JP4797893B2 - 畜肉及び魚肉を使用しないハンバーグ様食品の製造方法 - Google Patents

畜肉及び魚肉を使用しないハンバーグ様食品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、肉様の食感・風味を有する加工食品、特にハンバーグ様食品を簡便に提供できる製造法に関するものである。
近年、健康に対する関心が高まり、大豆蛋白や小麦グルテンを用いて加工された肉代替食品の需要が増えている。それら肉代替食品には脱脂大豆蛋白を主原料とし、組織を繊維状に加工し、肉に良く似た食感を有する蛋白食品等があり健康食品市場に出回っている。
蛋白質を組織化する方法としては冷却ダイ付二軸エクストルーダーが主によく使用されている。二軸エクストルーダーによる方法では、水と混合し、加圧加熱下で混練された原料が冷却ダイで冷却され、膨化することなく緻密で方向性のある繊維状物を作ることが出来る(特開昭64−23855、特許文献1)。またこの方法によって加工された乾燥大豆蛋白は、粒状大豆蛋白として市販されており、それらを湯戻しし、油ちょうすることによって、鶏肉から揚げの代替食品として使用されている。また解繊し、混練してソーセージやハム様の食品として市販されている。しかしそれらは本物の肉とは若干食感が異なり、多少弾力感やジューシー感に欠け、一般消費者までに幅広く受け入れられる程の品質ではないというのが現状である。
一方で、ハンバーグは牛肉、豚肉の挽き肉を小麦粉、パン粉や卵でつないだ食品であり菜食主義者は食することは出来ない。したがって、植物蛋白を主原料とした美味なハンバーグへの需要は大きいと考えられる。
しかしながら、大豆蛋白を主成分としてハンバーグ様の加工食品を作ることは困難である。その理由は、ハンバーグ様の肉粒感を出すためには、エクストルーダーによって製造された繊維状蛋白食品を一旦細断してできる粒状大豆蛋白質(以下「大豆そぼろ」と略す。)を再びハンバーグ状にまとめようとすると結着原料(以下「つなぎ」と略す。)の部分が必要になるが、そのつなぎとなる植物由来成分が見当たらなかったからである。なお、大豆蛋白及び小麦グルテンならびにデンプンをエクストルーダーで加工して得る繊維状蛋白食品素材は、例えば特開平8−66157(特許文献2)の方法も知られているが、これらの組織状蛋白食品素材をつなぎとして利用した例はない。これまで植物性蛋白成分を主とするハンバーグ製造に関する特許は以下のものが知られている。
特開2004−129657(特許文献3)においてはフレーバー含有エマルジョンカードと粉末状大豆蛋白質を用いて植物素材を主とするハンバーグ様加工食品の製造法の発明が紹介されている。また特開平10−179098(特許文献4)、及び特開平11−332516(特許文献5)においては、食感と風味改良の手段として湯葉を用いている。特に特許文献4においては実施例として湯葉を全重量の10%添加し、完全植物由来成分からなるハンバーグ製造法が述べられている。
また、大豆そぼろについては大豆蛋白質、グルテン、及びデンプンの混合物をエクストルーダーで加工してできた繊維状蛋白食品素材を細断して得られることが知られているが、これらは大豆特有の臭いが激しく、あまり肉をイメージさせる好ましい匂いではない。肉様フレーバーを付与するためにはこれまでにシステインやアルキルメルカプタンなどの含硫有機化合物に効果があることが知られている(米国特許3965268、 特許文献6)。食品添加物として実際に添加可能な化合物は米国ではシステインであるが、日本では添加不可能である。また健康志向の強い消費者向けの食品であるため、できる限り香料等を添加せずに肉様フレーバーを付与する方法が望ましい。
