JP2003018972A - 水中油型乳化物 - Google Patents

水中油型乳化物

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JP2003018972A
JP2003018972A JP2001205526A JP2001205526A JP2003018972A JP 2003018972 A JP2003018972 A JP 2003018972A JP 2001205526 A JP2001205526 A JP 2001205526A JP 2001205526 A JP2001205526 A JP 2001205526A JP 2003018972 A JP2003018972 A JP 2003018972A
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oil
calcium
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JP2001205526A
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Takashi Suzuki
隆 鈴木
Satoshi Kawade
智 川出
Yasuo Okutomi
保雄 奥冨
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Adeka Corp
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Asahi Denka Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩味をまろやかにし、マイルドでコクのある
風味良好な水中油型乳化物を提供する。 【解決手段】 塩化カリウム起源のカリウム分の含有量
が0.001〜30重量%、塩化カルシウム起源のカル
シウム分と硫酸カルシウム起源のカルシウム分の合計量
が0.001〜0.5重量%である岩塩、自然塩、天然
塩の中から選ばれた1種又は2種以上の塩を含有するこ
とを特徴とする水中油型乳化物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中油型乳化物に
関する。詳しくはマヨネーズ、タルタルソース、乳化型
ドレッシング、ホイップクリーム、コーヒークリーム、
牛乳代替組成物、チーズ代替組成物、ヨーグルト代替組
成物、クリーム代替組成物等の水中油型乳化物に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般
に、水中油型乳化物には塩分が添加されているが、一般
的には精製塩を用いることが多かった。しかし、このよ
うな精製塩を用いた水中油型乳化物は、塩味の棘々しさ
が目立つものであった。
【0003】従って、本発明の目的は、塩味をまろやか
にし、マイルドでコクのある風味良好な水中油型乳化物
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
した結果、塩化カリウム起源のカリウム分の含有量が
0.001〜30重量%、塩化カルシウム起源のカルシ
ウム分と硫酸カルシウム起源のカルシウム分の合計量が
0.001〜0.5重量%である岩塩、自然塩、天然塩
の中から選ばれた1種又は2種以上の塩を含有すること
を特徴とする水中油型乳化物が、上記目的が達成し得る
ことを知見し、本発明に至ったものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の水中油型乳化物に
ついて詳述する。
【0006】本発明の水中油型乳化物は、塩化カリウム
起源のカリウム分の含有量が0.001〜30重量%、
塩化カルシウム起源のカルシウム分と硫酸カルシウム起
源のカルシウム分の合計量が0.001〜0.5重量%
である岩塩、自然塩、天然塩の中から選ばれた1種又は
2種以上の塩を含有する。これらのうち、岩塩を含有す
るのが好ましい。ここでいう岩塩とは、岩塩層から採取
したものであり、自然塩や天然塩とは、精製塩及び岩塩
以外の塩を意味する。塩化カリウム起源のカリウム分の
含有量が0.001重量%よりも少ないと塩化ナトリウ
ムの刺々しさが目立つので好ましくなく、30重量%よ
りも多いと異質な塩味が目立つので好ましくない。ま
た、塩化カルシウム起源のカルシウム分と硫酸カルシウ
ム起源のカルシウム分の合計量が0.001重量%より
も少ないと塩化ナトリウムの刺々しさをマスキングしに
くいので好ましくなく、0.5重量%よりも多いと溶け
にくいため、風味を阻害してしまうので好ましくない。
【0007】さらに、本発明では、好ましくは塩化カリ
ウム起源のカリウム分の含有量が0.001〜1重量
%、塩化カルシウム起源のカルシウム分と硫酸カルシウ
ム起源のカルシウム分の合計量が0.001〜0.2重
量%であるものを、さらに好ましくは塩化カリウム起源
のカリウム分の含有量が0.001〜0.3重量%、塩
化カルシウム起源のカルシウム分と硫酸カルシウム起源
のカルシウム分の合計量が0.001〜0.1重量%で
あるものを、最も好ましくは塩化カリウム起源のカリウ
ム分の含有量が0.001〜0.1重量%、塩化カルシ
ウム起源のカルシウム分と硫酸カルシウム起源のカルシ
ウム分の合計量が0.001〜0.05重量%であるも
のを用いるのがよい。
【0008】また、上記の塩は、塩化マグネシウム起源
のマグネシウム分と硫酸マグネシウム起源のマグネシウ
ム分を含んでいてもよく、塩化マグネシウム起源のマグ
