JP4665428B2 - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

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Description

本発明は二軸配向ポリエステルフィルムの改良に関するものである。更に詳しくは、難燃性に優れ、フィルムの長期使用による劣化を防ぎ、耐加水分解性及び機械的性能が良好な二軸配向ポリエステルフィルムに関する。
二軸配向ポリエステルフィルムは、熱特性、寸法安定性、機械特性及び加工の容易さなどの優れた特性を生かし種々の用途に幅広く用いられている。一方、ポリエステルは可燃性であるため、工業用材料として使用するには上記特性以外に火災に対する安全性、すなわち難燃性が要求される場合が多い。ポリエステルに難燃性を付与する方法としては、難燃剤を含有せしめる方法があり、例えば難燃剤としてハロゲン系化合物を含有し、さらに難燃助剤としてアンチモン化合物等を含有させた樹脂組成物が特許文献1で提案されている。
しかしながら難燃性を付与するためにはハロゲン系化合物を多量に含有させる必要があり、燃焼の際の発煙が多い上、不完全燃焼した場合、臭素その他のハロゲンが環境に悪影響を及ぼす場合があることが分かっている。このためハロゲン含有を低減することが要求されている。また近年、脱ハロゲンでの難燃性を目的として非ハロゲン系化合物の共重合や重合体の添加などの方法が特許文献2で提案されているが、これらの難燃剤を含有させると、フィルムの機械特性や耐加水分解性が低下するなどの問題が生じ易い。
また、難燃性を付与する方法として、ポリエステルフィルムに難燃性樹脂組成物を塗布又は積層する方法(特許文献3参照。)や、ポリフェニレンスルフィドのような難燃性フィルムを張り合わせる方法なども提案されている。しかしながら、難燃性を付与するためには張り合わせるフィルムの厚みを厚くする必要があったり、塗布工程や張り合わせ工程を必要とするため、生産性やコストの面で優位性のないものであった。
特開2000−154308号公報 特開平8−157584号公報 特開2002−155210号公報
本発明の課題は、上記した従来技術の問題点に鑑み、ポリエステルフィルム本来の優れた生産性や加工性などを有するとともに、難燃性に優れ、さらに機械的性能及び耐加水分解性が良好な二軸配向ポリエステルフィルムを提供することを目的とする。
この目的を達成するため、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、少なくともポリエステルとポリイミドを構成成分として含むポリエステルフィルムであって、リン系難燃剤を含有し、かつ、フィルム中のリン含有量が0.01〜0.39重量%であり、フィルムの燃焼指数が90以下であることを特徴とするものである。
本発明によれば、難燃性と耐加水分解性の両方に優れ、例えば、電気絶縁材料、フレキシブルプリントサーキット基盤、電子部品、ラベル感熱転写材料、包装用等の各種工業材料用フィルムとして適した二軸配向ポリエステルフィルムを得ることができる。
本発明でいうポリエステルは、特に限定されないが、エチレンテレフタレート、エチレン−α,β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4´−ジカルボキシレート、エチレン−2,6−ナフタレート単位から選ばれる少なくとも一種の構造単位を主要構成単位とする場合が好ましく、製膜破れも少なく高い生産性で製造することができ、特に、エチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレートを主要構成単位とするポリエステルが好ましい。中でも、エチレンテレフタレートを主要構成単位とするポリエステルは安価であり、また製膜破れも少なく高い生産性で製膜することができる。また成型加工性に優れるフィルムとするためにも、エチレンテレフタレートを主要構成単位とするポリエステルが特に好ましい。なお、本発明の効果を阻害しない範囲内で2種以上のポリエステルを混合してもよいし、共重合のポリマーを用いてもよい。
本発明でいうポリイミドは、溶融成形性を有し、ポリエステルと相溶し得るポリイミドであれば特に限定されないが、例えば、テトラカルボン酸及び/又はその酸無水物と、脂肪族一級モノアミン、芳香族一級モノアミン、脂肪族一級ジアミンおよび芳香族一級ジアミンよりなる群から選ばれる一種もしくは二種以上の化合物とを脱水重縮合することにより得られる重合体を挙げることができる。なかでも、ポリエステルとの溶融成形性や取り扱い性などの点から、ポリイミド構成成分中にエーテル結合を含有するポリエーテルイミドが好ましい。
本発明で用いるポリイミドは、溶融成形性であれば特に限定されないが、例えば、下記一般式で示されるような構造単位を含有するものが好ましい。
Figure 0004665428
(ただし、式中のR1は、
Figure 0004665428
Figure 0004665428
などの脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基から選ばれた一種もしくは二種以上の基を表して、
また、式中のR2 は、
Figure 0004665428
などの脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基から選ばれた一種もしくは二種以上の基を表す。
かかる好ましいポリイミドとしては、テトラカルボン酸および/またはその酸無水物と、脂肪族一級モノアミン、芳香族一級モノアミン、脂肪族一級ジアミンおよび芳香族一級ジアミンよりなる群から選ばれる一種もしくは二種以上の化合物とを脱水重縮合することにより得られる重合体を挙げることができる。
