JP4514982B2 - 小角散乱測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、特に厚さ1nm〜10nmの薄膜試料に対して有効な小角散乱測定を実現する小角散乱測定方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
物質によっては、X線を照射したときに入射X線の光軸を中心とする小角度領域(例えば、0゜〜5゜程度)の角度領域において、散乱X線を発生することがある。
例えば、物質中に10〜1000Å程度の微細な粒子やこれに相当する大きさの密度の不均一な領域が存在すると、X線の入射方向に散漫な散乱、いわゆる中心散乱が生じる。この中心散乱は粒子の内部構造には無関係で粒子が小さいほど広がる。この散乱は、結晶質あるいは非晶質に関わらず存在し、散乱角すなわち入射X線の光軸からの角度が0゜〜5゜程度の小角度領域で観測される。
また、小角度領域には上記の中心散乱の他に、蛋白質の結晶のように格子面間隔が非常に大きい場合や、繊維試料で結晶質と非晶質とが周期的に並んだ、いわゆる長周期構造の場合のX線回折などが観測される。
以上のような中心散乱及びX線回折を含め、小角度領域において観測されるX線は、一般に小角散乱と呼ばれており、この小角散乱を測定することにより、試料に関する種々の特性を判定することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、厚さ1nm〜10nmのいわゆるナノスケールの薄膜材料を対象にした場合、かかる薄膜材料にX線を照射しても同材料を透過するまでの散乱に寄与する粒子等が極めて少ないため、同材料からあらわれる散乱X線は微弱なものであり、実質的に観測不能であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、厚さ1nm〜10nmの薄膜材料に対しても有効な小角散乱測定を実現することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の小角散乱測定方法は、試料の内部をその表面に沿ってX線が進行し、且つ試料からその表面すれすれに散乱X線があらわれるように試料表面に対するX線の入射角を調整し、そして試料の表面すれすれにあらわれた散乱X線を検出する方法としたことを特徴とする。
【0005】
すなわち、本発明者は、日々の研究成果から、試料表面に対して例えば、0.5°以下の極めて低角度からX線を照射したとき、試料の内部をその表面に沿ってX線が進行し、且つ試料からその表面すれすれ(例えば、入射角と同様の0.5°以下の出射角)に散乱X線があらわれることを知見するに至った。本明細書においては、この散乱X線をインプレーン散乱X線と称することもある。
【0006】
このインプレーン散乱X線は、試料表面に沿って試料内部を走るX線がその軌道上に存在する微細な粒子やこれに相当する大きさの密度の不均一な領域によって発生するものと考えられ、厚さ1nm〜10nmの薄膜試料であっても小角散乱の観測に十分な強度をもっている。
【0007】
次に、本発明の小角散乱測定装置は、試料に対するX線の入射光学系と、試料表面に対するX線の入射角調整手段と、試料からあらわれる散乱X線を検出するX線検出手段とを備え、且つ次の(イ)乃至(ヘ)の条件を満たす構成としたことを特徴とする。
(イ)入射光学系は、反射X線の広がり角がδの多層膜ミラーと、X線を放射するX線源とを含む。
(ロ)多層膜ミラーの反射面は、2つの焦点A,Bをもつ楕円面に形成されている。
(ハ)X線源は、多層膜ミラーの焦点Aに配置される。
(ニ)多層膜ミラーは、反射面の中心位置から焦点Bまでの距離が、焦点Aに配置されたX線源から反射面にX線を照射したとき、焦点BにおけるX線の収束角θcが広がり角δのほぼ2倍となるように設定されている。
(ホ)入射角調整手段は、試料の内部をその表面に沿ってX線が進行し、且つ試料からその表面すれすれに散乱X線があらわれるように、試料表面に対するX線の入射角を調整可能である。
(ヘ)X線検出手段は、試料の表面すれすれにあらわれる散乱X線を検出する。
