JP3734366B2 - X線分析装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、試料の入射側のモノクロメータとして2個の楕円モノクロメータを組み合わせた複合モノクロメータを利用しているX線分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最初に、「楕円モノクロメータ」「楕円弧面」「焦点軸線」などの用語の意味を説明する。図5において、3次元の直交座標軸XYZを空間上に設定して、XY平面上に楕円10を描く。この楕円10の一部からなる曲線12を考え、これを、以下、楕円弧と呼ぶことにする。この楕円弧12をZ方向(楕円弧12を含む平面に垂直な方向)に平行移動すると、その移動軌跡は曲面14になり、これを、以下、楕円弧面と呼ぶことにする。楕円弧12の二つの焦点F1、F2をZ方向に平行移動すると、その軌跡は焦点軸線20、22となる。楕円弧面14の焦点軸線20、22はZ軸に平行になる。楕円弧面14の任意の位置において法線を引くと、その法線は常にXY平面に対して平行になる。座標軸と楕円弧面14がこのような位置関係にあるときに、この楕円弧面14は「焦点軸線がZ軸に平行な楕円弧面」と表現することができる。そして、反射面が楕円弧面になっているようなモノクロメータを、以下、楕円モノクロメータと呼ぶことにする。
【0003】
次に、楕円モノクロメータの働きについて説明する。図6において、焦点軸線がX軸に平行な楕円モノクロメータ24を考える。図6の紙面はYZ平面に平行である。この楕円モノクロメータ24の反射面26は、図6の紙面上で楕円弧になる。「幾何光学的」に考えれば、この楕円弧の一方の焦点F1に光源を置くと、この光源を出た光は、反射面26で反射してから、もう一方の焦点F2に集束する。
【0004】
これがX線の場合には次のようになる。一方の焦点F1にX線源を置くと、このX線源を出たX線は、反射面26に到達したときに、反射面26に対する入射角θとX線の波長λと反射面の格子面間隔dとがブラッグの回折条件を満たしたときだけ反射する。そして、他方の焦点F2に集束する。なお、回折に寄与する結晶格子面は反射面26に平行になっているものとする。
【0005】
ところで、楕円モノクロメータ24の反射面26のどの位置にX線が入射するかによって反射面26に対するX線の入射角θは異なってくる。したがって、反射面26のすべての位置でブラッグの回折条件を満足させるためには、楕円弧に沿って(すなわち入射角θが変化するにつれて)格子面間隔を変化させる必要がある。そこで、X線用の楕円モノクロメータは、格子面間隔が連続的に変化するように人工多層膜で作られている。このように格子面間隔が連続的に変化しているものを、以下、傾斜格子面間隔と呼ぶ。
【0006】
図7は傾斜格子面間隔の楕円モノクロメータの働きを示す原理図である。X線源32から出たX線が楕円モノクロメータ24の反射面26のA点に入射するときには入射角はθ1であり、A点での格子面間隔はd1である。B点に入射するときには入射角はθ2であり、A点での格子面間隔はd2である。X線の波長をλとすると、A点でのブラッグの回折条件は、2・d1・sinθ1=λであり、B点でのブラッグの回折条件は、2・d2・sinθ2=λである。X線源32と楕円モノクロメータ24との相対位置関係をあらかじめ定めておけば、楕円モノクロメータ24の反射面26の各位置での入射角θは計算で求めることができ、その入射角θに対してブラッグの回折条件を満足するような格子面間隔dも計算で求めることができる。
【0007】
このような傾斜格子面間隔の楕円モノクロメータを使用することで、特定の波長のX線に対して、反射面のどの位置にX線が当たっても、常に回折条件を満足させることが可能になり、他方の焦点F2に特定波長のX線が集束するようになっている。ところで、このような人工多層膜で作られた楕円モノクロメータ自体は公知である。
【0008】
図6において、焦点F1を出たX線のうち、発散角αの範囲内にあるX線が楕円モノクロメータ24の反射面26で反射して、他方の焦点F2上に、集束角βで集束することになる。このような集束効果により、所定の発散角のX線が有効に利用され、楕円モノクロメータがない場合と比べて、焦点F2上のX線強度が格段に増加する。また、これと同時に、楕円モノクロメータ24によってX線の単色化がなされる。
【0009】
