JP2002527068A - ナイセリア(Neisseria)属細菌からの分枝酵素をコードする核酸分子ならびにα−1,6−分枝α−1,4−グルカンの製造方法 - Google Patents

ナイセリア(Neisseria)属細菌からの分枝酵素をコードする核酸分子ならびにα−1,6−分枝α−1,4−グルカンの製造方法

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JP2002527068A JP2000576030A JP2000576030A JP2002527068A JP 2002527068 A JP2002527068 A JP 2002527068A JP 2000576030 A JP2000576030 A JP 2000576030A JP 2000576030 A JP2000576030 A JP 2000576030A JP 2002527068 A JP2002527068 A JP 2002527068A
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ホルケル ブッチェル
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Abstract

(57)【要約】 ナイセリア(Neisseria)属細菌からの分枝酵素をコードする核酸分子、上記核酸分子を含むベクター、宿主細胞、植物細胞および植物と共に、記述の植物から得ることができるデンプンについて記述する。さらに、蔗糖と、アミロスクラーゼおよび分枝酵素の酵素の組合せとに基づいてα-1,6-分枝α-1,4-グルカンを産生するインビトロ方法と共に、上記方法によって得ることができるα-1,6-分枝α-1,4-グルカンについて記述する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、ナイセリア(Neisseria)属細菌の分枝酵素をコードする核酸分子
、そのような核酸分子を含むベクター、宿主細胞、植物細胞および植物、ならび
に該植物から得ることができるデンプンに関する。さらに、本発明は、蔗糖とア
ミロスクラーゼ酵素および分枝酵素の組合せとに基づくα-1,6-分枝α-1,4-グル
カンのインビトロ生産方法にも関する。その上、本発明は、記述の方法によって
得ることができるグルカンに関する。
【0002】 多くの局面において、α-1,6-分枝α-1,4-グルカンは、それらが例えば製薬お
よび美容産業での製品の製造に適しているために、非常に重要である。それらは
、例えば、錠剤のための結合剤、薬剤のための担体物質、充填材料、粉末添加剤
の担体物質として、日焼け止めクリームにおけるUV-吸収添加剤、ならびに着香
料および香料の担体物質として用いることができる。
【0003】 植物において、α-1,6-分枝α-1,4-グルカンは、デンプンの成分であるアミロ
ペクチンとして主に存在しうる。動物および細菌では、グルカンはグリコーゲン
の形で主に存在する。
【0004】 多糖類デンプンは化学的に均一な基礎レンガ、すなわちグルコース分子から形
成されるが、それは、重合化および分枝の程度が異なり、そのためその物理化学
特性が大きく異なる、異なる型の分子の複雑な混合物である。本質的にα-1,4-
グリコシド結合したグルコース単位の非分枝ポリマーであるアミロースデンプン
と、さらにα-1,6-グリコシド結合の存在によって分枝が形成されるアミロペク
チンデンプンとは、区別しなければならない。テキスト(ボエト&ボエト(Voet
and Voet)、「生化学(Biochemistry)」、ジョンウィリー&サンズ、1990)
によれば、α-1,6-分枝は、平均するとグルコース残基24〜30個毎に発生し、こ
れは分枝の程度として約3〜4%に相当する。分枝の程度に関する指標は多様で
あり、それぞれのデンプンの起源(例えば、植物の種、植物の品種)に依存する
。デンプンの工業的製造に典型的に用いられる植物では、デンプンの全体的なシ
ェアにおけるアミロースのシェアは、10%〜25%である。分枝の程度が異なるα
-1,6-分枝α-1,4-グルカンを産生するための様々なアプローチは既に記述されて
おり、これらのアプローチは(トランスジェニック)植物の使用を含む。
【0005】 例えば、ジャガイモ植物に細菌のグリコーゲンシンターゼを異種発現させると
、野生型植物と比較して、アミロース含有量のわずかな減少、アミロペクチンの
分枝程度の増加、そして分枝パターンの変化が起こる(シューメーカー(Shewma
ker)ら、Plant Physiol. 104(1994)、1159〜1166)。さらに、アミロース不
含ジャガイモ変異体(amf)に大腸菌の分枝酵素(glgB)を異種発現(ヤコブセ
ン(Jacobsen)ら、Euphytica 44(1989)、43〜48)させると、分枝点が対照(
amf)より25%多いアミロペクチン分子が得られる(コルツティー(Kortstee)
ら、Plant J. 10(1996)、83〜90)。トランスジェニック植物で生産された分
枝の程度が異なるグルカンを単離する場合、例えばアミロース成分を除去するた
めにさらなる精製段階を行う必要がある。これらの精製段階は労力を要し、した
がって、時間を浪費して費用がかさむ。さらに、これらのアプローチによって特
定の分枝の程度を得ることは不可能である。さらに、実験条件(環境的要因、位
置)が変化するために、そのようなインビボ方法は製品の品質がかなり変化する
【0006】 グリコーゲンはアミロペクチンより分枝の程度が高い。この多糖類も同様に、
α-1,6-分枝α-1,4-グルカンを含む。グリコーゲンも同様に、側鎖の長さの平均
値および重合化の程度においてデンプンとは異なる。テキストによれば(ボエト
&ボエト(Voet and Voet)、「生化学(Biochemistry)」、ジョンウィリー&
サンズ、1990)、グリコーゲンは平均でグルコース残基8〜12個毎にα-1,6-分
枝点1個を含む。これは、分枝の程度で約8〜12%に相当する。グリコーゲンの
分子量に関しては様々な表示があり、これは100万〜100億の範囲である(マナー
ズ(D.J. Manners)「糖質化学の進歩(Advances in Carbohydrate Chemistry)
」、ウルフロム(M.L. Wolfrom)編、アカデミックプレス、ニューヨーク(1957
)、261〜298;ゲッデス(Geddes)ら、Carbohydr. Res. 261(1994)、79〜89
)。これらの表示もまた、それぞれの起源生物、その栄養状態、およびグリコー
ゲンの単離の種類に強く左右される。グリコーゲンは通常、イガイ(例えば、ミ
チルス・エデュリス(Mytillus edulis))、哺乳類の肝臓または筋肉(例えば
、ウサギ、ラット)から採取される(ベル(Bell)ら、Biochem. J. 28(1934)
、882;ビューディング&オレル(Bueding and Orrell)、J. Biol. Chem. 236
(1961)、2854)。このため、工業規模での生産は非常に時間のかかる、費用の
かさむものとなる。
【0007】 記述の天然に存在するα-1,6-分枝α-1,4-グルカン、デンプンおよびグリコー
ゲンはその1,6-グリコシド分枝の含有量に応じて非常に異なる。これは、特に、
溶解性、透明度、酵素的加水分解、レオロジー、ゲル形成および老化特性に関し
て当てはまる。しかし、これらを多くの工業的応用に用いる場合、そのような特
性の変化は必ずしも容認できない。植物または動物といった生物からα-1,6-分
枝α-1,4-グルカンを回収するもう一つの方法はインビトロアプローチである。
インビボ方法と比較して、インビトロ方法は一般的に制御が良好で、インビトロ
での反応条件は、生物での条件と比較して正確に調節することができるため、よ
り大きい程度に再現可能である。これによって通常、高度の均一性および純度を
有し、したがって高品質の一定の産物を製造できるようになり、このことはさら
なる工業的応用にとって非常に重要である。安定した品質の産物が調製されれば
、調製に必要な技法のパラメータをあらゆる調製設定について最適化する必要は
ないため、費用の削減につながる。特定のインビトロ方法のもう一つの利点は、
産物がインビボ方法において用いられる生物を含まないという事実である。これ
は、食品および製薬産業における特定の応用に関して絶対的に必要である。
【0008】 一般的に、インビトロ方法は2つの異なる群に分けることができる。
【0009】 第一の群の方法では、アミロース、アミロペクチンおよびグリコーゲンのよう
な様々な基質を分枝酵素の活性に供する。
【0010】 ボロフスキー(Borovsky)ら(Eur. J. Biochem. 59(1975)、615〜625)は
、ジャガイモからの分枝酵素を基質であるアミロースと共に用いると、アミロペ
クチンと類似であるが、その構造が異なる産物が得られることを証明することが
できた。ボイヤー&プレイス(Boyer and Preiss)(Biochemistry 16(1977)
、3693〜3699)は、さらに、大腸菌から精製した分枝酵素(α-1,4-グルカン;
α-1,4-グルカン6-グルコシルトランスフェラーゼ)を用いてアミロースまたは
アミロペクチンの分枝の程度が増加する可能性があることを示した。しかし、大
腸菌またはウサギ肝臓からのグリコーゲンを大腸菌からの分枝酵素と共にインキ
ュベートしても、得られた分枝の程度の増加はごくわずかであった(ボイヤー&
プレイス、上記引用)。
【0011】 ランバク(Rumbak)ら(J. Bacteriol. 173(1991)、6732〜6741)も同様に
、続いてこれらの基質をブチリビブリオ・フィブリソルベンス(Butyrivibrio f
ibrisolvens)の分枝酵素と共にインキュベートすることによって、アミロース
、アミロペクチンおよびグリコーゲンの分枝の程度を増加させることができた。
【0012】 オカダ(Okada)らは、デンプン含有食品の特性を改善するために類似のアプ
ローチを行った(米国特許第4454161号)。彼らはアミロース、アミロペクチン
、デンプン、デキストリンのような物質を分枝酵素と共にインキュベートした。
これによって、対応して改変された物質を含む食品の保存性に都合のよい作用を
生じた。さらに、欧州特許出願EP-A1 0 690 170は、分枝酵素を用いた水溶液中
でのゼリー化デンプンの反応を記述している。この結果、紙の生産において都合
のよい特性を有するデンプンが得られる。
【0013】 しかし、上記のインビトロ方法は、それらが抽出物(例えば、デンプン、アミ
ロペクチン等)の多様な分枝の程度により、均一な製品を産生することが不可能
であるという欠点を有する。さらに、分枝の程度を意図的に制御することは不可
能であり、その上、用いられる基質は極めて高価である。
【0014】 インビトロ方法の他のグループは、α-1,4-グルカン鎖形成酵素(ホスホリラ
ーゼ、デンプンシンターゼ、グリコーゲンシンターゼ)および分枝酵素からなる
酵素の組合せを用いて、様々な基質(グルコース-1-リン酸、ADPグルコース、UD
Pグルコース)から出発するα-1,6-分枝α-1,4-グルカンの新規合成を含む。
【0015】 イリングウォート(Illingwort)ら(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 47(1961
)、469〜478)は、筋肉(生物は不明)からのホスホリラーゼAを分枝酵素(生
物は不明)と共に用いたインビトロ方法に関して、基質であるグルコース-1-リ
ン酸を用いてグリコーゲンと類似の分子の新規合成が可能であることを示すこと
ができた。ボイヤー&プレイス(上記引用)は、基質であるグルコース-1-リン
酸またはUDPグルコースを用いて、ウサギ筋肉のホスホリラーゼまたは大腸菌の
グリコーゲンシンターゼの酵素活性を組みあわせて、このようにして分枝したα
グルカンを生成した。ボロフスキー(Borovsky)ら(Eur. J. Biochem. 59(197
5)、615〜625)も同様に、ジャガイモからの分枝酵素をトウモロコシのホスホ
リラーゼ(1,4-α-D-グルカン:オルトホスフェートαグリコシルトランスフェ
ラーゼ[EC.2.4.1.1])と組み合わせて用いて、グルコース-1-リン酸からのα-1,
6-分枝α-1,4-グルカンの新規合成について分析した。ドイ(Doi)(Biochemica
et Biophysica Acta 184(1969)、477〜485)は、ホウレンソウからのデンプ
ンシンターゼ(ADP-D-グルコース:α-1,4-グルカンα-4-グルコシルトランスフ
ェラーゼ)とジャガイモの分枝酵素との酵素の組み合わせおよび基質ADPグルコ
ースを用いた結果、アミロペクチンと類似の産物が得られることを示した。パロ
ディ(Parodi)ら(Arch. Biochem. Biophys. 132(1969)、11〜117)は、UDP
グルコースから分枝グルカンを新規に合成するために、ラット肝臓由来のグリコ
ーゲンシンターゼをラット肝臓由来分枝酵素と共に用いた。彼らは、本来のグリ
コーゲンと類似であるが、グルコース-1-リン酸に基づくポリマーとは異なるポ
リマーを得た。
【0016】 第二のグループのインビトロ方法も同様に、基質、例えばグルコース-1-リン
酸、UDPグルコース、およびADPグルコースが非常に高価であるという欠点を有す
る。
【0017】 さらに、分枝の程度を意図的に制御することも不可能であるように思われる。
【0018】 ブッチャー(Buttcher)ら(J. Bacteriol. 179(1997)、3324〜3330)は、
アミロスクラーゼおよび基質として蔗糖を用いた、水に不溶性のα-1,4-グルカ
ンの生産に関するインビトロ方法を記述している。しかし、分枝を有しない直鎖
状のα-1,4-グルカンのみが合成される。
【0019】 このように、本発明の基礎となる技術的な課題は、工業目的のためにα-1,6-
分枝α-1,4-グルカンの安価な製造を可能にする方法を提供すること、ならびに
上記方法において用いてもよい酵素、特に分枝酵素をコードする核酸分子を提供
することである。
【0020】 この技術的課題は、特許請求の範囲に特徴が示される態様を提供することによ
って解決された。
【0021】 したがって、本発明は、以下からなる群より選択される、ナイセリア(Neisse
ria)属細菌由来の分枝酵素(EC 2.4.1.18)をコードする核酸分子に関する。 (a)配列番号:2に記載のアミノ酸配列を含む蛋白質をコードする核酸分子; (b)配列番号:1に記載のコード領域のヌクレオチド配列を含む核酸分子; (c)プラスミドDSM 12425のインサートによってコードされるアミノ酸配列を含
む蛋白質をコードする核酸分子; (d)ナイセリア・デニトリフィカンス(Neisseria denitrificans)の分枝酵素
をコードするプラスミドDSM 12425のインサートの領域を含む核酸分子; (e)その配列が、最初のアミノ酸100個において、配列番号:2に記載した配列
と少なくとも65%の相同性を有する蛋白質をコードする核酸分子; (f)その相補鎖が(a)、(b)、(c)、(d)および/または(e)による核酸
分子とハイブリダイズし、且つナイセリア(Neisseria)属細菌由来の分枝酵素
をコードする核酸分子;ならびに (g)その核酸配列が遺伝コードの縮重のために(f)の核酸分子の配列とは異な
る核酸分子。
【0022】 配列番号:1に記載の核酸配列は、ナイセリア・デニトリフィカンス(Neisse
ria denitrificans)由来の分枝酵素のコード領域を含むゲノム配列である。上
記DNA配列を含むプラスミドは、DSM 12425として寄託されている。上記配列また
は上記分子によって、当業者は今では、他のナイセリア種またはナイセリア株か
ら相同な配列を単離することができる。適したハイブリダイゼーションプローブ
によるcDNAまたはゲノムライブラリのスクリーニングのような従来の方法を用い
て行うことができる。相同配列はまた、実施例1に記載のように単離してもよい
。このように、例えば、配列番号:1に記載の配列とハイブリダイズして、分枝
酵素をコードする核酸分子を同定および単離することが可能である。
【0023】 本発明の核酸分子は、原則として、ナイセリア属の任意の細菌に由来する分枝
酵素もコードしてもよく、好ましくはそれらはナイセリア・デニトリフィカンス
(Neisseria denitrificans)由来の酵素をコードする。
【0024】 本発明に従って、「ハイブリダイゼーション」という用語は、従来のハイブリ
ダイゼーション条件でのハイブリダイゼーションを意味し、好ましくは、例えば
、サムブルック(Sambrook)ら「分子クローニング、実験マニュアル(Molecula
r Cloning, A Laboratory Manual)」、第二版(1989)、コールドスプリングハ
ーバー研究所出版、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク、に記載されて
いるストリンジェントな条件でのハイブリダイゼーションを意味する。「ハイブ
