JP4021199B2 - 2−アルキル−2−アダマンチルエステルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体レジストの製造原料として有用な2−アルキル−2−アダマンチルアクリレート及び2−アルキル−2−アダマンチルメタクリレート(以下、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートと略記する)等の2−アルキル−2−アダマンチルエステルの製造方法に関する。
2−アルキル−2−アダマンチルエステルを原料として製造されるレジストは、半導体製造プロセスにおけるドライエッチングに対する耐性が高いことが知られており(例えば特開平5−265212号公報)、半導体用レジストとしての将来性が注目されている。
2−アルキル−2−アダマンチルエステルの製造方法としては、有機金属化合物からなるアルキル化試薬を用いて2−アダマンタノンをアルキル化し、次いで得られる金属2−アルキル−2−アダマンチルアルコラートを酸ハロゲン化物によってエステル化する方法が知られている(特開平10−182552号公報等)。
上記反応の前段のアルキル化反応において、アルキル化試薬として有機マグネシウム化合物や有機アルミニウム化合物を用いてアルキル化反応を行う場合は、テトラヘドロンレターズ1990年31巻22号3151ページ等に示されるように、還元反応が優先して起こるため、アルキル化物の収率が低下する。その結果として目的物であるエステルの収率が著しく低下する問題がある。
例えば、後述する比較例に示す様に、よう化エチルマグネシウムと2−アダマンタノンとを反応させる場合は、生成物中におけるアルキル化物(エチル化体)、及び還元体(2−アダマンタノール)の選択率は、それぞれ25%、及び75%であり、2−アダマンタノン基準とするエステルの反応収率は約20%で著しく低い。 更に、この場合エステルの含有率が低いので精製が非常に困難になり、通常の精製方法を採用した場合には高純度のエステルを得ることはできない。
一般に、アルキル化試薬としてアルキルリチウムを用いてアルキル化を行う場合は、上記還元反応が起きることは少なく、従って上記問題は解決できる。しかし、例えば「アメリカ化学会誌」(1941年63巻2480ページ)に、臭化エチルと金属リチウムからエチルリチウムを合成する場合の収率は高々50%程度であることが記載されているように、又「有機化学実験のてびき」(化学同人1988年34ページ)には、エチルリチウムの半減期が54時間と短いことが記載されているように、アルキルリチウムはそれ自体を合成するときの収率が低く、そのため価格も高くなり、更にその安定性も低い化合物である。
このため、アルキルリチウムを用いるアルキル化方法は、製造プロセス全体で判断する場合、製造コスト及び操作の煩雑さの点で必ずしも満足行く方法とは言えない。従って、前段のアルキル化反応の収率もエステルの収率に大きな影響を与えている。
一方、後段のエステル化反応は化学量論的に進行する条件が知られている(特に金属がリチウムの場合)。しかし、酸ハロゲン化物としてアクリル酸クロライド又はメタクリル酸クロライド(以下、アクリル酸、メタクリル酸を(メタ)アクリル酸と略記する)を用いて、2−アダマンタノンをアルキル化して得られる金属2−アルキル−2−アダマンチルアルコラートをエステル化する場合は、反応中に生成するエステルが重合し、全体の収率を低下させる問題がある。
半導体用レジスト材料は、高純度であることが求められる。従って、上記した従来の2−アルキル−2−アダマンチルエステルの製造方法は収率の低さ、及び精製の困難さの点で、工業的に極めて重大な問題を含む。
本発明者らは、リチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラートと(メタ)アクリル酸クロライドとを反応させて2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートを製造する方法について種々検討するうちに、リチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラートの−OLi基が反応の結果生成する2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートを重合させることを見出した。
そして、リチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラート溶液を(メタ)アクリル酸クロライドに加える場合には、該2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの重合を抑制できることを見出した。
また更に、本発明者は、2−アダマンタノンのアルキル化法について鋭意検討を行なった結果、2−アダマンタノンと金属リチウムとハロゲン化アルキル化合物とを反応させると、前記の不安定なアルキルリチウムを用いることなく、2−アダマンタノンをアルキル化できることを見出した。更に、2−アダマンタノンとハロゲン化アルキルとを溶解した溶液を金属リチウムに少量ずつ加えていく場合には、更に効率よく2−アダマンタノンのアルキル化が進行することを見出した。そしてこの場合は純度良くアルキル化できるので、改めて単離操作を行うこと無く、得られる反応液をそのまま用いて次のエステル化反応に進むことができ、しかもこの場合高純度の目的物を単離できることを見いだした。本発明は上記発見に基づいて完成するに至ったものである。
