JP2006307082A - ポリアミド酸組成物の製造方法およびその利用 - Google Patents

ポリアミド酸組成物の製造方法およびその利用 Download PDF

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Abstract

【課題】 比較的不純物を多く含む原材料を用いていても、十分な物性を有するポリアミド酸組成物の製造方法およびその利用を提供する。
【解決手段】 テトラカルボン酸二無水物成分と第1のジアミン成分とを用いて酸末端プレポリマーを調製する工程と、上記工程で得られたプレポリマーに対して、さらに第2のジアミン成分を添加して、ポリアミド酸重合体を調製するポリアミド酸調製工程と、を有し、上記工程において、酸100モル%に対して、化学量論的に過少モル量のジアミンとなるように酸二無水物成分と第1のジアミン成分とを用い、上記第1のジアミン成分は、金属不純物を1.0〜3.0ppm、および/または、モノアミン不純物を0.2〜5.0重量%含むものであり、上記第2のジアミン成分は、剛構造を有するジアミンを含む製造方法によれば、不純物を多く含む原材料を用いていても十分な物性を有するポリアミド酸組成物を取得できる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリアミド酸組成物の製造方法およびその利用に関するものであり、特に、精製純度が低い原料を用いて製造されるポリアミド酸組成物の製造方法およびその利用に関するものである。
従来、ポリイミド樹脂は、耐熱性および電気絶縁性等の各種の優れた特性を有するゆえに、エレクトロニクス分野において広く用いられている。例えば、ポリイミド樹脂は、フレキシブルプリント基板、TABテープ、あるいは高密度記録媒体用ベースフィルムなどのフィルム体として用いられている。このようなフィルム体の場合において、ポリイミド樹脂は、その単体としての形態のみならず、フィルムの表面に、銅箔を接着剤で接着するか、銅のスパッタリング−銅電解メッキを施すか、または銅箔上にポリイミド樹脂をキャストもしくはコーティングするといった積層体の形態としても広く用いられてきている。なお、ポリイミド樹脂は、上述したフィルム体以外にも、シート体、コーティング剤などの各種形態でも幅広く用いられている。
上記フィルム状のポリイミド樹脂(以下、単に「ポリイミドフィルム」と称する場合もある)は、一般的に、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸重合体をイミド化(脱水閉環)して得られる。ポリアミド酸重合体は、酸二無水物成分とジアミン成分とを重合反応させて得られる。ポリアミド酸重合体を調製する際には、高純度のジアミンを原料として用いることが重要であるといわれている。これは、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移元素金属、またはモノアミン等の不純物を多く含むジアミンを用いてポリアミド酸重合体を調製すると、重合粘度が上昇せず、高分子量のポリアミド酸重合体が得られないという問題が知られているためである。
また、上述の不純物を含むジアミンを用いて調製したポリアミド酸重合体からポリイミドフィルムを調製した場合、得られたポリイミドフィルムは、製膜性や耐熱性が劣るなどの問題点もあった。
そこで、これらの問題を解決するために、例えば、特許文献1には、不純物を多く含むジアミン成分から予め不純物を取り除く精製工程を行う技術が開示されている。具体的には、不純物が多く含まれるジアミンである3,4’−オキシジアニリンを用いてポリアミド酸ワニスを重合する際に、3,4’−オキシジアニリンを蒸留した後、溶媒中で再結晶する精製結晶化工程を経た精製3,4’−オキシジアニリンをジアミン成分として用いてポリアミド酸を調製し、これを流延後、イミド化してポリイミドフィルムを得る方法が開示されている。
ところで、熱的寸法安定性に優れたポリイミドフィルムを調製する方法の一つとして、特許文献2に開示の技術が知られている。これは、テトラカルボン酸二無水物100モル%に対して過少量のジアミンを添加して得られたプレポリマーに、パラフェニレンジアミンを添加してポリアミド酸重合体(ワニス)を調製し、本ワニスを用いて成型・イミド化することで熱的寸法安定性に優れたポリイミドフィルムを得る技術である。
特開2004−27213号公報(公開:平成16(2004)年1月29日) 特開平1−131242号公報(公開:平成1(1989)年5月24日)
しかしながら、上記特許文献1に開示の技術では、通常のポリイミド製造工程に、さらに原材料の精製結晶化工程を必要とするため、工程数が増加し、製造コストの増加、生産性低下の原因となるという問題がある。また、上記特許文献2に開示の技術は、熱的寸法安定性に優れたポリイミドフィルムを製造するための技術である。さらに、用いられているジアミン成分は、4,4’−オキシジアニリンであり、これは不純物が比較的少ないジアミン成分であるため、上述のような不純物の多いジアミンを用いることを全く想定していない。
このように、不純物を多く含む、安価な原料を用いてポリアミド酸重合体を調製し、生産性を大きく向上させることが求められているが、このような技術は未だ開発されていないのが現状である。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、比較的不純物を多く含む原材料を用いていても、十分な物性を有するポリアミド酸組成物を製造できるポリアミド酸組成物の製造方法およびその利用を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、不純物を多く含むジアミン(例えば、3,4’−オキシジアニリン等)とテトラカルボン酸二無水物とを原料として酸末端プレポリマーを調製した後、このプレポリマーにさらに剛構造を有するジアミンを添加してポリアミド酸組成物を製造する方法によれば、ポリアミド酸組成物の昇粘時間も短くなり生産性の低下も引き起こすことがないこと、さらに上記ポリアミド酸組成物から得られるポリイミドフィルムは、多量の不純物を含んでいるにもかかわらず、従来の原材料を精製して得られるポリイミドフィルムと比べても遜色のない、十分な物性を有することを見出し、本願発明を完成させるに至った。本発明は、かかる新規知見に基づいて完成されたものであり、以下の発明を包含する。
