JP7349105B2 - 魚肉フレーク、ふりかけ又は混ぜご飯の素、並びにその製造方法 - Google Patents

魚肉フレーク、ふりかけ又は混ぜご飯の素、並びにその製造方法 Download PDF

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本発明は、魚肉フレーク、及び当該魚肉フレークを含有するふりかけ又は混ぜご飯の素、並びにその製造方法に関する。
ふりかけは、主にご飯にふりかけて使われ、弁当のご飯にふりかけたりして使われるほか、炊いたご飯に混ぜておむすびを作ったりする際に使われている。ふりかけの主たる食品素材として、鮭などの魚介類のほぐし身や、魚介類を原料とする顆粒が知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1には、鮭ミンチ、セルロース、調味料、グルタミン酸ソーダなどの原料をミンチにして造粒した後、熱風乾燥することにより食品用顆粒を製造すること、そして、当該食品用顆粒を配合してふりかけを製造すること、が開示されている。
特開2016-116455号公報
上記の魚介類のほぐし身を主原料とするふりかけは、魚介類本来の旨味や風味(味と香り)が感じられるが、保存性や携帯性に劣るものが多い。また、特許文献1のように加熱処理、乾燥処理を経て顆粒に加工した場合は、保存性や携帯性には優れているが、魚介類本来の旨味や風味が弱いため、アミノ酸調味料や香料などを添加して風味や旨味を補う必要があった。
また、特に鮭を主原料とするふりかけの場合は、焼鮭の香ばしい風味が一般に好まれる傾向がある。しかし、鮭を含む原料を顆粒に加工すると、鮭本来の風味が弱くなってしまう問題があった。また、乾燥処理を施すことにより、顆粒全体が白っぽい色調となり、美味しそうな外観とならない問題もあった。
そこで本発明は、魚本来の風味や旨味が十分に感じられ、かつ/又は、美味しそうな外観を有する魚肉フレーク、及び、それを含有するふりかけ又は混ぜご飯の素、を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解消すべく鋭意検討を重ねた結果、通常は廃棄されている魚の皮を加熱処理して魚肉を含む原料と共に細砕及び混合することにより、アミノ酸調味料や香料などの添加物を用いなくても、魚本来の風味や旨味が十分に感じられる魚肉フレークを製造できることを見出した。また、植物由来粉末を含有させることにより、あるいは、魚肉フレーク表面を少なくとも部分的に油脂で被覆することにより、赤系の色調が強くなって美味しそうな外観を有する魚肉フレークを製造できることを見出した。これらの知見に基づいて、本発明は完成されるに至った。
すなわち、本願に係る魚肉フレークは、加熱処理した魚の皮の細砕物を含有するか、植物由来粉末を含有するか、あるいは、表面が少なくとも部分的に油脂で被覆されてなるものである。
また、本願に係るふりかけ又は混ぜご飯の素は、前記魚肉フレークを含有するものである。
また、本願に係る魚肉フレークの製造方法は、魚肉を含む原料のみ、もしくは、魚肉を含む原料と加熱処理した魚の皮と、を細砕及び混合する工程;得られた混合物を乾燥させる工程;及び、得られた乾燥物をフレーク状に破砕する工程;を含むものである。
また、本願に係るふりかけ又は混ぜご飯の素の製造方法は、前記魚肉フレークの製造方法により魚肉フレークを得る工程;及び、得られた魚肉フレークを他の原料に添加する工程;を含むものである。
本願に係る魚肉フレークは、加熱処理した魚の皮の細砕物を含有させ、皮部分に豊富に含まれる旨味が多い油分を、魚肉を含む原料と共に細砕及び混合することで、魚本来の風味や旨味が十分に感じられる魚肉フレークを提供することができる。また、加熱処理した魚の皮の細砕物を含有させることによって、あるいは、植物由来粉末を含有させることによって、赤系の色調が強くなって美味しそうな外観になったり、適度な硬さや保形性を付与したりする効果も得られる。また、通常は廃棄される魚の皮を活用することで、原料コストが抑えられるだけでなく、廃棄物の処理負担を軽減することもできる。また、植物由来粉末を含有させることにより、あるいは、魚肉フレーク表面を少なくとも部分的に油脂で被覆することにより、赤系の色調が強くなって美味しそうな外観を有する魚肉フレークを提供することができる。
以下、本願の実施形態を詳細に説明する。
本実施形態に係る魚肉フレークは、加熱処理した魚の皮の細砕物を含有することを特徴とする。
「魚肉」とは、特に限定されないが、例えばサケ、マス、カツオ、サバ、サンマ、アジ、タイ、キンメダイ、スズキ、サワラ、ホッケ、ハモ、イワシ、タチウオ、カレイ、タラ、ホキ等の魚類の肉、或いは、その塩蔵品、すり身、魚節等の加工品を含む概念であって、具体的には、鮭などの魚類の肉乃至その塩蔵品、すり身、魚節等の加工品をはじめ;しらす(じゃこ)などの稚魚乃至その塩蔵品、すり身、魚節等の加工品;イクラなどの魚卵乃至その塩蔵品、すり身、魚節等の加工品;等を挙げることができる。これらは1種を単独で、若しくは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
