JP5640421B2 - 太陽電池バックシート用ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
(1)損失正接(tanδ)ピーク温度が120〜180℃であり、メタルハライドランプを用いて295〜450nmの紫外線を100mWで48時間照射後の黄色度(b値)の増加量(Δb値)が0〜15であることを特徴とする太陽電池バックシート用ポリエステルフィルム。
(2)ポリエステル(A)とポリイミド(B)を用いてなるポリエステルフィルムであることを特徴とする上記(1)に記載の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルム。
(3)ポリイミド(B)の含有量が、フィルム全体に対して、2質量%〜30質量%であることを特徴とする上記(1)〜(2)に記載の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルム。
(4)紫外線吸収剤の含有量が、フィルム全体に対して、0.01質量%以下であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルム。
(5)面配向係数fnが0.140〜0.280であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルム。
(6)200℃の熱処理72時間後における少なくとも一方向の破断伸度の保持率が10〜100%であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルム。
(7)125℃・100%RH72時間後における少なくとも一方向の破断伸度の保持率が10〜100%であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルム。
(8)波長360nmの光線透過率が0〜20%であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルム。
(9)以下の工程1〜3を、その順に経ることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムの製造方法。
工程1:ポリエステル(A)とポリイミド(B)とを、質量分率(A/B)が70/30〜30/70となるように溶融混練し、コンパウンド原料(AB)を得る工程。
工程2:コンパウンド原料(AB)を0.1kPa以下の減圧下にて210〜250℃の温度で1〜100時間加熱処理し、熱処理されたコンパウンド原料(ABH)を得る工程。
工程3:ポリエステル(A’)と熱処理されたコンパウンド原料(ABH)とを混合し、溶融押出しし、未延伸シートを得て、該未延伸シートを二軸延伸し、二軸配向ポリエステルフィルムを得る工程。
ポリイミド(B)としては、例えば、下記一般式で示されるような構造単位を含有するものが好ましい。
上記R3、R4としては、例えば、下記式群に示される芳香族残基を挙げることができる。
このポリエーテルイミドは、“ウルテム”(登録商標)の商品名で、SABICイノベーティブプラスチック社より入手可能である。
工程1:ポリエステル(A)とポリイミド(B)とを、質量分率(A/B)が70/30〜30/70となるように溶融混練し、コンパウンド原料(AB)を得る工程。
ポリエステル(A)とポリイミド(B)の質量分率(A/B)は好ましくは65/35〜35/65であり、更に好ましくは60/40〜40/60である。70/30よりもポリエステル(A)の比率が大きくなると、ポリイミド(B)の溶融粘度が高すぎるために、溶融粘度の低いポリエステル(A)にポリイミド(B)が分散しにくくなり、分散不良物が発生する。分散不良物はポリエステルフィルム作製工程にて、押出トラブルや延伸不良の原因となり、耐熱性や耐加水分解性の向上が難しくなる。逆に、30/70よりもポリイミド(B)の比率が大きくなると全体の溶融粘度が高くなるためコンパウンド時に剪断発熱が発生し、ポリエステル(A)の劣化がおこる。ポリエステル(A)の劣化はポリエステルフィルム作製工程にて、延伸不良の問題や熱や湿度で劣化しやすく、耐熱性や耐加水分解性の向上が難しくなる。
工程2:コンパウンド原料(AB)を0.1kPa以下の減圧下にて210〜250℃の温度で1〜100時間加熱処理し、熱処理されたコンパウンド原料(ABH)を得る工程。加熱温度は、より好ましくは215〜245℃、さらに好ましくは220〜230℃である。加熱処理する時間は、より好ましくは10〜80時間、さらに好ましくは20〜50時間である。工程2を実施しないとコンパウンド原料(AB)は溶融押出時の熱によってIVが低下しているため、そのまま用いるとポリエステルが劣化しやすく、耐熱性・耐加水分解性・耐候性が低下しやすい。特に耐候性が低下し、紫外線照射によってΔb値が大きくなる。加熱処理温度が210℃よりも低いと固相重合がほとんどおこらず、熱処理による効果が得られない。加熱処理温度が250℃よりも高いとポリエステルが溶融してしまいチップ形状が得られず、ポリエステルフィルム作製の原料として用いることができない。加熱処理時間が1時間よりも短いと固相重合の効果が小さく耐熱性・耐加水分解性・耐候性が向上しない。逆に加熱時間が100時間よりも長いとIVが高くなりすぎるため延伸が行えず、耐熱性・耐加水分解性・耐候性の向上が難しくなる。
