JP3602671B2 - マンナンコロッケ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コロッケに関し、更に詳しくは、従来のコロッケ内部の物性が糊状である点を改善した食感的に優れたマンナンコロッケに関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のごとく、コロッケは、従来、ポテトをつなぎとしたポテトコロッケと白ソースをつなぎとしたクリームコロッケとに2大別される。その形状については、コルク栓形(俵形)がコロッケ本来の形である。勿論、用途によって、木の葉形、小判形、丸形、その他に成形される。
【0003】
そして、ポテトコロッケは、例えば、次のようにして作成される。すなわち、まず、じゃがいもを皮をむいてからゆでて、またはゆでてから皮をむいて、つぶしたものと玉ねぎのみじん切りをバターで炒め、これに挽き肉を加えてさらに炒め、ついで塩、こしょう、ナツメグなどで調味して得た具とを混ぜてたねを作る。次に、たねを所望の形に成形し、これに小麦粉、とき卵及びパン粉で衣をつけ、最後に、これを油で揚げる。じゃがいもの代わりに、さつまいも、里いも、かぼちゃなどを使ったコロッケ、また具としてグリーンピース、チーズなどをも使ったコロッケ、パン粉の代わりにコーンフレーク、じゃこなどを使ったコロッケも知られている。これらは、全て、コロッケを2大別した場合のポテトコロッケに分類される。
【0004】
一方、クリームコロッケは、例えば、次のようにして作成される。すなわち、例えば、カニクリームコロッケは、先ず、バター、小麦粉、牛乳、塩、こしょうなどから白ソース(ホワイトソース)を作り、これをポコポコ煮立てたものにカニ缶、マッシュルームなどを加えて、必要に応じて塩、こしょうをしてたねを作る。次に、これを冷却し、所望の形に成形し、これに小麦粉、とき卵及びパン粉で衣をつけ(必要に応じて、小麦粉及びとき卵で二度衣にすることもある)、最後に、これを油で揚げる。かにの代わりに、またはかにとともに、帆立、コーン、ハム、ベーコン、人参、アスパラガス、玉ねぎなどを具として使用することができる。また、パン粉の代わりに、コーンフレーク、じゃこなどを使うことのできることは、上に説明したポテトコロッケの場合と同じである。
【0005】
衣をつける理由は、たねの成形物だけでは、加熱(油揚げ)により膨張して結着性がゆるみ、品形を壊したりまたヒビ割れたりするので、この状態を解消するため、成形物の表面に小麦粉をまぶし、とき卵を塗り、更にパン粉をからませて補強するのである。
【0006】
表面の、とき卵は、油揚げの温度で初めに凝固する。そのため、例えば、ポテトコロッケの場合、コロッケ内部(たね)のポテトは、水分を可能な限り維持するため、製造直後でもコロッケ外部のカラッとした硬性とは異なり、内部は、べとつく程の軟性となり食感的に不良となることがしばしばであった。また、自然冷却の後も同様であり、この点がコロッケの欠点である。
【0007】
最近では、野菜類、挽き肉や魚介類、その他、及び加工食品を適宜混和し、調味して作成したたねに衣をつけ、予め油揚げ処理した後、冷凍処理したコロッケが冷凍食品として市販されている。
【0008】
その冷凍コロッケは、電子レンジで1〜2分加熱して解凍加温し食用に供するものであるが、コロッケ内部は前記したごとく、べとつく程の軟性である。
【0009】
それを補うため、トウモロコシ粒やエンドウ豆など、更に挽き肉、魚介類、その他を添加したコロッケも製造されているが、これによってもなお先に述べたようなコロッケの食用時の欠点は改善されていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
