JP2001021507A - Xafs測定装置 - Google Patents
Xafs測定装置Info
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Abstract
X線の平行度を高めることにより分解能の高いXAFS
測定ができるXAFS測定装置を提供する。 【解決手段】 X線源Fから発散するX線を放物面ミラ
ー1によって平行X線ビームに成形し、その平行X線ビ
ームを平板状の分光結晶2へ照射してその分光結晶2に
よって特定波長の平行X線ビームを取り出し、そのX線
ビームに関して試料Sに入射する前のX線強度を検出器
8によって測定し、試料Sを透過した後のX線強度を検
出器9によって測定する。分光結晶2への平行X線ビー
ムの入射角度を変化させることにより、試料Sへ入射す
るX線のエネルギ値を変化させる。放物面ミラー1を用
いることにより、平行度の高い平行X線ビームを形成し
てそれを分光結晶2へ照射できるので、分光結晶2とし
て平板結晶を用いることができる。
Description
吸収線図に現れる吸収係数の振動構造、例えばEXAF
S及びXANESを測定するためのXAFS測定装置に
関する。
を徐々に変えてゆき、その各々のエネルギについて試料
に入射するX線の強度(I0 )と試料を透過したX線の
強度(I)との比(I0 /I)を求め、それらに基づい
て質量吸収係数μ=log e(I0 /I)を算出して、
それをグラフ上にプロットすると、図2に示すようなX
線吸収線図が得られる。
傍(例えば、A±50eV程度)の狭い領域に現れる吸
収端微細構造は、通常、XANES(ゼーネス:X-Ray
Absorption Near Edge Structure)と呼ばれている。ま
た、XANESよりも高いエネルギ側へ1000eV程
度の広い領域に現れるX線強度比の振動構造、すなわち
吸収係数の振動構造は、EXAFS(イグザフス:Exte
nded X-Ray Absorption Fine Structure)と呼ばれてい
る。
X線吸収原子とそのまわりの原子との間の結合状態、分
子の立体構造、原子間距離、あるいは原子配位等に関す
る情報が含まれている。よって、未知試料について図2
に示すようなX線吸収線図を求めれば、それに基づいて
その未知試料の構造解析を行うことができる。本発明に
係るXAFS測定装置は、そのようなXANES及びE
XAFSに基づいて試料の構造解析を行うものである。
4に示すように、直径が一定不変である仮想の集中円C
r の上に、X線源F、湾曲分光結晶53及び受光スリッ
ト54を配設する。湾曲分光結晶53は、集中円Cr と
実質的に同じ曲率で湾曲する。受光スリット54は、入
射X線検出器55、試料S及び透過X線検出器57と共
に支持台58の上に設けられる。
円Cr に沿って移動させ、同時に支持台58を同じく集
中円Cr に沿って移動させる。このとき、位置不動のX
線源Fと湾曲分光結晶53との間の距離L1 は徐々に変
化し、そして湾曲分光結晶53と受光スリット54との
間の距離L2は、常に、L1=L2の条件を満たすよう
に制御される。このような制御は、湾曲分光結晶53及
び支持台58を複雑なリンク機構の上に搭載し、さら
に、両者を高精度なパルスモータを用いて駆動すること
によって実現している。
Fから放射されて発散する連続X線を湾曲分光結晶53
で単色X線に分光して試料Sに入射し、そのX線の透過
率をX線のエネルギ量すなわち波長との対応で測定す
る。試料Sに入射するX線のエネルギを変化させるた
め、湾曲分光結晶53を集中円Cr に沿って移動させる
ことにより、その湾曲分光結晶53に入射するX線の入
射角度θを変化させる。そして、そのように時々刻々エ
ネルギ量が変化するX線を試料Sに照射することによっ
て図2に示すX線吸収線図を得る。
では、X線源Fに対して湾曲分光結晶53及び検出器支
持台58を上記の特定の移動条件の下で移動させなけれ
ばならず、そのためのリンク機構の構造及び動作が極め
て複雑で、しかも大型になっていた。機械が複雑である
ため、各要素の光学的な位置関係を調整するのも非常に
難しかった。
開平9−89813号公報において、コリメータ及び平
板状の分光結晶を用いたXAFS測定装置を提案した。
