JP2002153243A - 魚肉加工品の製造法 - Google Patents

魚肉加工品の製造法

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JP2002153243A JP2000357702A JP2000357702A JP2002153243A JP 2002153243 A JP2002153243 A JP 2002153243A JP 2000357702 A JP2000357702 A JP 2000357702A JP 2000357702 A JP2000357702 A JP 2000357702A JP 2002153243 A JP2002153243 A JP 2002153243A
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weight
meat
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Masayuki Kawasaki
正之 川崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、畜肉ハンバーグに特長的な適度な焼
き色の付与された外観、香ばしい風味、肉粒感及び軟ら
かく肉汁感のある食感を併せ持つ魚肉加工品を製造する
ことを目的とした。 【解決手段】魚肉すり身、大豆たん白及び具材を混合成
型した生地を湿式加熱し、次に焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、畜肉主体のハンバ
ーグに極めて近い食感の魚肉加工品を製造する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】食生活の欧米化により、畜肉ハンバーグ
を代表とする畜肉加工品が好まれ、食されてきた。一方
で近年の生活習慣病の増加に伴う健康志向により魚肉の
栄養的価値が見直され、「魚肉ハンバーグ」などの魚肉
加工品が市販されている。しかしながら、既存の魚肉加
工品は、畜肉ハンバーグに特有の肉粒感や肉汁感及び香
ばしさに欠け、むしろ蒲鉾的な食感を有するものであっ
た。
【0003】魚肉加工品に肉汁感を付与するためには、
水分の多い生地で加熱する方法が考えられるが、この方
法では加熱に時間がかかるため、連続加熱ラインでは大
規模な設備が必要となる。なおかつ生地が軟らかくなる
ため成型しにくくなる。またハンバーグのような香ばし
さを付与するためには、加熱時間を延長し、加熱温度を
上げる方法が容易に考えられるが、この方法では水分の
逸散が多くなり、ハンバーグに求められる肉汁感に欠け
た品質となる。
【0004】畜肉ハンバーグの製造方法としては、成型
した畜肉ハンバーグ生地を予め焼成して生地の表面を昇
温した後、蒸煮加熱する方法(特開昭57−19474
3号公報、特開昭58−224670号公報)や焼成後
にマイクロ波加熱する方法(特開平6−197708号
公報)が開示されているが、これらの発明は畜肉を使用
したハンバーグの製造法を開示したものであって、魚肉
を使用する方法を開示したものではない。かつ実際に魚
肉を使用した生地を焼成後に蒸煮した場合、畜肉ハンバ
ーグに特有の香ばしさが得られなかった。魚肉を使用し
たハンバーグの製造方法としては、生地を通電熟熱処理
後に焼成する方法(特開平1−108932号公報)や
フライ後に蒸煮する方法(特開2000−245397
号公報)が開示されているが、いずれの方法によっても
畜肉ハンバーグの食感及び風味に近い肉粒感、肉汁感、
香ばしさを併せ持つ魚肉加工品を得ることは困難であっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術の項で述べ
たように、従来の蒲鉾的な魚肉加工品ではなく、畜肉ハ
ンバーグのような肉粒感と軟らかく肉汁感のある食感と
香ばしさを併せ持った魚肉加工品を製造することが課題
であった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究の結果、魚肉すり身に具材を豊富
に入れ、かつ大豆たん白を併用することで得られた軟ら
かい生地を、湿式加熱し、次に焼成することにより、生
地の水分の逸散が少ない状態で加熱され、目的とする畜
肉ハンバーグのような肉粒感と軟らかく肉汁感のある食
感及び香ばしさを併せ持った魚肉加工品を製造する事が