【0008】
上述したインプレーン散乱X線は、例えば厚さ1nm〜10nmの薄膜試料においては、散乱角が入射X線の光軸を中心とする極めて小角度の領域(例えば、1゜以下)であることも、本発明者の研究から知見されている。入射X線の光軸に対して、このような微小角度の方向にあらわれるインプレーン散乱X線を、入射X線と分離して検出するには、入射X線幅を例えば1mm以下という極めて狭小なものとする必要がある。しかし、従来のX線の入射光学系では、入射X線の幅を狭小化すればそれに応じてX線強度が低下してしまい、試料から十分な強度の散乱X線をとりだすことができなくなる課題があった。
【0009】
これに対し、上述した本発明の小角散乱測定装置によれば、入射光学系を構成する多層膜ミラーの反射面中心位置からX線源までの距離が短くなるので、X線源から発散されるX線の減衰が抑えられる。しかも、多層膜ミラーによってX線を収束し、高強度を保ったまま試料に対する入射X線の照射面積を極めて狭小なものとすることができるので、入射X線の光軸を中心とする極めて小角度の領域(例えば、1゜以下)にあらわれるインプレーン散乱X線を、入射X線と分離して検出することが可能となる。
【0010】
ここで、試料は、多層膜ミラーで反射してきたX線軌道上の任意の位置に配置することができるが、多層膜ミラーによる他方の焦点Bに配置すれば、X線の照射面積が極めて小さくなり一層好ましい。
【0011】
さて、図6(a)に示すように、多層膜ミラー1の表面に入射角θをもってX線aを入射させたとき、その入射X線aに対して2θの角度でX線bが反射してくるが、多層膜ミラー1の表面粗さ等の影響によりこの反射X線bを中心として微小角度δの広がりをもって反射X線cが現れる。
【0012】
本発明において、多層膜ミラーにおけるX線の広がり角δとは、この反射X線cによる広がり角δをいい、これはロッキングカーブの全幅の1/2に相当する。しかし、ロッキングカーブの全幅は、その定義が難しく標準化されていない。そこで、本発明では、ロッキングカーブの半価幅の2倍をロッキングカーブの全幅と定義し、この半価幅をもって広がり角δとする。なお、ロッキングカーブの全幅に関し、標準化された定義が確立した場合は、その定義を用いて本発明の広がり角δを求めてもよい。
【0013】
ロッキングカーブの半価幅は、次のようにして求めることができる。すなわち、図6(b)に示すように多層膜ミラー1の表面に対して入射角θをもってX線源2からX線aを入射させるとともに、その入射X線aに対して2θの角度方向にX線検出器3を配置しておく。この状態から多層膜ミラー1を微小角度だけω回転させると、図6(c)に示すようなX線プロファイルIが得られる。このX線プロファイルIをロッキングカーブといい、そのピーク強度の1/2に相当する部分の幅δがロッキングカーブの半価幅である。
【0014】
また、多層膜ミラーの収束角θcとは、同ミラーで反射して一点に収束するX線束全体の収束角度をいう。上述した多層膜ミラーにおけるX線の広がり角δは微小角度であるため、この収束角θcがそのほぼ2倍となるように設定しても該収束角θcは小さなものとなる。したがって、収束点より下流における反射X線の発散角も小さい。
【0015】
さらに、多層膜ミラーの収束角θcがこのように設定されることで、図7に示すように、収束角θcで収束する反射X線bの周囲に、広がり角δ(≒θc/2)をもって現れる反射X線cは、ほぼ平行な軌跡を描く。
【0016】
また、本発明は、多層膜ミラーから反射してきたX線の光軸に沿って、X線の発散を抑える第1,第2のスリットを配置し、且つ多層膜ミラーの他方の焦点(X線の収束点)近傍に多層膜ミラーからの寄生散乱を遮蔽する第3のスリットを配置することが好ましい。
【0017】
