JP7383418B2 - 部材および部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、吸湿性能に優れた部材に関し、特に防曇性能および光学性能に優れた部材および部材の製造方法に関する。
ガラスやプラスチック等の透明な基板は、基板表面が露点温度以下になると微細な水滴が基材表面に付着することで透過光が散乱し透明性が損なわれ、いわゆる「曇り」の状態となる。
曇りを防ぐ手段としては、基板表面に吸湿性のある層を設けることで、層に水分を吸収させ水滴発生を防ぐ方法が提案されている。特許文献1は、無機微粒子と水溶性樹脂からなる吸湿性の層で基板表面を被覆する方法を示している。
基板表面を濡れ易くし、水滴の発生を抑える方法も考えられている。特許文献2は、無機粒子を含有する凹凸膜で基板表面を被覆し、水の濡れ性を上げることで曇りを防ぐ方法を示している。
特開平11-281802号公報 特開平11-100234号公報
しかしながら、吸湿性や濡れ性を上げて水滴発生を防ぐ方法は、高湿度下(60%RH以上90%RH未満)において吸湿や濡れにより屈折率が変化してしまうという課題が存在した。
本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、高湿度下(60%RH以上90%RH未満)での屈折率変化を低減する多孔質層およびその製造方法を提供するものである。
本発明は、基材と、前記基材の少なくとも一つの表面にシリカ粒子を含む多孔質層と、を有する部材であって、前記多孔質層は、窒素吸着における微分細孔分布において微分細孔容積が最大となるときの空孔径dNが5nm以上20nm以下であり、水蒸気吸着における微分細孔分布において微分細孔容積が最大となるときの空孔径dHOが25nm以上75nm以下であり、水に対する接触角が60°未満であることを特徴とする部材に関する。
また、本発明は、筐体と、保護カバーと、前記筐体と前記保護カバーとに囲まれた内部空間に配置された撮像センサと、備える撮像装置であって、前記保護カバーは、基材と、前記内部空間側の前記基材の表面に、シリカ粒子を含む多孔質層と、を有し、前記多孔質層は、窒素吸着における微分細孔分布において微分細孔容積が最大となるときの空孔径dNが5nm以上20nm以下であり、水蒸気吸着における微分細孔分布において微分細孔容積が最大となるときの空孔径dHOが25nm以上75nm以下であり、水に対する接触角が60°未満であることを特徴とする撮像装置に関する。
さらに、本発明は、疎水性官能基を有する有機シラン化合物と、シリカ粒子と、を溶媒中に含有するシリカ粒子分散液を準備する工程と、基材上または前記基材上に形成した他の層上に、前記シリカ粒子分散液を塗工し、前記シリカ粒子分散液の塗膜を形成する工程と、前記塗膜を乾燥させる工程と、を含み、前記シリカ粒子の平均粒子径が8nm以上25nm以下であり、前記シリカ粒子分散液は、前記シリカ粒子に対して、SiO換算で前記疎水性官能基を有するシラン化合物を1wt%以上30wt%以下で含むことを特徴とする上記部材の製造方法に関する。
本発明によれば、基材の表面に高湿度下(60%RH以上90%RH未満)の屈折率変化の低減および防曇性に優れる多孔質層を有する部材を提供することができる。
本発明の部材の一実施形態を示す概略図である。 dNを説明するグラフである。 dHOを説明するグラフである。 本発明の部材の一実施形態を示す概略図である。 本発明の部材を用いた撮像装置の構成例の概略図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
[部材]
図1は、本発明の部材の一実施形態を示す模式図である。
本発明の部材1は、基材2と多孔質層3から構成されている。
図1に示すように、多孔質層3は多孔質であり無機物4と空孔5を含んでいる。空孔5同士は互いに繋がっていることが好ましく、多孔質層3の表面に連通している。
多孔質層3は、湿度90%RH未満での吸湿量が少ないため、高湿度下(60%RH以上90%RH未満)の屈折率変化を低減でき、湿度90%RH以上の超高湿度下で吸湿量が増加するため、結露が発生するような環境に暴露しても曇りが発生しない。そのため本発明の部材1は、透明基材を用いる、窓ガラス、鏡、レンズ、透明フィルムなど広い用途に用いることができる。また、部材1を透過する像に歪みが発生しないため、撮像系や投影系の光学レンズ、光学ミラー、光学フィルター、アイピース、屋外カメラや監視カメラ用の平面カバーやドームカバーなど光学用途に特に適している。
(多孔質層)
多孔質層3の水に対する接触角は60°未満である。ここで、接触角は基板2上に形成された多孔質層3に純水を滴下したときに得られる接触角である。接触角が60°未満であると水分子が多孔質層3の内部に十分に侵入することができるため、多孔質層3の吸湿量を確保できる。