図6ではYZ平面内で発散するX線の集束を考えたが、「焦点軸線がY軸に平行な楕円モノクロメータ」を利用すれば、ZX平面内で発散するX線の集束が可能になる。したがって、「焦点軸線がX軸に平行な楕円モノクロメータ」と「焦点軸線がY軸に平行な楕円モノクロメータ」の両方をX線源と試料の間に配置すれば、YZ平面内での発散とZX平面内での発散の両方を集束させることができる。この場合、「焦点軸線がY軸に平行な楕円モノクロメータ」のひとつの焦点位置にX線源を配置し、かつ、「焦点軸線がX軸に平行な楕円モノクロメータ」のひとつの焦点位置にX線源を配置する必要がある。
【0010】
X方向とY方向の両方でX線を集束させることのできる楕円モノクロメータ・システムとしては図8(A)に示すような順次配置が一般的である。すなわち、X線源32から出たX線は、最初に第1の楕円モノクロメータ34(焦点軸線がX軸に平行な楕円モノクロメータ)で反射してYZ平面内での発散が集束し、次に第2の楕円モノクロメータ36(焦点軸線がY軸に平行な楕円モノクロメータ)で反射してZX平面内での発散が集束する。
【0011】
別の配置としては、図8(B)に示すようなサイド・バイ・サイド(Side‐by‐Side)の配置構造が知られている。このサイド・バイ・サイドの楕円モノクロメータ・システムは、第1の楕円モノクロメータ38(焦点軸線がX軸に平行な楕円モノクロメータ)と第2の楕円モノクロメータ40(焦点軸線がY軸に平行な楕円モノクロメータ)を、その側縁同士が接するように組み合わせたものである。X線源32から出たX線は、第1の楕円モノクロメータ38と第2の楕円モノクロメータ40のいずれか一方に当たって反射し、すぐ次に、もう一方の楕円モノクロメータで反射してから集束する。X線が二つの楕円モノクロメータ38、40で順番に反射するためには、X線源32から入射するX線が、この複合モノクロメータに対して、最初に、斜線で示す範囲42に当たる必要がある。このように、このサイド・バイ・サイドの構造の複合モノクロメータは、組み合わせた隅部の近傍での順次反射を利用している。
【0012】
図9(A)は、図8(B)をX方向から見た投影図であり、図9(B)は図8(B)をY方向から見た投影図である。図9(A)と図9(B)において、X線源32を出たX線は、第1の楕円モノクロメータ38の反射面のC点で反射してから、第2の楕円モノクロメータ40の反射面のD点で反射して、集束点44に集束する。
【0013】
もう一つの経路としては、図10(A)と図10(B)に示すように、X線源32を出たX線は、最初に第2の楕円モノクロメータ40の反射面のE点で反射してから、第1の楕円モノクロメータ38の反射面のF点で反射して、集束点44に集束する。
【0014】
図8(B)において、X方向から見たときは、第1の楕円モノクロメータ38の一方の焦点の位置にX線源32があり、他方の焦点の位置に集束点44がある。そして、Y方向から見たときは、第2の楕円モノクロメータ40の一方の焦点の位置にX線源32があり、他方の焦点の位置に集束点44がある。
【0015】
ところで、図8(B)において、斜線で示す範囲42以外の位置に最初にX線が当たった場合には、そこで反射したX線は、他方の楕円モノクロメータにはもはや当たらない。このような反射X線は、集束点44には到達しない。例えば、第1の楕円モノクロメータ38の反射面のうちの範囲42以外の領域で最初に反射したX線は、ライン46(X軸に平行なライン)上に集束する。また、第2の楕円モノクロメータ40の反射面のうちの範囲42以外の領域で最初に反射したX線は、ライン48(Y軸に平行なライン)上に集束する。そして、ライン46の延長線とライン48の延長線の交点上に集束点44が存在する。この集束点44の位置に試料を置けば、YZ平面内及びZX平面内の両方で集束されたX線だけが試料に照射されることになる。
【0016】
図8(A)に示す順次配置の複合モノクロメータは、取り込むX線の発散角に関して、YZ平面内での発散角とZX平面内での発散角とが異なる。これに対して、図8(B)に示すサイド・バイ・サイドの複合モノクロメータは、X線源32と二つのモノクロメータ38、40との距離が等しいので、取り込めるX線の発散角に関して、YZ平面内での発散角とZX平面内での発散角とが等しくなる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