できる知見を得て、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は魚肉すり身、大豆たん白及
び具材を混合成型して得られた生地を湿式加熱し、次に
焼成することを特徴とする魚肉加工品の製造法である。
湿式加熱は生地が凝固する程度に行われ、焼成は生地に
焼き色が付与される程度に行うのが良い。大豆たん白
は、加水された大豆たん白ペーストの量として、魚肉す
り身に対して7:3〜3:7(重量比)で使用するのが
好ましい。成型した生地中の具材の配合量は25〜65
重量%が好ましく、30〜60重量%の範囲がより好ま
しい。成型した生地中の水分と焼成後の魚肉加工品の水
分の差は6重量%以内が好ましく、4重量%以内がより
好ましい(生地の水分は60〜80%が好ましく、65
〜75%がより好ましい)。湿式加熱は蒸し加熱である
ことが好ましく、焼成は遠赤外線加熱であることが好ま
しい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いる魚肉すり身として
は、魚肉練り製品に一般に使用されているものを使用す
ることができる。例えばスケソウタラ冷凍すり身、南た
らすり身、パシフィックホワイティングすり身、いわし
すり身、いとよりすり身、はもすり身などが挙げられ
る。また、魚肉はすり身として落とし身を用いても本発
明の効果を減じるものではない。また本発明では魚肉に
豚肉、牛肉、鶏肉等の畜肉を併用することを妨げない
が、本発明の目的から畜肉は魚肉より少量の使用に留め
る。
【0009】本発明に用いる大豆たん白としては、脱脂
大豆粉、豆乳粉末、濃縮大豆たん白、分離大豆たん白等
の使用が目的の効果が得られ好ましい。大豆たん白の粗
たん白質含量は85%以上であることが好ましく、NS
I(可溶性たん白含量)は80以上で、未変性のたん白
を多く含有することがより好ましい。本発明において大
豆たん白は、加水された大豆たん白ペーストとして使用
されるが、その調製方法は特に限定されない。大豆たん
白ペーストは、例えば大豆たん白1重量部に対し水4〜
6重量部、好ましくは4.5〜5.5重量部を加水し、
混合し、調製される。また大豆たん白の粉末を直接配合
し、他の生地原料(具材)に由来する水或いは別途加え
る水でもって、原料混合中に大豆たん白ペーストとして
も良い。また水と共に油脂を併用しても構わない。
【0010】本発明に用いる具材としては、畜肉ハンバ
ーグの製造に用いられ、食感に寄与する原料であれば良
く、例えば玉ねぎ等の野菜類、イカ・タコ等の魚介類、
キノコ・木の実などの山菜類、粒状大豆たん白、大豆以
外のたん白原料、固形油脂、澱粉、パン粉や小麦粉等の
粉類、食塩等の調味料等を使用することができる。畜肉
の挽肉等を具材として使用することも可能である。
【0011】本発明に用いる生地の調製において、大豆
たん白は、加水された大豆タンパクペーストの量とし
て、魚肉すり身との混合割合は7:3〜3:7(重量
比)であることが好ましい。大豆たん白ペーストの混合
割合が多すぎると、生地の結着力が弱くバラバラにな
り、成型が困難になる。逆に魚肉すり身の混合割合が多
すぎると、弾力が強く蒲鉾的な食感になり、ハンバーグ
的食感が失われる。
【0012】生地中の具材の配合量は25〜65重量%
の範囲が好ましく、40〜60重量%の範囲がより好ま
しい。生地中の具材の配合量が25重量%未満になると
蒲鉾的な食感に近くなり、ハンバーグ的な食感が失われ
る。逆に生地中の具材の配合量が65重量%を超えると
生地の結着力が弱くバラバラになり、成型が困難にな
る。
【0013】本発明に用いる生地の成型機の種類は特に
限定するものではないが、具材が破壊されにくい生地送
り機構を持つ成型機が適しており、例えばドラム式成型
機が好ましい。成型サイズ、形状は任意に決定できる
が、ハンバーグ的外観を付与するには丸型、楕円型、小
判型等が好ましく、厚みは10〜20mmの範囲がハン
バーグ的食感をもたらすのに適する。
【0014】本発明に用いる加熱方法としては、畜肉ハ
ンバーグ的な肉粒感及び肉汁感のある食感及び香ばしい
風味を付与するために、水分の逸散が少なく、かつ効率
的に焼き色を付与することができる加熱方法を用いれば
良い。すなわち、成型した生地を湿式加熱し、次に焼成
する方法である。以下に原理を述べる。
【0015】成型生地を先に湿式加熱することで、生地
の品温を昇温し、生地を凝固させる。生地の品温が昇温
されるため、次の焼成において短時間で効率的に焼き色
を付与することができる。これは生地の成型から加熱ま
での連続製造ラインにおいては設備を小規模にすること
