JP2002292659A - 光学フィルム及びその製造方法 - Google Patents

光学フィルム及びその製造方法

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JP2002292659A
JP2002292659A JP2001099231A JP2001099231A JP2002292659A JP 2002292659 A JP2002292659 A JP 2002292659A JP 2001099231 A JP2001099231 A JP 2001099231A JP 2001099231 A JP2001099231 A JP 2001099231A JP 2002292659 A JP2002292659 A JP 2002292659A
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film
drying
optical film
casting
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Takashi Murakami
隆 村上
Koichi Saito
浩一 齋藤
Taketoshi Yamada
岳俊 山田
Hiroshi Kita
弘志 北
Yasushi Okubo
康 大久保
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性が高く、水蒸気透過性が小さい、特に
寿命が長くコントラストが高い、あるいは複屈折を利用
した表示方法で色ずれの小さい光学フィルムとその製造
方法を提供する。 【解決手段】 有機ポリマーと反応性金属化合物を有す
る溶液を支持体上に流延し、乾燥させて剥離してロール
搬送及びテンター搬送から選ばれる少なくとも1つの搬
送方法により乾燥させることを特徴とする光学フィルム
とその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学フィルム及び
その製造方法に関し、より詳しくは電子ディスプレイ素
子用、電子光学素子用、タッチパネル用または太陽電池
用に有用な透明光学フィルム及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶表示素子、有機EL表示素子
等の電子ディスプレイ素子用基板、あるいはCCD、C
MOSセンサー等の電子光学素子用基板、あるいは太陽
電池用基板としては、熱安定性、透明性の高さ、水蒸気
透過性の低さからガラスが用いられてきた。しかし、最
近携帯電話あるいは携帯用の情報端末の普及に伴い、そ
れらの基板用として割れやすく比較的重いガラスに対し
屈曲性に富み割れにくく軽量な基板が求められるように
なった。そこでポリエーテルスルホン、ポリカーボネー
トあるいは特開平5−142525号公報に記載のポリ
エーテルスルホンとアクリル系基板を張り合わせたプラ
スチック基板が提案され一部で採用されるようになった
が価格が高価であったり透過率や複屈折等の光学的性質
が充分でない等の理由で普及の妨げになっていた。ま
た、これらの光学フィルムは波長分散特性が負であるた
め、複屈折を利用した表示方法を採用している、例え
ば、STN、VAあるいはIPSモードの液晶パネルに
おいては可視光の全波長域で偏光の補償ができず、表示
色の色ずれの原因となり、また、有機EL表示素子にお
いてはコントラストの低下を起こしていた。一方、波長
分散特性が正の樹脂としては、例えばセルロースアセテ
ートプロピオネートなどのセルロース誘導体が挙げられ
るが、これらは、それ自体では水蒸気透過性が大きすぎ
表示素子用光学フィルムとしては不適であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の第一
の目的は、透明性が高く、水蒸気透過性が小さい、電子
ディスプレイ素子用、電子光学素子用、タッチパネル用
または太陽電池用として有用な透明光学フィルム及びそ
の製造方法を提供することであり、特に寿命が長くコン
トラストが高い有機EL素子を与える電子ディスプレイ
素子用光学フィルム、あるいは複屈折を利用した表示方
法を採用している液晶パネルにおいて色ずれの小さい電
子ディスプレイ素子用光学フィルムを提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成によって達成された。
【0005】1.有機ポリマーと反応性金属化合物を有
する溶液を支持体上に流延し、乾燥させて剥離した後ロ
ール搬送及びテンター搬送から選ばれる少なくとも1つ
の搬送方法により乾燥させることを特徴とする光学フィ
ルムの製造方法。
【0006】2.剥離残留溶媒10〜120質量%で剥
離したフィルムを、残留溶媒量を2〜100質量%まで
乾燥する工程内で、幅保持しながら乾燥するか幅手方向
に延伸することを特徴とする前記1に記載の光学フィル
ムの製造方法。
【0007】3.有機ポリマーと反応性金属化合物を有
する溶液を支持体上に流延し、乾燥させて剥離してロー
ル搬送及びテンター搬送から選ばれる少なくとも1つの
搬送方法により乾燥させることを特徴とする光学フィル
ムの製造方法において、不活性ガス雰囲気内で支持体上
に流延し、乾燥させることを特徴とする前記1又は2記
載の光学フィルムの製造方法。
【0008】4.有機ポリマーと反応性金属化合物を有
する溶液を支持体上に流延し、乾燥させて剥離してロー
ル搬送及びテンター搬送から選ばれる少なくとも1つの
搬送方法により乾燥させることを特徴とする光学フィル
ムの製造方法において、乾燥後残量溶媒量が0.5質量
%未満となった光学フィルムに大気圧近傍の圧力下でプ
ラズマ処理し、無機薄膜を形成することを特徴とする前
記1〜3のいずれか1項記載の光学フィルムの製造方
法。
【0009】5.剥離残留溶媒1質量%未満まで乾燥さ
れたフィルムに紫外線を照射することを特徴とする前記
1〜4のいずれか1項記載の光学フィルムの製造方法。
【0010】6.前記1〜5のいずれか1項記載の方法
で製造されたことを特徴とする光学フィルム。
【0011】7.有機ポリマーが主にセルロースエステ
ルであり、反応性金属化合物が少なくとも金属アルコキ
シドもしくはその加水分解物を含むことを特徴とする前
記6記載の光学フィルム。
【0012】本発明を更に詳しく説明する。本発明にお
いて、有機ポリマーは、25℃における水に対する溶解
度が水100gに対し0g以上5g以下、かつアセトン
に対する溶解度がアセトン100gに対し25g以上1
00g以下である有機ポリマーであることが好ましい。
好ましくは、繰り返し単位の少なくともひとつが下記一
般式(1)〜(7)より選ばれる基を少なくとも一つ有
する有機ポリマーである。
【0013】
【化1】
【0014】式中、Rは水素原子または一価の置換基を
表し、*および**は、結合部位を表す。
【0015】本発明においては、好ましくは波長分散特
性が正の有機ポリマーが用いられる。波長分散特性とは
該有機ポリマーをアセトン(溶解させるために他の溶媒
を用いてもよく、又他の溶媒を混合してもよい)に溶解
しガラス板上にフィルム厚みが100μmになるように
流延し乾燥させたフィルムを作製し、波長600nmに
おける面内リターデーション値R(600)を波長45
0nmにおける面内リターデーション値R(450)で
除した値が1より大きいものをいう。より好ましくはR
(600)/R(450)が1.01〜1.50であ
る。
【0016】波長分散特性が正の光学フィルムにおいて
は、可視光の全波長領域での偏光補償が可能であり、複
屈折を利用した表示方法を採用している液晶パネルにお
いては色ずれがなく、有機EL表示素子においてはコン
トラストが良好である。波長分散特性が正である有機ポ
リマーとしてはセルロースエステルが挙げられる。
【0017】本発明のセルロースエステルは特に炭素原
子数2〜4のアシル基を置換基として有するセルロース
エステルが好ましい。特に、アセチル基の置換度をXと
し、プロピオニル基またはブチリル基の置換度をYとし
た時、2.3<X+Y<2.85かつ0<X<2.85
であるものが好ましい。X+Yが2.3以下だと水蒸気
透過性が大きすぎ好ましくなく、X+Yが2.85以上
だとセルロースエステルが分離しやすくなり好ましくな
い。特に好ましいセルロースエステルとしてセルロース
アセテートプロピオネートが挙げられる。
【0018】アシル化剤が酸クロライド(CH3COC
l、C25COCl、C37COCl)の場合には、触
媒としてアミンのような塩基性化合物を用いて反応が行
われる。具体的には、特開平10−45804号に記載
の方法等を参考にして合成することが出来る。また、本
発明で用いられるセルロースエステルは各置換度に合わ
せて上記アシル化剤量を調整混合して反応させたもので
あり、セルロースエステルはこれらアシル基がセルロー
ス分子の水酸基と結合したものである。
【0019】セルロース分子はグルコースユニットが多
数連結したものからなっており、グルコースユニットに
3個の水酸基がある。この3個の水酸基にアシル基が誘
導された数を置換度(モル%)という。例えば、セルロ
ーストリアセテートはグルコースユニットの3個の水酸
基全てにアセチル基が結合している(実際には2.6〜
3.0)。本発明のセルロースエステルは特に総アシル
基置換度が2.8以下のセルロースエステルであること
が、透明性に優れた光学フィルムが得られるため特に好
ましい。例えば、総置換度2.3〜2.5のセルロース
アセテートが好ましく用いらる。
【0020】本発明のセルロースエステルとしては、セ
ルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテ
ートブチレート、セルロースアセテートフタレートまた
はセルロースアセテートプロピオネートブチレートのよ
うなアセチル基の他にプロピオネート基あるいはブチレ
ート基が結合したセルロースエステルが好ましく用いら
れる。なお、ブチレートを形成するブチリル基として
は、直鎖状でも、分岐していてもよい。プロピオネート
基を置換基として含むセルロースアセテートプロピオネ
ートは耐水性が優れ、液晶画像表示装置用のフィルムと
して有用である。
【0021】アシル基の置換度の測定方法はASTM−
D817−96の規定に準じて測定することが出来る。
【0022】本発明のセルロースエステルの数平均分子
量は、70,000〜250,000が、成型した場合
の機械的強度が強く、且つ、適度なドープ粘度となり好
ましく、更に好ましくは、80,000〜150,00
0である。
【0023】本発明のセルロースエステルの原料のセル
ロースとしては、特に限定はないが、綿花リンター、木
材パルプ(広葉樹、針葉樹)、ケナフなどを挙げること
が出来る。またそれらから得られたセルロースエステル
はそれぞれ任意の割合で混合使用することが出来る。本
発明に係るセルロースエステルは、セルロース原料をア
シル化剤が酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無
水酪酸)である場合には、酢酸のような有機酸やメチレ
ンクロライド等の有機溶媒を用い、硫酸のようなプロト
ン性触媒を用いて反応して得られる。
【0024】本発明において反応性金属化合物における
金属とは、「周期表の化学」岩波書店 斎藤一夫著
p.71記載の金属すなわち半金属性原子を含む金属で
ある。
【0025】本発明の反応性金属化合物としては、加水
分解重縮合が可能な反応性金属化合物が好ましい。加水
分解重縮合が可能な反応性金属化合物としては例えば金
属アルコキシド、反応性の金属ハロゲン化物が挙げら
れ、好ましくは金属種が4価の金属のものであり、より
好ましくは金属種がケイ素、ジルコニウム、チタンおよ
びゲルマニウムから選ばれるものである。特に好ましい
金属種はケイ素である。
【0026】本発明に用いられる加水分解重縮合が可能
