JP2015107923A - 環状脂肪族アクリレート類の製造方法 - Google Patents

環状脂肪族アクリレート類の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高純度かつ高収率で、環状脂肪族アクリレート類を製造する方法を提供する。
【解決手段】 金属リチウム、式(a)で表されるハロゲン化アルキル、式(b)で表される環状脂肪族エステル及び式(c)で表される(メタ)アクリル酸無水物から、下記反応式に示す反応により、中間体である式(a’)で表されるアルキルリチウム及び式(b’)で表されるリチウムアルコキシドを経由して、式(d)で表される環状脂肪族アクリレート類を得る方法であって、
前記ハロゲン化アルキルに対し、前記金属リチウムのモル比が、1.5以上2.0以下である環状脂肪族アクリレート類の製造方法。
Figure 2015107923

【選択図】なし

Description

本発明は、環状脂肪族アクリレート類の製造方法に関する。
環状脂肪族アクリレート類を、特に半導体用フォトレジスト用モノマー原料,液晶ディスプレイ用原料,電子材料用原料として利用する場合には、高純度が要求される。
特許文献1では、相当するアルコールを原料に、有機アミン(ピリジン)存在下、酢酸クロライドと反応させることにより、下記の酢酸エステルを単離収率95%で合成することが報告されている。
Figure 2015107923
特許文献2では、共重合ポリマーに下記ユニット(DMMCH、DMMM)が明示されているが、製造方法は記載されていない。
Figure 2015107923
特許文献3では、下記の二官能の十字架アルコールを、金属マグネシウムを用いて、調製しているが、50%未満の低収率である。
Figure 2015107923
非特許文献1では、カルボン酸エステルから、金属ナトリウムでのエチル化を経て、下記の化合物を合成しているが、25%未満の低収率である。
Figure 2015107923
金属マグネシウムや金属ナトリウムによる長鎖(エチル基等)のアルキル化では、一般に中間体(ケトン体)で停止し易いため、目的物の収率が低下するという問題があった。
特許文献4では、相当するジオールを原料に、n−ブチルリチウムでリチオ化(リチウムアルコキシド)した後に、メタクリル酸クロライドと反応させることにより、下記ジメタクリレートを合成している。一般にアルコールを出発原料にしてリチオ化(リチウムアルコキシド)し、酸クロと反応させる方法では、低収率であることが多く、この場合も34%の単離収率となっている。
Figure 2015107923
特許文献5では、相当するカルボン酸エステル又はカルボン酸ハライドを原料に、市販のメチルリチウムでアルキル化し、単離することなくメタクリル酸クロライドと反応させることにより、下記のM−109を単離収率55〜80%程度で合成している。
Figure 2015107923
特許文献6〜8では、相当するアルコールを原料に、リチオ化剤(n−ブチルリチウム)又はグリニア試薬(n−ブチルマグネシウムブロミド)でアルコキシドにした後に、メタクリル酸クロライドと反応させることにより、下記のM−109を単離収率70〜90%程度で合成している。
Figure 2015107923
特許文献9では、シクロヘキサンカルボン酸メチルを原料に、グリニア試薬(メチルマグネシウムブロミド又はエチルマグネシウムブロミド)でアルキル化し、一旦アルコール体を単離する。これをn−ブチルリチウムでリチオ化(リチウムアルコキシド)した後に、メタクリル酸クロライドと反応させることにより、下記DMMCH及びDEMCHをそれぞれ合成している。
Figure 2015107923
特許文献10では、相当するアルコールを原料に、n−ブチルリチウムでリチオ化(リチウムアルコキシド)した後に、メタクリル酸クロライドと反応させることにより、下記の非対称メタクリレートを単離収率75%程度で合成している。
Figure 2015107923
特許文献11〜12では、アダマンタンカルボン酸メチルを原料に、グリニア試薬(メチルマグネシウムクロライド)でアルキル化し、単離することなくメタクリル酸無水物と反応させることにより、下記のM−109を単離収率55〜75%程度で合成している。
Figure 2015107923
特許文献13では、相当するアルキルハライドとマグネシウム金属で調整したグリニア試薬と、2−アダマンタノンを反応させ、メタクリル酸クロライドと反応させることにより、下記のメタクリレートを合成している。