ができ、有利である。また生地を凝固させることによ
り、水分が生地中に保持されやすい状態になり、次の焼
成によっても水分の逸散を抑えることができる。
【0016】湿式加熱後の生地を次に焼成して焼き色を
付与する。先の湿式加熱により生地全体が昇温され、か
つ生地の凝固により水分が生地中に保持されやすい状態
になっているため、短時間でかつ水分が保持された状態
で焼き色を付与することができる。以上のような加熱方
法により、畜肉ハンバーグ的な肉汁感のある食感、色合
い及び香ばしい風味を併せ持った魚肉加工品ができる。
【0017】湿式加熱の方法としては熱水または蒸気で
成型生地を加熱する方法であれば特に限定されないが、
蒸し加熱が好ましい。加熱温度は成型生地を凝固させる
温度であれば良く、通常70〜100℃の範囲で可能で
あり、75〜95℃がより好ましい。加熱時間は成型し
た生地が凝固する時間であれば良く、通常5〜30分の
範囲で可能であり、10〜20分がより好ましい。
【0018】焼成の方法としては、直火焼き、フライパ
ンでの加熱、赤外線加熱、遠赤外線加熱、マイクロ波加
熱等、成型生地に焼き色を付与することのできる加熱方
法であれば、特に限定されないが、遠赤外線加熱が好ま
しく、加熱製造ラインにおいては、通路以外が閉鎖され
た概ね密閉系の遠赤外線装置が水分の逸散が少なくより
好ましい。加熱温度は焼き色を付与することができる温
度であれば良く、通常150〜250℃の範囲で可能で
あり、170〜220℃がより好ましい。加熱時間は焼
き色を付与することができる時間であれば良く、通常3
0秒〜15分の範囲で可能であり、1〜10分がより好
ましい。
【0019】水分の逸散が少ない加熱とは、すなわち成
型した生地中の水分と加熱後の魚肉加工品の水分の差が
6重量%以内、好ましくは4重量%以内であり、また生
地の水分が60〜80重量%、好ましくは65〜75重
量%の範囲内において加熱することである。
【0020】加熱方法が湿式加熱のみである場合は、生
地中の水分の逸散は少ないものの、ハンバーグ的な色合
い及び香ばしい風味が付与されない。また大豆たん白か
ら由来する大豆臭が残りやすく、畜肉のハンバーグ的な
風味が得られない。
【0021】逆に加熱方法が焼成のみの場合は、生地が
予め凝固していないため、水分が保持されずに逸散量が
多くなり、肉汁感に乏しい硬い食感になる。また生地が
昇温されずに焼成されるため、焼き色が付与されるまで
加熱すると処理時間が長くなり、連続生産ラインにおい
ては大規模な設備が必要となる。このように乾式加熱の
みの場合は生地中の水分の逸散によりハンバーグ的な肉
汁感が得られず、生産効率も悪くなる。
【0022】また加熱方法が焼成を行った後に湿式加熱
を行う方式においても、焼成の段階において焼き色が付
与されるまでに水分の逸散量が多く、生産効率が悪くな
るという、焼成のみの場合と同様の欠点が発生する。
【0023】
【実施例】以下、この発明の実施例を示すが、本発明が
これらによってその技術範囲が限定されるものではな
い。 実施例1 分離大豆たん白(フジプロ−SE、たん白質含量90
%、不二製油(株)製)に対し、4.5重量倍の割合で
水を混合し、大豆たん白ペーストとした。次いで、スケ
ソウタラすり身(A級)及び大豆たん白ペーストを表1
に示す通り、任意の割合で混合して(テスト1〜7)1
00重量部とし、これに具材を52重量部(配合率34
重量%)、すなわち玉ねぎ15重量部、粒状大豆たん白
(フジニックエース500、たん白質含量55%、不二
製油(株)製)15重量部、豚脂15重量部、パン粉5
重量部、及び食塩2重量部を混合して、ドラム成型機
(径85┝)によって生地を成型した。成型サイズは直
径7cmの丸型とし、厚みは15┝に調節した。成型さ
れた生地を加熱生産ラインにおいて90℃で15分間蒸
し加熱した後、200℃で1分間遠赤外線加熱し、魚肉
加工品を得た。得られた魚肉加工品についての生地の物
性、食感、及び加熱前後の生地の水分差を評価した(表
1)。
【0024】 (表1)魚肉すり身と大豆たん白ペーストの混合割合の検討 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− スケソウタラ 大豆たん白 物性 食感 すり身 ペースト −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− テスト1 0 100 まとまらない バラバラ テスト2 15 85 ややまとまり ハンバーグ的も にくい ややバラつく テスト3 35 65 良好 ハンバーグ的 テスト4 50 50 良好 ハンバーグ的 テスト5 65 35 良好 ハンバーグ的 テスト6 85 15 やや粘りあり ハンバーグ的も やや蒲鉾的 テスト7 100 0 弾力強い 蒲鉾的 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 表1より、ハンバーグとしての物性及び食感はスケソウ