テトラカルボン酸および/またはその酸無水物としては、例えば、エチレンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2',3,3'−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2',3,3'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、1,1'−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン、2,2'−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2'−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸、4,4'−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸、4,4'−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸、2,2'−ビス[(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン等、および/またはそれらの酸無水物等が用いられる。
脂肪族一級モノアミンとしては、例えば、炭素数2〜22の飽和または不飽和の直鎖、分岐または脂環系のモノアミンが用いられ、具体的には、エチルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン、エイコシルアミン、ヘネイコシルアミン、ドコシルアミン、シクロヘキシルアミン、メチルシクロヘキシルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジエチルシクロヘキシルアミンおよびこれらの構造異性体などが用いられる。
芳香族一級モノアミンとしては、例えば、非置換あるいは炭素数1〜22のアルキル置換の一級アニリンが用いられ、具体的には、アニリン、トルイジン、エチルアニリン、プロピルアニリン、ブチルアニリン、ペンチルアニリン、ヘキシルアニリン、ヘプチルアニリン、オクチルアニリン、ノニルアニリン、デシルアニリン、ウンデシルアニリン、ドデシルアニリン、トリデシルアニリン、テトラデシルアニリン、ペンタデシルアニリン、ヘキサデシルアニリン、ヘプタデシルアニリン、オクタデシルアニリン、ノナデシルアニリン、エイコシルアニリン、ヘネイコシルアニリン、ドコシルアニリン、およびこれらの構造異性体等が用いられる。
脂肪族一級ジアミンとしては、例えば、炭素数1〜12のメチレン基で結合された一級ジアミンや脂環基を有するジアミンが用いられ、具体的には、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、1, 3−ビスアミノシクロヘキサン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、m−キシレンジアミン、およびこれらの構造異性体などが用いられる。
芳香族一級ジアミンとしては、例えば、ベンジジン、ジメチルベンジジン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジトリルメタン、ジアミノジフェニルエタン、ジアミノジフェニルプロパン、ジアミノジフェニルブタン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニルベンゾフェノン、o, m, p−フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミン等およびこれらの例示した芳香族一級ジアミンの炭化水素基を構造単位に有する芳香族一級ジアミン等が用いられる。
ポリイミドとして好ましいポリエーテルイミドを用いる場合、ポリエーテルイミドのフィルム中の含有量は、5〜50重量%が好ましく、より好ましくは7〜45重量%、さらに好ましくは10〜40重量%である。フィルム層中のポリエーテルイミドの含有量が5〜50重量%であると、難燃性、耐加水分解性、さらに耐熱性などの効果が大きい。ポリエステルとポリエーテルイミドの溶融粘度は大きく異なるため、ポリエーテルイミドの含有量が低濃度すぎると、溶融押出機にて十分混練させても互いに相溶させることが困難なことがあり、また、フィルム層中のポリエーテルイミドの含有量が50重量%を超えると、押出、延伸が困難になり生産性が悪化する場合がある。なお、ポリエーテルイミド以外のポリイミドを用いる場合でも、上記と同様の含有量であることが好ましい。
ポリエーテルイミドは、下記一般式で示されるように、ポリイミド構成成分中にエーテル結合を含有するものである。
Figure 0004665428
(ただし、上記式中R3 は、6〜30個の炭素原子を有する2価の芳香族または脂肪族残基;R4 は6〜30個の炭素原子を有する2価の芳香族残基、2〜20個の炭素原子を有するアルキレン基、2〜20個の炭素原子を有するシクロアルキレン基、及び2〜8個の炭素原子を有するアルキレン基で連鎖停止されたポリジオルガノシロキサン基からなる群より選択された2価の有機基である。)
上記R3 、R4 としては、例えば、下記式群に示される芳香族残基を挙げることができる。
Figure 0004665428
(式中のnは1〜5の整数を表す)。
このポリエーテルイミドは、“ウルテム”(登録商標)の商標名で、ジーイープラスチックス社より入手可能であり、なかでも、ポリエステルとの相溶性、コスト、溶融成形性等の観点から、下記式で示される構造単位を有する、2,2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物とm−フェニレンジアミン、またはp−フェニレンジアミンとの縮合物が好ましい。
Figure 0004665428
または
Figure 0004665428
(式中のnは2以上の整数、好ましくは20〜50の整数を表す)
本発明において、ポリイミドをポリエステルに添加する時期は、特に限定されないが、ポリエステルの重合前、例えば、エステル化反応前に添加してもよいし、重合後かつ溶融押出前に添加してもよい。また、溶融押出前に、ポリエステルとポリイミドを混合してペレタイズすることで添加してもよい。
