JP2003020396A - 着色ポリカーボネート系難燃樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

着色ポリカーボネート系難燃樹脂組成物及びその製造方法

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JP2003020396A
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    • B29C48/00Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
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    • B29C48/36Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it through the nozzle or die
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    • B29C48/40Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it through the nozzle or die using screws surrounded by a cooperating barrel, e.g. single screw extruders using two or more parallel screws or at least two parallel non-intermeshing screws, e.g. twin screw extruders

Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄肉成形体での難燃性、溶融流動性、耐衝撃
性、低金型汚染性、耐湿熱性、及び耐熱老化性に優れた
着色ポリカーボネート系難燃樹脂組成物およびその製法
を提供する。 【解決手段】 芳香族ポリカーボネート樹脂(A)50
〜95重量部、ゴム変性スチレン系樹脂(B)50〜5
重量部、成分(A)と成分(B)の合計100重量部に
対して、少なくとも1種の有機リン化合物オリゴマー
(C)5〜30重量部、フルオロポリマー(D)0.0
5〜1重量部、耐熱安定剤(E)0.01〜0.5重量
部、及び着色剤(F)0.0001〜10重量部を含む
着色ポリカーボネート系難燃樹脂組成物であって、滑剤
(G)の総量が3,000重量ppm以下であることを
特徴とする着色ポリカーボネート系難燃樹脂組成物、及
びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄肉成形体での難
燃性、溶融流動性、耐衝撃性、低金型汚染性、耐湿熱
性、及び耐熱老化性に優れた、着色されたポリカーボネ
ート系難燃樹脂組成物とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂(PC)にアクリ
ロニトリル・ブタジエン・スチレン系樹脂(ABS)と
有機リン化合物系難燃剤をブレンドした組成物(以下、
「PC/ABS/リン系難燃剤組成物」と称す。)は非
臭素・非塩素系の難燃樹脂材料であり、溶融流動性、剛
性、耐衝撃性、耐熱性、耐光変色性等の諸性質において
優れた特性を有するので、コンピューター用モニター、
ノートブック型パソコン、プリンター、ワープロ、コピ
ー機等のハウジング材料として幅広く利用されている。
【0003】近年、機器の軽量化、薄肉化のために、同
材料には薄肉成形が可能となる溶融樹脂の良流動性と、
薄肉成形体でのUL94でのV−0や5Vの難燃レベル
に該当する高度難燃性が同時に求められている。PC/
ABS/リン系難燃剤組成物では、組成物中のABS樹
脂の配合量を高めることにより溶融流動性を改善するこ
とができるが、一方で難燃性は低下する。さらに、同材
料は成形肉厚が薄くなるほど、UL94垂直燃焼試験に
おいて火炎のドリップが生じやすくなる傾向にあり、薄
肉成形体になるほど高度な難燃性を維持するのは困難と
なる。すなわち、溶融流動性の向上と難燃性の向上を同
時に達成するのは容易ではなかった。
【0004】また、最近、成形の際の金型汚染を低減す
るためにPC/ABS/リン系難燃剤組成物の難燃剤と
して揮発成分が少ないオリゴマー系のリン系難燃剤が注
目されており、中でも耐加水分解性に優れたビスフェノ
ールA−ジ−ホスフェート(BDP)型のオリゴマー系
リン化合物難燃剤は、PC/ABS/リン系難燃剤組成
物の耐湿熱性を同時に改良できるので工業的に多く使用
されるようになってきている。しかしながら、オリゴマ
ー系のリン系難燃剤の使用は低金型汚染性を改良できる
反面、トリフェニルフォスフェート(TPP)に代表さ
れるモノ系のリン化合物難燃剤を使用する場合に較べ
て、薄肉成形体の難燃性能が低下するという問題があっ
た。
【0005】さらに、PC/ABS/リン系難燃剤組成
物は、着色剤(主として染顔料)を用いて所望とするカ
ラーに着色した後に成形材料として使用されるが、着色
を行うことにより難燃性能が低下する場合があり、特に
オリゴマー系のリン系難燃剤が使用される場合において
着色後の組成物の難燃性が低下するという問題がしばし
ば発生することがあった。また、PC/ABS/リン系
難燃剤組成物は、溶融混練工程や、成形時の成形機内部
での溶融滞留、あるいは成形体が高温環境下に曝された
場合に、熱老化が進行する場合があり、これを防ぐ目的
で、各種の耐熱安定剤を組成物中に配合する場合があ
る。しかしながら、該耐熱安定剤の配合により、樹脂組
成物の難燃性能が低下する場合があり、特にオリゴマー
系のリン系難燃剤が使用される場合においての組成物の
難燃性の低下がしばしば生じることがあった。
【0006】上記の如く、PC/ABS/リン系難燃剤
組成物において、薄肉の成形体においても優れた難燃性
を有し、優れた溶融流動性、耐衝撃性、低金型汚染性、
耐湿熱性、及び耐熱老化性を同時に有する成形材料とし
ての着色ポリカーボネート系難燃樹脂組成物が強く望ま
れているにもかかわらず、満足できる性能が得られてい
ないのが現状である。PC/ABS/リン系難燃剤組成
物では、通常、様々な「滑剤」が含まれる。尚、本明細
書中で使用する「滑剤」とは、樹脂の加工滑性や、樹脂
の着色剤としての染顔料の分散性や、更には成形体の金
型からの離型性を向上させる効果を有する化合物であ
り、一般に「滑剤」、「加工助剤」、「分散剤」、「離
型剤」、「展着剤」などと称される化合物が包含され、
脂肪族炭化水素、ポリオレフィン系ワックス、高級カル
ボン酸、高級カルボン酸金属塩、脂肪酸アミド、脂肪酸
エステル、及び高級アルコール等の化合物群から選ばれ
る化合物を示す。
【0007】上記の滑剤は、組成物の樹脂原料中に既に
含まれている場合もあれば、樹脂のコンパウンディング
や着色等の加工において配合される場合もある。例え
ば、PC/ABS/リン系難燃剤組成物の原料PC樹脂
には離型剤や加工助剤としての滑剤成分が含まれている
場合があり、同様に原料ABS樹脂には乳化剤由来の脂
肪酸あるいは脂肪酸金属塩、加工助剤、及び離型剤等が
含まれている場合がある。
【0008】また、PC/ABS/リン系難燃剤組成物
は一般に他の熱可塑性樹脂と同様に射出成形により各種
成形品に成形されているが、射出成形において成形金型
からの成形品の離型性を向上させるためにPC/ABS
/リン系難燃剤組成物に離型剤を配合する場合がある。
例えば、特開平8−48844号公報には、(A)ポリ
カーボネート、(B)スチレン系樹脂、(C)レゾルシ
ンポリホスフェート化合物、(D)ポリテトラフルオロ
エチレンからなる樹脂組成物100重量部に対して、
(E)平均分子量1,000〜50,000の飽和脂肪
酸エステル系ワックス0.1〜2重量部および(F)平
均分子量1,000〜3,000のポリエチレンワック
ス0.01〜2重量部からなる難燃性樹脂組成物が、ま
た、特開2000−63649号公報には、(A)ポリ
カーボネート、(B)スチレン系樹脂、(C)ペンタエ
リスリトールと飽和脂肪族カルボン酸とのエステル化物
からなる組成物に、更にハロゲン非含有リン酸エステル
が配合された難燃性樹脂組成物が開示されている。さら
には、PC/ABS/リン系難燃剤組成物を着色剤(主
として染顔料)により着色する過程において、樹脂中の
着色剤の分散性を高める目的で着色剤分散剤が使用され
たり、あるいは樹脂ペレット表面への着色剤の展着を良
好ならしめて色調の均一性を高めるために展着剤が使用
されたりする場合がある。
【0009】このように成形材料として使用されるPC
/ABS/リン系難燃剤組成物、特に着色されたPC/
ABS/リン系難燃剤組成物では、前記の滑剤成分が一
般的に含まれている。そして、PC/ABS/リン系難
燃剤組成物中に含まれる上記の滑剤成分は、通常、その
総量として樹脂組成物中に数千〜数万重量ppmのオー
ダーで含まれるのが一般的であるが、これらの滑剤成分
は微量成分であるために、これら滑剤成分がPC/AB
S/リン系難燃剤組成物の難燃性に与える影響はこれま
で厳密に検討されていなかった。また、PC/ABSリ
ン系難燃剤組成物では溶融状態での樹脂の着色や熱老
化、さらには成形体を高温時に保持した際の熱老化を防
止する目的で、各種の耐熱安定剤が一般的に用いられ
る。しかしながら、これら耐熱安定剤が難燃性に与える
影響についてもこれまで検討されていなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、薄肉
の成形体においても優れた難燃性を有し、優れた溶融流
動性、耐衝撃性、低金型汚染性、耐湿熱性、及び耐熱老
化性が同時に優れた、着色されたポリカーボネート系難
燃樹脂組成物とそれの製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、PC/A
BS/リン系難燃剤組成物の薄肉成形体での難燃性向上
を鋭意検討した結果、樹脂組成物中に微量に含まれる滑
剤成分や耐熱安定剤成分が樹脂組成物の難燃性に大きな
影響を及ぼすことを見出した。そして、驚くべきこと
に、PC/ABS/リン系難燃剤組成物中に含まれる耐
熱安定剤の使用量を制御し、さらに同組成物中の滑剤成
分の総量を制御することにより、薄肉成形体での高度難
燃性、優れた溶融流動性、耐衝撃性、低金型汚染性、耐
湿熱性、及び耐老化性が同時に改良された着色ポリカー
ボネート系難燃樹脂組成物を得ることができることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち本発明は、[1]芳香族ポリカー
ボネート樹脂(A)50〜95重量部、ゴム変性スチレ
ン系樹脂(B)50〜5重量部、成分(A)と成分
(B)の合計100重量部に対して、少なくとも1種の
有機リン化合物オリゴマー(C)5〜30重量部、フル
オロポリマー(D)0.05〜1重量部、耐熱安定剤
(E)0.01〜0.5重量部、及び着色剤(F)0.
