JP2002310947A - 小角散乱測定方法とその装置 - Google Patents

小角散乱測定方法とその装置

Info

Publication number
JP2002310947A
JP2002310947A JP2001112372A JP2001112372A JP2002310947A JP 2002310947 A JP2002310947 A JP 2002310947A JP 2001112372 A JP2001112372 A JP 2001112372A JP 2001112372 A JP2001112372 A JP 2001112372A JP 2002310947 A JP2002310947 A JP 2002310947A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rays
sample
angle
small
ray
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001112372A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4514982B2 (ja
Inventor
Yoshio Iwasaki
吉男 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
Original Assignee
Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rigaku Denki Co Ltd, Rigaku Corp filed Critical Rigaku Denki Co Ltd
Priority to JP2001112372A priority Critical patent/JP4514982B2/ja
Publication of JP2002310947A publication Critical patent/JP2002310947A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4514982B2 publication Critical patent/JP4514982B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 厚さ1nm〜10nmの薄膜材料に対しても
有効な小角散乱測定を実現する。 【解決手段】 試料Sの内部をその表面Saに沿ってX
線100aが進行し、且つ試料Sからその表面すれすれ
にインプレーン散乱X線100bがあらわれるように、
試料表面Saに対するX線の入射角αを低角度(例え
ば、0.5°以下)に調整し、試料表面Saすれすれに
あらわれたインプレーン散乱X線100bを検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、特に厚さ1nm
〜10nmの薄膜試料に対して有効な小角散乱測定を実
現する小角散乱測定方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】物質によっては、X線を照射したときに
入射X線の光軸を中心とする小角度領域(例えば、0゜
〜5゜程度)の角度領域において、散乱X線を発生する
ことがある。例えば、物質中に10〜1000Å程度の
微細な粒子やこれに相当する大きさの密度の不均一な領
域が存在すると、X線の入射方向に散漫な散乱、いわゆ
る中心散乱が生じる。この中心散乱は粒子の内部構造に
は無関係で粒子が小さいほど広がる。この散乱は、結晶
質あるいは非晶質に関わらず存在し、散乱角すなわち入
射X線の光軸からの角度が0゜〜5゜程度の小角度領域
で観測される。また、小角度領域には上記の中心散乱の
他に、蛋白質の結晶のように格子面間隔が非常に大きい
場合や、繊維試料で結晶質と非晶質とが周期的に並ん
だ、いわゆる長周期構造の場合のX線回折などが観測さ
れる。以上のような中心散乱及びX線回折を含め、小角
度領域において観測されるX線は、一般に小角散乱と呼
ばれており、この小角散乱を測定することにより、試料
に関する種々の特性を判定することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、厚さ1
