JP5594005B2 - 二軸配向ポリアリーレンスルフィドフィルム - Google Patents
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Description
アリーレン基としては、フェニル基が好ましく、上式において代表的なものとして、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルフィドケトン、これらのランダム共重合体、ブロック共重合体及びそれらの混合物などが挙げられる。特に好ましいポリアリ−レンスルフィドとしては、フィルム物性と経済性の観点から、ポリフェニレンスルフィド(PPS)が好ましく例示され、ポリマーの主要構成単位として下記構造式で示されるp−フェニレンスルフィド単位を好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上含む樹脂を用いることが好ましい。かかるp−フェニレンスルフィド成分が80モル%未満では、ポリマーの結晶性や熱転移温度などが低く、PPSの特徴である耐熱性、寸法安定性、機械特性および誘電特性などを損なうことがある。
なお、本発明の二軸配向ポリアリーレンスルフィドフィルムの耐候性をより向上させる好ましい延伸倍率として長手方向(MD方向)および幅方向(TD方向)に3.4〜4.5倍の範囲とし、面積倍率(MD方向の倍率とTD方向の倍率の積)は、12倍以上、20倍以下とすることが好ましい。一方で成形加工性をより向上させる好ましい延伸倍率として長手方向(MD方向)および幅方向(TD方向)に2.5〜3.4倍の範囲とし、面積倍率(MD方向の倍率とTD方向の倍率の積)は7倍以上、12倍未満とすることが好ましい。
フィルムを(ア)長手方向に平行かつフィルム面に垂直な方向、(イ)幅方向に平行かつフィルム面に垂直な方向、(ウ)フィルム面に対して平行な方向に切断し、サンプルを超薄切片法で作製した。切断面(ア)(イ)(ウ)の各切断面それぞれについて透過型電子顕微鏡(日立製H−7100FA型)を用いて、加圧電圧100kVの条件下で観察し、1万倍で写真を撮影した。得られた写真をイメージアナライザーに画像として取り込み、画像処理を行い、各切断面毎に任意の100個のカーボンブラック相(画面中、他のカーボンブラックとはつながっておらずにフィルム中に存在する一次粒子や一次粒子が互いにつながって形成する凝集体(二次粒子))を選択し、該カーボンブラック相の最長径(la)と最長径の軸に直交する軸における径(lb)との平均値{(la+lb)/2}を粒子径として測定し、その100個の平均値を粒子径とした。これを(ア)(イ)(ウ)の各切断面毎について測定し、算出された各切断面の粒子径の平均値をフィルム中のカーボンブラックの平均二次粒子径とした。
フィルムをα−クロロナフタレンに溶解し、加熱時に濾過を行って粒子を分離し、フィルム全重量に対する比率(重量%)で表す。また、必要に応じて赤外分光法、蛍光X線法、SEM−XMAを利用して定量することもできる。
フィルムを野村商事(株)製のSONIC SHEET TESTER(SST−250)にフィルム長手方向が装置上で0°の角度、フィルム幅方向が装置上で90°の角度となる位置に載せ角度を5°刻みにて360°(1回転相当)の超音波伝達速度を測定し、長手方向(0°)の超音波伝達速度と幅方向(90°)の超音波伝達速度との平均値を求めた。
フィルム長手方向および幅方向について、それぞれ長さ200mm、幅10mmの短冊状のサンプルを切り出して測定に供した。ASTM−D882−97に規定された方法に従って、引っ張り試験器を用いて25℃、65%RHにて破断伸度を測定した。初期引っ張りチャック間距離は100mmとし、引っ張り速度は300mm/分とした。測定はサンプルを変更して20回行い、その破断伸度の平均値(X)を求めた。F40値は伸張40%時点の応力であり、前記20回の測定における平均値を求めた。
フィルム長手方向および幅方向について、それぞれ長さ200mm、幅10mmの短冊状のサンプルを切り出して測定に供した。ASTM−D882−97に規定された方法に従って、200℃雰囲気に加熱された炉内にて引っ張り試験器を用いて破断伸度を測定した。初期引っ張りチャック間距離は100mmとし、引っ張り速度は300mm/分とした。測定はサンプルを変更して20回行い、その破断伸度の平均値(X)を求めた。F100値は伸張100%時点の応力であり、前記20回の測定における平均値を求めた。
