JPH06130002A - 小角領域x線装置 - Google Patents

小角領域x線装置

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JPH06130002A
JPH06130002A JP30046592A JP30046592A JPH06130002A JP H06130002 A JPH06130002 A JP H06130002A JP 30046592 A JP30046592 A JP 30046592A JP 30046592 A JP30046592 A JP 30046592A JP H06130002 A JPH06130002 A JP H06130002A
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JP
Japan
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ray
sample
rays
small
channel
Prior art date
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Pending
Application number
JP30046592A
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English (en)
Inventor
Yuji Kobayashi
勇二 小林
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Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
Original Assignee
Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
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Publication date
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  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 平行X線ビーム系の小角領域X線装置におい
て、ピンホール等のX線規制孔で発生する寄生散乱線が
試料に到達するのを防止して、分解能及びS/N比の高
いX線像を得る。 【構成】 試料2にX線を入射したときにその試料2か
ら生じる散乱X線を入射X線に対する小角度の領域内に
おいて検出する小角領域X線装置である。X線源1から
試料2に向かうX線光路上にピンホール11を設け、X
線源1から出たX線をそのピンホール11によって平行
X線ビームに成形して試料2に照射する。ピンホール1
1と試料2との間のX線光路上に、チャンネルカット結
晶14,16を設ける。ピンホール11で発生する寄生
散乱線Qはチャンネルカット結晶14,16によって除
去される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料にX線を入射した
ときにその試料から生じる出力X線を入射X線に対する
小角度の領域内において検出する小角領域X線装置に関
する。ここにいう出力X線とは、0度〜5度程度の小角
度領域内に発生する散乱X線や、長周期の結晶構造に起
因して小角度領域内に発生する回折X線等のことであ
る。
【0002】
【従来の技術】ある物質に10〜1000オングストロ
ーム程度の微細な粒子やこれに相当する大きさの密度の
不均一な領域があると、その物質にX線を照射したと
き、その試料から散乱X線が発生する。この散乱X線は
粒子の内部構造には無関係で粒子が小さい程広がる。こ
の散乱X線は結晶質であるか非晶質であるかに拘らず存
在し、入射X線に対する角度が0度〜5度程度の小角度
領域内で観測される。特殊な物質を除いて、この小角度
領域にはブラッグ反射は存在しない。
【0003】また、タンパク質の結晶のように結晶格子
面間隔が非常に大きい場合には、このような小角度領域
内にもブラッグ反射が生じる。また、繊維試料で結晶質
と非晶質とが周期的に並んでいる場合には、その周期に
対応して小角領域内にX線の回折が生じる。このような
X線のブラッグ反射または回折は、一般的に、長周期の
結晶構造に起因して発生する回折X線と呼ばれている。
【0004】以上のような事実から考えて、ある試料に
X線を入射し、そのときの小角度領域内での散乱X線ま
たは回折X線を観察すれば、その試料内の微細粒子の粒
径や、結晶の周期構造等を知ることができる。このよう
な小角度領域内のX線情報を観測するためのX線装置、
すなわち小角領域X線装置は従来より知られている。
【0005】このような小角領域X線装置として、例え
ば図3に示すように、X線源1と測定対象である試料2
との間に複数のX線規制孔、例えばピンホール3及び4
を設け、さらにその後ろに散乱防止スリット5を設けた
光学系を備えたものがある。この装置では、X線源1か
ら発散するX線ビームをピンホール3,4によって平行
ビームに成形して試料2に照射し、試料2に発生する散
乱X線等をX線検出器6、例えばX線フィルムで検出す
る。散乱防止スリット5は、ピンホール4で発生する寄
生散乱線を除去する働きをする。このようなピンホール
等といったX線規制孔を用いて平行X線ビームを形成し
てそれを試料に照射する方式の小角領域X線装置は、い
わゆる平行X線ビーム系のX線装置と呼ばれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の平行X線ビーム
系の小角領域X線装置は、湾曲反射ミラーや湾曲結晶モ
ノクロメータを用いた集束X線ビーム系の小角領域X線