この測定装置によれば、平板状の分光結晶を用いたこと
により、ゴニオメータとしてθ−2θ型の極一般的なゴ
ニオメータを用いることが可能となり、よって、XAF
S測定装置の構造及び動作を非常に簡単にすることがで
きた。
号公報に開示された上記従来のXAFS測定装置を用い
れば実用上十分な精度でXAFS測定を行うことができ
るのであるが、平行度の高い平行X線ビームをコリメー
タによって形成することが必ずしも希望通り十分に行う
ことができない場合もあり、そのため、分解能の点で若
干の不満が残っていた。
る上記の問題点に鑑みて成されたものであって、構造が
簡単で小型なXAFS測定装置であって、単色化したX
線の平行度を高めることにより、より一層分解能の高い
XAFS測定ができるXAFS測定装置を提供すること
を目的とする。
成するため、本発明に係るXAFS測定装置は、試料に
入射するX線のエネルギを変化させたときに得られる質
量吸収係数の変動を測定して該試料の振動構造を解析す
るXAFS測定装置において、X線を放射するX線源
と、放射されたX線を平行X線ビームとして取り出す放
物面ミラーと、その平行X線ビームを受け取って特定波
長の平行X線ビームを出射する平板状の分光結晶と、試
料へ入射するX線のX線強度値を測定する入射X線検出
器と、試料を透過したX線のX線強度値を測定する透過
X線検出器と、前記分光結晶と前記放物面ミラーとを相
対的にθ回転させると共に、前記入射X線検出器、前記
試料及び前記透過X線検出器を前記分光結晶に対して相
対的に2θ回転させるゴニオメータとを有することを特
徴とする。
器は、それぞれ、個別のX線検出器によって構成するこ
ともでき、あるいは1個のX線検出器によってそれらを
兼用させることもできる。1個のX線検出器によって入
射X線検出器及び透過X線検出器を兼用する場合には、
試料の後方位置にX線検出器を配設し、試料をX線経路
から退避させることによって試料を通過する前のX線強
度を測定し、そして試料をX線経路を遮る位置に置くこ
とによって試料を透過するX線強度値を測定する。
から放射されたX線が放物面ミラーによって平行X線ビ
ームとして取り出され、分光結晶の働きによってその平
行X線ビームから特定波長すなわち特定エネルギの平行
X線ビームが取り出されて、それが試料に供給される。
ーに照射されたものは、その放物面ミラーによって全て
が平行X線ビームに成形されるので、この平行X線ビー
ムの強度は、発散X線ビームをコリメータによって規制
して平行X線ビームを形成する従来の平行X線ビーム形
成方法に比べると強くなり、特開平9−89813号公
報に開示された平行X線ビーム形成方法に比べて平行度
が良くなる。また、分光結晶は平板形状であるので、こ
の分光結晶に入射する平行X線ビームは全てがこの分光
結晶で回折して試料へ供給され、このため、強度が強く
単色度の高いX線ビームを試料に供給できる。
ば、試料に供給する単色化されたX線の平行度を高める
ことができ、そのため、非常に分解能の高いXAFS測
定を行うことができる。
晶として用いた場合、その回折幅は0.05°程度であ
る。よって、スリットコリメーションによって形成した
平行光を用いる場合には、分光結晶から取り出されるX
線の強度が非常に弱くなる。これに対し、放物面ミラー
の反射効率は、その素材とエネルギによっても変わる
が、例えばCuの特性線付近のエネルギ(すなわち、約
8KeV)をガラスの放物面ミラーで利用する場合、X
線源から60mm離れたところに50mmの長さの放物
面ミラーを置くとすると、約0.1°の取込み角を見込
むことができ、このためスリットコリメーションを利用
する場合に比べて2倍の利得を得ることができる。この
ことからも、放物面ミラーを用いた本発明によれば、強
度の強い平行X線ビームを試料へ供給できることが理解
できる。
いて、前記ゴニオメータは、前記分光結晶のX線回折面
とほぼ一致するように設定されるω軸線を中心として回
転するθ回転台と、前記ω軸線を中心として回転する2
θ回転台と、前記θ回転台及び前記2θ回転台の回転を
制御する制御手段とを含んで構成でき、その場合、当該
制御手段は前記θ回転台を所定の角速度で回転させ、同
時に前記2θ回転台を前記θ回転台のほぼ2倍の角速度
で同じ方向へ回転させるという制御を行うことができ