Figure 2015107923
上記のような従来技術では、製品純度、収率が必ずしも十分でなかった。
特開平7−238297号公報 特開平9−73173号公報 国際公開第99/54271号 特開2001−233827号公報 特開2002−161070号公報 特開2002−173466号公報 特開2002−187868号公報 特開2002−193884号公報 特開2007−240967号公報 特開2011−012039号公報 特開2013−199440号公報 国際公開第2013/141127号 ラトビア特許第13006号明細書
J.Am.Chem.Soc.,53,2244(1931)
本発明の目的は、高純度かつ高収率で、環状脂肪族アクリレート類を製造する方法を提供することである。
アルキル化に続き、(メタ)アクリル化反応によって、アクリレート類を合成する場合、アルカリ金属やアルカリ土類金属を用いる。
本発明者らは、アルキルリチウムが共存するアクリレート類の合成では、一般にアルキル化に用いる過剰のアルキルリチウムが存在するため、反応系内にある(メタ)アクリル酸誘導体は、副反応のアニオン重合が進み、結果的にオリゴマーが大量に発生することにつながることを見出し、本発明に至った。
本発明によれば、以下の環状脂肪族アクリレート類の製造方法等が提供される。
1.金属リチウム、式(a)で表されるハロゲン化アルキル、式(b)で表される環状脂肪族エステル及び式(c)で表される(メタ)アクリル酸無水物から、下記反応式に示す反応により、中間体である式(a’)で表されるアルキルリチウム及び式(b’)で表されるリチウムアルコキシドを経由して、式(d)で表される環状脂肪族アクリレート類を得る方法であって、
前記ハロゲン化アルキルに対し、前記金属リチウムのモル比が、1.5以上2.0以下である環状脂肪族アクリレート類の製造方法。
Figure 2015107923
(式中、Rはメチル基,エチル基,n−プロピル基,iso−プロピル基,n−ブチル基,sec−ブチル基のいずれかを表し、Xはハロゲン原子を表し、Rは炭素数5〜15の環状脂肪族炭化水素基を表し、Rはメチル基又はエチル基を表し、Rは水素原子,メチル基,トリフルオロメチル基のいずれかを表す。)
2.前記式(b)の環状脂肪族エステルに対し、前記式(a’)のアルキルリチウムのモル比が、1.0以上2.2以下である1記載の環状脂肪族アクリレート類の製造方法。
3.前記式(b’)のリチウムアルコキシドに対し、前記式(c)の(メタ)アクリル酸無水物のモル比が、1.8以上3.0以下である1記載の環状脂肪族アクリレート類の製造方法。
4.Rが、エチル基、iso−プロピル基又はsec−ブチル基である1〜3のいずれか記載の環状脂肪族アクリレート類の製造方法。
5.Rが、アダマンチル基又はシクロヘキシル基である1〜4のいずれか記載の環状脂肪族アクリレート類の製造方法。
6.Rがメチル基である1〜5のいずれか記載の環状脂肪族アクリレート類の製造方法。
7.Rがメチル基である1〜6のいずれか記載の環状脂肪族アクリレート類の製造方法。
本発明によれば、高純度かつ高収率で、環状脂肪族アクリレート類を製造する方法が提供できる。
本発明の環状脂肪族アクリレート類の製造方法では、金属リチウム、式(a)で表されるハロゲン化アルキル、式(b)で表される環状脂肪族エステル及び式(c)で表される(メタ)アクリル酸無水物から、下記反応式に示す反応により、中間体である式(a’)で表されるアルキルリチウム及び式(b’)で表されるリチウムアルコキシドを経由して、式(d)で表される環状脂肪族アクリレート類を得ることができる。
Figure 2015107923
式中、Rはメチル基,エチル基,n−プロピル基,iso−プロピル基,n−ブチル基,sec−ブチル基のいずれかを表し、Xはハロゲン原子を表し、Rは炭素数5〜15の環状脂肪族炭化水素基を表し、Rはメチル基又はエチル基を表し、Rは水素原子,メチル基,トリフルオロメチル基のいずれかを表す。
本発明の方法では、前記ハロゲン化アルキルに対し、前記金属リチウムのモル比が、1.5以上2.0以下である。
上記のモル比とすることにより、アルキルリチウムを消費する仕込み条件を選択し、大幅にオリゴマー量を低減することができる。その結果、高純度かつ高収率で、環状脂肪族アクリレート類を得ることができる。