な反応性金属化合物で、加水分解可能な置換基が該金属
1原子当たり2個である化合物の例としては、ジメチル
ジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチ
ルジイソプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラ
ン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシ
ラン、ジエチルジイソプロポキシシラン、ジエチルジブ
トキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニ
ルジエトキシシラン、ジフェニルジイソプロポキシシラ
ン、ジフェニルジブトキシシラン、3−グリシドキシプ
ロピルメチルジメトキシシラン、ジクロロジメチルシラ
ン、ジクロロジエチルシラン等が挙げられる。
【0027】加水分解可能な置換基が金属1原子当たり
3個である化合物の例としてはメチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポ
キシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメ
トキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ
イソプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、フ
ェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリ
ブトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、
ビニルトリブトキシシラン、3−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシ
シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキ
シシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、(3−アクリロキシプロピル)トリメトキシシラ
ン、アセトキシトリエトキシシラン、(ヘプタデカフル
オロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリメト
キシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)ト
リメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、エチルト
リクロロシラン、フェニルトリクロロシラン等が挙げら
れる。
【0028】本発明において反応性金属化合物として加
水分解可能な置換基が該金属1原子当たり4個である化
合物(例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシ
シラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシ
シラン、テトラエトキシチタン、テトラn−ブトキシジ
ルコン、テトラエトキシゲルマン等)を加水分解重縮合
時に共存させるのが好ましい。
【0029】また、水蒸気透過率を低減する観点から加
水分解可能な置換基が該金属1原子当たり3個である化
合物及び加水分解可能な置換基が該金属1原子当たり2
個である化合物のその他の置換基としては置換または無
置換のアルキル基、または置換または無置換のアリール
基が好ましく該アルキル基またはアリール基の置換基と
しては、アルキル基(例えばメチル基、エチル基等)、
シクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘ
キシル基等)、アラルキル基(例えばベンジル基、2−
フェネチル基等)、アリール基(例えばフェニル基、ナ
フチル基等)、複素環基(たとえばフラン、チオフェ
ン、ピリジン等)アルコキシ基(例えばメトキシ基、エ
トキシ基等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基
等)、アシル基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、
アルキルチオ基、グリシジル基、ビニル基等が挙げられ
る。また、例えば、(3,3,3−トリフルオロプロピ
ル)トリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルプロ
ピルトリメトキシシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,
1,2,2−テトラヒドロデシル)トリエトキシシラ
ン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリクロロ
シラン、ペンタフルオロフェニルプロピルトリクロロシ
ラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラ
ヒドロデシル)トリクロロシラン等を加水分解重縮合時
に共存させるのがより好ましい。
【0030】本発明において光学フィルムを作製するた
めの有機ポリマーに対し無機高分子をハイブリッドする
ことが好ましい。いわゆる有機−無機ポリマーハイブリ
ッドまたは有機−無機ポリマーコンポジットまたはゾル
・ゲル法などと呼ばれる手法が用いられる。
【0031】即ち本発明の有機ポリマーおよび加水分解
重縮合可能な反応性金属化合物の溶液に、ゾル・ゲル法
を適用し加水分解重縮合をおこなわせるため、好ましく
は酸触媒を加え、加水分解を起こさせることにより縮合
反応を促進する。
【0032】本発明では、有機ポリマーと反応性金属化
合物を有する溶液を支持体上に流延し、乾燥させて光学
フィルムを製造するが、前記溶液中の反応性金属化合物
は一部もしくは全部が加水分解されていてもよい。
【0033】この組成物を基材上に押し出しあるいは流
延し乾燥し、その後、好ましくは熱処理、紫外線処理或
いはプラズマ処理等を行うことにより、三次元架橋の進
んだ光学フィルムを得ることが出来る。ここで、通常触
媒としては塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、酢酸、トリフ
ロロ酢酸、レブリン酸、クエン酸、p−トルエンスルホ
ン酸、メタンスルホン酸等の有機酸等が用いられる。酸
を添加しゾル・ゲル反応が進行した後に塩基を加え中和
しても良い。塩基を加え中和する場合、乾燥工程前での
アルカリ金属の含有量が0〜5000ppm未満である
事が好ましい(ここでアルカリ金属とは、イオン状態の
ものを含む)。又、ルイス酸、例えばゲルマニウム、チ
タン、アルミニウム、アンチモン、錫などの金属の酢酸
塩、その他の有機酸塩、ハロゲン化物、燐酸塩などを併
用してもよい。尚、金属化合物の加水分解重縮合は、塗
布前の溶液状態で反応を完結させても良いし、フィルム
状に流延してから反応を完結させても良いが塗布前に反
応を完結させることが好ましい。
【0034】また、触媒として、このような酸類の代り
に、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン
などのアミン系化合物、DBU(ジアザビシクロウンデ
セン−1)、DBN(ジアザビシクロノネン)などのビ
シクロ環系アミン、アンモニア、ホスフィン等の塩基を
用いることができる。さらに、酸及び塩基の処理を複数
回併用しても良い。
【0035】触媒を中和してもよいし揮発性の触媒は減
圧で除去してもよいし、分液水洗等により除去しても良
い。
【0036】本発明の有機ポリマーおよび加水分解重縮
合可能な反応性金属化合物は溶剤に溶解されるが、溶剤
としては、水混和性の有機溶媒が用いられる。基材上に
流延し、フィルムを形成させる場合、押し出しあるいは
流延後に溶剤を蒸発させる必要性があるため、揮発性の
溶媒が好ましく、かつ、反応性金属化合物や触媒等と反
応せず、しかも流延用基材を溶解しないものであり、2
種以上の溶媒を混合して用いても良い。また、有機ポリ
マーと加水分解重縮合可能な反応性金属化合物を各々別
の溶媒に溶解し後に混合しても良い。
【0037】水混和性の溶媒の例としてはエチルアルコ
ール、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、n
−プロピルアルコール、ブチルアルコール、メトキシメ
チルアルコールなどのアルコール、テトラヒドロフラ
ン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジメ
チルイミダゾリノン、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルフォキシ
ド、スルホラン、アセトン、メチルエチルケトンなどの
ケトン類、などが挙げられるが、1,3−ジオキソラ
ン、エチルアルコール、メチルエチルケトンおよびアセ
トンが好ましい。
【0038】この他、セルロースエステルなどの有機ポ
リマーを溶解でき、かつ、適度な沸点を有する溶媒とし
て、メチレンクロライド、酢酸メチル、酢酸エチル、酢
酸アミル、ギ酸エチル、などのエステル類、テトラヒド
ロフラン、シクロヘキサノン、2,2,2−トリフルオ
ロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−
プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノー
ル、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メ
チル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘ
キサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3
−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン等
を挙げることが出来るが、これらから適宜選択して用い
ることができる。
【0039】また、下記の製膜工程に示すように、溶媒
蒸発工程において支持体上に形成されたウェブ(ドープ
膜)から溶媒を乾燥させるときに、ウェブ中の発泡を防
止する観点から、用いられる有機溶媒の沸点としては、
30〜80℃が好ましく、例えば、上記記載の良溶媒の
沸点は、酢酸メチル(沸点56.32℃)、アセトン
(56.3℃)、酢酸エチル(76.82℃)等であ
る。
【0040】上記有機溶媒の他に、0.1〜50質量%
の炭素原子数1〜4のアルコールを含有させることが好
ましい。特に好ましくは5〜30質量%で前記アルコー
ルが含まれることが好ましい。
【0041】これらは上記記載のドープを流延用支持体
に流延後、溶媒が蒸発を始めアルコールの比率が多くな
るとウェブ(ドープ膜)がゲル化し、ウェブを丈夫にし
流延用支持体から剥離することを容易にする効果が期待
できる。
【0042】炭素原子数1〜4のアルコールとしては、
メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−
プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、
tert−ブタノール等を挙げることが出来る。
【0043】これらのうちドープの安定性、沸点も比較
的低く、乾燥性も良く、且つ毒性が少ないこと等からエ
タノールが好ましい。
【0044】本発明の光学フィルムは可塑剤を含有する
ことができる。可塑剤としては、リン酸エステル、カル
ボン酸エステルが好ましく用いられる。リン酸エステル
系可塑剤としては、トリフェニルホスフェート(TP
P)およびトリクレジルホスフェート(TCP)、ビフ
ェニル−ジフェニルホスフェート、ジメチルエチルホス
フェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチル
ジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフ
ェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフ
ェート等が挙げられる。
【0045】カルボン酸エステル系可塑剤としては、フ
タル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的なもの
である。フタル酸エステルの例としては、ジメチルフタ
レート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジ
ブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート
(DOP)およびジエチルヘキシルフタレート(DEH
P)、エチルフタリルエチルグリコレート等が用いられ
る。
【0046】クエン酸エステル系可塑剤としては、クエ
ン酸アセチルトリエチル(OACTE)およびクエン酸
アセチルトリブチル(OACTB)等が用いられる。
【0047】グリコール酸エステル系可塑剤としては、
トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグ
リコレート、エチルフタリルエチルグリコレート(EP
EG)、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフ
タリルブチルグリコレート等を単独あるいは併用するの
が好ましい。
【0048】その他のカルボン酸エステルの例には、オ
レイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシ
ン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれ
る。
【0049】これら以外の可塑剤を含有することができ
る。これらの可塑剤の使用量は、フィルム性能、加工性
等の点で、セルロースエステルに対して1〜15質量%
が好ましい。液晶表示部材用としては、寸法安定性の観
点から5〜15質量%が更に好ましく、特に好ましく
は、7〜12質量%である。
【0050】本発明の光学フィルムは、その高い寸法安
定性から、偏光板または液晶表示用部材等に使用される
が、偏光板または液晶等の劣化防止の観点から、紫外線
吸収剤を含有させることができる。
【0051】紫外線吸収剤としては、波長370nm以
下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観
点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないも
のが好ましく用いられる。具体的には380nmの透過
率が10%未満であることが好ましく、特に5%未満で
あることがより好ましい。
【0052】本発明に好ましく用いられる紫外線吸収剤
の具体例としては、例えばオキシベンゾフェノン系化合
物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル
系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレー
ト系化合物、ニッケル錯塩系化合物などが挙げられる。
又、特開平6−148430号、特願平12−1560
39号に記載の高分子紫外線吸収剤も好ましく用いるこ
とができる。
【0053】ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として
は下記一般式〔1〕で示される化合物が好ましく用いら
れる。
【0054】
【化2】
【0055】式中、R1、R2、R3、R4及びR5は同一
でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ
基、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アリ
ール基、アルコキシル基、アシルオキシ基、アリールオ
キシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、モノ若しく
はジアルキルアミノ基、アシルアミノ基または5〜6員
の複素環基を表し、R4とR5は閉環して5〜6員の炭素
環を形成してもよい。また、上記記載のこれらの基は、
任意の置換基を有していて良い。
【0056】以下に本発明に好ましく用いられる紫外線
吸収剤の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定され
ない。
【0057】UV−1:2−(2′−ヒドロキシ−5′
−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール UV−2:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−
tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール UV−3:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−
ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール UV−4:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−
tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾール UV−5:2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,
4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)
−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール UV−6:2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,
3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリア
ゾール−2−イル)フェノール) UV−7:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−
ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾール UV−8:2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イ
ル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェ
ノール(TINUVIN171、Ciba製) UV−9:オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4
−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾー
ル−2−イル)フェニル〕プロピオネートと2−エチル
ヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2
−イル)フェニル〕プロピオネートの混合物(TINU
VIN109、Ciba製) また、本発明に好ましく用いられる紫外線吸収剤のひと
つであるベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては下記一
般式〔2〕で表される化合物が好ましく用いられる。
【0058】
【化3】
【0059】式中、Yは水素原子、ハロゲン原子または
アルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、及びフェ
ニル基を表し、これらのアルキル基、アルケニル基及び
フェニル基は置換基を有していてもよい。Aは水素原
子、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、シクロア
ルキル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル
基又は−CO(NH)n-1−D基を表し、Dはアルキル
基、アルケニル基又は置換基を有していてもよいフェニ
ル基を表す。m及びnは1または2を表す。
【0060】上記において、アルキル基としては、例え
ば、炭素数24までの直鎖または分岐の脂肪族基を表
し、アルコキシル基としては例えば、炭素数18までの
アルコキシル基で、アルケニル基としては例えば、炭素
数16までのアルケニル基で例えばアリル基、2−ブテ
ニル基などを表す。又、アルキル基、アルケニル基、フ
ェニル基への置換分としてはハロゲン原子、例えば、塩
素原子、臭素原子、フッ素原子など、ヒドロキシル基、
フェニル基(このフェニル基にはアルキル基又はハロゲ
ン原子などを置換していてもよい)などが挙げられる。
【0061】以下に一般式〔2〕で表されるベンゾフェ
ノン系化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定
されない。
【0062】UV−10:2,4−ジヒドロキシベンゾ
フェノン UV−11:2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノン UV−12:2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スル
ホベンゾフェノン UV−13:ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5
−ベンゾイルフェニルメタン) 本発明で好ましく用いられる上記記載の紫外線吸収剤
は、透明性が高く、偏光板や液晶素子の劣化を防ぐ効果
に優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフ
ェノン系紫外線吸収剤が好ましく、不要な着色がより少
ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましく
用いられる。
【0063】紫外線吸収剤添加液の添加方法としては、
下記に記載の方法が挙げられる。 《添加方法A》紫外線吸収剤添加液の調製方法として
は、アルコールやケトン類、メチレンクロライド、ジオ
キソランなどの有機溶剤に紫外線吸収剤を溶解してから
直接ドープ組成中に添加する。
【0064】《添加方法B》紫外線吸収剤添加液の調製
方法としては、アルコールやケトン類、メチレンクロラ
イド、ジオキソランなどの有機溶剤に紫外線吸収剤と少
量のセルロースエステル及び/又は本発明の固形物を溶
解してからインラインミキサーでドープに添加する。
【0065】本発明においては、添加方法Bの方が、紫
外線吸収剤の添加量を容易に調整できるため、生産性に
優れていて好ましい。
【0066】紫外線吸収剤の使用量は化合物の種類、使
用条件などにより一様ではないが、通常は光学フィルム
1m2当り、0.2〜5.0gが好ましく、0.4〜
2.0gがさらに好ましく、0.6〜1.0gが特に好
ましい。
【0067】本発明の光学フィルムには滑り性を付与す
るために微粒子を添加することもできる。微粒子として
は、無機化合物の微粒子または有機化合物の微粒子が挙
げられる。
【0068】無機化合物としては、珪素を含む化合物、
二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭
酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケ
イ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミ
ニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等が
好ましく、更に好ましくは、ケイ素を含む無機化合物や
酸化ジルコニウムであるが、光学フィルムの濁度を低減
できるので、二酸化珪素が特に好ましく用いられる。
【0069】二酸化珪素の微粒子としては、例えば、ア
エロジルR972、R972V、R974、R812、
200、200V、300、R202、OX50、TT
600(以上日本アエロジル(株)製)等の市販品が使
用できる。
【0070】酸化ジルコニウムの微粒子としては、例え
ば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロ
ジル(株)製)等の市販品が使用できる。
【0071】有機化合物としては、例えば、シリコーン
樹脂、弗素樹脂及びアクリル樹脂等のポリマーが好まし
く、中でも、シリコーン樹脂が好ましく用いられる。
【0072】上記記載のシリコーン樹脂の中でも、特に
三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、ト
スパール103、同105、同108、同120、同1
45、同3120及び同240(以上東芝シリコーン
(株)製)等の商品名を有する市販品が使用できる。
【0073】本発明の微粒子の1次平均粒子径として
は、ヘイズを低く抑えるという観点から、20nm以下
が好ましく、更に好ましくは、5〜16nmであり、特
に好ましくは、5〜12nmである。
【0074】本発明の微粒子の1次平均粒子径の測定
は、透過型電子顕微鏡(倍率50万〜200万倍)で粒
子を観察を行い、粒子100個を観察し、その平均値を
もって、1次平均粒子径とした。
【0075】微粒子の、見掛比重としては、70g/リ
ットル以上が好ましく、更に好ましくは、90〜200
g/リットルであり、特に好ましくは、100〜200
g/リットルである。見掛比重が大きい程、高濃度の分
散液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化す
るため好ましく、また、本発明のように固形分濃度の高
いドープを調製する際には、特に好ましく用いられる。
【0076】1次粒子の平均径が20nm以下、見掛比
重が70g/リットル以上の二酸化珪素微粒子は、例え
ば、気化させた四塩化珪素と水素を混合させたものを1
000〜1200℃にて空気中で燃焼させることで得る
ことができる。また例えばアエロジル200V、アエロ
ジルR972V(以上日本アエロジル(株)製)の商品
名で市販されており、それらを使用することができる。
【0077】本発明において、上記記載の見掛比重は二
酸化珪素微粒子を一定量メスシリンダーに採り、この時
の重さを測定し、下記式で算出した。
【0078】見掛比重(g/リットル)=二酸化珪素質
量(g)÷二酸化珪素の容積(リットル) 本発明の微粒子の分散液を調製する方法としては、例え
ば以下に示すような3種類が挙げられる。
【0079】《調製方法A》溶剤と微粒子を撹拌混合し
た後、分散機で分散を行う。これを微粒子分散液とす
る。微粒子分散液をドープ液に加えて撹拌する。
【0080】《調製方法B》溶剤と微粒子を撹拌混合し
た後、分散機で分散を行う。これを微粒子分散液とす
る。別に溶剤に少量の有機ポリマーを加え、撹拌溶解す
る。
【0081】これに前記微粒子分散液を加えて撹拌す
る。これを微粒子添加液とする。微粒子添加液をインラ
インミキサーでドープ液と十分混合する。
【0082】《調製方法C》溶剤に少量の有機ポリマー
を加え、撹拌溶解する。これに微粒子を加えて分散機で
分散を行う。これを微粒子添加液とする。微粒子添加液
をインラインミキサーでドープ液と十分混合する。
【0083】調製方法Aは二酸化珪素微粒子の分散性に
優れ、調製方法Cは二酸化珪素微粒子が再凝集しにくい
点で優れている。中でも、上記記載の調製方法Bは二酸
化珪素微粒子の分散性と、二酸化珪素微粒子がさらに再
凝集しにくい等、両方に優れている好ましい調製方法で
ある。
【0084】《分散方法》二酸化珪素微粒子を溶剤など
と混合して分散するときの二酸化珪素の濃度は5〜30
質量%が好ましく、10〜25質量%がさらに好まし
く、15〜20質量%が最も好ましい。分散濃度は高い
方が、添加量に対する液濁度は低くなる傾向があり、ヘ
イズ、凝集物が良化するため好ましい。
【0085】使用される溶剤は低級アルコール類として
は、好ましくはメチルアルコール、エチルアルコール、
プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチル
アルコール等もしくはアセトン、メチルエチルケトン等
が挙げられる。低級アルコールあるいはケトン類以外の
溶媒としては特に限定されないが、有機ポリマーの製膜
時に用いられる溶剤を用いることが好ましい。
【0086】有機ポリマーに対する二酸化珪素微粒子の
添加量は有機ポリマー100質量部に対して、二酸化珪
素微粒子は0.01〜0.3質量部が好ましく、0.0
5〜0.2質量部がさらに好ましく、0.08〜0.1
2質量部が最も好ましい。添加量は多い方が、動摩擦係
数に優れ、添加量が少ない方がヘイズが低く、凝集物も
少ない点が優れている。
【0087】分散機は通常の分散機が使用できる。分散
機は大きく分けてメディア分散機とメディアレス分散機
に分けられる。二酸化珪素微粒子の分散にはメディアレ
ス分散機がヘイズが低く好ましい。
【0088】メディア分散機としてはボールミル、サン
ドミル、ダイノミルなどがあげられる。
【0089】メディアレス分散機としては超音波型、遠
心型、高圧型などがあるが、本発明においては高圧分散
装置が好ましい。高圧分散装置は、微粒子と溶媒を混合
した組成物を、細管中に高速通過させることで、高剪断
や高圧状態など特殊な条件を作りだす装置である。高圧
分散装置で処理する場合、例えば、管径1〜2000μ
mの細管中で装置内部の最大圧力条件が9.807MP
a以上であることが好ましい。更に好ましくは19.6
13MPa以上である。またその際、最高到達速度が1
00m/秒以上に達するもの、伝熱速度が420kJ/
時間以上に達するものが好ましい。
【0090】上記のような高圧分散装置にはMicro
fluidics Corporation社製超高圧
ホモジナイザ(商品名マイクロフルイダイザ)あるいは
ナノマイザ社製ナノマイザがあり、他にもマントンゴー
リン型高圧分散装置、例えばイズミフードマシナリ製ホ
モジナイザ、三和機械(株)社製UHN−01等が挙げ
られる。
【0091】本発明の光学フィルムは、単層のフィルム
として作製することが出来るが、後述の共流延法等の適
用により、積層フィルムとして作製することが好まし
い。特にフィルムの一方の面のみに微粒子を含有させた
層を形成することによって、もう一方の面に高い平面性
を付与することもでき、高い平面性が要求される光学フ
ィルムとして特に好ましく用いられる。
【0092】更に本発明の光学フィルムには耐久性を付
与する酸化防止剤や帯電防止剤、微粒子などを添加する
こともできる。
【0093】前記酸化防止剤としては、ヒンダードフェ
ノール系の化合物が好ましく用いられ、2,6−ジ−t
−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テト
ラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコー
ル−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサ
ンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビ
ス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−
3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリ
アジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,
N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−
トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
−イソシアヌレイト等が挙げられる。特に2,6−ジ−
t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テ
トラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコ
ール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。ま
た例えば、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラ
ジン等のヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4
−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系
加工安定剤を併用してもよい。これらの化合物の添加量
は、有機ポリマーに対して質量割合で1ppm〜1.0
%が好ましく、10〜1000ppmが更に好ましい。
【0094】また、この他、カオリン、タルク、ケイソ
ウ土、石英、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタ
ン、アルミナ等の無機微粒子、カルシウム、マグネシウ
ムなどのアルカリ土類金属の塩などの熱安定剤を加えて
もよい。
【0095】又、本発明の光学フィルムには導電性を有
する物質を添加することもできる。導電性物質としては
特に限定はされないが、イオン導電性物質や導電性微粒
子あるいは有機ポリマーと相溶性を有する帯電防止剤な
どを用いることができる。
【0096】ここでイオン導電性物質とは電気伝導性を
示し、電気を運ぶ担体であるイオンを含有する物質のこ
とであるが、例えば、イオン性高分子化合物を挙げるこ
とができる。
【0097】イオン性高分子化合物としては、特公昭4
9−23828号、同49−23827号、同47−2
8937号にみられるようなアニオン性高分子化合物;
特公昭55−734号、特開昭50−54672号、特
公昭59−14735号、同57−18175号、同5
7−18176号、同57−56059号などにみられ
るような、主鎖中に解離基をもつアイオネン型ポリマ
ー;特公昭53−13223号、同57−15376
号、特公昭53−45231号、同55−145783
号、同55−65950号、同55−67746号、同
57−11342号、同57−19735号、特公昭5
8−56858号、特開昭61−27853号、同62
−9346号にみられるような、側鎖中にカチオン性解
離基をもつカチオン性ペンダント型ポリマー;等を挙げ
ることができる。
【0098】また、導電性微粒子の例としては導電性を
有する金属酸化物が挙げられる。金属酸化物の例として
は、ZnO、TiO2、SnO2、Al23、In23
SiO2、MgO、BaO、MoO2、V25等、或いは
これらの複合酸化物が好ましく、特にZnO、TiO2
及びSnO2が好ましい。異種原子を含む例としては、
例えばZnOに対してはAl、In等の添加、TiO2
に対してはNb、Ta等の添加、又SnO2に対して
は、Sb、Nb、ハロゲン元素等の添加が効果的であ
る。これら異種原子の添加量は0.01mol%〜25
mol%の範囲が好ましいが、0.1mol%〜15m
ol%の範囲が特に好ましい。
【0099】また、これらの導電性を有する金属酸化物
粉体の体積抵抗率は107Ωcm以下、特に105Ωcm
以下であって、1次粒子径が10nm〜0.2μmの粉
