JP5421513B2 - 硬化膜、樹脂積層体及びコーティング組成物 - Google Patents

硬化膜、樹脂積層体及びコーティング組成物 Download PDF

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Description

本発明は、硬化膜、該硬化膜の原料に適するコーティング組成物、該硬化膜を樹脂表面に形成してなる樹脂積層体、及びコーティング組成物並びに硬化膜の製造方法に関する。
熱可塑性樹脂、特にポリカーボネート樹脂は、透明性に優れており、軽量で耐衝撃性にも優れている事から、ガラスに代わる構造材料として広く使用されている。しかしながら、ポリカーボネート樹脂は耐擦傷性に劣る事から、その用途は限定されており、ポリカーボネート樹脂基材の表面特性を改良する事が切望されている。
表面処理の改良方法として、ポリカーボネート樹脂成形品の表面を表面処理剤で被覆する方法がある。例えば、多官能アクリル系の光硬化性樹脂や、メラミン系又はオルガノポリシロキサン系の熱硬化性樹脂からなる硬化層をポリカーボネート樹脂基材の表面に形成する方法が提案されている。
この中では、オルガノシロキサンで被覆したものが、耐擦傷性に優れるため有用とされている。しかし、このオルガノシロキサン系樹脂による被覆は、ポリカーボネート樹脂に対する密着性が低いという問題や、耐摩耗性向上のために膜厚を厚くしようとしても、硬化時に割れを生じ易い等の問題があった。
このため、密着性の改良については、現行、アクリル系塗料をプライマーとして塗布し、さらにその上にオルガノシロキサン系樹脂を塗布する2コート方式が一般的である(例えば、特許文献1参照)。しかし、作業工程が長く生産性に問題があるため、プライマー処理が不要な、いわゆる1コート方式による塗布方法が切望されている。その方法が開発されれば、その経済効果は非常に大きい。
また、厚膜化について、一般にオルガノシロキサン等の無機酸化物膜は、臨界膜厚が1μm程度であり、性能向上のために膜厚増加を試みても、ひび割れや剥離が起り易く、造膜困難となる。このため、無機酸化物に有機化合物を混合したハイブリッド材料にて可とう性を改善する表面処理方法が検討されている。
例えば、特許文献2には、密着性を改良する方法として、接着性良好な各種ポリマーを塗料に配合する方法が提案されている。これにより配合されたポリマーが有する種々の特性を硬化膜に付与することができる。
しかしながら、耐擦傷性が顕著に低下するため、機能的には不十分であった。また、ポリマーを溶解させるため、トルエンやTHF等の有機溶剤を用いると、これがポリカーボネート基材等の表面を侵して白化し、透明な積層体を形成することができないという問題があった。
特許文献3には、平均粒子径が150nm未満のアクリル酸系共重合体微粒子を含有する水性エマルションとコロイダルシリカを含有する防曇塗料を熱可塑性樹脂に塗布し、加熱や送風により水を揮発させ、硬化させて形成した防曇性膜が開示されている。
しかし、この塗膜は、前記アクリル酸系共重合体微粒子が融着して形成される高分子膜中にコロイダルシリカが分散した硬化膜である。このため、透明性や基材との密着性は得られるものの、耐擦傷性付与の点で問題があった。
特許文献4には、アルコキシシラン、テトラヒドロフルフリルアルコール、及び固形分が40〜50重量%のアクリル系ポリマーラテックスの水希釈液からなる混合液を、酸触媒の存在下に加水分解・重縮合して得られるシリカゾル組成物をプラスチック表面に塗布し、硬化させる表面改質方法が開示されている。本文献にはポリカーボネート上に形成した塗膜が密着性に優れる旨の記載がある。
しかしながら、長期間の密着性、又は高温化に曝した後の密着性等、実用上具備すべき特性についての記載はない。また、ポリカーボネート溶解性のある溶媒(特許文献4では、テトラヒドロフルフリルアルコール)で密着性を出そうとすると、これがポリカーボネート基材の表面を侵して、ポリカーボネートの白化や、耐衝撃性能の低下を招き易い。
特許第3347097号 特開平7−90224 特開2003−82272 特開平9−227704
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、プライマーを使用しなくても、ポリカーボネート樹脂等の樹脂基材と良好な密着性を有し、かつ耐擦傷性、透明性に優れる硬化膜を提供することを目的とする。
また、透明性に優れる樹脂積層体を提供することを目的とする。
また、貯蔵安定性に優れるコーティング組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究した結果、Si−O結合を有するマトリックス中に有機微粒子(高分子ナノ粒子)が、高度に分散した内部構造を形成することにより、可とう性が向上し、臨界膜厚を増加させることができる事から、耐久性の高い硬化膜が得られることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下の硬化膜等が提供される。
1.平均粒径が1〜200nmの(メタ)アクリル酸エステル系有機微粒子又はスチレン系有機微粒子が、Si−O結合を有するマトリックス中に分散している硬化膜。
尚、本願において「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸又はメタアクリル酸を意味する。
2.さらに、平均粒径が1〜200nmのコロイダルシリカが、Si−O結合を有するマトリックス中に分散している1記載の硬化膜。
3.さらに、平均粒径が1〜200nmの無機系紫外線吸収剤が、Si−O結合を有するマトリックス中に分散している1又は2に記載の硬化膜。
4.前記(メタ)アクリル酸エステル系有機微粒子又はスチレン系有機微粒子の、硬化膜における体積分率が、0.5〜70体積%である1〜3のいずれかに記載の硬化膜。
5.前記Si−O結合を有するマトリックス及び/又はコロイダルシリカのSiO換算重量が、硬化膜の全重量の30〜80重量%である1〜4のいずれかに記載の硬化膜。
6.前記Si−O結合を有するマトリックス及び/又はコロイダルシリカのSiO換算重量と無機系紫外線吸収剤の酸化物換算重量の合計重量が、硬化膜の全重量の30〜80重量%である3〜5のいずれかに記載の硬化膜。
7.上記1〜6のいずれかに記載の硬化膜を樹脂基材に積層した樹脂積層体であって、可視光線透過率が80%以上、及びヘイズが10%以下である樹脂積層体。
8.下記成分(1)〜(6)を含むコーティング組成物。
(1)アルコキシシラン化合物又はポリアルコキシシラン化合物
(2)アミノシラン化合物
(3)エポキシシラン化合物
(4)(メタ)アクリル酸エステル系有機微粒子又はスチレン系有機微粒子
(5)硬化触媒
(6)溶剤
9.さらに、下記成分(7)を含む8に記載のコーティング組成物。
(7)コロイダルシリカ
10.さらに、下記成分(8)を含む8又は9に記載のコーティング組成物。
(8)無機系紫外線吸収剤
11.前記成分(1)〜(6)の配合量が、下記の範囲である8記載のコーティング組成物。
(1)アルコキシシラン化合物又はポリアルコキシシラン化合物:10〜90重量%
(2)アミノシラン化合物:1〜55重量%
(3)エポキシシラン化合物:1〜60重量%
(4)(メタ)アクリル酸エステル系有機微粒子又はスチレン系有機微粒子:0.1〜65重量%
(5)硬化触媒:0.1〜30重量%
(6)溶剤:成分(1)〜(5)の合計を100重量部とした時、10〜1000重量部