nm〜10nmのいわゆるナノスケールの薄膜材料を対
象にした場合、かかる薄膜材料にX線を照射しても同材
料を透過するまでの散乱に寄与する粒子等が極めて少な
いため、同材料からあらわれる散乱X線は微弱なもので
あり、実質的に観測不能であった。本発明は、このよう
な事情に鑑みてなされたもので、厚さ1nm〜10nm
の薄膜材料に対しても有効な小角散乱測定を実現するこ
とを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の小角散乱測定方法は、試料の内部をその表
面に沿ってX線が進行し、且つ試料からその表面すれす
れに散乱X線があらわれるように試料表面に対するX線
の入射角を調整し、そして試料の表面すれすれにあらわ
れた散乱X線を検出する方法としたことを特徴とする。
【0005】すなわち、本発明者は、日々の研究成果か
ら、試料表面に対して例えば、0.5°以下の極めて低
角度からX線を照射したとき、試料の内部をその表面に
沿ってX線が進行し、且つ試料からその表面すれすれ
(例えば、入射角と同様の0.5°以下の出射角)に散
乱X線があらわれることを知見するに至った。本明細書
においては、この散乱X線をインプレーン散乱X線と称
することもある。
【0006】このインプレーン散乱X線は、試料表面に
沿って試料内部を走るX線がその軌道上に存在する微細
な粒子やこれに相当する大きさの密度の不均一な領域に
よって発生するものと考えられ、厚さ1nm〜10nm
の薄膜試料であっても小角散乱の観測に十分な強度をも
っている。
【0007】次に、本発明の小角散乱測定装置は、試料
に対するX線の入射光学系と、試料表面に対するX線の
入射角調整手段と、試料からあらわれる散乱X線を検出
するX線検出手段とを備え、且つ次の(イ)乃至(ヘ)
の条件を満たす構成としたことを特徴とする。 (イ)入射光学系は、反射X線の広がり角がδの多層膜
ミラーと、X線を放射するX線源とを含む。 (ロ)多層膜ミラーの反射面は、2つの焦点A,Bをも
つ楕円面に形成されている。 (ハ)X線源は、多層膜ミラーの焦点Aに配置される。 (ニ)多層膜ミラーは、反射面の中心位置から焦点Bま
での距離が、焦点Aに配置されたX線源から反射面にX
線を照射したとき、焦点BにおけるX線の収束角θcが
広がり角δのほぼ2倍となるように設定されている。 (ホ)入射角調整手段は、試料の内部をその表面に沿っ
てX線が進行し、且つ試料からその表面すれすれに散乱
X線があらわれるように、試料表面に対するX線の入射
角を調整可能である。 (ヘ)X線検出手段は、試料の表面すれすれにあらわれ
る散乱X線を検出する。
【0008】上述したインプレーン散乱X線は、例えば
厚さ1nm〜10nmの薄膜試料においては、散乱角が
入射X線の光軸を中心とする極めて小角度の領域(例え
ば、1゜以下)であることも、本発明者の研究から知見
されている。入射X線の光軸に対して、このような微小
角度の方向にあらわれるインプレーン散乱X線を、入射
X線と分離して検出するには、入射X線幅を例えば1m
m以下という極めて狭小なものとする必要がある。しか
し、従来のX線の入射光学系では、入射X線の幅を狭小
化すればそれに応じてX線強度が低下してしまい、試料
から十分な強度の散乱X線をとりだすことができなくな
る課題があった。
【0009】これに対し、上述した本発明の小角散乱測
定装置によれば、入射光学系を構成する多層膜ミラーの
反射面中心位置からX線源までの距離が短くなるので、
X線源から発散されるX線の減衰が抑えられる。しか
も、多層膜ミラーによってX線を収束し、高強度を保っ
たまま試料に対する入射X線の照射面積を極めて狭小な
ものとすることができるので、入射X線の光軸を中心と
する極めて小角度の領域(例えば、1゜以下)にあらわ
れるインプレーン散乱X線を、入射X線と分離して検出
することが可能となる。
【0010】ここで、試料は、多層膜ミラーで反射して
きたX線軌道上の任意の位置に配置することができる
が、多層膜ミラーによる他方の焦点Bに配置すれば、X
線の照射面積が極めて小さくなり一層好ましい。
【0011】さて、図6(a)に示すように、多層膜ミ
ラー1の表面に入射角θをもってX線aを入射させたと
き、その入射X線aに対して2θの角度でX線bが反射