図2に本発明に係る多孔質層3の窒素吸着等温線からBJH法により求めた微分細孔分布を示す。窒素吸着における微分細孔分布において、微分細孔容積が最大となるときの空孔径をdNと定義する。dNはSEMの画像観察などによって得られる空孔径と近い値を取る。
空孔径dNは吸湿量を確保するために5nm以上20nm以下であることが望ましい。dNが5nm以上であると、多孔質層3は低湿度(湿度60%RH未満)で吸湿することがなく、高湿度(60%RH以上90%RH未満)での吸湿量を確保することができる。またdNが20nm以下であると水蒸気が凝集し易くなり吸湿量を確保することができる。なお、空孔の容積(細孔容積)は0.37cm/g以上であることがより好ましい。
図3に本発明に係る多孔質層3の水蒸気吸着等温線からBJH法により求めた微分細孔分布を示す。水蒸気吸着における微分細孔分布において、微分細孔容積が最大となるときの空孔径をdHOと定義する。
多孔質層3のdHOは25nm以上75nm以下であることが望ましい。dHOが25nm以上であると空孔表面が過度な親水性とならず、高湿度(60%RH以上90%RH未満)で毛管凝集が発生しないため、高湿度(60%RH以上90%RH未満)で屈折率が変化しない。dHOが75nm以下であると、空孔表面が過度な疎水性とならず、水蒸気が凝集しやすい範囲となることから吸湿量を確保することができる。dHOが25nm以上75nm以下であると、湿度90%RH未満の吸湿を抑制して屈折率変化を低減でき、超高湿度(90%RH以上)で吸湿し吸湿量を確保することができる。
空孔径dHOは空孔表面の親・疎水性を間接的に距離で表しておりdHOの値がdNの値より大きいほどその表面は疎水性である。そのため、本発明に係る多孔質層3では、dNでdHOを除した値が1.25以上15以下であることが好ましく、2.5以上6.2以下であることがさらに好ましい。
このように屈折率変化の低減と吸湿量の維持ができる理由としては、以下のように考えられる。dHOが前記範囲であると湿度90%RH未満では、多孔質層3の空孔表面が疎水性であるため、水蒸気が凝集しにくい。このため、湿度90%RH未満では、多孔質層3は吸湿しにくく、屈折率も変化しない。しかしながら、湿度が90%RHに近づくと徐々に多孔質層3の空孔表面に水分子が吸着し、空孔表面の水分子が吸着した部分が親水化する。湿度90%RH以上になると空孔表面全体が親水化し、多孔質層3の内部に水蒸気が凝集しやすくなり、吸湿量を確保することができる。
多孔質層3は真空で堆積した層でも、ゾル-ゲル法などで無機物4の前駆体をウェット成膜した層でも良い。
多孔質層3に含まれる無機物4は、上記水に対する接触角、dN、およびdHOを満足するものであれば、いかなる無機物であってもよい。具体的な無機物4としては、シリカ、ジルコニアなどがあげられる。中でも、多孔質層3の屈折率を低くし、化学的安定性をよくするために無機物4はシリカを主成分とすることが好ましい。
図4は、本発明の部材の一実施形態を示す模式図である。
図4に記載の部材1は、多孔質層3において無機物4が無機粒子6を含んでおり、好ましくは無機物4が無機粒子6である。無機物4が無機粒子6であることで、空孔5同士が連結し易く、平均空孔径や空孔率が一定にできる点で好ましい。無機物4が無機粒子6である多孔質層3は、無機粒子6の分散液からウェット成膜することで形成できる。
多孔質層3に含まれる無機粒子6の量は80wt%以上であることが好ましい。
無機粒子6の形状は球状、鎖状、円盤状、楕円状、棒状、針状、角型など様々な形状から適宜選択して使用できる。成膜性に優れ、十分な膜硬度を得ながら空孔率を上げられる点で、球状または鎖状が好ましく、鎖状がより好ましい。
本発明において無機粒子6として用いることができる鎖状の粒子とは、複数個の粒子が鎖状もしくは数珠状に直線状にまたは屈曲しながら連なった粒子の集合体である。鎖状の無機粒子を形作る一個一個の粒子の形状は、明確に観察できる形状でも、融着などして形が崩れているために明確に観察できない形状でも構わず、層を形成した際に、その鎖状の粒子の構造が維持されていればよい。この場合、球状粒子などを用いた時に比較して粒子間の空隙を広げることができるため空孔率の高い多孔質層3を形成できる。
無機粒子6の平均粒子径は8nm以上25nm以下が好ましい。平均粒子径はdNと近い値を取るため、平均粒子径が8nm以上25nm以下であればdNの値が5nm以上20nm以下になり吸湿量を確保できる。
無機粒子6が鎖状、棒状、または針状の場合、無機粒子6は短径と長径を持った形状の粒子であり、長径/短径の比が3以上12以下であることが好ましい。長径/短径の比が3以上であると、空孔率を上げる効果を得易くなり、12以下であると平均空孔径が一定の範囲となり、光の散乱を抑制し透明性を保つことができる。より好ましい長径/短径の比は4以上10以下である。長径、短径の比は透過電子顕微鏡像によって観察することによって算出できる。