従って、本発明の第1の目的とするところは、アルキル化リチウムのような高価で不安定な化合物を用いることなく、2−アダマンタノンから高収率で高純度の2−アルキル−2−アダマンチルエステルを製造する方法を提供することにある。
更に、本発明の第2の目的とするところは、酸ハロゲン化物を用いて、金属2−アルキル−2−アダマンチルアルコラートをエステル化する反応において、得られるエステルの重合を抑制し、高収率でエステルを製造することのできる、2−アルキル−2−アダマンチルエステルの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成する本発明は、以下に記載するものである。
〔1〕 リチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラート溶液を(メタ)アクリル酸ハライドまたはその溶液に連続的または間欠的に滴下することにより、リチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラートと(メタ)アクリル酸ハライドとを反応させることを特徴とする2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法。
〔2〕 リチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラート溶液が、2−アダマンタノン及びハロゲン化アルキル化合物を含む溶液又は懸濁液と、金属リチウムとを混合させることにより得たものである〔1〕に記載の2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法。
〔3〕 アルキル基が、炭素数1〜6のアルキル基である〔1〕に記載の2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法。
〔4〕 アルキル基がエチル基である〔1〕に記載の2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法。
本発明においては、2−アダマンタノン及びハロゲン化アルキル化合物を含む溶液又は懸濁液と金属リチウムとを反応させることにより、リチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラート溶液を製造する様にしたので、リチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラートを収率良く製造できると共に、この得られるアルコラートに酸ハロゲン化物を反応させることにより、収率良く目的物である2−アルキル−2−アダマンチルエステルを製造できる。
また、リチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラートを製造する際に、金属リチウムに2−アダマンタノン及びハロゲン化アルキル化合物を含む溶液又は懸濁液を加える場合には、前記アルコラートを高収率で得ることが出来る。更に、このようにして製造したリチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラート溶液を、エステル化剤又はその溶液に加えるようにする場合は、エステル化反応で生成する目的物2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの重合が抑制される。その結果、目的物の収率が向上すると共に、得られる目的物中の不純物が少ないので精製が簡単になり、高純度の目的物を簡単に得ることができる。
本発明製造方法によれば、グリニヤール試薬を用いる製造方法の場合よりも高い収率で目的物を得ることができる。更に、別途合成する必要があり、且つ不安定なアルキルリチウムを使用しないので、安価に、簡単にアダマンチルエステルを製造できる。
(リチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラートの製造)
本発明においては、前述のように、先ず下記式(1)で示される2−アダマンタノン及び下記式(2)で示されるハロゲン化アルキル化合物を含む溶液又は懸濁液と、金属リチウムとを混合してして2−アダマンタノンのアルキル化反応を行い、下記式(3)で示されるリチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラートを得るものである。
Figure 0004021199


1−X (2)

(式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基であり、Xはハロゲン原子である。)
Figure 0004021199