工程3:ポリエステル(A’)と熱処理されたコンパウンド原料(ABH)とを混合し、溶融押出しし、未延伸シートを得て、該未延伸シートを二軸延伸し、二軸配向ポリエステルフィルムを得る工程。
以上の1〜3の工程を経ることにより耐熱性、耐加水分解性、耐候性、低ブリードアウト性を兼ね備えた太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムを得ることが出来る。
(1)損失正接(tanδ)ピーク温度
エスアイアイナノテクノロジー(株)製動的粘弾性装置DMS6100型を用い、下記条件にて損失正接(tanδ)を測定し、そのピークの最大高さにおける温度をtanδピーク温度とした。ピークが複数存在あるいはショルダーを有する場合は最も高いピークで評価する。サンプルおよび測定装置の設定は下記の通り。
サンプル長:20mm
サンプル幅:10mm
温度範囲:25〜200℃
昇温速度;2℃/分
歪振幅:10mN
圧縮力ゲイン:1.5
力振幅初期値:100mN。
分光式色差計CM−3600d(KONICA−MINOLTA製)を用い、JIS−K−7105(1981)に従って透過法で三刺激値X,Y,Zを測定した。そこから、下記式にてハンターLab表色系の黄色度(b値)を算出した。
b値=7.0×(Y−0.847×Z)/Y1/2
さらに、Δb値は下記の式にて算出した。紫外線照射は紫外線劣化促進試験機(SUV−W131:岩崎電気(株)製UV照度:100mW/cm2、UV波長:295nm〜450nm、ランプ種:メタルハライド、温湿度:60℃×50%RH)を用いて行った。
Δb値=(紫外線48時間照射後のb値)―(照射前の初期b値)。
フィルムを秤量後、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)/クロロホルム(質量比50/50)の混合溶媒に溶解する。不溶な成分がある場合は、この不溶成分を遠心分離で分取した後、質量を測定し、元素分析、FT−IR、NMR法により該成分の構造と質量分率を測定する。上澄み成分についても同様に分析すれば、ポリエステル成分および他成分の質量分率と構造が特定できる。詳しくは、この上澄み成分から溶媒を留去した後にHFIP/重クロロホルム(質量比50/50)混合溶媒に溶解した後、1H核のNMRスペクトルを測定する。得られたスペクトルで、各成分に特有の吸収(例えば、PETであればテレフタル酸の芳香族プロトン、PEIであればビスフェノールAの芳香族のプロトン)のピーク面積強度を求め、その比率とプロトン数よりブレンドのモル比を算出する。さらにポリマーの単位ユニットに相当する式量より質量比を算出する。このようにして各成分の質量分率と構造が特定できる。
面配向係数は、JIS−K7142(1996)に準拠して測定する。ナトリウムD線を光源として、アッベ屈折率計を用いてMD、TDおよび厚み方向(ZD)方向の屈折率を測定した。マウント液はヨウ化メチレンを用い、温度25℃、湿度65%RHの条件下で測定した。
・試料幅:25mm
・試料長:30mm
・測定装置:アッベ屈折率計 NAR−1T (株)アタゴ社製
・マウント液:ヨウ化メチレン(ポリエチレンナフタレートの場合は、硫黄ヨウ化メチレン)
・測定環境:温度23℃湿度65%RH。
・算出式:面配向係数fn=(nMD+nTD)/2−nZD
ここで、nMDはMD方向屈折率、nTDはTD方向屈折率、nZDはZD方向屈折率。
破断伸度E0は、ASTM−D882(1997)に基づいて、サンプルを1cm×20cmの大きさに切り出し、チャック間5cm、引っ張り速度300mm/minにて引っ張ったときの破断伸度を測定した。測定は、5サンプルについて測定を実施しその平均値でもって破断伸度E0とした。次いで、試料を測定片の形状(1cm×20cm)に切り出した後、エスペック(株)製STPH−102にて、温度200℃にて72時間処理を行った後、処理後のサンプルの破断伸度をASTM−D882(1997)に基づいて、チャック間5cm、引っ張り速度300mm/minで測定した。測定は、5サンプルについて測定しその平均値を破断伸度E1とした。得られた破断伸度E0とE1を用いて、下記式により伸度保持率(温度200℃、72時間)を算出した。
・伸度保持率(温度200℃、72時間)(%)=(E1/E0)×100。
破断伸度E0は、上記(5)と同様にして求める。次いで、試料を測定片の形状(1cm×20cm)に切り出した後、(株)平山製作所製プレッシャークッカーPC304R8Dにて、温度125℃、湿度100%RHの条件下で72時間処理を行った後、処理後のサンプルの破断伸度をASTM−D882(1997)に基づいて、チャック間5cm、引っ張り速度300mm/minで測定した。測定は、5サンプルについて測定しその平均値を破断伸度E2とした。得られた破断伸度E0とE2を用いて、下記式により伸度保持率(温度125℃、湿度100%RH、72時間)を算出した。
