JP2005126461A - 親水化処理された樹脂成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂成形品に対する密着性及び耐擦傷性に優れ、透明性にも優れる親水膜が形成された、屋外用途に好適な樹脂成形品を提供する。
【解決手段】樹脂成形品の表面に、加水分解性有機珪素化合物40〜60重量部、並びに鎖状の無機化合物微粒子及び針状の無機化合物微粒子から選ばれる無機化合物微粒子40〜60重量部を含む組成物を硬化させることにより、親水膜を形成する。樹脂成形品としてはポリメチルメタクリレート樹脂成形品が好ましく、また無機化合物微粒子としてはシリカ微粒子やアルミナ微粒子が好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は表面に親水膜が形成された樹脂成形品に関する。
表面に親水膜が形成された樹脂成形品は、汚れが付着し難く、また汚れの除去が容易であることから、屋外用途に好適に用いられている。例えば、特開平7−299890号公報(特許文献1)には、合成樹脂板の表面に、無機親水性コロイド物質を含む防汚層を有するフッ素樹脂フィルム接着して、屋外用騒音遮蔽板に用いることが提案されている。また、特開平8−3478号公報(特許文献2)には、透明合成樹脂成形板の表面に、無機コロイドゾルにより水に対する接触角が50°以下の被覆層を形成して、道路用側壁板に用いることが提案されている。
特開平7−299890号公報 特開平8−3478号公報
しかしながら、上記従来の親水性樹脂成形品は、親水膜の樹脂成形品に対する密着性や耐擦傷性が必ずしも十分でないため、親水膜が剥がれ易かったり、傷付き易かったりすることがあった。また、親水膜の透明性が必ずしも十分でないため、樹脂成形品の機能や外観を低下させることがあった。
そこで本発明の目的は、樹脂成形品に対する密着性及び耐擦傷性に優れ、透明性にも優れる親水膜が形成された、屋外用途に好適な樹脂成形品を提供することにある。
本発明者等は鋭意研究を行った結果、特定の組成を有する硬化性組成物を用いて、樹脂成形品の表面に親水膜を形成することにより、上記目的を達成できることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち本発明によれば、樹脂成形品の表面に親水膜が形成されてなり、該親水膜は、加水分解性有機珪素化合物40〜60重量部、並びに鎖状の無機化合物微粒子及び針状の無機化合物微粒子から選ばれる無機化合物微粒子40〜60重量部を含む組成物が硬化したものである、親水性樹脂成形品が提供される。
本発明の親水性樹脂成形品は、樹脂成形品に対する密着性及び耐擦傷性に優れる親水膜を有しており、この親水膜は透明性にも優れている。
本発明の親水性樹脂成形品では、基材となる樹脂成形品(以下、この親水膜形成前の樹脂成形品を、単に基材ということがある)の表面に親水膜が形成されており、この親水膜が樹脂成形品に親水性、延いては防汚性を付与している。そして、この親水膜は、加水分解性有機珪素化合物及び無機化合物微粒子を含む硬化性組成物が硬化したものである。
親水膜の厚さは、通常10〜1000nmであり、好ましくは50〜500nmである。親水膜の厚さがあまり小さいと、親水性や強度が十分でないことがあり、あまり大きいと、基材に対する密着性や透明性十分でなく、ひび割れなどの不良が発生する可能性もある。また、親水膜は、水に対する接触角が通常30°以下であり、好ましくは20°以下である。
基材としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン、メチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、トリアセチルセルロース樹脂などを、平坦な板状、波板状、曲率を有する板状に成形したもの、あるいは3次元的な形状に成形したものが挙げられる。特に、ポリメチルメタクリレート樹脂の成形品は、耐候性にも優れることから基材に適している。
基材は、表面が平面のものであってもよいし、表面に細かな凹凸が設けられていてもよい。また、その表面に耐擦傷性を有するハードコート層などの他の被膜が形成されていてもよい。
基材の表面は、その全体に親水膜が形成されていてもよいし、部分的に形成されていてもよい。例えば、基材が板状物であれば、両面に親水膜が形成されていてもよいし、片面のみに形成されていてもよい。