またデンプンの加熱及び放冷による硬化およびガラス化の現象についての考察も知られている(非特許文献1、非特許文献2)。
特開昭64−23855号公報 特開平8−66157号公報 特開2004−129657号公報 特開平10−179098号公報 特開平11−332516号公報 米国特許 3965268号公報 肥後、中沢、島崎、野口、家政誌、35, No.3, 1984 肥後、和田、日食科工誌、52、297-305、2005
しかし上記の技術は必ずしも目的のハンバーグ状食品を製造するための十分な方法ではなかった。前述の特許文献2による製造法では卵白とパン粉を混合してつなぎとして用いている。さらに特許文献3及び特許文献4においても、湯葉の他、粉末状大豆たん白、パン粉、でんぷんを併用しながら成型をしているが、植物蛋白を主体とするハンバーグにパン粉を用いるとパン様の食感が出て肉様の食感がなくなるという問題点がある。またデンプンをそのまま添加するだけでは粘性が高くなるだけであり、肉様の食感ではなくなるという問題点がある。本発明では肉様のフレーバーを有し、パン様の食感が出ないようにするため、パン粉をつなぎとして用いない、植物性蛋白を原料とし、調理後も型崩れのしないハンバーグ様食品を製造可能にすることを目的とする。
そこで本発明者らは、種々検討の結果、大豆蛋白と小麦粉をエクストルーダー処理した組織状蛋白がつなぎとして利用できること、更に大豆そぼろと混合、成型後、マイクロ波で加熱結着させ、湯戻し後焼成することで食感・風味のよいハンバーグ様加工食品が簡便に製造できることを見出し、本発明を完成した。すなわち本発明の第1は、分離大豆蛋白1重量部、グルテン0.05〜0.5重量部、澱粉0.01〜0.15重量部、グルタチオンまたはγ−グルタミルシステインが組織状蛋白含有物A全体の0.02〜1重量%となる様に酵母エキスが添加され(以上乾燥重量換算)、水分含量を50〜70%に調整後、二軸エクストルーダーにより加圧加熱した後、冷却ダイを通して膨化することなく押出して組織化したものである組織状蛋白含有物A:1重量部と、分離大豆蛋白と小麦粉が乾燥重量比で7:3〜1:1の混合物を、水分含量を50〜70%に調整後、二軸エクストルーダーにより加圧加熱した後、冷却ダイを通して膨化することなく押出して組織化したものである組織状蛋白含有物B:0.1〜1.5重量部(共に乾燥重量換算)を調湿混合、成型し、マイクロ波照射により加熱結着させ、しかる後調味料を含む液体中で湯戻しし、更に焼成することを特徴とする畜肉及び魚肉を使用しないハンバーグ様食品の製造方法であり、
更に、組織状蛋白含有物Aと組織状蛋白含有物Bとの調湿混錬物の成型後の水分含量が、60%以下になるようにマイクロ波照射を行うことを特徴とする第1発明記載の畜肉及び魚肉を使用しないハンバーグ様食品の製造方法である。
本発明によれば畜肉、魚肉を使用することなく、肉様の食感を有するハンバーグを製造できる。また、大豆そぼろ部分に大豆蛋白、グルテン、デンプンに高グルタチオン含有酵母エキス、または高γ-グルタミルシステイン含有酵母エキスを添加してエクストルーダーで加工することにより、非常に肉風味に近い、好ましい食感を有する繊維状蛋白食品素材を得ることができる。この大豆そぼろと大豆蛋白及び小麦粉から調整する組織状蛋白をつなぎとして組み合わせ加工することにより、従来の製品よりも肉に近い風味と食感を有する肉代替ハンバーグ様食品が製造できる。