(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基である。)
原料の2−アダマンタノンは、試薬あるいは工業用として市販されているものをそのまま、或いは必要に応じて再結晶、昇華等による精製を行なった後、使用できる。
もう一方の原料であるハロゲン化アルキル化合物(2)としては、特に限定されず、アルキルブロマイド、アルキルアイオダイド、アルキルクロライド等が使用できる。原料入手の容易性の観点からは、炭素数1〜6のアルキル基を有するアルキルブロマイド又はアルキルアイオダイドが好ましい。具体的には、塩化ブチル、塩化ペンチル、塩化ヘキシル、臭化メチル、臭化エチル、臭化ブチル、よう化メチル、よう化エチル等が例示できる。
該ハロゲン化アルキルの使用量は、2−アダマンタノンの転化率の高さの点を考慮すると、モル比で2−アダマンタノン:ハロゲン化アルキル化合物=1:1〜1:1.2が望ましい。
上記2−アダマンタノン、及びハロゲン化アルキル化合物を溶解若しくは分散させる溶媒若しくは分散媒としては、金属リチウム、アルキルリチウム、およびリチウムアルコラートに対して安定な有機溶媒が使用できる。このような有機溶媒としては、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ヘキサン、トルエン等の炭化水素系溶媒、およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
これら有機溶媒の使用量は特に限定されないが、釜収率や溶解度、反応速度の観点から、2−アダマンタノンの濃度が0.01〜10mol/l、特に0.1〜5mol/lとなる様にすることが好ましい。
金属リチウムの総使用量は特に限定されないが、収率および金属リチウムの過剰使用防止の観点から見て、2−アダマンタノン1モルに対して1.6〜2.4グラム原子、特に1.8〜2.2グラム原子を使用することが好ましい。
なお、後述するエステル化反応を引続き行う場合には、上記アルキル化反応終了後の反応液中に存在する金属リチウムや反応系内に生成するアルキルリチウムが殆ど残らないようにすることが好ましく、このため金属リチウムの使用量は2−アダマンタノン1モルに対して2グラム原子以下、特に1.8〜2.0グラム原子とすることが好ましい。
2−アダマンタノンとハロゲン化アルキル化合物とを含有する溶液または懸濁液(有機原料液)と金属リチウムとを混合して反応させる方法は特に限定されない。即ち、添加順序としては有機原料液を金属リチウムに加えても、有機原料液に金属リチウムを加えても良い。また混合方法としては、各原料を一時に混合しても、逐次的に混合しても、連続的に混合しても良い。
これらの混合方法のうち、有機原料液を金属リチウムに加える方法は、金属リチウムの失活を防止し、反応速度を大きくし、反応終了後に金属リチウムが残存することを避けられるため、特に好ましい。かかる方法は、反応温度を後述する条件に制御しながら、金属リチウムに有機原料液を、比較的長時間をかけて少量ずつ、連続的に、または間欠的に滴下する等の手段により添加するものである。
これに対し、金属リチウムを有機原料液に徐々に加えるような態様の場合、金属リチウムを加える毎に金属表面を活性化させるための時間が必要となる。このため、反応全体としてみると、反応の進行が遅くなる。しかし、上記有機原料液を金属リチウムに加える混合方法によれば、用いるすべての金属リチウムを反応当初に活性化できるため、反応を極めて円滑に進行させることが出来る。
上記有機原料液を金属リチウムに加える時間としては、製造規模の大小によっても異なるが、通常0.5〜48時間が好ましい。
この際、使用する金属リチウムの形状としては、顆粒状、薄片状、微粒子状等の表面積の大きい形状のものを用いると、反応速度が大きくなるので好ましい。
また、上記有機原料液の添加速度は、用いるハロゲン化アルキル化合物の種類によって異なるため、一概に規定することはできない。一般的には、反応温度がハロゲン化アルキル化合物の沸点又は用いる有機溶媒の沸点のいずれか低い方の温度を上回らないように添加速度を調節することが望ましい。
特に、ハロゲン化アルキル化合物がよう化物の場合は、反応温度を0℃以下に保って有機原料液を添加することが副反応を抑制する観点から望ましい。また、ハロゲン化アルキル化合物が臭化物の場合は上記条件を満足し、且つ反応温度が20℃以上の温度(即ち、20℃〜反応温度がハロゲン化アルキル化合物の沸点又は用いた有機溶媒の沸点いずれか低い方の温度)となるように調節しながら有機原料液を金属リチウムに添加することが望ましい。このようにする調節することにより、金属リチウムの失活を防止できる。リチウムに有機原料液を添加する際には、溶媒の攪拌を行うことが好ましい。
上記アルキル化反応の反応時間は、使用する金属リチウムの量と冷却効率などによって異なるが、通常有機原料液の添加終了後、0.5時間〜10時間が好ましい。また、金属リチウムの失活を防ぐため、アルゴン等の不活性雰囲気中で反応を行うことが望ましい。
(エステル化反応)
本発明の2−アルキル−2−アダマンチルエステルの製造方法においては、上記アルキル化反応によって製造した2−アルキル−2−アダマンチルアルコラートと、酸ハロゲン化物とを反応させ、2−アルキル−2−アダマンチルエステルを製造する。
