JP5048304B2 - ハードコートフィルムおよび反射防止フィルム - Google Patents

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本発明は、ハードコートフィルムおよび反射防止フィルムに関するものであり、詳しくは、鉛筆硬度が高く、透明性、耐擦傷性、耐カール性、塗膜密着性、耐アルカリ性に優れたハードコートフィルムおよびこれを用いてなる反射防止フィルムに関するものである。
事務機などのタッチパネル、情報端末などのペン入力部、家電製品などのメンブレンスイッチなどは、絶えずその表面に触れて操作されている。これらの材料の基材フィルムとしては、機械強度と寸法安定性の良好な二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムと、等方性と透明性が良好なトリアセチルセルロースフィルムが多く用いられている。しかし、これらのフィルムの耐擦傷性は十分には高くないので、頻繁に触れられると表面に傷がつく。パソコンのディスプレイ、液晶表示装置、テレビ、自動車窓ガラス被覆フィルム、窓ガラス飛散防止フィルムなどにも傷付き防止が求められる。このために、これらのフィルムにはハードコート加工が施される。
この表面硬度の欠点を解決するために設けられるハードコート層は、従来、熱硬化型樹脂、或いは紫外線硬化型樹脂等の電離放射線型樹脂を用いて、基材フィルム上に塗布及び硬化させて塗膜3〜10μm程度の塗膜を1層形成して設けられていた。しかし、この塗膜厚みでは基材フィルムの変形による影響を受け易く、フィルムの強度は充分に高いものではなかった。一方、ハードコート層の弾性率を上げることにより基材フィルムの変形を抑制することはできるが、ハードコート層の割れが生じ易くなり、また、ハードコート層の硬化収縮によるカールが増大してしまう。それと同時に、ハードコート層表面に応力が集中してしまうため、応力歪みによるクラックが生じ易くなり、結果として、フィルム表面に傷が付き易くなってしまう。単にハードコート層の塗膜厚みを厚くしても硬度は向上するが、ハードコート層の割れや剥れ、カールを防ぐことができない。
これらの問題を解決するために、透明基材の少なくとも一方の面に、ハードコート層が形成されているハードコートフィルムであって、上記ハードコート層が2層以上に形成されており、前記透明基材に最も近く形成されたハードコート層の弾性率σmが、表層のハードコート層の弾性率σsよりも高いことを特徴とするハードコートフィルムが開示されている(特許文献1)。しかし、上記ハードコートフィルムは、耐カール性が十分ではなく、また鉛筆硬度も十分に出ないという問題がある。
また、基材と、基材表面に形成された第1被膜および該第1被膜上に形成された第2被膜を含むハードコート膜とからなり、第1被膜および/または第2被膜は、微粒子を含有する樹脂から形成され、かつ第1被膜を形成する樹脂相の硬度が第2被膜を形成する樹脂相の硬度よりも小さいことを特徴とするハードコート膜付基材が開示されている(特許文献2)。しかし、上記ハードコート膜は、ヘーズ値が大きく、光学用フィルムに適用した場合、透明性が悪く使用できないという問題がある。
特開2000−214791号公報 特開平5−8350号公報
本発明の目的は、鉛筆硬度が高く、透明性、耐擦傷性、耐カール性、塗膜密着性、耐アルカリ性に優れたハードコートフィルムおよびこれを用いてなる反射防止フィルムを提供することにある。
請求項1に記載の発明は、透明基材フィルムの表面に、下地用硬化性組成物を硬化してなる厚さ5〜15μmの第1ハードコート層を有し、さらにその上に、上地用硬化性組成物を硬化してなる厚さ1〜8μmの第2ハードコート層を有し、
前記下地用硬化性組成物が、質量平均分子量1,000〜20,000を有し、かつ、アクリロイル基またはメタクリロイル基の数が6〜15であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを主成分とする電離放射線硬化型樹脂100質量部に対し、光重合開始剤を1〜3質量部配合したものであり、
前記上地用硬化性組成物が、(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートを含む電離放射線硬化型樹脂100質量部に対し、無機化合物微粒子を10〜200質量部および光重合開始剤を16〜20質量部配合したものであり、かつ、
前記上地用硬化性組成物を硬化してなる第2ハードコート層が、前記下地用硬化性組成物を硬化してなる第1ハードコート層よりも硬いことを特徴とするハードコートフィルムである。
請求項2に記載の発明は、前記(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートを含む電離放射線硬化型樹脂が、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートであることを特徴とする請求項1に記載のハードコートフィルムである。
請求項3に記載の発明は、前記上地用硬化性組成物に配合する光重合開始剤が、α−ヒドロキシアセトフェノン系であることを特徴とする請求項1に記載のハードコートフィルムである。
請求項4に記載の発明は、前記無機化合物微粒子が、シリカ微粒子であることを特徴とする請求項1に記載のハードコートフィルムである。
請求項5に記載の発明は、前記シリカ微粒子の一次粒径が、1〜200nmであることを特徴とする請求項4に記載のハードコートフィルムである。
請求項6に記載の発明は、前記シリカ微粒子の一次粒径が、20〜50nmであることを特徴とする請求項4に記載のハードコートフィルムである。
請求項7に記載の発明は、前記シリカ微粒子が、重合性不飽和基を有することを特徴とする請求項4に記載のハードコートフィルムである。
請求項8に記載の発明は、前記シリカ微粒子が、シリカ微粒子と重合性不飽和基を有するアルコキシシラン化合物との反応により形成されるものであることを特徴とする請求項4に記載のハードコートフィルムである。
請求項9に記載の発明は、前記透明基材フィルムがトリアセチルセルロースフィルムまたは二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1に記載のハードコートフィルムである。
請求項10に記載の発明は、前記透明基材フィルムがトリアセチルセルロースフィルムであることを特徴とする請求項9に記載のハードコートフィルムである。
請求項11に記載の発明は、前記ハードコートフィルムが、光学用ハードコートフィルムであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のハードコートフィルムである。
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11のいずれかに記載のハードコートフィルムの上に、高屈折率層および低屈折率層がこの順に積層されてなることを特徴とする反射防止フィルムである。
請求項13に記載の発明は、請求項1〜11のいずれかに記載のハードコートフィルムの上に、低屈折率層が積層されてなることを特徴とする反射防止フィルムである。
一般的に高硬度のハードコートフィルムを作製しようとすると、ハードコート層の厚みをある程度の厚くせざるを得ない。とくに透明基材フィルムとしてトリアセチルセルロースフィルムを用いる場合は、当該フィルムの鉛筆硬度がB程度と柔らかいために、ハードコート層を厚塗りする必要があった。しかし、ハードコート層が厚膜になればなるほど、カールの発生、可とう性が低下することによるクラックの発生、変形、密着性不良が生じる。そこで本発明では上記のようにハードコート層を2層積層させている。
とくに本発明では、第1ハードコート層の厚さ、組成およびその配合割合、第2ハードコート層の厚さ、組成およびその配合割合、さらに、第1ハードコート層と第2ハードコート層との硬さの関係を適切に設定していることから、上記のようなハードコート層の厚膜化による問題点が発生することなく、ハードコート層の高硬度を達成することができる。したがって本発明によれば、鉛筆硬度が高く、透明性、耐擦傷性、耐カール性、塗膜密着性、耐アルカリ性に優れたハードコートフィルムおよびこれを用いてなる反射防止フィルムが提供される。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(透明基材フィルム)
本発明に用いる透明基材フィルムは、透明性を有するプラスチックフィルムであれば特に制限はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリトリメチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートフィルムなどのポリエステル系フィルム、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルムなどのセルロース系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリメタクリル酸メチルフィルムなどのアクリル系フィルム、スチレン−アクリロニトリル共重合体フィルムなどのスチレン系フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ環状オレフィンフィルムなどのポリオレフィン系フィルムなどを挙げることができる。これらの中で、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムは、機械的強度と寸法安定性が良好なので好適に用いることができ、トリアセチルセルロースフィルムは、等方性と透明性が良好なので好適に用いることができる。中でも本発明によれば、透明基材フィルムとしてトリアセチルセルロースフィルムを用いたときに、鉛筆硬度、透明性、耐擦傷性、耐カール性をとくに改善することができる。
透明基材フィルムの厚さは、例えば20〜250μmである。
第1ハードコート層
(下地用硬化性組成物)
