JP2002347822A - 合成樹脂製キャップ - Google Patents

合成樹脂製キャップ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】上蓋内の圧力上昇を防止するとともに、洗浄水
等が上蓋内に入り込まないようにする。 【解決手段】閉蓋時、上蓋20の内周面20aと対向す
る中栓2の外筒3の外周面3aに、下向きに傾斜するヒ
レ状弁12を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、容器の口部に装
着される合成樹脂製キャップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の合成樹脂製キャップは、注出筒部
を有し、かつ、その外周側に係合凹部を有する中栓と、
該中栓に嵌着され、かつ、その側壁部内面下部に係合突
起を有する上蓋と、を備えている。このキャップは、次
の様にして容器口部に打栓装着される。
【0003】先ず、殺菌のため70℃〜90℃に加熱さ
れた、つゆ類、たれ類等の液体食品調味料を容器内に充
填する。次に、中栓に上蓋を嵌着させたキャップを前記
容器の口部に打栓装着する。この時、該液体食品調味料
がこぼれて容器の外面等に付着することがあるので、こ
れを除去するために、又は、冷却するために、該容器を
30℃〜50℃程度の温水シャワーにより洗浄する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この打栓工程や洗浄工
程において、上蓋の内方空間が上蓋と中蓋とにより密閉
されているので、上蓋内の空気が加熱により膨張して上
蓋が押し上げられる。そのため、上蓋が浮き上がった
り、外れたりする現象、所謂はまぐり現象、が発生する
ことがある。又、温水シャワーの洗浄により容器が急冷
却されると、上蓋内で膨張している空気が冷却され急激
に収縮するので、該上蓋内は負圧状態となる。そのた
め、該上蓋内に前記温水シャワーの温水が吸引され、該
上蓋の内面に水滴が付着することがある。この水滴は、
かびの原因となるので、食品にとっては致命的な問題と
なる。
【0005】この発明は、上記事情に鑑み、上蓋内の圧
力上昇を防止することを目的とする。他の目的は、洗浄
水等が上蓋内に入り込まないようにすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、外筒に連続
する注出筒を有する中栓と、該中栓に着脱可能に設けら
れ、該外筒の外周面に対向する内周面を有する上蓋と、
を備えた合成樹脂製キャップにおいて; 前記外周面又
は内周面の何れか一方の面に、閉蓋時、下向きに傾斜す
るヒレ状弁を設けたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明者は、前記問題を解決する
ためには、中栓の外筒の外周面と、該外周面に対向する
上蓋の内周面との間に、シール手段を設け、上蓋内から
器外へ排気しやすく、逆に、外気が器外から上蓋内へ流
入しにくいようにすれば良いと考え、研究実験を重ね
た。
【0008】その結果、シール手段として、中栓の外筒
の外周面又は上蓋の内周面の何れか一方の面に、閉蓋
時、下向きに傾斜するヒレ状弁を周設すれば良いことが
わかった。このヒレ状弁では、上蓋内の空気が器外に流
出する際には、該空気がその先端部をシール面から離れ
る方向に押圧し、又、器外の空気が上蓋内に流入する際
には、該空気がその先端部をシール面に押しつけシール
する。本発明は、上記知見に基づいてなされたものであ
る。
【0009】
【実施例】この発明の第1実施例を図1〜図3により説
明する。合成樹脂製キャップ1は、図示しない容器口部
に装着される中栓2と、該中栓2にヒンジ結合された上
蓋20と、を備えている。
【0010】中栓2には、容器口部を挟持する外筒3及
び内筒4と、該外筒3に頂壁5を介して連続する注出筒
6と、が設けられている。
【0011】注出筒6の底面には、遮断壁7が設けられ
ている。遮断壁7の下面側にはリング状の弱化溝8が設
けられ、その上面側には該弱化溝8から引き裂くための
プルリング9が設けられている。頂壁5の上面側には、
ストッパリング10が設けられている。
【0012】外筒3の外周面3aには、ヒレ状弁12が
設けられている。このヒレ状弁12は円環状に形成さ
れ、軸方向に間隔をおいて三段12F,12S,12T周設されて
いるが、該ヒレ状弁12の段数は必要に応じて適宜選択
される。このヒレ状弁12は、下向きに傾斜し、その傾
斜角度θは、45°であるが、この傾斜角度θは、必要
に応じて適宜選択される。13は、上蓋20が係止する
座部である。