12.前記成分(1)〜(7)の配合量が、下記の範囲である9記載のコーティング組成物。
(1)アルコキシシラン化合物又はポリアルコキシシラン化合物:10〜90重量%
(2)アミノシラン化合物:1〜55重量%
(3)エポキシシラン化合物:1〜60重量%
(4)(メタ)アクリル酸エステル系有機微粒子又はスチレン系有機微粒子:0.1〜65重量%
(5)硬化触媒:0.1〜30重量%
(6)溶剤:成分(1)〜(5)及び(7)の合計を100重量部とした時、10〜1000重量部
(7)コロイダルシリカ:0.1〜80重量%
13.前記成分(1)〜(6)及び(8)の配合量が、下記の範囲である10記載のコーティング組成物。
(1)アルコキシシラン化合物又はポリアルコキシシラン化合物:10〜90重量%
(2)アミノシラン化合物:1〜55重量%
(3)エポキシシラン化合物:1〜60重量%
(4)(メタ)アクリル酸エステル系有機微粒子又はスチレン系有機微粒子:0.1〜65重量%
(5)硬化触媒:0.1〜30重量%
(6)溶剤:成分(1)〜(5)及び(8)の合計を100重量部とした時、10〜1000重量部
(8)無機系紫外線吸収剤:0.1〜50重量%
14.前記成分(1)〜(8)の配合量が、下記の範囲である10記載のコーティング組成物。
(1)アルコキシシラン化合物又はポリアルコキシシラン化合物:10〜90重量%
(2)アミノシラン化合物:1〜55重量%
(3)エポキシシラン化合物:1〜60重量%
(4)(メタ)アクリル酸エステル系有機微粒子又はスチレン系有機微粒子:0.1〜65重量%
(5)硬化触媒:0.1〜30重量%
(6)溶剤:成分(1)〜(5),(7),(8)の合計を100重量部とした時、10〜1000重量部
(7)コロイダルシリカ:0.1〜80重量%
(8)無機系紫外線吸収剤:0.1〜50重量%
15.前記(5)硬化触媒が有機酸である8〜14のいずれかに記載のコーティング組成物。
16.上記8〜15のいずれかに記載のコーティング組成物を硬化した硬化膜。
17.少なくとも前記成分(1)及び成分(7)を含む第一の混合液を作製し、最後に成分(4)を混合する12記載のコーティング組成物の製造方法。
18.少なくとも前記成分(1)及び成分(8)を含む第一の混合液を作製し、最後に成分(4)を混合する13記載のコーティング組成物の製造方法。
19.少なくとも成分(1)、成分(7)及び成分(8)を含む第一の混合液を作製し、最後に成分(4)を混合する14記載のコーティング組成物の製造方法。
20.上記8〜15のいずれかに記載のコーティング組成物を加熱し、硬化させる工程を有する硬化膜の製造方法。
本発明によれば、プライマーを使用しなくても、樹脂基材と良好な密着性を有し、かつ優れた耐擦傷性を有する透明な硬化膜が製造できる。
本発明の硬化膜は、平均粒径が1〜200nmの(メタ)アクリル酸エステル系有機微粒子又はスチレン系有機微粒子が、Si−O結合を有するマトリックス中に分散した構成を有することを特徴とする。有機微粒子をSi−O結合を有するマトリックスに微分散することで、透明性が高く、耐擦傷性に優れた硬化膜が得られる。有機微粒子の平均粒径は100nm以下が好ましい。
本発明の硬化膜では、さらに、平均粒径が1〜200nmのコロイダルシリカが、Si−O結合を有するマトリックス中に分散していることが好ましい。Si−O結合を有するマトリックスに、有機微粒子とコロイダルシリカを微分散することにより、さらに耐擦傷性に優れ、かつ透明性の高い硬化膜が得られる。コロイダルシリカの平均粒径は100nm以下が好ましい。
本発明の硬化膜では、さらに、平均粒径が1〜200nmの無機系紫外線吸収剤が、Si−O結合を有するマトリックス中に分散していることが好ましい。無機系紫外線吸収剤を硬化膜中に微分散することで、耐擦傷性に優れると共に耐紫外線性に優れ、かつ透明性の高い硬化膜が得られる。無機系紫外線吸収剤の平均粒径は100nm以下が好ましい。
尚、上述した有機微粒子、コロイダルシリカ及び無機系紫外線吸収剤の平均粒径は、TEM(透過電子顕微鏡)で樹脂基板上の熱硬化膜の断面観察を行い、画像処理ソフトにより求めた平均値を意味する。
本発明の硬化膜では、(メタ)アクリル酸エステル系有機微粒子又はスチレン系有機微粒子の、硬化膜における体積分率が、0.5〜70体積%であることが好ましい。0.5体積%未満では、硬化膜の可とう性が十分改善されないおそれがあり、一方、70体積%を越えると、硬化膜の耐擦傷性が不十分となるおそれがある。体積分率は、特に1〜50体積%の範囲が好ましい。
また、Si−O結合を有するマトリックス及び/又はコロイダルシリカのSiO換算重量は、硬化膜の全重量の30〜80重量%であることが好ましく、40〜80重量%であることが特に好ましい。この範囲とすることにより、造膜性(ひび割れ無し)が良好で耐擦傷性に優れた硬化膜が得られる。
尚、SiOの換算重量は、テフロン(登録商標)シャーレ上に形成した硬化膜サンプルを熱重量測定(窒素下、20℃/分昇温、室温〜800℃)し、その800℃での残渣量の値から求める。
また、Si−O結合を有するマトリックス及び/又はコロイダルシリカのSiO換算重量と無機系紫外線吸収剤の酸化物換算重量の合計重量は、硬化膜の全重量の30〜80重量%であることが好ましく、特に40〜80重量%であることが好ましい。この範囲とすることにより、造膜性(ひび割れ無し)が良好で耐擦傷性に優れた硬化膜が得られる。
尚、無機系紫外線吸収剤の酸化物換算重量は、上記SiOの換算重量値と同様にして求める。
本発明の硬化膜は、樹脂基材の表面保護層として好適である。本発明の硬化膜は透明性に優れており、樹脂基材に製膜して樹脂積層体としても基材の透明性を維持できる。例えば、可視光線透過率が80%以上、及びヘイズが10%以下である樹脂積層体を得ることができ、さらに、可視光線透過率が85%以上、及びヘイズが5%以下である樹脂積層体を得ることもできる。
本発明の硬化膜は、様々な樹脂基材に適用して、樹脂積層体を形成できる。特にポリカーボネート樹脂及びポリメタクリル酸メチル(PMMA)に対して好適に使用できる。
ポリカーボネート樹脂基材は、特に限定されないが、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンや2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジハロゲノフェニル)アルカンで代表されるビスフェノール化合物から周知の方法で製造された重合体が用いられ、その重合体骨格に脂肪酸ジオールに由来する構造単位が含まれていても、エステル結合を持つ構造単位が含まれていてもよい。分子量については特に限定されないが、押出成形性や機械的強度の観点から、粘度平均分子量で10,000〜50,000のものが好ましく、13,000〜40,000のものがより好ましい。基材の厚みについては、特に制限はないが、好ましくは0.1〜20mm程度の範囲である。ポリカーボネート樹脂基材は透明な基材が好ましい。
尚、樹脂基材中には必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱安定剤、難燃剤、無機フィラー、帯電防止剤、及び熱線遮蔽剤等を適宜添加してもよい。
