JP7096012B2 - ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物 - Google Patents
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Description
しかし、α-アミラーゼ等の酵素を使用するこれらの方法は、ソフトでしっとり感があり、且つ口溶けが良好であるパンは得られるものの、ベーカリー生地がべとついて扱い難くなるという問題があった。
特許文献7の手法では、油にじみが十分に抑制されず、しっとりした食感と同時に油性感がベーカリー食品に付与される上、ベーカリー食品の食感がくちゃついたものとなりやすかった。
特許文献8の手法では、乳化剤の1種である有機酸モノグリセリドを用いるため、複合化されずに残存する有機酸モノグリセリドによりベーカリー食品に異味が生じやすい上、複合化させた後に乳酸発酵の工程をとる必要があり、製造が煩雑であるという問題があった。
特許文献9の手法は、ゲル化剤を用いることを必須とするものであり、くちゃついた食感のベーカリー食品が得られる場合があった。
(1)脂質蛋白質複合体を構成する蛋白質として乳蛋白質を含有する。
(2)上記乳蛋白質中におけるカゼイン蛋白質の含有量が40~95質量%である。
(3)上記乳蛋白質中におけるカゼイン蛋白質がミセル態カゼイン蛋白質を含有する。
(4)脂質蛋白質複合体を構成する脂質としてリン脂質を含有する。
(1)脂質蛋白質複合体を構成する蛋白質として乳蛋白質を含有する。
(2)上記乳蛋白質中におけるカゼイン蛋白質の含有量が40~95質量%である。
(3)上記乳蛋白質中におけるカゼイン蛋白質がミセル態カゼイン蛋白質を含有する。
(4)脂質蛋白質複合体を構成する脂質としてリン脂質を含有する。
複合体を構成する蛋白質としては、特に限定されず任意の蛋白質を使用することが可能である。蛋白質としては、例えば、ホエイ蛋白質、カゼイン蛋白質等の乳蛋白質、低密度リポ蛋白質、高密度リポ蛋白質、ホスビチン、リベチン、リン糖蛋白質、オボアルブミン、コンアルブミン、オボムコイド等の卵蛋白質、グリアジン、グルテニン、プロラミン、グルテリン等の小麦蛋白質、大豆蛋白質、エンドウ豆蛋白質、その他動物性、微生物性及び植物性蛋白質等の蛋白質が挙げられる。これらの蛋白質は、目的に応じて1種又は2種以上の蛋白質として、あるいは1種又は2種以上の蛋白質を含有する食品素材の形で使用することもできる。
上記蛋白質における乳蛋白質の含有量が40質量%以上であると、好ましい食感のベーカリー食品が得られる上、本発明のベーカリー用油中水型乳化油脂組成物を使用したベーカリー食品の乳風味が強く感じられやすくなるため好ましい。
一般的なベーカリー食品の好ましい風味の一つとして乳風味が挙げられる。複合体に含有される蛋白質が乳蛋白質を含有することにより、本発明を使用して得られるベーカリー食品に乳風味が付与される。また、乳蛋白質は他の蛋白質素材と比較して、得られるベーカリー食品に異味を付与し難いことからも、乳蛋白質を含有する。
本発明においてミセル態カゼイン蛋白質とは、カルシウム-カゼイン-リン酸の架橋により構成されるカゼインミセル構造を有するカゼイン蛋白質である。すなわち、ミセル態カゼイン蛋白質とは、カルシウム-カゼイン-リン酸の架橋により構成されるカゼインミセル構造が破壊されることなく得られたカゼイン蛋白質である。
本発明ではミセル態カゼイン蛋白質そのものを使用することもできるが、通常はこのミセル態カゼイン蛋白質を含有する乳蛋白質、あるいはミセル態カゼイン蛋白質を含有する乳製品を使用する。
本発明では、上述したミセル態カゼイン蛋白質を含有する乳蛋白質・乳製品の中でも、とりわけミセル態カゼイン蛋白質を多く含有している点でミセルカゼインアイソレート、及び/又は、ミルクプロテインコンセントレートを使用することが好ましい。
本発明を使用したベーカリー食品にしっとりとした食感を付与する観点から、脂質蛋白質複合体に含有されるカゼイン蛋白質中の上記ミセル態カゼイン蛋白質の含有量は60~100質量%であることが好ましく、80~100質量%であることがより好ましい。
カゼイン蛋白質がミセル構造をとる場合、ミセル態カゼイン蛋白質は平均粒径が0.1μm程度の直径を有することが知られており、0.03~0.3μmの範囲の粒径をとることが知られている(例えば、日暖畜報53(1):9-16,2010 、 MilkScience Vol.54,No.1 2005参照)。
このことから、ミセル態カゼイン蛋白質を簡易的に定量化する手法として、レーザー回折式平均粒度分布測定装置(例えばSALD-2300((株)島津製作所))により平均粒度分布を測定することが挙げられる。
上記複合体を構成する脂質としては、特に限定されず任意の脂質を使用することが可能である。例えばトリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド、リン脂質、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
