JP2000125751A - ベーカリー製品及びその製造方法 - Google Patents

ベーカリー製品及びその製造方法

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JP2000125751A
JP2000125751A JP10302005A JP30200598A JP2000125751A JP 2000125751 A JP2000125751 A JP 2000125751A JP 10302005 A JP10302005 A JP 10302005A JP 30200598 A JP30200598 A JP 30200598A JP 2000125751 A JP2000125751 A JP 2000125751A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベーカリー生地に酸性水中油型乳化物をトッ
ピングしたり、サンドしたり、包みこんだものを、油で
揚げても、酸性水中油型乳化物がベーカリー生地より剥
がれ落ちたり、しみだしたりせず、また見た目にも食欲
をそそられる新規なベーカリー製品及びその製造方法を
提供すること。 【解決手段】 ベーカリー生地に、油相8〜50重量
%、酵素処理卵黄1〜15重量%及び水相20〜80重
量%を含有する酸性水中油型乳化物を、トッピングまた
はサンド或いは包みこんだ後、油で揚げる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベーカリー製品及
びその製造方法に関するものであり、更に詳しくは、ベ
ーカリー生地と酸性水中油型乳化物とからなり、油で揚
げたことを特徴とするベーカリー製品及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】食品用
の調味料として、油脂、卵黄や全卵や卵白などの卵原
料、食酢、調味料などを主原料として作られたマヨネー
ズ、タルタルソース、乳化型ドレッシングなどの酸性水
中油型乳化物があり、これらは外食、サラダ他の惣菜、
製菓、製パン業界などに広く使用されている。
【0003】ところで、ベーカリー製品にマヨネーズ風
味を付与したい場合、従来の酸性水中油型乳化物では油
で揚げた際の耐熱性が不十分なため、ベーカリー生地に
酸性水中油型乳化物をトッピングしたり、サンドした
り、包みこんだりした後、油で揚げても酸性水中油型乳
化物がベーカリー生地より剥がれ落ちたり、しみでてし
まったりしていた。また、ベーカリー生地を油で揚げた
後に酸性水中油型乳化物をベーカリー製品の表面にトッ
ピングしようとしても、表面の油によって酸性水中油型
乳化物が滑り、剥がれ易いという問題があった。そのた
め、これまで油で揚げたベーカリー製品への酸性水中油
型乳化物の応用は、油で揚げた後に水中油型乳化物を注
入するという用途に限定されていた。
【0004】従って、本発明の目的は、ベーカリー生地
に酸性水中油型乳化物をトッピングしたり、サンドした
り、包みこんだものを、油で揚げても、酸性水中油型乳
化物がベーカリー生地より剥がれ落ちたり、しみだした
りせず、また見た目にも食欲をそそられる新規なベーカ
リー製品及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を、
下記のベーカリー製品及びその製造方法を提供すること
により達成したものである。「ベーカリー生地と酸性水
中油型乳化物とからなり、油で揚げたことを特徴とする
ベーカリー製品。」「ベーカリー生地に、油相8〜50
重量%、酵素処理卵黄1〜15重量%及び水相20〜8
0重量%を含有する酸性水中油型乳化物を、トッピング
またはサンド或いは包みこんだ後、油で揚げることを特
徴とするベーカリー製品の製造方法。」
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明のベーカリー製品及
びその製造方法について詳細に説明する。本発明におい
て、ベーカリー生地とは、小麦粉、糖類、牛乳や脱脂粉