ここで無機粒子の平均粒子径とは、BET法を用いて算出した粒子径(BET粒子径)である。BET粒子径は窒素ガス吸着法によって測定した窒素吸着等温線をBET解析して算出される比表面積から計算できる。計算方法はBET粒子径、比表面積、無機粒子を構成する元素の密度をそれぞれd(nm)、A(m/g)、ρ(g/cm)とすると、式(1)で表される。
d=6000/(A×ρ) (1)
無機粒子6には、鎖状の粒子以外に真円状、楕円状、円盤状、棒状、針状、角型などの鎖状以外の形状の粒子を適宜混合して使用しても良い。多孔質層3全体に対して鎖状以外の形状の粒子を混合できる割合は、40wt%以下であることが好ましく、20wt%以下であることがより好ましい。
無機粒子6の主成分はたとえばシリカ、ジルコニアがあげられる。多孔質層3の屈折率を低くし、化学的安定性をよくするために無機粒子6はシリカを主成分とすることが好ましい。
多孔質層3の耐擦傷性を高めるためにシリカ粒子同士を結合させることができる。シリカ粒子同士を結合させる方法としてはバインダーを用いてシリカ粒子を物理的に結合する方法や、活性を高めたシラノール基を介してシリカ粒子同士を化学的に結着させる方法が挙げられる。シリカ粒子同士を化学的に結着させる方法としては、シリカ粒子の表面を強酸などで処理する方法やシリカ粒子の表面にシラノール基を付着させる方法が挙げられる。
シリカ粒子同士を結合させるために加えるバインダーは、シラン化合物であることが好ましい。シラン化合物の好適な例はケイ酸エステルを加水分解・縮合することにより得られる酸化ケイ素オリゴマーである。
多孔質層3中のシラン化合物の量は、無機粒子6としてのシリカ粒子に対してSiO換算で1wt%以上30wt%以下が好ましい。シラン化合物の量が1wt%以上だと、多孔質層3の耐擦傷性が十分となり、30wt%以下であると空孔5の一部がシラン化合物で埋まることなく、多孔質層3の防曇性能を保つことができる。より好ましいシラン化合物の量はSiO換算で4wt%以上20wt%以下である。
多孔質層3の層厚は100nm~5μmが好ましく、500nm~3μmがより好ましい。層厚が100nm以上であれば吸湿量を確保しやすくなる。また、層厚が5μm以下であれば、光の散乱の発生を抑制でき好ましい。
(基材)
基材2は、ガラス、樹脂などを用いることが可能である。部材1を光学部材として用いる場合は、可視光域の光透過率が70%以上の透明な基材(透明基材)が用いられる。また、その形状は限定されることはなく、平面、曲面、凹面、凸面、フィルム状であっても良い。
ガラスとしては、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ハフニウム、酸化ランタン、酸化ガドリニウム、酸化ケイ素、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化ホウ素、酸化アルミニウムなどを含有する無機ガラスを用いることができる。ガラス基材としては研削研磨、モールド成形、フロート成形などで成形されたガラス基材を用いることができる。
樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース、アクリル樹脂、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
基材2の密着性、強度、平坦性などを向上したり、反射防止や防眩性などの機能を持たせたりするために、基材表面を洗浄したり、研磨したり、多孔質層3と基材2の間に接着層、ハードコート層、屈折率調節層などを設けたりすることができる。
(製造方法)
本発明に係る部材の製造方法について、一例として、無機物4をシリカとしたシリカ多孔質膜を多孔質層3として有する部材1について説明する。
基材2上の少なくともいずれか一面に多孔質層3が形成された部材1の製造方法は、疎水性官能基を有する有機シラン化合物と、シリカ粒子と、を溶媒中に含有するシリカ粒子分散液を準備する工程と、前記シリカ粒子分散液を基材2上または基材2上に形成した他の層上に塗工し、シリカ粒子分散液の塗膜を形成する工程と、シリカ粒子分散液の塗膜を乾燥させて多孔質層3を形成する工程を含む。
多孔質層3を形成する工程が、シリカを主成分とする無機粒子6を分散した分散液を用いる工程であることが好ましい。
多孔質層3の形成に用いるシリカ粒子の分散液は、ゾル-ゲル法、水熱合成法などの湿式法で作製したシリカ粒子の分散液を水や溶媒で希釈する方法、同様の分散液の溶媒を蒸留や限外濾過で所望の溶媒に置換する方法、フュームドシリカのような乾式法で合成したシリカ粒子を超音波やビーズミルなどで水や溶媒に分散する方法、などにより調製される。