0001〜10重量部を含む着色ポリカーボネート系難
燃樹脂組成物であって、滑剤(G)の総量が3,000
重量ppm以下であることを特徴とする着色ポリカーボ
ネート系難燃樹脂組成物、[2]滑剤(G)が、脂肪族
炭化水素、ポリオレフィン系ワックス、高級カルボン
酸、高級カルボン酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂
肪酸エステル、及び高級アルコールから選ばれる化合物
であることを特徴とする前記[1]記載の着色ポリカー
ボネート系難燃樹脂組成物、[3]少なくとも1種の有
機リン化合物オリゴマー(C)が下記式(1)で表され
る化合物群より選ばれることを特徴とする前記[1]ま
たは[2]に記載の着色ポリカーボネート系難燃樹脂組
成物、
【0013】
【化3】
【0014】[4]芳香族ポリカーボネート樹脂(A)
50〜95重量部、ゴム変性スチレン系樹脂(B)50
〜5重量部、成分(A)と成分(B)の合計100重量
部に対して、少なくとも1種の有機リン化合物オリゴマ
ー(C)5〜30重量部、フルオロポリマー(D)0.
05〜1重量部、耐熱安定剤(E)0.01〜0.5重
量部、及び着色剤(F)0.0001〜10重量部を含
む着色ポリカーボネート系難燃樹脂組成物を溶融混練装
置により製造する方法であって、滑剤(G)の総量が
3,000重量ppm以下であることを特徴とする着色
ポリカーボネート系難燃樹脂組成物の製造方法、[5]
滑剤(G)が、脂肪族炭化水素、ポリオレフィン系ワッ
クス、高級カルボン酸、高級カルボン酸金属塩、脂肪酸
アミド、脂肪酸エステル、及び高級アルコールから選ば
れる化合物であることを特徴とする前記[4]記載の着
色ポリカーボネート系難燃樹脂組成物の製造方法、
[6]少なくとも1種の有機リン化合物オリゴマー
(C)が下記式(1)で表される化合物群より選ばれる
ことを特徴とする前記[4]または[5]に記載の着色
ポリカーボネート系難燃樹脂組成物の製造方法、
【0015】
【化4】
【0016】[7]溶融混練装置が2軸押出機である前
記[4]、[5]及び[6]記載の着色ポリカーボネー
ト系難燃樹脂組成物の製造方法、[8]前記[1]〜
[3]のいずれかに記載の着色ポリカーボネート系難燃
樹脂組成物を成形して得られる成形品、[9]成形品
が、肉厚2mm以下である部分が成形品全体の30重量
%以上であることを特徴とする前記[8]記載の成形
品、である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明について、以下具体的に説
明する。本発明の樹脂組成物の成分(A)として好まし
く用いられる芳香族ポリカーボネート樹脂(A)は、下
記式(2)で表される繰り返し単位からなる主鎖を有す
る。
【化5】 (式中、Arは、二価の芳香族残基であり、例えば、フ
ェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ピリジレンや、
下記式(3)で表されるものが挙げられる。)
【化6】 (式中、Ar1 及びAr2 は、それぞれアリーレン基で
ある。例えばフェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、
ピリジレン等の基を表し、Yは式(4)で表されるアル
キレン基または置換アルキレン基である。)
【0018】
【化7】 (式中、R1 、R2 、R3 及びR4 はそれぞれ独立に水
素原子、炭素数1〜6の低級アルキル基、炭素数5〜1
0のシクロアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、
炭素数7〜31のアラルキル基であって、場合によりハ
ロゲン原子、炭素数1〜10アルコキシ基で置換されて
いてもよく、kは3〜11の整数であり、R5 及びR6
は、各Xに付いて個々に選択され、お互いに独立に水素
原子、または炭素数1〜6の低級アルキル基、炭素数6
〜30のアリール基であって、場合によりハロゲン原
子、炭素数1〜10のアルコキシ基で置換されていても
よく、Xは炭素原子を表す。)
【0019】また、下記式(5)で示される二価の芳香
族残基を共重合体成分として含有していても良い。
【化8】 (式中、Ar1 、Ar2 は式(3)と同じ。Zは単なる
結合、または、−O−、−CO−、−S−、−SO
2 −、−CO2 −、−CON(R1 )−(R1 は式
(4)と同じ)等の二価の基である。)
【0020】これら二価の芳香族残基の例としては、具
体的には下記で表されるもの等が挙げられる。
【化9】
【0021】
【化10】 (式中、R7 及びR8 は、それぞれ独立に、水素、ハロ
ゲン、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10の
アルコキシ基、炭素数5〜10のシクロアルキル基また
は炭素数6〜30のアリール基である。m及びnは1〜
4の整数で、mが2〜4の場合には各R7 はそれぞれ同
一でも異なるものであってもよいし、nが2〜4の場合
は各R8 はそれぞれ同一でも異なるものであっても良
い。)
【0022】中でも、下記式(6)で表されるものが好
ましい一例である。
【化11】 特に、上記の式(6)で表されるものをArとする繰り
返しユニットを85モル%以上(ポリカーボネート中の
全モノマー単位を基準として)含むポリカーボネートが
特に好ましい。また、本発明に用いることができるポリ
カーボネートは、三価以上の芳香族残基を分岐点とする
分岐構造を有していても良い。
【0023】ポリマー末端の分子構造は特に限定されな
いが、フェノール基、アリールカーボネート基、アルキ
ルカーボネート基から選ばれた1種以上の末端基を結合
することができる。アリールカーボネート末端基は、下
記式(7)で表される。
【化12】 (式中、Ar3 は一価の芳香族残基であり、芳香環は置
換されていても良い。)
【0024】アリールカーボネート末端基の具体例とし
ては、例えば、下記式で表されるものが挙げられる。
【化13】
【0025】アルキルカーボネート末端基は下記式
(8)で表される。
【化14】 (式中、R9 は炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐アル
キル基を表す。)
【0026】アルキルカーボネート末端基の具体例とし
ては、例えば下記式で表されるものが挙げられる。
【化15】 これらの中で、フェノール基、フェニルカーボネート
基、p−t−ブチルフェニルカーボネート基、p−クミ
ルフェニルカーボネート基等が好ましく用いられる。
【0027】本願において、フェノール基末端と他の末
端との比率は、特に限定されないが、優れた機械的強度
や耐熱安定性を得る観点からは、フェノール基末端の比
率が全末端基数の20%以上であることが好ましく、2
0〜80%の範囲にあることが更に好ましい。フェノー
ル基末端の比率が全末端基数の80%を超えると、溶融
時の熱安定性が若干低下する傾向にある。フェノール基
末端量の測定方法は、一般にNMRを用いて測定する方
法(NMR法)や、チタンを用いて測定する方法(チタ
ン法)や、UVもしくはIRを用いて測定する方法(U
V法もしくはIR法)で求めることができる。
【0028】本発明に用いられるポリカーボネート樹脂
(A)の重量平均分子量(Mw)は、一般に5,000
〜50,000の範囲にあることが好ましく、より好ま
しくは10,000〜40,000であり、さらに好ま
しくは15,000〜30,000であり、特に好まし
くは18,000〜25,000である。重量平均分子
量が5,000未満では耐衝撃性が不十分になる傾向が
あり、また、50,000を越えると、溶融流動性が不
十分になる傾向がある。本発明において、ポリカーボネ
ートの重量平均分子量(Mw)の測定は、ゲル・パーミ
エーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて行
い、測定条件は以下の通りである。すなわち、テトラヒ
ドロフランを溶媒とし、ポリスチレンゲルを使用し、標
準単分散ポリスチレンの構成曲線から下式による換算分
子量較正曲線を用いて求められる。 MPC=0.3591MPS 1.0388 (MPCはポリカーボネートの重量平均分子量、MPSはポ
