JP2003055301A - 2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法 - Google Patents
2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法Info
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Abstract
−2−アダマンチル(メタ)アクリレートを製造する方
法を提供する。 【解決手段】 金属2−アルキル−2−アダマンチルア
ルコラート化合物(1)と、(メタ)アクリル酸無水物
又はα,β位に二重結合を有する炭素数2〜8のアルコ
ールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物とを反応
させて2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリ
レート(2)を製造する。但し、R1は炭素数1〜6の
アルキル基、MはLi原子又は−MgX(但し、Xはハ
ロゲン原子)、R2は水素原子又はメチル基である。 【化1】
Description
原料として有用な2−アルキル−2−アダマンチルアク
リレート、及び2−アルキル−2−アダマンチルメタク
リレート(以下、これら化合物を2−アルキル−2−ア
ダマンチル(メタ)アクリレートと略記する)の製造方
法に関する。
ート等のアルキルアダマンチルエステルを原料として製
造されるレジストは、半導体製造プロセスにおけるドラ
イエッチング耐性が高いことが知られており(例えば特
開平5−265212号公報)、半導体用レジスト材料
としての将来性が注目されている。
としては、有機金属化合物からなるアルキル化試薬を用
いて2−アダマンタノンをアルキル化し、次いで得られ
る金属アルキルアダマンチルアルコラートを酸ハロゲン
化物を用いてエステル化する方法が知られている(特開
平10−182552号公報等)。
クロライドを用いる上記エステル化反応においては、何
らかの副反応により塩素化物が副生することが確認され
ている。この塩素化物は得られるレジスト材料に不純物
として混入し、たとえ少量の混入量の場合でもレジスト
材料の性能を低下させる問題がある。更に、(メタ)ア
クリル酸クロライドは反応性が高いため長期保存安定性
に欠け、反応原料として使用し難い問題がある。
ルキル−2−アダマンチルアルコラート化合物(以下、
金属化合物と略記する場合がある。)をエステル化する
際に、エステル化剤として(メタ)アクリル酸ハロゲン
化物等のハロゲン化物を用いること無く、2−アルキル
−2−アダマンチル(メタ)アクリレートを製造する方
法を提供することを目的とする。この方法により、得ら
れるエステル中に塩素化物が副生することを本質的に抑
制し、その結果レジスト材料等の用途に好適な高純度エ
ステルを高収率で製造することができる。
を達成するために種々検討しているうちに、エステル化
剤として、(メタ)アクリル酸無水物、或いはα,β位
に二重結合を有する炭素数2〜8のアルコールと(メ
タ)アクリル酸とのエステル化合物を用いることによ
り、収率良く、また本質的に塩素化物を副生することな
く、レジスト等の用途に好適な2−アルキル−2−アダ
マンチル(メタ)アクリレートを製造できることを見出
し、本発明を完成するに至った。
に記載するものである。
ルキル−2−アダマンチル アルコラート化合物と、
あり、MはLi原子又は−MgX(但し、Xはハロゲン
原子である)である。] (メタ)アクリル酸無水物、又はα,β位に二重結合を
有する炭素数2〜8のアルコールと(メタ)アクリル酸
とのエステル化合物とを反応させることを特徴とする下
記式(2)で示される
る。) 2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート
の製造方法。
チルアルコラート化合物、及び2−アルキル−2−アダ
マンチル(メタ)アクリレートのアルキル基がメチル基
又はエチル基である〔1〕に記載の2−アルキル−2−
アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法。
数2〜8のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステ
ル化合物が、(メタ)アクリル酸ビニル又は(メタ)ア
クリル酸イソプロぺニルである〔1〕又は〔2〕に記載
の2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレー
トの製造方法。
キル−2−アダマンチルアルコラート化合物と、(メ
タ)アクリル酸無水物又はα,β位に二重結合を有する