サケについて例示するとサケ科(Salmonidae)サケ属(Oncorhynchus)に属するシロサケ(Oncorhynchus keta)、カラフトマス(O. gorbuscha)、ベニザケ(O. nerka)、マスノスケ(O. tshawytscha)、ギンザケ(O. kisutch)、サクラマス(O. masou)、ニジマス(O. mykiss)、カットスロート(O. clarkii)、あるいはサルモ属(タイセイヨウサケ属)(Salmo)に属するブラウントラウト(Salmo trutta)、タイセイヨウサケ(S. salar)が挙げられる。
「魚肉フレーク」とは、上記した魚肉を含む原料を、後述する製法に従ってフレーク状(鱗片状)に加工したものである。ここで、魚肉フレークの粒径は特に限定されないが、通常、長辺の長さが0mm超10mm以下、好ましくは1.5mm以上7.3mm以下、より好ましくは3mm以上5.3mm以下、とすることができる。
また、魚肉フレークの保存性、携帯性の観点から、魚肉フレーク中の水分含量は12質量%以下、好ましくは10質量%以下であることが好ましい。
「魚肉を含む原料」としては、上記した如き魚肉を含むものであればよく、魚肉フレークが有する魚本来の風味や旨味、美味しそうな色調等を損なわない限り、上記した如き魚肉の他に、通常の魚肉フレークに用いられる食品素材を用いて、魚肉フレーク中に含有させることができる。
そのような「食品素材」として、具体的には、エビ、イカなど上記魚類以外の魚介類乃至そのすり身等加工品、上記魚類の抽出物(鮭エキス等)、上記魚類の粉末(鰹パウダー等)、酵母エキス、昆布エキス、食塩、糖類(砂糖、乳糖、ぶどう糖、還元水あめ等)、デキストリン、醤油、みりん、発酵調味料、アミノ酸系調味料、核酸系調味料、食用油脂、色素、香料、酸化防止剤等を挙げることができる。これらは1種を単独で、若しくは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本実施形態の魚肉フレークは、通常、上記した魚肉を固形分換算で15.0質量%以上60.0質量%以下、好ましくは25.0質量%以上57.0質量%以下、より好ましくは31.0質量%以上57.0質量%以下、さらに好ましくは36.0質量%以上53.0質量%以下、特に好ましくは36.0質量%以上52.0質量%以下、最も好ましくは37.0質量%以51.0質量%以下、含有するものとすることができる。
「魚の皮」としては、特に限定されないが、例えば上記した魚類の皮を挙げることができる。皮とは、表皮と真皮を意味し、少量の魚肉が付着していても良い。これらは一種を単独で、若しくは二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、「魚肉」と「皮」は異なる魚種のものを用いることもできるが、同じ魚種のものを用いるのが好ましい。
「加熱処理した魚の皮」としては、上記した魚肉(皮付きのもの)又は魚類を丸ごと加熱処理した後に、身から取外したものや、上記した魚の皮のみを加熱処理したもの、等が挙げられるが、それらに限定されるものではない。
「加熱処理」としては、魚の皮の好ましい風味が増強できるものであれば特に限定されないが、例えば、焼き処理、揚げ処理、炒め処理、等が挙げられる。これらの処理は、1種であってもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
「焼き処理」としては、焼魚の風味が増強されるものであればよく、例えば、オーブン焼き、直火焼き、鉄板焼き、煎り焼き、揚げ焼き、グリル焼き、石焼き、蒸し焼き、ロースト、等が挙げられるが、それらに限定されるものではない。
「細砕物」とは、上記加熱処理した魚の皮をミンサー、フードプロセッサー等任意の手段により細砕したものを指す。細砕物の大きさとしては、加熱処理した魚の皮が夾雑物として認識されることを避けるために、粒径が小さいほど好ましく、例えば長辺の長さが2mm以下であることが好ましい。
本実施形態の魚肉フレークは、上記の細砕物を含む場合は、固形分換算で0.6質量%以上10.2質量%以下、好ましくは1.8質量%以上10.2質量%以下、より好ましくは2.9質量%以上10.2質量%以下、さらに好ましくは2.9質量%以上8.0質量%以下、含有するものとすることができる。上記の含有量の範囲内で上記の細砕物を含有させることにより、魚本来の風味や旨味を向上させたり、赤系の色調が強くなって美味しそうな外観になったり、適度な硬さや保形性が出たりする効果が得られる。
一方、上記の上限値を超えて上記の細砕物を含有させると、夾雑物として認識され見た目が悪くなったり、食感が硬くなったり、生臭さやえぐみが強くなったりするので好ましくない。
本実施形態に係る魚肉フレークは、上記した魚肉を含む原料と魚の皮の他に、植物由来粉末を含有するものであってもよい。上記した魚肉を含む原料から出るドリップにより、魚肉フレークが白っぽくなり、色ムラができる場合があるが、植物由来粉末を含有させてドリップを抑制することにより、色ムラを防止することができる。
