JP2002194115A - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルム

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JP2002194115A JP2001293400A JP2001293400A JP2002194115A JP 2002194115 A JP2002194115 A JP 2002194115A JP 2001293400 A JP2001293400 A JP 2001293400A JP 2001293400 A JP2001293400 A JP 2001293400A JP 2002194115 A JP2002194115 A JP 2002194115A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性に優れ、かつ厚みむら少なく、特に磁
気材料用途やコンデンサー用途への展開に好ましい高品
質の二軸配向ポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 ポリエステル(A)とポリイミド(B)
とからなるポリエステルフィルムであって、厚みむらが
0〜15%、溶融比抵抗が1×107〜1×1010Ω・
cm、かつ、固有粘度が0.5〜0.8dl/gである
二軸配向ポリエステルフィルムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、厚み精度に優れた
ポリエステル/ポリイミド二軸配向フィルムに関する。
このようなポリエステル/ポリイミド二軸配向フィルム
は、例えば、磁気記録媒体用途、電気電子部品関連用
途、包装材料用途、建材部門用途等の広範な分野に適用
可能である。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルムは、その優れた機
械的特性と経済性のため、磁気記録用、農業用、包装
用、建材用などの大量に需要のある分野で用いられてい
る。しかし、ポリエステルフィルムは、用途によっては
熱寸法安定性や耐熱性が十分ではなく、磁気記録媒体用
途をはじめ各種工業材料用フィルムへの適用に際して限
界があった。また、一般に熱寸法安定性や耐熱性を高め
る上でポリエステルのガラス転移温度を高めるのが有効
であることは、当該分野において自明であるが、有効な
手段は見出されていなかった。
【0003】本発明と関係する、ポリエステルとポリイ
ミドのブレンド物については、ポリイミド分率の増加に
伴ってガラス転移温度が上昇することが文献に開示され
ている(例えば、米国特許4141927号明細書、
「JOURNAL of APPLIED POLYM
ER SCIENCE 48,935−937(199
3)」、「Macromolecules 28,28
45−2851(1995)、POLYMER,38,
4043−4048(1997)」等)。さらに、ポリ
エステルとポリエーテルイミド(PEI)からなる二軸
配向フィルムについては、特開2000−141475
号公報に記載されている。
【0004】しかしながら、本発明者らの検討によれ
ば、ポリエステルとポリイミドとからなるフィルムは、
ポリエステル単体フィルムの場合に比べて溶融比抵抗が
上昇するため、通常フィルムのキャスト工程で用いられ
ている静電印加キャスト法(特公昭37−6142号公
報などに記載)にて静電印加性が悪化する。また、ポリ
イミドの添加によりポリマー全体の粘度も上昇する。こ
の結果、ポリエステル単体のフィルムに比べて厚みむら
が悪化し、特に厚み精度に関して要求が厳しい磁気材料
用途、コンデンサー用途などの分野への適用が難しいと
いう問題が明らかとなってきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
問題を解決し、耐熱性に優れ、且つ厚みむらの少ないポ
リエステル/ポリイミド二軸配向フィルム、特に、磁気
材料用途やコンデンサー用途への展開に好ましい高品質
の二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリエステル
(A)とポリイミド(B)とからなるポリエステルフィ
ルムであって、厚みむらが0〜15%、溶融比抵抗が1
×107〜1×1010Ω・cm、かつ、固有粘度が0.
5〜0.8dl/gであることを特徴とする二軸配向ポ
リエステルフィルムを骨子とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で使用するポリエステル
(A)は、特に限定されないが、エチレンテレフタレー
ト、エチレン−2,6−ナフタレート、プロピレンテレ
フタレート、ブチレンテレフタレート、ヘキサメチレン
テレフタレート、シクロヘキサンジメチレンテレフタレ
ート、プロピレン−2,6−ナフタレート、ブチレン−
2,6−ナフタレート、ヘキサメチレン−2,6−ナフ
タレート、シクロヘキサンジメチレン−2,6−ナフタ
レート単位等から選ばれた少なくとも一種の構造単位を
少なくとも主要構成成分とするポリエステルが好まし
い。なかでも、エチレンテレフタレート単位を少なくと
も主要構成成分とするポリエチレンテレフタレート系ポ
リエステル(ポリエチレンテレフタレート(以下PET
という)を少なくとも主成分とするポリエステル)、及
び/又は、エチレン−2,6−ナフタレート単位を少な
くとも主要構成成分とするポリエチレン−2,6−ナフ
タレート系ポリエステル(ポリエチレン−2,6−ナフ
タレート(以下PENという)を少なくとも主要構成成
分とするポリエステル)が、ポリエーテルイミド(B)
との溶融混練性に優れる点から特に好ましい。
【0008】一方、本発明に用いるポリイミド(B)
は、繰り返し単位として少なくとも環状イミド基を含有
するポリマー、好ましくは、脂肪族、脂環族または芳香
族系のエーテル単位と環状イミド基を繰り返し単位とし
て含有するポリマーであればよく、特に限定されない。