炭素数2〜8のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエ
ステル化合物とを反応させる際に、3級アミン化合物
を、金属2−アルキル−2−アダマンチルアルコラート
化合物に対して0.01〜0.5当量存在させる上記
〔1〕乃至〔3〕の何れかに記載の製造方法。
方の出発原料の金属化合物は、下記式(1)で示される
金属2−アルキル−2−アダマンチルアルコラート化合
物である。
である。半導体用レジスト材料の原料としての有用性が
高いという観点からは、R1はメチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基等の炭素数1〜3のアルキル
基が好ましい。アルキル基の炭素数が6を越えるものも
用いることができるが、入手の容易さ、及び炭素数が6
を越えることにより生じる利点が特に無いので、炭素数
は上記範囲が好ましい。
でXはハロゲン原子を表す。ハロゲン原子としては、フ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ
る。金属化合物の入手の容易さから、ハロゲン原子とし
ては塩素原子又は臭素原子が好ましい。さらに反応性の
観点から、臭素原子が最も好ましい。
示される金属化合物のうち、ハロゲン化マグネシウム2
−アルキル−2−アダマンチルアルコラートの具体例と
しては、塩化マグネシウム2−メチル−2−アダマンチ
ルアルコラート化合物、臭化マグネシウム2−メチル−
2−アダマンチルアルコラート化合物、塩化マグネシウ
ム2−エチル−2−アダマンチルアルコラート化合物、
臭化マグネシウム2−エチル−2−アダマンチルアルコ
ラート化合物等が挙げられる。
すさの観点から、臭化マグネシウム2−メチル−2−ア
ダマンチルアルコラート化合物が特に好ましい。
−2−アダマンチルアルコラート化合物は、2−アダマ
ンタノンとグリニアール試薬とから簡単に製造できる。
グリニアール反応自体は当業者に周知のものである。
は工業用として市販されているものをそのまま、或いは
必要に応じて再結晶、昇華等による精製を行った後、使
用する。
属化合物は、そのまま、或いは必要に応じて濾過、洗浄
等の精製を行って、本発明製造方法の出発原料として用
いることができる。
化合物がリチウム2−アルキル−2−アダマンチルアル
コラート化合物である場合には、2−アダマンタノンと
アルキルリチウムとを原料として公知の各種方法で製造
したもの等が使用できる。
チルアルコラート化合物は前述のように何れの方法で調
製しても良いが、以下に示す製造方法が特に好ましい。
アルキル化合物を含有する溶液または懸濁液(以下、有
機原料液ともいう。)と金属リチウムとを混合して直接
反応させることにより、リチウム2−アルキル−2−ア
ダマンチルアルコーラート化合物を得るものである。
薬を用いる場合よりも高い収率で目的物を得ることがで
きる。しかも別途合成されたアルキルリチウムを使用し
ていないので、高価で化学的に不安定なアルキルリチウ
ムの価格や保存安定性の問題に煩わされる必要がない。
ハロゲン原子である。)で示される。
限定されず、アルキルブロマイド、アルキルアイオダイ
ド、アルキルクロライド等が使用できる。原料の入手が
容易なことから、炭素数1〜6のアルキル基を有するア
ルキルクロライド又はアルキルブロマイドが好ましい。
反応性が高い点からは、アルキルブロマイド又はアルキ
ルアイオダイドが好ましい。具体的には、塩化ブチル、
塩化ペンチル、塩化ヘキシル、臭化メチル、臭化エチ
ル、臭化ブチル、よう化メチル、よう化エチル等が例示
できる。
ダマンタノンの転化率の高さの点を考慮すると、モル比
で2−アダマンタノン:ハロゲン化アルキル化合物=
1:1〜1:1.2が望ましい。
アルキル化合物を溶解若しくは分散させる溶媒若しくは
分散媒としては、金属リチウム、アルキルリチウム、お
よびリチウムアルコキシドに対して安定な有機溶媒が使
用できる。このような有機溶媒としては、ジエチルエー
テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系
溶媒、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶
媒、およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
いが、釜収率、溶解度、反応速度の観点から、2−アダ
マンタノンの濃度が0.01〜10mol/l、特に
0.1〜5mol/lとなる様にすることが好ましい。
化合物とを含有する溶液または懸濁液(有機原料液)
と、金属リチウムとを混合して反応させる方法として