(1)テトラカルボン酸二無水物成分と第1のジアミン成分とを用いて酸末端プレポリマーを調製するプレポリマー調製工程と、上記プレポリマー調製工程で得られたプレポリマーに対して、さらに第2のジアミン成分を添加して、ポリアミド酸重合体を調製するポリアミド酸調製工程と、を有し、上記プレポリマー調製工程において、酸100モル%に対して、化学量論的に過少モル量のジアミンとなるように、テトラカルボン酸二無水物成分と第1のジアミン成分とを用い、上記第1のジアミン成分は、金属不純物を1.0〜3.0ppm、および/または、モノアミン不純物を0.2〜5.0重量%含むものであり、上記第2のジアミン成分は、剛構造を有するジアミンを含むものであるポリアミド酸組成物の製造方法。
(2)上記第1のジアミン成分は、上記テトラカルボン酸二無水物成分100モル%に対して、92〜99.5モル%の割合である(1)に記載のポリアミド酸組成物の製造方法。
(3)上記第2のジアミン成分は、上記テトラカルボン酸二無水物100モル%に対して、0.5〜8モル%の割合である(1)または(2)に記載のポリアミド酸組成物の製造方法。
(4)上記第1のジアミン成分は、柔構造を有するジアミンを含むものである(1)〜(3)のいずれかに記載のポリアミド酸組成物の製造方法。
(5)上記柔構造を有するジアミンは、オキシジアニリンである(4)に記載のポリアミド酸組成物の製造方法。
(6)上記オキシジアニリンは、3,4’−オキシジアニリンである(5)に記載のポリアミド酸組成物の製造方法。
(7)上記剛構造を有するジアミンは、パラフェニレンジアミンである(1)〜(6)のいずれかに記載のポリアミド酸組成物の製造方法。
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載のポリアミド酸組成物の製造方法によって得られるポリアミド酸組成物。
(9)金属不純物が、2.1〜5.0ppmの範囲内で含まれ、かつPCT保持率が50%以上であるポリイミドフィルム。
(10)上記金属不純物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、および遷移元素金属である(9)に記載のポリイミドフィルム。
(11)上記(8)に記載のポリアミド酸組成物をイミド化して得られる(9)または(10)に記載のポリイミドフィルム。
本発明に係るポリアミド酸組成物の製造方法によれば、不純物を多量に含む原材料を用いても、精製した原材料を用いた場合と同様の昇粘時間で十分な粘度を有するポリアミド酸組成物を製造できる。例えば、本発明の方法によれば、不純物の多い原材料を用いてもポリアミド酸ワニスを十分な昇粘速度で製造可能である。このため、従来の技術に比べて、製造時間、工程数、および製造コスト等を減少させることができ、生産性を向上させることができる。
また、上記製造方法で得られるポリアミド酸組成物は、精製した原材料を用いて得られるポリアミド酸組成物と物性の面で遜色がない、物性的に非常に優れたものである。また、上記ポリアミド酸組成物の製造方法で得られるポリアミド酸組成物は、イミド化しても物性面の品質は低下しない。このため、本発明に係るポリアミド酸組成物を用いて得られるポリイミドフィルムも、多量の不純物を含んでいるにもかかわらず、精製原料を用いて得られたポリイミドフィルムと同等の優れた物性を示すという効果を奏する。
本発明の一実施形態について説明すると以下の通りである。なお、本発明は以下の説明に限定されるものではないことを念のため付言しておく。
<1.ポリアミド酸組成物の製造方法、ポリアミド酸組成物>
本発明に係るポリアミド酸組成物の製造方法は、テトラカルボン酸二無水物成分と第1のジアミン成分とを用いて酸末端プレポリマーを調製するプレポリマー調製工程と、上記プレポリマー調製工程で得られたプレポリマーに対して、さらに第2のジアミン成分を添加して、ポリアミド酸重合体を調製するポリアミド酸調製工程と、を有し、上記プレポリマー調製工程において、酸100モル%に対して、化学量論的に過少モル量のジアミンとなるように、テトラカルボン酸二無水物成分と第1のジアミン成分とを用い、上記第1のジアミン成分は、金属不純物を1.0〜3.0ppm、および/または、モノアミン不純物を0.2〜5.0重量%含むものであり、上記第2のジアミン成分は、剛構造を有するジアミンを含むものであればよく、その他の具体的な工程、材料、条件等の構成については特に限定されるものではない。なお、本明細書でいう「ポリアミド酸組成物」とは、ポリアミド酸重合体を含有する組成物であればよく、具体的な構成については限定されないが、例えば、ポリアミド酸溶液やポリアミド酸ワニス等を挙げることができる。
まず、「プレポリマー調製工程」について説明する。
<1−1・プレポリマー調製工程>
上記プレポリマー工程は、テトラカルボン酸二無水物成分と第1のジアミン成分とを用いて酸末端プレポリマーを調製するプレポリマー調製工程であって、酸100モル%に対して、化学量論的に過少モル量のジアミンとなるように、テトラカルボン酸二無水物成分と第1のジアミン成分とを用いる工程であればよく、その他の具体的な条件、工程、材料等の構成については特に限定されるものではない。