本発明においては、脂質蛋白質複合体を構成する脂質がリン脂質を含有することが必須であり、上記脂質におけるリン脂質の含有量は、リン脂質とリン脂質以外の脂質との質量比率が、前者:後者で、30:70~100:0の範囲が好ましく、60:40~100:0の範囲がより好ましく、80:20~100:0の範囲が最も好ましい。
本発明においては、リン脂質をレシチンの形で使用することができる。リン脂質をレシチンの形で使用する場合は、リン脂質と、レシチンに含有されるその他の脂質との質量比率が、前者:後者で、30:70~100:0の範囲にある任意のレシチンを使用することができ、好ましくは60:40~100:0のレシチンを、より好ましくは80:20~100:0のレシチンを使用するとが好ましい。
このような複合体は、例えば、水に、乳蛋白質を含有する蛋白質とリン脂質を含有する脂質との質量比が上述の範囲となるように、蛋白質や蛋白質を含有する食品素材及び脂質や脂質を含有する食品素材を添加して、蛋白質と脂質とを含有する水溶液を調製し、調製した水溶液を均質化することで得ることができる。
この際、蛋白質や蛋白質を含有する食品素材、及び脂質や脂質を含有する食品素材等の組成や配合割合については、得られる脂質蛋白質複合体が上記の要件(1)~(4)を満たすように適切に設定される。
なお、蛋白質と脂質との質量比については、蛋白質と脂質との割合の和を100とした場合に、蛋白質:脂質=60~85:15~40となることが好ましく、65~80:20~35となることがより好ましい。
また、上記加熱殺菌の方法としては、インジェクション式、インフュージョン式、マイクロ波等の直接加熱方式、又は、バッチ式、プレート式、チューブラー式、掻き取り式等の間接加熱方式があり、UHT、HTST、LTLT等の60~160℃の加熱処理を行なえば良い。
冷凍する際の冷却速度については緩慢な冷却とすることができ、急速な冷却とすることができるが、緩慢に冷却することが好ましい。
本発明における緩慢な冷却とは、2.0℃/h未満、好ましくは0.1~1.5℃/hを指し、急速な冷却とは2.0℃/h以上を指す。
複合体を含有する水溶液を冷凍する場合、最大氷結晶生成温度帯(-1~-5℃)を2時間以上かけて通過することが好ましい。
また、上記操作の後、必要に応じて濃縮操作を行うことができる。
また、本発明においては、良好な食味を得る観点から、複合化工程又は濃縮の工程は、加熱を伴う乾燥工程等を含まないことが好ましい。
ヘミセルラーゼとはヘミセルロースを基質として加水分解する酵素の総称である。
本発明のベーカリー用油中水型乳化油脂組成物は、上記脂質蛋白質複合体とヘミセルラーゼとを併用することで、ソフトでしっとり感があり、口溶けが良好であるベーカリー食品を生地物性を悪化させることなく、安定して得ることができる。
そのため、ヘミセルラーゼは、具体的には、キシランを分解するキシラナーゼ、アラビノキシランを分解するアラビノキシラナーゼ等に分類することができるが、実態としてはこれらの活性を混合して有するものであることが多く、実際に市販されている酵素製品もこれらの活性を混合して有するものである場合が多い。
本発明において「アラビノキシランを主基質とする」とは、アラビノキシランを分解する活性が、好ましくは1000単位/g以上、より好ましくは2000単位/g以上、更に好ましくは3000単位/g以上であることを指す。
また、1単位とは1分間につき1μmolのキシロース当量の還元糖を生じる酵素の量として定義されるものとする。
また、不溶性アラビノキシランへの基質親和性と水溶性アラビノキシランへの基質親和性との比(分解活性比:不溶性アラビノキシラン/水溶性アラビノキシラン)は10以上であることが好ましいが、より好ましくは15以上、更に好ましくは20以上である。また、上記分解活性比の上限は、好ましくは40以下、より好ましくは35以下、更に好ましくは30以下である。
上記分解活性比を10以上とすることで、例えば、食パン生地や菓子パン生地等の水分含量の高いベーカリー生地に本発明のベーカリー用油中水型乳化油脂組成物を添加した場合にも、生地のべとつきが抑制されるため好ましい。
(1)不溶性アラビノキシランに対する酵素活性の測定
不溶性アラビノキシラン製剤(XylazymeAX:メガザイム社製)の懸濁液(40mgの試料を8mlの脱イオン水に懸濁)300μlをマイクロプレートに分注し凍結乾燥したものを測定に用いる。このマイクロプレートの各ウェルに酵素液(ウシ血清アルブミン(0.5mg/ml)を含むpH4.6、0.1Mの酢酸ナトリウム緩衝液に、酵素を0~40単位懸濁したもの)25μlと該緩衝液25μlを分注して酵素反応を開始し、37℃で1時間酵素反応させた後、1%(w/v)トリス緩衝液200μlを添加して酵素反応を停止する。10分間室温でおいた後、遠心分離(3000g、15分)して得た上清について、分光光度計を用いて吸光度を600nmで読み取る。なお、酵素液の代わりに緩衝液を添加したものをブランクとして使用する。
