JPH11326599A - X線分析装置 - Google Patents
X線分析装置Info
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- JPH11326599A JPH11326599A JP10148260A JP14826098A JPH11326599A JP H11326599 A JPH11326599 A JP H11326599A JP 10148260 A JP10148260 A JP 10148260A JP 14826098 A JP14826098 A JP 14826098A JP H11326599 A JPH11326599 A JP H11326599A
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- G21K—TECHNIQUES FOR HANDLING PARTICLES OR IONISING RADIATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; IRRADIATION DEVICES; GAMMA RAY OR X-RAY MICROSCOPES
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- G21K1/06—Arrangements for handling particles or ionising radiation, e.g. focusing or moderating using diffraction, refraction or reflection, e.g. monochromators
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Abstract
30μm以下のマイクロフォーカスのX線源とを組み合
わせることにより、試料に集束するX線の強度を高め
る。 【解決手段】 X線源32と試料50との間にサイド・
バイ・サイドの構造の複合モノクロメータ52を配置し
ている。この複合モノクロメータ52は、第1の楕円モ
ノクロメータ38と第2の楕円モノクロメータ40とを
その側縁で接合したものである。X線源32の見かけの
焦点サイズDは10μmである。この発明はX線の集束
効率がすぐれているので、X線管の出力はそれほど大き
くしなくてもよい。実施例ではX線管として固定ターゲ
ットを使用していて、その出力は約7Wである。
Description
モノクロメータとして2個の楕円モノクロメータを組み
合わせた複合モノクロメータを利用しているX線分析装
置に関する。
弧面」「焦点軸線」などの用語の意味を説明する。図5
において、3次元の直交座標軸XYZを空間上に設定し
て、XY平面上に楕円10を描く。この楕円10の一部
からなる曲線12を考え、これを、以下、楕円弧と呼ぶ
ことにする。この楕円弧12をZ方向(楕円弧12を含
む平面に垂直な方向)に平行移動すると、その移動軌跡
は曲面14になり、これを、以下、楕円弧面と呼ぶこと
にする。楕円弧12の二つの焦点F1、F2をZ方向に
平行移動すると、その軌跡は焦点軸線20、22とな
る。楕円弧面14の焦点軸線20、22はZ軸に平行に
なる。楕円弧面14の任意の位置において法線を引く
と、その法線は常にXY平面に対して平行になる。座標
軸と楕円弧面14がこのような位置関係にあるときに、
この楕円弧面14は「焦点軸線がZ軸に平行な楕円弧
面」と表現することができる。そして、反射面が楕円弧
面になっているようなモノクロメータを、以下、楕円モ
ノクロメータと呼ぶことにする。
説明する。図6において、焦点軸線がX軸に平行な楕円
モノクロメータ24を考える。図6の紙面はYZ平面に
平行である。この楕円モノクロメータ24の反射面26
は、図6の紙面上で楕円弧になる。「幾何光学的」に考
えれば、この楕円弧の一方の焦点F1に光源を置くと、
この光源を出た光は、反射面26で反射してから、もう
一方の焦点F2に集束する。
方の焦点F1にX線源を置くと、このX線源を出たX線