本発明に用いる組織状蛋白含有物Aとは、分離大豆蛋白、グルテン、澱粉及びグルタチオン含有酵母エキス又はγ−グルタミルシステイン含有酵母エキスを主原料とした組織状蛋白含有物であり、その製法は、基本的には公知の方法(例えば特許文献1,2など)に従えばよいが、その組成は、分離大豆蛋白1重量部、グルテン0.05〜0.5重量部、澱粉0.01〜0.15重量部、グルタチオンまたはγ−グルタミルシステインが組織状蛋白含有物A全体の0.02〜1重量%となる様にこれら物質を含有する酵母エキスが添加され、水分含量を50〜70%に調整後、二軸エクストルーダーにより加圧加熱した後、冷却ダイを通して膨化することなく押出して組織化したものである。配合割合は、多くの実験から、本発明の目的に最も適した値を採用した。これを湯戻しにより調湿して用いる。
分離大豆蛋白は、大豆または脱脂大豆から抽出され、蛋白濃度が高まったものであればよく、市販品でも、新たに調整した物でも良い。グルテンは小麦グルテンが利用でき、また、澱粉は、小麦、馬鈴薯、トウモロコシ、米などの澱粉が利用できるが、本発明にはトウモロコシ澱粉がより適している。
グルタチオン又はγ−グルタミルシステインを含有する酵母エキスは、組織状蛋白含有物Aに肉フレーバーを付与するためであり、この段階で添加処理することが、後の工程で添加するよりも最終製品となったときの風味のよさ、風味の持続に有効のためである。酵母エキスとしては、グルタチオン又はγ−グルタミルシステインを1重量%(乾物換算)以上含有するものが、酵母エキスの添加量として少なくてすみ、酵母臭をつけないために有効である。
組織状蛋白含有物Bは、分離大豆蛋白と小麦粉を組織状にした蛋白であり、分離大豆蛋白と小麦粉が重量比で7:3〜1:1の混合物を、水分含量を50〜70%に調整後、二軸エクストルーダーにより加圧加熱した後、冷却ダイを通して膨化することなく押出して組織化したものである。製造方法は、基本的には前述の公知の方法によれば良い。エクストルーダー処理して得られた組織状蛋白含有物を、マジミックスなどで細断するだけで団子状になるので、これをつなぎとして用いる。分離大豆蛋白と小麦粉の割合は前述の通りであり、小麦粉が多くなりすぎるとパン様の食感になり好ましくない。小麦粉の割合が2割以下では、細断を続けてもバラバラの状態で、団子状とはならず、つなぎとしては使えない。両者の割合が6:4の時、最も良い結果が得られた。
次に、ハンバーグ様食品の製造工程について述べる。先ず、組織状蛋白含有物A(大豆そぼろ)1重量部に対し水0.5〜1重量部加え、2〜5分間煮沸し、湯戻し調湿をする。これに組織状蛋白含有物B(つなぎ)をAとBともに乾物換算とした場合は0.3〜1重量部、好ましくは0.7重量部の割合で混錬し、これに玉葱のみじん切り炒めを蛋白原料に対し、水を含むAとBの混合物の合計に対してなら8〜40重量%、AとBの乾物重量の合計に対してなら30〜150重量%加え、必要ならば調味料を加え、混錬・成型する。
本発明に用いるマイクロ波発生装置は一般に家庭用電気製品として売られている電子レンジなどである。本発明においては、そぼろ状物を含有する練り製品への応用が可能であるため、大豆ハンバーグの他に大豆ミートボール、大豆餃子、パスタ用大豆ミートソースなどに用いることができる。
なお、植物性蛋白とは日本農林規格に定められており、大豆等の採油用の種実若しくはその脱脂物又は小麦等の穀類の粉末を加工して、植物蛋白質含有率を高めたもので、粉末状植物蛋白、繊維状植物性蛋白、ペースト状植物性蛋白、調味植物性蛋白などがある。
本発明に用いるつなぎ、および大豆そぼろの原料として用いる大豆蛋白は、市販粉末状分離大豆蛋白ある。小麦粉は市販の薄力粉、中力粉、強力粉を用いる。