してくるが、多層膜ミラー1の表面粗さ等の影響により
この反射X線bを中心として微小角度δの広がりをもっ
て反射X線cが現れる。
【0012】本発明において、多層膜ミラーにおけるX
線の広がり角δとは、この反射X線cによる広がり角δ
をいい、これはロッキングカーブの全幅の1/2に相当
する。しかし、ロッキングカーブの全幅は、その定義が
難しく標準化されていない。そこで、本発明では、ロッ
キングカーブの半価幅の2倍をロッキングカーブの全幅
と定義し、この半価幅をもって広がり角δとする。な
お、ロッキングカーブの全幅に関し、標準化された定義
が確立した場合は、その定義を用いて本発明の広がり角
δを求めてもよい。
【0013】ロッキングカーブの半価幅は、次のように
して求めることができる。すなわち、図6(b)に示す
ように多層膜ミラー1の表面に対して入射角θをもって
X線源2からX線aを入射させるとともに、その入射X
線aに対して2θの角度方向にX線検出器3を配置して
おく。この状態から多層膜ミラー1を微小角度だけω回
転させると、図6(c)に示すようなX線プロファイル
Iが得られる。このX線プロファイルIをロッキングカ
ーブといい、そのピーク強度の1/2に相当する部分の
幅δがロッキングカーブの半価幅である。
【0014】また、多層膜ミラーの収束角θcとは、同
ミラーで反射して一点に収束するX線束全体の収束角度
をいう。上述した多層膜ミラーにおけるX線の広がり角
δは微小角度であるため、この収束角θcがそのほぼ2
倍となるように設定しても該収束角θcは小さなものと
なる。したがって、収束点より下流における反射X線の
発散角も小さい。
【0015】さらに、多層膜ミラーの収束角θcがこの
ように設定されることで、図7に示すように、収束角θ
cで収束する反射X線bの周囲に、広がり角δ(≒θc
/2)をもって現れる反射X線cは、ほぼ平行な軌跡を
描く。
【0016】また、本発明は、多層膜ミラーから反射し
てきたX線の光軸に沿って、X線の発散を抑える第1,
第2のスリットを配置し、且つ多層膜ミラーの他方の焦
点(X線の収束点)近傍に多層膜ミラーからの寄生散乱
を遮蔽する第3のスリットを配置することが好ましい。
【0017】多層膜ミラーからの寄生散乱は、小角散乱
測定に悪影響を及ぼすことは周知の事実である。本発明
の光学装置によれば、多層膜ミラーと試料との間の距離
は充分に長く確保されるので、寄生散乱の影響は少ない
が、さらに第3のスリットを挿入することで、寄生散乱
X線をより確実に遮蔽することができる。試料を多層膜
ミラーの他方の焦点(X線の収束点)に配置すれば、第
3のスリットは該収束点の近傍に配置できるので、X線
の強度を減衰させることなくスリット幅を縮めることが
可能となり、X線強度を保持しつつ寄生散乱を遮蔽する
ことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面を参照して詳細に説明する。 〔小角散乱測定方法〕図1は、本実施の形態に係る小角
散乱測定方法を説明するための模式図で、(a)は正面
模式図、(b)は平面模式図である。本実施形態に係る
小角散乱測定方法では、試料表面SaすれすれにX線1
00aを照射する。このときの試料表面Saに対するX
線100aの入射角αは、例えば、0.5°以下の極め
て低角度とする。また、入射X線100aの幅は、例え
ば、1mm以下の微小な幅に調整する。
【0019】このような低角度からX線100aを入射
させると、試料Sの内部をその表面に沿ってX線100
aが進行する。そして、試料表面Saに沿って試料内部
を走るX線100aに対して、その軌道上に存在する微
細な粒子やこれに相当する大きさの密度の不均一な領域
によって中心散乱が生じ、試料Sの表面すれすれに散乱
X線(インプレーン散乱X線)100bがあらわれる。
【0020】このインプレーン散乱X線100bは、試
料Sが厚さ1nm〜10nmの薄膜試料の場合、試料内
部で入射X線100aの光軸を中心とする極めて小角度
(例えば、1゜以下)の領域βで、試料表面Saすれす
れにあらわれる。本実施形態の小角散乱測定方法では、
このように試料Sの表面すれすれにあらわれるインプレ
ーン散乱X線100bを検出する。
【0021】〔小角散乱測定装置〕次に、上述した小角
散乱測定方法の実施に好適な小角散乱測定装置の実施形