親水膜を形成するための硬化性組成物の必須成分の1つである加水分解性有機珪素化合物は、加水分解性の基を分子内に少なくとも1個有し、ケイ素原子に有機基が結合した化合物であって、具体的には、次の式(I)で示すことができる。
Si(R1)q(R2)4-q (I)
式中、R1は水素又は不活性な1価の有機基を表し、R2は加水分解可能な官能基を表し、qは0〜3の整数を表す。
式(I)においてR1で表される不活性な1価の有機基として、典型的には、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、フェニルなどを包含するアリール基などが挙げられる。またR2で表される加水分解可能な官能基としては、例えば、メトキシやエトキシなどを包含する炭素数1〜5のアルコキシ基、アセトキシやプロピオニルオキシのようなアシロキシ基、塩素原子や臭素原子のようなハロゲン原子、トリメチルシリルアミノのような置換シリルアミノ基などが挙げられる。よく知られている加水分解性の有機珪素化合物を大分類的に挙げると、アルコキシシラン化合物、ハロゲン化シラン化合物、アシロキシシラン化合物、シラザン化合物などがある。これらの有機珪素化合物は、上記式(I)におけるR1又はR2の一部として、アリール基、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、フルオロアルキル基などの置換基を有していてもよい。
具体的な加水分解性の有機珪素化合物としては、例えば、メチルトリクロロシランのようなハロゲン化シラン化合物、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランのようなアルコキシシラン化合物、ヘキサメチルジシラザンのようなシラザン化合物などが挙げられる。これらは、それぞれ単独で、又は2種以上混合して用いることができる。
また、加水分解性の有機珪素化合物として、上記のような有機珪素化合物が加水分解された加水分解生成物を用いてもよい。さらに、加水分解後に縮合して、オリゴマー又はポリマーとなった多量体を用いてもよい。これらの加水分解生成物や多量体は、上記有機珪素化合物に、塩酸、リン酸、酢酸のような酸、又は水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウムのような塩基を加えることにより、生成させることができる。
加水分解性有機珪素化合物の市販品の例としては、コルコート(株)製の“コルコートR”、“コルコート200”、“コルコートN−103X”、“エチルシリケート28”や、三菱化学(株)製の“MKCシリケート MS−51”、“MKCシリケート MS−56”、“MKCシリケート MS−57”、“MKCシリケート MS−56S”、“MKCシリケート MSH1”、“MKCシリケート MSH2”などが挙げられる。
硬化性組成物のもう1つの必須成分である無機化合物微粒子は、その形状が鎖状又は針状のものであり、鎖状のものと針状のものとが併用されてもよい。かかる形状の無機化合物微粒子を用いることにより、親水膜の透明性を高めることができ、また親水性を高めることもできる。
ここで、鎖状とは、球状や粒状などの単位微粒子が複数個繋がった鎖のような形状を意味する。鎖状微粒子の鎖長は、平均で通常50〜300nmである。また、鎖状微粒子を構成する単位微粒子の粒径は、平均で通常5〜30nmであり、その数は鎖状微粒子1個あたり、平均で通常5〜10個である。
また、針状とは、針のように細長い形状を意味し、特に細長いものは毛状や羽毛状と呼ばれることもある。針状微粒子の長径、すなわち針の長さに相当する径は、平均で通常50〜300nmであり、針状微粒子の短径、すなわち針の太さに相当する径は、平均で通常5〜30nmである。また、この長径/短径の比率は、平均で通常10/1〜50/1である。
無機化合物微粒子の種類については、適宜選択されるが、シリカ、アルミナ、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウムのような酸化物や、スズ−アンチモン複合酸化物、インジウム−スズ複合酸化物のような複合酸化物が好ましく用いられる。中でもシリカやアルミナが、親水性に優れ、強度も高いことから、より好ましく用いられる。無機化合物微粒子は必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
