JP2000201646A - こく、深みのある塩味を持つ食用塩及び食用塩の塩味を調整する方法 - Google Patents

こく、深みのある塩味を持つ食用塩及び食用塩の塩味を調整する方法

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JP2000201646A
JP2000201646A JP11043630A JP4363099A JP2000201646A JP 2000201646 A JP2000201646 A JP 2000201646A JP 11043630 A JP11043630 A JP 11043630A JP 4363099 A JP4363099 A JP 4363099A JP 2000201646 A JP2000201646 A JP 2000201646A
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Shigeki Inoue
繁樹 井上
Akiko Matsui
彰子 松井
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AKOU KAISUI KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】食用塩の尖りがあり塩辛いだけの塩味を、こ
く、深み等に特徴のある塩味にして、各種食品の加工、
調理、味付け等に利用できる、塩味に特徴を持つ食用塩
を提供する。 【構成】含有する成分を重量%で表示して、カルシウム
イオン濃度/マグネシウムイオン濃度と硫酸イオン濃度
/カルシウムイオン濃度の濃度比とカルシウムイオン濃
度を指標として用い、上記濃度比とカルシウムイオン濃
度を本発明で指摘した範囲内で調整することにより、こ
く、深み等に特徴のある塩味を持つ食用塩を製造するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食用塩の尖りがあり塩
辛いだけの塩味を、こく、深み等に特徴のある塩味にし
て、各種食品の加工、調理、味付け等に利用できる、特
徴のある塩味を持つ食用塩に関する。
【0002】
【従来の技術】食用塩の製造方法は、海水を塩田で太陽
熱と風により濃縮して食用塩を析出させ製造する天日塩
及び岩塩鉱より採取した岩塩を溶解してから再結晶化等
の方法で精製する方法(以下、天日塩、岩塩精製法と言
い、このような方法で製造された食用塩を精製した天日
塩、岩塩と言う。)、また海水をイオン交換膜法により
濃縮した後、加熱濃縮して食用塩を析出させるイオン交
換膜透析法等がある。天日塩、岩塩精製法及びイオン交
換膜透析法は、濃縮過程で、析出性の違い及びイオン交
換膜のイオン選択性により、製造過程で析出塩の分離、
特定イオンの排除等が発生し、海水の組成をそのまま保
持することはできない。また塩化ナトリウムの結晶化時
には、液胞、結晶格子欠陥等の形で夾雑物が混入するの
みで、ミネラル分は残存し難い。現在食用塩の製造方法
として主として採用されている製塩法は、このような方
法であり、食用塩中のミネラルイオン濃度は高くない。
析出したミネラル塩を大部分包含させられるような特殊
な製造方法を用いない限り、食用塩のミネラルイオンを
多く保持させることは難しい。ここでミネラルは、マグ
ネシウム、カルシウム、カリウム等生体微量元素のこと
を言う。天日塩、岩塩精製法及びイオン交換膜法により
製造されたミネラル分の少ない食用塩の塩味は、塩化ナ
トリウムの塩味が強く出て、塩辛いだけの尖りのある塩
味を示す。
【0003】近年、ミネラルを豊富に含有して、塩味を
押さえ、まろやかな塩味を持たせるように工夫された食
用塩が開発されている。これら食用塩のミネラル分は、
苦汁等を添加することにより供給される。苦汁には、天
日塩田から生産される苦汁とイオン交換膜法から生産さ
れる苦汁等がある。天日塩田苦汁は、塩化マグネシウ
ム、硫酸マグネシウム、塩化カリウムが、またイオン交
換膜法苦汁では塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩
化カリウムが主成分であり、採用した苦汁の種類、産
地、製法等によりミネラル塩の種類、存在比がほぼ決ま
ってくる。ここで苦汁とは、海水を濃縮して得られるか
ん水から塩を析出させた後の溶液を言う。
【0004】苦汁に含まれるミネラル塩の内、塩化マグ
ネシウムは苦味が強く、塩化カリウムは苦味と塩味を混
ぜたような味であることが、幸書房の「食品調味の知
識」太田静行著に記述されている。また、陽イオンの味
は、カリウムが酸味、カルシウムが甘味、マグネシウム
が苦味、ナトリウムが塩辛さを感じさせると言われてい
る。食用塩の塩味は、塩化ナトリウムの塩辛さに、各種
ミネラル分の持つ複雑な味が複合されることにより色々