コロッケの衣用に改善された小麦粉やパン粉を用い、さらに各種食品の固形物を具に用いても、なお解決し得ないコロッケの欠点であるべとつく程の軟性食感となる内部は、いまなお改善されるに至らず未解決であり、これを解決するのが本発明の目的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前項記載の課題を解決すべく鋭意研究の結果、従来のコロッケ製造法においては、コロッケの外部(衣)に使用する小麦粉やパン粉のみ改良されており、そのため外部はカラッとした食感になっているものの、コロッケ内部のポテトは、水分を含んだままのべとつく程の軟性食感であり、この点を改善するためにはコロッケ内部にも加熱して凝固する食材の配合が必要であること、そしてそのような食材としてグルコマンナンの水和ゲルが適切なることを見いだし、このような知見に基づいて本発明を完成した。
【0012】
すなわち、本発明はグルコマンナンの水和ゲルを配合したたねを使用して作成されたことを特徴とするマンナンコロッケに関する。本発明のコロッケは、このようにグルコマンナンの水和ゲルをたねに配合することから、本明細書においては、これをマンナンコロッケと称することがある。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のマンナンコロッケの製造は、前記の水和ゲルを使用することを除いては、全て先に言及した従来のコロッケの製造法に準ずることができる。従って、本発明の特徴の一つは、製造目的毎に所望する副原料と共にグルコマンナンの水和ゲルを使用することである。
【0014】
以下、これについて詳細に説明する。
【0015】
周知のように、グルコマンナン(以下、マンナンと略称する)の水和ゲルは、Ca(OH)2などのアルカリ性化合物(凝固剤)と接触させて加温すると、不可逆的凝固を完成し、弾性に富む日本の伝統的食品であるこんにゃくとなる。
【0016】
本発明のマンナンの水和ゲル生成に用いるマンナンは、これには特別の制限はなく、いわゆるこんにゃく精粉(コンニャクマンナン)の形のものなど、いずれも使用できることは勿論である。さらにマンナンの粒度は、水に溶解が早く、且つ膨潤時間を不要ならしめるなどの見地から、160メッシュ通過が好ましく、更に好ましくは180メッシュ通過である。また、このようなマンナンには、多糖類その他の副原料を併用することもできる。なお、これらの微粉末マンナンについては、本発明者の発明に係る特開平5−38263号公報に記載してある。
【0017】
コロッケの作成の際にたねに配合すべきマンナンの水和ゲルは、例えば160メッシュ通過の微粉末マンナン、所望による副原料、及び凝固剤を予め粉体混合し、これを水と混合撹拌して作成することができる。この水との混合撹拌物は、例えば2〜3分後には糊状を呈し、微粉末マンナンは既に膨潤した状態になっており、それをそのまま、つぶしたポテトと具とを混ぜてたねを作る際に、これに適量混合する方法で使用する。このような、マンナン水和ゲルの作成法によるときは、凝固剤の懸濁液を別途に調製しておき、これを使用するといったことは不要となる。あるいはまた、マンナンの水和ゲルは、マンナンを所望による副原料と共に、水と、例えば10〜17分撹拌混合し、次いでマンナンを膨潤溶解させた後に、これに凝固剤を適当な濃度の水溶液や懸濁液などにして添加混練する方法で作成する。
【0018】
このようにして作成したマンナンの水和ゲルは、前者の方法によると後者の方法によるとを問わず、加温前であり、未だ不可逆的凝固には至らず、糊状であるこの状態を本明細書においては特に(グルコ)マンナンの水和ゲルと称し、マンナンの不可逆的凝固物と区別するのである。
【0019】
微粉末マンナンを水と撹拌してマンナンの水和ゲルを作成する水の量は、マンナンが容易に溶解し、且つ平衡状態になりやすい量であって、当該マンナン1重量部当たり約18〜45重量部、好ましくは約22〜32重量部である。水の量がこの範囲より少量に過ぎるときは、マンナンの水和ゲルが硬化してマンナン特有の抱括能が十分に活用されず、作業性も悪くなる限界であり、一方この範囲より多きに過ぎるときは、マンナン使用の効果が奏されない。凝固剤には、特別の制限はなく、従来の食用こんにゃくに使用されているものを使用することができる。凝固剤として、Ca(OH)2などのアルカリ性化合物を使用する時は、マンナンに対してそのネトを防止し、且つ凝固するための適量であって、更に特有の嫌忌臭を解消するなどの見地から、マンナンに対して1〜5重量%、好ましくは2.5〜3重量%の量で使用する。アルカリ剤は1種を単独に、または2種以上を別々に若しくは混合物として使用することもできる。