装置に比べて光学系の構造が簡単であることから、従来
より広く用いられている。しかしながらこの平行X線ビ
ーム系のX線装置で用いられる散乱防止スリット5は、
ピンホール4で発生した寄生散乱線を除去することに関
して十分に作用していなかった。しかも散乱防止スリッ
ト5それ自体から寄生散乱線が発生するという問題もあ
った。そのため、従来の平行X線ビーム方式の小角領域
X線装置においては、寄生散乱線の発生によりX線検出
器6上に得られる入射ビーム近傍のX線像の分解能及び
S/N比が低下して低角度までの高精度な測定を行うこ
とが困難であった。図3では、符号Nで示す領域がピン
ホール4からの寄生散乱線がX線検出器6に到達する領
域を示しており、この領域内では測定対象である試料2
からの散乱X線は測定できない。
【0007】本発明は、その問題点を解消するためにな
されたものであって、ピンホール等のX線規制孔で発生
する寄生散乱線が試料に到達するのを防止して、分解能
及びS/N比の高いX線像を得ることのできる小角領域
X線装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る小角領域X
線装置は、X線源から試料に向かうX線光路上に配置さ
れたX線規制孔、例えばピンホールを有しており、X線
源から出たX線をそのX線規制孔によって平行X線ビー
ムに形成して試料に照射するようにした小角領域X線装
置であって、そのX線規制孔と試料との間のX線光路上
に、チャンネルカット結晶を設けたことを特徴としてい
る。
【0009】
【作用】X線規制孔によって平行ビームとされたX線
は、チャンネルカット結晶で反射した後に試料に入射す
る。そして、試料から発生した出力X線、例えば散乱X
線、回折X線等がX線検出器によって検出される。
【0010】チャンネルカット結晶というのは、それ自
体周知の通り、ゲルマニウムその他の結晶ブロックに溝
を掘って、その溝を形成する両側壁をX線反射面として
利用するX線反射要素である。このチャンネルカット結
晶をピンホール等のX線規制孔の後ろに配置すると、そ
のX線規制孔で発生する寄生散乱線が試料に向かって進
行することを防止でき、その結果、分解能及びS/N比
の高い小角領域の測定ができる。
【0011】
【実施例】図1は、本発明に係る小角領域X線装置の一
実施例を示している。この図は、同X線装置を上方から
見た場合を示している。このX線装置は、ポイントフォ
ーカスのX線源1を備えたX線発生装置7と、そのX線
発生装置7に接続されたハウジング8とを有している。
ハウジング8の内部には、左から順に、補助ピンホール
9を備えた補助X線規制板10と、X線規制孔としての
ピンホール11を備えたX線規制板12と、測定対象で
ある試料2と、そしてX線検出器としてのX線フィルム
13とが、それぞれ固定して配置されている。
【0012】そしてさらに、ピンホール11と試料2と
の間であって試料2に近い位置に、第1チャンネルカッ
ト結晶14が固定配置され、補助ピンホール9とピンホ
ール11との間に第2チャンネルカット結晶15が固定
配置され、そしてピンホール11と第1チャンネルカッ
ト結晶14との間に第3チャンネルカット結晶16が固
定配置されている。X線フィルム13の直前位置にはダ
イレクトビームの進行を阻止するためのダイレクトビー
ムストッパ17が固定配置されている。
【0013】各チャンネルカット結晶14,15,16
は、同じ材料、例えばゲルマニウムによって形成されて
いて、互いに同一の形状を有している。その形状は、図
2に示すように、1つの直方体形状の結晶ブロック18
の中央部に溝Mを掘ることによって、その溝Mの両側に
2つの側壁18a及び18bを形成した形状となってい
る。それら両側壁18a及び18bのうちの互いに対向
する内壁面をX線反射面として利用する。
【0014】図1に戻って、本実施例では第1チャンネ
ルカット結晶14のX線反射面及び第2チャンネルカッ
ト結晶15のX線反射面がいずれも紙面垂直方向、すな
わち鉛直方向に延び、そして第3チャンネルカット結晶
16のX線反射面が紙面上下方向、すなわち水平方向に
延びている。つまり、第1チャンネルカット結晶14と
第2チャンネルカット結晶15のX線反射面が互いに平
行に置かれ、そして第3チャンネルカット結晶16のX
線反射面がそれらと直角を成す方向に置かれている。
【0015】本実施例の小角領域X線装置は、以上のよ
うに構成されているので、X線源1から放射されたX線
は、補助ピンホール9、第2チャンネルカット結晶1
5、ピンホール11、第3チャンネルカット結晶16及
び第1チャンネルカット結晶14を通過する間に平行X
線ビームに成形され、その平行X線ビームが試料2に入
射する。平行X線ビームが入射した試料からは、入射X
線に対する微小角度領域内に散乱X線が発生し、その散
乱X線がX線フィルム13によって検出される。こうし
て得られたX線フィルム13上の図形に基づいて、試料
2の内部の微小粒子径等が判定される。
【0016】X線源1から出てX線フィルム13に到達
するX線が空気によって散乱するのを防止するため、ハ
ウジング8の内部を真空状態に保持したり、またはハウ
ジング8の適所にガス導入口19を設け、このガス導入
口19を通してヘリウムガス等の不活性ガスをハウジン
グ8の内部に導入することが、しばしば行われる。
【0017】X線源1から出て補助ピンホール9及び第
2チャンネルカット結晶15を通過したX線R1はその
断面が、図示の通り、縦長の断面形状に成形される。こ
の縦長X線R1はピンホール11を通過することによっ
て断面円形状のX線R2に成形される。しかしながらそ
のとき、ピンホール11でX線の寄生散乱Qが発生し、
その結果、本来得よとしているX線R2の中心核部分の
まわりに寄生散乱成分Qが存在することになる。
【0018】この寄生散乱成分Qを含んだX線R2は、