リダイゼーション」という用語は以下の条件でのハイブリダイゼーションを意味
することが特に好ましい:
【0025】 ハイブリダイゼーション緩衝液:2×SSC;10×デンハート溶液(フィコル400+
PEG+BSAを1:1:1の比で);0.1%SDS;5 mM EDTA;50 mM Na2HPO4;250
μg/mlニシン精子DNA;50 μg/ml tRNA;または25 Mリン酸ナトリウム緩衝液、p
H 7.2;1 mM EDTA;7%SDS。 ハイブリダイゼーション温度:T=65〜68℃ 洗浄緩衝液:0.2×SSC;0.1%SDS 洗浄温度:T=65〜68℃
【0026】 本発明の核酸分子とハイブリダイズする核酸分子は、原則として、ナイセリア
(Neisseria)属の相当するタンパク質を発現する如何なる細菌に由来してもよ
く、好ましくはそれらはナイセリア・デニトリフィカンス(Neisseria denitrif
icans)に由来する。本発明の分子とハイブリダイズする核酸分子は、例えば、
ゲノムまたはcDNAライブラリから単離してもよい。そのような核酸分子は、本発
明の核酸分子、または上記分子の一部、または上記分子の逆相補鎖を用いて、例
えば標準的な技術(サムブルック(Sambrook)らの「分子クローニング、実験マ
ニュアル(Molecular Cloning, A Laboratory Manual)」、第二版(1989)、コ
ールドスプリングハーバー研究所出版、コールドスプリングハーバー、ニューヨ
ーク)に従ってハイブリダイズすることによって、またはPCRによる増幅によっ
て同定および単離することができる。
【0027】 ハイブリダイゼーションプローブとして、配列番号:1に記載のヌクレオチド
配列またはその一部を正確に、または本質的に有する核酸分子を用いることがで
きる。ハイブリダイゼーションプローブとして用いられる断片はまた、従来の合
成技術によって産生され、その配列が本発明の核酸分子の一つと本質的に同一で
ある合成断片であってもよい。本発明の核酸配列がハイブリダイズする遺伝子が
同定されて単離されれば、配列を決定して、それらが分枝酵素であるか否かを決
定するために、上記配列によってコードされる蛋白質の特性を分析すべきである
。この目的のために、核酸とアミノ酸配列レベルでの相同性を比較すること、そ
して酵素活性を決定することは特に適している。
【0028】 本発明の核酸分子とハイブリダイズする分子は、特に、ナイセリア(Neisseri
a)属の細菌、好ましくはナイセリア・デニトリフィカンス(Neisseria denitri
ficans)由来の分枝酵素をコードする上記核酸分子の断片、誘導体、および対立
遺伝子変異体を含む。この意味において、「誘導体」という用語は、上記分子の
配列が上記核酸分子の配列と1つまたは複数の部位で異なり、上記配列と高度の
相同性を有することを意味する。この意味において、相同性とは、長さ全体にわ
たって少なくとも60%の配列同一性、特に少なくとも70%の配列同一性、好まし
くは80%以上、より好ましくは90%以上、そして最も好ましくは少なくとも95%
の配列同一性が存在することを意味する。上記核酸分子からの逸脱は、例えば、
欠失、付加、置換、挿入、または組換えによって生じてもよい。
【0029】 さらに、相同性とは、これらによってコードされるそれぞれの核酸分子または
蛋白質とのあいだに機能的および/または構造的同等性が存在することを意味す
る。上記分子と相同であって、上記分子の誘導体である核酸分子は、通常同じ生
物機能を有する改変体である上記分子の変異体である。これらは、天然に存在す
る変異体、例えば他のナイセリア種またはナイセリア株からの配列、およびこれ
らの変異が天然に存在する、または部位特異的変異誘発によって導入される、変
異であってもよい。さらに、変異体は合成的に産生された配列であってもよい。
対立遺伝子変異体は、天然に存在する変異体および合成または組換えDNA技術に
よって生産された変異体のいずれであってもよい。
【0030】 本発明の核酸分子の異なる変異体によってコードされる蛋白質は、共通の特定
の特徴を有する。これらは、例えば生物活性、分子量、免疫学的反応性、立体構
造等と共に、ゲル電気泳動での移動パターン、クロマトグラフィーパターン、沈
降係数、溶解度、分光光度特性、安定性のような物理特性;至適pH、至適温度等
を含んでもよい。
【0031】 ナイセリア・デニトリフィカンス(Neisseria denitrificans)由来の分枝酵
素の分子量は、分子量をアミノ酸配列から推定すると86.3 kDaである。したがっ
て、本発明の蛋白質の推定分子量は、好ましくは70 kDa〜100 kDaの範囲であり
、より好ましくは77 kDa〜95 kDaであり、最も好ましくは約86 kDaである。
【0032】 本発明はまた、コード蛋白質が、配列番号:2に示すアミノ酸配列のN-末端の
領域において、好ましくは最初のアミノ酸100個、より好ましくは最初のアミノ
酸110個、および最も好ましくは最初のアミノ酸120個において少なくとも65%、
好ましくは少なくとも80%、および最も好ましくは少なくとも95%の相同性を有
する、分枝酵素の酵素活性を有する蛋白質をコードする核酸分子に関する。
【0033】 もう一つの態様において、本出願は、蛋白質が以下のペプチドモチーフの少な
くとも1個、好ましくは少なくとも5個、より好ましくは少なくとも10個、およ
び最も好ましくは少なくとも20個を含む、分枝酵素の活性を有する蛋白質をコー
ドする核酸分子に関する:
【0034】 本発明の核酸分子は如何なる核酸分子であってもよく、特にDNAまたはRNA分子
、例えばcDNA、ゲノムDNA、mRNA等であってもよい。それらは、天然に存在する
分子または遺伝子もしくは化学合成技術を用いて合成された分子であってもよい
。それらは、コード鎖もしくは非コード鎖のいずれかを含む一本鎖分子であって
もよく、またはそれらは二本鎖分子であってもよい。
【0035】 さらに、本発明は、これらの核酸分子が本発明の少なくとも1つの核酸分子に
特異的にハイブリダイズする、長さが少なくとも15、好ましくは50以上、および
最も好ましくは200ヌクレオチド以上である核酸分子に関する。この意味におい
て、「特異的にハイブリダイズする」という用語は、上記分子が本発明の蛋白質
をコードする核酸分子にハイブリダイズするが、他の蛋白質をコードする核酸分
子にはハイブリダイズしないことを意味する。「ハイブリダイズする」という用
語は、好ましくはストリンジェントな条件(上記参照)でハイブリダイズするこ
とを意味する。特に、本発明は、本発明の核酸分子の転写物とハイブリダイズし
、このように、その翻訳を防止することができる核酸分子に関する。本発明の核
酸分子に特異的にハイブリダイズするそのような核酸分子は、例えば、アンチセ
ンス構築物またはリボザイムの成分であってもよく、またはPCRによる増幅のた
めのプライマーとして用いてもよい。
【0036】 その上、本発明は、遺伝子操作に通常用いられ、本発明の上記核酸分子を含む
ベクター、特にプラスミド、コスミド、ウイルス、バクテリオファージおよび他
のベクターに関する。
【0037】 好ましい態様において、ベクターに含まれる核酸分子は、原核細胞または真核
細胞において確実に発現させる調節エレメントに対してセンス方向で結合してい
る。この意味において、「発現」という用語は転写、または転写と翻訳の双方を
意味する。
【0038】 例えば、本発明の核酸分子を原核細胞、例えば大腸菌で発現させると、コード
される蛋白質の酵素活性をより正確に特徴付けすることができる。さらに、従来
の分子生物学技術によって、本発明の核酸分子に様々な変異を導入することが可
能である(例えば、サムブルック(Sambrook)ら、上記引用を参照)。これによ
って、その特性が選択的に改変されている蛋白質が合成される。同様に、コード
DNA配列の5'または3'末端の持続的な欠失によって欠失変異体を作製することも
可能であり、これによって、対応して短縮された蛋白質の合成に至る核酸分子が
生成される。その上、例えば、酵素活性または酵素の調節に影響を及ぼす部位に
点突然変異を導入することが可能である。このように、改変されたKM値を有する
、または細胞においてアロステリック調節もしくは共有改変による通常の調節メ
カニズムをもはや受けない変異体を作製してもよい。さらに、改変された基質ま
たは産物特異性を有する変異体を作製してもよい。さらに、改変された活性・温
度プロフィールを有する変異体を作製してもよい。当業者に既知の方法に従って
原核細胞において遺伝子操作を実施してもよい(例えば、サムブルック(Sambro
ok)ら、上記引用を参照)。
【0039】 原核生物、例えば大腸菌および真核生物において発現させるための調節配列は
、文献に十分に記載されており、特に、サッカロミセス・セレビジエ(Saccharo
myces cerevisiae)のような酵母における発現のための配列が記述されている。
Methods in Enzymology 153(1987)、383〜516およびビッター(Bitter)ら(M
ethods in Enzymology)153(1987)、516〜544)は、様々な宿主生物における
蛋白質発現のための様々な系の概要を示している。
【0040】 好ましくは、本発明のベクターに挿入された本発明の核酸分子は、それが適し
た宿主生物において発現された後に、培養培地からコードされる蛋白質を単離す
ることがより容易となるように改変される。例えば、その特異的結合特性によっ
てアフィニティクロマトグラフィーによる融合蛋白質の単離が可能となる、さら
なるポリペプチド配列との融合蛋白質としてコードされる分枝酵素を発現させる
という可能性がある(チョン(Chong)ら、Gene 192(1997)、271〜281;ホッ
プ(Hopp)ら、Bio/Technology 6(1988)、1204〜1210;サッセンフェルド(Sa
ssenfeld)、Trends Biotechnol. 8(1990)、88〜93を参照のこと)。
【0041】 さらに、本発明のベクターに含まれる核酸分子は、培養培地に分枝酵素を分泌
させるヌクレオチド配列を含むことが好ましい。好ましくは、クレブシエラ・オ
キシトカ(Klebsiella oxytoca)M5A1からのα-CGTアーゼのシグナルペプチドを
コードする配列を用いる(フィードラー(Fiedler)ら、J. Mol. Biol. 256(19
96)、279〜291;ゲンバンク受入番号X86014、CDS 11529〜11618)。回収および
精製は、培養培地に酵素を分泌させることによって容易になる。透析、浸透、ク
ロマトグラフィー法等のような従来の方法を培養培地に残留する成分を除去する
ために用いて、細胞を破壊せずに、酵素を培養培地から回収することができる。
【0042】 さらに、本発明のベクターは、細菌の複製起点またはS. セレビジエ(S. cere
visiae)における安定化のための2μ-DNAのような、宿主生物においてベクター
の安定化を生じる他の機能的単位を含んでもよい。
【0043】 もう一つの態様において、本発明は、宿主細胞、特に上記のように核酸分子ま
たはベクターによって形質転換された原核または真核細胞、ならびに上記宿主細
胞に由来して記述の核酸分子またはベクターを含む細胞に関する。宿主細胞は、
細菌細胞(例えば、大腸菌)または真菌細胞(例えば、酵母、特にS. セレビジ
エ(S. cerevisiae))、ならびに植物または動物細胞であってもよい。「形質
転換された」という用語は、それらがその本来のゲノムの他に本発明の核酸分子
を少なくとも1つ含む限り、本発明の細胞が本発明の核酸分子によって遺伝子改
変されていることを意味する。上記の核酸分子は、細胞において遊離で、選択的
に自己複製分子として存在してもよく、または宿主細胞のゲノムに安定に組み込
まれていてもよい。
【0044】 宿主細胞は微生物であることが好ましい。本発明において、そのような微生物
は、例えばシュレーゲル(Schlegel)の「微生物全般(Allgemeine Mikrobiolog
ie)」(ゲオルクチーム出版(1985)、1〜2)に定義されている全ての細菌、お
よび全ての原生生物(例えば、真菌、特に酵母および藻類)であってもよい。
【0045】 本発明の宿主細胞は、植物細胞であることが特に好ましい。原則として、これ
らには如何なる植物種、すなわち、単子葉植物および双子葉植物に由来する植物
細胞も含まれうる。好ましくは、該細胞は農業的に有用な植物からの植物細胞、
すなわち人々が栄養または技術目的、特に工業目的のために栽培する植物に由来
する植物細胞である。本発明は好ましくは、繊維形成植物(例えば、亜麻、大麻
、綿)、油貯蔵植物(例えば、菜種、ヒマワリ、大豆)、糖貯蔵植物(例えば、
テンサイ、サトウキビ(sugar cane)、サトウキビ(sugar millet)、バナナ)
および蛋白質貯蔵植物(例えば、マメ科)からの植物細胞に関する。
【0046】 もう一つの態様において、本発明は、飼料植物(例えば、飼料草および牧草(
アルファルファ、クローバー等))、野菜植物(例えば、トマト、レタス、チコ
リ)由来の植物細胞に関する。
【0047】 好ましい態様において、本発明は、デンプン貯蔵植物からの植物細胞に関する
(例えば、コムギ、オオムギ、オート麦、ライ麦、ジャガイモ、トウモロコシ、
コメ、エンドウ、キャッサバ、ヤエナリ)。トウモロコシ、コメ、コムギ、およ
びジャガイモ植物からの植物細胞が特に好ましい。
【0048】 その上、本発明は、ナイセリア(Neisseria)属細菌から分枝酵素を生成する
方法に関する。上記方法において、本発明の宿主細胞は、蛋白質が発現される条
件下で培養され、蛋白質を培養物から、すなわち、細胞および/または培養培地
から回収する。好ましくは、分枝酵素を分泌する宿主生物を用いる。
【0049】 さらに、本発明は、本発明の核酸分子を用いて蛋白質がインビトロ転写および
翻訳系において産生される、ナイセリア(Neisseria)属細菌の分枝酵素を生産
する方法に関する。当業者は、そのような系を熟知している。
【0050】 本発明はまた、本発明の核酸分子によってコードされる、または本発明の方法
によって得られる蛋白質にも関する。
【0051】 さらに、本発明は、本発明の蛋白質を特異的に認識する抗体に関する。これら
の抗体は例えば、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体であってもよい
。それらはまた、本発明の蛋白質を認識する抗体の断片であってもよい。当業者
は、上記抗体または断片を生産する方法を熟知している。
【0052】 さらに、本発明は、インビトロ系においてα-1,6-分枝α-1,4-グルカンを産生
するための本発明の分枝酵素の使用に関する。
【0053】 特に、本発明はまた、本発明の核酸分子またはベクターを含むトランスジェニ
ック植物細胞にも関する。好ましくは本発明の細胞は、導入された本発明の核酸
分子がゲノムに安定に組み入れられて、植物細胞において活性なプロモーターに
よって制御されるという点において特徴を有する。
【0054】 植物細胞において本発明の核酸分子を発現するために利用できるプロモーター
または調節エレメントは多数ある。原則として、植物において活性を示す全ての
プロモーター、エンハンサー、ターミネーター等は、植物細胞における発現のた
めの調節エレメントである。基本的に、形質転換のために選択される植物におい
て機能的である如何なるプロモーターも用いることができる、用いる植物種に関
して、プロモーターは同種または異種となりうる。上記プロモーターは、発現が
構成的に起こるように、または植物の生育における特定の時期にもしくは外的影
響によって決定された時点で特定の組織に限って起こるように選択してもよい。
適したプロモーターの例は、植物の全ての組織において確実に構成的に発現させ
るカリフラワーモザイクウイルスの35Sプロモーター(オデル(Odell)ら、Natu
re 313(1985)、810〜812または米国特許第5 352 605号)であり、プロモータ
ー構築物は国際公開公報第9401571号に記載されている。ユビキチンプロモータ
ー(例えば、米国特許第5 614 399号を参照のこと)およびトウモロコシのポリ
ユビキチン遺伝子のプロモーター(クリステンセン(Christensen)ら、上記引
用)は、さらなる例である。しかし、外的影響によって決定された時期に限って
活性化されるプロモーター(例えば、国際公開公報第9307279号を参照のこと)
も同様に用いることができる。単純な誘導を可能にする熱ショック蛋白質のプロ
モーターも特に重要であると考えられる。さらに、植物の特定の組織、例えば光
合成活性組織において下流の配列を発現させるプロモーターを用いることができ
る。その例は、ST-LS1プロモーター(ストックハウス(Stockhaus)ら、Proc. N
atl. Acad. Sci. USA 84(1987)、7943〜7947;ストックハウス(Stockhaus)
ら、EMBO J. 8(1989)、2445〜2451)、Ca/bプロモーター(例えば、米国特許
第5 656 496号、米国特許第5 639 952号、バンサル(Bansal)ら、Proc. Natl.