本発明の方法における反応式では、金属リチウム、式(a)で表されるハロゲン化アルキル、式(b)で表される環状脂肪族エステル及び式(c)で表される(メタ)アクリル酸無水物を、原料として用いる。
以下、これらの成分について説明する。
金属リチウム
金属リチウムは、削り状,粒状,塊状のいずれの形状でもよい。
金属リチウムの粒径は、特に限定されないが、粒径が小さすぎると、空気中で多くの表面が失活することにより、反応が進まないおそれがある。一方、粒径が大きすぎると、表面積が少ないため反応が遅くなることが考えられる。
式(a)のハロゲン化アルキル
式(a)のハロゲン化アルキルのRとして、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられる。
環状脂肪族アクリレート類の用途が半導体用レジストの場合、酸分解性機構の観点から、式(a)のハロゲン化アルキルのRは、ハロゲンから数えてβ位に水素原子を少なくとも一つ有することが好ましい。
としては、メチル基,エチル基,n−プロピル基,iso−プロピル基,n−ブチル基,sec−ブチル基が好ましく、エチル基,iso−プロピル基,sec−ブチル基がより好ましい。
式(a)のハロゲン化アルキルのXとしては、ハロゲン原子であり、フッ素原子,塩素原子,臭素原子,ヨウ素原子が挙げられるが、反応性の観点から、塩素原子,臭素原子,ヨウ素原子が好ましい。
式(b)の環状脂肪族エステル
式(b)の環状脂肪族エステルのRとしては、炭素数5〜15の環状脂肪族炭化水素基であり、単環式でも、多環式でもよい。
としては、具体的に、シクロペンチル基,シクロヘキシル基,シクロヘプチル基,シクロオクチル基,シクロノニル基,シクロデシル基,シクロウンデシル基,シクロドデシル基,シクロトリデシル基,シクロテトラデシル基,アダマンチル基,ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基,ビシクロ[3.3.0]オクチル基,トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基,テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシル基,ペンタシクロ[6.5.1.02,6.08,13.19,12]ペンタデシル基が挙げられる。中でも、シクロヘキシル基,アダマンチル基,シクロペンチル基,シクロオクチル基,トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基が好ましく、シクロヘキシル基,1−アダマンチル基がより好ましい。
式(b)の環状脂肪族エステルのRとしては、メチル基又はエチル基であり、メチル基が好ましい。
式(b)の環状脂肪族エステルの具体例としては、シクロペンタンカルボン酸メチル,シクロヘキサンカルボン酸メチル,シクロヘプタンカルボン酸メチル,シクロオクタンカルボン酸メチル,シクロノナンカルボン酸メチル,シクロデカンカルボン酸メチル,シクロウンデカンカルボン酸メチル,シクロドデカンカルボン酸メチル,シクロトリデカンヘキサンカルボン酸メチル,シクロテトラデカンカルボン酸メチル,1−アダマンタンカルボン酸メチル,2−アダマンタンカルボン酸メチル,ビシクロ[2.2.1]ヘプタンカルボン酸メチル,ビシクロ[3.3.0]オクタンカルボン酸メチル,トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンカルボン酸メチル,テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカンカルボン酸メチル,ペンタシクロ[6.5.1.02,6.08,13.19,12]ペンタデカンカルボン酸メチル,シクロペンタンカルボン酸エチル,シクロヘキサンカルボン酸エチル,シクロヘプタンカルボン酸エチル,シクロオクタンカルボン酸エチル,シクロノナンカルボン酸エチル,シクロデカンカルボン酸エチル,シクロウンデカンカルボン酸エチル,シクロドデカンカルボン酸エチル,シクロトリデカンヘキサンカルボン酸エチル,シクロテトラデカンカルボン酸エチル,1−アダマンタンカルボン酸エチル,2−アダマンタンカルボン酸エチル,ビシクロ[2.2.1]ヘプタンカルボン酸エチル,ビシクロ[3.3.0]オクタンカルボン酸エチル,トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンカルボン酸エチル,テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカンカルボン酸エチル,ペンタシクロ[6.5.1.02,6.08,13.19,12]ペンタデカンカルボン酸エチルが挙げられる。原料入手性の観点から、シクロペンタンカルボン酸メチル,シクロヘキサンカルボン酸メチル,1−アダマンタンカルボン酸メチル,シクロペンタンカルボン酸エチル,シクロヘキサンカルボン酸エチル,1−アダマンタンカルボン酸エチルが好ましい。