は、反射面26に到達したときに、反射面26に対する
入射角θとX線の波長λと反射面の格子面間隔dとがブ
ラッグの回折条件を満たしたときだけ反射する。そし
て、他方の焦点F2に集束する。なお、回折に寄与する
結晶格子面は反射面26に平行になっているものとす
る。
面26のどの位置にX線が入射するかによって反射面2
6に対するX線の入射角θは異なってくる。したがっ
て、反射面26のすべての位置でブラッグの回折条件を
満足させるためには、楕円弧に沿って(すなわち入射角
θが変化するにつれて)格子面間隔を変化させる必要が
ある。そこで、X線用の楕円モノクロメータは、格子面
間隔が連続的に変化するように人工多層膜で作られてい
る。このように格子面間隔が連続的に変化しているもの
を、以下、傾斜格子面間隔と呼ぶ。
タの働きを示す原理図である。X線源32から出たX線
が楕円モノクロメータ24の反射面26のA点に入射す
るときには入射角はθ1であり、A点での格子面間隔は
d1である。B点に入射するときには入射角はθ2であ
り、A点での格子面間隔はd2である。X線の波長をλ
とすると、A点でのブラッグの回折条件は、2・d1・
sinθ1=λであり、B点でのブラッグの回折条件は、
2・d2・sinθ2=λである。X線源32と楕円モノ
クロメータ24との相対位置関係をあらかじめ定めてお
けば、楕円モノクロメータ24の反射面26の各位置で
の入射角θは計算で求めることができ、その入射角θに
対してブラッグの回折条件を満足するような格子面間隔
dも計算で求めることができる。
メータを使用することで、特定の波長のX線に対して、
反射面のどの位置にX線が当たっても、常に回折条件を
満足させることが可能になり、他方の焦点F2に特定波
長のX線が集束するようになっている。ところで、この
ような人工多層膜で作られた楕円モノクロメータ自体は
公知である。
ち、発散角αの範囲内にあるX線が楕円モノクロメータ
24の反射面26で反射して、他方の焦点F2上に、集
束角βで集束することになる。このような集束効果によ
り、所定の発散角のX線が有効に利用され、楕円モノク
ロメータがない場合と比べて、焦点F2上のX線強度が
格段に増加する。また、これと同時に、楕円モノクロメ
ータ24によってX線の単色化がなされる。
を考えたが、「焦点軸線がY軸に平行な楕円モノクロメ
ータ」を利用すれば、ZX平面内で発散するX線の集束
が可能になる。したがって、「焦点軸線がX軸に平行な
楕円モノクロメータ」と「焦点軸線がY軸に平行な楕円
モノクロメータ」の両方をX線源と試料の間に配置すれ
ば、YZ平面内での発散とZX平面内での発散の両方を
集束させることができる。この場合、「焦点軸線がY軸
に平行な楕円モノクロメータ」のひとつの焦点位置にX
線源を配置し、かつ、「焦点軸線がX軸に平行な楕円モ
ノクロメータ」のひとつの焦点位置にX線源を配置する
必要がある。
ことのできる楕円モノクロメータ・システムとしては図
8(A)に示すような順次配置が一般的である。すなわ
ち、X線源32から出たX線は、最初に第1の楕円モノ
クロメータ34(焦点軸線がX軸に平行な楕円モノクロ
メータ)で反射してYZ平面内での発散が集束し、次に
第2の楕円モノクロメータ36(焦点軸線がY軸に平行
な楕円モノクロメータ)で反射してZX平面内での発散
が集束する。
なサイド・バイ・サイド(Side-by-Side)の配置構造が
知られている。このサイド・バイ・サイドの楕円モノク
ロメータ・システムは、第1の楕円モノクロメータ38
(焦点軸線がX軸に平行な楕円モノクロメータ)と第2
の楕円モノクロメータ40(焦点軸線がY軸に平行な楕
円モノクロメータ)を、その側縁同士が接するように組
み合わせたものである。X線源32から出たX線は、第
1の楕円モノクロメータ38と第2の楕円モノクロメー
タ40のいずれか一方に当たって反射し、すぐ次に、も
う一方の楕円モノクロメータで反射してから集束する。
X線が二つの楕円モノクロメータ38、40で順番に反
射するためには、X線源32から入射するX線が、この
複合モノクロメータに対して、最初に、斜線で示す範囲
42に当たる必要がある。このように、このサイド・バ