【0020】
このようにして作成したマンナンの水和ゲルは、先に述べたように、つぶしたポテト及び所望による味付けをした具とを混ぜてたねを作る際に、これに適量を直接添加してからませた後、形状を整え、表面に小麦粉を薄くつけ、次にとき卵をからませ、最後にパン粉をつけて形状を整え、160〜180℃の温度で油揚げしてポテトコロッケを完成する。
【0021】
マンナン水和ゲルの使用量は、好みにもよるが、ポテトコロッケの場合、従来のたねの材料1重量部に対して0.5〜1.5重量部とすることができ、好ましくは0.7〜1.2重量部である。
【0022】
以上、ポテトコロッケの場合を想定して説明をしたが、クリームコロッケの場合も、マンナンの水和ゲルを従来法によるたねに適量添加することにより、食感に優れたクリームコロッケが完成する。
【0023】
すなわち、マンナンの水和ゲルが加熱(油揚げ)によって不可逆的に凝固するため、ポテトなどのたねの成分がこれに包接されてべとつく程の軟性が改善され、好ましい食感に安定するのである。
【0024】
本発明によれば、更に所望次第では、コロッケの外部原料(衣)に、品形維持のため使用するとき卵やパン粉を、不要ならしめることもできる結果、これまでのコロッケの品形維持効果が、内部軟性食感とは不調和であり、たべもの本来の美味しさが2次的となっていた点も改善することができる。本発明のコロッケは、品形維持に何等の補足も不要であるため、着色(きつね色)効果から、成形したたねに単に小麦粉を薄くからませて油揚げするのみで完成品とすることもできる。
【0025】
さらに、コロッケは、先に説明したように、用途または目的毎にトウモロコシ粒やエンドー豆、野菜類、挽き肉や魚介類、その他、及び加工食品などの具を調味してつぶしたじゃがいも、かぼちゃ、里いもなどと又は白ソースと混ぜ合わせ、成形した後、これを油揚げするなど一連の製造法によるが、マンナンの水和ゲルを添加使用する効果は、いずれの種類のコロッケにも奏される。従って、マンナンの水和ゲルを添加配合したたねを使用したコロッケは、全て本発明のマンナンコロッケの範囲に含まれる。
【0026】
本発明によって、コロッケの内部原料にマンナンの水和ゲルを添加するときは、必然的に食物繊維でノンカロリーのマンナンの水和ゲルが、製品中に取り込まれ、例えば従来のコロッケのたね材料1重量部に対し、マンナンの水和ゲル1.0〜1.2重量部を使用したマンナンコロッケのカロリーは、そうでないコロッケに較べて当然50%近く低下する。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に説明する。
【0028】
(実施例1)
160メッシュ通過の微粉末マンナンを26g、デキストリンを8g、小麦粉を6g、そしてCa(OH)2を0.8g(合計40.8g)を計取して粉体混合し、これを水(20℃)840gに添加し約3分間撹拌して、計880gのマンナン水和ゲルとした。
【0029】
次に、じゃがいもの皮をむいて分割し、約10分間煮た中から100gを分け取り、これに調味カレー粉を2g、固形チーズを10g(細片にカット)、グラニュー糖を7g、そして食塩を1g(合計20g)を添加して調味したもの(120g)に、上で作成したマンナン水和ゲル120gを添加して混練し、コロッケの内部の原料(たね)を合計240g調製した。次に、これを4個に分け、形状を小判形に整え、これに小麦粉を薄くからませて、油の温度180℃に約4分間、油揚げしてきつね色のマンナンコロッケを218g収得した。
【0030】
このポテトコロッケには、品形維持と、パン粉の結着目的に使用する、とき卵や、表面の食感とみかけ品様が目的のパン粉を使用せず、ただきつね色の発現に小麦粉を薄く絡ませるのみで、油揚げしたが、内外とも調和した好ましい食感であった。