水溶性アラビノキシラン溶液(AZOWAX:メガザイム社製)33μlと酵素液(ウシ血清アルブミン(0.5mg/ml)を含むpH4.6、0.1Mの酢酸ナトリウム緩衝液に、酵素を0~40単位懸濁したもの)33μlをマイクロプレートの各ウェルに分注して酵素反応を開始する。37℃で1時間酵素反応させた後、エタノール140μlを添加して酵素反応を停止する。10分間室温でおいた後、遠心分離(3000g、15分)して得た上清について、分光光度計を用いて吸光度を600nmで読み取る。なお、酵素液の代わりに緩衝液を添加したものをブランクとして使用する。
1つの酵素につき上記(1)と(2)の両方の酵素活性の測定を行い、それらの結果から以下のようにして、「不溶性アラビノキシランへの基質親和性と水溶性アラビノキシランへの基質親和性の比」を算出する。
それぞれの吸光度と酵素含量について非線形回帰曲線Y=Ymax×(1-e-K*X)
(Yは吸光度、Xは酵素量)をプロットし、その直線性のある部分、好ましくはYの最大値の1/10以下の範囲で、その傾き(S)を下記の式により算出する。
傾き(S)=(Ymax×K)/1.0536
ここで、この傾きの比、すなわちS(不溶性アラビノキシラン)/S(水溶性アラビノキシラン)の値を「不溶性アラビノキシランへの基質親和性と水溶性アラビノキシランへの基質親和性の比」とする。
なお、ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物中のヘミセルラーゼの含有量は、ベーカリー生地のべとつきを抑え、ソフトでしっとりとした食感を有する、一層好ましいベーカリー食品を得る観点から、ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物中の脂質蛋白質複合体1質量%に対して好ましくは1000~3500単位、より好ましくは1300~3000単位とする。
アミラーゼは、デンプンやグリコーゲン等が有するグリコシド結合を加水分解する酵素の総称であり、一般にアミラーゼはその作用部位の違いによって、α-1,4グルコシド結合をランダムに切断するα-アミラーゼ、非還元性末端からマルトース単位で逐次分解するβ-アミラーゼ、同じくα-1,4グルコシド結合をグルコース単位で分解し、また、分岐点のα-1,6結合をも分解するグルコアミラーゼ等が挙げられる。
市販のマルトジェニックα-アミラーゼ製剤としては、例えばコクラーゼ(登録商標)(三菱化学フーズ社製)、Novamyl(登録商標)10000BG、Novamyl(登録商標)L、マルトゲナーゼ(登録商標)(以上、ノボザイムズジャパン社製)、グリンドアミル(登録商標)MAX-LIFE100(ダニスコジャパン社製)等が挙げられる。
本発明においては、上記マルトジェニックα-アミラーゼの中でも、酵素の至適温度が60℃以上である高温耐熱性マルトジェニックα-アミラーゼが好ましい。高温耐熱性マルトジェニックα-アミラーゼの至適温度は、好ましくは65~95℃、より好ましくは70~90℃である。
また、本発明のベーカリー用油中水型乳化油脂組成物におけるマルトジェニックα-アミラーゼの含有量は、ソフトでしっとりとした食感と歯切れを両立させる観点から、アラビノキシランを基質とした場合のヘミセルラーゼの活性1単位に対して、マルトジェニックα-アミラーゼの活性が、0.5~4単位であることが好ましく、1.0~4.0単位であることがより好ましく、1.0~3.0単位であることが更に好ましく、1.2~2.5単位であることが最も好ましい。
本発明のベーカリー用油中水型乳化油脂組成物に使用する油脂は、特に制限されず、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、オリーブ油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、カカオバター、シア脂、マンゴー核油、サル脂及びイリッペ脂等の植物油脂、牛脂、乳脂、豚脂、魚油及び鯨油等の動物油脂、これらの各種動植物油脂に必要に応じてエステル交換、水素添加、異性化水添、分別等の処理をして得られる加工油脂、脂肪酸及び/又は脂肪酸低級アルコールエステルを用いて製造したエステル交換油が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を使用することができる。
なお、本発明のベーカリー用油中水型乳化油脂組成物に含有させる下記のその他の原料が油脂を含有する場合、その他の成分に由来する油脂も、本発明のベーカリー用油中水型乳化油脂組成物中の油分含量に含めるものとする。
水分含有量が上述の範囲であると、油中水型乳化油脂組成物の乳化が安定するため好ましい。
