JP2014141085A - 室内内装用結露抑制部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】光エネルギーを不要とし、且つ優れた結露抑制効果を発揮する室内内装用結露抑制部材を提供する。
【解決手段】基材の少なくとも一方の面に、樹脂組成物の硬化物からなる複数の微小突起が密接して配置されてなる微小突起群を備えた微小突起構造体を有し、隣接する前記微小突起間の距離の平均が50〜500nmであることを特徴とする、室内内装用結露抑制部材。
【選択図】図1

Description

本発明は、室内内装用結露抑制部材に関するものである。
浴室や洗面所等、湿度の高い部屋又は空間においては、壁、天井、鏡、窓等の表面に結露が生じやすく、カビ防止等の衛生的観点や、防曇性の観点等から、結露の防止が求められている。
従来、結露防止フィルムとして、例えば特許文献1には、表面に光触媒層を有し、表面を高度に親水化することによって結露を防止するフィルムが開示されている。
また、防曇性を付与した部材としては、特許文献2に、加水分解性シリル基含有親水性ポリマーを含有する親水性層の形成において、フィラーを配合したり、塗布乾燥時に相分離を生じさせることによって、親水性層表面に中心線平均粗さRaが0.005μm≦Ra≦2μMの凹凸構造を形成して表面積を増加させた親水性部材が開示されている。
また、特許文献3には、基材と、基材の表面に形成された結晶性SnOを含有する被膜からなる防曇材であって、前記結晶性SnOを含有する被膜は基材に対し垂直方向に成長し且つ成長方向の端面がその周囲に対して突出した凸状表面である複数の柱状物からなり、前記凸状表面には微細な凹凸が形成されており、前記微細凹凸のサイズの平均値rが5〜100nmであって、前記複数の隣り合った柱状物の間に細長い隙間が形成されており、その隙間の幅dは該隙間に隣り合った柱状物の水平方向の長さよりも短いことを特徴とする防曇材が開示されており、前記柱状物は、高周波マグネトロンスパッタによって作製される旨が記載されている。特許文献3に開示される防曇材は、基本的に、柱状物間の細長い隙間の毛管吸引力によって水滴が吸収されることにより、防曇性能を発揮する。また、結晶性SnOを含有する被膜は、光触媒活性を有するため、光照射によって親水化した状態を維持できる旨が記載されている。
特開2005−271340号公報 特開2009−255490号公報 特開2003−103687号公報
しかしながら、光触媒を利用した部材は、バンドギャップを超える程度の光エネルギーを付与する必要があるため、室内内装用の結露抑制のために安定的に用いるには不向きである。
また、特許文献2に開示される親水性部材では、フィラーを均一に分散させたり、親水性層の塗布乾燥時の相分離を均一に生じさせることが難しく、特許文献3に開示される防曇材では、SnOの結晶成長を所望の形状で均一に行うことが難しい。このように、これらの従来品では、所望の凹凸形状を基材表面全体に均一に形成することが困難であり、所望の凹凸形状が形成されなかった部分においては、親水性に劣り、十分な結露抑制効果が得られなかった。
また、これらの従来品では、特殊な親水性ポリマーや親水性金属微粒子等の親水性の材料を用いなければならず、材料に制限があるという問題点もあった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、光エネルギーを不要とし、且つ優れた結露抑制効果を発揮する室内内装用結露抑制部材を提供することを目的とする。
本発明に係る室内内装用結露抑制部材は、基材の少なくとも一方の面に、樹脂組成物の硬化物からなる複数の微小突起が密接して配置されてなる微小突起群を備えた微小突起構造体を有し、隣接する前記微小突起間の距離の平均が50〜500nmであることを特徴とする。
本発明に係る室内内装用結露抑制部材は、結露抑制効果がさらに向上する点から、前記微小突起構造体の表面における純水の静的接触角が、θ/2法で20°以下であることが好ましい。
本発明に係る室内内装用結露抑制部材は、防曇性に優れる点から、前記微小突起構造体の表面におけるn−ヘキサデカンの静的接触角が、θ/2法で20°以下であることが好ましい。
本発明によれば、光エネルギーが不要でありながら、速乾性に優れ、ひいては優れた結露抑制効果を発揮する室内内装用結露抑制部材を提供することができる。
本発明に係る室内内装用結露抑制部材の一例を模式的に示す断面図である。 頂点を複数有する多峰性の微小突起の説明に供する断面図(図2(a))、斜視図(図2(b))、平面図(図2(c))である。 ドロネー図の一例を示す図である。 隣接突起間距離の計測に供する度数分布図である。 微小突起高さの説明に供する度数分布図である。 凸状突起群の説明に供する図である。 本発明に係る室内内装用結露抑制部材の製造方法の一例を示す概略図である。
次に、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明に係る室内内装用結露抑制部材は、基材の少なくとも一方の面に、樹脂組成物の硬化物からなる複数の微小突起が密接して配置されてなる微小突起群を備えた微小突起構造体を有し、隣接する前記微小突起間の距離の平均が50〜500nmであることを特徴とする。
本発明に係る室内内装用結露抑制部材は、基材上に形成された微小突起構造体が上記特定の隣接突起間距離を有して微小突起が密接配置された微小突起群を備えることにより、その構造上、液体が濡れ広がり易く、且つ広がった液体が再凝集され難く、部材に保持される。広がった液体が再凝集され難いのは、微小突起構造体を構成する微小突起間の谷部に液体が保持されることにより、重力に従って液体が集合して液滴を形成することが抑制されることも一因になっていると考えられる。また、当該微小突起構造体は、その表面積が大きいことから、微小突起構造体表面の速乾性に優れ、ひいては優れた結露抑制効果を発揮する。その結果、本発明に係る室内内装用結露抑制部材の表面においては、抗菌剤の付与なく湿気によるカビ菌等細菌類の繁殖を抑えることもできる。
また、本発明に係る室内内装用結露抑制部材は、微小突起構造体の特定の形状により、十分な水の濡れ広がり性を有するため、親水性の材料を用いなくても優れた結露抑制効果を発揮する。これにより、本発明は材料選択の幅が広く、また、光エネルギーを必要としない。
本発明の室内内装用結露抑制部材は、上述の通り液体が微小突起間に均一に濡れ広がりやすく液滴が形成され難いため、結露が発生するような条件下においても液滴が形成され難く、液滴による曇りが抑制されて透視性に優れている。更に、微小突起間に濡れ広がった液体は微小突起間に保持されることから、微小突起を有しない平板と比較して液体の保持容量が大きく、結露が発生するような条件下においても液体が滴り落ちにくく、例えば液体が濡れ広がった微小突起構造体表面を指で擦った場合でも、液体が滴り落ちにくい。
図1は、本発明に係る室内内装用結露抑制部材の一例を模式的に示す断面図である。図1に示す室内内装用結露抑制部材100は、基材10の一方の面に、複数の微小突起2が密接して配置されてなる微小突起群を備えた微小突起構造体20を有し、当該微小突起構造体20は、基材10とは別の材料からなる微小突起層21に形成されている。
<基材>
