JP3923101B2 - X線モノクロメータ及びそれを用いたx線回折装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続X線を含むX線から特性X線を取り出すための、すなわち連続X線を含むX線を単色化するためのX線モノクロメータに関する。また、本発明は、そのX線モノクロメータを使用したX線回折装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般のX線回折装置では、X線源から発生するX線を試料に照射し、そしてその試料で回折するX線をX線カウンタ等といったX線検出手段によって検出する。そして、その検出結果に基づいて試料に関する種々の情報を観察する。通常、X線源からは種々の波長のX線を含む連続X線及び特定波長の特性X線が発生する。この連続X線をそのままX線回折測定に用いると、X線検出手段によって得られるX線像のバックグラウンドが強くなりすぎて求めようとする回折線像が鮮明に得られない場合がある。
【0003】
このバックグラウンドを除去するために、X線源からX線カウンタへ至るX線の進行経路に関して試料の上流側又は下流側にX線モノクロメータを設置したX線光学系が知られている。X線モノクロメータは、通常、結晶によって構成され、その結晶に固有の結晶格子面によって特定波長のX線のみを回折する。すなわち、試料の上流側にこのX線モノクロメータを配置すれば、X線源から出て試料へ向かうX線を単色化でき、一方、試料の下流側にこのX線モノクロメータを配置すれば、試料で回折したX線を単色化してX線カウンタへ導くことができる。
【0004】
従来、試料の上流側にX線モノクロメータを配置した構造のX線回折装置として、図4に示すような装置が知られている。このX線回折装置では、X線源Fから放射されたX線、すなわち連続X線及び特性X線を含むX線がX線モノクロメータ51によって単色化される、すなわち、特定波長の特性X線が取り出される。取り出された特性X線は、一旦、集束点Aに集束した後再び発散し、そして発散スリット52によって発散が規制された状態で試料53に入射する。入射X線が試料53の結晶格子面に対して所定の回折条件、すなわちブラッグ条件を満足するとその試料53においてX線が回折する。
【0005】
その回折X線は集束点Bに集束し、さらにその集束点Bに置かれた受光スリット54を通過した後、X線カウンタ55によって受け取られ、このX線カウンタ55に付属するX線強度演算回路(図示せず)によって回折X線の強度が求められる。試料53の中心ωを中心として2つのX線集束点A,Bを通る円CG はゴニオメータサークルを示している。試料53に対するX線回折角度を変化させるためにX線源F、試料53又はX線カウンタ55を試料軸線ωを中心として回転移動させる際、集束点A及びBは常にゴニオサークルCG の上に存在する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の通り、従来のX線回折装置では、X線モノクロメータが1枚だけなので、そのX線モノクロメータで回折したX線は経路途中の集束点Aに集束する。従って、発散スリット52以降のX線光学系はその集束点Aの下流側でないと設置できなかった。つまり、X線モノクロメータを使用した従来のX線回折装置では、X線モノクロメータ51を設置したためにX線源FからX線カウンタ55に至るX線光学系の全体が非常に大型にならざるを得なかった。
【0007】
本発明は、従来のX線モノクロメータ及びX線回折装置における上記の問題点を解消するためになされたものであって、単色化されると共に発散するX線ビームをX線モノクロメータによって形成することにより、X線源から試料に至るX線通過経路を短くして、X線回折装置の全体の形状を非常に小型にすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明に係るX線モノクロメータは、連続X線を含むX線から特性X線を取り出すためのX線モノクロメータにおいて、前記連続X線を含む前記X線が入射する位置に配置されていてモザイク結晶から成る第1結晶と、該第1結晶と該第1結晶によるX線の擬似集束点との間に配置され、前記第1結晶に対して実質的に平行に配置され、前記第1結晶で回折したX線が入射すると共にモザイク結晶から成る第2結晶とを有し、前記第1結晶および前記第2結晶のモザイク角度幅に対応する発散角で特性X線を取り出すことを特徴とする。「実質的に平行」というのは、厳密に平行の場合及び製作上の理由などによって実用上差し支えない程度に平行状態に誤差が生じる場合を含むということである。
【0009】