例えば、下記一般式で示されるような構造単位を含有す
るものが好ましい。
【0009】
【化1】
【0010】(ただし、式中のR1
【化2】
【化3】 などの脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭
化水素基から選ばれた一種もしくは二種以上の基を表し
て、
【0011】また、式中のR2
【化4】 などの脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭
化水素基から選ばれた一種もしくは二種以上の基を表
す。)
【0012】かかる好ましいポリイミド(B)は、例え
ば、特開平8−157642号公報や特許第25583
39号公報などに代表されるように、テトラカルボン酸
および/またはその酸無水物と、脂肪族一級モノアミン
および/または芳香族一級モノアミン、さらに/または
脂肪族一級ジアミンおよび/または芳香族一級ジアミン
よりなる群から選ばれる一種もしくは二種以上の化合物
を脱水縮合することにより得られたポリイミドを挙げる
ことができる。
【0013】テトラカルボン酸および/またはその酸無
水物としては、例えば、エチレンテトラカルボン酸、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、シクロペン
タンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、1,2,3,
4−ベンゼンテトラカルボン酸、3,3',4,4'−ビ
フェニルテトラカルボン酸、2,2',3,3'−ビフェ
ニルテトラカルボン酸、3,3',4,4'−ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸、2,2',3,3'−ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸、ビス(2,3−ジカルボキシフ
ェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)メタン、1,1' −ビス(2,3−ジカルボキシ
フェニル)エタン、2,2'−ビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル)プロパン、2,2'−ビス(2,3−ジ
カルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)エーテル、ビス(2,3−ジカルボキ
シフェニル)エーテル、ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)スルホン、ビス(2,3−ジカルボキシフェニ
ル)スルホン、2,3,6,7−ナフタレンテトラカル
ボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン
酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、
2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸、1,
2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸、3,
4,9, 10−ペリレンテトラカルボン酸、4,4'−
(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸、4,4'−
(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸、2,2'−ビ
ス[(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロ
パン等および/またはその酸無水物等が用いられる。
【0014】脂肪族一級モノアミンとしては、例えば、
炭素数2〜22の飽和または不飽和の直鎖、分岐または
脂環系のモノアミンが用いられ、具体的には、エチルア
ミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミ
ン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、
デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、ト
リデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルア
ミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オク
タデシルアミン、ノナデシルアミン、エイコシルアミ
ン、ヘネイコシルアミン、ドコシルアミン、シクロヘキ
シルアミン、メチルシクロヘキシルアミン、ジメチルシ
クロヘキシルアミン、ジエチルシクロヘキシルアミンお
よびこれらの構造異性体などが用いられる。
【0015】芳香族一級モノアミンとしては、例えば、
非置換あるいは炭素数1〜22のアルキル置換の一級ア
ニリンが用いられ、具体的には、アニリン、トルイジ
ン、エチルアニリン、プロピルアニリン、ブチルアニリ
ン、ペンチルアニリン、ヘキシルアニリン、ヘプチルア
ニリン、オクチルアニリン、ノニルアニリン、デシルア
ニリン、ウンデシルアニリン、ドデシルアニリン、トリ
デシルアニリン、テトラデシルアニリン、ペンタデシル
アニリン、ヘキサデシルアニリン、ヘプタデシルアニリ
ン、オクタデシルアニリン、ノナデシルアニリン、エイ
コシルアニリン、ヘネイコシルアニリン、ドコシルアニ
リンおよびこれらの構造異性体等が用いられる。
【0016】脂肪族一級ジアミンとしては、例えば、炭
素数1〜12のメチレン基で結合された一級ジアミンや
脂環基を有するジアミンが用いられ、具体的には、エチ
レンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレン
ジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジア
ミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、
ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、
1,3−ビスアミノシクロヘキサン、ジアミノジシクロ
ヘキシルメタン、m−キシレンジアミンおよびこれらの
構造異性体などが用いられる。
【0017】芳香族一級ジアミンとしては、例えば、ベ
ンジジン、ジメチルベンジジン、ジアミノジフェニルメ
タン、ジアミノジトリルメタン、ジアミノジフェニルエ
タン、ジアミノジフェニルプロパン、ジアミノジフェニ
ルブタン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフ
ェニルスルホン、ジアミノジフェニルベンゾフェノン、
o,m,p−フェニレンジアミン、トリレンジアミン、
キシレンジアミン等およびこれらの例示した芳香族一級
ジアミンの炭化水素基を構造単位に有する芳香族一級ジ
アミン等が用いられる。
【0018】また、ポリイミド(B)としては、ポリエ
ステル(A)との溶融成形性や取り扱い性などの点か
ら、例えば、脂肪族、脂環族または芳香族系のエーテル
単位と環状イミド基を繰り返し単位として含有するポリ
エーテルイミドがより好ましく、さらに溶融成形性を有
するポリマーがさらに好ましく用いられる。例えば、米
国特許第4141927号明細書、特許第262267
8号公報、特許第2606912号公報、特許第260
6914号公報、特許第2596565号公報、特許第
2596566号公報、特許第2598478号公報な
どのポリエーテルイミド、特許第2598536号公
報、特許第2599171号公報、特開平9−4885
2号公報、特許第2565556号公報、特許第256
4636号公報、特許第2564637号公報、特許第
2563548号公報、特許第2563547号公報、
特許第2558341号公報、特許第2558339号
公報、特許第2834580号公報に記載のポリマー等
が挙げられる。本発明の効果が損なわれない範囲であれ
ば、このポリマーの主鎖に、環状イミド基やエーテル単
位以外の構造単位、例えば、芳香族、脂肪族、脂環族の
エステル単位、オキシカルボニル単位等が含有されてい
てもよいことは無論である。
【0019】具体的には、例えば下記一般式(I)で表さ
れるエーテル結合を有する単位を含む重合体を挙げるこ
とができる。(I):
【化5】 (上記式中R3は、6〜30個の炭素原子を有する2価
の芳香族または脂肪族残基;R4は6〜30個の炭素原
子を有する2価の芳香族残基、2〜20個の炭素原子を
有するアルキレン基、2〜20個の炭素原子を有するシ
クロアルキレン基、及び2〜8個の炭素原子を有するア
ルキレン基で連鎖停止されたポリジオルガノシロキサン
基からなる群より選択された2価の有機基である。)
【0020】上記R3、R4としては、例えば、下記式(I
I)に示される芳香族残基を挙げることができる。(II):
【化6】
【0021】本発明では、ガラス転移温度が350℃以
下、より好ましくは250℃以下のポリエーテルイミド
を用いると本発明の効果が得やすく、コスト、溶融成形
性等の観点から、米国ゼネラルエレクトリック社が“U
LTEM”の商標名で販売しているポリマーが最も好ま
しく、これは、主として下記式(III)に示す構造単
位、または(IV)に示す構造単位からなるポリマーであ
る。
【0022】(III):
【化7】 (IV):
【化8】
【0023】なお、本発明のポリエステルフィルム中に
は、本発明の効果が損なわれない範囲であれば、可塑
剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止
剤、増白剤、着色剤、導電剤、結晶核剤などの化合物
や、無機粒子、有機粒子、他種ポリマーなどを添加して
もかまわない。
【0024】本発明で開示する二軸配向ポリエステルフ
ィルムは、厚みむらが0〜15%であることが必須であ
る。これはスリット収率の向上や各種用途における特性
向上のためである。より好ましくは、0〜10%、最も
好ましくは、0〜6%である。
【0025】また、厚みむらを本発明で特定した範囲内
とするためには、フィルム溶融時の比抵抗を1×107
〜1×1010Ω・cm、固有粘度を0.5〜0.8dl
/gとする必要がある。
【0026】本発明者らの検討により、ポリエステル
(A)にポリイミド(B)を添加すると、ポリエステル
単体の場合に比べて溶融比抵抗が上昇するため、通常フ
ィルムのキャスト工程で用いられている静電印加キャス
ト法(特公昭37−6142号公報などに記載)にて、
静電印加性が悪化することがわかった。従って、厚み精
度に優れたフィルムを得るためには、溶融比抵抗を上記
範囲内にすることが有効である。溶融比抵抗が1×10
10Ω・cmを越えると溶融状態での電気伝導性が悪化
し、フィルムのキャスト工程で用いられる静電印加キャ
スト法にて静電印加性が悪化する。また、1×107Ω
・cm未満であれば静電印加キャスト法を行った場合、
印加端子からの放電が起こるため、端子とキャスティン
グドラムへの放電が頻発し、厚みむらが悪化する。溶融
比抵抗の、さらに好ましい範囲は、5×107〜5×1
9Ω・cm、最も好ましくは7×107〜2×109Ω
・cmである。
【0027】溶融比抵抗をこの範囲内とするためにはど
のような方法を用いてもよい。特に好ましい方法として
は、金属原子を多量に含有した高電気伝導性ペレットを
フィルム構成ポリマに添加する方法が好ましく用いられ
る。しかしながら、この高電気伝導性ペレットを単に添
加しても、ポリエーテルイミドの固有粘度が変化する
と、得られるポリエステル/ポリイミドフィルムの溶融
比抵抗は変化する。従って、フィルムの溶融比抵抗を本
発明の範囲内とするためには、金属元素の種類や添加量
を適正化することが好ましい。
【0028】また、フィルムの固有粘度が0.8dl/
gを越えると、キャスト時のドラム密着性の悪化のた
め、厚みむらが悪化するので好ましくない。また、0.