無機化合物微粒子は、固体状のものを用いてもよいし、水又は有機溶剤中に分散したゾル状のものを用いてもよいが、後述のように硬化性組成物を塗料として構成する場合、ゾル状のものを用いるのが好ましい。無機化合物微粒子の市販品の例としては、ゾル状のシリカであれば、日産化学工業(株)から販売されている“オルガノシリカゾル IPA−ST−UP”、“オルガノシリカゾル MIBK−ST−UP”などが挙げられ、ゾル状のアルミナであれば、日産化学工業(株)から販売されている“アルミナゾル−100”、“アルミナゾル−200”などが挙げられる。
硬化性組成物における加水分解性有機珪素化合物と無機化合物微粒子の量比は、両者の合計量を100重量部として、前者が40〜60重量部であり、後者が40〜60重量部である。前者が60重量部を越え、後者が40重量部に満たないと、親水膜の透明性が十分でなく、親水性も十分でないことがある。一方、前者が40重量部に満たず、後者が60重量部を越えると、親水膜の基材に対する密着性が十分でなく、耐擦傷性も十分でないことがある。
硬化性組成物には、必要に応じて、加水分解有機珪素化合物以外の硬化性化合物を含有させることができる。かかる硬化性化合物としては、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル化合物のようなカチオン重合性化合物や、(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリルアミド化合物、マレイミド化合物、スチレン誘導体のようなラジカル重合性化合物などが挙げられる。該硬化性化合物の使用量は、加水分解性有機珪素化合物100重量部に対し、通常100重量部以下であり、また、該硬化性化合物、加水分解性有機珪素化合物及び無機化合物微粒子の合計量100重量部に対し、通常10〜20重量部程度である。
硬化性組成物を基材上に塗布するためには、この組成物を塗料として構成する必要がある。塗料には通常、硬化性化合物と無機化合物微粒子の他に、溶剤が含まれる。
溶剤は、塗料の濃度や粘度、硬化後の膜厚などを調整するために使用される。用いる溶剤は、適宜選択すればよいが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノールのようなアルコール類、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、3−メトキシプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノールのようなアルコキシアルコール類、ジアセトンアルコールのようなケトール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル類などが挙げられる。溶剤の使用量は、樹脂成形品の材質、形状、塗布方法、目的とする被膜の膜厚などに応じて適宜選択されるが、通常は、加水分解性有機珪素化合物及び無機化合物微粒子の合計量100重量部に対し、20〜10000重量部程度である。
特に溶剤としてジオキサン及び/又はテトラヒドロフランを用いることにより、樹脂成形品基材に対する親水膜の密着性をさらに向上させることができる。ジオキサン及び/又はテトラヒドロフランの使用量は、塗料の全体量を基準として、親水膜の密着性の点から、5重量%以上であるのが好ましく、また、製品の外観の点から、50重量%以下であるのが好ましい。
塗料には、加水分解性有機珪素化合物の硬化を促進するために、酸やアルカリ、有機金属化合物や金属イオンなどの硬化触媒を含有させてもよい。また、他の硬化性化合物が含まれる場合には、それに対応した開始剤が適宜添加される。例えば、カチオン重合性化合物が含まれる場合は、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩のようなオニウム塩などのカチオン重合開始剤が添加され、また、ラジカル重合性化合物が含まれる場合は、ベンジル、ベンゾフェノンやその誘導体、チオキサントン類、ベンジルジメチルケタール類、α−ヒドロキシアルキルフェノン類、ヒドロキシケトン類、アミノアルキルフェノン類、アシルホスフィンオキサイド類などのラジカル重合開始剤が添加される。