モザイク角度幅が広いというのは、モザイク角度幅が狭い結晶、例えばゲルマニウム、シリコン等の単結晶の完全結晶は除かれるということである。このようなモザイク角度幅が広い結晶としては、例えばパイロリテックグラファイト、すなわち熱合成によって形成されるグラファイトによって形成される結晶を用いることができる。
【0010】
なお、モザイク角度幅というのは、いわゆる結晶のモザイク構造に起因して発生する回折線強度の角度の広がりを表すものであり、例えば、図5に模式的に示すようなX線測定系によって測定できる。この測定系では、X線源Fから放射されたX線をモノクロメータ57によって平行X線ビームに成形して試料結晶58に照射し、その試料結晶58を試料軸線ωを中心として微小角度のω回転をさせながらX線カウンタ55によって回折線の強度を測定する。測定結果は、図6に示すように、ω回転角度(ω)と回折線強度(I)とを直交座標軸とするグラフ上に山形形状の回折線図形となって現れる。
【0011】
このような回折線図形の幅Wがモザイク角度幅を示している。結晶全体が1つの結晶から形成される完全結晶は、ほとんどモザイク構造をとらないから、モザイク角度幅WはW=W2のように非常に狭くなる。一方、パイロリテックグラファイトのように、多数の微小結晶片が積み重なってモザイク状に形成された結晶では、モザイク角度幅WはW=W1のように広くなる。結晶で回折したX線の強度は回折線図形の面積、すなわち積分値として現れるから、モザイク角度幅Wが広い結晶の方が、それが狭い結晶に比べてX線強度が強くなる。
【0012】
結晶を用いてX線モノクロメータを構成する場合、そのX線モノクロメータから得られるX線ビームの発散角はモノクロメータを構成する結晶のモザイク角度幅にほぼ等しくなる。パイロリテックグラファイトは、モザイク角度幅が半価幅で約0.3゜〜0.5゜であり、裾まで入れて約1゜である(図6参照)。
【0013】
図1に示したX線モノクロメータ1では、第1結晶1a及び第2結晶1bは平板状の結晶を用いて構成した。しかしながらこれらの結晶は、図3に示すように、X線反射面が湾曲する形状の結晶を用いて構成することもできる。より具体的には、第1結晶11aのX線入射面は円筒状の凹面として形成され、第2結晶11bのX線入射面は円筒状の凸面として形成される。そして、これらの結晶を対向させて配置することによりX線モノクロメータ11が構成される。このように第1結晶11a及び第2結晶11bを湾曲させれば、第1結晶11aで回折を生じさせることのできるX線の発散角度θ2を、平板形状の結晶1a及び1bを用いた場合(図1)における発散角度θ1に比べて大きくできる。すなわち、
θ1<θ2
とすることができる。このことは、X線モノクロメータによって取り出すことができる特性X線の強度を、結晶を湾曲させることによってより強くできるということである。
【0014】
【発明の実施の形態】
図2は、本発明に係るX線モノクロメータの一実施例及びそのX線モノクロメータを用いたX線回折装置の一実施例を示している。このX線回折装置は、X線源Fを含むX線管10と、X線源Fから放射されるX線、すなわち連続X線及び特性X線を含むX線を単色化するX線モノクロメータ1と、そして試料3に関する測角を行うゴニオメータユニット12とを有している。
【0015】
X線管10は、通電によって発熱して熱電子を放出するフィラメント13と、そのフィラメントに対向して配置されたターゲット14とを有している。フィラメント13から放出される熱電子が高速度でターゲット14に衝突するとき、そのターゲット14からX線、特に連続X線を含むX線が発生する。つまり、熱電子がターゲット14上に衝突する領域、すなわちX線焦点がX線源Fを構成する。なお、実施例の場合のX線焦点は、紙面に対して垂直方向に長いラインフォーカスのX線焦点を考える。
【0016】
X線モノクロメータ1は、図1に示すように、互いに平行に配置された共に平板状の第1結晶1a及び第2結晶1bによって構成される。これらの結晶は、完全結晶に比べてモザイク角度幅の広い結晶、例えばパイロリテックグラファイトによって形成される。X線源Fからあらゆる方向に発散するX線については、それらのうちの発散角θ1の範囲のものRr が第1結晶1aに入射し、回折条件を満足する波長成分のX線が回折して第2結晶1bに入射する。第2結晶1bでは、再び、回折条件を満足するX線のみが回折して特定波長のX線、すなわち特性X線Rt として下流側(図の右側)へ取り出される。
【0017】
X線モノクロメータ1に入射するX線Rr の光軸Lr と取り出された特性X線Rt の光軸Lt は互いに平行である。つまり、出力X線である特性X線Rt は入射X線であるX線Rr に対して、図の上下方向に寸法Zだけ平行にずれた状態のX線ビームとして取り出される。また、取り出される特性X線Rt を使用する光学系、換言すれば、第2結晶1bの下流側に配設される光学系から見れば、光学的な疑似X線源F’は実際のX線源Fから縦方向にZ、横方向にYだけずれた所に位置することになる。また、従来のように、第2結晶1bを用いることなく第1結晶1aのみによってX線モノクロメータを構成するものとすれば、第1結晶1aで回折したX線は疑似集束点A’に集束する。