は、有機原料液を金属リチウムの懸濁液に徐々に添加し
て混合する方法が好ましい。この方法によれば、発熱量
を容易に制御でき、また初めに金属リチウムの表面を活
性化させることになるので反応を迅速に進行させること
ができる。
状、薄片状、微粒子状等の表面積の大きいものが好まし
く、このような形状のものを用いることにより反応速度
が大きくなる。
加する速度は、用いるハロゲン化アルキル化合物の種類
によって異なり、一概に規定することはできないが、反
応温度が、ハロゲン化アルキル化合物の沸点又は用いた
有機溶媒の沸点のいずれか低い方の温度を上回らないよ
うに有機原料液の添加速度を調節することが望ましい。
アルキルの場合は、反応温度を0℃以下に保って有機原
料液を添加することが望ましい。これにより副反応を抑
制できる。
は、上記条件を満足し、且つ反応温度が20℃以上の温
度(即ち、20℃〜臭化アルキル化合物の沸点又は用い
た有機溶媒の沸点いずれか低い方の温度)となるように
調節しながら有機原料液を添加することが望ましい。こ
れにより金属リチウムの失活を防止できる。なお、有機
原料液の滴下に際しては溶媒の攪拌を行うことが好まし
い。
い。しかし、収率および金属リチウムの過剰使用防止の
観点から、2−アダマンタノン1モルに対して金属リチ
ウムを1.6〜2.4グラム原子、特に1.8〜2.2
グラム原子を添加することが好ましい。
う場合には、上記反応終了後の反応液中に金属リチウム
が殆ど残らないようにすることが好ましい。このため金
属リチウムの添加量は2−アダマンタノン1モルに対し
て2グラム原子以下、特に1.8〜2.0グラム原子と
することが好ましい。
チウムの添加速度や、反応熱の除去効率などによって異
なるが、通常0.5時間〜48時間が好ましい。また、
金属リチウムの失活を防ぐため、アルゴン等の不活性雰
囲気下で反応を行うことが望ましい。
2−アダマンチルアルコラート化合物を得ることができ
る。
キル−2−アダマンチルアルコラートを必要により単離
し、精製して用いることができる。
他方の出発原料であるエステル化剤は、下記式(4)で
示される(メタ)アクリル酸無水物、又は下記式(5)
で示されるα,β位に二重結合を有する炭素数2〜8の
アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物で
ある。
原子またはメチル基を表す。R3、R 4およびR5は水素
原子またはアルキル基又は置換基を有しても良いアリー
ル基を表し、R3とR4又はR4とR5が互いに繋がって環
状となっても良い。R3、R4、R5の炭素数の合計は0
〜6である。
水物としては、アクリル酸無水物、メタクリル酸無水物
が好ましい。また、これらの混合酸無水物も使用でき
る。
有する炭素数2〜8のアルコールと(メタ)アクリル酸
とのエステル化合物としては、(メタ)アクリル酸ビニ
ル、(メタ)アクリル酸イソプロペニル、(メタ)アク
リル酸1−シクロヘキセニル、(メタ)アクリル酸2,6
−ジメチル−1−シクロヘキセニル、(メタ)アクリル酸
1−フェニルエテニル、(メタ)アクリル酸フェニル、
(メタ)アクリル酸4−ニトロフェニル等を例示できる。
特に、入手のしやすさの点から、(メタ)アクリル酸ビニ
ル、(メタ)アクリル酸イソプロペニル、(メタ)アクリル
酸フェニルが好ましい。
成されたものが制限なく使用できる。例えば酸無水物の
合成方法としては、1986年テトラヘドロンレターズ
27巻41号4937ページに報告されているような塩
化メチレン中、塩化チオニルを用いる方法、米国特許2
47689号に示されるような酢酸銅の存在下、ジケテ
ンとの反応による方法等が挙げられる。また、α,β位
に二重結合を有する炭素数2〜8のアルコールと(メ
タ)アクリル酸とを用いるエステル化合物の合成方法
は、英国化学会誌C,1968年2016ページ、Jo
urnal ofPolymer Science,A
−1,第4巻,1966年,1191ページ、Zh.P
rikl.Khim.(Leningrad),24,
1951,851(engl.Ausg.S.967,
969)、Zh.Obshch.Khim.,24,1
954,450(engl.Ausg.S.459)、
アメリカ化学会誌第83巻1961年851ページ、B
ull.Acad.Sci.USSR Div.Che
m.Sci.(Engl.Transl.)1967
年,2403ページ等に記載されている。
は溶媒に溶解して、後述するエステル化反応に供するこ
とができる。
記式(1)で表される金属化合物と、式(4)または式
(5)で表されるエステル化剤とを反応させ、本発明の
目的化合物である式(2)で表される2−アルキル−2
−アダマンチル(メタ)アクリレートを製造する。