なお、本発明に含まれる下記のその他の原料が水分を含有する場合には、それらの副原料に含まれる水分も上記水分含有量に含めるものとする。
上記その他の原料は、本発明の目的を損なわない限り、任意に使用することができるが、上記ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物中、合計で好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下となる範囲で使用することが好ましい。
このとき、脂質蛋白質複合体は分散相である水相に含有させることが好ましい。
ヘミセルラーゼ、及び本発明のベーカリー用油中水型乳化油脂組成物に好適に使用されるマルトジェニックα-アミラーゼは、製造時に油相中に直接分散させることができる。脂質蛋白質複合体を含有する水相と、上記酵素を含有する油相とを混合、撹拌して予備乳化液を得、得られた予備乳化液を急冷可塑化することにより、本発明のベーカリー用油中水型乳化油脂組成物を製造することができる。また、脂質蛋白質複合体を含有する水相と、上記酵素を含有しない油相とを混合、撹拌して予備乳化液を得、得られた予備乳化液を急冷可塑化することによって乳化液を調製し、調製した乳化液に上述の酵素又は酵素含有水溶液を添加、混合する方法により、本発明のベーカリー用油中水型乳化油脂組成物を製造ることもできる。高い酵素活性を有し、且つ、保存時の酵素活性の低下が防止される点で後者の方法で本発明のベーカリー用油中水型乳化油脂組成物を製造することが好ましい。
また、製造工程において、窒素、空気等を含気させても、含気させなくても構わない。
本発明のベーカリー生地は、本発明のベーカリー用油中水型乳化油脂組成物を含有する。本発明のベーカリー生地は、本発明のベーカリー用油中水型乳化油脂組成物が練り込まれたベーカリー生地であることが好ましい。本発明のベーカリー生地におけるベーカリー用油中水型乳化油脂組成物の含有量は、従来知られたベーカリー生地中の油脂組成物の含有量と同様であり、ベーカリー生地の種類によっても異なるが、ベーカリー生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、好ましくは2~30質量部、より好ましくは4~20質量部である。
小麦粉以外の穀粉類を使用する場合、グルテンを別途添加することが好ましい。その添加量は、穀粉類とグルテンを合わせた合計量に対し、タンパク質含量が好ましくは5~20質量%、より好ましくは10~18質量%となる量である。
上記ベーカリー生地の製造方法としては、中種法、直捏法、液種法、中麺法、湯種法等、従来ベーカリー生地を調製する手法として選択されるあらゆる製法を採ることができる。
本発明のベーカリー生地を中種法で製造する場合は、本発明のベーカリー用油中水型乳化油脂組成物を中種生地及び/又は本捏生地に練り込むことにより製造することができるが、本捏生地に練り込むことが好ましい。
上記その他の原料は、本発明の効果を損なわない限り、任意に使用することができるが、水については、上記穀粉類100質量部に対して、好ましくは30~100質量部、より好ましくは30~70質量部となる範囲で使用する。また、水以外のその他の原料については、上記穀粉類100質量部に対して、合計で好ましくは100質量部以下、より好ましくは50質量部以下となる範囲で使用する。なお、その他の原料として、水分を含有する原料を使用した場合は、上記の水には、その他の原料に含まれる水分も含めるものとする。
なお、得られたベーカリー生地は、冷蔵、冷凍保存することが可能である。
本発明のベーカリー食品は、上述の、本発明のベーカリー生地を加熱処理することにより得られる。
ミルクプロテインコンセントレート(イングレディア社「Promilk85」、蛋白質含量81質量部、その内ミセル態のカゼイン蛋白質含量が80質量%、ホエイ蛋白質含量が20質量%)16質量部、を、60℃に加温した水78.4質量部に加え、スリーワンモーターを使用して撹拌して十分に分散させた。ここに大豆由来のレシチン製剤(理研ビタミン社「レシオンLP-1」、脂質含量70質量部、脂質中のリン脂質含量80質量部超)を5.6質量部添加し、よく撹拌して十分に分散させ、混合液を得た。
この混合液をバルブ式ホモジナイザーを用いて30MPaの圧力で均質化した後、プレート式UHT殺菌機で加熱殺菌した後、25℃まで冷却した。これを-0.5℃/hで徐冷し、冷凍させ、上記条件(1)~(4)を全て満たす脂質蛋白質複合体を含有する水溶液(以下、単に複合体水溶液Aと記載する場合がある。下述の製造例においても同様である。)を得た。
なお、複合体水溶液A100質量部中、脂質蛋白質複合体が16.9質量部含有されていた。
なお、下述のベーカリー用油中水型乳化油脂組成物を製造する際は、得られた複合体水溶液Aを解凍した後に使用した。なお、下述の複合体水溶液B~Fにおいても同様である。
