JP2000355631A - ポリエステルフィルムとその製造方法 - Google Patents

ポリエステルフィルムとその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエステルとポリエーテルイミドからな
り、表面粗大突起が少なく、透明性、熱寸法安定性、生
産性に優れ、磁気テープ用途をはじめ、感熱転写リボ
ン、感熱孔版、コンデンサーなどの各種用途に対して広
く活用可能なポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 ポリエステル(A)とポリエーテルイミ
ド(B)からなり、単一のガラス転移温度を有するポリ
エステルフィルムであって、突起高さ0.5μm以上の
表面粗大突起が30個/100cm2 未満であるポリエ
ステルフィルムである。このフィルムを用い、データス
トレージ用途、デジタルビデオ用途等に好適な高密度磁
気記録媒体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルム物性や品
質を大幅に向上させたポリエステルフィルムおよびその
製造法に関する。具体的には、熱寸法安定性、透明性に
優れ、生産性も良好である、磁気記録用フィルム、包装
用フィルム、および感熱孔版印刷原紙用、写真・製版
用、感熱転写リボン用、電気絶縁用、コンデンサー用等
の各種工業材料用フィルムとして適したポリエステルフ
ィルムおよびその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチックフィルムは、他の素材から
は得られないような大面積のフィルムの連続生産が可能
であって、その強度、耐久性、透明性、柔軟性、表面特
性の付与などに優れるので、その特長を活かして、磁気
記録用、農業用、包装用、建材用などの大量な需要のあ
る分野で用いられている。中でも、二軸配向ポリエステ
ルフィルムは、その優れた機械的特性、熱的特性、電気
的特性、耐薬品性のために、さまざまな分野で利用され
ており、特に磁気テープ用ベースフィルムとしての有用
性は、他のフィルムの追随を許さないものである。しか
し、ポリエステルフィルムには、用途によっては熱寸法
安定性や耐熱性が十分ではなく、磁気記録用途をはじめ
各種工業材料用フィルムへの適用に際して限界があっ
た。また、一般に熱寸法安定性や耐熱性を高める上でポ
リエステルのガラス転移温度を高めることが有効である
が、そのための有効な手段は見出されていなかった。
【0003】本発明と関係する、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)とポリエーテルイミド(PEI)のブ
レンドポリマーにおいては、PEI分率の増加に伴って
ガラス転移温度が上昇することが知られている(例え
ば、米国特許4141927号明細書、「JOURNA
L of APPLIED POLYMER SCIE
NCE,Vol.48,P935−937(1993)」、
「Macromolecules,Vol.28,P284
5−2851(1995)」、「POLYMER,Vol.
38,P4043−4048(1997)」等)。
【0004】しかしながら、これらの文献には、PET
とPEIからなり、これらポリマーやその熱分解物等か
らなる粗大突起が認められない高品質のポリエステルフ
ィルムは開示されておらず、また、該フィルムの延伸配
向性ならびに二軸配向ポリエステルフィルムの透明性、
寸法安定性、強度等のフィルム品質についても全く記載
されていない。また、上記米国特許明細書は、溶液法ま
たはブラベンダー等の溶融混練装置による溶融法によっ
て、PETとPEIの相溶性ブレンドを得る方法を開示
している。溶液法により相溶性ブレンドを作成しシート
状にキャストする方法では、溶媒分子を製膜後に除去し
なければならず、フィルムのキャスト速度も遅いため低
コストで製膜することが困難である。また、ブラベンダ
ー、バンバリーミキサーを用いて相溶性ブレンドを得る
場合、溶融剪断場で10分間以上の滞留時間が必要とな
り、工業的に連続製膜することができないという問題が
あった。また、本発明者らの知見によれば、従来技術に
よる溶融法によるPETとPEIのブレンドフィルム
は、示差走査熱量測定で得られるガラス転移温度が単一
であっても、ポリエーテルイミドや熱分解・ゲル化物等
による分散ドメインからなる表面粗大突起が多数存在す
るため、高品質のポリエステルフィルムが得られず、ま
た延伸時にフィルム破れが多発するといった問題があっ
た。
【0005】以上述べたように、PETとPEIから単
一のガラス転移温度を有する相溶性ブレンド物が得られ
ることは公知であるが、該相溶性ブレンド物からなるフ
ィルムを工業的生産する上で有用な製膜条件については
過去に知見がなく、PETとPEIからなり、単一のガ
ラス転移温度を有するポリエステルフィルムを実用生産
できないというのが当該分野の現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題を解決し、透明性、熱寸法安定性に優れ、生産性の
点でも優れ、各種用途へ展開可能な高品質のポリエステ
ルフィルムとその製造法を提供することにある。また、
本発明は、データストレージ用途、デジタルビデオ用途
等、高密度磁気記録用途に特に好ましく適用できるポリ
エステルフィルムとこれを使用してなる磁気記録媒体を
提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討した。その結果、ポリエステル
(A)とポリエーテルイミド(B)を特定の条件下で溶
融押出・製膜を行うと、単一のガラス転移温度を有し、
突起高さ0.5μm以上の表面粗大突起が30個/10
0cm2 未満である、透明性、生産性に優れたポリエス
テルフィルムが得られることを見出し、本発明を完成さ
せるに至った。
【0008】すなわち、本発明のポリエステルフィルム
は、ポリエステル(A)とポリエーテルイミド(B)か
らなり、単一のガラス転移温度を有するポリエステルフ
ィルムであって、突起高0.5μm以上の表面粗大突起
が30個/100cm2 未満であることを特徴とする。
【0009】また、本発明のポリエステルフィルムの製
造方法は、ポリエステル(A)とポリエーテルイミド
(B)を押出機に投入し、(1)スクリュー剪断速度を
30秒 -1以上、300秒ー1未満、(2)ポリマー温度を
280℃以上、320℃以下、(3)ポリマーの吐出時
間を60秒以上、10分以下に設定した条件下で溶融押
出して樹脂シートを得る工程を含む方法により、エチレ
ンテレフタレートを主成分とするポリエステル(A)と
ポリエーテルイミド(B)からなり、単一のガラス転移
温度を有し、突起高さ0.5μm以上の表面粗大突起が
30個/100cm2 未満であるポリエステルフィルム
を製造することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明でいうポリエステルとは、
ジオールとジカルボン酸の縮重合により得られるポリマ
ーを少なくとも80重量%含有するポリマーである。ジ
カルボン酸とは、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸
などで代表されるものであり、また、ジオールとは、エ
チレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメ
チレングリコール、シクロヘキサンジメタノールなどで
代表されるものである。具体的には、例えば、ポリメチ
レンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リプロピレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレ
ート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン−p−オキシベンゾエート、ポリ−1,4−シクロヘ
キシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−
2,6−ナフタレートを挙げることができる。
【0011】勿論、これらのポリエステルは、ホモポリ
マーであってもコポリマーであってもよく、コポリマー
の場合、共重合成分として、例えば、ジエチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコ
ールなどのジオール成分、アジピン酸、セバチン酸、フ
タル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸などのジカルボン酸成分、ヒドロキシ安息香酸、6ー
ヒドロキシー2ーナフトエ酸などのヒドロキシカルボン
酸成分を含有していてもよい。
【0012】本発明の場合、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2,6−ナフタレートおよびこれら
の共重合体および変成体が好ましく、中でもエチレンテ
レフタレート単位を少なくとも70モル%以上含有する
ポリマーが本発明の効果発現の観点から特に好ましい。
この場合、酸成分は、テレフタル酸が主成分であるが、
少量の他のジカルボン酸成分を共重合してもよく、また
グリコール成分は、エチレングリコールを主成分とする
が、他のグリコール成分を共重合成分として加えてもよ
い。テレフタル酸以外のジカルボン酸としては、例えば
ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルス
ルフォンジカルボン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、
4、4´−ジフェニルジカルボン酸、3、3´−ジフェ
ニルジカルボン酸、などの芳香族ジカルボン酸、アジピ
ン酸、コハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
ジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレ
フタル酸、1、3−アダマンタンジカルボン酸などの脂
環族ジカルボン酸をあげることができる。また、エチレ
ングリコール以外のグリコール成分としては、例えば、
クロルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、4、4
´−ジヒドロキシビフェニル、4、4´−ジヒドロキシ
ジフェニルスルフォン、4、4´−ジヒドロキシジフェ
ニルスルフィド、4、4´−ジヒドロキシベンゾフェノ
ン、p−キシレングリコールなどの芳香族ジオール、
1、3−プロパンジオール、1、4−ブタンジオール、
1、6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、
1、4−シクロヘキサンジメタノールなど、1、4−ブ
タンジオール、1、6−ヘキサンジオール、ネオペンチ
ルグリコールなどの脂肪族、脂環式ジオールをあげるこ
とができる。また、さらに酸成分、グリコール成分以外
に、p−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香
酸、2、6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロ
キシカルボン酸およびp−アミノフェノール、p−アミ
ノ安息香酸などを本発明の目的を損なわない程度の少量
であればさらに共重合せしめることができる。
【0013】本発明に用いられるポリエステル(A)の
固有粘度は、ポリエーテルイミド(B)との溶融混練
性、製膜性、溶融押出時の分解性等の観点から、好まし
くは0.55〜2.0dl/g、より好ましくは0.6
〜1.4dl/g、最も好ましくは0.70〜1.0d
l/gである。
【0014】本発明でいうポリエーテルイミドとは、脂
肪族、脂環族または芳香族系のエーテル単位と環状イミ
ド基を繰り返し単位として含有するポリマーであり、溶
融成形性を有するポリマーであれば、特に限定されな
い。例えば、米国特許第4141927明細書、特許第
2622678号公報、特許第2606912号公報、
特許第2606914号公報、特許第2596565号
公報、特許第2596566号公報、特許第25984
78号公報記載のポリエーテルイミド、特許第2598
536号公報、特許第2599171号公報、特開平9
−48852公報、特許第2565556号公報、特許
第2564636号公報、特許第2564637号公報
公報、特許第2563548号公報、特許第25635
47号公報、特許第2558341号公報、特許第25
58339号公報、特許第2834580号公報に記載
のポリマーである。本発明の効果を阻害しない範囲であ
れば、ポリエーテルイミド(B)の主鎖に環状イミド、
エーテル単位以外の構造単位、例えば、芳香族、脂肪
族、脂環族エステル単位、オキシカルボニル単位等が含
有されていてもよい。
【0015】具体的なポリエーテルイミドとしては、下
記一般式で示されるエーテル結合を有するポリマーを例
示することができる。
【0016】
【化1】 (上記式中R1 は、6〜30個の炭素原子を有する2価
の芳香族または脂肪族残基;R2 は6〜30個の炭素原
子を有する2価の芳香族残基、2〜20個の炭素原子を
有するアルキレン基、2〜20個の炭素原子を有するシ
クロアルキレン基、及び2〜8個の炭素原子を有するア
ルキレン基で連鎖停止されたポリジオルガノシロキサン
基からなる群より選択された2価の有機基である。) 上記R1 、R2 としては、例えば、下記式群に示される
芳香族残基を挙げることができる。
【0017】
【化2】 本発明では、ガラス転移温度が350℃以下、より好ま
しくは250℃以下のポリエーテルイミドが好ましく、
ポリエステル(A)との相溶性、コスト、溶融成形性等
の観点から、下記式で示される構造単位を有する、2,
2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フ
ェニル]プロパン二無水物とm−フェニレンジアミンま
たはp−フェニレンジアミンとの縮合物が特に好まし
い。このポリエーテルイミドは、「ウルテム1000ま
たは5000シリーズ」の商標名で知られているもので
あり、ジーイープラスチックス社より入手可能である。
【0018】
【化3】 または
【化4】
【0019】本発明で開示する二軸配向ポリエステルフ
ィルムは、単一のガラス転移温度(Tg)を有し、突起
高さ0.5μm以上の表面粗大突起が30個/100c
2未満であることが必須である。フィルムが単一のT
gを有するか否かは、示差走査熱分析、動的粘弾性測定
等の各種分析を用いて判定することができる。固体物性
による方法のみで判定しにくい場合には、顕微鏡観察な
どの形態学的方法を併用してもよい。また、示差走査熱
分析によってTgを判定する場合は、温度変調法や高感
度法を使用することが有効である。尚、この判定の際に
は示差走査熱分析測定で検知される可逆的比熱変化が5
mJ/g/℃以下のガラス転移温度は無視する。この判
定方法によってガラス転移温度が2つ以上検出される場
合には、フィルム中でポリエステル(A)とポリエーテ
ルイミド(B)が充分相溶しておらず、フィルム中に、
ポリエステル(A)、ポリエーテルイミド(B)および
その熱分解物または反応物等からなる分散ドメインが多
数存在することとなるので、本発明の目的とする高品質
のフィルムが得られない。
【0020】突起高さ0.5μm以上の表面粗大突起が
フィルム中に30個/100cm2以上存在すると、各