図11はX線源の焦点サイズの影響を説明した図面である。楕円モノクロメータ24の反射面の一方の焦点にX線源32を配置した場合、X線源32から出たX線は楕円モノクロメータ24の反射面のA点に入射角θで入射する。この場合、楕円モノクロメータ24の反射面の楕円弧に沿った位置のどこにX線が当たるかによって入射角θの値は異なる。楕円モノクロメータ24は傾斜格子面間隔になっているので、任意のA点における格子面間隔dとX線の波長λと入射角θは上述のようにブラッグの回折条件を満足している。ところで、X線源32は、A点から見ると、見かけの焦点サイズDをもっており、それゆえにA点における入射角θはある程度の角度幅Δθ(入射角のバラツキ)をもっている。この角度幅Δθに関して、X線源32からA点までの距離をS、X線源32の見かけの焦点サイズをDとすると、次の(1)式が成立する。
【数1】
D/2=S・sin(Δθ/2) … (1)
【0018】
ここで、Δθは微小であるから、Δθの単位をラジアンとすると、sin(Δθ/2)は、ほぼΔθ/2に等しくなり、次の(2)式が成立する。
【数2】
D=S・Δθ … (2)
【0019】
次に、モノクロメータの波長選択性について説明する。A点に入射するX線の入射角θとそこからの回折X線(反射X線)の強度との関係は図12に示すグラフのようになる。このグラフの横軸は入射角θであり、縦軸は回折X線の強度である。人工多層膜のモノクロメータの場合、得られる回折ピークの半値幅εは0.001ラジアン程度である。すなわち、入射X線の入射角θのバラツキΔθがこの半値幅εよりも大きくなると、半値幅εを外れた入射角度で入射したX線はブラッグの回折条件を満足しなくなり、回折強度に寄与しなくなる。
【0020】
上述の(2)式において、Δθの値として上述の半値幅ε=0.001ラジアンを代入し、焦点サイズの値として例えばD=0.5mmを代入すると、X線源からA点までの距離Sは500mmとなる。すなわち、見かけの焦点サイズDが0.5mmのX線源を用いた場合に、このX線源からのX線がA点に入射するときの入射角θのバラツキΔθが、モノクロメータの上述の半値幅εの範囲内に収まるためには、X線源からA点までの距離Sを500mm以上にしなければならないことが分かる。これよりも距離Sを短くすると、X線の焦点サイズに起因する入射角のバラツキΔθが半値幅εよりも大きくなって、A点に入射するX線の一部はブラッグの回折条件を満足しなくなり、もはや回折X線の強度に寄与しなくなる。ゆえに、図11において、楕円モノクロメータ24に入射するX線ビームの強度を有効に利用するためには、距離Sは500mm以上にしなければならない。そして、楕円モノクロメータ24の反射面のすべての地点で距離Sを500mm以上にするためには、X線源32と楕円モノクロメータ24との最短距離を500mm以上にしなければならないことになる。
【0021】
一方、楕円モノクロメータ24で捕捉できるX線の発散角αについて検討すると、X線源32と楕円モノクロメータ24との距離が大きくなればなるほど発散角αは小さくなり、距離が小さくなればなるほど発散角αは大きくなる。そして、発散角αが大きくなればなるほど、楕円モノクロメータ24で集束したX線の強度が大きくなる。ゆえに、集束X線の強度を大きくする観点からは、X線源32と楕円モノクロメータ24との距離は小さいほうがよい。しかしながら、上述のように、X線源の見かけの焦点サイズDに起因する入射角のバラツキΔθを上述の半値幅εの範囲内に収めるためには、X線源32と楕円モノクロメータ24との距離は大きくせざるを得ない。
【0022】
結局、これまでは、楕円モノクロメータを使うにしても、集束X線の強度を高めるために上述のような相反する条件が存在していて、X線の集束強度を向上させるのに限界があった。
【0023】
この発明は上述の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、楕円モノクロメータを利用してX線を試料上に集束させる場合において、従来よりも強度の強いX線を試料に照射できるようにすることにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
