塗料には、必要に応じて、安定化剤、酸化防止剤、着色剤、レベリング剤、界面活性剤などの各種添加剤を含有させてもよい。特にシリコーンオイルは、レベリング性を向上させるだけでなく、親水膜の表面の滑り性も向上させ、表面硬度も向上させる効果があるので、添加するのが好ましい。
シリコーンオイルの例としては、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、アルキル・アラルキル変性シリコーンオイル、フルオロシリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、メチル水素シリコーンオイル、シラノール基含有シリコーンオイル、アルコキシ基含有シリコーンオイル、フェノール基含有シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボン酸変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイルなどが挙げられ、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、市販品の例としては、ビックケミージャパン(株)から販売されている“BKY−306”や“BKY−333”のような“BKY”シリーズなどが挙げられる。
シリコーンオイルの添加量は通常、加水分解性有機珪素化合物、無機化合物微粒子、及び必要に応じて用いられる加水分解性有機珪素化合物以外の硬化性化合物の合計量100重量部に対して、50重量部以下である。あまり多く添加すると、親水膜の光学性能や強度が低下する恐れがある。
以上のような塗料を、樹脂基材の表面に塗布することにより、加水分解性有機珪素化合物及び無機化合物微粒子を含む硬化性の塗膜が形成される。この塗布方法としては、例えば、マイクログラビアコート法、ロールコート法、ディッピングコート法、フローコート法、スピンコート法、ダイコート法、キャスト転写法、スプレーコート法などが挙げられる。
次いで、この塗膜を加熱により硬化させる。加熱温度は通常50〜120℃程度であり、また加熱時間は通常1分〜5時間程度である。塗膜が溶剤を含有する場合、加熱硬化は、塗膜が溶剤を含有した状態のまま行ってもよいし、溶剤を揮発させた後に行ってもよい。溶剤を揮発させる場合には、室温で放置してもよいし、30〜100℃程度の硬化しない温度で乾燥してもよい。乾燥時間は、基材の材質、形状、塗布方法、目的とする親水膜の膜厚などに応じて適宜選択される。
また、加水分解性有機珪素化合物以外の硬化性化合物を用いた場合は、その硬化性化合物に適した硬化方法を併用してもよい。かかる硬化方法の一つとして、紫外線照射法を挙げることができ、この場合、紫外線の照射時間は通常0.1〜60秒程度であり、照射温度は通常10〜40℃程度であり、また照射エネルギーは通常50〜3000mJ/cm2程度である。なお、加水分解性有機珪素化合物の硬化と他の硬化性化合物の硬化は、どちらを先に行ってもよい。
こうして得られる本発明の太陽電池カバーは、密着性及び耐擦傷性に優れ、透明性にも優れる親水膜を有しており、防汚性や透光性、さらには防曇性や帯電防止性などの持続効果に優れている。なお、太陽電池カバーが板状で、その片面のみに親水膜を有する場合は、親水膜を外側(太陽光が入射する側)に向けて設置すればよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ないかぎり重量基準である。また、各例で得た親水膜付き樹脂シート(太陽電池カバー)は、以下の方法で評価した。
(1)透明性
透過率計〔(株)村上色彩技術研究所製、HR−100〕を用いて、JIS K 7361−1に準拠して全光線透過率(Tt)を測定し、JIS K 7136に準拠して曇価(Haze)を測定した。
(2)親水性
接触角計〔協和界面科学(株)製、CA−X〕を用いて、親水膜表面の水に対する接触角を25℃にて測定した。
(3)密着性
カッターナイフで親水膜を貫通するように、1mm角100目の碁盤目状の切り込みを入れ、これにセロハンテープ〔ニチバン(株)製、24mm幅〕を貼り、次いでこのセロハンテープを垂直方向に引き剥がして、碁盤目100個あたりの剥離数で評価した。
(4)耐擦傷性
消しゴム摩耗試験機〔(株)本光製作所製〕の消しゴム先端をガーゼで覆い、49N/cm2の圧力を加えながら、親水膜の表面を往復させて、目視で表面に傷が確認されるまでの往復回数で評価した。
実施例1
加水分解性有機珪素化合物を3%の濃度で含む塗料〔コルコート(株)製、“コルコートN−103X”〕50部、平均鎖長90nmの鎖状シリカ微粒子を15%の濃度で含むゾル〔日産化学工業(株)製、“オルガノシリカゾル IPA−ST−UP”〕10部、エタノール22部、及びジオキサン18部を混合して、加水分解性有機珪素化合物/シリカ微粒子=50部/50部の親水性塗料を調製した。この親水性塗料の中に、基材としてポリメチルメタクリレート樹脂の押出シート〔住友化学工業(株)製、“スミペックスE”;厚さ2mm〕を浸漬し、引上速度60cm/minでディップ塗布して、直ちに80℃で30分間加熱し、親水膜付き樹脂シートを作製した。その評価結果を表1に示す。
比較例1
鎖状シリカ微粒子を15%の濃度で含むゾル10部に代えて、平均粒径15nmの球状シリカ微粒子を30%の濃度で含むゾル(日産化学工業(株)製、“オルガノシリカゾル IPA−ST”)を5部使用し、かつ、エタノールの使用量を22部から27部に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られた親水膜付き樹脂シートの評価結果を表1に示す。
Figure 2007242759
実施例2〜7、比較例2〜6
加水分解性有機珪素化合物を3%の濃度で含む塗料〔コルコート(株)製、“コルコートN−103X”〕、平均鎖長90nmの鎖状シリカ微粒子を15%の濃度で含むゾル〔日産化学工業(株)製、“オルガノシリカゾル IPA−ST−UP”〕、及びブタノールを表2に示す割合で混合して、親水性塗料を調製した。この親水性塗料の中に、基材としてポリメチルメタクリレート樹脂の押出シート〔住友化学工業(株)製、“スミペックスE”;厚さ2mm〕を浸漬し、引上速度45cm/minでディップ塗布して、室温で5分間放置した後、80℃で20分間加熱し、親水膜付き樹脂シートを作製した。その評価結果を表2に示す。
Figure 2007242759

Claims (4)

  1. 樹脂基材の表面に親水膜が形成されてなり、該親水膜は、加水分解性有機珪素化合物20〜95重量部、並びに鎖状の無機化合物微粒子及び針状の無機化合物微粒子から選ばれる無機化合物微粒子5〜80重量部を含む組成物が硬化したものであることを特徴とする太陽電池カバー。
  2. 鎖状の無機化合物微粒子の鎖長及び針状の無機化合物微粒子の長径が、それぞれ平均で50〜300nmである請求項1に記載の太陽電池カバー。
  3. 無機化合物微粒子がシリカ微粒子及びアルミナ微粒子から選ばれる請求項1又は2に記載の太陽電池カバー。
  4. 樹脂基材がポリメチルメタクリレート樹脂からなる請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池カバー。
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