本発明に用いられる基材は、用途に応じて適宜選択することができ、特に限定されない。前記基材に用いられる材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレンやポリメチルペンテン等のオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテルサルホンやポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー等の樹脂、ソーダ硝子、カリ硝子、鉛ガラス等の硝子、PLZT等のセラミックス、石英、蛍石等の無機材料、金属、紙、木、及びこれらの複合材料等が挙げられる。
また、前記基材は、ロールの形で供給されるもの、巻き取れるほどには曲がらないが負荷をかけることによって湾曲するもの、完全に曲がらないもののいずれであってもよく、用途に応じて適宜選択することができる。
本発明に用いられる基材の構成は、単一の層からなる構成に限られるものではなく、複数の層が積層された構成を有してもよい。複数の層が積層された構成を有する場合は、同一組成の層が積層されてもよく、また、異なった組成を有する複数の層が積層されてもよい。
また、後述する微小突起構造体が基材とは別の材料からなる微小突起層に形成される場合は、層間の密着性、塗工適性、表面平滑性等の基材表面性能を向上させる点から、基材上に中間層を形成してもよい。
本発明に用いられる基材の可視光領域における透過率は、用途に応じて適宜調節することができ、特に限定されず、80%以上の透明の基材を用いることもできるし、80%未満の半透明の基材又は不透明の基材を用いることもできる。前記透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
<微小突起構造体>
本発明の室内内装用結露抑制部材は、基材の少なくとも一方の面に、樹脂組成物の硬化物からなる複数の微小突起が密接して配置されてなる微小突起群を備えた微小突起構造体を有する。
前記微小突起構造体は、図1に示すように、基材10とは別の材料からなる微小突起層21に形成されていても良いし、図示はしないが、基材の表面に一体となって形成されていても良い。
前記微小突起構造体を構成する各微小突起は、基材に植立するように形成され、その形状は、特に限定されないが、中でも、当該微小突起の深さ方向と直交する水平面で切断したと仮定したときの水平断面内における当該微小突起を形成する材料部分の断面積占有率が、当該微小突起の頂部から最深部方向に近づくに従い連続的に漸次増加する構造、すなわち各微小突起が先細りとなる構造を有するものが好ましい。このような微小突起の形状の具体例としては、半円状、半楕円状、三角形状、放物状、釣鐘状等の垂直断面形状を有するものが挙げられる。複数ある微小突起は、同一の形状を有していても異なる形状を有していてもよい。
また、前記微小突起構造体を構成する微小突起群の中には、頂点を複数有する微小突起(以下、「多峰性の微小突起」と称する場合がある。)が含まれていても良い。なお、多峰性の微小突起との対比により、頂点が1つのみの微小突起を「単峰性の微小突起」と称する場合がある。また多峰性の微小突起、単峰性の微小突起に係る各頂点を形成する各凸部を、適宜、「峰」と称する。
本発明においては、前記微小突起群の中に多峰性の微小突起を含むことにより、前記微小突起構造体の表面積がさらに増大するので、速乾性及び結露抑制効果がより向上する。また、多峰性の微小突起は、単峰性の微小突起に比して、頂点近傍の寸法に対する裾の部分の太さが相対的に太く、さらに、外力をより多くの頂点で分散して受ける為、各頂点に加わる外力を低減し、樹脂組成物からなる微小突起を損傷し難いようにすることができると考えられる。よって、本発明の室内内装用結露抑制部材は、多峰性の微小突起を有することにより、機械的強度及び耐擦傷性も向上する。
図2は、多峰性の微小突起の説明に供する断面図(図2(a))、斜視図(図2(b))、平面図(図2(c))である。なお、この図2は、理解を容易にするために模式的に示す図であり、図2(a)は、連続する微小突起の頂点を結ぶ折れ線により断面を取って示す図である。図2において、xy方向は、基材10の面内方向であり、z方向は微小突起の高さ方向である。図2(a)に示す室内内装用結露抑制部材100において、単峰性の微小突起2は、例えば、基材10より離れて頂点に向かうに従って徐々に断面積(高さ方向に直交する面(図2においてXY平面と平行な面)で切断した場合の断面積)が小さくなって、頂点が1つにより作製される。一方、多峰性の微小突起としては、例えば、複数の微小突起が結合したかのように、先端部分に溝gが形成され、頂点が2つになったもの(2A)、頂点が3つになったもの(2B)、さらには頂点が4つ以上のもの(図示略)等が挙げられる。なお単峰性の微小突起2の形状は、回転放物面の様な頂部の丸い形状、或いは円錐の様な頂点の尖った形状で近似することができる。一方、多峰性の微小突起2A、2Bの形状は、単峰性の微小突起2の頂部近傍に溝状の凹部を切り込んで、頂部を複数の峰に分割したような形状で近似することができる。多峰性の微小突起2A、2Bの形状は、複数の峰を含み高さ方向(図2ではZ軸方向)を含む仮想的切断面で切断した場合の縦断面形状が、極大点を複数個含み各極大点近傍が上に凸の曲線になる代数曲線Z=a+a+・・+a2n2n+・・で近似されるような形状である。
前記微小突起構造体表面に存在する全微小突起中における多峰性の微小突起の個数の比率は、特に限定されないが、前記効果を発揮する点からは、10%以上であることが好ましく、より好ましくは30%以上、更に好ましくは50%以上である。
本発明において、前記微小突起構造体を構成する微小突起は、液体が濡れ広がりやすく且つ広がった液体が再凝集されないように部材に保持させる観点から、隣接する前記微小突起間の距離d(以下、「隣接突起間距離d」と称する。)の平均dAVGが、50〜500nmとなるよう密接して配置される。この隣接突起間距離dに係る隣接する微小突起は、いわゆる隣り合う微小突起であり、基材側の付け根部分である微小突起の裾の部分が接している突起である。本発明に係る室内内装用結露抑制部材では、微小突起が密接して配置されることにより、微小突起間の谷の部位を順次辿るようにして線分を作成すると、平面視において各微小突起を囲む多角形状領域を多数連結してなる網目状の模様が作製されることになる。隣接突起間距離dに係る隣接する微小突起は、この網目状の模様を構成する一部の線分を共有する突起である。
また、前記微小突起の平均隣接突起間距離dAVGは、濡れ性が向上する点から、70〜300nmであることが好ましく、70〜180nmであることが特に好ましい。
また、前記微小突起構造体を構成する微小突起の高さHの平均値HAVGは、特に限定されないが、液体が濡れ広がりやすく且つ広がった液体が再凝集されないように部材に保持させる観点から、50〜350nmであることが好ましく、100〜250nmであることが特に好ましい。
ここで各微小突起の高さとは、その頂部に存在する最高高さを有する峰(最高峰)の高さを言う。図2(a)の微小突起2の如くの単峰性の微小突起の場合は、頂部における唯一の峰の高さが該微小突起の突起高さとなる。また図2(a)の微小突起2A、2Bのような多峰性の微小突起の場合は、頂部に在る麓部を共有する複数の峰のうちの最高峰の高さをもって該微小突起の高さとする。