乳などの乳製品、ショートニングやマーガリンなどの油
脂製品、卵、水、ベーキングパウダー、イーストなどか
らなるものであり、例えばパン生地、パイ生地、イース
トドーナツ生地、ケーキドーナツ生地、ピロシキ用の生
地などをあげることができる。
【0007】また本発明で使用される酸性水中油型乳化
物は、マヨネーズ、タルタルソース、乳化型ドレッシン
グなどの酸性水中油型乳化物の風味を有し、ベーカリー
生地にトッピングまたはサンド或いは包みこんだ後、油
で揚げても、剥がれ落ちたり、しみでたりせず、形が残
るものであり、油相8〜50重量%、酵素処理卵黄1〜
15重量%及び水相20〜80重量%を含有するもので
ある。
【0008】この酸性水中油型乳化物に使用される油相
としては油脂が用いられ、該油脂としては、食用に適す
る油脂であればよく、例えば、大豆油、菜種油、コーン
油、綿実油、オリーブ油、落花生油、米油、べに花油、
ひまわり油などの常温で液体の油脂が一般的であるが、
更にパーム油、パーム核油、ヤシ油、サル脂、マンゴ
脂、乳脂などの常温で固体の油脂も除外されるものでは
なく、更にこれらの硬化油、分別油、エステル交換油な
どの物理的または化学的処理を施した油脂を使用するこ
とができる。
【0009】好ましい油相としては、炭素数20以上の
飽和脂肪酸1残基と不飽和脂肪酸2残基とからなるトリ
グリセリドを1.5重量%以上含有する油相であり、よ
り好ましくは、炭素数20以上の飽和脂肪酸1残基と不
飽和脂肪酸2残基とからなるトリグリセリドを3重量%
以上含有する油相である。本発明でいう炭素数20以上
の飽和脂肪酸としては、アラキジン酸(アラキン酸とも
呼ばれる)、ベヘン酸、リグノセリン酸などが挙げられ
る。また不飽和脂肪酸としては、オレイン酸、リノール
酸、リノレン酸などが挙げられるが、特に制限はない。
炭素数20以上の飽和脂肪酸残基の結合位置は、グリセ
リンの1位、2位、3位のいずれでも良い。
【0010】上記の好ましい油相を形成する上記トリグ
リセリドを1.5重量%以上含有する油脂は、菜種油、
落花生油、サル脂、からし油、マンゴ脂、魚油を分別し
てその低融点部分を使用するか、またはこれらの油脂を
エステル交換するか、あるいは合成により得ることがで
きる。上記の様な方法により、炭素数20以上の飽和脂
肪酸1残基と不飽和脂肪酸2残基とからなるトリグリセ
リドを1.5重量%以上含有する油脂が得られるもので
あり、菜種油、落花生油、サル脂、からし油、マンゴ
脂、魚油などの油脂そのものには、炭素数20以上の飽
和脂肪酸1残基と不飽和脂肪酸2残基とからなるトリグ
リセリドは、1.1重量%程度しか含まれていない。
【0011】本発明における油相として、炭素数20以
上の飽和脂肪酸1残基と不飽和脂肪酸2残基とからなる
トリグリセリドを1.5重量%以上含有する油相を用い
る場合には、上記の様な方法で得られた炭素数20以上
の飽和脂肪酸1残基と不飽和脂肪酸2残基とからなるト
リグリセリドを1.5重量%以上含有する油脂を1種ま
たは2種以上混合して油相としても良いし、更に、他の
食用油脂と混合して混合油が炭素数20以上の飽和脂肪
酸1残基と不飽和脂肪酸2残基とからなるトリグリセリ
ドを1.5重量%以上含有しているようにしても良い。
【0012】また、本発明の油相には、トコフェロール
などの酸化防止剤や、βカロチンなどの着色剤の如き油
脂に溶解する成分や添加剤、キサンタンガム、アルギン
酸ナトリウム、グアーガム、タラガントガム、ローカス
トビーンガム、ペクチン、ジェランガム、ゼラチン、微
小繊維状セルロースなどの増粘安定剤、コーン、ワキシ
ーコーン、タピオカ、馬鈴薯、甘薯、小麦、米などの澱
粉を起源とし、この澱粉をアミラーゼなどの酵素で処理
したものや、酸やアルカリ、エステル化、リン酸架橋
化、加熱、湿熱処理などの物理的、化学的処理を行った
化工澱粉や、更にこれら化工澱粉を、あらかじめ加熱処
理により糊化させた化工澱粉、乳蛋白質を任意に添加す
ることができる。
【0013】上記油相の配合割合は、8〜50重量%で