フィルム長手方向に沿い、長さ200mm、幅10mmの短冊状のサンプルを切り出し、ASTM−D882−97に規定された方法に従って、引っ張り試験器を用いて25℃、65%RHにて破断伸度を測定した。初期引っ張りチャック間距離は100mmとし、引っ張り速度は300mm/分とした。測定はサンプルを変更して20回行いその破断伸度の平均値(X)を求めた。また、フィルム長手方向に沿い、長さ200mm、幅10mmの短冊状のサンプルを、紫外線劣化促進試験機アイスーパーUVテスターSUV−W131(岩崎電気(株)製)を用い、60℃、50%RHの雰囲気下で照度が100mW/cm2の条件で処理した後、自然冷却し、このサンプルについて前記と同条件での引っ張り試験を20回行い、その破断伸度の平均値(Y)を求めた。得られた破断伸度の平均値(X)、(Y)から伸度保持率を次式で求めた。
伸度保持率が50%以下となるまでの紫外線劣化促進試験機での処理時間を破断伸度の半減時間とした。耐耐候性は下記の基準に従って評価した。AとBおよびCが合格である(BよりAが、CよりBが優れる)。
A:伸度半減時間が72時間以上である。
B:伸度半減時間が48時間以上72時間未満である。
C:伸度半減時間が24時間以上48時間未満である。
D:伸度半減時間が24時間未満である。
(a)金型成形性
浅野研究所製成形機(FKS−0631−20)を用いて400℃の遠赤外線ヒーターで、フィルム表面温度が200℃の温度になるようにフィルムを加熱し、50℃に加熱した金型(底面直径50mm)に沿って真空圧空成形(圧力:1MPa)を行った。金型に沿って成形できた状態を成形度合い(絞り比:成形高さ/底面直径)を用いて以下の基準で評価した。A、BおよびCが合格である(BよりAが、CよりBが優れる)。
A:絞り比0.3以上で成形できた。
B:絞り比0.2〜0.3で成形できた。
C:絞り比0.2で成形できた。
D:追従性が低く、絞り比0.3の形に成形できなかった。
E:破れて成形できなかった。
モーター加工機(小田原エンジニアリング社製)を用いて、フィルムを12×80mmのサイズ(80mmのサイズをとる方向をフィルムの長手方向に合わせた)に打ち抜き、さらに折り目をつける加工を加工速度2個/秒で1,000回行い、割れや亀裂の発生数を数えて、以下のように判断した。A、BおよびCが合格である(BよりAが、CよりBが優れる)。
A:割れや亀裂の発生数が50個未満
B:割れや亀裂の発生数が50個以上100個未満
C:割れや亀裂の発生数が100個以上200個未満
D:割れや亀裂の発生数が200個以上
以下に、本発明の具体的な実施例を比較例と比較しながら説明する。
撹拌機付きの70リットルオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム8267.37g(70.00モル)、96%水酸化ナトリウム2957.21g(70.97モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)11434.50g(115.50モル)、酢酸ナトリウム2583.00g(31.50モル)、及びイオン交換水10500gを仕込み、常圧で窒素を通じながら245℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、水14780.1gおよびNMP280gを留出した後、反応容器を160℃に冷却した。仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たりの系内残存水分量は、NMPの加水分解に消費された水分を含めて1.06モルであった。また、硫化水素の飛散量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.02モルであった。
ジメチルテレフタレートとエチレングリコールの混合物に、ジメチルテレフタレートに対して、酢酸カルシウム0.09重量%と三酸化アンチモン0.03重量%とを添加して、常法により加熱昇温してエステル交換反応を行った。次いで、得られたエステル交換反応生成物に、原料であるジメチルテレフタレートに対して、酢酸リチウム0.15重量%とリン酸トリメチル0.21重量%とを添加した後、重合反応槽に移行し、次いで加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して1mmHgの減圧下、290℃で常法により重合し、固有粘度0.54dl/gのポリエチレンテレフタレート(PET)を得た。得られたPETを回転型真空重合装置を用いて、1mmHg以下の減圧下、225℃の温度で35時間加熱処理し、固有粘度0.85dl/gのPETポリマを得た。