タラすり身と大豆たん白ペーストを併用したテスト2〜
6において得られた。その混合割合は7:3〜3:7が
より好ましい結果となった。また加熱前後の生地の水分
差はすべてのテスト区において6重量%以内であった。
【0025】実施例2 「具材」の配合量についての実験 分離大豆たん白(フジプロ−SE、たん白質含量90
%、不二製油(株)製)に対し、4.5重量倍の割合で
水を混合し、大豆たん白ペーストとした。次いで、スケ
ソウタラすり身(A級)50重量部及び大豆たん白ペー
スト50重量部を混合して100重量部とし、さらに具
材を任意の割合で混合して(表2、テスト1〜8)、ド
ラム成型機(径85┝)によって生地を成型した。成型
サイズは直径7cmの丸型とし、厚みは15┝に調節し
た。成型された生地を加熱生産ラインにおいて90℃で
15分間蒸し加熱した後、200℃で1分間遠赤外線加
熱し、魚肉加工品を得た。得られた魚肉加工品について
物性、食感及び加熱前後の生地の水分差を評価した。
【0026】 (表2)生地中の具材の配合量についての検討 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− テスト 1 2 3 4 5 6 7 8 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− たまねぎ 0 6 10 15 40 50 60 70 粒状大豆 0 6 10 15 40 50 60 70 たん白 豚脂 0 6 10 15 40 50 60 70 パン粉 0 2 5 5 15 22 29 36 食塩 2 2 2 2 2 2 2 2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 具材小計 2 22 37 52 137 174 211 248 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 生地合計102 122 137 152 237 274 311 348 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 具材量(%)0 16 27 34 58 64 68 71 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 評価 × ○ ○○ ◎ ◎ ○○ ○ × 蒲鉾的 一応可 良好 非常に 非常に 良好 一応可 結着 肉粒感 だがや 良好 良好 だかや せず なし や蒲鉾 や結着 的 悪い −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 以上のように、大豆たん白と魚肉すり身に具材を併用す
ることで、よりハンバーグ的な肉粒感のある食感を持つ
魚肉加工品が得られた。具材の生地に対する配合量は2
5〜65重量%が好ましく、30〜60重量%でより好
ましい結果となった。また加熱前後の生地の水分差はす
べてのテスト区において6重量%以内であった。
【0027】実施例3 実施例2のテスト4の配合で成型した生地を表3に示し
た加熱方法によって加熱処理を行い、魚肉加工品を得
た。生地中の水分(a重量%)及び加熱処理後の水分
(b重量%)を測定し、その水分差(b−a重量%)を
計算することにより、加熱方法の違いによる水分の逸散
量を比較した。また5名の熟練パネラーを用いてハンバ
ーグ的な外観、風味、食感であるかについて評価した
(表2)。