あり、好ましくは10〜45重量%、さらに好ましくは
15〜40重量%である。油相の配合割合が50重量%
より多いと酸性水中油型乳化が不安定化し、また8重量
%より少ないと得られるベーカリー製品の食感が硬く、
悪いものとなる。
【0014】次に、本発明の酸性水中油型乳化物に使用
される酵素処理卵黄について説明する。この酵素処理卵
黄は、乳化剤として使用される。酵素で処理しない卵黄
を用いると、得られる酸性水中油型乳化物をベーカリー
生地と組み合わせて油で揚げた際に酸性水中油型乳化の
安定性が劣ったものとなり、ベーカリー生地より剥がれ
落ちたり、しみだしたりしてしまうので好ましくない。
【0015】酵素処理卵黄は、基質としては生卵黄、殺
菌卵黄、加塩卵黄、加糖卵黄のいずれも使用することが
できるが、得られる酸性水中油型乳化物の風味や、酵素
反応時の微生物の増殖を抑えることを考慮すると加塩卵
黄が適しており、例えば食塩が3〜20重量%添加され
た加塩卵黄を用いるのが好ましく、更に好ましくは食塩
が5〜8重量%添加された加塩卵黄を用いるのが良い。
【0016】本発明で、酵素処理の際に用いる酵素とし
ては、ホスフォリパーゼA及びプロテアーゼの併用が好
ましい。
【0017】ホスフォリパーゼAは、リン脂質加水分解
酵素とも呼ばれ、リン脂質をリゾリン脂質に分解する反
応を触媒する酵素であり、作用するエステル結合の位置
の違いにより、ホスフォリパーゼA1(EC3.1.
1.32)及びホスフォリパーゼA2(EC3.1.
1.4)の2種類を使用することができ、豚などの哺乳
類の膵液や、微生物を起源とした市販のホスフォリパー
ゼAを使用することができる。
【0018】また、プロテアーゼとは、蛋白質を加水分
解する反応を触媒する酵素であり、植物、動物、微生物
を起源とした酵素、例えばパイナップルを起源としたブ
ロメライン、パパイヤを起源としたパパイン、哺乳類の
膵液を起源としたトリプシン、哺乳類の胃液を起源とし
たペプシン、カビ由来のプロテアーゼなど、市販のプロ
テアーゼを使用することができ、特にブロメラインが最
適である。
【0019】卵黄の酵素処理の際、ホスフォリパーゼA
及びプロテアーゼの添加は任意の順序、または同時に行
うことができるが、プロテアーゼによるホスフォリパー
ゼAの加水分解を避けるためには、卵黄をホスフォリパ
ーゼAによる酵素処理後、プロテアーゼにより酵素処理
するのが好ましい。これらの酵素としては、市販されて
いる食品用の、粉末または液体の酵素を使用することが
できる。
【0020】ホスフォリパーゼAの添加量は、卵黄1g
に対し、好ましくは0.2〜100ホスフォリパーゼユ
ニット、更に好ましくは0.5〜20ホスフォリパーゼ
ユニットの活性量に相当する量を作用させるのが良い。
ホスフォリパーゼユニットとは、ホスフォリパーゼの活
性量を表す単位であり、1ホスフォリパーゼユニットと
は、pH8.0、40℃で卵黄にホスフォリパーゼAを
作用させた時に、卵黄中のリン脂質から、1分間に1マ
イクロモルの脂肪酸を遊離する活性量である。
【0021】プロテアーゼの添加量は、卵黄1gに対
し、好ましくは0.01〜10プロテアーゼユニット、
更に好ましくは0.1〜5プロテアーゼユニットの活性
量に相当する量を作用させるのが良い。プロテアーゼユ
ニットとは、プロテアーゼの活性量を表す単位であり、
1プロテアーゼユニットとは、pH7.0、37℃でミ
ルクカゼインにプロテアーゼを作用させた時に、1分間
に1マイクロモルのチロシンに相当する呈色度を示す活
性量である。尚、ホスフォリパーゼA及びプロテアーゼ
の併用からなる上記酵素は、次の様な基準で添加しても
良い。即ち、上記酵素の添加量(合計量)は、卵黄10
0重量部に対し、好ましくは0.001〜0.8重量部
であり、更に好ましくは0.01〜0.3重量部であ
る。このとき、ホスフォリパーゼAとプロテアーゼとの
重量比は、好ましくは20/80〜90/10であり、
更に好ましくは40/60〜85/15である。
【0022】卵黄の酵素処理は、卵黄の蛋白質やホスフ
