JP2002262760A - ベーカリー生地 - Google Patents
ベーカリー生地Info
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Abstract
ヨネーズ風味等の良好な風味や良好な食感が付与され、
しかもイーストの醗酵の阻害や生地物性の低下等の問題
のないベーカリー生地を提供すること。 【解決手段】 ベーカリー生地に、0℃以上で固形状で
あり、加温によりペースト状になる水中油型乳化物を含
有させる。
Description
型乳化物を含有させたベーカリー生地に関する。
リー製品においては、マヨネーズ等のペースト状の水中
油型乳化物が、焼成前もしくは焼成後のベーカリー生地
に、単体で又はハム、コーン、ツナ等の他の食品原料と
混合して、トッピング等の用途で使用される場合が多
い。また、ベーカリー生地自体に特有の風味・食感を付
与する目的で、マヨネーズ等のペースト状の水中油型乳
化物をベーカリー生地中に直接配合する場合もある。し
かし、上記水中油型乳化物の配合量が少ないと特有の風
味・食感が得られ難く、配合量が多いとベーカリー生地
中のイーストの醗酵を阻害したり、生地の物性に悪影響
を及ぼす等の問題があった。
を含有させることにより、マヨネーズ風味等の良好な風
味や良好な食感が付与され、しかもイーストの醗酵の阻
害や生地物性の低下等の問題のないベーカリー生地を提
供することにある。
形状であり、加温によりペースト状になる水中油型乳化
物を含有するベーカリー生地を提供することにより、上
記目的を達成したものである。
ついて詳細に説明する。本発明で用いられる水中油型乳
化物は、0℃以上で固形状であり、この固形状とは、手
でもつことができ、また成形した形を保っている状態を
示すものである。
り、好ましくは25℃以上の加温により容易にペースト
状になるものである。上記の加温によりペースト状にな
るとは、B型粘度計にて、25℃においての粘度を測定
した場合、好ましくは1万〜100万mPa・s、さら
に好ましくは5万〜50万mPa・sとなるものであ
る。
5重量%、水15〜90重量%、ゼラチン、寒天、グル
コマンナン、ジェランガム及びペクチンから選ばれた1
種又は2種以上のゲル化剤0.2〜12重量%、及び卵
黄2〜10重量%を含むものであることが好ましい。
としては、大豆油、ナタネ油、コーン油、綿実油、落花
生油、パーム油、ヤシ油、サル脂、シア脂、パーム核
油、魚油、ラード、牛脂、乳脂、からし油等の動植物性
油脂、及びそれらの硬化油、分別油又はエステル交換油
の中から選ばれた1種又は2種以上を使用することがで
き、固体脂と液体油を混合した配合油も使用できる。特
に、水中油型乳化物の冷却固化時の冷却速度を速くした
り、固化した水中油型乳化物の硬さを大きくする場合に
は、硬化油又は固体脂を使用するのが好ましい。
かな食感を得るために、上記油脂として、炭素数20以
上の飽和脂肪酸1残基と不飽和脂肪酸2残基とからなる
トリグリセリドを好ましくは1.5重量%以上、更に好
ましくは3重量%以上含有する油脂を使用することが好
ましい。
不飽和脂肪酸2残基とからなるトリグリセリドを1.5
重量%以上含有する油脂について説明する。上記の炭素
数20以上の飽和脂肪酸としては、アラキン酸、ベヘン
酸、リグノセリン酸等があげられる。また、上記不飽和
脂肪酸としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸
等があげられるが、特に制限はない。また、上記の炭素
数20以上の飽和脂肪酸残基の結合位置は、トリグリセ
リドの1位、2位、3位の何れでもよい。
と不飽和脂肪酸2残基とからなるトリグリセリドを1.