体をフィルム内の少なくとも一部の領域に体積分率で
0.01%〜20%含んでいることが好ましい。
【0100】特に好ましくは、特開平9−203810
号に記載されているアイオネン導電性ポリマーあるいは
分子間架橋を有する第4級アンモニウムカチオン導電性
ポリマーなどを含有することが望ましい。
【0101】本発明の光学フィルムの製造方法につい説
明する。製膜工程は、下記に示す溶解工程、流延工程、
溶媒蒸発工程、剥離工程、乾燥工程及び巻き取り工程か
らなる。好ましいフィルムの溶液流延製膜法の模式図を
図1に示す。図1(a)は流延後、ロール搬送・乾燥工
程で乾燥する場合の模式図である。図1(b)は流延
後、ロール搬送・乾燥工程で乾燥し、その後テンター搬
送・乾燥工程で乾燥を行う場合の模式図である。図1
(c)は流延後、テンター搬送・乾燥工程で乾燥し、そ
の後ロール搬送・乾燥工程で乾燥を行う場合の模式図で
ある。図1(d)は流延後、ロール搬送・乾燥工程で乾
燥し、その後テンター搬送・乾燥工程で乾燥し、その後
ロール搬送・乾燥工程で乾燥を行う場合の模式図であ
る。
【0102】図中3はエンドレスで走行する支持体を示
す。支持体としては鏡面帯状金属が使用されている。4
は有機ポリマーと反応性金属化合物を有する溶液を、支
持体3に流延するダイスを示す。5は支持体3に流延さ
れたドープが固化したフィルムを剥離する剥離点を示
し、6は剥離されたフィルムを示す。7はテンター搬送
・乾燥工程を示し、71は排気口を示し、72は乾燥風
取り入れ口を示す。尚、排気口71と乾燥風取り入れ口
72は逆であっても良い。
【0103】8は張力カット手段を示す。張力カット手
段としてはニップロール、サクションロール等が挙げら
れる。尚、張力カット手段は各工程間に設けてもかまわ
ない。
【0104】10はロール搬送・乾燥工程を示し、10
1は乾燥箱を示し、102は排気口を示し、103は乾
燥風取り入れ口を示す。尚、排気口102と乾燥風取り
入れ口103は逆であっても良い。104は上部搬送用
ロールを示し、105は下部搬送用ロールを示す。該搬
送用ロール104、105は上下で一組で、複数組から
構成されている。9は巻き取られたロール状のフィルム
を示す。
【0105】図1(d)で示される工程において、テン
ター搬送・乾燥工程7の前のロール搬送・乾燥工程を第
1ロール搬送・乾燥工程と呼び、テンター搬送・乾燥工
程7の後のロール搬送・乾燥工程を第2ロール搬送・乾
燥工程と呼ぶ。尚、図1(a)〜(d)では示されてい
ない冷却工程を、巻き取る前に必要に応じて設けても良
い。
【0106】支持体上のドープの溶媒を蒸発させる手段
としては、特に限定は無いが、例えば支持体のドープ接
触面に温風を吹き付ける方法、赤外線ヒータで加熱する
方法、支持体の裏面に温風を吹き付け裏面側から加熱す
る方法、支持体の裏面に温水や加熱オイルを接触し加熱
する方法等が挙げられる。
【0107】流延後、剥離までの間での時間は作製する
フィルムの膜厚、使用溶剤によって異なるが一般的に
0.5〜5分の範囲が好ましい。0.5分未満の場合は
フィルムの乾燥が終了せず剥がすことができなくなり好
ましくなく、5分を越えた場合は工程が長くなり又製膜
効率が悪くなり好ましくない。
【0108】以下、図1(a)〜(d)に示される模式
図の特徴を説明する。図1(a)の場合、剥離する時の
残留溶媒量が40質量%未満の低い場合、乾燥収縮率は
それほど問題とならないが、剥離する時の残留溶媒量が
90質量%以上になると乾燥収縮率が大きくなる。
【0109】図1(b)の場合、剥離する時の残留溶媒
量が90質量%と高くなった場合でも、ロール搬送・乾
燥工程にて、フィルムを搬送する張力を調整することで
搬送方向の収縮率を調整することが可能となり、ロール
搬送・乾燥工程の後のテンター搬送・乾燥工程で幅方向
を延伸することにより、幅方向の乾燥伸縮率を調整する
ことが可能となる。
【0110】図1(c)の場合、テンター搬送・乾燥工
程後にロール搬送・乾燥工程が存在するため、テンター
搬送・乾燥工程内で生じた膜収縮応力をロール搬送・乾
燥工程にて緩和することで最終乾燥収縮量を調整するこ
とが可能となる。
【0111】図1(d)の場合、テンター搬送・乾燥工
程前とテンター搬送・乾燥工程後にロール搬送・乾燥工
程があり、テンター搬送・乾燥工程での幅方向の延伸量
をバランスすることにより、より精度良く乾燥収縮量を
調整することが可能となる。
【0112】以下にさらに詳細に各々の工程を説明す
る。なお、本発明において、特に有機ポリマーとしてセ
ルロースエステルを用いる場合で説明するが、本発明は
これのみに限定されるものではない。セルロースエステ
ル溶液のことを以下、セルロースエステルドープまたは
単にドープともいう。
【0113】《溶解工程》セルロースエステルのフレー
クに、上記記載の良溶媒を主とする有機溶媒に溶解釜中
で該フレークを攪拌しながら溶解し、ドープと呼ばれる
セルロースエステル溶液を形成する工程である。
【0114】ドープ中の固形分濃度は15質量%以上で
あることが好ましく、ドープ中の固形分濃度を18質量
%以上であることが好ましく、固形分濃度としては21
質量%以上であることがより好ましい。
【0115】ドープ中の固形分濃度の上限は特にない
が、あまり高すぎるとドープの粘度が高くなりすぎ、流
延時にシャークスキンなどが生じてフィルム平面性が劣
化する場合があるので、通常40質量%以下で用いるこ
とが好ましい。
【0116】ドープ粘度は10〜50Pa・sの範囲に
調整されることが好ましい。溶解には、常圧で行う方
法、上記記載のような好ましい有機溶媒(即ち、良溶
媒)の沸点以下で行う方法、上記記載の良溶媒の沸点以
上で加圧して行う方法、冷却溶解法で行う方法、高圧で
行う方法等種々の溶解方法等がある。良溶媒の沸点以上
の温度で、かつ沸騰しない圧力をかけて溶解する方法と
しては、40.4〜120℃で0.11〜1.50MP
aに加圧することで発泡を抑え、かつ、短時間に溶解す
ることができる。
【0117】反応性金属化合物は溶媒に溶解した後、あ
るいは直接セルロースエステル溶液に添加することがで
きる。添加する反応性金属化合物はセルロースエステル
溶液添加前に加水分解されていても、セルロースエステ
ル溶液に添加後に加水分解してもよい。
【0118】本発明で好ましく用いられる溶媒として
は、単独でも併用でもよいが、良溶剤と貧溶剤を混合し
て使用することが、生産効率の点で好ましい。
【0119】冷却溶解方法としては、例えば特開平9−
95538号、同9−95544号、同9−95557
号に記載の方法を使用することが出来る。また、特開平
11−21379号に記載の高圧溶解方法も好ましく使
用出来る。
【0120】このほか、可塑剤、紫外線吸収剤、微粒
子、酸化防止剤、その他の添加物を適宜添加することが
できる。
【0121】溶解後ドープを濾材で濾過し、脱泡してポ
ンプで次工程に送ることができる。例えば、あらかじめ
これらの添加物をすべて含有するドープを調製し、これ
を流延することができるが、流延の直前にセルロースエ
ステルを主とする主ドープと反応性金属化合物を含む添
加液とを配管経路中に設置されたインラインミキサーで
適宜混合して流延することも可能である。
【0122】《流延工程》ドープを加圧型定量ギヤポン
プを通して加圧ダイに送液し、流延位置において、無限
に移送する無端の金属ベルトあるいは回転する金属ドラ
ムの流延用支持体(以降、単に支持体ということもあ
る)上に加圧ダイからドープを流延する工程である。流
延用支持体の表面は鏡面となっている。
【0123】その他の流延する方法は流延されたドープ
膜をブレードで膜厚を調節するドクターブレード法、あ
るいは逆回転するロールで調節するリバースロールコー
ターによる方法等があるが、口金部分のスリット形状を
調整出来、膜厚を均一にし易い加圧ダイが好ましい。加
圧ダイには、コートハンガーダイやTダイ等があるが、
何れも好ましく用いられる。
【0124】製膜速度を上げるために加圧ダイを流延用
支持体上に2基以上設け、ドープ量を分割して重層して
もよい。あるいは共流延などにより積層フィルムを製造
することもできる。本発明の製造方法に適用可能な共流
延の方法について説明する。
【0125】共流延とは、異なったダイを通じて2層ま
たは3層構成にする逐次多層流延方法、2つまたは3つ
のスリットを有するダイ内で合流させ2層または3層構
成にする同時多層流延方法、逐次多層流延と同時多層流
延を組み合わせた多層流延方法のいずれであっても良
い。
【0126】流延時の膜厚は任意に設定可能であるが、
A面側のドープ(A面側スキン層を形成)とB面側ドー
プ(B面側スキン層を形成)の乾燥後の膜厚比は1対1
00〜100対1の範囲であることが好ましい。更に好
ましくは1対20〜20対1であり、1対1とすること
もできる。一方のドープを薄く流延する場合は薄い方の
ウエット膜厚(hw)を0.5〜150μm、乾燥膜厚
で0.1〜30μmとなるように流延することが好まし
く、更に好ましくはウエット膜厚(hw)2.5〜12
5μm、乾燥膜厚で0.5〜25μm、更に好ましくは
ウエット膜厚(hw)25〜100μm、乾燥膜厚で5
〜20μmとなるように流延することが好ましい。
【0127】尚、本発明においては、B面側のドープと
は、ドープが流延用支持体に直接接するドープを示し、
A面側のドープとは、支持体に接する面とは反対側の表
面層を形成する及び/または流延用支持体に直接接する
以外のドープを示す。
【0128】3種のドープを使用する場合は、A面側の
ドープ(A面側表層を形成)とB面側ドープ(B面側表
層を形成)、それに挟まれるフィルム内部を形成するた
めのドープの乾燥後の膜厚比も任意に設定することがで
きる。コア層とA面側表層もしくはB面側表層の乾燥後
の膜厚比は1対100〜100対1の範囲であることが
好ましく、更に好ましくは1対20〜20対1であり、
1対1とすることもできる。フィルム内部と表層との膜
厚比は1000対1〜1対10であることが好ましく、
100対1〜1対1がより好ましく、更に好ましくは1
0対1〜2対1が好ましい。
【0129】又、表層の乾燥膜厚も任意に設定できる
が、0.5〜30μmであることが好ましく、5〜20
μmであることが更に好ましい。又、A面側表層とB面
側表層の膜厚は同じであっても違っていても良い。例え
ばA面側表層10μmとし、B面側表層20μmとする
ことも可能である。
【0130】2種以上のドープを用いる場合、同時に支
持体上に流延してもよいし、別々に支持体上に流延して
もよい。別々に流延する場合は、支持体側のドープを先
に流延して支持体上である程度乾燥させた後で、その上
に重ねて流延することができる。又、3種以上のドープ
を使用する場合、同時流延(共流延ともいう)と逐次流
延を適宜組み合わせて流延し、積層構造のフィルムを作
製することもできる。同時流延もしくは逐次流延によっ
て製膜されるこれらの方法は、乾燥されたフィルム上に
塗布する方法とは異なり、積層構造の各層の境界が不明
確になり、断面の観察で積層構造が明確には分かれない
ことがあるという特徴があり、各層間の密着性を向上さ
せる効果がある。
【0131】本発明の光学フィルムの製造方法において
は、支持体上へのドープの製膜速度を5m/分以上に調
整することが好ましく、更に、良好な平面性あるいは光
学特性を有するフィルムを得るという観点から、製膜速
度として、10〜150m/分に調整することが好まし
い。
【0132】《溶媒蒸発工程》ウェブ(本発明において
は、流延用支持体上にドープを流延し、形成されたドー
プ膜をウェブと呼ぶ)を流延用支持体上で加熱し溶媒を
蒸発させる工程である。溶媒を蒸発させるには、ウェブ
側から風を吹かせる方法及び/または支持体の裏面から
液体により伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱
する方法等があるが、裏面液体伝熱の方法が乾燥効率が
好ましい。またそれらを組み合わせる方法も好ましい。