Acad. Sci. USA 89(1992)、3654〜3658)およびルビスコSSUプロモーター(例
えば、米国特許第5 034 322号および米国特許第4 962 028号を参照のこと)であ
る。さらに、形質転換すべき植物のデンプン貯蔵器官において活性であるプロモ
ーターについても言及する。例えば、トウモロコシでは穀粒であり、ジャガイモ
では塊茎である。ジャガイモにおいて本発明の核酸分子を過剰発現させるために
、例えば、塊茎特異的パタチン遺伝子プロモーターB33(ロチャ・ソサ(Rocha-S
osa)ら、EMBO J. 8(1989)、23〜29)を用いることができる。種子特異的プロ
モーターは既に様々な植物種について記述されている。ソラマメ(Vicia faba)
および他の植物における種子特異的発現を確実にするソラマメのUSPプロモータ
ー(フィードラー(Fiedler)ら、Plant Mol. Biol. 22(1993)、669〜679;ボ
イムライン(Baumlein)ら、Mol. Gen. Genet. 225(1991)、459〜467)はその
一例である。
【0055】 その上、国際公開公報第91/01373号に記載の果実特異的プロモーターも同様に
用いることができる。グルテリンプロモーター(レイジー(Leisy)ら、Plant M
ol. Biol. 14(1990)、41〜50;ゼング(Zheng)ら、Plant J. 4(1993)、357
〜366)、コムギのHMGプロモーター、USPプロモーター、ファセオリンプロモー
ター、またはトウモロコシのzein遺伝子のプロモーター(ペダーセン(Pedersen
)ら、Cell 29(1982)、1015〜1026;クアトロッキオ(Quatroccio)ら、Plant
Mol. Biol. 15(1990)、81〜93)のような内胚葉特異的発現のためのプロモー
ターは、特に好ましい。内胚葉特異的プロモーターによって、対応する野生型植
物の内胚葉と比較して、内胚葉における本発明の核酸分子の転写物の量を増加さ
せることが可能である。
【0056】 トウモロコシ由来のshrunken-1-プロモーター(sh-1)(ウェール(Werr)ら
、EMBO J. 4(1985)、1373〜1380)は特に好ましい。
【0057】 さらに、転写の正しい終了に関与するターミネーター配列および転写物を安定
化させる機能を有する転写物へのポリAテールの付加が存在してもよい。そのよ
うなエレメントは、文献において記述されており(例えば、ギーレン(Gielen)
ら、EMBO J. 8(1989)、23〜29)、随意に交換してもよい。
【0058】 したがって、植物細胞において本発明の核酸分子を発現させることが可能であ
る。
【0059】 このように、本発明はまた、本発明の核酸分子またはベクターを植物細胞に導
入することを含む、トランスジェニック植物細胞を産生する方法にも関する。当
業者は様々な植物形質転換系を任意に利用でき、例えば植物細胞を形質転換する
ためにT-DNAを利用することは広く研究されており、欧州特許第A 120 516号;ホ
ーケマ(Hoekema)「バイナリ植物ベクターシステム(The Binary Plant Vector
System)」、オフセット印刷、カンタース(Kanters B.V.)、アルブラッセル
ダム(1985)、第V章、フラレー(Fraley)、Crit. Rev. Plant. Sci. 4、1〜46
およびアン(An)、EMBO J. 4(1985)、277〜287)に記載されている。
【0060】 植物細胞においてDNAを移入する場合、植物外植体を、アグロバクテリウム・
ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)またはアグロバクテリウム・
リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes)と共培養することが適しているかも知
れない。次に、感染した植物材料(例えば、葉の一部、茎の一部、根およびプロ
トプラストまたは懸濁培養した植物細胞)から、形質転換細胞を選択するために
抗生物質または殺生物剤を含みうる適した培地において植物体全体を再生させて
もよい。次に、そのようにして得られた植物を、導入したDNAの有無に関して調
べることができる。バイオリスティック法を用いて、またはプロトプラスト形質
転換によって外来DNAを導入する他の可能性が知られている(ウィルミッツァー
(Willmitzer, L)1993、「トランスジェニック植物(Transgenic plants)」
「バイオテクノロジー、数巻からなる包括論文(Biotechnology, A Multi-Volum
e Comprehensive Treatise)」(レーム、リード、ピューラー、スタドラー(H.
J. Rehm, G. Reed, A. Puhler, P. Stadler)編、第2巻627〜659、VCHバインハ
イム・ニューヨーク・バーゼル・ケンブリッジ)。
【0061】 単子葉植物を形質転換するためのもう一つの系は、バイオリスティック法、プ
ロトプラストにおいて電気的または化学的に誘導したDNA吸収、部分的透過細胞
の電気穿孔、花序へのDNAのマイクロインジェクション、ミクロスポアおよび前
胚へのDNAのマイクロインジェクション、授粉した花粉によるDNA吸収、および膨
張による胚へのDNA吸収による形質転換である(例えば、ルサルディ(Lusardi)
、Plant J. 5(1994)、571〜582;パスゾウスキ(Paszowski)、Biotechnology
24(1992)、387〜392)。
【0062】 アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)を用
いたTi-プラスミドベクター系による双子葉植物の形質転換は十分に確立されて
いるが、より最近の研究から、単子葉植物も同様にアグロバクテリウムに基づく
ベクターによって実際に形質転換できるという事実が指摘されている(チャン(
Chan)、Plant Mol. Biol. 22(1993)、491〜506;ヒエイ(Hiei)、Plant J.
6(1994)、271〜282;バイテビア(Bytebier)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA8
4(1987)、5345〜5349;ライネリ(Raineri)、Bio/Technology 8(1990)、33
〜38;グールド(Gould)、Plant Physiol. 95(1991)、426〜434;ムーネイ(
Mooney)、Plant Cell Tiss. &Org. Cult.25(1991)、209〜218;リ(Li)、P
lant Mol. Biol. 20(1992)、1037〜1048)。
【0063】 過去に、上記の形質転換系の3つが様々な穀類について確立された:組織の電
気穿孔、プロトプラストの形質転換ならびに再生可能な組織および細胞における
粒子衝突によるDNA移入(総説に関しては、ジェーヌ(Jahne)、Euphytica 85(
1995)、35〜44を参照のこと)。コムギの形質転換は文献に何度か記述されてい
る(総説に関しては、マヘシュワリ(Maheshwari)、Critical Reviews in Plan
t Science 14(2)(1995)、149〜178を参照のこと)。
【0064】 特に、トウモロコシの形質転換は、文献に数回記述されている(例えば、国際
公開公報第95/06128号、欧州特許第0513849号、欧州特許第0465875号、欧州特許
第292435号;フロム(Fromm)ら、Biotechnology 8(1990)、833〜844;ゴード
ン・カム(Gordon-Kamm)ら、Plant Cell 2(1990)、603〜618;コジール(Koz
iel)ら、Biotechnology 11(1993)、194〜200;モロク(Moroc)ら、Theor. A
ppl. Genet. 80(1990)、721〜726を参照のこと)。
【0065】 他の種の穀類に関する形質転換の成功も同様に、例えばオオムギ(ワン&レモ
ー(Wan and Lemaux)、上記引用;リタラ(Ritala)ら、上記引用;クレンス(
Krens)ら、Nature 296(1982)、72〜74)およびコムギ(ネーラ(Nehra)ら、
Plant J. 5(1994)、285〜297)について記述されている。
【0066】 本発明の核酸分子を植物において発現させる場合、原則として、合成蛋白質を
植物細胞の任意の区画に存在させることが可能である。コード領域は特定の区画
に局在させるためにそれぞれの区画に確実に局在させるDNA配列に選択的に結合
しなければならない。そのような配列は既知である(例えば、ブラウン(Braun
)、EMBO J. 11(1992)、3219〜3227;ゾネワルド(Sonnewald)、Plant J. 1
(1991)、95〜106;ロチャ・ソサ(Rocha-Sosa)、EMBO J. 8(1989)、23〜29
)。
【0067】 例えば、プラスチドシグナル配列に関して、ホウレンソウのフェロドキシン:
NADP+オキシドレダクターゼ(FNR)の1つを用いることができる。上記配列は、
ホウレンソウのプラスチド蛋白質フェロドキシン:NADP+オキシドレダクターゼ
のcDNAの5'非翻訳領域および隣接する移行ペプチド配列(ヌクレオチド-171〜+1
65位;ジャンセン(Jansen)ら、Current Genetics 13(1988)、517〜522)を
含む。
【0068】 さらに、トウモロコシのロウ様蛋白質の移行ペプチドと成熟ロウ様蛋白質の最
初のアミノ酸34個(クレスゲン(Klosgen)ら、Mol. Gen. Genet. 217(1989)
、155〜161)も同様にプラスチドシグナル配列として用いてもよい。さらに、ト
ウモロコシのロウ様蛋白質の移行ペプチド(上記参照)はまた、成熟ロウ様蛋白
質のアミノ酸34個がなくとも用いてもよい。
【0069】 その上、同様に、以下のプラスチドシグナル配列を用いることも可能である:
リブロース二リン酸カルボキシラーゼ小サブユニットのシグナル配列(ウォルタ
ー(Wolter)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85(1988)、846〜850;ナウラ
ス(Nawrath)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91(1994)、12760〜12764);
NADPリンゴ酸デヒドロゲナーゼのシグナル配列(ギャラード(Gallardo)ら、Pl
anta 197(1995)、324〜332);グルタチオンレダクターゼのシグナル配列(ク
レイセン(Creissen)ら、Plant J. 8(1995)、167〜175)。
【0070】 したがって、本発明はまた、本発明の核酸分子の1つまたは複数によって形質
転換されたトランスジェニック植物細胞、ならびにそのように形質転換された細
胞に由来するトランスジェニック植物細胞にも関する。そのような細胞は、上記
分子が、好ましくは植物細胞において転写を確実にする調節DNAエレメント、特
にプロモーターに結合している、本発明の一つまたは複数の核酸分子を含む。そ
のような細胞は、それらが本発明の少なくとも一つの核酸分子を含むという点に
おいて、天然に存在する植物細胞とは区別できる。
【0071】 トランスジェニック植物細胞は、当業者に周知の技術を用いて完全な植物体へ
と再生させてもよい。本発明のトランスジェニック植物細胞の再生によって得る
ことができる植物もまた、本発明の主題である。
【0072】 その上、上記植物細胞を含む植物は、本発明の主題である。本発明の植物は原
則として、如何なる植物種、すなわち単子葉植物および双子葉植物であってもよ
い。それらは有用な植物、すなわち、栄養または技術、特に工業目的のために栽
培される植物であることが好ましい。好ましくは、本発明は、繊維形成植物(例
えば、亜麻、大麻、綿)、油貯蔵植物(例えば、菜種、ヒマワリ、大豆)、糖貯
蔵植物(例えば、テンサイ、サトウキビ(sugar cane)、サトウキビ(sugar mi
llet)、バナナ)および蛋白質貯蔵植物(例えば、マメ科)からの植物細胞に関
する。
【0073】 もう一つの態様において、本発明は、飼料植物(例えば、飼料草および牧草(
アルファルファ、クローバー等))、野菜植物(例えば、トマト、レタス、チコ
リ)に関する。
【0074】 好ましい態様において、本発明は、デンプン貯蔵植物(例えば、コムギ、オオ
ムギ、オート麦、ライ麦、ジャガイモ、トウモロコシ、コメ、エンドウ、キャッ
サバ、ヤエナリ)に関し、トウモロコシ、コメ、コムギ、およびジャガイモ植物
からの植物細胞が特に好ましい。
【0075】 好ましい態様において、本発明の植物の細胞は遺伝子改変されていない野生型
植物の対応する植物細胞と比較して、本発明の蛋白質の活性が増加している。こ
れらは好ましくはデンプン貯蔵組織の細胞、特に塊茎もしくは内胚葉の細胞、最
も好ましくは、ジャガイモ塊茎、またはトウモロコシ、コムギもしくはコメ植物
の内胚葉の細胞である。
【0076】 本発明の意味において、「活性の増加」という用語は、植物における、分枝酵
素活性を有する蛋白質をコードする本発明の核酸分子の発現の増加、分枝酵素活
性を有する蛋白質量の増加、および/または分枝酵素活性を有する蛋白質の活性
の増加を意味する。
【0077】 例えば、発現の増加は、例えばノザンブロット解析またはRT-PCRによって上記
蛋白質をコードする転写物の量を測定することによって決定することができる。
この意味において、「増加する」という用語は、転写物の量が、遺伝子改変され
ていない植物細胞と比較して、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、よ
り好ましくは少なくとも50%、および最も好ましくは少なくとも75%増加してい
ることを意味する。
【0078】 分枝酵素活性を有する蛋白質の量は、例えばウェスタンブロット分析によって
測定してもよい。この意味において、「増加」とは好ましくは、分枝酵素活性を
有する蛋白質の量が、遺伝子改変されていない対応する細胞と比較して少なくと
も10%、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも50%、および最
も好ましくは少なくとも75%増加していることを意味する。
【0079】 例えば、分枝酵素の活性の増加は、ロイド(Lloyd)ら(Biochem. J. 338(19
99)、515〜521)に記載の方法に従って測定することができる。この意味におい
て、「増加する」という用語は、分枝酵素活性が少なくとも10%、好ましくは少
なくとも20%、より好ましくは少なくとも50%、および最も好ましくは少なくと
も75%増加していることを意味する。
【0080】 意外にも、本発明の植物細胞を含む、分枝酵素の活性が増加した植物は、遺伝
子改変されていない対応する野生型植物と比較して改変されたデンプンを合成す
ることが判明した。改変されたデンプンは、例えばその物理化学特性、特にアミ
ロース/アミロペクチン比、分枝の程度、平均鎖長、リン酸含有量、粘度、デン
プン顆粒のサイズ、側鎖の分布および/またはデンプン顆粒の形成に関して、野
生型植物において合成されたデンプンと比較して変化していてもよい。その結果
として、この改変されたデンプンは特定の目的にとってより適している。
【0081】 さらに、本発明の分枝酵素の活性が増加している植物細胞では、デンプンの組
成は、対応する野生型植物由来のデンプンと比較して、より高いゲルのきめおよ
び/またはリン酸含有量の減少および/またはピーク粘度の減少および/または
ペースト化温度の低下および/またはデンプン顆粒サイズの減少および/または
側鎖の分布の改変を有するように改変されていることが意外にも判明した。
【0082】 この意味において、「ゲルのきめの増加」という用語は、野生型植物由来のデ
ンプンのゲルのきめと比較して少なくとも10%、好ましくは少なくとも50%、よ
り好ましくは少なくとも100%、少なくとも200%、および最も好ましくは少なく
とも300%の増加を意味する。ゲルのきめは下記のように決定する。
【0083】 本発明の意味において、「リン酸含有量の減少」という用語は、共有結合した
リン酸塩の総含有量および/または本発明の植物細胞において合成されたデンプ
ンのC-6位におけるリン酸含有量が、対応する野生型植物の植物細胞からのデン
プンと比較して少なくとも20%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少
なくとも60%および最も好ましくは少なくとも80%減少していることを意味する
【0084】 総リン酸含有量またはC-6位でのリン酸含有量は下記の方法に従って決定して
もよい。
【0085】 本発明の意味において、「ピーク粘度の減少」という用語は、ピーク粘度が野
生型植物由来のデンプンのピーク粘度と比較して少なくとも10%、好ましくは少
なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%、および最も好ましくは少なくと
も75%減少していることを意味する。
【0086】 本発明の意味において、「ペースト化温度の低下」という用語は、ペースト化
温度が野生型植物由来のデンプンのペースト化温度と比較して少なくとも0.5℃
、好ましくは少なくとも1.0℃、より好ましくは少なくとも2.0℃、最も好ましく
は少なくとも3.0℃低下していることを意味する。
【0087】 ピーク粘度およびペースト化温度は下記のようなラピッドビスコアナライザー
によって決定することができる。
【0088】 当業者は、「ピーク粘度」および「ペースト化温度」という用語を熟知してい
る。
【0089】 「デンプン顆粒サイズの減少」という用語は、15 μmまでのサイズを有するデ
ンプン顆粒の割合が野生型植物と比較して少なくとも10%、好ましくは少なくと
も30%、より好ましくは少なくとも50%、および最も好ましくは少なくとも150
%増加していることを意味する。
【0090】 デンプン顆粒のサイズは、下記のようなレッチュ、GmbH、ドイツによる「ルモ