本発明において、ポリイミドとポリエステルとを含有するフィルム又はフィルム層を構成する樹脂組成物中の、ポリエステルとポリイミドの含有量は、ポリエステルとポリイミドを合わせて、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上である。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムでは、フィルムを燃焼させたときの燃焼指数が90以下であることが必要であり、より好ましくは50未満である。燃焼指数が125以上では、一般的に要求されている燃焼テストUL94規格の難燃性が得られない。
フィルムを燃焼させたときの燃焼指数を125未満とするためには、フィルム中に難燃剤を含有させることが有効である。この難燃剤としては、非ハロゲン系難燃剤であるリン系難燃剤を用いれば、特に限定されないがブロム系難燃剤、アンチモン系難燃剤、金属水酸化物、リン系難燃剤、シリコーン系化合物、金属酸化物等が挙げられるが、なかでも、ブロム系難燃剤、アンチモン系難燃剤、リン系難燃剤が好ましい。ブロム系難燃剤には、含臭素ポリオール、四臭化無水フタル酸、デカブロモジフェニルオキサイド、エチレングリコースビス(ペンタブロモフェニル)、エチレンビスペンタブロモフェノール、ヘキサブロモベンゼン、テトラデカブロモジフェノキシベンゼン、テトラブロモビスフェノールA等が挙げられ、アンチモン系難燃剤には三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等が挙げられ、金属水酸化物には、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等が挙げられる。リン系難燃剤には、リン酸エステル系化合物、ポリリン酸アンモニウム等が挙げられる。リン系難燃剤のなかでも、下記一般式で示されるリン酸エステル系難燃剤が特に好ましい。
Figure 0004665428
(式中、R5は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
リン酸エステル系難燃剤の具体例としては、式I又は式IIで表される化合物が例示される。このうちでは、式Iで表されるリン酸エステル系化合物が好ましい。
Figure 0004665428
(式中、R5は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
Figure 0004665428
(式中、R5は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
リン酸エステル系難燃剤の市販品としては、大八化学工業(株)のPX200、旭電化工業(株)の“アデカスタブ”などが挙げられる。リン酸エステル系難燃剤のフィルム構成成分中の混合量は0.1〜50重量%が好ましく、さらには0.5〜40重量%、特には1〜30重量%が好ましい。
本発明において、難燃剤含有ポリエステルを製造する方法としては、公知の方法が用いられる。例えば、ポリエチレンテレフタレートにリン酸エステル系難燃剤を添加する場合には、重合開始段階で重合触媒として例えば二酸化ゲルマニウムを添加した後に難燃剤を添加し、所定の重合度が得られた時点で重合を完了させることにより難燃剤含有ポリエステルが得られる。また、その重合最終段階における温度で、ポリマーを攪拌しながら難燃剤を添加する方法が好ましい。さらにまた、難燃剤を高濃度に含有するポリエステルのマスターペレット、またはポリイミドのマスターペレットを製造し、このマスターペレットと難燃剤を含有しないペレットとを調合し任意の含有量とする方法等があり、いずれの方法でもよい。
フィルム中のリン含有量としては、ポリエステルフィルム中に、0.01〜0.39重量%含む必要がある。これらリン含有量では、機械的特性や耐加水分解性を低下させることなく、難燃性を付与することができる。
また、本発明のポリエステルとポリイミドを構成成分として含むフィルム中には、上記した難燃剤の他に、本発明の効果を阻害しない範囲内で、公知の添加剤や架橋剤、可塑剤などを含有してもよい。例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐侯安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、帯電防止剤、有機・無機の粒子などを含有させることができる。
上記の酸化防止剤としては、特にリン系化合物、フェノール系化合物が好ましく、両者を併用すると難燃性がさらに向上するので特に好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、広く自然界に分布する多数のフェノール性水酸基を有する芳香族化合物の多価フェノール系化合物が好ましい。多価フェノール系化合物は天然化合物であるため化学構造的には複雑であり、市販品としては、東北ムネカタ(株)の“OH's”などが挙げられる。多価フェノール系化合物のフィルム構成成分中の混合量は0.001〜1重量%が好ましく、さらには0.002〜0.5重量%、特には0.003〜0.3重量%であり、耐加水分解性を低下させることなく、難燃性を一層向上することができる。
本発明のポリエステルとポリイミドを構成成分として含むフィルム中に、リン酸エステル系難燃剤と多価フェノール系化合物の両者を混合させると、さらに難燃性が向上して好ましく、この場合リンの含有量と多価フェノール系化合物の混合重量比が1:1〜10:1である場合に本発明の効果がより一層発現して好ましい。