態について説明する。本実施形態に係る小角散乱測定装
置は、試料に対する入射光学系と、試料台と、X線検出
器とを備えている。
【0022】〔入射光学系とX線検出器〕図2は、本実
施形態に係る小角散乱測定装置における入射光学系から
X線検出器に至る構成図である。図2に示すように、入
射光学系は、X線源2、多層膜ミラー1、第1,第2,
第3のスリット4,5,6を備えている。X線源2は、
ポイント状の焦点からX線を放射する高出力のX線発生
器を用いている。多層膜ミラー1は、互いに直交する第
1反射部1aと第2反射部1bによって構成されてい
る。
【0023】本実施形態で用いる第1,第2反射部1
a,1bは、それぞれ図3に示すように、基板10の表
面に原子番号の大きな物質(例えば、タングステンWや
白金Pt)の層11と、原子番号の小さな物質(例え
ば、炭素Cや珪素Si)での層12を交互に積層した多
層膜構造を有している。各層11,12の厚さは、数n
mから数10nmで、周期が100〜200層に形成し
てある。また、各層11,12でのX線の屈折による影
響を考慮して、各層11,12の表面はそれぞれ基板1
0の表面に対して所定の傾き角を設定してある。さら
に、各反射部1a,1bは、反射X線を一点に収束させ
るために同一の楕円面状に湾曲形成してある。
【0024】X線源2は上述した多層膜ミラー1の一方
の焦点Aに配置される。そして、多層膜ミラー1の反射
面中心位置から他方の焦点B(反射X線の収束点)まで
の距離L2は、該焦点BにおけるX線の収束角θcが、
多層膜ミラー1の広がり角δ(すなわち、ロッキングカ
ーブの半価幅)のほぼ2倍となるように設定してある。
この設定は、多層膜ミラー1の構成、例えば、楕円面形
状、材料、多層膜構造を調整することにより実現でき
る。
【0025】このように設定することで、多層膜ミラー
1の中心位置からX線源2までの距離L1は、中心位置
から他方の焦点Bまでの距離L2に比べて充分に短くな
る(L1≪L2)。例えば、多層膜ミラー1の反射X線
の広がり角δが0.05°、多層膜ミラー1に入射する
X線aの立体角αが0.27°、多層膜ミラー1の中心
位置からX線源2までの距離L1が250mmに設定さ
れているものとして、多層膜ミラー1の中心位置から焦
点B(収束点)までの距離L2を700mmに設定する
と、反射X線bの収束角θcは次式に示すごとく広がり
角δのほぼ2倍となり、好ましい配置関係が得られる。 θc=α×L1/L2=0.27×250/700≒
0.096≒2δ
【0026】第1、第2のスリット4,5は、多層膜ミ
ラー1から出てきた反射X線bの発散を抑えるために設
けてある。第3のスリット6は、多層膜ミラー1からの
寄生散乱を遮蔽するためのスリットで、X線の収束点B
に近接して設けてある。この第3のスリット6には、2
軸方向にスリット幅を可変できる4象限スリットを用い
ることが好ましい。
【0027】また、試料Sは、多層膜ミラー1からの反
射X線bの収束点(焦点B)に配置することが好まし
く、その下流にX線検出器3が設置されている。X線検
出器3としては、試料Sから発散された散乱X線(イン
プレーン散乱X線)を広い範囲にわたって検出できるよ
うに、イメージングプレート(IP)を用いている。
【0028】上述した構成の入射光学系では、X線源2
から放射されたX線aを多層膜ミラー1に入射させる
が、このX線源2から多層膜ミラー1までの距離L1は
上述したように短く設定されているので、この間におけ
るX線aの減衰が少なく大きなX線強度を保つことがで
きる。
【0029】多層膜ミラー1に一端側から入射したX線
aは、第1反射部1a及び第2反射部1bの間で交互に
反射して、他端側へ出射していく。そして、多層膜ミラ
ー1から出射した反射X線bは収束角θcで収束する。
ここで、収束角θcは、多層膜ミラー1の広がり角δの
ほぼ2倍となるように調整されているので、既述したよ
うに反射X線bの周囲に、広がり角δをもって現れる反
射X線cは、ほぼ平行な軌跡を描く(図7参照)。ま
た、そのように設定された収束角θcは、上述したとお
り極めて小さい角度である。したがって、試料Sが厚さ
1nm〜10nmの薄膜試料の場合に、同試料S対する
入射X線(上記反射X線b)の光軸を中心とする極めて
小角度(例えば、1゜以下)の領域にあらわれるインプ
