JP7346167B2 - 水中油型乳化物 - Google Patents
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Description
これは、無脂乳固形分として原料に使用される全粉乳、脱脂粉乳、ホエーパウダー、総合乳蛋白、バターオイル、バターミルクパウダーといった乳由来の原料が、それらの加工段階でフレッシュな香りや、持続感のある乳様のコク味といった乳独特の風味が失われるため、これらを配合した製品の風味が前述のような乳製品の風味に劣るものと考えられている。
(1)以下の条件a)~e)を満たすことを特徴とする、水中油型乳化物。
a)乳清カルシウム、リン酸カルシウム及び塩化カルシウムから選択される少なくとも1のカルシウム源と、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、食塩、海洋深層水、海洋深層水加工品及び粗製海水塩化マグネシウムから選ばれる1又は2以上とを含むミネラル原料を含有する;
b)前記ミネラル原料由来のカリウムの含有量が、前記水中油型乳化物に含まれる水100g当たり0.20mmol以上である;
c)前記ミネラル原料由来のナトリウムの含有量が、前記水中油型乳化物に含まれる水100g当たり0.80mmol以下である;
d)前記ミネラル原料由来のカリウム及びナトリウムの含有量が、前記水中油型乳化物に含まれる水100g当たり合計0.50-1.60mmolである;
e)前記ミネラル原料由来のカリウム、ナトリウム、カルシウム及びマグネシウムの含有量が、前記水中油型乳化物に含まれる水100g当たり合計1.10-3.00mmolである;
(2)以下の条件f)をさらに満たすことを特徴とする上記(1)に記載の水中油型乳化物。
f)前記ミネラル原料由来のカリウムの含有量が、前記水中油型乳化物に含まれる水100g当たり0.20-1.00mmolである;
(3)以下の条件g)をさらに満たすことを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の水中油型乳化物。
g)前記ミネラル原料由来のナトリウムの含有量が、前記水中油型乳化物に含まれる水100g当たり0.15-0.70mmolである;
(4)以下の条件h)をさらに満たすことを特徴とする上記(1)~(3)のいずれかに記載の水中油型乳化物。
h)前記ミネラル原料由来のマグネシウムの含有量が、前記水中油型乳化物に含まれる水100g当たり0.15-0.90mmolである;
(5)以下の条件i)をさらに満たすことを特徴とする上記(1)~(4)のいずれかに記載の水中油型乳化物。
i)前記ミネラル原料由来のカルシウム及びマグネシウムのモル比が、0.20:1~1.9:1である;
(6)以下の条件j)をさらに満たすことを特徴とする上記(1)~(5)のいずれかに記載の水中油型乳化物。
j)無脂乳固形分を2~7質量%含有する;
a)乳清カルシウム、リン酸カルシウム及び塩化カルシウムから選択される少なくとも1のカルシウム源と、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、食塩、海洋深層水、海洋深層水加工品及び粗製海水塩化マグネシウムから選ばれる1又は2以上とを含むミネラル原料を含有する;
b)前記ミネラル原料由来のカリウムの含有量が、前記水中油型乳化物に含まれる水100g当たり0.20mmol以上である;
c)前記ミネラル原料由来のナトリウムの含有量が、前記水中油型乳化物に含まれる水100g当たり0.80mmol以下である;
d)前記ミネラル原料由来のカリウム及びナトリウムの含有量が、前記水中油型乳化物に含まれる水100g当たり合計0.50-1.60mmolである;
e)前記ミネラル原料由来のカリウム、ナトリウム、カルシウム及びマグネシウムの含有量が、前記水中油型乳化物に含まれる水100g当たり合計1.10-3.00mmolである;
本発明の水中油型乳化物は、従来の水中油型乳化物と比較して、風味、好ましくは乳感(乳のフレッシュな香り)やコク(後味の持続感)等の乳独特の風味が向上したことを特徴とするものである。
なお、卵殻カルシウム(炭酸カルシウム)をカルシウム源として用いた場合には、十分な風味向上効果が得られないため望ましくない。
本発明において、粗製海水塩化マグネシウムとは、海水から塩化カリウム及び塩化ナトリウムを析出分離して得られた塩化マグネシウムを主成分とするものをいい、豆乳を豆腐に変える凝固剤として使用する場合には「にがり」と呼ばれる。