ジメチル−2、6−ナフタレート100重量%、エチレングリコール60重量%および酢酸マグネシウム4水和物0.09重量%を反応器にとり、約4時間をかけて230℃まで徐々に加熱昇温した。この時生成してくるメタノールを留去させ、エステル交換反応を終了した。この反応物にリン酸トリメチル0.04重量%、三酸化アンチモン0.03重量%およびエチレングリコール10重量部に分散させた平均粒子径0.3μmの酸化チタン0.3重量%を添加し、常法に従って重合し、固有粘度0.48のポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)チップを得た。このチップを200℃で30時間固相重合し、固有粘度0.78のPENチップを得た。
参考例1で作製したPPS97重量%とカーボンブラックとして三菱化学社製ファーネスブラック“#3030B”(平均一次粒子径=55nm、DBP吸油量=130ml/100g)(CB−1)3重量%を乾燥空気下で均一に配合後、ニーディングパドル混練部を設けた真空ベント付き同方向回転式二軸混練押出機に投入し、滞留時間90秒、スクリュー回転数300回転/分、330℃で溶融押出してストランド状に吐出し、温度25℃の水で冷却した後、直ちにカッティングしてブレンドチップを作製した。得られたPPS/CB−1(97/3重量%)のブレンドチップを180℃で7時間1mmHgの減圧下で乾燥した後、溶融部が320℃に加熱されたフルフライトの単軸押出機に供給した。
参考例1で作製したPPS樹脂100重量%のみ使用し、カーボンブラックを含有しないこと以外は実施例1と同様にして厚さ50μmの二軸配向フィルムを得た。本比較例で得られた二軸配向フィルムの構成および特性は表1に示したとおりであり、耐候性は向上せず、また、機械特性の改善もないため成形加工性が不十分であり、特にモーター挿入においては割れや亀裂が酷いものであった。
カーボンブラックの含有量を表1に示す割合に変更した(なお、PPSとカーボンブラックの重量の和で100重量%である。以下同じ)以外は実施例1と同様にして、厚さ50μmの二軸配向フィルムを得た。各実施例で得られた二軸配向フィルムの構成および特性は表1に示したとおりである。実施例2の二軸配向フィルムは十分な耐候性を有しながら成形加工性も良好で、特に金型成形性に優れたものであった。また実施例3の二軸配向フィルムは十分な耐候性を有しながら成形加工性も良好なものであった。
製膜時の長手方向(MD方向)および幅方向(TD方向)の延伸倍率を表1に示した条件に変更した以外は実施例1と同様にして、厚さ50μmの二軸配向フィルムを得た。各実施例で得られた二軸配向フィルムの構成および特性は表1に示したとおりである。
製膜条件として延伸後の熱固定温度を表1に示した通り2段熱処理から1段熱処理工程に変更した以外は、実施例1と同様にして厚さ50μmの二軸配向フィルムを得た。本実施例で得られた二軸配向フィルムの構成および特性は表1に示したとおりであり、耐候性においては良好であったが、破断伸度が低く、F40値が大きくなり成形加工性が若干劣るものであるが実使用上問題ないレベルであった。
三菱化学社製ファーネスブラック“#3230B”(平均一次粒子径=23nm、DBP吸油量=140ml/100g)(CB−2)を用いた以外は実施例1と同様にして厚さ50μmの二軸配向フィルムを得た。本実施例で得られた二軸配向フィルムの構成および特性は表1に示したとおりであり、極めて良好な耐候性を有し、成形加工性も良好なものであった。
三菱化学社製ファーネスブラック“#960B”(平均一次粒子径=16nm、DBP吸油量=64ml/100g)(CB−3)を用いた以外は実施例1と同様にして厚さ50μmの二軸配向フィルムを得た。本実施例で得られた二軸配向フィルムの構成および特性は表1に示したとおりであり、極めて良好な耐候性を有しているが、破断伸度が低く、F40値が大きくなり成形加工性が若干劣るものであるが実使用上問題ないレベルであった。
電気化学工業社製アセチレンブラック“デンカHS100”(平均一次粒子径=48nm、DBP吸油量=140ml/100g)(CB−4)を用いた以外は実施例1と同様にして厚さ50μmの二軸配向フィルムを得た。本実施例で得られた二軸配向フィルムの構成および特性は表1に示したとおりであり、極めて良好な耐候性を有し、成形加工性も良好なものであった。
PPS樹脂とカーボンブラックとの混合方法としてニーディングパドル混練部を設けた真空ベント付き同方向回転式二軸混練押出機の代わりに、フルフライトスクリュを設けた真空ベント付き同方向回転式二軸混練押出機を用いた以外は実施例1と同様にして厚さ50μmの二軸配向フィルムを得た。本実施例で得られた二軸配向フィルムの構成および特性は表1に示したとおりであり、極めて良好な耐候性を有しているが、破断伸度が低く、F40値が大きくなり成形加工性が若干劣るものであるが実使用上問題ないレベルであった。