ポリカーボネート積層体の場合、耐候性をさらに向上させるために、ポリカーボネート樹脂基材の表面に、予めポリカーボネート樹脂100重量部に対して、紫外線吸収剤を好ましくは1〜10重量部、より好ましくは1〜5重量部添加した5〜100μmのポリカーボネート樹脂層を設けたポリカーボネート樹脂基材を使用することが好ましい。使用する紫外線吸収剤としては、従来より公知のベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸フェニルエステル系、トリアジン系等が挙げられるが、一般的にはトリアゾール系が使用されている。
ポリカーボネート樹脂基材に紫外線吸収剤を含有したポリカーボネート樹脂層を設ける方法についても特に制限はないが、ポリカーボネート樹脂と紫外線吸収剤を含有したポリカーボネート樹脂とを同時に溶融押出してシート化する共押出法により設けることが好ましい。
尚、本発明の樹脂積層体は、樹脂基材とコーティング層の二層であるが、本発明の効果を損なわない範囲において、適宜他の層を積層させても構わない。
本発明の硬化膜は、例えば、以下に説明する本発明のコーティング組成物を硬化させることにより作製できる。
本発明のコーティング組成物は、下記成分(1)〜(6)を含む。
(1)アルコキシシラン化合物又はポリアルコキシシラン化合物
(2)アミノシラン化合物
(3)エポキシシラン化合物
(4)(メタ)アクリル酸エステル系有機微粒子又はスチレン系有機微粒子
(5)硬化触媒
(6)溶剤
(1)アルコキシシラン化合物又はポリアルコキシシラン化合物
アルコキシシラン化合物は、アミノ基とエポキシ基を含まないアルコキシシラン化合物であり、好ましくは2官能アルコキシシラン、3官能アルコキシシラン又は4官能アルコキシシラン、より好ましくは3官能アルコキシシラン又は4官能アルコキシシランを使用できる。尚、これらは単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。
3官能アルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、イソシアネート基を2−ブタノオキシム等でブロック化したブロック化イソシアネートトリメトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
4官能のアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン等が挙げられる。
好適なアルコキシシラン化合物(1)は、以下の式(1)で表すことができる。
(RSi(OR4−m (1)
(式中、Rは同じでも異なってもよく炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基;フェニル基;又はメタクリロキシ基、イソシアナート、ウレイド基、フルオロ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基である。Rは炭素数1〜4のアルキル基である。mは0,1,2のいずれかの整数である。)
ポリアルコキシシラン化合物とは、上記のアルコキシシラン化合物がシロキサン結合(Si−O結合)でつながった化合物である。具体例として、多摩化学工業(株)製の「シリケート40」、「シリケート45」、「シリケート48」、「Mシリケート51」、「MTMS−A」等のポリアルコキシシラン化合物(アルコキシシリケート化合物)が挙げられる。
(2)アミノシラン化合物
アミノシラン化合物(アミノ基含有シラン化合物)は、アミノ基を含むがエポキシ基は含まないアルコキシシラン化合物であり、具体例としては、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
好適なアミノシラン化合物(2)を、以下の式(2)で表すことができる。
(R11Si(OR4−n (2)
(式中、R11は同じでも異なってもよく炭素数1〜4のアルキル基;ビニル基;フェニル基;又はメタクリロキシ基、アミノ基からなる群から選ばれる1以上の基で置換された炭素数1〜3のアルキル基であり、R11の少なくとも1つは、アミノ基で置換された炭素数1〜3のアルキル基である。Rは炭素数1〜4のアルキル基である。nは1又は2の整数である。)
(3)エポキシシラン化合物
エポキシシラン化合物(エポキシ基含有シラン化合物)は、エポキシ基を含むがアミノ基は含まないアルコキシシラン化合物であり、具体例としては、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4―エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
好適なエポキシシラン化合物(3)を、以下の式(3)で表すことができる。
(R21Si(OR4−n (3)
(式中、R21は同じでも異なってもよく炭素数1〜4のアルキル基;ビニル基;フェニル基;又はメタクリロキシ基、グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基からなる群から選ばれる1以上の基で置換された炭素数1〜3のアルキル基であり、R21の少なくとも1つは、グリシドキシ基又は3,4−エポキシシクロヘキシル基で置換された炭素数1〜3のアルキル基である。Rは炭素数1〜4のアルキル基である。nは1又は2の整数である。)
(4)(メタ)アクリル酸エステル系有機微粒子又はスチレン系有機微粒子
(メタ)アクリル酸エステル系又はスチレン系有機微粒子(高分子ナノ粒子)は、原料モノマーと界面活性剤を水中に投入し、撹拌してエマルジョンとし、ついで、重合開始剤を加えて重合することで作製でき、高分子ナノ粒子分散液として得られる。分散液中で生成ポリマーはナノ粒子として存在する。尚、製造時に使用する媒体(溶媒)、界面活性剤、重合開始剤は、モノマー種により適合するものを適宜選択すればよい。
(メタ)アクリル酸エステル系の高分子ナノ粒子の原料に用いるモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、nーブチレン(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルペンテル(メタ)アクリレート、3−メチルペンテルアクリレート、4−メチルペンテルアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,3−ジメチルブチル(メタ)アクリレート、2,2−ジメチルブチル(メタ)アクリレート、3,3−ジメチルブチル(メタ)アクリレート、2−メチルヘキシル(メタ)アクリレート、3−メチルヘキシル(メタ)アクリレート、4−メチルヘキシル(メタ)アクリレート、5−メチルヘキシル(メタ)アクリレート、2,2−ジメチルペンチル(メタ)アクリレート、2,2−ジメチルペンチル(メタ)アクリレート、2,3−ジメチルペンチル(メタ)アクリレート、4,4−ジメチルペンチル(メタ)アクリレート、3,4−ジメチルペンチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−メチルヘプチル(メタ)アクリレート、3−メチルヘプチル(メタ)アクリレート、4−メチルヘプチル(メタ)アクリルレート、5−メチルヘプチル(メタ)アクリルレート、3−エチルヘキシル(メタ)アクリルレート、4−エチルヘキシル(メタ)アクリルレート、5−メチルヘキシル(メタ)アクリルレート等の(メタ)アクリル酸エステル(、又はこれらに対応するアクリル酸エステル)が挙げられる。