本工程で使用できる「テトラカルボン酸二無水物」は、公知のポリアミド酸を製造する際に使用可能な従来公知のテトラカルボン酸二無水物を常法にしたがって好適に使用することができ、その具体的な構成については特に限定されるものではない。具体的には、一例として、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンジフタル酸無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’−オキシジフタル酸無水物、4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(無水フタル酸)、4,4’−ハイドロキノンビス(無水フタル酸)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、1,2−エチレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、およびこれらの類似物等を挙げることができる。もちろん、これらは1種のみで用いてもよいが、2種以上を適宜組み合わせて用いることも可能である。その際の混合割合等の諸条件については、当業者であれば適宜設定可能である。
本工程で使用できる「第1のジアミン成分」は、公知のポリアミド酸を製造する際に使用可能な従来公知のジアミン成分であり、かつ、金属不純物を1.0〜3.0ppm、および/または、モノアミン不純物を0.2〜5.0重量%含むものであればよく、その他の具体的な構成については特に限定されるものではない。さらに、上記ジアミン成分において、金属不純物含有量は1.0〜1.5ppmであることが好ましい。また、モノアミン含有量は、さらには0.2〜4.0重量%の不純物を含むものであることがより好ましい。上記第1のジアミン成分には、上述の要件を満たすジアミンが少なくとも1種類含まれていればよく、その他にどのようなジアミンを含んでいてもよい。
また、本明細書でいう「金属不純物」とは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、および遷移元素金属から選択される少なくとも1種の金属が含まれていればよいが、2種以上の混合物であってもよい。金属元素の具体的な種類としては、例えば、ナトリウム、カリウム、ニッケル、パラジウム、白金等を挙げることができる。なお、これら「金属不純物」の金属元素は金属イオンとして存在することが多いため、「金属不純物」とは金属単体および金属イオンの総和をいう。
また、「モノアミン不純物」とは、ジアミンを製造する際に発生するモノアミンであればよく、その具体的な構成については特に限定されるものではない。例えば、3,4’−オキシジアニリンを例示すると、その製造の際に発生する不純物として、具体的には、例えば、アゾキシ化合物、3−アミノフェノール、4−クロロアニリン、アニリン、N,N−ジメチルアニリン化合物、N,N−ジメチルアミノニトロベンゼン、N,N−ジメチルアミノアニリン、2,3’−ジアミノジフェニルエーテル、2,4’−ジアミノジフェニルエーテル等を挙げることができる。
上記第1のジアミン成分には、少なくとも上述の金属不純物とモノアミン不純物とのいずれか一方が含まれていても効果を発揮するが、金属不純物とモノアミン不純物とが両方含まれる場合でも、本発明は効果を発揮できる。つまり、通常、上述のように金属不純物かモノアミン不純物のいずれか一方でも含まれる場合、ポリアミド酸やポリイミドフィルムの物性はかなり低下してしまう。金属不純物とモノアミン不純物の両方を含む場合は、さらにポリアミド酸やポリイミドフィルムの物性の低下が著しくなる。これに対して、本発明の場合、どちら一方の不純物が含まれている場合は勿論、両方の不純物が含まれる場合でも、良好な物性のポリアミド酸やポリイミドフィルムを取得することができる点で優れている。
上記第1のジアミン成分は、上述のように、テトラカルボン酸二無水物成分100モル%に対して、化学量論的に過少モル量を添加するが、ここで「化学量論的に過少モル量」とは、テトラカルボン酸二無水物成分の実質的な等モル量より、少ないモル量のことをいう。具体的には、上記第1のジアミン成分は、最終的に上記テトラカルボン酸二無水物成分100モル%に対して、92〜99.5モル%の割合であることが好ましいが、より好ましくは93〜99モル%、さらに好ましくは95〜99モル%の割合になるように添加するとよい。これは、テトラカルボン酸二無水物100モル%に対して92モル%以下であると、後述するポリアミド酸調製工程で用いる剛構造を有するジアミンの特性が、ポリイミドフィルムの物性に色濃く出すぎるためである。また、99.5モル%以上であると、後述のポリアミド酸調製工程において用いる剛構造を有するジアミンの効果が十分に発現しないためである。
また、上記第1のジアミン成分は、少なくとも1種類または2種類以上の柔構造を有するジアミンを含むものであってもよい。後述する実施例に示すように、本発明者らは、不純物を多く含むジアミン成分の中に柔構造を有するジアミンが含まれる場合、本発明に係るポリアミド酸組成物の製造方法以外の方法でポリアミド酸組成物(ワニス)を作製すると、上記不純物の影響により、ポリアミド酸ワニスの粘度が上昇しにくい傾向があることを見出した。そしてさらに研究をすすめた結果、不純物が多量に存在するジアミン成分の中に柔構造を有するジアミンが含まれる場合であっても、本発明に係るポリアミド酸組成物の製造方法を用いることにより、得られるポリアミド酸組成物は、不純物を含まないジアミンを用いたものと比較しても物性面で遜色のない、優れた性質を有することがわかったためである。なお、本発明に係る方法以外では、不純物の影響が大きくでる理由については明らかではない。
上記「柔構造を有するジアミン」とは、2つのNH基の間に、比較的屈曲性のある構造を有するものであればよく、その具体的な構成については特に限定されるものではない。例えば、エーテル基、スルホン基、ケトン基、およびスルフィド基など屈曲性のある柔構造を有するジアミンを挙げることができる。具体的に、かかる柔構造を有するジアミンの一例を挙げると、下記一般式(1)式で表される構造を有するジアミン化合物類を挙げることができる。
