JP2017523386A - X線吸収測定システム - Google Patents

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Abstract

本開示は、既存の小型システムより数倍大きいX線束及び束密度を有するX線吸収微細構造(XAFS)測定のためであり、X線吸収端近傍分光法(XANES)又は広域X線微細吸収構造(EXFAS)分光法の適用のためであるシステムを示す。より高い輝度は、高熱伝導率をもつ基板と密接に熱的接触して製造される複数のX線発生材料の位置合わせされた複数の微細構造を有する複数のX線ターゲットのための設計を用いて実現される。より高い電子密度及び/又はより高い複数のエネルギー電子をもつ衝撃が可能になり、より大きなX線輝度及び高流量をもたらす。高輝度X線ソースは、複数のX線をコリメートするX線反射光学システム及び、露光量を選択するモノクロメータに連結される。複数の高流量モノクロX線を用いた複数の試料の吸収スペクトルは、複数の標準的な検出技術を用いて作成され得る。

Description

本発明は、X線吸収端近傍分光(XANES)技術を用いて複数の材料における1又は複数の要素の化学的/電子的状態を分析するための、及び広域X線微細吸収構造(EXFAS)技術を用いて複数の材料における1又は複数の要素の原子配位数及び距離を判断するための高輝度X線吸収分光装置に関する。
[関連出願への相互参照]
本特許出願は、米国仮特許出願番号第62/008,856号(出願日:2014年6月6日)、第62/086,132号(出願日:2014年12月1日)、及び第62/117,062号(出願日:2015年2月17日)に基づく利益を主張し、それらの全ては、参照によって本明細書に組み込まれたものとする。本願はまた、米国特許出願第14/636,994号(出願日:2015年3月3日)に基づく優先権及び利益を主張し、その内容全体を参照によって組み込むものとする。
X線吸収分光法は、物質の局所原子構造及び/又は電子構造を判断するために広く用いられている技術である。X線吸収分光データは、対象の要素の吸収端に対応する十分に狭いエネルギー帯をもつエネルギー範囲に対して、入射X線エネルギーの機能として、材料における要素の透過及び/又は特徴的な蛍光性の複数のX線を測定することにより得られ、その対象の要素において、入射X線光子は、十分なエネルギーを有し、1又は複数のコア電子を励起する。材料の局所原子構造及び電子構造は、複数の共鳴性を示し、入射X線エネルギーの機能としてX線透過に影響を及ぼす複数の干渉効果を表し、従って、X線エネルギーの機能としてX線透過を測定することにより、材料の局所原子構造及び/又は電子構造についての情報が決定され得る。
複数のX線吸収端近傍の吸収スペクトルが、吸収端の近傍で第1の100eVを備える「端近傍」領域、及び1000eV以上までの「広域」領域へと概して分割される。概して端近傍X線吸収微細構造(NEXAFS)分光法、又はX線吸収端近傍分光法(XANES)と称される、端近傍分光法は、複数のコア電子が複数の低い空エネルギーレベルに遷移する結果であり、しばしば複数の鋭い共振ピークを有する。これは、化学的環境、特に関係する要素の酸化状態を理解することにおいて有益である。概して広域X線吸収微細構造(EXAFS)と称される、より広域のエネルギー領域の分光法が、エネルギーの吸収率の緩やかな複数の発振を表す。これらは、構造内で周囲の複数の原子が放出される複数の光電子の複数の相互作用により生じる。EXAFSスペクトルの分析により、複数の原子間の距離が、高精度に決定され得る。両スペクトル領域に着目する実験的分析は、X線吸収微細構造(XAFS)と称されてきた。
図1は、従来のシンクロトロンXAFS測定装置を示しており、ここでシンクロトロンX線ソースP80は、複数のコリメートされたX線ビームP889(典型的に、開口部又はピンホールを用いてコリメートされる)を生成する。ソースP80に関連するX線光学システムは、複数のビームストップ、複数の開口部、又は他の複数の光学要素も備え得、X線ビームP889を形づくり、特定の複数の特性を有する。X線ビームP889は、モノクロX線ビームP889‐2を生成するモノクロメータP330を形成するよう構成される、2個の結晶P330A及びP330Bを次に反射し、モノクロX線ビームP889‐2は、測定される試料240上に次に入射する。試料240を通過する透過した複数のX線P889‐Xは、検出器P290により次に検出され、検出器P290は、その複数の信号を信号処理電子装置P292に典型的に送信し、信号処理電子装置P292は、分析システムP295により次に更に処理され、分析システムP295は、しばしばユーザにデータ及び複数の結果を示すディスプレイP298を有する。複結晶モノクロメータP330(不図示)のための複数の動作制御が、X線ビームに関する角度の調節が、モノクロメータP330の透過のためにX線エネルギーの特定の狭い範囲を選択するように典型的に提供される。
図2は、このケースにおいては酸化鉄(Fe)粉のモデルのためである、XAFSの複数の結果の例示を示す。データが、7.112keVで鉄(Fe)K端吸収近傍のエネルギーをもつ複数のX線のために収集される。端近傍構造(XANES)は、明瞭に視認でき、標準吸収(μ(E)と示される)からのより高いエネルギーEXAFSの複数のばらつきも、同様である。これらのばらつきから、材料の化学的状態及び原子間構造の複数の詳細が導き出され得る。「図2におけるデータは、Mauro Rovezziの博士論文『スピントロニクス用半導体における磁性不純物の局所秩序に関する研究(Study of the local order around magnetic impurities in semiconductors for spintronics.)』凝集系、ジョゼフ・フーリエ大学‐グルノーブル第1大学、2009年。英語。<電話番号‐00442852>によるものである。」
典型的に、1eVより小さいエネルギー帯域幅をもつX線ビームが、XANES測定に要求され、10eVより小さいエネルギー帯域幅をもつX線ビームが、EXAFS測定に要求される。複数の電子衝撃X線ソースにおいて、X線スペクトルは、典型的に、入射電子ビームにより照射されるアノードにおいて、1又は複数の要素の複数の鋭い特性X線蛍光ラインに沿った連続的スペクトル(制動放射線として公知である)からなる。XAFS測定のために、制動放射線が典型的に用いられる。EXAFSスペクトルにおける複数の強度振動は、全吸収の10%をしばしば下回り、複数の構造パラメータは、データのフーリエ変換分析の後でのみ得られ得るので、(0.1%又はそれより良い)極めて正確な複数の吸収測定がしばしば要求される。従って、少なくとも100万の光子計数が、それぞれのエネルギーデータポイントで典型的に要求される。
要求される狭いエネルギー帯域幅を満たすために、結晶モノクロメータが用いられ得る。要求されるエネルギー帯域幅を得るために、複数の方法が用いられ得る。1つの方法は、入射X線束を小さい輻輳角で(入射及び回折ビームを含む)分散面に回折させるように配置される、ケイ素Si(111)等の、適切な反射ミラー指数をもつ一対の平坦な結晶を用いることである。要求される小さい角度輻輳は、例えば、予め定められた距離で分離された一対の狭いスリットを用いて得られ得る。時に、分散面におけるソースサイズが小さい場合、1つのスリットのみが要求される。この方法は、複数の利点を提供する:モノクロメータを回転させることにより、X線ビームの入射角を走査することによる、簡単なエネルギー走査と、しばしばソース及び試料を複数の位置及び複数の角度で移動させる必要が無い単結晶を用いたかなり広いエネルギー走査範囲とであり、このことは多くの実験に対して重要であり得、実質的により簡単なシステム及びより低いコストをもたらす。
小さい輻輳角は、この技術が、高輝度を有し、高指向性である複数のシンクロトロン放射光ソースを用いる複数の実験に広く用いられ得ることを意味する。しかしながら、複数のX線が電子衝撃ソースにおいて生成される実験用の設定において、複数のX線のごく一部のみが収集され、用いられる。その結果として、この方法を用い従来の複数の電子衝撃X線ソースから得られるモノクロX線ビームのX線束は、実験用のXAFS測定を可能にするには単に低すぎていた。
低いX線束、従って低いスループットの課題を回避するべく、大抵の実験用のソースベースのXAFSシステムは、ローランド円形状の彎曲単結晶モノクロメータを用いている。そのようなシステムにおいて、X線ソース、彎曲結晶、及び試料の前のスリットは、全て適切な向きでローランド円上に位置している。彎曲結晶を用いることは、ソースにより生成される複数のX線の傾斜受け入れを増加させ得るが、複数のローランド円ベースのX線分光器は、以下の問題点に悩まされている。曲がることにより誘発される結晶ひずみに起因して高X線エネルギー分解能を得ることが難しいこと、エネルギー走査に対する3つの主要な構成要素(ソース、結晶及びスリット/試料)のうちの少なくとも2つを移動させることが要求されること、である。更に、彎曲単結晶は、比較的小さいエネルギー範囲のみをカバーするので、実際にはしばしば1セットの彎曲結晶が要求される。複数のローランド円ベースの分光器を用いることは、十分な輝度をもつ小さいサイズの複数のX線ソースの欠如により一部には動機付けられ得、X線ビームに十分な傾斜コリメーションを提供できる大きな立体角をもつソースにおいて生成される複数のX線を収集するための複数のX線レンズの欠如に動機づけられ得る。