・伸度保持率(温度125℃、湿度100%RH、72時間)(%)=(E2/E0)×100。
日立製作所製分光光度計(U−4100 Spectrophotomater)で光線透過率を測定した。光波長範囲は240〜800nmとし、360nmの透過率を評価した。
オルトクロロフェノール中、25℃の温度で測定した溶液粘度から、下式に基づいて計算する。
ηsp/C=[η]+K[η]2×C
ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1であり、Cは溶媒100mlあたりの溶解ポリマー質量(g/100ml、通常1.2)であり、Kはハギンス定数(0.343とする)である。また、溶液粘度と溶媒粘度は、オストワルド粘度計を用いて測定する。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムを第1層として用い、接着層として“タケラック”(登録商標)A310(三井武田ケミカル(株)製)90質量部と“タケネート”(登録商標)A3(三井武田ケミカル(株)製)を塗布し、その上に第2層として厚さ125μmの二軸延伸ポリエステルフィルム“ルミラー”(登録商標)S10(東レ(株)製)を貼り合わせた。次に、上記の第2層上に上述の接着層を塗布し、厚さ12μmのバリアロックス“HGTS”(登録商標)(東レフィルム加工(株)製のアルミナ蒸着PETフィルム)を蒸着層が第2層と反対側になるように貼り合わせ、厚さ188μmのバックシートを形成した。得られたバックシートの破断伸度E0は、上記(5)と同様にして求める。次いで、試料を測定片の形状(1cm×20cm)に切り出した後、恒温恒湿槽(エスペック(株)製恒温恒湿槽KH−60A)を用いて、温度85℃、湿度85%RHの雰囲気下で3000時間放置した後、処理後のサンプルの破断伸度をASTM−D882(1997)に基づいて、チャック間5cm、引っ張り速度300mm/minで測定した。測定は、5サンプルについて測定しその平均値を破断伸度E3とした。得られた破断伸度E0とE3を用いて、下記式により伸度保持率(温度85℃、湿度85%RH、3000時間)を算出した。
・伸度保持率(温度85℃、湿度85%RH、3000時間)(%)=(E3/E0)×100
その伸度保持率を下記の基準で判定し、耐加水分解性を評価した。
◎:伸度保持率が70%以上 非常に良好
○:伸度保持率が50%以上70%未満 良好
△:伸度保持率が30%以上50%未満 やや良好
×:伸度保持率が30%未満 不良。
(9)と同様にバックシートを作製し破断伸度E0を測定した。次いで、試料を測定片の形状(1cm×20cm)に切り出した後、エスペック(株)製高温恒温器STPH−102を用いて、温度150℃の雰囲気下で3000時間放置した後、処理後のサンプルの破断伸度をASTM−D882(1997)に基づいて、チャック間5cm、引っ張り速度300mm/minで測定した。測定は、5サンプルについて測定しその平均値を破断伸度E4とした。得られた破断伸度E0とE4を用いて、下記式により伸度保持率(温度150℃、3000時間)を算出した。
・伸度保持率(温度150℃、3000時間)(%)=(E4/E0)×100
その伸度保持率を下記の基準で判定し、耐熱性を評価した。
◎:伸度保持率が70%以上 非常に良好
○:伸度保持率が50%以上70%未満 良好
△:伸度保持率が30%以上50%未満 やや良好
×:伸度保持率が30%未満 不良。
(9)と同様にバックシートを作製し破断伸度E0を測定した。次いで、試料を測定片の形状(1cm×20cm)に切り出した後、屋外の暴露試験で3000時間放置した後、処理後のサンプルの破断伸度をASTM−D882(1997)に基づいて、チャック間5cm、引っ張り速度300mm/minで測定した。測定は、5サンプルについて測定しその平均値を破断伸度E5とした。得られた破断伸度E0とE5を用いて、下記式により伸度保持率(屋外、3000時間)を算出した。
・伸度保持率(屋外、3000時間)(%)=(E5/E0)×100
伸度保持率を下記の基準で判定し、耐候性を評価した。
◎:伸度保持率が70%以上 非常に良好
○:伸度保持率が50%以上70%未満 良好
△:伸度保持率が30%以上50%未満 やや良好
×:伸度保持率が30%未満 不良。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムを第1層として用い、接着層として“タケラック”(登録商標)A310(三井武田ケミカル(株)製)90質量部と“タケネート”(登録商標)A3(三井武田ケミカル(株)製)を塗布し、その上に第2層として厚さ125μmの二軸延伸ポリエステルフィルム“ルミラー”(登録商標)S10(東レ(株)製)を貼り合わせた。23℃、50%RH雰囲気下において、JIS−Z0237(2009)に準じて、上下のクリップに貼り合わせたフィルムの未接着部を挟み、剥離角180°、引張速度100mm/分でブリードアウトを測定した。添加剤がブリードアウトすると接着性が悪化し接着力が低下する。
○:10N/20mm以上、20N/20mm未満・・・接着性良好
