JP4656523B2 - セルロース誘導体を用いた位相差フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置等の画像表示装置に有用なセルロース誘導体を用いた位相差フィルムに関する。
位相差フィルムは、直線偏光を楕円偏光や円偏光に変換したり、ある方向にある直線偏光を別の方向に変換(旋光)したりすることができる機能を有しており、これらの機能を利用することにより、例えば液晶表示装置の視野角やコントラスト等を改善することができる。この位相差フィルムは、通常ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルサルフォン等のプラスチックフィルムを一軸または二軸延伸することによって得られる。このとき、延伸によって発生する屈折率の異方性によって複屈折が発生し、位相差フィルムとして機能する。位相差フィルムの光学的性能は、例えば、ある波長における位相差フィルム正面方向での遅相軸方向(面内で屈折率が最大となる方向)の屈折率と進相軸方向(面内で遅相軸方向と直交する方向)の屈折率の差と位相差フィルムの厚さの積によって求められる位相差値によって決めることができる。しかしながら、この位相差値にはいわゆる波長依存性(波長分散特性)と視野角依存性(視野角特性)があり、位相差フィルムはこれら諸特性を含めた総合的な性能を考慮して種々のディスプレイに使用される。
波長分散特性は位相差値の波長依存性であり、用いる材質によって異なっており、例えばポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルサルフォン等のプラスチックフィルムを材料に作製された位相差フィルムは、550nmよりも長波長側の位相差値が550nmにおける位相差値より小さく、550nmよりも短波長側の位相差値が550nmにおける位相差値よりも大きい。
したがって1/4位相差フィルムを作製するために550nmにおける位相差値を137.5nmに合わせたとしても、550nmよりも長波長側の位相差は波長の1/4以下になり、550nmよりも短波長側の位相差は波長の1/4以上になる。
このことは、例えば、その位相差が波長の1/4になるような位相差フィルム(いわゆる1/4波長板)を用いて反射防止フィルターを作製した場合、反射防止効果が十分に得られるのは、位相差が略1/4となるような波長領域のみで、それ以外の波長では円偏光が楕円偏光となってしまい、結果として十分な反射防止効果が得られないという問題を生じてしまう。また、その位相差が波長の1/2になるような位相差フィルム(いわゆる1/2波長板)を用いて液晶プロジェクター等に用いられる旋光子を作製した場合、直線偏光を直線偏光として回転できるのは位相差が略1/2となるような波長領域のみで、それ以外の波長では直線偏光が楕円偏光となってしまい、十分な旋光効果が得られなくなってしまう。
可視領域全域に渡って波長に対して等しい位相差を付与するような波長分散特性を有する位相差フィルムはアクロマティック位相差フィルムと呼ばれ、そのような傾向(アクロマティック性)を示すには、例えば、波長550nmにおける位相差値よりも長波長側の位相差値の方が大きく、波長550nmにおける位相差値よりも短波長側の位相差値の方が小さいことが必要である。
一方、視野角特性は、位相差値の角度依存性であり、一般的に位相差フィルムの延伸方法によって制御される。延伸によって延伸方向の屈折率nxとそれとフィルム面内で直交する方向の屈折率nyと厚さ方向屈折率nzが発生し、その値によって、位相差フィルムの視野角特性が決まる。一軸延伸においては通常nx>ny=nzの関係となるため、いわゆる一軸性を有する位相差フィルムとなる。これに対し、二軸性は例えば、nx≧ny>nzあるいはnz≧ny>nxあるいはny>nz>nxとなる場合等が挙げられるが、通常の一軸延伸ではそのような屈折率を有する位相差フィルムを得ることは容易ではなかった。
特許文献1では、セルロース誘導体を特定方向に配向させてアクロマティック性を示すフィルムを作製する方法が開示されているが、初期の光学特性に関しては問題ないものの、高温環境や、高温高湿度環境等での所謂耐久性試験の条件に晒したときに、位相差値が変化する場合があった。
延伸フィルムの位相差値が変化する原因としては、延伸後の残留応力が耐久性試験の再加熱時にフィルムを収縮させ、延伸の効果を低下させることが挙げられる。また、温度がフィルムの素材であるポリマーのガラス転移温度に近づくにつれて、ポリマーの延伸配向が緩和することも考えられ、これらの原因を排除することにより、位相差値の変化も小さくなる。このような性質はポリマーの種類によって大きく異なるため、固有の改善方法が望まれる。
特許文献2では、実質的に対象となるアシルセルロースの置換基の炭素数が2〜4であるアシルセルロースならびに、これを用いた偏光板の耐久性を向上させる技術が開示されている。アシルセルロースにポリエステル、ポリエステルエーテルまたはビニルエステルを配合して作製したフィルムは伸縮率が抑制され、これを保護フィルムとして用いた偏光板は、高温高湿度環境において耐久性に優れる。特許文献3では、アシルセルロースと、シクロヘキシル基やフェニル基を含む3環以上の環状構造を含む低分子配合剤を用いて、良好な透湿度を有しかつ寸法安定性に優れ、高温高湿度環境において耐久性に富む偏光板用保護フィルムの製法を提供している。特許文献4では、配合剤として酢酸ビニルおよびオクタデシルメタクリレートならびにUV吸収性エチレン系不飽和モノマーを用い、引き裂き強度に優れるフィルムと、これを保護フィルムとして用いた耐久性に優れた偏光板の製法を提供している。
特許文献5では、チタン化合物、ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物、シラン化合物等をアシルセルロース配合剤として用いて、透湿度が低く寸法安定性が改善され、位相差値の変化を抑えた保護フィルムならびに位相差フィルムを作製する方法が開示されている。
しかし、特許文献2〜5では実質的に対象となるアシルセルロースの置換基の炭素数が2〜4程度である。本発明者らの検討により、特許文献2〜5の方法では、アシル基の炭素数が5個以上のアシルセルロースからなる一軸延伸フィルムの耐久性を向上できないことが判った。
WO2002/093213 特開2002−120244 特開2003−165868 特開2004−83657 特開2004−137460 特許第2866372号公報 特開2002−196137 特許第2587398号公報
従来の方法は実質的に対象となるアシルセルロースの置換基の炭素数が2〜4であるアシルセルロースに対しては有効であるが、少なくとも炭素数が5から20の脂肪族アシル基により水酸基が置換され、該水酸基の置換度がセルロース1モノマーユニット当り0.50〜2.99であるセルロース誘導体からなる位相差フィルムの場合には、高温、あるいは高温高湿度環境における位相差値変化を抑制することができなかった。従って、これら位相差フィルムの位相差値変化を抑制する有効な手法が望まれていた。
本発明者らは前記の課題を解決すべく鋭意研究の結果、少なくとも炭素数が5から20の脂肪族アシル基により水酸基が置換されたセルロース誘導体に対して、特定の構造を持つシランカップリング剤を含有した組成物を延伸してなる位相差フィルムが高温あるいは高湿度環境下においても位相差値変化を抑制できることを新規に見出し、本発明に到った。
即ち、本発明は、
(1)少なくとも炭素数が5から20の脂肪族アシル基(A)により水酸基が置換され、該水酸基の置換度がセルロース1モノマーユニット当り0.50〜2.99であるセルロース誘導体100重量部に対してエポキシ基を有するシランカップリング剤を0.1から50重量部含有した組成物から得られるフィルムを延伸してなる位相差フィルム、
(2)延伸温度が50℃から200℃、延伸倍率が1.05倍から5倍、延伸速度が5倍延伸/分以下である条件の範囲で固定端1軸延伸や、同時二軸延伸、または逐次二軸延伸処理された(1)に記載の位相差フィルム、
(3)脂肪族アシル基(A)、及びそれ以外の置換基(B)により置換され、該置換基(B)が該脂肪族アシル基(A)とは構造の異なる脂肪族アシル基、芳香族アシル基、アルキルカルバモイル基、芳香族カルバモイル基、トラン骨格を有するアシル基、ビフェニル骨格を有するアシル基または重合性基のいずれかであり、置換度の合計が0.50〜2.99である(1)又は(2)に記載の位相差フィルム、
(4)90±5℃の高温雰囲気下で500時間保持した後のフィルム面内の位相差値の変化率が5%以内であることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の位相差フィルム、