ローランド円ベースのモノクロメータの別の性能限定要因は、モノクロX線ビームの上位調和汚染であり、なぜなら彎曲結晶は、所望のX線エネルギーの整数倍に等しいエネルギーの複数のX線をしばしば反射するからである。このより上位の調和汚染課題を回避するために、低エネルギー電子ビーム励起がしばしば用いられる。複数の低エネルギー電子を用いることは、X線束の減少を直接もたらす、なぜなら複数の電子衝撃X線ソースにおける制動放射線のX線発生効率は、入射電子エネルギーにほぼ比例するからである。
従来の実験室ベースの複数のX線吸収分光法システムの低い性能は、これらの利用を別々に限定してきた。現在では、X線吸収分光法測定は、ほとんどシンクロトロン放射施設で実行されており、シンクロトロン放射施設は、これらの大きいソース輝度による高いスループット、及び、広いエネルギー範囲に使用可能なX線束を提供する。しかしながら、複数のシンクロトロン放射光ソースが、大きく、高コストであり、しばしば何エーカーもの土地を占め、限られた数の場所でのみ利用可能である。結果として、ユーザ群毎のアクセスは、知的財産を保護することに関係する産業ユーザにとっては特に、典型的に限定され、めったになく、及び/又は純粋な科学的利益評価の欠如した学術研究提案と競合する重要ではあるがルーチンの測定を正当化することが難しいこと。他の複数の限定は、シンクロトロン放射施設にデリケートな試料(例えば、壊れやすい、又は酸化に対して敏感である)を移送すること、生物学的及び放射線的安全を厳しく考慮すること、又は利用不可能であり得る特別な装備を必要とするin−situでの実験において難点を含む。
複数のXAFS技術が、多くの応用を有する。特に、EXAFSは、結晶材料と非晶質材料との局所的原子間距離を測定し得る。これは、複数のアモルファス状の固体、複数の固溶体、複数の半導体装置における複数のドーパント及びインプラント材料、複数の触媒、複数の液体及び複数の有機金属化合物等の非晶質材料に対するただ1つだけの性能である。XANESは、要素の酸化状態をその化学的環境において判断するのに特に有用である。しかしながら、これらの技術は、実験室において又は現場で用いられ得る高輝度小型X線ソースの欠如に悩まされている。従って、XAFS測定のためにそのような高輝度な、小型X線システムが必要とされる。
本発明は、有限角度範囲内で高輝度X線ビームを提供する小型X線ソースを備えるX線吸収分光法システムを開示している。これは、複数のX線の直線累積を可能にするソース構成を用いて実現される。システムはまた、高輝度ソースからのX線ビームを収集し、コリメートするX線光学トレインと、コリメートされたX線ビームを単色化し、X線エネルギーを走査することを可能にする、2個の平坦な結晶を備えるモノクロメータ(以下、複結晶モノクロメータと称される)と、モノクロX線の試料における物質との相互作用から得られる複数のX線を分析のために収集するX線検出器とを備える。選択的に、それはまた、モノクロX線ビームの強度をそれが試料上に入射する前にモニタする検出器(典型的に、部分的に透過性であり、試料の前に配置される)と、及び/又は複数のモノクロX線の焦点を試料上に合わせる第2の光学トレインとを備え得る。
直線累積X線ソースは、複数のX線の2又はそれより多くのサブソースを妥協し、それぞれのサブソースは、予め定められたX線スペクトル特性を有し、複数のサブソースは、互いに予め定められた空間的な間隔により物理的に分離され、予め定められた軸に沿って互いに位置合わせされ、有限角度範囲内でその軸に沿って輝度を増加させる複数のX線の累積を可能にする。複数のX線サブソースは、複数のX線発生材料を備える1又は複数のターゲットの電子衝撃により生成される。複数のターゲットのうち少なくとも1つは、高熱伝導率をもつ低原子番号の材料(第1の材料)の基板と、10マイクロメートルを下回る少なくとも1つの寸法をもつスペクトル特性及びX線発生効率等のその複数のX線発生特性のために選択されるX線を発生させる高原子番号の材料(第2の材料)とを備える。いくつかの実施形態において、直線累積X線ソースは、スループットを増加させるラインソースである。いくつかの好ましい実施形態において、X線ソース位置は、データ収集スループットを増加させるよう走査される。
システムの一部として、X線光学トレインは、高輝度ソースからの複数のX線を収集し、コリメートし、又は焦点を合わせるよう構成され、高流量コリメートされたX線ビームを対象のエネルギー範囲に生成する。X線光学トレインは、複数の放物体から及び/又は複数のウォルターI型レンズから選択される反射面形状をもつ少なくとも1つの軸方向対称X線ミラーレンズを典型的に備え、少なくとも1つの軸方向対称X線ミラーレンズは、楕円面及び双曲面を備えられる。反射面は、典型的に、コーティングされていない、又は高質量密度材料か多層コーティングでコーティングされている何れかのガラスである。反射面材料は、対象のX線エネルギー範囲において複数の吸収端をもつ複数の要素を含むべきではない。光学トレインは、少なくとも一対のスリット又は少なくとも一対のピンホール/開口部を更に含み得、いくつかの実施形態に対して、一方向におけるX線ビームの角度輻輳をコリメートする。
複結晶モノクロメータは、分散的でない構成、すなわち、平行に配置される2個の同一結晶を用いて、X線ビームの伝播方向を変更すること無くコリメートされた高流量X線ビームを単色化する。結晶回折ミラー指数は、要求されるエネルギー分解能を得るために選択される。XANES測定にとって、走査されるエネルギー範囲は、典型的に、1eVより小さいX線エネルギー帯域幅をもつ対象の要素の吸収端の50−100eVの範囲内である。EXAFSのため、500−1000eVのエネルギー走査が、典型的であり、X線エネルギー帯域幅は、10eVより小さい。複結晶モノクロメータは、結晶回折面に対して平行であり、X線ビームの伝播方向に対して垂直である回転軸をもつ回転ステージを典型的に備える。
少なくとも1つの検出器が、入射X線束の試料との相互作用に応答して試料からの複数のX線を受け、その試料の複数の特性を示す複数の信号を生成する。試料からの複数のX線信号は、入射X線束のX線エネルギーの機能として試料のX線透過、及び/又は対象の要素のX線蛍光を含んでもよい。いくつかの実施形態において、更なる光学トレイン及び/又はモノクロメータが、検出器の前に配置され得、複数の背景X線を除去し、ノイズに対して信号を改善する。
電気機械システムが、ソース、光学トレインの複数の構成要素、モノクロメータ、入射X線束に対して試料をポジショニングすること、及び検出器を制御するために典型的に示される。電気機械制御のためのこのシステムは、複数のX線信号に対応するデータを取得し、試料の所望の複数の特性を判断する計算を実行するデータ分析システムに連結され得る。
従来技術のX線吸収微細構造(XAFS)測定システムの概略図を示す。
酸化鉄粉のための代表的なX線吸収微細構造(XAFS)スペクトルのプロットを示す。
本発明によるXAFSシステムを模式的に示す。
本発明のいくつかの実施形態において用いられている複数のサブソースを備える直線累積X線ターゲットを模式的に示す。
本発明のいくつかの実施形態において用いられているモノリシックX線発生領域を備える直線累積X線ターゲットを模式的に示す。
本発明のいくつかの実施形態において用いられている、複数のサブソースが棚状の凹み部をもつ基板に埋め込まれている直線累積X線ターゲットを模式的に示す。
本発明のいくつかの実施形態において用いられている、二面直線累積X線ソースの断面を模式的に示す。
本発明のいくつかの実施形態において用いられている、二面直線累積X線ソースの断面を模式的に示す。
本発明のいくつかの実施形態において用いられている、複数のサブソースの間に複数のレンズを備える直線累積X線ソースを模式的に示す。
放物面光学要素の断面を示す。
ウォルターI型光学要素の断面を示す。
本発明のいくつかの実施形態において用いられている、X線ソース及びウォルターI型画像処理レンズの断面図を模式的に示す。
複結晶モノクロメータを有する本発明の一実施形態の一部の断面を模式的に示す。
試料上に複数のX線の焦点を合わせる更なる光学要素を有する本発明の一実施形態の一部の断面を模式的に示す。
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部とみなされる複数の添付図面は、本発明の複数の例示的な実施形態、複数の特徴、及び複数の態様を示し、説明と共に、本発明の複数の原則を説明するために機能することに留意されたい。複数の図面は、必ずしも縮尺通りではない。その代わりに、本発明の複数の原則を示すことに重きを置いている。
X線吸収分光法システム 図3は、X線吸収分光法システムのための本発明の一実施形態を模式的に示す。
X線発生器08は、一般に密閉真空管20又は常時排気を用いることによって維持される真空環境(典型的には10−6Torr、又はそれより高真空)を備え、真空管20の外側にある高電圧源10の負極及び正極から、真空管20内部の様々な要素に通じる密封導線21及び22で製造されている。X線ソース80は、典型的にはハウジング50に真空管20等のX線発生器08の複数の要素を固定するマウント30を備え、ハウジング50は、複数のX線がソース装置80によって不要な方向に放出されるのを防止すべく、鉛等のシールド材を更に備え得る。真空管20の内部では、導線21を通じて高電圧源10の負極に接続された放出器11が、カソードとして働き、多くの場合、フィラメントに電流を流すことにより、電子のビーム111を発生させる。電子ビーム発生用の任意の数の従来技術の技法が、本明細書に開示されている本発明の複数の実施形態に用いられ得る。