【0018】
図2に戻って、実施例の場合のゴニオメータユニット12は、粉末試料測定用のX線集束光学系、いわゆるブラック−ブレンターノ法を実現する光学系として構成されている。具体的には、ゴニオメータユニット12は、X線モノクロメータ1によって取り出される特性X線の進行路上に固定配置される発散スリット2と、粉末試料3を支持すると共に試料軸ωを中心として回転移動できるθ回転台6と、θ回転台6と同軸に且つ独立して回転移動できる2θ回転台7と、2θ回転台7から半径方向へ延びる検出器アーム8と、検出器アーム8の上に配置された受光スリット4と、受光スリット4よりもさらに下流側の検出器アーム8の上に配置されたX線検出手段としてのX線カウンタ5とを有している。θ回転台6には、回転駆動源としてのθ回転用モータ16が連結され、そして2θ回転台7には、回転駆動源としての2θ回転用モータ17が連結される。これらのモータは、ゴニオ駆動回路23からの指令によって作動する。
【0019】
X線カウンタ5は、例えばシンチレーションカウンタによって構成され、個々の回折角度(2θ)において回折X線が生じたときには、その回折X線の強度に対応する大きさの信号を出力し、その出力信号はX線強度演算回路21へ送られる。X線強度演算回路21はX線カウンタ5に取り込まれた回折X線の強度をX線カウンタ5の出力信号に基づいて演算し、その演算結果をメイン制御部22へ送る。
【0020】
メイン制御部22は、例えばコンピュータのCPU(中央処理装置)及びメモリを有している。このメイン制御部22は、メモリ内の所定の記憶場所に格納されたプログラムに従ってゴニオ駆動回路23へ指令を送る。ゴニオ駆動回路23はメイン制御部22からの指令に基づいてθ回転用モータ16及び2θ回転用モータ17を駆動する。具体的には、θ回転台6を試料軸線ωを中心として所定の角速度で連続又は間欠的に回転移動、いわゆるθ回転させる。そして同時に、2θ回転台7を試料軸線ωを中心としてθ回転の2倍の角速度で同じ方向へ同期回転移動、いわゆる2θ回転させる。メイン制御部22の出力ポートに接続されたCRTディスプレイ24及びプリンタ25は、それぞれ、ゴニオ駆動回路23によって測角されるX線回折角度(2θ)と、各回折角度においてX線強度演算回路21によって演算された回折X線強度との関係を表すグラフを、映像として表示したり、用紙上に印刷したりする。
【0021】
以上のように構成された本実施例に係るX線回折装置では、まず、X線源FからX線カウンタ5へ至る上記各種のX線要素の光軸が全て一致するように光軸調整する。光軸調整が完了すると、θ回転台6に試料、例えば粉末試料3が装着され、その後X線源FからX線が放射される。測定開始のタイミングが到来すると、θ回転台6従って試料3がθ回転を開始し、同時にそれと同期して2θ回転台7従ってX線カウンタ5及び受光スリット4が2θ回転を開始する。X線カウンタ5は、回折角度2θの個々の角度において試料3から回折X線が発生したときにその回折X線を受け入れてその強度に対応した信号をX線強度演算回路21へ送る。X線強度演算回路21はX線カウンタ5の出力信号に基づいてX線強度を演算し、その演算結果は、対応する回折角度(2θ)と共にCRTディスプレイ24上に回折線図形として映し出され、あるいはプリンタ25によって回折線図形としてハードコピーされる。この回折線図形において、どの回折角度(2θ)の位置にどのようなピーク波形が現れるか等を観察することにより、試料3の構成物質を判定する等といった種々の観察が行われる。
【0022】
本実施例では、完全結晶に比べてモザイク角度幅の広いパイロリテックグラファイトによって第1結晶1a及び第2結晶1bを形成し、しかもそれら2枚の結晶を互いに平行に対向して配置したので、第2結晶1bからは、(1)目的とする特性X線Rt が、(2)入射X線Rr と平行で同一の方向へ、(3)発散状態で取り出される。この場合の取り出されたX線発散角は各結晶1a及び1bのモザイク角度幅に対応した角度であり、このような発散角を有するX線は、例えば単結晶から成るチャンネルカットモノクロメータによって得られる単色化された平行X線ビームに比べてそのX線強度が非常に高い。従って、粉末試料3に関してバックグラウンドに影響されない鮮明なX線回折像が得られる。
【0023】