△:5N/20mm以上、10N/20mm未満・・・接着性やや良好
×:5N/20mm未満・・・接着性不良
テレフタル酸ジメチル100質量部とエチレングリコール64質量部とをエステル交換反応装置に仕込み、内容物を140℃の温度に加熱して溶解した。その後、内容物を撹拌しながら、酢酸カルシウム0.09質量部および三酸化アンチモン0.03質量部を加え、140〜230℃の温度でメタノールを留出しつつエステル交換反応を行った。次いで、酢酸リチウム0.18質量部とリン酸トリメチルの5質量%エチレングリコール溶液を4.8質量部(リン酸トリメチルとして0.24質量部)添加した。
回転型真空重合装置を用いて、上記の参考例1で得られたPETペレットAを0.1kPaの減圧下230℃の温度で長時間加熱処理し、固相重合を行った。加熱処理時間が長いほど固有粘度は高くなる。処理時間20時間で固有粘度は0.80である。
参考例2で得た固有粘度0.8のポリエチレンテレフタレート(PET)50質量部とSABIC社製のポリエーテルイミド(PEI)“ウルテム”1010を50質量部、150℃で5時間除湿乾燥した後、320〜290℃に加熱された(スクリューゾーン、押出ヘッド部で温度勾配を設定)2軸三段タイプのスクリュー(PETとPEIの混練可塑化ゾーン/ダルメージ混練ゾーン/逆ネジダルメージによる微分散相溶化ゾーン)と具備したベント式二軸押出機(L/D=40、ベント孔の減圧度は200Paとした)に供給して、滞留時間3分にて溶融押出し、PEIを50質量%含有したPET/PEIブレンドチップを得た。このチップをブレンドチップAとした。
回転型真空重合装置を用いて、上記の参考例3で得られたブレンドチップAを0.1kPaの減圧下230℃の温度で長時間加熱処理し、固相重合を行った。加熱処理時間が長いほど固有粘度は高くなる。処理時間40時間で固有粘度は0.90である。処理時間90時間で固有粘度は1.2である。処理時間110時間で固有粘度は1.3である。
280℃の温度に加熱された押出機Eには、参考例2で得られた固有粘度0.8のPETペレット80質量部と、参考例4で得られた固有粘度0.9のブレンドチップA20質量部を180℃の温度で3時間減圧乾燥した後に供給し、窒素雰囲気下Tダイ口金に導入した。次いで、Tダイ口金内から、シート状に押出して溶融単層シートとし、表面温度25℃に保たれたドラム上に静電印加法で密着冷却固化させて未延伸単層フィルムを得た。
参考例2で得られた固有粘度0.8のPETペレット96質量部と、参考例4で得られた固有粘度0.9のブレンドチップA4質量部を使用すること、82℃の温度で1.8倍MD延伸1を行い、さらに102℃の温度で2.3倍MD延伸2を行った。トータルで長手方向(MD方向)に4.1倍延伸を行った後、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の87℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に92℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な幅方向(TD方向)に4.0倍延伸したこと以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムを評価したところ、耐熱性、耐加水分解性、耐候性、ブリードアウト性に優れた特性を有していた。
参考例2で得られた固有粘度0.8のPETペレット40質量部と、参考例4で得られた固有粘度0.9のブレンドチップA60質量部を使用すること、110℃の温度で1.8倍MD延伸1を行い、さらに130℃の温度で2.3倍MD延伸2を行った。トータルで長手方向(MD方向)に4.1倍延伸を行った後、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の115℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に120℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な幅方向(TD方向)に4.0倍延伸したこと以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムを評価したところ、耐加水分解性、耐熱性、耐候性、ブリードアウト性に優れた特性を有していた。
参考例2で得られた固有粘度0.8のPETペレット84質量部と、参考例4で得られた固有粘度0.9のブレンドチップA16質量部を使用すること、88℃の温度で1.8倍MD延伸1を行い、さらに108℃の温度で2.3倍MD延伸2を行った。トータルで長手方向(MD方向)に4.1倍延伸を行った後、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の93℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に98℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な幅方向(TD方向)に4.0倍延伸したこと以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムを評価したところ、耐加水分解性、耐熱性、耐候性、ブリードアウト性に優れた特性を有していた。