Figure 2006307082
上記一般式(1)中のR1は、一般式群(2)で表される2価の有機基からなる群から選択される基である。
Figure 2006307082
上記一般式(1)中のR2は、同一または異なっていてもよく、H−,CH−、−OH、−CF、−SO、−COOH、−CO-NH、Cl−、Br−、F−、およびCHO−からなる群より選択される1つの基である。
上記柔構造を有するジアミンは、オキシジアニリンであることが好ましく、特に3,4’−オキシジアニリンであることが好ましい。3,4’−オキシジアニリンは、その製造過程で金属触媒を用いるため、比較的金属不純物が多く含まれる原料である。また、モノアミン不純物も含まれるものである。それゆえ、後述する実施例に示すように、3,4’−オキシジアニリンを用いてポリアミド酸ワニスおよびポリイミドフィルムを製造するときに、本発明は特に効果を発揮する。
また、本プレポリマー調製工程における、プレポリマーの製造方法としては、常法にしたがい従来公知の方法を用いることができる。例えば、上記例示のテトラカルボン酸二無水物の少なくとも1種と、上記ジアミンの少なくとも1種とを、テトラカルボン酸二無水物100モル%に対して、過少量の割合のジアミンを有機溶媒中に添加して、制御された温度条件下で攪拌することによって酸末端プレポリマーを取得することができる。ここで、「酸末端プレポリマー」とは、ポリマーの両末端部分にテトラカルボン酸二無水物成分が存在するポリマーのことである。
上記反応に用いられる好ましい有機溶媒も従来公知のものを好適に用いることができる。例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。さらに必要に応じて、これらの有機極性溶媒とキシレンあるいはトルエンなどの芳香族炭化水素とを組み合わせて用いることもできる。中でも、特に、アミド系溶媒、すなわちN,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等を用いることが好ましい。
また、上記酸末端プレポリマーの重合方法としては、最終的に得られるプレポリマーが酸末端となるように重合すれば一段階で行っても多段階で行ってもよく、あらゆる公知の方法を用いることができ、特に限定されるものではない。例えば、例として以下の1)〜5)に示す方法を挙げることができる。
1)ジアミンを有機極性溶媒中に溶解し、これに過剰モル量のテトラカルボン酸二無水物を反応させて重合を行う方法。
2)テトラカルボン酸二無水物とこれに対し過小モル量のジアミン化合物とを有機極性溶媒中で反応させて重合を行う方法。
3)ジアミンとこれに対し過小モル量のテトラカルボン酸二無水物とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端にアミノ基を有するポリマーを得る。続いて、テトラカルボン酸二無水物を過剰量加えることで重合を行う方法。なお、ここでいう過剰量とは、テトラカルボン酸とジアミンの等量点を越すだけの量という意味である。
4)テトラカルボン酸二無水物および過小モル量のジアミンを混合し、その混合物を有機極性溶媒中に添加、反応させて重合を行う方法。
5)ジアミンとこれに対し過小モル量のテトラカルボン酸二無水物とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端にアミノ基を有するポリマーを得る。次に過剰のテトラカルボン酸二無水物を加え、酸末端ポリマーを得る。さらに過剰量のジアミンを加え、量末端にアミノ基を有するポリマーを得た後、過剰のテトラカルボン酸二無水物を加え、重合を行う方法。なお、ここでいう過剰量とは、テトラカルボン酸二無水物とジアミンの等量点を越すだけの量という意味である。
なお、本明細書でいう「溶解」とは、溶媒が溶質を完全に溶解する場合のほかに、溶質が溶媒中に均一に分散または分散されて実質的に溶解しているのと同様の状態になる場合を含む。なお、ポリアミド酸重合体を調製する際の反応時間、反応温度についても常法に従い適宜行うことができ、特に限定されるものではない。
<1−2.ポリアミド酸調製工程>
本発明に係るポリアミド酸調製工程は、上記プレポリマー調製工程で得られたプレポリマーに対して、さらに第2のジアミン成分を添加して、ポリアミド酸重合体を調製する工程であり、上記第2のジアミン成分は、剛構造を有するジアミンを含むものであればよく、その他の具体的な条件、材料、工程等の構成については特に限定されるものではない。
ここで「剛構造を有するジアミン」とは、2つのNH基の間に、屈曲性のない剛直な構造を有するものであればよく、その具体的な構成については特に限定されるものではない。かかる剛構造を有するジアミンの一例を挙げると、下記一般式(3)式で表される構造を有するジアミン化合物類を挙げることができる。
Figure 2006307082
式中のR3は、下記一般式群(4)で表される2価の芳香族基である。
Figure 2006307082
上記一般式(4)中のR4は同一または異なっていてもよく、H−,CH−、−OH、−CF、−SO、−COOH、−CO-NH、Cl−、Br−、F−、およびCHO−からなる群より選択される1つの基である。
上記剛構造を有するジアミンとして、特にパラフェニレンジアミンを用いることが好ましい。これは、上記剛構造を有するジアミンとしてパラフェニレンジアミンを用いると、後述する実施例に示すように、十分な粘度を有するポリアミド酸ワニスを得るまでにかかる時間(以後、この時間を「昇粘時間」と称する)も短くでき、かつ十分な粘度・分子量を有するポリアミド酸ワニスを得ることができるためである。なお、本発明に係るポリアミド酸組成物の製造方法において、十分な粘度を有するポリアミド酸組成物を取得するまでにかかる時間;昇粘時間の好ましい範囲は、35分以下であり、より好ましくは30分以下である。昇粘時間がこの範囲以外であれば、生産する際に時間がかかりすぎ、生産性の低下、およびコストアップの原因となるため、好ましくない。
