JP4232374B2 - スナップ装着式キャップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、容器、例えば、牛乳瓶等の口部を密封するためのスナップ装着式キャップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
牛乳瓶のキャップとして、所謂スナップ装着式キャップが用いられている。このキャップは、瓶口部の端面に圧接する頂壁と、該頂壁の内面に設けられ該瓶口部の内周面に圧接するインナーリングと、該頂壁に連続し、前記瓶口部の側面に圧接するスカートと、該スカートの下端部内面に設けられ、前記瓶口部の係合凹部に係止する係止突起と、を備えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のキャップは、頂壁を肉厚に形成しているので、剛性が大きく、インナーリングも瓶口部に強く圧接されている。そのため、密封性に優れているが、その反面、開封強度が大きいため、開けにくくなる、という問題がある。
そこで、頂壁の肉厚を薄くすることが考えられるが、肉厚が薄いと頂壁が変形しやすく、密封性が低下するので、好ましくない。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑み、開封し易くするとともに、密封性をそこなわないようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、瓶口部の端面に圧接する頂壁と、該頂壁の内面に設けられ該瓶口部の内周面に圧接するインナーリングと、該頂壁に連続し、前記瓶口部の側面に圧接するスカートと、該スカートの下端部内面に設けられ、前記瓶口部の係合凹部に係止する係止突起と、を備えているスナップ装着式キャップにおいて;前記インナーリングの内側及び外側のつけ根部分の頂壁に肉薄部を設け、前記インナーリングの内側のつけ根部分の肉薄部が、その外側のつけ根部分の肉薄部より薄く形成されていることを特徴とする。
【0006】
この発明の肉薄部は、インナーリングのつけ根部分に凹状溝を設けることにより形成したり、頂壁の中心側からインナーリング側に向かって次第に肉薄になるようにその内面を傾斜させることにより形成しても良い。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明者は、開封時にキャップのインナーリングが瓶口部の内面に強く圧接されているため大きな抵抗となることに着眼し、この抵抗を小さくするには、インナーリングを変形しやすくすれば良い、と考えた。
そこで、インナーリンリングのつけ根部分の頂壁に肉薄部を形成したところ、開封強度は大幅に減少し開けやすくなった。
なお、この肉薄部は種々の方法により形成できるが、例えば、該つけ根部分の頂壁に凹状溝を設けることにより形成される。
【0008】
【実施例】
この発明の実施例を図1〜図3により説明する。
スナップ装着式キャップ1は、ポリエチレン等の合成樹脂製であり、頂壁2と、該頂壁2の内面3に突設したインナーリング4と、該頂壁2の外周端に連続するスカート6と、を備えている。
【0009】
頂壁2は、その中心側からインナーリング4に向かって次第に肉厚が薄くなっており、その内面3は、上向きに傾斜するテーパ面である。頂壁2の中心側の肉厚t0は1.2mmであり、又、インナーリング4のつけ根部分の薄肉部2aの肉厚t1は、0.9mmである。
なお、前記内面3をテーパ面にすると、成形時における樹脂の流動性が良くなる。
【0010】
頂壁2の周縁部の肉厚t2は、例えば、1.4mmであり、インナーリング4の外側の付け根部分に凹状溝が形成され、肉薄部2bとなっている。この肉薄部2bの肉厚t3は、例えば、1.1mmであり、前記薄肉部2aより厚く形成されている。
【0011】
インナーリング4の先端部には、瓶口部10の内面10aに圧接する当接部4aが設けられている。
【0012】
スカート6の外周面には、滑り止め用の縦溝6aが周方向に沿って複数配設され、又、その下端部には、摘み部7が設けられている。
【0013】
スカート6の内周面の下端部には、瓶口部10の係合凹部10dに係止する係止突起8が設けられている。この係止突起8は、摘み部7側に設けられた6個の小突起8aと、摘み部7と反対側に設けられた二個の円弧状突起8bと、から構成されている。
この係止突起8は、摘み部7に対応する部分には、配設されていない。これは、開封時に摘み部7側を開け易いようするためである。
【0014】