本発明における第1ハードコート層を形成するための下地用硬化性組成物は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを主成分とする電離放射線硬化型樹脂100質量部に対し、光重合開始剤を1〜3質量部配合してなるものである。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えば、ポリオールに、ジイソシアネート化合物を反応させて末端イソシアネート基を有する化合物とし、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーなどを挙げることができる。ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの製造に用いるポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、トリエタノールアミンなどのトリオール、ジグリセリン、ペンタエリスリトールなどのテトラオール、ソルビトールなどのヘキサオールなどのポリオールに、エチレンオキシド、プロピレンオキシドなどを付加して得られるポリエーテルポリオール、縮合系ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオールなどのポリエステルポリオールなどを挙げることができる。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを使用することにより、硬化収縮が小さく、弾性に優れ、耐カール性が向上するという効果が奏される。ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの質量平均分子量は1,000〜20,000が好ましく、かつ、アクリロイル基またはメタクリロイル基の数が1〜15であるのが好ましい。さらに好ましい質量平均分子量は、1,000〜10,000であり、さらに好ましいアクリロイル基またはメタクリロイル基の数は、3〜10である。これらの質量平均分子量の範囲およびアクリロイル基またはメタクリロイル基の数を満たすことにより、耐カール性が一層向上するという効果が奏される。なお、下地用硬化性組成物における電離放射線硬化型樹脂は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを主成分とするものであるが、その他のポリエステルオリゴマーやエポキシオリゴマー等のオリゴマー、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA)、ペンタエリスリトールテトラメタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)等の多官能性モノマーを電離放射線硬化型樹脂中、50質量%未満の割合で配合してもよい。
下地用硬化性組成物における光重合開始剤としては特に制限はなく、例えばイルガキュアー184,907,651,1700,1800,819,369(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、ダロキュアー1173(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、エザキュアーKIP150、TZT(日本シイベルヘグナー社製)ールシリンTPO(BASF社製)、カヤキュアBMS(日本化薬製)等が挙げられる。
中でも、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(イルガキュアー907)が、内部硬化性が良好であり、耐カール性が高まるため好ましい。
下地用硬化性組成物において、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを主成分とする電離放射線硬化型樹脂100質量部に対し、光重合開始剤を1〜3質量部配合する必要がある。本発明では、下地用硬化性組成物における光重合開始剤の配合量を低く抑制し、当該組成物の光硬化の際にいわゆるハーフキュア(半硬化)状態にし、この上に上地用硬化性組成物を塗布して硬化させることにより、両組成物の密着性、ひいては第1ハードコート層と第2ハードコート層との層間密着性を高めることができる。光重合開始剤が1質量部未満では、光重合開始剤の量が少なすぎて、その機能を十分に発揮することができず、3質量部を超えると、上記のハーフキュアによる層間密着性の効果を発現することができない。さらに好ましい光重合開始剤の配合割合は、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対し、1.5〜2.5質量部である。
本発明における第1ハードコート層は、透明基材フィルム上に下地用硬化性組成物を塗料として塗布、乾燥し、電離放射線照射により硬化させることにより形成することができる。電離放射線に特に制限はなく、例えば、電子線、放射線、紫外線などを挙げることができる。電離放射線の中で、紫外線は装置が簡単であり、取り扱いか容易であることから、特に好適に用いることができる。
第1ハードコート層の厚さは、5〜15μmである。第1ハードコート層の厚さが5〜15μmの範囲外であると、鉛筆硬度、耐擦傷性、耐カール性を改善することができない。さらに好ましい第1ハードコート層の厚さは、7〜12μmである。
第2ハードコート層
(上地用硬化性組成物)
本発明における第2ハードコート層を形成するための上地用硬化性組成物は、(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートを含む電離放射線硬化型樹脂100質量部に対し、無機化合物微粒子を10〜200質量部および光重合開始剤を15〜20質量部配合してなるものである。
(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートとしては、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートが挙げられ、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート等を挙げることができる。好ましい具体例としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートが挙げられ、中でもジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートがとくに好ましい。これらの多官能(メタ)アクリレートは単独で用いても又は2種以上混合して用いてもよい。
上地用硬化性組成物における無機化合物微粒子は、第2ハードコート層に耐カール性及び耐擦傷性という機能を付与するための必須成分である。
無機化合物微粒子としては、シリカ微粒子、五酸化アンチモン、アンチモン酸亜鉛等が挙げられ、中でも下記のシリカ微粒子が好ましい。
シリカ微粒子は、粉体状シリカまたはコロイダルシリカであり、一次粒径が一般に1〜200nm(mμ)の範囲、好ましくは1〜100nmの範囲、さらに好ましくは20〜50nmの範囲である。シリカ微粒子の形状は球状、中空状、多孔質状、棒状、板状、繊維状、もしくは不定形状であり、好ましくは球状である。シリカ微粒子の比表面積は0.1〜3000m2/gであり、好ましくは10〜1500m2/gである。これらのシリカ微粒子の使用形態は乾燥状態の粉末、もしくは水もしくは有機溶剤で分散した状態で用いることができ、コロイダルシリカとして知られている微粒子状のシリカ微粒子の分散液を直接用いることができる。特に透明性を得るためにはコロイダルシリカの利用が好ましい。コロイダルシリカの分散溶媒が水の場合、その水素イオン濃度はpH値として2〜10の範囲であり、好ましくはpH3〜7の酸性コロイダルシリカが用いられる。また、コロイダルシリカの分散溶媒が有機溶剤の場合、有機溶剤としてメタノ−ル、イソプロピルアルコ−ル、エチレングリコ−ル、ブタノ−ル、エチレングリコ−ルモノプロピルエ−テル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド等の溶剤もしくはこれらと相溶する有機溶剤もしくは水との混合物として用いても良い。好ましい分散溶剤はメタノ−ル、イソプロピルアルコ−ル、メチルエチルケトン、キシレンである。シリカ微粒子の市販品としては、例えば、コロイダルシリカとしては日産化学工業(株)製のメタノ−ルシリカゾル、IPA−ST、MEK−ST、NBA−ST、XBA−ST、DMAC−STおよびST−UP、ST−OUP、ST−20、ST−40、ST−C、ST−N、ST−O、ST−50、ST−OL等をあげることができる。また粉体状シリカとしては、日本アエロジル(株)製のアエロジル130、アエロジル300、アエロジル380、アエロジルTT600及びアエロジルOX50、旭硝子(株)製のシルデックスH31、H32、H51、H52、H121、H122、日本シリカ工業(株)製のE220A、E220 富士シリシア(株)製のサイリシア470、日本板硝子(株)製のSGフレ−ク等を挙げることができる。
本発明に使用されるシリカ微粒子としては、シリカ微粒子と重合性不飽和基(及び好ましくはウレタン結合)を有するアルコキシシラン化合物との反応により形成されるもの(以下「変性シリカ微粒子」と言う)が好ましく、これは下記の構成を有するものが好ましい。
本発明の上記変性シリカ微粒子は、重合性不飽和基とウレタン結合基、式(I)−X−C(=Y)−NH−で表される有機基とを有するアルコキシシラン化合物とシリカ微粒子を反応させて得られる反応生成物であることが好ましい(上記式(I)中、Xは−NH−、−O−または−S−であり、Yは酸素原子またはイオウ原子である、但しXが−O−のときYはイオウ原子である)。
上記変性シリカ微粒子は、アルコキシシラン化合物とシリカ微粒子とを少なくとも混合する操作を含む方法により製造される。シリカ微粒子に固定されたアルコキシシラン化合物残渣の含有量は0.01質量%以上であり、好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは1質量%以上のものが用いられる。シリカ微粒子中に固定されたアルコキシシラン化合物残渣の含有量が0.01質量%未満の場合、組成物中のシリカ微粒子或いはコロイダルシリカの分散性、透明性、耐擦傷性が十分でない場合がある。
アルコキシシラン化合物は分子中に重合性不飽和基、ウレタン結合基、前記式(I)で表される有機基およびアルコキシシリル基を構成成分として少なくともそれぞれ1個含んでいる。アルコキシシリル基は加水分解、縮合反応によりシリカ微粒子の表面に存在するシラノ−ル基と結合する成分であり、また、重合性不飽和基とは、活性ラジカル種により付加重合を経て分子間で化学架橋する成分である。また、前記式(I)で表される2価の有機基である−X(C=Y)NH−基およびウレタン結合基はこれらアルコキシシリル基を有する分子片と重合性不飽和基を有する分子片とを直接もしくは他の分子片を介して結合する構成単位であると同時に分子間において水素結合による適度の凝集力を発生させ、本発明のハードコート層に優れた力学的強度、密着性、耐熱性等の性能を発生させると考えられる。−X(C=Y)NH−基としては、−S(C=O)NH−基が好ましい。
アルコキシシラン化合物の構造としては例えば、一般式(II)
Figure 0005048304
で表されるアルコキシシラン化合物をあげることができる。
上記一般式(II)において、R1は水素原子またはC1〜C8の1価の有機基であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、オクチル基等である。R2は水素原子またはC1〜C3の1価のアルキル基である。mは1、2もしくは3であり、(R1O)m2Si3-mで示されるアルコキシシリル基としては例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリフェノキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基等をあげることができ、好ましくは、トリメトキシシリル基およびトリエトキシシリル基である。