(5)60±5℃、湿度90±5%の高温高湿度環境下で24時間保持した後のフィルム面内の位相差値の変化率が2%以内であることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の位相差フィルム、
(6)(A)としての脂肪族アシル基がn−ヘキサノイル基であり、n−ヘキサノイル基による水酸基の置換度が1.80〜2.90である(1)乃至(5)のいずれか一項に記載の位相差フィルム、
(7)波長450nmにおける位相差値をRe450、波長550nmにおける位相差値をRe550、波長750nmにおける位相差値をRe750としたときに、下記式(1)、(2)および(3)の関係を満たすことを特徴とする、(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の位相差フィルム、
Re450<Re550<Re750 (1)
0.50≦Re450/Re550<1.00 (2)
1.00<Re750/Re550≦1.50 (3)
(8)位相差フィルムの延伸方向の屈折率をnx、それと面内で直行する方向の屈折率をny及び厚さ方向の屈折率をnzとするとき、下記式(4)又は(5)を満たすことを特徴とする(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の位相差フィルム、
ny>nz>nx (4)
nz≧ny>nx (5)
(9)位相差フィルムと、(1)乃至(8)のいずれか一項に記載の位相差フィルムとを、接着剤又は粘着剤を用いて貼り合わせた複合位相差フィルム、
(10)(1)乃至(9)のいずれか一項に記載の位相差フィルムと偏光フィルムを構成する保護フィルムまたは偏光素子とを、接着剤または粘着剤を用いて貼り合わせた機能性偏光フィルム、
(11)(1)乃至(10)のいずれか一項に記載の位相差フィルム、複合位相差フィルム又は機能性偏光フィルムを備えてなる画像表示装置、
(12)画像表示装置が液晶表示装置である、(11)に記載の画像表示装置、
に関する。
本発明の位相差フィルムを用いることにより、波長分散、複屈折の正負、視野角特性を制御可能な位相差フィルムを作製できるだけでなく、耐久性を向上させることができる。また、用いるセルロース誘導体によっては、十分な複屈折性を有するために厚さを薄くできる。さらに、本発明の位相差フィルムは、反射型および半透過型液晶表示装置を構成する1/4波長位相差フィルム、タッチパネルの鏡面反射防止フィルムのような反射防止フィルム、VAモード液晶表示装置に用いる補償フィルムのような視覚補償フィルム、液晶プロジェクターの偏光ビームスプリッター用波長板のような光利用効率向上用のフィルム、光ディスクの書き込み用ピックアップに用いる波長板のような1波長または2波長以上の位相差同時補償フィルムに用いることができる。本発明の位相差フィルムは偏光フィルムまたは他の位相差フィルムと組み合わせて、円偏光フィルム、旋光フィルム、楕円偏光フィルム、光学フィルム、複合位相差フィルムとして、有機エレクトロルミネッセンス型表示装置、液晶プロジェクター、液晶表示装置等に用いることができ、こうして得られた本発明の画像表示装置は従来の画像表示装置に比べてコントラストや視野角特性が向上するといった優れた特性を付与できる。
本発明を詳細に説明する。
本発明において出発原料として使用しうるセルロースとしては、結晶形態や重合度に関わらず、式(6)に示すモノマー1ユニットが連結した構造、
Figure 0004656523
即ち、D−グルコピラノースがβ−1,4結合で連結した構造であれば用いることができる。上記式において、nはユニットの連結数を示し、通常10以上、好ましくは50以上、より好ましくは100以上であり、上限は特に制限はないが通常10000以下、好ましくは5000以下、より好ましくは2000以下である。具体的には天然セルロース、粉末セルロース、結晶セルロース、再生セルロース、セルロース水和物又はレーヨン等が挙げられる。また、品質の均一性等が要求されるときには人工的に連結数(重合数)が調整されたものを用いるのが好ましく、その場合には、nが100〜1000程度、場合によっては150〜600程度のものが好ましい。
本発明の位相差フィルム作製に用いるセルロース誘導体は少なくともセルロースの水酸基をC5〜C20脂肪族アシル基で置換したもので、下記式(7)で表すことができる。
Figure 0004656523
式(7)中nは前記と同じであり、R、R、及びRは水素原子又は置換基である。R、R、及びRは同じであっても異なっていても良いが、R、R、及びRの全てが水素原子ということは無く、少なくとも1つがC5〜C20、より好ましくはC5〜C16、さらに好ましくはC5〜C12の直鎖の脂肪族アシル基であり、残りの基はその他の置換基で置換されていてもよい。
上記C5〜C20脂肪族アシル基で置換されたセルロース誘導体において、セルロース1モノマーユニットあたりの置換基数(以下置換度という)は、用いる直鎖のアシル基の炭素数によって異なるが、0.5〜2.99が良い。例えば、好ましくは、2.0〜2.99、より好ましくは2.0〜2.8であるセルロースn−ペンタネートからなるフィルムを一軸延伸して得られる本発明の位相差フィルムは、nx>ny>nz(延伸方向の屈折率がnx、それと面内で直交する方向の屈折率がny、厚さ方向の屈折率がnz)であって、かつ、波長分散特性が、波長550nmにおける位相差値よりも長波長側の位相差値の方が大きく、波長550nmにおける位相差値よりも短波長側の位相差値の方が小さくなる、いわゆるアクロマティック性を付与することができる。このアクロマティック性は具体的には下記式(3)、(4)、(5)によって示される。
Re450≦Re550≦Re750 (3)
0.50≦Re450/Re550<1.00 (4)
1.00<Re750/Re550≦1.50 (5)
但し、Re450は波長450nmにおける位相差値、Re550は波長550nmにおける位相差値、Re750は波長750nmにおける位相差値である。
また、置換度が好ましくは、2.0〜2.9、より好ましくは2.0〜2.8、さらに好ましくは2.0〜2.5であるセルロースn−ヘキサネートからなるフィルムを一軸延伸して得られる本発明の位相差フィルムも同様にアクロマティック性を付与することができる。セルロースn−ヘプタネートの場合、置換度を1.5〜2.3とすることにより同様にnx>ny>nzであって、かつ、アクロマティック性を付与できる。
また、セルロースn−ヘプタネートの置換度が2.5〜2.99、より好ましくは2.7〜2.99であれば、通常の一軸延伸を行なうことにより、フィルム面内の延伸方向(あるいはフィルム面内でそれと直交する方向)と厚さ方向の二方向に配向した二軸性を有し(以後これを二軸性が発現するともいう)、かつ、波長分散特性が550nmよりも長波長側の位相差値が550nmにおける位相差値より小さく、550nmよりも短波長側の位相差値が550nmにおける位相差値よりも大きい本発明の位相差フィルムを得ることができる。この二軸性は、本発明の場合、延伸方向の屈折率がnx、それと面内で直交する方向の屈折率がny、厚さ方向の屈折率をnzとするとき、ny>nz>nxあるいはnz≧ny>nxとなることを意味する。また、セルロースn−オクタネート、セルロースn−ノナネート、セルロースn−デカネート、セルロースn−ウンデカネート、セルロースn−ドデカネート、セルロースn−トリデカネート、セルロースn−テトラデカネート、セルロースn−ペンタデカネート、セルロースn−ヘキサデカネート、セルロースn−ヘプタデカネート、セルロースn−オクタデカネート、セルロースn−ナノデカネート、セルロースn−エイコサネート等炭素数8から20の直鎖のアシル基で置換されたセルロース誘導体、より好ましくはセルロースn−オクタネート、セルロースn−ノナネート、セルロースn−デカネート、セルロースn−ウンデカネート、セルロースn−ドデカネート、セルロースn−トリデカネート、セルロースn−テトラデカネート、セルロースn−ペンタデカネート、セルロースn−ヘキサデカネート等の炭素数8〜16の直鎖のアシル基で置換されたセルロース誘導体の場合、置換度が例えば1.0〜2.99、好ましくは1.5〜2.99であるとき二軸性が発現する。さらに、置換度が2.0〜2.99、より好ましくは2.5〜2.99であるとき二軸性が発現するだけでなく、波長分散は550nmよりも長波長側の位相差値が550nmにおける位相差値より小さく、550nmよりも短波長側の位相差値が550nmにおける位相差値よりも大きくなる特徴を有する。