リスチレンの重量平均分子量である。)
【0029】本発明の樹脂組成物における芳香族ポリカ
ーボネート樹脂(A)は、公知の方法で製造したものを
使用することができる。具体的には、例えば、芳香族ジ
ヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体と反応せしめる
公知の方法、例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物とカー
ボネート前駆体(例えばホスゲン)を水酸化ナトリウム
水溶液及び塩化メチレン溶媒の存在下に反応させる界面
重合法(例えばホスゲン法)、芳香族ジヒドロキシ化合
物と炭酸ジエステル(例えばジフェニルカーボネート)
などを反応させるエステル交換法(溶融法)、ホスゲン
法または溶融法で得られた結晶化カーボネートプレポリ
マーを固相重合する方法(特開平1−158033号公
報(米国特許第4,948,871号に対応))、特開
平1−271426号公報、特開平3−68627号公
報(米国特許第5,204,377号に対応)))等の
方法により製造されたものが用いられる。好ましいポリ
カーボネート樹脂としては、2価フェノール(芳香族ジ
ヒドロキシ化合物)と炭酸ジエステルとからエステル交
換法にて製造された実質的に塩素原子を含まないポリカ
ーボネート樹脂が挙げられる。
【0030】本発明では異なる構造や分子量の2種以上
の異なるポリカーボネートを組み合わせて成分(A)と
して使用することも可能である。本発明の組成物におけ
る成分(A)の量は、成分(A)と成分(B)の合計1
00重量部に対し、50〜95重量部、好ましくは60
〜90重量部、さらに好ましくは70〜85重量部であ
る。成分(A)が50重量部未満であると耐熱性と薄肉
成形体での難燃性が不十分になり、一方、95重量部を
超えると溶融流動性が不足する。本発明で用いられる成
分(B)は、ゴム変性スチレン系樹脂である。ここでゴ
ム変性スチレン系樹脂とは、ゴム質重合体、および1種
または2種以上のビニル化合物を成分に含むゴム変性ス
チレン系樹脂全般を表す。
【0031】ゴム変性スチレン系樹脂のゴム質重合体と
しては、ガラス転移温度が0℃以下のものであれば用い
ることができる。具体的には、ポリブタジエン、スチレ
ン・ブタジエン共重合ゴム、ブタジエン・アクリル酸ブ
チル共重合ゴム、アクリロニトリル・ブタジエン共重合
ゴム等のジエン系ゴム、ポリアクリル酸ブチル等のアク
リル系ゴム、シリコン・アクリル複合ゴム、ポリイソプ
レン、ポリクロロプレン、エチレン・プロピレンゴム、
エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合ゴム、スチレ
ン・ブタジエンブロック共重合ゴム、スチレン・イソプ
レンブロック共重合ゴム等のブロック共重合体、および
それらの水素添加物等を使用することができる。これら
の重合体の中で、好ましくは、ポリブタジエン、スチレ
ン・ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル・ブタジ
エン共重合ゴム、ポリアクリル酸ブチル等が挙げられ
る。ゴム変性スチレン系樹脂中のゴム質重合体の割合は
1〜95重量%の範囲で用いられるが、必要とする機械
的強度、剛性、成形加工性に応じて決められる。好まし
くは5〜45重量%であり、より好ましくは10〜40
重量%である。
【0032】ゴム変性スチレン系樹脂に使用されるビニ
ル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、パ
ラメチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、メチルメタ
クリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレー
ト、エチルアクリレートなどのアルキル(メタ)アクリ
レート類、アクリル酸、メタクリル酸などの(メタ)ア
クリル酸類、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル
等のシアン化ビニル単量体、無水マレイン酸等のα,β
−不飽和カルボン酸、N−フェニルマレイミド、N−メ
チルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマ
レイミド系単量体、グリシジルメタクリレート等のグリ
シジル基含有単量体等が挙げられるが、好ましくは、芳
香族ビニル化合物、アルキル(メタ)アクリレート類、
シアン化ビニル単量体、マレイミド系単量体であり、さ
らに好ましくは、スチレン、アクリロニトリル、N−フ
ェニルマレイミド、ブチルアクリレートである。これら
のビニル化合物は単独あるいは2種以上を組み合わせて
用いることができる。好ましくは、芳香族ビニル化合物
と芳香族以外のビニル化合物の組み合わせである。この
場合、芳香族ビニル化合物と芳香族以外のビニル化合物
は任意の割合で用いられるが、芳香族以外のビニル化合
物の好ましい割合は、ビニル化合物の合計量に対して、
5〜80重量%の範囲である。
【0033】ゴム変性スチレン系樹脂としては、ABS
樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹
脂)、AAS樹脂(アクリロニトリル・ブチルアクリレ
ート・スチレン樹脂)、HIPS(ハイインパクトポリ
スチレン樹脂)等を例示することができる。また、ゴム
変性スチレン系樹脂の製造方法は特に限定されず、バル
ク重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合など通常公知の
製造方法を挙げることができる。中でも、バルク重合、
あるいは溶液重合により製造されたゴム変性スチレン系
樹脂は、乳化剤を使用せずにゴム変性スチレン系樹脂を
得ることが出来るために、乳化剤に由来する脂肪酸ある
いは脂肪酸金属塩をゴム変性スチレン系樹脂中に実質的
に含まないので、成分(B)として特に好適に使用でき
る。
【0034】さらに、本発明では異なる構造や分子量の
2種以上の異なるゴム変性スチレン系樹脂を組み合わせ
て成分(B)として使用することも有効である。例え
ば、成分(B)としてABS樹脂とMBS樹脂(メチル
メタクリレート・ブタジエン・スチレン樹脂)を組み合
わせて使用することにより、優れた溶融流動性と耐衝撃
性を同時に改良することができる。このようなMBSの
具体例としては、三菱レーヨン(株)より製造されてい
る「メタブレン C−223A」および「メタブレン
C−323A」、鐘淵化学工業(株)より製造されてい
る「カネエースM−511」および「カネエース B−
564」、台湾国台湾プラスチック社より製造されてい
る「M−51]等を挙げることができる。
【0035】本発明の組成物における成分(B)の量
は、成分(A)と成分(B)の合計100重量部に対
し、50〜5重量部、好ましくは40〜10重量部、さ
らに好ましくは30〜15重量部である。成分(B)が
50重量部を超えると耐熱性と薄肉成形体での難燃性が
不十分になり、一方、5重量部未満であると溶融流動性
が不足する。本発明で用いられる成分(C)は、少なく
とも1種の有機リン化合物であり、リン原子をその構造
内に2つ以上有する化合物である有機リン化合物オリゴ
マーである。
【0036】本発明に用いられる有機リン化合物オリゴ
マーの特に好ましい例としては、下記式(1)で表され
る化合物群より選ばれるものを挙げることができる。
【化16】
【0037】上記式(1)における置換基Ra 、Rb
c 、Rd は、それぞれ独立的に炭素数6〜12のアリ
ール基を示し、その1つ以上の水素原子が置換されてい
てもいなくてもよい。その一つ以上の水素原子が置換さ
れている場合、置換基としては炭素数1〜30のアルキ
ル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン、アリ
ール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、ハロゲン
化アリール基等が挙げられ、またこれらの置換基を組み
合わせた基(例えばアリールアルコキシアルキル基等)
またはこれらの置換基を酸素原子、硫黄原子、窒素原子