また、上記の有機、無機の粒子とは、難燃性を付与することを目的とするものではなく、フィルムに適度な易滑性を与え、フィルムの製膜性、スリット裁断等の加工適性を向上するためのものである。添加する粒子は特に限定されないが、カーボンブラック、ゼオライト、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、湿式または乾式シリカ、コロイド状シリカ、ケイ酸アルミニウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナおよびジルコニア等の無機粒子、アクリル酸類、スチレン等を構成成分とする有機粒子、ポリエステル重合反応時に添加する触媒等によって析出する、いわゆる内部粒子などがある。添加粒子の平均粒子径は0.05〜5μmが好ましく、より好ましくは0.1〜4μm程度であり、更に好ましくは0.2〜3μm程度である。また、フィルム中の含有量は0.01〜30重量%が好ましく、より好ましくは0.05〜20重量%が好ましく、更に好ましくは0.1〜10重量%である。粒子含有量が、0.05重量未満では滑り性が得られ難く、一方30重量%を超えると膜強度が低下し易く、フィルム製造工程や加工工程中でフィルムが破れ易くなり生産性が低下する場合がある。
本発明のフィルムは二軸配向せしめたフィルムである。一軸あるいは無配向フィルムでは、難燃性や耐加水分解性が不足する。延伸方法としては、長手方向に延伸した後に幅方向に延伸を行うなどの逐次二軸延伸法や、同時二軸テンター等を用いて長手方向と幅方向を同時に延伸する同時二軸延伸法、さらに、逐次二軸延伸法と同時二軸延伸法を組み合わせた方法などが包含される。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの縦方向と横方向のヤング率の和は特に限定されないが、6〜15GPaが好ましく、さらに好ましくは7〜14GPaである。縦方向と横方向のヤング率の和が6GPa未満であると、機械的特性が不十分であったり耐加水分解性が得られ難く、一方15GPaを越えると安定製膜性が低下する場合や難燃性が低下する場合がある。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの固有粘度は特に限定されないが0.45〜1dl/g、好ましくは0.50〜0.9dl/g、さらに好ましくは0.55〜0.8dl/gである。0.45dl/g未満では、安定製膜が困難になり、たとえ製膜できても機械的特性や耐加水分解性が得られ難く、一方、1dl/gを越えると安定製膜性が低下する場合がある。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、単層でも2層以上の積層構成でも構わないが、生産性、巻き姿性の点からは、2層以上の積層フィルム(例えばA/B層)であって、その少なくとも1層(例えばA層)が、ポリエステルとポリイミドを構成成分とする層であることが好ましい。また、3層積層フィルム(例えばA/B/A層)である場合は、ポリエステルとポリイミドを構成成分とする層はA層B層のどちらか一方でもよいし、又は両方でも構わない。どちらか一方のみの場合は、中の層(B層)を、ポリエステルとポリイミドを構成成分とする層とする方が難燃性が得やすいので好ましい。また難燃剤をどちらか一方の層に含有させる場合は、外側の層(A層)に難燃剤が含有している方が難燃性が得やすいので好ましい。3層積層とする場合の外側の層(A層)の積層厚みは、特に限定されないが、フィルム全体厚みの、好ましくは10%以上、さらに好ましくは20%以上であると難燃性が得やすいので好ましい。
積層フィルムであって、そのうちの一部の層がポリイミドを含有するポリエステル層である場合、ポリイミドを含有しない層を構成するポリエステルは、エチレンテレフタレート単位、エチレン−2,6−ナフタレート単位から選ばれた少なくとも一種の構造単位を主要構成単位とするポリエステルであることが望ましい。このポリエステル層には、特に限定されないが、難燃剤、粒子を含有していてもかまわない。さらに本発明の効果を阻害しない範囲内で、例えば酸化防止剤、耐熱安定剤、耐侯安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、帯電防止剤などを含有していても構わない。
次に、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法の具体例について説明するが、以下の記述に限定されものではない。ここでは、ポリエステルとして、ポリエチレンテレフタレートを用い、ポリイミドとして、ポリエーテルイミドを用いた例を示す。ポリエーテルイミドは特に限定されるものではないが、例えば、“ウルテム”(General Electric社製)を用いることができる。用いるポリエステルやポリイミドに応じて製造条件を最適化する。
まず、常法に従い、テレフタル酸とエチレングリコールとをエステル化し、または、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールをエステル交換反応することにより、ビス−β−ヒドロキシエチルテレフタレート(BHT)を得る。次にこのBHTを重合槽に移送し、真空下で280℃に加熱して重合する。この時、所定量のポリエーテルイミドを添加しておいてもよい。必要に応じて、得られたポリエステルペレットを減圧下で固相重合する。固相重合する場合は、あらかじめ180℃以下の温度で予備結晶化させた後、190〜250℃で1mmHg程度の減圧下、3〜50時間固相重合させ、固有粘度0.5〜1.3(dl/g)のペレットを作る。
また、上記したような公知の方法で重合したポリエチレンテレフタレートとポリエーテルイミドとを混合する場合、ポリエチレンテレフタレートのペレットとポリエーテルイミドのペレットとを任意の割合で混合して、270〜300℃に加熱されたベント式2軸混練押出機に供給して溶融押出し、両者を混練する。このときの剪断速度は50〜300sec-1が好ましく、より好ましくは100〜200sec-1、滞留時間は0.5〜20分が好ましく、より好ましくは1〜15分の条件である。また、必要に応じて、得られたチップを再び二軸押出機に投入し両ポリマが相溶状態となるまで押出を繰り返してもよい。上記混練によって、ポリエチレンテレフタレートとポリエーテルイミドとは相溶し、ガラス転移点が単一の混合ポリエステルのペレットを得ることができる。