5重量%以上含有する油脂を得るには、ナタネ油、落花
生油、魚油、サル脂、からし油もしくはマンゴ脂を分別
してその低融点部分を使用するか、又はこれらの油脂を
エステル交換するか、或いは合成により得ることができ
る。このような方法により炭素数20以上の飽和脂肪酸
1残基と不飽和脂肪酸2残基とからなるトリグリセリド
を1.5重量%以上含有する油脂が得られるのであり、
ナタネ油、落花生油、魚油、サル脂、からし油及びマン
ゴー脂等の油脂そのものには、炭素数20以上の飽和脂
肪酸1残基と不飽和脂肪酸2残基とからなるトリグリセ
リドは、1.1重量%程度しか含まれていない。
炭素数20以上の飽和脂肪酸1残基と不飽和脂肪酸2残
基とからなるトリグリセリドを1.5重量%以上含有す
る油脂を1種又は2種以上混合して使用してもよいし、
更に他の食用油脂(オリーブ油、大豆油、コーン油、綿
実油、ヤシ油、パーム核油、パーム油、ラード、牛脂、
乳脂等の動植物油脂及びこれらの硬化油、分別油、エス
テル交換油等)と混合して、混合油が炭素数20以上の
飽和脂肪酸1残基と不飽和脂肪酸2残基とからなるトリ
グリセリドを1.5重量%以上含有するようにして使用
してもよい。
好ましくは5〜65重量%、更に好ましくは5〜60重
量%、最も好ましくは5〜55重量%である。油脂の配
合量が5重量%よりも少ないと、保形性が悪くなりやす
く、65重量%よりも多いと、水中油型乳化物の乳化状
態が不安定となりやすい。
合量は、好ましくは15〜90重量%、更に好ましくは
15〜80重量%、最も好ましくは20〜65重量%で
ある。ここでいう水には、水中油型乳化物の水相の調合
時に配合する水の他に、乳化する前に使用した原材料に
由来し混合される水分、例えば卵、液糖、食酢、トマト
ケチャップ、たれ、ソース中に含有される水分も含まれ
る。この水の配合量が15重量%よりも少ないと、水中
油型乳化物が十分なゲル組織を形成しにくくなるため、
保形性が悪くなりやすく、また水中油型乳化物が硬くな
りやすい。また水の配合量が90重量%よりも多いと、
ベーカリー生地中に練り込まれ易くなり、生地がベタつ
き、その作業性が悪くなりやすい。
化剤としては、ゼラチン、寒天、グルコマンナン、ジェ
ランガム及びペクチンから選ばれた1種又は2種以上を
使用することができ、これらのゲル化剤は、水中油型乳
化物を固形状にするために使用される。このゲル化剤の
配合量は、水中油型乳化物中、好ましくは0.2〜12
重量%、更に好ましくは1〜10重量%、最も好ましく
は2〜10重量%である。ゲル化剤の配合量が0.2重
量%よりも少ないと、保形性が悪くなりやすく、12重
量%よりも多いと、ゲル化剤由来の風味が強調されやす
い。
を、一旦冷却等してゲル化し、固形状とした後、具を添
加する工程に対応するため、上記ゲル化剤としては、ゲ
ル融点が低いものが好ましく、好ましくは80℃以下、
更に好ましくは70℃以下、最も好ましくは10〜60
℃のものを用いるのがよい。以上の条件を鑑みて、上記
ゲル化剤としては、ゼラチンを主剤として配合するのが
好ましい。尚、上記水中油型乳化物の硬さが不足する場
合は、補助的な役割としてゼラチンより少ない量で、寒
天等の高融点のゲル化剤を併用することが好ましい。
黄は乳化剤の作用をなす。該卵黄としては、卵黄、卵黄
に加塩或いは加糖したもの、卵黄を65℃以上70℃未
満の温度で5分間以上保持した加熱半変性卵黄、酵素処
理卵黄を用いることができる。上記酵素処理卵黄は、基
質としては生卵黄、殺菌卵黄、加塩卵黄、加糖卵黄の何
れも使用することができるが、水中油型乳化物の風味
や、酵素反応時の微生物の増殖を抑えることを考慮する