5dl/g未満ではフィルム破れが頻発するため好まし
くない。固有粘度のさらに好ましい範囲は、0.55〜
0.70dl/g、最も好ましくは0.57〜0.65
dl/gである。
【0029】フィルム中に含まれる金属の含有量は5〜
500ppmであることが好ましい。金属含有量がこの
範囲内であれば、厚みむらに優れたフィルムが得られ易
い。金属含有量が5ppm以上であれば、厚みムラが良
化し、金属含有量が500ppm以下であれば、押出時
でのポリマー劣化が少ないため、好ましい。また、金属
含有量のより好ましい範囲は10〜400ppm、さら
に好ましくは50〜300ppmである。
【0030】ポリエステル(A)に金属原子を含有せし
める方法としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等
のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム等のアルカ
リ土類金属、および亜鉛、マンガン等の金属原子を含有
する化合物、ゲルマニウム、アンチモン、およびチタン
からなる化合物、具体的には、酢酸リチウム、酢酸カル
シウム、酢酸マグネシウム、酢酸マンガン、塩化リチウ
ム、塩化マンガンなどを多量に含んだ高電気伝導性ペレ
ットを、原料ポリマと共に押出機に投入する方法が好ま
しく用いられる。
【0031】ゲルマニウム化合物としては、二酸化ゲル
マニウム、結晶水含有水酸化ゲルマニウム等のゲルマニ
ウム酸化物、水酸化物、あるいはゲルマニウムテトラメ
トキシド、ゲルマニウムエチレングリコキシド等のゲル
マニウムアルコキシド化合物、リン酸ゲルマニウム等の
リン含有ゲルマニウム化合物、酢酸ゲルマニウム等を挙
げることができる。
【0032】アンチモン化合物としては、三酸化アンチ
モン、酢酸アンチモン等を挙げることができる。
【0033】また、チタン化合物としては、二酸化チタ
ン等の酸化物、水酸化チタニウム等の水酸化物、テトラ
メトキシチタネート、テトラエトキシチタネート、テト
ラブトキシチタネート等のアルコキシド化合物、テトラ
ヒドロキシエチルチタネート等のグリコキシド化合物、
フェノキシド化合物、酢酸塩等の化合物を挙げることが
できる。
【0034】ポリエステルフィルム中に含有する金属化
合物とリン化合物とのモル比(M/P)は、好ましくは
0.05≦M/P≦3、さらに好ましくは0.2≦M/
P≦2.5、最も好ましくは0.5≦M/P≦2であ
る。M/P値がこの範囲内であれば、溶融押出時のポリ
マー分解が抑制され、フィルム中の粗大異物が減少し、
高品質のフィルムを得ることができ、また、静電印加キ
ャスト性に関与している遊離金属イオン量を、適度な範
囲内にコントロールでき、キャスト性も両立させること
ができる。なお、この場合のMは、M=m*n(mは金
属化合物のモル数、nは価数)である。即ち、アルカリ
金属化合物は1価の金属化合物であるのでそのモル数
(m)がMの値であり、また、アルカリ土類金属、亜鉛
またはマンガン化合物は2価の金属化合物であるのでそ
のモル数(m)*2がMの値である。
【0035】本発明に用いられるポリエステル(A)の
固有粘度は、ポリイミド(B)との溶融混練性、溶融押
出時の分解性等の観点から、好ましくは0.55〜1.
1dl/g、より好ましくは0.6〜0.9dl/g、
最も好ましくは0.61〜0.85dl/gである。
【0036】また、ポリイミド(B)の固有粘度は、ポ
リエステル(A)との溶融混練性、溶融押出時の分解
性、粗大異物低減などの観点から、好ましくは0.5〜
1.3dl/g、より好ましくは0.6〜0.8dl/
g、最も好ましくは0.65〜0.75dl/gであ
る。
【0037】また、ポリエステル(A)の含有量(フィ
ルムを構成する樹脂全体に対する割合)は、得られたポ
リエステルフィルムを二軸延伸して所望の強度を発現さ
せるために60重量%以上であることが好ましく、該フ
ィルムの熱寸法安定性などの特性を発現させるためには
99重量%以下が好ましい。また、より好ましくは60
〜95重量%、さらに好ましくは60〜95重量%、特
に好ましくは70〜90重量%である。
【0038】フィルム中のポリエステル(A)とポリイ
ミド(B)との比率の測定法としては、次の方法が好ま
しく用いられる。ポリエステル(A)とポリイミド
(B)とのブレンドポリマーをヘキサフルオロイソプロ
パノール/クロロホルムのような両者を溶解する適切な
溶媒に溶解し、、1H核のNMRスペクトルを測定す
る。得られたスペクトルで、ポリエステル(A)中の芳
香族プロトンに相当する吸収(PETでは8.1ppm
付近)とポリイミド(B)に含まれるイミド環に帰属さ
れる芳香族のプロトンに相当する吸収のピーク面積強度
をもとめ、その比率とプロトン数よりブレンドのモル比