シリカ粒子同士を結合させるために加えるバインダーは、有機シラン化合物であることが好ましい。有機シラン化合物の好適な例はケイ酸エステルを加水分解・縮合することにより得られる酸化ケイ素オリゴマーである。
酸化ケイ素オリゴマーは、予め水や溶媒中で調製した酸化ケイ素オリゴマー溶液をシリカ粒子の分散液に混ぜる方法や酸化ケイ素オリゴマーの原料をシリカ粒子の分散液に混ぜてから酸化ケイ素オリゴマーに転換する方法などが挙げられる。酸化ケイ素オリゴマーは、溶媒中または分散液中でケイ酸メチル、ケイ酸エチルなどのケイ酸エステルに水や酸または塩基を加えて加水分解縮合することによって調製される。ケイ酸エステルの加水分解縮合に用いることができる酸は塩酸、硝酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、リン酸、p-トルエンスルホン酸などであり、塩基はアンモニアや各種アミン類であり、溶媒への溶解性やケイ酸エステルの反応性を考慮して選択される。バインダー溶液を調製する際には80℃以下の温度で加熱することも可能である。
バインダー溶液に含まれる酸化ケイ素縮合物の重量平均分子量としては、ポリスチレン換算で500以上3000以下が好ましい。重量平均分子量が500以上であると硬化後のクラックの発生を抑制でき、また塗料としてのバインダー溶液の安定性が保てる。また重量平均分子量が3000以下であるとバインダー溶液の粘度の上昇を抑制できるため、バインダー内部のボイドが均一になりやすくなる。
dHOを25nm以上75nm以下とするために空孔表面に疎水性官能基を導入する必要がある。そのような方法としてはシリカ粒子合成時に導入する、合成後のシリカ粒子に導入する、成膜後の空孔表面に導入する方法があげられる。
疎水性官能基を導入する際に用いる処理剤としては有機シラン化合物があげられ、たとえば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、アリルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等の分子中に一種または二種以上の置換アルキル基、フェニル基、ビニル基等を有するアルコキシシラン類;トリメチルクロロシラン、ジエチルジクロロシラン等のクロロシラン類などが挙げられ、好ましくはメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシランなど疎水性官能基の炭素数が1~3である有機シラン化合物を使用する。疎水性官能基の炭素数が1~3であると、湿度変化によって空孔表面が疎水性から親水性に変わりやすくなる。
シリカ粒子の分散液に用いることができる溶媒は、原料が均一に溶解し、かつ反応物が析出しない溶媒であれば良い。例えばメタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチルプロパノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、シクロペンタノール、2-メチルブタノール、3-メチルブタノール、1-ヘキサノール、2-ヘキサノール、3-ヘキサノール、4-メチル-2-ペンタノール、2-メチル-1-ペンタノール、2-エチルブタノール、2,4-ジメチル-3-ペンタノール、3-エチルブタノール、1-ヘプタノール、2-ヘプタノール、1-オクタノール、2-オクタノールなどの1価のアルコール類。エチレングリコール、トリエチレングリコールなどの2価以上のアルコール類。メトキシエタノール、エトキシエタノール、プロポキシエタノール、イソプロポキシエタノール、ブトキシエタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、1-プロポキシ-2-プロパノールなどのエーテルアルコール類、ジメトキシエタン、ジグライム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルのようなエーテル類。ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類。n-ヘキサン、n-オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロオクタンのような各種の脂肪族系ないしは脂環族系の炭化水素類。トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの各種の芳香族炭化水素類。アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどの各種のケトン類。クロロホルム、メチレンクロライド、四塩化炭素、テトラクロロエタンのような、各種の塩素化炭化水素類。