ポリエステルに難燃剤、例えばリン酸エステル系化合物を添加する時期は特に限定されるものではないが、重縮合反応工程前の低重合体段階で添加、攪拌混合するか、もしくは重縮合反応前に添加、混練することが好ましい。また、二軸混練押出機等を用いてポリエステルチップに難燃剤を混練してもよいが、重合時添加した後、さらに二軸混練押出機等を用いて混練することによって微分散化することが好ましい。
ポリエステルに粒子を含有させる場合は、エチレングリコールに粒子を所定割合にてスラリーの形で分散させ、このエチレングリコールをテレフタル酸と重合させる方法が好ましい。粒子を添加する際には、例えば、粒子を合成時に得られる水ゾルやアルコールゾルを一旦乾燥させることなく添加すると粒子の分散性が良い。また、粒子の水スラリーを直接所定のポリエステルペレットと混合し、ベント式2軸混練押出機を用いて、ポリエステルに練り込む方法も有効である。
ポリエーテルイミド、難燃剤または粒子の含有量を調節する方法としては、上記方法で作ったポリエーテルイミドを高濃度含有するマスタ−ペレット、難燃剤を高濃度に含有するマスタ−ペレット、粒子を高濃度に含有するマスタ−ペレットを作っておき、それを製膜時に、ポリエーテルイミド等を実質的に含有しないポリエステルペレットで希釈して、それぞれの含有量を調節する方法が有効である。
次に、これらのポリエステル、ポリイミド、さらに難燃剤等を含有したペレット、またはペレット混合物を110〜190℃で3時間以上真空乾燥した後、押出機でスリット状口金から溶融押出し、20〜60℃のキャスティングドラム上で冷却固化せしめて未延伸フィルムを作る。この場合、溶融ポリマーの異物や変質ポリマーを除去するために各種のフィルター、例えば、焼結金属、多孔性セラミック、サンド、金網などの素材からなるフィルターを用いることが好ましい。また、必要に応じて、ポリマー流路にスタティックミキサー、ギヤポンプを設置し、ポリマ−押出量を制御する方法は本発明の効果を得るのに有効である。
フィルム構成を例えば2層積層構成(A/B)とする場合は、2台の押出機で積層用マニホールド又は矩形の合流ブロックを用いて積層し、上述と同様に押出し冷却して積層未延伸フィルムを得る。この場合A層とB層を構成する各ポリマーの固有粘度の差(絶対値)を0〜0.6(dl/g)、好ましくは0〜0.4(dl/g)の範囲にしておくことが、本発明のフィルムを安定して工業的に製造するのに有効である。また該未延伸フィルムにおいて、溶融状態のポリマーを口金から押し出す場合のドラフト比{=口金リップポリマ流速/キャスティングドラム上のフィルム(ポリマ−)流速}は5〜30とすることが、本発明のフィルムを得る上で好ましい。
次に、この未延伸フィルムを二軸延伸し、二軸配向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法または同時二軸延伸法を用いることができる。ただし、最初に長手方向、次に幅方向の延伸を行う逐次二軸延伸法が、延伸破れなく本発明フィルムを得るのに有効である。長手方向の延伸は、通常ロールを用いて行われるが、延伸温度は80〜180℃、好ましくは90〜150℃である。長手方向の延伸は、1段もしくは2段階以上の多段階で行い、2〜8倍、好ましくは2.5〜7倍の範囲で延伸することが好ましい。 幅方向の延伸は、公知のテンターを用いて、80〜160℃、好ましくは90〜150℃の延伸温度で2.5〜6倍、好ましくは3〜5倍、幅方向の延伸速度は3000〜30000%/分の範囲で行うことがよい。
次にこの延伸フィルムを熱処理する。この場合の熱処理は温度180〜250℃、特に190〜230℃で1〜20秒間で行うことがよい。このとき、縦又は横方向にさらに強度を高めたい場合には、前記熱処理を行う前に、縦・横方向に再延伸することが好ましい。この場合の延伸条件は、延伸温度を110〜190℃、延伸倍率を1.1〜2にすることが好ましい。
(物性の測定方法ならびに効果の評価方法)
本発明における特性値の測定方法並びに効果の評価方法は次の通りである。
(1)固有粘度(η)
オルトクロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度から下式から計算される値を用いる。すなわち、
ηsp/C=[η]+K[η]2・C
ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1、Cは溶媒100mlあたりの溶解ポリマ重量(g/100ml、通常1.2)、Kはハギンス定数(0.343とする)である。また、溶液粘度、溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。
(2)積層厚さ
透過型電子顕微鏡(日立(株)製H−600型)を用いて、加速電圧100kVで、フィルム断面を、超薄切片法(RuO4染色、)で観察し、積層界面や分散状態をTEM写真のコントラストの濃淡差でとらえる。また積層厚みの測定のためには隣接する層の一方が粒子を含有する場合は粒子の有無や粒子の形状の違いから、各層の界面をとらえることもできる。倍率は、判定したい積層厚さによって選ぶことが通常であり、特に限定されないが、1万〜20万倍が適当である。
(3)ポリイミド(例えばポリエーテルイミド)の含有量
ポリエーテルイミド(PEI)含有のポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレートの場合)フィルムをヘキサフルオロイソプロパノールとクロロホルムのようなPEIとポリエステルを溶解する適切な溶媒に溶解し、次のような条件で、1H核のNMR(核磁気共鳴)スペクトルを測定する。得られたスペクトルで、PEIのビスフェノールAの芳香族のプロトンに相当する吸収(7.0ppm)と、ポリエステルの芳香族プロトンに相当する吸収(PETの場合、8.1ppm)とのピーク面積強度をもとめ、その比率とプロトン数よりブレンドのモル比を算出し、重量比に換算する。