ターゲット基板1000及びX線発生材料の複数の領域(図3において1セットの埋め込み微細構造700として示されている)を備えるターゲット1100は、反対側の高電圧導線22及びターゲット支持部32に電気的に接続され、電子放出器11に対して接地又は正電圧となり、従ってアノードとして働く。電子111はターゲット1100に向かって加速し、加速電圧の大きさで決定される電子エネルギーを有する高エネルギーでターゲット1100と衝突する。ターゲット1100への電子111の衝突は、複数のX線888の生成を含む複数の効果を引き起こし、複数のX線888の一部は、真空管20から出て、複数のX線に対して透過的であるウィンドウ40を通過する。
以下で更に説明されるように、ターゲット1100は、概して互いに位置合わせされる複数のポイントから生成される複数のX線の複数のサブソースを有するように構成され、これにより、複数のX線の複数のサブソースは、直線累積を有し得る複数のX線を生成するので、より高い輝度をもたらす。本明細書に開示されている本発明の複数の実施形態において用いられ得るもの等の複数の微細構造ターゲットは、同時係属中の『X線発生用の構造ターゲット(STRUCTURED TARGETS FOR X−RAY GENERATION)』という名称の米国特許出願(米国特許出願第14/465,816号、出願日:2014年8月21日)に詳細に説明されており、その内容は複数の仮出願に沿ってその中に組み込まれ、利益を主張し、これによりその全体を参照によって組み込まれたものとする。更に、複数のX線ソースの直線累積を有するこれらのターゲットを用いる複数のソースが、本発明の発明者による同時係属中の『直線累積を用いるX線ソース(X−RAY SOURCES USING LINEAR ACCUMULATION)』という名称の米国特許出願(米国特許出願第14/490,672号、出願日:2014年9月19日)により完全に説明されており、その内容は複数の仮出願に沿ってその中に組み込まれ、利益を主張し、これによりその全体を参照によって組み込まれたものとする。上記参照された同時係属中の複数の出願に開示されている任意のターゲット及びソース設計及び構成は、本明細書で開示されている本発明による複数のX線吸収分光法システムの任意の複数の実施形態又は全ての実施形態における代替的な構成要素及び設計として考慮され得る。
本発明のいくつかの実施形態において、導線27を介してコントローラ10−1によって制御され、放出器11によって提供される電子線量及び電圧と調整される、静電レンズシステム、又は複数の電子レンズの他のシステム等の電子制御機構70も存在し得る。従って、電子ビーム111は、基板1000と密接に熱的接触をするように製造される1又は複数の微細構造700を有するターゲット1100の上で、走査され、焦点が合わせられ、デフォーカスされ、又はそうでなければ方向付けられ得る。予め定められた複数の特性(例えば、電子エネルギー、電流、及び焦点サイズ)をもつ1又は複数の電子ビームを提供することに加えて、そのような制御機構70はまた、それぞれの電子ビームを1又は複数のX線ターゲットの上でその所望の位置に方向付け得、予め定められた方向に沿って複数のサブソースの複数の位置において複数のX線を生成する。
システムは、光学トレイン840を典型的に備え、ソースからの複数のX線を収集し、予め定められた複数の傾斜特性をもつX線ビーム889を形成する。システムは、モノクロメータ330も典型的に備え、モノクロメータ330は、X線ビーム889を捕らえ、特定の複数の波長を選択し、モノクロビーム889−2を形成し、それを調査されるように試料240に向かって方向付ける。結合X線ソース装置80、光学トレイン840、及びモノクロメータ330は、X線照射器800として一緒に考慮され得る。いくつかの実施形態において、モノクロメータ330は、試料上にX線ビームの焦点を合わせる更なる光学トレインを選択的に伴い得る。
試料240は、マウント244内に典型的に維持され、マウント244は、X、Y及びZの平行移動のための複数の動作制御を有し得、これらの軸についての回転も同様である。これらの動作制御は、コントローラ246により管理され得、コントローラ246も、光学トレイン840及び/又はモノクロメータ330のX、Y及びZの回転制御への入力も有し得る。データ収集システムは、X線検出器又は分光器2900を備え得、透過したX線2889を収集する。システムは、更なるX線フィルタ277、又は試料240で生成され得る任意のX線蛍光2888を遮る一方で透過したX線2889を通過し得る、予め定められた複数のスペクトル特性をもつ他の構成要素も備え得る。システムは、更なるX線検出器又は分光器2900−Fも備え得、複数の蛍光X線2888を収集する。
蛍光検出器は、エネルギー分解である任意の種類であり得、波長分散型分光器の複数の種類、複数のエネルギー分散型検出器、又は複数の微量熱量計を含む。入射ビームに対してスルーホールをもつシリコンドリフト検出器等の、ピンホールをもつエネルギー分散型検出器が、図で示される。そのような構成により、大きな立体角の収集が可能になる。しかしながら、スルーホールの無い蛍光型検出器が、試料の前又は後の何れかで、試料に関する角度でオフセットである他の複数の実施形態が想定され得る。用いられている測定技術に応じて、検出器2900及び/又は分光器2900−Fは、複数のX線エネルギーの間を区別するよう設計される複数のX線光学要素又は複数のセンサを備え得る。
XAFS測定に対して、X線エネルギーの機能としてのX線吸収が、予め定められたエネルギー範囲の上でX線エネルギーを走査することにより得られる。X線吸収は、試料240を通過するX線ビームの強度を入射X線束888の強度に正規化することにより得られる。いくつかの実施形態において、更なる検出器が用いられ得、入射X線束888の強度を直接測定する。この入射強度検出器は、モノクロメータ330の後か試料240の前に配置される、独立した、部分的透過性の検出器であってもよく、又はモノクロメータ330の一部として組み込まれてもよい。代替的に、X線エネルギーの機能としての入射X線束888強度は、X線ビーム経路からの試料を除去することにより検出器2900を用いても決定され得る。いくつかの実施形態において、X線分光器2900−Fは、複数のX線蛍光信号を記録し得、X線検出器2900と共に、又は代わりに用いられる。X線吸収分光装置は、1又は複数のスリットを更に備え得、(コリメートされたX線ビームの外側で散乱する複数のX線等の)不要なX線を除去又は低減し、試料に到達する。
XAFS測定に対して、図3において例示されている本発明の一実施形態を用いて、試料に入射するモノクロX線ビームのX線束Fは、次の式で与えられる。
Figure 2017523386
ここでBは、試料におけるX線ビーム輝度であり(単位領域当たり及び試料に照射する単位立体角当たり及び0.1%相対スペクトル幅当たりのX線の数として定義される)、ηは、ソースから試料までの複数の中継X線に対する光学システム効率であり、Sは、エネルギー分散面(複結晶モノクロメータの入射及び回折されるX線ビームを含む面)におけるソースサイズであり、Sは、分散面及びX線ビーム光軸に対して垂直である平面外におけるソースサイズであり、△θ及び△θは、それぞれ、散乱方向及び複数の平面外方向におけるX線ビーム傾斜発散角であり、△E/Eは、測定に対して要求される相対スペクトル幅である。
試料におけるX線ビーム輝度Bは、X線ソース輝度(B)より典型的に小さく、なぜなら、本来の低収束効率及びX線光学トレインの複数の収差は、ブレ、従って、効果的なX線ソースサイズの増加につながるからである。 B及びBは、次式によってほぼ関連している。
Figure 2017523386
ここで、ソースと試料との間の光学トレインの光特性が軸方向に対称であり、光学トレインがソースからの複数のX線をコリメートするように構成されると仮定すると、δは、X線光学トレインの点広がり関数の全幅半値(FWHM)である。
複結晶モノクロメータを通過するX線エネルギー帯域幅△Eは、次式でほぼ与えられる。
Figure 2017523386
ここで、Eは、複結晶モノクロメータ130の後のモノクロX線ビームのX線エネルギーであり、cot(θ)は、ブラッグ角(入射X線束と結晶ブラッグ面との間の角度)のコタンジェントである。
本発明の様々な実施形態は、明るい直線累積X線ソースをもつ大きいフラックスF、小さい点広がり関数及びソースにより生成される複数のX線の集合体の大きな立体角をもつX線ミラーレンズを備える高性能X線光学トレイン、その回折効率の製品の大きい値を提供する複結晶モノクロメータ、及びcot(θ)△θ1を取得するよう設計され、その一方、所望のエネルギー帯域幅△Eを実現する。X線ソース
直線累積X線ソースの様々な実施形態は、複数のX線サブソースを備え、ダイヤモンド又はベリリウム等の、高熱伝導率をもつ低原子番号の材料の基板(第1の材料)と、スペクトル特性及びX線発生効率等のX線発生特性のために選択され、10マイクロメートルを下回る少なくとも1つの寸法をもつ銅、モリブデン、又はタングステン等のX線発生材料(第2の材料)とを備える少なくとも1つのターゲットを備え得る。いくつかの実施形態において、複数のターゲットの熱伝導率は、基板材料の熱伝導率により主に決定され、ゲルマニウム及び鉛等のそうでなければ、従来技術で用いられる連続した単材料ターゲットにおける複数のX線ターゲット材料として適当ではない、より低い熱伝導性をもつ複数のX線発生材料を用いることを可能とするが、その結果として、複数の特性X線ラインを生成するために用いられる複数の材料に対するより多くの選択肢を可能にする。