等により結合して組み合わせた基(例えば、アリールス
ルホニルアリール基等)を置換基として用いてもよい。
【0038】置換基Ra 、Rb 、Rc 、Rd として特に
好ましいアリール基は、フェニル基、クレジル基、キシ
リル基、プロピルフェニル基、およびブチルフェニル基
である。上記式(1)で表される化合物における置換基
a 、Rb 、Rc 、Rd がアルキル基やシクロアルキル
基であると、一般に熱安定性が低下し、溶融混練の際に
分解が起こりやすい。有機リン化合物の例としての化合
物群を表す上記式(1)におけるXは、上記のようにジ
フェニルジメチルメタン基である。オリゴマー系リン酸
エステルとしては、Xがレゾルシノール基やヒドロキノ
ン基であるものがあるが、これらと比較して、(Xがジ
フェニルジメチルメタン基である)上記式(1)で表さ
れる化合物群から選ばれるものを有機リン化合物として
使用する場合は、有機リン化合物の耐加水分解性や熱安
定性が向上し、好ましい。
【0039】式(1)で表される有機リン化合物オリゴ
マーは、通常、式(1)において異なるnの値(nは自
然数)を有する複数の異なる有機リン化合物オリゴマー
の混合物として使用される場合が多い。この際、複数の
異なる有機リン化合物オリゴマーの重量平均縮合度
(N)が1〜1.2未満であることが好ましい。Nはゲ
ル・パーミエーション・クロマトグラフィーあるいは液
体クロマトグラフィーにより異なるnを有するそれぞれ
の成分の重量分率(An)を求め、次の式により算出さ
れる。 N=Σ(n・An)/Σ(An) ここで、Anを求めるために、検出器として、UV検出
器、あるいはRI検出器が通常使用される。ただし、n
の計算において、上記式(1)におけるnが0である構
造のものが、併用あるいは含まれる場合(すなわち1分
子中のリン原子が1つのみである有機リン化合物を用い
るか、あるいは含まれる場合)は、nが0の化合物はN
の計算から除外する。重量平均縮合度Nは、通常1以上
5以下であり、1以上2以下が好ましく、1以上1.5
以下が更に好ましく、1以上1.2未満が特に好まし
い。Nが小さいほど樹脂との相溶性に優れ、溶融流動性
に優れ、かつ難燃性が高い。特に、N=1の化合物は樹
脂組成物における難燃性と溶融流動性のバランスが特に
優れる。有機リン化合物としての式(1)の化合物のN
が5以上である場合は、該化合物の粘度が大きくなり、
特に高せん断速度領域での溶融流動性が低下する傾向に
あり、また、難燃性が低下する傾向がある。
【0040】さらに、本発明で用いられる有機リン化合
物は、その酸価が0.1mgKOH/g以下であること
が好ましく、より好ましくは0.08mgKOH/g以
下であり、さらに好ましくは0.05mgKOH/g以
下であり、特に好ましくは0.01mgKOH/g以下
である。酸価が低い有機リン化合物を使用することによ
り、耐湿熱性により優れたポリカーボネート系難燃樹脂
組成物を得ることができる。
【0041】また、上記一般式(1)で表される有機リ
ン化合物は、米国特許第2,520,090号公報、特
公昭62−25706号公報、特開昭63−22763
2号公報等に記載されている方法により、塩化マグネシ
ウムや塩化アルミニウムなどのルイス酸触媒の存在下に
オキシ塩化リンとビスフェノールA及び一価フェノール
類を反応させて合成し、その後、粗有機リン化合物を洗
浄精製、乾燥することにより製品とすることができる
が、本発明に使用される有機リン化合物では、有機リン
化合物中に含まれる主に触媒由来のマグネシウム、アル
ミニウムや、洗浄精製にアルカリ、アルカリ土類などの
金属イオンを含む水溶液を用いる場合において導入され
る可能性があるナトリウム、カリウム、カルシウム等の
金属分の総量が、好ましくは30ppm以下、より好ま
しくは20ppm以下、更に好ましくは10ppm以
下、特に好ましくは5ppm以下、であることが耐湿熱
性により優れたポリカーボネート系難燃樹脂組成物を得
る上で望ましい。さらに、有機リン化合物中に含まれる
塩素分は、好ましくは20ppm以下、より好ましくは
10ppm以下、更に好ましくは5ppm以下、特に好
ましくは1ppm以下、であることが耐湿熱性により優
れたポリカーボネート系難燃樹脂組成物を得る上で望ま
しい。
【0042】本発明の組成物における成分(C)の量
は、成分(A)と成分(B)の合計100重量部に対
し、5〜30重量部、好ましくは8〜20重量部、さら
に好ましくは10〜17重量部である。成分(C)が5
重量部未満では薄肉成形体での難燃性が不十分になり、
一方、30重量部を超えると樹脂組成物の耐衝撃性が不
足する。本発明で用いられる成分(D)はフルオロポリ
マーであり、燃焼物の滴下を防止する目的で使用され
る。本発明では、フィブリル形成能力を有するフルオロ
ポリマーを使用する事ができ、ファインパウダー状のフ
ルオロポリマー、フルオロポリマーの水性ディスパージ
ョン、ASやPMMA等の第2の樹脂との粉体状混合物
等、様々な形態のフルオロポリマーを使用することがで
きる。
【0043】本発明では成分(D)としてフルオロポリ
マーの水性ディスパージョンを好適に使用する事がで
き、該フルオロポリマーの水性ディスパージョンとは、
ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン
・プロピレン共重合体等のテトラフルオロエチレンポリ
マー、ポリテトラフルオロエチレン以外のパーフルオロ
アルカンポリマー、好ましくはテトラフルオロエチレン
ポリマー、特に好ましくはポリテトラフルオロエチレン
が、例えば、「ふっ素樹脂ハンドブック」(日刊工業新
聞社 1990年刊)に記載のように、懸濁重合または
乳化重合で製造され、さらに、水性ディスパージョンの
形態として使用されるものを示す。すなわち、懸濁重合
または乳化重合によって得られるフルオロポリマー微粒
子の分散液を40〜70wt%の濃度に濃縮した後、界
面活性剤により安定化した乳白色状の水性ディスパージ
ョンを示す。フルオロポリマーの水性ディスパージョン
におけるフルオロポリマーの濃度は分散状態が安定する
濃度であれば水で希釈することも可能であるが、5〜7
0wt%が好ましく、更に好ましくは20〜65wt
%、特に好ましくは30〜60wt%である。
【0044】また、水性ディスパージョン中のフルオロ
ポリマーの平均一次粒子径は0.01〜0.60μmが
好ましく、更に好ましくは0.10〜0.40μmであ
り、特に好ましくは0.18〜0.30μmである。ま
た、該フルオロポリマーの水性ディスパージョンを安定
化させる界面活性剤としては、エトキシ化アルキルフェ
ノール、エトキシ化高級アルコール等のノニオン系の界
面活性剤が好ましく使用され、通常、その配合量は1〜
15wt%であり、好ましくは2〜10wt%、更に好
ましくは3〜7wt%である。さらに、該フルオロポリ
マーの水性ディスパージョンはそのpH値が通常9〜1
0に調整されているものが好ましく使用される。また、
フルオロポリマーの濃度が60wt%である場合、該水
性ディスパージョンの液比重は約1.5であり、粘度
(25℃)は15〜30cpの範囲にある。本発明にお
いて好ましく使用できるフルオロポリマーの水性ディス
パージョンとして、三井デュポンフロロケミカル(株)
製「テフロン30J」、ダイキン工業(株)製「ポリフ
ロンD−1」、「ポリフロンD−2」、「ポリフロンD
−2C」、「ポリフロンD−2CE」を例示することが
できる。
【0045】さらに本発明では成分(D)として、AS
やPMMA等の第2の樹脂との粉体状混合物としたフル
オロポリマーも好適に使用することができる。これら第
2の樹脂との粉体状混合物としたフルオロポリマーに関
する技術は、特開平9−95583号公報、特開平11
−49912号公報、特開2000−143966号公
報、特開2000−297189号公報等に開示されて
いる。本発明において好ましく使用できる、これら第2
の樹脂との粉体状混合物としたフルオロポリマーとし
て、GEスペシャリティケミカルズ社製「Blende
x 449」、三菱レーヨン(株)製「メタブレンA−
3000」を例示することができる。
【0046】本発明における成分(D)の配合量は、成
分(A)と成分(B)の合計100重量部に対して0.