また塗料には、必要に応じて、安定化剤、酸化防止剤、着色剤、レベリング剤、界面活性剤などの各種添加剤を含有させてもよい。特にシリコーンオイルは、レベリング性を向上させるだけでなく、親水膜の表面の滑り性も向上させ、表面硬度も向上させる効果があるので、添加するのが好ましい。
シリコーンオイルの例としては、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、アルキル・アラルキル変性シリコーオイル、フルオロシリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、メチル水素シリコーンオイル、シラノール基含有シリコーンオイル、アルコキシ基含有シリコーンオイル、フェノール基含有シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボン酸変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイルなどが挙げられ、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、市販品の例としては、ビックケミージャパン(株)から販売されている“BKY−306”や“BKY−333”のような“BKY”シリーズなどが挙げられる。
シリコーンオイルの添加量は通常、加水分解性有機珪素化合物、無機化合物微粒子、及び必要に応じて用いられる加水分解性有機珪素化合物以外の硬化性化合物の合計量100重量部に対して、50重量部以下である。あまり多く添加すると、親水膜の光学性能や強度が低下する恐れがある。
以上のような塗料を、基材の表面に塗布することにより、加水分解性有機珪素化合物及び無機化合物微粒子を含む硬化性の塗膜が形成される。この塗布方法としては、例えば、マイクログラビアコート法、ロールコート法、ディッピングコート法、フローコート法、スピンコート法、ダイコート法、キャスト転写法、スプレーコート法などが挙げられる。
次いで、この塗膜を加熱により硬化させる。加熱温度は通常50〜120℃程度であり、また加熱時間は通常1分〜5時間程度である。塗膜が溶剤を含有する場合、加熱硬化は、塗膜が溶剤を含有した状態のまま行ってもよいし、溶剤を揮発させた後に行ってもよい。溶剤を揮発させる場合には、室温で放置してもよいし、30〜100℃程度で加熱乾燥してもよい。乾燥時間は、基材の材質、形状、塗布方法、目的とする親水膜の膜厚などに応じて適宜選択される。
また、加水分解性有機珪素化合物以外の硬化性化合物を用いた場合は、その硬化性化合物に適した硬化方法を併用してもよい。かかる硬化方法の一つとして、紫外線照射法を挙げることができ、この場合、紫外線の照射時間は通常0.1〜60秒程度であり、照射温度は通常10〜40℃程度であり、また照射エネルギーは通常50〜3000mJ/cm2程度である。なお、加水分解性有機珪素化合物の硬化と他の硬化性化合物の硬化は、どちらを先に行ってもよい。
以上のようにして形成される親水膜は、親水性、延いては防汚性を備え、樹脂成形品に対する密着性及び耐擦傷性に優れ、透明性にも優れている。さらに耐久性にも優れるため、諸性能が長期間に渡り持続される。かかる親水膜を有する本発明の親水性樹脂成形品は、各種用途に採用することができるが、特に、親水膜の上記特性を生かして、雨や風、塵や埃などによる汚れや衝撃を受け易い屋外用途に好適である。かかる屋外用途としては、例えば、看板、カーポート屋根などの建材、窓材、道路や鉄道用の遮音壁などを挙げることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ないかぎり重量基準である。また、実施例で得た親水膜付き樹脂板は、以下の方法で評価した。
(1)光学特性
透過率計((株)村上色彩技術研究所製、HR−100)を用いて、JIS K 7105に準拠して、全光線透過率(Tt)とヘーズ(曇価)を測定した。
(2)親水性
接触角計(協和界面科学(株)製、CA−X)を用いて、親水膜表面の水に対する接触角を25℃にて測定した。
(3)密着性
カッターナイフで親水膜を貫通するように、1mm角100目の碁盤目状の切り込みを入れ、これにセロハンテープ(ニチバン(株)製、24mm幅)を貼り、次いでこのセロハンテープを垂直方向に引き剥がして、碁盤目100個あたりの剥離数で評価した。