これらの原料を組織化するために二軸エクストルーダーを利用する。基本的には前述の公知の方法によればよいが、以下に一例を示す。バレルの加熱温度は前半部が90℃、中半が140℃〜150℃、後半が130℃〜140℃になるように調整する。冷却ダイ直前の温度は120℃〜140℃、圧力は1〜20kg/cm2になるように調整する。スクリューの構成は、せん断力を強くし原料を組織化するためにニーディングディスク、リバーススクリューを用いることが望ましい。このような条件で原料を高温高圧下で混練した後に冷却ダイに通すことにより、膨化することなく組織状蛋白素材が押出される。
上記に示した大豆ハンバーグを調製するためには、まず、第一段階として大豆蛋白:小麦粉を7:3〜1:1の割合で混合し、水分含量を50〜70%で上記の条件で押出機中加圧加熱する。冷却ダイを通じて膨化することなく押出して組織化する蛋白食品素材を調製し、この素材を細断しつづけると3分〜5分後には一塊の団子になる。団子状にしたものをつなぎとして用いる。
本発明に用いる大豆そぼろは以下の方法で調製する。市販の粉末状分離大豆蛋白を小麦グルテン、デンプンに高グルタチオン含有酵母エキスまたは高γ―グルタミルシステイン含有酵母エキスと混合する。混合物中に占めるグルタチオン含有量は0.02%〜1%が好ましく、0.1%〜0.7%がより好ましい。次いでこの混合物に水を加えエクストルーダーにより上記条件で加圧加熱下混練された原料が冷却ダイで冷却され、膨化することなく緻密で方向性のある繊維状物(組織状蛋白A)を調製し、これを短時間で細断し、約1〜5mm四方の小片になるように調製し、大豆そぼろを得ることができる。これに水を加え、いったん加熱による湯戻しにより調湿し、大豆そぼろの水分含量を高め、つなぎ蛋白との混錬をしやすくすると共に、食べやすくする。
これらに玉葱のみじん切りを炒めたものを加え全部を混合する。この時の水分含量は、およそ80〜65%である。ついでこの仕込み品を任意の重量に分割し、マイクロ波で照射する。マイクロ波照射は、上記水分含量が60%以下になれば十分に結着する。通常水分が60%〜40%になるよう照射すればよい。1個あたり75gに分割した場合、2.45GHz、700Wの市販の家庭用電子レンジを用いた場合の照射時間は片面1分〜1.5分で両面行う。次いで室温で10分以上、好ましくは20分以上放置する。そうすることによってハンバーグが急速に硬くなる。この現象は以下のように推測される。すなわち、つなぎの中のデンプンはエクストルーダー中で糊化され、次いでマイクロ波加熱および放冷によってさらに変性が進み、ガラス化したものと推測される(非特許文献1、非特許文献2)。
このマイクロ波照射によってハンバーグの結着力が強まるが、マイクロ波照射による水分が蒸発し、ハンバーグは硬いものになる。しかし、この操作により、次工程の湯戻し時に、沸騰水中に長時間浸漬してもフライパンで焼いても形が崩れることがない。また更に次工程でのフライパンでの焼成においても形が崩れることがない。
これに最適の呈味・風味を付与し弾力感を得るため、調味液中で湯戻しする。用いる調味液には何ら制限はない。湯戻し時間は、沸騰した調味液中で5〜20分ぐらいで十分である。通常のハンバーグであれば10分程度で十分である。この湯戻しによって、水分を再び多く含み、ジューシー感を有する食べやすいハンバーグになる。
またマイクロ波を照射する代わりに蒸し器で蒸すと柔らかくなる。またマイクロ波を照射せずフライパンで焼くと表面だけが焦げて中身が柔らかく、食感が劣る。このためマイクロ波で照射することが必須工程となる。
湯戻しの後、焼成により表面を焦がすことによって本物のハンバーグらしい外観にする。フライパンで焼いてもよいし、グリルを用いても良い。焼成時間は弱火で片面1分〜4分、通常は約2分ずつ両面焼くことが好ましい。さらにこれらを実際に製造するにはレトルト食品などの保存形態が考えられるが、本発明品は回収式レトルト法にて120℃、30分(F値16)という過酷な条件でも全く形が崩れない、ジューシーなハンバーグを得ることができる。