イ・サイドの構造の複合モノクロメータは、組み合わせ
た隅部の近傍での順次反射を利用している。
た投影図であり、図9(B)は図8(B)をY方向から
見た投影図である。図9(A)と図9(B)において、
X線源32を出たX線は、第1の楕円モノクロメータ3
8の反射面のC点で反射してから、第2の楕円モノクロ
メータ40の反射面のD点で反射して、集束点44に集
束する。
図10(B)に示すように、X線源32を出たX線は、
最初に第2の楕円モノクロメータ40の反射面のE点で
反射してから、第1の楕円モノクロメータ38の反射面
のF点で反射して、集束点44に集束する。
は、第1の楕円モノクロメータ38の一方の焦点の位置
にX線源32があり、他方の焦点の位置に集束点44が
ある。そして、Y方向から見たときは、第2の楕円モノ
クロメータ40の一方の焦点の位置にX線源32があ
り、他方の焦点の位置に集束点44がある。
す範囲42以外の位置に最初にX線が当たった場合に
は、そこで反射したX線は、他方の楕円モノクロメータ
にはもはや当たらない。このような反射X線は、集束点
44には到達しない。例えば、第1の楕円モノクロメー
タ38の反射面のうちの範囲42以外の領域で最初に反
射したX線は、ライン46(X軸に平行なライン)上に
集束する。また、第2の楕円モノクロメータ40の反射
面のうちの範囲42以外の領域で最初に反射したX線
は、ライン48(Y軸に平行なライン)上に集束する。
そして、ライン46の延長線とライン48の延長線の交
点上に集束点44が存在する。この集束点44の位置に
試料を置けば、YZ平面内及びZX平面内の両方で集束
されたX線だけが試料に照射されることになる。
メータは、取り込むX線の発散角に関して、YZ平面内
での発散角とZX平面内での発散角とが異なる。これに
対して、図8(B)に示すサイド・バイ・サイドの複合
モノクロメータは、X線源32と二つのモノクロメータ
38、40との距離が等しいので、取り込めるX線の発
散角に関して、YZ平面内での発散角とZX平面内での
発散角とが等しくなる。
サイズの影響を説明した図面である。楕円モノクロメー
タ24の反射面の一方の焦点にX線源32を配置した場
合、X線源32から出たX線は楕円モノクロメータ24
の反射面のA点に入射角θで入射する。この場合、楕円
モノクロメータ24の反射面の楕円弧に沿った位置のど
こにX線が当たるかによって入射角θの値は異なる。楕
円モノクロメータ24は傾斜格子面間隔になっているの
で、任意のA点における格子面間隔dとX線の波長λと
入射角θは上述のようにブラッグの回折条件を満足して
いる。ところで、X線源32は、A点から見ると、見か
けの焦点サイズDをもっており、それゆえにA点におけ
る入射角θはある程度の角度幅Δθ(入射角のバラツ
キ)をもっている。この角度幅Δθに関して、X線源3
2からA点までの距離をS、X線源32の見かけの焦点
サイズをDとすると、次の(1)式が成立する。
位をラジアンとすると、sin(Δθ/2)は、ほぼΔθ/2
に等しくなり、次の(2)式が成立する。
て説明する。A点に入射するX線の入射角θとそこから
の回折X線(反射X線)の強度との関係は図12に示す
グラフのようになる。このグラフの横軸は入射角θであ
り、縦軸は回折X線の強度である。人工多層膜のモノク
ロメータの場合、得られる回折ピークの半値幅εは0.
001ラジアン程度である。すなわち、入射X線の入射
角θのバラツキΔθがこの半値幅εよりも大きくなる
と、半値幅εを外れた入射角度で入射したX線はブラッ
グの回折条件を満足しなくなり、回折強度に寄与しなく
なる。
上述の半値幅ε=0.001ラジアンを代入し、焦点サ
イズの値として例えばD=0.5mmを代入すると、X
線源からA点までの距離Sは500mmとなる。すなわ
ち、見かけの焦点サイズDが0.5mmのX線源を用い
た場合に、このX線源からのX線がA点に入射するとき
の入射角θのバラツキΔθが、モノクロメータの上述の
半値幅εの範囲内に収まるためには、X線源からA点ま
での距離Sを500mm以上にしなければならないこと
が分かる。これよりも距離Sを短くすると、X線の焦点
サイズに起因する入射角のバラツキΔθが半値幅εより