1)NMR測定条件
装置 :BRUKER DRX-500(ブルカー社製)
溶媒 :HFIP/重クロロホルム
観測周波数 :499.8MHz
基準 :TMS(0ppm)
測定温度 :30℃
観測幅 :10KHz
データ点 :64K
acquisiton time :4.952秒
pulse delay time:3.048秒
積算回数 :256回
(4)フィルム中のリン含有量
ポリエステルフィルム中のリン含有量は、試料を酸化分解後バナジン酸アンモン/モリブデン酸アンモンで発色させ、410nmで比色定量して測定した。場合によっては赤外分光法の併用、X線マイクロアナライザーを併用した。
(5)フィルム中の粒子の含有量
ポリエステルとポリイミドは溶解し粒子は溶解させない溶媒を選択して試料と混合すると、ポリエステルとポリイミドは溶解するので、粒子を溶液から遠心分離により分離させる。その粒子重量の基材フィルム全体重量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とする。場合によっては赤外分光法の併用、X線マイクロアナライザーを併用してもよい。
(6)フィルム中の粒子の平均粒径
上記の評価方法(1)と同様にして、透過型電子顕微鏡(日立製H−600型)を用いて、加速電圧100kVで、フィルム断面を超薄切片法(RuO4染色、)で観察し、TEMの切片厚さは約100nm としTEM写真から100視野以上測定し粒径を求める。
(7)フィルムの燃焼指数
縦200mm×横50mmのフィルムの縦方向下端から125mmの位置に横方向の標識線を入れ、12.7mmφのマンドレルに巻きつけ、長さ200mmの円筒状にする。この円筒状フィルムの標識線(円筒の下端から125mmに位置する)と円筒の上端との間の部分(長さ75mm)における重なり端をセロテープ(登録商標)止めした後、マンドレルを抜き取り円筒状のフィルムサンプルを作る。
この円筒状サンプルの上部開口をクリップで封じ、縦軸を垂直にして、円筒状サンプルの下端がバーナーから9.5mm上方にあるような位置に固定する。バーナーを調節して19mm長さの青炎とし、この青炎を3秒間サンプル下端に接炎して火をつけ燃焼させる。火が消えたら直ちに、再び同じようにして接炎して第2回目燃焼させる。2回の接炎により燃焼したサンプルの燃焼長さ(mm)を測定した。なお、燃焼によってフィルムが炭化して黒く固まった部分も燃焼したものとして測定した。この評価をサンプルを換えて5本行い、5本の燃焼長さの平均値(mm)を燃焼指数とした。なお、2回の接炎によりフィルムが完全に燃焼した場合は燃焼長さを200mmとした。
(8)フィルムの難燃性
上記(7)の方法でサンプルを燃焼させた時の燃焼時間を測定して次の基準により判定した。なお、燃焼テストは、1本のサンプルで2回接炎による燃焼時間を各接炎毎に測定することを、5本のサンプルについて行なった。合計10回の接炎燃焼時間により、次の基準で判定した。なお、5本のテストの内、1本でも125mmの標識線まで燃えた場合の難燃性は×とした。
難燃性判定基準
◎:毎回炎をあてた後の燃焼時間が10秒未満であり、かつ、10回の接炎で燃焼する時間の合計が50秒以下であるもの。
○:上記◎判定基準を満足できないもので、毎回炎をあてた後の燃焼時間が30秒未満であり、かつ、10回の接炎で燃焼する時間の合計が200秒未満であるもの。
×:1本でも標識線まで燃えた場合。または、毎回炎をあてた後の燃焼時間が30秒以上であるか、または10回の接炎で燃焼する時間の合計が200秒以上であるもの。
(9)フィルムのヤング率
フィルム長手方向又はフィルム幅方向に、長さ200mm、幅10mmの短冊状のサンプルを切り出して用いた。JIS K−7127に規定された方法に従って、東洋精機製作所株式会社製の引っ張り試験器を用いて25℃、65%RHにてヤング率を測定した。初期引っ張りチャック間距離は100mmとし、引っ張り速度は300m/分とした。測定はサンプルを変更して20回行い、その平均を用いた。
(10)耐加水分解性(伸度保持率)
上記(9)と同条件で引っ張り試験を行い、破断伸度を求める測定をフィルム長手方向のみ20回行い、その破断伸度の平均値(X)を求めた。また、フィルム長手方向に、長さ200mm、幅10mmの短冊状のサンプルを、高度加速寿命試験器(タバイエスペック(株)製プレッシャークッカーTPC-211型)を用いて加圧下140℃80%RHに10時間放置した後、自然冷却し、このサンプルについて上記(9)と同条件での引っ張り試験を20回行い、その破断伸度の平均値(Y)を求めた。得られた破断伸度の平均値(X)、(Y)から10時間後の伸度保持率を次式で求めた。
伸度保持率(%)=(Y/X)×100
この伸度保持率から耐加水分解性を次の基準で判定した。
伸度保持率が50%未満 :×
伸度保持率が50%以上〜65%未満 :△
伸度保持率が65%以上〜80%未満 :○
伸度保持率が80%以上〜100%以下 :◎
次に実施例に基づいて本発明を説明するが、必ずしもこれに限定されるものではない。
まず、フィルム製造に供する各種ペレットを、次のようにして調製した。
高純度テレフタル酸とエチレングリコールから製造した触媒を含有しないオリゴマーを250℃で溶融させて、攪拌し、該溶融物に三酸化アンチモンをポリエチレンテレフタレートに対して0.025重量%と、リン酸トリメチルエステル0.01重量%とを添加した。5分間攪拌した後、難燃剤としての縮合リン酸エステル(大八化学(株)製PX200)を20重量%添加し、低重合体を30rpmで攪拌しながら、反応系を250℃から290℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を0.1kPaまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。3時間重合反応させ、所定の攪拌トルクとなった時点で反応系を窒素パージし常圧に戻して重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出し、直ちにカッティングして固有粘度0.63の難燃剤を含有するポリエチレンテレフタレートのペレットとした(ペレットa)。