炭素数5から20の脂肪族置換基および、該脂肪族置換基とは異なる置換基を含む場合、置換基数は、0.5〜2.99が良い。炭素数が5から20の脂肪族アシル基の置換基数が2.0以上の場合、その他の置換基数との和はセルロース1モノマーユニットあたり、2.5〜2.99であり、より好ましくは2.7〜2.99とすることにより、上述したような一軸延伸で二軸性を付与できる。
式(7)における、C5〜C20脂肪族アシル基以外のその他の置換基として好ましいものとしては、カルバモイル基又はC5〜C20脂肪族アシル基以外のアシル基が挙げられる。具体的には、Y−CO−基又はZ−NH−CO−基で示される基が挙げられる。ここでYとしては、非置換のC5〜C20脂肪族基以外の基であれば特に問わないが、具体的には、非置換のC5〜C20脂肪族基を除く、置換又は非置換のC1〜C20の炭化水素残基が挙げられる。該炭化水素残基における置換基としては特に制限はないが、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、C1〜C14アシルオキシ基、(C1〜C14)アルキルオキシ基、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、該炭化水素残基が芳香族基であるときは置換基としてC1〜C10アルキル基も挙げられる。
該炭化水素残基としては例えば、ビニル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ベンジル基、1−ナフチルメチル基、トリフルオロメチル基、アミノメチル基、2−アミノ−エチル基、3−アミノ−n−プロピル基、4−アミノ−n−ブチル基、若しくはそれらのアミノ基がさらにアミドやウレタンに変換された基、ヒドロキシル置換(C1〜C4)アルキル基、若しくはそのヒドロキシル基が更に(C1〜C14)アシル基若しくは(C1〜C14)アルキル基で置換された基、(C1〜C3)アルキル基で置換されていてもよいビニル基、シアノビフェニルオキシ(C3〜C10)アルキル基、フェニルアセチレニルフェニル(C1〜C20)アルキル基、アセチレン基及びシンナモイル基等の炭素数1〜10の不飽和結合を有する脂肪族基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオレニル基、ビフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基等の芳香族基を有するアシル基が挙げられる。又Zとして置換基を有してもよいC1〜C10脂肪族基を挙げることができ、(メタ)アクリロイルオキシエチル基、ビニル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ベンジル基、1−ナフチルメチル基、トリフルオロメチル基等がそれぞれ挙げられる。
これらのC5〜C20脂肪族アシル基及び場合によりそれ以外のその他の置換基は、目的とする本発明で使用するセルロース誘導体の複屈折性、波長分散特性、粘度、配向のし易さ、加工性、反応性等に応じて適宜1種又は複数の置換基が選択される。又、セルロース水酸基の置換度についても、目的とする本発明で使用するセルロース誘導体の複屈折性、波長分散特性、粘度、配向のし易さ、加工性、反応性等に応じて適宜選択される。
これらセルロース誘導体は、例えば式(6)に示すセルロースと置換基に対応する試薬とを反応させることにより得ることができる。具体的には、例えば、セルロースを塩化リチウム、N,N−ジメチルアセトアミド混合液中に溶解させ、次に置換基に対応する直鎖のカルボン酸クロライドを加えて反応させることにより、セルロースの水酸基がアシル基に置換されたセルロース誘導体が得られる。また、アシル化を行う他の方法としては、セルロースをトリフルオロ酢酸無水物とカルボン酸の混合液中で反応させることにより、同様にセルロース誘導体を得ることができる。この反応の反応条件を適宜選択することにより、各セルロース誘導体の置換度を制御することができる。例えば上記カルボン酸クロライドを用いる方法は、置換度約1.0〜約2.5程度のセルロース誘導体を得る際には好適な方法である。一方、トリフルオロ酢酸無水物とカルボン酸を用いる方法は、置換度約2.5以上のセルロース誘導体を得る際に好適な方法である。より厳密に置換度を制御するには反応に用いる各試薬の量や反応温度や反応時間などを適宜調節することによって達成される。反応後、水またはメタノール中に反応溶液を添加することで生成物を析出させ、数回再沈殿を行い精製する。得られた固形分を乾燥して、本発明で使用するセルロース誘導体を得ることができる。
本発明で使用するセルロース誘導体の置換度調整は、該セルロース誘導体合成時に用いる酸クロライドやカルボン酸などの置換基導入用試薬の量を調整することにより達成される。置換基導入用試薬は反応原料に用いるセルロースの水酸基量に対して、0.5当量〜100当量の範囲で用いることができ、多く用いるほど高い置換度のセルロース誘導体を得ることができるが、置換基導入用試薬の種類によってセルロース水酸基との反応性が異なるため、ある置換度を達成するために必要な置換基導入用試薬の量はそれぞれ異なる。例えば、置換度2.1のセルロースn−ヘキサネートを得る場合、セルロースの水酸基に対して1.05当量のn−ヘキサノイルクロリドを用いて、4時間以上反応を行う。一方、置換度2.7のセルロースn−ヘキサネートを得る場合には、セルロースの水酸基に対して、1.50当量のn−ヘキサノイルクロリドを用いて、4時間以上反応を行う。
本発明のフィルム作製に用いるセルロース誘導体のドープに添加するシランカップリング剤としては、エポキシ基を含む構造であれば用いることができる。例えば、3−グリシドキシプロピルメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のモノマータイプのシランカップリング剤を用いることができる。モノマータイプ以外にも、アルコキシオリゴマータイプを用いることも可能で、そのような例としては、信越化学工業社製のX−41−1053やX−41−1056等が挙げられる。シランカップリング剤の添加量は、セルロース誘導体に対して0.1から50重量部、より好ましくは0.2から40重量部、さらに好ましくは0.3から30重両部である。オリゴマータイプは比較的反応性が穏やかであり、十分にセルロースと反応させるためには触媒が必要である。触媒としては有機金属系や酸系、アミン系化合物等が挙げられるが、本発明に用いる触媒としては酸系触媒が好ましい。酸触媒として例えばX40−2309A(信越化学工業製)等が挙げられる。添加する量はシランカップリング剤に対して0.1から50重量部程度の量で添加する。シランカップリング剤は、セルロース誘導体溶解時に添加しても良いし、セルロース誘導体溶液に添加しても良い。
また、セルロース誘導体の置換基として、重合性基を導入して、必要に応じて光重合開始剤の存在下、延伸処理後に紫外線を照射して重合させることにより、機械的強度や信頼性、耐溶剤性をさらに向上させた位相差フィルムを得ることができる。重合性基としては、例えば上記YやZがビニル基のもの、即ちアクリロイル基やメタアクリロイル基が挙げられる。光重合開始剤としては、通常の紫外線硬化型樹脂に使用される化合物を用いることができる。
該光重合開始剤の具体例としては、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン等のアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のベンゾイン系化合物、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド、3,3'−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジクロオチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系化合物等が挙げられる。これらの光重合開始剤は1種類でも複数でも任意の割合で混合して使用することができる。
ベンゾフェノン系化合物やチオキサンソン系化合物を用いる場合には、光重合反応を促進させるために、助剤を併用することも可能である。そのような助剤としては例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、n−ブチルアミン、n−メチルジエタノールアミン、ジエチルアミノエチルメタアクリレート、ミヒラーケトン、4,4'―ジエチルアミノフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル又は4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等のアミン系化合物が挙げられる。前記光重合開始剤の含有量は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物(セルロース誘導体や後述する反応性モノマー)100重量部に対して、好ましくは0.5重量部以上10重量部以下、より好ましくは2重量部以上8重量部以下程度がよい。また、助剤は光重合開始剤に対して、0.5〜2倍量程度がよい。