N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルフォルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、エチレンカーボネートのような、非プロトン性極性溶媒等が挙げられるが、好ましくは1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、1-プロポキシ-2-プロパノール、1-ブトキシ-2-プロパノール、2-イソプロポキシエタノール、3-メトキシ-1-ブタノール、乳酸メチル、乳酸エチルなど炭素数が5から7の分岐構造を持つアルコールを使用する。炭素数が5から7の分岐構造を持つアルコールの立体障害によって、シリカ粒子表面の水酸基の一部が有機シラン化合物と反応せずに残るため、疎水性官能基の表面密度を制御しやすくなると考えられる。炭素数が5から7の分岐構造を持つアルコールの鎖長(炭素数)が長くなると溶媒の沸点が高くなる。そのため、アルコールを気化させるために高い乾燥温度および/または焼成温度が必要となり、多孔質層3を作製する基材によっては高温によってダメージを受け、変形や変色などを起こしてしまう。そのため、炭素数が5から7の分岐構造を持つアルコールとしては、より低沸点の溶媒が好ましい。しかしながら、あまりに低沸点であると溶媒の急激な気化によって空隙が広がり、dNが20nmを超えてしまい、多孔質層が吸湿量を確保しがたくなるという問題を生ずる。疎水性官能基の表面密度によってはシリカ粒子の分散性が落ちる場合があるが、炭素数が5から7の分岐構造を持つアルコールを使用することで分散性を維持することができると考えられる。溶媒は2種類を混ぜて使用することもできる。
多孔質層3を形成するための分散液を基材上に塗布する方法としては、スピンコート法、スプレー法、ブレードコート法、ロールコート法、スリットコート法、印刷法やディップコート法などが挙げられる。凹面などの立体的に複雑な形状を有する部材を製造する場合、層厚の均一性の観点からスピンコート法やスプレー法が好ましい。
多孔質層3を形成するために分散液を塗布した後に、乾燥および硬化が行われる。乾燥および硬化は、溶媒を除去したり、酸化ケイ素バインダー同士あるいは酸化ケイ素バインダーとシリカ粒子との反応を進めたりするための工程である。乾燥および硬化の温度は、20℃以上200℃以下が好ましく、60℃以上150℃以下がより好ましい。乾燥および硬化の温度が20℃未満だと溶媒が残留して耐摩耗性が低下する。また、乾燥および硬化の温度が200℃を超えると、バインダーの硬化が進み過ぎて、バインダーに割れが発生しやすくなる。乾燥および硬化の時間は5分以上24時間以下が好ましく、15分以上5時間以下がより好ましい。乾燥および硬化の時間が5分未満だと部分的に溶媒が残留して部分的に曇りやすくなったり、24時間を超えると層にクラックが入りやすくなったりする。
(適用例)
本発明に係る部材が好適に用いられる例として、撮像装置の保護カバーとして用いる例を説明する。図5に撮像装置の構成例の概略を示す。
撮像装置30は、本発明に係る部材である保護カバー31と筐体37で囲まれた内部空間を有しており、該内部空間内に、レンズ32、撮像センサ33、映像エンジン34、圧縮出力回路35が配置されており、さらに該空間内または外に出力部36を備えている。
外部から入射する像が、保護カバー31およびレンズ32によって撮像センサ33へと導かれ、撮像センサ33によって映像アナログ信号(電気信号)に変換されて出力される。撮像センサ33から出力される映像アナログ信号は、映像エンジン34によって映像デジタル信号に変換され、映像エンジン34から出力される映像デジタル信号は、圧縮出力回路35においてデジタルファイルに圧縮される。映像エンジン34は、映像アナログ信号を映像デジタル信号に変換する過程で、輝度、コントラスト、色補正、ノイズ除去などの画質を調整する処理を行ってもよい。圧縮出力回路35から出力された信号は、出力部36から配線および/またはネットワークを介して外部機器へと出力される。
保護カバー31は、基材311の少なくとも一方の面に多孔質層312を備える構成をしており、図5に示した撮像装置の構成例では、多孔質層312が設けられた面が筐体37の内部空間側となるように設置されている。基材311は、撮像センサ33に入射する像を透過させる透明な部材である。ここで、「透明」とは、可視光域の光透過率が70%以上のものをいう。
このような構成によれば、保護カバー31と筐体37とで囲まれた内部空間は、外部との間で空気の出入りが制限されている上に、外部環境の温度変化への追随が遅れる。例えば外部の温度が急に低下すると、筐体37の外側と内側との境界に位置する保護カバー31の温度が、筐体内部の露点温度よりも低くなってしまう場合がある。このような場合、保護カバー31が防曇機能を有していないと、保護カバー31の筐体37内側の面に水滴が付着して曇りが生じる。しかし、本発明に係る保護カバー31の場合、保護カバー31の温度が筐体37内部の露点温度より低くなってしまっても、筐体内部の水分は多孔質層312の孔内部に吸着される。そのため、保護カバー31の表面には曇りの原因となる水滴が形成されず、曇りを抑制することができる。