式(c)の(メタ)アクリル酸無水物
式(c)の(メタ)アクリル酸無水物のRとしては、水素原子,メチル基,トリフルオロメチル基等が挙げられ、メチル基が好ましい。
式(c)の(メタ)アクリル酸無水物の具体例としては、アクリル酸無水物,メタクリル酸無水物,トリフルオロメチルアクリル酸無水物が挙げられ、目的物が半導体等の用途であることを考えると、メタクリル酸無水物が好ましい。
本発明の方法における反応式では、中間体として、式(a’)で表されるアルキルリチウム及び式(b’)で表されるリチウムアルコキシドを経由する。
式(a’)のアルキルリチウム
式(a’)のアルキルリチウムは、金属リチウムと式(a)のハロゲン化アルキルから得られる。
式(a’)のアルキルリチウムのRは、式(a)のハロゲン化アルキルに由来するため、式(a)のハロゲン化アルキルのRと同様のものが挙げられる。
式(b’)のリチウムアルコキシド
式(b’)で表されるリチウムアルコキシドは、金属リチウム、ハロゲン化アルキル及び環状脂肪族エステルから得られる。
式(b’)のリチウムアルコキシドのRは、式(a)のハロゲン化アルキルに、Rは、式(b)の環状脂肪族エステルに由来するため、それぞれ式(a)のハロゲン化アルキルのR及び式(b)の環状脂肪族エステルのRと同様のものが挙げられる。
式(d)の環状脂肪族アクリレート類
本発明の方法により、式(d)の環状脂肪族アクリレート類は得られる。
式(d)の環状脂肪族アクリレート類のR、R及びRは、それぞれ、上記と同様である。
理論上、式(a)のハロゲン化アルキル1モルと、金属リチウム2モルを反応させて、式(a’)のアルキルリチウムを1モル得ることができる。金属リチウムの消費の観点から、金属リチウムの割合を下げることが好ましい。しかしながら、金属リチウムの割合を下げすぎた場合、式(a)のハロゲン化アルキルが大きく余剰となり、理論転化率が低下し、経済性が低下するおそれがある。また、金属リチウムの割合が高すぎると、余剰の金属リチウムが後段の式(b)の環状脂肪族エステルと副反応したり、式(c)の(メタ)アクリル酸無水物の重合を促進する可能性がある。
従って、式(a)のハロゲン化アルキルに対する、金属リチウムのモル比は、1.5〜2.0が好ましく、1.6〜1.8がより好ましい。
上記モル比が2.0以下の場合、金属リチウムを完全消費させることができる。一方、上記モル比が1.5以上の場合、上記ハロゲン化アルキルが十分に消費され、経済性を向上できる。
理論上、式(b)の環状脂肪族エステル1モルと、式(a’)のアルキルリチウム2モルを反応させて、式(b’)のリチウムアルコキシドを1モル得ることができる。
式(a’)のアルキルリチウムの消費の観点から、式(b)の環状脂肪族エステルの割合を上げることが好ましい。式(a’)のアルキルリチウムが残存すると、式(c)の(メタ)アクリル酸無水物とアニオン重合してしまい、オリゴマーやポリマーが多く発生するおそれがある。
一方、環状脂肪族エステルの割合を上げすぎた場合、環状脂肪族エステルが大きく余剰となり、理論転化率が低下し、経済性が低下するおそれがある。
従って、式(b)の環状脂肪族エステルに対する、式(a’)のアルキルリチウムのモル比は、1.0〜2.2が好ましく、1.5〜2.0がより好ましい。
上記モル比が2.2以下の場合、式(a’)のアルキルリチウムを完全消費させることができる。一方、上記モル比が1.0以上の場合、式(b)の環状脂肪族エステルが十分に消費され、経済性を向上できる。
理論上は、式(b’)のリチウムアルコキシド1モルと、式(c)の(メタ)アクリル酸無水物2モルを反応させて、1モルの式(d)の環状脂肪族アクリレート類を得ることができる。
式(b’)のリチウムアルコキシドに対する、式(c)の(メタ)アクリル酸無水物のモル比は、1.8〜3.0が好ましく、2.0〜2.5がより好ましい。
式(b’)のリチウムアルコキシド生成の際に、同時に、ROLiで表されるリチウムアルコシキド(b”)が副生している。上記モル比が1.8以上の場合、リチウムアルコシキド(b”)との反応に消費される分を考慮しても、式(b’)のリチウムアルコキシドの理論転化率を高く保つことができる。一方、上記モル比が3.0以下の場合、式(c)の(メタ)アクリル酸無水物が十分に消費され、経済性を向上できる。