また、紫外線の照射量は、該液晶性配合組成物の種類、光重合開始剤の種類と添加量、膜厚によって異なるが、100〜1000mJ/cm程度がよい。また、紫外線照射時の雰囲気は空気中でも窒素などの不活性ガス中でもよいが、膜厚が薄くなると、酸素障害により十分に硬化しないため、そのような場合は不活性ガス中で紫外線を照射して硬化させるのが好ましい。
さらに、本発明の位相差フィルムを作製するため使用するセルロース誘導体およびエポキシ基を有するシランカップリング剤、上記光重合開始剤の他に、セルロース誘導体とは異なる反応性モノマーを加えることも可能である。反応性モノマーとしては、熱、または光により重合可能な化合物が好ましく、紫外線などの光により重合可能な化合物が好ましい。そのような化合物としては例えば、(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
使用しうる(メタ)アクリレート化合物としては例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートとの反応生成物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートとイソホロンジイソシアネートとの反応生成物、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタアクリロキシエチル)イソシアヌレート、グリセロールトリグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、トリグリセロールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、ビス(アクリロキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビス(メタアクリロキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応性生物、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、ブチルグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート又はブタンジオールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの化合物は単独で用いても良いし、複数を混合して用いても良い。このような反応性化合物を用い、適切な条件下で重合させることにより、位相差フィルムの機械的強度を調節したり、耐久性をさらに向上させることができる。
本発明のセルロース誘導体を用いた位相差フィルムはセルロース誘導体とエポキシ基を有するシランカップリング剤を含む組成物溶液の製膜および、延伸処理によって得られる。具体的な方法としては、まずセルロース誘導体を溶剤に溶解する。使用しうる溶剤としては、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メチルのような酢酸エステル類、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ベンジルアルコールのようなアルコール類、2−ブタノン、アセトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンのようなケトン類、ベンジルアミン、トリエチルアミン、ピリジンのような塩基系溶媒、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、アニソール、ヘキサン、ヘプタンのような非極性溶媒が挙げられる。セルロース誘導体の重量濃度は通常1〜99%、好ましくは2.5〜80%、より好ましくは5〜50%である。これらの化合物は1種類のみ配合しても良いし、複数成分を配合しても良い。次にシランカップリング剤を添加する。さらに必要に応じて上述した各溶剤や可塑剤を加えても良い。可塑剤としてはジメチルフタレートやジエチルフタレート、エチルフタリルエチルグリコレートのようなフタル酸エステル、トリス(2−エチルヘキシル)トリメリテートのようなトリメリット酸エステル、ジメチルアジペートやジブチルアジペートのような脂肪族二塩基酸エステル、トリブチルホスフェートやトリフェニルホスフェートのような正燐酸エステル、セバシン酸−ジ−n−ブチル等のセバシン酸エステル、グリセルトリアセテート又は2−エチルヘキシルアセテートのような酢酸エステルが挙げられる。これらの化合物は1種類のみ配合しても良いし、複数成分を配合しても良い。さらに必要に応じて、上記のアクリル系化合物及び/または重合開始剤、あるいは架橋剤および触媒等を添加する。
次いで該セルロース誘導体とエポキシ基を有するシランカップリング剤を含む溶液を表面の平坦な離型性のある基板の上に一定の厚さになるよう塗布した後、自然乾燥又は加熱乾燥にて溶媒を除去してキャストフィルムを作製し、得られたフィルムをさらに延伸処理することによって本発明の位相差フィルムが得られる。
延伸処理は、一般的な一軸延伸を用いることができ、そのような方法としては例えば、該セルロース誘導体フィルムの両端を固定して加温しながら一方向に延伸する。または、フィルムが長尺のロール状である場合には、例えばニップロールにてフィルムの両端を固定し、加熱雰囲気下、両ロールの回転数の差により連続的に延伸する。延伸する際の温度は、用いるセルロース誘導体の置換基の種類や置換度によって最適な延伸温度は異なるが、50〜200℃、より好ましくは50〜180℃程度が良い。例えば、ヘキサノイル基の置換度が2.0〜2.99のセルロースn−ヘキサネートの場合は90〜160℃である。延伸倍率はセルロース誘導体の種類、厚さ、所望とする位相差値によって異なるが、1.05〜5.0倍、より好ましくは1.1〜4.0倍程度が良い。例えば、ヘキサノイル基の置換度が2.0〜2.99のセルロースn−ヘキサネートの場合は1.1〜3.0倍程度である。延伸速度も延伸温度と同様、セルロース誘導体の種類によって最適延伸速度は異なるが,ヘキサノイル基の置換度が2.0〜2.99のセルロースn−ヘキサネートの場合通常5倍延伸/分以下、好ましくは3倍延伸/分以下、より好ましくは2倍延伸/分以下である。こうして得られる本発明の位相差フィルムのフィルム正面方向の波長550nmにおける位相差値は、10〜600nm程度である。また、製膜の際に重合性基や架橋剤を含有している場合で、重合反応や架橋反応を行っていない場合は、この延伸処理の後、さらに紫外線照射や熱処理等により、重合反応や架橋反応を達成することができる。
また、本発明で得られる位相差フィルムの厚さは30〜150μm、より好ましくは30〜100μm程度が良い。特に、置換度2.0〜2.8のセルロースn−ペンタネート、または置換度2.0〜2.5のセルロースn−ヘキサネートからなる本発明の位相差フィルムの場合、延伸倍率を1.5〜2.0倍、厚さを50〜100μmとすることにより、上記一般的な一軸延伸のみで、上述したような延伸方向の屈折率がnx、それと面内で直交する方向の屈折率がny、厚さ方向の屈折率をnzとするとき、nx>ny>nzであるような二軸性を有し、かつ、波長分散特性が、アクロマティック性である位相差フィルムを得ることができるため、特に好ましい。