ネシウム分と硫酸マグネシウム起源のマグネシウム分の
合計量が、好ましくは0〜2重量%、さらに好ましくは
0〜0.5重量%、最も好ましくは0〜0.05重量%
であるものを用いるのがよい。
【0009】本発明で用いる塩に含まれる塩化カリウム
起源のカリウム分、塩化カルシウム起源のカルシウム
分、硫酸カルシウム起源のカルシウム分、塩化マグネシ
ウム起源のマグネシウム分、硫酸マグネシウム起源のマ
グネシウム分は、塩自体に由来するものを示すものであ
り、固結防止剤等の添加物由来のものは含まない。
【0010】上記塩の含有量は、本発明の水中油型乳化
物中、好ましくは0.01〜10重量%、さらに好まし
くは0.1〜10重量%、最も好ましくは0.1〜5重
量%である。
【0011】本発明では、水中油型乳化物の乳化の安定
化のため、乳化剤として、酵素で処理した卵黄を使用し
てもよい。酵素で処理しない卵黄を用いると、得られる
酸性水中油型乳化物は、加熱後に卵黄が熱凝固し水中油
型乳化が破壊されたり、クリーミーな食感が失われる
等、品質が劣ったものとなりやすい。
【0012】上記酵素処理卵黄を調製するための基質と
しては、生卵黄、殺菌卵黄、加塩卵黄、加糖卵黄を使用
することができる。また、水中油型乳化物中のコレステ
ロールを低減するために、コレステロールを低減した卵
黄を基質としても良い。
【0013】得られる水中油型乳化物の風味や、酵素反
応時の微生物の増殖を抑えることを考慮すると特に加塩
卵黄が適しており、好ましくは塩が3〜20重量%添加
された加塩卵黄を用いるのが良く、さらに好ましくは塩
が5〜8重量%添加された加塩卵黄を用いるのが良い。
このとき用いる塩としては、岩塩、天然塩、自然塩、精
製塩の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることが
できる。
【0014】本発明において、卵黄の酵素処理の際に用
いる酵素としては、ホスフォリパーゼA及びプロテアー
ゼを併用することが好ましい。
【0015】上記ホスフォリパーゼAは、リン脂質加水
分解酵素とも呼ばれ、リン脂質をリゾリン脂質に分解す
る反応を触媒する酵素であり、本発明では、作用するエ
ステル結合の位置の違いにより、ホスフォリパーゼA1
(EC3.1.1.32)とホスフォリパーゼA2 (E
C3.1.1.4)の2種類を使用することができ、例
えば微生物(例えばAspergillus oryzae属)を起源とし
た至適pHが酸性域のホスフォリパーゼA1 や豚等の哺
乳類の膵液を起源とした至適pHが弱塩基性域のホスフ
ォリパーゼA2 等の市販のホスフォリパーゼAを使用す
ることができる。
【0016】上記プロテアーゼは、蛋白質を加水分解す
る反応を触媒する酵素であり、本発明では、植物、動
物、微生物を起源としたもの、例えばパイナップルを起
源としたブロメライン、パパイヤを起源としたパパイ
ン、哺乳類の膵液を起源としたトリプシン、哺乳類の胃
液を起源としたペプシン、カビ由来のプロテアーゼ等、
市販のプロテアーゼを使用することができ、特にブロメ
ラインが最適である。
【0017】これらの酵素としては、市販されている食
品用の粉末又は液体の酵素を使用することができる。
【0018】卵黄の酵素処理の際、ホスフォリパーゼA
及びプロテアーゼは、任意の順序で又は同時に添加する
ことができるが、プロテアーゼによるホスフォリパーゼ
Aの加水分解を避ける点から、ホスフォリパーゼAによ
る酵素処理後、プロテアーゼによる酵素処理をするのが
好ましい。
【0019】ホスフォリパーゼAの添加量は、卵黄1g
に対し、好ましくは0.2〜100ホスフォリパーゼユ
ニット、さらに好ましくは0.5〜20ホスフォリパー
ゼユニットの活性量に相当する量である。ホスフォリパ
ーゼユニットとは、ホスフォリパーゼの活性量を表す単
位であり、1ホスフォリパーゼユニットとは、pH8.
0、40℃で卵黄にホスフォリパーゼAを作用させた時
に、卵黄中のリン脂質から、1分間に1マイクロモルの
脂肪酸を遊離する活性量である。
【0020】プロテアーゼの添加量は、卵黄1gに対
し、好ましくは0.01〜10プロテアーゼユニット、
さらに好ましくは0.1〜5プロテアーゼユニットの活
性量に相当する量である。プロテアーゼユニットとは、
プロテアーゼの活性量を表す単位であり、1プロテアー
ゼユニットとは、pH7.0、37℃でミルクカゼイン
にプロテアーゼを作用させた時に、1分間に1マイクロ
モルのチロシンに相当する呈色度を示す活性量である。
【0021】このホスフォリパーゼA及びプロテアーゼ
の併用からなる酵素は、次のような基準で添加しても良
い。即ち、上記酵素の添加量(合計量)は、卵黄100
重量部に対し、好ましくは0.001〜0.8重量部、
さらに好ましくは0.01〜0.3重量部である。この
とき、ホスフォリパーゼAとプロテアーゼとの重量比
は、好ましくは20/80〜90/10、さらに好まし
くは40/60〜85/15である。
【0022】卵黄の酵素処理は、卵黄の蛋白質やホスフ
ォリパーゼA及びプロテアーゼが熱により変性せず、ホ
スフォリパーゼA及びプロテアーゼの最適温度で行うの
が良く、通常20〜60℃、好ましくは40〜55℃の
温度範囲で行うのが良い。また、酵素処理中に撹拌機等
で撹拌を行うのが好ましい。
【0023】また、卵黄の酵素処理の際に、ホスフォリ
パーゼAとプロテアーゼの至適pH、通常pH3〜9の
範囲に調整することが好ましい。この目的のpH調整剤
としては、食品用であれば特に限定されず、例えば乳
酸、クエン酸、グルコン酸、アジピン酸、コハク酸、酒
石酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸、L−アスコルビン
酸、酢酸、酢等の酸味料やリン酸二水素ナトリウム、リ
ン酸二水素カリウム、食酢、果汁、発酵乳等の酸性物質
や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシ
ウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸水
素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三ナト
リウム、アスコルビン酸ナトリウム等を用いることがで
きる。
【0024】また、卵黄の酵素処理の際に、酵素の安定
剤として適当な無機塩類、例えば塩化カルシウム、リン
酸二水素カルシウム等のカルシウム塩を添加しても良
い。
【0025】卵黄の酵素処理の際の反応時間に特に制約
はないが、1〜30時間の範囲内で行うのが好ましい。
【0026】尚、卵黄を酵素処理する方法としては、回
分式で上述の条件により加水分解する方法が採用される
が、連続式で加水分解する方法でもよい。
【0027】ホスフォリパーゼAによる卵黄のリン脂質
のリゾリン脂質への分解の程度と、プロテアーゼによる
卵黄の蛋白質の加水分解の程度は、酵素の添加量、反応
温度、反応開始時のpH、酵素の安定剤の有無、反応時
間の影響を受ける。本発明では、これらの分解の程度は
特に限定されないが、ホスフォリパーゼAによる卵黄の
リン脂質のリゾリン脂質への分解は、卵黄に含まれる全
リン脂質の25〜100%がリゾリン脂質に分解される
程度にまで行われるのが良く、またプロテアーゼによる
卵黄の蛋白質の加水分解は、卵黄に含まれる蛋白質の加
熱凝固性が完全に失われる程度にまで行われるのが良
い。
【0028】このようにして得られた酵素処理卵黄は、
適当な方法、例えば加熱処理によって、酵素反応に使用
した酵素を失活させるのが良い。
【0029】上記酵素処理卵黄の含有量は、水中油型乳
化の安定化及び風味や食感を良くする点から、本発明の
水中油型乳化物中、好ましくは1〜15重量%、さらに
好ましくは3〜12重量%とするのが良い。該含有量が
15重量%よりも多いと、得られる水中油型乳化物の粘
度が上昇やすく、また該含有量が1重量%よりも少ない
と、水中油型乳化が不安定となりやすい。
【0030】本発明の水中油型組成物で用いられる油脂
としては特に限定されないが、例えば、大豆油、菜種
油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、パーム油、パー
ム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、落花生油、サル
脂、シア脂、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨
油、からし油等の各種植物油脂、動物油脂、並びにこれ
らを水素添加、分別及びエステル交換から選択される1
又は2以上の処理を施した化工油脂が挙げられる。本発
明においては、これらの油脂を単独で用いることもで
き、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0031】本発明では、冷凍、解凍時の油分離を抑
え、滑らかな食感を得るために、上記油脂として、炭素
数20以上の飽和脂肪酸1残基と不飽和脂肪酸2残基と
からなるトリグリセリドを好ましくは1.5重量%以
上、さらに好ましくは3重量%以上含有する油脂を使用
することが好ましい。
【0032】この炭素数20以上の飽和脂肪酸1残基と
不飽和脂肪酸2残基とからなるトリグリセリドを1.5
重量%以上含有する油脂について説明する。
【0033】上記の炭素数20以上の飽和脂肪酸として
は、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等が挙げら
れる。また、上記不飽和脂肪酸としては、オレイン酸、
リノール酸、リノレン酸等が挙げられるが、特に制限は
ない。また、上記の炭素数20以上の飽和脂肪酸残基の
結合位置は、トリグリセリドの1位、2位、3位の何れ
でもよい。
【0034】上記の炭素数20以上の飽和脂肪酸1残基
と不飽和脂肪酸2残基とからなるトリグリセリドを1.
5重量%以上含有する油脂を得るには、ナタネ油、落花
生油、魚油、サル脂、からし油もしくはマンゴ脂を分別
してその低融点部分を使用するか、又はこれらの油脂を
エステル交換するか、或いは合成により得ることができ
る。このような方法により炭素数20以上の飽和脂肪酸
1残基と不飽和脂肪酸2残基とからなるトリグリセリド
を1.5重量%以上含有する油脂が得られるのであり、
ナタネ油、落花生油、魚油、サル脂、からし油及びマン
ゴ脂等の油脂そのものには、炭素数20以上の飽和脂肪
酸1残基と不飽和脂肪酸2残基とからなるトリグリセリ
ドは、1.1重量%程度しか含まれていない。
【0035】本発明では、上記のような方法で得られた
炭素数20以上の飽和脂肪酸1残基と不飽和脂肪酸2残
基とからなるトリグリセリドを1.5重量%以上含有す
る油脂を1種又は2種以上混合して使用してもよいし、
さらに他の食用油脂(オリーブ油、大豆油、コーン油、
綿実油、ヤシ油、パーム核油、パーム油、ラード、牛
脂、乳脂等の動植物油脂、及びこれらの硬化油、分別
油、エステル交換油等)と混合して、混合油が炭素数2
0以上の飽和脂肪酸1残基と不飽和脂肪酸2残基とから
なるトリグリセリドを1.5重量%以上含有するように
して使用してもよい。