種フィルム用途で問題になるばかりでなく、フィルムの
延伸性が大幅に悪化し、フィルム破れの頻度が高くなっ
たり、均一延伸性が大幅に低下する。突起高さ0.5μ
m以上の表面粗大突起は、延伸性、製膜性、透明性、お
よび磁気記録媒体用フィルムとして適用した場合のテー
プの電磁変換特性、耐信号欠落性の観点から、10個/
100cm2 未満であることがより好ましく、5個/1
00cm2 未満であることがさらに好ましい。
【0021】溶液法によるフィルム中には、溶液製膜で
通常使用されるN,N−ジメチルホルムアミド、N−メ
チルピロリドン等の溶媒分子が残存するが、本発明のフ
ィルムは溶融押出によってシート状に成形したものであ
るため、溶媒分子は含まれないことは無論である。
【0022】本発明では、各種フィルム用途への展開の
観点からフィルムのヘイズ値は0.1%以上、15%以
下であることが好ましい。本発明でいうヘイズ値とは、
フィルム試験片をテトラリン中に浸漬して測定した25
μm換算の内部ヘイズ値(%)である。本発明によれ
ば、この25μm換算の内部ヘイズ値を0.1〜15%
とすることができ、透明性に優れたポリエステルフィル
ムを得ることができる。本発明者らの知見によれば、ヘ
イズ値を0.1%未満にすることは、工業的に極めて難
しく、ポリエステルフィルムの場合には実用上の必須要
件ではない。より好ましいヘイズ値の範囲は、0.3〜
10%、さらに好ましくは1.0〜5.0%である。
【0023】本発明では、延伸性、透明性、熱寸法安定
性等のフィルム品質の観点から、フィルム中における前
記ポリエーテルイミド(B)の含有量は1〜50重量%
であることが好ましく、より好ましくは5〜40重量
%、さらに好ましくは10〜35重量%である。ポリエ
ステル(A)とポリエーテルイミド(B)を押出機にて
混練して互いに相溶させ、ポリエステル(A)の耐熱性
を改良するには、ポリエーテルイミド(B)の含有量は
1重量%以上とすることが好ましい。また、溶融押出工
程で得られたフィルムに対して二軸延伸および熱処理を
施して、フィルムに強度、寸法安定性を付与する観点か
らは、ポリエーテルイミド(B)の含有量を50重量%
以下に抑えポリエステル(A)を50重量%以上とする
ことが好ましい。
【0024】本発明のフィルムの固有粘度(IV)は
0.55dl/g以上、2.0dl/g以下であること
が表面欠点、異物、表面粗大突起の低減、ならびに製膜
性の観点から好ましい。固有粘度が0.55dl/g未
満のフィルムは製膜時にフィルム破れが多発し、安定に
製膜することが困難である。好ましいフィルムの固有粘
度は、0.60〜1.0dl/gの範囲であり、さらに
好ましくは0.63〜0.85dl/gの範囲であり、
0.65〜0.80dl/gの範囲が最も好ましい。フ
ィルムの固有粘度が2.0dl/gを越えるフィルムは
溶融押出時に剪断発熱が大きくなり、熱分解・ゲル化物
がフィルム中に増加し、高品質のポリエステルフィルム
が得られにくくなる傾向があるので注意が必要である。
【0025】本発明のフィルムは、長手方向または幅方
向のうち少なくともいずれか一方向に配向していること
が好ましい。延伸配向させることにより、強度や寸法安
定性をより高めることができ、各種フィルム用途へ展開
可能な高品質のポリエステルフィルムが得られるからで
ある。本発明で開示する溶融押出条件で製膜したフィル
ムは、ポリエステル(A)とポリエーテルイミド(B)
が充分に相溶し、これらのポリマーおよびその熱分解ゲ
ル化物、反応物による分散ドメインが極めて少ないた
め、良好な延伸・製膜性を有し、高倍率延伸も可能であ
る。
【0026】本発明では、寸法安定性の観点から、フィ
ルムの長手方向および幅方向の100℃での熱収縮率は
1%以下であることが好ましい。より好ましくは、10
0℃の熱収縮率0.5%以下である。100℃の熱収縮
率が1%を越える場合は、磁気テープ用のフィルムとし
て使用した際に、磁気テープと記録ヘッドとの摩擦熱に
より、変形が起こり、スキュー特性が悪化したり、テー
プの保存性が悪化する傾向があるので注意すべきであ
る。
【0027】本発明の二軸配向フィルムの長手方向のヤ
ング率(YMD)と幅方向のヤング率(YTD)の和(YMD
+YTD)は、7〜25GPaの範囲であることが好まし
く、より好ましくは10〜22GPa、最も好ましくは
12〜20GPaである。ヤング率の和が7GPa以上
であれば、厚みむらの小さい高品質フィルムが得られ易
く、またヤング率の和が25GPa以下であると、フィ
ルムの透明性、製膜性に優れた二軸配向フィルムが得ら
れ易いからである。
【0028】本発明のフィルムの面配向係数は0.03
〜0.190であることが好ましい。面配向係数が0.
03未満では、長期保存時に透明性が悪化したり、フィ
ルムの厚みむらが大きく高品質のフィルムが得られにく
いからである。より好ましい面配向係数の範囲は、本発
明の効果を達成する観点から、0.08〜0.175で
あり、さらに好ましくは、0.100〜0.165であ
る。
【0029】本発明のフィルムの厚みは、0.5〜30
0μmであり、用途、目的に応じて適宜決定できるが、
0.5〜100μmの範囲が好ましく、0.5〜20μ
mの範囲がさらに好ましい。磁気記録材料用途では、1
μm以上から15μm以下、データストレージおよびデ
ジタルビデオ用塗布型磁気記録媒体用途では2μm以上
から10μm以下、データストレージおよびデジタルビ
デオ用蒸着型磁気記録媒体用途では3μm以上から9μ
m以下の範囲が好ましい。また、コンデンサー用途で
は、フィルムの厚みは0.5〜15μmが好ましく、こ
の厚み範囲にあると、絶縁破壊電圧および誘電特性に優
れたフィルムとなる。また、熱転写リボン用途では、好
ましくは1〜6μmのフィルムが有効であり、このフィ
ルムは、印字する際のしわがなく、印字むらやインクの
過転写を生じることなく、高精細な印刷を可能とする。
感熱孔版原紙用途では、0.5〜5μmの厚みのフィル
ムが好ましい。この厚み範囲のフィルムは、低エネルギ
ーでの穿孔性にも優れ、エネルギーレベルに応じて穿孔
径を変化させることが可能であり、複数版でのカラー印
刷を行う場合などの印刷性にもすぐれている。
【0030】本発明では、各種フィルム用途への展開、
安定製膜の観点から、フィルムの長手方向の厚みむらは
10%未満であることが好ましい。フィルムの厚みむら
は、8%未満がより好ましく、6%未満が最も好まし
い。
【0031】本発明のフィルムには、相溶化剤、無機粒
子や有機粒子、その他の各種添加剤、例えば酸化防止
剤、帯電防止剤、結晶核剤などを本発明の効果が損なわ
れない程度の少量であれば添加することができる。
【0032】次いで、本発明のフィルムの製造方法につ
いて説明するが、本発明は、下記の製造方法に限定され
ない。
【0033】本発明の製造方法は、ポリエステル(A)
とポリエーテルイミド(B)を押出機に投入し、(1)
スクリュー剪断速度を30秒-1以上、300秒-1未満、
(2)ポリマー温度を280℃以上、320℃以下、
(3)ポリマーの吐出時間を60秒以上、10分以下に
設定した条件下で溶融押出して樹脂シートを得る工程を
含む方法により、本発明のポリエステルフィルムを製造
することを特徴とするものである。この本発明法は、ポ
リエステル(A)としてエチレンテレフタレートを主成
分とするポリエステルを使用する場合により好ましく適
用できる。
【0034】上記(1)については、押出機のスクリュ
ー剪断速度(=πDN/h、D:スクリュー直径、N:
スクリュー回転数、h:スクリュー計量部の溝深さ)は
50秒-1以上、250秒-1未満がより好ましく、90秒
-1以上、200秒-1未満に設定するのが、ポリエステル
(A)の熱分解抑止およびポリエステル(A)とポリエ
ーテルイミド(B)の相溶化の観点からさらに好まし