を算出する。さらにポリマーの単位ユニットに相当する
式量より重量比を算出する。なお、ポリイミド(B)と
してポリエーテルイミドを用いる場合には、ポリエーテ
ルイミド中のビスフェノールAの芳香族のプロトンに相
当する吸収(7.0ppm)を用いてもよい。
【0039】また、他の測定方法としては、ポリエステ
ルは窒素を含有していないため、ポリエステルフィルム
の窒素量分析を行い、得られた窒素量をポリイミド起因
の窒素とすることによって算出する方法を用いても良
い。この場合、フィルムサンプルを800〜950℃で
気化・酸化させ生成した一酸化窒素を化学発光法で測定
し、含窒素ポリマーの標準物で作成した検量線により定
量する方法が好ましく用いられる。
【0040】本発明に用いられるポリエステル(A)中
に含まれるカルボキシル末端基量は、ポリイミド(B)
との押出成形性、溶融混練性、溶融押出時の分解性、粗
大異物低減などの観点から、5〜60当量/tonが好
ましい。より好ましくは20〜50当量/ton、最も
好ましくは30〜45当量/tonである。また、ポリ
イミド(B)中に含まれるカルボキシル末端基量は、粗
大異物低減の観点から1〜20当量/tonが好まし
く、2〜18当量/tonがより好ましく、5〜16当
量/tonが最も好ましい。
【0041】また、本発明の二軸配向ポリエステルフィ
ルムのアミノ末端基量は、押出成形性、熱分解性、生産
性の観点から、0.2〜20当量/tonが好ましい。
より好ましくは0.3〜12当量/ton、最も好まし
くは0.4〜6当量/tonである。
【0042】本発明に用いられるポリイミド(B)中に
含まれるアミノ末端基量は、粗大異物低減の観点から好
ましくは0.2〜15当量/ton、より好ましくは2
〜13当量/ton、最も好ましくは3〜11当量/t
onである。
【0043】また、本発明の二軸配向ポリエステルフィ
ルムのガラス転移温度(Tg)は単一であることが好ま
しい。本発明でいうガラス転移温度は、示差走査熱分析
における昇温時の熱流束ギャップからJIS K712
1に従って求めることができる。示差走査熱分析による
方法のみで判定しにくい場合には、動的粘弾性測定ある
いは顕微鏡観察などの形態学的方法を併用しても良い。
また、示差走査熱分析によってガラス転移温度を判定す
る場合は、温度変調法や高感度法を使用することも有効
である。
【0044】本発明で用いられるポリエステル(A)中
に含まれるジエチレングリコールの量は、粗大異物低減
などの観点から、5重量%以下が好ましい。より好まし
くは2重量%以下、最も好ましくは1重量%以下であ
る。
【0045】本発明の二軸配向ポリエステルフィルム
は、磁気記録材料、コンデンサー、熱転写リボン、感熱
孔版印刷原紙用途などに好ましく用いることが出来る。
【0046】次いで、本発明のフィルムを製造するため
の樹脂組成物を製造する方法について説明するが、本発
明は、下記の製造方法に限定されないことは無論であ
る。
【0047】本発明で用いる2種のポリマーを効率よく
相溶化させるためには、ポリエステル(A)とポリイミ
ド(B)の重量分率(A/B)を10/90〜90/1
0にして混合することが好ましい。重量分率を30/7
0〜70/30に設定するのがより好ましく、40/6
0〜60/40が最も好ましい。このような好ましい重
量分率にて溶融混練を行った場合、粗大異物数が激減
し、高品質の二軸配向フィルムが得られやすいからであ
る。
【0048】また、ポリエステル(A)の重量分率が7
0%を越える樹脂組成物中には粗大分散物が残存し易
く、粗大異物が増加して本発明のポリエステルフィルム
が得られにくくなる傾向があるので、この場合、一度ポ
リエステル(A)とポリイミド(B)の重量分率(A/
B)が10/90〜70/30のペレットを作成し、得
られた樹脂組成物をポリエステル(A)と共に再度溶融
混練し、ポリエステル(A)の重量分率が70%を越え
る二軸配向フィルムを得る方法が好ましい。
【0049】次に、本発明の二軸配向ポリエステルフィ
ルムの製造方法の具体例について説明するが、以下の記
述に限定されないことは無論である。
【0050】ポリエステル(A)として通常の方法によ
り得られたポリエチレンテレフタレート(PET)のペ
レット(固有粘度=0.62dl/g)を用い、このP
ETペレットとポリイミド(B)のペレットまたは粉末
を、所定の割合で混合して、270〜300℃に加熱さ
れたベント式の2軸混練押出機に供給して溶融押出しを
行いペレット化してポリイミド含有ペレット(a)を得
る。このときの剪断速度は50〜300sec-1が好ま
しく、より好ましくは100〜200sec-1、滞留時
間は0.5〜10分が好ましく、より好ましくは1〜5
分の条件である。
【0051】一方、高電気伝導性ペレットの作成には、