参考例2で得られた固有粘度0.8のPETペレット60質量部と、参考例4で得られた固有粘度0.9のブレンドチップA40質量部を使用すること、100℃の温度で1.8倍MD延伸1を行い、さらに120℃の温度で2.3倍MD延伸2を行った。トータルで長手方向(MD方向)に4.1倍延伸を行った後、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の105℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に110℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な幅方向(TD方向)に4.0倍延伸したこと以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムを評価したところ、耐加水分解性、耐熱性、耐候性、ブリードアウト性に優れた特性を有していた。
参考例2で得られた固有粘度0.8のPETペレット40質量部と、参考例3で得られた固有粘度0.59のブレンドチップA60質量部を使用すること、110℃の温度で1.8倍MD延伸1を行い、さらに130℃の温度で2.3倍MD延伸2を行った。トータルで長手方向(MD方向)に4.1倍延伸を行った後、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の115℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に120℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な幅方向(TD方向)に4.0倍延伸したこと以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムを評価したところ、耐加水分解性、耐熱性、ブリードアウト性に優れた特性を有していた。
参考例2で得られた固有粘度0.8のPETペレット80質量部と、回転型真空重合装置を用いて、参考例3で得られたブレンドチップAを0.1kPaの減圧下230℃で1時間処理後し固有粘度は0.60としたブレンドチップA20質量部を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムを評価したところ、耐加水分解性、耐熱性、ブリードアウト性優れた特性を有していた。
参考例2で得られた固有粘度0.8のPETペレット80質量部と、参考例4で得られた固有粘度ブレンドチップA(固有粘度1.2)20質量部を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムを評価したところ、耐加水分解性、耐熱性、耐候性、ブリードアウト性に優れた特性を有していた。
実施例1で得られた未延伸単層フィルムを加熱したロール群で予熱した後、90℃の温度で1.8倍MD延伸1を行い、さらに110℃の温度で2.5倍MD延伸2を行った。トータルで長手方向(MD方向)に4.5倍延伸を行った後、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の95℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に100℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な幅方向(TD方向)に4.3倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで220℃の温度で10秒間の熱処理を施し、さらに220℃の温度で2%幅方向に弛緩処理を行ったこと以外は実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムを評価したところ、耐加水分解性、耐熱性、耐候性、ブリードアウト性に優れた特性を有していた。
実施例1で得られた未延伸単層フィルムを加熱したロール群で予熱した後、90℃の温度で1.8倍MD延伸1を行い、さらに110℃の温度で2.1倍MD延伸2を行った。トータルで長手方向(MD方向)に3.8倍延伸を行った後、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の95℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に100℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な幅方向(TD方向)に3.8倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで220℃の温度で10秒間の熱処理を施し、さらに220℃の温度で5%幅方向に弛緩処理を行ったこと以外は実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムを評価したところ、耐候性、ブリードアウト性に優れた特性を有していた。