このエステル化反応の一方の原料である2−アルキル−2−アダマンチルアルコールは、上記のようにして製造したリチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラートを単離することなくそのまま反応に供してもよい。又は、単離し、必要により精製した後、反応に供してもよい。
反応液からリチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラートを分離する場合においては、必ずしもリチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラート自体を単離しなくても良い。溶液状態で前記アルコラートと残存する金属リチウムとが分離できる場合は、溶液の状態で分離してもよい。前記アルキル化反応終了後の反応液中に金属リチウムが実質的に存在しない場合には、該反応液をそのままエステル化反応の原料として使用できる。
なお、上記反応液中に金属リチウムやアルキルリチウムが多量に残存している場合、これをエステル化反応原料として用いると、酸ハロゲン化物の失活や、生成する2−アルキルアダマンチルエステルの重合が起こり、その結果目的とする2−アルキル−2−アダマンチルエステルの収率が低下する。
このエステル化反応で使用する他方の原料である酸ハロゲン化物は、目的物の構造と対応する酸のハロゲン化物であれば特に限定されない。ハロゲンとしては、塩素、臭素、よう素が例示できるが、酸ハロゲン化物の製造しやすさ等の点から、塩素が好ましい。
エステル化反応で使用できる酸ハロゲン化物は、具体的には、酢酸クロライド、酢酸ブロミド、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド、ベンゾイルクロライド、4−ビニルベンゾイルクロライド等が挙げられる。
これらの中でも、アクリル酸ハライド又はメタクリル酸ハライド、特にアクリル酸クロライド又はメタクリル酸クロライドはレジストとして有用性の高いアルキルアダマンチルエステルの製造原料として好ましいものである。
エステル化反応において、使用するリチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラートと酸ハロゲン化物の配合量は、リチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラート1モルに対し、0.9〜2.0モルが好ましく1.0〜1.3モルが収率が高くなる点からより好ましい。
上記のエステル化反応は、溶媒中でリチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラートと、酸ハロゲン化物とを接触させることによって行なうことができる。
溶媒としては、アルコラート、及びエステル化剤と反応を起さないものであれば任意の溶媒が利用できる。具体的には、エチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒が例示できる。
前記溶媒中のリチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラート濃度は、0.01〜10mol/lが好ましく、0.1〜1mol/lが、取扱い上より好ましい。
溶媒中でリチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラートと酸ハロゲン化物とを接触させる方法は、特に限定されない。溶媒中にリチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラート(或いはその溶液)と酸ハロゲン化物(或いはその溶液)とをそれぞれ別々に同時に加える方法、リチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラート溶液に酸ハロゲン化物(或いはその溶液)を加える方法、或いは酸ハロゲン化物溶液にリチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラート(或いはその溶液)を加える方法等が採用できる。
溶媒中でリチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラートと酸ハロゲン化物とを接触させる特に好ましい方法は、リチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラートの溶液を、上記酸ハロゲン化物またはその溶液に加えてエステル化反応を行なわせ、これにより2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートを製造するものである。
この接触方法による場合は、反応中に生成する該2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートがリチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラートの−OLi基の存在によって重合を誘発されることを有効に防止し、目的物の収率を高めることが出来る。酸ハロゲン化物がアクリル酸ハライド、またはメタクリル酸ハライドの場合において、上記優れた作用は特に顕著に発揮される。