本発明において、隣接突起間距離dの平均値dAVG及び微小突起の高さHの平均値HAVGは、以下の方法により測定される。
(1)先ず、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope:AFM)又は走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)を用いて突起の面内配列(突起配列の平面視形状)を検出する。
(2)続いてこの求められた面内配列から各突起の高さの極大点(以下、単に極大点と称する。)を検出する。なお極大点を求める方法としては、平面視形状と対応する断面形状の拡大写真とを逐次対比して極大点を求める方法、平面視拡大写真の画像処理によって極大点を求める方法等、種々の手法を適用することができる。
(3)次に検出した極大点を母点とするドロネー図(Delaunary Diagram)を作成する。ここでドロネー図とは、各極大点を母点としてボロノイ分割を行った場合に、ボロノイ領域が隣接する母点同士を隣接母点と定義し、各隣接母点同士を線分で結んで得られる3角形の集合体からなる網状図形である。各3角形は、ドロネー3角形と呼ばれ、各3角形の辺(隣接母点同士を結ぶ線分)は、ドロネー線と呼ばれる。図3は、ドロネー図(白色の線分により表される図である)を原画像と重ね合わせた図である。
(4)次に、各ドロネー線の線分長の度数分布、すなわち隣接する極大点間の距離(隣接突起間距離)の度数分布を求める。図4は、図3のドロネー図から作成した度数分布のヒストグラムである。なお、突起の頂部に溝状等の凹部が存在したり、あるいは頂部が複数の峰に分裂している場合は、求めた度数分布から、このような突起の頂部に凹部が存在する微細構造、頂部が複数の峰に分裂している微細構造に起因するデータを除去し、突起本体自体のデータのみを選別して度数分布を作成する。
具体的には、突起の頂部に凹部が存在する微細構造、頂部が複数の峰に分裂している微小突起(多峰性の微小突起)に係る微細構造においては、このような微細構造を備えていない微小突起(単峰性の微小突起)の場合の数値範囲から、隣接突起間距離が明らかに大きく異なることになる。これによりこの特徴を利用して対応するデータを除去することにより突起本体自体のデータのみを選別して度数分布を検出する。より具体的には、例えば微小突起(群)の平面視の拡大写真から、5〜20個程度の互いに隣接する単峰性の微小突起を選んで、その隣接突起間距離の値を標本抽出し、この標本抽出して求められる数値範囲から明らかに外れる値(通常、標本抽出して求められる隣接突起間距離平均値に対して、値が1/2以下のデータ)を除外して度数分布を検出する。図4の例では、隣接突起間距離が56nm以下のデータ(Aにより示す左端の小山)を除外する。なお図4は、このような除外する処理を行う前の度数分布を示すものである。
(5)このようにして求めた隣接突起間距離dの度数分布から平均値dAVG及び標準偏差σを求める。ここでこのようにして得られる度数分布を正規分布とみなして平均値dAVG及び標準偏差σを求めると、図4の例では、平均値dAVG=158nm、標準偏差σ=38nmとなった。
同様の手法を適用して微小突起の高さHの平均値HAVGを求める。まず、上述の(2)により求められる極大点から、特定の基準位置からの各極大点位置の相対的な高さの差を取得してヒストグラム化する。図5は、このようにして求められる突起付け根位置を基準(高さ0)とした突起高さHの度数分布のヒストグラムを示す図である。このヒストグラムによる度数分布から突起高さの平均値HAVG、標準偏差σを求める。ここでこの図5の例では、平均値HAVG=178nm、標準偏差σ=30nmである。これによりこの例では、微小突起の高さの平均値HAVGは178nmとなる。なお図5に示す突起高さHのヒストグラムにおいて、多峰性の微小突起の場合は、頂点を複数有していることにより、1つの突起に対してこれら複数のデータが混在することになる。この場合は麓(付け根)部が同一の微小突起に属するそれぞれ複数の頂点の中から高さの最も高い頂点を、当該微小突起の突起高さとして採用して度数分布を求める。
なお、微小突起の高さを測る際の基準位置は、突起付け根位置、すなわち隣接する微小突起の間の谷底(高さの極小点)を高さ0の基準とする。但し、係る谷底の高さ自体が場所によって異なる場合、例えば、各微小突起間の谷底を連ねた包絡面が、微小突起の隣接突起間距離に比べて大きな周期でうねった凹凸形状を有する場合等は、(1)先ず、基材の表面又は裏面から測った各谷底の高さの平均値を、該平均値が収束するに足る面積の中で算出する。(2)次いで、該平均値の高さを有し、且つ基材の表面又は裏面と平行な面を基準面として考える。(3)その後、該基準面を改めて高さ0として、該基準面からの各微小突起の高さを算出する。
上述した図3〜図5に係る測定結果は、図2に示すような頂点を複数有する多峰性の微小突起を含む実施形態における測定結果であり、図4に示す度数分布においては、隣接突起間距離d(横軸の値)について、20nm及び40nmの短距離の極大値と120nm及び174nmの長距離の極大値との2種類の極大値が存在する。これらの極大値のうちの長距離の極大値は、微小突起本体(頂部よりも下の中腹から麓にかけての部分)の配列に対応し、一方、短距離の極大値は頂部近傍に存在する複数の頂点(峰)に対応する。これにより極大点間距離の度数分布によっても、多峰性の微小突起の存在を見て取ることができる。
また、前記微小突起構造体を構成する各微小突起は、高さに高低差があるものとすることができる。各微小突起の高さに高低差がある場合には、例えば室内内装用結露抑制部材の微小突起構造体表面上に各種の部材が配置されたときに、多数の微小突起のうちの高さの高い微小突起のみが、当該部材と接触することになる。これにより、微小突起構造体が同一高さの微小突起のみにより構成される場合に比して格段的に滑りを良くすることができ、製造工程等における室内内装用結露抑制部材の取り扱いを容易とすることができる。
また、微小突起の高さが種々に異なる場合には、例えば物体の接触により高さの高い微小突起の形状が損なわれた場合でも、高さの低い微小突起においては、形状が維持されることになるため、耐擦傷性が向上する。さらに、多数の微小突起のうちの高さの高い微小突起のみが、当該部材と接触することになるため、相対的に高さの低い微小突起には汚れが付きにくくなるので、耐汚染性も向上する。
各微小突起の高さの高低差は、標準偏差により規定した場合に、10nm以上50nm以下であることが好ましい。10nm以上であることにより、微小突起構造体表面の滑り、耐擦傷性及び耐汚染性がより向上する。50nmを超えると、微小突起構造体表面のざらつき感が感じられるようになる場合がある。
また、前記微小突起構造体を構成する微小突起群は、少なくともその一部が、頂部微小突起と、該頂部微小突起の周囲に隣接して形成されており該頂部微小突起よりも高さが低い複数の周辺微小突起とからなる一群の微小突起の集合(本発明において「凸状突起群」と称する。)を構成していても良い。これにより、微小突起構造体表面の耐汚染性及び耐擦傷性がさらに向上し、滑りをさらに良くすることができる。
図6に、複数の微小突起によって構成される凸状突起群の斜視図(図6(a))及び平面図(図6(b))を示す。図6に示す凸状突起群22は、相対的に高さの高い頂部微小突起2Cと、その周囲に隣接して配置された相対的に高さの低い複数の周辺微小突起2Dからなる。尚、図6(a)及び図6(b)は、理解を容易にするために模式的に示す図であり、xy方向は、基材の面内方向であり、z方向は微小突起の高さ方向である。