カーボンブラックとしてケッチェン・ブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラック“EC600JD”(平均一次粒子径=34nm、DBP吸油量=495ml/100g)(CB−5)を用いた以外は実施例1と同様にして厚さ50μmの二軸配向フィルムを得た。本比較例で得られた二軸配向フィルムの構成および特性は表1に示したとおりであり、耐候性においては若干の改善効果が見られたが、カーボンブラックの平均二次粒子径が本発明の規定する範囲より大きいため、機械特性の改善効果が得られておらず成形加工性が不十分であり特に金型成形においては破れて成形不可、モーター挿入においては割れや亀裂が酷いものであった。
PPS樹脂とカーボンブラックとの混合方法として同方向回転式二軸混練押出機の代わりにフルフライトの単軸押出機を用いてブレンドチップを作製した以外は実施例1と同様にして厚さ50μmの二軸配向フィルムを得た。本比較例で得られた二軸配向フィルムの構成および特性は表1に示したとおりであり、フィルム中のカーボンブラックの平均二次粒子径が本発明の規定する範囲より大きく、耐候性の向上が得られず、また、機械特性の改善もないため成形加工性が不十分であり特に金型成形においては破れて成形不可、モーター挿入においては割れや亀裂が酷いものであった。
カーボンブラックの含有量を表1に示す割合に変更した以外は実施例1と同様にして、厚さ50μmの二軸配向フィルムを得た。本比較例で得られた二軸配向フィルムの構成および特性は表1に示したとおりであり、フィルム中のカーボンブラックの平均二次粒子径が本発明の規定する範囲より小さく、耐候性の向上が得られず、また、機械特性の改善もないため成形加工性が不十分であり、特にモーター挿入においては割れや亀裂が酷いものであった。
二軸延伸および熱固定を施さないこと以外は実施例10と同様にして無配向のフィルムを作製した。本比較例のフィルムはフィルム中のカーボンブラックの平均二次粒子径が本発明の規定する範囲にあるものの二軸配向していないため耐候性の向上が不十分であり、かつ機械特性の向上効果が得られていないため成形加工性も不十分であり特に金型成形においては破れて成形不可、モーター挿入においては割れや亀裂が酷いものであった。
カーボンブラックとしてCancarb社製サーマックス“MT−N900”(平均一次粒子径=230nm、DBP吸油量=37ml/100g)(CB−6)を用いた以外は実施例1と同様にして厚さ50μmの二軸配向フィルムを得た。本比較例で得られた二軸配向フィルムの構成および特性は表1に示したとおりであり、耐候性においては若干の改善効果が見られたが、カーボンブラックの平均二次粒子径が本発明の規定する範囲より大きいため、機械特性の改善効果が得られておらず成形加工性が不十分であり特に金型成形においては破れて成形不可、モーター挿入においては割れや亀裂が酷いものであった。
参考例2で得た固有粘度0.85のPETチップ50重量%とGeneral Electric社製のポリエーテルイミド(PEI)チップ”ウルテム”1010(ガラス転移温度217℃、固有粘度0.68)を50重量%、150℃で5時間除湿乾燥した後、320〜290℃に加熱された(スクリューゾーン、押出ヘッド部で温度勾配を設定)二軸3段タイプのスクリュー(PETとPEIの混練可塑化ゾーン/ダルメージ混練ゾーン/逆ネジダルメージによる微分散相溶化ゾーン)を具備したベント式二軸押出機(L/D=40、ベント孔の減圧度は200Paとした)に供給して、滞留時間3分にて溶融押出し、ウルテムを50重量%含有したPET/PEIブレンドチップを得た。
基層部(B層)に含まれるポリエステル(a)として参考例3で製造した固有粘度0.78のポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)50重量%とGeneral Electric社製のポリエーテルイミド(PEI)チップ”ウルテム”1010(ガラス転移温度217℃、固有粘度0.68)を50重量%、150℃で5時間除湿乾燥した後、320〜290℃に加熱された(スクリューゾーン、押出ヘッド部で温度勾配を設定)二軸3段タイプのスクリュー(PETとPEIの混練可塑化ゾーン/ダルメージ混練ゾーン/逆ネジダルメージによる微分散相溶化ゾーン)を具備したベント式二軸押出機(L/D=40、ベント孔の減圧度は200Paとした)に供給して、滞留時間3分にて溶融押出し、ウルテムを50重量%含有したPET/PEIブレンドチップを得た。得られたPEN/PEIブレンドチップ30重量%と前記の固有粘度0.78のPENチップ70重量%とを混合させ、(PENとPEIの混合比率、PEN;85重量%、PEI;15重量%)、180℃で3時間減圧乾燥した後、溶融部が300℃に加熱されたフルフライトの単軸押出機2(B層)に供給した。他方、A層側のポリマーは実施例14と同様条件にて作成、溶融押出し、A層、B層のそれぞれ溶融したポリマを温度310℃に設定したフィルターで濾過し、3層用の合流ブロック用いて3層積層(積層比率A層/B層/A層=1/4/1)となるように合流させて、温度300℃に設定したTダイの口金から溶融共押出した後、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、実質的に無配向の積層フィルムを作製した。