と、加塩卵黄が適しており、例えば食塩が3〜20重量
%添加された加塩卵黄を用いるのが好ましく、更に好ま
しくは食塩が5〜8重量%添加された加塩卵黄を用いる
のが良い。このとき使用する酵素としてはホスフォリパ
ーゼAとプロテアーゼとの併用が好ましい。
ることができ、その配合量は、水中油型乳化物中、好ま
しくは2〜10重量%、更に好ましくは4〜8重量%で
ある。卵黄の配合量が2重量%より少ないと、乳化が不
安定となりやすく、また10重量%より多いと、卵風味
が強調されやすい。
処理していない卵黄と酵素処理卵黄及び/又は加熱半変
性卵黄とを併用したものである。このときの重量比率
は、酵素処理していない卵黄:酵素処理卵黄及び/又は
加熱半変性卵黄=1:9〜3:7である。
とを併用した場合の酵素処理卵黄について詳しく説明す
る。上記ホスフォリパーゼAは、リン脂質加水分解酵素
とも呼ばれ、リン脂質をリゾリン脂質に分解する反応を
触媒する酵素であり、作用するエステル結合の位置の違
いにより、ホスフォリパーゼA1(EC3.1.1.3
2)及びホスフォリパーゼA2(EC3.1.1.4)
の2種類を使用することができ、豚等の哺乳類の膵液
や、微生物を起源とした市販のホスフォリパーゼAを使
用することができる。
分解する反応を触媒する酵素であり、植物、動物、微生
物を起源とした酵素、例えばパイナップルを起源とした
ブロメライン、パパイヤを起源としたパパイン、哺乳類
の膵液を起源としたトリプシン、哺乳類の胃液を起源と
したペプシン、カビ由来のプロテアーゼ等、市販のプロ
テアーゼを使用することができ、特にブロメラインが最
適である。
及びプロテアーゼの添加は任意の順序、または同時に行
うことができるが、プロテアーゼによるホスフォリパー
ゼAの加水分解を避けるためには、卵黄をホスフォリパ
ーゼAによる酵素処理後、プロテアーゼにより酵素処理
するのが好ましい。これらの酵素としては、市販されて
いる食品用の粉末又は液体の酵素を使用することができ
る。
1gに対し、好ましくは0.2〜100ホスフォリパー
ゼユニット、更に好ましくは0.5〜20ホスフォリパ
ーゼユニットの活性量に相当する量を作用させるのが良
い。ホスフォリパーゼユニットとは、ホスフォリパーゼ
の活性量を表す単位であり、1ホスフォリパーゼユニッ
トは、pH8.0、40℃で卵黄にホスフォリパーゼA
を作用させた時に、卵黄中のリン脂質から、1分間に1
マイクロモルの脂肪酸を遊離する活性量である。
1gに対し、好ましくは0.01〜10プロテアーゼユ
ニット、更に好ましくは0.1〜5プロテアーゼユニッ
トの活性量に相当する量を作用させるのが良い。プロテ
アーゼユニットとは、プロテアーゼの活性量を表す単位
であり、1プロテアーゼユニットは、pH7.0、37
℃でミルクカゼインにプロテアーゼを作用させた時に、
1分間に1マイクロモルのチロシンに相当する呈色度を
示す活性量である。
の併用からなる上記酵素は、次の様な基準で添加しても
良い。即ち、上記酵素の添加量(合計量)は、卵黄10
0重量部に対し、好ましくは0.001〜0.8重量部
であり、更に好ましくは0.01〜0.3重量部であ
る。このとき、ホスフォリパーゼAとプロテアーゼとの
重量比は、好ましくは20/80〜90/10であり、
更に好ましくは40/60〜85/15である。
ォリパーゼA及びプロテアーゼが熱により変性せず、ホ
スフォリパーゼA及びプロテアーゼの最適温度で行うの
が良く、通常20〜60℃、更に好ましくは40〜55
℃の温度範囲で行うのが良い。また、酵素処理中に攪拌
機等で攪拌を行うのが有利である。また、卵黄の酵素処
理の際の反応時間に特に制約はないが、1〜30時間の