い。また、溶融押出時に使用するスクリューはフルフラ
イト、バリアフライト等、いかなる形状のスクリューを
使用してもよいが、ポリエステル(A)またはポリエー
テルイミド(B)の微分散化の促進と相溶化ならびに粗
大分散物の低減の観点から、スクリューの長さと直径の
比が20以上、好ましくは25以上の各種ミキシング型
スクリューを使用することが好ましい。ミキシング型ス
クリューとは、スクリュー圧縮部、計量部またはこれら
の中間の位置にミキシング部を有するスクリューであ
り、例えばフルーテッドバリア、ダルメージ、ユニメル
ト、多条ピン等を有したスクリューが挙げられる。押出
機は一軸でも二軸混練タイプのいずれでもよいが、高剪
断・低発熱タイプのスクリューを使用することが有効
で、一軸タイプの場合にはタンデム押出機も好ましく使
用できる。
【0035】また本発明では、ポリエステル(A)とポ
リエーテルイミド(B)の相溶化およびポリエステル
(A)の熱分解抑制の観点から、ポリマー温度を290
℃以上、310℃以下とするのが好ましい。また、ポリ
マーの吐出時間は90秒以上、6分以下とするのがより
好ましく、2分以上、4分以下に設定するのが最も好ま
しい。なお、ここでポリマー温度とは口金先端の中央部
を通過するポリマーの温度を直接熱電対で測定した温度
であり、ポリマーの吐出時間とは押出機および単管、フ
ィルター、口金も含めた押出工程の全容積Vをポリマー
の吐出量Qで割った値V/Qである。吐出時間は、フィ
ーダー、ギアポンプの運転条件や押出機のスクリュー回
転数を変更することにより適宜変更できる。
【0036】また、本発明では、ポリエステル(A)と
ポリエーテルイミド(B)の重量分率(A/B)が10
/90〜90/10で、かつポリエステル(A)または
ポリエーテルイミド(B)を主成分とする分散ドメイン
の平均分散径が1μm未満であるブレンドチップをマス
ターチップとして押出機に投入することが好ましい。ポ
リエステル(A)またはポリエーテルイミド(B)を主
成分とする分散ドメインを1μm未満にしたブレンドチ
ップをマスターチップとして使用し、前記溶融押出条件
でフィルムを成形することが本発明で開示するフィルム
を得る上で好ましい。使用するポリエステル(A)とポ
リエーテルイミド(B)の種類にもよるが、2種のポリ
マーを効率良く相溶化させるには、マスター原料中のポ
リエステル(A)とポリエーテルイミド(B)の重量分
率(A/B)は、好ましくは10/90〜70/30、
さらに好ましくは30/70〜70/30、最も好まし
くは40/60〜60/40である。
【0037】このような好ましい重量分率のブレンドチ
ップをマスターチップとして押出機に投入して製膜した
場合、突起高さ0.5μm以上の表面粗大突起の数が激
減し、高品質のポリエステルフィルムが得られ易い。例
えば、ポリエーテルイミド(B)を高濃度に添加したポ
リエステル(A)/ポリエーテルイミド(B)のブレン
ド原料を予め作成し、この高濃度でPEIを含有するブ
レンド原料をポリエステル原料で希釈して、フィルムに
押出成形すると、剪断力が効果的に伝わるためか、驚く
ほど、両ポリマーの分散および分配混合が効果的に進行
し、フィルム中の粗大粒物を激減できるのである。ポリ
エステル(A)の溶融押出温度である280〜320℃
の温度領域は、ポリエーテルイミドの通常の成形温度
(350〜400℃)よりも低いが、ポリエステル
(A)とポリエーテルイミド(B)が相溶性良好である
ためか、ポリエーテルイミド(B)の溶融粘度から推定
されるような大きな剪断発熱も発生せず、高品質のポリ
エステルフィルムが得られるのである。
【0038】使用するポリマーの種類にもよるが、ポリ
エステル(A)の重量分率が90%を越えるマスターチ
ップを使用した場合には、本発明で開示する高品質のフ
ィルムは殆ど得られず、また70%を越えるマスターチ
ップ中には粗大粒物が残存し易く、このようなマスター
チップを使用して製膜した場合、表面粗大突起が増加し
て本発明のフィルムが得られにくくなる傾向があるので
注意すべきである。また、これとは逆に、ブレンド原料
中のポリエステル(A)の重量分率が10重量%未満の
場合は、(1)ブレンド原料作成時に、押出機での剪断
発熱が大きくなるため、樹脂温度が過度に上昇し、その
結果、ポリエステル(A)の熱分解・ゲル化が進行し、
フィルムの品質が低下し易くなる、(2)該ブレンド原
料とポリエステル(A)を再度、押出機に投入して溶融
混合する際に、両ポリマーの相溶化が十分進まず、単一
のガラス転移温度を有する本発明のフィルムが得られに
くくなる、等の問題が発生し易くなるので注意すべきで
ある。
【0039】なお、本発明では、ポリエステル(A)ま
たはポリエーテルイミド(B)を主成分とする分散ドメ
インの平均分散径は0.5μm未満、より好ましくは
0.2μm未満に微分散させておくのが本発明のフィル
ムを得る上でより好ましい。この平均分散径が1μmを
越える場合には、フィルムに押出成形する際の条件を変
更しても本発明のポリエステルフィルムを得るのが難し
くなる。
【0040】このようなポリエーテルイミド(B)が微
分散したマスターチップを作成するには、固有粘度が
0.65〜2.0dl/gのポリエステル(A)の原料
および固有粘度が0.65〜2.0dl/gのポリエー
テルイミド(B)の原料を使用し、原料の固有粘度比
(ポリエステル(A)の固有粘度/ポリエーテルイミド
の固有粘度(B))を1.1〜1.7の範囲とするよう
に、両ポリマーを選択して使用しマスターチップとする
ことが好ましい。該原料チップのより好ましい固有粘度
比は1.3〜1.55である。また、ポリエステル
(A)とポリエーテルイミド(B)を、一定の割合で2
軸混練ペレタイザーに投入して溶融混合する際に、樹脂
圧力、スクリュー剪断速度を高めたり、吐出時間を1〜
10分の時間範囲内で適宜調整することも、本発明で開
示する好ましいマスターチップを作成する上で有効であ
る。
【0041】また本発明では、フィルムの長手方向およ
び幅方向にトータル面積倍率2〜100倍で延伸した
後、150〜260℃の温度で熱処理することが好まし
い。ここで、トータル面積倍率とは、長手方向の延伸倍
率と幅方向の延伸倍率の積である。トータル面積倍率が
2倍未満の場合、長期保存時にフィルムのヘイズが悪化
することがあり、またこれとは逆に100倍を越えると
延伸時にフィルムの破れ頻度が高くなり生産性が低下す
るので注意すべきである。この延伸操作におけるトータ
ル面積倍率は10倍以上に設定することが、剛性、熱寸
法安定性の観点から好ましい。より好ましいトータル面
積倍率は、15〜70倍であり、20〜50倍がさら好
ましい。
【0042】延伸の方法としては、逐次二軸延伸法また
は同時二軸延伸法を用いることができる。また、本発明
では、フィルムの縦方向と横方向に一回ずつ延伸する、
いわゆる通常の二軸延伸法をはじめ、再縦延伸法、再縦
再横延伸法等の方法を好適に用いることができる。ま
た、縦延伸、横延伸、同時二軸延伸等の各延伸におい
て、一方向に施す延伸操作を少なくとも2回以上に分割
して延伸する、いわゆる多段延伸法を適用してもかまわ
ない。延伸後の熱処理はフィルムの用途にもよるが、寸
法安定性を高める観点から、180〜250℃がより好
ましい。
【0043】以下、PETとGeneral Elec
tric社製“ウルテム”1010からなるフィルムを
例として、本発明の製造法を具体的に説明するが、使用
する原料により製造法は異なる。
【0044】通常の重縮合により得られたPETのペレ
ット(IV=0.85)60重量部と“ウルテム”10
10(IV=0.68)のペレット40重量部を適宜混
合し、290℃に加熱されたベント式の2軸混練押出機
に供給して、剪断速度、吐出時間を調整し、“ウルテ
ム”を主成分とする分散ドメインの平均分散径が0.5