以下の様な製造方法が好ましく用いられる。まず、テレ
フタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール7
0重量部に、酢酸マグネシウム0.1重量部と酢酸リチ
ウム0.1重量部を触媒として添加し、常法によってエ
ステル交換反応を行う。その生成物に酢酸マグネシウム
0.7重量部と三酸化アンチモン0.04重量部とエチ
レングリコール3重量部のスラリを添加し、8〜12分
後にトリメチルホスフェート0.3重量部とエチレング
リコール3重量部の溶液を添加する。反応生成物を重縮
合缶に移行し、1〜4時間重合し、固有粘度が0.61
〜0.63dl/gとなった時点で口金から吐出して、
ポリマーを冷却後にカットして、高電気伝導性ペレット
(b)を得る。
【0052】得られたポリイミド含有ペレット(a)
と、0.62〜0.65dl/gの固有粘度を有するP
ETペレットと、高高電気伝導性ペレット(b)とを、
溶融比抵抗が1×107〜1×1010Ω・cm、固有粘
度が0.5〜0.8dl/gとなるような比率で配合
し、ブレンダーにてペレット状態のままドライブレンド
し、180℃で3時間以上真空乾燥した後、押出機に投
入し、280〜320℃にて溶融押出し、繊維焼結ステ
ンレス金属フィルター内を通過させた後、Tダイよりシ
ート状に吐出する。さらに、このシートを表面温度25
〜30℃の冷却ドラム上に密着させて冷却固化し、実質
的に無配向状態のフィルムを得る。
【0053】次に、この未延伸フィルムを二軸延伸し、
二軸配向させる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法ま
たは同時二軸延伸法を用いることができるが、厚みむら
が本発明の範囲内になるよう、最適な延伸条件を適用す
ることが好ましい。最適な条件で延伸するためには、未
延伸フィルムのガラス転移温度(Tg)〜(Tg+50
℃)の範囲で延伸することが好ましい。
【0054】ここでは、数本のロールの配置された縦延
伸機を用いて、ロールの周速差を利用して縦方向に延伸
し(MD延伸)、続いてステンターにより横延伸を行う
(TD延伸)という二軸延伸方法について説明する。
【0055】まず、未延伸フィルムを(Tg)〜(Tg
+50)(℃)の範囲、さらに好ましくは(Tg)〜
(Tg+30)(℃)の範囲にある加熱ロール群で加熱
し、長手方向に1.1〜5.0倍、好ましくは1.5〜
4.0倍、さらに好ましくは2.0〜3.5倍に延伸
し、20〜50℃の冷却ロール群で冷却するという方法
でMD延伸を行う。次に、ステンターを用いて、幅方向
の延伸を行う。その延伸倍率は2.0〜6.0倍、好ま
しくは3.0〜5.5倍、さらに好ましくは4.0〜
5.0倍、温度は(Tg)〜(Tg+50)(℃)の範
囲、さらに好ましくは(Tg)〜(Tg+30)(℃)
の範囲で行う(TD延伸)。必要に応じて、この延伸フ
ィルムを緊張下または幅方向に弛緩しながら、150〜
250℃、好ましくは170〜240℃、さらに好まし
くは160〜220℃の範囲で熱処理する。
【0056】その後、室温に冷却後、フィルムエッジを
除去し、本発明の二軸延伸フィルムを得ることができ
る。
【0057】(物性の測定方法ならびに効果の評価方
法)特性値の測定方法ならびに効果の評価方法は次の通
りである。 (1)厚みむら アンリツ製フィルムシックネステスタKG601A及び
電子マイクロメータK306Cを用い、フィルム長手方
向に10m長、30mm幅でサンプリングしたフィルム
について、フィルム長手方向に沿って連続的に厚みを測
定し、その最大値Ta、最小値Tb、平均値Tcから次
式により算出した。 厚みむら=[(Ta−Tb)/Tc]×100
【0058】(2)溶融比抵抗 一対の電極を挿入した容器内に、被測定物質(フィル
ム)を入れる。この容器を加熱体中に浸す。被測定物質
を窒素ガス雰囲気下280℃で溶融貯留し、直流高圧発
生装置から電圧を印可する。この時の電流計および電圧
計の指示値及び電極面積、電極間距離により、次式に従
い溶融比抵抗(p)を求めた。 p=V×S/(I×D) p:溶融比抵抗(Ω・cm) V:印可電圧 (V) S:電極の面積(cm2) I:測定電流 (A) D:電極間距離(cm)
【0059】(3)固有粘度 オルトクロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度
から、下式により固有粘度[η]を計算して求めた。 ηsp/C=[η]+K[η]2・C ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1 であ
り、Cは、溶媒100mlあたりの溶解ポリマ重量(g
/100ml、通常1.2)、Kはハギンス定数(0.