また、置換度が2.5〜2.99のセルロースn−ヘプタネート、置換度が1.0〜2.99のセルロースn−オクタネート、セルロースn−ノナネート、セルロースn−デカネート、セルロースn−ウンデカネート、セルロースn−ドデカネート、セルロースn−トリデカネート、セルロースn−テトラデカネート、セルロースn−ペンタデカネート、セルロースn−ヘキサデカネート、セルロースn−ヘプタデカネート、セルロースn−オクタデカネート、セルロースn−ナノデカネート、セルロースn−エイコサネート等炭素数7〜20の直鎖のアシル基によって置換されたセルロース誘導体、より好ましくは置換度が2.7〜2.99のセルロースn−ヘプタネート、置換度が2.0〜2.99、より好ましくは置換度が2.5〜2.99のセルロースn−オクタネート、セルロースn−ノナネート、セルロースn−デカネート、セルロースn−ウンデカネート、セルロースn−ドデカネート、セルロースn−トリデカネート、セルロースn−テトラデカネート、セルロースn−ペンタデカネート、セルロースn−ヘキサデカネート等の炭素数7〜16の直鎖のアシル基によって置換されたセルロース誘導体の場合において、一般的な一軸延伸、即ち例えば、該セルロース誘導体フィルムの両端を固定して40〜200℃、より好ましくは50〜180℃程度に加温しながら一方向に1.05倍から5.0倍、より好ましくは1.1倍から4.0倍程度延伸するか、または、フィルムが長尺のロール状である場合には、例えばニップロールにてフィルムの両端を固定し、40〜200℃、より好ましくは50〜180℃程度の加熱雰囲気下、両ロールの回転数の差により連続的に1.05倍から5.0倍、より好ましくは1.1倍から4.0倍程度延伸することによって、一般的な一軸延伸のみで、上述したような延伸方向の屈折率がnx、それと面内で直交する方向の屈折率がny、厚さ方向の屈折率をnzとするとき、ny>nz>nxあるいはnz≧ny>nxであるような二軸性を有し、かつ、波長分散特性が、550nmよりも長波長側の位相差値が550nmにおける位相差値より小さく、550nmよりも短波長側の位相差値が550nmにおける位相差値よりも大きくなるような位相差フィルムを得ることができる。また、得られる位相差フィルムの厚さは10〜500μm、より好ましくは20〜300μm、さらに好ましくは30〜150μm程度が良い。また、製膜の際に重合性基や架橋剤を含有している場合で、重合反応や架橋反応を行っていない場合は、この延伸処理の後、さらに紫外線照射や熱処理等により、重合反応や架橋反応を達成することができる。
こうして得られた本発明の位相差フィルムは、高温あるいは高温高湿度環境下に放置しても位相差値の変化を抑制できる。具体的には、90℃で500時間以上の耐熱試験において、フィルム面内の位相差値の変化率が5%以内である。また、60℃湿度90%での耐湿熱環境に24時間保持した場合の位相差値の変化は2%以内である。
本発明の位相差フィルムは、他の位相差フィルムや、偏光フィルムと組み合わせて用いることにより、種々の機能を付与できる。例えば、フィルム面内の最大屈折率をna、それとフィルム面内で直交する方向の屈折率をnb、厚さ方向の屈折率をncとするとき、na>nb>nc、na>nb=nc、na=nb>nc、na=nb<nc、na>nc>nbであるような他の位相差フィルムと、nx≧ny>nzあるいはny>nz>nxあるいはnz≧ny>nxであるような本発明の位相差フィルムとを各々の遅相軸が所望の角度になるよう積層することにより、本発明の複合位相差フィルムが得られる。この複合位相差フィルムは波長分散や視野角特性が各位相差フィルム単独とは異なるため、さらなる高機能化が可能となる。具体的には、例えば、ny>nz>nxまたはnz≧ny>nxであるような本発明の位相差フィルムとna>nb>ncまたはna>nb=ncまたはna=nb>ncとを各々の遅相軸が平行または直交するように積層することにより得られた複合位相差フィルムは、各々の持つ視野角依存性よりも改良されている。なお、積層する方法としては例えばアクリル系粘着剤や接着剤によって貼り合せる方法が挙げられる。さらに具体的には、例えば、位相差が波長の1/2程度(例えば波長550nmの光に対しての位相差値が約200〜300nm、より好ましくは230〜290nm)の本発明の位相差フィルムと、位相差が波長の1/4程度(例えば波長550nmの光に対しての位相差値が約100〜150nm)の一軸延伸されたポリカーボネートやポリアリレート、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー等からなるna>nb>ncまたはna>nb=ncである他の位相差フィルム、または、位相差が波長の1/2程度(例えば波長550nmの光に対しての位相差値が約200〜300nm、より好ましくは230〜290nm)の他の位相差フィルムと位相差が波長の1/4程度(例えば波長550nmの光に対しての位相差値が約100〜150nm)のny>nz>nxまたはnz≧ny>nxである本発明の位相差フィルムとを、本発明の位相差フィルムの進相軸(nx方向、即ち、延伸方向)と他の位相差フィルムの遅相軸(延伸方向)を実質的に平行になるように粘着剤や接着剤を用いて積層することにより、本発明の複合位相差フィルムを得ることができる。この複合位相差フィルムは、アクロマティック(各波長に対して略等しい位相差を有する)、広視野角の1/4波長位相差フィルムとなる。このとき、他の位相差フィルムの遅相軸が長尺方向であって、本発明の位相差フィルムの進相軸が長尺方向である場合には、他の位相差フィルムの積層面側に粘着剤層を設け、本発明の位相差フィルムとロールツウロールにより積層が可能となり、工程の簡略化に伴う低コスト化が実現できる。
本発明の位相差フィルムあるいは複合位相差フィルムと偏光フィルムとを積層することにより、本発明の機能性偏光フィルムを得ることができる。具体的には、例えば、本発明の位相差フィルムの550nmにおける位相差を波長の1/4程度(例えば波長550nmの光に対しての位相差値が約100〜150nm、好ましくは130〜140nm)にし、偏光フィルムの吸収軸と該位相差フィルムの遅相軸とのなす角が45°あるいは135°になるように積層することにより、本発明の機能性偏光フィルムの一形態である円偏光フィルムを得ることができる。このとき、位相差フィルムが本発明のアクロマティック性を有する位相差フィルムであれば、反射型あるいは反射半透過型液晶表示装置に用いることにより、視認性や色再現性、コントラストを向上させることができる。また、有機エレクトロルミネッセンス型表示装置を用いた場合には、電極部における反射を抑制できるため、表示画像の視認性を大幅に向上させることができる。また、位相差フィルムが本発明の二軸性を有する位相差フィルムであれば、反射型あるいは反射半透過型液晶表示装置に用いることにより、液晶表示装置の視野角特性を向上させることができる。また、有機エレクトロルミネッセンス型表示装置を用いた場合には、傾斜して観察した場合においても電極部における反射を抑制できるため、同様に視野角特性を向上させることができる。また、偏光フィルムと本発明の位相差フィルムの遅相軸と偏光フィルムの吸収軸とが45°あるいは135°以外の角度で積層されている場合には、本発明の機能性偏光フィルムの一形態である楕円偏光フィルムを得ることができる。このような楕円偏光フィルムをSTN(スーパーツイステッドネマティック)型液晶表示装置に用いることにより、表示画像のコントラストと視野角特性を向上させることができる。なお、コントラストを向上させる際には、STN型液晶セルの持つ位相差値を補償するような位相差値および積層角度の最適化が必要である。
次に本発明の位相差フィルムの550nmにおける位相差が波長の1/2程度(例えば波長550nmの光に対しての位相差値が約200〜300nm、好ましくは250〜290nm)にし、偏光フィルムの吸収軸と該位相差フィルムの遅相軸とのなす角が45°あるいは135°になるように積層することにより、本発明の機能性偏光フィルムの一形態である旋光フィルムが得られる。用いた位相差フィルムが本発明のアクロマティック性を有する位相差フィルムである場合には、この旋光フィルムを液晶プロジェクターに用いることにより広い波長範囲で均一に直線偏光の向きを変えることが可能となるため、光の利用効率を向上させたり、光の吸収による偏光フィルムの劣化を防いだり、表示画像のコントラストを向上させることができる。また、用いた位相差フィルムが本発明の二軸性を有する位相差フィルムである場合には、傾斜に伴う位相差値の変化による旋光性の低下を防ぐことができる。