【0031】
さらに自然放冷後、−18℃に急速冷凍した。これを2週間後、電子レンジで1分間加熱して試食したときの食味食感は、試作直後の品様食感であり、冷凍耐性保持も確認した。
【0032】
(実施例2)
皮をむいて4分割したじゃがいも230gを約10分間ゆで、その中から150gを分け取り、市販の塩こしょう調味料約2gを添加して万遍なく漬して、均質にした。
【0033】
次に、牛豚の合い挽き肉10g、みじん切りした玉ネギ20g、砂糖5g、しょうゆ10mlおよび料理酒10mlを、食用油をひいたフライパンで炒め、その中から約20gを分け取り、これを塩こしょうして潰し均質にしたじゃがいも約150gに添加してよく混ぜ合わせ、約170gのコロッケのたねを作り、さらに同量の、実施例1において作成したマンナン水和ゲルを加えて混合した約340gを5つに分けて小判形に成形し、これに小麦粉をからませ、次に、とき卵をつけてパン粉を付着させ、成形を整えた後、油温180℃で約4分間油揚げしてポテトコロッケ(マンナンコロッケ)330gを収得した。
【0034】
得られたマンナンコロッケは、表面が硬く仕上がっていることはもちろんのこと、内部(たね)もホクホクしたものであった。
【0035】
比較のために、マンナン水和ゲルを加えなかったことを除いては全く同様にしてコロッケを試作した。この場合は、たねはマンナン水和ゲルを加えなかった分だけ少なくなり、従って、たねは3つに分けてコロッケを作成した。
【0036】
このようにして得られたコロッケは、表面が硬く仕上がっているが、内部のたねはべとつく程の軟性食感で、外部と違和感があった。さらに内部(たね)と外部(衣)の間にすき間が生じていた。
【0037】
【発明の効果】
ポテトコロッケの主原料であるポテトの種類は100種を超え、世界中の国々で食用されており、わが国の食用でも、惣菜からスナック菓子にまで多用されている。
【0038】
中でもポテトコロッケの場合は、ゆでたポテトをつぶし、これに食用目的による副食材や調味料を添加し、さらに品形維持をみかけ品様の向上から、コロッケの外部に結着目的の小麦粉やとき卵をぬり、次いでパン粉をつけて油揚げする一連の製造法であるため、コロッケ内部がべとつく程の軟性食感はそのままに、外部のパリッとした硬質食感とはそぐわない状態で今日に至っており、このことがポテトコロッケの欠点となっていたが、本発明は、コロッケ内部のポテトなどを材料とするたねに、マンナンの水和ゲルを混和し、油揚げによる加熱で、上記の欠点を改善した。マンナンの水和ゲルは、ポテトコロッケ、さつまいもコロッケなどの内部の軟性の食感を改善するのに有用であるのみならず、しばしば軟らか過ぎになりがちなクリームコロッケの内部の軟性をも改善することができる。
【0039】
さらに、カロリーゼロのマンナン水和ゲルをポテトなどのコロッケの材料と1対1前後の割合で使用するため、得られるマンナンコロッケのカロリーも半減する。従って、健康志向への関心がたかまる近時、低カロリーのコロッケが実現したことによる価値は、その経済効果と共に大きい。
【発明の属する技術分野】
本発明は、コロッケに関し、更に詳しくは、従来のコロッケ内部の物性が糊状である点を改善した食感的に優れたマンナンコロッケに関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のごとく、コロッケは、従来、ポテトをつなぎとしたポテトコロッケと白ソースをつなぎとしたクリームコロッケとに2大別される。その形状については、コルク栓形(俵形)がコロッケ本来の形である。勿論、用途によって、木の葉形、小判形、丸形、その他に成形される。
【0003】