第3チャンネルカット結晶16を通過する間に上下方向
の寄生散乱成分の進行が阻止されて、符号R3で示すよ
うに左右の寄生散乱成分だけが残る状態となる。そして
そのX線R3が第1チャンネルカット結晶14を通過す
ると、符号R4で示すように、左右の寄生散乱成分の進
行も阻止されて中心核部分のみが取り出される。なお、
R1〜R4に示したX線の断面形状は、矢印A方向から
見た場合のX線の断面形状を模式的に示すものである。
【0019】以上のようにして、試料2には寄生散乱成
分Qを含まない、所定断面形状のX線が入射するので、
X線フィルム13上に得られるX線図形は分解能及びS
/N比が非常に高くなる。
【0020】以上、1つの実施例をあげて本発明を説明
したが、本発明はその実施例に限定されることなく種々
に改変できる。例えば、X線源1としてポイントフォー
カスのX線源ではなくて、ラインフォーカスのX線源を
用いることができる。このラインフォーカスは、ポイン
トフォーカスに比べて広い領域からX線を取り出すこと
ができるので、強度の強いX線を取り出すことができる
という長所がある。このラインフォーカスを用いたX線
装置では、ラインフォーカスの長手方向に相当する方向
の寄生散乱成分は除去する必要がないので、ピンホール
11と試料2との間に配置される第1チャンネルカット
結晶14の配置角度をラインフォーカスの短手方向に対
応する方向の寄生散乱成分を除去できる角度位置に設定
し、そして第3チャンネルカット結晶16を省略するこ
とができる。
【0021】また、第2チャンネルカット結晶15はピ
ンホール11に入るX線の断面形状を希望の形状、例え
ば長方形状に成形するのが主目的であり、ピンホール1
1で発生する寄生散乱線Qとは直接的に関係はない。従
って、場合によってはこの第2チャンネルカット結晶1
5を省略することも可能である。また、X線発生装置7
を出てハウジング8に入るX線の断面形状に大きな乱れ
がない場合には、補助ピンホール9を備えた補助X線規
制板10を省略することもできる。
【0022】試料2から発生した散乱X線を検出するた
めのX線検出器としては、X線フィルム13以外に、X
線フィルムと同様にX線を平面領域内で同時に検出でき
る蓄積性蛍光体とか、ワイヤ状の陰極線を張設した範囲
内でX線を同時に検出できる位置感応型X線検出器等を
適用できる。また、それらのような広い範囲で同時にX
線を検出するX線検出器ではなくて、周知のシンチレー
ションカウンタ等のように受光スリットによって狭い範
囲に制限された受光口からX線を取り込むようにした、
いわゆる一次元X線検出器を2θ走査させることによっ
て散乱X線情報を検出する方法を採用することもでき
る。なお、シンチレーションカウンタ等の一次元X線検
出器を用いる場合は、X線規制孔としてピンホールに代
えて細長いスリットを用いることができる。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、ピンホール等といった
X線規制孔の所で発生した寄生散乱X線が試料に向かっ
て進行するのをチャンネルカット結晶によって阻止で
き、よって、小角度領域内で試料から発生する散乱X線
や長周期結晶構造に起因する回折X線を高分解能及び高
S/N比で測定することができる。
【0024】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る小角領域X線装置の一実施例を示
す平面断面図である。
【図2】同小角領域X線装置に用いられるチャンネルカ
ット結晶の一例を示す斜視図である。
【図3】従来の小角領域X線装置、特に平行X線ビーム
法に従った小角領域X線装置の一例を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1 X線源 2 試料 9 補助ピンホール 11 ピンホール(X線規制孔) 14 第1チャンネルカット結晶 15 第2チャンネルカット結晶 16 第3チャンネルカット結晶

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料にX線を入射したときにその試料か
    ら生じる出力X線を入射X線に対する小角度の領域内に
    おいて検出する小角領域X線装置であって、X線源から
    試料に向かうX線光路上にX線規制孔を設け、X線源か
    ら出たX線をそのX線規制孔によって平行X線ビームに
    成形して試料に照射するようにした小角領域X線装置に
    おいて、 上記X線規制孔と試料との間のX線光路上に、第1チャ
    ンネルカット結晶を設けたことを特徴とする小角領域X
    線装置。
  2. 【請求項2】 上記X線規制孔の前のX線光路上に第2
    チャンネルカット結晶を設けたことを特徴とする請求項
    1記載の小角領域X線装置。
  3. 【請求項3】 X線源がポイントフォーカスのX線源で
    ある請求項1記載の小角領域X線装置において、 上記X線規制孔の前のX線光路上に第2チャンネルカッ
    ト結晶を設け、さらにそのX線規制孔と試料との間のX
    線光路上に、上記第1チャンネルカット結晶のX線反射
    面に対して90度ずれたX線反射面を有する第3チャン
    ネルカット結晶を設けたことを特徴とする請求項1記載
    の小角領域X線装置。
JP30046592A 1992-10-13 1992-10-13 小角領域x線装置 Pending JPH06130002A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002310947A (ja) * 2001-04-11 2002-10-23 Rigaku Corp 小角散乱測定方法とその装置
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