支持体上の乾燥温度は10〜100℃が好ましく、より
好ましくは30〜80℃であり、40〜60℃がより好
ましい。
【0133】《剥離工程》支持体上で溶媒が蒸発したウ
ェブを、剥離位置で支持体から剥離する工程である。剥
離されたウェブは次工程に送られる。
【0134】剥離する時点でのウェブ下記式で表される
残留溶媒量があまり多過ぎると剥離し難かったり、逆に
支持体上で充分に乾燥させてから剥離すると、途中でウ
ェブの一部が剥がれたりするため、10〜120%で剥
離することが好ましい。
【0135】支持体上の剥離位置における温度は、好ま
しくは10〜40℃であり、更に好ましくは11〜30
℃である。また、剥離を容易にする観点から、該剥離位
置におけるウェブの残留溶媒量は20〜100質量%が
好ましく、更に好ましくは30〜90質量%である。
【0136】本発明のウェブの残留溶媒量は下記式で定
義される。 残留溶媒量=(ウェブの加熱処理前質量−ウェブの加熱
処理後質量)/(ウェブの加熱処理後質量)×100% 尚、残留溶媒量を測定する際の、加熱処理とは、115
℃で1時間の加熱処理を行うことを表す。
【0137】上記のように剥離時の残留溶媒量に調整す
るには、流延後の流延用支持体の表面温度を制御し、ウ
ェブからの有機溶媒の蒸発を効率的に行えるように、流
延用支持体上の剥離位置における温度を上記記載の温度
範囲に設定することが好ましい。支持体温度を制御する
には、伝熱効率のよい伝熱方法を使用するのがよく、例
えば、液体による裏面伝熱方法が好ましい。
【0138】輻射熱や熱風等による伝熱方法は支持体温
度のコントロールが難しく、好ましい方法とはいえない
が、ベルト(支持体)マシンにおいて、移送するベルト
が下側に来た所の温度制御には、緩やかな風でベルト温
度を調節することが出来る。
【0139】支持体の温度は、加熱手段を分割すること
によって、部分的に支持体温度を変えることが出来、流
延用支持体の流延位置、乾燥部、剥離位置等異なる温度
とすることが出来る。
【0140】製膜速度を上げる方法(残留溶媒量が出来
るだけ多いうちに剥離するため製膜速度を上げることが
出来る)として、残留溶媒が多くとも剥離出来るゲル流
延法(ゲルキャスティング)がある。それは、ドープ中
にセルロースエステルに対する貧溶媒を加えて、ドープ
流延後、ゲル化する方法、支持体の温度を低めてゲル化
する方法等がある。
【0141】支持体上でゲル化させ膜を強くすることに
よって、剥離を早め製膜速度を上げることも出来る。
【0142】残留溶媒量がより多い時点で剥離する場
合、ウェブが柔らか過ぎると剥離時平面性を損なった
り、剥離張力によるツレや縦スジが発生し易く、経済速
度と品質との兼ね合いで剥離残留溶媒量を決められる。
【0143】支持体とフィルムを剥離する際の剥離張力
は、通常196〜245N/mで剥離が行われるが、、
剥離の際にシワが入りやすい場合は、剥離できる最低張
力を166.6N/mで剥離することが好ましく、更に
好ましくは、最低張力を137.2N/mで剥離するこ
とである。更に好ましくは最低張力を100N/mで剥
離することである。剥離張力が低いほど面内リターデー
ションR0が低く保てるため好ましい。
【0144】《乾燥工程》ウェブを千鳥状に配置したロ
ールに交互に通して搬送する乾燥装置及び/またはクリ
ップやピンでウェブの両端を保持して搬送するテンター
装置を用いて巾保持しながら、ウェブを乾燥する工程で
ある。
【0145】乾燥工程における搬送張力も可能な範囲で
低めに維持することがR0が低く維持できるため好まし
く、190N/m以下であることが好ましい。更に好ま
しくは170N/m以下であることが好ましく、更に好
ましくは140N/m以下であることが好ましく100
〜130N/mであることが特に好ましい。特に、フィ
ルム中の残留溶媒量が少なくとも5質量%以下となるま
で上記搬送張力以下に維持することが効果的である。
【0146】乾燥の手段はウェブの両面に熱風を吹かせ
るのが一般的であるが、風の代わりにマイクロウェーブ
を当てて加熱する手段もある。あまり急激な乾燥は出来
上がりのフィルムの平面性を損ね易い。高温による乾燥
は残留溶媒が8質量%以下くらいから行うのがよい。
【0147】全体を通し、通常乾燥温度は40〜250
℃で、更に70〜180℃が好ましい。
【0148】使用する溶媒によって、乾燥温度、乾燥風
量及び乾燥時間が異なり、使用溶媒の種類、組合せに応
じて乾燥条件を適宜選べばよい。
【0149】流延用支持体面から剥離した後の乾燥工程
では、溶媒の蒸発によってウェブは巾方向に収縮しよう
とする。高温度で急激に乾燥するほど収縮が大きくな
る。
【0150】この収縮を可能な限り抑制しながら乾燥す
ることが、出来上がったフィルムの平面性を良好にする
上で好ましい。
【0151】この観点から、例えば、特開昭62−46
625号に示されているような乾燥全工程あるいは一部
の工程を巾方向にクリップでウェブの巾両端を巾保持し
つつ乾燥させる方法(テンター方式と呼ばれる)が好ま
しい。あるいは2軸延伸テンターを用いて、製膜方向と
幅手方向で同時に延伸することも好ましい。
【0152】尚、この様に幅把持しながら乾燥すること
で得られるフィルムのカールが小さくできるとの効果が
得られる。このときの延伸倍率は×1.01〜×2であ
ることが好ましく、更に×1.01〜×1.5であるこ
とが好ましく、×1.03〜×1.1であることが更に
好ましい。
【0153】以上によって、更に面品質が高く、光学特
性に優れた光学フィルムを得ることができるのである。
【0154】テンターを行う場合のウェブの残留溶媒量
は、テンター開始時に100質量%以下、好ましくは7
0質量%以下であるのが好ましく、且つ、ウェブの残留
溶媒量が10質量%以下になるまでテンターをかけなが
ら乾燥を行う事が好ましく、更に好ましくは5質量%以
下である。
【0155】フィルム乾燥工程では一般にロール懸垂方
式、ピンテンター方式またはクリップテンター方式でフ
ィルムを搬送しながら乾燥する方式が採られる。液晶表
示部材用としては、ピンテンター方式で幅を保持しなが
ら乾燥させることが、寸法安定性を向上させるために好
ましい。特に支持体より剥離した直後の残留溶剤量の多
いところで幅保持を行うことが、寸法安定性向上効果を
より発揮するため特に好ましい。
【0156】フィルムを乾燥させる手段は特に制限な
く、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等
で行う。簡便さの点で熱風で行うのが好ましい。乾燥温
度は40〜180℃の範囲で3〜5段階の温度に分け
て、段々高くしていくことが好ましく、80〜160℃
の範囲で行うことが寸法安定性を良くするためさらに好
ましい。上記温度において、5〜60分乾燥させること
が好ましい。
【0157】《巻き取り工程》ウェブ中の残留溶媒量が
2質量%以下となってからセルロースエステルフィルム
として巻き取る工程である。本発明の光学フィルムの乾
燥工程においては、支持体より剥離したフィルムを更に
乾燥し、残留溶媒量を2質量%以下にすることが好まし
い、更に好ましくは、0.5質量%以下であり、より好
ましくは0〜0.1質量%である。残留溶媒量が低いほ
ど寸法安定性に優れるため好ましい。
【0158】巻き取り方法は、一般に使用されているも
のを用いればよく、定トルク法、定テンション法、テー
パーテンション法、内部応力一定のプログラムテンショ
ンコントロール法等があり、それらを使いわければよ
い。
【0159】セルロースエステルフィルムの膜厚は、使
用目的によって異なるが、仕上がりフィルムとして、通
常5〜1000μmの範囲にあり、更に20〜250μ
mの範囲が好ましく、特に液晶画像表示装置用フィルム
としては20〜120μmの範囲が好ましい。
【0160】膜厚の調節には、所望の厚さになるよう
に、ドープ濃度、ポンプの送液量、ダイの口金のスリッ
ト間隙、ダイの押し出し圧力、流延用支持体の速度等を
コントロールするのがよい。
【0161】また、膜厚を均一にする手段として、膜厚
検出手段を用いて、プログラムされたフィードバック情
報を上記各装置にフィードバックさせて調節するのが好
ましい。
【0162】本発明では、溶液流延製膜法を通しての流
延直後から乾燥までの工程において、乾燥装置内の雰囲
気を、空気とすることもできるが、より好ましくは窒素
ガスや炭酸ガス、あるいはアルゴン等の不活性ガス雰囲
気下で乾燥させることが、製膜後フィルムの物性が安定
するためより好ましい。酸素濃度は5%未満、より好ま
しくは1%未満、更に好ましくは0.1%未満であるこ
とが好ましい。
【0163】本発明の光学フィルムは乾燥終了後に紫外
線を照射することが安定した光学特性を有する光学フィ
ルムが得られるため好ましく、特にフィルムの残留溶媒
量1質量%以下で紫外線を照射することが好ましい。照
射量としては50〜1000mJ/cm2であり、より
好ましくは70〜500mJ/cm2である。紫外線照
射方法については特に制限はないが、例えばメタルハラ
イドランプあるいは高圧水銀灯などがあげられるが、こ
れらに限定されるものではない。これによって、反応性
金属化合物の反応を進行させることもできる。
【0164】又、本発明の光学フィルムは輝点異物が少
ないものであることが、特に好ましく用いられる。
【0165】輝点異物とは、2枚の偏光板を直交に配置
し(クロスニコル)、この間に光学フィルムを配置し
て、一方の面から光源の光を当てて、もう一方の面から
光学フィルムを観察したときに、光源の光がもれて見え
る点のことである。このとき評価に用いる偏光板は輝点
異物がない保護フィルムで構成されたものであることが
望ましく、偏光子の保護にガラス板を使用したものが好
ましく用いられる。輝点異物はセルロースエステルに含
まれる未酢化のセルロースがその原因の1つと考えら
れ、輝点異物の少ないセルロースエステルを用いること
と、セルロースエステルを溶解したドープ液を濾過する
ことによって除去し、低減することができる。又、フィ
ルム膜厚が薄くなるほど単位面積当たりの輝点異物数は
少なくなり、フィルムに含まれるセルロースエステルの
含有量が少なくなるほど輝点異物は少なくなる傾向があ
る。
【0166】輝点異物は、輝点の直径0.01mm以上
が200個/cm2以下であることが好ましく、更に1
00個/cm2以下であることが好ましく、50個/c
2以下であることが好ましく、30個/cm2以下であ
ることが好ましく、10個/cm2以下であることが好
ましいが、皆無であることが最も好ましい。又、0.0
05〜0.01mm以下の輝点についても200個/c
2以下であることが好ましく、更に100個/cm2
下であることが好ましく、50個/cm2以下であるこ
とが好ましく、30個/cm2以下であることが好まし
く、10個/cm2以下であることが好ましいが、皆無
であることが最も好ましい。
【0167】輝点異物を濾過によって除去する場合、セ
ルロースエステルを単独で溶解させたものを濾過するよ
りも可塑剤を添加混合した組成物を濾過することが輝点
異物の除去効率が高く好ましい。濾材としては、ガラス
繊維、セルロース繊維、濾紙、四フッ化エチレン樹脂な
どのフッ素樹脂等の従来公知のものが好ましく用いられ
るが、セラミックス、金属等も好ましく用いられる。絶
対濾過精度としては50μm以下のものが好ましく用い
られ、30μm以下のものが更に好ましく、10μm以
下のものが更に好ましく、5μm以下のものが更に好ま
しく用いられ、1μm以下のものが更に好ましく用いら
れる。これらは適宜組み合わせて使用することもでき
る。濾材はサーフェースタイプでもデプスタイプでも用
いることができるが、デプスタイプの方が比較的目詰ま
りしにくく好ましく用いられる。
【0168】又、本発明の光学フィルム裏面の中心線平
均表面粗さRaが0.5μm未満であることが好まし
く、0.1μm未満であることがより好ましく、更に好