343とする)である。また、溶液粘度、溶媒粘度はオ
ストワルド粘度計を用いて測定した。単位は[dl/
g]で示す。
【0060】(4)フィルム中の金属含有量 蛍光X線により、ゲルマニウム、アンチモン、チタン、
マグネシウム各元素量の強度をそれぞれの標準物質から
得られた検量線と比較して定量した。 (5)カルボキシル末端基量 ポリマーをオルトクロロクレゾール/クロロホルム(重
量比7/3)に90〜100℃で溶解し、アルカリで電
位差測定して求めた。
【0061】(6)アミノ末端基量 ポリマー1gを100ml用ビーカーに精秤し、クロロ
ホルム/メタノール/フェノール混合溶媒に溶解させ
る。その後、少量の水を加えて撹拌しながら0.1mo
l−HClで電位差滴定を行い定量した。 自動滴定装置:三菱化学製GT−05型 使用電極 :ガラス電極・参照電極。
【0062】(7)ジエチレングリコール量 試料をアミノ分解した後、ガスクロマトグラフィーを用
いてジエチレングリコールの定量を行った。
【0063】
【実施例】本発明を実施例、比較例に基づいて説明す
る。
【0064】実施例1 通常の方法により得られた固有粘度0.85dl/gの
PETのペレット(50重量%)とポリエーテルイミド
(固有粘度=0.68dl/g、カルボキシル末端基量
=5.0当量/ton、アミノ末端基量=0.4当量/
ton(GEプラスチックス株式会社製、登録商標:ウ
ルテム1010))(50重量%)とを、同方向回転型
二軸混練押出機(東芝機械株式会社製、TEM−35
B)を用いて、押出温度300℃、剪断速度150
-1、滞留時間3.5分の条件下で溶融混練後、吐出し
て水冷後ペレタイズしてポリエーテルイミド(PEI)
を50重量%含有したPET系混合ペレット(a)を得
た。
【0065】一方、高電気伝導性ペレットは、以下の方
法にて製造した。まず、テレフタル酸ジメチル100重
量部、エチレングリコール70重量部に、酢酸マグネシ
ウム0.1重量部と酢酸リチウム0.1重量部を触媒と
して添加し、常法によってエステル交換反応を行う。そ
の生成物に酢酸マグネシウム0.8重量部と三酸化アン
チモン0.04重量部とエチレングリコール3重量部の
スラリを添加し、10分後トリメチルホスフェート0.
3重量部とエチレングリコール3重量部の溶液を添加す
る。反応生成物を重縮合缶に移行し、3時間重合し、口
金から吐出して、ポリマーを冷却後カットして、高電気
伝導性ペレット(b)を得た。
【0066】得られた混合ペレット(a)20重量%と
常法により得られた固有粘度0.65のPETペレット
75重量%と、高電気伝導性ペレット(b)(Mg含有
量:900ppmのPETペレット)5重量%とをドラ
イブレンドし、180℃で3時間乾燥した。該混合ペレ
ットを、単軸押出機(φ=90mm、L/D=28)に
投入し、繊維焼結ステンレス金属フィルター(1.2μ
mカット)内を剪断速度10秒-1で通過させた後、Tダ
イよりシート状に吐出した。該シートを表面温度25℃
の冷却ドラム上に、10kVの電圧で静電印加法を用い
ながらドラフト比10で20m/分の速度で密着固化さ
せ急冷し、実質的に無配向の未延伸フィルムを得た。得
られた未延伸フィルムの溶融比抵抗は7×107Ω・c
m、固有粘度は0.61dl/gであり、厚みむらは2
%であった。
【0067】続いて、未延伸フィルムを、加熱された複
数のロール群からなる縦延伸機を用い、ロールの周速差
を利用して、105℃の温度で3.4倍延伸(MD延
伸)し、続いて、ステンターを用いて100℃の温度で
3.65倍延伸(TD延伸)を行い、190℃で熱処理
を行い、室温に冷却後、フィルムエッジを除去し厚さ1
0μmの二軸延伸フィルムを得た。
【0068】得られたフィルムは延伸による厚みむらの
悪化が少なく、厚みむらは8%と厚み精度に優れたフィ
ルムであった。
【0069】実施例2 各成分の混合比率を表1のとおりに変更した以外は、実
施例1と同様の方法にて未延伸フィルムを得た。得られ
た未延伸フィルムの溶融比抵抗は1×108Ω・cm、
固有粘度は0.63dl/gであり、厚みむらは2%で
あった。
【0070】続いて、未延伸フィルムを、加熱された複
数のロール群からなる縦延伸機を用い、ロールの周速差
を利用して、110℃の温度で3.4倍延伸(MD延
伸)し、続いて、ステンターを用いて105℃の温度で
3.65倍延伸(TD延伸)を行い、190℃で熱処理
を行い、室温に冷却後、フィルムエッジを除去し厚さ1
0μmの二軸延伸フィルムを得た。
【0071】得られたフィルムは延伸による厚みむらの
悪化が少なく、厚みむらは9%と厚み精度に優れた二軸
延伸フィルムであった。
【0072】実施例3 ポリイミド(B)として固有粘度1.20dl/gのポ
リエーテルイミドを用いた以外は、実施例1と同様に製
膜を行った。得られたフィルムの溶融比抵抗、および固
有粘度が本発明の範囲内であったため、厚み精度に優れ
た二軸延伸フィルムであった。
【0073】実施例4 ポリエステル(A)としてポリエチレン−2,6−ナフ
タレート(PEN)(固有粘度:0.65dl/g)を
用いた以外は、実施例1と同様にして二軸配向フィルム
を得た。得られたフィルムの溶融比抵抗、および固有粘
度が本発明の範囲内であったため、厚み精度に優れた二
軸延伸フィルムであった。
【0074】実施例5 高電気伝導性ペレットの成分として、マンガン(Mn)
を750ppm含有するPETペレットを使用した以外
は、実施例1と同様にして二軸配向フィルムを得た。得
られたフィルムの溶融比抵抗、および固有粘度が本発明
の範囲内であったため、厚み精度に優れた二軸延伸フィ
ルムであった。
【0075】実施例6 実施例1と同様の方法にて、未延伸フィルムを得た。
【0076】続いて、未延伸フィルムを、数本のロール
の配置された縦延伸機を用いて、ロールの周速差を利用
して115℃で縦方向に3.5倍延伸(MD延伸1)