そして、ポテトコロッケは、例えば、次のようにして作成される。すなわち、まず、じゃがいもを皮をむいてからゆでて、またはゆでてから皮をむいて、つぶしたものと玉ねぎのみじん切りをバターで炒め、これに挽き肉を加えてさらに炒め、ついで塩、こしょう、ナツメグなどで調味して得た具とを混ぜてたねを作る。次に、たねを所望の形に成形し、これに小麦粉、とき卵及びパン粉で衣をつけ、最後に、これを油で揚げる。じゃがいもの代わりに、さつまいも、里いも、かぼちゃなどを使ったコロッケ、また具としてグリーンピース、チーズなどをも使ったコロッケ、パン粉の代わりにコーンフレーク、じゃこなどを使ったコロッケも知られている。これらは、全て、コロッケを2大別した場合のポテトコロッケに分類される。
【0004】
一方、クリームコロッケは、例えば、次のようにして作成される。すなわち、例えば、カニクリームコロッケは、先ず、バター、小麦粉、牛乳、塩、こしょうなどから白ソース(ホワイトソース)を作り、これをポコポコ煮立てたものにカニ缶、マッシュルームなどを加えて、必要に応じて塩、こしょうをしてたねを作る。次に、これを冷却し、所望の形に成形し、これに小麦粉、とき卵及びパン粉で衣をつけ(必要に応じて、小麦粉及びとき卵で二度衣にすることもある)、最後に、これを油で揚げる。かにの代わりに、またはかにとともに、帆立、コーン、ハム、ベーコン、人参、アスパラガス、玉ねぎなどを具として使用することができる。また、パン粉の代わりに、コーンフレーク、じゃこなどを使うことのできることは、上に説明したポテトコロッケの場合と同じである。
【0005】
衣をつける理由は、たねの成形物だけでは、加熱(油揚げ)により膨張して結着性がゆるみ、品形を壊したりまたヒビ割れたりするので、この状態を解消するため、成形物の表面に小麦粉をまぶし、とき卵を塗り、更にパン粉をからませて補強するのである。
【0006】
表面の、とき卵は、油揚げの温度で初めに凝固する。そのため、例えば、ポテトコロッケの場合、コロッケ内部(たね)のポテトは、水分を可能な限り維持するため、製造直後でもコロッケ外部のカラッとした硬性とは異なり、内部は、べとつく程の軟性となり食感的に不良となることがしばしばであった。また、自然冷却の後も同様であり、この点がコロッケの欠点である。
【0007】
最近では、野菜類、挽き肉や魚介類、その他、及び加工食品を適宜混和し、調味して作成したたねに衣をつけ、予め油揚げ処理した後、冷凍処理したコロッケが冷凍食品として市販されている。
【0008】
その冷凍コロッケは、電子レンジで1〜2分加熱して解凍加温し食用に供するものであるが、コロッケ内部は前記したごとく、べとつく程の軟性である。
【0009】
それを補うため、トウモロコシ粒やエンドウ豆など、更に挽き肉、魚介類、その他を添加したコロッケも製造されているが、これによってもなお先に述べたようなコロッケの食用時の欠点は改善されていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
コロッケの衣用に改善された小麦粉やパン粉を用い、さらに各種食品の固形物を具に用いても、なお解決し得ないコロッケの欠点であるべとつく程の軟性食感となる内部は、いまなお改善されるに至らず未解決であり、これを解決するのが本発明の目的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前項記載の課題を解決すべく鋭意研究の結果、従来のコロッケ製造法においては、コロッケの外部(衣)に使用する小麦粉やパン粉のみ改良されており、そのため外部はカラッとした食感になっているものの、コロッケ内部のポテトは、水分を含んだままのべとつく程の軟性食感であり、この点を改善するためにはコロッケ内部にも加熱して凝固する食材の配合が必要であること、そしてそのような食材としてグルコマンナンの水和ゲルが適切なることを見いだし、このような知見に基づいて本発明を完成した。
【0012】
すなわち、本発明はグルコマンナンの水和ゲルを配合したたねを使用して作成されたことを特徴とするマンナンコロッケに関する。本発明のコロッケは、このようにグルコマンナンの水和ゲルをたねに配合することから、本明細書においては、これをマンナンコロッケと称することがある。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のマンナンコロッケの製造は、前記の水和ゲルを使用することを除いては、全て先に言及した従来のコロッケの製造法に準ずることができる。従って、本発明の特徴の一つは、製造目的毎に所望する副原料と共にグルコマンナンの水和ゲルを使用することである。