この発明のX線分析装置は、特定構造の複合モノクロメータとマイクロフォーカスX線源とを組み合わせたことに特徴がある。すなわち、この発明は、X線源から出射するX線ビームをモノクロメータで反射してから試料に照射するX線分析装置において、次の特徴を備えている。(ア)前記X線源をマイクロフォーカスX線源とする。(イ)前記モノクロメータは、第1の楕円モノクロメータと第2の楕円モノクロメータとで構成した複合モノクロメータである。(ウ)前記第1の楕円モノクロメータの反射面は、焦点軸線が一方向に平行な楕円弧面であり、前記第2の楕円モノクロメータの反射面は、焦点軸線が他方向に平行な楕円弧面であり、前記第1の焦点軸線と前記第2の焦点軸線とが互いにほぼ直交している。(エ)前記第1の楕円モノクロメータの一つの側縁と前記第2の楕円モノクロメータの一つの側縁は互いに接している。(オ)前記一方向から見たときに、前記第1の楕円モノクロメータの第1焦点の位置にX線源が配置されている。(カ)前記他方向から見たときに、前記第2の楕円モノクロメータの第1焦点の位置にX線源が配置されている。(キ)前記第1の楕円モノクロメータと前記第2の楕円モノクロメータは人工多層膜で形成され、この人工多層膜は、回折に寄与する結晶格子面が反射面に平行になっていて、かつ、特定の波長のX線に対して反射面の任意の位置でブラッグの回折条件を満足するように楕円弧に沿って前記結晶格子面の格子面間隔が連続的に変化している。
【0025】
前記(ア)の特徴における「マイクロフォーカス」X線源は、X線源の見かけの焦点サイズが非常に小さいものであり、その焦点サイズは30μm以下である。前記(ウ)の特徴における「ほぼ直交」とは90度±10度程度である。理想的には、二つの楕円モノクロメータの焦点軸線は互いに直交しているのが望ましいが、製作誤差その他の要因で、直交からずれても、±10度程度の範囲内であれば、実用上許容できる。前記(エ)の特徴において二つの楕円モノクロメータは、その「側縁」同士が互いに接しているが、側縁同士がその長さ方向にぴったり合致していなくても、側縁の長さ方向に多少(楕円モノクロメータの長さの4分の1程度まで)ずれた状態で接していても構わない。前記(オ)の特徴において、楕円モノクロメータの第1焦点の位置にX線源を配置しているが、試料は楕円モノクロメータの第2焦点の位置またはその光軸方向の近傍に配置することになる。試料は第2焦点の位置に厳密に配置する必要はなく、モノクロメータからのX線が当たる限りにおいて、第2焦点の近傍(具体的には光軸方向の近傍)に配置することができる。
【0026】
見かけの焦点サイズが30μm以下のマイクロフォーカスX線源自体は公知である。このようなマイクロフォーカスX線源は、従来は、(1)試料の微小部にX線源を近づけて試料の透過拡大像を得る用途や、(2)X線源から出るX線をキャピラリで集光して微小スポットのX線を試料に当てながら試料及び2次元検出部をスキャンして試料を観察する用途(X線顕微鏡)などに使われている。
【0027】
この発明は、人工多層膜製の2個の楕円モノクロメータを組み合わせた複合モノクロメータと、マイクロフォーカスX線源とを組み合わせることで、マイクロフォーカスX線源の特徴(見かけの焦点サイズが非常に小さいこと)を生かして、試料上のX線強度を高めることに成功した。焦点サイズが30μm以下のマイクロフォーカスX線源を使うことで、X線源とモノクロメータとの距離をかなり近づけても、X線源の焦点サイズに起因する入射角のバラツキΔθが、楕円モノクロメータによる回折ピークの半値幅εの範囲内に収まるようになり、楕円モノクロメータに到達したX線を無駄なく活用できるようになった。そして、X線源と楕円モノクロメータとの距離を近づけることが可能になったおかげで、楕円モノクロメータに入射するX線の捕捉角αを大きくできて(例えば、捕捉する立体角を0.0005ステラジアン以上にできて)、第2焦点上でX線強度を従来よりも飛躍的に高めることができた。
【0028】
X線源の見かけの焦点サイズとは、楕円モノクロメータから見たときのX線源の投影形状において、その最大の差し渡し寸法のことを言うものとする。この発明は、X線源の見かけの焦点サイズを30μm以下にすることが効果的であり、好ましくは20μm以下、さらに好ましくは、見かけの焦点サイズを10μm程度にする。
【0029】
この発明によれば、X線源のターゲットの焦点と複合モノクロメータとの最短距離を50mm以下にすることができ、より好ましくは30mm以下にすることができる。さらに好ましくは、上述の最短距離は10〜20mm程度にすることができる。なお、上述の最短距離のとりうる下限値は、一般的には、X線管の構造上の制約に依存することになる。