ミルクプロテインコンセントレートを20質量部に、レシチン製剤の量を7.2質量部に、水の量を72.8質量部に変更した他は製造例1と同様に製造し、上記条件(1)~(4)を全て満たす脂質蛋白質複合体を含有する複合体水溶液Bを得た。
なお、複合体水溶液B100質量部中、脂質蛋白質複合体が21.2質量部含有されていた。
ミセルカゼインアイソレート(イングレディア社「Prodiet87B」、蛋白質含量84質量部、蛋白質組成中ミセル態のカゼイン蛋白質含量が92質量%、ホエイ蛋白質含量が8質量%)19質量部、ホエイプロテインコンセントレート(アーラフーズ社「ラクプロダン80」、蛋白質含量76質量部、蛋白質組成におけるホエイ蛋白質含量が100質量%)4.8質量部を60℃に加温した水72.5質量部に加え、スリーワンモーターを使用して撹拌して十分に分散させた。ここに大豆由来のレシチン製剤(理研ビタミン社「レシオンLP-1」、脂質含量70質量部、脂質中のリン脂質含量80質量部超)を8.5質量部添加し、よく撹拌して十分に分散させ、混合液を得た。
この混合液をバルブ式ホモジナイザーを用いて30MPaの圧力で均質化した後、プレート式UHT殺菌機で加熱殺菌した後、25℃まで冷却した。これを-0.5℃/hで徐冷し、冷凍させ、上記条件(1)~(4)を全て満たす脂質蛋白質複合体を含有する複合体水溶液Cを得た。
なお、複合体水溶液C100質量部中、脂質蛋白質複合体が25.6質量部含有されていた。
ミセルカゼインアイソレートの量を16質量部に、ホエイプロテインコンセントレートの量を4.0質量部に、レシチン製剤の量を7.2質量部に、水の量を76.8質量部に変更した他は製造例3と同様に製造し、上記条件(1)~(4)を全て満たす脂質蛋白質複合体を含有する複合体水溶液Dを得た。
なお、複合体水溶液D100質量部中、脂質蛋白質複合体が21.5質量部含有されていた。
ミセルカゼインアイソレートの量を12.5質量部に、ホエイプロテインコンセントレートの量を7.5質量部に、レシチン製剤の量を7.2質量部に、水の量を80.3質量部に変更した他は製造例3と同様に製造し、上記条件(1)~(4)を全て満たす脂質蛋白質複合体を含有する複合体水溶液Eを得た。
なお、複合体水溶液E100質量部中、脂質蛋白質複合体が21.2質量部含有されていた。
カゼインカルシウム(フォンテラ社「CALCIUM CASEINATE 385」、蛋白質含量91質量部、蛋白質組成中非ミセル態のカゼイン蛋白質含量が100質量%)13.5質量部、ホエイプロテインコンセントレート(アーラフーズ社「ラクプロダン80」、蛋白質含量76質量部、蛋白質組成中ホエイ蛋白質が100質量部)5.2質量部を60℃に加温した水79.3質量部に加え、スリーワンモーターを使用して撹拌して十分に分散させた。ここに大豆由来のレシチン製剤(理研ビタミン社「レシオンLP-1」、脂質含量70質量部、脂質中のリン脂質含量80質量部超)を7.2質量部添加し、よく撹拌して十分に分散させ、混合液を得た。
この混合液をバルブ式ホモジナイザーを用いて30MPaの圧力で均質化した後、プレート式UHT殺菌機で加熱殺菌した後、25℃まで冷却した。これを-0.5℃/hで徐冷し、冷凍させ、ミセル態カゼインを含まない脂質蛋白質複合体を含有する複合体水溶液Fを得た。
なお、複合体水溶液F100質量部中、ミセル態カゼインを含まない脂質蛋白質複合体が21.2質量部含有されていた。
ホエイプロテインコンセントレート(アーラフーズ社「ラクプロダン80」、蛋白質含量76質量部、蛋白質組成中のホエイ蛋白質含量が100質量%)21.5質量部を60℃に加温した水71.3質量部に加え、スリーワンモーターを使用して撹拌して十分に分散させた。大豆由来のレシチン製剤(理研ビタミン社「レシオンLP-1」、脂質含量70質量部、脂質中のリン脂質含量80質量部超)を7.2質量部添加し、よく撹拌して十分に分散させ、混合液を得た。
この混合液をバルブ式ホモジナイザーを用いて30MPaの圧力で均質化した後、プレート式UHT殺菌機で加熱殺菌した後、25℃まで冷却した。これを-0.5℃/hで徐冷し、冷凍させ、ホエイ蛋白質のみからなる脂質蛋白質複合体を含有する複合体水溶液Gを得た。
なお、複合体水溶液G100質量部中、ホエイ蛋白質のみからなる脂質蛋白質複合体が21.3質量部含有されていた。
上記の製造例1~7で得られた複合体水溶液A~Gを用いて、ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物A~Gを製造した。なお、以下では、ヨウ素価60のパームスーパーオレインのランダムエステル交換油脂95質量部と、パーム油5質量部を、それぞれ60℃に加熱し、溶解・混合したものを、単に「油脂配合物」と記載する場合がある。
なお、ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物A~Gにおける複合体水溶液A~Gの配合量については、ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物A~G中の脂質蛋白質複合体含量が同一となるように調整した。具体的には、複合体水溶液Aの配合量を2質量部、複合体水溶液Cの配合量を1.3質量部、複合体水溶液B及びD~Gの配合量を1.6質量部とし、残部を水として水相を構成した。