05〜1重量部であり、0.1〜0.8重量部が好まし
く、より好ましくは0.15〜0.6重量部、さらに好
ましくは0.2〜0.5重量部である。フルオロポリマ
ーの配合量が0.05重量部未満の場合は、燃焼物の滴
下防止効果が不十分であり、特に薄肉成形体において高
い難燃性を維持するのが困難となる。また、フルオロポ
リマーの配合量が1重量部を超える場合は溶融流動性や
耐衝撃性が不足する。本発明で用いられる成分(E)は
耐熱安定剤であり、PC/ABS/リン系難燃剤組成物
の溶融混練工程や、成形時の成形機内部での溶融滞留、
あるいは成形体が高温環境下に曝された場合の、主とし
て空気中の酸素による熱老化の進行を防ぐ目的で使用さ
れる。本発明で好ましく用いられる成分(E)として
は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ホスファイト
系熱安定剤、及び硫黄系熱安定剤を挙げることができ
る。
【0047】前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤と
は、分子内に一つ以上のヒンダードフェノール構造を有
する化合物からなる酸化防止剤であり、例えば、ペンタ
エリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チ
オジエチレン−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタ
デシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサン−
1,6−ジイル−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド]、ベン
ゼンプロパン酸,3,5−ビス−(1,1−ジメチルエ
チル)−4−ヒドロキシ,炭素数7〜9側鎖アルキルエ
ステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデ
シル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス−(1,
1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチ
ル]フォスフォネート、3,3’,3”,5,5’,
5”,−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”,−(メ
シチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾー
ル、カルシウムエチレン−ビス−[[[3,5−ビス−
(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニ
ル]メチル]ホスホネート]、4,6−ビス−(オクチ
ルチオメチル)−o−クレゾール、エチレン−ビス−
(オキシエチレン)−ビス−[3−(5−t−ブチル−
4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキ
サメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−ト
リス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3
H,5H)−トリオン、2,6−ジ−t−ブチル−4−
(4,6−ビス−(オクチルチオ)−1,3,5−トリ
アジン−2−イルアミノ)フェノール、2,6−ジ−t
−ブチル−4−メチルフェノール、スチレネーテッドフ
ェノール、2,2’−メチレンビストレン−ビス−(4
−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−t−ブチ
ル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒ
ドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレー
ト、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−
t−ブチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス−(3
−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,3,5−
トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジ
メチルベンジル)イソシアヌレート、3,9−ビス−
[2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)プロピオニロキシ]−1,1−ジメチ
ルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5,5’]ウンデカン、等を挙げることができ、本発
明では、これらの中で分子量が500以上のものが、耐
熱老化性や成形体へのブリードアウトが少ないため好ま
しく使用することができ、オクタデシル−3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネートが特に好ましい。
【0048】前記、ホスファイト系熱安定剤とは、分子
内に1つ以上の3価のホスファイト構造を有する化合物
からなる酸化防止剤であって、例えば、トリス(2,4
−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス−
[2,4−ビス−(1,1−ジメチルエチル)−6−メ
チルフェニル]エチルエステル亜リン酸、テトラキス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェ
ニル]−4,4’−ジイル−ビス−ホスフォナイト、ビ
ス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリス
リトールジホスファイトを挙げることができ、本発明で
は、特に、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)
ホスファイト、ビス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイトが好ましい。
【0049】さらに前記硫黄系熱安定剤とは、分子内に
1つ以上の硫黄原子を有する化合物からなる酸化防止剤
であって、例えば、炭素数12〜18のジアルキル−
3,3’−チオジプロピネート、テトラキス[メチレン
−3−(アルキルチオ)プロピオネート]メタン、ビス
[2−メチル−4−(3−アルキル−チオプロピオニル
オキシ)−5−ターシャリーブチルフェニル]スルフィ
ドを挙げることが出来る。本発明では、成分(E)は単
一成分として使用しても良いし、複数の成分(E)を組
み合わせて使用することもできる。
【0050】本発明における成分(E)の使用量は、成
分(A)と成分(B)の合計100重量部に対して、成
分(E)の総量として、0.01〜0.5重量部の範囲
であり、好ましくは0.05〜0.4重量部、更に好ま
しくは0.1〜0.3重量部である。成分(E)が0.
01重量部未満であると組成物の耐熱老化性が不十分で
あり、着色や機械的物性の低下が生じやすくなる。一
方、成分(E)の使用量が0.5重量部を超えると、組
成物の難燃性、特に薄肉成形体での難燃性が低下する。
本発明では特に、成分(E)として炭素数が8以上の長
鎖アルキル基構造を分子内に有する化合物を使用する場
合において、成分(E)の使用量の増加に伴い、組成物
の難燃性が低下する傾向が大きい。成分(E)が炭素数
8以上の長鎖アルキル基構造を有する場合は、成分
(E)の使用量を便宜減ずるのが、高い難燃性を維持す
る上で好ましい。
【0051】本発明にかかわる着色ポリカーボネート系
難燃樹脂組成物中の成分(E)の含有量は、組成物中か
ら良溶媒/貧溶媒の組み合わせにより、成分(E)を分
離あるいは抽出して、プロトンNMR法、ガスクロマト
グラフィー/マススペクトル法(GC/MS法)、液体
クロマトグラフィー/マススペクトル法(LC/MS
法)等の分析手法を組み合わせて定量することができ
る。本発明で用いられる成分(F)は着色剤である。該
着色剤とは、樹脂の着色に使用される顔料や染料であ
り、例えば、チタンホワイト(酸化チタン)、チタンイ
エロー、ベンガラ、群青、スピネルグリーン等の無機顔
料、縮合アゾ系有機顔料、キナクリドン系有機顔料、イ
ソインドリノン系有機顔料、ペリレン系有機顔料、アン
スラキノン系有機顔料、フタロシアニン系有機顔料等の
有機顔料、カーボンブラック、ペリレン系染料、ペリノ
ン系染料、アンスラキノン系染料、複素環系染料などの
染料をあげることができる。
【0052】着色剤の中で酸化チタンは製造方法および
結晶構造によって限定されるものではないが、塩素法に
より製造され、ルチル形の結晶構造をとる酸化チタンが
好ましい。また、使用される酸化チタンの平均粒子径と
しては、特に限定されるものではないが、0.01〜
0.5μmのものが好ましく、0.1〜0. 3μmのも
のが特に好ましい。また、本発明の目的を損なわない範
囲で、通常酸化チタンの表面処理剤として使用される処
理剤であらかじめ処理されていても構わない。かかる処
理剤としては、例えばアルミナおよびシリカが挙げら
れ、各々単独で使用しても、併用して使用しても構わな
い。また、表面処理剤として、有機分散剤や安定剤等が
含まれ、該有機分散剤や安定剤が本発明の成分(G)に
該当する場合があるが、これらは本発明の範囲内で使用
することが可能である。
【0053】本発明における成分(F)は、通常は所望
とする発色を行うために成分(F)が複数組み合わせて
使用される場合が多いが、その配合量は成分(F)の総
量として成分(A)と成分(B)の合計100重量部に
対して0.0001〜10重量部である。0.0001
重量部未満であると製品色調を一定に保つのが困難とな
り、一方、10重量部を超えると樹脂組成物の機械的物
性が低下したり、難燃性が低下したりすることがある。
成分(F)の配合量は所望とする色調やベース樹脂の色
調によって変化するが、使用量はその総量として、通常
0.1〜3重量部の範囲が好ましい。
【0054】本発明における滑剤(G)とは、脂肪族炭
化水素、ポリオレフィン系ワックス、高級カルボン酸、
高級カルボン酸金属塩、脂肪酸アミド、脂肪酸エステ
ル、及び高級アルコール等の化合物群から選ばれる化合
物を指す。これらの滑剤(G)は、樹脂原料中に既に含
まれているものもあるが、樹脂組成物を製造するときの
加工助剤として、あるいは樹脂組成物の着色を行う際の
着色剤の分散剤や展着剤として、更には成形時において
成形体の金型離型を向上させるための離型剤として、樹
脂組成物に配合されるものもある。前記成分(G)のう
ち、脂肪族炭化水素とは、炭素数5〜100の脂肪族炭
化水素化合物であり、リグロイン、パラフィン油、鉱
油、流動パラフィン等を例示することができる。
【0055】また、ポリオレフィン系ワックスとは、オ
レフィンを基本構造単位とする重量平均分子量が500
〜10,000である低分子量ポリオレフィンであり、
パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロ
ピレンワックス、エチレン・酢酸ビニル共重合体ワック