ましくは0.03μm未満である。最も好ましくは0〜
0.01μmである。
【0169】本発明の光学フィルムは可視光の透過率が
60%以上であることが好ましく、80%以上であるこ
とが好ましく、90%以上であることが好ましく、95
%以上であることが好ましい。
【0170】本発明の光学フィルムは、面内リターデー
ションR0は200nm未満であることが好ましく、1
00nm未満であることがより好ましく、60nm未満
であることがより好ましい。
【0171】液晶表示装置用基板として用いる場合、面
内リターデーションR0は20nm未満であることが好
ましく、更に10nm未満であることが好ましく、更に
5nm未満であることが特に好ましい。最も好ましくは
0〜1nmである。
【0172】一方で本発明の光学フィルムを位相差フィ
ルムとして用いる場合、剥離後のフィルムを延伸するこ
とによってR0を100〜1000nmとすることもで
きる。これにより、例えば1/4λ板、1/2λ板等も
作製することもできる。
【0173】面内リターデーションは自動複屈折率計K
OBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)を用い
て、590nmの波長において、三次元屈折率測定を行
い、得られた屈折率nx、ny、nzから算出すること
ができる。又、膜厚方向のリターデーション値Rtは0
〜400nmのものを作製することができる。好ましく
は、30〜250nmのものが好ましく得られる。R0
あるいはRtの値は製膜条件の他、反応性金属化合物あ
るいは可塑剤、紫外線吸収剤等の種類や添加量によって
も調整することもできる。
【0174】本発明の光学フィルムは、遅相軸方向と製
膜方向とのなす角度θと面内方向のリターデーションR
0が下記の関係にあることがより好ましい。
【0175】P≦1−sin2(2θ)×sin2(πR
0/λ) Pは0.9999、λはR0及びθ(ラジアン)を求め
るための三次元屈折率測定の際の光の波長590nmを
表す。
【0176】本発明の光学フィルムは、必要に応じてそ
の表面に金属酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物、有機
物重合体等の皮膜を形成してもよく、これらは積層され
ていても良い。ITOなどの透明導電膜の反対の面にこ
うした皮膜を形成することによりITOなどの透明導電
膜の形成によるフィルムの表裏での吸湿性や内部応力の
差による反りを解消することが出来るが、表裏両面に皮
膜を形成しても良い。こうした皮膜の形成により、より
優れた水蒸気透過性の低減ができる。こうした膜に使用
される金属酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物としては
ケイ素、ジルコニウム、チタン、タングステン、タンタ
ル、アルミニウム、亜鉛、インジウム、クロム、バナジ
ウム、スズ、ニオブから選ばれる1種類以上の元素の酸
化物あるいは窒化物、酸窒化物が挙げられ、酸化ケイ
素、酸化アルミニウム、窒化ケイ素が特に好ましい。金
属酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物は例えば、真空蒸
着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等に
よって製膜することができる。
【0177】本発明の光学フィルムは、乾燥後残量溶媒
量が0.5質量%未満となった光学フィルムに大気圧近
傍の圧力下でプラズマ処理し、無機薄膜を形成すること
が特に好ましく、主にSiO2等からなるガスバリア層
あるいはZnO、SnO2等を主成分とする導電層ある
いは帯電防止層等を形成することが好ましい。特に本発
明の光学フィルムでは、フィルム製造に反応性金属化合
物を用いているため、プラズマ処理で形成された無機薄
膜との密着性に優れるため好ましい。又、本発明の光学
フィルムは耐熱温度が高く、プラズマ処理を行っても平
面性が損なわれることが少ないため好ましい。プラズマ
処理は大気圧近傍の圧力下で行うことが好ましく、アル
ゴンもしくはヘリウム等の不活性ガス雰囲気下で行うこ
とが好ましい。
【0178】光学フィルムが対向する電極間に配置さ
れ、一方の電極は該基材と接触し、且つ、前記基材の搬
送方向に回転するロール電極Aであり、もう一方の電極
は、該ロール電極に対向している全ての放電領域は誘電
体が被覆されている電極Bであり、該プラズマ放電処理
装置に設けられた放電処理室に希ガス及び金属又は半金
属を含む化合物を含む混合ガスを導入しながら、前記ロ
ール電極A及び前記電極Bに高周波電圧を印加させ、大
気圧または大気圧近傍の圧力下で放電プラズマ処理を行
い、前記基材表面上に無機化合物を含有する薄膜を形成
することができる。
【0179】珪素化合物を含有させる層を形成する場
合、珪素化合物としては、例えば、ジメチルシラン、テ
トラメチルシランなどの有機金属化合物、モノシラン、
ジシランなどの金属水素化合物、二塩化シラン、三塩化
シランなどの金属ハロゲン化合物、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン
などのアルコキシシラン、オルガノシランなどを用いる
ことが好ましいがこれらに限定されない。また、これら
は適宜組み合わせて用いることが出来る。これらを気化
させるなどして前記プラズマ放電処理装置内に導入し、
放電プラズマ処理を行い、前記基材表面上に珪素化合物
を含有する薄膜を形成することができる。このようにし
て形成された珪素化合物の層はガスバリア層として有用
である。
【0180】酸素透過率(ASTM D−1434−7
5に準じて測定)が30ml/24hr・m2・atm
以下であることが好ましく、更に10ml/24hr・
2・atm以下であることが好ましく、更に好ましく
は1ml/24hr・m2・atm以下であり、0.1
ml/24hr・m2・atm以下であることが望まし
い。
【0181】又、塗布により無機あるいは有機のガスバ
リア層を設けることもできる。プラズマ処理において、
有機金属化合物を用いることによって、金属酸化物等か
らなる薄膜を形成することもできる。例えば、錫あるい
は亜鉛を有する有機金属化合物を用いて、導電層もしく
は帯電防止層を形成することもできる。
【0182】このほか本発明の光学フィルムには紫外線
硬化樹脂層、防眩層、反射防止層、液晶層、光学異方層
等の機能層を設けることができる。
【0183】以上のようにして得られる光学フィルム
は、透湿性に優れ、耐熱温度も高く、液晶ディスプレイ
用基板フィルム、有機EL用基板フィルム、無機EL用
基板フィルム、として特に好ましく用いられる。
【0184】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明の実施態様はこれらに限定されない。
【0185】実施例1 〈本発明の光学フィルム1の作製〉テトラエトキシシラ
ン29.2gおよびメチルトリエトキシシラン10.8
gをエタノール29.2gに溶解し攪拌しながら、0.
63質量%塩酸水溶液を29.2g加えた。10分後こ
の溶液を50℃に保った14.29質量%のセルロース
アセテートプロピオネート(アセチル基置換度2.0プ
ロピオニル基置換度0.8)のアセトン溶液348.2
gに攪拌しながら加えた。得られた溶液を2時間加熱還
流し、溶液を安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244
を使用して濾過して、ドープ1を得た。得られたドープ
1を図1(d)で示された流延製膜装置を用いて製膜し
た。
【0186】ダイからステンレスベルト上にドープ温度
25℃で流延した。ステンレスベルトの裏面から40℃
の温度の温水を接触させて温度制御されたステンレスベ
ルト上で、さらに40℃の温風をあてながら2分間乾燥
した後、更にステンレスベルトの裏面に、15℃の冷水
を接触させて15秒間保持した後、ステンレスベルトか
ら剥離した。剥離時のウェブ中の残留溶媒量は40質量
%であった。次いでテンターを用いて剥離したウェブの
両端をクリップで掴み、両端のクリップ間隔を巾方向に
変化させることで、90℃で巾方向に1.05倍に延伸
した。延伸終了後、更にローラー搬送しながら125℃
で10分間乾燥させ、幅1.3m、膜厚80μmの本発
明の光学フィルム1を得た。
【0187】〈本発明の光学フィルム2の作製〉テトラ
エトキシシラン29.2g、メチルトリエトキシシラン
5.4gおよび(3−グリシドキシプロピル)トリメト
キシシラン2.4gをエタノール29.2gに溶解し攪
拌しながら、0.63質量%塩酸水溶液を25.2g加
えた。10分後この溶液を50℃に保った14.29質
量%のセルロースアセテートプロピオネート(アセチル
基置換度1.9プロピオニル基置換度0.7)のアセト
ン溶液331.7gに攪拌しながら加えた。得られた溶
液を2時間加熱還流し、溶液を安積濾紙(株)製の安積
濾紙No.244を使用して濾過して、ドープ2を得
た。得られたドープ2を図1(c)で示された流延製膜
装置を用いて製膜した。
【0188】ダイからステンレスベルト上にドープ温度
25℃で流延した。ステンレスベルトの裏面から40℃
の温度の温水を接触させて温度制御されたステンレスベ
ルト上で2分間乾燥した後、更にステンレスベルトの裏
面に、15℃の冷水を接触させて15秒間保持した後、
ステンレスベルトから剥離した。剥離時のウェブ中の残
留溶媒量は40質量%であった。次いでテンターを用い
て剥離したウェブの両端をクリップで掴み、両端のクリ
ップ間隔を巾方向に変化させることで、90℃で巾方向
に1.03倍に延伸した。延伸終了後、更にローラー搬
送しながら130℃で10分間乾燥させ、幅1.3m、
膜厚80μmの本発明の光学フィルム2を得た。
【0189】〈本発明の光学フィルム3の作製〉テトラ
エトキシシラン29.2g、メチルトリエトキシシラン
5.4gおよびジメチルジエトキシシラン3.0gをエ
タノール29.2gに溶解し攪拌しながら、0.63質
量%塩酸水溶液を25.2g加えた。10分後この溶液
を50℃に保った14.29質量%のセルロースアセテ
ートプロピオネート(アセチル基置換度2.0プロピオ
ニル基置換度0.8)のアセトン溶液333.1gに攪
拌しながら加えた。得られた溶液を2時間加熱還流し、
濾過してドープ3を得た。得られたドープ3を図1
(d)で示された流延製膜装置を用いて製膜した。
【0190】ダイからステンレスベルト上にドープ温度
25℃で流延した。ステンレスベルトの裏面から40℃
の温度の温水を接触させて温度制御されたステンレスベ
ルト上で2分間乾燥した後、更にステンレスベルトの裏
面に、15℃の冷水を接触させて15秒間保持した後、
ステンレスベルトから剥離した。剥離時のウェブ中の残
留溶媒量は40質量%であった。次いでテンターを用い
て剥離したウェブの両端をクリップで掴み、両端のクリ
ップ間隔を巾方向に変化させることで、90℃で巾方向
に1.05倍に延伸した。延伸終了後、更にローラー搬
送しながら120℃で15分間乾燥させ、幅1.3m、
膜厚80μmの本発明の光学フィルム3を得た。
【0191】〈本発明の光学フィルム4の作製〉テトラ
エトキシシラン29.2g、フェニルトリエトキシシラ
ン7.2gおよびジフェニルジメトキシシラン7.3g
をエタノール29.2gに溶解し攪拌しながら、0.6
3質量%塩酸水溶液を25.2g加えた。10分後この
溶液を50℃に保った14.29質量%のセルロースア
セテートプロピオネート(アセチル基置換度1.8プロ
ピオニル基置換度0.6)のアセトン溶液509.4g
に攪拌しながら加えた。得られた溶液を2時間加熱還流
し、溶液を安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を
使用して濾過して、ドープ4を得た。得られたドープ4
を図1(d)で示された流延製膜装置を用いて製膜し
た。