も大きくなって、A点に入射するX線の一部はブラッグ
の回折条件を満足しなくなり、もはや回折X線の強度に
寄与しなくなる。ゆえに、図11において、楕円モノク
ロメータ24に入射するX線ビームの強度を有効に利用
するためには、距離Sは500mm以上にしなければな
らない。そして、楕円モノクロメータ24の反射面のす
べての地点で距離Sを500mm以上にするためには、
X線源32と楕円モノクロメータ24との最短距離を5
00mm以上にしなければならないことになる。
るX線の発散角αについて検討すると、X線源32と楕
円モノクロメータ24との距離が大きくなればなるほど
発散角αは小さくなり、距離が小さくなればなるほど発
散角αは大きくなる。そして、発散角αが大きくなれば
なるほど、楕円モノクロメータ24で集束したX線の強
度が大きくなる。ゆえに、集束X線の強度を大きくする
観点からは、X線源32と楕円モノクロメータ24との
距離は小さいほうがよい。しかしながら、上述のよう
に、X線源の見かけの焦点サイズDに起因する入射角の
バラツキΔθを上述の半値幅εの範囲内に収めるために
は、X線源32と楕円モノクロメータ24との距離は大
きくせざるを得ない。
使うにしても、集束X線の強度を高めるために上述のよ
うな相反する条件が存在していて、X線の集束強度を向
上させるのに限界があった。
なされたものであり、その目的は、楕円モノクロメータ
を利用してX線を試料上に集束させる場合において、従
来よりも強度の強いX線を試料に照射できるようにする
ことにある。
は、特定構造の複合モノクロメータとマイクロフォーカ
スX線源とを組み合わせたことに特徴がある。すなわ
ち、この発明は、X線源から出射するX線ビームをモノ
クロメータで反射してから試料に照射するX線分析装置
において、次の特徴を備えている。(ア)前記X線源を
マイクロフォーカスX線源とする。(イ)前記モノクロ
メータは、第1の楕円モノクロメータと第2の楕円モノ
クロメータとで構成した複合モノクロメータである。
(ウ)前記第1の楕円モノクロメータの反射面は、焦点
軸線が一方向に平行な楕円弧面であり、前記第2の楕円
モノクロメータの反射面は、焦点軸線が他方向に平行な
楕円弧面であり、前記第1の焦点軸線と前記第2の焦点
軸線とが互いにほぼ直交している。(エ)前記第1の楕
円モノクロメータの一つの側縁と前記第2の楕円モノク
ロメータの一つの側縁は互いに接している。(オ)前記
一方向から見たときに、前記第1の楕円モノクロメータ
の第1焦点の位置にX線源が配置されている。(カ)前
記他方向から見たときに、前記第2の楕円モノクロメー
タの第1焦点の位置にX線源が配置されている。(キ)
前記第1の楕円モノクロメータと前記第2の楕円モノク
ロメータは人工多層膜で形成され、この人工多層膜は、
回折に寄与する結晶格子面が反射面に平行になってい
て、かつ、特定の波長のX線に対して反射面の任意の位
置でブラッグの回折条件を満足するように楕円弧に沿っ
て前記結晶格子面の格子面間隔が連続的に変化してい
る。
ーカス」X線源は、X線源の見かけの焦点サイズが非常
に小さいものであり、その焦点サイズは30μm以下で
ある。前記(ウ)の特徴における「ほぼ直交」とは90
度±10度程度である。理想的には、二つの楕円モノク
ロメータの焦点軸線は互いに直交しているのが望ましい
が、製作誤差その他の要因で、直交からずれても、±1
0度程度の範囲内であれば、実用上許容できる。前記
(エ)の特徴において二つの楕円モノクロメータは、そ
の「側縁」同士が互いに接しているが、側縁同士がその
長さ方向にぴったり合致していなくても、側縁の長さ方
向に多少(楕円モノクロメータの長さの4分の1程度ま
で)ずれた状態で接していても構わない。前記(オ)の
特徴において、楕円モノクロメータの第1焦点の位置に
X線源を配置しているが、試料は楕円モノクロメータの
第2焦点の位置またはその光軸方向の近傍に配置するこ
とになる。試料は第2焦点の位置に厳密に配置する必要
はなく、モノクロメータからのX線が当たる限りにおい
て、第2焦点の近傍(具体的には光軸方向の近傍)に配
置することができる。