また、本ポリアミド酸調製工程の具体的な方法も常法にしたがって、公知の方法を好適に利用することができ、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、上記プレポリマー調製工程で得られる酸末端ポリマーに、剛構造を有するジアミンを、テトラカルボン酸二無水物100モル%に対して、0.5〜8モル%、好ましくは1〜7モル%、さらに好ましくは1〜5モル%添加することにより、所望のポリアミド酸組成物(ワニス)を得ることができる。ここでいう所望のポリアミド酸組成物(ワニス)の粘度は、23℃において500ポイズ(5000Pa・s)以上、好ましくは1000ポイズ(10000Pa・s)以上、さらに好ましくは1500ポイズ(15000Pa・S)以上、特に好ましくは2000ポイズ(20000Pa・s)以上である。これは、500ポイズ以下であると、そのポリアミド酸組成物(ワニス)から製造したポリイミドフィルムの機械的特性が弱くなるためである。
また、本ポリアミド酸調製工程で添加する剛構造を有するジアミンの添加量は、上記プレポリマー調製工程で添加したテトラカルボン酸二無水物成分量、ジアミン成分量に大きく影響する。このため、例えば、上述したように十分な粘度を有するポリアミド酸組成物を得るように、本ポリアミド酸調製工程で添加する、剛構造を有するジアミンの量を調節することが好ましい。
具体的には、上記プレポリマー調製工程で添加したテトラカルボン酸二無水物100モル%に対して、上記プレポリマー調製工程および本ポリアミド酸調製工程で添加したジアミン成分量の合計が95〜100モル%になるようにジアミンを添加することが好ましい。このような割合でジアミン成分を添加する場合、上述のように十分な粘度を有するポリアミド酸組成物を得ることができる。
なお、本発明の目的の範囲内(例えば、上述の十分な粘度を有するポリアミド酸組成物を得ること)であれば、本ポリアミド酸調製工程で添加すべき剛構造を有するジアミンの量は、得られるポリアミド酸組成物の固形分濃度、および用いる原材料の純度等により、上記範囲外の添加量を添加してもよいし、適宜添加量を最適化しても何らさしつかえない。
本発明に係るポリアミド酸組成物の製造方法により得られるポリアミド酸組成物の固形分濃度が5〜35%、好ましくは10〜30%である場合、好ましい粘度および分子量を有するポリアミド酸組成物を取得できる。また、上記プレポリマー調製工程におけるプレポリマーを調製する際の温度は−5℃以下、好ましくは−10℃以下、上記ポリアミド酸調製工程におけるポリアミド酸重合体を調製する際の温度は5℃以下、好ましくは5℃〜−15℃に保つことが好ましい。このように調製温度を制御すると、十分早い昇粘時間が得られ、かつ上述したように十分な粘度を有するポリアミド酸組成物を取得することができる。
なお、本発明の特徴の1つである、不純物を多く含む原料(粗原料)を用い、かつ精製結晶化工程等の原材料の精製を経ないでポリアミド酸組成物を作製したときの昇粘時間(X)は、精製結晶化工程を経て得られる原料(精製原料)を用いてポリアミド酸組成物を作製したときの昇粘時間(Y)との間において、Y≦X≦2Yの関係が成り立つことが好ましい。昇粘時間が上記関係式を満たす場合、不純物を含む原材料を用いて得たポリアミド酸組成物を、精製した原材料を用いて得たポリアミド酸組成物に比べて遜色なく製造することが可能であり、本発明に係るポリアミド酸組成物の製造方法が有効に作用したと判断できる。なお、ここでいうX、Yは実施例に記載する「ワニスの昇粘時間測定」によって測定した昇粘時間を示す。
上記特許文献1に記載されているように、ポリアミド酸組成物中の金属不純物濃度が2ppmを超えると、ポリアミド酸の重合粘度が上昇しなかったり、重合速度が遅くなったりするという問題点があった。しかし、本発明に係る製造方法により得られるポリアミド酸組成物によれば、上述のように多量の金属不純物を含むにもかかわらず、十分な重合粘度と重合速度を有する。このため、本発明に係るポリアミド酸組成物は、非常に有用性が高いといえる。
<2.ポリイミドフィルム>
本発明に係るポリイミドフィルムは、金属不純物が、2.1〜5.0ppmの範囲内で含まれるものであればよい。特に、上記金属不純物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、および遷移元素金属であることが好ましい。さらに、上記ポリアミド酸組成物をイミド化して得られるものであることがより好ましい。
上記ポリアミド酸組成物(例えば、ワニス)から、本発明に係るポリイミドフィルムを製造する方法については従来公知の方法を用いることができ、その具体的な方法については特に限定されるものではない。ポリアミド酸組成物のポリイミド化の方法としては、例えば、熱イミド化法、化学イミド化法が挙げられる。
熱イミド化法は、脱水剤およびイミド化触媒を作用させることなく、加熱によってのみイミド化を促進させる方法である。加熱条件は、ポリアミド酸組成物(ワニス)の種類、フィルムの厚さ等により、常法にしたがい適宜設定可能である。
化学イミド化法は、ポリアミド酸組成物に、脱水剤およびイミド化触媒とを作用させる方法である。脱水剤としては、例えば、無水酢酸などの脂肪族酸無水物、無水安息香酸などの芳香族酸無水物などが挙げられる。イミド化触媒としては、例えばトリエチルアミンなどの脂肪族第3級アミン類、ジメチルアニリンなどの芳香族第3級アミン類、ピリジン、ピコリン、イソキノリンなどの複素環式第3級アミン類などが挙げられる。これらの中で、特に脱水剤としては無水酢酸、イミド化触媒としてイソキノリンを用いるのが好ましい。また、ポリアミド酸組成物のアミック酸1モルに対して、無水酢酸はモル比で1.0〜4.0、好ましくは1.2〜3.5、さらに好ましくは1.5〜2.5の割合にて加えるのが好ましく、またイソキノリンはポリアミド酸組成物のアミック酸1モルに対して、モル比で0.1〜2.0、好ましくは0.2〜1.5、さらに好ましくは0.3〜1.2、特に好ましくは0.3〜1.0の割合で加える。上記の割合で無水酢酸およびイソキノリンを添加することにより、良好なポリイミドフィルムを得ることができる。