また、式中、−[(C=O)NH−R4−NH(C=O)O−X−O]p−として示される構造単位は前記式(II)に示す構造において分子鎖を延長することを目的として導入される。R3はC1〜C3の2価の有機基である。R4は2価の有機基であり、R3と同一でも異なっていてもよく、通常、分子量14〜1万、好ましくは、分子量78〜1000の2価の有機基の中から選ばれ、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、ドデカメチレン等の鎖状ポリアルキレン基;シクロヘキシレン、ノルボルニレン等の脂環式または多環式の2価の有機基;ビニレン、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ポリフェニレン等の2価の芳香族基;等をあげることができ、また、これらのアルキル基置換体、アリ−ル基置換体も用いることができる。これら2価有機の構造中には炭素、水素原子以外の元素から構成される原子団を含んでいてもよい。式中、pは0もしくは1であり、Xは2価の有機基であり、さらにイソシアネ−ト基と付加反応できる活性水素原子を分子内に2個以上有する化合物から誘導される2価の有機基であり、例えば、ポリアルキレングリコ−ル類、ポリアルキレンチオグリコ−ル類、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリカ−ボネ−ト類、ポリアルキレンジアミン類、ポリアルキレンジカルボン酸類、ポリアルキレンジオ−ル類、ポリアルキレンジメルカプタン類から活性水素原子を2個除くことで誘導される2価の有機基をあげることができる。また、R5は(n+1)価の有機基である。このような有機基は、好ましくは鎖状、分岐状または環状の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基、脂環式基の中から選ばれる。また、nは好ましくは1〜20の正の整数であり、より好ましくは1〜10であり、さらに好ましくは3〜5である。前記式中Yは活性ラジカル種の存在下、分子間架橋反応をする重合性不飽和基を分子中に有する1価の有機基を表し、例えば、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、ビニル基、プロペニル基、ブタジエニル基、スチリル基、エチニイル基、シンナモイル基、マレエ−ト基、アクリルアミド基等があげられる。これらの中でアクリロキシ基が好ましい。
アルコキシシラン化合物の分子構造の形成には、通常、メルカプト基を有するアルコキシシラン、すなわちメルカプトアルコキシシランと、ポリイソシアネ−ト化合物およびイソシアネ−ト基と付加反応を起こす活性水素を有する活性水素基含有重合性不飽和化合物との付加反応により行うことができる。
アルコキシシラン化合物の製造方法としては例えば、(A)法:まずメルカプトアルコキシシランとポリイソシアネ−ト化合物との付加体を反応させることにより分子中にアルコキシシリル基、−S(C=O)NH−結合基、及びイソシアネ−ト基を含む中間体を製造し、次に中間体中に残存するイソシアネ−トに対して活性水素基含有重合性不飽和化合物を反応させウレタン基を介して結合させる方法。(B)法:まずポリイソシアネ−ト化合物と活性水素基含有重合性不飽和化合物との付加体を反応させることにより分子中に重合性不飽和基、ウレタン結合基、およびイソシアネ−ト基を含む中間体を形成し、これにメルカプトアルコキシシランを反応させ−S(C=O)NH−基を介して結合させる方法等をあげることができる。さらに、前記(A)または(B)法において、鎖延長単位としてさらに、イソシアネ−トと付加反応を起こす活性水素を分子内に2個以上有する鎖状、環状または分岐状の化合物をポリイソシアネ−ト化合物とのウレタン結合を介して延長することもできる。
前記式(II)に示した化合物を製造において、直接、ポリイソシアネ−ト化合物との反応により−S(C=O)NH−結合を形成することができるアルコキシシランの例としては、反応生成物としてアルコキシシリル基とメルカプト基を分子中にそれぞれ1個以上有する化合物の中から選ぶことができる。例えば、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、メルカプイトプロピルメトキシジメチルシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトプロピルトリフェノキシシラン、メルカプトプロピルトリブトキシシラン等のメルカプトアルコキシシランをあげることができ、好ましくはメルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシランである。市販されているメルカプトアルコキシシランとしては、例えば東レ・ダウ・コ−ニング(株)製のSH6062をあげることができる。これらメルカプトアルコキシシランは単独または2種以上を混合して用いてもよく、さらに、メルカプトアルコキシシランの例としては、アミノ置換アルコキシシランとエポキシ基置換メルカプタンとの付加生成物、エポキシシランとα,ω−ジメルカプト化合物との付加生成物を利用することができる。アルコキシシラン化合物を製造する際に利用する、ポリイソシアネ−ト化合物としては鎖状飽和炭化水素、環状飽和炭化水素、芳香族炭化水素で構成されるポリイソシアネ−ト化合物の中から選ぶことができ、単独もしくは2種以上混合して用いることができる。1分子中のイソシアネ−ト基の個数は、通常2以上、30未満であり、好ましくは2以上10未満である。30を超えると生成物の粘度が高くなり作業性が低下する場合がある。
このようなポリイソシアネ−ト化合物の例としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ−ト等の鎖状炭化水素ポリイソシアネ−ト化合物;イソフォロンジイソシアネ−ト、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ−ト、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネア−ト)、水添ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、水添キシレンジイソシアネ−ト、水添トルエンジイソシアネ−ト、1,3−ビス(イソシアナ−トメチル)シクロヘキサン等の環状飽和炭化水素ポリイソシアネ−ト化合物;2,4−トリレンジイソシアネ−ト、2,6−トリレンジイソシアネ−ト、1,3−キシリレンジイソシアネ−ト、1,4−キシリレンジイソシアネ−ト、パラフェニレンジイソシアネ−ト、3,3'−ジメチル−4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネ−ト、4,4'−ビフェニレンジイソシアネ−ト、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネ−ト、4−ジフェニルプロパンジイソシアネ−ト、リジンジイソシアネ−ト、1,5−ナフタレンジイソシアネ−ト、ポリジフェニ−ルメタンのポリイソシアネ−ト等の芳香族炭化水素ポリイソシアネ−ト化合物を挙げることができる。
これらの中で好ましい例としては、環状飽和炭化水素ポリイソシアネ−ト化合物および芳香族炭化水素ポリイソシアネ−ト化合物であり、さらに好ましくは環状飽和炭化水素のポリイソシアネ−ト化合物をあげることができる。好ましい具体例としては、イソホロンジイソシアネ−ト、水添キシレンジイソシアネ−ト、水添トルエンジイソシアネ−トである。また市販されているポリイソシアネ−ト化合物を例示すると、三井日曹ウレタン(株)製のTDI−80/20、TDI−100、MDI−CR100、MDI−CR300、MDI−PH、NDIや日本ポリウレタン工業(株)製のコロネ−トT、ミリオネ−トMT、ミリオネ−トMR、HDI、武田薬品工業(株)製 のタケネ−ト600をあげることができる。
これらポリイソシアネ−ト化合物の使用量は、前記(A)法に示す製造法においては、メルカプトアルコキシシランのメルカプト基1当量に対してのイソシアネ−ト基当量としては、通常0.1〜100の範囲内で、好ましくは0.5から10の範囲で、さらに好ましくは0.9〜1.2の範囲で添加される。ポリイソシアネ−ト化合物基当量の添加量が0.1当量未満の場合、未反応メルカプトシランが0.9当量以上存在することになり、塗膜の磨耗性が十分でない場合がある。また、100当量を超えたポリイソシアネ−ト化合物の使用は、未反応イソシアネ−ト基が過剰に存在することになり耐候性が低下する場合がある。
一方、前記(B)法に示す製造法においては、活性水素基含有重合性不飽和化合物中の活性水素基1当量に対し、ポリイソシアネート化合物はイソシアネート基当量として通常0.1〜100の範囲であり、好ましくは0.5〜10当量の範囲で、さらに好ましくは0.9〜1.2の範囲で添加される。
前記(A)または(B)法いずれの方法においても、反応時間の短縮を目的として触媒を添加してもよい。このような触媒としては、塩基性触媒および酸性触媒のいずれかが用いられる。塩基性触媒の例としては、ピリジン、ピロ−ル、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、アンモニアなどのアミン類;トリブチルフォスフィン、トリフェニルフォスフィン等のフォスフィン類を挙げることができる。これらの中でピリジン、トリエチルアミン等の第3級アミンが好ましい。また酸性触媒としては、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、メチルDABCO、トリブトキシアルミニウム、トリチタニウムテトラブトキシド、ジルコニウムテトラブトキシド等の金属アルコキシド類;3フッ化硼素ジエチルエ−テラ−ト、塩化アルミニウムなどのルイス酸類;2−エチルヘキサン酸錫、オクチル錫トリラウレ−ト、ジブチル錫ジラウレ−ト、オクチル錫ジアセテ−ト等の錫化合物をあげる。これら触媒の中で好ましいものは酸性触媒であり、特に好ましくは錫化合物であり、さらに好ましくはオクチル錫トリラウレ−ト、ジブチル錫ジラウレ−ト、オクチル錫ジアセテ−ト等である。これら触媒の添加量はポリイソシアネ−ト化合物100質量部に対して0.01〜5質量部であり、好ましくは0.1〜1質量部である。0.01質量部未満では触媒添加による反応時間の短縮効果はわずかであり、一方、5質量部を超えると生成物の保存安定性が低下する場合がある。
アルコキシシリル化合物の製造において、前記ポリイソシアネ−ト化合物と付加反応によりウレタン結合を介し結合できる重合性不飽和化合物の例としては、分子内にイソシアネ−ト基との付加反応によりウレタン結合を形成できる活性水素原子を分子中に1個以上有し、重合性不飽和基を分子中に1個以上含む化合物の中から単独もしくは2種以上の混合物として用いることができる。