なお、複合体水溶液Aを含有するものをベーカリー用油中水型乳化油脂組成物Aと表記するものとし、他も同様である。
まず油脂配合物83.8質量部に対して大豆レシチン0.20質量部を溶解させ、これを油相とした。次に、水と複合体水溶液Aを合わせて16質量部となるように混合して、これを水相とした。
得られた油相と水相とを混合し、常法に従って加熱殺菌及び冷却・可塑化を行った。更にヘミセルラーゼ(ベイクザイムBXP5001BG、DSM社製)をアラビノキシランを基質とした場合の活性が500単位/油脂組成物100gとなる量だけ添加・混合し、ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物Aを得た。このヘミセルラーゼは、アラビノキシランを主基質とし、且つ、不溶性アラビノキシランへの基質親和性と水溶性アラビノキシランへの基質親和性との比(分解活性比:不溶性アラビノキシラン/水溶性アラビノキシラン)が23であるものであった。
なお、脂質蛋白質複合体はベーカリー用油中水型乳化油脂組成物A100質量部中、0.34質量部含有されており、ヘミセルラーゼの含有量はベーカリー用油中水型乳化油脂組成物A中の脂質蛋白質複合体1質量%に対して、1480単位となる量を含有されていた。
複合体水溶液Aの代わりに複合体水溶液Bを用いた他は実施例1と同様に製造し、ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物Bを得た。
複合体水溶液Aの代わりに複合体水溶液Cを用いた他は実施例1と同様に製造し、ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物Cを得た。
複合体水溶液Aの代わりに複合体水溶液Dを用いた他は実施例1と同様に製造し、ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物Dを得た。
複合体水溶液Aの代わりに複合体水溶液Eを用いた他は実施例1と同様に製造し、ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物Eを得た。
複合体水溶液Aの代わりに複合体水溶液Fを用いた他は実施例1と同様に製造し、ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物Fを得た。
複合体水溶液Aの代わりに複合体水溶液Gを用いた他は実施例1と同様に製造し、ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物Gを得た。
なお、複合体水溶液Aを含有しない他はベーカリー用油中水型乳化油脂組成物Aと同様に製造された油中水型乳化油脂組成物を、コントロールAとした。また、ヘミセルラーゼを含有しない他はベーカリー用油中水型乳化油脂組成物Aと同様に製造された油中水型乳化油脂組成物を、コントロールBとした。
なお、油脂配合物83.8質量部に対して大豆レシチン0.20質量部を溶解させ、これを油相とした。次に、水16質量部を混合して、これを水相として、得られた油相と水相とを混合し、常法に従って加熱殺菌及び冷却・可塑化を行い得られた油中水型乳化油脂組成物をblankとした。
まず、表1の中種生地配合の全原料を、縦型ミキサーにて低速で3分、中速で2分ミキシングし、中種生地(捏ね上げ温度26℃)を得た。得られた中種生地は、28℃、相対湿度80%にて120分の中種発酵を取った。
次に、この中種生地、並びに本捏生地配合の強力粉、砂糖、食塩、脱脂粉乳、全卵及び水を、縦型ミキサーにて低速で3分、中速で3分ミキシングした後、上記ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物A~Gを加えて、更に低速で3分、中速で4分ミキシングし、本捏生地(捏ね上げ温度28℃)を得た。
得られた本捏生地は、30分フロアタイムをとり、分割(45g)、丸めし、30分ベンチタイムを取った後、バターロール成型した。これを天板に乗せ、38℃、相対湿度80%、50分のホイロを取った後、190℃のオーブンで13分焼成して、ロールパン(Cont.A,Cont.B,blank)、及びロールパンA~Gを得た。
また、生地物性については、下記の評価基準に則り、評価を行った。その結果を表2に示す。
・食感(ソフト性)
5点:極めて良好。
3点:良好。
1点:やや悪い。
0点:悪い。
・食感(しっとり感)
5点:極めて良好。
3点:良好。
1点:ややぱさついた感じである
0点:乾いた食感である。
・食感(歯切れ)
5点:歯切れが極めて良好
3点:歯切れが良好
1点:くちゃつく、又はヒキが感じられる。