参考例2で得られた固有粘度0.8のPETペレット90質量部と、参考例4で得られた固有粘度0.9のブレンドチップA10質量部を使用すること、85℃の温度で1.8倍MD延伸1を行い、さらに105℃の温度で2.1倍MD延伸2を行った。トータルで長手方向(MD方向)に3.8倍延伸を行った後、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の90℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に95℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な幅方向(TD方向)に3.8倍延伸したこと以外は、実施例10と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムを評価したところ、ブリードアウト性に優れた特性を有していた。
参考例1で得られた固有粘度0.65のPETペレット80質量部と、参考例4で得られた固有粘度0.9のブレンドチップA20質量部を使用すること以外は、実施例10と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムを評価したところ、耐候性、ブリードアウト性に優れた特性を有していた。
参考例1で得られた固有粘度0.65のPETペレット80質量部と、参考例3で得られた固有粘度0.59のブレンドチップA20質量部を使用し、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系アデカスタブLA−51)を0.02質量%添加する事以外は実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムを評価したところ、耐加水分解性、耐候性、耐熱性に優れた特性を有していた。
2、6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル100質量部とエチレングリコール60質量部の混合物に、酢酸マンガン・4水和物塩0.03質量部を添加し、150℃の温度から240℃の温度に徐々に昇温しながらエステル交換反応を行った。途中、反応温度が170℃に達した時点で三酸化アンチモン0.024質量部を添加した。また、反応温度が220℃に達した時点で3、5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩0.042質量部(2mmol%に相当)を添加した。その後、引き続いてエステル交換反応を行い、トリメチルリン酸0.023質量部を添加した。次いで、反応生成物を重合装置に移し、290℃の温度まで昇温し、30Paの高減圧下で重縮合反応を行い、重合装置の撹拌トルクが所定の値(重合装置の仕様によって具体的な値は異なるが、本重合装置で固有粘度0.65のポリエチレン−2、6−ナフタレートが示す値を所定の値とした)を示した。そこで、反応系を窒素パージし常圧に戻して重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出し、直ちにカッティングして固有粘度0.65のポリエチレン−2、6−ナフタレートペレットX’を得た。
参考例2で得られた固有粘度0.80のPETペレット100質量部で、ブレンドチップAを用いず、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系アデカスタブLA−51)を0.1質量%添加すること、80℃の温度で1.8倍MD延伸1を行い、さらに100℃の温度で2.3倍MD延伸2を行った。トータルで長手方向(MD方向)に4.1倍延伸を行った後、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の85℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に90℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な幅方向(TD方向)に4.0倍延伸したこと以外は実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムを評価したところ、損失正接(tanδ)が本発明の範囲外であったため、耐加水分解性、耐熱性、ブリードアウト性に劣る特性を有していた。
参考例2で得られた固有粘度0.8のPETペレット20質量部と、参考例4で得られた固有粘度0.9のブレンドチップA80質量部を使用すること、120℃の温度で1.7倍MD延伸1を行い、さらに140℃の温度で2.1倍MD延伸2を行った。トータルで長手方向(MD方向)に3.6倍延伸を行った後、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の125℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に130℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な幅方向(TD方向)に3.6倍延伸したこと以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムを評価したところ、損失正接(tanδ)が本発明の範囲外であったため、耐加水分解性、耐熱性に劣る特性を有していた。