図4は、高X線輝度を提供する本発明のいくつかの実施形態において用いられ得る直線累積X線ソースの一部の一実施形態を模式的に示す。このソースにおいて、複数のX線発生特性のために選択される複数のX線発生材料を備える6個の離散した複数の微細構造2701、2702、2703、2704、2705、2706が、基板2000に埋め込まれ、又は埋設され、棚状部2002により基板2000の凹端部2003において又は近くに構成され、棚状部2002では基板の材料は、低い平均原子番号、高熱伝導率、及び高融点を有する。X線発生の複数の微細構造2701、2702、2703、2704、2705、2706は、予め定められた軸3000に沿って直線配列で配置され、複数の電子111で衝撃を与えられる場合に、複数のX線2888−Dを放出する。軸3000の発散角ψの範囲内の方向に沿って、6個のサブソースで生成される複数のX線が累積し、単一のサブソースから生成されると思われる。角度範囲は、X線発生領域6*(l+d)の全長で割ったD及びWのより小さい値にほぼ限定される。
(ターゲットの面法線に沿った)バーDの厚みは、最適な熱性能のために基板へ侵入する入射電子の深さの1/3から2/3の間となるよう選択されるが、それはより大きくも、小さくもなり得る。選択された値は、その方向に沿ってソースサイズを判断する。その選択は、電子ビームの侵入はエネルギーと共に増加するので、加速電圧にも依存する。バーの幅Wは、対応する方向において所望のソースサイズを得るように選択される。WはおよそDの1.5倍であることが図4において例示されているが、所望のソーススポットのサイズに応じて、実質的にそれより小さくも、大きくもなり得る。
図4において、離散した複数の微細構造2701、2702、2703、2704、2705、2706のそれぞれは、軸3000に沿って等しい長さlを有するよう示されている。6個の離散した複数の微細構造全ての全長、6lは、2Lまでに一般に設定され、ここでLは、対象のX線エネルギーのための離散した複数の微細構造の複数の材料のX線線形減衰長であるが、0.5Lから4Lまでの値も選択され得る。2個の隣接する離散した微細構造間の基板材料の厚みは、好ましくは0.5lから3lまでの間の値であり、基板と離散した複数の微細構造との複数の材料の相対熱伝導率及び質量密度、対象のX線エネルギーでの基板のX線線形減衰長、及び所望の発散角ψを考慮することにより最適化される。
本発明の直線累積ソースの1つの実施形態において、入射電子ビームは、離散した複数の微細構造を含む基板の領域を一様に照射する。このケースにおいて、材料における電子エネルギー堆積速度は、質量密度に比例するので、2個の隣接する離散した微細構造の間の基板に堆積されるエネルギー及び離散した複数の微細構造に堆積されるエネルギーの比は、これらの質量密度の比にほぼ等しい。本発明の別の好ましい実施形態は、入射電子ビームは、空間的に変調され、これによりその大部分が離散した複数の微細構造に入射する。このことにより、X線発生に対する入射電子エネルギーが効率的に用いられ、基板における電子エネルギー堆積が低減され、離散した複数の微細構造の熱放散が改善される。
離散した複数の微細構造のそれぞれは、離散した複数の微細構造2701−2706から離れて基板の中への熱伝導を向上させる、基板の中へと熱を伝える5つの面を有する。例示されたように、微細構造の6つの面のうち5つは、基板と密接に熱的接触しているが、生じることが予想される適切な熱伝導は、微細構造の表面積の半分又はそれ以上で基板と密接に熱的接触する。例示されたように、複数のサブバー間の分離は距離dで、およそlに等しいが、上述されたように、より大きい又はより小さい寸法も用いられてもよい。
例示されたように棚状部の端部とX線発生材料の端部との間の距離pはおよそWに等しいが、対象のX線エネルギーに対する基板材料の複数のX線再吸収特性と、基板及び離散した複数の微細構造の複数の材料の複数の相対的な熱特性と、電子で衝撃を与えられた場合に発生が予想される熱量とに応じて、端部2003と同一平面を成すところ(p=0)から最大5mmまで、任意の値になるよう選択されてもよい。 例えば、いくつかの実施形態において、距離pのX線透過率は、50%を上回ることが概して好ましくあり得る。生成される複数のX線は、アノードの側から収集され、最も好ましくは、(X線ビーム光軸とアノード表面との間の角度として定義される)0°に近い取り出し角で収集される。
図4で示されている離散した複数の微細構造は矩形バーの形状をしており、等しいサイズを有するが、他の任意の数の形状及びサイズが、複数のサブソースからの直線累積設計の原則を用いて高いX線ソース輝度を実現するために用いられ得、立方体、矩形ブロック、規則的なプリズム、右直角プリズム、梯形プリズム、球形、卵形、樽形目的物、円筒、三角プリズム、錐体、四面体、又は表面積を向上させる複数の表面性状又は複数の表面構造をもつものを含む他の特に設計された形状等のそれぞれのサブソースのX線発生材料の熱放散特性を改善するために基板に埋め込まれ、又は埋設される離散した複数の微細構造を用いることは、最も良く高輝度の複数のX線を生成し、又効率的に熱を分散させる。更に、複数のサブソースのそれぞれにおけるX線発生材料は、単一の一様の材料であり得るが、X線発生材料の更なるより良い複数の構造を備え得る。
図5は、図4の離散した複数の微細構造の代わりに単一の微細構造2700を備える本発明の一実施形態を模式的に示す。この例示では、微細構造2700の基板への幅W及び深さDは、図4と同じであるが、微細構造2700の累積長さLは、6lと等しい。換言すれば、図4及び図5においてX線発生材料の体積は同じであり、複数のX線の類似の体積が、電子ビーム111の類似の励起により生成され得る。図4に対してD,W、L,及びpの類似の設計考慮がここで適用される。
図6において、本発明のいくつかの実施形態において用いられ、基板1000−Rに埋め込まれる複数の微細構造700−Rの2次元配列を備えるソースターゲット1100−Rのばらつきが示されている。これは、図4で示される複数の微細構造の1次元配列と類似した原則で機能する。複数の微細構造700−Rのそれぞれは、電子ビーム111により衝撃を与えられる場合に、複数のX線のサブソースとして動作する。示されている複数の微細構造700−Rは、基板1000−Rに形成される棚状の凹み部1002−Rの端部1003−Rの近くに配置される。基板の高熱伝導率と、離散した複数の微細構造の小さい寸法の組み合わせにより、熱が効率的にX線発生材料から排除されることが可能になり、次に、より高い電子密度及び/又はより高い複数のエネルギー電子をもつ離散した複数の微細構造の衝撃が可能になり、特に0度に近い複数の取り出し角に沿って、より大きなX線輝度及びフラックスをもたらす。
「離散した微細構造」という単語が本明細書で用いられるとき、X線発生材料、好ましくは100μmより小さい少なくとも1つの寸法を有する複数の微細構造を特に指していることも、ここで留意されるべきである。同様に、「離散した微細構造」という単語が用いられているが、1ミクロンより小さい寸法、又はナノスケール寸法と同じくらい小さい寸法(すなわち、10nmより大きい)のうちの少なくとも1つをもつ複数のX線発生構造も、複数の特性が様々な実施形態において示されているサブソースサイズ及び複数のピッチに対する幾何学的因子と一貫している限り、本明細書で用いられる「離散した複数の微細構造」という単語により説明され得ることが留意されるべきである。
本明細書で「サブソース」という単語が用いられるとき、それは、X線発生材料の単一の離散した微細構造、又は単一電子ビームにより照射される複数のX線発生材料のより小さい複数の微細構造の集合を指し得ることも、留意されるべきである。
ターゲットにおいて用いられるX線発生材料は、ソースにかかるより高い電子パワーがX線発生を増加させることを可能にすべく、高融点及び高熱伝導率等、複数の良好な熱特性を有するべきである。X線発生材料は、複数の良好なX線発生特性のために付加的に選択されるべきであり、このことは、(その原子番号に比例する)X線発生効率を含み、いくつかのケースにおいては、特性X線スペクトルライン等の特定の対象のスペクトルを生成することが望ましくあり得る。例えば、複数のターゲットが、原子番号が74である、タングステンを用いてしばしば製造されるが、その効率的X線発生とその高熱伝導率とが理由である。
図7は、共通の基板2230を共有する複数のターゲットをもつ2個のサブソースを備える、本発明の様々なX線ソースの実施形態において用いられる直線累積X線ソースの一実施形態を模式的に示す。基板は、低原子番号で、低質量密度で、高熱伝導率で、及び高融点である第1の材料であり得、第1の材料は、2個のサブソースを接続する軸3001に沿って複数のX線の直線累積を増加させるよう位置合わせされる。この実施形態において、ソースは、2個の電子ビーム1231及び1232を有し、2個の電子ビーム1231及び1232は、共通の基板2230上でコーティングされているそれぞれのX線発生材料2231及び2232に衝撃を与え、それぞれX線831及び832を生成するよう制御される。
複数のX線発生材料は、所望のスペクトルの複数のX線を効率的に生成するために十分に厚みがあるが、所望の複数のX線の高透過のために十分に薄い。根本原則は、特により高いエネルギーの複数のX線について、電子侵入深さは、X線線形減衰長より典型的にかなり小さい。複数のX線発生材料2231及び2232の厚みは、複数のX線発生材料2231及び2232内へ侵入する入射電子ビームの深さを下回る、あるいは匹敵するように典型的に選択されるが、より大きい値が用いられ得る。例示されたように、面法線に対して斜めに衝撃が生じる場合、入射角はコーティング厚の選択にも影響を与え得る。電子ビーム1231、1232及び1222に対するターゲット2203及び2204の傾きは約45°に示されているが、X線が生成されることを可能にする0°から90°までの任意の角度が用いられ得る。
共通の基板2230の材料は、ダイヤモンド、ダイヤモンド様材料、ベリリウム、及び炭化ケイ素等の高熱伝導率をもつ低原子番号の材料の材料から典型的に選択される。共通の基板の厚みは、対象のX線エネルギーに関して高X線透過を有するように選択され、しばしば50%を上回る。2個のサブソースの間の距離は、概して入射電子ビームサイズより大きい。