なお、本発明において、前記頂部微小突起は、前記周辺微小突起よりも相対的に高さが高く、高さの差が10nm以上のものをいい、当該高さの差は、20nm以上であることが好ましい。また、前記高さの差は、微小突起構造体表面のざらつき感を抑える観点から、50nm以下であることが好ましい。
前記微小突起構造体においては、特に限定されないが、耐汚染性及び耐擦傷性がさらに向上する点から、凸状突起群の周辺に配置される微小突起が、頂部微小突起から離れるに連れて、順次高さが低くなっていくように配置されていることが好ましい。
前記微小突起構造体表面に存在する全微小突起中における前記凸状突起群を構成する微小突起の個数の比率は、特に限定されないが、前記効果を発揮する点からは、10%以上であることが好ましく、より好ましくは30%以上、更に好ましくは50%以上である。
なお、前記凸状突起群には、前記周辺微小突起にのみ隣接し、且つ前記頂部微小突起よりも高さが低い微小突起は含まれない。また、凸状突起群同士が隣接して形成される場合において、周辺微小突起が互いに隣接する凸状突起群に共有される場合がある。
前記凸状突起群を構成する微小突起の個数の比率は、例えば、前記微小突起構造体の表面をSEM等により観察し、画像解析により存在を確認できた微小突起の個数のうち、凸状突起群を構成する微小突起の個数の割合を算出することにより、求めることができる。
前記微小突起のアスペクト比(平均突起高さHAVG/平均隣接突起間距離dAVG)は、特に限定されないが、0.4〜2.5であることが好ましく、0.8〜2.1であることが特に好ましい。アスペクト比が上記範囲内であることにより、前記微小突起構造体の表面に付着した液体が濡れ広がり易くなるため、結露抑制効果が向上する。また、液体が付着した場合でも透視性に優れている。
本発明の室内内装用結露抑制部材は、前記微小突起構造体の表面における純水の静的接触角が、θ/2法で20°以下であることが好ましく、10°以下であることが特に好ましい。これにより、前記微小突起構造体の表面に付着した水が濡れ広がり易くなるため、速乾性に優れ、結露抑制効果が向上する。また、水が付着しても液体の保持力が向上しているため、触った場合でも水が滴り落ちにくくなる。前記微小突起構造体の表面における純水の静的接触角は、特に限定されないが、通常3°以上である。
また、前記微小突起構造体の表面は、n−ヘキサデカンの静的接触角が、θ/2法で20°以下であることが好ましく、16°以下であることが特に好ましい。これにより、微小突起構造体の表面に付着した油性の汚れが薄く広がり易くなるため、汚れが目立ち難く、防曇性が向上する。また、前記微小突起構造体の表面におけるn−ヘキサデカンの静的接触角は、特に限定されないが、通常8°以上である。
なお、本発明において静的接触角は、測定対象物の表面に接触角を測定しようとする溶剤(純水又はn−ヘキサデカン)の1.0μLの液滴を滴下し、着滴1秒後に、滴下した液滴の左右端点と頂点を結ぶ直線の、固体表面に対する角度から接触角を算出するθ/2法に従って測定した接触角とする。測定装置としては、例えば、協和界面科学社製 接触角計DM 500を用いることができる。
また、前記静的接触角は、微小突起構造体を形成する樹脂組成物の成分、微小突起構造体の形状等を変更することにより、調整することができる。
本発明において、前記微小突起構造体を、基材とは別の材料からなる別層である微小突起層に形成する場合、当該微小突起層の厚みは、特に限定されないが、通常3〜30μmである。なお、この場合の微小突起層の厚みとは、微小突起層の基材側の界面から、最も高さの高い微小突起の頂部の高さまでの基材平面に対する垂線方向の距離を意味する(図1中のT)。
また、本発明において、前記微小突起構造体は、基材の両面に形成されていても良い。
本発明において、前記微小突起構造体を構成する各微小突起は、樹脂組成物を硬化させてなるものである。樹脂組成物は、少なくとも樹脂を含有し、必要に応じて重合開始剤等その他の成分を含有する。なお、本発明において樹脂とは、モノマーやオリゴマーの他、ポリマーを含む概念である。
前記樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アクリレート系、エポキシ系、ポリエステル系等の電離放射線硬化性樹脂、アクリレート系、ウレタン系、エポキシ系、ポリシロキサン系等の熱硬化性樹脂、アクリレート系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系等の熱可塑性樹脂等の各種材料及び各種硬化形態の賦形用樹脂を使用することができる。また、非反応性重合体を含有してもよい。なお、電離放射線とは、分子を重合させて硬化させ得るエネルギーを有する電磁波または荷電粒子を意味し、例えば、すべての紫外線(UV−A、UV−B、UV−C)、可視光線、ガンマー線、X線、電子線等が挙げられる。
前記樹脂としては、中でも成形性及び機械的強度に優れる点から電離放射線硬化性樹脂が好ましい。本発明に用いられる電離放射線硬化性樹脂とは、分子中にラジカル重合性及び/又はカチオン重合性結合を有する単量体又は重合体を適宜混合したものであり、適宜重合開始剤を用いて電離放射線により硬化されるものである。また、本発明において成形性に優れるとは、所望の形状に精度良く成形できることをいう。
中でも、本発明に用いられる樹脂組成物は、アクリレート系、エポキシ系、ポリエステル系の電離放射線硬化性樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましく、更に、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を有するアクリレート系の電離放射線硬化性樹脂から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
本発明に用いられる樹脂組成物は、さらに必要に応じて、重合開始剤、離型剤、光増感剤、酸化防止剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、粘度調整剤、密着性向上剤等を含有することもできる。
また、本発明に用いられる樹脂組成物は、特に限定されないが、平坦な硬化膜としたときの表面における、純水の静的接触角が、θ/2法で85°以下であることが好ましく、より好ましくは60°以下であり、n−ヘキサデカンの静的接触角が、θ/2法で70°以下であることが好ましく、より好ましくは60°以下である。
本発明の室内内装用結露抑制部材は、微小突起構造体の表面に、剥離可能な保護フィルムを仮接着した状態で保管、搬送、売買、後加工又は施工を行い、適時、該保護フィルムを剥離除去する形態とすることもできる。これにより、保管、搬送等の間における微小突起構造体の表面の損傷、汚染を防止することができる。
また、本発明の室内内装用結露抑制部材は、微小突起構造体を有しない面に接着剤層を形成し、更に当該接着剤層の表面に離型フィルムを剥離可能に積層してなる接着加工品とすることもできる。接着剤としては、粘着剤(感圧接着剤)、2液硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、熱溶融型接着剤等の公知の接着形態のものが各種使用できる。