スチレン系の高分子ナノ粒子の原料に用いるモノマーとしては、スチレン、α―スチレン等のスチレン系モノマーが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルモノマー又はスチレン系モノマーと共重合させることができるモノマーとしては、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート等のオキシエチレン単位を有するアクリレートやメタクリレート類が挙げられる。
また、スチレンスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸カリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸カリウム、2−アクリルアミドー2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム、2―アクリルアミドー2−メチループロパンスルホン酸カリウム、ビニルスルホン酸ナトリウム、ビニルスルホン酸カリウム、メタクリル酸―2−スルホエチル・ナトリウム塩、メタクリル酸―2−スルホエチル・カリウム塩、アルキルアリルスルホコハク酸塩等が挙げられる。
また、p−スチリルトリメトキシシラン、γ―メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ―メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ―メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシシラン、γ―メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
また、アクロレイン、メタアクロレイン、クロトンアルデヒド、ホルミルスチレン、ホルミルーα―メチルスチレン、ダイアセトンアクリルアミド、アクリルアミドピバリンアルデヒド、メタクリルアミドピバリンアルデヒド、3−アクリルアミドメチルーアニスアルデヒド、3−メタクリルアミドメチルーアニスアルデヒド、β―アクリロキシーα、α―ジアルキルプロパナール、β―メタクリロキシーα、α―ジアルキルプロパナール等のカルボニル基を有するモノマー等が挙げられる。
高分子ナノ粒子分散液中の高分子ナノ粒子の濃度は、分散液中にポリマー粒子がナノレベルで安定的に存在する濃度であればよく、例えば、5〜40重量%の範囲が好ましい。
(5)硬化触媒
硬化触媒は、上述したシラン化合物(1)〜(3)を加水分解、並びに縮合(硬化)させる触媒であり、その例として、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、亜硝酸、過塩素酸、スルファミン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、乳酸、p−トルエンスルホン酸、クエン酸等の有機酸が挙げられる。
また、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、n−ヘキシルアミン、ジメチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、酢酸エタノールアミン、ギ酸ジメチルアニリン、安息香酸テトラエチルアンモニウム塩、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カリウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、酢酸ベンゾイルトリメチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウムアセテート、オクチル酸スズ等の有機金属塩、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、アルミニウムトリイソブトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、SnCl、TiCl、ZnCl等のルイス酸等が挙げられる。
これら硬化触媒(5)のうち、(メタ)アクリル酸エステル系有機微粒子又はスチレン系有機微粒子(4)の配合量を増量しても高分散化でき、得られる膜の透明性を向上できることから、有機酸が好ましく使用できる。特に有機カルボン酸、なかでも酢酸が好ましく使用できる。
尚、硬化触媒は、単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。
(6)溶剤
溶剤は、上記各成分を均一に混合できるものであれば特に限定されない。例えば、水、アルコール類、芳香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類、エステル類等を挙げることができる。これら有機溶剤のうち、アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−オクチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレンモノメチルエーテルアセテート、ジアセトンアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ等を挙げることができる。
その他の溶媒の具体例としては、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、キシレン、ジクロロエタン、トルエン、酢酸、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸エトキシエチル等が挙げられる。
これらは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組合わせて用いてもよい。
本発明のコーティング組成物は、さらに、(7)コロイダルシリカ及び/又は(8)無機系紫外線吸収剤を含むことが好ましい。
(7)コロイダルシリカ
コロイダルシリカは、水中で水和によって表面にSi−OH基を有する酸化ケイ素のコロイド懸濁液のことであり、コロイドシリカ、コロイド珪酸ともいう。珪酸ナトリウムの水溶液に塩酸を加えると生成する。最近は、新しい調製法が次々に開発され、非水溶液中に分散したものや、気相法で作った微粉末状のものがあり、粒子径も数nmから数μmのものまで多彩である。粒子の組成も不定で、シロキサン結合(―Si−O―、−Si―O−Si−)を形成して、高分子化しているものもある。粒子表面は多孔性で、水中では一般的に負に帯電している。
尚、本発明では、平均粒径が200nm以下のものを使用する。
市販品としては、扶桑化学工業株式会社製「超高純度コロイダルシリカ」クォートロンPLシリーズ(品名:PL−1、PL−3、PL−7)、同社製「高純度オルガノゾル」や、日産化学工業株式会社製「水性シリカゾル(品名:スノーテックス20、スノーテックス30、スノーテックス40、スノーテックスO、スノーテックスO−40、スノーテックスC、スノーテックスN、スノーテックスS、スノーテックス20L、スノーテックスOL)等」や「オルガノシリカゾル(品名:メタノールシリカゾル、MA−ST−MS,IPA−ST、IPA−ST−MS、IPA−ST−L、IPA−ST−ZL,IPA−ST−UP、EG−ST、NPC−ST−30、MEK−ST、MEK−ST−MS、MIBK−ST、XBA−ST、PMA−ST、DMAC−ST)等」が挙げられる。
(8)無機系紫外線吸収剤