【0014】
以下、これについて詳細に説明する。
【0015】
周知のように、グルコマンナン(以下、マンナンと略称する)の水和ゲルは、Ca(OH)2などのアルカリ性化合物(凝固剤)と接触させて加温すると、不可逆的凝固を完成し、弾性に富む日本の伝統的食品であるこんにゃくとなる。
【0016】
本発明のマンナンの水和ゲル生成に用いるマンナンは、これには特別の制限はなく、いわゆるこんにゃく精粉(コンニャクマンナン)の形のものなど、いずれも使用できることは勿論である。さらにマンナンの粒度は、水に溶解が早く、且つ膨潤時間を不要ならしめるなどの見地から、160メッシュ通過が好ましく、更に好ましくは180メッシュ通過である。また、このようなマンナンには、多糖類その他の副原料を併用することもできる。なお、これらの微粉末マンナンについては、本発明者の発明に係る特開平5−38263号公報に記載してある。
【0017】
コロッケの作成の際にたねに配合すべきマンナンの水和ゲルは、例えば160メッシュ通過の微粉末マンナン、所望による副原料、及び凝固剤を予め粉体混合し、これを水と混合撹拌して作成することができる。この水との混合撹拌物は、例えば2〜3分後には糊状を呈し、微粉末マンナンは既に膨潤した状態になっており、それをそのまま、つぶしたポテトと具とを混ぜてたねを作る際に、これに適量混合する方法で使用する。このような、マンナン水和ゲルの作成法によるときは、凝固剤の懸濁液を別途に調製しておき、これを使用するといったことは不要となる。あるいはまた、マンナンの水和ゲルは、マンナンを所望による副原料と共に、水と、例えば10〜17分撹拌混合し、次いでマンナンを膨潤溶解させた後に、これに凝固剤を適当な濃度の水溶液や懸濁液などにして添加混練する方法で作成する。
【0018】
このようにして作成したマンナンの水和ゲルは、前者の方法によると後者の方法によるとを問わず、加温前であり、未だ不可逆的凝固には至らず、糊状であるこの状態を本明細書においては特に(グルコ)マンナンの水和ゲルと称し、マンナンの不可逆的凝固物と区別するのである。
【0019】
微粉末マンナンを水と撹拌してマンナンの水和ゲルを作成する水の量は、マンナンが容易に溶解し、且つ平衡状態になりやすい量であって、当該マンナン1重量部当たり約18〜45重量部、好ましくは約22〜32重量部である。水の量がこの範囲より少量に過ぎるときは、マンナンの水和ゲルが硬化してマンナン特有の抱括能が十分に活用されず、作業性も悪くなる限界であり、一方この範囲より多きに過ぎるときは、マンナン使用の効果が奏されない。凝固剤には、特別の制限はなく、従来の食用こんにゃくに使用されているものを使用することができる。凝固剤として、Ca(OH)2などのアルカリ性化合物を使用する時は、マンナンに対してそのネトを防止し、且つ凝固するための適量であって、更に特有の嫌忌臭を解消するなどの見地から、マンナンに対して1〜5重量%、好ましくは2.5〜3重量%の量で使用する。アルカリ剤は1種を単独に、または2種以上を別々に若しくは混合物として使用することもできる。
【0020】
このようにして作成したマンナンの水和ゲルは、先に述べたように、つぶしたポテト及び所望による味付けをした具とを混ぜてたねを作る際に、これに適量を直接添加してからませた後、形状を整え、表面に小麦粉を薄くつけ、次にとき卵をからませ、最後にパン粉をつけて形状を整え、160〜180℃の温度で油揚げしてポテトコロッケを完成する。
【0021】
マンナン水和ゲルの使用量は、好みにもよるが、ポテトコロッケの場合、従来のたねの材料1重量部に対して0.5〜1.5重量部とすることができ、好ましくは0.7〜1.2重量部である。
【0022】
以上、ポテトコロッケの場合を想定して説明をしたが、クリームコロッケの場合も、マンナンの水和ゲルを従来法によるたねに適量添加することにより、食感に優れたクリームコロッケが完成する。