る。
θ型ゴニオメータは、粉末試料等を測定対象とした通常
のX線回折装置において広く用いられる構造である。こ
の構造を用いて粉末試料に対して測定を行う場合には、
例えば、θ回転台によって試料を支持し、2θ回転台に
よってX線カウンタ等を支持し、そしてX線源から放射
されるX線をθ回転する試料に照射する。θ回転角度が
いわゆるブラッグの回折条件を満足する角度に到来する
と、試料から回折X線が発生し、その回折X線がX線カ
ウンタによって検出される。
X線源から放射されて発散するX線を放物面ミラーによ
って平行X線ビームに成形してから平板状の分光結晶へ
入射するようにしたので、分光結晶を図4に示したよう
に集中円Cr に沿って移動させる必要がなくなり、単
に、一定の位置で回転、すなわちθ回転させることが可
能になった。その結果、図4に示した複雑で大型の測角
機構すなわちゴニオメータを用いることなく、上述した
簡単で小型なθ−2θ型ゴニオメータを用いることがで
きる。
いて、前記放物面ミラーは、ガラスの表面を滑らかな鏡
面状の放物面に加工、例えば研磨することによって形成
できる。また、この放物面ミラーは、台の表面を滑らか
な放物面に形成し、その放物面に金属反射膜、例えば金
を成膜することによって形成することもできる。上記の
台は、例えばガラス、金属、セラミック等によって形成
できる。
合には、全反射角が大きく、すなわち放物面の接線に対
するX線の入射角度が大きくなるため、放物面ミラーか
らの出力X線としてさらに約2倍程度の利得が期待でき
る。これにより、試料に供給されるX線の強度をより一
層高めることができ、その結果、より一層分解能の高い
XAFS測定を行うことができる。
いて、前記X線源としてはライン状X線ビームを放射す
るX線源を用いることができる。このライン状X線を用
いれば、ポイント状X線を用いた場合に比べて、強度の
強いX線を得ることができる。このことの理由は次の通
りであると考えられる。
ラーの一種で、発散ビームを取り込んで平行ビームを放
出するものである。この場合、X線の全反射角度は一般
に極めて小さいので、それに応じて放物面ミラーのX線
取込み角度も小さくなる。X線源としてポイント状X線
源を用いる場合を考えると、そのポイント状X線源は元
々の寸法が大きいので、放物面ミラーに対するX線の入
射角度が大きくなり、そのため、放物面ミラーからの出
力ビームの強度をロスしてしまう。
を用いる場合には、放物面ミラーに対するX線の入射角
度が小さくなるので出力ビームのロスは少なくなる。ま
た、放物面ミラーの長さが十分長ければ、その放物面ミ
ラーの長手方向で強度を稼げるので、放物面ミラーから
取り出すX線の強度は、ライン状X線源の方がポイント
状X線源に比べて強い。
いて、前記平板状の分光結晶は、図3(a)に示すよう
な、対称カットの分光結晶M1とすることもできるし、
図3(b)に示すような、非対称カットの分光結晶M2
とすることもできる。
を結晶格子面に対して平行にカットしてX線回折面Kを
形成したものであり、入射X線R1に対して対称に回折
X線R2を取り出すようにした分光結晶である。
は、単結晶を結晶格子面に対して斜めにカットしてX線
回折面Kを形成したものであり、入射X線R1に対して
非対称に回折X線R2を取り出すようにした分光結晶で
ある。非対称というのは、回折X線R2のビーム幅が入
射X線R1のビーム幅に対して広がったり、あるいは狭
まったりすることである。図3(b)では、回折X線R
2のビーム幅が入射X線R1のビーム幅よりも狭まった
状態を示している。
定装置の一実施形態を模式的に示している。このXAF
S測定装置は、X線を発散状態で放出するX線源Fと、
そのX線源FからのX線を反射する放物面ミラー1と、
そしてゴニオメータ3とを有する。このゴニオメータ3
は、図の紙面垂直方向に延びるω軸線を中心として回転
できるθ回転台4と、同じくω軸線を中心として回転で
きる2θ回転台6とを有する。2θ回転台6には外方へ
延びる検出器アーム7が設けられる。
上記ω軸線とほぼ一致するようにθ回転台4に装着され
る。ここで「ほぼ」というのは、製作誤差その他の誤差
のために完全には一致しない場合をも含む意味である。
また、検出器アーム7の上には、測定対象である試料S