無機系紫外線吸収剤は、いずれも半導体であり、バンドギャップ以上のエネルギーがもつ光、即ち、紫外線を吸収し、伝導帯に電子が、価電子帯に正孔が生じる。エネルギー放出過程は、これらの再結合により熱等のエネルギーに変換されると考えられている。酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄、酸化ジルコニウム、三酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム等が、一般的に知られた無機系紫外線吸収剤である。利用可能な市販品としては、用途、製法によって使い分ける事が可能であるが、酸化チタンとしては、石原産業製「中性チタニアゾルTSK−5」、酸化セリウムとしては、多木化学製の酸化セリウム系紫外線吸収剤「ニードラール(水分散タイプのアニオン型エマルションのニードラールP−10、水分散タイプのカチオン型エマルションのニードラールU−15や、粉末タイプ等)」、酸化亜鉛としては、住友大阪セメント社製「ZS−303」、石原産業製「超微粒子酸化亜鉛FZO」などが、平均粒径100nm以下の超微粒子として挙げられる。無機系紫外線吸収剤は、その電子の働きにより紫外線エネルギーを微弱なエネルギーに変換して放出する。この時、無機系紫外線吸収剤自体は物質変化を起こさないので、恒久的に、その効果を持続する。
本発明のコーティング組成物は、上記(1)〜(6)及び必要に応じて成分(7)及び/又は(8)を混合して調製する。
尚、上記成分(7)及び/又は(8)を混合する際は、少なくとも成分(1)、成分(7)及び/又は成分(8)を含む第一の混合液を作製し、調製の最後に成分(4)を混合することが好ましい。このように、分離して調製すると、コーティング組成物の保存安定性(相分離やゲル化が起きない等)が向上する。
また、成分(5)は、第一の混合液に混合することが好ましい。
本発明のコーティング組成物の配合は以下のとおりとすることが好ましい。
溶剤(6)の配合量は、成分(1)〜(5)(7)(8)の合計を100重量部としたときに10〜1000重量部、好ましくは10〜800重量部、特に好ましくは50〜600重量部である。
アルコキシシラン化合物(1)は、溶剤(6)を除く全成分の合計に対し10〜90重量%であることが好ましく、15〜75重量%がより好ましい。尚、成分(1)は、数種のアルコキシシランを混合して使用することが好ましい。具体的には、組成物全体に対し4官能アルコキシシランを5〜50重量%(より好ましくは15〜45重量%)、3官能アルコキシシランを5〜80重量%(より好ましくは5〜40重量%)含むことが好ましい。
4官能アルコキシシランが、50重量%を超えて混合される場合は、造膜性が低下(ひび割れ等)し、5重量%未満の場合は、耐擦傷性が低下する恐れがある。
3官能アルコキシシランが80重量%を超えて混合される場合は、耐擦傷性が低下し、5重量%未満の場合は、コーティング液安定性の低下や、造膜性の低下の恐れがある。
アミノシラン化合物(2)は、溶剤(6)を除く全成分の合計に対し1〜55重量%であることが好ましく、5〜45重量%であることがより好ましい。アミノシラン化合物(2)が55重量%を超えて混合される場合は、造膜性が低下し、1重量%未満の場合は、密着性、耐擦傷性、膜の透明性が著しく低下する恐れがある。さらに、配合量下限については、5重量%以上にすることが、耐擦傷性発言に好ましい。より好ましくは、8重量%以上である。
エポキシシラン化合物(3)は、溶剤(6)を除く全成分の合計に対し1〜60重量%であることが好ましく、5〜45重量%であることがより好ましい。エポキシシラン化合物(3)が60重量%を超えて混合される場合は、膜の透明性、密着性、耐擦傷性、コーティング液安定性が低下し、1重量%未満の場合は、造膜性が低下する。さらに、配合量下限については、5重量%以上使用することが、造膜性発現に好ましい。より好ましくは、10重量%以上である。
(メタ)アクリル酸エステル系有機微粒子又はスチレン系有機微粒子(4)は、溶剤(6)を除く全成分の合計に対し0.1〜65重量%であることが好ましく、1〜50重量%であることがより好ましい。有機微粒子(4)が65重量%を超えて混合される場合は、耐擦傷性が著しく低下し、0.1重量%未満の場合は、ひび割れや剥離が起り易く、造膜性が顕著に低下する恐れがある。
硬化触媒(5)は、溶剤(6)を除く全成分の合計に対し0.1〜30重量%であることが好ましく、0.1〜20重量%であることがより好ましい。硬化触媒(5)が30重量%を超えると、コーティング液の安定性が低下する恐れがあり、0.1重量%未満では、硬化不良の原因となる。
コロイダルシリカ(7)は、溶剤(6)を除く全成分の合計に対し0.1〜80重量%であることが好ましく、1〜50重量%であることがより好ましい。コロイダルシリカ(7)が、80重量%を超えて混合される場合は、造膜性が低下する恐れがあり、0.1重量%未満の場合は、十分な耐擦傷性付与効果を示さない恐れがある。
無機系紫外線吸収剤(8)は、溶剤(6)を除く全成分の合計に対し0.1〜50重量%であることが好ましく、0.1〜30重量%であることがより好ましい。無機系紫外線吸収剤(8)が、50重量%を超えて混合される場合は、造膜性が低下する恐れがあり、0.1重量%未満の場合は、十分な耐候性を示さない恐れがある。
尚、上記各成分の分散液を使用して組成物を調製する場合、上記重量率は固体成分の値を意味する。
また、本発明のコーティング組成物は、この他、硬化被膜のレベリング剤、潤滑剤を添加することができ、それらの添加剤として、例えばポリオキシアルキレンとポリジメチルシロキサンの共重合体、ポリオキシアルキレンとフルオロカーボンとの共重合体等を用いることができる。
この他、必要に応じて、光安定化剤、耐候性付与剤、着色剤又は帯電防止剤も添加可能である。
本発明のコーティング組成物は、常法により硬化することで硬化膜(硬化皮膜)とすることができる。
具体的には、硬化膜を形成する対象である樹脂成形品(射出成形品、フィルム又はシート等)等の基材上に、コーティング組成物をスプレー、浸漬、カーテンフロー、バーコーター又はロールコーティング等の公知の方法により塗布し、塗膜を形成する。塗膜の厚さとしては、硬化膜の厚みが、好ましくは1〜15μm、より好ましくは2〜10μmとなるように調整する。
その後、適当な硬化条件、特に制限はないが、通常80〜190℃、好ましくは、100〜140℃にて、10分〜24時間、好ましくは、30分〜3時間加熱硬化することにより、硬化膜が得られる。
本発明のコーティング組成物から得られる硬化膜は、膜中に有機微粒子(4)、及び、必要に応じてコロイダルシリカ(7)及び/又は無機系紫外線吸収性剤(8)が、Si−O結合を有するマトリックスに高分散(平均粒径が1〜200nm)している、新規な構造を有する。このような硬化膜は、耐擦傷性に優れ、かつ透明性の高い硬化膜となる。
尚、有機微粒子(4)と、コロイダルシリカ(7)及び/又は無機系紫外線吸収性剤(8)が分散している、Si−O結合を有するマトリックスは、上記(1)〜(3)成分が加水分解等により架橋したものである。
尚、Si−Oマトリックスに有機微粒子(4)として機能性ナノ粒子をナノ分散させることにより、さらなる機能化も可能である。
[有機微粒子(4)分散液の作製]
製造例1
ガス導入管、還流冷却器、pH測定用複合ガラス電極及び、かき混ぜ装置を備えた、500mlの4つ口フラスコを用い、蒸留水200g中に、乳化剤として系中濃度が5.0(g/100ml)となるように反応性乳化剤(商品名、ニューフロンティアA−229E、第一製薬社製のリン酸エステル系乳化剤)を溶解し、50〜60℃に保った。重合モノマーとして、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、グリシジルメタクリレートを重量混合比60/40/2の割合で混合した混合モノマー150gを用意した。はじめにそのうちの25gを重合フラスコ中に分散乳化させた。