さらに、本発明の二軸性を有する位相差フィルムまたは複合位相差フィルムの遅相軸と偏光フィルムの吸収軸とを平行または直交、より好ましくは直交になるように積層することにより、本発明の機能性偏光フィルムの一形態である広視野角偏光フィルムを得ることができる。通常、偏光フィルムは、2枚を各々の吸収軸が直交(クロスニコル)になるように積層した場合、フィルム面に対し正面方向は光の透過を遮断することができるが、各々の吸収軸の方向とは異なる方向、特に吸収軸方向からフィルム面内で45°方位を示す方向へ正面方向から傾斜させた位置では、光が抜けてしまうという問題がある。これは傾斜角が大きくなればなるほど顕著である。しかしながら、このような偏光フィルムの視野角依存性に対し、本発明の機能性偏光フィルムの一形態である広視野角偏光フィルムを少なくとも一枚用い、本発明の位相差フィルムを挟むようにもう一方の偏光フィルム(これは通常の偏光フィルムでも、本発明の機能性偏光フィルムの一形態である広視野角偏光フィルムであってもよい。)を、各々の吸収軸が直交(クロスニコル)になるように積層して、各々の吸収軸とは異なる方向、特に45°方位で正面方向から傾斜させて観察しても、光の抜けを抑制することができる。具体的には、波長550nmにおける位相差値が50〜300nm、好ましくは200〜300nm、より好ましくは230〜290nmである二軸性を有する本発明の位相差フィルムの進相軸と偏光フィルムの吸収軸とが実質的に平行になるように積層することにより本発明の機能性偏光フィルムの一形態である広視野角偏光フィルムを得ることができる。このとき、偏光フィルムが長尺状で吸収軸が長尺方向であって、本発明の位相差フィルムが長尺状で進相軸が長尺方向にある場合には、一方のフィルムの積層面側に粘着剤または接着剤層を設け、ロールツウロールによる積層が可能となり、工程の簡略化に伴う低コスト化が実現できる。さらに、この光学フィルムをIPS(インプレーンスイッチング)型液晶表示装置やVA(ヴァーティカルアラインメント:垂直配向)型液晶表示装置に用いることにより、液晶表示装置の視野角依存性を改善することができる。
また、波長550nmにおける位相差値が50〜300nm、より好ましくは100〜300nmであり、屈折率異方性の関係がnx>ny>nzであって、かつ、アクロマティック性を有する位相差フィルム、あるいはny>nz>nxあるいはnz≧ny>nxであって、かつ、波長分散特性が、550nmよりも長波長側の位相差値が550nmにおける位相差値より小さく、550nmよりも短波長側の位相差値が550nmにおける位相差値よりも大きくなるような二軸性を有する位相差フィルムの遅相軸と偏光フィルムの吸収軸または透過軸とが平行または直交、より好ましくは位相差フィルムの遅相軸と、偏光フィルムの吸収軸とが直交になるよう積層した本発明の光学フィルムと、フィルム面内の平均屈折率がno、厚さ方向の屈折率がneあり、ne−no<0の関係を持つような位相差フィルムを用いることにより、VA型液晶表示装置の視野角特性を改善することができる。ne−no<0となるようなフィルムとしては例えば、フィルム面内で二軸延伸した位相差フィルムや、紫外域に選択反射域を有するコレステリック液晶を配向させて固定化したフィルムや、ディスコティック液晶を円盤面が基板面に対して略水平配向させて固定化したフィルムや一軸延伸したフィルムを2枚、それぞれの遅相軸が直交するように積層したフィルムなどが挙げられる。具体的には、VA型液晶表示装置の視野角特性を改善するためには、ne−no<0となるようなフィルムの厚さをdとするとき、Rth=(no−ne)×dで求められるRthが100〜300nm程度が好ましく、そのようなRthにするには、ne、no、dを適宜調整することによって達成される。このとき、550nmにおけるフィルム正面方向の位相差値は0〜50nm程度が良い。このようなne−no<0となるようなフィルムと本発明の位相差フィルムとを積層(ne−no<0となるようなフィルムにおいて、正面方向に位相差がある場合は、該フィルムの遅相軸と本発明の位相差フィルムの遅相軸方向とが平行または直交になるように積層)し、さらに偏光フィルムを本発明の位相差フィルム側に積層することにより、本発明の機能性偏光フィルムの一形態であるVA型液晶表示装置の視野角改良用偏光フィルムを得ることができる。積層はアクリル系やシリコン系の粘着剤や接着剤を用いて行うことができるが、特に、本発明の位相差フィルムを基板とし、該位相差フィルム上(必要に応じて該位相差フィルム上にさらに配向膜を形成し、該配向膜上)に配向したディスコティック液晶層や紫外域に選択反射域を有するコレステリック液晶層を形成することで、別途液晶層形成のための基板が不要となり、薄型化と工程の簡略化が可能となる。
上記本発明で使用される偏光フィルムは、偏光素子の少なくとも片側に支持フィルムを有する構成のものが用いられる。偏光素子としては、例えば、ヨウ素(多ヨウ素イオン)や二色性染料などの二色性色素を吸着配向させたポリビニルアルコールフィルムを一軸延伸後、必要に応じてホウ酸により架橋処理することによって得られる厚さ10〜40μm程度の偏光素子や、一軸延伸されたポリビニルアルコールフィルムを一軸延伸した後に脱水処理して得られるポリエン型の厚さ10〜40μm程度の偏光素子が用いられ、また、支持フィルムとしては、例えば、厚さ40〜100μm程度の表層がケン化処理されたトリアセチルセルロースフィルムやアートン(JSR社製)、ゼオノア(日本ゼオン社製)等のシクロオレフィンポリマーからなるフィルムが用いられる。これら支持フィルムは接着剤により偏光素子と貼り合わされている。一般的な偏光フィルムであれば、偏光素子の両側を上記支持フィルムで接着剤を用いて貼り合せた構成となっている。ここで、上記支持フィルムの少なくとも一方を本発明の位相差フィルムに替えて、上述したような機能性偏光フィルムの一形態である楕円偏光フィルム、円偏光フィルム、旋光フィルム、光学フィルム、広視野角偏光フィルム等を作製することにより、偏光素子の支持フィルムとしての機能をも兼ね備えることができるだけでなく、別途粘着剤等による貼りあわせの工程を簡略化し、かつ、全体の厚さを薄くできるため特に好ましい。
本発明の位相差フィルムと偏光素子との接着は、例えばイソシアネート系やアクリルエマルジョン系の接着剤を用いても達成可能であるが、本発明の位相差フィルムはアルカリ性水溶液に浸漬することで、表層がケン化処理され、親水性が向上する特徴を有する。従ってケン化処理された本発明の位相差フィルムを支持フィルムとして用い、ポリビニルアルコール系の水溶性接着剤を用いて、偏光フィルムを構成する偏光素子と直接接着することも可能である。このような、ケン化処理された本発明の位相差フィルムを少なくとも片方の支持フィルムとして使用することにより、通常の支持フィルムと同様、ポリビニルアルコール系の水溶性接着剤を用いて、偏光素子と接着することができる。こうして得られた本発明の機能性偏光フィルムの一形態である円偏光フィルム、旋光フィルム、楕円偏光フィルム、光学フィルム、広視野角偏光フィルムは、本発明の位相差フィルムが偏光フィルムの支持体としても機能するため、通常の偏光フィルムに粘着剤等で別途本発明の位相差フィルムを貼り合わせる場合と比べて薄型化、工程の簡略化による低コスト化が可能となる。なお、ケン化処理は、例えば、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムの水溶液といったアルカリ性水溶液中に一定時間浸漬後、水洗することによって達成される。水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウム水溶液の濃度は0.5〜6N、温度は10〜60℃程度、浸漬時間はケン化処理の程度に応じて適宜調節される。ケン化処理の程度は処理されたフィルム面における水の接触角を接触角計により測定することで知ることができる。本発明の位相差フィルムのケン化処理は、ケン化処理後の本発明の位相差フィルム表面の水の接触角が5°以上60°以下、好ましくは5°以上50°以下、さらに好ましくは5°以上30°以下になるよう処理するのが良い。
こうして得られた偏光フィルムの支持体をも兼ねる本発明の機能性偏光フィルムの一形態である円偏光フィルムを有機EL(エレクトロルミネッセンス)型表示装置のような画像表示装置や液晶表示装置に用いることにより、表示された画像の視野角特性やコントラストを向上させることができる。例えば有機EL型表示装置の場合、表示面側に、金属電極の反射を防ぐための円偏光フィルムとして、上記の本発明の機能性偏光フィルムの一形態であるアクロマティック、広視野角円偏光フィルムを用いることにより、各波長において高い反射防止効果が得られるため、表示画像のコントラストを向上させることができる。また、液晶表示装置の場合、反射型や反射半透過型液晶表示装置では、円偏光フィルムとして、上記の本発明の機能性偏光フィルムの一形態であるアクロマティック、広視野角円偏光フィルムを用いることにより、各波長での高い反射防止効果が正面方向だけでなく、傾斜して観察した場合でも維持されるため、表示画像のコントラストが向上し、傾斜しても正面と同様の画像を見ることが可能となり、視野角特性を向上させることができる。さらに、TN型やOCB(ベンド配向)型液晶表示装置の場合、TN(ツイステッドネマティック)型液晶セルの補償はハイブリッド配向したディスコティック液晶層を有するフィルムを用いて達成できるが、偏光フィルムそのものの視野角特性は改善することはできない。OCB型液晶セルの場合も同様である。しかし、本発明の機能性偏光フィルムの一形態である広視野角偏光フィルムをTN型液晶セル補償フィルムと併用することにより、さらなる広視野角化が可能となる。