とにより行う。反応溶媒の使用により作業性が向上し、
更に反応温度の制御が容易になる。
及びエステル化剤と反応を起さないものであれば任意の
溶媒を利用できる。具体的には、エチルエーテル、テト
ラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル系
溶媒、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭
化水素系溶媒、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒等を
例示できる。
1〜10mol/lが好ましく、0.1〜5mol/l
が、取扱い上より好ましい。
化合物1モルに対し、0.9〜1.3モルが好ましい。
は、特に制限されず、金属化合物溶液にエステル化剤ま
たはその溶液を添加する方法や溶媒中に金属化合物(或
いはその溶液)とエステル化剤(或いはその溶液)とを
それぞれ別々に同時に加える方法であっても良い。これ
らのうち、エステル化剤またはその溶液に金属化合物溶
液を添加する方法が、得られる目的化合物の重合を抑制
できるので好ましい。
溶液に加える場合、反応温度を制御しながら、比較的時
間をかけて、少量ずつ、連続的または間欠的に金属化合
物溶液を滴下することが好ましい。従って、製造規模の
大小によっても異なるが、通常の滴下時間は、1〜24
時間程度になる場合が多い。
るが、通常滴下終了後0.5〜6時間とすることが好ま
しい。
が好ましく、反応速度と重合防止の兼合いから0〜40
℃が特に好ましい。
点から、反応は窒素やアルゴンのような不活性雰囲気下
で行うことが望ましい。
級アミン化合物を加えることにより、より高い転化率で
エステル化合物を得ることができる。1級及び2級アミ
ンを反応系に添加する場合は、エステル化剤である(メ
タ)アクリル酸無水物、又はアルコールと(メタ)アク
リル酸とのエステル化合物と反応してアミドを生成する
ので、アミンの添加効果は認められない。
が、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N−メチル
ピベリジン、N−メチルモルホリン、1,4−ジアザビ
シクロ[2.2.2]オクタン、1,7−ジアザビシク
ロ[4.3.0]ノナ−6−エン、1,8−ジアザビシ
クロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の環状、また
は非環状の脂肪族3級アミンや、ジメチルアニリン、ピ
リジン、4−ジメチルアミノピリジン等の芳香族3級ア
ミンを用いることができる。
アルキル−2−アダマンチルアルコラート化合物に対し
て当量加える必要は無く、通常0.01当量から0.5
当量で十分である。0.01当量より少ないと3級アミ
ン化合物の添加効果が低く、0.5当量以上入れてもそ
れ以上の転化率の向上は認められない。
は、エステル化剤の添加方法や反応温度等によって影響
されず、任意である。例えば、金属2−アルキル−2−
アダマンチルアルコラート化合物と3級アミン化合物を
混合してからエステル化剤と反応させても良い。また、
金属2−アルキル−2−アダマンチルアルコラート化合
物とエステル化剤を反応させた後、反応液に3級アミン
化合物を加えて更に反応させても良い。
禁止剤を加えておいても良い。このような重合禁止剤と
しては、フェノチアジン等のフェノール性水酸基を持た
ない禁止剤が挙げられる。
を回収する際には、公知の各種精製手段を用いることが
できる。具体的には、水洗い、溶媒抽出、カラムクロマ
トグラフィー、蒸留、再結晶等の精製手段が例示でき
る。
るが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限される
ものではない。
法で算出した。先ず、反応混合物を水に注いでジエチル
エーテルで抽出し、得られる抽出液をガスクロマトグラ
フィーで分析した。得られたガスクロマトグラムの2−
アルキル−2−アダマンタノール(金属2−アルキル−
2−アダマンチルアルコラート由来)のピ−ク面積と、
生成物である2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)
アクリレートのピーク面積の合計で、2−アルキル−2
−アダマンチル(メタ)アクリレートのピーク面積を除
して算出した百分率を転化率とした。
マンチル(メタ)アクリレートの重量を、使用した2−
アダマンタノンの重量を用いて算出される2−アルキル
−2−アダマンチル(メタ)アクリレート理論量で除し
て百分率で示した。
ノン30g(0.2mol)を仕込み、テトラヒドロフ
ラン(THF)90gを加えて溶解させた。ここに、市
販のメチルマグネシウムブロマイドのTHF溶液(1.