クロフォーカスX線源自体は公知である。このようなマ
イクロフォーカスX線源は、従来は、(1)試料の微小
部にX線源を近づけて試料の透過拡大像を得る用途や、
(2)X線源から出るX線をキャピラリで集光して微小
スポットのX線を試料に当てながら試料及び2次元検出
部をスキャンして試料を観察する用途(X線顕微鏡)な
どに使われている。
ノクロメータを組み合わせた複合モノクロメータと、マ
イクロフォーカスX線源とを組み合わせることで、マイ
クロフォーカスX線源の特徴(見かけの焦点サイズが非
常に小さいこと)を生かして、試料上のX線強度を高め
ることに成功した。焦点サイズが30μm以下のマイク
ロフォーカスX線源を使うことで、X線源とモノクロメ
ータとの距離をかなり近づけても、X線源の焦点サイズ
に起因する入射角のバラツキΔθが、楕円モノクロメー
タによる回折ピークの半値幅εの範囲内に収まるように
なり、楕円モノクロメータに到達したX線を無駄なく活
用できるようになった。そして、X線源と楕円モノクロ
メータとの距離を近づけることが可能になったおかげ
で、楕円モノクロメータに入射するX線の捕捉角αを大
きくできて(例えば、捕捉する立体角を0.0005ス
テラジアン以上にできて)、第2焦点上でX線強度を従
来よりも飛躍的に高めることができた。
ノクロメータから見たときのX線源の投影形状におい
て、その最大の差し渡し寸法のことを言うものとする。
この発明は、X線源の見かけの焦点サイズを30μm以
下にすることが効果的であり、好ましくは20μm以
下、さらに好ましくは、見かけの焦点サイズを10μm
程度にする。
焦点と複合モノクロメータとの最短距離を50mm以下
にすることができ、より好ましくは30mm以下にする
ことができる。さらに好ましくは、上述の最短距離は1
0〜20mm程度にすることができる。なお、上述の最
短距離のとりうる下限値は、一般的には、X線管の構造
上の制約に依存することになる。
端に偏平な形状になっており、こうすることで、X線源
(楕円の焦点の位置に配置することになる)を楕円モノ
クロメータに近づけることができる。
料に至るまでのX線光学系に特徴があり、試料から検出
器に至るまでの光学系については特に限定していない。
例えば、マイクロフォーカスX線源からのX線を複合モ
ノクロメータで集束して試料に照射して、試料からの回
折X線を検出するようにすれば、この発明のX線分析装
置はX線回折装置になる。また、試料からの蛍光X線を
検出するようにすれば、この発明のX線分析装置は蛍光
X線分析装置になる。
る。X線源32と試料50との間にサイド・バイ・サイ
ドの構造の複合モノクロメータ52を配置している。こ
の複合モノクロメータ52は、第1の楕円モノクロメー
タ38と第2の楕円モノクロメータ40とをその側縁で
接合したものである。この複合モノクロメータ52の基
本的な構造は、図8(B)に示したものと同じである。
第1の楕円モノクロメータ38は焦点軸線がX軸に平行
であり、第2の楕円モノクロメータ40は焦点軸線がY
軸に平行である。
μmである。見かけの焦点サイズDを10μmにするに
は、図2(A)に示すように、X線管のターゲット54
面上の焦点55のサイズを直径10μmにして、ここか
ら適切な取り出し角度(例えば6度)でX線を取り出せ
ばよい。あるいは、図2(B)に示すように、X線管の
ターゲット54面上での焦点55を細長い形状にして、
その幅を10μmにし、焦点55の長手方向にX線を取
り出すようにしてもよい(いわゆるポイント取り出
し)。この場合も見かけの焦点サイズを10μmにする
ことができる。この実施例で使用しているX線管は、タ
ーゲット材質がCuであり、その特性X線(CuKα、
その波長は0.154nm)を利用している。この発明
はX線の集束効率がすぐれているので、X線管の出力は
それほど大きくしなくてもよく、この実施例ではX線管
として固定ターゲットを使用していて、その出力は約7
Wである。
的な形状について説明する。楕円モノクロメータ38を
構成する楕円56は、図3に示すように、二つの焦点F
1、F2の間の距離Lは300mmである。焦点F1か
ら楕円56までの最短距離をp/2とすると、p=0.