範囲内で行うのが好ましい。尚、卵黄を酵素処理する方
法としては、回分式で上述の条件により加水分解する方
法が採用されるが、連続式で加水分解する方法でもよ
い。
A及びプロテアーゼの至適pHに調整するのが良く、こ
の目的のpH調整剤としては、食品用であれば特に限定
されず、例えば乳酸、クエン酸、グルコン酸、アジピン
酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸、
アスコルビン酸、酢酸等の酸味料や、リン酸二水素ナト
リウム、リン酸二水素カリウム、食酢、果汁、発酵乳等
の酸性物質や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化カルシウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウ
ム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、
リン酸三ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム等を用
いることができ、例えばpH6〜9の範囲に調整するの
が好ましい。また、卵黄の酵素処理の際に、酵素の安定
剤として食品用の塩化カルシウム、リン酸二水素カルシ
ウム、乳酸カルシウム等のカルシウム塩を添加しても良
い。
のリゾリン脂質への分解の程度と、プロテアーゼによる
卵黄の蛋白質の加水分解の程度は、酵素の添加量、反応
温度、反応開始時のpH、酵素の安定剤の有無、反応時
間等の影響を受けるが、特に限定されない。例えば、ホ
スフォリパーゼAによる卵黄のリン脂質のリゾリン脂質
への分解の程度は、卵黄に含まれる全リン脂質の30〜
100重量%がリゾリン脂質に分解される程度までに分
解するのが好ましく、またプロテアーゼによる卵黄の蛋
白質の加水分解の程度は、卵黄に含まれる蛋白質の加熱
凝固性が完全に失われる程度までに分解するのが良い。
り澱粉を配合することができる。この澱粉としては、特
に制限がなく、タピオカ澱粉、コーン澱粉、ポテト澱粉
等であり、この他に酸やアルカリ又は酵素で処理した
り、燐酸架橋処理した化工澱粉等も使用できる。
水中油型乳化物の流動性の調整が容易になり、スライス
状、シート状、円柱状、立方体状、直方体状、球状、半
球状、釣鐘状等に成形する成形工程が円滑に行える。ま
た、成形した水中油型乳化物の成形物を積んだり重ねた
りして保管するとき、成形物同士が付着しやすいが、澱
粉を配合することにより、成形物同士の付着が起こりに
くくなる。上記澱粉の配合量は、水中油型乳化物中、好
ましくは0.5〜20重量%、更に好ましくは1〜10
重量%である。澱粉の配合量が0.5重量%より少ない
と、付着防止効果が十分でなく、20重量%より多い
と、加温調理時にペースト状になりにくくなる。
剤として、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビ
ーンガム、カラギーナン、アルギン酸等の多糖類を添加
しても良い。該乳化安定剤の添加量は、水中油型乳化物
中、好ましくは0.01〜1重量%である。また、この
乳化安定剤は、油相、水相の何れに添加しても良い。ま
た、上記水中油型乳化物には、例えば、酢酸、乳酸、ク
エン酸、リンゴ酸、酒石酸、アスコルビン酸、燐酸等の
有機酸及び無機酸、果汁、果肉、発酵乳等の酸味料を含
有させて酸性水中油型乳化物としてもよい。また、砂
糖、ぶどう糖、液糖、還元糖、アステルパーム等のアミ
ノ酸系甘味料等の甘味料、ソース、ケチャップ、香辛
料、卵白粉末、調味料、シロップ、味噌類、梅ペース