セド(Lumosed)」型の分光沈降計によって決定される。
【0091】 この意味において、「側鎖の改変された分布」という用語は、野生型植物由来
のアミロペクチンにおいてDP6〜9を有する側鎖の割合と比較してDP6〜9を有
する側鎖の割合が少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは
少なくとも100%、および最も好ましくは少なくとも200%増加していることを意
味する。
【0092】 本発明のもう一つの態様において、「側鎖の分布の改変」という用語は、DP
6〜8、好ましくは6〜7を有する側鎖の比率が、野生型植物由来のアミロペク
チンの重合化の対応する程度を有する側鎖の比率と比較して少なくとも25%、好
ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも100%、および最も好まし
くは少なくとも200%増加していることを意味する。
【0093】 全ての側鎖の全体的な占有率に関して特定の側鎖の比率の百分率を決定するこ
とによって側鎖の比率が確定される。全ての側鎖の全体的な占有率は、HPLCクロ
マトグラフにおいてDP 6〜30という重合化の程度を表すピーク下面積全体を決定
することによって確定される。全ての側鎖の全体的な占有率に関して特定の側鎖
の比率の百分率は、HPLCクロマトグラフにおける上記側鎖を表すピーク下面積の
総面積に対する比を決定することによって決定される。好ましくは、アメリカの
ディオネックス社のプログラムAI-450、3.31版を用いる。
【0094】 もう一つの態様において、本発明は、そのアミロペクチンが野生型植物のデン
プンのアミロペクチンと比較してDP 5である側鎖を有するデンプンに関する。
【0095】 さらに、本発明は、(a)その存在または発現によって分枝酵素の活性を有す
る蛋白質の活性が増加する、本発明の核酸分子および/または本発明のベクター
を導入することによって、植物細胞が遺伝子改変され; (b)段階(a)に従って産生された細胞から植物体を再生し;且つ (c)選択的に、段階(c)に従って産生された植物からさらなる植物を生成する
、改変デンプンを合成するトランスジェニック植物の製造方法に関する。
【0096】 この方法の好ましい態様において、デンプンは、対応する野生型植物のデンプ
ンと比較して、それがゲルのきめの増加および/またはリン酸含有量の減少およ
び/またはピーク粘度の減少および/またはペースト化温度の低下および/また
はデンプン顆粒サイズの減少および/または側鎖の分布の改変を有するように改
変される。
【0097】 この意味において、「ゲルのきめの増加」、「リン酸含有量の減少」、「ピー
ク粘度の減少」、「ペースト化温度の減少」、「デンプン顆粒サイズの減少」お
よび「側鎖分布の改変」という用語は、上記の定義の通りである。
【0098】 段階(a)に従って導入された遺伝子改変に関して、同じことが本発明の植物
に関して異なる意味で説明されている。
【0099】 段階(b)による植物の再生は、当業者に既知の方法によって得ることができ
る。
【0100】 本発明の方法の段階(b)によるさらなる植物は、例えば、栄養繁殖(例えば
、挿し木、塊茎またはカルス培養および植物体全体の再生)によって、または有
性繁殖によって産生してもよい。好ましくは、有性繁殖は制御される、すなわち
特定の特性を有する選択された植物を交配して繁殖させる。
【0101】 本発明はまた、本発明の方法によって得ることができる植物にも関する。
【0102】 本発明はまた、本発明の植物の繁殖材料、ならびに本発明の方法によって産生
されたトランスジェニック植物にも関する。この意味において、「繁殖材料」と
いう用語は栄養または再生的な方法で子孫を生じるために適している植物の成分
を含み、例えば挿し木、カルス培養、根茎または塊茎が、栄養繁殖に適している
。他の繁殖材料は例えば、果実、種子、実生、プロトプラスト、細胞培養等を含
む。繁殖材料は塊茎および種子であることが好ましい。
【0103】 トランスジェニック植物細胞および本発明の植物ならびに繁殖材料から得るこ
とができるデンプンは、本発明のさらなる主題である。
【0104】 その存在または発現によって、遺伝子改変されていない野生型植物の植物細胞
と比較して分枝酵素の活性が増加している本発明の核酸分子または本発明のベク
ターの発現により、本発明のトランスジェニック植物細胞および植物は、その物
理化学特性、特にゲルのきめおよび/またはペースト化パターンおよび/または
デンプン顆粒サイズおよび/またはリン酸含有量および/または側鎖の分布に関
して、野生型植物において合成されたデンプンと比較して改変されているデンプ
ンを合成する。
【0105】 その上、本発明はまた、それらがゲルのきめおよび/またはリン酸含有量の減
少および/またはピーク粘度の減少および/またはペースト化温度の低下および
/またはデンプン顆粒サイズの減少および/または側鎖分布の改変を有するとい
う点において特徴を有するデンプンに関する。
【0106】 特に好ましい態様において、本発明はジャガイモデンプンに関する。
【0107】 この意味において、「ゲルのきめの増加」、「リン酸含有量の減少」、「ピー
ク粘度の減少」、「ペースト化温度の低下」、「デンプン顆粒サイズの減少」、
および「側鎖分布の改変」という用語は、上記の定義と同じである。
【0108】 さらに本発明は、上記の本発明に係る植物から、および/または該植物のデン
プン貯蔵部分からデンプンを抽出する段階を含む、改変されたデンプンの製造方
法に関する。好ましくは、そうした方法は、デンプンを抽出する前に栽培された
植物および/または上記植物のデンプン貯蔵部分を採取する段階、およびより好
ましくは、採取する前に本発明の植物を栽培する段階も含む。植物または植物の
デンプン貯蔵部分からデンプンを抽出する方法は当業者によく知られている。そ
の上、様々なデンプン貯蔵植物からデンプンを抽出する方法は、例えば「デンプ
ン:科学と技術(Starch:Chemistry and Technology)」(ウィスラー、ベミラ
ー&パスチャル(Whistler, BeMiller and Paschall)編(1994)、第二版、ア
カデミックプレスインクロンドン;ISBN 0-12-746270-8;例えば、第XII章、412
〜468頁:トウモロコシおよびモロコシデンプン:産生;ワトソン(Watson);
第XIII章、469〜479頁;タピオカ、クズウコン、およびサゴ:産生;コービッシ
ュレイ&ミラー(Corbishley and Miller)、第XIV章、479〜490頁:ジャガイモ
デンプン:産生および適用;ミッチ(Mitch)第XV章、491〜506頁:コムギデン
プン:産生、改変および適用;ナイト&オソン(Knight and Oson);および第X
VI章、507〜528頁:コメのデンプン:産生と適用;ローマー&クレム(Rohmer a
nd Klem);トウモロコシのデンプン;エクホフ(Eckhoff)ら、Cereal Chem. 7
3(1996)、54〜57、工業標準によるトウモロコシからのデンプンの抽出は通常
、いわゆる湿式ミルによって行われる)に記載されている。植物材料からデンプ
ンを抽出するための方法に通常用いられる器具としては、分離器、デキャンター
、液体サイクロン、噴霧乾燥器および流動床乾燥器が含まれる。
【0109】 上記に記載の方法によって得られるデンプンもまた、本発明の主題である。
【0110】 本発明のデンプンは、当業者に公知の方法に従って改変することができ、非改
変型または改変型として食品または食品以外の産業での様々な適用に適している
【0111】 原則として、用途の可能性は大きく2つの領域に分けることができる。1つの
領域はデンプンの加水分解産物を含み、主に酵素的または科学的方法によって得
られるグルコースとグルカン建築ブロック(building blocks)を含む。それら
は、さらなる化学改変および発酵のようなプロセスのための開始材料として役に
立つ。コストを削減するために、加水分解法の単純かつ安価な方法が重要となり
うる。現在のところ、方法は本質的にアミログルコシダーゼを用いて酵素的に行
われている。酵素の利用を減少させることによってコストを削減することは可能
であると思われる。これはデンプンの構造、例えば顆粒の表面拡大、低い分枝程
度によるより容易な消化性、または用いる酵素の近づき易さを制限する立体構造
を変化させることによって得ることができる。
【0112】 そのポリマー構造のためにいわゆる天然デンプンとしてデンプンが用いられる
その他の分野は、さらに2つの適用分野に分類することができる。
【0113】 1. 食品における使用 デンプンは、様々な食品に対する典型的な添加剤であって、本質的に水性添加
剤を結合する目的を果たし、および/または粘度の増加もしくはゲル形成の増加
を引き起こす。重要な特徴的特性は、例えば、流動および収着作用、膨張および
ペースト化温度、粘度、および濃化作用、デンプンの可溶性、透明性およびペー
スト構造、熱、離断および酸抵抗性、老化傾向、薄膜形成能力、凍結/融解抵抗
性、消化性ならびに無機または有機イオンとの複合体形成能である。
【0114】 2. 食品以外における使用 その他の主な適用分野は、様々な生産プロセスにおける補助剤、または技術的
製品の添加剤としてのデンプンの利用である。補助剤としてのデンプンの利用に
関する主な適応分野は、第一に、紙および厚紙産業である。この分野では、デン
プンは主に保持力(固体の引き留め)のため、固化物質として整粒充填剤および細
粒のため、ならびに脱水のために用いられる。さらに、堅さ、硬度、音、握り、
つや、なめらかさ、離断強度ならびに表面に関するデンプンの有利な特性が利用
されている。
【0115】 2.1. 紙および厚紙産業 製紙過程では、4つの適応分野、すなわち表面、コーティング、重量および吹
き付けを区別することができる。
【0116】 表面処理に関するデンプンの必要条件は、本質的に、高度の輝き、相応な粘度
、高度の粘度安定性、良好な薄膜形成ならびにほこりの低発生である。固体内容
物のコーティングに用いる場合には、関係する粘度、高度の結合能力ならびに高
度の色素親和性が重要な役割を果たす。塊体に対する添加剤としては、急速、均
一、無駄のない拡散、高い機械的安定性および紙パルプにおける完全な保持性が
重要である。デンプンを吹き付けに用いる場合には、相応な固体含量、高い粘度
ならびに高い結合能力も重要である。
【0117】 2.2 接着産業 主な適用分野は例えば、接着産業であり、ここでは適用分野は4つの領域に分
割される:純粋なデンプン糊としての利用、特殊化学物質を用いて調製したデン
プン糊における利用、合成樹脂およびポリマー分散物に対する添加剤としてのデ
ンプンの利用ならびに合成接着剤の拡張剤としてのデンプンの利用である。デン
プンに基づく接着剤全体の90%が、段ボール紙、紙袋および紙バッグ、紙および
アルミニウムの合成材料、箱、ならびに封筒、切手等の水糊の産生に利用される
【0118】 2.3 紡績および紡績ケア産業 補助剤および添加剤として考えられるもう一つの利用は、紡績および紡績ケア
製品の産生においてである。紡績産業において、以下の4つの適用分野に分類す
ることができる:整粒剤、すなわち、なめらかにし、織り上げの際の着用抵抗性
の増加と共に、織り上げの際に働く張力に対する保護のためのぎざぎざ作用(bur
ring behaviour)を強化するための補助剤として、漂白、染色等の、主として品
質を劣化させる前処置後の織物改善剤として、色素拡散防止のための染料ペース
ト産生における濃縮剤としての、および織り糸の整経剤のための添加剤としてと
してのデンプンの利用。
【0119】 2.4 建築産業 さらに、デンプンは、建築材料における添加剤としての使用できる。一つの例
は、石膏ボードの産生であり、薄い石膏と混合させたデンプンを水と共にペース
ト状にし、石膏ボードの表面に拡散させ、厚紙をボードに結合させる。もう一つ
の適用領域は、これを石膏および鉱物繊維と混合することである。予め混合させ
たコンクリートにおいて、デンプンを整粒プロセスの減速のために用いてもよい
【0120】 2.5 地盤の安定化 さらに、デンプンは、人工的な地盤シフトにおいて水に対する地盤粒子の一時
的な保護のために用いられる地盤安定化手段の産生に有用である。先端技術の知
識に従って、デンプンおよびポリマー乳化剤を含む配合製品は、これまで用いら
れていた製品と同じ腐食減少および表皮形成減少効果を有すると見なすことがで
きる;しかし、それらはかなり安価である。
【0121】 2.6 植物保護剤および肥料における利用 もう一つの適用分野は、植物保護剤におけるこれらの調製物の特殊な特性の修
飾におけるデンプンの利用である。例えばデンプンは、植物保護剤および肥料の
湿化の改善に、活性成分の一定量放出に、液体、揮発性および/または臭いがあ
る活性成分の、微小結晶の安定で変形可能な物質への転化に、相容れない組成の
混合に、および分散低下による効果持続の延長に用いられる。
【0122】 2.7 薬物、医薬品および化粧品産業 デンプンはまた、薬物、医薬品および化粧品産業の分野で用いてもよい。製薬
産業において、デンプンを錠剤の結合剤として、またはカプセル中の結合剤の希
釈に用いてもよい。さらに、デンプンは、飲み込む際に水を吸収し、短時間で活
性成分を放出するにつれ膨張するため、錠剤の崩壊剤としても適している。品質
的理由から、医薬品の潤滑剤および外傷治療粉剤がさらに適応分野となる。化粧
品分野において、デンプンは例えば、香水およびサリチル酸などの粉末添加剤の
担体として用いてもよい。デンプンの比較的広範な適応分野は歯磨きである。
【0123】 2.8 石炭および練炭における添加剤としてのデンプン デンプンはまた、石炭および練炭における添加剤として使用することもできる
。デンプンを加えることによって、石炭を定量的に塊にし、および/または高品
質の練炭にすることができ、このように練炭の未成熟崩壊を防ぐことができる。
バーベキュー用木炭は付加デンプンを4〜6%、熱発生石炭を0.1〜0.5%含有す
る。さらに、デンプンは、これを石炭および練炭に加えると、毒性物質の放出を
かなり減少させることができるため、結合剤として適している。
【0124】 2.9 鉱石および石炭スラリーの加工 さらに、デンプンは鉱石および石炭スラリーの加工において凝集剤として用い
てもよい。
【0125】 2.10 鋳造材料の添加剤 もう一つの適用分野は、鋳造において物質を加工するための添加剤としての利
用である。様々な鋳造プロセスにおいて、結合剤と混合した砂から産生された中
心核が必要とされる。今日では、最も一般的に用いられている結合剤は、たいて
いの場合、膨張するデンプンである修飾デンプンと混合したベントナイトである
。デンプンを加える目的は、結合力の改善と共に、流体抵抗の増加である。加え
て、膨張デンプンは、冷水における分散性、再水和性、砂との良好な混和性、お
よび水の高い結合能力などの、生産プロセスに対して予めさらに必要な条件を満
たす可能性がある。
【0126】 2.11 ゴム産業 ゴム産業では、デンプンを技術的および視覚的品質の改善のために用いてもよ
い。この理由は、表面のつや、握り、および外観の改善である。この目的のため
に、低温加硫前に、ゴム物質の粘着性のゴム引き表面上にデンプンを拡散させる
。ゴムの印刷可能性を改善するために用いてもよい。
【0127】 2.12 皮革代用品の産生 修飾デンプンのもう一つの適用分野は、皮革代用品の産生である。
【0128】 2.13 合成ポリマーにおけるデンプン プラスチック市場において、以下の適用分野が明らかである:デンプン由来製
品の加工プロセスへの組み込み(デンプンは単なる充填剤で、合成ポリマーとデ
ンプンとの間の直接結合はない)、またはデンプンに由来する製品のポリマー産
生への組み込み(デンプンとポリマーは安定な結合を形成する)。
【0129】 デンプンを純粋な充填剤として用いても、タルカムのような他の物質に匹敵す
ることは不可能である。この状況は、特殊なデンプン特性が有効になる場合、お
よび最終製品の特性プロフィールがこのように明らかに変化する場合には異なる
。一つの例は、ポリエチレンなどの熱可塑性材料の加工におけるデンプン製品の
利用である。これによって、デンプンと合成樹脂は、「マスターバッチ」を形成
するために、共発現によって1:1の比で配合し、ここから様々な製品が顆粒化
ポリエチレンを用いた一般的技法によって産生される。ポリエチレン薄膜へのデ
ンプンの組み込みは、水性染料による印刷可能性の改善と共に、中空体における
物質透過性の増加、水蒸気透過性の改善、抗静電気防止作用の改善、抗ブロック
作用の改善を引き起こす。
【0130】 もう一つの可能性は、ポリウレタンフォームにおけるデンプンの利用である。
加工技術の最適化によるばかりでなくデンプン誘導体の適合により、合成ポリマ
ーとデンプンの水酸基との反応を特異的に調節することが可能である。結果は、
デンプンの利用によって以下の特性プロフィールを有するポリウレタン薄膜であ
る;熱膨張係数の減少、収縮作用の減少、圧/張力作用の改善、水許容性の変化
を伴わない水蒸気透過性の増加、可燃性およびひび割れの減少、可燃性部分の落
下なし、ハロゲン化物なし、および加齢の減少。現在なお存在する不利な点は、
圧および衝突強度の減少である。
【0131】 薄膜の製品開発が唯一の選択肢ではない。ポット、プレート、およびボウルな
どの固形プラスチック製品は、50%以上のデンプン含量を用いて産生することが
できる。さらに、デンプン/ポリマー混合物はそれらがはるかに容易に生体崩壊
するという長所を付与する。
【0132】 さらに、それらの水との強い結合能力により、デンプン接合ポリマーは最も重
要となった。これらは、デンプンの骨格を有し、ラジカル連鎖メカニズムの原理
に従って合成モノマーの側面格子を接合した製品である。今日利用できるデンプ
ン接合ポリマーの特徴は、結合の改善、および高い粘度でのデンプン1g当たり1
000 gまでの水の保持能力である。これらの超吸収剤は、農業分野例えば種子ペ
レットと共に、主として衛生分野、例えば、紙おむつやシートなどの製品で用い
られる。
【0133】 組換えDNA技法によって修飾した新規のデンプンの使用に関して決定的なこと
は、一方では、構造、水分含量、蛋白含量、脂質含量、繊維含量、灰/リン酸含