【0023】
すなわち、マンナンの水和ゲルが加熱(油揚げ)によって不可逆的に凝固するため、ポテトなどのたねの成分がこれに包接されてべとつく程の軟性が改善され、好ましい食感に安定するのである。
【0024】
本発明によれば、更に所望次第では、コロッケの外部原料(衣)に、品形維持のため使用するとき卵やパン粉を、不要ならしめることもできる結果、これまでのコロッケの品形維持効果が、内部軟性食感とは不調和であり、たべもの本来の美味しさが2次的となっていた点も改善することができる。本発明のコロッケは、品形維持に何等の補足も不要であるため、着色(きつね色)効果から、成形したたねに単に小麦粉を薄くからませて油揚げするのみで完成品とすることもできる。
【0025】
さらに、コロッケは、先に説明したように、用途または目的毎にトウモロコシ粒やエンドー豆、野菜類、挽き肉や魚介類、その他、及び加工食品などの具を調味してつぶしたじゃがいも、かぼちゃ、里いもなどと又は白ソースと混ぜ合わせ、成形した後、これを油揚げするなど一連の製造法によるが、マンナンの水和ゲルを添加使用する効果は、いずれの種類のコロッケにも奏される。従って、マンナンの水和ゲルを添加配合したたねを使用したコロッケは、全て本発明のマンナンコロッケの範囲に含まれる。
【0026】
本発明によって、コロッケの内部原料にマンナンの水和ゲルを添加するときは、必然的に食物繊維でノンカロリーのマンナンの水和ゲルが、製品中に取り込まれ、例えば従来のコロッケのたね材料1重量部に対し、マンナンの水和ゲル1.0〜1.2重量部を使用したマンナンコロッケのカロリーは、そうでないコロッケに較べて当然50%近く低下する。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に説明する。
【0028】
(実施例1)
160メッシュ通過の微粉末マンナンを26g、デキストリンを8g、小麦粉を6g、そしてCa(OH)2を0.8g(合計40.8g)を計取して粉体混合し、これを水(20℃)840gに添加し約3分間撹拌して、計880gのマンナン水和ゲルとした。
【0029】
次に、じゃがいもの皮をむいて分割し、約10分間煮た中から100gを分け取り、これに調味カレー粉を2g、固形チーズを10g(細片にカット)、グラニュー糖を7g、そして食塩を1g(合計20g)を添加して調味したもの(120g)に、上で作成したマンナン水和ゲル120gを添加して混練し、コロッケの内部の原料(たね)を合計240g調製した。次に、これを4個に分け、形状を小判形に整え、これに小麦粉を薄くからませて、油の温度180℃に約4分間、油揚げしてきつね色のマンナンコロッケを218g収得した。
【0030】
このポテトコロッケには、品形維持と、パン粉の結着目的に使用する、とき卵や、表面の食感とみかけ品様が目的のパン粉を使用せず、ただきつね色の発現に小麦粉を薄く絡ませるのみで、油揚げしたが、内外とも調和した好ましい食感であった。
【0031】
さらに自然放冷後、−18℃に急速冷凍した。これを2週間後、電子レンジで1分間加熱して試食したときの食味食感は、試作直後の品様食感であり、冷凍耐性保持も確認した。
【0032】
(実施例2)
皮をむいて4分割したじゃがいも230gを約10分間ゆで、その中から150gを分け取り、市販の塩こしょう調味料約2gを添加して万遍なく漬して、均質にした。
【0033】
次に、牛豚の合い挽き肉10g、みじん切りした玉ネギ20g、砂糖5g、しょうゆ10mlおよび料理酒10mlを、食用油をひいたフライパンで炒め、その中から約20gを分け取り、これを塩こしょうして潰し均質にしたじゃがいも約150gに添加してよく混ぜ合わせ、約170gのコロッケのたねを作り、さらに同量の、実施例1において作成したマンナン水和ゲルを加えて混合した約340gを5つに分けて小判形に成形し、これに小麦粉をからませ、次に、とき卵をつけてパン粉を付着させ、成形を整えた後、油温180℃で約4分間油揚げしてポテトコロッケ(マンナンコロッケ)330gを収得した。