中でも、そのものを直接摂食するホイップクリーム、チーズフィリング、練乳フィリング、カスタードクリーム、フラワーペースト、アイスクリームとして使用することが好ましく、特にホイップクリーム等の起泡性水中油型乳化物として使用することがより好ましい。
表1に示した量のミネラルを含有するミネラル原料を用いて、以下の手順で起泡性水中油型乳化物を製造した。配合は表3に従い、それぞれ実施例1~15及び比較例1~9とした。
(2)60℃に調温した水に脱脂粉乳、クエン酸Na、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、キサンタンガム、ジェランガム、及び表1に記載のミネラル原料を添加してホモミキサーで撹拌、溶解した。
(3)水相に油相を加えホモミキサーで撹拌、予備乳化を行い、高圧ホモゲナイザーで乳化した。
(4)乳化後、包装したものを氷水で急速に冷却し、その後48時間5℃でエージングを行い、そのまま5℃で保管した。これを実施例1~15及び比較例1~9のホイップクリーム原液として用いた。これらのホイップクリーム原液の無脂乳固形分は5.8%であった。
(5)実施例1~15、比較例1~9のホイップクリーム原液800gに80gのグラニュー糖を加え、ホバートミキサーで八部立てにし、ホイップドクリームを得た。
得られたホイップドクリームについて、パネル10名での官能評価を行った。
官能評価は、ミネラル原料を添加していない比較例1のホイップクリーム原液をホイップしたホイップドクリームを比較対照として、乳感、コク、塩味、収斂味、酵母様臭について、下に示す点数の基準に基づいて評価した。ここで、乳感、コクについては比較例1の点数を2とした。また、塩味、収斂味、酵母様臭については予備的に評価を行い、比較例1はこれらを感じないと判断し、点数を5に固定した。
実施例1~15、比較例1~10の配合と、官能試験の結果を表3に示す。
Claims (6)
- 以下の条件a)~e)を満たすことを特徴とする、水中油型乳化物。
a)乳清カルシウム、リン酸カルシウム及び塩化カルシウムから選択される少なくとも1のカルシウム源と、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、食塩、海洋深層水、海洋深層水加工品及び粗製海水塩化マグネシウムから選ばれる1又は2以上とを含むミネラル原料を含有する;
b)前記ミネラル原料由来のカリウムの含有量が、前記水中油型乳化物に含まれる水100g当たり0.20mmol以上である;
c)前記ミネラル原料由来のナトリウムの含有量が、前記水中油型乳化物に含まれる水100g当たり0.80mmol以下である;
d)前記ミネラル原料由来のカリウム及びナトリウムの含有量が、前記水中油型乳化物に含まれる水100g当たり合計0.50-1.60mmolである;
e)前記ミネラル原料由来のカリウム、ナトリウム、カルシウム及びマグネシウムの含有量が、前記水中油型乳化物に含まれる水100g当たり合計1.10-3.00mmolである; - 以下の条件f)をさらに満たすことを特徴とする請求項1に記載の水中油型乳化物。
f)前記ミネラル原料由来のカリウムの含有量が、前記水中油型乳化物に含まれる水100g当たり0.20-1.00mmolである; - 以下の条件g)をさらに満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の水中油型乳化物。
g)前記ミネラル原料由来のナトリウムの含有量が、前記水中油型乳化物に含まれる水100g当たり0.15-0.70mmolである; - 以下の条件h)をさらに満たすことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の水中油型乳化物。
h)前記ミネラル原料由来のマグネシウムの含有量が、前記水中油型乳化物に含まれる水100g当たり0.15-0.90mmolである; - 以下の条件i)をさらに満たすことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の水中油型乳化物。
i)前記ミネラル原料由来のカルシウム及びマグネシウムのモル比が、0.20:1~1.9:1である; - 以下の条件j)をさらに満たすことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の水中油型乳化物。
j)無脂乳固形分を2~7質量%含有する;
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