ス、ポリオレフィンアイオノマー系ワックス等を例示す
ることができる。また、高級カルボン酸とは、炭素数が
5〜50の飽和または不飽和結合を有する脂肪酸であ
り、例えば、ステアリン酸、吉草酸、カプロン酸、カプ
リン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ア
ラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メ
リシン酸、テトラトリアコンタン酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、アゼライン酸、ナフテン酸、ロジン酸、オレイ
ン酸、リノール酸、リノレン酸等を挙げることができ
る。
【0056】また、高級カルボン酸金属塩とは、前記高
級カルボン酸の金属塩であり、例えば、ステアリン酸ア
ルカリ金属塩、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸鉛等を
挙げることができる。また、脂肪酸アミドとは、分子内
に1つ以上の酸アミド結合を有する炭素数12〜150
の化合物であり、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミ
ド、エルカ酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミ
ド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオ
レイン酸アミド等を例示することができる。
【0057】また、脂肪酸エステルとは、分子内に1つ
以上のエステル結合を有する炭素数10〜200の化合
物であり、例えば、ステアリン酸ブチル等の高級カルボ
ン酸と一価アルコールのエステル、エチレングリコール
モノステアレート、グリセリンモノステアレート、トリ
メチロールプロパンモノステアレート、ペンタエリスリ
トールモノステアレート、ペンタエリスリトールモノラ
ウレート、ペンタエリスリトールジステアレート、グリ
セリンジラウレート、グリセリントリステアレート、ト
リメチロールプロパンジステアレート、グリセリンジス
テアレート、グリセリントリベヘネート、ペンタエリス
リトールトリステアレート、トリメチロールプロパント
リカプレート、トリメチロールプロパンジオレート、ペ
ンタエリスリトールテトラステアレート等の高級カルボ
ン酸と多価アルコールとのエステル等を挙げることがで
きる。また、高級アルコールとは、分子内に1以上の水
酸基を有する炭素数5〜50の化合物であり、例えばス
テアリルアルコールを挙げることができる。
【0058】本発明では、着色ポリカーボネート系難燃
樹脂組成物中に含まれる滑剤(G)の総量、すなわち、
本発明の着色ポリカーボネート系難燃樹脂組成物中に含
まれる前記滑剤成分の総量が、3,000重量ppm以
下であり、好ましくは0.01〜2,000重量ppm
であり、更に好ましくは0.1〜1,500重量pp
m、特に好ましくは1〜1,000重量ppmとするこ
とにより、薄肉の成形体の場合においても高度な難燃性
を達成することができる。本発明にかかわる着色ポリカ
ーボネート系難燃樹脂組成物中の成分(G)の含有量
は、組成物中からこれらを良溶媒/貧溶媒の組み合わせ
により分離あるいは抽出して、プロトンNMR法、GC
/MS法、LC/MS法等の分析手法を組み合わせて定
量することができる。
【0059】また、本発明の着色ポリカーボネート系難
燃樹脂組成物では、必要に応じて樹脂組成物の改質を行
う目的で、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビー
ズ、炭酸カルシウム、タルク、雲母、などの無機フィラ
ーや炭素繊維、木炭等の強化材、あるいはその他の熱可
塑性樹脂を添加することもできる。さらに、本発明の着
色ポリカーボネート系難燃樹脂組成物では、本発明の趣
旨を損なわない範囲内で必要に応じて紫外線吸収剤、エ
ポキシ化合物、帯電防止剤等を添加することができる。
【0060】次に、本発明の着色ポリカーボネート系難
燃樹脂組成物の製造方法について説明する。本発明の樹
脂組成物は前記の各成分(A)〜(F)、必要に応じて
滑剤(G)及びその他の成分を本明細書記載の組成割合
で配合し、押出機等の溶融混練装置を用いて溶融混練す
ることにより得ることが出来るが、本発明では着色ポリ
カーボネート系難燃樹脂組成物中に含まれる滑剤(G)
の総量が3,000重量ppm以下となるように配慮し
て溶融混練を行う。このときの各構成成分の配合及び溶
融混練は一般に使用されている装置、例えば、タンブラ
ー、リボンブレンダー等の予備混合装置、単軸押出機や
二軸押出機、コニーダー等の溶融混練装置を使用するこ
とが出来る。
【0061】着色ポリカーボネート系難燃樹脂組成物を
得る方法としては、先ず成分(A)〜(E)を溶融混練
して未着色の難燃性樹脂組成物のペレットを製造し、し
かる後に成分(F)を配合してさらに溶融混練すること
により着色難燃樹脂組成物を得る方法であってもよい
し、各成分(A)〜(F)を同時に溶融混練することに
より目的とする着色難燃樹脂組成物を得る方法であって
も良い。このとき滑剤(G)は本発明に記載する量の範
囲内であれば、溶融混練のあらゆる段階で配合すること
が可能である。また、溶融混練装置への原材料の供給
は、予め各成分を混合した後に供給することも可能であ
るが、それぞれの成分を独立して溶融混練装置に供給す
ることも可能である。
【0062】溶融混練装置としては、通常は押出機、好
ましくは2軸押出機が使用されるが、成分(C)が液状
である場合は、成分(C)をギアポンプあるいはプラン
ジャーポンプ等使用して押出機に直接フィードして溶融
混練を行うことも可能であり、一般に該方法が工業的な
製造方法として好ましい。また、成分(D)としてフル
オロポリマーの水性ディスパージョンを使用する場合
は、成分(D)を予め他の原材料と混合してから押出機
にフィードすることも可能であるが、押出機に直接フィ
ードして溶融混練を行うこともできる。
【0063】溶融混練は、通常、押出機のシリンダー設
定温度を200〜300℃、好ましくは220〜270
℃とし、押出機スクリュー回転数を100〜700rp
m、好ましくは200〜500rpmの範囲で適宜選択
して行うことができるが、溶融混練に際し、過剰の発熱
を与えないように配慮する。さらに、押出機の後段部分
に開口部を設けたり、必要に応じて減圧脱揮を行うこと
も有効である。また、原料樹脂の押出機内滞留時間は通
常、10〜100秒の範囲で適宜選択されるが、本発明
の着色ポリカーボネート系難燃樹脂組成物の製造では原
料樹脂の押出機内滞留時間を短時間とするほど、耐湿熱
性に優れた樹脂組成物が得られるので好ましい。
【0064】予め成分(A)〜(E)からなる未着色の
難燃性樹脂組成物のペレットを溶融混練により製造し、
しかる後に該ペレットに成分(F)を更に混合して、単
軸または2軸の押出機により溶融混練して着色難燃樹脂
組成物を得る方法においては、成分(F)の分散性や着
色均一性を向上させるために、着色剤分散剤や着色剤展
着剤としての成分(G)を使用することも可能である
が、本発明では、これらの着色剤分散剤や着色剤展着剤
を含めた成分(G)の総量が着色難燃樹脂組成物に対し
て3,000重量ppm以下の範囲に配慮することが必
要である。この場合、溶融混練装置として2軸の押出機
を使用すると、着色剤分散剤や着色剤展着剤の使用量を
低減でき、あるいはこれらを使用せずとも着色剤を樹脂
組成物中に良好に分散できるので、好ましい。また、二
軸押出機の使用は着色樹脂組成物の着色均一性を向上で
きる上でも好ましい。単軸押出機を使用する場合は、混
練分散機能を強化したスクリュー構成を有する、例えば
3〜6段のダルメージスクリューパーツを有する、単軸
押出機を使用するのが好ましい。
【0065】本発明の着色ポリカーボネート系難燃樹脂
組成物からなる成形品を得るための成形方法は特に限定
されないが、例えば、射出成形、ガスアシスト成形、押
出成形、圧縮成形等が挙げられるが、中でも射出成形が
好ましく使用される。本発明の着色ポリカーボネート系
難燃樹脂組成物は、薄肉の成形体においても優れた難燃
性を有し、優れた溶融流動性、耐衝撃性を有するので、
薄肉部分を有する成形体を得る場合に好適であり、好ま
しくは成形品が肉厚2mm以下である部分が成形品全体
の30重量%以上である成形品、より好ましくは肉厚2
mm以下である部分が成形品全体の50重量%以上であ
る成形品、さらに好ましくは肉厚2mm以下である部分
が成形品全体の70重量%以上である成形品を得る場合
において好適に使用することが出来る。本発明の着色ポ
リカーボネート系難燃樹脂組成物を用いた成形品の例と
しては、パソコン用モニター、ノート型パソコン、コピ
ー機、プリンター等のOA機器筐体、OA機器シャー
シ、携帯電話筐体、等が挙げられる。
【0066】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を更に
詳細に説明する。実施例あるいは比較例においては、以
下の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、
(F)及び必要に応じて成分(G)を用いて着色ポリカ
ーボネート樹脂組成物を製造した。但し、比較例におい
て用いた成分(C)には、本発明における成分(C)の
要件を満足しないものもあるが、便宜上、(C)に分類
した。 1.成分(A):芳香族ポリカーボネート (PC1)ビスフェノールAとジフェニルカーボネート
から、溶融エステル交換法により製造されたビスフェノ
ールA系ポリカーボネートであり、耐熱安定剤成分
(E)及び滑剤成分(G)を全く含まないもの。 重量平均分子量(Mw)=22,500 フェノール性末端基比率(フェノール性末端基が全末端
基数に占める割合)=35モル% 滑剤成分(成分(G))含有量=0重量ppm
【0067】(PC2)市販のホスゲン法により得られ
たビスフェノールA系ポリカーボネートであり、離型剤
としての滑剤成分(G)を2,500重量ppm、か
つ、ホスファイト系熱安定剤(成分(E))としてトリ
ス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトを
400重量ppm含むもの。 重量平均分子量(Mw)=28,000 モノグリセリン系離型剤含有量(成分(G))=2,5
00重量ppm ホスファイト系熱安定剤(成分(E):トリス(2,4
−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト)=400重
量ppm (PC3)市販のホスゲン法により得られたビスフェノ
ールA系ポリカーボネートであり、離型剤としての滑剤
成分(G)を500重量ppm含むもの。 重量平均分子量(Mw)=15,000 パラフィン系離型剤含有量(成分(G))=500重量
ppm
【0068】2.成分(B):ゴム変性スチレン系樹脂 (ABS1)乳化重合法により重合し、硫酸塩析法にて
凝固させた後に、洗浄、乾燥処理を行って得たABSグ
ラフト共重合体を、重量平均分子量(Mw)が110,
000であり、アクリロニトリル単位27wt%とスチ
レン単位73wt%からなるAS樹脂(スチレン・アク
リロニトリル樹脂)で希釈混練して得た、ブタジエンゴ
ム含有量含有量が25wt%、ゴム重量平均粒径が0.