複数のサブソースのアノードのうちの1又は複数が、1又は複数の電子ビームの衝突区域において非常に薄い基板又は均一に0の厚みを有することが可能である。複数のサブソースの複数のアノード(基板のある又は無い)は、入射電子ビーム又はX線ソースサイズより適度に大きい開口をもつサポートフレーム上で支持されることが典型的である。サポートフレームは、高熱伝導率を典型的に有し、当業者によく周知である複数の技術を用いて冷却され得る。いくつかの実施形態において、基板又はフレームがダイヤモンドで作成され、減少する温度をもつダイヤモンドの向上された熱伝導率を用いる場合に、フレームは、マイナスセ氏90度の温度まで冷却される。
図7で、X線サブソース2231及び2232は、単一の材料層を備える複数の広域ターゲットとして示されているが、他の複数の実施形態において、単一の材料層ターゲットのうち少なくとも1つは、図8で例示されているもの等の、共通の基板2230に埋め込まれ、又は埋設されている複数のX線発生材料の離散した複数の微細構造を備える領域と置き換えられ得る。この図において、複数の微細構造の複数のセット2151及び2152の中の離散した複数の微細構造のそれぞれは、X線サブソースを動作し、それぞれ、電子ビーム1251及び1252により照射される場合に、X線851及び852をそれぞれ発生させる。軸3002−3005に沿って互いに位置合わせされる場合に、これらも、図7で例示されているソースと同じ原則上で動作する広域ビーム形状をもつより高い輝度のX線ビームを生成する。
図9は、本発明の様々な実施形態において用いられている、それぞれの基板の両側で製造され、予め定められた軸に沿って位置合わせされる、X線発生材料をもつ複数のターゲット2801、2802及び2803を備える直線累積X線ソースの更に別の実施形態を模式的に示す。複数の画像処理レンズ(2821又は2831)は、異なる基板上で、1つのサブソース、例えば、2883から、別のサブソース、例えば、2882に、複数のX線を収集し、映し出し、これにより、2個のサブソースからの複数のX線は、軸に沿って見られる場合に、2882において単一のサブソースから生じると思われる。この様式でX線発生の複数のソースを位置合わせすることにより、複数のX線の直線累積とより高い輝度が実現され得る。示されたように、複数のサブソースのそれぞれは、電子ビーム(1181、1182、1183、1184、1185、及び1186)を有し、X線発生材料を備えるターゲット(それぞれ、2881、2882、2883、2884、2885、2886)に対応する。X線ターゲットは、図7で例示されたように、そのそれぞれの基板上に堆積されるX線発生材料の層であり得、又は図8で例示されたように、そのそれぞれの基板と密接に熱的接触して(埋め込まれる、又は埋設される等)製造される離散した複数の微細構造を備える。
複数のサブソースの輝度を保持するために、生成された複数のX線を収集するX線画像処理レンズは、2個のサブソースの効果的なソースサイズを下回る点広がり関数、2個のサブソースが異なる複数のソースサイズを有する場合、より小さいものを有し得る。X線画像処理レンズ2831及び/又は2832の収束効率は、50%を上回るように設計され得る。1つのサブソースにより生成される複数のX線を収集し、それらを次のサブソースに中継するこれらのX線ミラーの複数の表面形状は、所望のX線エネルギーをもつ複数のX線が、所望のX線エネルギーでミラー表面材料の全反射のための臨界角より小さい又は等しいグレージング角でX線ミラー表面に入射するように設計され得る。ミラー表面材料は、ガラス、又は直線累積X線ソースからより多くのX線を収集する全反射のため、臨界角を増加させる高質量密度材料の何れかでコーティングされ得る。反射面の材料は、与えられた測定に対して対象のX線スペクトルにおいて複数のX線吸収端をもつ複数の要素を含まないことが重要である。複数のX線を収集し、焦点を合わせる典型的な複数のミラーは、楕円面に対応する複数の表面であり得るが、複数のウォルターレンズの組み合わせを用いるもの、又は複数のポリキャピラリレンズを用いるもの等の、複数のX線を収集し、焦点を合わせる他の複数の表面構成又は複数の光設計も、当業者に公知であろう。
図9は、複数のターゲットが3つの別の基板上に製造され、2個のサブソース毎に共通の基板を共有し、それぞれは対応する電子ビームにより照射されるが、X線発生材料の任意の数の領域はこの様式で位置合わせされ得、直線累積のある高輝度X線ソースを生成する6個のX線サブソースを示す。この直線累積方法は、何度も繰り返され得、位置合わせの軸に沿ってより高いソース輝度を得る。軸に沿って少なくとも一方向において基板を及び複数のX線発生材料含む複数のX線ターゲットは、対象のX線エネルギーに対して好ましくは50%を上回る高X線透過を有するように選択される。
複数のサブソースのアノードのうちの1又は複数が、1又は複数の電子ビームの衝突区域において非常に薄い基板又は均一に0の厚みを有することが可能である。いくつかの実施形態において、複数のサブソースの複数のアノード(基板のある又は無い)は、入射電子ビーム又はX線ソースサイズより適度に大きい開口をもつサポートフレーム上で支持される。サポートフレームは、高熱伝導率を有し得、当業者に公知である複数の技術を用いて冷却され得る。基板又はフレームがダイヤモンドで作成され、減少する温度をもつダイヤモンドの向上された熱伝導率を用いる場合に、フレームは、マイナスセ氏90度の温度まで冷却されることが好ましい。
いくつかの実施形態において用いられている直線累積ソースターゲットの複数の材料の選択は、基板(第1の材料)は、ダイヤモンド又はベリリウム等の、高熱伝導率をもつ低原子番号の材料であり、複数のサブソースの材料(第2の材料)は、複数のスペクトル特性及びX線発生効率等の複数のX線発生特性のために選択され、銅、モリブデン、及びタングステンを含み得る(しかしこれらに限定されない)ようにされる。いくつかの実施形態において、複数のターゲットの熱伝導率は、基板材料の熱伝導率により主に決定され、ゲルマニウム及び鉛等のそうでなければ、従来の連続した複数の単材料ターゲットにおける複数のX線ターゲット材料として適当ではない、より低い熱伝導性をもつ複数のX線発生材料を用いることを可能とするが、その結果として、より多くの要素が、複数の特性X線ラインを生成するために利用可能であることを可能にする。
複数のシステムが、特にEXAFS測定において、X線発生材料及び基板材料を含む、ソースから試料までのX線ビーム経路における全ての材料が、対象のスペクトル領域における複数のX線を吸収する要素を全く含まないか無視できる量を含むように概して設計される。作成される複数のX線発生材料が、予め定められたX線エネルギー範囲をカバーするように選択され得る。
図1から図9までで示されている複数のアノードターゲットは、当該技術分野で公知である、水冷却、熱電冷却、及び/又はヒートパイプ等の複数の方法を用いて冷却され得、それらの方法は、アノードの熱性能、従ってX線ソースの輝度を増加させるためにも用いられ得る。
電子ビームを発生させる任意の数の従来技術の技法が、本明細書に開示された線形減弱X線ソースの本発明の複数の実施形態に用いられ得る。電子ビーム発生に用いられる公知技術の一部は、熱電子放出のためのフィラメント加熱、ショットキー放出(加熱と電界放出との組み合わせ)、カーボンナノチューブ等のナノ構造を有する複数の放出器、複数の強誘電体材料を用いることを含む。「電子ビーム発生のための電子放出の選択肢についての詳細は、ヤマモトシゲヒコ氏の報告『真空電子ソースの基本的物理(Fundamental physics of vacuum electron sources)』Progress in Physics、vol.69、pp.181‐232(2006年)を参照。」電子ビームのサイズは、所望されるX線ソースサイズにより最適化されることが好ましい。
本発明のいくつかの実施形態において、予め定められた特性(電子エネルギー、電流、及び焦点サイズ)をもつ1又は複数の電子ビームを提供することに加えて、それぞれの電子ビームをそれぞれのX線ターゲット上のこれらの所望の位置に制御し、方向付け得る複数の電子光学システムも存在し得る。X線光学トレイン
X線吸収分光法システムの様々な実施形態は、X線光学トレインを備え、直線累積X線ソースからの複数のX線の一部を収集し、次にその複数のX線をスペクトル的にフィルタリングし、コリメートし、又は焦点を合わせ、分析される試料に入射するX線ビームを生成する。複数のレンズが、軸方向に対称であり得、反射されない複数のX線を吸収する吸収ビームストップ、スリット、又は開口部の何れかも有し得ることが、以下の複数の図面における複数の断面図として複数の光学トレインの複数のばらつきにおいて例示されていることが留意されるべきである。しかしながら、複数のX線光学トレインの他の複数の設計が、当業者にとって公知であり得る。
本明細書に開示されている本発明の複数の実施形態において用いられ得るもの等の複数の光学トレインは、同時係属中の『高フラックス及び高フラックス密度をもつX線照射器(X−RAY ILLUMINATORS WITH HIGH FLUX AND HIGH FLUX DENSITY)』という名称の米国特許出願(米国特許出願第14/544,191号、2014年12月5日出願)に詳細に説明されており、その内容は仮出願に沿ってその中に組み込まれ、利益を主張し、これによりその全体を参照によって組み込まれたものとする。