ォリパーゼA及びプロテアーゼが熱により変性せず、ホ
スフォリパーゼA及びプロテアーゼの最適温度で行うの
が良く、通常20〜60℃、更に好ましくは40〜55
℃の温度範囲で行うのが良い。また、酵素処理中に攪拌
機などで攪拌を行うのが有利である。また、卵黄の酵素
処理の際の反応時間に特に制約はないが、1〜30時間
の範囲内で行うのが好ましい。なお、卵黄を酵素処理す
る方法としては、回分式で上述の条件により加水分解す
る方法が採用されるが、連続式で加水分解する方法でも
よい。
【0023】卵黄の酵素処理の際に、ホスフォリパーゼ
A及びプロテアーゼの至適pHに調整するのが良く、こ
の目的のpH調整剤は食品用であれば特に限定されず、
例えば乳酸、クエン酸、グルコン酸、アジピン酸、コハ
ク酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸、アスコル
ビン酸、酢酸などの酸味料や、リン酸二水素ナトリウ
ム、リン酸二水素カリウム、食酢、果汁、発酵乳などの
酸性物質や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化カルシウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、
リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン
酸三ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウムなどを用い
ることができ、例えばpH6〜9の範囲で行うのが好ま
しい。また、卵黄の酵素処理の際に、酵素の安定剤とし
て食品用の塩化カルシウム、リン酸二水素カルシウム、
乳酸カルシウムなどのカルシウム塩を添加しても良い。
【0024】ホスフォリパーゼAによる卵黄のリン脂質
のリゾリン脂質への分解の程度と、プロテアーゼによる
卵黄の蛋白質の加水分解の程度は、酵素の添加量、反応
温度、反応開始時のpH、酵素の安定剤の有無、反応時
間などの影響を受けるが、特に限定されない。たとえば
ホスフォリパーゼAによる卵黄のリン脂質のリゾリン脂
質への分解の程度は卵黄に含まれる全リン脂質の30〜
100重量%がリゾリン脂質に分解される程度までに分
解するのが好ましく、またプロテアーゼによる卵黄の蛋
白質の加水分解の程度は卵黄に含まれる蛋白質の加熱凝
固性が完全に失われる程度までに分解するのが良い。
【0025】上記の酵素処理卵黄の配合割合は、1〜1
5重量%、好ましくは2〜13重量%、さらに好ましく
は4〜12重量%である。酵素処理卵黄の配合割合が1
5重量%より多いとベーカリー製品の食感がボソボソと
した硬いものとなり、また1重量%より少ないと酸性水
中油型乳化が不安定となってしまう。
【0026】本発明の酸性水中油型乳化物において、水
相の配合割合は、20〜80重量%、好ましくは40〜
75重量%、さらに好ましくは50〜70重量%であ
る。水相の配合割合が80重量%よりも多いと油分が少
なくなるので、口当たりと組織がマヨネーズやドレッシ
ングとかけ離れてしまい、20重量%よりも少ないと水
中油型乳化の乳化状態が不安定となるので好ましくな
い。なお、本発明の水中油型乳化物を調製する際に、上
記水相は、前記酵素処理卵黄も含めて調製されるが、こ
のときの酵素処理卵黄は、上記水相の配合割合には含め
ないものとする。
【0027】本発明における水相には、通常マヨネー
ズ、タルタルソース、乳化型ドレッシングなどの酸性水
中油型乳化物に使用されている酸味料、増粘安定剤、化
工澱粉、調味料、香辛料、香料、食塩、糖類、デキスト
リン、乳蛋白質、着色料などの副原料を本発明の目的を
損なわない限り、任意に使用することができる。例えば
酸味料としては乳酸、クエン酸、グルコン酸、アジピン
酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、アスコル
ビン酸、食酢、果汁、発酵乳などが挙げられ、増粘安定