【0036】上記油脂の含有量は、特に制限はないが、
水中油型乳化の安定性と、風味や食感をよくするため
に、水中油型乳化組成物中、5〜80重量%とするのが
好ましく、さらに好ましくは10〜80重量%、最も好
ましくは20〜75重量%である。
【0037】本発明の水中油型乳化物に含有させること
ができるその他の成分としては、食品に通常使用されて
いる水溶性、油溶性、分散性の副原料を使用することが
できる。例えば、酸味料、増粘安定剤、でんぷん、β−
カロチン・カラメル・紅麹色素等の着色料、トコフェロ
ール・茶抽出物等の酸化防止剤、砂糖・ブドウ糖・果糖
・異性化糖・水飴・マルチトール・ソルビトール・トレ
ハロース・液糖・はちみつ等の糖類や糖アルコール類、
ステビア・アスパルテーム等の甘味料、デキストリン、
全卵・卵黄・卵白・凍結卵・凍結卵黄・凍結卵白・卵白
粉末・卵黄粉末等の卵製品、カゼイン・ホエー・クリー
ム・脱脂粉乳・発酵乳・牛乳・全脂粉乳・ヨーグルト・
練乳・加糖練乳・全脂練乳・脱脂練乳・濃縮乳・純生ク
リーム・ホイップ用クリーム(コンパウンドクリーム)
・植物性ホイップ用クリーム等の乳製品、アルコール
類、グリセリン脂肪酸エステル・グリセリン酢酸脂肪酸
エステル・グリセリン乳酸脂肪酸エステル・グリセリン
コハク酸脂肪酸エステル・グリセリンジアセチル酒石酸
脂肪酸エステル・ソルビタン脂肪酸エステル・ショ糖脂
肪酸エステル・ショ糖酢酸イソ酪酸エステル・ポリグリ
セリン脂肪酸エステル・ポリグリセリン縮合リシノレイ
ン酸エステル・プロピレングリコール脂肪酸エステル・
ステアロイル乳酸カルシウム・ステアロイル乳酸ナトリ
ウム・ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート
・ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド・レシ
チン等の乳化剤、穀類、ハーブ、豆類、小麦蛋白や大豆
蛋白といった植物蛋白、保存料、苦味料、pH調整剤、
日持ち向上剤、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、
調味料、香辛料、香料、野菜類・肉類・魚介類等の食品
素材、コンソメ、ブイヨン、植物及び動物エキス、食品
添加物等等の副原料を、本発明の目的を損なわない限
り、任意に使用することができる。
【0038】上記酸味料としては、乳酸、クエン酸、グ
ルコン酸、アジピン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、
リンゴ酸、アスコルビン酸、醸造酢、果汁等が挙げら
れ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いる
ことができ、必要でなければ酸味料を用いなくても良
い。上記酸味料の含有量は、水中油型乳化物中、好まし
くは0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜
10重量%である。本発明の水中油型乳化物は、上記の
ような酸味料を用い、酸性水中油型乳化物とするのが好
ましい。
【0039】上記増粘安定剤としては、キサンタンガ
ム、アルギン酸ナトリウム、グアーガム、ローカストビ
ーンガム、カラギーナン、アラビアガム、ペクチン、プ
ルラン、タマリンドシードガム、結晶セルロース、カル
ボキシメチルセルロース、メチルセルロース、寒天、グ
ルコマンナン、ゼラチン、ファーセルラン、タラガム、
カラヤガム、トラガントガム、ジェランガム、大豆多糖
類等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種
以上を用いることができ、必要でなければ増粘安定剤を
用いなくても良い。上記増粘安定剤の含有量は、水中油
型乳化物中、好ましくは0.001〜10重量%、さら
に好ましくは0.01〜10重量%である。
【0040】上記でんぷんとしては、コーン、ワキシー
コーン、タピオカ、馬鈴薯、甘藷、小麦、米等のでんぷ
んや、これらのでんぷんをアミラーゼ等の酵素で処理し
たものや、酸処理やアルカリ処理、エステル化、リン酸
架橋化、加熱、湿熱等の物理的、化学的処理を行ったも
の、さらにこれらのでんぷんを、水に溶解しやすいよう
に予め加熱処理により糊化させたものが挙げられ、この
中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができ、
必要でなければでんぷんを用いなくても良い。上記でん
ぷんの含有量は、水中油型乳化物中、好ましくは0.1
〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜5重量%であ
る。
【0041】これら副原料を配合する際には、通常、油
溶性の副原料を油相に、水溶性の副原料を水相に溶解し
てから水中油型に乳化させるが、水溶性の副原料を油相
に分散させても良い。
【0042】本発明の水中油型乳化物は、水相と油相と
の割合が、好ましくは水相10〜90重量%と油相90
〜10重量%、さらに好ましくは水相15〜85重量%
と油相85〜15重量%、最も好ましくは水相30〜7
0重量%と油相70〜30重量%である。
【0043】本発明の水中油型乳化物は、例えば次のよ
うにして製造することができる。液体状、半固体状、固
形状の状態であるマヨネーズ、タルタルソース、乳化型
ドレッシング等の酸性水中油型乳化物を製造する場合
は、まず、水相に塩化カリウム起源のカリウム分の含有
量が0.001〜30重量%、塩化カルシウム起源のカ