(4)耐擦傷性
消しゴム摩耗試験機((株)本光製作所製)の消しゴム先端をガーゼで覆い、49N/cm2の圧力を加えながら、親水膜の表面を往復させて、目視で表面に傷が確認されるまでの往復回数で評価した。
実施例1
加水分解性有機珪素化合物を3%の濃度で含む塗料(コルコート(株)製、“コルコートN−103X”)を50部、平均鎖長90nmの鎖状シリカ微粒子を15%の濃度で含むゾル(日産化学工業(株)製、“オルガノシリカゾル IPA−ST−UP”)を10部、エタノールを22部、及びジオキサンを18部、混合して、加水分解性有機珪素化合物/シリカ微粒子=50部/50部の親水性塗料を調製した。この親水性塗料の中に、基材としてポリメチルメタクリレート樹脂の押出成形板(住友化学工業(株)製、“スミペックスE”)を浸漬し、引上速度60cm/minでディップ塗布して、直ちに80℃で30分間加熱し、親水膜付き樹脂板を作製した。その評価結果を表1に示す。
比較例1
加水分解性有機珪素化合物を3%の濃度で含む塗料(コルコート(株)製、“コルコートN−103X”)を30部、平均鎖長90nmの鎖状シリカ微粒子を15%の濃度で含むゾル(日産化学工業(株)製、“オルガノシリカゾル IPA−ST−UP”)を14部、エタノールを38部、及びジオキサンを18部、混合して、加水分解性有機珪素化合物/シリカ微粒子=30部/70部の親水性塗料を調製した。この親水性塗料を用いて、実施例1と同様にして、親水膜付き樹脂板を作製した。その評価結果を表1に示す。シリカ微粒子の量が本発明の規定を越えるため、密着性に劣る結果となった。
比較例2
加水分解性有機珪素化合物を3%の濃度で含む塗料(コルコート(株)製、“コルコートN−103X”)を70部、平均鎖長90nmの鎖状シリカ微粒子を15%の濃度で含むゾル(日産化学工業(株)製、“オルガノシリカゾル IPA−ST−UP”)を6部、エタノールを6部、及びジオキサンを18部、混合して、加水分解性有機珪素化合物/シリカ微粒子=70部/30部の親水性塗料を調製した。この親水性塗料を用いて、実施例1と同様にして、親水膜付き樹脂板を作製した。その評価結果を表1に示す。シリカ微粒子の量が本発明の規定に満たないため、ヘーズが高くて透明性に劣る結果となった。
比較例3
加水分解性有機珪素化合物を3%の濃度で含む塗料(コルコート(株)製、“コルコートN−103X”)を50部、平均粒径15nmの球状シリカ微粒子を30%の濃度で含むゾル(日産化学工業(株)製、“オルガノシリカゾル IPA−ST”)を5部、エタノールを27部、及びジオキサンを18部、混合して、加水分解性有機珪素化合物/シリカ微粒子=50部/50部の親水性塗料を調製した。この親水性塗料を用いて、実施例1と同様にして、親水膜付き樹脂板を作製した。その評価結果を表1に示す。シリカ微粒子に鎖状又は針状のものを用いていないため、ヘーズが高くて透明性に劣る結果となった。
Figure 2005126461
(耐久性試験)
実施例1で得られた親水膜付き樹脂板の耐久性試験を、サンシャインウェザーオーメーターにより、ブラックパネル温度63℃、シャワー18分/120分、照射時間1000時間の条件で行った。試験後も、外観上の変化は見られず、透明性も維持されていた。また、水に対する接触角も10°以下であり、親水性も維持されていた。

Claims (5)

  1. 樹脂成形品の表面に親水膜が形成されてなり、該親水膜は、加水分解性有機珪素化合物40〜60重量部、並びに鎖状の無機化合物微粒子及び針状の無機化合物微粒子から選ばれる無機化合物微粒子40〜60重量部を含む組成物が硬化したものであることを特徴とする親水性樹脂成形品。
  2. 鎖状の無機化合物微粒子の鎖長及び針状の無機化合物微粒子の長径が、それぞれ平均で50〜300nmである請求項1に記載の親水性樹脂成形品。
  3. 無機化合物微粒子がシリカ微粒子及びアルミナ微粒子から選ばれる請求項1又は2に記載の親水性樹脂成形品。
  4. 樹脂成形品がポリメチルメタクリレート樹脂成形品である請求項1〜3のいずれかに記載の親水性樹脂成形品。
  5. 用途が屋外用途である請求項1〜4のいずれかに記載の親水性樹脂成形品。
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