「植物由来粉末」としては、例えば、米粉(粳、糯)、小麦粉(全粒粉、薄力粉、中力粉、強力粉)、大麦粉、ライ麦粉、大豆粉、トウモロコシ粉、テフ粉、ヒエ粉、ヒヨコマメ粉、エンドウマメ粉、緑豆粉、アマランサス粉等の穀粉又はその加工品(きな粉等の加熱品、α化品など);米でん粉、小麦でん粉、大豆でん粉、コーンスターチ、葛でん粉、タピオカでん粉、馬鈴薯でん粉等のでん粉又は加工でん粉;大豆タンパク、小麦タンパク等のタンパク質又はその加工品;寒天、フェヌグリークガム、グアーガム、タラガム、ローカストビーンガム、タマリンドガム、カラギーナン、アラビアガム、大豆多糖類、ペクチン、アルギン酸ナトリウム等の増粘多糖類又はその加工品;こんにゃく粉、グルコマンナン;おからパウダー;等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの中でも、穀粉が好ましく、特に粳米粉が好ましい。粳米粉はアルファ化していない非加熱のもので、広く普及している市販品を使用すれば良い。これらは1種を単独で、若しくは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記した植物由来粉末を含有する場合の魚肉フレーク中の植物由来粉末の含有量は、特に限定されないが、通常、固形分換算で3.3質量%以上28.5質量%以下、好ましくは7.8質量%以上28.5質量%以下、より好ましくは13.8質量%以上22.6質量%以下とすることができる。上記の含有量の範囲内で植物由来粉末を含有させることにより、赤系の色調が強くなって美味しそうな外観とすることができる。また、植物由来粉末を含有させることで、魚肉フレークの密度が高くなって、保形性が向上したり、おにぎりにした場合に味が濃く感じる(ボケにくい)といった効果も得られる。
本実施形態に係る魚肉フレークは、表面が少なくとも部分的に油脂で被覆されてなるものであってもよい。ここで、「(表面が)少なくとも部分的に(被覆されている)」とは、魚肉フレーク表面の一部が油脂で被覆されていれば十分であるという意味であり、表面の全てが油脂で被覆されている場合も含む概念である。
「油脂」としては、例えば、米油、亜麻仁油、エゴマ油、オリーブオイル、グレープシードオイル、コーン油、ごま油、大豆油、なたね油、パーム油、ひまわり油、べに花油、綿実油、ココナッツオイル等の食用油脂、或いは、これらの油脂で香味野菜等の成分を抽出して得られる香味油、食品用香料等が挙げられるが、これらに制限されない。これらは1種を単独で、若しくは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記した油脂で表面が被覆されている場合の魚肉フレーク中の油脂の含有量は、特に限定されないが、通常、固形分換算で6.8質量%以上、好ましくは6.8質量%以上16.4質量%以下、より好ましくは12.1質量%以上16.4質量%以下とすることができる。乾燥処理を行うことにより多孔質化した魚肉フレークは白っぽい色調となるが、上記含有量の範囲内の油脂で魚肉フレーク表面の一部又は全部を被覆することにより、発色が良くなり、赤系の色調が強くなって美味しそうな外観になるといった効果が得られる。
次に、本願に係るふりかけ又は混ぜご飯の素の実施形態について説明する。
本実施形態に係るふりかけ又は混ぜご飯の素は、上記した魚肉フレークを含有することを特徴とする。本実施形態に係るふりかけ又は混ぜご飯の素は、上記した魚肉フレークのみからなるものであってもよい。
「ふりかけ」としては、例えば、米飯用のふりかけの他に、パスタ用、サラダ用のふりかけ、並びに、ご飯に混ぜ込んでおむすびを作る際に使うおむすびの素等が挙げられるが、これらに限定されない。なお、ふりかけの水分含量は特に限定されないが、通常のふりかけと同様に12質量%以下、好ましくは10質量%以下とすることができる。
「混ぜご飯の素」としては、米飯に混ぜ込んで用いるものの他に、生米を炊飯する際に添加して用いる炊き込みご飯の素等も含まれる。
本実施形態のふりかけ又は混ぜご飯の素は、上記した魚肉フレークを含有するものであればよく、当該魚肉フレークが有する魚本来の風味や旨味、美味しそうな色調等を損なわない限り、通常、ふりかけ又は混ぜご飯の素に用いられている「他の原料」を用いて、常法によりふりかけ又は混ぜご飯の素中に含有させることができる。
そのような「他の原料」に関し、ふりかけに含有させるものとしては、例えば、調味顆粒や乾燥具材等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの原料は、いずれか1種又は2種以上を組み合わせて、ふりかけに含有させることができる。
ここで「調味顆粒」としては、例えば、魚介抽出物(鮭エキス等)、魚介粉末(鰹パウダー等)、酵母エキス、昆布エキス、食塩、糖類(砂糖、乳糖、ぶどう糖等)、デキストリン、旨味調味料(グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム等)、アミノ酸類、加工でん粉、香料、色素(紅麹色素、パプリカ色素等)、酸化防止剤(ビタミンE等)等を含有する顆粒等を挙げることができるが、これらに限定されない。
また、「乾燥具材」としては、上記した魚肉を含む原料と同様のものであってもよいし、或いは、これとは異なるものであってもよい。例えば、わかめ、ごま、大根葉、梅、紫蘇、又はこれらの加工品等を挙げることができるが、これらに限定されない。
また、混ぜご飯の素に含有させる「他の原料」としては、例えば、調味液や具材等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの材料は、いずれか1種又は2種以上を組み合わせて、混ぜご飯の素に含有させることができる。
ここで「調味液」としては、例えば、魚介抽出物(鮭エキス等)、魚介粉末(鰹パウダー等)、酵母エキス、昆布エキス、食塩、糖類(砂糖、乳糖、ぶどう糖等)、デキストリン、旨味調味料(グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム等)、アミノ酸類、加工でん粉、香料、色素(紅麹色素、パプリカ色素等)、酸化防止剤(ビタミンE等)等を含有する調味液等を挙げることができるが、これらに限定されない。