具体的なポリイミドフィルム作製方法は、常法にしたがい従来公知の方法を用いることができ、特に限定されるものではない。一例を挙げると、上記ポリアミド酸ワニス、もしくはポリアミド酸ワニスと、脱水剤と、イミド化触媒との混合溶液を、エンドレスベルト、ステンレスドラム等の支持体上に流延し、乾燥・イミド化させ、フィルムとしての支持体を持たせた後に当該支持体からフィルムを引き剥がし、引き続きピン等で両端を固定した後このフィルムを搬送しながら、熱風炉および/または遠赤炉を通過させることにより、最終的な長尺ポリイミドフィルムを取得する方法がある。
上述の方法により、上記<1>欄で説明したポリアミド酸組成物を用いて得られたポリイミドフィルムは、金属不純物(例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、および遷移元素金属)含有量の合計が2.1〜5.0ppm、より好ましくは2.3〜5.0ppm、特に好ましくは3.0〜5.0ppmの不純物を含むものである。これまでのポリイミドフィルムは、上述のような高濃度の金属不純物を含有する場合、製膜性や耐熱性などの物性の面で品質が劣るという問題があった。例えば、上記特許文献1には、ポリイミドフィルム中の金属不純物濃度が2ppm以上の場合、ポリイミドフィルムの加熱後の強度および伸度が実用に耐えられなくなるとの記載がある。
しかしながら、本発明に係るポリイミドフィルムによれば、上述のような金属不純物を多量に含んでいるにもかかわらず、以下の(I)(II)の性質を有する。
(I)PCT保持率が50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上であり、耐環境性に優れる。
(II)同じ酸二無水物とジアミン成分とを同じ組成で用いているが、不純物が少ないポリイミドフィルム(アルカリ金属、アルカリ土類金属、および遷移元素金属含有量の合計が2.1ppm未満)と比べても、同様の耐屈曲性(MIT値)を有する。なお、MIT値の評価方法は実施例の項に後述する。
このため、上記ポリイミドフィルムは、例えばエレクトロニス分野、一例を挙げるとフレキシブルプリント基板、TABテープあるいは高密度記録媒体用ベースフィルム等に好適に用いることができる。
以下実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例、比較例における物性の評価およびポリアミド酸ワニス重合・ポリイミドフィルム製膜は以下のようにして行った。
(ジアミン・ポリイミドフィルム中の金属不純物濃度測定)
原子吸光法でアルカリ金属、アルカリ土類金属、および遷移元素金属の含有量をそれぞれ測定し、その合計値を金属不純物濃度とした。なお、装置はセイコーインスツルメンツ製原子吸光分析装置SAS760を用いた。
(ジアミン中のモノアミン濃度測定)
ガスクロマトグラフィーにて、ジアミン中のモノアミン濃度を測定した。なお、装置はHEWLETT PACKARD社製のガスクロマトグラフィー「HP 6890 series」を用いた。
(ワニスの昇粘時間測定)
プレポリマー調製工程におけるプレポリマー粘度を23℃にて1〜30ポイズになるようにテトラカルボン酸二無水物に対するジアミン量を調整して投入する。その後、ポリアミド酸調製工程において、23℃にて1500ポイズ以上のポリアミド酸ワニスを得るまでにかかる時間を測定した。
(プレポリマー、ポリアミド酸ワニスの粘度測定)
プレポリマーおよびポリアミド酸ワニスの溶液を23℃に保温した後に、B型粘度計(TOKIMEC社製)で粘度の測定を行った。ローターはプレポリマー粘度測定時はNo.2、ポリアミド酸ワニス粘度測定時はNo.7を用いて測定を行った。
(PCT保持率測定)
ポリイミドフィルムの引裂き伝播抵抗、PCT処理後の引裂き伝播抵抗を以下のようにして測定した。なお、PCT(プレッシャークッカー試験)とは、耐環境試験を表す略語である。
(i)引裂き伝播抵抗
ASTM D1938に準拠して測定を行った。具体的には、ポリイミドフィルムを縦75mmおよび横25mmの長方形状の短冊状に切り出し、それを横辺の中央部を縦辺と並行に50mmの切り込みを入れてサンプルを作製する。サンプルは島津製作所株式会社製オートグラフS−100−Cに100gfまで測定することができるロードセルを取り付けてフィルムの横辺に切込みを入れた部分を機械で挟み込み、250mm/分の速度を引き裂き、そのときに得られる強度を引き裂き伝播抵抗とした。
なお、引き裂き伝播抵抗は、厚みによる補正を行うことで、厚みばらつきの補正を行うことができる。
(ii)PCT処理条件
150℃、湿度100%Rh、4気圧の環境試験機にて12時間耐環境試験を行い、フィルムの引裂き伝播抵抗の測定を行った。また、PCT保持率は次式で求めた。
PCT保持率(%)=(耐環境試験後の引裂き伝播抵抗値)/(耐環境試験前の引裂き伝播抵抗値) × 100
(MIT値)
耐屈曲性は、耐折度試験機(ミツトヨMIT試験機(株式会社ミツトヨ製))を用い、ASTM−D2176に準じて測定した。荷重先端Rは0.38mm、荷重は1000gを用いた。MIT値の評価は以下のようにして行った。MIT値の判断項目として、下記数式(5)で表されるC値を定義した。
C=Log(D)+3Log(E) ・・・(5)
Logは10を基底とする対数、D(回)はMIT試験(ASTM−D2176)による破断回数、E(μm)はフィルムの厚さを示す。