0点:くちゃつきが激しい、又は、ヒキが強い。
・生地作業性
◎:コントロールAと比較して、べとつきもなく、極めて良好な作業性であった。
○:コントロールAと比較して、良好な作業性であった。
△:べとつきが感じられ、作業性が悪いが、コントロールAよりも作業性はやや良かった。
×:べとつきが強く、コントロールAと同様に作業性が劣るものであった。
蛋白濃度、リン脂質濃度が異なるが、複合体中における蛋白質含量、脂質含量、及び蛋白質と脂質の比率が複合体水溶液Aと略同一の複合体水溶液Bを含有する、ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物Bを用いた、ロールパンBについても同様の効果が得られることが分かった。
複合体水溶液Eを含有するベーカリー用油中水型乳化油脂組成物Eについては、ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物A~Dと比較して、食感や生地物性の改良効果が十分得られなかった。
これは脂質蛋白質複合体に含有される乳蛋白質中のミセル態カゼイン蛋白質の含量が少ないことが影響したものと推察される。
ロールパンFは、ミセル態カゼイン蛋白質を含有しない他は、複合体水溶液Bと同等である、複合体水溶液Fを含有するベーカリー用油中水型乳化油脂組成物Fを用いて製造されたものである。コントロールA品と比較して、生地物性についてはやや改善されているが、ソフト性の評価が低下した。また、カゼイン蛋白質を含まない複合体水溶液Gを用いたベーカリー用油中水型乳化油脂組成物Gを用いると、ソフト性が低下する等、改善効果が得られないことが分かった。
また、ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物A~Fを用いたロールパンA~FではCont.A,及びBの品と比較して、比容積も5%以上向上しており、本発明によりボリュームのあるベーカリー食品が得られることについても確認された。
検討1で用いたヘミセルラーゼ及び複合体水溶液Aを用いて、ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物中の脂質蛋白質複合体含量について、実施例1の配合をベースに複合体水溶液Aを用いて、検討1と同様にロールパンを製造して、検討した。なお、含有する酵素(ヘミセルラーゼ)の量については、実施例1のものと同量である。
検討・評価した結果について、表3に示した。なお、参考として、検討1におけるロールパンAの評価結果についても記載している。
複合体水溶液Aの添加量を1.0質量部とした他は実施例1と同様にして、ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物A-2を得た。
なお、ヘミセルラーゼの添加量は脂質蛋白質複合体1質量%に対して、2959単位となる量であった。
複合体水溶液Aの添加量を3.5質量部とした他は実施例1と同様にして、ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物A-3を得た。
なお、ヘミセルラーゼの添加量は脂質蛋白質複合体1質量%に対して、845単位となる量であった。
複合体水溶液Aの添加量を5.0質量部とした他は実施例1と同様にして、ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物A-4を得た。
なお、ヘミセルラーゼの添加量は脂質蛋白質複合体1質量%に対して、592単位となる量であった。
複合体水溶液Aの添加量を10.0質量部とした他は実施例1と同様にして、ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物A-5を得た。
なお、ヘミセルラーゼの添加量は脂質蛋白質複合体1質量%に対して、296単位となる量であった。
検討1で用いたヘミセルラーゼ及び複合体水溶液Aを用いて、ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物中のヘミセルラーゼ含量について、実施例1の配合をベースに、検討1と同様にロールパンを製造して、検討した。なお、含有する複合体水溶液Aの量については、実施例1のものと同量である。
検討・評価した結果について、表4に示した。なお、参考として、検討1におけるロールパンA、及びコントロールA品の評価結果についても記載している。
ヘミセルラーゼの添加量を、アラビノキシランを基質とした場合の活性が200単位/油脂組成物100gとした他は実施例1と同様にして、ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物A-6を得た。
なお、ヘミセルラーゼの添加量は脂質蛋白質複合体1質量%に対して、592単位となる量であった。