そのような化合物としては、カルボン酸含有重合性不飽和化合物、水酸基含有重合性不飽和化合物がある。例えば、カルボン酸を含有する重合性不飽和化合物としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、ケイヒ酸、マレイン酸、フマル酸、2−(メタ)アクリロキシプロピルヘキサヒドロゲンフタレ−ト、2−(メタ)アクリロキシエチルヘキサヒドロゲンフタレ−ト等の不飽和脂肪族カルボン酸類;2−(メタ)アクリロキシプロピルフタレ−ト、2−(メタ)アクリロキシプロピルエチルフタレ−ト等の不飽和芳香族カルボン酸類;をあげることができる。また、水酸基含有重合性不飽和化合物として、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、1,4ブタンジオ−ルモノ(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルフォスフェ−ト、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、ネオペンチルグリコ−ルモノ(メタ)アクリレ−ト、ポリ(ペンタメチレンオキシカルボキシレ−ト)エトキシ(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシスチレン、ヒドロキシアルファメチルスチレン、ヒドロキシエチルスチレン、ヒドロキシ末端ポリエチレングリコ−ルスチリルエ−テル、ヒドロキシ末端ポリプロピレングリコ−ルスチリルエ−テル、ヒドロキシ末端ポリテトラメチレングリコ−ルスチリルエ−テル、末端ヒドロキシポリエチレングリコ−ル(メタ)アクリレ−ト、末端ヒドロキシポリプロピレングリコ−ル(メタ)アクリレ−ト、末端ヒドロキシポリテトラエチレングリコ−ル(メタ)アクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパンジ(メタ)アクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパンモノ(メタ)アクリレ−ト、EO変性トリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレ−ト、PO変性トリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルトリ(メタ)アクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルモノ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスルト−ルペンタ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリト−ルテトラ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリト−ルトリ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリト−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリト−ルモノ(メタ)アクリレ−ト、等の水酸基含有アクリレ−ト類、水酸基含有メタクリレ−ト類、水酸基含有スチレン類をあげることができる。
これらの中で好ましいのは、不飽和脂肪族カルボン酸類、水酸基含有アクリレ−ト化合物であり、さらに好ましくは、水酸基含有アクリレ−ト化合物であり、例えば、2−ヒドロキシルエチルアクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルトリアクリレ−ト、ジペンタエリスルト−ルペンタアクリレ−トをあげることができる。
これら重合性不飽和化合物の使用量はその活性水素基の当量として、メルカプトアルコキシシランとポリイソシアネ−ト化合物との付加反応により得られる中間体中の残存イソシアネ−ト基1当量に対し、通常、1当量以上である。1当量未満ではアルコキシシリル化合物中に活性イソシアネ−ト基が残存する為、水分との反応による発泡、増粘、着色などの好ましくない性能が発現する場合がある。
アルコキシシリル化合物の製造においては、塗膜の柔軟性や基材に対する密着性向上を目的として、ポリイソシアネ−ト化合物との付加反応によりアルコキシシリル基と重合性不飽和基との間に2価の有機基を導入してもよく、そのような2価の有機化合物単位の前駆体としてはイソシアネ−ト基と付加反応を起こす活性水素を分子内に2個以上有する鎖状、環状、分岐状の有機化合物を利用できる。ここで活性水素を有する基の例としては、水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、アミノ基、スルホン酸基、リン酸基、シラノ−ル基等をあげることができる。これらの有機化合物は、活性水素を2個以上、好ましくは2個以上10個未満、さらに好ましくは2個を有する。そのような活性水素を有する化合物の分子量は通常、50〜10万であり、好ましくは100〜5万、さらに好ましくは500〜1万である。そのような2価の有機化合物としては、例えば、ポリアルキレングリコ−ル類、ポリアルキレンチオグリコ−ル類、ポリエステルジオ−ル類、ポリアミド類、ポリカ−ボネ−トジオ−ル類、ポリアルキレンジアミン類、ポリアルキレンジカルボン酸類、ポリアルキレンジオ−ル類、ポリアルキレンジメルカプタン類を挙げることができる。これらの中でポリアルキレングリコ−ルが好ましい。市販されているポリアルキレングリコ−ル類としては例えば、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラエチレングリコ−ル、ポリヘキサメチレングリコ−ルや、これらの2種以上のポリアルキレングリコ−ルとの共重合体の中から選ぶことができ、日本油脂(株)製のユニセ−フDC1100、ユニセ−フDC1800、ユニセ−フDCB1100、ユニセ−フDCB1800、保土谷化学(株)製のPPTG4000,PPTG2000、PPTG1000、PTG2000、PTG3000、PTG650、PTGL2000、PTGL1000、旭硝子(株)製のEXENOL1020、第一工業製薬(株)製のPBG3000、PBG2000、PBG1000、Z3001等を挙げルコとができる。
上記の2価の有機基を構成成分として含む重合性不飽和基含有アルコキシシランを製造する場合を、ポリアルキレングリコ−ルを例にとって製造法(C)法および(D)法として示す。
製造法(C)法:末端に活性イソシアネ−ト基を有する、メルカプトアルコキシシランとポリシソシアネ−ト化合物との付加体に対し、ポリアルキレングリコ−ルを加え、片末端ヒドロキシのアルコキシシランとしたのち、これに対し別途合成した、末端に水酸基を有する重合性不飽和化合物とポリイソシアネ−ト化合物との付加体を反応させウレタン結合で両者をつなぐ方法。
製造法(D)法:末端に活性イソシアネ−ト基を有する、メルカプトアルコキシシランとポリイソシアネ−ト化合物との付加体に対し、別途合成した、末端に活性水酸基を有する、ポリアルキレングリコ−ルポリイソシアネ−ト化合物、水酸基含有重合性不飽和化合物との付加体を反応させウレタン結合で両者をつなぐ方法を挙げることができる。前記(C)法または(D)法におけるウレタン結合の形成条件は前記(A)または(B)法と同様であり、結合に関与する、末端に活性イソシアネ−ト基を有する化合物に対する末端に水酸基を有する化合物の当量比は通常、1.0〜1.2の範囲である。1.0未満の場合は未反応のイソシアネ−ト基による着色、増粘が起こりやすい。
また、アルコキシシラン化合物の製造において重合性不飽和基修飾アルコキシシランの加水分解物として他の有機アルコキシシランとの加水分解生成物を用いてもよく、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等のアルキルアルコキシシランとの縮合物を用いても良い。加水分解生成物を製造する場合、加水分解に用いる水の量は全アルコキシ基に対して通常0.5〜1.5当量であり、溶剤の存在下もしくは非存在下で、0℃から成分の沸点以下の温度で5分〜24時間加熱攪拌することで加水分解、縮重合物を得ることができる。その際、反応時間の短縮を目的に酸性触媒もしくは塩基触媒を併用することもできる。
変性シリカ微粒子の製造において用いられるシリカ微粒子は前述のものを同様に使用することができる。
変性シリカ微粒子に固定されたアルコキシシラン化合物は通常、乾燥粉体を空気中で完全に燃焼させた場合の質量減少%の恒量値として、例えば、空気中で室温から通常800℃までの熱質量分析により求めることが出来る。
変性シリカ微粒子の製造においてアルコキシシラン化合物の加水分解で消費される水の量は、1分子中のケイ素上のアルコキシ基の少なくとも1個が加水分解される量あればよい。好ましくは加水分解の際に添加、もしくは存在する水の量は、ケイ素上の全アルコキシ基のモル数に対し3分の1以上であり、さらに好ましくは全アルコキシ基のモル数の2分の1以上3倍未満である。完全に水分の存在しない条件下で前記式(II)に示すアルコキシシラン化合物とシリカ微粒子とを混合して得られる生成物は、シリカ微粒子表面にアルコキシシラン化合物が物理吸着した生成物であり、そのような成分から構成される組成物においては本発明の組成物の一つの目的である耐磨耗性の発現の効果は低い。
本発明の変性シリカ微粒子の製造においては前記式(II)に表されるアルコキシシラン化合物を別途加水分解操作を行った後、これと粉体シリカ微粒子もしくはコロイダルシリカを混合し、加熱、攪拌操作を行う方法;もしくは、前記式(II)で表されるアルコキシシラン化合物の加水分解をシリカ微粒子の存在下で行う方法;また、他の成分、例えば、多官能不飽和有機化合物、単価不飽和有機化合物、光重合開始剤等の存在下、シリカ微粒子の表面処理を行う方法等を選ぶことができるが、前記式(II)で表されるアルコキシシラン化合物の加水分解をシリカ微粒子の存在下で行う方法が好ましい。製造時の温度は通常、20℃〜150℃であり、また処理時間は5分〜24時間の範囲である。
シリカ微粒子は、通常の保管状態として粒子表面に吸着水として水分を含むことが知られている。例えば、有機溶剤分散コロイダルシリカ中においても通常製品として0.5%相当の水分を含有する。したがって、変性シリカ微粒子の製造においては、アルコキシシラン化合物とシリカ微粒子とを混合し、加熱、攪拌処理することにより原料中に含まれる水分を利用して製造することも可能である。
本発明の変性シリカ微粒子の製造において、粉体状のシリカを用いる場合、アルコキシシラン化合物との反応を円滑にかつ、均一に行わせるこために、水と相溶する有機溶媒を添加してもよい。このような有機溶媒の好ましい種類は、アルコ−ル類、ケトン類、エ−テル類、アミド類であり、アルコ−ル類としてはメタノ−ル、エタノ−ル、イソプロピルアルコ−ル、ブタノ−ル、エチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、エチレングリコ−ルモノブチルエ−テル等、ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アミド類としてはジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ガンマブチロラクトン等をあげることができる。これらの溶剤の添加量は反応を円滑、均一に行わせる目的に合致する限り特に制限はない。