ルシウム分と硫酸カルシウム起源のカルシウム分の合計
量が0.001〜0.5重量%である岩塩、自然塩、天
然塩の中から選ばれた1種又は2種以上の塩や酸味料、
卵製品及び/又は酵素処理卵黄を添加し、必要により糖
類、香辛料等も水相に添加する。また、本発明では、塩
化カリウム起源のカリウム分の含有量が0.001〜3
0重量%、塩化カルシウム起源のカルシウム分と硫酸カ
ルシウム起源のカルシウム分の合計量が0.001〜
0.5重量%である岩塩、自然塩、天然塩の中から選ば
れた1種又は2種以上の塩を含有する加塩卵、加塩卵
黄、加塩酵素処理卵黄等の形で塩を水相に添加してもよ
い。次いで、上記の水相を撹拌しつつ油相を加え、酸性
水中油型予備乳化物を得る。これをコロイドミル等の乳
化機、ホモゲナイザー等の均質化機で処理し仕上げ乳化
を行い、本発明の酸性水中油型乳化物が得られる。
【0044】ホイップクリーム、コーヒークリーム、牛
乳代替組成物、チーズ代替組成物、ヨーグルト代替組成
物、クリーム代替組成物等の水中油型乳化物を製造する
場合は、まず、水相に塩化カリウム起源のカリウム分の
含有量が0.001〜30重量%、塩化カルシウム起源
のカルシウム分と硫酸カルシウム起源のカルシウム分の
合計量が0.001〜0.5重量%である岩塩、自然
塩、天然塩の中から選ばれた1種又は2種以上の塩を水
相に添加する。水相に上記の塩を添加する場合、塩化カ
リウム起源のカリウム分の含有量が0.001〜30重
量%、塩化カルシウム起源のカルシウム分と硫酸カルシ
ウム起源のカルシウム分の合計量が0.001〜0.5
重量%である岩塩、自然塩、天然塩の中から選ばれた1
種又は2種以上の塩を含有する加塩卵、加塩卵黄、加塩
酵素処理卵黄等の形で塩を水相に添加してもよい。そし
て、上記の水相と油相とを予備乳化し、次いで殺菌又は
滅菌する。該殺菌又は滅菌は、インジェクション式、イ
ンフュージョン式等の直接加熱方式、あるいはプレート
式・チューブラー式・掻き取り式等の間接加熱方式を用
いたUHT・HTST、バッチ式、レトルト、ジュール
加熱、マイクロ波加熱等の加熱滅菌もしくは加熱殺菌処
理、あるいは直火等の加熱調理により行うことができ
る。また、殺菌又は滅菌する前又は後でホモジナイザー
で均質化しても良い。均質化処理を行う場合の均質化圧
力は、1〜30MPaとするのが好ましい。そして、上
記の殺菌又は滅菌後、乳化物を冷却することにより、水
中油型乳化物を製造することができる。
【0045】このようにして得られた水中油型乳化物は
各種食品に用いることができる。液体状、半固体状、固
形状の状態であるマヨネーズ、タルタルソース、乳化型
ドレッシング等の酸性水中油型乳化物については、例え
ば外食やサラダ等の惣菜用のトッピングとして用いた
り、製菓・製パン用の焼き込み用フィリング又はトッピ
ングとして用い、焼成前の生地にフィリング又はトッピ
ングして焼成したり、さらに冷凍食品用に畜肉や魚介類
の切り身に付着させて用い、その後パン粉で包み込み冷
凍する等の各種食品に用いることができる。
【0046】ホイップクリーム、コーヒークリーム、牛
乳代替組成物、チーズ代替組成物、ヨーグルト代替組成
物、クリーム代替組成物等の水中油型乳化物について
は、例えば、ホワイトソース、該ホワイトソースを使用
したシチューやグラタン、カスタードクリームやホワイ
トクリーム等のクリーム類、該クリーム類を利用したシ
チューやグラタン、ババロア等のデザート類、フラワー
ペースト等のペースト類、マヨネーズ、その他ドレッシ
ング類、ソース類、チーズ様食品、パン・焼き菓子・洋
菓子・和菓子・チョコレート・ハム・ソーセージその他
加工食品の練り込み用として、またフィリング材やトッ
ピング材、サンド材、エンロービング材、スプレッド等
として用いることができる。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明
するが、これらは本発明を何ら制限するものではない。
【0048】〔実施例1〕水に、岩塩、水飴、食酢、加
塩卵黄(精製塩使用)、グルタミン酸ナトリウム及び香
辛料を下記の割合で添加混合して水相とした。一方、大
豆サラダ油を油相として用意した。上記水相を撹拌しつ
つ上記油相を加え、酸性水中油型予備乳化物を得、これ
をコロイドミルにて乳化し、油相が70重量%で、水相
が30重量%の酸性水中油型乳化物を調製した。
【0049】 大豆サラダ油 70重量% 水飴(水分30重量%) 2重量% 食酢(酢酸濃度10重量%、水分90重量%) 7重量% 加塩卵黄(食塩含量10重量%) 5重量% グルタミン酸ナトリウム 0.1重量% 香辛料 0.5重量% 岩塩 1重量% (塩化カリウム起源のカリウム分0.047重量%、塩化カルシウム起源のカ ルシウム分と硫酸カルシウム起源のカルシウム分の合計量0.009重量%、塩 化マグネシウム起源のマグネシウム分と硫酸マグネシウム起源のマグネシウム分 の合計量0.01重量%含む) 水 14.4重量%
【0050】得られた酸性水中油型乳化物を5℃で冷蔵
庫に保管後、外観、食感、風味を評価した。その結果、
外観及び食感は良好なものであり、塩味の発現性がマイ
ルドでコク味があり、良好な風味をもつものであった。
【0051】〔実施例2〕8重量%加塩卵黄(精製塩使
用)90kgに水7kg及び醸造酢3kgを加えてpH
4.6に調整した加塩卵黄100kgに対して、Asperg
illus oryzae属由来のホスフォリパーゼA1 0.02k
g(800000ホスフォリパーゼユニット)を加え、
45℃にて7時間処理し、次いでブロメライン0.00
5kg(150000プロテアーゼユニット)を加え、