反応は、反応温度制御を容易にする観点等から、溶媒の存在下に実施することが好ましい。溶媒としては、金属リチウムに不活性で、かつ、各種反応試剤(式(a)〜(c)及び中間体(a’),(b’)の化合物)を溶解することができれば、特に制約はなく、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル;ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。中でも、エーテルが好ましく、THFがより好ましい。
溶媒は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
反応において、必要に応じて、重合禁止剤を添加してもよい。重合禁止剤として、ヒドロキノン、p−メトキシフェノール、フェノチアジン、メトキシフェノチアジン等が挙げられる。
重合禁止剤を添加する場合、その使用量は、式(c)の(メタ)アクリル酸無水物1質量部に対して、好ましくは10〜10,000質量ppmであり、より好ましくは50〜1,000質量ppmである。
反応温度は、好ましくは−20℃〜40℃であり、より好ましくは0℃〜20℃である。
反応温度が40℃以下である場合、反応熱を除熱し、副反応を抑制することができる。反応温度が−20℃以上である場合、反応を適切な速度で進めることができる。
反応時間は、反応液をサンプリングし、反応の進行具合を確認しながら、反応時間を決めることができる。通常、滴下時間は各種試剤の滴下に1〜5時間が好ましく、その後の撹拌反応は1〜5時間程度が好ましい。
<GC純度>
生成物の純度、反応の進行状況を、ガスクロマトグラフィー(GC)によりを測定した。GC分析には、Agillent製、型番「6850」を使用し、分析条件は以下の通りである。
キャピラリーカラム[J&W社製DB−1:コーティング剤(ジメチルポリシロキサン);膜厚:0.25μm]内径:0.25mm、長さ:30m
昇温条件 :100℃から10℃/minで250℃まで昇温
インジェクション温度:250℃
検出器 :FID
検出器温度 :250℃
キャリアガス :He
<オリゴマー含有量>
オリゴマー含有量は、ゲルパーミッションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。GPC分析には東ソー製、型番「HLC−8220 GPC」を使用し、分析条件は以下の通りである。
カラム:[東ソー製]TSGgel G−4000HXL+G−2000HX
カラム温度:40℃
溶離液:THF,1.0mL/min
サンプル濃度:10wt%/THF
打込量:100μL
実施例1(シクロヘキシルジエチルメチルメタクリレートの合成)
Figure 2015107923
反応器に、リチウム53.1g(1.00eq.),800mLのTHFを入れ、撹拌しながら氷浴で10℃以下に冷却した。
上記反応器中に、シクロヘキサンカルボン酸メチル285.0g(0.26eq.)と、ブロモエタン500.1g(0.60eq.)を800mLのTHFに溶かした溶液を、約2.5時間で滴下した。滴下終了後、15〜20℃で、さらに2時間撹拌し、GC分析でシクロヘキサンカルボン酸メチルの転化率が95%程度になっていることを確認した。
その後、さらに、メタクリル酸無水物570mL(0.50eq.)を、約1時間で滴下した。滴下終了後、15〜20℃でさらに1時間撹拌した。
反応液は、ヘプタン抽出し、飽和食塩水400mLで洗浄した。
有機層を減圧濃縮して反応粗体を得た[収量:420.49g,収率88.2%,GC:87.6%,オリゴマー含有量:1.9重量%]。
得られた反応粗体は、減圧蒸留[留出温度:92〜97℃,オイルバス温度:130℃,減圧度:0.2kPa]することにより、目的物の精製品を得た[収量:287.8g,収率:60.4%,GC純度:97.3%,オリゴマー含有量:0.0重量%]。
実施例2(1−アダマンチルジエチルメチルメタクリレートの合成)
Figure 2015107923
シクロヘキサンカルボン酸メチルの代わりに、1−アダマンタンカルボン酸メチルを388.5g(0.26eq.)使用したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例1の飽和食塩水洗浄までを行った。その後、下記の通り精製を行った。