また、「具材」としては、上記した魚肉を含む原料と同様のものであってもよいし、或いは、これとは異なるものであってもよい。例えば、鶏肉、牛肉、豚肉、人参、れんこん、しいたけ、たけのこ、又はこれらの加工品等を挙げることができるが、これらに限定されない。
次に、本願に係る魚肉フレークの製造方法の実施形態について説明する。
本実施形態に係る魚肉フレークの製造方法は、次の工程(1)と工程(2)と工程(3)とを有する。この方法により、上記した魚肉フレークを製造することができる。
・工程(1):魚肉を含む原料のみ、もしくは、魚肉を含む原料と加熱処理した魚の皮と、を細砕及び混合する工程。
・工程(2):工程(1)で得られた混合物を乾燥させる工程。
・工程(3):工程(2)で得られた乾燥物をフレーク状に破砕する工程。
工程(1)
本実施形態においては、まず、魚肉を含む原料のみ、もしくは、魚肉を含む原料と加熱処理した魚の皮と、を細砕及び混合する工程(1)を行う。本工程により、魚肉を含む原料とそれに含まれる食品素材及び加熱処理した魚の皮、もしくは、魚肉を含む原料とそれに含まれる食品素材と、がよく混ざり合う。ここで、「魚肉を含む原料」、「加熱処理した魚の皮」及びその含有量については、前述の通りである。
なお、本工程で用いられる「魚肉を含む原料」の形態は特に限定されないが、例えば、ミンチ状、塊状、生鮮凍結品、加熱加工品等であってよい。
本工程で用いられる「加熱処理した魚の皮」の形態も特に限定されず、例えば、粉末状でも、小片状でも、魚肉から取外したままの形状であってもよい。
本工程において加熱処理した魚の皮を混合する場合には、魚肉フレーク中の加熱処理した魚の皮の含有量が前述の通りとなるような割合で、上記した魚肉を含む原料と魚の皮を配合した後、細砕及び混合を行ってミンチ状の混合物を得る。
細砕及び混合する手段としては、加熱処理した魚の皮を上記した大きさに細砕することができ、かつ、上記した魚肉を含む原料及び/又は魚の皮をミンチ状とすることができれば特に限定されないが、例えば、ミンサー、フードプロセッサー等の手段が挙げられる。
本工程では、このようにして得られた混合物に対して、必要に応じて、加熱殺菌を行うことができる。加熱殺菌の手段及び条件としては、上記混合物が十分に殺菌(又は滅菌)されれば如何なるものであってもよいが、例えば、蒸す、茹でる、マイクロ波加熱等の手段により、混合物の中心温度が75℃以上になるような条件で加熱すること等が挙げられる。
なお、後述する工程(2)やそれ以外の工程において同等の加熱殺菌が行われる場合には、上記加熱殺菌は不要である。
本工程においてはさらに、上記した魚肉を含む原料(と魚の皮)に植物由来粉末を添加し、混合することもできる。ここで、「植物由来粉末」及びその好ましい配合量については、前述の通りである。
すなわち、本工程では、魚肉フレーク中の植物由来粉末の含有量が前述の通りとなるような割合で、上記した魚肉を含む原料と魚の皮、もしくは、上記した魚肉を含む原料のみ、に対して、植物由来粉末を配合することができる。
また、必要に応じて、通常魚肉フレークの製造に用い得る「他の材料」を、植物由来粉末と共に、或いはそれとは別に、上記した魚肉を含む原料と魚の皮、もしくは、上記した魚肉を含む原料のみ、に配合することもできる。ここで、「他の材料」としては、魚肉フレークが有する魚本来の風味や旨味、美味しそうな色調等を損なわない限り、特に限定されないが、例えば、魚介抽出物(鮭エキス等)、魚介粉末(鰹パウダー等)、酵母エキス、昆布エキス、食塩、糖類(砂糖、乳糖、ぶどう糖、還元水あめ等)、デキストリン、醤油、みりん、発酵調味料、アミノ酸系調味料、核酸系調味料、食用油脂、色素、香料、酸化防止剤等を挙げることができる。
加えて、後述する工程(3)において乾燥物を破砕する際に生じた魚肉フレークの粉末も、植物由来粉末と共に、或いはそれとは別に、上記した魚肉を含む原料と魚の皮、もしくは、上記した魚肉を含む原料のみ、に配合することができる。破砕時には大量の粉末が発生するため、原料の有効利用が図れる上に、粉末を含有させることで、魚本来の風味や旨味をしっかり感じられる製品が得られることが期待される。なお、この魚肉フレークの粉末は、それ自体も十分に魚本来の風味や旨味を有していることから、それのみでもふりかけ又は混ぜご飯の素として利用することができる。
「魚肉フレークの粉末」としては、上記した魚肉フレークとして好ましい粒径未満のものが挙げられ、具体的には、長辺の長さが0.85mm未満、好ましくは2mm未満の粉末を挙げることができるが、これらに限定されない。
本工程において、魚肉フレークの粉末の配合量は、特に限定されないが、通常、魚肉フレーク中の当該粉末の含有量が固形分換算で0超質量%以上60質量%以下となるような割合とすることができる。
これらの植物由来粉末、他の材料及び魚肉フレークの粉末を、上記した魚肉を含む原料と魚の皮、もしくは、上記した魚肉を含む原料のみ、に添加・混合する時期は、上記した細砕及び混合の前、後又はその途中、上記した加熱殺菌の前、後又はその途中、のいずれであってもよい。また、添加・混合手段も特に限定されない。
工程(2)