参考例2で得られた固有粘度0.8のPETペレット80質量部と、参考例3で得られた固有粘度0.59のブレンドチップA20質量部を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムを評価したところ、Δb値が本発明の範囲外であったため、耐加水分解性、耐熱性、耐候性に劣る特性を有していた。
参考例2で得られた固有粘度0.80のPETペレット100質量部を使用すること、80℃の温度で1.8倍MD延伸1を行い、さらに100℃の温度で2.3倍MD延伸2を行った。トータルで長手方向(MD方向)に4.1倍延伸を行った後、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の85℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に90℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な幅方向(TD方向)に4.0倍延伸したこと以外は実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムを評価したところ、損失正接(tanδ)とΔb値が本発明の範囲外であったため、耐加水分解性、耐熱性、耐候性に劣る特性を有していた。
300℃の温度に加熱された押出機Eに、実施例14で得られた固有粘度0.80のPENペレットX”100質量部を使用しブレンドチップBを使用せず、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系アデカスタブLA−51)を0.1質量%添加すること以外は実施例14と同様の方法にして二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムを評価したところ、Δb値が本発明の範囲外であったため、耐候性、ブリードアウト性に劣る特性を有していた。
Claims (7)
- ポリエステル(A)とポリイミド(B)を含むポリエステルフィルムであって、
該ポリイミド(B)の含有量が、フィルム全体に対して、2質量%〜30質量%であり、
損失正接(tanδ)ピーク温度が120〜180℃であり、メタルハライドランプを用いて295〜450nmの紫外線を100mWで48時間照射後の黄色度(b値)の増加量(Δb値)が0〜15であることを特徴とする太陽電池バックシート用ポリエステルフィルム。 - 紫外線吸収剤の含有量が、フィルム全体に対して、0.01質量%以下である請求項1に記載の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルム。
- 面配向係数fnが0.140〜0.280である請求項1または2に記載の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルム。
- 200℃の熱処理72時間後における少なくとも一方向の破断伸度の保持率が10〜100%である請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルム。
- 125℃・100%RHの熱処理72時間後における少なくとも一方向の破断伸度の保持率が10〜100%である請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルム。
- 波長360nmの光線透過率が0〜20%である請求項1〜5のいずれかに記載の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルム。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムの製造方法であって、以下の工程1〜3をその順に経ることを特徴とする太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムの製造方法。
工程1:ポリエステル(A)とポリイミド(B)とを、質量分率(A/B)が70/30〜30/70となるように溶融混練し、コンパウンド原料(AB)を得る工程。
工程2:コンパウンド原料(AB)を0.1kPa以下の減圧下にて210〜250℃の温度で1〜100時間加熱処理し、熱処理されたコンパウンド原料(ABH)を得る工程。
工程3:ポリエステル(A’)と熱処理されたコンパウンド原料(ABH)とを混合し、溶融押出しし、未延伸シートを得て、該未延伸シートを二軸延伸し、二軸配向ポリエステルフィルムを得る工程。
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