図5の変形例として、保護カバー31の表面に多孔質層312を設けず筐体37の内壁を基材として、内壁の上に多孔質層312を設けてもよい。保護カバーの設ける場合と同様、レンズの曇りを抑制することができる。また、保護カバー31の表面に加えて筐体37の内壁に多孔質層312を設けてもよい。このような構成によれば、保護カバー31の表面および筐体37の内壁に設けた多孔質層312によって、筐体内部の水分を吸湿することができるため、レンズの曇りをさらに抑制することができる。
保護カバー31を介して入射した光が筐体37の内壁で反射して画像を劣化させるのを抑制するために、筐体37の内壁には反射防止層や反射防止構造が設けられている場合が多い。従って、筐体37の内壁に本発明の構成を用いれば、湿度90%RH未満の吸湿を抑制して多孔質層312の屈折率変化を低減できるため反射防止効果を維持し、超高湿度(90%RH以上)で吸湿して吸湿量を確保することができるため好ましい。
撮像装置30に、画角調整するパンチルト、撮像条件等を制御するコントローラ、取得した映像データを保存しておく記憶装置、出力部36から出力されたデータを外部に転送する転送手段などを加え、撮像システムを構成することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。
(1)粒子分散液の調製
(シリカ粒子分散液1の調製)
純水750g、25%アンモニア水138g、1-プロポキシ-2-プロパノール4112gのアンモニア濃度0.69wt%からなる混合液Aに、テトラメトキシシラン375g、1-プロポキシ-2-プロパノール125g、疎水性官能基処理剤としてメチルトリエトキシシラン37gからなる混合液Bを、10℃に保ちつつ30分かけて撹拌しながら滴下し、滴下が終わったあとに50℃で5時間撹拌し、ゾル溶液を作製した。この粒子溶液を減圧下にて加熱濃縮を行い、濃縮液をイオン交換樹脂(オルガノ株式会社製 Amberlite IR120B H AG)に通してアンモニアを除去し、ゾル溶液のpHを8以下にした。その後、水分が1%以下になるまで1-プロポキシ-2-プロパノールを滴下しつつ蒸留を続け、3μmメンブレンフィルターを用いてろ過を行い、固形分濃度15wt%のシリカ粒子分散液1を調製した。
(シリカ粒子分散液2の調製)
混合液Bの疎水性官能基処理剤をプロピルトリエトキシシランにして22gを加えること以外はシリカ粒子分散液1と同様にしてシリカ粒子分散液2を調製した。
(シリカ粒子分散液3の調製)
混合液Bの疎水性官能基処理剤をジメチルジメトキシシランにして25gを加えること以外はシリカ粒子分散液1と同様にしてシリカ粒子分散液3を調製した。
(シリカ粒子分散液4の調製)
混合液Aのアンモニア濃度が0.92wt%になるように25%アンモニア水を185g、1-プロポキシ-2-プロパノールを4065gとすること以外はシリカ粒子分散液1と同様にしてシリカ粒子分散液4を調製した。
(シリカ粒子分散液5の調製)
混合液Aのアンモニア濃度が0.56wt%になるように25%アンモニア水を111g、1-プロポキシ-2-プロパノールを4139gとすること以外はシリカ粒子分散液1と同様にしてシリカ粒子分散液5を調製した。
(シリカ粒子分散液6の調製)
鎖状のシリカ粒子の2-プロパノール(IPA)分散液(日産化学工業株式会社製 IPA-ST-UP(登録商標)、粒子径12nm;BET法・固形分濃度15wt%)をエバポレーターを用いて2-プロパノールを留去し、1-プロポキシ-2-プロパノールに置換することで、鎖状シリカ粒子の1-プロポキシ-2-プロパノール分散液(固形分濃度33wt%)を1212g作製した。
前記鎖状シリカ粒子の1-プロポキシ-2-プロパノール分散液に1-プロポキシ-2-プロパノール548g、乳酸エチル907gを添加して10分間撹拌後、ジメチルジメトキシシランを24gと触媒としてpH=4の酢酸水溶液27gを添加し50℃のオイルバス中で5時間撹拌して固形分濃度15wt%のシリカ粒子分散液6を調製した。
(シリカ粒子分散液7の調製)
混合液Aのアンモニア濃度が0.96wt%になるように25%アンモニア水を192g、1-プロポキシ-2-プロパノールを4058gとし、混合液Bを混合液Aに滴下する際、50℃に保つこと以外はシリカ粒子分散液1と同様にしてシリカ粒子分散液7を調製した。
(シリカ粒子分散液8の調製)
疎水性官能基処理剤を加えないこと以外はシリカ粒子分散液1と同様にしてシリカ粒子分散液8を調製した。