また、変性シリカ微粒子の製造において、反応を促進するため、触媒として酸もしくは塩基を添加してもよく、酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、等の無機酸、もしくはメタンスルフォン酸、トルエンスルフォン酸、フタル酸、マロン酸、蟻酸、酢酸、蓚酸等の有機酸や、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸等の不飽和有機酸やテトラメチルアンモニウム塩酸塩、テトラブチルアンモニウム塩酸塩等のアンモニウム塩をあげることがでる。また、塩基としては、アンモニア水、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジブチルアミン、シクロヘキシルアミン等の第1級、2級または3級脂肪族アミン、ピリジン等の芳香族アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウムヒドロキシド類を挙げることができる。これらの中で好ましい例を挙げると酸としては、有機酸、不飽和有機酸、塩基としては第3級アミンもしくは第4級アンモニウムヒドロキシドを挙げられる。これら、酸もしくは塩基の添加量は、アルコキシシラン化合物100質量部に対して0.001質量部〜1.0質量部、好ましくは0.01質量部〜0.1質量部である。
上地用硬化性組成物における光重合開始剤としては特に制限はなく、例えばイルガキュアー127,184,907,651,1700,1800,819,369(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、ダロキュアー1173(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、エザキュアーKIP150、TZT(日本シイベルヘグナー社製)ールシリンTPO(BASF社製)、カヤキュアBMS(日本化薬製)等が挙げられる。
中でも、α−ヒドロキシアセトフェノン系の光重合開始剤が、反応性が高く、耐カール性を改善できることから好ましく、とくに、2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル〕フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(イルガキュアー127)が好ましい。
上地用硬化性組成物において、(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートを含む電離放射線硬化型樹脂100質量部に対し、無機化合物微粒子を10〜200質量部および光重合開始剤を15〜20質量部配合する必要がある。無機化合物微粒子が10質量部未満では、耐カール性が悪く、さらに耐擦傷性が不足であり、200質量部を超えると、耐カール性が悪く、さらに塗膜強度の低下があり好ましくない。光重合開始剤が15質量部未満では、上地用硬化性組成物に十分な反応性を付与することができず、耐カール性の改善が見込まれず、20質量部を超えると、固形分析出による塗料安定性の低下があり好ましくない。さらに好ましい無機化合物の配合割合は、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対し20〜100質量部であり、さらに好ましい光重合開始剤の配合割合は、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対し、16〜19質量部である。
本発明における第2ハードコート層は、第1ハードコート層上に上地用硬化性組成物を塗料として塗布、乾燥し、電離放射線照射により硬化させることにより形成することができる。電離放射線に特に制限はなく、例えば、電子線、放射線、紫外線などを挙げることができる。電離放射線の中で、紫外線は装置が簡単であり、取り扱いが容易であることから、特に好適に用いることができる。
第2ハードコート層の厚さは、1〜8μmである。第2ハードコート層の厚さが1〜8μmの範囲外であると、耐擦傷性、耐カール性を同時に改善することができない。さらに好ましい第2ハードコート層の厚さは、3〜7μmである。
また上記下地用および上地用硬化性組成物は、必要に応じて各種添加剤を併用できることは勿論である。
本発明のハードコートフィルムにおいて、上地用硬化性組成物を硬化してなる第2ハードコート層は、下地用硬化性組成物を硬化してなる第1ハードコート層よりも硬いことが必要である。ここでいう硬さとは、JIS K 5400において定義される鉛筆硬度を意味する。また本発明において、上記硬さの比較は、上地用硬化性組成物および下地用硬化性組成物をともに同じ厚さおよび種類の透明基材フィルム上に、上地用硬化性組成物または下地用硬化性組成物を別々に硬化せしめ、それぞれの鉛筆硬度を比較したときの値を意味する。両者の硬さの差は、鉛筆硬度の段階で、1段階以上であることが望ましく、2段階以上であることがさらに望ましい。
前記の硬さの差が満たされることによって、第1ハードコート層で基材の保護と弾性確保、第2ハードコート層でくい込み傷防止という機能分離ができ、耐カール性と耐擦傷性に優れたフィルムを得ることができる。
(易接着剤層)
本発明のハードコートフィルムは、基材フィルムとハードコート層との間に、両者の密着性を向上させる目的で易接着剤層を設けてもよい。易接着剤層は、透明基材フィルムとして二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを採用したときに、とくに有効である。
易接着剤層の材質は、透明であって、透明基材フィルムとハードコート層の密着性を向上させるものであれば、とくに制限されないが、例えばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂およびそれらの共重合体等が挙げられる。易接着剤層の厚さは特に限定されないが、0.03〜0.30μmが好ましく、0.05〜0.20μmがさらに好ましい。易接着剤層は、透明基材フィルム上に公知のコーティング技術により設けることができる。
本発明のハードコートフィルムは、光学用としてとくに有用である。ここで本発明でいう光学用とは、例えば液晶ディスプレイ用偏光板保護層、プラズマディスプレイ用表面保護層、タッチパネル用表面保護層等の用途がある。
反射防止フィルム
本発明の反射防止フィルムは、前記ハードコートフィルムの上に、高屈折率層および低屈折率層がこの順に積層されてなる。これとは別に、本発明の反射防止フィルムは、前記ハードコートフィルムの上に、低屈折率層が積層され、高屈折率層を設けない形態であってもよい。
(高屈折率層)
本発明における高屈折率層は、とくに制限されず、公知の高屈折率層を適宜採用することができる。例えば、本発明において高屈折率層は、例えば高屈折率層を形成しうるマトリックス成分に、高屈折率材料である酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、さらにこれらの金属酸化物微粒子にアンチモン、錫等の異種元素をドープした微粒子を高屈折率層形成用マトリックスに分散させ、塗料とし、これを塗布等により形成した層であることができる。
本発明では、高屈折率層形成用のマトリックスとして、ハードコート層との密着性や塗工性等の条件に適合する樹脂等から選択して用いることができ、具体的には前記ハードコート層を形成するために用いられる電離放射線硬化型樹脂、あるいは、熱硬化型樹脂等が挙げられる。中でも本発明では、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートを含む電離放射線硬化型樹脂が好ましい。該電離放射線硬化型樹脂は、上地用硬化性組成物に用いられるものと同様の成分が好ましい。
本発明において、高屈折率層としてとくに好ましい形態は、高屈折率層が、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートを含む電離放射線硬化型樹脂100質量部に、アンチモン酸亜鉛を100〜600質量部を配合し、これを硬化して形成されたものである。
アンチモン酸亜鉛は公知であり、例えば特開平6−219743号公報、特開平9−211221号公報等に開示されている。該公報には、ZnO/Sb2 5 のモル比が0.8〜1.2であって、5〜200nmの1次粒子径を有する導電性無水アンチモン酸亜鉛の粉末が開示され、本発明に使用することができる。また、上記アンチモン酸亜鉛は、ZnO/Sb2 5 のモル比が0.8〜1.2となる割合で、焼成により酸化亜鉛を生成する亜鉛化合物と、焼成により酸化アンチモンを生成するアンチモン化合物との混合物を焼成することにより、製造することができる。焼成温度は、例えば500〜680℃である。
またアンチモン酸亜鉛は、その一次粒子径が0.5ミクロン以下の無水アンチモン酸亜鉛ゾルとして入手することができる。例えば、メタノール(セルナックスCX−Z400、日産化学(株)製)あるいはメタノール/イソプロパノール(セルナックス CX−Z300IM、日産化学(株)製)のオルガノゾルとして入手できる。
上記無水アンチモン酸亜鉛ゾルは、メタノール中では安定で凝集して粒子径が大きくなるようなことはないが、電離放射線硬化型樹脂中で不安定で凝集して粒子径が大きくなったり、分散が破壊されて分離、沈降してしまう。したがって、高屈折率層のマトリックスとして電離放射線硬化型樹脂を使用する場合、分散剤を使用してアンチモン酸亜鉛をマトリックス中に均一に分散することが好ましい。この場合の分散剤としては、カチオン系、弱カチオン系、ノニオン系あるいは両性界面活性剤が有効であり、特にアルキルアミンEO・PO付加体(例えばソルスパース20000、日本ルーブリゾール社製)、アルキルアミンEO付加体(例えばTAMNO−15、TAMNS−10及びTAMNO−5、日光ケミカル(株)製)及びエチレンジアミンPO−EO縮合物(例えばプルロニックTR−701、TR−702及びTR−704、旭電化工業(株)製)などが好ましい。その添加量はアンチモン酸亜鉛100質量部に対し、0.1〜5質量部が有効である。なお、アルキルアミンのアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、ラウリル基、ステアリル基等をあげることができる。また、EO(エチレンオキサイド)やPO(プロピレンオキサイド)の付加モル数としては、アミン1モルに対し数モル〜100モルぐらいまでが適当しているが、これに限定されるものではない。
前述のように、アンチモン酸亜鉛は、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートを含む電離放射線硬化型樹脂100質量部に対し、100〜600質量部を配合するのが好ましく、200〜400質量部を配合するのがさらに好ましい。
高屈折率層の屈折率は、1.60以上が好ましい。さらに好ましい屈折率は、1.70〜1.80である。また、高屈折率の厚さは、30〜500nmが好ましく、50〜250nmがさらに好ましい。