【0030】
この発明で使う楕円モノクロメータは、極端に偏平な形状になっており、こうすることで、X線源(楕円の焦点の位置に配置することになる)を楕円モノクロメータに近づけることができる。
【0031】
この発明のX線分析装置は、X線源から試料に至るまでのX線光学系に特徴があり、試料から検出器に至るまでの光学系については特に限定していない。例えば、マイクロフォーカスX線源からのX線を複合モノクロメータで集束して試料に照射して、試料からの回折X線を検出するようにすれば、この発明のX線分析装置はX線回折装置になる。また、試料からの蛍光X線を検出するようにすれば、この発明のX線分析装置は蛍光X線分析装置になる。
【0032】
【実施例】
図1は、この発明の第1実施例の斜視図である。X線源32と試料50との間にサイド・バイ・サイドの構造の複合モノクロメータ52を配置している。この複合モノクロメータ52は、第1の楕円モノクロメータ38と第2の楕円モノクロメータ40とをその側縁で接合したものである。この複合モノクロメータ52の基本的な構造は、図8(B)に示したものと同じである。第1の楕円モノクロメータ38は焦点軸線がX軸に平行であり、第2の楕円モノクロメータ40は焦点軸線がY軸に平行である。
【0033】
X線源32の見かけの焦点サイズDは10μmである。見かけの焦点サイズDを10μmにするには、図2(A)に示すように、X線管のターゲット54面上の焦点55のサイズを直径10μmにして、ここから適切な取り出し角度(例えば6度)でX線を取り出せばよい。あるいは、図2(B)に示すように、X線管のターゲット54面上での焦点55を細長い形状にして、その幅を10μmにし、焦点55の長手方向にX線を取り出すようにしてもよい(いわゆるポイント取り出し)。この場合も見かけの焦点サイズを10μmにすることができる。この実施例で使用しているX線管は、ターゲット材質がCuであり、その特性X線(CuKα、その波長は0.154nm)を利用している。この発明はX線の集束効率がすぐれているので、X線管の出力はそれほど大きくしなくてもよく、この実施例ではX線管として固定ターゲットを使用していて、その出力は約7Wである。
【0034】
次に、楕円モノクロメータの楕円弧の具体的な形状について説明する。楕円モノクロメータ38を構成する楕円56は、図3に示すように、二つの焦点F1、F2の間の距離Lは300mmである。焦点F1から楕円56までの最短距離をp/2とすると、p=0.03mmである。すなわち、Lはpの1万倍もあり、極端に偏平な楕円になっている。もう一方の楕円モノクロメータ40も同じ形状である。
【0035】
図3(X方向の投影図である)において、焦点F1の位置にX線源を配置し、焦点F2の位置(あるいはその光軸方向の近傍)に試料を配置することになる。焦点F1とF2を通る直線の方向をu方向、それに垂直な方向をv方向と定めると、焦点F1から楕円モノクロメータ38までのu方向の距離L1は15mmである。楕円モノクロメータ38のu方向の寸法L2は40mmである。楕円モノクロメータ38から焦点F2までのu方向の距離L3は245mmである。焦点F1から楕円モノクロメータ38の中心までのu方向の距離L4は35mmであり、焦点F2から楕円モノクロメータ38の中心までのu方向の距離L5は265mmである。L1+L2+L3=L4+L5=L=300mmである。
【0036】
次の表1は、楕円モノクロメータ38の楕円弧の座標と傾斜格子面間隔についての数値例である。焦点F1を座標の原点とした場合の楕円弧の座標u、v(単位はmm)と、焦点F1にX線源を置いたときのX線の入射角θ(単位は度)と、格子面間隔d(単位はnm:ナノメータ)とを表わしている。
【0037】
【表1】
【0038】
表1から、楕円弧に沿って入射角θと格子面間隔dとが連続的に変化していく様子が分かる。焦点F1に一番近いから楕円モノクロメータ38において焦点F1に一番近い地点は、u=15mm、v=0.9251mmの地点である。この最短地点と焦点F1との距離L6を計算すると、L6=(u2+v2)1/2=15.03mmになる。そして、この最短距離L6のところで、上述の(2)式を用いて入射角のバラツキΔθを計算すると、Δθ=D/L6=0.01÷15.03=0.00067ラジアンとなる。このΔθの値は、人工多層膜のモノクロメータの半値幅ε=0.001よりも小さくなっている。最短地点よりも遠い位置での入射角のバラツキΔθは上述の値よりももっと小さくなるので問題はない。したがって、楕円モノクロメータに当たった特定波長のX線は、そのすべてが有効に反射することになる。