多層膜ミラーからの寄生散乱は、小角散乱測定に悪影響を及ぼすことは周知の事実である。本発明の光学装置によれば、多層膜ミラーと試料との間の距離は充分に長く確保されるので、寄生散乱の影響は少ないが、さらに第3のスリットを挿入することで、寄生散乱X線をより確実に遮蔽することができる。試料を多層膜ミラーの他方の焦点(X線の収束点)に配置すれば、第3のスリットは該収束点の近傍に配置できるので、X線の強度を減衰させることなくスリット幅を縮めることが可能となり、X線強度を保持しつつ寄生散乱を遮蔽することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
〔小角散乱測定方法〕
図1は、本実施の形態に係る小角散乱測定方法を説明するための模式図で、(a)は正面模式図、(b)は平面模式図である。
本実施形態に係る小角散乱測定方法では、試料表面SaすれすれにX線100aを照射する。このときの試料表面Saに対するX線100aの入射角αは、例えば、0.5°以下の極めて低角度とする。また、入射X線100aの幅は、例えば、1mm以下の微小な幅に調整する。
【0019】
このような低角度からX線100aを入射させると、試料Sの内部をその表面に沿ってX線100aが進行する。そして、試料表面Saに沿って試料内部を走るX線100aに対して、その軌道上に存在する微細な粒子やこれに相当する大きさの密度の不均一な領域によって中心散乱が生じ、試料Sの表面すれすれに散乱X線(インプレーン散乱X線)100bがあらわれる。
【0020】
このインプレーン散乱X線100bは、試料Sが厚さ1nm〜10nmの薄膜試料の場合、試料内部で入射X線100aの光軸を中心とする極めて小角度(例えば、1゜以下)の領域βで、試料表面Saすれすれにあらわれる。本実施形態の小角散乱測定方法では、このように試料Sの表面すれすれにあらわれるインプレーン散乱X線100bを検出する。
【0021】
〔小角散乱測定装置〕
次に、上述した小角散乱測定方法の実施に好適な小角散乱測定装置の実施形態について説明する。本実施形態に係る小角散乱測定装置は、試料に対する入射光学系と、試料台と、X線検出器とを備えている。
【0022】
〔入射光学系とX線検出器〕
図2は、本実施形態に係る小角散乱測定装置における入射光学系からX線検出器に至る構成図である。
図2に示すように、入射光学系は、X線源2、多層膜ミラー1、第1,第2,第3のスリット4,5,6を備えている。X線源2は、ポイント状の焦点からX線を放射する高出力のX線発生器を用いている。多層膜ミラー1は、互いに直交する第1反射部1aと第2反射部1bによって構成されている。
【0023】
本実施形態で用いる第1,第2反射部1a,1bは、それぞれ図3に示すように、基板10の表面に原子番号の大きな物質(例えば、タングステンWや白金Pt)の層11と、原子番号の小さな物質(例えば、炭素Cや珪素Si)での層12を交互に積層した多層膜構造を有している。各層11,12の厚さは、数nmから数10nmで、周期が100〜200層に形成してある。また、各層11,12でのX線の屈折による影響を考慮して、各層11,12の表面はそれぞれ基板10の表面に対して所定の傾き角を設定してある。さらに、各反射部1a,1bは、反射X線を一点に収束させるために同一の楕円面状に湾曲形成してある。
【0024】
X線源2は上述した多層膜ミラー1の一方の焦点Aに配置される。そして、多層膜ミラー1の反射面中心位置から他方の焦点B(反射X線の収束点)までの距離L2は、該焦点BにおけるX線の収束角θcが、多層膜ミラー1の広がり角δ(すなわち、ロッキングカーブの半価幅)のほぼ2倍となるように設定してある。この設定は、多層膜ミラー1の構成、例えば、楕円面形状、材料、多層膜構造を調整することにより実現できる。
【0025】
このように設定することで、多層膜ミラー1の中心位置からX線源2までの距離L1は、中心位置から他方の焦点Bまでの距離L2に比べて充分に短くなる(L1≪L2)。
例えば、多層膜ミラー1の反射X線の広がり角δが0.05°、多層膜ミラー1に入射するX線aの立体角αが0.27°、多層膜ミラー1の中心位置からX線源2までの距離L1が250mmに設定されているものとして、多層膜ミラー1の中心位置から焦点B(収束点)までの距離L2を700mmに設定すると、反射X線bの収束角θcは次式に示すごとく広がり角δのほぼ2倍となり、好ましい配置関係が得られる。