26μmの乳化重合系アクリロニトリル・ブタジエン・
スチレン樹脂であり、乳化剤残渣としての滑剤成分(成
分(G):ロジン酸)を1,200重量ppm、ヒンダ
ードフェノール系酸化防止剤(成分(E):オクタデシ
ル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート)を3,000重量ppm、お
よび、ホスファイト系熱安定剤(異なる成分(E))と
してトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフ
ァイトを500重量ppm含むもの。 ロジン酸含有量(成分(G))=1,200重量ppm ヒンダードフェノール系酸化防止剤(成分(E):オク
タデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート)=3,000重量pp
m ホスファイト系熱安定剤(異なる成分(E):トリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト)=
500重量ppm
【0069】(ABS2)溶液重合法によって得られ
た、ブタジエンゴム含有量が12重量%、スチレン単位
66重量%、アクリロニトリル単位22重量%で、ゴム
の重量平均粒径が0.7μmであり、非グラフト共重合
体成分の重量平均分子量(Mw)が110,000であ
る溶液重合系アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン
樹脂であり、滑剤成分(G)を全く含ず、かつ、ヒンダ
ードフェノール系酸化防止剤(成分(E))としてオク
タデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネートを1,000重量pp
m、また、ホスファイト系熱安定剤(異なる成分
(E))としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ホスファイトを500重量ppm含むもの。 滑剤成分(成分(G))含有量=0重量ppm ヒンダードフェノール系酸化防止剤(成分(E):オク
タデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート=1,000重量ppm ホスファイト系熱安定剤(異なる成分(E):トリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト=5
00重量ppm
【0070】(ABS3)乳化重合法により重合し、硫
酸塩析法にて凝固させた後に洗浄、乾燥処理を行って得
た、ブタジエンゴム含有量含有量が55wt%、ゴム重
量平均粒径が0.31μm、アクリロニトリル単位25
wt%とスチレン単位75wt%の共重合成分45wt
%からなるパウダー状のアクリロニトリル・ブタジエン
・スチレン樹脂であり、乳化剤残渣としての滑剤成分
(ロジン酸)を2,000重量ppm含むもの。 ロジン酸含有量(成分(G))=2,000重量ppm
【0071】(AS)アクリロニトリル単位25wt
%、スチレン単位75wt%からなる重量平均分子量
(Mw)が110,000のAS樹脂(スチレン・アク
リロニトリル樹脂)であり、滑剤成分及び耐熱安定剤成
分を全く含まないもの。 重量平均分子量(Mw)=110,000 滑剤成分(成分(G))含有量=0重量ppm
【0072】3.成分(C):有機リン化合物オリゴマ
ー (ホスフェート1)前記式(1)で表される有機リン化
合物オリゴマーであって、置換基Ra 、R b 、Rc 、R
d が全てフェニル基であり、重量平均縮合度(N)が
1.15であり、マグネシウム含有量が3.5ppmで
あり、塩素含有量が1ppm以下であり、酸価が0.0
08mgKOH/gであるもの。 (ホスフェート2)大八化学(株)社製 レゾルシノー
ル−ジ−ホスフェート(CR733S)重量平均縮合度
(N)が1.43であり、マグネシウム含有量が7.2
ppmであり、塩素含有量が1ppm以下であり、酸価
が0.02mg/KOHであるもの。 (ホスフェート3)大八化学(株)社製 トリフェニル
ホスフェート(TPP)モノリン酸エステル化合物
【0073】4.成分(D):フルオロポリマー (PTFE)GEスペシャリティケミカルズ社製 ポリ
テトラフルオロエチレンとアクリロニトリル・スチレン
共重合体の混合粉末(商品名、Blendex449) PTFE含有量=50wt% 5.成分(E):耐熱安定剤 (I−1076:ヒンダードフェノール系酸化防止剤)
チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製(商品名、IR
GANOX1076)オクタデシル−3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト (P−168:ホスファイト系熱安定剤)チバ・スペシ
ャリティ・ケミカルズ社製(商品名、IRGAFOS1
68)トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホス
ファイト
【0074】6.成分(F):着色剤(ホワイト) デュポン社製酸化チタン(商品名 Ti−Ture R
103−08) (ブラック)東海カーボン(株)製カーボンブラック
(商品名 カーボンブラック 7550F) (イエロー)シェファード社製チタンイエロー(商品名
Yellow 29) 7.成分(G):滑剤 (離型剤)花王(株)製ステアリン酸モノグリセライド
系離型剤(商品名 エキセル T−95)(分散剤)花
王(株)製エチレンビスステアリルアマイド(商品名
花王ワックス EB−P) (展着剤)エッソ石油(株)製パラフィンオイル(商品
名 クリストール J−352)
【0075】
【実施例1〜5】成分(A)、(B)、(C)、
(D)、(E)、(F)及び成分(G)を表1に示す量
(単位は重量部)で二軸押出機を用いて溶融混練して着
色ポリカーボネート系難燃樹脂組成物を得た。但し、成
分(D)の部数はフルオロポリマーとしての部数を示
す。溶融混練装置は2軸押出機(ZSK−25、L/D
=37、Werner&Pfleiderer社製)を使用して、シリン
ダー設定温度250℃、スクリュー回転数250rp
m、混練樹脂の吐出速度10〜23kg/Hr、押出機
内部の原料樹脂の滞留時間が30〜100秒となる条件
で溶融混練を行った。溶融混練中に、押出機ダイ部で熱
電対により測定した溶融樹脂の温度は260〜270℃
であった。
【0076】2軸押出機への原材料の投入は、成分
(A)、(B)、(D)、(E)、(F)及び成分
(G)については予め予備ブレンドしたものを重量フィ
ーダーにより投入し、有機リン化合物オリゴマー(C)
は、予め80℃に予備加熱してギアポンプにより押出機
の途中からインジェクションノズルを通じて圧入するこ
とにより配合した。また、押出機の後段部分では15m
mHg−G(ゲージ圧)の減圧脱揮を行った。得られた
ペレットを乾燥し、射出成形機(オートショット50
D、ファナック社製)で成形し、以下の各試験を実施し
た。
【0077】(1)難燃性試験 得られたペレットを乾燥し、シリンダー温度260℃、
金型温度60℃に設定した射出成形機で成形し、燃焼試
験用の短冊形状成形体(厚さ2.0mm、1.5mm及
び1.4mm)を作成し、UL94規格20MM垂直燃
焼試験を行いV−0、V−1またはV−2に分類した。
尚、表中の記号NCは分類不能(non-classification)
を意味する。(難燃性の程度:V−0>V−1>V−2
>NC) (2)MFR ASTM−D1238に準じて、220℃、10kg荷
重条件で測定した。(単位:g/10min) (3)アイゾット(Izod)衝撃試験 得られたペレットを乾燥し、シリンダー温度240℃、
金型温度60℃に設定した射出成形機で1/8インチ厚
短冊片を成形しASTM−D256に準じて、アイゾッ
ト衝撃強度を1/8インチ厚、ノッチ付きで測定した。
測定温度は23℃である。(単位:kgf・cm/c
m)
【0078】(4)金型汚染性評価 シリンダー温度260℃、金型温度40℃に設定した射
出成型機(NIIGATA CN75、新潟鐵工所製)
を用いて、射出圧力905kgf/cm2 、射出時間3
秒、冷却時間1.2秒、型開閉時間2.1秒、休止時間
2秒、成形サイクル8.3秒の条件で、試験片重量4g
の成形体を連続成形し、100、500、1,000、
及び2,000ショット後の金型表面状態を目視観察し
た。 ◎:2,000ショットでMDの発生が見られない。 ○:101〜2,000ショットでMDの発生が見られ