【0039】
次に、この複合モノクロメータのX線捕捉状況を説明する。表1に示す楕円モノクロメータに入射するX線の発散角αは、後述の方法で計算をすると1.82度になる。X線の集束角βは0.15度である。上述の発散角αの単位をラジアンに直すと、0.0318ラジアンになる。第1の楕円モノクロメータでYZ平面内での発散角αy=0.0318ラジアンが捕捉され、第2の楕円モノクロメータでZX平面内での発散角αx=0.0318ラジアンが捕捉される。これにより、複合モノクロメータで捕捉できるX線の立体角αMは、αM=αx・αy=0.001ステラジアンになる。
【0040】
この複合モノクロメータを使うと、X線源の見かけの焦点サイズDが0.01mmであるのに対して、試料上に集束するX線のスポット・サイズは0.2mmになる。試料を置く位置については、楕円モノクロメータの第2焦点の位置(基準位置)に対して、測定条件(試料のサイズ、必要強度等)に応じて、基準位置よりも光軸上の前後の必要な位置に置くことができる。
【0041】
上述の表1のような傾斜格子面間隔を備える人工多層膜は、一般的に重元素と軽元素を積層して作ることができ、例えば、タングステン(W)とシリコン(Si)とを積層して作ることができる。あるいは、タングステン(W)と炭化ホウ素(B4C)とを積層して作ることができる。その積層周期が格子面間隔に相当する。各層の厚さの分配はさまざまに変えることができる。X線反射用の人工多層膜の構造及びその製造方法については、例えば特公平6−46240号公報に開示されている。
【0042】
上述の表1から分かるように、楕円モノクロメータへのX線の入射角θは1〜2度程度の小さい値である。人工多層膜の格子面間隔dは2〜4nm程度である。
【0043】
次に、楕円モノクロメータに入射するX線の発散角αを計算する方法を説明する。図3において、モノクロメータ38の楕円弧の座標(u、v)を考えると、楕円の方程式から、vをuの関数で記述して、次の(3)式が成り立つ。
【数3】
【0044】
そして、図3において、L1=G、L1+L2=Hとおくと、発散角αは次の(4)式で計算できる。ここで、関数fは上述の(3)式を用いる。
【数4】
α=cos‐1[(GH+f(G)f(H))/{(G2+f(G)2)1/2(H2+f(H)2)1/2}] …(4)
【0045】
図4は、この発明の第2実施例の斜視図である。その基本的な構成は図1の実施例と同じであるが、楕円モノクロメータの設計値が異なっている。この複合モノクロメータ52aの長さは60mmであり、X線源32(第1焦点の位置にある)から試料50(第2焦点の位置にある)までの距離は100mmである。この実施例では、複合モノクロメータ52aから試料50までの距離が第1実施例の場合と比較して短くなっており、第1実施例と同じX線源を使った場合に、試料50上の集束X線のスポット・サイズは0.047mmまで小さくなる。すなわち、微小試料のX線分析が可能になる。
【0046】
この第2実施例の複合モノクロメータについて、その楕円形状を図3に示す符号を参照して説明すると、p=0.022mm、L=100mm、L1=17mm、L2=60mm、L3=23mm、L4=47mm、L5=53mmとなる。この場合、Lはpの4545倍になる。次の表2は、この第2実施例における、表1と同様の設計値である。
【0047】
【表2】
【0048】
この第2実施例では、楕円モノクロメータに入射するX線の発散角αは2.0度になり、第2焦点に集束するX線の集束角βは1.6度になる。
【0049】
次に、第3実施例を説明する。第3実施例は、図3において、p=0.065mm、L=400mm、L1=40mm、L2=60mm、L3=300mm、L4=70mm、L5=330mmである。第2焦点上の集束X線のスポット・サイズは0.2〜0.25mmである。次の表3は、この第3実施例における、表1と同様の設計値である。
【0050】
【表3】
【0051】