これらの素材を用いれば動物性由来の食品成分を全く食さない完全菜食主義者にも提供可能であるが、全米における菜食主義者の中では鶏卵または乳製品を食べても良いとするいわゆるラクトオボベジタリアンが多くを占めている。したがって彼らに提供する製品として、これに卵白を添加することは何ら差し支えない。実験でもそれは確認でき、卵白を混合してからマイクロ波照射することによって、より弾力感を有するハンバーグを作ることができた。この場合においても形を崩れにくくするため、また好ましい弾力感を得るためには卵白を混合した後でマイクロ波を照射することは必須工程である。
以下につなぎ、大豆そぼろを得る方法とハンバーグ製造方法を、実施例をあげて説明する。
[実施例1]
<つなぎの製造方法>
つなぎの原材料を表1に示す。
2軸エクストルーダーによる加工条件
エクストルーダー:(株)日本製鋼所、ラボルーダーマークII。
バレルの加熱温度:前半部が90℃、中半が140℃〜150℃、後半が130℃〜140℃。
冷却ダイ直前の温度:120℃〜140℃、圧力:1〜20kg/cm2。
加水速度:30ml/分
冷却ダイ:(株)日本製鋼所製、円筒ダイ使用。冷却温度:50℃。
細断条件
カッター:ロボクープマジミックス。
上記の組織状蛋白素材100gを3分間細断し、団子状物のつなぎを得た。
<大豆そぼろの製造法1>
大豆そぼろの原材料を表2に示す。
表2に示したように、酵母エキスNo.1を5重量%含有する組成物(酵母エキスNo.1のグルタチオン含有量は0.02%以下)に、還元型グルタチオンをそれぞれ0%、0.02%、0.05%、0.1%、0.2%、0.4%、0.7%、1重量%添加した系で比較した。
全量が250gになるようにグルタチオン量にあわせて大豆蛋白―グルテン混合物の量を調整した。2軸エクストルーダーによる加工条件は実施例1と同じとした。
細断条件
カッター:ロボクープマジミックス。
上記の組織状蛋白素材80gを30秒間細断して大豆そぼろを得た。
この大豆そぼろ30gに1%ショ糖水溶液20gを添加し、鍋に入れ弱火で2分間茹でた。茹で上がり後の重量が42g〜45gになるように調製し、これを後の大豆ハンバーグ製造工程に用いた。
<植物蛋白含有ハンバーグの製造法1>(グルタチオン比率の検討)
実施例1で得られたつなぎと実施例2で得られた大豆そぼろとを用いて植物蛋白含有ハンバーグを作成し、焼成時食感の評価を行った。つなぎ20gと大豆そぼろ45gを混練した。玉葱とにんにく混合物(重量比15:1)をみじん切りにしたのち油を敷いてフライパンで炒めたもの15gを添加した。これらを手でよく混練し、ハンバーグ状に成形した。このときの水分含量は69%であった。水分含量は島津MOC-120Hで測定した。
次いで電子レンジ(ナショナルNE-TJ62)で片面1.5分間ずつ両面をマイクロ波照射加熱した(2.45GHz、700W)。加熱終了時の中心付近の温度は101.5℃であった。そのまま室温で20分放置した。20分後の大豆ハンバーグの中心付近温度は45℃、水分含量は55%であった。次いで調味料を加えた沸騰水中にハンバーグを加え、10分間弱火で茹でた。調味料液の配合を表3に示す。次いでフライパン上にて弱火で片面2分ずつ両面焼いた。終了時の水分含量は60%であった。
<官能評価>
官能評価は6名で行った。風味と食感に注目して評価した。実施例3のグルタチオンを含まないサンプルと比較して、実施例4〜10で風味と食感が改善されたかどうかを評価したところ、グルタチオン含有率0.02%サンプルから6人中6人が改善したと回答した。6人中5人が0.1%〜0.7%が特に良いと答えた。評価結果を表4に示す。