また、難燃剤を添加しなかった以外は上記と同様の方法でポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.75)のペレットを作製した(ペレットb)。
上記ペレットb(50重量%)とポリエーテルイミドのペレット(“Ultem1010”(General Electric社 登録商標))(50重量%)とを、280℃に加熱されたベント式の2軸混練押出機に供給して剪断速度100sec-1、滞留時間1分にて溶融混練して押出し、ポリエーテルイミドを50重量%含有したペレット(固有粘度0.62)を作製した(ペレットc)。
また、難燃剤を添加せず、替わりに平均粒径0.3μmの炭酸カルシウム粒子又は0.6μmの球状架橋ポリジビニルベンゼン粒子をポリエチレンテレフタレートに対してそれぞれ2重量%添加した以外はペレットbと同様の方法で、それぞれの粒子含有ポリエステルのペレット(固有粘度0.62)を作製した(ペレットd、e)。
比較例6
ペレットb、c、d、eを、それぞれ、180℃で4時間真空乾燥した後、表1に示すポリマー組成になるように、ペレットb/c/d/eを重量比67.5/20/10/2.5でブレンドし、通常の溶融押出機にて280℃でシート状に押出した。これを静電印加キャスト法を用いて、表面温度25℃のキャスティングドラム上に巻き付けて冷却固化し、未延伸フィルムを作った。
この未延伸フィルムを95℃で長手方向に3.3倍延伸した。この延伸は2組ずつのロールの周速差を利用して行った。その後ステンタを用いて100℃で幅方向に3.8倍延伸し、続いてこのフィルムを定長下で200℃、10秒間熱処理し、厚さ50μmの二軸配向ポリエステルフィルムを作製した。得られたポリエステルフィルムは、表1に示したとおり優れた特性を有していた。
実施例1
ペレットa他の各ペレットを比較例6と同様に真空乾燥した後、ペレットa/b/c/d/eを重量10/17.5/60/10/2.5でブレンドしたペレット混合物を用い、実施例1と同様に溶融押出し、未延伸フィルムを作った。この未延伸フィルムを110℃で長手方向に3.7倍延伸し、その後ステンタを用いて130℃で幅方向に4.0倍延伸した。続いてこのフィルムを定長下で210℃、6秒間熱処理し、厚さ50μmの二軸配向ポリエステルフィルムを作製した。得られたポリエステルフィルムは、表1に示したとおり優れた特性を有していた。
比較例8
ペレットa他の各ペレットを比較例6と同様に真空乾燥した後、ペレットa/b/c/d/eを重量比 60/27.5/10/10/2.5でブレンドしたペレット混合物を用い、実施例1と同様に溶融押出し、未延伸フィルムを作った。この未延伸フィルムを95℃で長手方向に3.3倍延伸し、その後ステンタを用いて110℃で幅方向に3.3倍延伸した。続いてこのフィルムを定長下で210℃、6秒間熱処理し、厚さ100μmの二軸配向ポリエステルフィルムを作製した。得られたポリエステルフィルムは、表1に示したとおり優れた特性を有していた。
(実施例
前記ペレットb(80重量%)とリン酸エステル系難燃剤(旭電化(株)製の“アデカスタブP700”)(20重量%)とを、280℃に加熱されたベント式の2軸混練押出機に供給して溶融混練し押出し、難燃剤を20重量%含有したペレット(固有粘度0.65)を作製した(ペレットa’)。
得られたペレットa’他の各ペレットを比較例6と同様に真空乾燥した後、ペレットa’/b/c/d/eを、重量比5/62.5/20/10/2.5でブレンドしたペレット混合物を用い、実施例1と同様にして、厚さ50μmの二軸配向ポリエステルフィルムを作製した。得られたポリエステルフィルムのリン含有量は難燃剤添加量からの換算よりも少なくなったが、表1に示したとおり優れた特性を有していた。
(実施例
A/B/Aの3層積層フィルムとした。A層用として、ペレットa/c/d/eを重量比30/60/5/5でブレンドし乾燥して得られた混合ペレットを押出機1に供給し、一方、B層用には、ペレットbを80重量%とペレットcを20重量%でブレンドした後、乾燥した混合ペレットを押出機2に供給した。A層は285℃、B層は280℃で溶融してA/B/Aの3層積層としてシート状に押出した。この時、押出機1、2それぞれにギアポンプを取り付け、A層/B層/A層の厚み比が1/8/1になるように調節した。その後は、実施例1と同様にしてフィルム全体厚み50μmの二軸配向ポリエステルフィルムを作製した。得られたポリエステルフィルムは、表1に示したとおり優れた特性を有していた。
(実施例
A/B/Aの3層積層フィルムとした。A層用として、ペレットa/b/d/eを重量比5/80/10/5でブレンドし乾燥して得られた混合ペレットを押出機1に供給し、一方、B層用には、ペレットbを60重量%とペレットcを40重量%をブレンドした後、乾燥した混合ペレットを押出機2に供給した。実施例5と同様にして、A層/B層/A層の厚み比が1/2/1になるように各吐出量を調整して溶融積層し、押出した。その後は比較例6と同様にしてフィルム全体厚み100μmの二軸配向ポリエステルフィルムを作製した。得られたポリエステルフィルムは、表1に示したとおり優れた特性を有していた。
(実施例
本実施例ではポリエーテルイミド“Ultem1010”以外の下記ポリイミドを使用して作製した二軸配向ポリエステルフィルムを示す。まず、イソホロンジイソシアネート200gを窒素雰囲気下でN−メチルー2−ピロリドン3000ml中に添加し攪拌する。次いで、この溶液に無水ピロメリット酸196gを室温で添加した後、徐々に昇温する。その後、180℃で6時間加熱すると、二酸化炭素の発生が終了したので加熱を止めた。このポリマー溶液を水中に展開して洗浄した後、ここで得られたポリマーを乾燥しポリイミドを得た。このポリイミド(50重量%)と前記ポリエチレンテレフタレートのペレットb(50重量%)とを、280℃に加熱されたベント式の2軸混練押出機に供給して溶融押出し、ポリイミドを50重量%含有したペレットを作製した(ペレットc’)。