剤としてはキサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、グ
アーガム、タラガントガム、ローカストビーンガム、ペ
クチン、ジェランガム、ゼラチン、微小繊維状セルロー
スなどが挙げられ、化工澱粉としては、コーン、ワキシ
ーコーン、タピオカ、馬鈴薯、甘薯、小麦、米などの澱
粉を起源とし、この澱粉をアミラーゼなどの酵素で処理
したものや、酸やアルカリ、エステル化、リン酸架橋
化、加熱、湿熱処理などの物理的、化学的処理を行った
ものが挙げられ、更にこれら化工澱粉を、あらかじめ加
熱処理により糊化させたものが挙げられる。また、糖類
を使用することは任意ではあるが、油で揚げる際の加熱
による褐変を低減するためには、糖類を使用しなくとも
良い。
【0028】そして、本発明の酸性水中油型乳化物は、
水に酵素処理卵黄、酸味料、必要によりその他の副原料
を分散溶解させたものを水相とし、また油脂に必要によ
り化工澱粉、増粘安定剤などの副原料を分散させたもの
を油相とする。次いで、水相を攪拌しつつ油相を加え、
酸性水中油型予備乳化物を得る。これをコロイドミルな
どの乳化機、ホモゲナイザーなどの均質化機で処理し仕
上げ乳化を行い、酸性水中油型乳化物が得られる。
【0029】このようにして得られた酸性水中油型乳化
物をベーカリー生地に、トッピングまたはサンド或いは
包みこんだ後、油で揚げることにより、揚げパンやフラ
イドパイ、ドーナツ、ピロシキなどのベーカリー製品を
得ることができる。このときのベーカリー生地と酸性水
中油型乳化物の割合は特に限定されるものではないが、
ベーカリー生地100重量部に対して、酸性水中油型乳
化物を好ましくは5〜50重量部、さらに好ましくは1
5〜40重量部を組み合わせるのがよい。
【0030】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げ、本発明を更
に詳細に説明するが、これらは本発明を何ら制限するも
のではない。
【0031】[実施例1]食塩を7重量%含有した加塩
卵黄を水酸化ナトリウムにてpH8.5に調整し、この
もの100kgに対して豚の膵臓由来のホスフォリパー
ゼAを600000ホスフォリパーゼユニット加え、4
5℃にて4時間処理し、次いでブロメライン20000
0ユニットを加え、45℃にて7時間反応させ、10℃
まで冷却し、酵素処理卵黄を得た。水40重量%、食酢
7重量%、食塩1.8重量%、グルタミン酸ナトリウム
0.2重量%、前記酵素処理卵黄10重量%を混合して
水相を調製した。別に、大豆油40重量%、ワキシーコ
ーンをリン酸架橋後に糊化した化工澱粉1重量%を混合
して油相を調製した。次いで、水相を攪拌しつつ油相を
加え、酸性水中油型予備乳化物を得、これをコロイドミ
ルにて乳化し、酸性水中油型乳化物を得た。次いで、強
力粉70重量部、薄力粉30重量部、イースト4重量
部、イーストフード0.1重量部、ベーキングパウダー
1重量部、上白糖15重量部、食塩1.2重量部、脱脂
粉乳2重量部、全卵10重量部及び水52重量部をミキ
サーボールに入れ、フックにて低速3分、中速2分混捏
し、更にマーガリン12重量部を加え、中速2分、高速
2分混捏し、イーストドーナツ生地を得た。フロアタイ
ム50分後、45gずつに分割し、更にベンチタイム2
0分後、コッペパン型(紡錘型)に成形しホイロ(温度
38℃、湿度60%)にて50分発酵を行った後、この
生地に酸性水中油型乳化物15gをトッピングし、フラ
イ用油脂を用い、180℃にて表側90秒間、裏側90
秒間揚げ、本発明のドーナツを得た。このドーナツの外
観をまとめた結果を下記〔表1〕に示した。
【0032】[比較例1]水40重量%、食酢7重量
%、食塩1.8重量%、グルタミン酸ナトリウム0.2
重量%、7重量%加塩卵黄10重量%を混合して水相を
調製した。別に、大豆油40重量%、ワキシーコーンを
リン酸架橋後に糊化した化工澱粉1重量%を混合して油
相を調製した。次いで、水相を攪拌しつつ油相を加え、
酸性水中油型予備乳化物を得、これをコロイドミルにて
乳化し、酸性水中油型乳化物を得た。次いでこの酸性水