光学トレインの光学要素の開口数を改善するため、本発明のいくつかの実施形態は、反射表面上で複数のコーティングを用い得る。これらのコーティングは、好ましくは、白金、イリジウム、又は金等の高密度材料(2.5g/cmより大きい)であり、典型的に厚みは約数オングストロームから数ナノメートルである。そのような複数の高密度のコーティングは、反射に対してより大きい臨界角を提供し、より多くのX線を収集することが可能になる。代替的に、2又はそれより多くの材料の、複数の交番する周期層を用いて複数のX線を反射する複数の多層コーティングは、特定の複数の波長に対する反射において構成的な干渉を提供する。反射効率は、複数のX線の波長及び入射角、並びに複数の交番する層の厚みに依存し、この反射効率は広帯域リフレクタとしての使用を制限してきたが、特定の複数の波長が所望される場合、用いられ得る。複数の多層膜反射鏡に用いられ得る複数の組み合わせは、炭化タングステン(W/C)、二ケイ化タングステン(W/WSi2)、ケイ化モリブデン(Mo/Si)、炭化ニッケル(Ni/C)、クロム/スカンジウム(Cr/Sc)、及びランタン/炭化ホウ素(La/BC)、及びケイ化タンタル(Ta/Si)、及びその他である。表面は、合金又は複数の材料の混合物を備える複合コーティングでもあり得る。
いくつかの実施形態において、複数のレンズは、更に入れ子構造(互いの内で同心円状)であり得、複数のX線をより大きく収集することを可能にし、それはX線天文学において一般的に用いられる複数の非軸対称ミラーと典型的である。
図10及び図11は、コリメートされた高輝度X線ビームを生成する複数の光学トレイン構成要素の複数のばらつきを模式的に示す。図10は、内側の反射面が放物体3010の一部に対応するX線ミラー3020の断面図を示す。それは、焦点3050が直線累積X線ソースの中央に配置されるように概して構成され、その軸は、図4において軸3000により例示されたような、直線累積X線ソースの軸に沿って位置合わせされる。X線ミラー3020は、ソースからの複数のX線を収集し、コリメートされたX線ビームを生成する。ソースは、完璧な点光源ではないので、コリメートされたビームの角度輻輳は、ソースとX線ミラー3020の入射との間の距離で割られた見かけの直線累積X線ソースとほぼ等しい。
X線ミラーの表面形状は、所望のX線エネルギーをもつ複数のX線が、所望のX線エネルギーでミラー表面材料の全反射のための臨界角より小さい又は等しいグレージング角でX線ミラー表面に入射するように設計され得る。ミラー表面材料は、ガラス、又は直線累積X線ソースからより多くのX線を収集する全反射のため、臨界角を増加させる高質量密度材料の何れかでコーティングされ得る。ミラー表面は、適切な組成物、d間隔勾配、及び光軸に沿った適切なd間隔勾配の多層でもコーティングされ得、直線累積X線ソースからのX線収集の立体角を増加させ、狭いスペクトルをもつX線ビームを取得する。
図11は、本発明の複数の実施形態において用いられ得、コリメートされた高輝度X線ビームを生成する別の光学トレインの断面図を模式的に示す。この例における光学トレインは、ウォルターI型反射レンズを備え、ウォルターI型反射レンズは、楕円面に対応する第1構成要素3040と、双曲面に対応する第2構成要素3040を有する。両方の構成要素は、同軸となるように位置合わせされ、楕円形Fe1の焦点のうちの1つは、双曲線Fh1の焦点の1つに対応している。
本発明の複数の実施形態において、ウォルターI型鏡は、焦点Fh1が、直線累積X線ソースの中央に配置されるように典型的に構成され、その光軸は、図4において軸3000により例示されたような、直線累積X線ソースの軸に対応するように位置合わせされる。図10の放物線レンズに類似して、散乱面においてコリメートされたビームの角度輻輳は、試料の臨界角より小さいことが好ましい。
複数のX線レンズの複数の傾斜及び複数の表面形状は、所望のX線エネルギーをもつ複数のX線が、所望のX線エネルギーで全体のためのミラー表面材料の臨界角より小さい又は等しい複数のグレージング角でX線ミラー表面に入射するように設計される。一方又は両方のミラー構成要素の表面物質は、ガラス、又は材料の密度の平方根に比例する全反射のため、臨界角を増加させる高質量密度材料の何れかでコーティングされ得る。ミラー表面は、適切な組成物、d間隔勾配、及び光軸に沿った適切なd間隔勾配の多層でもコーティングされ得、直線累積X線ソースからのX線収集の立体角を増加させ、狭いスペクトルをもつX線ビームを取得する。図10で例示されている単一の放物面ミラーと比較すると、図11で例示されているウォルターI型鏡は、直線累積X線ソースからの複数のX線を収集する立体角の4倍までの角度を有し得、より大きなX線束をもつコリメートされたX線ビームをもたらす。
X線光学トレインは、薄箔スペクトルフィルタ等の、従来技術で公知であるコリメートされたX線のエネルギースペクトルを狭めるスペクトルフィルタリング構成要素を更に備え得る。更に、それは、1又は複数の開口部又は1又は複数のスリットも妥協し得、当業者には公知であろう所望のビーム形状及びサイズを取得する。
複数のコリメートレンズに加えて、複数の実施形態の光学トレインのための複数のレンズの複数のばらつきも、複数の集束レンズを用い得る。複数のコリメートレンズのように、全ての光ミラー表面材料が、ガラス、又は高質量密度材料の何れかでコーティングされ得ることが留意されるべきである。ミラー表面は、適切な組成物、d間隔勾配、及び光軸に沿った適切なd間隔勾配の多層でもコーティングされ得、直線累積X線ソースからのX線収集の立体角を増加させ、狭いスペクトルをもつX線ビームを取得する。
図12は、X線ソース308を備える本発明の一実施形態の一部を示し、X線ソース308は、ターゲット1100を用い、ターゲット1100は、基板1000及び複数の微細構造1700を備え、複数の微細構造1700は、複数の電子111により衝撃を与えられ、複数の高輝度X線888を生成する。これらのX線は、ウィンドウ1041を通ってソースを出て、ソース308において複数のX線の直線累積の軸に対応する同じ軸3009に沿って位置合わせされ、ウォルターI型レンズの形状である光学要素3030及び3040を備える光学トレインに入る。示された光学トレインは、ビームストップ1854も備え、これにより光学トレインの出力は、コリメートされたX線ビーム889である。
図10で例示されている単一の放物面ミラーと比較すると、ウォルターI型鏡は、直線累積X線ソースからの複数のX線を収集する立体角の4倍までの角度を有し得、より大きなX線束をもつコリメートされたX線ビームをもたらす。図12で示されている複数のレンズは、ウォルターI型レンズであるが、複数の放物面光学要素又は複数のポリキャピラリレンズ等他の複数の光学要素が、これらの構成がコリメートされた又はほぼコリメートされたビームを生成する場合に、本発明の類似の複数の実施形態において用いられ得る。
複数のX線ミラーの複数の表面形状は、所望のX線エネルギーをもつ複数のX線が、所望のX線エネルギーでミラー表面材料の全反射のための臨界角より小さい又は等しいグレージング角でX線ミラー表面に入射するように設計され得る。ミラー表面材料は、ガラス、又は直線累積X線ソースからより多くのX線を収集する全反射のため、臨界角を増加させる高質量密度材料の何れかでコーティングされ得る。X線モノクロメータ
図3において例示されたように、コリメートされたX線ビームが形成されると、コリメートされたX線ビームはモノクロメータに入り、エネルギー帯域幅を低減させる。典型的に用いられる1つの例が、複結晶モノクロメータである。複結晶モノクロメータは、当該技術分野で公知である任意の数のモノクロメータであり得る。複結晶モノクロメータは、2個の個々の単結晶を備え得、これらのそれぞれの回折面は、互いに平行に位置合わせされている。代替的に、それは、モノリシック単結晶を用いて形成されるチャンネルカットモノクロメータであり得る。適当な結晶材料は、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、フッ化リチウム(LiF)、及びインジウムアンチモン(InSb)を含む。予め定められたエネルギースペクトル範囲に対する予め定められたスペクトル帯域幅の適当な結晶回折面は、公知技術を用いて選択され得る。
図13は、試料240に対してXAFSを行う本発明の一実施形態を模式的に示す。図12のように、X線吸収分光装置は、直線累積X線ソース308を備え、直線累積X線ソース308は、複数の高輝度X線888を発生させ、複数の高輝度X線888は、ターゲット1100の複数の電子111との衝撃を用い、ターゲット1100は、複数の微細構造1700をもつ基板1000を備え、複数の微細構造1700は、X線発生材料を備える。示されたように、X線発生のソースは、第1放物面X線ミラー3026の軸と一致する予め定められた軸に沿って生じ、第1放物面X線ミラー3026は、コリメートされたX線ビーム889を生成するよう適切に配置され、位置合わせされる。放物面の反射レンズが示されているが、レンズは、図12に示されていたように、ウォルターI型レンズを、又はコリメートされたX線ビーム889を生成し得る任意の数の他のX線光学要素を代替的に備え得る。
コリメートされたX線ビーム889は、複結晶モノクロメータ333に次に入り、複結晶モノクロメータ333は、第1結晶3054を備え、第1結晶3054は、第2結晶3056の上で所望のスペクトル構成要素889−1を反射し、スペクトル帯域幅を更に制限し、予め定められたX線エネルギーをもつ単色化されたX線ビーム889−2を生成する。結晶モノクロメータは、ケイ素(Si)又はゲルマニウム(Ge)の単結晶又は平行半導体結晶板が備えられる一般的なU形状(チャンネルカット)結晶等の、当該技術分野で公知である任意の種類であり得る。複結晶モノクロメータは、回転されてコリメートされたX線ビームのブラッグ角を変化させ、このことはブラッグ角を変化させることにより対象の複数のX線エネルギーを選択することを可能にする。一方又は両方のミラー構成要素の表面物質は、ガラス、又は直線累積X線ソースからより多くのX線を収集する全反射のため、臨界角を増加させる高質量密度材料の何れかでコーティングされ得る。反射面の材料は、与えられた測定にたいして対象のX線スペクトルにおいて複数のX線吸収端をもつ複数の要素を含まないことが重要である。