本発明の室内内装用結露抑制部材の可視光領域における透過率は、用途に応じて適宜調節することができ、特に限定されず、80%以上の透明であっても良いし、80%未満の半透明又は不透明であっても良い。前記透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
<室内内装用結露抑制部材の製造方法>
本発明の室内内装用結露抑制部材の製造方法は、上述した本発明の室内内装用結露抑制部材を製造することができる方法であれば特に限定されないが、成形性に優れ、且つ安定量産ができる点から、基材の少なくとも一方の面に、賦形により微小突起構造体を形成する方法が好ましい。
前記微小突起構造体は、基材上に設けた当該基材とは別の材料からなる別層の表面に賦形しても良いし、基材が樹脂組成物等の賦形可能な材料からなる場合は、当該基材表面に直接賦形しても良い。
本発明の室内内装用結露抑制部材の製造方法としては、例えば以下の方法等が挙げられる。すなわち、まず基材上に微小突起層形成用の樹脂組成物を塗布して塗膜を形成し、所望の凹凸形状を有する微小突起構造体形成用原版の該凹凸形状を、前記樹脂組成物の塗膜に賦形した後、前記樹脂組成物を硬化させることにより微小突起構造体を形成し、前記微小突起構造体形成用原版を剥離する方法等である。
なお、微小突起構造体形成用原版の凹凸形状とは、多数の微小孔が密に形成されたものであり、微小突起構造体が備える微小突起群の形状に対応する形状である。
また、微小突起構造体形成用原版の凹凸形状を樹脂組成物に賦形し、該樹脂組成物を硬化させる方法は、樹脂組成物の種類等に応じて適宜選択することができる。
前記微小突起構造体形成用原版としては、繰り返し使用した際に変形および摩耗するものでなければ、特に限定されるものではなく、金属製であっても良く、樹脂製であっても良いが、通常、耐変形性および耐摩耗性に優れている点から、金属製が好適に用いられる。
前記微小突起構造体形成用原版の凹凸形状を有する面は、特に限定されないが、酸化されやすく、陽極酸化による加工が容易である点から、アルミニウムからなることが好ましい。
前記微小突起構造体形成用原版は、具体的には、例えば、ステンレス、銅、アルミニウム等の金属製の母材の表面に、直接に又は各種の中間層を介して、スパッタリング等により純度の高いアルミニウム層が設けられ、当該アルミニウム層に凹凸形状を形成したものが挙げられる。前記母材は、前記アルミニウム層を設ける前に、電解溶出作用と、砥粒による擦過作用の複合による電解複合研磨法によって母材の表面を超鏡面化しても良い。
前記微小突起構造体形成用原版に凹凸形状を形成する方法としては、例えば、陽極酸化法によって前記アルミニウム層の表面に複数の微小孔を形成する陽極酸化工程と、前記アルミニウム層をエッチングすることにより前記微小孔の開口部にテーパー形状を形成する第1エッチング工程と、前記アルミニウム層を前記第1エッチング工程のエッチングレートよりも高いエッチングレートでエッチングすることにより前記微小孔の孔径を拡大する第2エッチング工程とを順次繰り返し実施することによって形成することができる。
微小突起構造体形成用原版に凹凸形状を形成する際には、アルミニウム層の純度(不純物量)や結晶粒径、陽極酸化処理及び/又はエッチング処理の諸条件を適宜調整することによって、所望の形状とすることができる。前記陽極酸化処理において、より具体的には、液温、印加する電圧、陽極酸化に供する時間等の管理により、微小孔をそれぞれ目的とする深さ及び形状に作製することができる。
また、前記微小突起構造体形成用原版の形状としては、例えば、平板状、ロール状等が挙げられ、特に限定されるものではないが、生産性向上の観点からは、ロール状が好ましい。本発明においては、前記微小突起構造体形成用原版として、ロール状の金型(以下、「ロール金型」と称する場合がある。)を用いることが好ましい。
前記ロール金型としては、例えば、母材として、円筒形状の金属材料を用い、当該母材の周側面に、直接に又は各種の中間層を介して設けられたアルミニウム層に、上述したように、陽極酸化処理、エッチング処理の繰り返しにより、凹凸形状が作製されたものが挙げられる。
図7に、微小突起構造体形成用の樹脂組成物として紫外線硬化性樹脂組成物を用い、微小突起構造体形成用原版としてロール金型を用いて、本発明の室内内装用結露抑制部材を製造する方法の一例を示す。この製造方法では、まず、樹脂供給工程において、ダイ31により、帯状フィルム形態の基材10に、微小突起層21となる微小突起構造体の受容層21’を構成する未硬化で液状の紫外線硬化性樹脂組成物を塗布する。尚、紫外線硬化性樹脂組成物の塗布については、ダイ31による場合に限らず、各種の手法を適用することができる。続いて、押圧ローラ33により、賦形用金型であるロール金型32の周側面に基材10を加圧押圧し、これにより基材10に未硬化の受容層21’を密着させると共に、ロール金型32の周側面に形成された微小な凹凸形状の凹部に受容層21’を構成する紫外線硬化性樹脂組成物を充分に充填する。この状態で、紫外線の照射により紫外線硬化性樹脂組成物を硬化させ、これにより基材10の表面に微小突起構造体を有する微小突起層21が形成される。続いて剥離ローラ34を介してロール金型32から、硬化した微小突起層21と一体に基材10を剥離する。必要に応じてこの基材10に粘着層等を積層した後、所望の大きさに切断する。これにより、所望の形状の微小突起構造体が形成された本発明の室内内装用結露抑制部材が、効率良く大量生産される。
なお、多峰性の微小突起と単峰性の微小突起とを混在させるには、陽極酸化処理において作製される微小突起構造体形成用原版の微小孔の間隔をばらつかせることにより実現することができる。多峰性の微小突起は、その頂部に対応する形状の凹部を備えた微小孔により作成されるものであり、このような微小孔は、極めて近接して作製された微小孔が、エッチング処理により、一体化して形成されると考えられる。
また、微小突起構造体の少なくとも一部を上述した凸状突起群とするためには、個々の微小突起について、その高さに所定範囲のばらつきがあることが必須である。個々の微小突起の高さのばらつきは、微小突起構造体形成用原版のに形成される微小孔の深さのばらつきによるものであり、このような微小孔の深さのばらつきは、陽極酸化処理におけるばらつきに起因するものと言える。これにより相対的に高さの高い頂部微小突起と、相対的に高さの低い複数の周辺微小突起とを混在させるには、陽極酸化処理におけるばらつきを大きくすることにより実現することができる。
また上述の実施形態では、ロール金型を使用した賦形処理により、フィルム形状の基材上に微小突起構造体の形成方法を生産する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、基材の形状に応じて、例えば平板、特定の曲面形状による賦形用金型を使用した枚葉の処理により微小突起構造体を作成する場合等、賦形処理に係る工程、金型は、基材の形状に応じて適宜変更することができる。
<室内内装用結露抑制部材の用途>