μmであるブレンドチップを得る。
【0045】次いで、上記ペレタイズ作業により得たP
ETと“ウルテム”からなるブレンドチップ、PETの
原料チップ、および必要に応じて製膜後の回収原料を、
PETと“ウルテム”1010が重量分率で80/20
になるように混合し、180℃で3時間以上真空乾燥す
る。その後、これらを押出機に投入し、押出機スクリュ
ーの剪断速度、ポリマー温度、吐出時間を前記好ましい
条件に設定して溶融押出し、繊維焼結ステンレス金属フ
ィルター内を通過させた後、ドラフト比2〜30にて、
Tダイよりシート状に吐出し、このシートを表面温度1
0〜70℃の冷却ドラム上に密着させて急冷固化し、単
一のガラス転移温度を有し、実質的に無配向のフィルム
を得る。
【0046】次に、この無配向フィルムを50〜180
℃、好ましくは60〜130℃、さらに好ましくは60
〜120℃の範囲にある加熱ロール群で加熱し、長手方
向に1.1〜6.0倍、好ましくは1.5〜4.0倍、
さらに好ましくは、2.0〜3.5倍に延伸し、20〜
50℃の冷却ロール群で冷却する。次いで、フィルムを
クリップで把持して第一テンターに導き、幅方向の延伸
を行う。延伸倍率は2.0〜6.0倍が好ましく、より
好ましくは3.0〜5.5倍である。また延伸温度は5
0〜180℃の範囲が好ましいが、より好ましくは60
〜130℃の範囲、さらに好ましくは60〜120℃の
範囲である。
【0047】フィルムの強度を高めたい場合には、引き
続いて、フィルムを100〜260℃の範囲、好ましく
は120〜250℃の範囲、さらに好ましくは130〜
240℃の範囲にある加熱ロール群で加熱し、長手方向
に1.1〜5.0倍、好ましくは1.4〜3.5倍、さ
らに好ましくは1.6〜2.5倍に再縦延伸し、20〜
50℃の冷却ロール群で冷却する。その後、第2テンタ
ーを用いて再び幅方向の延伸を行う。延伸倍率は1.1
〜3.0倍が好ましいが、さらに好ましくは1.2〜
2.5倍、最も好ましくは1.3〜2.0倍である。延
伸温度は、100〜260℃の範囲が好ましいが、さら
に好ましくは120〜250℃の範囲、最も好ましくは
130〜240℃の範囲である。
【0048】その後、必要に応じて、この二軸配向フィ
ルムを長手方向または幅方向に適宜0.5〜20%弛緩
しながら、180〜140℃および140〜80℃の温
度ゾーンに導く。その後、室温まで冷却し、フィルムエ
ッジを除去して突起高さが0.5μm以上の表面粗大突
起が30個/100cm2 未満である、本発明のポリエ
ステルフィルムを得る。
【0049】[物性の測定方法ならびに効果の評価方
法]特性値の測定方法ならびに効果の評価方法は次の通
りである。
【0050】(1)固有粘度 オルトクロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度
から、下式で計算した値を用いた。すなわち、 ηsp/C=[η]+K[η]2・C ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1であり、
Cは、溶媒100mlあたりの溶解ポリマ重量(g/1
00ml、通常1.2)、Kはハギンス定数(0.34
3とする)である。また、溶液粘度、溶媒粘度はオスト
ワルド粘度計を用いて測定した。単位は[dl/g]で
示す。
【0051】(2)ヘイズ JIS―K―6714に従い、ヘイズメーター(スガ試
験機製)を用いて測定した。テトラリンに浸した状態で
内部ヘイズを測定し、下式により25μm換算で表し
た。 ヘイズ(%)=フィルム内部ヘイズ(%)×(25(μ
m)/フィルム厚み(μm))
【0052】(3)ガラス転移温度、融解温度 疑似等温法にて下記装置および条件で比熱測定を行い、
JIS K7121に従って決定した。
【0053】装置 :TA Instrument社
製温度変調DSC 測定条件: 加熱温度 :270〜570K(RCS冷却法) 温度校正 :高純度インジウムおよびスズの融点 温度変調振幅:±1K 温度変調周期:60秒 昇温ステップ:5K 試料重量 :5mg 試料容器 :アルミニウム製開放型容器(22mg) 参照容器 :アルミニウム製開放型容器(18mg) 尚、ガラス転移温度は下記式により算出した。 ガラス転移温度=(補外ガラス転移開始温度+補外ガラ
ス転移終了温度)/2
【0054】(4)平均分散径 ポリエステルフィルムを縦方向、横方向および厚さ方向
に切断し、その切断面を透過型電子顕微鏡で観察する。
ポリエステル(A)とポリエーテルイミド(B)からな
るフィルムの切断面が海島構造を有している場合、島状
に相分離している分散ドメインの平均分散径を求めた。
これらの切断面に現れた分散ドメイン100個を無作為
に測定し、次式から平均分散径Dを求めた。
【0055】D=ΣDi/100 ここでDiは分散ドメインの円相当径である。
【0056】(5)突起高さ0.5μm以上の表面粗大
突起の数 測定面100cm2同志を2枚重ね合わせて静電気力
(印加電圧5.4kV)で密着させた後、2枚のフィル
ム間で粗大突起の光の干渉によって生じるニュートン環
から粗大突起の高さを判定した。2重環以上の粗大突起
を突起高さ0.5μm以上の表面粗大突起として判定
し、その数を数えた。尚、光源はハロゲンランプに56
4nmのバンドパスフィルターをかけて用いた。
【0057】(6)ヤング率 ASTM−D882に規定された方法に従って、インス
トロンタイプの引張試験機を用いて測定した。測定は下
記の条件とした。
【0058】測定装置:オリエンテック(株)製フイル
ム強伸度自動測定装置“テンシロンAMF/RTA−1
00” 試料サイズ:幅10mm×試長間100mm、 引張り速度:10mm/分 測定環境:温度23℃、湿度65%RH
【0059】(7)熱収縮率 JIS C2318に従って、下記条件にて測定した。 試料サイズ:幅10mm、標線間隔200mm 測定条件 :温度80℃、処理時間30分、無荷重状態 100℃熱収縮率は次式より求めた。
【0060】 熱収縮率(%)=[(L0 −L)/L0 ]×100 L0 :加熱処理前の標線間隔 L :加熱処理後の標線間隔
【0061】(8)屈折率および面配向係数(fn) 屈折率は、JIS K7105に規定された方法に従っ
て、ナトリウムD線を光源として、(株)アタゴ製のア
ッペ屈折率計4型を用いて測定した。なおマウント液は
ヨウ化メチレンを用いて、23℃、65%RHにて測定
した。面配向係数(fn)は、測定した各屈折率から次
式から求めた。 面配向係数(fn)=(nMD+nTD)/2−nZDMD:長手方向の屈折率 nTD:幅方向の屈折率 nZD:厚み方向の屈折率
【0062】(9)破れ頻度 製膜に伴うフィルム破れを観察して、次の基準で判定し
た。 ◎:フィルム破れが皆無である場合 ○:フィルム破れが極まれに生じる場合 △:フィルム破れが時々生じる場合 ×:フィルム破れが頻発する場合
【0063】(10)磁気テープの電磁変換特性(C/
N)、耐信号欠落性 ポリエステルフィルムの表面に、下記組成の磁性塗料お
よび非磁性塗料をエクストルージョンコーターにより重
層塗布(上層は磁性塗料で塗布厚0.1μm、非磁性下
層の厚みは適宜変化させる)し、磁気配向させ、乾燥さ
せる。次いで反対面に下記組成のバックコート層を形成
した後、小型テストカレンダー装置(スチール/スチー
ルロール、5段)で、温度:85℃、線圧:200kg
/cmでカレンダー処理した後、70℃で、48時間キ
ュアリングする。上記テープ原反を8mm幅にスリット
し、パンケーキを作成する。次いで、このパンケーキか
ら長さ200m分を、カセットに組み込んでカセットテ
ープとする。
【0064】(電磁変換特性)このテープに、市販のH
i8用VTR(SONY社製 EV-BS3000)を用いて、
7MHz+1MHzのC/N(キャリア対ノイズ比)の