し、続いてステンターにより110℃で3.7倍の横延
伸(TD延伸1)を行い、さらにロール縦延伸機を用い
145℃で1.65倍の再縦延伸(MD延伸2)後、ス
テンターにより190℃で1.4倍の再横延伸(TD延
伸2)を行った。その後、200℃で熱処理を行い、室
温に冷却後、フィルムエッジを除去し厚さ6.9μmの
二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの厚みムラ
は3%と、厚み精度に優れたフィルムであった。
【0077】実施例7,8 本実施例ではポリエーテルイミド“ウルテム”以外の下
記ポリイミドa,bを使用して作成した二軸配向ポリエ
ステルフィルムの例を示す。 (1)ポリイミドa イソホロンジイソシアネート200gを窒素雰囲気下で
N−メチルー2−ピロリドン(NMP)3000ml中
に添加し攪拌する。次いで、この溶液に無水ピロメリッ
ト酸196gを室温で添加した後、徐々に昇温する。そ
の後、180℃で6時間加熱すると、二酸化炭素の発生
が終了したので加熱を止めた。このポリマー溶液を水中
に展開して洗浄した後、ここで得られたポリマーを乾燥
しポリイミドaを得た。 (2)ポリイミドb 窒素気流下にて、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
147g(0.5mol)をN−メチル−2−ピロリド
ン300gに投入した。この溶液に、トランス−1,4
−ジアミノシクロヘキサン57g(0.5mol)をN
MP17.6gに溶解したものを滴下し、室温で2時
間、さらに50℃で4時間攪拌しポリアミド酸溶液を得
た。この溶液を冷却後、水500mlに投入し、ポリマ
ーを析出させた。析出したポリマーを濾取し、窒素中、
250℃で2時間熱処理し、目的のポリイミドbを得
た。
【0078】ここで得たポリイミドa,bをポリエーテ
ルイミド“ウルテム”の代わりに使用した以外は実施例
1と同様の方法で製膜し、厚さ10μmの二軸配向ポリ
エステルフィルムを得た。なお、実施例7はポリイミド
aを10重量%添加したフィルムであり、実施例8はポ
リイミドbを10重量%添加したフィルムである。
【0079】この二軸配向ポリエステルフィルムの組成
・特性等は、表1、表2に示したとおりであり、厚みム
ラの少ない厚み精度に優れたフィルムが得られた。
【0080】比較例1 高電気伝導性ペレットを使用しなかった以外は、実施例
1と同様に製膜を行った。得られたフィルムの溶融比抵
抗は1×1011Ω・cmと本発明の範囲外であったた
め、厚み精度に劣ったフィルムしか得られなかった。
【0081】比較例2 ポリエステル(A)として固有粘度1.4dl/gのP
ETペレットを用い、ポリイミド(B)として固有粘度
1.20dl/gのポリエーテルイミドを用いた以外
は、実施例1と同様にして製膜を行った。得られたフィ
ルムの溶融比抵抗は5×108Ω・cmであるが、固有
粘度が0.9dl/gと本発明の範囲外であったため、
厚み精度に劣ったフィルムしか得られなかった。
【0082】比較例3、4 ポリエステル(A)とポリイミド(B)と高電気伝導性
ペレット(b)の混合比率を表1のとおりに変更した以
外は、実施例1と同様に製膜を行った。得られたフィル
ムは本発明の特性を満足せず、厚みむらに劣ったフィル
ムであった。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】
【発明の効果】本発明によれば、ポリエステルとポリイ
ミドとからなるフィルムであって、かつ、耐熱性と厚み
精度に優れた二軸配向ポリエステルフィルムとすること
ができる。従って、本発明のフィルムは、磁気テープの
ベースフィルムやコンデンサー用途など、特に厚み精度
が必要とされる用途に好ましく用いることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 79:00 B29K 79:00 B29L 7:00 B29L 7:00 Fターム(参考) 4F071 AA43 AA60 AF14 AF45 AH03 AH04 AH16 BA01 BB06 BB08 BC01 4F210 AA40 AA41 AG01 AH33 AH38 AH46 QC05 QC06 QG01 QG18 4J002 CF041 CF051 CF061 CF071 CF081 CM042 GG02 GL00 GQ00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル(A)とポリイミド(B)
    とからなるポリエステルフィルムであって、厚みむらが
    0〜15%、溶融比抵抗が1×107〜1×1010Ω・
    cm、かつ、固有粘度が0.5〜0.8dl/gである
    ことを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 ポリイミド(B)がポリエーテルイミド
    である請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィル
    ム。
  3. 【請求項3】 フィルム中に含まれる金属の含有量が、
    5〜500ppmであることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 フィルム中に含有される金属化合物とリ
    ン化合物とのモル比(M/P)が、0.05≦M/P≦
    3であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 ポリイミド(B)の含有量が1〜40重
    量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
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