上記リチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラート溶液を酸ハロゲン化物またはその溶液に加える方法の場合、後述する条件に反応温度を制御しながら、且つ比較的時間をかけながら、少量ずつ、連続的または間欠的にリチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラート溶液を酸ハロゲン化物またはその溶液に滴下する等の手段により添加することが好ましい。従って製造規模の大小によっても異なるが、通常滴下時間は、1〜48時間程度になる場合が多い。
反応時間は滴下時間の長短によっても異なるが、通常滴下終了後0.5〜10時間とすることが好ましい。
このエステル化反応の反応温度は特に限定されないが、−20〜100℃が好ましく、反応速度と重合防止の兼合いから−20〜50℃が特に好ましい。
また、酸ハロゲン化物やリチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラートの失活を防ぐ観点から、反応は窒素やアルゴンのような不活性雰囲気中で行うことが望ましい。
反応系には、リチウムアルコキシドと反応しない重合禁止剤を加えておいても良い。このような重合禁止剤としては、フェノチアジン等のフェノール性水酸基を持たない禁止剤を例示できる。
このようにしてエステル化反応を行なうことにより、使用するアルキルハロゲン化物及び酸ハロゲン化物に対応する構造の目的物アルキルアダマンチルエステルを得ることができる。例えば、アルキルハロゲン化物として炭素数1〜6のアルキル基を有するアルキルハロゲン化物を用い、酸ハロゲン化物としてアクリル酸ハライド又はメタクリル酸ハライドを用いる場合には、下記式(4)で示されるアルキルアダマンチル(メタ)アクリル酸エステルを得ることができる。
Figure 0004021199


(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基であり、Rは水素原子又はメチル基である。)
なお、エステル化反応後の反応液から目的物を回収する方法としては、副生するハロゲン化リチウムを適当な方法、例えば水洗いによって除去し、溶媒を除去した後、それぞれの化合物の性状に応じて、カラムクロマトグラフィー、蒸留、再結晶等の適宜方法を用いて精製すればよい。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。
実施例1
攪拌翼、温度計、冷却管、滴下漏斗を取りつけた500mlの4つ口フラスコに、窒素雰囲気下、テトラヒドロフラン30g、金属リチウム2.78g(0.4mol)を加えた。この溶液に、予め2−アダマンタノン30g(0.2mol)及び臭化エチル26.2g(0.24mol)をテトラヒドロフラン90gに溶解させた溶液を、窒素雰囲気下、反応温度が40℃前後になるようにコントロールしながら滴下した。滴下終了後45℃に加温し、1時間反応熟成を行った。
目視で金属リチウムが消失したのを確認してから、臭化エチル4.36g(0.04mol)を加え、さらに45℃で1時間撹拌し、リチウム2−エチル−2−アダマンチルアルコラートの溶液を調製した。この時の2−アダマンタノンの転化率をガスクロマトグラフィー(GC)分析により確認したところ98%であった。
撹拌翼、温度計、冷却管を取りつけた500mlの4つ口フラスコを窒素置換し、これにメタクリル酸クロライド22.0g(0.21mol)と、重合禁止剤としてフェノチアジン0.08g(0.4mmol)を加え、前段で調製したリチウム2−エチル−2−アダマンチルアルコラートの溶液を窒素雰囲気下、反応温度が10℃以下となるように2時間かけて滴下した。滴下終了後10℃以下で4時間撹拌し反応を熟成させた。
反応熟成後、メタノール10gと10質量%水酸化ナトリウム水溶液16gを10℃以下で加えて1時間撹拌した後、有機層を分離した。有機層をさらに10質量%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣にメタノール150gを加えて撹拌すると、固体の析出が見られた。更に、室温で3時間撹拌した後、ろ過したところ、0.09gの固形物を得た。この際のろ過時間は1分程度であった。
得られたろ液から溶媒を減圧にして留去した後、残渣をヘプタン150gに溶解させ、これに活性炭10gを入れて撹拌した後、セライトろ過して活性炭を取り除き、その後ヘプタンを減圧留去した。残渣をイソプロピルアルコール25gを用いて再結晶したところ、24.6g(2−アダマンタノン基準で単離収率49.4%)の2−エチル−2−アダマンチルメタクリーレートを得た。この結晶の純度はGC分析で99.0%であった。
実施例2