45℃にて3時間処理し、5℃まで冷却して、酵素処理
卵黄を得た。
【0052】得られた酵素処理卵黄は、水分含量が4
6.9重量%、ホスフォリパーゼA1による卵黄のリン
脂質のリゾリン脂質への分解により、卵黄に含まれる全
リン脂質の92重量%がリゾリン脂質に分解されてお
り、またプロテアーゼにより卵黄に含まれる蛋白質の加
熱凝固性が失われていた。
【0053】水に、岩塩、水飴、食酢、上記酵素処理卵
黄、グルタミン酸ナトリウム及び香辛料を下記の割合で
添加混合して水相とし、次いで、大豆サラダ油、タピオ
カをリン酸架橋後に糊化した化工でんぷん及び増粘多糖
類を下記の割合で添加混合して油相とした。上記水相を
撹拌しつつ上記油相を加え、酸性水中油型予備乳化物を
得、これをコロイドミルにて乳化し、油相が33.1重
量%で、水相が66.9重量%の酸性水中油型乳化物を
調製した。
【0054】 大豆サラダ油 30重量% 化工でんぷん 3重量% 水飴(水分30重量%) 10重量% 食酢(酢酸濃度10重量%、水分90重量%) 7重量% 酵素処理卵黄 10重量% グルタミン酸ナトリウム 0.1重量% 香辛料 0.5重量% 増粘多糖類 0.1重量% 岩塩 1重量% (塩化カリウム起源のカリウム分0.047重量%、塩化カルシウム起源のカ ルシウム分と硫酸カルシウム起源のカルシウム分の合計量0.009重量%、塩 化マグネシウム起源のマグネシウム分と硫酸マグネシウム起源のマグネシウム分 の合計量0.01重量%含む) 水 38.3重量%
【0055】得られた酸性水中油型乳化物を5℃で冷蔵
庫に保管後、外観、食感、風味を評価した。その結果、
外観及び食感は良好なものであり、塩味の発現性がマイ
ルドであり、良好な風味をもつものであった。また、こ
の酸性水中油型乳化物50gを121℃、30分間加熱
後の外観、食感、風味を評価した。その結果、油分離は
なく、保型性も良好で、塩味の発現がマイルドであり、
良好な風味をもつものであった。
【0056】〔実施例3〕7.5重量%加塩卵黄(精製
塩使用)を水酸化ナトリウムでpH8.2に調整した加
塩卵黄100kgに対して、豚の膵液由来のホスフォリ
パーゼA2 0.015kg(555000ホスフォリパ
ーゼユニット)を加え、40℃にて6時間処理し、次い
でブロメライン0.01kg(90000プロテアーゼ
ユニット)を加え、45℃にて5時間処理し、10℃ま
で冷却して、酵素処理卵黄を得た。
【0057】得られた酵素処理卵黄は、水分含量が4
7.2重量%、ホスフォリパーゼA2による卵黄のリン
脂質のリゾリン脂質への分解により、卵黄に含まれる全
リン脂質の85重量%がリゾリン脂質に分解されてお
り、またプロテアーゼにより卵黄に含まれる蛋白質の加
熱凝固性が失われていた。
【0058】水に、岩塩、水飴、食酢、上記酵素処理卵
黄、グルタミン酸ナトリウム、ゼラチン及び香辛料を下
記の割合で添加混合し、40℃で加温溶解した水相を調
製し、次いで、大豆サラダ油、ナタネ硬化油(融点32
℃)及びタピオカをリン酸架橋後に糊化した化工でんぷ
んを下記の割合で添加混合して油相とした。上記水相を
撹拌しつつ上記油相を加え、酸性水中油型予備乳化物を
得、これをコロイドミルにて乳化し、酸性水中油型乳化
物を調製し、この酸性水中油型乳化物をトレーの上に薄
く流し、10℃まで冷却して固化した。次いで、冷却し
た酸性水中油型乳化物を好みの大きさにカットして四角
形の固形状ソースを得た。得られた固形状ソース(酸性
水中油型乳化物)の油相は33重量%で、水相は67重
量%であった。
【0059】 大豆サラダ油 25重量% ナタネ硬化油 5重量% 化工でんぷん 3重量% 水飴(水分30重量%) 10重量% 食酢(酢酸濃度10重量%、水分90重量%) 7重量% 酵素処理卵黄 5重量% グルタミン酸ナトリウム 0.1重量% ゼラチン 5.5重量% 香辛料 0.5重量% 岩塩 1重量% (塩化カリウム起源のカリウム分0.047重量%、塩化カルシウム起源のカ ルシウム分と硫酸カルシウム起源のカルシウム分の合計量0.009重量%、塩 化マグネシウム起源のマグネシウム分と硫酸マグネシウム起源のマグネシウム分 の合計量0.01重量%含む) 水 37.9重量%
【0060】得られた固形状ソースにエビをのせ、さら
にパン粉にまぶしフライにした後、外観、食感、風味を
評価した。その結果、固形ソース部分は油分離がなく、
塩味の発現性がマイルドで、風味が良好なトロッとした
食感であった。
【0061】〔実施例4〕水に、岩塩、水飴、食酢、実
施例3で得られた酵素処理卵黄、グルタミン酸ナトリウ
ム及び香辛料を下記の割合で添加混合して水相とし、次
いで、大豆サラダ油、タピオカをリン酸架橋後に糊化し
た化工でんぷん及び増粘多糖類を下記の割合で添加混合
して油相とした。上記水相を撹拌しつつ上記油相を加
え、酸性水中油型予備乳化物を得、これをコロイドミル
にて乳化し、次いで酢漬野菜(スウィートピクルス、オ
ニオンミンス及び乾燥パセリ)を添加混合しタルタルソ
ース(酸性水中油型乳化物)を得た。得られたタルタル
ソースの油相は33.1重量%で、水相は66.9重量
%であった。
【0062】 大豆サラダ油 30重量% 化工でんぷん 3重量% 水飴(水分30重量%) 10重量% 食酢(酢酸濃度10重量%、水分90重量%) 7重量% 酵素処理卵黄 10重量% グルタミン酸ナトリウム 0.1重量% 香辛料 0.5重量% 増粘多糖類 0.1重量% 岩塩 1重量% (塩化カリウム起源のカリウム分0.047重量%、塩化カルシウム起源のカ ルシウム分と硫酸カルシウム起源のカルシウム分の合計量0.009重量%、塩 化マグネシウム起源のマグネシウム分と硫酸マグネシウム起源のマグネシウム分 の合計量0.01重量%含む) 酢漬野菜 4.2重量% 水 34.1重量%