る。 ×:100ショット以下でMDの発生が見られる。 ここでMDは金型面に付着した固形状及び液状の堆積物
の両方を含むものとする。
【0079】(5)耐湿熱性 得られたペレットを乾燥し、シリンダー温度240℃
で、金型温度60℃に設定した射出成形機で1/8イン
チ厚短冊片を成形した。成形した短冊片を60℃、85
RH%(相対湿度)環境下に168Hr保持した後に取
り出し、ASTM−D256に準じて、アイゾット衝撃
強度をノッチ付きで測定した。アイゾット衝撃強度の測
定温度は23℃である。(単位:kgf・cm/cm) (6)耐熱老化性 射出成形機(オートショット50D、ファナック社製)
のシリンダー温度を240℃とし、成形機内で溶融樹脂
を10分間滞留させた後に成形を行った1/8インチ厚
短冊片について、D256に準じてアイゾット衝撃強度
をノッチ付きで測定した。ここで形成用金型の温度は6
0℃とした。該方法により測定したアイゾット衝撃強度
を滞留アイゾット強度(単位:kgf・cm/cm)と
し、耐熱老化性の尺度とする。結果を表1に示す。
【0080】
【表1】 表1中に示す組成物中の耐熱安定剤(成分(E))の総
量、ならびに滑剤成分(成分(G))の総量は、計算値
であり、原料樹脂である成分(A)や成分(B)に含ま
れる成分(E)や成分(G)も含めて計算により求めた
値である。
【0081】実施例1〜5は本発明の組成物の結果であ
るが、薄肉難燃性、溶融流動性、耐衝撃性、低金型汚染
性、耐湿熱性、及び耐熱老化性に優れることがわかる。
【比較例1〜10】成分(A)、(B)、(C)、
(D)、(E)、(F)及び成分(G)を表2及び表3
に示す量(単位は重量部)で実施例1〜5と同様に二軸
押出機を用いて溶融混練して着色ポリカーボネート系難
燃樹脂組成物を得た。得られたペレットを乾燥し、実施
例1〜5と同様の評価を行った。結果を表2及び表3に
示す。
【0082】
【表2】
【0083】
【表3】 表2及び表3に示す組成物中の成分(E)の総量、なら
びに成分(G)の総量は、表1と同様に求めた計算値で
ある。
【0084】比較例1は成分(B)を欠く場合であり、
流動性と耐衝撃性が劣る。比較例2は成分(B)の部数
が本発明の範囲上限を超える場合であり、難燃性が劣
る。比較例3は成分(C)の部数が本発明の範囲下限以
下の場合であり、難燃性が劣る。比較例4は成分(C)
の部数が本発明の範囲上限を超える場合であり、難燃性
及び耐衝撃性が劣る。比較例5は成分(D)を欠く場合
であり、難燃性が劣る。
【0085】比較例6は成分(D)の部数が本発明の範
囲上限を超える場合であり、難燃性、流動性及び耐衝撃
性が劣る。比較例7は成分(E)を欠く場合の結果であ
り、耐老化性が劣る。比較例8は成分(E)の部数が本
発明の範囲上限を超える場合であり、難燃性が劣る。比
較例9は成分(G)の総量が本発明の範囲上限を超える
場合の結果であり、難燃性が劣る。比較例10は有機リ
ン化合物オリゴマーの代わりにモノ系のリン化合物難燃
剤であるTPPを使用した結果であるが、金型汚染が顕
著である。
【0086】
【発明の効果】本発明の着色ポリカーボネート系難燃樹
脂組成物は、薄肉成形体での難燃性、溶融流動性、耐衝
撃性、低金型汚染性、耐湿熱性及び耐熱老化性が同時に
優れた着色ポリカーボネート系難燃樹脂組成物であるの
で、コンピューター用モニター、ノートブック型パソコ
ン、プリンタ、ワープロ、コピー機、携帯電話機等の筐
体用材料として有用であり、特に薄肉部分を有する成形
体を得る場合において極めて有用な材料である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/00 C08K 5/00 5/49 5/49 //(C08L 69/00 C08L 25:10 25:10 27:12 27:12) B29K 25:00 B29K 25:00 69:00 69:00 Fターム(参考) 4F071 AA06 AA12X AA22X AA34X AA50 AC02 AC05 AC09 AC10 AC12 AC15 AE05 AE07 AE09 AE11 BC07 BC12 4F201 AA13J AA16 AA28 AB05 AB06 AB07 AB12 AB19 AB20 AB22 BA01 BC12 BC37 BD02 BD04 BD05 BD10 BK01 BK02 BK12 BK13 BK15 BK25 BK27 4J002 AE034 BC052 BD123 BN152 CG001 EA019 EF059 EG059 EH039 EH049 EJ017 EJ027 EJ037 EP019 EU187 EU197 EV037 EW046 EW127 FD067 FD098 FD179

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリカーボネート樹脂(A)50
    〜95重量部、ゴム変性スチレン系樹脂(B)50〜5
    重量部、成分(A)と成分(B)の合計100重量部に
    対して、少なくとも1種の有機リン化合物オリゴマー
    (C)5〜30重量部、フルオロポリマー(D)0.0
    5〜1重量部、耐熱安定剤(E)0.01〜0.5重量
    部、及び着色剤(F)0.0001〜10重量部を含む
    着色ポリカーボネート系難燃樹脂組成物であって、滑剤
    (G)の総量が3,000重量ppm以下であることを
    特徴とする着色ポリカーボネート系難燃樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 滑剤(G)が、脂肪族炭化水素、ポリオ
    レフィン系ワックス、高級カルボン酸、高級カルボン酸
    金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、及び
    高級アルコールから選ばれる化合物であることを特徴と
    する請求項1記載の着色ポリカーボネート系難燃樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 少なくとも1種の有機リン化合物オリゴ
    マー(C)が各々下記式(1)で表される化合物群より
    選ばれることを特徴とする請求項1または2に記載の着
    色ポリカーボネート系難燃樹脂組成物。 【化1】
  4. 【請求項4】 芳香族ポリカーボネート樹脂(A)50
    〜95重量部、ゴム変性スチレン系樹脂(B)50〜5
    重量部、成分(A)と成分(B)の合計100重量部に
    対して、少なくとも1種の有機リン化合物オリゴマー
    (C)5〜30重量部、フルオロポリマー(D)0.0
    5〜1重量部、耐熱安定剤(E)0.01〜0.5重量
    部、及び着色剤(F)0.0001〜10重量部を含む
    着色ポリカーボネート系難燃樹脂組成物を溶融混練装置
    により製造する方法であって、滑剤(G)の総量が3,
    000重量ppm以下であることを特徴とする着色ポリ
    カーボネート系難燃樹脂組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 滑剤(G)が、脂肪族炭化水素、ポリオ
    レフィン系ワックス、高級カルボン酸、高級カルボン酸
    金属塩、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、及び高級アル
    コールから選ばれる化合物であることを特徴とする請求
    項4記載の着色ポリカーボネート系難燃樹脂組成物の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも1種の有機リン化合物オリゴ
    マー(C)が下記式(1)で表される化合物群より選ば
    れることを特徴とする請求項4または5に記載の着色ポ
    リカーボネート系難燃樹脂組成物の製造方法。 【化2】
  7. 【請求項7】 溶融混練装置が2軸押出機である請求項
    4〜6のいずれかに記載の着色ポリカーボネート系難燃
    樹脂組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜3のいずれかに記載の着色ポ
    リカーボネート系難燃樹脂組成物を成形して得られる成
    形品。
  9. 【請求項9】 成形品が、肉厚2mm以下である部分が
    成形品全体の30重量%以上であることを特徴とする請
    求項8記載の成形品。
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