本発明の室内内装用結露抑制部材は、例えば、結露しやすい室内内装用の壁紙、天井材、床材、鏡、窓、窓のサッシ等に用いることができる。結露しやすい室内としては、具体的には、例えば、浴室、洗面所、洗濯機置き場、キッチン、トイレ(ユニットバス設備を含む)等の水回り設備が設けられた部屋又は空間、脱衣所、物干し場、食堂等の水回り設備に隣接した部屋又は空間、その他空調設備や天候によって結露が生じる居間や事務所を含む部屋又は空間等が挙げられる。なお、本発明において「浴室」とは、浴槽、シャワー、サウナ設備、及びミストサウナ設備よりなる群から選ばれる少なくとも1つが設けられている部屋又は空間をいう。また、ミストサウナ設備とは、浴用設備としてのミスト(冷/温を含む)、蒸気発生器等を含む意味である。
本発明の室内内装用結露抑制部材は、中でも、結露が生じやすいことから、浴室及び浴室の扉を隔てて浴室と隣接する部屋又は空間において好ましく用いられ、浴室及び浴室の扉を隔てて浴室と隣接し且つ浴室を含んで密閉され得る空間においてより好ましく用いられ、浴室において更に好ましく用いられる。
(金型1の作製)
純度99.50%の圧延されたアルミニウム板を、研磨後、0.02Mシュウ酸水溶液の電解液中で、印加電圧40V、20℃の条件にて100秒間、陽極酸化を実施した。次に、第一エッチング処理として、陽極酸化後の電解液で50秒間エッチング処理を行った。続いて、第二エッチング処理として、1.0Mリン酸水溶液で120秒間孔径処理を行った。さらに、上記処理を繰り返し、これらを合計5回追加実施した。これにより、アルミニウム基板上に微小孔が密に形成された陽極酸化アルミニウム層が形成された。最後に、フッ素系離型剤を塗布し、余分な離型剤を洗浄することで、微小突起構造体形成用の金型1を得た。なお、金型1のアルミニウム層に形成された微細な凹凸形状は、平均隣接微小孔間距離100nm、平均深さ160nmであった。また、頂点を複数有する微小突起となるような微小孔が一部存在しており、一部の微小孔に深さのばらつきがある形状であった。
(金型2の作製)
金型1と同様の操作を用いて、繰り返し操作を7回追加実施したこと以外は、金型1の作製と同様にして、平均隣接微小孔間距離150nm、平均深さ200nmの微小突起構造体形成用の金型2を得た。なお、金型2のアルミニウム層に形成された微細な凹凸形状は、頂点を複数有する微小突起となるような微小孔が一部存在しており、一部の微小孔に深さのばらつきがある形状であった。
(金型3の作製)
第一エッチング処理時間を60秒、第二エッチング処理時間を130秒とし、繰り返し操作を7回追加実施したこと以外は、金型1の作製と同様にして、平均隣接微小孔間距離200nm、平均深さ160nmの微小突起構造体形成用の金型3を得た。なお、金型3のアルミニウム層に形成された微細な凹凸形状は、頂点を複数有する微小突起となるような微小孔が一部存在しており、一部の微小孔に深さのばらつきがある形状であった。
(金型4の作製)
第一エッチング処理時間を70秒、第二エッチング処理時間を170秒とし、繰り返し操作を5回追加実施したこと以外は、金型1の作製と同様にして、平均隣接微小孔間距離400nm、平均深さ210nmの微小突起構造体形成用の金型4を得た。なお、金型4のアルミニウム層に形成された微細な凹凸形状は、頂点を複数有する微小突起となるような微小孔が一部存在しており、一部の微小孔に深さのばらつきがある形状であった。
(金型5の作製)
第一エッチング処理時間を70秒、第二エッチング処理時間を170秒とし、繰り返し操作を7回追加実施したこと以外は、金型1の作製と同様にして、平均隣接微小孔間距離500nm、平均深さ2230nmの微小突起構造体形成用の金型5を得た。なお、金型5のアルミニウム層に形成された微細な凹凸形状は、頂点を複数有する微小突起となるような微小孔が一部存在しており、一部の微小孔に深さのばらつきがある形状であった。
(樹脂組成物Aの調製)
以下の各成分を混合し、微小突起構造体形成用の樹脂組成物Aを調製した。
・EO変性ビスフェノールAジアクリレート 70質量部
・ポリエチレングリコールジアクリレート 30質量部
・ジフェニル(2,4,6−トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキシド(ルシリンTPO) 1質量部
(樹脂組成物Bの調製)
以下の各成分を混合し、微小突起構造体形成用の樹脂組成物Bを調製した。
・EO変性ビスフェノールAジアクリレート 30質量部
・EO変性トリメチロールプロパンアクリレート 20質量部
・ドデシルアクリレート 50質量部
・ジフェニル(2,4,6−トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキシド(ルシリンTPO) 1質量部
(樹脂組成物Cの調製)
以下の各成分を混合し、微小突起構造体形成用の樹脂組成物Cを調製した。
・EO変性ビスフェノールAジアクリレート 50質量部
・EO変性トリメチロールプロパンアクリレート 30質量部
・トリデシルアクリレート 5質量部
・ドデシルアクリレート 5質量部
・メチルメタクリレート 5質量部
・ヘキシルメタクリレート 5質量部
・ジフェニル(2,4,6−トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキシド(ルシリンTPO) 1質量部
(樹脂組成物Dの調製)
以下の各成分を混合し、微小突起構造体形成用の樹脂組成物Dを調製した。
・EO変性ビスフェノールAジアクリレート 70質量部
・ポリエチレングリコールジアクリレート 30質量部
・ジフェニル(2,4,6−トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキシド(ルシリンTPO) 1質量部
・シリカゲル 5質量部
[実施例1]
樹脂組成物Aを、金型1の凹凸形状を有する面が覆われ、微小突起構造体が形成される微小突起層の硬化後の厚さが20μmとなるように塗布、充填し、その上に基材(材質:PET、厚さ:25μm、商品名:ルミラー、東レ社製)を斜めから貼り合わせた後、貼り合わせられた貼合体をゴムローラーで10N/cmの加重で圧着した。金型全体に均一な組成物が塗布されたことを確認し、基材側から2000mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射して樹脂を硬化させた。その後、金型より剥離し、実施例1の室内内装用結露抑制部材を得た。
得られた室内内装用結露抑制部材の表面の断面をSEMにより観察したところ、平均隣接微小突起間距離100nm、平均微小突起高さ160nmの微小突起群が形成されていた。また、微小突起の一部が頂点を複数有する微小突起であり、各微小突起の高さに、標準偏差30nmの高低差があった。
[実施例2]
微小突起構造体形成用の金型として金型2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の室内内装用結露抑制部材を得た。
実施例2の室内内装用結露抑制部材の表面の断面をSEMにより観察したところ、平均隣接微小突起間距離150nm、平均微小突起高さ200nmの微小突起群が形成されていた。また、微小突起の一部が頂点を複数有する微小突起であり、各微小突起の高さに、標準偏差25nmの高低差があった。
[実施例3]
微小突起構造体形成用の金型として金型3を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の室内内装用結露抑制部材を得た。