一定の撹拌状態を保ちながら、微量の硫酸銅水溶液(系中濃度5.0×10−7mol/L)を添加した後、過硫酸カリウム−チオ硫酸ナトリウムの等モル量混合物からなるレドックス重合開始剤(系中濃度3.0×10−3mol/L)で、50〜60℃、pH=4〜7で重合を開始させた。
ついで、残りの混合モノマー125gを徐々に滴下しつつ、重合熱による昇温を防ぎながら重合を行った。重合時間は15〜30分程度として、有機微粒子(I)を得た。
水希釈後、支持膜付Cuメッシュ基板上に滴下し、溶媒を揮発させた。基板上に残ったアクリル系有機微粒子をTEM(透過型電子顕微鏡)で観察して粒子径を測定した。10点観察してその平均値を平均粒子径としたところ、平均粒子径は50nmであった。アクリル系有機微粒子は、半透明で粘性のある反応性ミクロゲルとして得られた。室温では造膜性に劣るが、120℃のホットプレート上で乾燥させると、無色透明の平滑な膜が形成された。
最後に、アクリル系有機微粒子をイオン交換水で希釈して、固形分濃度30重量%に調整した分散液とした。
製造例2
ガス導入管、還流冷却器、かき混ぜ装置を備えた、300mlの4つ口フラスコを用いた。蒸留水85g中に、乳化剤としてネオペレックスG−25(花王(株)製、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ)2.1gを加え溶解した。重合モノマーとして、アクリル酸ブチル19.2g、メタクリル酸メチル3.2g、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.35g、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(新中村化学(株)製、M−230G)8.8gを混合して混合モノマーを用意した。混合モノマーの全量をフラスコ中に分散乳化させ、一定の撹拌状態を保ちながら窒素置換し、70℃に保った。これに、亜硫酸水素ナトリウム0.07gを18gの水に溶解させた水溶液を加えた。別途、過硫酸アンモニウム0.2g、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム9.2g、蒸留水23gからなる水溶液を調製し、これをフラスコ中に滴下し、重合熱による昇温を防ぎながら重合を行った。重合時間を15〜30分程度とし、アクリル系有機微粒子(II)を得た。
製造例1と同様に平均粒子径を測定したところ52nmであった。アクリル系有機微粒子(II)は、半透明で粘性のある反応性ミクロゲルとして得られた。室温では造膜性に劣るが、120℃のホットプレート上で乾燥させると、無色透明の平滑な膜が形成された。
最後に、アクリル系有機微粒子(II)をイオン交換水で希釈して、固形分濃度20重量%に調整した分散液を得た。
実施例1
[コーティング組成物の調製]
表1に示す組成にて以下のとおり調製した。
容積50gのサンプル管に、有機微粒子(I)(成分(4))、1−メトキシ─2−プロパノール(成分(6))、イオン交換水(成分(6))を仕込み、700rpmで撹拌しながら、酢酸(成分(5))、テトラメトキシシラン(成分(1))、20%p−トルエンスルホン酸メタノール液(成分(5))の順に、それぞれ1分間かけて滴下した。引き続き、室温で10分撹拌し、これをA液とした。
容積20gのサンプル管に、メチルトリメトキシシラン(成分(3))、1−メトキシ─2−プロパノール(成分(6))、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(成分(3))を仕込み、500rpmで10分間撹拌し、これをB液とした。
A液をB液に2分間かけて滴下した後、30分間、室温にて700rpmで撹拌した。引き続き、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(成分(2))を、2分間かけて滴下した後、室温で24時間撹拌した。引き続き、暗所25℃にて、1週間静置して、コーティング組成物を作製した。
[樹脂積層体]
ポリカーボネート樹脂板(出光興産株式会社製、IV2200R耐候グレード、3mm厚、可視光線透過率90%、ヘイズ値1%)上に、上記のコーティング組成物を、バーコーターを使用して厚さ6μmの塗布膜を作製した。これを130℃で2時間加熱し、熱硬化させて硬化膜を形成した樹脂積層体を作製した。
作製した硬化膜について、以下の評価を行なった。評価結果を表1に示す。
評価事項
(1)硬化膜中の粒子の平均粒径(粒子分散構造)
透過型電子顕微鏡(TEM)で硬化膜の断面観察を行ない、その1μm角中に存在する粒子を10個選び、米国NIH(National Institute of Health)製フリーソフト:NIH Image 1.63を使用して平均粒径を求めた。
尚、実施例1−11における平均粒径は40〜60nmであった。実施例6で作製した硬化膜の断面写真(倍率:10万倍)を図1に、実施例10で作製した硬化膜の断面写真(倍率:10万倍)を図2に示す。また、比較例8で作製した硬化膜の断面写真(倍率:10万倍)を図3に示す。写真において、白の部分が有機微粒子であり、灰色(もしくは、その他)の部分がSi−Oマトリックスである。はっきりとした黒丸はコロイダルシリカである。
表中の有機微粒子分散構造又はシリカ粒子分散構造の欄では、平均粒径が200nm以下のものを○、平均粒子径が200nmより大きいものを×、粒径が200nm以下のものも存在するが、粒子が融着し粒子径が200nmより大きいアメーバ状になったものが存在するものを△とした。
(2)硬化膜中の有機微粒子の体積分率
有機微粒子の体積分率は、TEMで樹脂基板上の硬化膜の断面観察を行い、その1.5μm中に存在する粒子の面積を、米国NIH製フリーソフトを使用して面積%を求め、その値を、「観察サンプルの厚み÷有機微粒子の平均粒径」値で割って求めた。
尚、実施例1で作製した硬化膜の有機微粒子の体積分率は8体積%であり、実施例6で作製した硬化膜の有機微粒子の体積分率は23体積%であった。
(3)硬化膜中のSi化合物と無機系紫外線吸収剤の酸化物換算重量
酸化物の割合は、テフロン(登録商標)シャーレ上で、コーティング液を熱硬化して得られたサンプルを、熱重量測定(窒素下、20℃/分昇温、室温〜800℃)し、その800℃での残渣量から求めた。
(4)液安定性
コーティング組成物について、常温で14日間密栓保存して、ゲル化の有無を目視により判定した。ゲル化していないものについては、音叉型振動式粘度計(SV−10、株式会社エー・アンド・デイ製)にて粘度測定を行い、初期からの変化率が3倍以内のものを良好とした。
(5)膜外観
目視にて硬化膜の外観(異物やまだら模様の有無)、ひび割れの有無を確認した。
(6)可視光線透過率及びヘイズ
直読ヘイズコンピュータ(スガ試験機(株)製、HGM−2DP)にて、ポリカーボネート基板との積層体の状態で測定した。
(7)耐擦傷性
スチールウール#0000、荷重500g、20mm/秒で10往復した後、表面の傷付きの状態を目視により4段階で評価した。
1:全く傷がつかない。2:僅かに傷がつく。3:擦った箇所の半分に傷がつく。4:擦った箇所の全面に傷がつく