次に、上記工程(1)で得られた混合物を乾燥させる工程(2)を行う。本工程では、混合物の水分含量を12質量%以下、好ましくは10質量%以下まで低下させる。
ここで、混合物の形態は特に限定されないが、中心部まで乾燥が容易に行えるような形態、例えば、厚さ5cm以下の板状の形態、直径5cm以下の小塊状の形態等とすることが好ましい。
従って、本工程においては、まず、上記工程(1)で得られた混合物を、そのような形態に成形する前処理を行うことができる。ここで、成形手段は特に限定されない。
乾燥手段としては、魚肉フレークの製造に通常用いられる手段であればよく、例えば、凍結乾燥法、熱風乾燥法、真空乾燥法等を挙げることができる。
凍結乾燥法の場合、特に限定されないが、例えば、-50℃以上-20℃以下で予備凍結を行った後、真空凍結乾燥機で凍結乾燥する方法が挙げられる。
熱風乾燥法の場合、特に限定されないが、例えば、55℃以上95℃以下の温度にて、好ましくは60℃以上90℃以下の温度にて、熱風乾燥する方法が挙げられる。熱風乾燥する時間については、所定の水分含量以下になるまで乾燥させれば良く、特に限定されないが、通常、30分~5時間であり、好ましくは1~3時間である。
工程(3)
次に、上記工程(2)で得られた乾燥物をフレーク状に破砕する工程(3)を行う。本工程により、上記した魚肉フレークを製造することができる。ここで、「魚肉フレーク」については、前述の通りである。
破砕手段としては、魚肉フレークの製造に通常用いられる手段であればよく、例えば、ハンマー、破砕機等を挙げることができる。
このようにして得られた破砕物を魚肉フレークとすることができるが、そのままでは、食品用、特にふりかけ又は混ぜご飯の素に用いるには、粒径が大き過ぎる場合がある。
従って、本工程では、さらに、篩を用いて上記破砕物を整粒し、適宜大きさの魚肉フレークとしてもよい。例えば、100%4メッシュ(目開き:4.75mm)パス、100%18メッシュ(目開き:0.85mm)オンさせて、ふりかけ又は混ぜご飯の素用として好ましい大きさの魚肉フレークを得ることができるが、これに限定されない。
本工程では、さらに、上記で得られた破砕物の表面を少なくとも部分的に上記した油脂で被覆することができる。これにより、表面が少なくとも部分的に油脂で被覆されてなる魚肉フレークを製造することができる。ここで、「油脂」及びその含有量としては、上記した通りである。
すなわち、本工程では、魚肉フレーク中の油脂の含有量が前述の通りとなるような割合で、上記破砕物の表面を少なくとも部分的に油脂で被覆することができる。
被覆手段としては、特に限定されないが、例えば、上記破砕物に油脂を滴下した後、混合することにより油脂を均一化する方法や、上記破砕物に油脂を塗布する方法や、上記破砕物に油脂を噴霧する方法、等が挙げられる。
次に、本願に係るふりかけ又は混ぜご飯の素の製造方法の実施形態について説明する。
本実施形態に係るふりかけ又は混ぜご飯の素の製造方法は、前記魚肉フレークの製造方法により魚肉フレークを得る工程;及び、得られた魚肉フレークを他の原料に添加する工程;を含むことを特徴とする。
すなわち、本実施形態に係るふりかけ又は混ぜご飯の素の製造方法は、上記した工程(1)~(3)と、後述する工程(4)と、を有する。この方法により、上記魚肉フレークを含有する、上記したふりかけ又は混ぜご飯の素を製造することができる。
・工程(4):工程(3)で得られた魚肉フレークを他の原料に添加する工程。
工程(4)
本工程においては、工程(3)で得られた魚肉フレークを他の原料に添加する。ここで、「他の原料」としては、[0040]で説明したように、通常、ふりかけ又は混ぜご飯の素に用いられている原料であって、上記魚肉フレークが有する魚本来の風味や旨味、美味しそうな色調等を損なわないものであれば、特に限定されない。
本実施形態のふりかけの製造方法における「他の原料」として、具体的には、調味顆粒や乾燥具材等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの原料は、いずれか1種又は2種以上を組み合わせて、ふりかけに含有させることができる。ここで、「調味顆粒」及び「乾燥具材」については、前述の通りである。
本実施形態の混ぜご飯の素の製造方法における「他の原料」として、具体的には、調味液や具材等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの材料は、いずれか1種又は2種以上を組み合わせて、混ぜご飯の素に含有させることができる。ここで、「調味液」及び「具材」については、前述の通りである。
本工程では、上記した如き他の原料に対し、魚肉フレークを常法により添加することにより、ふりかけ又は混ぜご飯の素を製造することができる。また、このようにして得られたふりかけ又は混ぜご飯の素について、適宜容器詰めし、密閉することができる。さらに必要に応じて、加熱殺菌を行ってもよい。
次に、本実施形態に係る魚肉フレーク及びその製造方法による効果について説明する。
第一の実施形態の魚肉フレークは、加熱処理した魚の皮の細砕物を含有する。通常廃棄される皮部分には、旨味が多い油分も豊富に含まれている。それゆえ、魚肉を含む原料と共に、加熱処理した魚の皮を細砕及び混合することで、魚本来の風味や旨味を強化した魚肉フレークとすることができる。また、通常は廃棄される魚の皮を活用することで、原料コストが抑えられるだけでなく、廃棄物の処理負担を軽減することもできる。