この第3実施例では、楕円モノクロメータに入射するX線の発散角αは1.31度になる。これをラジアンに直すと、0.0229ラジアンになる。第1の楕円モノクロメータでYZ平面内での発散角αy=0.0229ラジアンが捕捉され、第2の楕円モノクロメータでZX平面内での発散角αx=0.0229ラジアンが捕捉される。これにより、この複合モノクロメータで捕捉できるX線の立体角αMは、αM=αx・αy=0.00052ステラジアンになる。
【0052】
これまでは楕円モノクロメータについて説明してきたが、楕円モノクロメータを放物線モノクロメータに変更することも可能である。その場合の一例を以下に説明する。図13は放物線モノクロメータの放物線の形状の説明図である。放物線モノクロメータ60を構成する放物線62は焦点がひとつであり、焦点Fから放物線62までの最短距離をp/2とすると、p=0.026mmである。焦点Fの位置にマイクロフォーカスX線源を配置する。モノクロメータから出てくるX線は平行X線束となる。したがって、試料を光軸上のどこにおいても試料に当たるX線の強度は変化しない。図のようにu方向とv方向と定めると、焦点Fから放物線モノクロメータ60までのu方向の距離L1は15mmである。楕円モノクロメータ60のu方向の寸法L2は40mmである。このような形状の2個の楕円モノクロメータを図1のように組み合わせて複合モノクロメータとして用いる。使用するX線源の見かけの焦点サイズは10μmであり、試料に当たるX線のスポットサイズは直径0.8mmである。
【0053】
次の表4は、放物線モノクロメータ60の放物線の座標と傾斜格子面間隔についての数値例である。焦点Fを座標の原点とした場合の楕円弧の座標u、v(単位はmm)と、焦点FにX線源を置いたときのX線の入射角θ(単位は度)と、格子面間隔d(単位はnm:ナノメータ)とを表わしている。
【0054】
【表4】
【0055】
本発明の範囲(マイクロフォーカスX線源の焦点サイズ、X線源の焦点からモノクロメータまでの最短距離、モノクロメータが捕捉する立体角等)内において、第1と第2のモノクロメータは図8(A)に示す方向にずらすことができる。その場合、捕捉する立体角がX方向とY方向とで異なるので、モノクロメータから出射するX線強度分布は変形するが、測定条件(試料のサイズや配置位置、必要なX線強度等)によっては、図8(B)に示すような「ずらしていないモノクロメータ」と同様の効果が期待できる。
【0056】
【発明の効果】
この発明のX線分析装置は、特定の入射側モノクロメータとマイクロフォーカスのX線源とを組み合わせることにより、試料に集束するX線の強度を高めることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例の斜視図である。
【図2】マイクロフォーカスのX線源の斜視図である。
【図3】楕円モノクロメータの楕円の形状の説明図である。
【図4】この発明の第2実施例の斜視図である。
【図5】楕円モノクロメータの定義を説明する斜視図である
【図6】楕円モノクロメータの働きを説明する側面図である。
【図7】傾斜格子面間隔のモノクロメータの原理図である。
【図8】順次配置の構造及びサイド・バイ・サイドの構造の楕円モノクロメータの斜視図である。
【図9】サイド・バイ・サイドの構造の楕円モノクロメータによる反射を示すX方向とY方向の投影図である。
【図10】サイド・バイ・サイドの構造の楕円モノクロメータによる別の反射を示すX方向とY方向の投影図である。
【図11】X線源の焦点サイズの影響を示す側面図である。
【図12】人工多層膜による回折ピークのグラフである。
【図13】放物線モノクロメータの放物線の形状の説明図である。
【符号の説明】
32 X線源
38 第1の楕円モノクロメータ
40 第2の楕円モノクロメータ
44 集束点
50 試料
52 複合モノクロメータ
54 ターゲット
55 ターゲットの焦点
Claims (8)
- X線源から出射するX線ビームをモノクロメータで反射してから試料に照射するX線分析装置において、次の特徴を備えるX線分析装置。
(ア)前記X線源をマイクロフォーカスX線源とする。
(イ)前記モノクロメータは、第1の楕円モノクロメータと第2の楕円モノクロメータとで構成した複合モノクロメータである。
(ウ)前記第1の楕円モノクロメータの反射面は、焦点軸線が一方向に平行な楕円弧面であり、前記第2の楕円モノクロメータの反射面は、焦点軸線が他方向に平行な楕円弧面であり、前記第1の焦点軸線と前記第2の焦点軸線とが互いにほぼ直交している。
(エ)前記第1の楕円モノクロメータの一つの側縁と前記第2の楕円モノクロメータの一つの側縁は互いに接している。