量、アミロース/アミロペクチン比、相対モル重量配分、分枝程度、顆粒径、お
よび結晶と共に形状、ならびに一方では以下の特徴となる特性:流体および吸収
作用、ペースト化温度、粘度、濃化能力、可溶性、ペースト構造、透明度、熱、
離断および酸抵抗性、老化傾向、ゲル形成能力、凍結/融解抵抗性、複合体形成
能力、ヨウ素結合、薄膜形成、接着力、酵素安定性、消化性および反応性である
【0134】 トランスジェニック植物の遺伝子操作による修飾デンプンの産生は、化学また
は物理的方法によってさらなる修飾が不要になるような方法で、植物から得たデ
ンプンの特性を修飾してもよい。一方で、組換えDNA技法によって修飾されたデ
ンプンをさらに化学修飾してもよく、その結果、上記の特定の適応分野に関して
品質のさらなる改善が起こる。これらの化学修飾は主として公知である。これら
は特に以下による修飾であり、それによりリン酸、硝酸、硫酸、キサントゲン酸
、酢酸、およびクエン酸デンプンが形成される: − 加熱処理 − 酸処理 − デンプンエーテルの形成 デンプンアルキルエーテル、O-アリルエーテル、ヒドロキシアルキルエーテル、
O-カルボキシメチルエーテル、N-含有デンプンエーテル、P-含有デンプンエーテ
ルおよびS-含有デンプンエーテル。 − 分枝状デンプンの形成 − デンプン接合ポリマーの形成 − 酸化および − エステル化 その他の有機酸をエステル化に用いてもよい。
【0135】 もう一つの態様において、本発明は、収穫することができる上記の部分が本発
明の植物細胞を含む、収穫することができる本発明の植物の一部、例えば、果実
、貯蔵根、根、花、芽、新芽、または茎、好ましくは種子もしくは塊茎に関する
【0136】 もう一つの局面において、本発明は、細菌細胞において、ナイセリア(Neisse
ria)属細菌の分枝酵素をコードする本発明の上記核酸分子の転写を制御する調
節領域に関する。
【0137】 本発明の意味において、「調節領域」という用語は、例えば発現が特定の外的
刺激に反応してまたは特定の時期に起こるように、特異性および/または遺伝子
配列の発現の程度に影響を及ぼす領域に関する。そのような調節領域は通常、プ
ロモーターと呼ばれる領域に存在する。本発明の意味において、「プロモーター
」という用語は転写を開始するために、すなわち、RNAポリメラーゼを結合する
ために必要なヌクレオチド配列を含み、同様に、TATAボックスを含んでもよい。
【0138】 好ましい態様において、本発明の調節領域は、以下からなる群より選択される
ヌクレオチド配列を含む: (a)配列番号:1に記載のヌクレオチド配列のヌクレオチド1〜169位を含むヌ
クレオチド配列; (b)プラスミドDSM 12425のインサートに含まれる調節領域のヌクレオチド配列
またはその一部;および (c)ストリンジェントな条件で(a)または(b)の配列とハイブリダイズする
ヌクレオチド配列。
【0139】 配列番号:1に記載の配列のヌクレオチド1〜169位は、ナイセリア・デニト
リフィカンス(Neisseria denitrificans)の分枝酵素の遺伝子の調節領域の一
部を形成する。推定のプロモーター配列は、配列「GGGAGA」がおそらくシャイン
・ダルガルノ配列である、36〜44、51〜55位および157〜162位に存在する。本発
明はまた、上記領域の少なくとも1つと、好ましくはストリンジェントな条件で
ハイブリダイズするほど高い、上記の調節領域との相同性を有する調節領域に関
する。上記の如何なる調節領域、特に配列番号:1に記載の配列に対しても少な
くとも80%、好ましくは少なくとも90%、および最も好ましくは少なくとも95%
の配列同一性を有する調節領域が特に好ましい。
【0140】 それらはまた、例えば欠失、挿入、置換、付加および/または組換えおよび/
または改変により、上記の調節領域が改変されている調節領域を含む。
【0141】 当業者は調節領域にそのような改変を導入する方法を周知している。その上、
当業者は本発明の調節領域が、細菌細胞において転写に影響を及ぼすさらなるエ
レメント、例えば、エンハンサーエレメントにカップリングしてもよいことを承
知している。
【0142】 本発明はまた、本発明の調節領域を含む組換え型DNA分子にも関する。
【0143】 そのような組換え型DNA分子において、調節領域は、異種DNA配列に結合させる
ことが好ましい。この意味において、「異種」という用語は、上記配列が調節領
域に本来結合していないことを意味する。さらに、本発明の組換え型DNA分子は
さらに、細菌細胞において転写および/または翻訳に関して重要である調節エレ
メント、例えば、転写または翻訳エンハンサーをさらに含んでもよい。
【0144】 その上、本発明は、本発明の調節領域、組換え型DNA分子、またはベクターに
よって形質転換した宿主細胞に関する。
【0145】 さらに、本発明は、本発明の調節領域または本発明の組換え型DNA分子を含む
ベクターに関する。上記ベクターは、例えば、分子遺伝子学の方法に関して通常
用いられる、プラスミド、コスミド、バクテリオファージ、ウイルス等を含む。
【0146】 さらに、本発明は、基質としての蔗糖とアミロスクラーゼおよび分枝酵素の酵
素の組合せとを用いて、α-1,6-分枝α-1,4-グルカンを産生するインビトロ方法
に関する。本発明の意味において、「インビトロ方法」という用語は、変換、す
なわち生物の体外で起こる反応に関する。特に、「インビトロ」という用語は、
本発明の方法が反応試験管において起こることを意味する。最も好ましくは、「
インビトロ」という用語は生存細胞の非存在下で反応が起こることを意味する。
【0147】 本発明の方法の利点は、分枝の程度を制御することが可能であること、そして
上記制御によって、合成されたグルカンの特性を、グルカンの計画する用途に適
合させることが可能である点である。このように、薬剤における封入材料として
の応用では、分枝の程度を意図的に調節することによって薬剤の放出速度を最適
にする可能性がある。
【0148】 本発明の意味において、アミロスクラーゼ(蔗糖:1,4-α-D-グルカン4-α-グ
ルコシルトランスフェラーゼ、E.C. 2.4.1.4)は、蔗糖の、水に不溶性のα1,4-
グルカンと果糖への変換を触媒する酵素である。上記酵素に関して、以下の反応
スキームが提案されている: 蔗糖+(α-1,4-D-グルカン)n→D-果糖+(α-1,4-D-グルカン)n+1
【0149】 これは、トランスグリコシル化反応である。上記反応の産物は水に不溶性のα
-1,4-グルカンと果糖である。トランスグリコシル化は、アクセプター分子の非
存在下または存在下で起こってもよい。そのようなアクセプター分子は例えば、
マルト-オリゴ糖、デキストリン、またはグリコーゲンのような多糖類であって
もよい。上記アクセプター分子が直鎖状のオリゴマーα-1,4-グルカンである場
合、アミロスクラーゼトランスグリコシル化反応から生じた産物は、重合した直
鎖状α-1,4-グルカンである。アミロスクラーゼによるトランスグリコシル化反
応を如何なるアクセプター分子もなく行えば、最終の果糖分子を有するグルカン
が得られる。本発明の意味において、アクセプター分子の非存在下または存在下
でアミロスクラーゼによって得られた産物は全て、α-1,4-グルカンと呼ぶ。
【0150】 アクセプター分子の非存在下におけるアミロスクラーゼによるトランスグリコ
シル化の反応メカニズムに関して、以下の反応スキームが提案されている: G−F+n(G−F)→Gn−G−F+nF、 式中、G−Fは蔗糖、Gはグルコース、Fは果糖、そしてGn−G−Fはα-1,4-グルカ
ンである。
【0151】 アクセプター分子の存在下でのアミロスクラーゼによるトランスグリコシル化
の反応メカニズムに関して、以下の反応スキームが提案されている: mG−F+Gn→Gn-m+mF、 式中、Gnは多糖類アクセプター分子であり、Gn-mはアクセプタープラスそこに合
成されるα-1,4-グルカン鎖からなる多糖類であり、G−Fは蔗糖、Fは果糖、そし
てGはグルコースである。
【0152】 アミロスクラーゼによるトランスグリコシル化に必要な共因子はない。基本的
に、蔗糖から開始して直鎖状のα-1,4-グルカンの合成を触媒するアミロスクラ
ーゼは全て、本発明の方法を実施するために適している。
【0153】 これまで、いくつかの細菌種からのアミロスクラーゼが知られており、特に主
にナイセリア(Neisseria)種からのものが知られている(マッケンジー(MacKe
nzie)ら、Can. J. Microbiol. 24(1978)、357〜362)。
【0154】 このように、原核細胞起源のアミロスクラーゼを用いることが好ましい。アミ
ロスクラーゼは、例えばナイセリア・ペルフラバ(Neisseria perflava)(オカ
ダ&ヘール(Okada and Hehre)、J. Biol. Chem. 249(1974)、126〜135;マ
ッケンジー(MacKenzie)ら、Can. J. Microbiol. 23(1977)、1303〜1307)、
またはナイセリア・カニス(Neisseria canis)、ナイセリア・シネレア(Neiss
eria cinerea)、ナイセリア・デニトリフィカンス(Neisseria denitrificans
)、ナイセリア・シッカ(Neisseria sicca)およびナイセリア・サブフラバ(N
eisseria subflava)(マッケンジー(MacKenzie)ら、Can. J. Microbiol. 24
(1978)、357〜362)からのものが知られている。さらに、国際公開公報第95/3
1553号は、ナイセリア・ポリサッカレア(Neisseria polysaccharea)からのア
ミロスクラーゼについて記述している。原核細胞によって天然に分泌されるアミ
ロスクラーゼを用いることが好ましい。
【0155】 本発明の好ましい態様において、ナイセリア・ポリサッカレア(Neisseria po
lysaccharea)からのアミロスクラーゼを用いる。
【0156】 ナイセリア・ポリサッカレア(Neisseria polysaccharea)において発現され
る酵素は極めて安定で、重合産物に非常に強く結合し、反応産物である果糖によ
って競合的に阻害される(マッケンジー(MacKenzie)ら、Can. J. Microbiol.
23(1977)、1303〜1307)。ナイセリア種であるナイセリア・ポリサッカレア(
Neisseria polysaccharea)では、アミロスクラーゼは分泌される(リオウ(Rio
u)ら、Can. J. Microbiol. 32(1986)、909〜911)が、他のナイセリア種では
、それらは細胞内に留まっている。配列番号:5に記載したアミノ酸配列を有す
るアミロスクラーゼを用いることが特に好ましい。
【0157】 本発明のもう一つの好ましい態様において、精製されたアミロスクラーゼを用
いる。この意味において、精製アミロスクラーゼは蛋白質が合成される細胞の細
胞成分を実質的に含まない酵素である。好ましくは「精製されたアミロスクラー
ゼ」という用語は、純度の程度が少なくとも70%、好ましくは少なくとも85%、
および最も好ましくは少なくとも90%であるアミロスクラーゼに関する。
【0158】 α-1,4-グルカンを産生するために精製蛋白質を用いることは非常に有用であ
る。部分精製蛋白質抽出物を用いた方法とは対照的に、本発明の方法の反応培地
は、蛋白質を精製するために、または遺伝子操作によって蛋白質を産生するため
に用いられる産生株(微生物)の如何なる残留物も含まない。
【0159】 さらに、精製蛋白質を用いる場合、食品および製薬産業において都合がよい。
反応培地が定義され、全ての不要な成分が除去されれば、産物の成分はより正確
に定義される。これによって、特に、上記産物はトランスジェニック微生物の痕
跡量も含まないと予想されるため、食品および医薬品業界においてバイオテクノ
ロジーによって製造されているこれらの産物に関する販売認可を得るための手続
きがより簡素化される。
【0160】 本発明の意味において、分枝酵素(α-1,4-グルカン:α-1,4-グルカン6-グリ
コシルトランスフェラーゼ、E.C. 2.4.1.18)は、α-1,4-グルカンドナーのα-1
,4-結合が加水分解されて、放出されたα-1,4-グルカン鎖がα-1,4-グルカンア
クセプター鎖に転移されて、α-1,6-結合に変換される、トランスグリコシル化
反応を触媒する蛋白質である。
【0161】 基本的に、如何なる起源(細菌、真菌、植物、動物)の分枝酵素も全て、本発
明の方法を実施するために適している(例えば、ババ(Baba)ら、Biochem. Bio
phys. Res. Commun. 181(1991)、87〜94;コスマン(Kossmann)ら、Mol. Gen
. Genet. 203(1991)、237〜244;ナカムラ&ヤマノウチ(Nakamura and Yaman
ouchi)、Plant Physiol. 99(1992)、1265〜1266;ベッカー(Baecker)ら、J
. Biol. Chem. 261(1986)、8738〜8743;キール(Kiel)ら、Gene(1989)、9
〜17等を参照のこと)。
【0162】 当業者は、とりわけ、サムブルック(Sambrook)らの「分子クローニング、実
験マニュアル(Molecular Cloning, A Laboratory Manual)」、第二版、コール
ドスプリングハーバー研究所出版、ニューヨーク州、アメリカ(1989))に記載
されているような分子生物学の標準的な方法によって、対応する遺伝子を単離す
ることができる。
【0163】 本発明の好ましい態様において、分枝酵素は原核細胞、好ましくはナイセリア
(Neisseria)属、より好ましくはナイセリア・デニトリフィカンス(Neisseria
denitrificans)の分枝酵素および最も好ましくは下記に示す本発明の分枝酵素
である。配列番号:1に記載のアミノ酸配列を有する分枝酵素は特に好ましい。
【0164】 もう一つの好ましい態様において、分枝酵素は精製分枝酵素である。この意味
において、精製分枝酵素は、蛋白質が合成される細胞の細胞成分を実質的に含ま
ない酵素である。好ましくは、「精製分枝酵素」という用語は、酵素の純度の程
度が少なくとも70%、好ましくは少なくとも85%、および最も好ましくは少なく
とも90%であることを意味する。
【0165】 その上、本発明の方法において、組換え的に産生された蛋白質を用いることが
好ましい。本発明の意味において、上記蛋白質は上記蛋白質をコードするDNA配
列を宿主細胞に導入して、そこで発現させることによって産生される蛋白質であ
る。蛋白質は、その後宿主細胞および/または培養培地から回収してもよい。宿
主細胞は、シュレーゲル(Schlegel)の「微生物全般(Allgemeine Mikrobiolog
ie)」(ゲオルグチーム出版)、1985、1〜2)に記載のような細菌または原生生
物(例えば、真菌、特に酵母、藻類)であることが好ましい。特に、蛋白質は宿
主細胞によって分泌されることが好ましい。組換え型蛋白質を産生するそのよう
な宿主細胞は、当業者に既知の方法を用いて産生することができる。
【0166】 Methods in Enzymology 153(1987)、385〜516、ビッター(Bitter)ら(Met
hods in Enzymology 153(1987)、516〜544);サワース(Sawers)ら(Applie
d Microbiology and Biotechnology 46(1996)、1〜9);ビルマン・ヤコブ(B
illmann-Jacobe)(Current Opinion in Biotechnology 7(1996)、500〜504)
;ホックネイ(Hockney)(Trends in Biotechnology 12(1994)、456〜463)
およびグリフィス(Griffiths)ら(Methods in Molecular Biology 75(1997)
、427〜440)は、異なる発現系の概要を示している。発現ベクターは、文献に広
く記載されている。選択マーカー遺伝子および選択した宿主において複製を確実
にする複製起点は別として、それらは通常細菌またはウイルスプロモーターを含
み、ほとんどが転写終了シグナルを含む。プロモーターと終了シグナルのあいだ
に、コードするDNA配列の挿入を可能にする少なくとも1つの制限部位またはポ
リリンカーが存在する。対応する遺伝子の転写を本来制御するDNA配列が選択し
た宿主生物において活性である場合、それをプロモーター配列として用いること
ができる。しかし、上記配列はまた他のプロモーター配列に交換してもよい。遺
伝子の構成的な発現に影響を及ぼすプロモーターと下流の遺伝子の発現の定方向
調節を可能にする誘導型プロモーターの双方を用いることができる。これらの特
性を有する細菌およびウイルスプロモーター配列は、文献において広く記載され
ている。微生物(例えば、大腸菌、S.セレビジエ(S. cerevisiae))における
発現の調節配列は、文献に十分に記載されている。下流の遺伝子の特に強い発現
を可能にするプロモーターには、例えばT7プロモーター(スツディア(Studier
)ら、Methods in Enzymology 185(1990)、60〜89)、lacuv5、trp、trp-lacU
V5(デボエア(DeBoer)ら、ロドリゲス&チャンベルリン(Rodriguez and Cham
berlin)編、「プロモーター、構造と機能(Promoters, Structure and Functio
n)」;プレーガー(Praeger)、ニューヨーク(1982)、462〜481;デボエア(
DeBoer)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA(1983)、21〜25)、λp1、rac(ボ
ロス(Boros)ら、Gene 42(1986)、97〜100)が含まれる。通常、蛋白質の量
は微生物の増殖サイクルの対数基の中間期からほぼ末期にその最高レベルに達す
る。したがって、好ましくは誘導型プロモーターは蛋白質の合成に用いられる。
これらの誘導型プロモーターはしばしば、構成的プロモーターより蛋白質の収量