0mol/l)220ml(0.22mol)を反応液
温度が40℃を超えないようにゆっくり滴下した。滴下
終了後1時間攪拌し、臭化マグネシウム2−メチル−2
−アダマンチルアルコラートのTHF溶液を得た。これ
にメタクリル酸無水物37g(0.24mol)を反応
液温度が40℃を超えないようにゆっくり滴下した。滴
下終了後、4時間室温で攪拌した(転化率90%)。そ
の後、液温度を10℃以下に保ちながらメタノール10
gと10%水酸化ナトリウム水溶液16gを加えて1時
間攪拌し、その後有機層を分離した。有機層をさらに1
0%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した後、溶媒を減圧
留去した。得られた残渣を0.3mmHgの減圧下、8
5℃から90℃で蒸留し、2−メチル−2−アダマンチ
ルメタクリレートを23.0g得た(収率49%)。ガ
スクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)で分析した
ところ、塩素が含まれている不純物は検出されなかっ
た。
を用いて、実施例1に準じて2−メチル−2−アダマン
チルメタクリレートを合成した。転化率95%、単離収
率は54.9%であった。得られた化合物をガスクロマ
トグラフ質量分析したところ、2−クロロ−2−メチル
アダマンタンと考えられる不純物が0.5%検出され、
さらに2種類の構造不明の塩素含有不純物が、それぞれ
0.2%と0.1%検出され、構造不明の臭素含有不純
物も0.1%検出された。
金属リチウム2.78g(0.4mol)を加えた。こ
の懸濁液に、予め2−アダマンタノン30g(0.2m
ol)、臭化エチル26.2g(0.24mol)を9
0gに溶解させた溶液を、窒素雰囲気下、反応温度が4
0℃前後になるようにコントロールしながら滴下した。
滴下終了後反応液を45℃に加温し、1時間反応熟成を
行った。目視で金属リチウムが消失したのを確認してか
ら、さらに45℃で1時間攪拌し、リチウム2−エチル
−2−アダマンチルアルコラートの溶液を得た。この溶
液にアクリル酸無水物22.0g(0.21mol)を
反応温度を40℃以下に保ちながら2時間かけて滴下し
た。滴下終了後40℃で4時間攪拌し反応を熟成させた
(転化率97%)。
ら、メタノール10gと10%水酸化ナトリウム水溶液
16gを加えて1時間攪拌し、その後有機層を分離し
た。有機層を10%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した
後、溶媒を減圧留去した。残渣を0.3mmHgの減圧
下80℃から85℃で蒸留し、24.6gの2−エチル
−2−アダマンチルアクリレートを得た(収率53
%)。これをガスクロマトグラフ質量分析計で分析した
ところ、塩素の含まれている不純物は検出されなかっ
た。
て、実施例1に準じて2−メチル−2−アダマンチル
(メタ)アクリレートを合成した。転化率、収率および
得られた化合物のガスクロマトグラフ質量分析計による
分析結果を表1に示した。
アダマンチルアルコラートのTHF溶液を調製した。
(0.24mol)とTHF100mlを仕込んだ50
0mlのフラスコに、温度が40℃を超えないように保
ちながら該THF溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後
4時間室温で攪拌した(転化率91%)。次いで、反応
液を10℃以下に保ちながらメタノール10gと10%
水酸化ナトリウム水溶液16gとを反応液に加えて1時
間攪拌し、その後有機層を分離した。有機層を10%水
酸化ナトリウム水溶液で洗浄した後、溶媒を減圧留去し
た。残渣を0.3mmHgの減圧下、85℃から90℃
で蒸留し、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレー
トを26.3g得た(収率56%)。このものをガスク
ロマトグラフ質量分析計で分析したところ、塩素の含ま
れる不純物は検出されなかった。
い、実施例8に準じて2−メチル−2−アダマンチルエ
ステルを合成した。その際の転化率は70.0%、収率