攪拌翼、温度計、冷却管、滴下漏斗を取りつけた500mlの4つ口フラスコに、窒素雰囲気下、2−アダマンタノン30g(0.2mol)及び臭化エチル26.2g(0.24mol)をテトラヒドロフラン120gに溶解させた。これに、金属リチウム2.78g(0.4mol)を5回に分けて(0.5gずつ4回、最後の1回は0.78g)窒素雰囲気下、反応温度が40℃前後になるようにコントロールしながら加えた。添加終了後45℃に加温し、1時間反応熟成を行った。
目視で金属リチウムが消失したのを確認してから、臭化エチル4.36g(0.04mol)を加え、さらに45℃で1時間撹拌し、リチウム2−エチル−2−アダマンチルアルコラートの溶液を調製した。この時の2−アダマンタノンの転化率をGC分析により確認したところ93%であった。
その後、実施例1に準じた処理を続けて、残渣にメタノールを加えた段階で、固体が0.09g析出した。この際の濾過時間は1分間程度であった。
その後も実施例1に準じて活性炭処理、再結晶処理を行った。その結果、22.8g(2−アダマンタノン基準で単離収率46.0%)の2−エチル−2−アダマンチルメタクリーレートを得た。この結晶の純度はGC分析で99.2%であった。
比較例1
実施例1に準じて操作して、リチウム2−エチル−2−アダマンチルアルコラートの溶液を調製した。この時の2−アダマンタノンの転化率をGC分析により確認したところ98%であった。
得られた前記溶液に、重合禁止剤としてフェノチアジン0.08g(0.4mmol)を加え、これにメタクリル酸クロライドの22.0g(0.21mol)を窒素雰囲気下、反応温度が10℃以下となるように冷却しながら2時間かけて滴下した。滴下終了後10℃以下で4時間撹拌し反応を熟成させた。
反応熟成後、得られた反応液にメタノール10gと10質量%水酸化ナトリウム水溶液16gとを10℃以下に保ちながら加えて1時間撹拌した後、有機層を分離した。有機層をさらに10質量%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣にメタノール150gを加えて撹拌すると、粘度の高い油状物が析出し、撹拌翼、フラスコ壁面に粘着した。更に、室温で3時間撹拌した後、反応液をろ過したところ、油状の化合物を得た。ろ別した油状の化合物の重量は4.4gであった。この油状の化合物は粘度が高く、ろ別するのに30分かかった。
得られたろ液から溶媒を減圧留去した後、残渣をヘプタン150gに溶解させ、活性炭10gを入れて撹拌した。その後、セライトろ過して活性炭を取り除き、ヘプタン溶液からヘプタンを減圧留去した。残渣をイソプロピルアルコール25gで再結晶して、21.7g(2−アダマンタノン基準で単離収率43.8%)の2−エチル−2−アダマンチルメタクリレートを得た。この結晶の純度はGC分析で99.1%であった。
実施例3
攪拌翼、温度計、冷却管、滴下漏斗を取りつけた5000mlの4つ口フラスコに、窒素雰囲気下、テトラヒドロフラン500mlと金属リチウム23.3g(3.33グラム原子、1.0当量)を分散させ、この溶液を−10℃に冷却した。この分散液に、予め2−アダマンタノン250g(1.67mol)及びよう化メチル237g(1.67mol)をテトラヒドロフラン2000mlに溶解させた溶液を滴下した。滴下中、反応温度が0℃を超えないように十分冷却した。滴下終了後0℃で3時間反応熟成を行った。
目視で金属リチウムが消失したのを確認し、これによりリチウム2−メチル−2−アダマンチルアルコラートの溶液を得た。この時の2−アダマンタノンの転化率をガスクロマトグラフィー(GC)分析により確認したところ98%であった。
撹拌翼、温度計、冷却管を取りつけた5000mlの4つ口フラスコにテトラヒドロフラン500mlとメタクリル酸クロライド170g(1.63mol)を加え0℃に冷却した。このフラスコにリチウム2−メチル−2−アダマンチルアルコラートの溶液を反応温度が10℃を超えないように冷却しながら滴下した。滴下終了後室温で3時間撹拌し、反応を熟成させた。
反応熟成後、水酸化ナトリウムの0.1質量%メタノール溶液100mlを加えて反応を停止させ、更にこれにヘキサンを2000ml加えた。有機層を分離し、有機層を5質量%水酸化ナトリウム水溶液、次いで20質量%食塩水で洗浄した。重合禁止剤としてフェノチアジンを0.2g加えた後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をクロロホルム200mlに溶解し、これをメタノール2000mlに加えて撹拌すると、固体の析出が見られた。更に、室温で3時間撹拌した後、ろ過したところ、1.0gの固形物を得た。
得られたろ液から溶媒を減圧留去した後、更に減圧蒸留して232g(0.99mol、2−アダマンタノン基準で単離収率59%)の2−メチル−2−アダマンチルメタクリーレートを得た。
実施例4
臭化エチルの代りに臭化ブチル33g(0.24mol)を用いた以外は実施例1に準じて2−ブチル−2−アダマンチルアルコラートの溶液を得、実施例1に準じてメタクリル酸クロライドと反応させた。反応熟成後、反応液にメタノール10gと10質量%水酸化ナトリウム水溶液16gとを10℃以下の温度に保ちながら加え、1時間撹拌後有機層を分離した。有機層を10質量%の水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した。溶媒を減圧留去した後、更に減圧蒸留して22g(2−アダマンタノン基準で単離収率40%)の2−ブチル−2−アダマンチルメタクリーレートを得た。