[実施例11〜14]
<大豆そぼろの製造法2>
大豆そぼろの原材料を表5に示す。
<植物蛋白含有ハンバーグの製造法2>(高グルタチオン含有酵母エキス、または高γ―グルタミルシステイン含有酵母エキスの素材検討)
実施例11〜14で調製した大豆そぼろを用いてハンバーグを作成した。
調理法は実施例3〜10と同じ方法で行った。
<官能評価>
官能評価は4名で行った。風味と食感に注目して評価した。実施例3のグルタチオン未添加サンプルと比較して、実施例15〜18で風味と食感が改善されたかどうかを評価したところ、いずれのサンプルも4人中4人が改善したと回答した。4人中3人が、スーパー酵母エキス含有品が特に好ましいと答えた。評価結果を表6に示す。
[実施例19]
<植物蛋白を主体としたハンバーグの製造法3>(卵白を添加したハンバーグの製造)
実施例1で得られたつなぎ20gと実施例11で得られた大豆そぼろ45gを混練した。玉葱とにんにく混合物(重量比15:1)をみじん切りにしたのち油を敷いてフライパンで炒めたもの15gを添加した。これらを手でよく混練し、さらに液体卵白20gを添加し混練し、ハンバーグ状に成形した。
次いで電子レンジ(ナショナルNE-TJ62)で片面1.5分間ずつ両面をマイクロ波照射加熱した(2.45GHz、700W)。そのまま室温で20分放置した。次いで調味料を加えた沸騰水中にハンバーグを加え、10分間弱で茹でた。調味料液の配合は表3と同じである。次いでフライパン上にて弱火で片面2分ずつ両面焼いた。焼成時の食感の評価を行った結果、6人中6人が実施例15(卵白無添加)よりも弾力感が向上したと回答した。
本発明によれば、大豆蛋白と小麦粉と水を混合し、エクストルーダーで加工して得た蛋白食品素材を細断し、団子状にしたものをつなぎとし、高グルタチオン含有酵母エキス、または高γ-グルタミルシステイン含有酵母エキスを含む肉粒状植物蛋白と混合し、マイクロ波で加熱して結着し成型できるハンバーグ様加工食品の簡便な方法を確立した。このことにより、畜肉、魚肉を使用することなく、非常に肉風味に近い、好ましい食感を有する品質の植物原料を主体としたハンバーグ状食品を提供できる。また、ミートボール状の食品への応用も可能である。

Claims (2)

  1. 分離大豆蛋白1重量部、グルテン0.05〜0.5重量部、澱粉0.01〜0.15重量部、グルタチオンまたはγ−グルタミルシステインが組織状蛋白含有物A全体の0.02〜1重量%となる様に酵母エキスが添加され(以上乾燥重量換算)、水分含量を50〜70%に調整後、二軸エクストルーダーにより加圧加熱した後、冷却ダイを通して膨化することなく押出して組織化したものである組織状蛋白含有物A:1重量部と、
    分離大豆蛋白と小麦粉が乾燥重量比で7:3〜1:1の混合物を、水分含量を50〜70%に調整後、二軸エクストルーダーにより加圧加熱した後、冷却ダイを通して膨化することなく押出して組織化したものである組織状蛋白含有物B:0.1〜1.5重量部(共に乾燥重量換算)を調湿混合、成型し、
    マイクロ波照射により加熱結着させた後、調味液中で湯戻しし、更に焼成することを特徴とする畜肉及び魚肉を使用しないハンバーグ様食品の製造方法。
  2. 組織状蛋白含有物Aと組織状蛋白含有物Bとの調湿混錬物の成型後の水分含量が、60%以下になるようにマイクロ波照射を行うことを特徴とする請求項1記載畜肉及び魚肉を使用しないハンバーグ様食品の製造方法。
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