は34.0%であった。このものをガスクロマトグラフ
質量分析計で分析したところ、塩素の含まれる不純物は
検出されなかった。
ダマンチルアルコラートとメタクリル酸無水物を反応さ
せた。この時の転化率は実施例1と同じ(90%)であ
った。この反応液に、室温でトリエチルアミン2g
(0.02mol、0.1当量)を加えて2時間攪拌し
たところ、転化率は98%まで向上した。以降の処理を
実施例1に準じて行い、2−メチル−2−アダマンチル
メタクリレートを26.2g得た(収率56%)。これ
をガスクロマトグラフ質量分析計で分析したところ、塩
素の含まれる不純物は検出されなかった。
ダマンチルアルコラートのTHF溶液を調製した。ここ
に室温でジメチルアミノピリジン1.2g(0.01モ
ル、0.05当量)を加え、続いてアクリル酸無水物を
温度が40℃を越えないよう保ちながらゆっくり滴下し
た。滴下終了後、室温で2時間攪拌した。この時の転化
率は99%であった。以降の処理を実施例1に準じて行
い、2−メチル−2−アダマンチルアクリレートを2
7.7g(収率63%)得た。これをガスクロマトグラ
フ質量分析計で分析したところ、塩素の含まれる不純物
は検出されなかった。
2−アダマンチルアルコラート化合物と、(メタ)アク
リル酸無水物またはα,β位に二重結合を有する炭素数
2〜8のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル
化合物とを反応させるので、2−アルキル−2−アダマ
ンチル(メタ)アクリレートを収率良く製造できる。本
製造方法においては、酸クロライドのような塩素を含む
エステル化剤を用いていないので、得られる2−アルキ
ル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートは、副生す
る塩素化物含有量が少ない。このためこれを用いて製造
するレジストは性能が高い。
は、転化率が向上する。
Claims (4)
- 【請求項1】 下記式(1)で示される金属2−アル
キル−2−アダマンチルアルコラート化合物と、 【化1】 [但し、R1は炭素数1〜6のアルキル基であり、MはL
i原子又は−MgX(但し、Xはハロゲン原子である)
である。] (メタ)アクリル酸無水物又はα,β位に二重結合を有
する炭素数2〜8のアルコールと(メタ)アクリル酸と
のエステル化合物とを反応させることを特徴とする下記
式(2)で示される 【化2】 (但し、R2は水素原子又はメチル基である。) 2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート
の製造方法。 - 【請求項2】 金属2−アルキル−2−アダマンチル
アルコラート化合物及び2−アルキル−2−アダマンチ
ル(メタ)アクリレートのアルキル基がメチル基又はエ
チル基である請求項1に記載の2−アルキル−2−アダ
マンチル(メタ)アクリレートの製造方法。 - 【請求項3】 α,β位に二重結合を有する炭素数2
〜8のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化
合物が、(メタ)アクリル酸ビニル又は(メタ)アクリ
ル酸イソプロぺニルである請求項1又は2に記載の2−
アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの製
造方法。 - 【請求項4】 式(1)で示される金属2−アルキル
−2−アダマンチルアルコラート化合物と、(メタ)ア
クリル酸無水物又はα,β位に二重結合を有する炭素数
2〜8のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル
化合物とを反応させる際に、3級アミン化合物を、金属
2−アルキル−2−アダマンチルアルコラート化合物に
対して0.01〜0.5当量存在させる請求項1乃至3
の何れかに記載の2−アルキル−2−アダマンチル(メ
タ)アクリレートの製造方法。
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