が高い。クローニングした遺伝子の一定の転写および翻訳により、強い構成的プ
ロモーターを用いるとしばしば、他の本質的な細胞機能のためのエネルギーが失
われ、このように、細胞増殖が遅くなるという作用を有する(ベルナール・グリ
ック(Bernard R. Glick)/ジャック・パステルナク(Jack J. Pasternak)、
「分子生物工学(Molekulare Biotechnologie)」、(1995)、スペクトラム教
育出版、GmbH、ハイデルベルク・ベルリン・オックスフォード、342頁)。した
がって、蛋白質の最適な量を得るために二段階法がしばしば用いられる。第一に
、宿主細胞をそれらが比較的高い細胞密度に達するまで最適な条件で培養する。
第二段階において、用いるプロモーターの種類に応じて転写を誘導する。この意
味において、乳糖またはIPTG(イソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド)に
よって誘導可能なtacプロモーターは、特に適している(デボエア(DeBoer)ら
、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80(1983)、21〜25)。転写終了シグナルもま
た、文献に記述されている。
【0167】 対応する蛋白質をコードするDNAによる宿主細胞の形質転換は通常、例えば、
サムブルック(Sambrook)ら(「分子クローニング、実験マニュアル(Molecula
r Cloning, A Laboratory Manual)」、第二版(1989)、コールドスプリングハ
ーバー研究所出版、ニューヨーク)に記載のような標準的な方法に従って実施す
ることができる。宿主細胞は、それぞれの宿主細胞の要求に応じた培養培地にお
いて培養する。特に、pH値、温度、塩濃度、通気、抗生物質、ビタミン、および
微量元素等を考慮に入れる。
【0168】 宿主細胞によって産生された酵素は、沈殿、イオン交換クロマトグラフィー、
アフィニティクロマトグラフィー、ゲル濾過、HPLC逆相クロマトグラフィー等の
ような標準的な精製技術に従って精製することができる。
【0169】 宿主細胞において発現されたDNAを改変することによって、宿主細胞において
ポリペプチドを産生することが可能であり、これによって特定の特性により培養
培地から単離することがより容易となる。このように、もう一つのポリペプチド
配列との融合蛋白質として発現すべき蛋白質を発現する可能性が存在し、その特
異的結合特性によってアフィニティクロマトグラフィーによる融合蛋白質の単離
が可能となる(例えば、ホップ(Hopp)ら、Bio/Technology 6(1988)、1204〜
1210;サッセンフェルド(Sassenfeld)、Trends Biotechnol. 8(1990)、88〜
93)。
【0170】 本発明の方法の好ましい態様において、組換え的に産生されて、宿主細胞から
培養培地に分泌される酵素を用い、その結果、分泌された蛋白質は上清から回収
されるため、細胞を破壊する必要がなく、またはこれ以上蛋白質を精製する必要
がなくなる。透析、逆浸透圧、クロマトグラフィー方法等のようなプロセスの操
作において既知の方法を、培養培地の残留成分を除去するために用いてもよい。
同じことが培養培地に分泌された蛋白質の再濃縮にも当てはまる。通常、微生物
による蛋白質の分泌はN-末端シグナルペプチド(シグナルペプチド、リーダーペ
プチド)によって媒介される。上記シグナル配列を有する蛋白質は、微生物の細
胞膜を通過する可能性がある。蛋白質の分泌は、上記シグナルペプチドをコード
するDNA配列を、酵素をコードする対応する領域に結合させることによって行っ
てもよい。
【0171】 選択的に天然に存在するシグナルペプチド、例えば、ナイセリア・ポリサッカ
レア(Neisseria polysaccharea)からのアミロスクラーゼが好ましい。
【0172】 クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)M5A1からのα-CGTアーゼの
シグナルペプチド(フィードラー(Fiedler)ら、J. Mol. Biol. 256(1996)、
279〜291)、または受入番号X86014によってゲンバンクにおいて登録可能な配列
のヌクレオチド11529〜11618位によってコードされるシグナルペプチドが特に好
ましい。
【0173】 その代用として、本発明の方法において用いられる酵素はまた、微生物を用い
ずに蛋白質を発現させるインビトロ転写および翻訳系を用いて産生してもよい。
【0174】 もう一つの好ましい態様において、アミロスクラーゼおよび/または分枝酵素
は支持材料に固定する。
【0175】 酵素の固定は、合成反応の触媒と同じようにして反応混合物から酵素を回収す
ることができること、そして数回用いることができるという長所を有する。酵素
の精製は通常、多くの時間と費用を必要とするため、固定とリサイクルはかなり
の費用の節約となりうる。如何なる残留蛋白質も含まない反応産物の純度の程度
は、もう一つの長所となる。
【0176】 支持材料とのカップリングが、共有結合または非共有結合によって起こっても
よい、蛋白質を固定するために利用できる多数の支持材料が存在する(概要に関
しては、Methods in Enzymology 135、136、137を参照のこと)。例えば、アガ
ロース、アルギン酸塩、セルロース、ポリアクリルアミド、シリカ、またはナイ
ロンは支持材料として広く用いられている。
【0177】 方法のもう一つの好ましい態様において、(部分的に精製された)アミロスク
ラーゼおよび/または分枝酵素の酵素粗抽出物を用いる。この意味において、粗
抽出物は、精製された酵素と比較して純度の程度が低下しているアミロスクラー
ゼおよび/または分枝酵素調製物である(実施例5および6を参照のこと)。
【0178】 好ましい態様において、本発明の方法において、α-1,6-分枝α-1,4-グルカン
の分枝の程度は分枝酵素およびアミロスクラーゼの蛋白質活性の比を変化させる
ことによって改変する。この意味において、蛋白質活性の比は、アミロスクラー
ゼおよび分枝酵素からの蛋白質活性(u)の比である。蛋白質活性は実施例7お
よび8に記載のように決定してもよい。本発明の方法を実施する場合(実施例9
を参照のこと)、蛋白質活性(アミロスクラーゼ単位/分枝酵素単位)の比は、
1/4000〜2000/1の範囲であってもよい。
【0179】 好ましい態様において、蛋白質活性の比は1/1500〜1500/1の範囲である。
【0180】 もう一つの好ましい態様において、蛋白質活性の比は1/800〜1300/1の範囲で
ある。
【0181】 特に好ましい態様において、蛋白質活性の比は1/400〜1200/1の範囲である。
【0182】 蛋白質活性の比を変化させることによって、得られたα-1,6-分枝α-1,4-グル
カンの分枝の程度を0.05%から35%に改変することが可能である。
【0183】 好ましい態様において、6-位のα-1,6-分枝α-1,4-グルカンの分枝の程度を0.
15%から25%に、より好ましくは0.20%から15%に、および最も好ましくは0.25
%から12%に変化させることが可能である。
【0184】 本発明の方法を用いれば、特に、グリコーゲンより分枝の程度が高い産物を産
生することが可能である。
【0185】 本発明の意味において、分枝の程度は異なるように結合した全てのグルコース
と比較したO-6位の分枝の平均占有率である。分枝の程度はメチル化分析によっ
て決定することができる(実施例10を参照のこと)。もう一つの好ましい態様に
おいて、本発明の方法において、産物の分子量は蛋白質活性の比を変化させるこ
とによって改変される。特に、α-1,6-分枝α-1,4-グルカンの合成に至る反応の
際に蛋白質活性の比を変化させることが可能である。
【0186】 本発明の方法のもう一つの好ましい態様において、方法は、異なる蔗糖濃度で
実施される。原則として、好ましくは1%〜80%(w/v)の蔗糖濃度、より好ま
しくは5%〜50%、および最も好ましくは10%〜40%の濃度で実施することが可
能である。
【0187】 本発明において、分子量は、ベリー(Berry)(J. Chem. Phys. 44(1966)、
4550頁)による光散乱実験(「ポリマー溶液からの光の散乱(Light Scattering
from Polymer Solutions)」、ヒュグリン(Huglin, M.B.)編、アカデミック
プレス、ロンドン、1972)によって決定する。本発明の方法によって、特に、上
記の方法によって産生されたα-1,6-分枝α-1,4-グルカンの分子量を1000〜3000
×106の範囲に調節することが可能である。好ましくはα-1,6-分枝α-1,4-グル
カンの分子量は100,000〜1500×106であり、より好ましくは100,000〜1000×106 、さらにより好ましくは262,000〜1000×106および最も好ましくは262,000〜499
×106である。
【0188】 さらに、本発明は、本発明の上記の方法によって得ることができるα-1,6-分
枝α-1,4-グルカンに関する。上記α-1,6-分枝α-1,4-グルカンは、アミロスク
ラーゼの活性のみを用いた場合では多くて25 mol%であるが、これより高い分枝
の程度を有する。
【0189】 本発明の好ましい態様において、これらは分枝の程度が0.05%〜20%、好まし
くは0.15%〜17%、より好ましくは0.2%〜15%、さらにより好ましくは0.25%
〜13%、および最も好ましくは0.3%〜12%であるα-1,6-分枝α-1,4-グルカン
である。本発明のもう一つの好ましい態様において、分枝の程度は0.35%〜11%
であり、特に0.4%〜10.5%である。
【0190】 本発明のα-1,6-分枝α-1,4-グルカンは、本発明のデンプンに関して上記のよ
うに食品および非食品産業において用いることができる。
【0191】 本発明において産生されたプラスミドpBB48は、国際寄託所として承認されて
いるブラウンシュバイヒのドイツ微生物と培養細胞コレクション(Deutsche Sam
mlung von Mikroorganismen und zellkulturen)に、ブダペスト条約の要件に従
って受入番号DSM 12425として1998年9月25日に登録された。
【0192】 以下の実施例により本発明を説明する。
【0193】 材料: 破壊緩衝液:100 mMトリス/塩酸、pH 8.5;5 mM Na2EDTA;2 mM DTT;1 mM
ペファブロック(Pefabloc(登録商標)) 洗浄緩衝液:50 mMトリス/塩酸、pH 8.5;5 mM Na2EDTA;10%グリセロール HIC緩衝液:50 mMリン酸カリウム緩衝液、pH 7.0;5 mM EDTA;2 mM DTT;10
%グリセロール 牡蠣のオイスターII型グリコーゲン(シグマ社G8751)
【0194】 方法:デンプン分析 (a)アミロース/アミロペクチン比の決定 デンプンは標準的な方法に従ってジャガイモ植物から単離して、ホーフェンカ
ンプ・ヘルメリンク(Hovenkamp-Hermelink)ら(Potato Research 31(1988)
、241〜246)が記述した方法に従って、アミロース対アミロペクチン比を決定し
た。
【0195】 (b)リン酸含有量の測定 デンプンにおいて、グルコース単位のC2、C3およびC6位はリン酸化される可能
性がある。
【0196】 C6位でのリン酸基の含有量を測定するため、デンプン100 mgを0.7 M HCl1 ml
中で95℃で4時間加水分解した(ニールセン(Nielsen)ら、Plant Physiol. 10
5(1994)、11〜117)。0.7 M KOHによって中和した後、加水分解物50 mlに、グ
ルコース-6-リン酸を測定するための光学酵素試験を実施した。334 nmにおいて
、試験混合物(100 mMイミダゾール/塩酸;10 mM MgCl2;0.4 mM NAD;リュウ
コノストック・メゼンテロイデス(Leuconoctoc mesenteroides)のグルコース-
6-リン酸デヒドロゲナーゼ;30℃)の吸収の変化を測定した。
【0197】 総リン酸含有量は、エームス(Ames)(Methods in Enzymology VIII(1966)
、115〜118)に記載の方法に従って決定した。
【0198】 デンプン約50 mgを硝酸マグネシウムのエタノール溶液30 μlに加えて、マッ
フル炉で500℃で3時間灰にした。0.5 M塩酸300 μlを残査に加えて、60℃で30
分インキュベートした。次に、アリコットに0.5 M塩酸を300 μlまで満たし、10
%アスコルビン酸100 μlと0.42%モリブデン酸アンモニウムの2 M硫酸溶液600
μlの混合物に加えて、45℃で20分インキュベートした。
【0199】 次に、リン酸標準物質を用いた較正曲線によって820 nmでの分光測定を行う。
【0200】 (c)ゲルのきめの決定(きめ分析装置) デンプン(TS)2 gをH2O (例えばRVA)25 ml中でペースト状にしてその後、
空気に触れないように密封して、25℃で24時間保存した。試料を、ステーブルミ
クロシステムズによるきめ分析器TA-XT2のプローブ(丸いスタンプ状)によって
固定して、ゲルのきめを以下のパラメータに関して測定する: − 試験速度 0.5 mm/s − 浸透深度 7 mm − 接触領域 113 mm2 − 圧力 2 g
【0201】 (d)粘度プロフィール デンプン(TS)2 gをH2O 25 mlに加えて、分析のためにラピッドビスコアナ
ライザー(ニューポートサイエンティフィック社、投資支援グループ、ワリーウ
ッドNSW 2102、オーストラリア)に入れた。装置は製造元の指示に従って操作し
た。デンプン水溶液の粘度を決定するために、まず、デンプン懸濁液を50℃から
95℃に12℃/分の速度で加熱する。次に、温度を95℃で2.5分維持する。その後
、溶液を95℃から50℃に12℃/分の速度で冷却する。粘度は時間全体で測定する
【0202】 ペースト化温度は、経時的な粘度グラフの勾配によって測定する。グラフの勾
配が1.2より高い場合(この値はユーザーが設定する)、コンピュータープログ
ラムは、この瞬間において測定された温度をペースト化温度として同定する。
【0203】 (e)グルコース、果糖、および蔗糖の測定 グルコース、果糖、および蔗糖の含有量は、スティット(Stitt)ら(Methods
in Enzymology 174(1989)、518〜552)によって記載された方法に従って測定
する。
【0204】 (f)アミロペクチンの側鎖の分布の分析 側鎖の分布と調製物は、ロイド(Lloyd)らが記述したように決定する(Bioch
em. J. 338(1999)、515〜521)。上記の方法を用いると、アミロペクチンのみ
が脱分枝され、アミロースはチモール沈殿によって脱分枝の前にアミロペクチン
から分離されるという事実が指摘される。以下の溶出条件を選択する(簡単な説
明、正確な溶出プロフィールは図19に示す):
【表】
【0205】 (g)顆粒サイズの測定 顆粒のサイズは、ドイツのレッチュGmbHによる「ルモセド」型の分光沈降計に
よって測定した。
【0206】 顆粒サイズの分布は水溶液中で測定し、製造元の説明書と共に文献、例えばピ
ッチュ(H. Pitsch)(穀物サイズの測定(Korngrossenbestimmung);LABO-198
8/3実験技術の専門雑誌、ダルムシュタット)に基づいて実施した。
【0207】 (h)水分結合能の測定 水分結合能を測定するため、70℃で膨張させたデンプンの可溶性部分を遠心に
よって分離した後に残査の重量を測定した。デンプンの水分結合能(WBV)は可
溶性の塊によって補正した当初の重量を参考にして決定した。 WBV(g/g)=(残査−(初回重量−可溶性部分))/(初回重量−可溶性部分)
【0208】実施例1 ナイセリア・デニトリフィカンス(Neisseria denitrificans)からの分枝酵素
をコードするゲノムDNA配列の単離 ナイセリア・デニトリフィカンス(Neisseria denitrificans)からの分枝酵
素を単離するため、まず、ゲノムライブラリを作製した。この目的のため、ATCC
14686としてATCCに寄託された株のナイセリア・デニトリフィカンス(Neisseri
a denitrificans)の細胞を、コロンビア血液アガープレート上で培養して、そ
の後回収した。ゲノムDNAは、アウスユベール(Ausubel)ら「分子生物学の現行
プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology(1987);ジョンウィ
リー&サンズ、ニューヨーク州)の方法によって単離および精製した。制限エン
ドヌクレアーゼSau3Aによって部分的に制限酵素消化した後、BamHI切断ファージ
ベクターDNA(ストラタジーン社のラムダZAPエクスプレス)とのライゲーション
を実施した。ファージライブラリをインビボで切り出した後、得られたプラスミ
ドを大腸菌変異体(PGM-)に形質転換した(アディア&シュワルツ(Adhya and
Schwartz)、J. Bacteriol. 108(1971)、621〜626)。マルトース上で増殖さ
せると、上記変異体は、直鎖状の多糖類を形成し、これはヨウ素で着色すると青
色に変化する。形質転換体60,000個を、IPTG(1 mM)、カナマイシン(12.5 mg
/L)およびマルトース(1%)と共にYTアガープレート上に播種して、37℃で16
時間インキュベートした後、それらをヨウ素蒸気にあてた。ヨウ素蒸気にあてた
後に赤、茶色、または黄色を示す細菌コロニー60個を選択して、プラスミドDNA
をそこから単離した(バーンボイム・ドリー(Birnboim-Doly)、Nucleic Acid
Res. 7、1513〜1523)。次に、単離したプラスミドを同じ大腸菌(PGM)変異体
の再形質転換に用いた(アディア&シュワルツ(Adhya and Schwartz)、J. Bac
teriol. 108(1971)、621〜626)。播種とヨウ素蒸気化を繰り返した後、クロ
ーンは単離体60個から単離体4個に減少した。4つ全てのプラスミドにおいて同