実施例3の室内内装用結露抑制部材の表面の断面をSEMにより観察したところ、平均隣接微小突起間距離200nm、平均微小突起高さ160nmの微小突起群が形成されていた。また、微小突起の一部が頂点を複数有する微小突起であり、各微小突起の高さに、標準偏差30nmの高低差があった。
[実施例4]
微小突起構造体形成用の樹脂組成物として樹脂組成物Bを用い、微小突起構造体形成用の金型として金型2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4の室内内装用結露抑制部材を得た。
実施例4の室内内装用結露抑制部材の表面の断面をSEMにより観察したところ、平均隣接微小突起間距離150nm、平均微小突起高さ200nmの微小突起群が形成されていた。また、微小突起の一部が頂点を複数有する微小突起であり、各微小突起の高さに、標準偏差25nmの高低差があった。
[実施例5]
微小突起構造体形成用の樹脂組成物として樹脂組成物Cを用い、微小突起構造体形成用の金型として金型2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5の室内内装用結露抑制部材を得た。
実施例5の室内内装用結露抑制部材の表面の断面をSEMにより観察したところ、平均隣接微小突起間距離150nm、平均微小突起高さ200nmの微小突起群が形成されていた。また、微小突起の一部が頂点を複数有する微小突起であり、各微小突起の高さに、標準偏差35nmの高低差があった。
[実施例6]
微小突起構造体形成用の樹脂組成物として樹脂組成物Aを用い、微小突起構造体形成用の金型として金型4を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6の室内内装用結露抑制部材を得た。
実施例6の室内内装用結露抑制部材の表面の断面をSEMにより観察したところ、平均隣接微小突起間距離400nm、平均微小突起高さ210nmの微小突起群が形成されていた。また、微小突起の一部が頂点を複数有する微小突起であり、各微小突起の高さに、標準偏差25nmの高低差があった。
[実施例7]
微小突起構造体形成用の樹脂組成物として樹脂組成物Bを用い、微小突起構造体形成用の金型として金型4を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例7の室内内装用結露抑制部材を得た。
実施例7の室内内装用結露抑制部材の表面の断面をSEMにより観察したところ、平均隣接微小突起間距離400nm、平均微小突起高さ210nmの微小突起群が形成されていた。また、微小突起の一部が頂点を複数有する微小突起であり、各微小突起の高さに、標準偏差30nmの高低差があった。
[実施例8]
微小突起構造体形成用の樹脂組成物として樹脂組成物Cを用い、微小突起構造体形成用の金型として金型4を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例8の室内内装用結露抑制部材を得た。
実施例8の室内内装用結露抑制部材の表面の断面をSEMにより観察したところ、平均隣接微小突起間距離400nm、平均微小突起高さ210nmの微小突起群が形成されていた。また、微小突起の一部が頂点を複数有する微小突起であり、各微小突起の高さに、標準偏差30nmの高低差があった。
[実施例9]
微小突起構造体形成用の樹脂組成物として樹脂組成物Aを用い、微小突起構造体形成用の金型として金型5を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例9の室内内装用結露抑制部材を得た。
実施例9の室内内装用結露抑制部材の表面の断面をSEMにより観察したところ、平均隣接微小突起間距離500nm、平均微小突起高さ230nmの微小突起群が形成されていた。また、微小突起の一部が頂点を複数有する微小突起であり、各微小突起の高さに、標準偏差35nmの高低差があった。
[実施例10]
微小突起構造体形成用の樹脂組成物として樹脂組成物Bを用い、微小突起構造体形成用の金型として金型5を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例10の室内内装用結露抑制部材を得た。
実施例10の室内内装用結露抑制部材の表面の断面をSEMにより観察したところ、平均隣接微小突起間距離500nm、平均微小突起高さ230nmの微小突起群が形成されていた。また、微小突起の一部が頂点を複数有する微小突起であり、各微小突起の高さに、標準偏差25nmの高低差があった。
[実施例11]
微小突起構造体形成用の樹脂組成物として樹脂組成物Cを用い、微小突起構造体形成用の金型として金型5を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例11の室内内装用結露抑制部材を得た。
実施例11の室内内装用結露抑制部材の表面の断面をSEMにより観察したところ、平均隣接微小突起間距離500nm、平均微小突起高さ230nmの微小突起群が形成されていた。また、微小突起の一部が頂点を複数有する微小突起であり、各微小突起の高さに、標準偏差30nmの高低差があった。
[比較例1]
基材(材質:PET、厚さ:25μm、商品名:ルミラー、東レ社製)上に、樹脂組成物Aを、硬化後の厚さが20μmとなるように塗布し、基材側から2000mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射して樹脂を硬化させることにより、比較例1の室内内装用結露抑制部材を得た。
[比較例2]
樹脂組成物Aの代わりに樹脂組成物Bを用いたこと以外は、比較例1と同様にして、比較例2の室内内装用結露抑制部材を得た。
[比較例3]
樹脂組成物Aの代わりに樹脂組成物Cを用いたこと以外は、比較例1と同様にして、比較例3の室内内装用結露抑制部材を得た。
[比較例4]
比較例1で得られた室内内装用結露抑制部材において、硬化させた樹脂表面を#2000の紙やすりを用いて粗面化することにより表面に凹凸を形成し、比較例4の室内内装用結露抑制部材を得た。
[比較例5]
比較例1で得られた室内内装用結露抑制部材において、硬化させた樹脂表面を#1200の紙やすりを用いて粗面化することにより表面に凹凸を形成し、比較例5の室内内装用結露抑制部材を得た。
[比較例6]
まず、樹脂組成物Dを厚さ25μmのフィルム状に硬化させることにより、表面に凹凸形状を有する防眩フィルムを作製した。次いで、当該防眩フィルムを、粘着層を介して基材(材質:PET、厚さ:25μm、商品名:ルミラー、東レ社製)上に貼り合わせることにより、比較例6の室内内装用結露抑制部材を得た。
比較例6の室内内装用結露抑制部材の表面の断面をSEMにより観察したところ、防眩フィルム側の表面は、高さ10〜800nmの範囲内で高さにバラつきのある微小突起が、隣接微小突起間距離500nm〜1μmの範囲で不規則に配置された、不規則な凹凸形状が形成されていた。
[比較例7]
1500mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射して樹脂を硬化させたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例7の室内内装用結露抑制部材を得た。