中油型乳化物を用いて、実施例1と同様の方法にてドー
ナツを得た。このドーナツの外観をまとめた結果を下記
〔表1〕に示した。
【0033】[実施例2]水61.8重量%、上白糖2
重量%、食酢8重量%、食塩1.8重量%、グルタミン
酸ナトリウム0.2重量%、荒挽き胡椒0.2重量%、
実施例1で使用したものと同じ酵素処理卵黄8重量%を
混合して水相を調製した。別に、菜種サラダ油15重量
%、ワキシーコーンをリン酸架橋後に糊化した化工澱粉
3重量%を混合して油相を調製した。次いで、水相を攪
拌しつつ油相を加え、酸性水中油型予備乳化物を得、こ
れをホモゲナイザーにて均質化し、酸性水中油型乳化物
を得た。次いでこの酸性水中油型乳化物を用いて、実施
例1と同様の方法にて本発明のドーナツを得た。このド
ーナツの外観をまとめた結果を下記〔表1〕に示した。
【0034】[比較例2]水61.8重量%、上白糖2
重量%、食酢8重量%、食塩1.8重量%、グルタミン
酸ナトリウム0.2重量%、荒挽き胡椒0.2重量%、
7重量%加塩卵黄8重量%を混合して水相を調製した。
別に、菜種サラダ油15重量%、ワキシーコーンをリン
酸架橋後に糊化した化工澱粉3重量%を混合して油相を
調製した。次いで、水相を攪拌しつつ油相を加え、酸性
水中油型予備乳化物を得、これをホモゲナイザーにて均
質化し、酸性水中油型乳化物を得た。次いでこの酸性水
中油型乳化物を用いて、実施例1と同様の方法にてドー
ナツを得た。このドーナツの外観をまとめた結果を下記
〔表1〕に示した。
【0035】[実施例3]水32.8重量%、食酢8重
量%、食塩1.8重量%、グルタミン酸ナトリウム0.
2重量%、荒挽き胡椒0.1重量%、タマゴフレーバー
0.1重量%、実施例1で使用したものと同じ酵素処理
卵黄12重量%を混合して水相を調製した。別に、菜種
サラダ油45重量%を油相とした。水相を攪拌しつつ油
相を加え、酸性水中油型予備乳化物を得、これをホモゲ
ナイザーにて均質化し、酸性水中油型乳化物を得た。次
いでこの酸性水中油型乳化物を用いて、実施例1と同様
の方法にて本発明のドーナツを得た。このドーナツの外
観をまとめた結果を下記〔表1〕に示した。
【0036】[実施例4]食塩を8重量%含有した加塩
卵黄を水酸化ナトリウムにてpH8.0に調整し、この
もの100kgに対して豚の膵臓由来のホスフォリパー
ゼAを300000ホスフォリパーゼユニット加え、4
5℃にて5時間処理し、次いでブロメライン80000
ユニットを加え、45℃にて10時間反応させ、10℃
まで冷却し、酵素処理卵黄を得た。水32.8重量%、
食酢8重量%、食塩1.8重量%、グルタミン酸ナトリ
ウム0.2重量%、荒挽き胡椒0.1重量%、タマゴフ
レーバー0.1重量%、上記酵素処理卵黄12重量%を
混合して水相を調製した。別に、菜種サラダ油45重量
%を油相とした。水相を攪拌しつつ油相を加え、酸性水
中油型予備乳化物を得、これをホモゲナイザーにて均質
化し、酸性水中油型乳化物を得た。次いでこの酸性水中
油型乳化物を用いて、実施例1と同様の方法にて本発明
のドーナツを得た。このドーナツの外観をまとめた結果
を下記〔表1〕に示した。
【0037】[実施例5]水40重量%、食酢7重量
%、食塩1.8重量%、グルタミン酸ナトリウム0.2
重量%、実施例1で使用したものと同じ酵素処理卵黄1
0重量%を混合して水相を調製した。別に、あらかじめ
融解したサル脂の低融点分別油(融点10℃、沃素価6
0、アラキジン酸1残基とオレイン酸2残基から成るト
リグリセリドを10重量%含む)10重量%と大豆油3
0重量%、ワキシーコーン澱粉をリン酸架橋後に糊化し
た化工澱粉1重量%を混合して油相を調製した。次い
で、水相を攪拌しつつ油相を加え、酸性水中油型予備乳
化物を得、これをコロイドミルにて乳化し、酸性水中油
型乳化物を得た。次いで、強力粉70重量部、イースト
2重量部、イーストフード0.1重量部及び水40重量
部をミキサーボールに入れ、フックにて低速3分、中速
2分混捏した。室温にて4時間発酵し、中種を得た。こ