【0192】ダイからステンレスベルト上にドープ温度
30℃で流延した。ステンレスベルトの裏面から45℃
の温度の温風をあてて、温度制御されたステンレスベル
ト上で、上面より55℃の温風をあてながら1分間乾燥
した後、更にステンレスベルトの裏面に、15℃の冷水
を接触させて15秒間保持した後、ステンレスベルトか
ら剥離した。剥離時のウェブ中の残留溶媒量は80質量
%であった。80℃に保持された乾燥ゾーンをロール搬
送させた後、次いでテンターを用いて剥離したウェブの
両端をクリップで掴み、両端のクリップ間隔を巾方向に
変化させることで、90℃で巾方向に1.07倍に延伸
した。延伸終了後、更にローラー搬送しながら125℃
で10分間乾燥させ、幅1.3m、膜厚80μmの本発
明の光学フィルム4を得た。
【0193】〈本発明の光学フィルム5の作製〉テトラ
エトキシシラン29.2g、メチルトリエトキシシラン
3.6g、ジメチルジエトキシシラン3.0gおよび
(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシ
ラン2.2gをエタノール29.2gに溶解し攪拌しな
がら、0.63質量%塩酸水溶液を25.2g加えた。
10分後この溶液を50℃に保った14.29質量%の
セルロースアセテート(アセチル基置換度2.5)のア
セトン溶液333.1gに攪拌しながら加えた。得られ
た溶液を2時間加熱還流し、溶液を安積濾紙(株)製の
安積濾紙No.244を使用して濾過して、ドープ5を
得た。得られたドープ5を図1(d)で示された流延製
膜装置を用いて製膜した。
【0194】ダイからステンレスベルト上にドープ温度
30℃で流延した。ステンレスベルトの裏面から43℃
の温度の温風を接触させて温度制御されたステンレスベ
ルト上で50℃の温風をあてながら90秒間乾燥した
後、更にステンレスベルトの裏面に、12℃の冷水を接
触させて10秒間保持した後、ステンレスベルトから剥
離した。剥離時のウェブ中の残留溶媒量は70質量%で
あった。80℃に保持された乾燥ゾーンをロール搬送さ
せた後、次いでテンターを用いて剥離したウェブの両端
をクリップで掴み、両端のクリップ間隔を巾方向に変化
させることで、90℃で巾方向に1.06倍に延伸し
た。延伸終了後、更にローラー搬送しながら120℃で
15分間乾燥させ、幅1.3m、膜厚80μmの本発明
の光学フィルム5を得た。
【0195】〈本発明の光学フィルム6の作製〉テトラ
エトキシシラン29.2g、フェニルトリエトキシシラ
ン7.2g、ジフェニルジメトキシシラン4.9gおよ
び(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシ
シラン2.2gをエタノール29.2gに溶解し攪拌し
ながら、0.63質量%塩酸水溶液を25.2g加え
た。10分後この溶液を50℃に保った14.29質量
%のセルロースアセテートプロピオネート(アセチル基
置換度1.8プロピオニル基置換度0.8)のアセトン
溶液509.4gに攪拌しながら加えた。得られた溶液
を5時間後、安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244
を使用して濾過して、ドープ6を得た。得られたドープ
6を図1(d)で示された流延製膜装置を用いて製膜し
た。
【0196】ダイからステンレスベルト上にドープ温度
30℃で流延した。ステンレスベルトの裏面から55℃
の温度の温風を接触させて温度制御されたステンレスベ
ルト上で60℃の温風をあてながら90秒間乾燥した
後、更にステンレスベルトの裏面に、12℃の冷水を接
触させて10秒間保持した後、ステンレスベルトから剥
離した。剥離時のウェブ中の残留溶媒量は40質量%で
あった。80℃に保持された乾燥ゾーンをロール搬送さ
せた後、次いでテンターを用いて剥離したウェブの両端
をクリップで掴み、両端のクリップ間隔を巾方向に変化
させることで、90℃で巾方向に1.06倍に延伸し
た。延伸終了後、更にローラー搬送しながら125℃で
15分間乾燥させ、幅1.3m、膜厚80μmの本発明
の光学フィルム6を得た。
【0197】〈比較の光学フィルム1及び2の作製〉ド
ープ1を下記ドープAに変更した以外は本発明の光学フ
ィルム1と同様にして比較の光学フィルム1を作製し
た。
【0198】 ドープA セルロースアセテートプロピオネート (アセチル基置換度2.0プロピオニル基置換度0.8) 81g トリフェニルフォスフェート 9g アセトン 360g ドープ1を下記ドープBに変更した以外は本発明の光学
フィルム1と同様にして比較の光学フィルム2を作製し
た。
【0199】 ドープB セルロースアセテートプロピオネート (アセチル基置換度2.0プロピオニル基置換度0.8) 90g アセトン 360g 以上、作製した本発明の光学フィルム1〜6および比較
例の光学フィルム1及び2について光透過率(可視
光)、ヘイズ、透湿度を評価した。評価結果を下記表1
に示す。尚、光透過率は及びヘイズは東京電色(株)製
TURBIDITYMETER T−2600DAで測
定した。面内リターデーションR0は王子計測機器
(株)製自動複屈折計KOBRA−21ADHで測定
し、3次元屈折率測定の結果から算出した。又、透湿度
はJIS−Z−0208に記載の方法で測定した。中心
線平均表面粗さは光学干渉式表面粗さ計(WYKO社
製)を用いて測定した。
【0200】
【表1】
【0201】表1から、比較例の光学フィルム1および
2は透湿度が高いのに対して、本発明の光学フィルム1
〜6は透湿度が低く、光学特性にも優れ、表面の平滑性
にも優れていることがわかる。
【0202】実施例2 本発明の光学フィルム1にロール電極、それに対向する
複数の電極から構成されるプラズマ放電処理装置を用い
て、酸化珪素を有するガスバリア層を形成した。ロール
電極及び対向電極には、セラミック溶射によりアルミナ
を1mm被覆し、その後テトラメトキシシランを酢酸エ
チルで希釈した溶液を塗布乾燥後、紫外線照射により硬
化させて封孔処理を行い誘電体を有する電極を製作し
た。ロール電極はアース(接地)した。放電プラズマ発
生に用いる使用電源は、ハイデン研究所製インパルス電
源PHF−6Kで連続周波数を100kHzに設定し
た。但し、ロール電極は、ドライブを用いて回転させ、
本発明の光学フィルム1はこのロール電極に接触しなが
ら搬送され、ロール電極に接していない面にプラズマ放
電処理を施した。前記ロール電極上の本発明の光学フィ
ルム1と対向電極間の放電空間に下記組成の混合ガスを
大気圧近傍の圧力下で導入しながら放電処理を行い、長
尺フィルムに連続的に酸化珪素を有する被膜を形成し
た。
【0203】プラズマ処理に用いた混合ガス(反応ガ
ス)の組成を以下に記す。 (低屈折率層形成用) 不活性ガス:アルゴン 反応ガス1:水素ガス(アルゴンに対し1%) 反応ガス :テトラメトキシシラン蒸気(アルゴンガス
にてバブリング) 放電密度 :120W・min/m2 光学フィルム1を光学フィルム2〜6に変更した以外は
同様にしてプラズマ処理を行った。得られた光学フィル
ム1〜6の透湿度はいずれも10g/m2・24hr以
下であった。
【0204】
【発明の効果】本発明によれば、透明性が高く、水蒸気
透過性が小さい、電子ディスプレイ素子用、電子光学素
子用、タッチパネル用または太陽電池用として有用な透
明光学フィルム及びその製造方法を提供することであ
り、特に寿命が長くコントラストが高い有機EL素子を
与える電子ディスプレイ素子用光学フィルム、あるいは
複屈折を利用した表示方法を採用している液晶パネルに
おいて色ずれの小さい電子ディスプレイ素子用光学フィ
ルムを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルムの溶液流延製膜法の模式図である。
【符号の説明】
3 鏡面帯状金属流延支持体 4 ダイス 6 セルロースエステルフィルム 7 テンター搬送・乾燥工程 8 張力カット手段 10 ロール搬送・乾燥工程 71 排気口 72 乾燥風取り入れ口 101 乾燥箱 102 排気口 103 乾燥風取り入れ口 104 上部搬送用ロール 105 下部搬送用ロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 1/10 G02B 5/30 5/30 B29K 1:00 // B29K 1:00 B29L 7:00 B29L 7:00 G02B 1/10 Z (72)発明者 北 弘志 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 (72)発明者 大久保 康 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 Fターム(参考) 2H049 BA06 BA42 BB13 BB49 BC03 BC09 BC22 2K009 BB28 CC03 CC09 CC42 EE00 EE03 4F071 AA09 AA66 AA67 AF30 AF35 AH16 BA02 BB02 BB07 BC01 4F205 AA01 AB22 AC05 AG01 AH73 AM27 GA07 GB02 GC07 GE22 GN21 GW34 4J002 AB02W CP02X CP03X GP00 GQ00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機ポリマーと反応性金属化合物を有す
    る溶液を支持体上に流延し、乾燥させて剥離した後ロー
    ル搬送及びテンター搬送から選ばれる少なくとも1つの
    搬送方法により乾燥させることを特徴とする光学フィル
    ムの製造方法。
  2. 【請求項2】 剥離残留溶媒10〜120質量%で剥離
    したフィルムを、残留溶媒量を2〜100質量%まで乾
    燥する工程内で、幅保持しながら乾燥するか幅手方向に
    延伸することを特徴とする請求項1に記載の光学フィル
    ムの製造方法。
  3. 【請求項3】 有機ポリマーと反応性金属化合物を有す
    る溶液を支持体上に流延し、乾燥させて剥離してロール
    搬送及びテンター搬送から選ばれる少なくとも1つの搬
    送方法により乾燥させることを特徴とする光学フィルム
    の製造方法において、不活性ガス雰囲気内で支持体上に
    流延し、乾燥させることを特徴とする請求項1又は2記
    載の光学フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 有機ポリマーと反応性金属化合物を有す
    る溶液を支持体上に流延し、乾燥させて剥離してロール
    搬送及びテンター搬送から選ばれる少なくとも1つの搬
    送方法により乾燥させることを特徴とする光学フィルム
    の製造方法において、乾燥後残量溶媒量が0.5質量%
    未満となった光学フィルムに大気圧近傍の圧力下でプラ
    ズマ処理し、無機薄膜を形成することを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか1項記載の光学フィルムの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 剥離残留溶媒1質量%未満まで乾燥され
    たフィルムに紫外線を照射することを特徴とする請求項
    1〜4のいずれか1項記載の光学フィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項記載の方法
    で製造されたことを特徴とする光学フィルム。
  7. 【請求項7】 有機ポリマーが主にセルロースエステル
    であり、反応性金属化合物が少なくとも金属アルコキシ
    ドもしくはその加水分解物を含むことを特徴とする請求
    項6記載の光学フィルム。
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