製膜時の長手方向(MD方向)および幅方向(TD方向)の延伸倍率を表2に示した条件に変更した以外は実施例14と同様にして、厚さ50μmの二軸配向ポリアリーレンスルフィルムを得た。本実施例で得られた二軸配向フィルムの構成および特性は表2に示したとおりであり、極めて良好な成形加工性を有しており、耐候性も十分良好であった。
カーボンの含有量を表2に示す割合に変更した以外は実施例14と同様にして、二軸配向フィルムを得た。本実施例で得られた二軸配向フィルムの構成および特性は表2に示したとおりであり、カーボンブラックの平均二次粒子径が若干大きいが、積層構成としたことで機械特性が単層のフィルムである実施例5より格段に向上し、成形加工性が実使用上問題ないレベルであった。また、耐候性については十分な特性を有していた。
Claims (10)
- ポリアリーレンスルフィドを含む熱可塑性樹脂にカーボンブラックを0.1重量%〜10重量%含有したフィルムであって、該フィルム中にカーボンブラックが平均二次粒子径50nm〜900nmで分散していることを特徴とする二軸配向ポリアリーレンスルフィドフィルム。
- カーボンブラックの平均一次粒子径が100nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の二軸配向ポリアリーレンスルフィドフィルム。
- カーボンブラックがファーネスブラックあるいはアセチレンブラックであることを特徴とする請求項1または2に記載の二軸配向ポリアリーレンスルフィドフィルム。
- フィルムの長手方向および幅方向における超音波の伝搬速度の平均値が1.3〜2.5km/secであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の二軸配向ポリアリーレンスルフィドフィルム。
- ポリアリーレンスルフィドがポリフェニレンスルフィドである請求項1〜4のいずれかに記載の二軸配向ポリアリーレンスルフィドフィルム。
- フィルム面方向の少なくとも1つの方向において、引張試験にて測定したF40値(フィルム長手方向および幅方向について、それぞれ長さ200mm、幅10mmの短冊状のサンプルを切り出して測定に供し、ASTM−D882−97に規定された方法に従って25℃、65%RH、初期引っ張りチャック間距離100mm、引っ張り速度300m/分にて、伸度40%の時点での応力値を求め、同測定を20回繰り返して得られた20の応力値の平均値をF40値とする)が150Mpa以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の二軸配向ポリアリーレンスルフィドフィルム。
- フィルム面方向の少なくとも1つの方向において200℃雰囲気下における引張試験でのF100値(フィルム長手方向および幅方向について、それぞれ長さ200mm、幅10mmの短冊状のサンプルを切り出して測定に供し、ASTM−D882−97に規定された方法に従って、初期引っ張りチャック間距離100mm、200℃雰囲気に加熱された炉内にて、引っ張り速度は300m/分で伸度100%の時点での応力値を求め、同測定を20回繰り返して得られた20の応力値の平均値をF100値とする)が50Mpa以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の二軸配向ポリアリーレンスルフィドフィルム。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の二軸配向ポリアリーレンスルフィドフィルム(A層)とポリエステル(a)とポリイミド(b)とを含む熱可塑性樹脂からなるフィルム(B層)とがA層を最外層として積層されてなる二軸配向積層フィルム。
- ポリエステル(a)がポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートおよびこれらの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリエステルであることを特徴とする請求項8に記載の二軸配向積層フィルム。
- ポリイミド(b)がポリエーテルイミドであることを特徴とする請求項8または9に記載の二軸配向積層フィルム。
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