と、その試料Sに入射する前のX線の強度を測定する入
射X線検出器8と、そして試料Sを透過した後のX線の
強度を測定する透過X線検出器9とが固定状態で設けら
れる。
て熱電子を放出するフィラメント(図示せず)及びその
フィラメントに対向して配置されたターゲット(図示せ
ず)によって構成され、この場合には、フィラメントか
ら放出されてターゲットに高速で衝突する領域であるX
線焦点からX線が放出される。本実施形態では、このX
線源Fとして、図1の紙面垂直方向に長いライン状X線
源を用いるものとする。
源としての強度に関してはライン状X線源とポイント状
X線源との間に差はない。しかしながら、例えばローラ
ンド円上でX線を回折させるようなときには、ライン状
X線源を用いると分解能が良いし、焦点の長さによって
強度を稼ぐこともできる。これに対し、X線トポグラフ
ィのようにX線ビームを広げて試料に当てるような測定
法では、ポイント状X線源の方がX−Y方向すなわち直
角2方向へほぼ均等に広げられるので全体像を得るのに
都合が良い。本実施形態の装置では、放物面ミラーのX
線取込み角度が小さいので、長手方向で強度を稼ぐライ
ン状X線源を使用する方が、ポイント状X線源を使用す
る場合に比べて、放物面ミラーから取り出すX線の強度
が強い。
1の表面を滑らかな鏡面状の放物面Hに形成し、その放
物面Hに金属反射膜12を成膜することによって形成で
きる。この場合、金属反射膜12の材質としては、例え
ばAu(金)が考えられる。また、金属反射膜12の形
成方法としては周知の成膜法、例えば蒸着法を用いるこ
とができる。なお、放物面ミラー12の放物面Hは、図
1の紙面垂直方向にライン状X線に対応した幅を持って
形成される。
わち放物面Hの焦点位置に配置されており、よって、X
線源Fから出て発散するX線が放物面ミラー1の反射面
に当たると、そのX線は放物面Hで反射、より詳しくは
全反射することによって平行X線ビームR0 とされる。
トやピンホールを利用したコリメータを用いる方法が従
来から広く知られているが、この方法では強度が強くて
平行度の高い平行X線ビームを形成することができな
い。これに対し、本実施形態のように放物面ミラー1を
用いた方法によれば、強度が強くて平行度の高い平行X
線ビームを形成することができる。
装置15によって駆動されてω軸線を中心として所定の
角速度で連続的又は間欠的に回転、すなわちθ回転す
る。ω軸線は図1の紙面垂直方向に延びる軸線であっ
て、平板状の分光結晶2のX線回折面に含まれる軸線で
あるので、θ回転台4が上記のようにθ回転するとき、
分光結晶2も同様にω軸線を中心としてθ回転する。分
光結晶2は、例えば、図3(a)に示すような対称カッ
トの結晶によって構成される。
駆動装置17によって駆動されてω軸線を中心としてθ
回転台4のθ回転と同じ方向へ2倍の角速度で、そのθ
回転に同期して連続的又は間欠的に回転、いわゆる2θ
回転する。このとき、検出器アーム7は2θ回転台6と
一体になってω軸線を中心として2θ回転する。検出器
アーム7が2θ回転するとき、その上に搭載された入射
X線検出器8、試料S及び透過X線検出器9の各要素も
ω軸線を中心として2θ回転する。
17は、それ自体周知の回転駆動機構を用いて構成で
き、例えば、パルスモータを動力源としてその動力をウ
オームとウオームホイールを用いた動力伝達系によって
伝達するという駆動機構を用いることができる。また、
θ回転駆動装置15及び2θ回転駆動装置17の動作
は、CPU( Central Processing Unit)21及びメモ
リ22を含んで構成された制御装置23によって制御さ
れる。
y)、RAM(Random Access Memory)等といった内部
メモリや、ハードディスク等といった外部メモリといっ
た各種の記憶媒体を総称的に描いたものである。このメ
モリ22には、XAFS測定を行うための処理手順をプ
ログラムとして記憶した領域や、CPU21のためのワ
ークエリアやテンポラリファイルとして用いられる領域
等といった各種の記憶領域が確保される。
2の内部に格納した所定のプログラムに従って、θ回転
駆動装置15及び2θ回転駆動装置17の動作を制御し
たり、質量吸収係数演算器18によって行われる演算処
理を制御したり、さらに表示装置19の動作を制御した