平面外方向における角度輻輳△θ及びX線ソースサイズSの両方は、複結晶モノクロメータのエネルギースペクトル帯域幅に影響を与えること無く第1式によって大きいX線束を取得するように、好ましくは大きくなり得ることが留意されるべきである。複数のX線ミラーの複数の表面形状は、所望のX線エネルギーをもつ複数のX線が、所望のX線エネルギーでミラー表面材料の全反射のための臨界角より小さい又は等しいグレージング角でX線ミラー表面に入射するように設計されている。ミラー表面材料は、ガラス、又は直線累積X線ソースからより多くのX線を収集する全反射のため、臨界角を増加させる高質量密度材料の何れかでコーティングされ得る。検出及び分析
図13に示されるように、モノクロメータ333を出た後、本発明のいくつかの実施形態におけるモノクロX線ビーム889−2は、検討される試料240の上で直接方向付けられる。透過した複数のX線889−Xは、検出器290の上に次に落ち、検出器290は、これらのX線を検出し、複数の電気信号へと変換する。これらの電気信号は、複数の信号処理電子292による信号処理を次に受け、分析システム295において更なる分析を次に受け、分析システム295は、複数の結果を示すディスプレイ298も有し得る。
部分的に透過可能な検出器(不図示)が、試料240の前に配置され得、試料に入射するX線ビームを測定し、又は試料は、試料をビームの外に移動させ、入射X線束を測定し、次にビームへともどし、透過X線ビームを測定する電気機械ステージに取り付けられ得る。いくつかの実施形態において、更なる光学トレイン、フィルタ及び/又はモノクロメータが、試料の後であるが、検出器の前に配置され得、複数の背景X線を除去し、ノイズに対して信号を改善する。
光学トレインの複数の要素の動作、モノクロメータ333、及び試料240を保持しているステージは、特定のX線エネルギー設定と相関がある複数の電子信号が決定されることが可能となるよう調整され得る。複数の設定における複数のデータポイントもまた、XAFSスペクトルを提供するために収集され得る。
様々な実施形態において、X線検出器290は、ガス充填比例計数管、電離箱、シリコンドリフト検出器、及びモノクロX線エネルギーの機能として試料を通過する複数のX線の強度を検出する技術で公知である他の複数のX線検出器を含み得る。更に、シリコンドリフト検出器等の分光器が、モノクロX線エネルギーの機能として試料からの蛍光性の複数のX線も検出するために用いられ得る。
本発明の複数の実施形態に対して他の複数の変形もまた存在する。更なる複数のスペクトルフィルタ又は複数のモノクロメータが、試料240と検出器290との間で用いられ得、検出のために試料240から出現する複数のX線の特定部分を選択する。このことは、透過したX線により生成される複数の信号を妨げ得る、試料240からのX線蛍光が多く存在する場合、特に有用であり得る。代替的に、図3において例示された第2の検出器が、試料240の裏側、又は表側から(X線ビームが試料を通過する前に)の何れかで、直接蛍光を検出するよう含まれ得る。調査中の材料及び調査中のスペクトルに応じて、そのような蛍光モニタも、入射X線強度のための独立したモニタとして機能し得る。
図14は、更なる集束レンズ3021が、コリメートされたビーム889−2を収束X線ビーム887へと変換するモノクロメータ333の後に提供されるばらつきを示している。このことは、試料240上で探査される特定の位置のX線透過を可能にし、組成及び表面品質におけるいくつかのばらつきがある場合、所望され得る。同様に、焦点が合わせられたモノクロX線ビームが用いられる場合の試料の平行移動は、試料のミクロ的な組成についての情報を提供し得る。
試料の上で焦点が合わせられたX線ビームの固定位置を維持するため、複結晶モノクロメータは、複数のシンクロトロンX線吸収分光法施設で広く用いられている複数のモノクロメータに従って設計され得る。代替的に、チャンネルカット複結晶モノクロメータが用いられる場合に、試料は、電気機械システムにより移動され得、焦点が合わせられたX線ビームの位置を試料の上の同じスポットに固定されたままとする。限定及び拡張
本願をもって、発明者らによって意図される最良の形態を含む、本発明の複数の実施形態が開示されている。特定の複数の実施形態が示され得るが、いくつかの実施形態のためにのみ詳細に論じられた複数の要素は、他の複数の実施形態にも適用され得ることが認識されるであろう。参照により本願へと組み込まれる同時係属中の複数の出願における複数の要素もまた、本明細書に開示されている本発明の複数の実施形態へと組み込まれてもよい。
特定の複数の材料、複数の設計、及び複数の構成が、本発明及び好ましい複数の実施形態を説明すべく示されたが、そのような説明は限定することを意図するものではない。複数の変形例及び複数の変更例は、当業者には明らかであり得て、本発明は、添付の特許請求の範囲に記載された範囲によってのみ限定されることが意図されている。
本明細書で説明された全ての要素、部材、及び工程が含まれていることが好ましい。当業者には公知であるように、これらの要素、部材、工程のいずれも、他の複数の要素、複数の部材、複数の工程によって置き換えられ得るか、又は完全に削除され得ることが理解されるべきである。
概して、本文書は少なくとも以下のことを開示している。本開示は、既存の複数の小型のシステムより数倍大きなX線束及び束密度を有する複数のX線吸収微細構造(XAFS)測定のための複数のシステムを示している。これらのことは、X線吸収端近傍分光(XANES)又は広域X線微細吸収構造(EXFAS)分光法の実験用の及び現地適用にとって有用である。より高い輝度は、高熱伝導率を有する基板と密接に熱的接触して製造される複数のX線発生材料の位置合わせされた多数の複数の微細構造を備える複数のX線ターゲットのための複数の設計を用いることにより実現される。このことは、より高い電子密度及び/又はより高い複数のエネルギー電子での衝撃を可能にし、より大きなX線輝度及び高流量をもたらす。高輝度X線ソースは、複数のX線をコリメートするX線反射光学システム、及び露光量を選択するモノクロメータに次に連結される。複数の高流量モノクロX線を用いた複数の試料の吸収スペクトルは、複数の標準的な検出技術を用いて作成され得る。概念
本文書は、少なくとも以下の概念も示している。 (概念1) 少なくとも1つの電子ビーム放出器と、少なくとも1つのアノードターゲットとを備え、
少なくとも1つのアノードターゲットは、第1の選択材料を備える基板と、その複数のX線発生特性に対して選択される第2の材料を備える離散した複数の微細構造とを備え、
上記離散した複数の微細構造のそれぞれは、上記基板と熱的接触し、
上記離散した複数の微細構造のうち少なくとも1つは、20ミクロンより小さい少なくとも1つの寸法をもつ、
X線ソースと、
上記アノードターゲットにより生成される複数のX線を収集し、予め定められた複数のビーム特性をもつX線ビームを生成する光学トレインと、
調査される目的物を保持し、上記X線ビームが上記目的物に入射するように配置されるマウントと、
上記目的物を通過する複数のX線を測定する検出器と
を備える
X線吸収測定システム。
(概念2) 上記目的物に入射する上記複数のX線の上記強度を測定する検出器を更に備える、概念1に記載のシステム。
(概念3) 予め定められたエネルギー及び帯域幅の上記複数のX線にさらされる場合、上記目的物により放出されるX線蛍光の強度を測定する検出器を更に備える、概念1から2の何れか1つに記載のシステム。
(概念4) 上記モノクロメータの上記複数の設定と、上記目的物の上記位置及び回転とを調整する制御システムを更に有する、概念1から3の何れか1つに記載のシステム。
(概念5) 上記離散した複数の微細構造のうちの上記少なくとも1つのそれぞれの横寸法は、50ミクロンより小さい、概念1から4の何れか1つに記載のシステム。
(概念6) 上記離散した複数の微細構造は、予め定められた軸に沿って直線配列で配置され、
上記光学トレインも、上記予め定められた軸に沿って位置合わせされる、
概念1から5の何れか1つに記載のシステム。
(概念7) 上記第1の選択材料は、ベリリウム、ダイヤモンド、グラファイト、ケイ素、窒化ホウ素、炭化ケイ素、サファイヤ、及びダイヤモンド様炭素から成る群から選択される、概念1から6の何れか1つに記載のシステム。
(概念8) 上記第2の材料は、アルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ガリウム、亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、ニオブ、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、スズ、イリジウム、タンタル、タングステン、インジウム、セシウム、バリウム、金、白金、鉛、並びに、これらの組み合わせ及びこれらの合金から成る群から選択される、概念1から7の何れか1つに記載のシステム。
(概念9) 上記離散した複数の微細構造のサブセットは、そのX線発生特性のために選択された第3の材料を有する、概念1から8の何れか1つに記載のシステム。
(概念10) 上記第3の材料は、アルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ガリウム、亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、ニオブ、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、スズ、イリジウム、タンタル、タングステン、インジウム、セシウム、バリウム、金、白金、鉛、並びに、これらの組み合わせ及びこれらの合金から成る群から選択される、概念9に記載のシステム。