ヘミセルラーゼの添加量を、アラビノキシランを基質とした場合の活性が700単位/油脂組成物100gとした他は実施例1と同様に製造し、ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物A-7を得た。
なお、ヘミセルラーゼの添加量は脂質蛋白質複合体1質量%に対して、2071単位となる量であった。
ヘミセルラーゼの添加量を、アラビノキシランを基質とした場合の活性が1500単位/油脂組成物100gとした他は実施例1と同様に製造し、ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物A-8を得た。
なお、ヘミセルラーゼの添加量は脂質蛋白質複合体1質量%に対して、4438単位となる量であった。
ヘミセルラーゼの添加量を、アラビノキシランを基質とした場合の活性が2000単位/油脂組成物100gとした他は実施例1と同様に製造し、ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物A-9を得た。
なお、ヘミセルラーゼの添加量は脂質蛋白質複合体1質量%に対して、5917単位となる量であった。
本発明のベーカリー用油中水型乳化油脂組成物中へのマルトジェニックα-アミラ-ゼの添加について、実施例1の配合をベースに、検討1と同様にロールパンを製造して、検討した。なお、マルトジェニックα-アミラーゼについては、ノバミル10000BG(Novozymes社製)を用いて検討した。
検討・評価した結果について、表5に示した。なお、参考として、検討1におけるロールパンA、及びコントロールA品の評価結果についても記載している。
実施例1の配合に、更にマルトジェニックα-アミラーゼを400単位/油脂組成物100gとなる量だけ添加した他は実施例1と同様にして、ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物A-10を得た。
なお、アラビノキシランを基質とした場合のヘミセルラーゼの活性1単位に対する、マルトジェニックα-アミラーゼの活性は0.8単位であった。
実施例1の配合に、更にマルトジェニックα-アミラーゼを800単位/油脂組成物100gとなる量だけ添加した他は実施例1と同様にして、ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物A-11を得た。
なお、アラビノキシランを基質とした場合のヘミセルラーゼの活性1単位に対する、マルトジェニックα-アミラーゼの活性は1.6単位であった。
実施例1の配合に、更にマルトジェニックα-アミラーゼを1200単位/油脂組成物100gとなる量だけ添加した他は実施例1と同様にして、ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物A-12を得た。
なお、アラビノキシランを基質とした場合のヘミセルラーゼの活性1単位に対する、マルトジェニックα-アミラーゼの活性は2.4単位であった。
実施例1の配合に、更にマルトジェニックα-アミラーゼを1600単位/油脂組成物100gとなる量だけ添加した他は実施例1と同様にして、ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物A-13を得た。
なお、アラビノキシランを基質とした場合のヘミセルラーゼの活性1単位に対する、マルトジェニックα-アミラーゼの活性は3.2単位であった。
Claims (6)
- ヘミセルラーゼと、下記条件(1)~(4)を満たす脂質蛋白質複合体とを含有する、ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物。
(1)脂質蛋白質複合体を構成する蛋白質として乳蛋白質を含有する。
(2)上記乳蛋白質中のカゼイン蛋白質の含有量が40~95質量%である。
(3)上記乳蛋白質中のカゼイン蛋白質がミセル態カゼイン蛋白質を含有し、カゼイン蛋白質中のミセル態カゼイン蛋白質の含有量が、60~100質量%である。
(4)脂質蛋白質複合体を構成する脂質としてリン脂質を含有する。 - 更に、マルトジェニックα-アミラーゼを含有する、請求項1記載のベーカリー用油中水型乳化油脂組成物。
- ヘミセルラーゼ1単位に対して、マルトジェニックα-アミラーゼを、0.5~4単位含有する、請求項2記載のベーカリー用油中水型乳化油脂組成物。
- 上記ヘミセルラーゼが、アラビノキシランを主基質とし、且つ、不溶性アラビノキシランへの基質親和性と水溶性アラビノキシランへの基質親和性との比(分解活性比:不溶性アラビノキシラン/水溶性アラビノキシラン)が10以上である、請求項1~3のいずれか一項記載のベーカリー用油中水型乳化油脂組成物。
- 請求項1~4いずれか一項記載のベーカリー用油中水型乳化油脂組成物を含有するベーカリー生地。
- 請求項5記載のベーカリー生地の加熱処理品であるベーカリー食品。
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