また、第2結晶1bからは集束ビームではなくて発散ビームが出力されるので、ゴニオメータユニット12は、現実のX線源Fの近傍に位置する疑似X線源F’を中心とする集中光学系として構成される。従来のように、1枚の結晶1aのみによってX線モノクロメータを構成すると、その結晶1aの下流側には集束点Aに集束する集束ビームしか得られないので、ゴニオメータユニット12はその集束点Aのさらに下流側にしか設置できなかった。つまり、本実施例の光学系と従来の光学系とを比較すると、従来の1枚結晶のX線モノクロメータを用いた場合の集束点Aから疑似X線源F’までの距離L分だけX線回折装置全体の寸法を小さくできる。
【0024】
さらに、X線回折装置に関して光軸調整を行う場合、従来のような1枚結晶のX線モノクロメータを用いた装置では、図4においてX線モノクロメータ51の中心軸線ψを中心としてX線源Fを比較的大きな角度で矢印E−E’方向へ旋回移動させて角度調整する必要があった。これに対して図2に示す本実施例では、X線モノクロメータ1へ入射する連続X線を含むX線Rr と出射する特性X線Rt が平行であるので、光軸調整の際にはX線源FをD−D’方向へわずかな距離だけ直線移動させるだけで良い。従って、光軸調整のための作業が非常に簡単である。
【0025】
図3は、本発明に係るX線モノクロメータの他の実施例を示している。ここに示したX線モノクロメータ11では、第1結晶11a及び第2結晶11bは平板ではなくて湾曲形状に形成されている。より具体的には、第1結晶11aのX線入射面は円筒状の凹面として形成され、第2結晶11bのX線入射面は円筒状の凸面として形成される。
【0026】
このような湾曲形状を採用すれば、第1結晶11aの湾曲面で回折する入射X線、すなわち連続X線を含むX線Rr の発散角θ2を平板結晶の場合の発散角θ1(図1)よりも大きくとることができる。このように発散角を大きくとることができれば、その分だけ取り出される特性X線のX線強度が強くなるということである。この高強度のX線を用いてX線回折測定を行えば、回折像をより鮮明に得ることができる。特に、第1結晶11a及び第2結晶11bのX線入射面を湾曲させれば、X線ビームの発散角を各結晶が持っているモザイク角度幅よりも大きくとることができる。
【0027】
以上、好ましい実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明はそれらの実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術的範囲内で種々に改変できる。例えば、X線源Fはラインフォーカスに限られずポイントフォーカスとすることもできる。また、X線モノクロメータの後段位置に設置されるX線光学系は、粉末試料を測定対象とするθ−2θ回転移動方式の上記の集束光学系に限られず、その他任意の構造のX線光学系とすることができる。但し、本発明のX線モノクロメータを用いれば、従来の1枚結晶のモノクロメータや単結晶チャンネルカットモノクロメータでは得ることができない、強度の強い単色の発散ビームが得られるから、それを有効に活用できるX線光学系を設置することが望ましい。
【0028】
【発明の効果】
本発明に係るX線モノクロメータ及び本発明に係るX線回折装置によれば、連続X線を含むX線を単色化して特性X線を形成できることはもとより、特性X線を集束ビームとしてではなくて、強度の強い発散ビームとして取り出すことができる。X線モノクロメータから集束ビームしか取り出せない場合は、X線モノクロメータの後段に設置するX線光学系はその集束ビームの集束点のさらに後方位置にしか設置できず、それ故、X線回折装置の全体形状が非常に大型になってしまう。これに対し、発散ビームを取り出すことができる本発明のX線モノクロメータによれば、現実のX線源に近い疑似X線源を中心としてX線光学系を構成できる。つまり、X線源から試料に至るX線通過経路を短くでき、これにより、X線回折装置の全体の形状を非常に小型にすることができる。
【0029】
本発明に係るX線モノクロメータ及び本発明に係るX線回折装置において、第1結晶のX線入射面を凹面とし、第2結晶のX線入射面を凸面とすれば、広い発散角の範囲で第1結晶によってX線を取り込むことができ、その結果、第2結晶から広い発散角を有するX線を取り出すことができ、よって、強度の強い特性X線を取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線モノクロメータの一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明に係るX線回折装置の一実施例を示す平面図である。
【図3】本発明に係るX線モノクロメータの他の実施例を示す断面図である。
【図4】従来のX線モノクロメータを用いたX線回折装置を示す平面図である。