また、同様にVA型液晶表示装置においても、上述したne−no<0となるようなフィルムとnx>ny>nzであって、かつ、アクロマティック性を有する位相差フィルムと偏光フィルムとを順次積層した本発明機能性偏光フィルムの一形態であるVA型液晶表示装置の視野角改良用偏光フィルムを用いるか、VA型液晶セル自体の補償を、特許文献6、特許文献7及び特許文献8に記載されているような補償フィルムを用いて達成した後、本発明のVA型液晶表示装置の視野角改良用偏光フィルムをVA液晶セル補償フィルムと併用することにより、さらなる広視野角化が可能となる。例えば、TN型、OCB型、VA型、IPS型液晶セルといった各液晶セルを補償する補償フィルムにより液晶セル自身の補償を行った後、本発明のny>nz>nxあるいはnz≧ny>nxであって、かつ、波長分散特性が、550nmよりも長波長側の位相差値が550nmにおける位相差値より小さく、550nmよりも短波長側の位相差値が550nmにおける位相差値よりも大きくなるような二軸性を有する位相差フィルムと偏光フィルムからなるVA型液晶表示装置の視野角改良用偏光フィルムを用いることにより、さらなる広視野角化が可能となる。このとき、広視野角偏光フィルムの代わりに、本発明の機能性偏光フィルムの一形態である薄型広視野角偏光フィルム(本発明の位相差フィルムをケン化処理し、接着剤により偏光素子と接着したもの)を用いることにより本発明の液晶表示装置全体の厚さを薄くすることができる。
以上のように本発明の位相差フィルムを用いた機能性偏光フィルムの一形態である円偏光フィルム、旋光フィルム、楕円偏光フィルム、広視野角偏光フィルムを有する有機エレクトロルミネッセンス型表示装置、液晶プロジェクター、液晶表示装置等を含む本発明の画像表示装置は、位相差フィルムの耐久性に優れるために位相差値変化による性能低下が少ない上に、従来の画像表示装置に比べてコントラストや視野角特性が向上するといった優れた特性を有する。
以下実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明の技術範囲は、これらのものに限定されるものではない。
実施例1
(1)セルロースn−ヘキサネートの合成と置換度の測定
塩化リチウム126gをN,N’−ジメチルアセトアミド1.5lに添加し80℃にて30分撹拌して完全に溶解した後、N,N’−ジメチルアセトアミド含浸セルロース(セルロース含率:56.4重量%)30.0gを添加した。50℃にて30分間撹拌した後、塩化n−ヘキサノイル47.6gを加え再び80℃に昇温後4時間撹拌した。撹拌を停止して反応内容物を水2lに注いでセルロースn−ヘキサネートを再沈殿させた。ろ取後、水100mlにて3回、メタノール50mlにて2回洗浄して得られた固形分を6時間真空乾燥し、セルロースn−ヘキサネートの白色粉末35.0gを得た。
再沈殿直前にガスクロマトグラフィーにて反応液を分析し、塩化n−ヘキサノイルの減少量から反応率を算出したところ、セルロースn−ヘキサネートの置換度(セルロース1モノマーユニットあたりのn−ペンタネートによる置換数)は2.30であった。
(2) シランカップリング剤含有セルロースn−ヘキサネート(置換度2.30)からの位相差フィルムの作製
セルロースn−ヘキサネート10gをシクロペンタノン30gに完全に溶解した後、この溶液にシランカップリング剤 KBE403(信越化学工業社製)を0.4g(セルロースに対して4重量部)添加し約1時間攪拌した。この混合溶液をPET離型フィルム(リンテック社製、PET3811)上にキャストした後、溶剤を乾燥して厚み125μmのフィルムを得た。このフィルムを130℃にて約1.8倍に一軸延伸して本発明の位相差フィルムを得た。このときの厚みは97μmであった。自動複屈折計(KOBRA−21ADH、王子計測製)を用いて本発明の位相差フィルムの位相差値を測定したところ、波長550nmにおける位相差値は147.3nmを示し、複屈折は0.0015であった。また、波長450nmの位相差値は143.1nm、波長750nmの位相差値は154.0nmであり、波長分散はRe450/Re550=0.971、Re750/Re550=1.045となるアクロマティック性を示した。
(3) シランカップリング剤含有セルロースn−ヘキサネート(置換度2.30)からなる位相差フィルムの耐久性試験
上記発明の位相差フィルムを90℃の高温環境下で500時間保持したときの550nmにおける位相差値の経時変化は自動複屈折計(KOBRA−21DH、王子計測製)を用いて追跡した。フィルム面内の位相差値は0.1nm増加し、変化率は0.1%であった。この結果を表1および図1に示した。
実施例2
(1)セルロースn−オクタネートの合成と置換度の測定
塩化リチウム26.8gをN,N’−ジメチルアセトアミド30mlに添加し80℃にて2時間撹拌して完全に溶解した後、N,N’−ジメチルアセトアミド含浸セルロース(セルロース含率:56.4重量%)14.2gを添加した。45℃にて2時間撹拌した後、塩化n−オクタノイル26.6gを加え再び80℃に昇温後3.5時間撹拌した。撹拌を停止して反応内容物を水500mlに注いでセルロースn−オクタネートを再沈殿させた。ろ取後、50%含水メタノール600ml、水500mlにて洗浄して得られた固形分を6時間真空乾燥し、セルロースn−オクタネートの白色粉末26.3gを得た。
実施例1と同様な方法でセルロースn−オクタネートの置換度を測定したところ、置換度は2.54であった。
(2)シランカップリング剤含有セルロースn−オクタネート(置換度2.54)からの位相差フィルムの作製
セルロースn−オクタネート3gをシクロペンタノン17gに完全に溶解した後、この溶液にシランカップリング剤 KBM403(信越化学工業社製)を0.3g(セルロースに対して10重量部)添加し約1時間攪拌した。この混合溶液をPET離型フィルム(リンテック社製、PET3801)上にキャストした後、乾燥してフィルムを得た。このフィルムを130℃にて約1.8倍に一軸延伸して本発明の位相差フィルムを得た。このときの厚みは48μmであった。自動複屈折計(KOBRA−21ADH、王子計測製)を用いて本発明の位相差フィルムの位相差値を測定したところ、波長550nmにおける位相差値は114.0nmを示し、複屈折は0.00238であり、nx=1.4735、ny=1.4759、およびnz=1.4761となる負の複屈折性を示した。
(3) シランカップリング剤含有セルロースn−オクタネート(置換度2.54)からなる位相差フィルムの耐久性試験
上記本発明の位相差フィルムを高温高湿環境下(60℃、90%RH)で60時間保持したときの550nmにおける位相差値の経時変化は自動複屈折計(KOBRA−21ADH、王子計測製)を用いて測定した。フィルム面内の位相差値は1.4nm増加し、変化率は1.0%であった。この結果を表1および図2に示した。
実施例3
(1)アルコキシオリゴマータイプのシランカップリング剤含有セルロースn−オクタネート(置換度2.54)からの位相差フィルムの作製
セルロースn−オクタネート3gをシクロペンタノン17gに完全に溶解した後、この溶液にオリゴマー型シランカップリング剤 X−41−1053(信越化学工業社製)を0.75g(セルロースに対して25重量部)添加し、さらに触媒として、X−40―2309A(信越化学工業社製)を0.045g(X−41−1053に対して24%)添加し約1時間攪拌した。この混合溶液をPET離型フィルム(リンテック社製、PET3801)上にキャストした後、乾燥してフィルムを得た。このフィルムを130℃にて約1.8倍に一軸延伸して、本発明の位相差フィルムを得た。このときの厚みは68μmであった。自動複屈折計(KOBRA−21ADH、王子計測製)を用いて本発明の位相差フィルムの位相差値を測定したところ、波長550nmにおける位相差値は119.4nmを示し、複屈折は0.00175であり、nx=1.4741、ny=1.4759およびnz=1.4775となる負の複屈折性を示した。
(2)アルコキシオリゴマータイプのシランカップリング剤含有セルロースn−オクタネート(置換度2.54)からなる位相差フィルムの耐久性試験
高温高湿環境下(60±5℃、90±5%RH)でこの延伸フィルムを40時間保持したときの550nmにおける位相差値の経時変化は自動複屈折計(KOBRA−21DH、王子計測製)を用いて測定した。フィルム面内の位相差値は0.8nm増加し、変化率は1.0%であった。この結果を表1および図2に示した。
比較例1
(1) セルロースn−ヘキサネート(置換度2.30)からの位相差フィルムの作製