な塩味に変化し得る。
【0005】市販されている食用塩の塩味を官能検査で
評価すると、塩味の尖りを押さえたまろやかさ、丸みの
ある塩味を持つ食用塩、塩辛さの弱いあっさりした塩味
を持つ食用塩、及び特徴の少ない塩味を持つ食用塩の3
つに大きく分類できるだけで、これ以外の特徴のある塩
味を持つ食用塩は少ないことが分かった。また、昔から
の製造方法を模して作った食用塩は塩味の尖りがなく、
まろやかで、あっさりしたものになると言った表現がな
されているだけで、食用塩の塩味そのものを調整、設計
することを目的とした製造方法は提案されていないのが
現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、食用塩の塩味を調整、設計する製造方法を提案し、
食用塩の塩味をこく、深みのある塩味等、特徴のある塩
味を持つ食用塩を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、含有す
る成分の重量%で表示した濃度比が、カルシウムイオン
濃度/マグネシウムイオン濃度=1.0〜3.0で、か
つ硫酸イオン濃度/カルシウムイオン濃度=1.0〜
3.0で、かつカルシウムイオン濃度が0.1重量%以
上である、こく、深みのある塩味を持つ食用塩が提供さ
れる。また、食用塩に含有する成分の内、カルシウムイ
オン濃度/マグネシウムイオン濃度=0.2〜5、硫酸
イオン濃度/カルシウムイオン濃度=0.2〜10の重
量%比及びカルシウムイオン濃度が0.05重量%濃度
以上を指標として、食用塩中の各種ミネラルイオンの濃
度を調整することにより、特徴のある塩味を持つ食用塩
を製造する方法が提供される。
【0008】以下本発明を更に詳細に説明する。本発明
の方法によって製造する特徴のある塩味を持つ食用塩
は、精製した天日塩、岩塩及びイオン交換膜法塩のミネ
ラル分が少ない食用塩に、ミネラル塩である塩化カルシ
ウム、硫酸カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネ
シウム、塩化カリウム等を本発明の指標を用いて添加す
ることにより、塩化ナトリウムの持つ塩辛さに、各種ミ
ネラル分の持つ味が相互に作用して、特徴のある塩味を
持つ、従来の塩味とは異なる食用塩を提供することがで
きる。この時、ミネラルイオンの濃度と濃度比がポイン
トとなる。ミネラルイオンの濃度は、所定の濃度以上含
有しなければ、塩化ナトリウムの塩辛さを押さえること
ができず、何ら原料として用いた食用塩の塩味と変わら
ない塩味となってしまう。また、カルシウムイオン濃度
/マグネシウムイオン濃度、硫酸イオン濃度/マグネシ
ウムイオン濃度の各ミネラルイオンの濃度比により、食
用塩の塩味は影響を受け変化する。このため、食用塩の
塩味を調整、設計するためには、ミネラルイオン濃度と
同時に本発明で指摘したミネラルイオンの濃度比を調整
することが非常に重要であり、これらは有力な指標とし
て利用することができる。
【0009】本発明のこく、深みのある塩味を持つ食用
塩は、含有する成分の重量%で表示した濃度比が、カル
シウムイオン濃度/マグネシウムイオン濃度=1.0〜
3.0好ましくは1.5〜3.0で、かつ硫酸イオン濃
度/カルシウムイオン濃度=1.0〜3.0で、かつカ
ルシウムイオン濃度が0.1重量%以上、好ましくは
0.2〜0.5重量%であることにより製造することが
できる。
【0010】従来の食用塩は、カルシウムイオンとマグ
ネシウムイオンを同程度からマグネシウムイオンを多く
含んでいるものが多いが、本発明の食用塩は、逆にカル
シウムイオンを多く含む。人間が摂取する場合、カルシ
ウムイオンとマグネシウムイオンの比が重要で、理想的
な比は重量%比で1〜3と言われている。本発明の食用
塩に含まれるカルシウムイオンとマグネシウムイオンの
比はこれに近いものになっている。また、カルシウムイ
オン、マグネシウムイオン、カリウムイオン、硫酸イオ
ン等の濃度比が、食用塩の塩味に、こく、深みを出す重
要な要素となっている。こく、深みを出す方法には、グ
ルタミン酸や核酸系旨味物質等を食用塩に添加すること
により増すことが知られているが、本発明は、これらの
旨味物質を添加しなくても、食用塩にこく、深みを感じ
させるところが大きな特徴である。
【0011】ミネラルイオンの原料塩への添加は、各種
ミネラル塩を水溶液、スラリー溶液、又は固体、何れの
形でもよい。添加したミネラル塩が食用塩に均一に分
散、混合している状態にし、これを保持できればよい。
また、添加した後、乾燥、顆粒、造粒等の加工操作を行
っても構わない。原料塩とミネラル塩が分離しなければ
よい。原料塩は、天日塩、岩塩、及びこれらを精製した
塩、イオン交換膜法塩、またこれらの原料塩を顆粒、造
粒等加工したものでもよい。ミネラル塩は、食品添加物
仕様のものであればよい。また天日塩田苦汁、イオン交