(8)密着性
JIS K 5400に準拠して測定した。即ち、サンプルをカミソリの刃で2mm間隔に縦横11本ずつ切れ目を入れて100個の碁盤目をつくり、市販のセロハンテープ(「CT−24(幅24mm)」、ニチバン(株)製)を指の腹でよく密着させた後、90°の角度で手前方向に急激に剥し、膜が剥離しないで残存したます目数(X)をX/100で表示した。
(9)耐有機薬品性
硬化膜上にアセトンを1cc滴下し、5分後に布で拭き取った後、膜の状態を目視により観察した、変化のないものを良好とした。
(10)耐冷熱衝撃性
冷熱衝撃試験(ESPEC製、TSA−200D−W)にて、−30℃で1時間、110℃で1時間を100サイクル行なった。試験前後での密着性の変化で、耐冷熱試験性を評価した。
(11)耐熱性
耐熱試験機(TABAI製、PS−222)にて、110℃、720時間の条件で実施した。試験前後での密着性の変化で、耐熱性を評価した。
(12)耐候性
キセノンウェザー試験(アトラス社製、Ci165、出力6.5kW)にて、ブラックパネル温度63℃、湿度50%にて実施した。試験前後の密着性の変化で、耐熱性を評価した。
実施例2〜7、比較例1〜3
表1に示す組成とした他は、実施例1と同様にしてコーティング組成物及び樹脂積層体を作製し評価した。結果を表1又は表2に示す。
使用材料
MTMS−A(3官能ポリアルコキシシラン化合物)
(多摩化学工業(株)製) Lot.030601
固形分(不揮発分)67%(製造元分析表より)
Mシリケート51(4官能ポリアルコキシシラン化合物)
(多摩化学工業(株)製) Lot.03070
固形分(不揮発分)51%(製造元分析表より)
[コーティング組成物の調製]
実施例8〜9
表2の仕込みに従い調製した。
容積50gのサンプル管に、無機系紫外線吸収剤(成分(8):多木化学製ニードラールU−15、水分散、平均粒子径8nm、CeO濃度15重量%)、エチルセロソルブ(成分(6))、イオン交換水(成分(6))を仕込み、700rpmで撹拌しながら、酢酸(成分(5))、テトラメトキシシラン(成分(1))、20%p−トルエンスルホン酸メタノール液(成分(5))の順に、それぞれ1分間かけて滴下した。引き続き、室温で10分撹拌し、これをA液とした。
容積20gのサンプル管に、メチルトリメトキシシラン(成分(1))、エチルセロソルブ(成分(6))、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(成分(3))を仕込み、500rpmで10分間撹拌し、これをB液とした。
A液をB液に2分間かけて滴下した後、室温、700rpmで30分撹拌した。引き続き、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(成分(2))を、2分間かけて滴下した後、24時間室温で撹拌した。
最後に、撹拌しながら、有機微粒子(I)(成分(4))を、3分間かけて滴下した。引き続き、暗所25℃にて、1週間静置してコーティング組成物を作製した。
[樹脂積層体]
実施例1〜7と同様に操作し、作製した樹脂積層体について評価した。結果を表2に示す。
実施例10
[コーティング組成物の調製]
表2の仕込みに従い調製した。
容積50gのサンプル管に、コロイダルシリカ(成分(7):日産化学製O−40、水分散、平均粒子径20nmの球状粒子、固形分濃度40重量%)、1−メトキシ─2−プロパノール(成分(6))、イオン交換水(成分(6))を仕込み、700rpmで撹拌しながら、酢酸(成分(5))、テトラメトキシシラン(成分(1))、20%p−トルエンスルホン酸メタノール液(成分(5))の順に、それぞれ1分間かけて滴下した。引き続き、室温で10分撹拌し、これをA液とした。
容積20gのサンプル管に、メチルトリメトキシシラン(成分(1))、1−メトキシ─2−プロパノール(成分(6))、ジメトキシグリシドキシプロピルメチルシラン(成分(3))を仕込み、500rpmで10分間撹拌し、これをB液とした。
A液をB液に2分間かけて滴下した後、室温、700rpmで30分撹拌した。引き続き、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(成分(2))を、2分間かけて滴下した後、24時間室温で撹拌した。
最後に、撹拌しながら、有機微粒子(I)(成分(4))を、3分間かけて滴下した。引き続き、暗所25℃にて、1週間静置してコーティング組成物を作製した。
[樹脂積層体]
実施例1〜7と同様に操作し、作製した樹脂積層体について評価した。結果を表2に示す。
実施例11
[コーティング組成物の調製]
表2の仕込みに従い調製した。
容積50gのサンプル管に、コロイダルシリカ(成分(7):日産化学製O−40、水分散、固形分濃度40重量%)、無機系紫外線吸収剤(成分(8):多木化学製ニードラールU−15、水分散、平均粒子径8nm、CeO2濃度15重量%)、1−メトキシ─2−プロパノール(成分(6))、イオン交換水(成分(6))を仕込み、700rpmで撹拌しながら、酢酸(成分(5))、テトラメトキシシラン(成分(1))、20%p−トルエンスルホン酸メタノール液(成分(5))の順に、それぞれ1分間かけて滴下した。引き続き、室温で10分撹拌し、これをA液とした。
容積20gのサンプル管に、メチルトリメトキシシラン(成分(1))、1−メトキシ─2−プロパノール(成分(6))、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(成分(3))を仕込み、500rpmで10分間撹拌し、これをB液とした。
A液をB液に2分間かけて滴下した後、室温、700rpmで30分撹拌した。引き続き、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(成分(2))を、2分間かけて滴下した後、24時間室温で撹拌した。
最後に、撹拌しながら、有機微粒子(I)(成分(4))を、3分間かけて滴下した。引き続き、暗所25℃にて、1週間静置してコーティング組成物を作製した。
[樹脂積層体]
実施例1〜7と同様に操作し、作製した樹脂積層体について評価した。結果を表2に示す。
比較例4
[コーティング組成物の調製]
有機微粒子(I)(成分(4))2gとコロイダルシリカ(成分(7)、日産化学製スノーテックスO−40、平均粒子径20nmの球状粒子、固形分濃度40重量%)4gを加え、イオン交換水(成分(6))25gで希釈して、室温で一晩撹拌し、コーティング組成物を調製した。配合から求めた固形分中の有機微粒子の量は27重量%であった。
[樹脂積層体]
ポリカーボネート樹脂板上に、コーティング組成物を、バーコーターを使用して2ミクロンの塗膜とした。これを80℃、20分で熱硬化させた。作製した硬化膜の耐擦傷性、密着性、膜内部構造等の評価結果を表3に示す。
コロイダルシリカC:日産化学製、スノーテックスC
(平均粒子径20nm、コロイダルシリカ濃度10重量%)
比較例5〜12
表3に示す組成とした他は、実施例1と同様にしてコーティング組成物及び樹脂積層体を作製し評価した。結果を表3に示す。
各実施例から、本発明のコーティング組成物は貯蔵安定性に優れることが分かる。また、本発明の硬化膜は、耐擦傷性、密着性、耐久性に優れることが分かる。さらに、本発明の樹脂積層体は透明性に優れることが分かる。また、樹脂積層体が透明性に優れることから、硬化膜自体が透明性に優れるものであることが分かる。
一方、有機微粒子成分を含まないコーティング組成物を塗布した比較例1は、耐冷熱衝撃性に劣っていた。