上記数式(5)で表されるC値が、
C<8.0:×、8.0≦C≦9.5:○、9.5<C:◎
という評価項目を設けて評価した。
(精製3,4’−オキシジアニリンの製造方法)
本願発明で使用した精製3,4’−オキシジアニリンは以下のようにして作製した。なお、粗3,4’−オキシジアニリンとは、以下に記載の精製過程を経ていない3,4’−オキシジアニリンを示す。
粗3,4’−オキシジアニリンを10mmHg以下、230℃以下の条件で蒸留した。150℃以下の前沸分および240℃以上の後沸分は除外し主留分を得た。得られた主留分をトルエンで再結晶した。これをトルエンで洗浄後、乾燥し高純度の3,4’−オキシジアニリンを得た。これを精製3,4’−オキシジアニリンとする。再結晶および洗浄で用いたトルエンは蒸留精製品を用いた。
(ポリアミド酸ワニス重合例1)
まず、粗3,4’−オキシジアニリン/4,4’−オキシジアニリン/ピロメリット酸二無水物を、それぞれモル比0.47/0.50/1.00の比率で、N,N’-ジメチルアセトアミド溶媒下、重合を行い、5ポイズ(23℃において)のプレポリマーを得た。具体的には、全ジアミン成分に対して47モル%の粗3,4’−オキシジアニリンおよび全ジアミン成分に対して50モル%の4,4’−オキシジアニリンをN,N’−ジメチルアセトアミド溶媒に溶かし、次にピロメリット酸二無水物を全量投入する(つまり、すでに投入されているジアミン成分に対して1.00/(0.47+0.50)×100=103%(モル比)の酸無水物を投入する)ことで、酸末端プレポリマーを得た。なお、プレポリマー調製工程におけるプレポリマーの温度は−5℃に保った。
次いで、この酸末端プレポリマー溶液に、パラフェニレンジアミンを、全酸成分と実質的に等モルになるように添加し、最終的に固形分18%、1500ポイズ(23℃において)のポリアミド酸ワニスを得た。ポリアミド酸調製工程におけるポリアミド酸ワニスの温度は5℃に保った。なお、本重合においては、ポリアミド酸ワニスを作製する過程で余計な不純物が混入するのを防ぐために、重合中は反応器内を窒素で十分置換し、ポリアミド酸ワニスを作製した。
(ポリアミド酸ワニス重合例2)
まず、粗3,4’−オキシジアニリン/2,2−ビス〔4−(4−アミノフィノキシ)フェニル〕プロパン/パラフェニレンジアミン/3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物/ピロメリット酸二無水物を、それぞれモル比0.20/0.30/0.46/0.20/0.80の比率で、N,N’−ジメチルアセトアミド溶媒下、重合を行い、15ポイズ(23℃において)のプレポリマーを得た。
具体的には、全ジアミン成分に対して20モル%の粗3,4’−オキシジアニリンおよび全ジアミン成分に対して30モル%の2,2−ビス〔4−(4−アミノフィノキシ)フェニル〕プロパンをN,N’−ジメチルアセトアミド溶媒に溶かし、次に全酸二無水物成分に対して20モル%の3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物および全酸二無水物成分に対して25モル%のピロメリット酸二無水物を投入し、30分均一攪拌することでアミン末端ポリマーを得た。次いで全ジアミン成分に対して46モル%のパラフェニレンジアミンを投入後、全酸二無水物成分に対して55モル%のピロメリット酸二無水物を投入し、30分均一攪拌することで酸末端プレポリマーを得た。なお、プレポリマー調製工程におけるプレポリマーの温度は−5℃に保った。
次いで、この酸末端プレポリマー溶液に、パラフェニレンジアミンを、全酸成分と実質的に等モルになるように添加し、最終的に固形分18%、1500ポイズ(23℃において)のポリアミド酸ワニスを得た。ポリアミド酸調製工程におけるポリアミド酸ワニスの温度は5℃に保った。なお、本重合においては、ポリアミド酸ワニスを作製する過程で余計な不純物が混入するのを防ぐために、重合中は反応器内を窒素で十分置換し、ポリアミド酸ワニスを作製した。
(ポリアミド酸ワニス重合例3)
まず、粗3,4’−オキシジアニリン/4,4’−オキシジアニリン/ピロメリット酸二無水物を、それぞれモル比0.50/0.50/0.97の比率で、順次N,N’−ジメチルアセトアミド溶媒に供給し、1時間攪拌を行って8ポイズ(23℃において)のプレポリマーを得た。なお、上記工程において、プレポリマーの温度は−5℃に保った。
次いで、このアミン末端プレポリマー溶液に、ピロメット酸二無水物を、全酸成分と実質的に等モルになるように添加し、最終的に固形分18%、1500ポイズ(23℃において)のポリアミド酸ワニスを得た。この工程におけるポリアミド酸ワニスの温度は5℃に保った。なお、本重合においては、ポリアミド酸ワニスを作製する過程で余計な不純物が混入するのを防ぐため、重合中は反応器内を窒素で十分置換し、ポリアミド酸ワニスを作製した。
(ポリイミドフィルム製膜例)
上記ポリアミド酸ワニスを約0℃に冷却した上で、約0℃に冷却したポリアミド酸ワニス1モルに対して2.1モル%の無水酢酸および1.1モル%のイソキノリンを添加し、充分に攪拌した。その後、約5℃に保ったダイより押し出して、幅約1m、揮発分を含んだ樹脂の厚さが0.15mm(乾燥後に25.0μm)になるようにダイのリップクリアランスを調整してエンドレスベルト上に引き取った。エンドレスベルト上で、85℃で約5分間加熱することで揮発成分をフィルムの重量に対し50重量%にする。この自己支持性を有したグリーンシートを引き剥がし、続いてシートの両端を連続的に把持する装置を用いてグリーンシートの端部を固定した。そして、シートを搬送するピンシートに固定した状態で熱風炉に搬送し、350℃で60秒加熱した後、引き続き400℃、450℃の熱風炉に搬送して30秒ずつ加熱を行った。その後、遠赤外線ヒーター炉を用いて、410℃で30秒間加熱を行い、遠赤外線ヒーター炉から搬出したところでピンからフィルムを引き剥がし、巻取って約1m幅の25μmフィルム(長尺品)を得た。