【0013】上蓋20には、注出筒6の先端に当接する
二重シールリング21と、中栓2の外筒3の外周面3a
に対向する内周面(シール面)20aと、開口23の縁
部に形成された当接部24と、が設けられている。
【0014】次に、本実施例の作動について説明する。
上蓋20を閉方向に回し当接部24を座部13に当接さ
せると、ストッパリング10は上蓋20に係合し、ヒレ
状弁12の先端部12aは、下向きの力を受け、該上蓋
20の内周面(シール面)20aに押圧される。この状
態では、側部シール空間25はヒレ状弁12により複数
個の密封空間に分割されると共に、ストッパリング10
の上側には上部シール空間26が発生する。
【0015】70℃〜90℃に加熱した麺つゆを容器に
充填し、該容器口部に前記キャップを打栓装着した後、
該容器を30℃程度の微温水でシャワー洗浄する。
【0016】この時、上蓋20の上部シール空間26内
の空気A1が加熱により膨張するが、該空気A1は側部シー
ル空間25に流れ込み、ヒレ状弁12を下向き方向に押
圧する。そのため、該ヒレ状弁12の先端部12aはシ
ール面20aから離れる方向に変位するので、該空気A1
は側部シール空間25内を容易に流下し、当接部24と
座部13との間を通って器外に排出される。
【0017】上部シール空間26の空気A1は、微温水シ
ャワーにより急冷却されると収縮し、該空間26内は負
圧状態となる。そのため、器外の空気A2が側部シール
空間25に吸い込まれるが、この時、該空気A2はヒレ
状弁12を上向き方向に押圧する。そのため、先端部1
2aは、シール面20aに押しつけられシールされるの
で、該空気A2は上部シール空間26内に到達すること
ができない。なお、この実施例では、三段にヒレ状弁を
配設しているので、仮に第1段目のヒレ状弁12Fで完
全にシールできなかったとしても、次段以降のヒレ状弁
12S、12Tにより完全にシールすることができる。
【0018】本発明の第2実施例を図4、図5により説
明するが、図1〜図3と同一図面符号はその名称も機能
も同一である。本実施例と第1実施例との相違点は、ヒ
レ状弁12を中栓の外筒の外周面に設ける代わりに、上
蓋20の内周面20aに設け、中栓の外筒3の外周面3
aをシール面にしたことである。この実施例では、開蓋
時におけるヒレ状弁32は、図4に示すように、上向
き、即ち、開口23に向かって傾斜しており、閉蓋時に
は、図5に示すように、ヒレ状弁32は下向きに傾斜す
る。
【0019】この発明の実施例は、上記に限定されるも
のではなく、例えば、前記外周面3a又は内周面20a
に水平状にヒレ状弁を周設し、閉蓋時、ヒレ状弁の先端
部がシール面に押圧されて下向きに傾斜する様にしても
良い。
【0020】
【発明の効果】この発明は、中栓の外筒の外周面又は上
蓋の内周面の何れか一方の面に、閉蓋時に下向きに傾斜
するヒレ状弁を設けたので、上蓋内の空気が器外に流出
しやすく、また、器外からの空気等は上蓋内に侵入しに
くい。そのため、上蓋内の圧力上昇を防止できるので、
いわゆる、はまぐり現象、が発生することがなく、ま
た、シャワー水の吸い込み現象も発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】閉蓋時の要部拡大断面図である。
【図4】本発明の第2実施例を示す要部拡大図で、図2
に相当する図である。
【図5】閉蓋時の要部拡大断面図で、図3に相当する図
である。
【符号の説明】
1 合成樹脂製キャップ 2 中栓 3 外筒 3a 外周面 5 頂壁 12 ヒレ状弁 20 上蓋 20a 内周面 θ 傾斜角度

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外筒に連続する注出筒を有する中栓と、該
    中栓に着脱可能に設けられ、該外筒の外周面に対向する
    内周面を有する上蓋と、を備えた合成樹脂製キャップに
    おいて; 前記外周面又は内周面の何れか一方の面に、
    閉蓋時、下向きに傾斜するヒレ状弁を設けたことを特徴
    とする合成樹脂製キャップ。
  2. 【請求項2】ヒレ状弁が、外筒の外周面に設けられ、開
    蓋時に下向きに傾斜していることを特徴とする請求項1
    記載の合成樹脂製キャップ。
  3. 【請求項3】ヒレ状弁が、上蓋の内周面に設けられ、開
    蓋時に、開口に向かって傾斜していることを特徴とする
    請求項1記載の合成樹脂製キャップ。
  4. 【請求項4】ヒレ状弁が、複数段配設されていることを
    特徴とする請求項1記載の合成樹脂製キャップ。
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