実施例1で用いたセルロースn−ヘキサネート10gをシクロペンタノン30gに完全に溶解した。この溶液をPET離型フィルム(リンテック社製、PET3811)上にキャスト乾燥して厚み100μmのフィルムを得た。このフィルムを130℃にて約1.8倍に一軸延伸して、厚みが72.5μmの位相差フィルムを得た。自動複屈折計(KOBRA−21ADH、王子計測製)を用いて位相差フィルムの位相差値を測定したところ、波長550nmの位相差値は150.8nmを示し、複屈折は0.00208であった。また、波長450nmの位相差値は146.7nm、波長750nmの位相差値は157.8nmであり、波長分散はRe450/Re550=0.973、Re750/Re550=1.046となるアクロマティック性を示した。
(2) セルロースn−ヘキサネート(置換度2.30)からなる位相差フィルムの耐久性試験
上記位相差フィルムを90℃の高温環境下で500時間保持したときの550nmにおける位相差値の経時変化は自動複屈折計(KOBRA−21DH、王子計測製)を用いて追跡した。フィルム面内の位相差値は21.4nm減少し、変化率は14.2%であった。この結果を表1および図1に示した。
比較例2
(1)末端官能基がエポキシ基ではないシランカップリング剤含有セルロースn−ヘキサネート(置換度2.30)からの位相差フィルムの作製
実施例1で用いたセルロースn−ヘキサネート10gをシクロペンタノン30gに完全に溶解した後、この溶液に末端官能基がビニル基のシランカップリング剤であるビニルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM1003)を0.4g(セルロースに対して4重量部)添加し約1時間攪拌した。この混合溶液を離型フィルム上にキャスト乾燥して厚み103μmのフィルムを得た。このフィルムを130℃にて約1.8倍に一軸延伸して、厚みが81μmの位相差フィルムを得た。自動複屈折計(KOBRA−21ADH、王子計測製)を用いてこの位相差フィルムの位相差値を測定したところ、波長550nmにおける位相差値は161.0nmを示し、複屈折は0.00199あった。また、波長450nmの位相差値は157.1nm、波長750nmの位相差値は167.3nmであり、波長分散はRe450/Re550=0.976、Re750/Re550=1.039となるアクロマティック性を示した。
(2)末端官能基がエポキシ基ではないシランカップリング剤含有セルロースn−ヘキサネート(置換度2.30)からなる位相差フィルムの耐久性試験
上記位相差フィルムを90℃の高温環境下で500時間保持したときの550nmにおける位相差値の経時変化は自動複屈折計(KOBRA−21DH、王子計測製)を用いて追跡した。フィルム面内の位相差値Reは21.2nm減少し、変化率は13.2%であった。この結果を表1および図1に示した。
比較例3
(1)セルロースn−オクタネート(置換度2.54)からの位相差フィルムの作製
実施例2で用いたセルロースn−オクタネート3gをシクロペンタノン17gに完全に溶解した。この溶液をPET離型フィルム上にキャスト乾燥してフィルムを得た。このフィルムを130℃にて約1.8倍に一軸延伸して、厚みが31μmの位相差フィルムを得た。自動複屈折計(KOBRA−21DH、王子計測製)を用いて位相差フィルムの位相差値を測定したところ、波長550nmにおける位相差値は55.5nmを示し、複屈折は0.00179であり、nx=1.4741、ny=1.4759およびnz=1.4776となる負の複屈折性を示した。
(2)セルロースn−オクタネート(置換度2.54)からなる位相差フィルムの耐久性試験
上記位相差フィルムを高温高湿環境下(60℃、90%RH)で24時間保持したときの550nmにおける位相差値の経時変化は自動複屈折計(KOBRA−21DH、王子計測製)を用いて測定した。フィルム面内の位相差値は3.9nm増加し、変化率は7.0%であった。この結果を表1および図2に示した。
(表1)実施例1、2、3および比較例1、2、3で作製した位相差フィルムの特性を比較した表である。
Figure 0004656523
実施例1、実施例2および実施例3と比較例1、比較例2および比較例3の比較により、セルロース誘導体と末端官能基がエポキシ基であるシランカップリング剤を含有する組成物から作製した本発明の位相差フィルムは、セルロース誘導体のみからなる位相差フィルム、およびセルロース誘導体と末端官能基がエポキシ基ではないシランカップリング剤を含有するセルロース誘導体からなる位相差フィルムと比較して、高温環境下における光学的な耐久性に優れており、耐久性試験後においても、アクロマティック性および二軸性等の光学的な特徴をそのまま維持できることが分かる。
実施例1および比較例1、2で作製した位相差フィルムの90℃における位相差値の変化率を比較したグラフである。 実施例2、3および比較例3で作製した位相差フィルムの60℃、90%RHにおける位相差値の変化率を比較したグラフである。

Claims (12)

  1. 少なくとも炭素数が5から20の脂肪族アシル基(A)により水酸基が置換され、該水酸基の置換度がセルロース1モノマーユニット当り0.50〜2.99であるセルロース誘導体100重量部に対してエポキシ基を有するシランカップリング剤を0.1から50重量部含有した組成物から得られるフィルムを延伸してなる位相差フィルム。
  2. 延伸温度が50℃から200℃、延伸倍率が1.05倍から5倍、延伸速度が5倍延伸/分以下である条件の範囲で固定端1軸延伸や、同時二軸延伸、または逐次二軸延伸処理された請求項1に記載の位相差フィルム。
  3. 脂肪族アシル基(A)、及びそれ以外の置換基(B)により置換され、該置換基(B)が該脂肪族アシル基(A)とは構造の異なる脂肪族アシル基、芳香族アシル基、アルキルカルバモイル基、芳香族カルバモイル基、トラン骨格を有するアシル基、ビフェニル骨格を有するアシル基または重合性基のいずれかであり、置換度の合計が0.50〜2.99である請求項1又は2に記載の位相差フィルム。
  4. 90±5℃の高温雰囲気下で500時間保持した後のフィルム面内の位相差値の変化率が5%以内であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の位相差フィルム。
  5. 60±5℃、湿度90±5%の高温高湿度環境下で24時間保持した後のフィルム面内の位相差値の変化率が2%以内であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の位相差フィルム。
  6. (A)としての脂肪族アシル基がn−ヘキサノイル基であり、n−ヘキサノイル基による水酸基の置換度が1.80〜2.90である請求項1乃至5のいずれか一項に記載の位相差フィルム。
  7. 波長450nmにおける位相差値をRe450、波長550nmにおける位相差値をRe550、波長750nmにおける位相差値をRe750としたときに、下記式(1)、(2)および(3)の関係を満たすことを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の位相差フィルム。
    Re450<Re550<Re750 (1)
    0.50≦Re450/Re550<1.00 (2)
    1.00<Re750/Re550≦1.50 (3)
  8. 位相差フィルムの延伸方向の屈折率をnx、それと面内で直行する方向の屈折率をny及び厚さ方向の屈折率をnzとするとき、下記式(4)又は(5)を満たすことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の位相差フィルム。
    ny>nz>nx (4)
    nz≧ny>nx (5)
  9. 位相差フィルムと、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の位相差フィルムとを、接着剤又は粘着剤を用いて貼り合わせた複合位相差フィルム。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の位相差フィルムと偏光フィルムを構成する保護フィルムまたは偏光素子とを、接着剤または粘着剤を用いて貼り合わせた機能性偏光フィルム。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の位相差フィルム、複合位相差フィルム又は機能性偏光フィルムを備えてなる画像表示装置。
  12. 画像表示装置が液晶表示装置である、請求項11に記載の画像表示装置。
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