【0063】得られたタルタルソースを5℃で冷蔵庫に
保管後、外観、食感、風味を評価した。その結果、外観
及び食感は良好なものであり、塩味の発現性がマイルド
であり、良好な風味をもつものであった。また、このタ
ンタルソース50gを121℃、30分間加熱後の外
観、食感、風味を評価した。その結果、油分離はなく、
保型性も良好で、塩味の発現がマイルドであり、良好な
風味をもつものであった。
【0064】〔実施例5〕水に、岩塩、水飴、食酢、加
塩卵黄(精製塩)及び香辛料を下記の割合で添加混合し
て水相とし、次いで、大豆サラダ油及び糊化した化工で
んぷんを下記の割合で添加混合して油相とした。上記水
相を撹拌しつつ上記油相を加え、酸性水中油型予備乳化
物を得、これをコロイドミルにて乳化し、油相が33重
量%で、水相が67重量%の酸性水中油型乳化物を調製
した。
【0065】 大豆サラダ油 30重量% 化工でんぷん 3重量% 水飴(水分30重量%) 10重量% 食酢(酢酸濃度10重量%、水分90重量%) 7重量% 加塩卵黄(食塩含量10重量%) 10重量% グルタミン酸ナトリウム 0.1重量% 香辛料 0.5重量% 岩塩 2重量% (塩化カリウム起源のカリウム分0.047重量%、塩化カルシウム起源のカ ルシウム分と硫酸カルシウム起源のカルシウム分の合計量0.009重量%、塩 化マグネシウム起源のマグネシウム分と硫酸マグネシウム起源のマグネシウム分 の合計量0.01重量%含む) 水 37.4重量%
【0066】得られた酸性水中油型乳化物を5℃で冷蔵
庫に保管後、外観、食感、風味を評価した。その結果、
外観及び食感は良好であり、優れた物性をもち、且つマ
イルドでコクのある塩味を有する良好な風味をもつもの
であった。
【0067】〔実施例6〕サル脂の低融点分別油(融点
10℃、沃素価59、炭素数20以上の飽和脂肪酸1残
基と不飽和脂肪酸2残基とからなるトリグリセリドを9
重量%含有)、ナタネサラダ油及びマスタードオイルを
下記の割合で添加混合し、40℃に加温し、油相を調製
した。一方、水に、岩塩、液卵黄、でんぷん、上白糖、
食酢、グルタミン酸ナトリウム、香辛料、ゼラチン及び
増粘多糖類を下記の割合で添加溶解して、40℃に加温
し、水相を調製した。
【0068】上記水相に上記油相を添加、撹拌して予備
乳化後、コロイドミル(3000r.p.m.、クリア
ランス0.6mm)によって仕上げ乳化を行い、酸性水
中油型乳化物を得た。得られた乳化物をシート状に成形
し、15℃まで冷却し、型抜きして、15gの円筒状の
固形状の酸性水中油型乳化物を得た。酸性水中油型乳化
物の油相は50.2重量%で、水相は49.8重量%で
あった。
【0069】 ナタネサラダ油 35重量% サル脂低融点分別油 15重量% マスタードオイル 0.2重量% 液卵黄 8重量% でんぷん 1重量% 上白糖 6重量% 食酢(酢酸濃度10重量%、水分90重量%) 4重量% グルタミン酸ナトリウム 0.1重量% 香辛料 0.1重量% ゼラチン 5重量% 増粘多糖類 0.1重量% 岩塩 2重量% (塩化カリウム起源のカリウム分0.047重量%、塩化カルシウム起源のカ ルシウム分と硫酸カルシウム起源のカルシウム分の合計量0.009重量%、塩 化マグネシウム起源のマグネシウム分と硫酸マグネシウム起源のマグネシウム分 の合計量0.01重量%含む) 水 23.5重量%
【0070】得られた酸性水中油型乳化物を5℃で冷蔵
庫に保管後、外観、食感、風味を評価した。その結果、
外観及び食感は良好であり、優れた物性をもち、且つマ
イルドでコクのある塩味を有する良好な風味をもつもの
であった。
【0071】〔実施例7〕水に、ホエータンパク質濃縮
物、岩塩、クエン酸三カリウム及び還元乳糖を下記の割
合で添加混合して水相とし、ナタネ硬化油を油相とし、
下記の割合で加え、混合撹拌して、水中油型予備乳化物
を調製した。該水中油型予備乳化物を143℃、5秒間
殺菌し、10Mpaの圧力で均質化後、5℃まで冷却
し、牛乳代替用組成物(水中油型乳化物)を得た。得ら
れた牛乳代替用組成物の風味は、マイルドでコクのある
乳の塩味を有する良好な風味をもつものであった。
【0072】 ナタネ硬化油(融点34℃) 15重量% ホエータンパク質濃縮物 3重量% 岩塩 0.3重量% (塩化カリウム起源のカリウム分0.047重量%、塩化カルシウム起源のカ ルシウム分と硫酸カルシウム起源のカルシウム分の合計量0.009重量%、塩 化マグネシウム起源のマグネシウム分と硫酸マグネシウム起源のマグネシウム分 の合計量0.01重量%含む) クエン酸三カリウム 1重量% 還元乳糖 8重量% 水 72.7重量%
【0073】〔比較例1〕実施例1で用いた岩塩を精製
塩(塩化カリウム起源のカリウム分0.00008重量
%、塩化カルシウム起源のカルシウム分と硫酸カルシウ
ム起源のカルシウム分の合計量0.00001重量%、
塩化マグネシウム起源のマグネシウム分と硫酸マグネシ
ウム起源のマグネシウム分の合計量0重量%)に置き換
えた以外は、実施例1と同様にして酸性水中油型乳化物
を得た。
【0074】得られた酸性水中油型乳化物を5℃で冷蔵
庫に保管後、外観、食感、風味を評価したところ、外観
及び食感は良好なものであったが、塩味の棘々しさが目
立ち、風味のマイルドさが劣っていた。
【0075】〔比較例2〕実施例2で用いた岩塩を精製
塩(塩化カリウム起源のカリウム分0.00008重量