りする。この表示装置19は、例えば、CRT(Cathod
e Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ等といっ
た映像表示装置や、プリンタ等といった印字装置によっ
て構成できる。
透過型のX線検出器によって構成される。この半透過型
のX線検出器は、その内部に取り込んだX線の一部分を
強度検出のための成分として使用し、残りの部分を後方
側へ透過する構造のX線検出器である。この入射X線検
出器8は、試料Sに入射する前のX線を検出して電気信
号を出力し、その出力信号は質量吸収係数演算器18へ
送られる。また、透過X線検出器9は、試料Sを透過し
たX線を検出して電気信号を出力し、その出力信号は質
量吸収係数演算器18へ送られる。
器8の出力信号に基づいて試料Sに入射するX線強度I
0 を算出し、さらに透過X線検出器9の出力信号に基づ
いて試料Sを透過したX線強度Iを算出し、さらに両者
の比(I0 /I)を求め、そしてさらに質量吸収係数μ
=log e(I0 /I)を算出する。この算出結果は、
表示装置19によって視覚によって認識できる形に表示
される。
うに構成されているので、平板状の分光結晶2をθ回転
させ、さらに入射X線検出器8、試料S及び透過X線検
出器9を2θ回転させながら、X線源Fから放射されて
発散する連続X線を放物面ミラー1によって平行X線ビ
ームに成形し、その平行X線ビームを分光結晶2に照射
する。分光結晶2は、入射X線の入射角度に応じて特定
波長、すなわち特定エネルギの回折X線を出射する。
する連続X線の入射角度が変化し、これにより、その分
光結晶2から放射されて試料Sに入射するX線の波長す
なわちエネルギ値が時々刻々に変化する。入射X線検出
器8及び透過X線検出器9は各エネルギ値のX線に関し
て、それぞれ、入射X線及び透過X線を検出し、そして
質量吸収係数演算器18によって入射X線強度値I0 、
透過X線強度値I及び質量吸収係数μ=log e(I0
/I)が演算される。
ANES及びEXAFSを解析して試料Sに関する構造
を判別する。この判別結果は表示装置19に表示され、
また、必要に応じて図2に示すX線吸収線図も表示装置
19に表示される。
説明したが、本発明はその実施形態に限定されるもので
なく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変
できる。
源としてライン状X線ビームを放射する構造のX線源を
考えたが、場合によっては、ライン状X線ビームを放射
する構造のX線源に代えてポイント状X線ビームを放射
するX線源を用いることもできる。
線検出器8と透過X線検出器9とを、それぞれ、個別の
X線検出器によって構成したが、これらを1個のX線検
出器によって兼用できる。この場合には、透過X線検出
器9と同じ位置に1個のX線検出器を配設し、試料Sを
X線通路から外した状態でそのX線検出器によって入射
X線強度(I0 )を測定し、試料SをX線通路に置いた
状態でX線検出器によって透過X線強度(I)を測定す
る。
載せた平板状の分光結晶2をθ回転させ、試料S等を分
光結晶2に対して相対的に2θ回転させたが、この駆動
構造に代えて、分光結晶2を静止状態に保持し、X線源
F及び放物面ミラー1を一体に含むユニットと検出器ア
ーム7とを、それぞれ、ω軸線を中心として等しい角速
度で互いに反対方向へ回転させるという構造のθ−2θ
型ゴニオメータを採用することも可能である。
金属反射膜12を成膜するという複合構造に限られず、
単に、ガラス製の台11の放物面を滑らかな鏡面に形成
することによっても作製できる。
ば、X線源から発散したX線のうち放物面ミラーに照射
されたものは、その放物面ミラーによって全てが平行X
線ビームに成形されるので、この平行X線ビームの強度
は、発散X線ビームをコリメータによって規制して平行
X線ビームを形成する従来の平行X線ビーム形成方法に
比べて非常に強くなり、特開平9−89813号公報に
開示された平行X線ビーム形成方法に比べて平行度が良
くなる。また、分光結晶は平板形状であるので、この分
光結晶に入射する平行X線ビームは全てがこの分光結晶
で回折して試料へ供給され、このため、強度が強くて単
色度の高いX線ビームを試料に供給できる。つまり、本