測定を行う。このC/Nを市販のHi8用ビデオテープ
(SONY社製120分MP)と比較して、+3dB以
上は○、+1dB以上+3dB未満は△、+1dB未満
は×と判定する。○が望ましいが、△でも実用的には使
用可能である。
【0065】(耐信号欠落性)このテープについて、市
販のHi8用VTR(SONY社製 EV-BS3000)を用
いて、評価を行った。TV試験信号発生器から7MHz
の信号を供給し、ドロップアウトカウンターを用いて、
再生信号の減衰が−16dB以上、長さが15μsec
以上のドロップアウトの個数を求めた。25℃、60%
RH下で3分間再生/巻き戻しを100回繰り返した後
のドロップアウトの個数を1分間あたりの個数に換算
し、以下のように判定した。 0〜15個/分 :○ 16〜30個/分 :△ 31〜 個/分 :×
【0066】 (磁性塗料の組成) ・強磁性金属粉末 : 100重量部 ・スルホン酸Na変成塩化ビニル共重合体: 10重量部 ・スルホン酸Na変成ポリウレタン : 10重量部 ・ポリイソシアネート : 5重量部 ・ステアリン酸 : 1.5重量部 ・オレイン酸 : 1重量部 ・カーボンブラック : 1重量部 ・アルミナ : 10重量部 ・メチルエチルケトン : 75重量部 ・シクロヘキサノン : 75重量部 ・トルエン : 75重量部 (非磁性下層塗料の組成) ・酸化チタン : 100重量部 ・カーボンブラック : 10重量部 ・スルホン酸Na変成塩化ビニル共重合体: 10重量部 ・スルホン酸Na変成ポリウレタン : 10重量部 ・メチルエチルケトン : 30重量部 ・メチルイソブチルケトン : 30重量部 ・トルエン : 30重量部 (バックコートの組成) ・カーボンブラック(平均粒径20nm) : 95重量部 ・カーボンブラック(平均粒径280nm): 10重量部 ・αアルミナ : 0.1重量部 ・酸化亜鉛 : 0.3重量部 ・スルホン酸Na変成ポリウレタン : 20重量部 ・スルホン酸Na変成塩化ビニル共重合体 : 30重量部 ・シクロヘキサノン : 200重量部 ・メチルエチルケトン : 300重量部 ・トルエン : 100重量部
【0067】(11) フィルムの長手方向厚みむら アンリツ株式会社製フィルムシックネステスター「KG
601A」および電子マイクロメータ「K306C」を
用い、フィルムの長手方向に、30mm幅、10m長で
サンプリングしたフィルムについて連続的に厚みを測定
する。フィルムの搬送速度は3m/分とした。10m長
での厚み最大値Tmax(μm)、最小値Tmin(μ
m)から、 R=Tmax―Tminを求め、Rと10
m長の平均厚みTave(μm)から、次式により厚み
むらを求めた。 厚みむら(%)=(R/Tave)x100
【0068】
【実施例】本発明を実施例、比較例に基づいて説明す
る。
【0069】実施例1(表1、2) 通常の方法により得られた固有粘度0.85のPET
(PET)のペレット(50重量部)とGeneral
Electric社製の固有粘度0.68の“ウルテ
ム”1010(50重量部)を、290℃に加熱された
同方向回転タイプのベント式2軸混練押出機に供給し
て、“ウルテム”を50重量%含有したブレンドチップ
を作成した。ここで得られたチップは少し白濁してお
り、分散ドメインの平均分散径は0.5μmであった。
【0070】次いで、上記ペレタイズ操作により得たブ
レンドチップ40重量部と固有粘度0.65のPETチ
ップ60重量部を、180℃で3時間真空乾燥した後、
290に加熱された直径150mmのスクリューを備え
た単軸押出機に投入して、表1の条件にて溶融押出し、
繊維焼結ステンレス金属フィルター(5μmカット)内
を剪断速度10秒-1で通過させた後、Tダイよりシート
状に吐出し、該シートを表面温度25℃の冷却ドラム上
に、ドラフト比10で30m/分の速度で密着固化させ
急冷し、実質的に無配向の未延伸フィルムを得た。
【0071】続いて、未延伸フィルムを、加熱された複
数のロール群からなる縦延伸機を用い、ロールの周速差
を利用して、115℃の温度でフィルムの縦方向に3.
8倍の倍率で延伸した。その後、このフィルムの両端部
をクリップで把持して、テンターに導き、延伸温度11
0℃、延伸倍率4倍でフィルムの幅方向に延伸し、引き
続いて210℃の温度で熱処理を行った後、150℃と
100℃にコントロールされた2つの冷却ゾーンで横方
向に2%および1%の弛緩処理を各々施し、室温まで冷
却した後、フィルムエッジを除去し、厚さ9μmの二軸
配向ポリエステルフィルムを得た。
【0072】ブレンド比率、溶融押出条件および延伸倍
率を表1に、得られたフィルムの固有粘度、ガラス転移
温度、突起高さ0.5μmの表面粗大突起の個数、ヘイ
ズおよび製膜時のフィルム破れ頻度を表2に示した。本
発明のフィルムは、単一のガラス転移温度を有してお
り、表面粗大突起が少なく、透明性も良好な高品質のポ
リエステルフィルムであった。また、製膜時のフィルム
破れも少なく、生産性良好であった。
【0073】比較例1〜3(表1、2) 表1に示す条件で溶融押出する以外は実施例1と同様に
製膜し、PETと“ウルテム”からなるポリエステルフ
ィルムを得た。ここで得たフィルムは、単一のガラス転
移温度を有していたが、本発明法の押出条件を満足して
いないため、表面粗大突起が多く、透明性も悪化した。
【0074】比較例4(表1、2) 本比較例では、マスターチップを使用せずに製膜した例
を示す。固有粘度0.65のPET80重量部と固有粘
度0.68の“ウルテム”1010を20重量部とを、
180℃で3時間真空乾燥した後、290℃に加熱され
た直径150mmのスクリューを備えた単軸押出機に投
入し、表1の条件で溶融押出する以外は実施例1と同様
に製膜した。本比較例では、押出機スクリューの剪断速
度を高め、吐出時間も長く設定することにより、PET
と“ウルテム”の相溶化を進めたが、剪断発熱によるポ
リエステルの熱分解・ゲル化が激しくなってフィルムの
固有粘度が低下し、実施例1のように延伸することはで
きなかった。ここで得られたフィルムはガラス転移温度
を2つ有しており、延伸前のフィルムは表面粗大突起が
無数であった。
【0075】実施例2,3(表1、2) “ウルテム”の含有率を変更し、表1の条件で製膜する
以外は実施例1と同様に製膜した。“ウルテム”の含有
率を変更しても単一のガラス転移温度を有し、表面粗大
突起が少ない、透明性良好な高品質のポリエステルフィ
ルムが得られた。
【0076】実施例4(表1、2) 通常の方法により得られた固有粘度0.63のポリエチ
レン−2,6−ナフタレート(PEN)の原料(50重
量部)とGeneral Electric社製の固有
粘度0.68の“ウルテム”1010(50重量部)
を、305℃に加熱された同方向回転タイプのベント式
2軸混練押出機に供給して、“ウルテム”を50重量%
含有したブレンドチップを作成した。ここで得られたチ
ップは若干白濁しており、分散ドメインの平均分散径は
0.2μmであった。
【0077】次いで、上記ペレタイズ操作により得たブ
レンドチップ20重量部と固有粘度0.63のPENチ
ップ80重量部を、140℃で1時間、180℃で2時
間真空乾燥した後、290に加熱された直径150mm
のスクリューを備えた単軸押出機に投入して、表1の条
件にて溶融押出し、繊維焼結ステンレス金属フィルター
(3μmカット)内を剪断速度10秒-1で通過させた
後、Tダイよりシート状に吐出し、該シートを表面温度
25℃の冷却ドラム上に、ドラフト比10で40m/分
の速度で密着固化させ急冷し、実質的に無配向の未延伸
フィルムを得た。
【0078】続いて、未延伸フィルムを、加熱された複
数のロール群からなる縦延伸機を用い、ロールの周速差
を利用して、148℃の温度でフィルムの縦方向に4.