%、塩化カルシウム起源のカルシウム分と硫酸カルシウ
ム起源のカルシウム分の合計量0.00001重量%、
塩化マグネシウム起源のマグネシウム分と硫酸マグネシ
ウム起源のマグネシウム分の合計量0重量%)に置き換
えた以外は、実施例2と同様にして酸性水中油型乳化物
を得た。
【0076】得られた酸性水中油型乳化物を5℃で冷蔵
庫に保管後、外観、食感、風味を評価した。その結果、
外観及び食感は良好なものであったが、塩味の棘々しさ
が目立ち、風味のマイルドさが劣っていた。また、この
酸性水中油型乳化物50gを121℃、30分間加熱後
の外観、食感、風味を評価した。その結果、油分離はな
く、保型性も良好であったが、塩味の棘々しさが目立
ち、風味のマイルドさが劣っていた。
【0077】〔比較例3〕実施例3で用いた岩塩を精製
塩(塩化カリウム起源のカリウム分0.00008重量
%、塩化カルシウム起源のカルシウム分と硫酸カルシウ
ム起源のカルシウム分の合計量0.00001重量%、
塩化マグネシウム起源のマグネシウム分と硫酸マグネシ
ウム起源のマグネシウム分の合計量0重量%)に置き換
えた以外は、実施例3と同様にして酸性水中油型乳化物
を得た。この酸性水中油型乳化物を実施例3と同様にト
レーの上に薄く流し、10℃まで冷却して固化した。次
いで、冷却した酸性水中油型乳化物を好みの大きさにカ
ットして四角形の固形状ソースを得た。
【0078】得られた固形状ソースにエビをのせ、さら
にパン粉にまぶしフライにした後、外観、食感、風味を
評価した。その結果、固形ソース部分は、油分離がな
く、トロッとした食感であったが、塩味の棘々しさが目
立ち、風味のマイルドさが劣っていた。
【0079】〔比較例4〕実施例4で用いた岩塩を精製
塩(塩化カリウム起源のカリウム分0.00008重量
%、塩化カルシウム起源のカルシウム分と硫酸カルシウ
ム起源のカルシウム分の合計量0.00001重量%、
塩化マグネシウム起源のマグネシウム分と硫酸マグネシ
ウム起源のマグネシウム分の合計量0重量%)に置き換
えた以外は、実施例4と同様にして乳化し、さらに酢漬
野菜(スウィートピクルス、オニオンミンス及び乾燥パ
セリ)を添加混合しタルタルソース(酸性水中油型乳化
物)を得た。
【0080】得られたタンタルソースを5℃で冷蔵庫に
保管後、外観、食感、風味を評価した。その結果、外観
及び食感は良好なものであったが、塩味の棘々しさが目
立ち、風味のマイルドさが劣っていた。また、このタン
タルソース50gを121℃、30分間加熱後の外観、
食感、風味を評価した。その結果、油分離はなく、保型
性も良好であったが、塩味の棘々しさが目立ち、風味の
マイルドさが劣っていた。
【0081】〔比較例5〕実施例5で用いた岩塩を精製
塩(塩化カリウム起源のカリウム分0.00008重量
%、塩化カルシウム起源のカルシウム分と硫酸カルシウ
ム起源のカルシウム分の合計量0.00001重量%、
塩化マグネシウム起源のマグネシウム分と硫酸マグネシ
ウム起源のマグネシウム分の合計量0重量%)に置き換
えた以外は、実施例5と同様にして酸性水中油型乳化物
を得た。
【0082】得られた酸性水中油型乳化物を5℃で冷蔵
庫に保管後、外観、食感、風味を評価したところ、外観
及び食感は良好なものであったが、塩味の棘々しさが目
立ち、風味のマイルドさが劣っていた。比較例2に比べ
塩分を増やした分、その差はより顕著であった。
【0083】
【発明の効果】本発明は、塩化カリウム起源のカリウム
分の含有量が0.001〜30重量%、塩化カルシウム
起源のカルシウム分と硫酸カルシウム起源のカルシウム
分の合計量が0.001〜0.5重量%である岩塩、自
然塩、天然塩の中から選ばれた1種又は2種以上の塩を
水中油型乳化物に含有させることにより、塩味発現性を
改善し、マイルドでコクのある風味良好な水中油型乳化
物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥冨 保雄 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 Fターム(参考) 4B001 AC09 AC15 AC46 BC02 DC50 EC01 4B025 LB21 LG11 LG18 LG52 LP10 4B047 LB09 LE03 LG03 LG10 LG52 LG66 LP03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化カリウム起源のカリウム分の含有量
    が0.001〜30重量%、塩化カルシウム起源のカル
    シウム分と硫酸カルシウム起源のカルシウム分の合計量
    が0.001〜0.5重量%である岩塩、自然塩、天然
    塩の中から選ばれた1種又は2種以上の塩を含有するこ
    とを特徴とする水中油型乳化物。
  2. 【請求項2】 酵素処理卵黄を含有する請求項1記載の
    水中油型乳化物。
  3. 【請求項3】 塩化カリウム起源のカリウム分の含有量
    が0.001〜30重量%、塩化カルシウム起源のカル
    シウム分と硫酸カルシウム起源のカルシウム分の合計量
    が0.001〜0.5重量%である岩塩、自然塩、天然
    塩の中から選ばれた1種又は2種以上の塩を含有する水
    相と油相とを乳化することを特徴とする水中油型乳化物
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の水中油型乳化物
    を含有する食品。
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