03mmである。すなわち、Lはpの1万倍もあり、極
端に偏平な楕円になっている。もう一方の楕円モノクロ
メータ40も同じ形状である。
焦点F1の位置にX線源を配置し、焦点F2の位置(あ
るいはその光軸方向の近傍)に試料を配置することにな
る。焦点F1とF2を通る直線の方向をu方向、それに
垂直な方向をv方向と定めると、焦点F1から楕円モノ
クロメータ38までのu方向の距離L1は15mmであ
る。楕円モノクロメータ38のu方向の寸法L2は40
mmである。楕円モノクロメータ38から焦点F2まで
のu方向の距離L3は245mmである。焦点F1から
楕円モノクロメータ38の中心までのu方向の距離L4
は35mmであり、焦点F2から楕円モノクロメータ3
8の中心までのu方向の距離L5は265mmである。
L1+L2+L3=L4+L5=L=300mmであ
る。
円弧の座標と傾斜格子面間隔についての数値例である。
焦点F1を座標の原点とした場合の楕円弧の座標u、v
(単位はmm)と、焦点F1にX線源を置いたときのX
線の入射角θ(単位は度)と、格子面間隔d(単位はn
m:ナノメータ)とを表わしている。
面間隔dとが連続的に変化していく様子が分かる。焦点
F1に一番近いから楕円モノクロメータ38において焦
点F1に一番近い地点は、u=15mm、v=0.92
51mmの地点である。この最短地点と焦点F1との距
離L6を計算すると、L6=(u2+v2)1/2=15.0
3mmになる。そして、この最短距離L6のところで、
上述の(2)式を用いて入射角のバラツキΔθを計算す
ると、Δθ=D/L6=0.01÷15.03=0.0
0067ラジアンとなる。このΔθの値は、人工多層膜
のモノクロメータの半値幅ε=0.001よりも小さく
なっている。最短地点よりも遠い位置での入射角のバラ
ツキΔθは上述の値よりももっと小さくなるので問題は
ない。したがって、楕円モノクロメータに当たった特定
波長のX線は、そのすべてが有効に反射することにな
る。
状況を説明する。表1に示す楕円モノクロメータに入射
するX線の発散角αは、後述の方法で計算をすると1.
82度になる。X線の集束角βは0.15度である。上
述の発散角αの単位をラジアンに直すと、0.0318
ラジアンになる。第1の楕円モノクロメータでYZ平面
内での発散角αy=0.0318ラジアンが捕捉され、
第2の楕円モノクロメータでZX平面内での発散角αx
=0.0318ラジアンが捕捉される。これにより、複
合モノクロメータで捕捉できるX線の立体角αMは、α
M=αx・αy=0.001ステラジアンになる。
の見かけの焦点サイズDが0.01mmであるのに対し
て、試料上に集束するX線のスポット・サイズは0.2
mmになる。試料を置く位置については、楕円モノクロ
メータの第2焦点の位置(基準位置)に対して、測定条
件(試料のサイズ、必要強度等)に応じて、基準位置よ
りも光軸上の前後の必要な位置に置くことができる。
る人工多層膜は、一般的に重元素と軽元素を積層して作
ることができ、例えば、タングステン(W)とシリコン
(Si)とを積層して作ることができる。あるいは、タ
ングステン(W)と炭化ホウ素(B4C)とを積層して
作ることができる。その積層周期が格子面間隔に相当す
る。各層の厚さの分配はさまざまに変えることができ
る。X線反射用の人工多層膜の構造及びその製造方法に
ついては、例えば特公平6−46240号公報に開示さ
れている。
ロメータへのX線の入射角θは1〜2度程度の小さい値
である。人工多層膜の格子面間隔dは2〜4nm程度で
ある。
の発散角αを計算する方法を説明する。図3において、
モノクロメータ38の楕円弧の座標(u、v)を考える
と、楕円の方程式から、vをuの関数で記述して、次の
(3)式が成り立つ。
L2=Hとおくと、発散角αは次の(4)式で計算でき
る。ここで、関数fは上述の(3)式を用いる。
ある。その基本的な構成は図1の実施例と同じである
が、楕円モノクロメータの設計値が異なっている。この
複合モノクロメータ52aの長さは60mmであり、X
線源32(第1焦点の位置にある)から試料50(第2
焦点の位置にある)までの距離は100mmである。こ
の実施例では、複合モノクロメータ52aから試料50
までの距離が第1実施例の場合と比較して短くなってお
り、第1実施例と同じX線源を使った場合に、試料50
上の集束X線のスポット・サイズは0.047mmまで
小さくなる。すなわち、微小試料のX線分析が可能にな
る。