レーン散乱X線を、入射X線から分離して検出すること
が可能となる。
【0030】本実施形態では、既述した小角散乱測定方
法のように、試料Sの表面すれすれにX線(上記反射X
線b)を照射し、試料Sの表面からあらわれるインプレ
ーン散乱X線を検出する。ここで、試料Sの表面に対す
るX線の入射角度は、次の試料台によって調整される。
【0031】〔試料台〕図4は、本実施形態に係る小角
散乱測定装置における試料台の構成を示す概略正面図で
ある。試料台20は、薄膜材料からなる試料Sを平面性
を保持したまま装着可能な装着盤21と、この装着盤2
1を入射X線に対して平行な方向に回転させるあおり調
整機構22と、装着盤を入射X線に対して直交する方向
に回転させるあおり調整機構23と、装着盤21の上下
方向の位置を調整するZ軸調整機構24と、装着盤21
の前後方向の位置を調整するX軸調整機構25と、試料
Sを面内回転させる面内回転機構26と、入射X線の光
軸に対する試料表面の角度を調整する入射角調整機構2
7とを備えている。
【0032】そして、Z軸調整機構24とX軸調整機構
25により試料Sの表面における任意領域を、入射X線
の収束点に合わせ、さらに入射角調整機構27により、
入射X線の光軸に対する試料表面の角度を微調整するこ
とで、インプレーン散乱X線があらわれる低角度(例え
ば、0.5°以下)にX線の入射角を設定することがで
きる。また、あおり調整機構22,23、面内回転機構
26により、試料Sに対するX線の入射方向を変更し
て、種々の方向からの小角散乱測定を実施することがで
きる。
【0033】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れるものではない。例えば、本発明の小角散乱測定方法
は、図1に示したように、試料Sから反射してくるイン
プレーン散乱X線を検出方法以外にも、図5に示すごと
く試料Sの裏側表面すれすれに透過してくるインプレー
ンX線100cを検出するようにしてもよい。
【0034】また、本発明の小角散乱測定装置は、上記
実施形態で説明したように厚さ1nm〜10nmのいわ
ゆるナノスケールの薄膜材料を対象としてインプレーン
散乱X線を検出する測定方法の実施に好適であるが、そ
れ以外のX線測定(例えば、X線反射率測定、X線回折
測定)の実施にも利用でき、X線を用いた試料の総合的
な分析を行うにも適している。
【0035】さらに、X線検出器は、イメージングプレ
ート(IP)に限定されるものではなく、例えば、シン
チレーション計数管(SC)、比例計数管(PC)、位
置敏感型比例計数管(PSPC)、半導体検出器(SS
D)、CCD(Charge Coupled Device)など、各種の
X線検出器を利用することができる。
【0036】
【発明の効果】以上説明しように、本発明によれば、試
料の内部をその表面に沿ってX線が進行し、且つ試料か
らその表面すれすれにあらわれるインプレーン散乱X線
を検出することで、厚さ1nm〜10nmの薄膜材料に
対しても有効な小角散乱測定を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る小角散乱測定方法を説
明するための模式図で、(a)は正面模式図、(b)は
平面模式図である。
【図2】本発明の実施形態に係る小角散乱測定装置にお
ける入射光学系からX線検出器に至る構成図である。
【図3】楕円面形状をした多層膜ミラーの構造例を示す
断面図である
【図4】本発明の実施形態に係る小角散乱測定装置にお
ける試料台の構成を示す概略正面図である。
【図5】本発明に係る小角散乱測定方法の変形例を説明
するための図1に対応した模式図で、(a)は正面模式
図、(b)は平面模式図である。
【図6】(a)は多層膜ミラーの広がり角を説明するた
めの図、(b)はロッキングカーブ測定の一般手法を示
す図、(c)はロッキングカーブ及びその半価幅を示す
図である。
【図7】多層膜ミラーで反射したX線の収束角と広がり
角の関係を示す図である。
【符号の説明】