ト、わさび、からし等の呈味料を含有させてもよい。
させて具入り水中油型乳化物としても良く、斯かる具材
としては、例えば、野菜、加工野菜、魚肉、畜肉、チー
ズ等の乳製品、卵、ハム、ソーセージ等の調理食品、生
鮮食品を適当な大きさに切って塩漬けにしたもの、又は
加熱調理したものが用いられる。具入り水中油型乳化物
とする場合、具材の配合量は、水中油型乳化物中、好ま
しくは0.1〜90重量%、更に好ましくは0.5〜8
0重量%とする。
具入り又は具を含まない水中油型乳化物を、ベーカリー
生地100重量部に対して、好ましくは5〜80重量
部、更に好ましくは10〜50重量部、最も好ましくは
20〜30重量部含有するものである。ここでいうベー
カリー生地としては、食パン、菓子パン、パイ、デニッ
シュ、クロワッサン、フランスパン、セミハードロー
ル、シュ、ドーナツ、ケーキ、クラッカー、クッキー、
ハードビスケット、ワッフル、スコーン等のベーカリー
の生地があげられる。
ようにして得ることができる。先ず、水15〜90重量
%、ゲル化剤0.2〜12重量%及び卵黄2〜10重量
%からなる水相を30〜50℃、好ましくは35〜45
℃に調温し、また油脂5〜65重量%からなる油相を3
0〜50℃、好ましくは35〜45℃に調温し、得られ
た水相と油相とを攪拌し、予備乳化する。このとき澱粉
を用いる場合は、油相に分散させるのが好ましい。次
に、予備乳化物をホモジナイザー又はコロイドミルを用
い、均質化し、水中油型乳化物とする。具入り水中油型
乳化物とする場合は、上記のように調製した水中油型乳
化物に具材を混合する。
〜20℃、好ましくは−20〜15℃、さらに好ましく
は0〜15℃まで冷却することによって、固形状にし成
形する。上記成形方法としては、成形型に水中油型乳化
物を入れて上記のような温度に冷却して固形状としても
良いし、水中油型乳化物を上記のような温度に冷却した
ものを型で抜いても良い。上記成形型としては、種々の
形状、大きさ、材質の成形型が用いられ得るが、ゴムを
素材とする弾性成形型が好ましい。この弾性成形型は、
伸縮性及び可撓性があるため、成形品を離型させて取り
出すのが容易である。
状態の固形状の水中油型乳化物を加温して融かした後、
具材を加え、冷却して、固形状の具入り水中油型乳化物
とすることはもちろん構わない。このときの固形状の水
中油型乳化物を加温する温度は、使用しているゲル化剤
の種類と使用量により異なる。例えばゲル化剤としてゲ
ル融点の低いゼラチンを主体に用いた場合は、固形状の
水中油型乳化物を25℃以上に加温し、攪拌することに
より、具材と水中油型乳化物とを混ぜ合わせることがで
きる。また、水中油型乳化物と具材とを成形型に供給、
充填し、冷却固化し、離型までを自動的に行う製造機で
製造することももちろん可能である。
まない固形状の水中油型乳化物を、ベーカリー生地に、
分散させる工程、トッピングする工程、サンドする工程
及び包あんする工程の中から選ばれた1種又は2種以上
の工程を行うことにより、本発明のベーカリー生地が得
られる。
は、例えば捏ね上げたベーカリー生地に水中油型乳化物
を分散させる工程や、ベーカリー生地を成形するときに
水中油型乳化物をベーカリー生地に分散させる工程であ
る。上記のベーカリー生地にトッピングする工程は、ベ
ーカリー生地を成形するとき又はホイロ後に、水中油型
乳化物をベーカリー生地にトッピングする工程である。
上記のベーカリー生地にサンドする工程又は包あんする
工程は、ベーカリー生地を成形するときに水中油型乳化
物をベーカリー生地にサンド又は包あんする工程であ
る。また、これらの工程を行う際の水中油型乳化物は、
冷蔵(0〜10℃)又は冷凍(−40℃〜0℃)の状態