【0028】 (表3)加熱方法の検討 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 加熱方法 b−a (重量%) 外観 風味 食感 総合 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− テスト1 蒸し(湿式) +2.0 2 4 7 13 テスト2 煮沸(湿式) +3.5 2 3 5 10 テスト3 直火(焼成) −18 6 4 4 14 テスト4 遠赤外線(焼成) −15 6 5 4 15 テスト5 遠赤外線(焼成) −10 3 7 5 15 後蒸し(湿式) テスト6 直火(焼成) −3.5 2 6 4 12 後煮沸(湿式) テスト7 蒸し(湿式) −3.8 9 9 9 27 後遠赤外線(焼成) テスト8 蒸し(湿式) −5.5 9 8 8 25 後直火(焼成) テスト9 蒸し(湿式) −5.4 9 8 8 25 後赤外線(焼成) テスト10 煮沸(湿式) −3.6 9 8 9 26 後遠赤外線(焼成) テスト11 煮沸(湿式) −5.8 9 7 8 24 後直火(焼成) テスト12 煮沸(湿式) −5.2 9 7 8 24 後赤外線(焼成) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 評点1:全くハンバーグと異なる〜評点10:ハンバーグと同じ 加熱温度は、湿式加熱で90℃、焼成で焼き色の付与で
きる程度(150℃以上)に設定した。加熱時間は湿式
加熱で約15分、焼成は焼き色が付与されるまでとし
た。
【0029】表3のテスト7〜12は他のテスト区に比
べて明らかに評価が高く、ハンバーグの特長である茶色
い色合いをした外観、香ばしい風味、肉粒感及び肉汁感
のある食感となった。加熱前後の水分差は評価が良かっ
たテスト7〜12においてすべて6重量%以内であり、
特に遠赤外線加熱を用いたテスト7及び10では4重量
%以内となり、より肉汁感のある食感となった。評価の
良かったテスト7〜12において、湿式加熱を蒸し加熱
で行ったテスト7〜9は煮沸で行ったテスト10〜12
よりも風味がより良好であった。テスト7(蒸し加熱後
に遠赤外線加熱)は最も風味・食感が良好であった。本
結果から、ハンバーグ的な外観、風味、食感を付与でき
る加熱方法としては生地中の水分の逸散量を少なくした
加熱方法が最も適していることが判明した。またその手
法としては湿式加熱を行った後に焼成を行うのが適切で
あった。さらに、風味及び食感を考慮すれば蒸し加熱を
行った後に遠赤外線加熱を行うのが最も良好であった。
【0030】湿式加熱のみの場合は、水分の蒸散は抑え
られたが、ハンバーグ的な焼き色が付与されず、大豆た
ん白に由来する臭味が残り風味が悪く、香ばしさも付与
されなかった(テスト1、2)。一方、焼成のみの場合
はハンバーグ的な色合いは出たものの、焼成に時間を要
したため水分の逸散量が多く、肉汁感がなく、食感は硬
くなった(テスト3、4)。また焼成を行った後に、湿
式加熱を行った場合は、焼成時に焼き色を付与するのに
時間を要し、湿式加熱前の水分の逸散が多くなり、、硬
めの食感になった(テスト5、6)。テスト7〜12に
おいて水分の逸散が抑えられた機構としては、先ず湿式
加熱を行うことで、生地が昇温されて凝固し、生地中の
水分が保持されやすくなり、その後の焼成によっても生
地内部の水分の逸散が抑えられ、表面のみ短時間で焼き
色が付与されるためではないかと考えられる。
【0031】
【発明の効果】以上説明した通り、本願発明により、従
来は蒲鉾的食感しか得られなかった魚肉加工品を、畜肉
ハンバーグに極めて近い食感になるよう製造することが
可能となった。すなわち、畜肉ハンバーグに特長的な適
度な焼き色の付与された外観、香ばしい風味、肉粒感及
び軟らかく肉汁感のある食感を併せ持つ魚肉加工品の製
造が可能となった。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】魚肉すり身、大豆たん白及び具材を混合成
    型した生地を、湿式加熱し、次に焼成することを特徴と
    する魚肉加工品の製造法。
  2. 【請求項2】請求項1において、湿式加熱は生地が凝固
    する程度に行われ、焼成は生地に焼き色が付与される程
    度に行われる魚肉加工品の製造法。
  3. 【請求項3】大豆たん白が、加水された大豆たん白ペー
    ストの量として、魚肉すり身に対して7:3〜3:7
    (重量比)で使用される請求項1または請求項2の製造
    法。
  4. 【請求項4】成型した生地中の具材の配合量が25〜6
    5重量%の範囲である請求項1〜3のいずれかの製造
    法。
  5. 【請求項5】成型した生地中の水分と加熱処理後の魚肉
    加工品の水分の差が6重量%以内である請求項1〜4の
    いずれかの製造法。
  6. 【請求項6】湿式加熱が蒸し加熱であり、焼成が遠赤外
    線加熱である請求項1〜5のいずれかの製造法。
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