1:多層膜ミラー 1a:第1反射部 1b:第2反射部 2:X線源 3:X線検出器 4:第1のスリット 5:第2のスリット 6:第3のスリット 20:試料台 21:装着盤 22:あおり調整機構 23:あおり調整機構 24:Z軸調整機構 25:X軸調整機構 26:面内回転機構 27:入射角調整機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G001 AA01 BA14 BA18 CA01 DA02 FA12 GA01 GA13 JA04 JA08 JA11 MA05 PA13 PA14 SA03 SA04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料の内部をその表面に沿ってX線が進
    行し、且つ試料からその表面すれすれに散乱X線があら
    われるように、試料表面に対するX線の入射角を調整
    し、 前記試料の表面すれすれにあらわれた散乱X線を検出す
    ることを特徴とした小角散乱測定方法。
  2. 【請求項2】 試料表面に対し0.5°以下の入射角で
    X線を照射することを特徴とする請求項1の小角散乱測
    定方法。
  3. 【請求項3】 厚さ1nm〜10nmの薄膜試料を対象
    とした請求項1または2の小角散乱測定方法。
  4. 【請求項4】 試料に対するX線の入射光学系と、試料
    表面に対するX線の入射角調整手段と、試料からあらわ
    れる散乱X線を検出するX線検出手段とを備え、且つ次
    の(イ)乃至(ヘ)の条件を満たす小角散乱測定装置。 (イ)前記入射光学系は、反射X線の広がり角がδの多
    層膜ミラーと、X線を放射するX線源とを含む。 (ロ)前記多層膜ミラーの反射面は、2つの焦点A,B
    をもつ楕円面に形成されている。 (ハ)前記X線源は、多層膜ミラーの前記焦点Aに配置
    される。 (ニ)前記多層膜ミラーは、反射面の中心位置から焦点
    Bまでの距離が、焦点Aに配置されたX線源から反射面
    にX線を照射したとき、焦点BにおけるX線の収束角θ
    cが前記広がり角δのほぼ2倍となるように設定されて
    いる。 (ホ)前記入射角調整手段は、試料の内部をその表面に
    沿ってX線が進行し、且つ試料からその表面すれすれに
    散乱X線があらわれるように、試料表面に対するX線の
    入射角を調整可能である。 (ヘ)前記X線検出手段は、試料の表面すれすれにあら
    われる散乱X線を検出する。
  5. 【請求項5】 前記多層膜ミラーの反射面が、互いに直
    交する多層膜構造の第1反射部及び第2反射部で形成さ
    れ、これら各反射部で反射したX線が前記焦点Bに収束
    するように構成した請求項4の小角散乱測定装置。
  6. 【請求項6】 前記第1,第2反射部が、それぞれ基板
    の表面に原子番号の大きな物質で形成した薄膜層と、原
    子番号の小さな物質で形成した薄膜層とを交互に積層し
    た多層膜構造に構成してある請求項5の小角散乱測定装
    置。
  7. 【請求項7】 前記多層膜ミラーの焦点Bに試料を配置
    する請求項4乃至6のいずれか一項の小角散乱測定装
    置。
  8. 【請求項8】前記多層膜ミラーから反射してきたX線の
    光軸に沿って、X線の発散を抑える第1,第2のスリッ
    トを配置し、且つ前記多層膜ミラーの他方の焦点B近傍
    に前記多層膜ミラーからの寄生散乱を遮蔽する第3のス
    リットを配置した請求項7の小角散乱測定装置。
JP2001112372A 2001-04-11 2001-04-11 小角散乱測定装置 Expired - Lifetime JP4514982B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001112372A JP4514982B2 (ja) 2001-04-11 2001-04-11 小角散乱測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001112372A JP4514982B2 (ja) 2001-04-11 2001-04-11 小角散乱測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002310947A true JP2002310947A (ja) 2002-10-23
JP4514982B2 JP4514982B2 (ja) 2010-07-28