の中種に強力粉30重量部、上白糖6重量部、食塩2重
量部、脱脂粉乳2重量部、牛乳10重量部、及び水15
重量部を加え、低速3分、中速2分混捏し、更にマーガ
リン10重量部を加え、中速2分、高速2分混捏し、イ
ーストドーナツ生地を得た。フロアタイム20分後、4
5gずつに分割し、更にベンチタイム20分後、コッペ
パン型(紡錘型)に成形しホイロ(温度38℃、湿度6
0%)にて50分発酵を行った後、この生地に酸性水中
油型乳化物15gをトッピングし、フライ用油脂を用
い、180℃にて表側90秒間、裏側90秒間揚げ、本
発明のドーナツを得た。このドーナツの外観をまとめた
結果を下記〔表1〕に示した。
【0038】[実施例6]水32.8重量%、食酢8重
量%、食塩1.8重量%、グルタミン酸ナトリウム0.
2重量%、荒挽き胡椒0.1重量%、タマゴフレーバー
0.1重量%、実施例4で使用したものと同じ酵素処理
卵黄12重量%を混合して水相を調製した。別に、ハイ
エルカ酸菜種油(エルカ酸の割合が47重量%)の極度
硬化油5重量%と大豆サラダ油95重量%とのランダム
エステル交換油(ベヘン酸1残基と、オレイン酸、リノ
ール酸、リノレン酸のいずれかの不飽和脂肪酸2残基か
ら成るトリグリセリドを33重量%含む)5重量%と菜
種サラダ油40重量%を混合して油相とした。次いで、
水相を攪拌しつつ油相を加え、酸性水中油型予備乳化物
を得、これをコロイドミルにて乳化し、酸性水中油型乳
化物を得た。次いでこの酸性水中油型乳化物を用いて、
実施例5と同様の方法にて本発明のドーナツを得た。こ
のドーナツの外観をまとめた結果を下記〔表1〕に示し
た。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明は、ベーカリー生地と酸性水中油
型乳化物を組み合わせ、油で揚げたベーカリー製品に関
するものであり、油で揚げても酸性水中油型乳化物がベ
ーカリー生地から剥がれ落ちたり、しみだしたりするこ
とがない。また本発明ではベーカリー生地と酸性水中油
型乳化物を組み合わせたそのままの形に残るため、ベー
カリー製品の表面を立体的に飾ることができ、商品性を
高めたベーカリー製品を提供することが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 光治 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 Fターム(参考) 4B032 DB24 DK18 DK48 DK67 DP30 DP47

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベーカリー生地と酸性水中油型乳化物と
    からなり、油で揚げたことを特徴とするベーカリー製
    品。
  2. 【請求項2】 酸性水中油型乳化物が、油相8〜50重
    量%、酵素処理卵黄1〜15重量%及び水相20〜80
    重量%を含有するものである請求項1記載のベーカリー
    製品。
  3. 【請求項3】 酵素処理卵黄が、卵黄をホスフォリパー
    ゼA及びプロテアーゼで処理したものである請求項2記
    載のベーカリー製品。
  4. 【請求項4】 ベーカリー生地に、油相8〜50重量
    %、酵素処理卵黄1〜15重量%及び水相20〜80重
    量%を含有する酸性水中油型乳化物を、トッピングまた
    はサンド或いは包みこんだ後、油で揚げることを特徴と
    するベーカリー製品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002262760A (ja) * 2001-03-08 2002-09-17 Asahi Denka Kogyo Kk ベーカリー生地
CN109497449A (zh) * 2018-12-27 2019-03-22 华中农业大学 一种高乳化性蛋黄液的制备方法及其产品

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