のものを用いるのが良い。
固形状であり、加温によりペースト状になる水中油型乳
化物を含有する本発明のベーカリー生地を、焼成するこ
とによりベーカリー製品を得ることができる。本発明の
ベーカリー生地は、ホイロをとらずに冷凍又は冷蔵して
も良いし、ホイロをとって冷凍又は冷蔵しても良い。こ
のホイロをとらずに冷凍又は冷蔵したものも、ホイロを
とって冷凍又は冷蔵したものも、常法に従い、焼成して
ベーカリー製品とする。本発明のベーカリー生地を焼成
したベーカリー製品は、冷凍保存することが可能であ
り、冷凍保存した該ベーカリー製品は、電子レンジで解
凍調理することが可能である。
製造例及び実施例を挙げ、本発明のベーカリー生地を更
に詳しく説明する。しかしながら、本発明はこれらの製
造例及び実施例により何等制限されるものではない。
のように製造した。
す配合にて、ナタネサラダ油及びマスタードオイルを混
合し、40℃に加温し、油相を調製する。一方、水に食
塩、上白糖、食酢、澱粉、ゼラチン、液卵黄、グルタミ
ン酸ナトリウム及びガーリックパウダーを添加溶解し
て、40℃の水相を調製する。この水相における水の合
計量は、配合水40重量%、食酢中の水分3.6重量%
及び液卵黄中の水分3.7重量%の合計量で、47.3
重量%であった。上記水相に上記油相を添加、攪拌して
予備乳化後、コロイドミル(3000 r.p.m. 、クリアラン
ス0.6mm )によって仕上げ乳化を行い、水中油型乳化物
を得た。得られた乳化物をシート状に成形し、5℃まで
冷却し、カットして、1cm角の直方体状の固形状の水
中油型乳化物1を得た。得られた水中油型乳化物1の2
5℃の粘度は、B型粘度計にて測定したところ、10万
mPa・sであった。
す配合にて、ナタネサラダ油及びマスタードオイルを混
合し、40℃に加温し、油相を調製する。一方、水に食
塩、上白糖、食酢、澱粉、ゼラチン、ジェランガム、液
卵黄、グルタミン酸ナトリウム及びガーリックパウダー
を添加溶解して、40℃の水相を調製する。この水相に
おける水の合計量は、配合水23.5重量%、食酢中の
水分3.6重量%及び液卵黄中の水分3.7重量%の合
計量で、30.8重量%であった。上記水相に上記油相
を添加、攪拌して予備乳化後、コロイドミル(3000 r.
p.m. 、クリアランス0.6mm )によって仕上げ乳化を行
い、水中油型乳化物を得た。得られた乳化物をシート状
に成形し、5℃まで冷却し、カットして、8mm角の直
方体状の固形状の水中油型乳化物2を得た。得られた水
中油型乳化物2の25℃の粘度は、B型粘度計にて測定
したところ、30万mPa・sであった。
す配合にて、ナタネサラダ油、大豆硬化油及びマスター
ドオイルを混合し、40℃に加温し、油相を調製する。
一方、水に食塩、上白糖、食酢、澱粉、ゼラチン、酵素
処理卵黄、グルタミン酸ナトリウム及びガーリックパウ
ダーを添加溶解して、40℃の水相を調製する。この水
相における水の合計量は、配合水39重量%、食酢中の
水分3.6重量%及び酵素処理卵黄中の水分2重量%の
合計量で、44.6重量%であった。尚、上記酵素処理
卵黄としては、7.5%加塩卵黄を水酸化ナトリウムに
てpH8.2に調整したもの100kgに対して、豚の
膵液由来のホスフォリパーゼA2を0.015kg(5
55000ホスフォリパーゼユニット)加え、40℃に
て7時間処理し、次いでブロメライン0.003kg
(90000プロテアーゼユニット)を加え、40℃に
て4時間処理し、5℃まで冷却したものを用いた。上記
水相に上記油相を添加、攪拌して予備乳化後、コロイド
ミル(3000 r.p.m. 、クリアランス0.6mm )によって仕