比較例7の室内内装用結露抑制部材の表面の断面をSEMにより観察したところ、金型の形状が十分に賦形されておらず、各微小突起の形状は先細りでなく、また、各微小突起は密接配置されていなかった。平均隣接微小突起間距離は650nm、平均微小突起高さは150nmであった。
[比較例8]
1500mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射して樹脂を硬化させたこと以外は、実施例4と同様にして、比較例8の室内内装用結露抑制部材を得た。
比較例8の室内内装用結露抑制部材の表面の断面をSEMにより観察したところ、金型の形状が十分に賦形されておらず、各微小突起の形状は先細りでなく、また、各微小突起は密接配置されていなかった。平均隣接微小突起間距離は600nm、平均微小突起高さは200nmであった。
[比較例9]
1500mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射して樹脂を硬化させたこと以外は、実施例5と同様にして、比較例9の室内内装用結露抑制部材を得た。
比較例9の室内内装用結露抑制部材の表面の断面をSEMにより観察したところ、金型の形状が十分に賦形されておらず、各微小突起の形状は先細りでなく、また、各微小突起は密接配置されていなかった。平均隣接微小突起間距離は600nm、平均微小突起高さは150nmであった。
(評価)
各実施例及び比較例で得られた室内内装用結露抑制部材について、下記の評価を行った。評価結果をそれぞれ表1に示す。
<静的接触角の測定>
各実施例及び比較例で得られた室内内装用結露抑制部材の基材側表面を、粘着層を介して黒アクリル板に貼り付け、該黒アクリル板とは反対側の室内内装用結露抑制部材表面に、純水(液クロマトグラフィー用蒸留水(純正化学(株)製))1.0μLの液滴を滴下し、着滴1秒後、協和界面科学社製 接触角計DM 500を用いて、θ/2法に従って静的接触角を測定した。
また、純水の代わりにn−ヘキサデカンをそれぞれ用いて、同様にして静的接触角を測定した。
<速乾性評価>
各実施例及び比較例で得られた室内内装用結露抑制部材の基材側表面を、粘着層を介してガラス板に貼り付け、ガラス板が存在する側とは反対側の室内内装用結露抑制部材表面に水蒸気が直接当たるように、80℃に加熱した温浴上に水平に配置し、3分間水蒸気を当てた。その後、ガラス板面が下になるように室内内装用結露抑制部材を水平に配置し、温度25℃、湿度50%RHの環境下で3分間静置した。
次に、予め80℃のオーブンで乾燥させた青色の塩化コバルト紙(アドバンテック東洋(株)製)を、水蒸気を当てた室内内装用結露抑制部材表面にあてがい、目視により呈色を観察し、以下の評価基準により速乾性を評価した。なお、塩化コバルト紙は乾燥時に青色に呈色し、水分が付着することにより赤色に呈色する。
[速乾性評価基準]
○:塩化コバルト紙は青色のまま変化がなく、乾燥していた。
×:塩化コバルト紙が青色から赤色へと変化し、水分の付着が確認された。
<透視性評価>
以下の方法により、室内内装用結露抑制部材を通常結露が発生する条件下に置き、水分を付着させて、透視性を評価した。
各実施例及び比較例で得られた室内内装用結露抑制部材の基材側表面を、それぞれ粘着層(日東電工製 LUCIACS)を介して、15cm×15cmの透明ガラス板に貼り付け、評価用部材とした。
各評価用部材の室内内装用結露抑制部材側表面を下側として、水平面に対して70度傾けた状態で固定した。前記固定した評価用部材の下端の30cm下側で、前記室内内装用結露抑制部材側表面にスチームが直接当たるように、スチーム加湿器(ツインバード工業社製SK4975)を設置した。当該スチーム加湿器を用い、前記評価用部材を3分間スチームにさらした(およそ5mlの水がスチームとなって、結露抑制部材側表面に付着)。
得られた評価用部材の結露抑制部材側を前面として垂直に固定し、評価用部材の基材側の30cm後方にA4サイズの全面白黒格子模様(2cm×2cm)を配置した。スチーム停止後30秒経過後において、評価用部材を介して前記格子模様を5名の被験者により観察し、透視性を評価した。
[透視性評価基準]
◎:格子の境界がはっきりと視認された。
○:格子の境界が視認された。
×:格子の境界が視認されなかった。
○又は◎であれば、結露が発生する条件下における透視性に優れていると評価される。結果を表1に示す。表1の透視性欄中の数値は、◎と評価した被験者の人数、○と評価した被験者の人数、×と評価した被験者の人数を順に表す。
<水滴滴り評価>
前記透視性評価と同様にして各評価用部材を作成し、当該評価用部材を3分間スチームにさらした。
得られた評価用部材を垂直に固定し、スチーム停止後30秒経過後、各被験者が各自の指でそれぞれ結露抑制部材側表面を10cm擦り、水の滴り具合を目視で評価した。
このとき、各被験者はそれぞれスマートフォンのタッチパネルの操作時と同程度の指圧で擦った(およそ50g/cm)。
[水滴滴り評価基準]
○:水の滴りが認められなかった。
×:水の滴りが認められた。
結果を表1に示す。表1の水滴滴り性欄の数値は、○と評価した被験者の人数、×と評価した被験者の人数を順に表す。
(結果のまとめ)
実施例1〜11で得られた室内内装用結露抑制部材は、基材上に形成された微小突起構造体が、樹脂組成物の硬化物からなる複数の微小突起が特定の隣接突起間距離を有して密接配置された微小突起群を備えるため、液体が濡れ広がり易く、速乾性に優れていた。
一方、比較例1〜3で得られた室内内装用結露抑制部材は、基材上に形成された樹脂層表面が未加工で平坦であるため、速乾性に劣っていた。
比較例4〜9で得られた室内内装用結露抑制部材も速乾性に劣っていた。これらは、基材上に形成された樹脂層表面の凹凸形状が不適切で親水性を向上できなかったためと考えられる。なお、比較例7〜9では、紫外線の照射が不十分であったことにより、微小突起同士が接触した状態で樹脂が硬化し、その結果、独立した微小突起が連続して形成されず、あたかも大きな突起形状として振舞ったため、親水性が低下したと考えられる。
実施例1〜11で得られた室内内装用結露抑制部材は、スチーム加湿器を用いて結露が発生する条件下に置かれた場合であっても、透視性に優れ、また、擦っても水滴の滴りが抑制された。実施例1〜11で得られた室内内装用結露抑制部材においては、微小突起間に水が濡れ広がって、水滴が形成されず、保持されていたものと推測される。
比較例1〜9の室内内装用結露抑制部材は、いずれも水滴が発生したため透視性が悪く、当該水滴を保持することはできなかった。
10 基材
20 微小突起構造体
2 微小突起
21 微小突起層
21’ 受容層
22 凸状突起群
31 ダイ
32 ロール金型
33 押圧ローラ
34 剥離ローラ

Claims (3)

  1. 基材の少なくとも一方の面に、樹脂組成物の硬化物からなる複数の微小突起が密接して配置されてなる微小突起群を備えた微小突起構造体を有し、
    隣接する前記微小突起間の距離の平均が50〜500nmであることを特徴とする、室内内装用結露抑制部材。
  2. 前記微小突起構造体の表面における純水の静的接触角が、θ/2法で20°以下である、請求項1に記載の室内内装用結露抑制部材。
  3. 前記微小突起構造体の表面におけるn−ヘキサデカンの静的接触角が、θ/2法で20°以下である、請求項1又は2に記載の室内内装用結露抑制部材。
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