得られた有機層を減圧濃縮して反応粗体を得た[収量:504.78g,収率86.9%,GC:92.7%,オリゴマー含有量:9.0重量%]。
上記の反応粗体は、メタノール−水系で冷却晶析することにより、目的物の精製品を得た[収量:371.76g,収率:64.0%,GC純度:99.2%,オリゴマー含有量:0.1重量%]。
実施例3(シクロヘキシルジメチルメチルメタクリレートの合成)
実施例1において、ブロモエタンの代わりに、ヨウ化メタン651.5g(0.60eq.)を使用したこと以外は、実施例1と同様に合成、精製を行い、目的物の精製品を得た[収量:251.4g,収率:62.5%,GC純度:97.8%,オリゴマー含有量:0.0重量%]。
実施例4(1−アダマンチルジメチルメチルメタクリレートの合成)
実施例2において、ブロモエタンの代わりに、ヨウ化メタン651.5g(0.60eq.)を使用したこと以外は、実施例2と同様に合成、精製を行い、目的物の精製品を得た[収量:344.8g,収率:68.7%,GC純度:99.7%,オリゴマー含有量:0.1重量%]。
比較例1(シクロヘキシルジエチルメチルメタクリレートの合成)
各試薬の仕込みを表1の通りに変更したこと以外は、実施例1と同様に、合成、精製を行った。
このとき、反応粗体を得る際に多量のオリゴマーが発生したため、抽出,洗浄操作が非常に困難となり、一旦オリゴマーを取り出して、精製処理を継続した。
表1中、*)は、抽出,洗浄過程で濾別したオリゴマー及び得られた反応粗体オリゴマーの総和であることを示す。
比較例2(1−アダマンチルジエチルメチルメタクリレートの合成)
各試薬の仕込みを表1の通りに変更したこと以外は、実施例2と同様に、合成、精製を行った。
このとき、反応粗体を得る際に多量のオリゴマーが発生したため、抽出,洗浄操作が非常に困難となり、一旦オリゴマーを取り出して、精製処理を継続した。
比較例3〜4(シクロヘキシルジエチルメチルメタクリレートの合成)
実施例1において、各試薬の仕込みを表1の通りに変更したこと以外は、実施例1と同様に、反応粗体の回収までを行った。
表1中、理論転化率は、余剰分も含めたものに対して、副反応なく、完全に反応させた場合の転化率である。
Figure 2015107923
本発明の製造方法で得られる環状脂肪族アクリレート類は、半導体製造用フォトレジスト分野,液晶ディスプレイ分野,電子材料分野等で使用できる。

Claims (7)

  1. 金属リチウム、式(a)で表されるハロゲン化アルキル、式(b)で表される環状脂肪族エステル及び式(c)で表される(メタ)アクリル酸無水物から、下記反応式に示す反応により、中間体である式(a’)で表されるアルキルリチウム及び式(b’)で表されるリチウムアルコキシドを経由して、式(d)で表される環状脂肪族アクリレート類を得る方法であって、
    前記ハロゲン化アルキルに対し、前記金属リチウムのモル比が、1.5以上2.0以下である環状脂肪族アクリレート類の製造方法。
    Figure 2015107923
    (式中、Rはメチル基,エチル基,n−プロピル基,iso−プロピル基,n−ブチル基,sec−ブチル基のいずれかを表し、Xはハロゲン原子を表し、Rは炭素数5〜15の環状脂肪族炭化水素基を表し、Rはメチル基又はエチル基を表し、Rは水素原子,メチル基,トリフルオロメチル基のいずれかを表す。)
  2. 前記式(b)の環状脂肪族エステルに対し、前記式(a’)のアルキルリチウムのモル比が、1.0以上2.2以下である請求項1記載の環状脂肪族アクリレート類の製造方法。
  3. 前記式(b’)のリチウムアルコキシドに対し、前記式(c)の(メタ)アクリル酸無水物のモル比が、1.8以上3.0以下である請求項1記載の環状脂肪族アクリレート類の製造方法。
  4. が、エチル基、iso−プロピル基又はsec−ブチル基である請求項1〜3のいずれか記載の環状脂肪族アクリレート類の製造方法。
  5. が、アダマンチル基又はシクロヘキシル基である請求項1〜4のいずれか記載の環状脂肪族アクリレート類の製造方法。
  6. がメチル基である請求項1〜5のいずれか記載の環状脂肪族アクリレート類の製造方法。
  7. がメチル基である請求項1〜6のいずれか記載の環状脂肪族アクリレート類の製造方法。
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