じ大きさを示したEcoRI断片(1.6 kb)を示すこれらの4つのプラスミドについ
て制限分析を実施した(図1)。
【0209】実施例2 プラスミドpBB48のゲノム断片の配列分析 1.6 kb EcoRI断片を、実施例1に従って得て、ベクターpBK-CMV(ストラタジ
ーン社)に約3.9 kbインサートを有するクローン(pBB48)から単離した(ジー
ンクリーン、Bio101)。DNAシークエンシングのため、EcoRIで切断したベクター
pBluescriptに断片をクローニングした。次に、分枝酵素と共に隣接領域の配列
をコードする完全なDNA配列を、開始プラスミドpBB48(配列番号:1)によって
決定した。プラスミドpBB48を図1に示す。プラスミドはDSM 12425として寄託さ
れている。
【0210】実施例3 組換え型大腸菌細胞における分枝酵素の発現 一般的に、内因性分枝酵素(glgB)を大腸菌実験株において発現させる。この
ような理由から、分枝酵素活性を検出するために大腸菌のG6MD2変異体を用いた
。大腸菌Hfr G6MD2(大腸菌遺伝子保存センター、エール大学、CGSC#5080)は、
グルカン合成遺伝子(glgA、glgB、glgC)の領域に長い欠失を有する。分枝酵素
活性を検出するため、上記変異体をプラスミドpBB48によって形質転換して、増
殖させた細胞の粗抽出物を調製した。上記の粗抽出物の蛋白質をポリアクリルア
ミドゲル上で電気泳動によって分離して、分枝酵素活性を測定するためにウサギ
ホスホリラーゼB(100 mMクエン酸ナトリウム、pH 7.0;MAP、グルコース-1-リ
ン酸)と共に、または含まずにインキュベートした。ホスホリラーゼで刺激した
ゲルでは紫色のバンドのみが現れ、これは強い分枝酵素活性を示した。
【0211】実施例4 細胞不含系における蛋白質粗抽出物によるα-1,6-分枝α-1,4-グルカンのインビ
トロ産生 分枝酵素発現のため、変異体大腸菌G6MD2をプラスミドpBB48によって形質転換
した。細胞をアーレンマイヤーフラスコ中で振とうさせながらカナマイシン(12
.5 mg/L)を含むYT培地で16時間培養した。遠心した後(5000×g)、得られた沈
殿物を100 mMトリス/塩酸、pH 7.5、1 mM DTTで洗浄して、同じ緩衝液に浮遊
させた後、細胞を超音波プローブによって破壊した。もう一度遠心して(10,000
×g)、細胞の破片を可溶性蛋白質から分離して、蛋白質濃度約10 mg/mlの黄色
みがかった上清を得た。
【0212】 そのようにして得られた蛋白質の粗抽出物から、異なる量(100 μl、10 μl
、1μl、0.1 μl、0.01 μl、0.001 μl)を、20%蔗糖および0.02%アジ化ナ
トリウムを加えた一定量のアミロスクラーゼの100 mMクエン酸ナトリウム溶液50
ml、pH 7.0に加えた。数時間後、反応混合物に最初の曇りを認めた。3日後、
混合物を遠心して、形成された産物を脱イオン水で洗浄した。
【0213】 産物はDMSOに可溶性であり、それによって形成された産物の分枝の程度が推定
される、ルゴール液による吸収スペクトルを測定することによって特徴を調べて
もよい。この目的のため、DMSO溶液を水でかなり希釈して、ルゴール液を加えて
、ベックマン分光光度計によって400 nm〜700 nmまでのスペクトルを直ちに測定
した(図2を参照のこと)。
【0214】 カーボパックPA100カラム上でイソアミラーゼによって分解された側鎖をHPLC
(DIONEX;溶出剤:150 mM NaOHと共に1 M酢酸ナトリウム勾配)によって分離
したところ、非常に分枝の多い産物に関してイソアミラーゼで脱分枝したラット
肝グリコーゲンの産物と同じパターンが示される(図3)。
【0215】 プルラナーゼと共にインキュベートした後、側鎖は非常に少量分解されたに過
ぎなかった。
【0216】実施例5 分枝酵素の精製と蛋白質のN-末端シークエンシング pBB48で形質転換した組換え型Hfr G6MD2大腸菌細胞(上記参照)からナイセリ
ア・デニトリフィカンス(Neisseria denitrificans)の分枝酵素を単離するた
めに、まず、上記細胞の一晩培養を遠心した。次に、細胞沈降物を3倍容量の破
壊緩衝液に浮遊させて、フレンチプレスによって約16,000〜17,000 psiの圧力で
破壊した。10,000 gで1時間遠心した後、洗浄緩衝液を加えて上清を4倍容量と
なるように希釈した。次に、バッチ法を用いてDEAEセルロースDE52に結合させて
、クロマトグラフィーカラムに充填し、これを2〜3倍容量の洗浄緩衝液で洗浄
した。その後、1 M NaClの直線勾配を適用して溶出させた。分枝酵素活性を有
する分画を合わせて(実施例8を参照のこと)、(NH42SO4を加え(最終濃度2
0%(w/v))、TSKブチルトヨパール650 Mカラムに適用した。HIC緩衝液の2〜
3倍容量で洗浄した後、これにさらに飽和度20%の硫酸アンモニウム溶液(硫酸
アンモニウム114 g/L)を加えてから、直線的に20%〜0%に減少する硫酸アン
モニウム勾配を用いて分枝酵素をHIC緩衝液において溶出した。分枝酵素活性を
有する分画を合わせた。蛋白質を濃縮するため、小さいTSKブチルトヨパール650
Mカラムを用いて合わせた分画の精製段階を繰り返した(トスハース(モンゴメ
リービル)、ペンシルバニア州)。次に精製蛋白質をポリアクリルアミドゲルに
適用して、PVDFメンブレンにブロッティングして、再度分離させて、WITA GmbH
、テトロウ、ドイツによって、エドマン法に従ってN-末端をシークエンシングし
た。得られた配列は:MNRNXH(配列番号:3)であった。
【0217】実施例6 アミロスクラーゼの精製 アミロスクラーゼを産生するため、ナイセリア・ポリサッカレア(Neisseria
polysaccharea)からのアミロスクラーゼをコードするDNAによって形質転換した
大腸菌細胞を用いた。DNAは、配列番号:4に記載のヌクレオチド配列を有し、N
. ポリサッカレア(N. polysaccharea)のゲノムライブラリに由来する。
【0218】 ナイセリア・ポリサッカレア(Neisseria polysaccharea)からのアミロスク
ラーゼを分泌する上記大腸菌細胞の一晩培養物を遠心して、50 mMクエン酸緩衝
液(pH 6.5)、10 mM DTT(ジチオスレイトール)、1 mM PMSF(フェニルメチ
ルスルホニルフルオライド)約1/20容量に再浮遊させた。次に、細胞をフレンチ
プレスによって16,000 psiで2回破壊した。その後1 mM MgCl2およびベンゾナ
ーゼ(メルク社;100,000単位;250 単位/μlを細胞抽出物に加えて、最終濃度
を12.5 単位/μlとした。その後、混合物を緩く振とうさせながら37℃で少なく
とも30分間インキュベートした。抽出物を氷中で少なくとも1.5時間放置した。
その後、上清が比較的透明になるまで約40,000 gで4℃で30分間遠心した。
【0219】 孔の直径が0.45 μmであるPVDFメンブレン(ミリポア社「デュラポア」または
同等物)によってプレ濾過を行った。抽出物は4℃で一晩放置した。HI(疎水性
相互作用)クロマトグラフィーを行う前に、固体NaClを抽出物に加えて濃度を2
M NaClに調節した。その後混合物を約40,000 mgで4℃で30分間再度遠心した。
その後、大腸菌の残った残査を孔の直径が0.22 μmのPVDFメンブレン(ミリポア
社「デュラポア」、または同等物)によって濾過することによって抽出物から除
去した。濾過した抽出物をブチルセファロース-4Bカラム(ファルマシア社)(
カラム容量:93 ml、長さ:17.5 cm)上で分離した。アミロース活性1〜5単位
/μlを有する抽出物約50 mlをカラムに適用した。次に非結合蛋白質を緩衝液B(
緩衝液B:50 mMクエン酸ナトリウム、pH 6.5、2 M NaCl)150 mlによってカラ
ムから洗浄して除去した。最後に、アミロスクラーゼを自動ポンプシステム(FP
LC、ファルマシア社)によって生成した直線的に減少するNaCl勾配(2 M〜0 M
NaClの50 mMクエン酸ナトリウム溶液、容量433 ml、流入速度1.5 ml/分)によ
って溶出した。アミロスクラーゼの溶出は0.7 M〜0.1 M NaClのあいだで起こっ
た。分画を回収して、PD10セファデックスカラム(ファルマシア社)上で脱塩し
て、8.7%グリセロールによって安定化し、アミローススクロース活性の有無を
調べ、最後に保存緩衝液(8.7%グリセロール、50 mMクエン酸塩)において超低
温凍結した。
【0220】実施例7 アミロスクラーゼ活性の定量 アミロスクラーゼ活性は、精製蛋白質または蛋白質粗抽出物の異なる希釈を、
5%蔗糖、0.1%デキストリン、および100 mMクエン酸塩、pH 6.5を含む反応混
合液1 ml中で37℃でインキュベートすることによって測定した。0分、30分、6
0分、120分、180分、240分、300分、および360分後、それぞれ10 μlを上記混合
物から採取して、直ちに95℃に加熱してアミロスクラーゼの酵素活性を停止させ
た。次に、アミロスクラーゼによって放出された果糖の比率を、複合分光試験に
よって決定する。不活化試料1μl〜10 μlを50 mMイミダゾール緩衝液、pH 6.9
、2 mM MgCl2、1 mM ATP、0.4 mM NAD+および0.5 U/mlヘキソキナーゼ1 mlに
入れる。グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ(リューコノストック・メゼン
テロイデス(Leuconostoc mesenteroides)から)およびホスホグルコースイソ
メラーゼを連続的に加えた後、吸光度の変化を340 nmで測定する。その後、放出
された果糖の量をランバート・ベールの法則によって計算する。
【0221】 得られた値を試料を採取した時期に関係させると、単位数(1U=μmol/果糖
/分)(蛋白質抽出物1μl、または精製蛋白質1μg当たり)を計算することが
できる。
【0222】実施例8 ナイセリア・デニトリフィカンス(Neisseria denitrificans)からの分枝酵素
の酵素活性の定量 分枝酵素の酵素活性は、文献(クリスマン(Krisman)ら、Analytical Bioche
mistry 147(1985)、491〜496;ブラウン&ブラウン(Brown and Brown)、Met
h. Enzymol. 8(1966)、395〜403)に記載の方法に従って測定した。方法は非
分枝α-1,4-グルカンと比較して分枝グルカンのヨウ素結合親和性の減少の原理
に基づいている。
【0223】 分枝酵素の酵素活性を測定するため、分枝酵素の様々な希釈液の一連の試料を
冷却したマイクロタイタープレートに入れた。次に、アミロース反応混合物(調
製は下記を参照)190 μlを加えることによって反応を開始して、インキュベー
タ内で37℃でインキュベートした。正確に30分後、ルゴール液100 μl(0.5 mM
)を加えて反応を停止させ、マイクロタイター読みとり装置(モレキュラーデバ
イス社)において試料を650 nmで測定した。アミロースを含まない混合物を対照
とした。アミロースを含むが分枝酵素を含まない最大吸光度の値を有する基準試
料のOD650は1.2であった。
【0224】 独立したアッセイをよりよく比較することができるように、試料の希釈液のみ
を計算に用い、これによって30分のインキュベートのあいだにD650が0.5単位減
少する。
【0225】分枝酵素の活性単位(U)の定義 記述した試験において1.2から0.7への0.5単位のOD650の減少を引き起こす酵素
量が分枝酵素の2分の1単位である。
【0226】アミロース反応混合物の調製 攪拌しながら、0.5%アミロース(製造元:フルカ;ジャガイモからのアミロ
ース)w/vのDMSO溶液1 mlをクエン酸ナトリウム緩衝液(100 mM、pH 6.5、0.02
%w/v NaN3)10 mlに加える。測定のために、透明な保存液をクエン酸ナトリウ
ム緩衝液で1:4〜1:8に再度希釈する。試験において、ルゴール液による吸
収は、用いた基準試料において1.2となるはずである(最大)
【0227】実施例9 異なる分枝の程度を有するα-1,6-分枝α-1,4-グルカンの産生 異なる分枝の程度を有するα-1,6-分枝α-1,4-グルカンを産生するために、ナ
イセリア・ポリサッカレア(Neisseria polysaccharea)からの精製アミロスク
ラーゼ(実施例6を参照のこと)およびナイセリア・デニトリフィカンス(Neis
seria denitrificans)(実施例5参照)からの精製分枝酵素を20%蔗糖溶液(w
/v)に加えて、反応容量を10.86 mlとした。試験混合物に応じて、2つの酵素を
互いに異なる蛋白質活性比で用いた(アミロスクラーゼの測定に関しては、実施
例7を参照のこと;分枝酵素の測定に関しては実施例8を参照のこと)(表1参
照)。
【0228】 アミロスクラーゼ調製物:6.2 U/mg;1.8 mg/ml 分枝酵素調製物:75 U/mg;6.9 mg/ml
【表1】 BE=分枝酵素 Amsu=アミロスクラーゼ 単位=測定に関しては実施例7および8を参照のこと
【0229】実施例10 メチル化分析による分枝の程度の測定 得られたグルカンの分枝の程度を次にメチル化分析によって測定した。
【0230】 1.実施する試験 − グルカン試料の全ての遊離のOH基のメチル化、毎回2回測定 − ペルメチル化ポリマーの加水分解の後、モノマー混合物のC-1での還元およ
びアセチル化 − 反応産物のガスクロマトグラフィー分析および定量
【0231】 グルカン試料の分枝の程度は、メチル化分析によって確立した(図4を参照の
こと)。ポリマーの遊離のOH基は、メチルエーテルへの変換によって標識する。
【0232】 モノマーへの分解は、酸加水分解的に実施し、ピラノシド/フラノシド型とし
て、ならびにαおよびαグルコシドとして存在する部分的メチル化グルコース分
子が得られる。これらの変異体は、対応する部分的メチル化ソルバイト誘導体に
おけるNaBH4の還元に集中する。遊離のOH基のその後のアセチル化によって、反
応産物を、ガスクロマトグラフィーによって調べることができる。
【0233】 以下の表は、得られたグルカンのきめとDMSO溶解度を示す。
【表2】 n.d.=測定していない
【0234】 2.実験パート a) DMSO溶液の調製 1%(w/v)溶液をDMSOにおいて調製した。必ずしも全ての試料が室温で十分
に溶解性ではなかった;1、3および13は110℃で30分間加熱しなければならな
かった。わずかに曇った溶液1および3を除けば、光学的に透明な溶液であった
(表2参照)。
【0235】 b)メチル化 DMSO溶液(すなわち、ポリマー20 mg)2 mlを50 ml窒素フラスコに移して、
新しく調製したジムシル溶液5等量/OH(eq/OH)にN2流の下で移して、30分間攪
拌した。溶液は雲って粘性となった。フラスコの内容物を氷浴中で凍結して、10
eq/OHヨウ化メチルを加えて、融解後、混合物を少なくとも2時間攪拌した。2
回目の脱プロトン付加とメチル化段階の前に、余剰のヨウ化メチルを真空で除去
した。
【0236】 余剰のヨウ化メチルを除去した後、水50 mlを加えてプロセシングを実施して
、それぞれジクロロメタン10 mlで5回抽出した。DMSOの如何なる痕跡量も、水
によって3回抽出して有機相から除去し、有機相をCaCl2によって乾燥させ、濾
過して濃縮した。産物は透明な黄色みがかった薄膜であった。
【0237】 実施例7によって、最初に、ヒドロキシル基のペルメチル化にとってどれほど
多くのメチル化段階が必要であるかチェックする。最初のメチル化の後、混合物
の半分を処理して、残りの半分を再度メチル化した。双方の試料が分解した後、
GC分析の結果を比較した。第一に、反応は1回のメチル化段階後ほぼ定量的であ
ることが判明した(図5参照)。C-3位での起こりうる分枝を同定するため、こ
れも同様に上記位置でのサブメチル化によって存在するように思われるが、第二
のメチル化はいずれにせよ実施した。
【0238】 図5は、1回および2回のメチル化段階後の実施例7の分析結果のダイアグラ
ムを示す;2、3、6メチル化の値はそれぞれ、96.12%および96.36%である。
【0239】 c)加水分解 メチル化試料2 mgを1 ml加圧試験管に秤取り、2 Mトリフルオロ酢酸0.9 ml
を加えて、120℃で2.5時間攪拌した。ガラスを冷却した後、混合液をN2流の下で
濃縮した。微量の酸を除去するため、トルエンを3回加えて除去した。
【表3】 メチル化のデータ 1)この試料の半数は既に採取して、最初のメチル化段階の後に処理したため、
正確なデータは利用できなかった。 2)少量は処理の際の誤差による。
【0240】 d)還元 0.5 MアンモニアNaBD4溶液0.5 mlを先の反応段階の残りに加えて、60℃で1時
間攪拌した。氷酢酸を数滴加えて試薬を注意深く破壊した。15%メタノール酢酸
を5回加えて、その後ホウ酸トリメチルエステルとし除去することによって除去
した。
【0241】 e)アセチル化 ピリジン50 μlおよび無水酢酸250 μlを先の反応段階の残りに加えて、95℃
で2時間攪拌した。冷却後、反応混合液を飽和NaHCO3溶液に滴下して、ジクロロ
メタンで5回抽出した。有機相における反応産物をガスクロマトグラフィーによ
って調べた(産物、図4参照)。
【0242】 f)ガスクロマトグラフィー ガスクロマトグラフィーによる試験は、カラム注入口とFID検出器を備えたカ
ルロエルビーGC6000ベガシリーズ2による装置を用いて実施した。水素を担体ガ
スとして、そして圧力80 kPaを用いてスペルコSPB5(内径0.2 mm、長さ30 m)と
呼ばれる融合シリカ毛細管カラム上で分離を行った。以下の温度プログラムを用
いた:60℃(1分)−25℃/分→130℃−4℃/分→280℃
【0243】 3.結果 ガスクロマトグラフは、スウィート(Sweet)ら(Carbohydr. Res. 40(1975
)、217)によるECRコンセプトによって、ピークを同定し、ピーク面積を積分し
、データを修正することによって分析した。
【0244】 試料1および3において認められうる1,6-無水化合物は、C-6位での高い分枝
の程度が原因である。加水分解の際、これによって、C-6位で遊離のOH基を有す