上げ乳化を行い、水中油型乳化物を得た。得られた乳化
物をシート状に成形し、5℃まで冷却し、カットして、
8mm角の直方体状の固形状の水中油型乳化物3を得
た。得られた水中油型乳化物3の25℃の粘度は、B型
粘度計にて測定したところ、20万mPa・sであっ
た。
物1と同様の配合及び製法にて、水中油型乳化物を得
た。得られた乳化物を5℃まで冷却し、一旦冷蔵保管
し、使用する前に取り出し、室温(25℃)によくなじ
ませた。この乳化物150gを攪拌し、鶏のささみ、ゴ
ボウ及び人参の細切りを計380g、酒及びみりんを計
50gを各々加え、ニーダーを用いて混合した。この混
合物を成形型に20g入れ、5℃まで冷却し、球状の固
形状の具入り水中油型乳化物4を得た。得られた水中油
型乳化物4の25℃の粘度は、B型粘度計にて測定した
ところ、2万mPa・sであった。
す配合にて、ナタネサラダ油、大豆硬化油及びマスター
ドオイルを混合し、40℃に加温し、油相を調製する。
一方、水に食塩、上白糖、食酢、澱粉、ゼラチン、液卵
黄、グルタミン酸ナトリウム及びガーリックパウダーを
添加溶解して、40℃に調製する。これに70℃の水に
溶かした寒天を加え、水相とする。この水相における水
の合計量は、配合水30重量%、食酢中の水分3.6重
量%及び液卵黄中の水分3.7重量%の合計量で、3
7.3重量%であった。上記水相に上記油相を添加、攪
拌して予備乳化後、コロイドミル(3000 r.p.m. 、クリ
アランス0.6mm )によって仕上げ乳化を行い、水中油型
乳化物を得た。得られた乳化物をシート状に成形し、1
5℃まで冷却し、型抜きして、20gの円筒状の固形状
の水中油型乳化物5を得た。得られた水中油型乳化物5
の25℃の粘度は、B型粘度計にて測定したところ、3
0万mPa・sであった。
す配合にて、サル脂の低融点分別油(融点10℃、沃素
価59、炭素数20以上の飽和脂肪酸1残基と不飽和脂
肪酸2残基とからなるトリグリセリドを9重量%含
有)、ナタネサラダ油及びマスタードオイルを混合し、
40℃に加温し、油相を調製する。一方、水に食塩、上
白糖、食酢、澱粉、ゼラチン、ジェランガム、液卵黄、
グルタミン酸ナトリウム及びガーリックパウダーを添加
溶解して、40℃に調製する。この水相における水の合
計量は、配合水23.5重量%、食酢中の水分3.6重
量%及び液卵黄中の水分3.7重量%の合計量で、3
0.8重量%であった。上記水相に上記油相を添加、攪
拌して予備乳化後、コロイドミル(3000 r.p.m. 、クリ
アランス0.6mm )によって仕上げ乳化を行い、水中油型
乳化物を得た。得られた乳化物をシート状に成形し、1
5℃まで冷却し、型抜きして、15gの円筒状の固形状
の水中油型乳化物6を得た。得られた水中油型乳化物6
の25℃の粘度は、B型粘度計にて測定したところ、5
0万mPa・sであった。
2(実施例2)又は水中油型乳化物3(実施例3)を−
20℃で冷凍保存したものを使用し、以下の配合及び製
法により、セミハードロールをそれぞれ製造した。 (配合) ・中種 重量部 強力粉 70 イースト 2 イーストフード 0.1 水 40 ・本捏 重量部 強力粉 20 薄力粉 10 上白糖 3 食塩 2 イースト(追種) 0.5 練り込み用油脂 7 水 22 水中油型乳化物 25 (製法) ミキシング(中種) L3M1 捏上温度(中種) 24℃ 発酵条件(中種) 28℃、4時間 ミキシング(本捏) L4M2 生地が捏ね上がった状態で、水中油型乳化物を 添加し、更にL1程度ミキシングし、生地中に 分散させる。 フロアタイム(本捏) 30分 分割重量 70g ベンチタイム 20分 成形 クッペ型(ホイロ後上面に切り目を入れる) ホイロ条件 33℃、70%、50分 焼成条件 210℃、15分(蒸気入れる) 焼成後のパン(セミハードロール)は、何れも、配合し