また、乾燥処理により多孔質化した魚肉フレークは白っぽい色調となるが、加熱処理した魚の皮を細砕物として含有させることによって、美味しそうな赤系の色調を付与することができる。それ以外に、当該細砕物は、魚肉フレークに適度な硬さや保形性を付与する効果も有する。
また、第二の実施形態の魚肉フレークは、植物由来粉末を含有する。魚肉を含む原料から出るドリップにより、魚肉フレークが白っぽくなり、色ムラができる場合があるが、魚肉フレークに植物由来粉末を配合することによって、ドリップを抑制し、色ムラを防止することができる。
また、植物由来粉末を配合することで、味が濃く感じられる(ボケにくい)魚肉フレークとすることができる。これは、魚肉フレークの密度が高くなり、米飯から水分が移行し難くなって、味が薄まり難くなるためと推測される。
さらに、魚肉フレークに植物由来粉末を配合することで、魚肉フレークに美味しそうな赤系の色調を付与することができる。
また、第三の実施形態の魚肉フレークは、表面が少なくとも部分的に油脂で被覆されてなる。魚肉フレークの表面を少なくとも部分的に油脂で被覆することによって、発色が良くなり、美味しそうな色調を有する魚肉フレークとすることができる。
また、魚肉フレークの水分含量を12質量%以下、好ましくは10質量%以下とすることにより、保存性及び携帯性に優れた魚肉フレークとすることができる。
本実施形態の魚肉フレークの製造方法において、乾燥処理後の原料をフレーク状に破砕する際に発生する魚肉フレークの粉末も、捨てずに魚肉を含む原料と魚の皮に添加・混合して活用することができる。これにより、原料の有効利用が図れる上に、魚肉由来の風味や旨味をしっかり感じられる魚肉フレークを製造することができる。
以下に、本実施の形態を実施例等により説明するが、本実施の形態はこれらによって何ら制限されるものではない。なお、以下において、単に「%」とあるのは、「質量%(固形分換算)」を示している。
製造例1~15(鮭皮及び米粉の含有量を変化させた鮭フレークの製造)
表1、表2に示す原料を、乾燥固形分としてこれらの表に示す混合比になるように配合して、鮭フレークを製造した。鮭肉として、焼いた塩鮭の身をほぐしたものを用いた。鮭皮として、オーブンで250℃、6分間焼いた鮭の皮を適当な大きさに切断したものを用いた。米粉として、粳米粉末(みたけ食品工業株式会社製)を用いた。なお、鮭肉と鮭皮をフリーズドライ処理し、乾燥固形分を求めた結果、鮭肉は乾燥固形分33.1%、鮭皮は乾燥固形分40.4%だった。
鮭肉、鮭皮、米粉、食塩、砂糖を、ポリ袋の中で捏ね上げて手動式ミートミンサーに通した。出てきたミンチを厚さ1.5cm程度の板状に成形した後、蒸し器で中心温度が75℃以上になるように加熱した。これをフリーズドライすることにより、水分が5%以下になるまで乾燥を実施した。
その後、乾燥された板状物をハンマー及びパワーミルでフレーク状に細砕し、さらに振動篩を用いて4メッシュ(目開き:4.75mmの篩)パス、18メッシュ(目開き:0.85mmの篩)オンさせて、鮭フレーク(製造例1~15)を製造した。
製造例16~21(米油の含有量を変化させた鮭フレークの製造)
乾燥固形分として表3に示す混合比になるように、鮭肉、鮭皮、米粉、食塩、砂糖を配合して上記と同様に鮭フレークを製造した。次いで、得られた鮭フレークに対し、乾燥固形分として表3に示す割合の米油(米糠油)を滴下し、混ぜ合わせることで、表面がまんべんなく米油で被覆された鮭フレーク(製造例16~21)を製造した。
官能評価試験
得られた鮭フレーク(製造例1~21)並びにコントロール(鮭ミンチ、食塩、砂糖のみ)について、官能評価試験を行った。官能評価は、5名のパネラーにより、下記の評価基準にて実施した。なお、より詳細な評価が行えるようにするため、下記の各評価基準の中間値での評価も可能とし、1~7点の間で0.5点刻みの13段階評価とした。(「外観(鮭らしさ、色ムラの無さ)」の評価のみ、1~4点の間で0.5点刻みの7段階評価とした。)評価結果は表1~表3に平均値で示す。
<評価項目>
・外観(赤系色の濃さ):美味しそうな赤系の色が濃いと高スコアになる。
7点:赤系の色がかなり濃い。
6点:赤系の色が濃い。
5点:赤系の色がやや濃い。
4点:コントロールと同等レベルである。
3点:赤系の色がやや薄い。
2点:赤系の色が薄い。
1点:赤系の色がかなり薄い。
・外観(鮭らしさ、色ムラの無さ):色ムラ(焼皮の黒い部分や白っぽい部分)が無く鮭らしい外観であれば高スコア、色ムラが多く鮭として違和感を抱く外観であれば低スコアになる。
4点:コントロールと同等レベルである。
3点:色ムラが少なく、鮭らしい外観である。
2点:色ムラがやや多く、違和感を抱く外観である。
1点:色ムラが多く、かなり違和感を抱く外観である。
・外観(総合評価)
7点:総合的に見てかなり好ましい外観である。
6点:総合的に見て好ましい外観である。
5点:総合的に見てやや好ましい外観である。
4点:コントロールと同等レベルである。
3点:総合的に見てやや好ましくない外観である。
2点:総合的に見て好ましくない外観である。
1点:総合的に見てかなり好ましくない外観である。
・食感(硬さ):ほど良い硬さがあると高スコア、硬くて噛めなかったり軟らかすぎたりすると低スコアになる。
7点:かなり好ましい硬さである。
6点:好ましい硬さである。
5点:やや好ましい硬さである。
4点:コントロールと同等レベルである。
3点:やや好ましくない硬さである。