(シリカ粒子分散液9の調製)
混合液Bの疎水性官能基処理剤をプロピルトリエトキシシランにして43gを加えること以外はシリカ粒子分散液1と同様にしてシリカ粒子分散液9を調製した。
(シリカ粒子分散液10の調製)
混合液Aのアンモニア濃度が0.96wt%になるように25%アンモニア水を192g、1-プロポキシ-2-プロパノールを4058gとすること以外はシリカ粒子分散液3と同様にしてシリカ粒子分散液10を調製した。
(シリカ粒子分散液11の調製)
混合液Aのアンモニア濃度が0.52wt%になるように25%アンモニア水を105g、1-プロポキシ-2-プロパノールを4145gとすること以外はシリカ粒子分散液1と同様にしてシリカ粒子分散液11を調製した。
(2)部材の作成
(実施例1)
実施例1は、シリカ粒子分散液1をφ30mmの平板ガラス基板(S-BSL7、nd=1.52、オハラ製)に適量滴下し、1000rpmで30秒スピンコートした後、140℃の熱風循環オーブンで30分焼成することで実施例1の部材を作製した。実施例1の部材の有する多孔質層の層厚は2.6μmであった。
(実施例2~6および比較例1~5)
シリカ粒子分散液1を表1に記載のシリカ粒子分散液とすること以外は実施例1と同様に実施例2~6および比較例1~5の部材を作製した。表1に実施例2~6および比較例1~5の部材の有する多孔質層の層厚を示す。
(3)評価
各実施例、比較例で得られた部材について、下記の方法で評価を行った。結果は表1に示した。
(3-1)dNの測定
自動蒸気吸着量測定装置(日本ベル株式会社製 BELSORP-MAX)を用いて、-196℃における窒素吸着等温線を測定しBJH法によって微分細孔分布を得た。得られた微分細孔分布において、微分細孔容積が最大となるときの空孔径をdNとした。
(3-2)dHOの測定
自動蒸気吸着量測定装置(日本ベル株式会社製 BELSORP18)を用いて、25℃における吸着等温線を測定しBJH法によって微分細孔分布を得た。得られた微分細孔分布において、微分細孔容積が最大となるときの空孔径をdHOとした。
(3-3)細孔容積の測定
自動蒸気吸着量測定装置(日本ベル株式会社製 BELSORP-MAX)を用いて、-196℃における窒素吸着等温線を測定しBJH法によって細孔容積を求めた。
(3-4)平均粒子径の測定
自動蒸気吸着量測定装置(日本ベル株式会社製 BELSORP-MAX)を用いて、-196℃における窒素吸着等温線を測定しBET法によって比表面積A(m/g)を求めた。その後平均粒子径、無機粒子を構成する酸化ケイ素の密度をそれぞれd(nm)、202(g/cm)として、下記の式(2)よりBET法による平均粒子径(BET粒子径)を求めた。
d=6000/(A×2.2) (2)
(3-5)接触角の評価
全自動接触角計(共和界面科学株式会社製 DM-701)を用い、純水2μlの液滴を接触した時の接触角を23℃40%RHの環境で測定した。
(3-6)屈折率の測定
温度を25℃、湿度60、80、90、95%RHの環境に部材を1時間静置したあとに、各湿度下において反射率計(ウシオ電機株式会社製 URE-50)を用いて反射率を測定した。解析ソフト(J.A Woollam製 WVASE)によって反射率データから波長550nmの屈折率を求めた。得られた屈折率から屈折率変化を以下の基準で評価した。
A:湿度60%RHおよび95%RHでの部材の屈折率の差が0.015未満
B:湿度60%RHおよび90%RHでの屈折率の差が0.015未満であり、湿度60%RHおよび95%RHでの屈折率の差が0.015以上
C:湿度60%RHおよび90%RHの各屈折率の差が0.015以上
(3-7)防曇性評価
自動蒸気吸着量測定装置(日本ベル株式会社製 BELSORP18)を用いて、相対湿度を60%RHから98%RHに変化させたときの吸湿量を測定した。得られた吸湿量を以下の基準で評価した。
A:350(cm/g)以上
B:250(cm/g)以上350(cm/g)未満
C:250(cm/g)未満
Figure 0007383418000001
(実施例および比較例の評価)
実施例1から6の部材の評価結果の比較より、dHOが25nm以上75nm以下であると、湿度90%RH未満の吸湿を抑制して屈折率変化を低減でき、湿度90%RH以上で吸湿し吸湿量を確保することができることが分かる。また、dHOが大きいほど屈折率変化を低減できることも分かった。一方、比較例1の部材は、dHOが75nmよりも大きいため吸湿量を確保できないことが分かる。また、比較例2の部材は、dHOが25nmより小さいため、高湿度(60%RH以上90%RH未満)における屈折率変化が大きいことが分かる。
実施例3および比較例3の部材の評価結果の比較より、接触角が60°以上になると層内部に侵入する水分子が大きく減少してしまうため、比較例3の部材は吸湿量を確保できず防曇性が悪いことが分かる。