得られたペレットc’他の各ペレットを実施例1と同様に真空乾燥した後、ペレットa/b/c’/d/eを、重量比20/47.5/20/10/2.5でブレンドしたペレット混合物を用い、実施例と同様にして、厚さ100μmの二軸配向ポリエステルフィルムを作製した。得られたポリエステルフィルムは、表1に示したとおり優れた特性を有していた。
比較例7
前記ペレットb(90重量%)と多価フェノール系化合物(東北ムネカタ(株)製の“OH's”、樹脂グレード:E120V)(10重量%)とを、280℃に加熱されたベント式の2軸混練押出機に供給して溶融混練し押出し、多価フェノール系化合物を10重量%含有したペレット(固有粘度0.65)を作製した(ペレットf)。
得られたペレットf他の各ペレットを実施例1と同様に真空乾燥した後、ペレットb/c/d/e/fを、重量比65.5/20/10/2.5/2でブレンドしたペレット混合物を用い、比較例6と同様にして、厚さ75μmの二軸配向ポリエステルフィルムを作製した。得られたポリエステルフィルムの固有粘度は0.61dl/gであり、フィルム中の多価フェノール系化合物の含有量は0.2重量%であった。また、フィルム中のリン含有量は難燃剤添加量からの換算よりも少なくなったが、表1に示したとおり優れた特性を有していた。
(実施例
ペレットa他の各ペレットを実施例1と同様に真空乾燥した後、ペレットa/b/c/d/e/fを重量10/57.3/20/10/2.5/0.2でブレンドしたペレット混合物を用い、比較例6と同様にして、厚さ75μmの二軸配向ポリエステルフィルムを作製した。得られたポリエステルフィルムの固有粘度は0.60dl/gであり、フィルム中の多価フェノール系化合物の含有量は0.02重量%であった。また、このフィルムは、表1に示したとおり優れた特性を有していた。
(比較例1)
難燃剤含有のペレットを使用しないで、ペレットb/c/d/eを重量比27.5/60/10/2.5で混合した混合ペレットを用い、実施例と同様にして50μmの二軸配向ポリエステルフィルムを作製した。得られたポリエステルフィルムは、表1に示したように、難燃性が劣るフィルムとなった。
(比較例2、3、4)
比較例2では、ペレットa/b/d/eを重量比30/57.5/10/2.5で混合した混合ペレットを用い、また、比較例3では、ペレットb/d/eを重量比87.5/10/2.5で混合した混合ペレットを用い、比較例4では、ペレットa’/b/d/e/fを重量比5/82.5/10/2.5で混合した混合ペレットを用い、比較例6と同様にして50μmの二軸配向ポリエステルフィルムを作製した。得られたポリエステルフィルムは、表1に示したように、特に耐加水分解性が劣るフィルムであった。また比較例3と4は、5回の燃焼テストにおいて125mm標準線まで燃焼するものがあり難燃性が劣るフィルムであった。
(比較例5)
A/B/Aの3層積層フィルムとした。A層用として、ペレットbを75重量%とペレットdを25重量%でブレンドした後、乾燥した混合ペレットを押出機1に供給し、一方、B層用には、ペレットbを40重量%とペレットcを60重量%でブレンドした後、乾燥した混合ペレットを押出機2に供給した。A層は280℃、B層は290℃で溶融してA/B/Aの3層積層としてシート状に押出した。この時、押出機1、2それぞれにギアポンプを取り付け、A層/B層/A層の厚み比が1/23/1になるように調節した。その後、実施例と同様の延伸温度で長手方向、幅方向にそれぞれ3.3倍延伸し、続いてこのフィルムを定長下で230℃、10秒間熱処理し、厚さ75μmの二軸配向ポリエステルフィルムを作製した。得られたポリエステルフィルムは、表1に示したように難燃性が劣るフィルムであった。
Figure 0004665428
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの用途は、特に限定されないが、電気絶縁材料、フレキシブルプリントサーキット基盤やその保護フィルム材料、電子部品、ラベル感熱転写用、包装材料などに用いられる。

Claims (6)

  1. 少なくともポリエステルとポリイミドを構成成分として含むポリエステルフィルムであって、リン系難燃剤を含有し、かつ、フィルム中のリン含有量が0.01〜0.39重量%であり、フィルムの燃焼指数が90以下である二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. ポリエステルが、エチレンテレフタレートを主構成単位とするポリエステルである請求項1記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. ポリイミドがポリエーテルイミドであり、該ポリエーテルイミドのフィルム中の含有率が5〜50重量%である請求項1または2記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  4. 難燃剤がリン酸エステル系難燃剤である請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  5. 多価フェノール系化合物を含有し、フィルムの固有粘度が0.45〜1dl/gである請求項1〜4のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  6. 2層以上の積層構造のフィルムであって、少なくとも1層が、少なくともポリエステルとポリイミドを構成成分として含むフィルム層である請求項1〜5のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
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