Family

ID=18963804

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001112372A Expired - Lifetime JP4514982B2 (ja) 2001-04-11 2001-04-11 小角散乱測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4514982B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004245840A (ja) * 2003-02-12 2004-09-02 Jordan Valley Applied Radiation Ltd 小角散乱測定を含むx線反射率測定
JP2006078464A (ja) * 2004-08-11 2006-03-23 Fujitsu Ltd 小角散乱測定装置、小角散乱測定方法、および試料解析方法
JP2008542751A (ja) * 2005-05-31 2008-11-27 オスミック、インコーポレイテッド 2次元小角x線散乱カメラ
US7680243B2 (en) 2007-09-06 2010-03-16 Jordan Valley Semiconductors Ltd. X-ray measurement of properties of nano-particles
WO2010125913A1 (ja) * 2009-04-30 2010-11-04 株式会社リガク X線散乱測定装置およびx線散乱測定方法
JP6361086B1 (ja) * 2017-10-02 2018-07-25 パルステック工業株式会社 X線回折測定装置及びx線回折測定方法

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0372298A (ja) * 1989-08-14 1991-03-27 Nikon Corp 多層膜反射鏡の製造方法
JPH0581699U (ja) * 1992-04-06 1993-11-05 理学電機株式会社 小角散乱装置
JPH06130002A (ja) * 1992-10-13 1994-05-13 Rigaku Corp 小角領域x線装置
JPH06160312A (ja) * 1992-09-18 1994-06-07 Ricoh Co Ltd X線評価装置
JPH09119906A (ja) * 1995-10-25 1997-05-06 Rigaku Corp X線小角散乱装置
JPH09229879A (ja) * 1996-02-20 1997-09-05 Rigaku Corp X線装置
JPH1144661A (ja) * 1997-07-29 1999-02-16 Ricoh Co Ltd 全反射x線分析装置
JPH11133191A (ja) * 1997-10-24 1999-05-21 Rigaku Denki Kk X線集光装置
JPH11326599A (ja) * 1998-03-20 1999-11-26 Rigaku Denki Kk X線分析装置
JP2000155102A (ja) * 1998-11-19 2000-06-06 Rigaku Corp X線測定装置およびその方法
JP2001066398A (ja) * 1999-08-27 2001-03-16 Rigaku Corp X線測定装置

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0372298A (ja) * 1989-08-14 1991-03-27 Nikon Corp 多層膜反射鏡の製造方法
JPH0581699U (ja) * 1992-04-06 1993-11-05 理学電機株式会社 小角散乱装置
JPH06160312A (ja) * 1992-09-18 1994-06-07 Ricoh Co Ltd X線評価装置
JPH06130002A (ja) * 1992-10-13 1994-05-13 Rigaku Corp 小角領域x線装置
JPH09119906A (ja) * 1995-10-25 1997-05-06 Rigaku Corp X線小角散乱装置
JPH09229879A (ja) * 1996-02-20 1997-09-05 Rigaku Corp X線装置
JPH1144661A (ja) * 1997-07-29 1999-02-16 Ricoh Co Ltd 全反射x線分析装置
JPH11133191A (ja) * 1997-10-24 1999-05-21 Rigaku Denki Kk X線集光装置
JPH11326599A (ja) * 1998-03-20 1999-11-26 Rigaku Denki Kk X線分析装置
JP2000155102A (ja) * 1998-11-19 2000-06-06 Rigaku Corp X線測定装置およびその方法
JP2001066398A (ja) * 1999-08-27 2001-03-16 Rigaku Corp X線測定装置