アミノシラン化合物を含まないコーティング組成物を塗布した比較例2は、耐擦傷性に劣り、かつヘイズの上昇が起きた。
エポキシシラン化合物を含まないコーティング組成物を塗布した比較例3は、造膜性(ひび割れ)が悪く、樹脂積層体の透明性や密着性等の測定ができなかった。また、造膜性(ひび割れ)が悪いため、硬化膜の断面観察を行うための試料作製ができず、硬化膜中の粒子の平均粒径測定ができなかった。
Si−O結合を有するマトリックスの形成に寄与するシラン化合物に代えて、コロイダルシリカを用いたコーティング組成物を塗布した比較例4〜12は、例えば図3に示すように、平均粒径が1〜200nmの(メタ)アクリル酸エステル系有機微粒子が、Si−O結合を有するマトリックス中の分散した硬化膜とはなっておらず、耐擦傷性に劣るものであった。
本発明は、メーターカバー等の自動車内部部品、二輪車や三輪車のウインドシールド、自動車窓、建機用のルーフ、矯正用の他、サングラス、スポーツ、安全メガネ等の眼鏡レンズ用、防護盾等の種々のポリカーボネート製材料への展開が可能である。
実施例6で作製した硬化膜の断面写真である。 実施例10で作製した硬化膜の断面写真である。 比較例8で作製した硬化膜の断面写真である。

Claims (12)

  1. 下記成分(1)〜(6)を用いて製造したコーティング組成物であって、
    下記成分(4)に含まれる(メタ)アクリル酸エステル系有機微粒子又はスチレン系有機微粒子の配合量が、下記成分(6)を除く全成分の合計に対し0.1〜65重量%であるコーティング組成物
    (1)以下の式(1)で表わされるアルコキシシラン化合物、又は前記アルコキシシラン化合物がシロキサン結合(Si−O結合)でつながったポリアルコキシシラン化合物
    (2)以下の式(2)で表わされるアミノシラン化合物
    (3)以下の式(3)で表わされるエポキシシラン化合物
    (4)平均粒径が1〜200nmの(メタ)アクリル酸エステル系有機微粒子又は平均粒径が1〜200nmのスチレン系有機微粒子が分散した高分子ナノ粒子分散液
    (5)有機酸である硬化触媒
    (6)溶剤
    (RSi(OR4−m (1)
    (式(1)中、Rは同じでも異なってもよく炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基;フェニル基;又はメタクリロキシ基、イソシアナート、ウレイド基、フルオロ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基である。Rは炭素数1〜4のアルキル基である。mは0,1,2のいずれかの整数である。)
    (R11Si(OR4−n (2)
    (式(2)中、R11は同じでも異なってもよく炭素数1〜4のアルキル基;ビニル基;フェニル基;又はメタクリロキシ基、アミノ基からなる群から選ばれる1以上の基で置換された炭素数1〜3のアルキル基であり、R11の少なくとも1つは、アミノ基で置換された炭素数1〜3のアルキル基である。Rは炭素数1〜4のアルキル基である。nは1又は2の整数である。)
    (R21Si(OR4−n (3)
    (式(3)中、R21は同じでも異なってもよく炭素数1〜4のアルキル基;ビニル基;フェニル基;又はメタクリロキシ基、グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基からなる群から選ばれる1以上の基で置換された炭素数1〜3のアルキル基であり、R21の少なくとも1つは、グリシドキシ基又は3,4−エポキシシクロヘキシル基で置換された炭素数1〜3のアルキル基である。Rは炭素数1〜4のアルキル基である。nは1又は2の整数である。)
  2. さらに、下記成分(7)を含む請求項1記載のコーティング組成物。
    (7)コロイダルシリカ
  3. さらに、下記成分(8)を含む請求項1又は2記載のコーティング組成物。
    (8)無機系紫外線吸収剤
  4. 前記無機系紫外線吸収剤が、分散媒体に分散している無機系紫外線吸収粒子である請求項3に記載のコーティング組成物。
  5. 前記成分(1)〜(6)の配合量が、下記の範囲である請求項1記載のコーティング組成物。
    (1)アルコキシシラン化合物又はポリアルコキシシラン化合物:10〜90重量%
    (2)アミノシラン化合物:1〜55重量%
    (3)エポキシシラン化合物:1〜60重量%
    (4)(メタ)アクリル酸エステル系有機微粒子又はスチレン系有機微粒子:0.1〜65重量%
    (5)硬化触媒:0.1〜30重量%
    (6)溶剤:成分(1)〜(5)の合計を100重量部とした時、10〜1000重量部
  6. 前記成分(1)〜(7)の配合量が、下記の範囲である請求項2記載のコーティング組成物。
    (1)アルコキシシラン化合物又はポリアルコキシシラン化合物:10〜90重量%
    (2)アミノシラン化合物:1〜55重量%
    (3)エポキシシラン化合物:1〜60重量%
    (4)(メタ)アクリル酸エステル系有機微粒子又はスチレン系有機微粒子:0.1〜65重量%
    (5)硬化触媒:0.1〜30重量%
    (6)溶剤:成分(1)〜(5)及び(7)の合計を100重量部とした時、10〜1000重量部
    (7)コロイダルシリカ:0.1〜80重量%
  7. 前記成分(1)〜(6)及び(8)の配合量が、下記の範囲である請求項3に記載のコーティング組成物。
    (1)アルコキシシラン化合物又はポリアルコキシシラン化合物:10〜90重量%
    (2)アミノシラン化合物:1〜55重量%
    (3)エポキシシラン化合物:1〜60重量%
    (4)(メタ)アクリル酸エステル系有機微粒子又はスチレン系有機微粒子:0.1〜65重量%
    (5)硬化触媒:0.1〜30重量%
    (6)溶剤:成分(1)〜(5)及び(8)の合計を100重量部とした時、10〜1000重量部
    (8)無機系紫外線吸収剤:0.1〜50重量%
  8. 前記成分(1)〜(8)の配合量が、下記の範囲である請求項3記載のコーティング組成物。
    (1)アルコキシシラン化合物又はポリアルコキシシラン化合物:10〜90重量%
    (2)アミノシラン化合物:1〜55重量%
    (3)エポキシシラン化合物:1〜60重量%
    (4)(メタ)アクリル酸エステル系有機微粒子又はスチレン系有機微粒子:0.1〜65重量%
    (5)硬化触媒:0.1〜30重量%
    (6)溶剤:成分(1)〜(5),(7),(8)の合計を100重量部とした時、10〜1000重量部
    (7)コロイダルシリカ:0.1〜80重量%
    (8)無機系紫外線吸収剤:0.1〜50重量%
  9. 請求項1〜のいずれかに記載のコーティング組成物を硬化した硬化膜。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載のコーティング組成物を加熱し、硬化させる工程を有する硬化膜の製造方法。
  11. 請求項1〜のいずれかに記載のコーティング組成物を加熱し、硬化させることにより製造される硬化膜。
  12. 請求項1〜のいずれかに記載のコーティング組成物を加熱し、硬化させることにより製造される硬化膜を備える積層体。
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