実施例4および比較例4の部材の評価結果の比較より、dNが20nm以上になると多孔質層中の空孔に水蒸気が凝集しにくくなり吸湿量が低下することが分かる。実施例5および比較例5の部材の評価結果の比較より、dNが5nm以下になると低湿度(湿度60%RH未満)で吸湿してしまうため、多孔質層中の空孔が埋まってしまい、高湿度(60%RH以上90%RH未満)で吸湿量を確保できないことが分かる。
実施例6の部材の評価結果より、鎖状粒子に疎水性官能基を導入することによっても、dNが5nm以上20nm以下とし、接触角が60°未満であり、dHOが25nm以上75nm以下とすることができることが分かる。また、実施例6の部材は、dN、dHO、および接触角が前記範囲であるため、高湿度(60%RH以上90%RH未満)における屈折率変化の低減と吸湿量の維持ができることが分かる。
以上のことより、本発明の要件を満たす多孔質層を有する実施例の部材は、比較例の部材に対して、屈折率変化の低減と吸湿量の維持の両立に優れることが示された。
本発明の部材は、窓ガラス、鏡、レンズ、透明フィルムなど一般的な用途から、撮像系や投影系の光学レンズ、光学ミラー、光学フィルター、アイピース、屋外カメラや監視カメラ用の平面カバーやドームカバーなど光学部品に好ましく利用することが可能である。
1 部材
2 基材
3 多孔質層
4 無機物
5 空孔
6 無機粒子

Claims (13)

  1. 基材と、前記基材の少なくとも一つの表面に、シリカ粒子を含む多孔質層と、を有する部材であって、前記多孔質層は、窒素吸着における微分細孔分布において微分細孔容積が最大となるときの空孔径dNが5nm以上20nm以下であり、水蒸気吸着における微分細孔分布において微分細孔容積が最大となるときの空孔径dHOが25nm以上75nm以下であり、水に対する接触角が60°未満であることを特徴とする、部材。
  2. 細孔容積が0.37cm/g以上であることを特徴とする、請求項1に記載の部材。
  3. 前記シリカ粒子同士を結合させるためのバインダーを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の部材。
  4. 前記シリカ粒子が鎖状シリカ粒子であることを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の部材。
  5. 筐体と、
    保護カバーと、
    前記筐体と前記保護カバーとに囲まれた内部空間に配置された撮像センサと、
    を備える撮像装置であって、
    前記保護カバーは、基材と、前記内部空間側の前記基材の表面に、シリカ粒子を含む多孔質層と、を有し、
    前記多孔質層は、窒素吸着における微分細孔分布において微分細孔容積が最大となるときの空孔径dNが5nm以上20nm以下であり、水蒸気吸着における微分細孔分布において微分細孔容積が最大となるときの空孔径dHOが25nm以上75nm以下であり、水に対する接触角が60°未満であることを特徴とする撮像装置。
  6. 前記多孔質層の細孔容積が0.37cm/g以上であることを特徴とする、請求項5に記載の撮像装置。
  7. リカ粒子同士を結合させるためのバインダーを含むことを特徴とする、請求項5または6に記載の撮像装置。
  8. 前記シリカ粒子が鎖状シリカ粒子であることを特徴とする、請求項7に記載の撮像装置。
  9. 疎水性官能基を有する有機シラン化合物と、シリカ粒子と、を溶媒中に含有するシリカ粒子分散液を準備する工程と、
    基材上または前記基材上に形成した他の層上に、前記シリカ粒子分散液を塗工し、
    前記シリカ粒子分散液の塗膜を形成する工程と、
    前記塗膜を乾燥させる工程と、
    を含み、
    前記シリカ粒子の平均粒子径が8nm以上25nm以下であり、
    前記シリカ粒子分散液は、前記シリカ粒子に対して、SiO換算で前記疎水性官能基を有するシラン化合物を1wt%以上30wt%以下で含むことを特徴とする請求項1に記載の部材の製造方法。
  10. 前記シリカ粒子が鎖状シリカであることを特徴とする請求項9に記載の製造方法。
  11. 前記シリカ粒子分散液がバインダーをさらに含むことを特徴とする請求項9または10に記載の製造方法。
  12. 前記シリカ粒子分散液が、さらに炭素数が5から7の分岐構造を持つアルコールを含有することを特徴とする、請求項9から11のいずれか1項に記載の製造方法。
  13. 前記炭素数が5から7の分岐構造を持つアルコールが1-プロポキシ-2-プロパノールであることを特徴とする、請求項12に記載の製造方法。
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