(実施例1)
上記(ポリアミド酸ワニス重合例1)に従って作製したポリアミド酸ワニスから、上記(ポリイミドフィルム製膜例)に従ってポリイミドフィルムを作製した。そして、まず、“重合に用いた粗3,4’−オキシジアニリンの金属不純物濃度およびモノアミン濃度”を測定した。次に、“重合における昇粘時間”を測定した。最後に、“得られたポリイミドフィルムの金属不純物濃度、PCT保持率、MIT試験結果”をそれぞれ測定した。これらの測定結果を下記表1に示す。
(実施例2)
上記(ポリアミド酸ワニス重合例2)に従ってポリアミド酸ワニスを作製した以外は(実施例1)と同様にしてポリアミド酸ワニスおよびポリイミドフィルムを得、(実施例1)と同様の測定を行った。測定結果を下記表1に示す。
(参考例1)
上記(実施例1)に比較して、(ポリアミド酸ワニス重合例1)において粗3,4’−オキシジアニリンの代わりに精製3,4’−オキシジアニリンを用いた以外は(実施例1)と同様にしてポリアミド酸ワニス及びポリイミドフィルムを得、(実施例1)と同様の測定を行った。測定結果を下記表1に示す。
(参考例2)
上記(実施例2)に比較して、(ポリアミド酸ワニス重合例2)において粗3,4’−オキシジアニリンの代わりに精製3,4’−オキシジアニリンを用いた以外は(実施例2)と同様にしてポリアミド酸ワニスおよびポリイミドフィルムを得、(実施例2)と同様の測定を行った。測定結果を下記表1に示す。
(比較例1)
上記(実施例1)に比較して、(ポリアミド酸ワニス重合例3)に従ってポリアミド酸ワニスを作製した以外は(実施例1)と同様にしてポリアミド酸ワニスおよびポリイミドフィルムを得、(実施例1)と同様の測定を行った。測定結果を下記表1に示す。
Figure 2006307082
実施例1と参考例1、および実施例2と参考例2から、本発明を用いるとジアミン中・ポリイミドフィルム中に不純物が多い場合でも、精製材料を用いた場合と同様の、十分な耐環境性・耐屈曲性を有することがわかる。
さらに実施例1および比較例1から、酸末端プレポリマーを調製した後、剛構造を有するジアミンである、パラフェニレンジアミンを用いて昇粘を行うことで、昇粘時間が著しく短くなり、生産性低下をもたらすことなくポリアミド酸ワニスを生産可能であり、それから得られるポリイミドフィルムも充分な耐環境性・耐屈曲性を有することがわかる。
以上のように、本発明に係るポリアミド酸組成物から得られるポリイミドフィルムは、例えばエレクトロニス分野、一例を挙げるとフレキシブルプリント基板、TABテープあるいは高密度記録媒体用ベースフィルム等の電子機器部品に好適に用いることができる。また、この分野以外にも、本発明の目的に合致する範囲で広範な産業上の利用可能性が考えられる。


Claims (11)

  1. テトラカルボン酸二無水物成分と第1のジアミン成分とを用いて酸末端プレポリマーを調製するプレポリマー調製工程と、
    上記プレポリマー調製工程で得られたプレポリマーに対して、さらに第2のジアミン成分を添加して、ポリアミド酸重合体を調製するポリアミド酸調製工程と、を有し、
    上記プレポリマー調製工程において、酸100モル%に対して、化学量論的に過少モル量のジアミンとなるように、テトラカルボン酸二無水物成分と第1のジアミン成分とを用い、
    上記第1のジアミン成分は、金属不純物を1.0〜3.0ppm、および/または、モノアミン不純物を0.2〜5.0重量%含むものであり、
    上記第2のジアミン成分は、剛構造を有するジアミンを含むものであることを特徴とするポリアミド酸組成物の製造方法。
  2. 上記第1のジアミン成分は、上記テトラカルボン酸二無水物成分100モル%に対して、92〜99.5モル%の割合であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド酸組成物の製造方法。
  3. 上記第2のジアミン成分は、上記テトラカルボン酸二無水物100モル%に対して、0.5〜8モル%の割合であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリアミド酸組成物の製造方法。
  4. 上記第1のジアミン成分は、柔構造を有するジアミンを含むものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアミド酸組成物の製造方法。
  5. 上記柔構造を有するジアミンは、オキシジアニリンであることを特徴とする請求項4に記載のポリアミド酸組成物の製造方法。
  6. 上記オキシジアニリンは、3,4’−オキシジアニリンであることを特徴とする請求項5に記載のポリアミド酸組成物の製造方法。
  7. 上記剛構造を有するジアミンは、パラフェニレンジアミンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリアミド酸組成物の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリアミド酸組成物の製造方法によって得られることを特徴とするポリアミド酸組成物。
  9. 金属不純物が、2.1〜5.0ppmの範囲内で含まれ、かつPCT保持率が50%以上であることを特徴とするポリイミドフィルム。
  10. 上記金属不純物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、および遷移元素金属であることを特徴とする請求項9に記載のポリイミドフィルム。
  11. 請求項8に記載のポリアミド酸組成物をイミド化して得られることを特徴とする請求項9または10に記載のポリイミドフィルム。
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