2点:好ましくない硬さである。
1点:かなり好ましくない硬さである。
・保形性:脆く形が崩れれば低スコア、硬くても形を維持していれば高スコアになる。
7点:保形性がかなり高い。
6点:保形性が高い。
5点:保形性がやや高い。
4点:コントロールと同等レベルである。
3点:保形性がやや弱い。
2点:保形性が弱い。
1点:保形性がかなり弱い。
・香り(焼鮭感):焼鮭本来の香りが強ければ高スコアになる。
7点:焼鮭本来の香りがかなり強い。
6点:焼鮭本来の香りが強い。
5点:焼鮭本来の香りがやや強い。
4点:コントロールと同等レベルである。
3点:焼鮭本来の香りがやや弱い。
2点:焼鮭本来の香りが弱い。
1点:焼鮭本来の香りがかなり弱い。
・香り(生臭さ):生臭さが強ければ低スコアになる。
7点:生臭さがかなり弱い。
6点:生臭さが弱い。
5点:生臭さがやや弱い。
4点:コントロールと同等レベルである。
3点:生臭さがやや強い。
2点:生臭さが強い。
1点:生臭さがかなり強い。
・香り(総合評価)
7点:総合的にかなり好ましい香りである。
6点:総合的に好ましい香りである。
5点:総合的にやや好ましい香りである。
4点:コントロールと同等レベルである。
3点:総合的にやや好ましくない香りである。
2点:総合的に好ましくない香りである。
1点:総合的にかなり好ましくない香りである。
・味(焼鮭感):焼鮭本来の味が強ければ高スコアになる。
7点:焼鮭本来の味がかなり強い。
6点:焼鮭本来の味が強い。
5点:焼鮭本来の味がやや強い。
4点:コントロールと同等レベルである。
3点:焼鮭本来の味がやや弱い。
2点:焼鮭本来の味が弱い。
1点:焼鮭本来の味がかなり弱い。
・味(えぐみ):えぐみが強ければ低スコアになる。
7点:えぐみがかなり弱い。
6点:えぐみが弱い。
5点:えぐみがやや弱い。
4点:コントロールと同等レベルである。
3点:えぐみがやや強い。
2点:えぐみが強い。
1点:えぐみがかなり強い。
・味(総合評価)
7点:総合的にかなり好ましい味である。
6点:総合的に好ましい味である。
5点:総合的にやや好ましい味である。
4点:コントロールと同等レベルである。
3点:総合的にやや好ましくない味である。
2点:総合的に好ましくない味である。
1点:総合的にかなり好ましくない味である。
表1は、鮭フレーク全体における鮭皮の含有量を0%~13.8%まで変化させた製造例1~9の鮭フレークについての評価結果を示す。
外観については、鮭皮の含有量が増えるほど美味しそうな赤系の色が濃くなるものの、多すぎると鮭皮の黒い細砕物が異物として認識されてしまい好ましくないことが分かった。食感・保形性については、鮭皮の含有量が増えるほど保形性が向上するものの、多すぎると少し硬めになって好ましくないことが分かった。香りと味については、鮭皮の含有量が増えるほど鮭本来の風味が強化されるものの、多すぎると生臭みやえぐみが出てしまい好ましくないことが分かった。
以上から、魚肉フレーク中の加熱処理した魚の皮の細砕物の含有量は、固形分換算で0.6%以上10.2%以下、好ましくは1.8%以上10.2%以下、より好ましくは2.9%以上10.2%以下、さらに好ましくは2.9%以上8.0%以下とすることが望ましいことが分かった。
※DW%:乾燥質量%
表2は、鮭フレーク全体における米粉の含有量を固形分換算で0%~28.4%まで変化させた製造例10~15の鮭フレークについての評価結果を示す。
外観については、米粉の含有量が増えるほど美味しそうな赤系の色が濃くなるものの、鮭らしさ(色ムラ)には影響を与えない(米粉0%の製造例10と同等評価である)ことが分かった。食感・保形性については、米粉の含有量が増えるほど保形性が向上するものの、多すぎると硬くなり過ぎて好ましくないことが分かった。一方、香りと味については、米粉の含有量による影響は認められなかったため、評価結果は省略した。
以上から、魚肉フレーク中の植物由来粉末(米粉)の含有量は、固形分換算で3.3%以上28.5%以下、好ましくは7.8%以上28.5%以下、より好ましくは13.8%以上22.6%以下とすることが望ましいことが分かった。
※DW%:乾燥質量%
表3は、鮭フレーク全体における米油の含有量を0%~19.8%まで変化させた製造例16~21の鮭フレークについての評価結果を示す。
外観については、米油の含有量が増えるほど美味しそうな赤系の発色が良くなるものの、多すぎるとベタベタ感が出て好ましくないことが分かった。また、米油の含有量が少なくても、均一に塗布すれば鮭らしい外観(色ムラ)に影響を与えなかった。その他の食感・保形性、香り及び味については、米油の含有量による影響は認められなかった。
以上から、魚肉フレーク中の油脂の含有量は、固形分換算で6.8%以上16.4%以下、好ましくは12.1%以上16.4%以下とすることが望ましいことが分かった。なお、米油以外にコーン油、なたね油、パーム油、ひまわり油、べに花油でも同様な効果が得られた。
※DW%:乾燥質量%
製造例22~26(鮭フレークを用いたおむすびの製造及び評価)
表4に示す原料を、乾燥固形分として表4に示す混合比になるように配合して、上記と同様にして鮭フレークを製造した。得られた鮭フレークを、炊きあがったばかりの米飯320g(1合分)に10g混ぜ込んだ後、当該米飯を8分割し、1個あたり40gの俵型おむすび(製造例22~26)を製造した。