発明のXAFS測定装置によれば、試料へ供給する単色
化された平行X線ビームの平行度を高めることができ、
そのため、より一層分解能の高いXAFS測定を行うこ
とができる。
ば、X線源から発散するX線ビームを放物面ミラーによ
って平行X線ビームに成形してから分光結晶に照射する
ようにしたので、高価な湾曲結晶でない安価な平板結晶
によって分光結晶を構成でき、よって、装置全体を安価
に製造できる。
ることができるということは、図4に示したように分光
結晶を集中円Cr に沿って円周運動させることなく、単
に、同じ位置でθ回転させるだけで波長の異なるX線を
取り出すことができるということである。この結果、図
4に示した従来装置に比較してXAFS測定装置の全体
的な構造を簡単且つ小型に形成できる。また、動作が単
純になるので制御が容易となる。
示す図である。
あるX線吸収線図の一例を示すグラフである。
対称カットの分光結晶を示し、(b)は非対称カットの
分光結晶を示す図である。
平面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 試料に入射するX線のエネルギを変化さ
せたときに得られる質量吸収係数の変動を測定して該試
料の振動構造を解析するXAFS測定装置において、 X線を放射するX線源と、 放射されたX線を平行X線ビームとして取り出す放物面
ミラーと、 その平行X線ビームを受け取って特定波長の平行X線ビ
ームを出射する平板状の分光結晶と、 試料へ入射するX線のX線強度値を測定する入射X線検
出器と、 試料を透過したX線のX線強度値を測定する透過X線検
出器と、 前記分光結晶と前記放物面ミラーとを相対的にθ回転さ
せると共に、前記入射X線検出器、前記試料及び前記透
過X線検出器を前記分光結晶に対して相対的に2θ回転
させるゴニオメータとを有することを特徴とするXAF
S測定装置。 - 【請求項2】 請求項1において、前記ゴニオメータ
は、 前記分光結晶のX線回折面とほぼ一致するように設定さ
れるω軸線を中心として回転するθ回転台と、 前記ω軸線を中心として回転する2θ回転台と、 前記θ回転台及び前記2θ回転台の回転を制御する制御
手段とを有し、 該制御手段は前記θ回転台を所定の角速度で回転させ、
同時に前記2θ回転台を前記θ回転台のほぼ2倍の角速
度で同じ方向へ回転させることを特徴とするXAFS測
定装置。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、前記放
物面ミラーは、放物面を有する台と、前記放物面に成膜
された金属反射膜とを有することを特徴とするXAFS
測定装置。 - 【請求項4】 請求項1から請求項3の少なくともいず
れか1つにおいて、前記X線源はライン状X線ビームを
放射することを特徴とするXAFS測定装置。 - 【請求項5】 請求項1から請求項4の少なくともいず
れか1つにおいて、前記分光結晶は非対称カットモノク
ロメータであることを特徴とするXAFS測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11190098A JP2001021507A (ja) | 1999-07-05 | 1999-07-05 | Xafs測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP11190098A JP2001021507A (ja) | 1999-07-05 | 1999-07-05 | Xafs測定装置 |
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---|---|
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JP11190098A Pending JP2001021507A (ja) | 1999-07-05 | 1999-07-05 | Xafs測定装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2001021507A (ja) |
Cited By (15)
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