θc=α×L1/L2=0.27×250/700≒0.096≒2δ
【0026】
第1、第2のスリット4,5は、多層膜ミラー1から出てきた反射X線bの発散を抑えるために設けてある。第3のスリット6は、多層膜ミラー1からの寄生散乱を遮蔽するためのスリットで、X線の収束点Bに近接して設けてある。この第3のスリット6には、2軸方向にスリット幅を可変できる4象限スリットを用いることが好ましい。
【0027】
また、試料Sは、多層膜ミラー1からの反射X線bの収束点(焦点B)に配置することが好ましく、その下流にX線検出器3が設置されている。X線検出器3としては、試料Sから発散された散乱X線(インプレーン散乱X線)を広い範囲にわたって検出できるように、イメージングプレート(IP)を用いている。
【0028】
上述した構成の入射光学系では、X線源2から放射されたX線aを多層膜ミラー1に入射させるが、このX線源2から多層膜ミラー1までの距離L1は上述したように短く設定されているので、この間におけるX線aの減衰が少なく大きなX線強度を保つことができる。
【0029】
多層膜ミラー1に一端側から入射したX線aは、第1反射部1a及び第2反射部1bの間で交互に反射して、他端側へ出射していく。そして、多層膜ミラー1から出射した反射X線bは収束角θcで収束する。
ここで、収束角θcは、多層膜ミラー1の広がり角δのほぼ2倍となるように調整されているので、既述したように反射X線bの周囲に、広がり角δをもって現れる反射X線cは、ほぼ平行な軌跡を描く(図7参照)。また、そのように設定された収束角θcは、上述したとおり極めて小さい角度である。
したがって、試料Sが厚さ1nm〜10nmの薄膜試料の場合に、同試料S対する入射X線(上記反射X線b)の光軸を中心とする極めて小角度(例えば、1゜以下)の領域にあらわれるインプレーン散乱X線を、入射X線から分離して検出することが可能となる。
【0030】
本実施形態では、既述した小角散乱測定方法のように、試料Sの表面すれすれにX線(上記反射X線b)を照射し、試料Sの表面からあらわれるインプレーン散乱X線を検出する。ここで、試料Sの表面に対するX線の入射角度は、次の試料台によって調整される。
【0031】
〔試料台〕
図4は、本実施形態に係る小角散乱測定装置における試料台の構成を示す概略正面図である。
試料台20は、薄膜材料からなる試料Sを平面性を保持したまま装着可能な装着盤21と、この装着盤21を入射X線に対して平行な方向に回転させるあおり調整機構22と、装着盤を入射X線に対して直交する方向に回転させるあおり調整機構23と、装着盤21の上下方向の位置を調整するZ軸調整機構24と、装着盤21の前後方向の位置を調整するX軸調整機構25と、試料Sを面内回転させる面内回転機構26と、入射X線の光軸に対する試料表面の角度を調整する入射角調整機構27とを備えている。
【0032】
そして、Z軸調整機構24とX軸調整機構25により試料Sの表面における任意領域を、入射X線の収束点に合わせ、さらに入射角調整機構27により、入射X線の光軸に対する試料表面の角度を微調整することで、インプレーン散乱X線があらわれる低角度(例えば、0.5°以下)にX線の入射角を設定することができる。また、あおり調整機構22,23、面内回転機構26により、試料Sに対するX線の入射方向を変更して、種々の方向からの小角散乱測定を実施することができる。
【0033】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、本発明の小角散乱測定方法は、図1に示したように、試料Sから反射してくるインプレーン散乱X線を検出方法以外にも、図5に示すごとく試料Sの裏側表面すれすれに透過してくるインプレーンX線100cを検出するようにしてもよい。
【0034】
また、本発明の小角散乱測定装置は、上記実施形態で説明したように厚さ1nm〜10nmのいわゆるナノスケールの薄膜材料を対象としてインプレーン散乱X線を検出する測定方法の実施に好適であるが、それ以外のX線測定(例えば、X線反射率測定、X線回折測定)の実施にも利用でき、X線を用いた試料の総合的な分析を行うにも適している。