(低屈折率層)
本発明における低屈折率層は、とくに制限されず、公知の低屈折率層を適宜採用することができる。例えば、低屈折率層を形成しうるマトリックス成分に、低屈折率材料であるポリシロキサン、中空シリカ、フッ化マグネシウム、フッ素樹脂などの微粒子を分散させ、塗料とし、これを塗布等により形成した層であることができる。
本発明では、マトリックス成分としてシリコーン骨格を有する材料を使用するのが好ましく、さらに好ましくは、当該マトリックス成分100質量部に中空シリカ粒子を20〜100質量部を含む低屈折率層が好ましい。このような低屈折率層によれば、最低反射率を落とさずに優れた耐アルカリ性を示す反射防止フィルムを提供できる。
シリコーン骨格を有するマトリックス成分として、加水分解性有機珪素化合物を用いることができる。具体的には、たとえば、アルコキシシランとアルコールの混合物に、水および触媒として酸またはアルカリを加えることにより、アルコキシシランの部分加水分解物が好適に使用される。
加水分解性有機珪素化合物としては、一般式RnSi(OR')4-n〔R、R':アルキル基、アリール基、ビニル基、アクリル基、等の炭化水素基、n=0、1、2または3〕で表されるアルコキシシランを用いることができる。特にテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシランなどのテトラアルコキシシランが好ましく用いられる。アルコキシシランの加水分解・部分縮合物が加熱により縮合硬化していく過程を経て、主骨格がシロキサン結合で構成される硬化被膜を形成する。
さらに、シリコーン骨格を有するマトリックス成分としては、下記の式(1)の構造を有するジシラン化合物またはその(部分)加水分解物が好ましい。
m1 3-mSi−Y−SiR1 3-mm (1)
(式中、R1は炭素数1〜6の1価炭化水素基、Yはフッ素原子を1個以上含有する2価有機基、Xは加水分解性基、mは1、2又は3である。)
Yとしては、下記構造が例示される。
−C24−(CF2n−C24
−C24−CF(CF3)−(CF2n−CF(CF3)−C24
−C24−CF(C25)−(CF2n−CF(C25)−C24
−C24−CF(CF3)CF2−O(CF2nO−CF2CF(CF3)−C24
(但し、nは2〜20である。)
−C24−C610−C24
−C24−C64−C24
加水分解性基Xの具体例としては、Clなどのハロゲン原子、OR2(R2は炭素数1〜6の1価炭化水素基)で示されるオルガノオキシ基が挙げられ、特にメトキシ基、エトキシ基のシラン化合物が取り扱い易く、加水分解時の反応の制御もし易いため、好ましい。
好ましいジシラン化合物としては、
(CH3O)3Si−C24−(CF24−C24−Si(OCH33
(CH3O)3Si−C24−(CF26−C24−Si(OCH33
(CH3O)3Si−C24−(CF28−C24−Si(OCH33
(C25O)3Si−C24−(CF24−C24−Si(OC253
(C25O)3Si−C24−(CF26−C24−Si(OC253
等が挙げられる。
また、下記式(2)で示されるフッ素原子置換有機基を含有する有機珪素化合物又はその(部分)加水分解物を式(1)のジシラン化合物と併用してもよい。
Rf−SiX3 (2)
(式中、Rfはフッ素原子を1個以上含有する1価有機基、Xは加水分解性基である。)
Rfはフッ素原子を1個以上、好ましくは3〜25個、特に好ましくは3〜17個含有するのが好ましい。さらに好ましいRfは下記のものを例示することができる。
CF324
CF3(CF2324
CF3(CF2724
Xは、前述の通りである。
式(1)の構造を有するジシラン化合物と、式(2)で示される有機珪素化合物とを混合して使用する場合、ジシラン化合物の含有率は、60質量%以上100質量%未満とすることが望ましい。また、本発明においては、ジシラン化合物と有機珪素化合物との混合物を共加水分解したものを使用してもよい。
中空シリカ粒子は、シリカを主成分とする外殻層を有し、内部が多孔質または空洞となっている粒子である。中空シリカ粒子の平均粒子径は5〜100nmが好ましく、10〜80nmがさらに好ましい。
前述のように、本発明におけるシリコーン骨格を有するマトリックス成分100質量部に対し、中空シリカ粒子を20〜100質量部を含むことが好ましく、さらに好ましくは、シリコーン骨格を有するマトリックス成分100質量部に対し、中空シリカ粒子が30〜80質量部である。当該組成物は、市販されているものを利用することができ、例えば、触媒化成工業(株)製、ELCOM P−5012が利用できる。
低屈折率層の屈折率は、1.28〜1.50が好ましく、1.30〜1.45がさらに好ましい。また低屈折率層の厚さは、40〜300nmであることが好ましく、60〜150nmであることがより好ましい。
更に、本発明における高屈折率層および/または低屈折率層には、被膜の硬度、耐擦傷性、導電性等の物性を調整することを目的として各種添加剤を配合することもできる。
高屈折率層および低屈折率層を形成するための塗料に用いるに好適な有機溶剤としては、メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、ブタノール、エチレングリコールモノプロピルエーテルなどのアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類、酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル等のβ−ジケトン、β−ケトエステルを挙げることができる。
本発明の反射防止フィルムは、全光線透過率が90%以上であることが好ましく、92%以上であることがより好ましい。全光線透過率は、JIS K 7361−1にしたがって測定することができる。全光線透過率が90%未満であると、透明性がやや劣り、ディスプレイの反射防止フィルムなどとして使用したとき、画像の鮮鋭性が低下するおそれがある。
また、本発明の反射防止フィルムは表面抵抗率が1.0×1012Ω/sq.以下であることが好ましく、1.0×1010Ω/sq.以下であることがさらに好ましい。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1
厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(TAC)(富士写真フイルム(株)製、フジタックTF−80UL)上に、下記組成の下地用硬化性組成物を乾燥膜厚8.0μmとなるように塗布し、乾燥した。続いて、高圧水銀灯により紫外線を照射して組成物を硬化させ、第1ハードコート層を形成した。
次に、第1ハードコート層上に、下記組成の上地用硬化性組成物を乾燥膜厚5.0μmとなるように塗布し、乾燥した。続いて、高圧水銀灯により紫外線を照射して組成物を硬化させ、第2ハードコート層を形成した。
(下地用硬化性組成物)
・ウレタンアクリレート(1) 100質量部
(根上工業(株)製UM−901M、質量平均分子量3,600、官能基数9)
・光重合開始剤 2質量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガキュア(IR)907)
・溶剤 120質量部
(メチルエチルケトン(MEK)/プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM))
(上地用硬化性組成物)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA) 100質量部
(日本化薬社製6官能アクリル系紫外線硬化型樹脂、固形分100%)
・変性シリカ分散液(1) 229質量部
(固形分80質量部)
・光重合開始剤 17質量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガキュア(IR)127)
・溶剤 120質量部
(メチルエチルケトン(MEK)/プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM))
上記の変性シリカ分散液(1)は次のようにして調製した。
乾燥空気中、メルカプトプロピルトリメトキシシラン7.8質量部、ジブチル錫ジラウレート0.2質量部からなる溶液に対し、イソフォロンジイソシアネート20.6質量部を攪拌しながら50℃で1時間かけて滴下後、60℃で3時間攪拌した。これにペンタエリスリトールトリアクリレート71.4質量部を30℃で1時間かけて滴下後、60℃で3時間加熱攪拌することでアルコキシシラン化合物であるシラン化合物を得た。これをシラン化合物Aという。生成物中の残存イソシアネート量を分析したところ0.1%以下であり、反応がほぼ定量的に終了したことを示した。
続いて、上記のシラン化合物A8.1質量部、メタノールシリカゾルMEK−ST(日産化学(株)製、メチルエチルケトン分散液コロイダルシリカ(平均粒径10〜20nm、シリカ濃度30%)90.5質量部、イオン交換水0.1質量部の混合液を、60℃、3時間攪拌後、オルト蟻酸メチルエステル1.3質量部を添加し、さらに1時間同一温度で加熱攪拌することで無色透明の分散液を得た。これを変性シリカ分散液(1)とする。
得られたハードコートフィルムについて、下記の評価を行った。
(1)鉛筆硬度
JIS K 5400 8.4.2にしたがい、鉛筆[三菱鉛筆(株)、ユニ]を用いて塗膜のすり傷で評価する。なお、第1ハードコート層および第2ハードコート層の鉛筆硬度は、透明基材フィルム上に上地用硬化性組成物または下地用硬化性組成物を別々に硬化せしめ、それぞれの鉛筆硬度を測定したものである。また表中でいうダブルコート層の硬さとは、第1ハードコート層および第2ハードコート層を積層した形態における鉛筆硬度である。
(2)全光線透過率
JIS K 7361−1にしたがい、ヘーズコンピューター[日本電色工業(株)、NDH2000]を用いて測定する。
(3)ヘーズ
JIS K 7136にしたがい、ヘーズコンピューター[日本電色工業(株)、NDH2000]を用いて測定する。
(4)耐スチールウール性
スチールウール[日本スチールウール(株)、#0000]を丸めて200gの荷重をかけて10往復させて擦り、傷の状態を観察し、下記の基準により耐擦傷性を判定する。
○:傷がまったくつかない。
△:傷が1〜9本認められる。
×:傷が10本以上認められる。
(5)カール性
10cm×10cmのサイズにサンプルを作成し、サンプルを水平面に置いた際の4隅のカール高さを測定し、下記の基準により判定する。
○:カール高さが20mm未満
△:カール高さが20mm以上50mm未満
×:カール高さが50mm以上
(6)塗膜密着性
JIS K 5400に準拠し、ロータリーカッターにて1mm角の碁盤目100マスを付け、セロテープ〔ニチバン製、登録商標〕を圧着させたのち、90度の剥離試験を実施した。100マスのうちの残存膜数を数えることにより塗膜密着性を評価した。
○:100/100
△:99〜80/100
×:80未満/100
(7)耐アルカリ性