実施例5
メタクリル酸クロライドの代りにアクリル酸クロライド22g(0.24mol)を用いた以外は実施例1に準じて操作した。反応熟成後、実施例1に準じて後処理を行った。減圧蒸留により21g(2−アダマンタノン基準で単離収率48%)の2−エチル−2−アダマンチルアクリーレートを得た。
実施例6
2−アダマンタノン250g(1.67mol)をテトラヒドロフラン2500mlに溶解し、更によう化メチル237g(1.67mol)を加えた。溶液を−10℃以下に冷却し、金属リチウムを初めは約1gずつ、温度が−10℃を超えないように冷却しながら、金属リチウムを合計23.3g(3.33グラム原子、1.0当量)加えた。その後、目視で金属リチウムが消失したことを確認してから、反応液をメタクリル酸クロライド170g(1.63mol)に加えて反応液を室温まで加温した。
次いで、GC分析で反応が十分に進行したことを確認した後、反応液に水酸化ナトリウムの0.1質量%メタノール溶液100mlを加えて反応を停止させ、さらにヘキサン2500mlを加えた。その後、有機層を5質量%水酸化ナトリウム水溶液、20質量%食塩水で洗浄した。重合禁止剤としてフェノチアジンを0.2g反応液に加えた後、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物にクロロホルム200mlを加えて溶解後、メタノール2000mlに注いだ。次いで、不溶物(22g)をろ過して取り除いた後、溶媒を減圧留去した。得られたものをさらに減圧蒸留して200g(0.85mol,2−アダマンタノン基準の単離収率51%)の2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートを得た。
実施例7
2−アダマンタノン30g(0.2mol)をテトラヒドロフラン30mlに溶解し、これに臭化エチル24g(0.22mol)を加えた。溶液を激しく攪拌しながら、この溶液に初めは0.1gずつ、溶液の温度が30℃を超えないように金属リチウムを加え、合計2.5g(0.36グラム原子,0.82当量)の金属リチウムを加えた。 目視で金属リチウムが消失したことを確認してから、この反応液をメタクリル酸クロライド21g(0.2mol)に加えた。
GC分析で反応の終了を確認した後、この溶液にメタノール30mlと5質量%水酸化ナトリウム水溶液3mlを加えて室温で1時間攪拌し、反応を停止させた。 その後、目的物を含む有機層を分離し、溶媒を減圧留去した残渣にヘキサンを200ml加え、これをそれぞれ10%水酸化ナトリウム水溶液、20%食塩水で洗浄した。その後、ヘキサンを減圧留去して粗生成物を得た。これにフェノチアジン0.3g、ジエチレングリコール3gを加えた後、減圧蒸留して17.3g(0.07mol、2−アダマンタノン基準の単離収率35%)の2−エチル−2−アダマンチルメタクリレートを得た。純度は95.3%であった。
実施例8
2−アダマンタノン390g(2.6mol)をテトラヒドロフラン3500mlに溶解し、これに臭化エチル303g(2.8mol)を加えた。溶液を激しく攪拌しながら溶液の温度が50℃を超えないように金属リチウムを初めは2gずつ、最後は5gずつ、合計36g(5.1グラム原子、0.98当量)溶液に加えた。室温で溶液を終夜攪拌した。金属リチウムが消失したことを確認した後、溶液にフェノチアジン0.05gを加え、この溶液をメタクリル酸クロライド279g(2.7mol)に加えた。
GC分析で反応の進行を確認した後、反応液にメタノール10mlと5質量%水酸化ナトリウム水溶液10mlを加え、更にヘキサン2000mlを加えた後、これを5質量%水酸化ナトリウム水溶液、20質量%食塩水で洗浄した。その後、有機溶媒を減圧留去した。得られた残渣にメタノール2000mlを加え、不溶分(18g)をろ過して除いた後、メタノールを減圧留去した。メタノールを留去して得られた残渣にヘキサン2000mlを加え、不溶分をろ過して除き、ヘキサンを減圧留去した。ここに2−エチル−2−アダマンチルメタクリレートの種結晶を入れて一晩放置し、生じた結晶をろ過して取出した。
この結晶を再びヘキサンに溶解し、活性炭30gを入れて攪拌し、セライトろ過して活性炭を取り除き、ヘキサンを減圧留去した。
ヘキサンから再結晶して、55g(0.22mol,2−アダマンタノン基準の単離収率8.5%)の2−エチル−2−アダマンチルメタクリレートを得た。この結晶の純度はGC分析で99.1%であった。
実施例9
2−アダマンタノン250g(1.67mol)をテトラヒドロフラン2500mlに溶解し、よう化メチル237g(1.67mol)を加えた。溶液を−10℃以下に冷却し、金属リチウムを初めは約1gずつ、温度が−10℃を超えないように冷却しながら加え、合計23.3g(3.33グラム原子、1.0当量)を加えた。