(オ)前記一方向から見たときに、前記第1の楕円モノクロメータの第1焦点の位置にX線源が配置されている。
(カ)前記他方向から見たときに、前記第2の楕円モノクロメータの第1焦点の位置にX線源が配置されている。
(キ)前記第1の楕円モノクロメータと前記第2の楕円モノクロメータは人工多層膜で形成され、この人工多層膜は、回折に寄与する結晶格子面が反射面に平行になっていて、かつ、特定の波長のX線に対して反射面の任意の位置でブラッグの回折条件を満足するように楕円弧に沿って前記結晶格子面の格子面間隔が連続的に変化している。 - X線源から出射するX線ビームをモノクロメータで反射してから試料に照射するX線分析装置において、次の特徴を備えるX線分析装置。
(ア)前記X線源の見かけの焦点サイズは30μm以下である。
(イ)前記モノクロメータは、第1の楕円モノクロメータと第2の楕円モノクロメータとで構成した複合モノクロメータである。
(ウ)空間上に3次元の直交座標軸XYZを仮定すると、前記第1の楕円モノクロメータの反射面は、焦点軸線がX方向に平行な楕円弧面であり、前記第2の楕円モノクロメータの反射面は、焦点軸線がY方向に平行な楕円弧面である。
(エ)前記第1の楕円モノクロメータの一つの側縁と前記第2の楕円モノクロメータの一つの側縁は互いに接している。
(オ)X方向から見たときに、前記第1の楕円モノクロメータの第1焦点の位置にX線源が配置されている。
(カ)Y方向から見たときに、前記第2の楕円モノクロメータの第1焦点の位置にX線源が配置されている。
(キ)前記第1の楕円モノクロメータと前記第2の楕円モノクロメータは人工多層膜で形成され、この人工多層膜は、回折に寄与する結晶格子面が反射面に平行になっていて、かつ、特定の波長のX線に対して反射面の任意の位置でブラッグの回折条件を満足するように楕円弧に沿って前記結晶格子面の格子面間隔が連続的に変化している。 - 請求項1または2に記載のX線分析装置において、前記第1の楕円モノクロメータの第2焦点の位置またはその光軸方向の近傍に試料が配置され、前記第2の楕円モノクロメータの第2焦点の位置またはその光軸方向の近傍に試料が配置されることを特徴とするX線分析装置。
- 請求項1または2に記載のX線分析装置において、前記X線源のターゲットの焦点から前記複合モノクロメータまでの最短距離が50mm以下であることを特徴とするX線分析装置。
- 請求項1または2に記載のX線分析装置において、前記X線源のターゲットの焦点から前記複合モノクロメータまでの最短距離が30mm以下であることを特徴とするX線分析装置。
- 請求項1に記載のX線分析装置において、前記複合モノクロメータが捕捉するX線の立体角は0.0005ステラジアン以上であることを特徴とするX線分析装置。
- 請求項1または2に記載のX線分析装置において、前記X線源の見かけの焦点サイズは20μm以下であることを特徴とするX線分析装置。
- X線源から出射するX線ビームをモノクロメータで反射してから試料に照射するX線分析装置において、次の特徴を備えるX線分析装置。
(ア)前記X線源をマイクロフォーカスX線源とする。
(イ)前記モノクロメータは、第1の放物線モノクロメータと第2の放物線モノクロメータとで構成した複合モノクロメータである。
(ウ)前記第1の放物線モノクロメータの反射面は、焦点軸線が一方向に平行な放物面であり、前記第2の放物線モノクロメータの反射面は、焦点軸線が他方向に平行な放物面であり、前記第1の焦点軸線と前記第2の焦点軸線とが互いにほぼ直交している。
(エ)前記第1の放物線モノクロメータの一つの側縁と前記第2の放物線モノクロメータの一つの側縁は互いに接している。
(オ)前記一方向から見たときに、前記第1の放物線モノクロメータの焦点の位置にX線源が配置されている。
(カ)前記他方向から見たときに、前記第2の放物線モノクロメータの焦点の位置にX線源が配置されている。
(キ)前記第1の放物線モノクロメータと前記第2の放物線モノクロメータは人工多層膜で形成され、この人工多層膜は、回折に寄与する結晶格子面が反射面に平行になっていて、かつ、特定の波長のX線に対して反射面の任意の位置でブラッグの回折条件を満足するように放物線に沿って前記結晶格子面の格子面間隔が連続的に変化している。
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