3倍の倍率で延伸した。その後、このフィルムの両端部
をクリップで把持して、テンターに導き、延伸温度14
5℃、延伸倍率4.5倍でフィルムの幅方向に延伸し、
引き続いて205℃の温度で熱処理を行った後、160
℃と120℃にコントロールされた2つの冷却ゾーンで
横方向に1.5%および1%の弛緩処理を各々施し、室
温まで冷却した後、フィルムエッジを除去し、厚さ6μ
mの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0079】ブレンド比率、溶融押出条件および延伸倍
率を表1に、得られたフィルムの固有粘度、ガラス転移
温度、突起高さ0.5μmの表面粗大突起の個数、ヘイ
ズおよび製膜時のフィルム破れ頻度を表2に示した。本
発明のフィルムは、単一のガラス転移温度を有してお
り、表面粗大突起が少なく、透明性も良好な高品質のポ
リエステルフィルムであった。また、製膜時のフィルム
破れも少なく、生産性良好であった。
【0080】比較例5(表1、2) 本比較例では、マスターチップを作成せずにPENとポ
リエーテルイミドからなるフィルムを製膜した例を示
す。
【0081】固有粘度0.63のPEN90重量部と固
有粘度0.68の“ウルテム”1010を10重量部と
を、140℃で1時間、180℃で2時間真空乾燥した
後、305℃に加熱された直径150mmのスクリュー
を備えた単軸押出機に投入し、表1の条件で溶融押出す
る以外は実施例4と同様に製膜した。
【0082】ポリエステル(A)としてPETを使用し
た場合とは異なり、延伸可能であったが、実施例4と比
較して、フィルムの破れ頻度が高くなり、得られたフィ
ルムの表面粗大突起も大幅に増加した。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】 実施例5(表3) 固有粘度0.75のPETチップをマスターチップと共
に押出機に投入する以外は実施例1と同様の条件で製膜
した。フィルムの固有粘度を高くすると、表面粗大突起
がさらに減少し、フィルム破れも皆無になった。尚、ガ
ラス転移温度は単一であった。 実施例6〜8(表3) PETと“ウルテム”の重量分率またはPET原料の固
有粘度を変更してマスターチップを作成する以外は実施
例5と同様に製膜した。“ウルテム”の重量分率を高め
ると、マスターチップ中に存在する分散ドメインの平均
分散径が小さくなったが、表面粗大突起は幾分増加し
た。一方、PETの固有粘度を高めて、PETと“ウル
テム”の固有粘度比を本発明のより好ましい範囲に設定
した場合、マスター中の分散ドメインの平均分散径が小
さくなり、二軸延伸後に得られたフィルムの表面粗大突
起も認められなくなった。尚、ガラス転移温度は単一で
あった。
【0085】
【表3】
【0086】実施例9(表4) ここでは、逐次二軸方式による再縦再横延伸法により強
力化フィルムを製造した例を示す。実施例1と同様にP
ETが50重量部、“ウルテム”1010が50重量部
からなるマスターチップをペレタイズにより作成し、本
マスターチップ40重量部と固有粘度0.75のPET
チップ60重量部を、180℃で3時間真空乾燥した
後、290に加熱された直径150mmのスクリューを
備えた単軸押出機に投入して、溶融押出し、繊維焼結ス
テンレス金属フィルター(10μmカット)内を剪断速
度10秒-1で通過させた後、Tダイよりシート状に吐出
し、該シートを表面温度25℃の冷却ドラム上に、ドラ
フト比10で30m/分の速度で密着固化させ急冷し、
実質的に無配向のPET80重量部、PEI20重量部
からなる固有粘度0.67の未延伸フィルムを得た。溶
融押出時のスクリュー剪断速度は120秒-1、吐出時間
は2.5分であり、ポリマー温度は304℃であった。
【0087】続いて、該未延伸フィルムを、加熱された
複数のロール群からなる縦延伸機を用い、ロールの周速
差を利用して、115℃の温度でフィルムの縦方向に
3.5倍の倍率で延伸した後、このフィルムの両端部を
クリップで把持して、第一テンターに導き、延伸温度1
10℃、延伸倍率3.5倍でフィルムの幅方向に延伸し
た。次いで、該縦横方向に延伸したフィルムを、さらに
ロール縦延伸機で延伸温度160℃の温度で、1.65
倍の倍率で再縦延伸を行った。その後、さらにフィルム
を第2ステンターに導き、180℃の温度で、1.4倍
の倍率で再横延伸を施し、引き続いて200℃の温度で
熱処理を行った後、150℃の温度ゾーンで横方向に3
%、100℃の温度ゾーンで横方向に1%の弛緩処理を
行い、室温まで冷却した後、フィルムエッジを除去し、
厚さ5μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。フ
ィルムの特性を表4に示す。ここで得られたフィルム
は、単一のガラス転移温度を有し、表面粗大突起が少な
く、透明性良好であり、縦方向のヤング率が高く低熱収
縮性である、高品質のポリエステルフィルムであった。
トータル面積倍率が27.2倍という高倍率延伸を施し
ているにもかかわらず、フィルム破れが少なく、生産性
良好であった。
【0088】実施例10(表4) 本実施例では同時二軸延伸法により縦および横方向に強
力化したフィルムの製造例を示す。
【0089】まず、実施例9同様に未延伸フィルムを作
成した。その後、フィルム両端部をクリップで把持し
て、同時二軸テンターに導き、延伸温度110℃、トー
タル面積倍率12.25倍(フィルムの長手方向に3.