【0034】
得られたマンナンコロッケは、表面が硬く仕上がっていることはもちろんのこと、内部(たね)もホクホクしたものであった。
【0035】
比較のために、マンナン水和ゲルを加えなかったことを除いては全く同様にしてコロッケを試作した。この場合は、たねはマンナン水和ゲルを加えなかった分だけ少なくなり、従って、たねは3つに分けてコロッケを作成した。
【0036】
このようにして得られたコロッケは、表面が硬く仕上がっているが、内部のたねはべとつく程の軟性食感で、外部と違和感があった。さらに内部(たね)と外部(衣)の間にすき間が生じていた。
【0037】
【発明の効果】
ポテトコロッケの主原料であるポテトの種類は100種を超え、世界中の国々で食用されており、わが国の食用でも、惣菜からスナック菓子にまで多用されている。
【0038】
中でもポテトコロッケの場合は、ゆでたポテトをつぶし、これに食用目的による副食材や調味料を添加し、さらに品形維持をみかけ品様の向上から、コロッケの外部に結着目的の小麦粉やとき卵をぬり、次いでパン粉をつけて油揚げする一連の製造法であるため、コロッケ内部がべとつく程の軟性食感はそのままに、外部のパリッとした硬質食感とはそぐわない状態で今日に至っており、このことがポテトコロッケの欠点となっていたが、本発明は、コロッケ内部のポテトなどを材料とするたねに、マンナンの水和ゲルを混和し、油揚げによる加熱で、上記の欠点を改善した。マンナンの水和ゲルは、ポテトコロッケ、さつまいもコロッケなどの内部の軟性の食感を改善するのに有用であるのみならず、しばしば軟らか過ぎになりがちなクリームコロッケの内部の軟性をも改善することができる。
【0039】
さらに、カロリーゼロのマンナン水和ゲルをポテトなどのコロッケの材料と1対1前後の割合で使用するため、得られるマンナンコロッケのカロリーも半減する。従って、健康志向への関心がたかまる近時、低カロリーのコロッケが実現したことによる価値は、その経済効果と共に大きい。
Claims (3)
- グルコマンナン1重量部当たり約18〜45重量部の水を使用して作成されたグルコマンナンの水和ゲルをたねの材料1重量部に対して0.5〜1.5重量部の割合で配合したたねを使用して作成されたことを特徴とするマンナンコロッケ。
- 該グルコマンナンの水和ゲルがグルコマンナン1重量部当たり約22〜32重量部の水を使用して作成されたものであることを特徴とする請求項1記載のマンナンコロッケ。
- 該グルコマンナンの水和ゲルの使用量がたねの材料1重量部に対して0.7〜1.2重量部であることを特徴とする請求項1または2記載のマンナンコロッケ。
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| JP35651796A JP3602671B2 (ja) | 1996-12-06 | 1996-12-06 | マンナンコロッケ |
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| JP35651796A JP3602671B2 (ja) | 1996-12-06 | 1996-12-06 | マンナンコロッケ |
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| JPH10165150A JPH10165150A (ja) | 1998-06-23 |
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1996
- 1996-12-06 JP JP35651796A patent/JP3602671B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| JPH10165150A (ja) | 1998-06-23 |
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