(概念11) 上記離散した複数の微細構造は、予め定められた数の上記離散した複数の微細構造により生成される複数のX線が、上記電子ビーム放出器からの電子ビームにさらされる場合に、上記離散した複数の微細構造から選択される上記離散した微細構造のうち予め定められた1つを通過するように配置される、概念1から10の何れか1つに記載のシステム。
(概念12) 複数の電子放出素子と、
それぞれの電子放出器が電子ビームを提供し、対応する複数のアノードターゲットに衝撃を与え、複数のX線を生成するように位置合わせされる複数のアノードターゲットであって、
上記複数のアノードターゲットは、複数のX線が生成される上記複数の位置が、予め定められた軸に沿って位置合わせされ、上記光学トレインも、上記予め定められた軸に沿って位置合わせされるように、位置合わせされる、
複数のアノードターゲットと
を備える
概念1から11の何れか1つに記載のシステム。
(概念13) 上記光学トレインは、二次曲面に対応する表面をもつX線リフレクタを有する、概念1から12の何れか1つに記載のシステム。
(概念14) 上記二次曲面は、楕円体、楕円面、放物体、双曲面、楕円柱、円柱、楕円錐、及び円錐から成る群から選択される、概念13に記載のシステム。
(概念15) 上記光学トレインは、ウォルターI型X線レンズを有する、概念1から14の何れか1つに記載のシステム。
(概念16) 上記予め定められたエネルギー帯域幅は、10eVより小さい、概念1から15の何れか1つに記載のシステム。
(概念17) 上記予め定められたエネルギー帯域幅は、1eVより小さい、概念16に記載のシステム。
(概念18) 上記モノクロメータは、ケイ素、ゲルマニウム、フッ化リチウム、及びインジウムアンチモンから成る群から選択される材料を備えるチャンネルカット結晶を備える、概念1から17の何れか1つに記載のシステム。
(概念19) 上記モノクロメータは、複結晶モノクロメータを有する、概念1から18の何れか1つに記載のシステム。
(概念20) 少なくとも1つの電子ビーム放出器と、少なくとも1つのアノードターゲットとを備え、
少なくとも1つのアノードターゲットは、第1の選択材料を備える基板と、その複数のX線発生特性に対して選択される第2の材料を備える、少なくとも1つのX線発生構造とを備える、
高輝度X線ソースと、
上記アノードターゲットにより生成される複数のX線を収集し、コリメートされたX線ビームを生成する光学トレインと、
上記コリメートされたX線ビームから、予め定められたエネルギー及び予め定められたエネルギー帯域幅の複数のX線を選択するX線モノクロメータと、
調査される目的物を保持し、予め定められたエネルギー及び帯域幅の上記複数のX線が上記目的物を通過するように配置されるマウントと、
上記目的物を通過する上記複数のX線を測定する検出器と
を備える
X線吸収微細構造測定システム。

Claims (20)

  1. 少なくとも1つの電子ビーム放出器と、少なくとも1つのアノードターゲットとを備え、
    少なくとも1つのアノードターゲットは、第1の選択材料を備える基板と、その複数のX線発生特性に対して選択される第2の材料を備える離散した複数の微細構造とを備え、
    前記離散した複数の微細構造のそれぞれは、前記基板と熱的接触し、
    前記離散した複数の微細構造のうち少なくとも1つは、20ミクロンより小さい少なくとも1つの寸法をもつ、
    るX線ソースと、
    前記アノードターゲットにより生成される複数のX線を収集し、予め定められた複数のビーム特性をもつX線ビームを生成する光学トレインと、
    調査される目的物を保持し、前記X線ビームが前記目的物に入射するように配置されるマウントと、
    前記目的物を通過する複数のX線を測定する検出器と
    を備える
    X線吸収測定システム。
  2. 前記目的物に入射する前記複数のX線の強度を測定する検出器を更に備える、請求項1に記載のシステム。
  3. 予め定められたエネルギー及び帯域幅の前記複数のX線にさらされる場合、前記目的物により放出されるX線蛍光の強度を測定する検出器を更に備える、請求項1又は2に記載のシステム。
  4. モノクロメータの複数の設定と、目的物の位置及び回転とを調整する制御システムを更に備える、
    請求項1から3の何れか一項に記載のシステム。
  5. 前記離散した複数の微細構造のうちの前記少なくとも1つのそれぞれの横寸法は、50ミクロンより小さい、
    請求項1から4の何れか一項に記載のシステム。
  6. 前記離散した複数の微細構造は、予め定められた軸に沿って直線配列で配置され、
    前記光学トレインも、前記予め定められた軸に沿って位置合わせされる、請求項1から5の何れか一項に記載のシステム。
  7. 前記第1の選択材料は、ベリリウム、ダイヤモンド、グラファイト、ケイ素、窒化ホウ素、炭化ケイ素、サファイヤ、及びダイヤモンド様炭素から成る群から選択される、請求項1から6の何れか一項に記載のシステム。
  8. 前記第2の材料は、アルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ガリウム、亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、ニオブ、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、スズ、イリジウム、タンタル、タングステン、インジウム、セシウム、バリウム、金、白金、鉛、並びに、これらの組み合わせ及びこれらの合金から成る群から選択される、請求項1から7の何れか一項に記載のシステム。
  9. 前記離散した複数の微細構造のサブセットは、そのX線発生特性のために選択される第3の材料を有する、請求項1から8の何れか一項に記載のシステム。
  10. 前記第3の材料は、アルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ガリウム、亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、ニオブ、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、スズ、イリジウム、タンタル、タングステン、インジウム、セシウム、バリウム、金、白金、鉛、並びに、これらの組み合わせ及びこれらの合金から成る群から選択される、請求項9に記載のシステム。
  11. 前記離散した複数の微細構造は、予め定められた数の前記離散した複数の微細構造により生成される複数のX線が、前記電子ビーム放出器からの電子ビームにさらされる場合に、前記離散した複数の微細構造から選択される前記離散した微細構造のうち予め定められた1つを通過するように配置される、
    請求項1から10の何れか一項に記載のシステム。
  12. 複数の電子放出素子と、
    それぞれの電子放出器が電子ビームを提供し、対応する複数のアノードターゲットに衝撃を与え、複数のX線を生成するように位置合わせされる複数のアノードターゲットであって、
    前記複数のアノードターゲットは、複数のX線が生成される複数の位置が、予め定められた軸に沿って位置合わせされ、前記光学トレインも、前記予め定められた軸に沿って位置合わせされるように、位置合わせされる、
    複数のアノードターゲットと
    を備える
    請求項1から11の何れか一項に記載のシステム。
  13. 前記光学トレインは、二次曲面に対応する表面をもつX線リフレクタを備える、請求項1から12の何れか一項に記載のシステム。
  14. 前記二次曲面は、楕円体、楕円面、放物体、双曲面、楕円柱、円柱、楕円錐、及び円錐から成る群から選択される、請求項13に記載のシステム。
  15. 前記光学トレインは、ウォルターI型X線レンズを有する、請求項1に記載のシステム。
  16. 前記予め定められたエネルギー帯域幅は、10eVより小さい、請求項1に記載のシステム。
  17. 前記予め定められたエネルギー帯域幅は、1eVより小さい、請求項16に記載のシステム。
  18. 前記モノクロメータは、ケイ素、ゲルマニウム、フッ化リチウム、及びインジウムアンチモンから成る群から選択される材料を備えるチャンネルカット結晶を備える、請求項4に記載のシステム。
  19. 前記モノクロメータは、複結晶モノクロメータを有する、請求項4に記載のシステム。
  20. 少なくとも1つの電子ビーム放出器と、少なくとも1つのアノードターゲットとを備え、
    少なくとも1つのアノードターゲットは、第1の選択材料を備える基板と、その複数のX線発生特性に対して選択される第2の材料を備える、少なくとも1つのX線発生構造とを備える、
    高輝度X線ソースと、
    前記アノードターゲットにより生成される複数のX線を収集し、コリメートされたX線ビームを生成する光学トレインと、
    前記コリメートされたX線ビームから、予め定められたエネルギー及び予め定められたエネルギー帯域幅の複数のX線を選択するX線モノクロメータと、
    調査される目的物を保持し、予め定められたエネルギー及び帯域幅の前記複数のX線が前記目的物を通過するように配置されるマウントと、
    前記目的物を通過する前記複数のX線を測定する検出器と
    を備える
    X線吸収微細構造測定システム。
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