【図5】結晶に関するモザイク角度幅を測定するためのX線測定系の一例を模式的に示す図である。
【図6】結晶に関するモザイク角度幅を示すグラフである。
【符号の説明】
1 X線モノクロメータ
1a 第1結晶
1b 第2結晶
2 発光スリット
3 試料
4 受光スリット
5 X線カウンタ
6 θ回転台
7 2θ回転台
8 検出器アーム
10 X線管
11 X線モノクロメータ
11a 第1結晶
11b 第2結晶
12 ゴニオメータユニット
13 フィラメント
14 ターゲット
16,17 モータ
F X線源
A,B X線収束点
Rr 連続X線
Rt 特性X線

Claims (8)

  1. 連続X線を含むX線から特性X線を取り出すためのX線モノクロメータにおいて、
    前記連続X線を含む前記X線が入射する位置に配置されていてモザイク結晶から成る第1結晶と、
    該第1結晶と該第1結晶によるX線の擬似集束点との間に配置され、前記第1結晶に対して実質的に平行に配置され、前記第1結晶で回折したX線が入射すると共にモザイク結晶から成る第2結晶とを有し、
    前記第1結晶および前記第2結晶のモザイク角度幅に対応する発散角で特性X線を取り出すこと
    を特徴とするX線モノクロメータ。
  2. 請求項1記載のX線モノクロメータにおいて、前記モザイク結晶のモザイク角度幅は、前記モザイク結晶に平行X線ビームを照射しながら該モザイク結晶を微小角度範囲内でω回転させたときに得られる回折線図形のω角度で見たときに、0.3°〜1°の範囲にあることを特徴とするX線モノクロメータ。
  3. 請求項1又は請求項2記載のX線モノクロメータにおいて、前記第1結晶及び前記第2結晶を形成するモザイク結晶はパイロリテックグラファイトによって形成されることを特徴とするX線モノクロメータ。
  4. 連続X線を含むX線から特性X線を取り出すためのX線モノクロメータにおいて、
    前記連続X線を含む前記X線が入射する位置に配置されていてモザイク結晶から成る第1結晶と、
    該第1結晶と該第1結晶によるX線の擬似集束点との間に配置され、前記第1結晶に対して実質的に平行に配置され、前記第1結晶で回折したX線が入射すると共にモザイク結晶から成る第2結晶とを有し、
    前記第1結晶のX線入射面は円筒状の凹面として形成され、前記第2結晶のX線入射面は円筒状の面として形成されることを特徴とするX線モノクロメータ。
  5. 連続X線を含むX線を発生するX線源と、前記連続X線を含む前記X線から特性X線を取り出すためのX線モノクロメータと、該X線モノクロメータによって取り出されたX線を試料に照射して回折させ回折したX線をX線検出手段によって検出するようにしたX線光学系とを有するX線回折装置において、
    前記X線モノクロメータは、
    前記連続X線を含む前記X線が入射する位置に配置されていてモザイク結晶から成る第1結晶と、
    該第1結晶と該第1結晶によるX線の擬似集束点との間に配置され、前記第1結晶に対して実質的に平行に配置され、前記第1結晶で回折したX線が入射すると共にモザイク結晶から成る第2結晶とを有し、
    前記第1結晶および前記第2結晶のモザイク角度幅に対応する発散角で特性X線を取り出すこと
    を特徴とするX線回折装置。
  6. 請求項5記載のX線回折装置において、前記モザイク結晶のモザイク角度幅は、前記モザイク結晶に平行X線ビームを照射しながら該モザイク結晶を微小角度範囲内でω回転させたときに得られる回折線図形のω角度で見たときに、0.3°〜1°の範囲にあることを特徴とするX線回折装置。
  7. 請求項5又は請求項6記載のX線回折装置において、前記第1結晶及び前記第2結晶を形成するモザイク結晶はパイロリテックグラファイトによって形成されることを特徴とするX線回折装置。
  8. 連続X線を含むX線を発生するX線源と、前記連続X線を含む前記X線から特性X線を取り出すためのX線モノクロメータと、該X線モノクロメータによって取り出されたX線を試料に照射して回折させ回折したX線をX線検出手段によって検出するようにしたX線光学系とを有するX線回折装置において、
    前記X線モノクロメータは、
    前記連続X線を含む前記X線が入射する位置に配置されていてモザイク結晶から成る第1結晶と、
    該第1結晶と該第1結晶によるX線の擬似集束点との間に配置され、前記第1結晶に対して実質的に平行に配置され、前記第1結晶で回折したX線が入射すると共にモザイク結晶から成る第2結晶とを有し、
    前記第1結晶のX線入射面は円筒状の凹面として形成され、前記第2結晶のX線入射面は円筒状の凸面として形成されることを特徴とするX線回折装置。
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