その後、目視で金属リチウムが消失したことを確認してから、反応液にメタクリル酸クロライドを170g(1.63mol)加えて反応液を室温まで加温した。
次いで、GC分析で反応が十分に進行したのを確認し後、反応液に水酸化ナトリウムの0.1%メタノール溶液100mlを加えて反応を停止させ、さらにヘキサン2500mlを加えた。その後、有機層を5%水酸化ナトリウム水溶液、20%食塩水で洗浄した。重合禁止剤としてフェノチアジンを0.2g加えて溶媒を減圧留去し、得られた粗生成物にクロロホルム200mlを加えて溶解した。これをメタノール2000mlに注いで不溶物(5.1g)をろ別した後、溶媒を減圧留去した。さらに、減圧蒸留して200g(0.85mol,2−アダマンタノン基準の単離収率51%)の2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートを得た。
比較例2
新しく蒸留したエーテル20mlに金属リチウム0.7g(0.1グラム原子)を入れ、室温で攪拌しながらよう化エチル7.8g(0.05mol)をゆっくり滴下した。溶液はゆっくり還流を始め、滴下終了と共に室温に戻っていった。新しく蒸留したテトラヒドロフラン20mlに2−アダマンタノン4gを溶解した溶液にこの溶液を滴下し、室温で攪拌した。
GC分析の結果、2−エチル−2−アダマンタノールは検出されなかった。リチウム2−エチル−2−アダマンチルアルコラートが生成している場合には、GC分析により2−エチル−2−アダマンタノールが検出されることから、該比較例ではリチウム2−エチル−2−アダマンチルアルコラートが生成していないことが確認された。
本比較例では、前段の反応におけるエチルリチウムの収率が低いため反応が進行しなかったものと思われる。金属リチウムの使用量を増やす等の方法を用いてエチルリチウムの収率を高めれば反応は進行すると思われる。しかし、金属リチウムの過剰使用はコスト的にも問題があるばかりでなく、前記したような問題を避けるためエステル化反応に先立ってこれを除去しなければならないという問題がある。
比較例3
エーテル5mlにマグネシウム3.7g(0.15グラム原子)を入れ、よう化エチル30g(0.19mol)のエーテル(30ml)溶液を滴下した。この様にして得られたよう化エチルマグネシウム溶液を2−アダマンタノン20g(0.13mol)のテトラヒドロフラン(100ml)溶液に滴下し、室温で一晩攪拌した。GC分析の結果、還元された2−アダマンタノールが75%、2−エチル−2−アダマンタノールが25%生成していることがわかった。
得られた反応液にメタクリル酸クロライド15.8g(0.15mol)を加えて実施例1と同様にして反応及び精製を行なった。その結果、液体32gを得た。この液体をGC分析したところ、目的とする2−エチル−2−アダマンチルメタクリレートのピーク面積比が20%、副生成物である2−アダマンチルメタクリレートのピーク面積比が70%を示した。しかし、この液体から、これら化合物を単離することは実質的にはできなかった。
比較例4
2−アダマンタノン14g(0.093mol)をトルエン200mlに溶解し、これに0.95mol/Lのトリエチルアルミニウムトルエン溶液100ml(0.095mol)を室温で滴下した。GC分析の結果、反応が進行していなかったので反応液の温度を上げていったところ、20℃から40℃位で発泡が見られた。そのまま80℃まで昇温し、2時間攪拌した。GC分析の結果、2−アダマンタノンが還元されて生成した2−アダマンタノールのみが検出された。アルミニウム2−エチル−2−アダマンチルアルコラートに基づく2−エチル−2−アダマンタノールのピークは検出されなかった。

Claims (4)

  1. リチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラート溶液を(メタ)アクリル酸ハライドまたはその溶液に連続的または間欠的に滴下することにより、リチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラートと(メタ)アクリル酸ハライドとを反応させることを特徴とする2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法。
  2. リチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラート溶液が、2−アダマンタノン及びハロゲン化アルキル化合物を含む溶液又は懸濁液と、金属リチウムとを混合させることにより得たものである請求項に記載の2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法。
  3. アルキル基が、炭素数1〜6のアルキル基である請求項に記載の2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法。
  4. アルキル基がエチル基である請求項に記載の2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法。
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