【0035】
さらに、X線検出器は、イメージングプレート(IP)に限定されるものではなく、例えば、シンチレーション計数管(SC)、比例計数管(PC)、位置敏感型比例計数管(PSPC)、半導体検出器(SSD)、CCD(Charge Coupled Device)など、各種のX線検出器を利用することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明しように、本発明によれば、試料の内部をその表面に沿ってX線が進行し、且つ試料からその表面すれすれにあらわれるインプレーン散乱X線を検出することで、厚さ1nm〜10nmの薄膜材料に対しても有効な小角散乱測定を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る小角散乱測定方法を説明するための模式図で、(a)は正面模式図、(b)は平面模式図である。
【図2】本発明の実施形態に係る小角散乱測定装置における入射光学系からX線検出器に至る構成図である。
【図3】楕円面形状をした多層膜ミラーの構造例を示す断面図である
【図4】本発明の実施形態に係る小角散乱測定装置における試料台の構成を示す概略正面図である。
【図5】本発明に係る小角散乱測定方法の変形例を説明するための図1に対応した模式図で、(a)は正面模式図、(b)は平面模式図である。
【図6】(a)は多層膜ミラーの広がり角を説明するための図、(b)はロッキングカーブ測定の一般手法を示す図、(c)はロッキングカーブ及びその半価幅を示す図である。
【図7】多層膜ミラーで反射したX線の収束角と広がり角の関係を示す図である。
【符号の説明】
1:多層膜ミラー
1a:第1反射部
1b:第2反射部
2:X線源
3:X線検出器
4:第1のスリット
5:第2のスリット
6:第3のスリット
20:試料台
21:装着盤
22:あおり調整機構
23:あおり調整機構
24:Z軸調整機構
25:X軸調整機構
26:面内回転機構
27:入射角調整機構
Claims (5)
- 試料に対するX線の入射光学系と、試料表面に対するX線の入射角調整手段と、試料からあらわれる散乱X線を検出するX線検出手段とを備え、且つ次の(イ)乃至(ト)の条件を満たす小角散乱測定装置。
(イ)前記入射光学系は、反射X線の広がり角がδの多層膜ミラーと、X線を放射するX線源とを含む。
(ロ)前記多層膜ミラーの反射面は、2つの焦点A,Bをもつ楕円面に形成されている。
(ハ)前記X線源は、多層膜ミラーの前記焦点Aに配置される。
(ニ)前記多層膜ミラーは、反射面の中心位置から焦点Bまでの距離が、焦点Aに配置されたX線源から反射面にX線を照射したとき、焦点BにおけるX線の収束角θcが前記広がり角δのほぼ2倍となるように設定されている。
(ホ)前記広がり角δは、当該多層膜ミラーのロッキングカーブの半価幅である。
(ヘ)前記入射角調整手段は、試料の内部をその表面に沿ってX線が進行し、且つ試料からその表面すれすれに散乱X線があらわれるように、試料表面に対するX線の入射角を調整可能である。
(ト)前記X線検出手段は、前記試料の表面すれすれにあらわれる散乱X線を検出する。 - 前記多層膜ミラーの反射面が、互いに直交する多層膜構造の第1反射部及び第2反射部で形成され、これら各反射部で反射したX線が前記焦点Bに収束するように構成した請求項1の小角散乱測定装置。
- 前記第1,第2反射部が、それぞれ基板の表面に原子番号の大きな物質で形成した薄膜層と、原子番号の小さな物質で形成した薄膜層とを交互に積層した多層膜構造に構成してある請求項2の小角散乱測定装置。
- 前記多層膜ミラーの焦点Bに試料を配置する請求項1乃至3のいずれか一項の小角散乱測定装置。
- 前記多層膜ミラーから反射してきたX線の光軸に沿って、X線の発散を抑える第1,第2のスリットを配置し、且つ前記多層膜ミラーの他方の焦点B近傍に前記多層膜ミラーからの寄生散乱を遮蔽する第3のスリットを配置した請求項4の小角散乱測定装置。
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