換膜法苦汁にミネラル塩を添加して所定のミネラル塩濃
度に調整したものを原料塩に添加してもよい。
【0012】
【発明の効果】本発明のこく、深み等に特徴のある塩味
を持つ食用塩の製造方法は、食用塩に含まれている各種
ミネラルイオンの濃度及び濃度比を調整することによっ
て、従来の塩味とは違った、こく、深み等に特徴のある
塩味を持つ食用塩を作り出すことできる。従って、得ら
れる食用塩は、従来の食用塩に代わって食品の加工、調
理、味付け等に利用することができる。
【実施例】以下実施例及び比較例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0013】
【実施例1】イオン交換膜法塩100kgに硫酸カルシ
ウムの2水塩950g、塩化カルシウム30重量%水溶
液830g、硫酸マグネシウム20重量%水溶液520
g、塩化マグネシウム30重量%水溶液1310gを記
述した順に添加して、垂直円筒型の混練機で30分間混
練した。各添加物は、何れも食品添加物仕様のものを用
いた。原料塩及び調製した実施例1の食用塩の成分分析
結果を表1に示した。
【0014】
【表1】
【比較例1】市販塩A,B、C、Dの成分の分析結果を
表1に示した。
【表2】 表2に、本発明で示した食用塩の塩味調整の指標をまと
めて示した。実施例1は、本発明の請求項1を全て満た
している。比較例1のサンプルA,サンプルB、サンプ
ルC、サンプルDは何れも請求項1を満たしていない。
【0015】実施例1と比較例1のサンプルA,サンプ
ルB,サンプルC、サンプルDを官能検査して、塩味の
比較を行った。検査条件は、食用塩の0.8重量%水溶
液を調製し、水温20℃に保って、6名のパネルで約4
回繰り返した。検査方法は、局方塩を基準にし、幸書房
の「おいしさを測る」71項の味の質測定法を利用して
行った。塩味溶液の評価は、甘味、旨味、苦味、あっさ
り、深み、こく、後味、丸み、まろやか、尖りの対照用
語を両端に置き、7段階で評価し、結果を表3、図1に
示した。表3の評価値は、平均値で表示している。この
値が大きい程、その味の評価が高いことを、逆に小さい
程、その味の評価が低いことを表している。図1は、レ
ーダーチャートで味の評価値を示した。
【0016】表3、図1より、比較例1のサンプルCは
あっさりの評価が高い、比較例1のサンプルA,サンプ
ルBはパターンが似て、まろやか、丸みの評価が高い。
比較例1のサンプルDは、全体的に評価が低く、特徴の
少ない塩味である。これに対して実施例1は、こく、深
みの評価が、比較例に比較して高く、塩味が異なること
を示している。これより、塩味は、あっさりの強い食用
塩と、まろやか、丸みの強い食用塩及び特徴の少ない塩
味の3つのグループに分類できる。実施例1は、この3
つのグループとは塩味が異なり、こく、深みの強い特徴
のある塩味を持っている。
【0017】
【表3】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月9日(1999.4.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のこく、深みのある塩味を持つ食用塩の
塩味の特徴を説明するための図。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含有する成分の重量%で表示した濃度比
    が、カルシウムイオン濃度/マグネシウムイオン濃度=
    1.0〜3.0で、かつ硫酸イオン濃度/カルシウムイ
    オン濃度=1.0〜3.0で、かつカルシウムイオン濃
    度が0.1重量%以上である、こく、深みのある塩味を
    持つ食用塩。
  2. 【請求項2】 食用塩に含有する成分の内、カルシウム
    イオン濃度/マグネシウムイオン濃度=0.2〜5、硫
    酸イオン濃度/カルシウムイオン濃度=0.2〜10の
    重量%比及びカルシウムイオン濃度が0.05重量%濃
    度以上を指標として、食用塩中の各種ミネラルイオンの
    濃度を調整することにより、特徴のある塩味を持つ食用
    塩を製造する方法。
JP11043630A 1999-01-12 1999-01-12 こく、深みのある塩味を持つ食用塩及び食用塩の塩味を調整する方法 Pending JP2000201646A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003018972A (ja) * 2001-07-06 2003-01-21 Asahi Denka Kogyo Kk 水中油型乳化物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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