た水中油型乳化物が、パン生地中に分散し、ペースト状
の良好な食感を有していた。また、配合した水中油型乳
化物がパン生地中に練り込まれることなく、生地の作業
性も良好であった。
2(実施例5)又は水中油型乳化物3(実施例6)を5
℃で冷蔵保存したものを使用し、実施例1〜3と同様の
配合及び以下の製法により、セミハードロールをそれぞ
れ製造した。 (製法) ミキシング(中種) L3M2 捏上温度(中種) 24℃ 発酵条件(中種) 28℃、4時間 ミキシング(本捏) L4M2 フロアタイム(本捏) 30分 成形 生地を60gに平らに伸ばし、水中油型乳化物 を全面にばらまき、生地ごと端から巻き込む。 70gの重量に切り分け、クッペ型に丸める。 (ホイロ後上面に切り目を入れる) ホイロ条件 33℃、70%、50分 焼成条件 210℃、15分(蒸気入れる) 焼成後のパン(セミハードロール)は、何れも、配合し
た水中油型乳化物が、パン生地中に分散し、ペースト状
の良好な食感を有していた。また、配合した水中油型乳
化物がパン生地中に練り込まれることなく、生地の作業
性も良好であった。
5(実施例8)又は水中油型乳化物6(実施例9)を−
10℃に冷凍保存したものを使用し、以下の配合及び製
法により、菓子パンをそれぞれ製造した。 (配合) 重量部 強力粉 70 薄力粉 30 イースト 3 イーストフード 0.1 上白糖 15 食塩 1.5 全卵 20 練り込み用油脂 15 水 8 (製法) ミキシング L3M3↓L3M4 捏上温度 24℃ 発酵条件 28℃、2時間 分割重量 60g ベンチタイム 20分 成形 生地にて水中油型乳化物を包あんする。 ホイロ条件 38℃、80%、60分 焼成条件 190℃、12分 焼成後の菓子パンは、何れも、包あんした水中油型乳化
物が、ペースト状の良好な食感を有していた。また、配
合した水中油型乳化物がパン生地中に練り込まれること
はなかった。また、成形において水中油型乳化物が固形
の物性を有しているので、ペースト状のものに比べ容易
に包あんすることができ、作業性が良好であった。
化物を含有させることにより、マヨネーズ風味等の良好
な風味や良好な食感が付与され、しかもイーストの醗酵
の阻害や生地物性の低下等の問題のないものであり、ま
た生地製造時の作業性の良好なものである。
Claims (5)
- 【請求項1】 0℃以上で固形状であり、加温によりペ
ースト状になる水中油型乳化物を含有するベーカリー生
地。 - 【請求項2】 上記水中油型乳化物が、油脂5〜65重
量%、水15〜90重量%、ゼラチン、寒天、グルコマ
ンナン、ジェランガム及びペクチンから選ばれた1種又
は2種以上のゲル化剤0.2〜12重量%、及び卵黄2
〜10重量%を含む水中油型乳化物である請求項1記載
のベーカリー生地。 - 【請求項3】 上記水中油型乳化物が、更に澱粉を0.
5〜20重量%含む水中油型乳化物である請求項2記載
のベーカリー生地。 - 【請求項4】 0℃以上で固形状であり、加温によりペ
ースト状になる水中油型乳化物をベーカリー生地に、分
散させる工程、トッピングする工程、サンドする工程及
び包あんする工程から選ばれた1種又は2種以上の工程
を行うことを特徴とするベーカリー生地の製造法。 - 【請求項5】 請求項1〜3の何れかに記載のベーカリ
ー生地を焼成したベーカリー製品。
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