いて、その楕円形状を図3に示す符号を参照して説明す
ると、p=0.022mm、L=100mm、L1=1
7mm、L2=60mm、L3=23mm、L4=47
mm、L5=53mmとなる。この場合、Lはpの45
45倍になる。次の表2は、この第2実施例における、
表1と同様の設計値である。
に入射するX線の発散角αは2.0度になり、第2焦点
に集束するX線の集束角βは1.6度になる。
は、図3において、p=0.065mm、L=400m
m、L1=40mm、L2=60mm、L3=300m
m、L4=70mm、L5=330mmである。第2焦
点上の集束X線のスポット・サイズは0.2〜0.25
mmである。次の表3は、この第3実施例における、表
1と同様の設計値である。
に入射するX線の発散角αは1.31度になる。これを
ラジアンに直すと、0.0229ラジアンになる。第1
の楕円モノクロメータでYZ平面内での発散角αy=
0.0229ラジアンが捕捉され、第2の楕円モノクロ
メータでZX平面内での発散角αx=0.0229ラジ
アンが捕捉される。これにより、この複合モノクロメー
タで捕捉できるX線の立体角αMは、αM=αx・αy
=0.00052ステラジアンになる。
明してきたが、楕円モノクロメータを放物線モノクロメ
ータに変更することも可能である。その場合の一例を以
下に説明する。図13は放物線モノクロメータの放物線
の形状の説明図である。放物線モノクロメータ60を構
成する放物線62は焦点がひとつであり、焦点Fから放
物線62までの最短距離をp/2とすると、p=0.0
26mmである。焦点Fの位置にマイクロフォーカスX
線源を配置する。モノクロメータから出てくるX線は平
行X線束となる。したがって、試料を光軸上のどこにお
いても試料に当たるX線の強度は変化しない。図のよう
にu方向とv方向と定めると、焦点Fから放物線モノク
ロメータ60までのu方向の距離L1は15mmであ
る。楕円モノクロメータ60のu方向の寸法L2は40
mmである。このような形状の2個の楕円モノクロメー
タを図1のように組み合わせて複合モノクロメータとし
て用いる。使用するX線源の見かけの焦点サイズは10
μmであり、試料に当たるX線のスポットサイズは直径
0.8mmである。
放物線の座標と傾斜格子面間隔についての数値例であ
る。焦点Fを座標の原点とした場合の楕円弧の座標u、
v(単位はmm)と、焦点FにX線源を置いたときのX
線の入射角θ(単位は度)と、格子面間隔d(単位はn
m:ナノメータ)とを表わしている。
の焦点サイズ、X線源の焦点からモノクロメータまでの
最短距離、モノクロメータが捕捉する立体角等)内にお
いて、第1と第2のモノクロメータは図8(A)に示す
方向にずらすことができる。その場合、捕捉する立体角
がX方向とY方向とで異なるので、モノクロメータから
出射するX線強度分布は変形するが、測定条件(試料の
サイズや配置位置、必要なX線強度等)によっては、図
8(B)に示すような「ずらしていないモノクロメー
タ」と同様の効果が期待できる。
側モノクロメータとマイクロフォーカスのX線源とを組
み合わせることにより、試料に集束するX線の強度を高
めることができた。
る。
ある
ある。
る。
造の楕円モノクロメータの斜視図である。
ータによる反射を示すX方向とY方向の投影図である。
メータによる別の反射を示すX方向とY方向の投影図で
ある。
る。
る。
図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 X線源から出射するX線ビームをモノク
ロメータで反射してから試料に照射するX線分析装置に
おいて、次の特徴を備えるX線分析装置。 (ア)前記X線源をマイクロフォーカスX線源とする。 (イ)前記モノクロメータは、第1の楕円モノクロメー
タと第2の楕円モノクロメータとで構成した複合モノク
ロメータである。 (ウ)前記第1の楕円モノクロメータの反射面は、焦点
軸線が一方向に平行な楕円弧面であり、前記第2の楕円
モノクロメータの反射面は、焦点軸線が他方向に平行な
楕円弧面であり、前記第1の焦点軸線と前記第2の焦点
軸線とが互いにほぼ直交している。 (エ)前記第1の楕円モノクロメータの一つの側縁と前
記第2の楕円モノクロメータの一つの側縁は互いに接し
ている。 (オ)前記一方向から見たときに、前記第1の楕円モノ
クロメータの第1焦点の位置にX線源が配置されてい
る。 (カ)前記他方向から見たときに、前記第2の楕円モノ