得られたおむすび(製造例22~26)並びにコントロール(鮭肉、食塩、砂糖のみの鮭フレークを用いたおむすび)について、官能評価試験を行った。官能評価は、製造後約10分経過したおむすびを用いて、上記の「外観(総合評価)」、「食感(硬さ)」、「香り(総合評価)」、「味(総合評価)」の評価基準にて、上記と同様に実施した。評価結果は表4に平均値で示す。
外観については、評価が低かった製造例1の鮭フレークと評価が高かった製造例19の鮭フレークと同じ組成の鮭フレークを用いて製造したおむすびが、同じ評価結果となった。このことから、鮭フレークを米飯に混ぜ込むと、外観の差は少なくなることが示された。鮭フレークに米飯からの水分が移行して、鮭フレークの発色が良くなるためと推測された。
食感(硬さ)については、米粉の含有量が固形分換算で22.5%になると、おむすびにしても硬いことが分かった。しかし、おむすび製造後30分程度経過すると、米飯からの水分が移行して鮭フレークが軟化し、好ましい食感(硬さ)となった。このことから、例えば、製造後時間が経過した後に食するような中食用の弁当、おむすび等に用いられる魚肉フレークにおいては、米粉の含有量が22.5%超であっても好適な範囲に含めることができるものと考えられる。
香りと味については、鮭皮を含有させることで、焼鮭感が向上し、美味しいおむすびが製造できることが分かった。また、米粉を含有させることで鮭フレークに硬さが出て、おむすびにした時に味がぼやけ難い(味が濃く感じる)ことが分かった。これは、米粉により鮭フレークの密度が高くなり、米飯からの水分が移行し難くなったためと推測された。
※DW%:乾燥質量%
以上、本発明の実施の形態及び実施例について詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、鮭肉と焼鮭皮を共に細砕及び混合して得られた鮭フレークについて説明したが、これに限定されるものではなく、鮭と鮭以外の魚肉も含む原料と、鮭と鮭以外の魚の皮を揚げ、炒め等の加熱処理した物を、共に細砕及び混合することで、鮭風味を有する魚肉フレークを製造することもできる。
本発明によれば、加熱処理した魚の皮の細砕物を含有させるか、植物由来粉末を含有させるか、あるいは、表面を少なくとも部分的に油脂で被覆することにより、魚本来の風味や旨味が十分に感じられ、かつ/又は、美味しそうな外観を有する魚肉フレークを提供することができる。従って、本発明は、食品産業において貢献することが期待される。

Claims (14)

  1. 加熱処理した魚の皮の細砕物を固形分換算で0.6質量%以上10.2質量%以下含有し、水分含量が12質量%以下である魚肉フレーク。
  2. さらに植物由来粉末を含有する、請求項1に記載の魚肉フレーク。
  3. 表面が少なくとも部分的に油脂で被覆されてなる、請求項1又は2に記載の魚肉フレーク。
  4. 加熱処理した魚の皮の細砕物を固形分換算で0.6質量%以上10.2質量%以下含有し、でん粉含有穀粉を含有する魚肉フレーク。
  5. 前記でん粉含有穀粉が、米粉(粳、糯)、小麦粉(全粒粉、薄力粉、中力粉、強力粉)、大麦粉、ライ麦粉、大豆粉、トウモロコシ粉、テフ粉、ヒエ粉、ヒヨコマメ粉、エンドウマメ粉、緑豆粉、アマランサス粉からなる群より選ばれた1種以上のものである、請求項4に記載の魚肉フレーク
  6. 表面が少なくとも部分的に油脂で被覆されてなり、かつ、魚肉フレーク中の当該油脂の含有量が6.8質量%以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載の魚肉フレーク。
  7. 前記魚肉及び前記加熱処理した魚の皮が、サケ科サケ属に属するシロサケ、カラフトマス、ベニザケ、マスノスケ、ギンザケ、サクラマス、ニジマス、カットスロート、並びに、サケ科サルモ属に属するブラウントラウト、タイセイヨウサケからなる魚類の群より選ばれた1種以上のものである、請求項1~6のいずれか1項に記載の魚肉フレーク。
  8. 前記加熱処理した魚の皮が、焼いた魚の皮である、請求項1~7のいずれか1項に記載の魚肉フレーク。
  9. 前記植物由来粉末が粳米粉である、請求項2、3及び6~8のいずれか1項に記載の魚肉フレーク。
  10. 前記油脂が米油である、請求項3及び~9のいずれか1項に記載の魚肉フレーク。
  11. 請求項1~10のいずれか1項に記載の魚肉フレークを含有する、ふりかけ又は混ぜご飯の素。
  12. 魚肉を含む原料と加熱処理した魚の皮と、を細砕及び混合する工程;
    得られた混合物を乾燥させる工程;及び、
    得られた乾燥物をフレーク状に破砕する工程;を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載された魚肉フレークの製造方法。
  13. 魚肉を含む原料と、加熱処理した魚の皮と、植物由来粉末(但し、ごまを除く)と、を細砕及び混合する工程;
    得られた混合物を乾燥させる工程;
    得られた乾燥物をフレーク状に破砕する工程;及び、
    得られた破砕物の表面を少なくとも部分的に油脂で被覆する工程;を含む魚肉フレークの製造方法。
  14. 請求項12又は13に記載の魚肉フレークの製造方法により魚肉フレークを得る工程;及び、
    得られた魚肉フレークを他の原料に添加する工程;を含む、ふりかけ又は混ぜご飯の素の製造方法。
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