1%NaOH水溶液をフィルム表面に滴下し、30分放置後に拭取り、汚染状況を目視にて、下記の基準により判定する。
○:汚染が見られない。
△:僅かに汚染される。
×:著しく汚染される。
結果を下記表1に示す。なお表1において、配合処方の数値は質量部である。
実施例2
実施例1において、上地用硬化性組成物における変性シリカ分散液の配合量を57質量部(固形分20質量部)に変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を下記表1に示す。
実施例3
実施例1において、上地用硬化性組成物における変性シリカ分散液の配合量を429質量部(固形分150質量部)に変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を下記表1に示す。
実施例4
実施例1において、下地用硬化性組成物におけるウレタンアクリレート(1)をウレタンアクリレート(2)(根上工業(株)製H−61、質量平均分子量1,300、官能基数6)に変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を下記表1に示す。
実施例5
実施例1において、下地用硬化性組成物におけるウレタンアクリレート(1)100質量部を、ウレタンアクリレート(1)70質量部およびDPHA30質量部に変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を下記表1に示す。
Figure 0005048304
実施例6
実施例1において、第2ハードコート層の厚さを2.0μmに変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を下記表2に示す。
実施例7
実施例1において、第2ハードコート層の厚さを7.0μmに変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を下記表2に示す。
実施例8
実施例1において、第1ハードコート層の厚さを12.0μmに変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を下記表2に示す。
実施例9
実施例1において、上地用硬化性組成物における光重合開始剤を、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガキュア(IR)184)に変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を下記表2に示す。
実施例10
実施例1において、上地用硬化性組成物における光重合開始剤を、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガキュア(IR)907)に変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を下記表2に示す。
Figure 0005048304
実施例11
実施例1において、上地用硬化性組成物における変性シリカ分散液の替わりに、コロイダルシリカ分散液(日産化学(株)製MEK−ST、メチルエチルケトン分散液コロイダルシリカ、平均粒径10〜20nm、シリカ濃度30%)267質量部(固形分80質量部)に変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を下記表3に示す。
実施例12
実施例1において、上地用硬化性組成物における変性シリカ分散液の替わりに、五酸化アンチモンゾル(触媒化成工業製ELCOM RK−1022SBV、固形分30%、溶剤は変性アルコール、屈折率1.70)267質量部(固形分80質量部)に変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を下記表3に示す。
実施例13
実施例1において、上地用硬化性組成物における変性シリカ分散液の替わりに、アンチモン酸亜鉛(日産化学製セルナックス CX−Z603M−F2、固形分60%、屈折率1.7)133質量部(固形分80質量部)に変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を下記表3に示す。
実施例14
実施例1において、上地用硬化性組成物におけるDPHAの替わりに、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA、東亞合成製3官能アクリル系紫外線硬化型樹脂、固形分100%)を使用したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を下記表3に示す。
実施例15
実施例1において、透明基材フィルムとしてTACの替わりに、厚さ100μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(二軸PET、東洋紡績(株)製、コスモシャインA4300)を使用し、第1ハードコート層を厚さ6μmとして設け、さらにその上に第2ハードコート層を厚さ3μmとして設けたこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を下記表3に示す。
Figure 0005048304
比較例1
実施例1において、第2ハードコート層の厚さを10.0μmに変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を下記表4に示す。
比較例2
実施例1において、第2ハードコート層の厚さを0.5μmに変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を下記表4に示す。
比較例3
実施例1において、第1ハードコート層の厚さを17.0μmに変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を下記表4に示す。
比較例4
実施例1において、第1ハードコート層の厚さを3.0μmに変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を下記表4に示す。
比較例5
実施例1において、上地用硬化性組成物における光重合開始剤の配合割合を13質量部に変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を下記表4に示す。
Figure 0005048304
比較例6
実施例1において、下地用硬化性組成物におけるウレタンアクリレート(1)を、ポリエステルアクリレート(東亞合成(株)製M−7100、質量平均分子量1,500)に変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を下記表5に示す。
比較例7
実施例1において、下地用硬化性組成物におけるウレタンアクリレート(1)を、エポキシアクリレート(日本化薬(株)R−3000、質量平均分子量650、官能基数4)に変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を下記表5に示す。
比較例8
実施例1において、上地用硬化性組成物における変性シリカ分散液(1)の配合割合を14質量部(固形分5質量部)に変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を下記表5に示す。
比較例9
実施例1において、上地用硬化性組成物における変性シリカ分散液(1)の配合割合を714質量部(固形分250質量部)に変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を下記表5に示す。
比較例10
実施例1において、第2ハードコート層の厚さを0.5μmに変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を下記表5に示す。
Figure 0005048304
比較例11
実施例1において、上地用硬化性組成物および下地用硬化性組成物の組成を表6に示すように変更し、第1ハードコート層および第2ハードコート層の鉛筆硬度をそれぞれ5Hおよび2Hに変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を下記表6に示す。
比較例12
実施例1において、上地用硬化性組成物および下地用硬化性組成物の組成を表6に示すように変更し、第1ハードコート層および第2ハードコート層の鉛筆硬度をそれぞれ5Hおよび3Hに変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を下記表6に示す。
比較例13
実施例1において、上地用硬化性組成物および下地用硬化性組成物の組成を表6に示すように変更し、第1ハードコート層および第2ハードコート層の鉛筆硬度をそれぞれ5Hおよび2Hに変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を下記表6に示す。
Figure 0005048304
実施例16
実施例1で作製したハードコートフィルムの第2ハードコート層上に、下記組成の高屈折率層形成用塗料Bを乾燥膜厚80nmとなるように塗布し(高屈折率層の屈折率1.67)、乾燥し、さらに高屈折率層上に下記のようにして調製した低屈折率層形成用塗料Aを乾燥膜厚70nmとなるように塗布し(低屈折率層の屈折率1.39)、乾燥し、本発明の反射防止フィルムを作製した。
(高屈折率層形成用塗料Bの組成)
・マトリックス成分 100質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬社製6官能アクリル系紫外線硬化型樹脂、固形分100%)
・アンチモン酸亜鉛 400質量部
(固形分240質量部)
(日産化学製、セルナックスCX−Z603M−F2、固形分60%、
屈折率1.7)
・光重合開始剤 20質量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガキュア(IR)184)
・分散剤 4質量部
(固形分0.8質量部)
(日本ルーブリゾール社製、ソルスパース20000、
アルキルアミンEO・PO付加体、固形分20%)
(低屈折率層形成用塗料の調製)
・下記マトリックス成分 100質量部
・中空シリカ粒子 7質量部
(触媒化成工業社製、ELCOM RK−1018SIV、中空シリカ分散ゾル、
固形分20%、溶剤はメチルイソブチルケトン(MIBK))
・溶剤 42質量部
(メチルイソブチルケトン(MIBK))
(マトリックス成分)
攪拌機、コンデンサー及び温度計を備えた1リットルフラスコに、下記のジシラン化合物(1)29.9g(0.05モル)、及びt−ブタノール125gを仕込み、25℃で攪拌しているところに、0.1N酢酸水10gを10分かけて滴下。更に25℃で20時間攪拌し、加水分解を終了し、ここに縮合触媒としてアルミニウムアセチルアセトナート2g、レベリング剤としてポリエーテル変性シリコーン1gを加え、更に30分間攪拌し、得た溶液に、エタノール670g、プロピレングリコールモノメチルエーテル40g、ジアセトンアルコール40gを加えて希釈し調整した塗料(固形分3%)。