クロメータの第1焦点の位置にX線源が配置されてい
る。 (キ)前記第1の楕円モノクロメータと前記第2の楕円
モノクロメータは人工多層膜で形成され、この人工多層
膜は、回折に寄与する結晶格子面が反射面に平行になっ
ていて、かつ、特定の波長のX線に対して反射面の任意
の位置でブラッグの回折条件を満足するように楕円弧に
沿って前記結晶格子面の格子面間隔が連続的に変化して
いる。 - 【請求項2】 X線源から出射するX線ビームをモノク
ロメータで反射してから試料に照射するX線分析装置に
おいて、次の特徴を備えるX線分析装置。 (ア)前記X線源の見かけの焦点サイズは30μm以下
である。 (イ)前記モノクロメータは、第1の楕円モノクロメー
タと第2の楕円モノクロメータとで構成した複合モノク
ロメータである。 (ウ)空間上に3次元の直交座標軸XYZを仮定する
と、前記第1の楕円モノクロメータの反射面は、焦点軸
線がX方向に平行な楕円弧面であり、前記第2の楕円モ
ノクロメータの反射面は、焦点軸線がY方向に平行な楕
円弧面である。 (エ)前記第1の楕円モノクロメータの一つの側縁と前
記第2の楕円モノクロメータの一つの側縁は互いに接し
ている。 (オ)X方向から見たときに、前記第1の楕円モノクロ
メータの第1焦点の位置にX線源が配置されている。 (カ)Y方向から見たときに、前記第2の楕円モノクロ
メータの第1焦点の位置にX線源が配置されている。 (キ)前記第1の楕円モノクロメータと前記第2の楕円
モノクロメータは人工多層膜で形成され、この人工多層
膜は、回折に寄与する結晶格子面が反射面に平行になっ
ていて、かつ、特定の波長のX線に対して反射面の任意
の位置でブラッグの回折条件を満足するように楕円弧に
沿って前記結晶格子面の格子面間隔が連続的に変化して
いる。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載のX線分析装置
において、前記第1の楕円モノクロメータの第2焦点の
位置またはその光軸方向の近傍に試料が配置され、前記
第2の楕円モノクロメータの第2焦点の位置またはその
光軸方向の近傍に試料が配置されることを特徴とするX
線分析装置。 - 【請求項4】 請求項1または2に記載のX線分析装置
において、前記X線源のターゲットの焦点から前記複合
モノクロメータまでの最短距離が50mm以下であるこ
とを特徴とするX線分析装置。 - 【請求項5】 請求項1または2に記載のX線分析装置
において、前記X線源のターゲットの焦点から前記複合
モノクロメータまでの最短距離が30mm以下であるこ
とを特徴とするX線分析装置。 - 【請求項6】 請求項1に記載のX線分析装置におい
て、前記複合モノクロメータが捕捉するX線の立体角は
0.0005ステラジアン以上であることを特徴とする
X線分析装置。 - 【請求項7】 請求項1または2に記載のX線分析装置
において、前記X線源の見かけの焦点サイズは20μm
以下であることを特徴とするX線分析装置。 - 【請求項8】 X線源から出射するX線ビームをモノク
ロメータで反射してから試料に照射するX線分析装置に
おいて、次の特徴を備えるX線分析装置。 (ア)前記X線源をマイクロフォーカスX線源とする。 (イ)前記モノクロメータは、第1の放物線モノクロメ
ータと第2の放物線モノクロメータとで構成した複合モ
ノクロメータである。 (ウ)前記第1の放物線モノクロメータの反射面は、焦
点軸線が一方向に平行な放物面であり、前記第2の放物
線モノクロメータの反射面は、焦点軸線が他方向に平行
な放物面であり、前記第1の焦点軸線と前記第2の焦点
軸線とが互いにほぼ直交している。 (エ)前記第1の放物線モノクロメータの一つの側縁と
前記第2の放物線モノクロメータの一つの側縁は互いに
接している。 (オ)前記一方向から見たときに、前記第1の放物線モ
ノクロメータの焦点の位置にX線源が配置されている。 (カ)前記他方向から見たときに、前記第2の放物線モ
ノクロメータの焦点の位置にX線源が配置されている。 (キ)前記第1の放物線モノクロメータと前記第2の放
物線モノクロメータは人工多層膜で形成され、この人工
多層膜は、回折に寄与する結晶格子面が反射面に平行に
なっていて、かつ、特定の波長のX線に対して反射面の
任意の位置でブラッグの回折条件を満足するように放物
線に沿って前記結晶格子面の格子面間隔が連続的に変化
している。
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