るモノマーが得られ、これは反応条件でさらに反応してこれらの誘導体を形成す
る可能性がある。分枝の程度を計算する場合、これらの比率を「2,3-Me」値に加
えなければならない。
【0245】 図6は、調べたグルカン試料の末端(「2346Me」)および6-結合(「23Me」)
グルコース単位の割合を示す。
【0246】
【表4】 モル%での分析結果:略語(A、B等)は図1に対応している;「16An
hPy」=1,6-無水-4-O-アセチル-2,3-ジ-O-メチル-D-グルコピラノース、「16Anh
Fu」=1,6-無水-5-O-アセチル-2,3-ジ-O-メチル-D-グルコフラノース;「Me1」
および「Me2」は、それぞれの試料の2つの独立したメチル化分析を指す。
【0247】実施例11 異なる分子量を有するα-1,6-分枝α-1,4-グルカンの産生 異なる分子量を有するα-1,6-分枝α-1,4-グルカンを産生するために、ナイセ
リア・ポリサッカレア(Neisseria polysaccharea)からの精製アミロスクラー
ゼ(実施例6参照)およびナイセリア・デニトリフィカンス(Neisseria denitr
ificans)からの精製分枝酵素(実施例5参照)を20%蔗糖溶液(w/v)に加えて
反応容量を10.86 mlとした。試験混合物に応じて、2つの酵素を異なる蛋白質活
性比で用いた(アミロスクラーゼ活性の測定に関しては実施例7を参照;分枝酵
素に関しては実施例8を参照)(表1を参照のこと)。分子量と不活性半径Rg
、光の散乱によって測定した(「ポリマー溶液の光の散乱(Light Scattering f
rom Polymer Solutions)」、ヒュグリン(Huglin, M.B.)編、アカデミックプ
レス、ロンドン、1972)。乾燥した試料1〜11をDMSO、H2O(90:10の比)に溶
解して異なる希釈液(約2.5 g/L〜0.25 g/L)を、光の散乱を測定する装置(SOF
ICA、Societe francaise d'instruments de controle et d'analyses、ルメスニ
ルサンドニ、フランス)において分析した。このようにして得られたデータは、
ベリー(Berry、J. Chem. Phys. 44(1966)、4550)によれば であった。
【表5】 n,d.=測定していない
【0248】実施例12 ナイセリア・デニトリフィカンス(Neisseria denitrificans)からの分枝酵素
のプラスチド発現のために植物を形質転換する発現カセットの構築 ナイセリア・デニトリフィカンス(Neisseria denitrificans)からの分枝酵
素をコードする配列を、プラスミドpBB48(ブラウンシュバイヒのドイツ微生物
と培養細胞コレクション(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und zellku
lturen)に、受入番号DSM 12425として寄託されている)から開始するPCRによっ
て増幅するために、オリゴヌクレオチドBE-5'およびBE-3'(配列番号:6および
7)を用いた。得られた増幅された配列を制限エンドヌクレアーゼSalIおよびSd
aIによって消化して、SalIおよびSdaIによって切断したプラスミドpBinAR-fnrに
クローニングした。そこから得られたプラスミドはpBE-fnr-Kmと呼ばれた(図9
)。
【0249】 PCRの条件: ベーリンガー・マンハイムによる緩衝液とポリメラーゼ(Pwoポリメラーゼ番号
:1644947) DNA 0.2 ng 10×緩衝液+MgSO4 5μl dNTP(それぞれ10 mM) 1μl プライマーBE-5' 120 nM プライマーBE-3' 120 nM Pwoポリメラーゼ 1.0単位 蒸留水 全量を50 μlとする
【0250】 反応条件 段階1 95℃ 2:00分 段階2 95℃ 0:30分 段階3 66℃ 0:30分 段階4 72℃ 2:00分(プラス1サイクル当たり1秒) 段階5 72℃ 8:00分 段階2から4を40サイクル繰り返した。
【0251】 プラスミドpBE-fnr-Kmは標準的な方法に従ってジャガイモ植物を形質転換する
ために用いた(上記参照)。
【0252】実施例13 分枝酵素活性を有するトランスジェニックジャガイモ植物の同定と検出 ノザンブロット解析によって、ナイセリア・デニトリフィカンス(Neisseria
denitrificans)からの分枝酵素のmRNAを示す実施例12の植物に従って、トラン
スジェニックジャガイモ植物を同定することが可能であった。安定に形質転換し
た植物における分枝酵素の活性を検出するために、調べる植物の葉の材料を液体
窒素中で凍結して、液体窒素で予め冷却したモーターで粉砕した。粉砕した材料
を融解する前に、抽出緩衝液(50 mMクエン酸ナトリウム、pH 6.5、4 mM DTT、
2 mM塩化カルシウム)を加えた。抽出緩衝液200 μlを植物材料約100 mg(新鮮
重量)に加えた。粉砕した植物材料の懸濁液の個体成分と抽出緩衝液とを遠心(
10,000×g)によって分離した。そこから得られた透明な上清のアリコットを、
溶出緩衝液(40%グリセロール、250 mMトリス、pH 8.8、0.02%ブロモフェノー
ルブルー)の抽出容量の4分の1と混合して、ポリアクリルアミドゲル(下記参
照)でゲル当たり電流20 mAの一定の強度で分離した。(蛋白質抽出物を適用す
る前に、ゲルの電気泳動を表示の条件で20分間実施した)。溶出緩衝液中の色素
であるブロモフェノールブルーがゲルから流れ出た後、電気泳動を停止した。次
に、ゲルをゲルの容積の5倍の洗浄緩衝液でそれぞれ攪拌しながら室温で20分間
、5回平衡にした。その後、ゲルを、ゲル容積の5倍量のインキュベーション緩
衝液(100 mMクエン酸ナトリウム、pH 6.5、5%蔗糖、ナイセリア・ポリサッカ
レア(Neisseria polysaccharea)からの精製アミロスクラーゼ0.625単位(酵素
の精製と上記の活性の定量のため))において30℃で16時間インキュベートした
。インキュベーション緩衝液をデカントして、ルゴール液(1:5の比で希釈)
を加えた後、分枝酵素と共にアミロスクラーゼによって形成されたグルカンは青
みがかった茶色のバンドとして目に見えるようになる(図10)。残っているポリ
アクリルアミドゲル全体はインキュベーション緩衝液中のアミロスクラーゼ活性
のために青色に変化する。
【0253】 ポリアクリルアミドゲルの組成: a)分離ゲル 375 mMトリス、pH 8.8 7.5%ポリアクリルアミド(バイオラド、番号EC-890) 重合化のため: 1/2000容量TEMED 1/100容量過硫酸アンモニウム b)回収ゲル 125 mMトリス、pH 6.8 4%ポリアクリルアミド(バイオラド、番号EC-890) 重合化のため: 1/2000容量TEMED 1/100容量過硫酸アンモニウム c)電気泳動緩衝液 375 mMトリス、pH 8.8 200 mMグリシン
【0254】実施例14 分枝酵素活性が増加した植物のデンプンの分析 標準的な技術に従って、実施例12および13に従って作製したトランスジェニッ
クジャガイモ植物からデンプンを単離して、その物理化学特性に関して調べた。
トランスジェニックジャガイモ植物から形成されたデンプンは野生型植物におい
て合成されたデンプンとは、例えばそのリン酸含有量、ならびにRVAによって測
定した粘度およびペースト化特性が異なることが判明した。上記の分析技術に基
づく改変デンプンの物理化学特徴の結果を以下の表に示す。
【表】
説明:143-13A、143-11A、143-59A=ナイセリア・デニトリフィカンス(Neisser
ia denitrificans)由来の分枝酵素を過剰発現するトランスジェニックジャガイ
モ植物。 RVA=ラピッドビスコアナライザー max.=最高粘度=ピーク粘度 min.=最低粘度 fin.=測定終了時の粘度 set.=セットバック=最低値と最終値の差 T=ペースト化温度 アミロース含有量を除き、百分率の値は野生型を基準とする(=100%)。
【0255】 RVA分析の結果、デンプン顆粒サイズの分布の分析およびゲルのきめの分析を
図11〜15に示す。
【0256】 さらに、図16〜18は、株143-WT(=野生型)、143-13Aおよび143-59Aの側鎖の
分布パターンを示すHPLCクロマトグラフィーの結果を示す。図19は、HPLC分析と
共に用いた溶出勾配を示す。図20において、特定の鎖長を有する側鎖の野生型か
らの変化の百分率を示す。
【0257】 以下の2つの表は、側鎖の比率をどのように計算したかを説明する。
【表7】
【0258】 カラムA1、A2、C1およびC2におけるピーク面積は、ディオネックスのアプリケ
ーションプログラムA1 450、3.31版によって決定した。
【表8】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 pBB48(DSM 12425)の構造の略図を示す。
【図2】 本発明の方法によって産生され、その後ルゴール液で染色したα
-1,6-分枝の様々な程度を有する多くのα-1,4-グルカンを示す。左から右へ:ア
ミロスクラーゼ(左)、アミロスクラーゼ+減少量の分枝酵素活性。対応する試
料の最大吸収は:516 nm、483 nm、500 nm、526 nm、534 nm、560 nm、577 nm。
【図3】 イソアミラーゼによって脱分枝された非常に分枝の多いプロセス
産物(A)と、イソアミラーゼによって脱分枝したラット肝グリコーゲン試料のH
PLCクロマトグラフを示す。
【図4】 メチル化分析のスキームを示す。
【図5】 メチル化段階1回後および2回後の実施例9および10に記載の試
料7の分析結果のダイアグラムを示す。2、3、6-メチル化の値はそれぞれ、96.1
2%および96.36%である。
【図6】 調べたグルカン試料の末端(「2346 Me」)および6-結合(「23
Me」)グルコース単位における占有率のグラフを示す。
【図7および8】 実施例に記載した試料3および7のガスクロマトグラフ
を示す。
【図9】 プラスミドpBE-fnr-Kmの略図を示す。
【図10】 分枝酵素の活性ゲルを示す。
【図11】 RVAプロフィールの略図を示す。
【図12】 野生型と比較した株143-13Aおよび143-59Aの顆粒サイズの分布
を示す。
【図13】 野生型植物のデンプン顆粒と比較した株143-13A、143-34A、お
よび143-59Aのデンプン顆粒の顕微鏡による拡大を示す(ライツ社の光学顕微鏡
、ドイツ)。
【図14】 野生型植物からのデンプンと比較して、異なるトランスジェニ
ック株のデンプンのゲルのきめを示す。きめはきめ分析器を用いて決定した。
【図15】 野生型と比較した株143-11A、143-13A、143-59AのデンプンのR
VAプロフィールを示す。
【図16〜18】 株143-WT(野生型)、143-13Aおよび143-59Aの側鎖の分
布パターンを示すHPLCクロマトグラフの結果を示す。
【図19】 図16〜18に示したクロマトグラフに関して用いられた溶出勾配
を示す。
【図20】 図16〜18において分析したデンプンの特定の鎖長を有する側鎖
の、野生型からの変化の百分率を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12N 9/10 4H045 5/10 C12P 19/04 Z 9/10 C12N 15/00 ZNAA C12P 19/04 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US ,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 クアンツ マーティン ドイツ国 ベルリン オッペルナー スト ラッセ 34 Fターム(参考) 2B030 AA02 AB03 AD08 CA06 CA17 CA19 CB03 4B024 AA05 AA08 BA10 CA04 DA01 DA06 EA04 GA11 HA01 4B050 CC03 DD02 LL05 4B064 AF12 CA02 CA19 CA21 CC24 DA10 DA16 4B065 AA01Y AA26X AA88X AB01 AC14 BA02 CA29 CA41 CA53 4H045 AA11 AA30 CA11 DA75 EA50 FA74

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下からなる群より選択されるナイセリア(Neisseria)属
    細菌の分枝酵素をコードする核酸分子: (a)配列番号:2に記載のアミノ酸配列を含む蛋白質をコードする核酸分子;
    (b)配列番号:1に記載のコード領域を含む核酸分子; (c)プラスミドDSM 12425のインサートによってコードされるアミノ酸配列を含
    む蛋白質をコードする核酸分子; (d)プラスミドDSM 12425のインサートに含まれる、分枝酵素のコード領域を含
    む核酸分子; (e)その配列が、最初のアミノ酸100個において、配列番号:2に記載のアミノ
    酸配列と少なくとも65%の相同性を有する蛋白質をコードする核酸分子; (f)その相補鎖が(a)、(b)、(c)、(d)および/または(e)の核酸分子
    とハイブリダイズし、そしてナイセリア(Neisseria)属の細菌からの分枝酵素
    をコードする核酸分子;ならびに (g)その配列が遺伝コードの縮重のために(f)の核酸分子の配列とは異なって
    いる核酸分子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の核酸分子を含むベクター。
  3. 【請求項3】 核酸分子が、原核細胞または真核細胞において転写を確実に
    する調節配列とセンス方向で結合している、請求項2記載のベクター。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の核酸分子または請求項2もしくは3記載のベ
    クターによって遺伝子改変された宿主細胞。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の宿主細胞が蛋白質の発現を可能にする条件で
    培養され、蛋白質が培養細胞および/または培養培地から単離される、ナイセリ
    ア(Neisseria)属細菌から分枝酵素を製造する方法。
  6. 【請求項6】 蛋白質が、請求項1記載の核酸分子を用いてインビトロ転写
    および翻訳系において生産される、ナイセリア(Neisseria)属細菌から分枝酵
    素を製造する方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の核酸分子によってコードされる、または請求
    項5もしくは6記載の方法によって得ることができる蛋白質。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の蛋白質を特異的に認識する抗体。
  9. 【請求項9】 インビトロ系においてα-1,6-分枝α-1,4-グルカンを製造す
    るための請求項7記載の蛋白質の使用。
  10. 【請求項10】 核酸分子が、植物細胞において転写を確実にする調節配列
    に結合している、請求項1記載の核酸分子を含むトランスジェニック植物細胞。
  11. 【請求項11】 核酸分子が、コードされた蛋白質を細胞のプラスチドに確
    実に存在させるシグナル配列をコードする配列に結合している、請求項10記載の
    トランスジェニック植物細胞。
  12. 【請求項12】 請求項10または11記載の植物細胞を含むトランスジェニッ
    ク植物。
  13. 【請求項13】 (a)植物細胞が、請求項1記載の核酸分子または請求項
    2もしくは3記載のベクターを導入することによって遺伝子改変されており; (b)植物が段階(a)に従って産生された細胞から再生され;且つ (c)選択的にさらなる植物が、段階(b)に従って産生された植物から生成され
    る、トランスジェニック植物を製造する方法。
  14. 【請求項14】 植物の上記部分が請求項10または11記載のトランスジェニ
    ック植物細胞を含む、請求項12記載の植物または請求項13記載の方法によって得
    ることができる植物の収穫可能な部分。
  15. 【請求項15】 請求項10もしくは11記載のトランスジェニック植物細胞、
    請求項12記載のトランスジェニック植物、請求項13記載の方法によって得ること
    ができるトランスジェニック植物、または請求項14記載の植物の部分、から得る
    ことができるデンプン。
  16. 【請求項16】 デンプンの組成が、対応する野生型植物由来のデンプンと
    比較して、ゲルのきめの増加および/またはリン酸含有量の減少および/または
    ピーク粘度の減少および/またはペースト化温度の低下および/またはデンプン
    顆粒サイズの減少および/または側鎖の分布の改変を有するように改変されてい
    る、請求項15記載のデンプン。
  17. 【請求項17】 細菌細胞において請求項1記載の核酸分子の転写を本来制
    御する調節領域。
  18. 【請求項18】 以下からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、
    請求項17記載の調節領域: (a)配列番号:1記載のヌクレオチド配列のヌクレオチド1〜169位を含むヌク
    レオチド配列; (b)プラスミドDSM12425のインサートに含まれる調節領域のヌクレオチド配列
    またはその一部; (c)ストリンジェントな条件で(a)または(b)の配列とハイブリダイズする
    ヌクレオチド配列。
  19. 【請求項19】 基質である蔗糖と、アミロスクラーゼおよび分枝酵素の酵
    素の組合せとを用いてα-1,6-分枝α-1,4-グルカンを製造するインビトロ方法。
  20. 【請求項20】 分枝酵素が請求項1記載の核酸分子によってコードされる
    、請求項19記載の方法。
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