(CH3O)3Si−C24−C612−C24−Si(OCH33 (1)
得られた反射防止フィルムに対し、実施例1と同様の評価を行った。また、下記の最低反射率の評価を行った。
(最低反射率)
分光光度計[日本分光(株)、U−best V−570]を用いて、波長380〜780nmの反射率を測定し、その最低値を記録する。波形が波打つ場合には、スムージング処理を行い最低値を求める。
結果を下記表7に示す。
実施例17
実施例16において、実施例1で作製したハードコートフィルムの替わりに、実施例12で作製したハードコートフィルムを用いるとともに、高屈折率層を設けなかったこと以外は、実施例16を繰り返した。結果を下記表7に示す。
比較例14
実施例16において、実施例1で作製したハードコートフィルムの替わりに、比較例11で作製したハードコートフィルムを用いたこと以外は、実施例16を繰り返した。結果を下記表7に示す。
比較例15
実施例16において、実施例1で作製したハードコートフィルムの替わりに、比較例13で作製したハードコートフィルムを用いるとともに、高屈折率層を設けなかったことたこと以外は、実施例16を繰り返した。結果を下記表7に示す。
Figure 0005048304
上記表1〜7の結果から、次に示す事項が導き出される。
・実施例1、実施例3〜5は、第1ハードコート層の厚さ、組成およびその配合割合、第2ハードコート層の厚さ、組成およびその配合割合、さらに、第1ハードコート層と第2ハードコート層との硬さの関係が、本発明の好ましい範囲内であるので、鉛筆硬度が5Hと高く、透明性、耐擦傷性、耐カール性、塗膜密着性、耐アルカリ性に優れたハードコートフィルムを提供できる。
・実施例2は、変性シリカ量が20質量部とやや少ないので、耐スチールウール性、耐カール性が、○評価であった。
・実施例6は、第2ハードコート層の厚さが2μmとやや薄いので、鉛筆硬度が4Hになり、耐スチールウール性、耐カール性が○評価であった。
・実施例7は、第2ハードコート層の厚さが7μmとやや厚いので、耐カール性が○評価であった。
・実施例8は、第1ハードコート層の厚さ、組成およびその配合割合、第2ハードコート層の厚さ、組成およびその配合割合、さらに、第1ハードコート層と第2ハードコート層との硬さの関係が、本発明の好ましい範囲内であるので、鉛筆硬度が高く、透明性、耐擦傷性、耐カール性、塗膜密着性、耐アルカリ性に優れたハードコートフィルムを提供できる。
・実施例9は、第2ハードコート層を形成するための上地硬化性組成物に配合される光重合開始剤をIR−184に変更したので、耐スチールウール性、耐カール性が、○評価となった。
・実施例10は、第2ハードコート層を形成するための上地硬化性組成物に配合される光重合開始剤をIR−907に変更したので、鉛筆硬度が4H、耐スチールウール性が○評価、耐カール性が△評価となった。
・実施例11は、第2ハードコート層を形成するための上地硬化性組成物に配合される無機微粒子として、コロイダルシリカ分散液(変性なし)を使用したので、鉛筆硬度が4Hになり、耐スチールウール性、耐カール性が○評価となった。
・実施例12は、第2ハードコート層を形成するための上地硬化性組成物に配合される無機微粒子として、五酸化アンチモンを使用したので、鉛筆硬度が4Hになり、耐スチールウール性、耐カール性が○評価となった。
・実施例13は、第2ハードコート層を形成するための上地硬化性組成物に配合される無機微粒子として、アンチモン酸亜鉛を使用したので、鉛筆硬度が4Hになり、耐スチールウール性、耐カール性が○評価となった。
・実施例14は、第2ハードコート層を形成するための上地硬化性組成物にPETAを使用した例であるが、実施例1と同様の性能を示した。
・実施例15は、透明基材フィルムに、二軸PETを使用した例であり、ハードコート層の厚さを薄くしても、実施例1と同様の性能を示した。
・比較例1は、第2ハードコート層の厚さが10μmであって本発明の範囲外であるので、耐カール性が×評価になった。
・比較例2は、第2ハードコート層の厚さが0.5μmであって本発明の範囲外であるので、鉛筆硬度は3H、耐スチールウール性、耐カール性が、×評価になった。
・比較例3は、第1ハードコート層の厚さが17μmであって本発明の範囲外であるので、耐カール性が×評価になった。
・比較例4は、第1ハードコート層の厚さが3μmであって本発明の範囲外であるので、鉛筆硬度が4H、耐カール性が×評価になった。
・比較例5は、第2ハードコート層を形成するための上地硬化性組成物に配合される光重合開始剤の割合が本発明の範囲外であるので、鉛筆硬度が4H、耐スチールウール性が△評価、耐カール性が×評価になった。
・比較例6は、第1ハードコート層を形成するための下地硬化性組成物に配合される樹脂がポリエステルアクリレートであるので、耐カール性が×評価になった。
・比較例7は、第1ハードコート層を形成するための下地硬化性組成物に配合される樹脂がエポキシアクリレートであるので、耐カール性が×評価になった。
・比較例8は、変性シリカの添加量が5質量部であって本発明の範囲外であるので、鉛筆硬度が4H、耐スチールウール性が△評価、耐カール性が×評価になった。
・比較例9は、変性シリカの添加量が250質量部であって本発明の範囲外であるので、耐カール性が×評価になった。
・比較例10は、透明基材フィルムに二軸PETを使用し、第1ハードコート層の厚さを0.5μmと本発明の範囲外にした例で、鉛筆硬度が4H、耐スチールウール性が△評価、耐カール性が×評価になった。
・比較例11は、第2ハードコート層に、ウレタンアクリレートを使用し、第2ハードコート層にDPHAおよび変性シリカを使用した例であり、第1ハードコート層と第2ハードコート層との硬さの関係が本発明に規定する内容を満たしていないので、鉛筆硬度は2H、耐スチールウール性、耐カール性が×評価になった。
・比較例12は、第2ハードコート層のIR−902の添加量を増やし、厚さを厚くしているが、比較例11と同様に、第1ハードコート層と第2ハードコート層との硬さの関係が本発明に規定する内容を満たしていないので、鉛筆硬度が3H、耐スチールウール性が△評価、耐カール性が×評価になった。
・比較例13は、比較例11の変性コロイダルシリカを五酸化アンチモンに変えた例であるが、鉛筆硬度は2H、耐スチールウール性、耐カール性が×評価になった。
・実施例16は、実施例1のハードコートフィルムを使用した3層構成の反射防止フィルムの例である。鉛筆硬度は5H、耐スチールウール性、耐カール性が◎評価になった。
・実施例17は、実施例12のハードコートフィルムを使用した2層構成の反射防止フィルムの例である。鉛筆硬度は4H、耐スチールウール性、耐カール性が○評価になった。
・比較例14は、比較例11のハードコートフィルムを使用した3層構成の反射防止フィルムの例である。鉛筆硬度は2H、耐スチールウール性、耐カール性が×評価になった。
・比較例15は、比較例13のハードコートフィルムを使用した2層構成の反射防止フィルムの例である。鉛筆硬度は2H、耐スチールウール性、耐カール性が×評価になった。
本発明のハードコートフィルムおよび反射防止フィルムは、鉛筆硬度が高く、透明性、耐擦傷性、耐カール性、塗膜密着性、耐アルカリ性に優れているので、事務機などのタッチパネル、情報端末などのペン入力部、家電製品などのメンブレンスイッチ、パソコンのディスプレイ、液晶表示装置、テレビ画面の表面用フィルム、自動車窓ガラス被覆フィルム、窓ガラス飛散防止フィルム等に有用である。

Claims (13)

  1. 透明基材フィルムの表面に、下地用硬化性組成物を硬化してなる厚さ5〜15μmの第1ハードコート層を有し、さらにその上に、上地用硬化性組成物を硬化してなる厚さ1〜8μmの第2ハードコート層を有し、
    前記下地用硬化性組成物が、質量平均分子量1,000〜20,000を有し、かつ、アクリロイル基またはメタクリロイル基の数が6〜15であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを主成分とする電離放射線硬化型樹脂100質量部に対し、光重合開始剤を1〜3質量部配合したものであり、
    前記上地用硬化性組成物が、(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートを含む電離放射線硬化型樹脂100質量部に対し、無機化合物微粒子を10〜200質量部および光重合開始剤を16〜20質量部配合したものであり、かつ、
    前記上地用硬化性組成物を硬化してなる第2ハードコート層が、前記下地用硬化性組成物を硬化してなる第1ハードコート層よりも硬いことを特徴とするハードコートフィルム。
  2. 前記(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートを含む電離放射線硬化型樹脂が、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートであることを特徴とする請求項1に記載のハードコートフィルム。
  3. 前記上地用硬化性組成物に配合する光重合開始剤が、α−ヒドロキシアセトフェノン系であることを特徴とする請求項1に記載のハードコートフィルム。
  4. 前記無機化合物微粒子が、シリカ微粒子であることを特徴とする請求項1に記載のハードコートフィルム。
  5. 前記シリカ微粒子の一次粒径が、1〜200nmであることを特徴とする請求項に記載のハードコートフィルム。
  6. 前記シリカ微粒子の一次粒径が、20〜50nmであることを特徴とする請求項に記載のハードコートフィルム。
  7. 前記シリカ微粒子が、重合性不飽和基を有することを特徴とする請求項に記載のハードコートフィルム。
  8. 前記シリカ微粒子が、シリカ微粒子と重合性不飽和基を有するアルコキシシラン化合物との反応により形成されるものであることを特徴とする請求項に記載のハードコートフィルム。
  9. 前記透明基材フィルムがトリアセチルセルロースフィルムまたは二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1に記載のハードコートフィルム。
  10. 前記透明基材フィルムがトリアセチルセルロースフィルムであることを特徴とする請求項に記載のハードコートフィルム。
  11. 前記ハードコートフィルムが、光学用ハードコートフィルムであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のハードコートフィルム。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載のハードコートフィルムの上に、高屈折率層および低屈折率層がこの順に積層されてなることを特徴とする反射防止フィルム。
  13. 請求項1〜11のいずれかに記載のハードコートフィルムの上に、低屈折率層が積層されてなることを特徴とする反射防止フィルム。
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