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004245840A (ja) * 2003-02-12 2004-09-02 Jordan Valley Applied Radiation Ltd 小角散乱測定を含むx線反射率測定
JP4512382B2 (ja) * 2003-02-12 2010-07-28 ジョーダン・バレー・セミコンダクターズ・リミテッド 小角散乱測定を含むx線反射率測定
JP2006078464A (ja) * 2004-08-11 2006-03-23 Fujitsu Ltd 小角散乱測定装置、小角散乱測定方法、および試料解析方法
JP2008542751A (ja) * 2005-05-31 2008-11-27 オスミック、インコーポレイテッド 2次元小角x線散乱カメラ
US7680243B2 (en) 2007-09-06 2010-03-16 Jordan Valley Semiconductors Ltd. X-ray measurement of properties of nano-particles
WO2010125913A1 (ja) * 2009-04-30 2010-11-04 株式会社リガク X線散乱測定装置およびx線散乱測定方法
JP2010261737A (ja) * 2009-04-30 2010-11-18 Rigaku Corp X線散乱測定装置およびx線散乱測定方法
US8767918B2 (en) 2009-04-30 2014-07-01 Rigaku Corporation X-ray scattering measurement device and X-ray scattering measurement method
JP6361086B1 (ja) * 2017-10-02 2018-07-25 パルステック工業株式会社 X線回折測定装置及びx線回折測定方法
JP2019066336A (ja) * 2017-10-02 2019-04-25 パルステック工業株式会社 X線回折測定装置及びx線回折測定方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4514982B2 (ja) 2010-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7406153B2 (en) Control of X-ray beam spot size
US6504902B2 (en) X-ray optical device and multilayer mirror for small angle scattering system
TWI808154B (zh) X射線設備及量測半導體裝置之幾何結構之方法
TWI444589B (zh) 用於分析樣本之裝置及方法
US7646849B2 (en) Ultra-small angle x-ray scattering measuring apparatus
JP7308233B2 (ja) 小角x線散乱計測計
KR101231731B1 (ko) 다기능 x-선 분석 시스템
US9080944B2 (en) Method and apparatus for surface mapping using in-plane grazing incidence diffraction
JP5148945B2 (ja) X線ビームスポットサイズの制御
JP3759421B2 (ja) 小角散乱測定用のx線光学装置と多層膜ミラー
JP2002310947A (ja) 小角散乱測定方法とその装置
JP3519203B2 (ja) X線装置
Zhen-Hong et al. A high-resolution section topograph technique applicable to synchrotron radiation sources
Rychkov et al. Effects upon the Grazing Interaction of Microfocus Bremsstrahlung with Surfaces of Different Lengths
JPH0792112A (ja) X線評価装置
JP3492179B2 (ja) 試料測定装置
JP2007163260A (ja) 反射x線小角散乱装置
JP2010139482A (ja) X線ビームの断面強度分布を測定するための方法
JP2001083105A (ja) X線回折装置および回折x線の測定方法
JP2001141675A (ja) 斜出射x線回折測定装置及びこれを用いた斜出射x線回折測定方法
JP2005029815A (ja) 成膜方法、成膜装置、光学素子及びeuv露光装置
JPH06130002A (ja) 小角領域x線装置
JP2009075018A (ja) 蛍光x線分析装置および蛍光x線分析方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070517

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090914

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090917

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100427

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100512

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4514982

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140521

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term