5倍、幅方向に3.5倍)で延伸した後、引き続いて、
170℃の温度で、トータル面積倍率2.25倍(長手
方向1.5倍、幅方向に1.5倍)の倍率で延伸した。
引き続いて200℃の温度で熱処理を行った後、150
℃の温度ゾーンで縦方向および横方向に各々2%、10
0℃の温度ゾーンで縦方向および横方向に各々1%の弛
緩処理を行い、室温まで冷却した後、フィルムエッジを
除去し、厚さ5μmの二軸配向ポリエステルフィルムを
得た。製膜条件およびフィルム特性を表4示す。ここで
得られたフィルムは、単一のガラス転移温度を有し、表
面粗大突起が少なく、透明性良好であり、高強度かつ低
熱収縮性である、高品質のポリエステルフィルムであっ
た。トータル面積倍率が25.9倍という高倍率延伸を
施しているにもかかわらず、フィルム破れが少なく、生
産性も良好であった。
【0090】
【表4】 実施例11(表5) 平均粒径0.1μmの球状シリカ粒子0.4重量%を配
合したPETを用いた以外は、実施例1と同様の方法に
て、ポリエーテルイミドを50重量%含有したブレンド
チップ(PET/PEI(I))を得た。また、PET
中に、平均粒径0.05μmの凝集アルミナ0.5重量
%と平均粒径0.8μmの球状架橋ポリスチレン粒子
0.025重量%を配合したものを用いた以外は、実施
例1と同様に、ポリエーテルイミドを50重量%含有し
たブレンドチップ(PET/PEI(II))を得た。こ
こで得られたブレンドチップ中に存在していた分散ドメ
インの平均分散径は共に0.3μmであった。
【0091】次いで、単軸押出機A、B2台を用い、押
出機Aが磁性面、押出機Bが走行面を形成するように積
層フィルムを作成した。290℃に加熱された押出機A
には、PET/PEI(I)のペレット20重量部と固
有粘度0.65のPET80重量部を180℃で3時間
真空乾燥した後に供給し、一方、同じく290℃に加熱
された押出機Bには、PET/PEI(II)のペレット
20重量部と固有粘度0.65のPET80重量部を1
80℃で3時間真空乾燥した後に供給し、Tダイ中で合
流させた後(積層比I/II=10/1)、表面温度25
℃のキャスティングドラム上に、ドラフト比7、25m
/分の速度で、静電気により密着させて冷却固化し、積
層未延伸フィルムを得た。ここで、押出機Aでは、5μ
カットの繊維焼結ステンレス金属フィルターを使用し、
押出条件は剪断速度160秒-1、ポリマー温度302
℃、吐出時間5分に設定した。押出機Bでは、5μmカ
ットの繊維焼結ステンレス金属フィルターを使用し、押
出条件は剪断速度100秒-1、ポリマー温度297℃、
吐出時間3.5分に設定した。
【0092】続いて、未延伸フィルムを、加熱された複
数のロール群からなる縦延伸機を用い、ロールの周速差
を利用して、108℃の温度でフィルムの縦方向に3.
3倍の倍率で延伸した。その後、このフィルムの両端部
をクリップで把持して、テンターに導き、延伸温度10
6℃、延伸倍率3.3倍でフィルムの幅方向に延伸し、
その後、150℃に加熱された複数のロール群でフィル
ムの長手方向に1.7倍の倍率で延伸し、その後、クリ
ップで把持して第2テンターに導き、180℃の温度で
幅方向に1.4倍の倍率で延伸し、引き続いて210℃
の温度で熱処理を行った後、150℃と100℃にコン
トロールされた2つの冷却ゾーンで横方向に2%および
1%の弛緩処理を各々施し、室温まで冷却した後、フィ
ルムエッジを除去し、厚さ6μmの二軸配向ポリエステ
ルフィルムを得た。
【0093】得られたフィルムの磁性面側の表面粗大突
起、ヘイズ、ヤング率、熱収縮率と磁気テープ特性を表
5に示す。ポリエーテルイミドを含有する本実施例のフ
ィルムは、表面粗大突起を多数有する比較例6のフィル
ムと比較して、電磁変換特性、耐信号欠落性の点で大幅
に優れた特性を有していた。
【0094】比較例6(表5) 平均粒径0.1μmの球状シリカを0.16%含有する
PET80重量部とポリエーテルイミド20重量部を投
入してブレンドチップ(PET/PEI(I))を作成
した。また、平均粒径0.05μmの凝集アルミナ0.
2重量%と平均粒径0.8μmの架橋ポリスチレン粒子
を0.01重量%を配合したPET80重量部とポリエ
ーテルイミド20重量部からなるブレンドチップ(PE
T/PEI(II))を作成した。ここで得られたチップ
中の分散ドメインの平均分散径は共に1.4μmであっ
た。
【0095】次いで、押出機A,B2台を用い、ここで
得られたブレンドチップ50重量部とPET50重量部
を押出機A、Bに各々投入し、実施例11と同様の条件
で溶融押出・二軸延伸・熱処理を行い、厚み6μmの二
軸配向ポリステルフィルムを得た。ここで得られたフィ
ルムの特性を表5に示す。
【0096】
【表5】
【0097】
【発明の効果】本発明によれば、ポリエステルとポリエ
ーテルイミドからなり、表面粗大突起が少なく、透明
性、熱寸法安定性、生産性に優れる高品質のフィルムが
得られる。本発明のフィルムは、磁気テープ用途をはじ
め、感熱転写リボン、感熱孔版、コンデンサーなどの各
種用途に対して広く活用可能であり、本発明の工業的価
値は極めて高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 79/08 C08L 79/08 B G11B 5/73 G11B 5/73 // B29K 67:00 79:00 B29L 7:00

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル(A)とポリエーテルイミ
    ド(B)からなり、単一のガラス転移温度を有するポリ
    エステルフィルムであって、突起高さ0.5μm以上の
    表面粗大突起が30個/100cm2 未満であることを
    特徴とするポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 ポリエステル(A)がエチレンテレフタ
    レートを主成分とするポリエステルであることを特徴と
    する請求項1記載のポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 ヘイズ値が0.1%以上、15%以下で
    あることを特徴とする請求項1または請求項2記載のポ
    リエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 前記ポリエーテルイミド(B)の含有量
    が1〜50%であることを特徴とする請求項1から請求
    項3のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 固有粘度が0.55〜2.0dl/gで
    あることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか
    に記載のポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 フィルムの長手方向または幅方向の少な
    くともいずれか一方向に配向していることを特徴とする
    請求項1から請求項5のいずれかに記載のポリエステル
    フィルム。
  7. 【請求項7】 ポリエステル(A)とポリイミド(B)
    を押出機に投入し、(1)スクリュー剪断速度を30秒
    -1以上、300秒ー1未満、(2)ポリマー温度を280
    ℃以上、320℃以下、(3)ポリマーの吐出時間を6
    0秒以上、10分以下に設定した条件下で溶融押出して
    樹脂シートを得る工程を含む方法により請求項1記載の
    ポリエステルフィルムを製造することを特徴とするポリ
    エステルフィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 ポリエステル(A)がエチレンテレフタ
    レートを主成分とするポリエステルであることを特徴と
    する請求項7記載のポリエステルフィルムの製造方法。
  9. 【請求項9】 ポリエステル(A)とポリエーテルイミ
    ド(B)の重量分率(A/B)が10/90〜90/1
    0で、かつポリエステル(A)またはポリエーテルイミ
    ド(B)を主成分とする分散ドメインの平均分散径が1
    μm未満であるブレンドチップをマスターチップとして
    押出機に投入することを特徴とする請求項7または請求
    項8記載のポリエステルフィルムの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記樹脂シートを長手方向および幅方
    向にトータル面積倍率2〜100倍で延伸した後、15
    0〜260℃の温度で熱処理することを特徴とする請求
    項7から請求項9のいずれかに記載のポリエステルフィ
    ルムの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1から請求項6のいずれかに記
    載のポリエステルフィルムを用いてなる磁気記録媒体。
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