次に本実施例の作動について説明する。
キャップ1は、図示しない打栓装置により瓶口部10に装着され、該瓶口部10を封止する。この時、インナーリング4の当接部4aは、瓶口部10の内周面10aに圧接し、頂壁2の内面3は、瓶口部10の端面10bに当接している。又、スカート6の内面は、瓶口部10の側面10cに密着し、係止突起8は瓶口部10の係合凹部10dに係止している。
【0015】
この瓶を開封する場合には、摘み部7に指をかけ上方に押し上げると、スカート6が変形し小突起8aが係合凹部10bから外れ、頂壁2も変形する。
この時、インナーリング4のつけ根部分に肉薄部2a、2bが設けられているため、インナーリング4は、変形しやすいので、インナーリング4は内周面10a上を容易に摺動できる。そのため、大きな抵抗力は発生しないので、開封を容易に行うことができる。
又、このキャップ1は、摘み部7に対応する部分に係止突起が存在せず、かつ、摘み部7近傍の係止突起は小突起8aであるので、開封し易い構造となっている。
【0016】
この発明の第2実施例を図4により説明する。この実施例と第1実施例との相違点は、係止突起が全て小突起8aであり、円周方向に等間隔に配置されていることである。このようにすると、瓶口部10に打栓する際に、スカート6の下端部が拡がりやすくなるので、打栓強度を大きくしなくても装着することができる。
【0017】
この発明の第3実施例を図5により説明する。この実施例と第1実施例との相違点は、スカート6に縦スコア30を設け、該スカート6の変形を容易にしたことである。この縦スコア30の長さ、幅、深さ、本数等は、必要に応じて適宜選択され、例えば、縦スコアは、摘み部7の両側に対称的に等間隔に形成される。この縦スコア30を備えることにより、スカート6が変形しやすくなるので、開封しやすくなる。
【0018】
この発明の第4実施例を図6により説明する。この実施例と第1実施例との相違点は、摘み部7の反対側に小凸部40を設けたことである。この小凸部40は、両円弧状突起8b間に複数個、等間隔に配設されているが、その大きさ、形状等は必要に応じて適宜変更される。
【0019】
この発明の第5実施例を図7により説明する。この実施例と第1実施例との相違点は、摘み部7の中央に切れ目50を設けて変形しやすいようにすると共に、スカート6に縦スコア51を形成したことである。この縦スコア51の長さ、深さ、本数等は、必要に応じて適宜選択され、例えば、スカート6の外周面、又は内周面に形成された縦長の凹部が採用される。
【0020】
【発明の効果】
この発明は、インナーリングのつけ根部分の頂壁に薄肉部を形成したので、インナーリングは、開封時に容易に変形する。そのため、従来と異なり、大きな抵抗力は発生しないので、容易に開封することができるとともに、頂壁の厚さを全体的に薄くしないので、密封性も低下することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す縦断面図の要部拡大図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す縦断面図である。
【図3】本発明の第1実施例を示す底面図である。
【図4】本発明の第2実施例を示す底面図である。
【図5】本発明の第3実施例を示す底面図である。
【図6】本発明の第4実施例を示す底面図である。
【図7】本発明の第5実施例を示す底面図である。
【符号の説明】
1 キャップ
2 頂壁
2a 肉薄部
2b 肉薄部
3 内面
4 インナーリング
Claims (3)
- 瓶口部の端面に圧接する頂壁と、該頂壁の内面に設けられ該瓶口部の内周面に圧接するインナーリングと、該頂壁に連続し、前記瓶口部の側面に圧接するスカートと、該スカートの下端部内面に設けられ、前記瓶口部の係合凹部に係止する係止突起と、を備えているスナップ装着式キャップにおいて;
前記インナーリングの内側及び外側のつけ根部分の頂壁に肉薄部を設け、前記インナーリングの内側のつけ根部分の肉薄部が、その外側のつけ根部分の肉薄部より薄く形成されていることを特徴とするスナップ装着式キャップ。 - 肉薄部が、インナーリングのつけ根部分に凹状溝を設けることにより形成されることを特徴とする請求項1記載のスナップ装着式キャップ。
- 肉薄部が、頂壁の中心側からインナーリング側に向かって次第に肉薄になるようにその内面を傾斜させることにより形成されることを特徴とする請求項1記載のスナップ装着式キャップ。
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